JP5911987B1 - レーザ測距装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に透明層が形成された反射部材を用いたレーザ測距装置において、迷光の発生を低減する。【解決手段】測距装置(1)は、偏向部材(3)の表面に遮光部(17)を備えている。遮光部(17)は、発光素子(2)から出射されたレーザ光(LL)を外部に向けて反射させる入射光反射部と、外部の物体により反射した測定光(RL)を受光素子(8)に向けて反射させる測定光反射部との境界部に設けられている。【選択図】図1
Description
本発明はレーザ光を走査して距離を測定するレーザ測距装置に関する。
レーザ光を走査して距離を測定する装置(レーザ測距装置)として、特許文献1〜4に記載された装置が知られている。特許文献1〜4に記載のレーザ測距装置は、光源からの出射光を偏向部材(反射部材)で反射させ、対象物(被測定物)からの反射光を検出する。
例えば、特許文献3、4に記載のレーザ測距装置は、発光器(光源)から出射されたレーザ光の方向を偏向部材(反射部材)の中央部で反射させることによって偏向させる構成となっており、さらにこの偏向部材を回転させることにより監視領域を周期的にレーザ光で走査する。該監視領域に対象物が存在すれば、前記レーザ光はその対象物の表面で拡散反射され、拡散反射された光が偏向部材の周辺部で反射させることにより光検出器に向けて反射され、光検出器において検出される。偏向部材の角度設定から対象物の角度位置が推定され、更にレーザ光の通過時間と光の速度とに基づいてレーザ測距装置から対象物までの距離が推定される。
一方、このようなレーザ測距装置では、様々な偏向部材が使用されている。例えば、特許文献1および2に記載のレーザ測距装置では、金またはアルミニウムなどの金属膜が形成されている偏向面(反射面)をもつ偏向部材が使用されている。
特許文献1および2に記載のレーザ測距装置では、偏向面に特に金またはアルミニウムなどの金属膜が形成されている偏向ミラーが、偏向部材(反射部材)として使用されている。このような方式のミラーにおいては、金属膜の表面で光を反射する。しかし、金属膜の表面での反射を利用したミラーは、表面に非常に薄い金属膜が形成されているという特性上、金属膜の表面にキズが付きやすい。このため、金属膜の表面に、金属膜を保護するための透明層を保護膜として形成する場合がある。
また、上記の金属膜を用いた偏向ミラー以外の方式としては、誘電多層膜ミラーを偏向部材(反射部材)として使用する方式が考えられる。誘電多層膜ミラーは、高屈折率の誘電体層と低屈折率の誘電体層とを交互に多層重ねた反射膜を備え、高屈折率の誘電体層と低屈折率の誘電体層との界面で光を反射する。このような誘電多層膜ミラーは、一般的に、金属膜での反射を利用したミラーよりも表面のキズに強いうえに反射効率が高い。
しかし、上述のいずれの方式のミラーを用いる場合であっても、表面に透明層が形成された偏向部材を用いた場合、透明層の内部に光が浸入し、偏向部材から迷光が生じるという問題が発生する。
具体的には、例えば、特許文献3および4に記載のレーザ測距装置は、光源から出射されたレーザ光の方向を偏向部材の中央部で偏向させて外部に出射したうえで、対象物(被測定物)からの反射光を偏向部材の周辺部で偏向させて光検出器側に光を導く構成となっている。この場合、偏向部材の表面に透明層が形成されていると、光源から出射され偏向部材の中央部に入射したレーザ光の一部の光が、偏向部材の周辺部にしみ出しを起こすことにより、迷光が発生する。
ここでいう、光のしみ出しとは、偏向部材の表面に形成された透明層の表面から透明層内に入射した光の全てが偏向面(反射面)での1回の反射により透明層の表面から外部に出射されるのではなく、その光の一部が偏向面と透明層の表面との間で複数回の反射を繰り返して、透明層の内部に光が侵入する現象である。透明層の内部に光が浸入すると、侵入した光が偏向面(反射面)と透明層の表面との間で複数回の反射を繰り返した後に、最終的に、本来意図した部位から外れた位置から、光が偏向部材の外部に放出される。このようにして放出された光が本来意図しない光、すなわち「迷光」となる。このような迷光が光検出器で検出されると、対象物からの反射光と誤認識されるため、正確な測定ができなくなる。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、表面に透明層が形成された反射部材を用いたレーザ測距装置において、迷光の発生を低減することにある。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーザ測距装置は、レーザ光を出射する発光部と、前記レーザ光が外部の物体により反射した測定光を受光する受光部と、表面に透明層が形成された反射面、前記発光部から出射されたレーザ光を外部に向けて反射させる入射光反射部、および、前記外部の物体により反射した測定光を前記受光部に向けて反射させる測定光反射部を有する反射部材と、前記反射部材の表面における、前記入射光反射部と測定光反射部との境界部の少なくとも一部に設けられた遮光部とを備えていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、表面に透明層が形成された反射部材を用いたレーザ測距装置において、迷光の発生を低減することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施形態1〕
(測距装置1(レーザ測距装置)の構成)
実施形態1に係る測距装置1の構成を図1〜図4に基づいて説明する。
(測距装置1(レーザ測距装置)の構成)
実施形態1に係る測距装置1の構成を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る測距装置1(レーザ測距装置)の構成を示す正面断面図である。図2は、測距装置1の構成を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、測距装置1は、レーザ光LLを出射する発光素子2(発光部)を備えている。発光素子2は、板金により構成された固定部材15の側面に取り付けられている。発光素子2から出射されたレーザ光LLは、レンズ11により平行光に変換される。レンズ11により平行光に変換されたレーザ光LLは、ミラー12により反射される。
測距装置1は、ミラー12により反射されたレーザ光LLをさらに反射する略正方形の板状の偏向部材3(反射部材)を備えている。偏向部材3は、ミラー12により反射されたレーザ光LLの進行方向に対して約45度傾斜した方向に沿って配置されており、取付部材13に取り付けられている。
偏向部材3は、ガラスミラーなどの光学素子から形成されている。偏向部材3は、反射面3aと、反射面3aの表面に形成された透明層3bとを備えている。反射面3aは、例えば、鏡面加工されたガラス、金またはアルミニウムなどの金属膜から形成される。透明層3bは、反射面3aを保護するものであり、本実施形態では、誘電体多層膜から形成されている。つまり、本実施形態の偏向部材3は、反射面3aの表面に誘電体差層膜からなる透明層3bがコーティングされた、誘電体多層膜ミラーである。誘電体多層膜は反射率が高いため、透明層3bとして誘電体多層膜を用いることによって、偏向部材3に入射した光を高効率で反射させることができる。
取付部材13は、回転軸RXの周りに回転するモータ14に固定されている。モータ14は、固定部材15の上部に固定されている。偏向部材3は、レーザ光LLの入射方向に沿った回転軸RXに沿ってモータ14により回転可能である。
偏向部材3の中央部には、レーザ光通過部材9(光路部材)が設けられている。レーザ光通過部材9は、逆L字型の配管から構成されている。レーザ光通過部材9には、断面円形状の光路9a、9bが形成されている。光路9a、9bは、レーザ光LLを通過させる孔部(管状の穴部)となっている。光路9aは、発光素子2から出射されたレーザ光LLを、偏向部材3に入射させる。光路9bは、光路9aを経て偏向部材3に入射したレーザ光LLを外部に向けて出射させる。光路9aは、ミラー12により反射されたレーザ光LLの広がり成分を遮断するようにレーザ光LLを垂直方向に通過させる。光路9bは、偏向部材3により反射されたレーザ光LLの広がり成分を遮断するようにレーザ光LLを水平方向に通過させる。
このように、ミラー12により反射されたレーザ光LLがレーザ光通過部材9に入射すると、光路9aを通過して偏向部材3に導かれる。偏向部材3で反射されたレーザ光LLは、光路9bを通過して外部に出射される。
また、レーザ光通過部材9には、逆L字型の配管の折曲部(光路9aと光路9bとの接合部)が斜めに切断されることにより開口部が形成されており、この開口部が偏向部材3の表面の中央部に接触している。偏向部材3の表面と光路9aの外面との間には、偏向部材3によって生じた迷光を遮光する遮光部17が形成されている。後述のように、本実施形態では、遮光部17は接着剤が塗装されたものである。したがって、遮光部17が形成された領域で、偏向部材3とレーザ光通過部材9(光路9a)とが接着される。遮光部17の詳細については後述する。
測距装置1には、発光素子2と偏向部材3とレーザ光通過部材9と取付部材13とモータ14と固定部材15とを覆うように設けられたカバー5が設けられている。なお、図2ではカバー5を省略して示している。カバー5には、レーザ光通過部材9を通過したレーザ光LLを透過させるための光透過部6が形成されている。
レーザ光通過部材9の光路9bを通過したレーザ光LLは、カバー5の光透過部6を透過して、外部空間に投光される。外部空間に物体が存在すれば、レーザ光LLはその物体の表面で反射され、その反射光である測定光RLがカバー5の光透過部6をレーザ光LLとは逆方向から再度透過する。
このように、発光素子2から出射されたレーザ光LLと、外部空間の物体により反射された測定光RLとは同経路を進行し、共にカバー5の光透過部6を透過する。透過された測定光RLは偏向部材3により反射され、反射された光は固定部材15の底部に固定されたレンズ16により集光されて受光素子(受光部)8に到達する。
測距装置1は、演算処理装置10を有している。演算処理装置10は、発光素子2から投光されたレーザ光LLのレーザパルスと、物体により反射されて受光素子8が受光した測定光RLのレーザパルスとの間の時間差に基づいて物体までの距離を求める。
(偏向部材3およびレーザ光通過部材9)
次に、図3に基づいて、偏向部材3およびレーザ光通過部材9について詳細に説明する。図3は、測距装置1の偏向部材3の平面図である。
次に、図3に基づいて、偏向部材3およびレーザ光通過部材9について詳細に説明する。図3は、測距装置1の偏向部材3の平面図である。
偏向部材3は、発光素子2から出射されミラー12で反射されたレーザ光LLが入射し、その入射光(レーザ光LL)を外部に向けて出射させる入射光反射領域(入射光反射部)3cと、外部の物体で反射された測定光RLを受光素子8(図1、2参照)に向けて反射させる測定光反射領域(測定光反射部)3dとを備えている。
具体的には、本実施形態では、図3に示すように、偏向部材3の表面の中央部に円形の入射光反射領域3cが形成されており、入射光反射領域3cの周辺部に測定光反射領域3dが形成されている。そして、入射光反射領域3cの外縁部に沿って、レーザ光通過部材9の折曲部(光路9aと光路9bとの接合部)に形成された開口部が接触している。
これにより、発光素子2から出射されミラー12により反射されたレーザ光LLが、レーザ光通過部材9の光路9aの開口(レーザ光通過孔)から光路9aに入射し、光路9aを通過し、偏向部材3の入射光反射領域3cに入射する。入射光反射領域3cに入射したレーザ光LLは、入射光反射領域3cにより約90°偏向され、光路9bを通過し外部に向けて出射される。このように、レーザ光通過部材9は、ミラー12により反射されたレーザ光LLを、偏向部材3の入射光反射領域3cに入射させ、測定光反射領域3dに入射させないように構成されている。
一方、外部に出射されたレーザ光LLは、外部空間に物体が存在すれば、その物体の表面で反射され、測定光RLがレーザ光LLとは逆方向から偏向部材3に再度入射する。測定光RLは、レーザ光通過部材9(光路9a、9b)を介さずに、偏向部材3の測定光反射領域3dに入射する。測定光反射領域3dに入射した測定光RLは、測定光反射領域3dにより約90°反射され、受光素子8に向けて出射される。
このように、レーザ光通過部材9は、入射光反射領域3cに入射させるレーザ光と、測定光反射領域3dに入射させる測定光RLとを空間的に分離している。また、レーザ光通過部材9は、偏向部材3の表面に接触している。さらに、レーザ光通過部材9の光路9aは、レーザ光LLを通過させる孔部となっており、光路9aによって、発光素子2から出射されたレーザ光LLの偏向部材3への入射領域が、入射光反射領域3cに制限される。
なお、偏向部材3における入射光反射領域3cおよび測定光反射領域3dの形状および面積は、図3の構成に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
(遮光部17の形成方法)
次に、図4に基づき、遮光部17の形成方法について説明する。図4は、測距装置1における遮光部17の形成方法を示す図である。
次に、図4に基づき、遮光部17の形成方法について説明する。図4は、測距装置1における遮光部17の形成方法を示す図である。
本実施形態では、図4に示すように、遮光部17は、偏向部材3とレーザ光通過部材9との接着部17aの表面を、塗料により塗装することによって形成されている。すなわち、遮光部17を形成するには、まず偏向部材3の表面とレーザ光通過部材9の光路9aの外面との間に、接着部17aを形成する。光路9aの外面には図示しないポケットが形成されている。接着部17aは、このポケットに透明接着剤を充填することによって形成することができる。次に、同様にして、このポケットに遮光性塗料を充填する。これにより、接着部17aの表面が遮光性塗料によって塗装された遮光部17が形成される。このように、接着部17aの表面に遮光性塗料を塗布するという簡単な工程により、遮光部17を形成することができる。
なお、図4では、接着部17aの表面を遮光性塗料により塗装し、接着部17aと遮光部17とが同じ領域に形成されている。しかし、偏向部材3の表面に直接遮光性塗料を塗布することによって、遮光部17を形成してもよい。つまり、接着部17aと遮光部17とを別々の領域に形成してもよい。この場合も、偏向部材3の表面に遮光性塗料を塗布するという簡単な工程により、遮光部17を形成することができる。
また、図4では、遮光部17は、透明接着剤からなる接着部17aを遮光性塗料によって塗装して形成されている。しかし、遮光部17は、遮光性接着剤から形成することもできる。これにより、遮光部17が、偏向部材3による迷光を遮光する機能と、偏向部材3およびレーザ光通過部材9を接着する機能とを兼ね備える。また、偏向部材3とレーザ光通過部材9との接着と、遮光部17の形成とを同時に実施することができる。したがって、測距装置1の構成および製造工程を簡素化することができる。
(測距装置1の動作)
図5は、偏向部材3によって生じる迷光を示す図であって、図5の(a)は比較例の測距装置91における迷光STL1の進行を説明するための正面断面図であり、図5の(b)は実施形態1に係る測距装置1における迷光STL1の進行を説明するための正面断面図である。
図5は、偏向部材3によって生じる迷光を示す図であって、図5の(a)は比較例の測距装置91における迷光STL1の進行を説明するための正面断面図であり、図5の(b)は実施形態1に係る測距装置1における迷光STL1の進行を説明するための正面断面図である。
図5の(a)に示すように、比較例の測距装置91では、接着部17aが透明であるのに対し、図5の(b)に示すように、測距装置1では、透明な接着部17aの表面が遮光性塗料で塗装された遮光部17が形成されている。
図5の(a)に示すように、表面に透明層3bが形成された偏向部材3を用いた場合、透明層3bの内部に光が浸入し、偏向部材3から迷光STL1が生じる。具体的には、偏向部材3の表面に透明層3bが形成されていると、発光素子2から出射され偏向部材3の中央部(入射光反射領域3c)に入射したレーザ光LLの一部の光が、偏向部材3の周辺部(測定光反射領域3d)にしみ出しを起こすことにより、迷光SLTが発生する。
ここでいう、光のしみ出しとは、偏向部材3の表面に形成された透明層3bの表面から透明層3b内に入射したレーザ光LLの全てが反射面3aでの1回の反射(正反射)により透明層3bの表面から外部に出射されるのではなく、レーザ光LLの一部が反射面3aと透明層3bの表面との間で複数回の反射を繰り返して、透明層3bの内部にレーザ光LLが侵入する現象である。透明層3bの内部にレーザ光LLが浸入すると、侵入したレーザ光LLが反射面3aと透明層3bの表面との間で複数回の反射を繰り返した後に、最終的に、本来意図した部位から外れた位置から(測定光反射領域3dから接着部17aを介して)、レーザ光LLが偏向部材3の外部に放出される。このようにして放出された光が「迷光STL1」となる。このような迷光STL1がレンズ16を通って受光素子8で検出されると、測定対象物からの測定光RLと誤認識される。したがって、図5の(a)に示す比較例の測距装置91では、正確な測定ができなくなる。
特に、発光素子2から出射されるレーザ光LLは、測定対象物で反射された測定光RLに比べて、圧倒的に強い光である。このため、ごく僅かな迷光STL1でも受光素子8で検出されると、測定精度の低下に大きく影響する。また、レーザ光通過部材9の光路9aによって、レーザ光LLの偏向部材への入射領域を入射光反射領域3cに制限しても、この迷光STL1は透明な接着部17aから漏れてしまうため、迷光STL1の発生は防げない。
そこで、図5の(b)に示すように、測距装置1では、偏向部材3に入射したレーザ光LLの一部が透明層3bの内部に侵入することによって生じる迷光STL1を遮光する遮光部17が形成されている。遮光部17は、入射光反射領域3cと測定光反射領域3dとの境界部に設けられている。なお、図5の(b)において、レーザ光通過部材9が偏向部材3の表面に接触した領域の内側が入射光反射領域3cに相当し、その領域の外側が測定光反射領域3dに相当する。本実施形態では、遮光部17(接着部17a)は、レーザ光通過部材9が偏向部材3の表面に接触した領域よりも下側(受光素子8に近い側)に形成されている。
図6は、図5の測距装置1、91において検出される受光信号を示す図であって、(a)は比較例の測距装置91における受光信号を示す波形図であり、(b)は実施形態1に係る測距装置1における受光信号を示す波形図である。
図6の(a)に示すように、遮光部17が形成されていない(透明な接着部17aである)場合、迷光STL1が発生するため、迷光STL1による迷光受光信号S2と正しい受光信号S1とが計測される。このため、外部空間にある物体の反射率が低いか、もしくは、その物体との距離が短い場合、迷光受光信号S2と受光信号S1との識別が困難となり、測距精度が悪化する。
これに対し、図6の(b)に示すように、遮光部17が形成されている場合、迷光STL1が遮光されるため、図6の(a)の波形図に見られた迷光STL1による迷光受光信号S2の発生が抑制されていることが分かる。
以上のように、測距装置1では、遮光部17が、偏向部材3による迷光STL1が生じやすい入射光反射領域3cと測定光反射領域3dとの境界部に形成されている。これにより、入射光反射領域3cに入射したレーザ光LLの一部が、透明層3bの内部に浸入することによって偏向部材3から迷光STL1が生じたとしても、その迷光STL1は遮光部17によって遮光される。したがって、偏向部材3からの迷光STL1の発生を低減することができる。それゆえ、表面に透明層3bが形成された偏向部材3を用いた測距装置1において、偏向部材3により生じた迷光STL1を低減し、測定精度の高い測距装置1を提供することができる。
さらに、測距装置1では、発光素子2から出射されたレーザ光LLを、偏向部材3の入射光反射領域3cに入射させる光路9aが形成された筒状(管状)のレーザ光通過部材9を備えている。これにより、光路9aによって発光素子2から出射されたレーザ光LLの入射位置が規定されるため、発光素子2から出射されたレーザ光LLが、偏向部材3の入射光反射領域3cに入射し、測定光反射領域3dには入射しない。このため、入射光反射領域3cに入射するレーザ光LLと、測定光反射領域3dに入射する測定光RLとが分離される。したがって、発光素子2から出射されたレーザ光LLが、偏向部材3の測定光反射領域3dに入射し、受光素子8で迷光STL1とは異なる迷光として受光されるのを低減することができる。
また、測距装置1では、レーザ光通過部材9の光路9aが、レーザ光LLを通過させる孔部から形成されている。これにより、発光素子2から出射されたレーザ光LLをこの孔部(光路9a)を通過させて、入射光反射領域3cに確実に入射させることができる。
しかも、測距装置1では、発光素子2から出射されたレーザ光LLの入射領域が、レーザ光通過部材9に形成された光路9aによって、入射光反射領域3cに制限される。したがって、入射光反射領域3cに入射させる光(レーザ光LL)と、測定光反射領域3dに入射させる光(測定光RL)とを分離することができる。
一方、測距装置1では、レーザ光通過部材9の折曲部に形成された開口部が、偏向部材3の表面に直接接している。より詳細には、レーザ光通過部材9に形成された光路9aが、偏向部材3の表面における入射光反射領域3cの外縁部と直接接触している。そして、遮光部17が、この接触部分の外周部の一部である受光素子8側の領域に形成されている。
この構成では、レーザ光通過部材9に形成された光路9aが入射光反射領域3cの外縁部と直接接触する接触部を有しているため、レーザ光通過部材9と偏向部材3との間に隙間が形成されない。これにより、発光素子2から出射されたレーザ光LLが、偏向部材3の入射光反射領域3cに確実に入射する。このため、入射光反射領域3cに入射するレーザ光LLと、測定光反射領域3dに入射する測定光RLとが完全に分離される。さらに、遮光部17がこの接触部の外周部の一部である受光素子8側の領域に形成されている。したがって、測定光反射領域3dへの光のしみだしによる迷光STL1の発生を、より確実に低減することができる。
ただし、このように偏向部材3の表面に遮光部17を形成した場合、迷光STL1の発生を抑制することができる。その一方で、遮光部17の面積が広すぎると、物体からの測定光RLを反射して受光素子8に導く測定光反射領域3dを遮光してしまうため、測定光反射領域3dの有効面積が減ってしまう。その結果、遮光部17が、偏向部材3の測定光反射領域3dにおいて反射される測定光RLをも遮光してしまうため、受光素子8における光検出効率を低下させてしまうという問題が生じる。このように、遮光部17の形成と光検出効率の低下とはトレードオフの関係にある。
そこで、本実施形態では、傾斜している偏向部材3において受光素子8に近い領域(レーザ光通過部材9の下側)に、遮光部17を設けている。この領域は、迷光STL1が受光素子8に向けて出射する割合が高い領域であるので、迷光STL1の出射を効率よく抑制することができる。
具体的には、測距装置1では、偏向部材3の表面が、発光素子2から出射され、ミラー12によって反射されたレーザ光LLが入射光反射領域3cに入射する方向に対して傾斜した平面にてなっている。つまり、偏向部材3は、受光素子8に対して傾斜して配置されている。そして、遮光部17は、偏向部材3の表面における入射光反射領域3cと測定光反射領域3dとの境界部から受光素子8に近づく領域に沿って形成されている。
このように、偏向部材3が受光素子8に対して傾斜して配置されている場合、偏向部材3の表面における入射光反射領域3cと測定光反射領域3dとの境界部から受光素子8に近づくほど、偏向部材3によって生じる迷光STL1が受光素子8によって検出される割合が高くなる。
本実施形態では、このような偏向部材3によって生じる迷光STL1が受光素子8によって検出される割合が高くなる領域に沿って、遮光部17が形成される。これにより、遮光部17を形成する領域を小さくしつつ、迷光STL1が受光素子8によって検出されるのを確実に低減することができる。さらに、遮光部17が形成されない領域は、測定光反射領域3dとして広く利用することができる。これにより、測定光反射領域3dの領域が狭くなることによって、受光素子8による測定光RLの光検出効率が低下することもできる。したがって、遮光部17により迷光STL1の発生を防止しつつ、かつ測定光RLの光検出効率の低下を最低限に抑制することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図7は、実施形態2に係る測距装置における遮光部17の形成部位を示す図である。
本発明の他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図7は、実施形態2に係る測距装置における遮光部17の形成部位を示す図である。
実施の形態1の測距装置1では、図5の(b)に示すように、受光素子8に対して傾斜している偏向部材3における、偏向部材3とレーザ光通過部材9との接触領域(入射光反射領域3cの外縁部)の外周部の下側の領域(受光素子8に近い領域)に、遮光部17が形成されていた。
これに対し、本実施形態では、図7に示すように、偏向部材3とレーザ光通過部材9との接触領域の中央付近の両横(両脇)に遮光部17が形成されている。このような遮光部17も、実施形態1と同様に、レーザ光通過部材9の外面に形成されたポケットに透明接着剤を充填した後、透明接着剤の表面を遮光性塗料により塗装するという簡単な工程によって、遮光部17を形成することができる。また、遮光部17は、遮光性接着剤から形成されていてもよい。
本実施形態によれば、遮光部17が、偏向部材3による迷光STL1が生じやすい入射光反射領域3cと測定光反射領域3dとの境界部に形成される。したがって、偏向部材3からの迷光STL1の発生をより確実に低減することができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1、2の遮光部17は、偏向部材3とレーザ光通過部材9との接触領域(入射光反射領域3cの外縁部)の外周部の一部に形成されていた。
これに対し、本実施形態では、図8に示すように、遮光部17が、偏向部材3とレーザ光通過部材9との接触領域の外周部の全域に形成されている。このような遮光部17も、実施形態1と同様に、レーザ光通過部材9の外面に形成されたポケットに透明接着剤を充填した後、透明接着剤の表面を遮光性塗料により塗装するという簡単な工程によって、遮光部17を形成することができる。また、遮光部17は、遮光性接着剤から形成されていてもよい。
本実施形態によれば、遮光部17が、偏向部材3による迷光STL1が生じやすい入射光反射領域3cと測定光反射領域3dとの境界部に形成される。しかも、入射光反射領域3cの外周部の全域に遮光部17が形成されている。したがって、偏向部材3からの迷光STL1の発生をより確実に低減することができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図9および図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について、図9および図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図9は、実施形態4に係る測距装置1aの構成を示す正面断面図である。図10は、光透過部6により反射されて生じた迷光STL2を示す図であって、(a)は実施形態1に係る測距装置1における迷光STL2の進行を説明するための正面断面図であり、(b)は実施形態4に係る測距装置1aにおける迷光STL2の進行を説明するための正面断面図である。本実施形態4の測距装置1aは、遮光部材18を有している点が実施形態1の測距装置1とは異なっている。
具体的には、図9に示すように、遮光部材18は、レーザ光通過部材9の光路9aを経て偏向部材3に入射したレーザ光LLを外部に向けて出射させる光路9bの下側に隣接して形成されている。つまり、レーザ光通過部材9と遮光部材18とが一体的に構成されている。遮光部材18は、後述のようにレーザ光LLの一部が光透過部6により反射されて生じた迷光STL2を遮蔽する。遮光部材18は、光透過部6に対向して開口する筒状(箱型)の凹部を有する。筒状の凹部はレーザ光通過部材9の光路9bと平行に形成されている。遮光部材18は、迷光STL2が凹部の中に到達するように配置されている。
図10を用いて、本実施形態の測距装置1aに設けられた遮光部材18の作用について説明する。図10の(a)に示すように、実施形態1に係る測距装置1には遮光部材18が設けられていない。一方、図10の(b)に示すように、測距装置1aには遮光部材18が設けられている。
図10の(a)に示すように、実施形態1に係る測距装置1では、外部空間へ出射されるレーザ光LLの経路上にカバー5の光透過部6が存在すると、レーザ光LLの一部が光透過部6の表面で反射され、その反射光が迷光STL2となってレンズ16を通って受光素子8に到達してしまう。
これに対し、図10の(b)に示す実施形態4の測距装置1aでは、偏向部材3に箱型の凹部を有した遮光部材18が形成されている。このため、光透過部6の表面で反射され迷光STL2が凹部の中に到達する。したがって、迷光STL2の要因となる反射光を凹部の内壁により反射させて減衰させることにより、迷光STL2を遮光部材18により遮光することができる。
また、反射源となるカバー5の光透過部6の傍にある偏向部材3に箱型の凹部を有した遮光部材18を設けることにより、容量、寸法を抑えたコンパクトな形状で迷光STL2の発生を防ぐことができる。さらに、凹部の形状を箱型にすることによって、迷光STL2の元となるさらなる反射光の発生を抑制することもできる。
さらに、測距装置1aでは、遮光部17が、遮光部材18の凹部の延長線上に形成されている。これにより、透明層3bの内部に侵入することによって生じる迷光STL1と、レーザ光LLの一部が光透過部6により反射されて生じた迷光STL2とを、それぞれ遮光部17および遮光部材18によって遮蔽することができる。したがって、迷光STL1、STL2による誤検知の少ない、正確な測定ができる測距装置1aを提供することができる。
なお、本実施形態ではレーザ光通過部材9と遮光部材18とが一体的に形成されているが、この形態に限定される必要はなく、レーザ光通過部材9と遮光部材18とは別体で構成してもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るレーザ測距装置(測距装置1,1a)は、レーザ光LLを出射する発光部(発光素子2)と、前記レーザ光LLが外部の物体により反射した測定光RLを受光する受光部(受光素子8)と、表面に透明層3bが形成された反射面3a、前記発光部(発光素子2)から出射されたレーザ光LLを外部に向けて反射させる入射光反射部(入射光反射領域3c)、および、前記外部の物体により反射した測定光RLを前記受光部(受光素子8)に向けて反射させる測定光反射部(測定光反射領域3d)を有する反射部材(偏向部材3)と、前記反射部材(偏向部材3)の表面における、前記入射光反射部(入射光反射領域3c)と測定光反射部(測定光反射領域3d)との境界部の少なくとも一部に設けられた遮光部17とを備えている。
本発明の態様1に係るレーザ測距装置(測距装置1,1a)は、レーザ光LLを出射する発光部(発光素子2)と、前記レーザ光LLが外部の物体により反射した測定光RLを受光する受光部(受光素子8)と、表面に透明層3bが形成された反射面3a、前記発光部(発光素子2)から出射されたレーザ光LLを外部に向けて反射させる入射光反射部(入射光反射領域3c)、および、前記外部の物体により反射した測定光RLを前記受光部(受光素子8)に向けて反射させる測定光反射部(測定光反射領域3d)を有する反射部材(偏向部材3)と、前記反射部材(偏向部材3)の表面における、前記入射光反射部(入射光反射領域3c)と測定光反射部(測定光反射領域3d)との境界部の少なくとも一部に設けられた遮光部17とを備えている。
上記構成によれば、発光部から反射部材に向けて出射されたレーザ光は、反射部材の入射光反射部の入射光反射部において偏向され、外部に出射される。外部に出射されたレーザ光は、外部の物体により反射される。この反射光は、偏向部材の測定光反射部において反射され、測定光として受光部で検出される。
このような構成では、発光部から出射され、入射光反射部に入射したレーザ光の一部が、透明層の内部に侵入すると、侵入した光が偏向面(反射面)と透明層の表面との間で複数回の反射を繰り返した後に、最終的に、本来意図した部位から外れた位置(測定光反射部)から、光が偏向部材の外部に放出される。このようにして放出された光は、本来意図しない光、すなわち「迷光」となる。
上記の構成によれば、遮光部が、反射部材の表面における、入射光反射部と測定光反射部との境界部の少なくとも一部に設けられている。つまり、遮光部が、反射部材による迷光が生じやすい入射光反射部と測定光反射部との境界部に形成される。これにより、入射光反射部に入射したレーザ光の一部が、透明層の内部に浸入することによって反射部材から迷光が生じたとしても、その迷光は遮光部によって遮光される。したがって、測定光反射部への光のしみだしによる迷光の発生を低減することができる。
それゆえ、表面に透明層が形成された反射部材を用いたレーザ測距装置において、反射部材により生じた迷光を低減し、測定精度の高いレーザ測距装置を提供することができる。
本発明の態様2に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様1において、前記透明層3bは、誘電体多層膜からなるものであってもよい。
上記の構成によれば、透明層が、反射率の高い誘電体多層膜から形成されている。したがって、反射部材の反射率を高め、より高精度のレーザ測距装置を提供することができる。
本発明の態様3に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様1または2において、前記発光部(発光素子2)から出射されたレーザ光LLを、前記入射光反射部(入射光反射領域3c)に入射させる光路9aが形成された光路部材(レーザ光通過部材9)を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、発光部から出射されたレーザ光を、反射部材の入射光反射部に入射させる光路が形成された光路部材を備えている。これにより、光路によって発光部から出射されたレーザ光の入射位置が規定されるため、そのレーザ光は反射部材の入射光反射部に入射し、測定光反射部には入射しない。このため、入射光反射部に入射するレーザ光と、測定光反射部に入射する測定光とが分離される。したがって、発光部から出射されたレーザ光が、反射部材の測定光反射部に入射し、受光部で迷光として受光されるのを低減することができる。
本発明の態様4に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様3において、前記光路部材(レーザ光通過部材9)は、前記発光部(発光素子2)から出射されたレーザ光LLを前記入射光反射部(入射光反射領域3c)に入射させる光路9aとして、前記レーザ光LLを通過させる孔部が形成される構成であってもよい。
上記の構成によれば、光路部材の光路がレーザ光を通過させる孔部から形成されている。これにより、発光部から出射されたレーザ光をこの孔部を通過させて、入射光反射部に確実に入射させることができる。
本発明の態様5に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様4において、前記孔部により前記発光部(発光素子2)から出射されたレーザ光LLの前記反射部材(偏向部材3)への入射領域が前記入射光反射部(入射光反射領域3c)に制限される構成であってもよい。
上記の構成によれば、発光部から出射されたレーザ光の入射領域が、光路部材に形成された孔部によって、入射光反射部に制限される。したがって、入射光反射部に入射させる光と、測定光反射部に入射させる光とを分離することができる。
本発明の態様6に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様3〜5において、前記光路部材(レーザ光通過部材9)に形成された光路9aが、前記反射部材(偏向部材3)の表面における入射光反射部(入射光反射領域3c)の外縁部と接触する接触部を有しており、前記遮光部17は、前記接触部の外周部の少なくとも一部に形成されていてもよい。
上記の構成によれば、光路部材に形成された光路が入射光反射部の外縁部と直接接触する接触部を有しているため、光路部材と反射部材との間に隙間が形成されない。これにより、発光部から出射されたレーザ光が、反射部材の入射光反射部に確実に入射する。このため、入射光反射部に入射するレーザ光と、測定光反射部に入射する測定光とが完全に分離される。さらに、遮光部が接触部の外周部の少なくとも一部に形成されている。したがって、測定光反射部への光のしみだしによる迷光の発生を、より確実に低減することができる。
本発明の態様7に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様6において、前記遮光部17は、前記反射部材(偏向部材3)の表面における入射光反射部(入射光反射領域3c)の外縁部に前記光路部材(偏向部材3)を接着する遮光性接着剤からなるものであってもよい。
上記の構成によれば、遮光部が遮光性接着剤から形成されているため、遮光部が反射部材による迷光を遮光する機能と、反射部材および光路部材を接着する機能とを兼ね備える。また、反射部材と光路部材との接着と、遮光部の形成とを同時に実施することができる。したがって、レーザ測距装置の構成および製造工程を簡素化することができる。
本発明の態様8に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様1〜6において、前記遮光部17は、遮光性塗料が前記反射部材(偏向部材3)の表面の一部に塗布されてなるものであってもよい。
上記の構成によれば、反射部材の表面に遮光性塗料を塗布するという簡単な工程により、遮光部を形成することができる。
本発明の態様9に係るレーザ測距装置(測距装置1、1a)は、上記態様1〜8において、前記反射部材(偏向部材3)の表面は、前記発光部(発光素子2)から出射されたレーザ光LLが入射光反射部(入射光反射領域3c)に入射する方向に対して傾斜した平面にてなっており、前記遮光部17は、前記反射部材(偏向部材)の表面における前記入射光反射部(入射光反射領域3c)と測定光反射部(測定光反射領域3d)との境界部から前記受光部(受光素子8)に近づく領域に沿って形成されていてもよい。
上記の構成によれば、反射部材が、発光部から出射されたレーザ光が入射光反射部に入射する方向に対して傾斜して配置される。すなわち、反射部材は、受光部に対して傾斜して配置される。この場合、反射部材の表面における入射光反射部と測定光反射部との境界部から受光素子に近づくほど、反射部材によって生じる迷光が受光部によって検出される割合が高くなる。
上記の構成によれば、このような反射部材によって生じる迷光が受光部によって検出される割合が高くなる領域に沿って、遮光部が形成される。これにより、遮光部を形成する領域を小さくしつつ、迷光が受光部によって検出されるのを確実に低減することができる。さらに、遮光部が形成されない領域は、測定光反射部として広く利用することができる。これにより、測定光反射部の領域が狭くなることによって、受光部による測定光の光検出効率が低下することもできる。したがって、遮光部により迷光の発生を防止しつつ、かつ測定光の光検出効率の低下を最低限に抑制することができる。
本発明の態様10に係るレーザ測距装置(測距装置1a)は、上記態様1〜9において、前記反射部材(偏向部材3)により外部に出射されたレーザ光LLを透過させるための光透過部6と、前記レーザ光LLの一部が前記光透過部6により反射されて生じた迷光STL2を遮蔽する遮光部材18とを備え、前記遮光部材18は、前記光透過部6に対向して開口する筒状の凹部を有してもよい。
上記構成によれば、レーザ光の一部が光透過部により反射されて生じた迷光が、光透過部に対向して開口する筒状の凹部に入射するように構成することにより、上記迷光を遮蔽することができる。
本発明は、レーザ光を走査して距離を測定するレーザレーダ装置に利用することができる。
1 測距装置(レーザ測距装置)
2 発光素子(発光部)
3 偏向部材(反射部材)
3a 反射面
3b 透明層
3c 入射光反射領域(入射光反射部)
3d 測定光反射領域(測定光反射部)
6 光透過部
8 受光素子(受光部)
9 レーザ光通過部材(光路部材)
9a 光路(レーザ光を通過させる孔部)
17 遮光部
18 遮光部材
STL 迷光
STL2 迷光
LL レーザ光
RL 測定光
2 発光素子(発光部)
3 偏向部材(反射部材)
3a 反射面
3b 透明層
3c 入射光反射領域(入射光反射部)
3d 測定光反射領域(測定光反射部)
6 光透過部
8 受光素子(受光部)
9 レーザ光通過部材(光路部材)
9a 光路(レーザ光を通過させる孔部)
17 遮光部
18 遮光部材
STL 迷光
STL2 迷光
LL レーザ光
RL 測定光
Claims (7)
- レーザ光を出射する発光部と、
前記レーザ光が外部の物体により反射した測定光を受光する受光部と、
表面に透明層が形成された反射面、前記発光部から出射されたレーザ光を外部に向けて反射させる入射光反射部、および、前記外部の物体により反射した測定光を前記受光部に向けて反射させる測定光反射部を有する反射部材と、
前記反射部材の表面における、前記入射光反射部と測定光反射部との境界部の少なくとも一部に設けられた遮光部と、
前記発光部から出射されたレーザ光を、前記入射光反射部に入射させる光路が形成された光路部材とを備え、
前記光路部材に形成された光路が、前記反射部材の表面における入射光反射部の外縁部と接触する接触部を有しており、
前記遮光部は、前記接触部の外周部の少なくとも一部に形成され、前記反射部材に入射した前記レーザ光の一部が上記透明層に侵入することによって生じる迷光を遮光することを特徴とするレーザ測距装置。 - 前記透明層は、誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ測距装置。
- 前記光路部材は、前記発光部から出射されたレーザ光を前記入射光反射部に入射させる光路として、前記レーザ光を通過させる孔部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ測距装置。
- 前記孔部により前記発光部から出射されたレーザ光の前記反射部材への入射領域が前記入射光反射部に制限されることを特徴とする請求項3に記載のレーザ測距装置。
- 前記遮光部は、前記反射部材の表面における入射光反射部の外縁部に前記光路部材を接着する遮光性接着剤からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ測距装置。
- 前記遮光部は、遮光性塗料が前記反射部材の表面の一部に塗布されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ測距装置。
- 前記反射部材の表面は、前記発光部から出射されたレーザ光が入射光反射部に入射する方向に対して傾斜した平面にてなっており、
前記遮光部は、前記反射部材の表面における前記入射光反射部と測定光反射部との境界部から前記受光部に近づく領域に沿って形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザ測距装置。
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