JP5907908B2 - 光分岐線路の特性解析装置及びその特性解析方法 - Google Patents

光分岐線路の特性解析装置及びその特性解析方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ等の光線路において、光スプリッタで分岐された各光分岐線路の特性を測定する光分岐線路の特性解析装置とその特性解析方法に関する。
光ファイバなどの光線路を使用する光通信システムでは、光線路の破断を検出し、または破断位置を特定するために、光パルス線路監視装置が用いられる。この光パルス線路監視装置は、光が光線路内を伝搬するに伴い、その光と同じ波長の後方散乱光が生じて逆方向に伝搬することを利用する。
すなわち、光線路に試験光として光パルスを入射すると、この光パルスが破断点に到達するまで後方散乱光を発生し続け、試験光と同じ波長の戻り光が光パルスを入射した光線路の端面から出射される。この後方散乱光の継続時間を測定することにより、光線路の破断位置を特定することができる。この原理に基づく監視装置としては、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)が代表的である。
しかしながら、PON(Passive Optical Network)型の光分岐線路については、通信事業者設備ビルに設置されたOTDRでは、光スプリッタからユーザ装置側(下部側)に位置する分岐光ファイバ(以下、「分岐下部光ファイバ」)に対して、あるいは光デバイス(反射型フィルタ)、光スプリッタやファイバ接続部品など光線路に接続されている光装置の損失情報を、個別に識別することは困難であった。
これに対し、分岐下部光ファイバの損失情報を個別に識別可能な技術として、ポンプ光パルスとプローブ光パルスの二つの試験光パルスを入射し、両試験光の衝突位置でのブリルアン利得を解析することにより、スプリッタ下部心線個別の損失分布を測定する技術が開示されている(非特許文献1)。しかしながら、当該手法はその原理上、被測定光線路の長延化に対して測定時間が膨大になる。
すなわち、非特許文献1の技術では、一組のプローブ−ポンプ光パルス対(以下、「パルス対」)のみを試験光に使用するため、第1波のパルス対を被測定光ファイバに入射後、第1波目のパルス対が被測定光ファイバから排出されるまで第2波目以降のパルス対を被測定光ファイバに入射することができない。これは、第1波目のパルス対が被測定光ファイバから排出される前に第2波目以降のパルス対を入射すると、プローブ光とポンプ光が多重に衝突を生じ、ブリルアン利得解析から正確な損失分布情報を取得することができなくなるためである。また、非特許文献1の技術は数万回オーダーの測定を繰り返し、平均化処理を実施することで信号対雑音比の向上を図るため、被測定光線路が長くなるほど全測定時間に占める試験光を入射するまでの待機時間が長くなり、長距離線路の測定時間の短縮化が困難である。
そこで、PON型の光分岐線路において、光スプリッタからユーザ装置側の分岐下部光ファイバ、および光スプリッタ、ファイバ接続部品などの光デバイスを監視するにあたり、新たに光デバイスや光線路構成を変更することなく(既設設備を変更することによりコストをかけることなく)、既設所外設備(ファイバ長の異なる分岐下部ファイバ)の光線路損失特性を個別に測定することを可能とし、かつ試験光入射待機時間を縮減して測定時間を大幅に短縮する技術が求められている。
H. Takahashi, et al., "Individual Loss Distribution Measurement in 4-branched PON Using Pulsed Pump-Probe Brillouin Gain Analysis", ONC2012 Technical Digest, paper OTh3I.2 (2012).
以上述べたように、光分岐線路の光デバイスを監視するにあたり、新たに光デバイスや光線路構成を変更することなく、既設所外設備の光線路損失特性を個別に測定することを可能とし、かつ試験光入射待機時間を縮減して測定時間を大幅に短縮する技術が求められている。
本発明は、上記の事情に着目してなされたもので、新たに光デバイスや光線路構成を変更することなく、かつ光ファイバ識別分解能や特性分布測定分解能を維持しつつ、既設所外設備の光線路損失特性を個別に高速測定することを可能とする光分岐線路の特性解析装置およびその特性解析方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光分岐線路の特性解析装置は、以下のような態様の構成とする。
(1)光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析装置であって、互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調する試験光周波数変調手段と、前記試験光変調手段と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化する試験光パルス化手段と、前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波する合波手段と、前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出するサーキュレータと、前記サーキュレータで抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出するフィルタ手段と、前記フィルタ手段で抽出された第1試験光を受光して電流に変換する光・電気変換手段と、前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換手段と、前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部光ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得する信号演算処理手段とを具備し、前記試験光周波数変調手段は、所定の周波数変調時間ごとに前記第1試験光および前記第2試験光を周波数変調する手段であって、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、前記信号演算処理手段は、前記試験光周波数変調手段と前記試験光パルス化手段の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し、前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換して、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る態様とする。
(2)(1)において、前記信号演算処理手段は、予め前記N本の分岐下部光ファイバからのプローブ光パルス列の先頭の戻り時間を各々測定し、前記受信したプローブ光パルス列の先頭の戻り時間と前記周波数変調手段による周波数変調時間の情報から、前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間を特定し、前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いて受信信号強度の時間変化をフーリエ変換して周波数分離を行い、当該時間に受信すべきプローブ光周波数成分の光振幅強度を抽出し、前記X個のプローブ光が得られたブリルアン利得をそれぞれ独立に解析する態様とする。
(3)(1)において、前記試験光周波数変調手段は、シングルサイドバンド変調器またはLN位相変調器と任意波形信号発生器の変調電気信号によって実現する態様とする。
(4)(1)において、前記試験光周波数変調手段は、前記特定変調周波数に調整されたシングルサイドバンド変調器、またはLN位相変調器、または音響光学変調器を光ファイバリング内に設置し、周回ごとに特定変調周波数にて段階的に光変調を行う態様とする。
(5)(1)において、前記信号演算処理手段は、受信したプローブ光パルス列による電流信号の時間変化に窓関数をかけ、特定信号を抽出する態様とする。
(6)(1)において、前記光線路特性は、距離に対する光減衰量、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量の少なくともいずれかである態様とする。
また、本発明に係る光分岐線路の特性解析方法は、以下のような態様の構成とする。
(7)光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析方法であって、互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調し、前記変調と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化し、前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波し、前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出し、前記抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出し、前記抽出された第1試験光を受光して電流に変換し、前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得するものとし、前記変調は、所定の周波数変調時間ごとに、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、前記信号分離では、記変調と前記パルス化の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し、前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換し、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る態様とする。
以上のように、本発明によれば、光スプリッタ下部線路の個別損失分測定において、周波数の異なる試験光パルス対によって並列測定を可能にし、従来技術と比較して分岐光ファイバ識別分解能や特性分布分解能を劣化させることなく、測定時間を短縮して高速測定を実現する光分岐線路の特性解析装置及び特性解析方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る光分岐線路の特性解析装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態において、3系統の分岐線からの戻るプローブ光の光受信器への到達時間差を示す図である。 第1の実施形態において、3系統の分岐線からの戻るプローブ光パルス列の一部プローブ光が光受信器に時間的に重なって到達する様子を示す図である。 第1の実施形態に用いられる演算処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る光分岐線路の特性解析装置の構成を示すブロック図である。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
まず、本発明を概略説明するに、本発明に係る光分岐線路の特性解析装置は、以下の態様で適用、構成される。
(被測定線路の条件)
本発明を適用する被測定線路は、1心の光ファイバを光スプリッタにより第1から第Nの光ファイバに分岐し、光スプリッタによる分岐点から光フィルタまでのN本の分岐下部光ファイバについての長さの最小の差が本発明装置の光ファイバ識別分解能以上を有する光分岐線路である。
(装置構成の概要)
本発明の試験光は、ブリルアン相互作用を生じる周波数差を持つ第1試験光(プローブ光)と第2試験光(ポンプ光)のペアを生成するために、プローブ光およびポンプ光は周波数変調電気信号を受けて動作する周波数変調器によりX個(Xは自然数)の異なる周波数に変調される。
ここで、上記周波数変調電気信号は、任意波形発生器に予めプログラムされた周波数変調電気信号である。また、上記任意波形発生器は、パルス・パターン・ジェネレータ(PPG)またはファンクション・ジェネレータ(FG)からのトリガー信号によって時間的に制御されて動作する。
また、周波数変調器はシングルサイドバンド変調器やLN位相変調器を使用可能である。
上記PPGまたはFGのトリガー信号は、受信信号収録のトリガー信号と共用することで、変調周波数の送信側と受信側の同期をとることができる。
周波数の異なるX個のプローブ光およびX個のポンプ光は周波数変調器と共用するPPGまたはFGのトリガー信号によって同期したパルス化装置によって相対的に任意の時間差を持ってパルス化され、それぞれプローブ光パルス列、ポンプ光パルス列となる。ここでパルス化装置は音響光学変調器やLN強度変調器、光スイッチが使用可能である。上記試験光パルス列は、それ以前に送信された試験光パルス列が被測定光ファイバから排出された後に送信される。
上述の試験光パルス列生成手段は、以下の装置構成でも実現可能である。
光パルス化装置は、パルス・パターン・ジェネレータ(PPG)またはファンクション・ジェネレータ(FG)からのトリガー信号によって時間的に制御されて動作し、第1試験光および第2試験光をパルス化する。ここでパルス化の時間間隔は、第2試験光の被測定光ファイバ往復時間以上でなければならない。
パルス化された第1試験光および第2試験光は、合波素子で特定変調周波数に調整されたシングルサイドバンド変調器、またはLN位相変調器、または音響光学変調器を設置した光ファイバリングに入射し、周回ごとに特定周波数分周波数シフトし、光ファイバリングから順次周波数が段階的に変調された試験光パルス列として出力される。
光ファイバリングおよび周波数シフタの損失を補償するため、光ファイバリング内に光増幅器を設置してもよい。
以上の構成により、被測定線路に入射する第1試験光および第2試験光は、所定の時間間隔ごとに所定の周波数間隔で変化し、ブリルアン周波数シフトに一致する周波数差を持って対を成し、かつX個のプローブ光およびX個のポンプ光の周波数はいずれも一致しない試験光パルス列となる。
また、周波数変調電気信号、パルス化装置、受信信号収録の動作開始は一つのトリガー信号を共用するため、受信側の特性解析装置では、任意時間における送信側出力状態(周波数、出力の有無)を把握することができる。
プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列は合波素子で合波され、被測定線路に順次入射する。被測定線路遠端の試験光反射フィルタで反射されたX個のプローブ光は、各々ブリルアン利得周波数差で対をなすポンプ光のみと被測定線路中でブリルアン相互作用を生じ、ブリルアン利得を受ける。逆に、ブリルアン利得周波数差でペアリングされていないパルス間ではブリルアン相互作用を生じないため、同一プローブ光が被測定線路中で多重にブリルアン利得を受けることはない。
戻ってきた試験光は光サーキュレータで抽出され、さらにX個のプローブ光の周波数分のみが光フィルタで抽出される。
光フィルタで抽出されたプローブ光はフォトディテクタなどで受光して電流に変換し、電流に変換されたプローブ光をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換され、デジタル信号を復号化し、試験光生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射されたプローブ光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号はフーリエ変換などの演算処理にてX個の周波数成分ごとに分離し、各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光とポンプ光の衝突地点までの線路特性情報を出力する。
さらに、プローブ光およびポンプ光の入射時間差を変化させることでプローブ光とポンプ光の衝突地点を変化させながら上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から光スプリッタの下部分岐ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を出力する。
(測定する特性項目)
光線路特性は、距離に対する光減衰量、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量の少なくともいずれかである。
(演算処理)
演算処理手段は、予めポンプ光パルス列を入射しない条件下でプローブ光パルス列を入射し、N本の分岐下部光ファイバからのプローブパルス列の先頭の戻り時間t1〜tNを各々測定し、プローブ光パルス列の先頭の戻り時間と前記周波数変調手段による周波数変調時間の情報から、プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間を特定し、プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から周波数変調時間にかけて受信すべき変調周波数を特定し、プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から周波数変調時間内において受信信号強度の時間変化をフーリエ変換して周波数分離を行い、当該時間に受信すべきプローブ光周波数成分を抽出し、当該周波数信号成分の参照プローブ光パワーとする。
続いて、プローブ光パルス列とポンプ光パルス列を所定の時間差で入射し、参照プローブ光パワーの測定と同様にして、ポンプ光によるブリルアン利得を受けたプローブ光シグナルパワーを測定する。そして、プローブ光シグナルパワーと参照プローブ光パワーの当該周波数成分の強度の比率から当該プローブ光周波数成分が得たブリルアン利得をそれぞれ独立に解析する態様とする。
また、演算処理手段について、受信したプローブ光パルス列による電流信号の時間変化に窓関数をかけ、特定周波数信号を抽出するに際し、隣接周波数成分のクロストークを低減することも可能である。
以上の処理構成により、光スプリッタ下部線路の個別損失分測定において、周波数の異なる試験光パルス対によって並列測定を可能にし、分岐光ファイバ識別分解能や特性分布分解能を劣化させることなく、測定時間を短縮可能な高速測定を実現する光分岐線路の特性解析装置及び方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光分岐線路特性解析装置の構成を示すブロック図である。図1に示す装置(点線で囲まれた被測定光ファイバを除く、他の全構成部分)は、周波数の異なるX個のプローブ光がそれぞれペアを成す周波数の異なるX個のポンプ光との対向伝搬により被測定ファイバ23中で受けたブリルアン利得の特性分布を求めることができるものである。
図1に示す第1の実施形態において、レーザ光源11から出力された連続光は、分岐素子12によって2系統に分岐される。
分岐素子12で分岐された光の一方を第1試験光(プローブ光)、他方を第2試験光(ポンプ光)とする。第1試験光は、光周波数シフタ13により周波数がブリルアン周波数シフト量νBだけシフトされる。具体的には、光周波数シフタ13は、正弦波発生器(図示せず)からの信号周波数に応じて変調側波帯の周波数が変化する機能を持つ外部変調器であればよく、LiNbO3を用いた位相変調器(LN位相変調器)、振幅強度変調器やSSB変調器が使用可能である。
光周波数シフタ13で周波数シフトされた第1試験光は分岐素子14で2系統に分岐され、一方はプローブ光、他方はローカル光となる。プローブ光は光周波数変調装置15に入射され、時間的に制御されたX段階に周波数が変調された光となる。
さらに、プローブ光は光パルス化装置16によるパルス化変調によってX波の周波数の異なる時間的に配列されたプローブ光パルス列となる。
一方、分岐素子12によって分岐された第2試験光も同様にして、光周波数変調装置17にて周波数変調され、さらに光パルス化装置18によるパルス化変調によってX波の周波数の異なる時間的に配列されたポンプ光パルス列となる。X個のプローブ光とポンプ光の内、1波目のプローブ光とポンプ光、2波目のプローブ光とポンプ光、…X波目のプローブ光とポンプ光は互いにνBの周波数差を持ち、プローブ−ポンプ対をなす。プローブ−ポンプ対でのみブリルアン相互作用を生じる条件を満たし、いずれのプローブ光およびポンプ光も互いに異なる周波数を持つ。
ここで、ν0をレーザ光源11の無変調の光周波数、νBをブリルアン後方散乱による光周波数シフト量、ΔνBをブリルアン利得帯域の半値幅、Aを定数とすると、レーザ光源(周波数ν0)11が与える誘導ブリルアン散乱の利得係数gBは以下の式で表される。
Figure 0005907908
(1)式より、本発明手法においてポンプ光パルス列に内包されるi番目のポンプ光の光周波数はν0iとし、プローブ光パルス列に内包されるi番目のプローブ光の周波数はプローブ-ポンプ対において互いにνBの周波数差を持つようν0Biに設定することでプローブ光はポンプ光から最大の利得を得る。また、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列に内包される各周波数成分について、周波数空間で隣接する成分同士をΔνBより十分大きく離して配置することで、ペア間以外でのブリルアン相互作用の発生を回避できる。
光パルス化装置16、光パルス化装置18は、具体的には、任意波形駆動したLiNbO3を用いた振幅変調器や音響光学変調器が利用可能である。ここで、光パルス化とは、連続光のプローブ光およびポンプ光を強度変調し、m波目(mは自然数)の試験光と(m−1)波目の試験光を時間的に分離することである。
また、光周波数変調装置15,17による光周波数変調および光パルス化装置16,18による光パルス化変調の順序は任意である。
ただし、光周波数変調装置15,16の変調周波数を制御する変調周波数制御器19と光パルス化装置16,18内の光パルス化制御器(図示せず)、後述の信号処理装置(PC)28に接続されたアナログ/デジタル(A/D)変換器27は、パルス・パターン・ジェネレータ(PPG)またはファンクション・ジェネレータ(FG)20のトリガー信号によって同期動作し、光周波数変調装置15,17と光パルス化装置16,18を通過したパルス化試験光の時間的な周波数配列は、PC28が把握している状態にある。
X個の周波数(波長)の異なるプローブ光によるプローブ光パルス列とX個の周波数(波長)の異なるポンプ光によるポンプ光パルス列は合波素子21によって合波され、サーキュレータ22を通過して被測定光ファイバ23に順次入射される。被測定光ファイバ23は、基幹光ファイバ230と、N分岐光スプリッタ231と分岐下部光ファイバ232i(iは1〜Nの自然数)と分岐下部光ファイバ232iの終端それぞれに設置された試験光反射フィルタ233iで構成される。光スプリッタ231でN分岐されたプローブ光パルス列とポンプ光パルス列は、分岐下部光ファイバ232i中でプローブ−ポンプ対のみでブリルアン相互作用を生じ、プローブ光は被測定光ファイバを伝搬中に一度だけブリルアン増幅を受ける。このブリルアン増幅を受けたプローブ光パルス列に内包される各プローブ光は光サーキュレータ22に到達し、この光サーキュレータ22によって光フィルタ24に導かれる。ポンプ光パルス列も同様にして、光フィルタ24に導かれるが、この光フィルタ24はプローブ光パルス列のみを透過するもので、ここで透過したプローブ光パルス列は分岐素子15によって分岐された無変調のローカル光と合波素子25によって合波されてヘテロダイン検波され、光受信器26で受信される。
光受信器26からの出力電流は、A/D変換器27でデジタル信号に変換されてから、信号処理装置28に入力される。信号処理装置28では入力された電流値に対して、後に説明する演算処理を行う。
次に上述した本実施形態の光線路特性解析装置の動作について説明する。光周波数変調装置15および17、光パルス化装置16および18、光受信器26、被測定光ファイバ23は、次の条件を満足する必要がある。
(条件1) プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列に内包されるn番目のプローブ光の周波数νrnおよびn番目のポンプ光の周波数νpiはブリルアン周波数シフトνBの周波数差のプローブ−ポンプ対をなすように光周波数変調装置1と2が動作(νpnrnB)し、かつ対をなすプローブ光とポンプ光が任意の時間差にて被測定光ファイバに入射するように光パルス化装置1および2が動作すること。
(条件2) プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列からなる試験光パルス列を順次被測定光ファイバに入射する際、第1群の試験光パルス列が被測定光ファイバから排出された後に第2群の試験光パルス列を被測定光ファイバ232iに入射し、かつ試験光パルス列に内包される試験光パルスはいずれも互いに異なる周波数を持つこと(n番目とm番目のプローブ光の周波数、ポンプ光の周波数が異なる。νrn≠νrm 、νpn ≠νpm)。
(条件3) 受信信号の信号処理装置(PC)28は、任意時間に被測定光ファイバ23に入射するプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の周波数(周波数の時間的配列)、プローブ光に対するポンプ光の時間的な遅れを把握していること。
ここで、条件1〜3は次のような意味を持っている。
条件1は、プローブ光がポンプ光によりブリルアン増幅を受けるための条件である。条件2は、任意の位置zのみのブリルアン利得情報を取得するための条件である。条件3は、光受信器で一括受信した信号を周波数の違いによって各分岐下部光ファイバの特性情報を持った信号として分離・識別するために必要な条件である。
これら条件を満足する場合の本実施形態を用いた光線路の特性解析方法を示す。
図2に、被測定光ファイバ23の基幹光ファイバ(F0)及び各分岐下部光ファイバ(F1〜FN、)とプローブ光の光受信器26に到達する時間の関係を示す。ここでは、分岐光ファイバが3心(3系統、N=3)の場合を示している。今、3心の分岐光ファイバの長さに、式(2)の関係がある場合を想定する。
Figure 0005907908
すると、プローブ光の光受信器に到達する時間は、式(3)の関係が成り立つ。
Figure 0005907908
ここで、変調周波数制御器19の制御信号により光周波数変調装置15,17が同一周波数を継続出力する時間を周波数変調時間τとすると、
Figure 0005907908
のとき、各分岐下部光ファイバから戻ったプローブ光は光受信器26への到達時間に差が生じるため、どの心線から戻ったプローブ光であるかを時間的に切り分けることができる。つまり、周波数の異なるX個のプローブパルス列を順次入射した場合にも、光受信器26に同一周波数のプローブ光が到達することはない。
[信号処理方法]
続いて、周波数の異なるX個のプローブ光パルス列を試験光に用い、被測定光ファイバに順次入射した場合の利得情報の分離方法について、まず、周波数空間での信号分離方法を以下に説明する。
パルス時間幅(=周波数変調時間)τの周波数の異なるX個のプローブ光からなるプローブ光パルス列の時間幅はXτである。図3(b)〜(e)には、同図(a)に示すようにパルス時間幅τ、周波数ν1、ν2、ν3、ν4の4種のプローブ光からなる時間幅4τのプローブ光パルス列を、3分岐光スプリッタを持つ被測定光ファイバ23に入射した場合に、プローブパルス列がtd1、td2、td3の時間に光受信器26に到達する様子を示す。
ここで、プローブ光パルス列の光受信器到達時間td1、td2、td3は測定済みであり、既知量とする。また、心線#1からのプローブ光パルス列に内包されるプローブ光を先頭から順に#1−1、#1−2、…#1−4と名付ける。同様に、心線#2からのプローブ光を#2−1、#2−2、…#2−4、心線#3からのプローブ光を#3−1、#3−2、…#3−4とする。
各プローブ光パルス列は、到達時間td1、td2、td3を基準に内包するプローブ光の数に応じて周波数変調時間τごとに時間的に分割された各グリッド(フーリエ窓)にてフーリエ変換し、抽出すべき周波数のプローブ光の受光パワーが検出される。
図3において、td1−td2>4τであり、光受信器26では心線#1からのプローブパルス列を受光する間に他の心線からのプローブ光を同時に受信することはない。
一方、td2−td3<4τであり、光受信器26では心線#2からのプローブパルス列の一部と心線#3からのプローブパルス列の一部を同時に受光する。この場合について、#2-3の受信方法を述べる。#2-3の周波数成分ν3を受信すべきグリッド内には#3-1の周波数成分ν1も存在する。演算処理装置28は光周波数変調装置15,17とパルス化装置16,18の同期をとるトリガー信号を受けているため、送信プローブ光パルス列に内包される周波数の時間的な配列(パルス幅、変調周波数)を把握している。
よって、演算処理装置228はプローブ光パルス列の光受信器到達時間td1、td2、td3を基準として各プローブ光のグリッドの開始時間、およびグリッドに内包される解析すべきプローブ光の周波数がわかっている((n番目のプローブ光のグリッドの開始時間)=(プローブ光パルス列の光受信器到達時間)+(n−1)×(周波数変調時間τ))。例えば、心線#1からのプローブ光パルス列について、n番目のグリッドの開始時間はtd1+(n-1)τで表される。
このグリッドをフーリエ窓としてフーリエ変換し、#2-3の周波数成分ν3と#3-1の周波数成分ν1と重なったパワースペクトルから、解析すべき周波数成分(ここではν3)のプローブ光パワーを得る。これによって、他の分岐下部線路からのプローブ光を同時に受光した場合にも、信号成分の分離が可能である。
以上の処理は、信号処理装置28が任意の時間に送信される周波数とその時間配列を把握しており、かつプローブ光パルス列の到達時間を予め測定しておくことで可能となる。逆説的に言えば、信号処理装置28が送信時の周波数の時間配列を把握していない場合、フーリエ窓の設定および、フーリエ変換によって抽出すべき周波数成分が決定できないため、受信側で適切な演算処理が不能となる。
[窓関数の利用]
また、信号処理において周波数成分のクロストークを低減するために、フーリエ窓を矩形グリッドではなく、ブラックマン・ハリス窓、ハニング窓、ハミング窓など各種窓関数を導入し、周波数分解能を向上させることもできる。
上記周波数信号の分離手順に従い、かつ条件1〜3を満たした場合、本実施形態によりN本の分岐下部光ファイバにおける個別の損失分布測定について、周波数の異なる試験光パルス対によって並列測定を可能にし、従来技術と比較して分岐光ファイバ識別分解能や特性分布分解能を劣化させることなく、測定時間を短縮可能な高速測定ができる。
[信号処理の流れ]
上記信号処理装置28では、上記の測定を踏まえ、図4に示すフローチャートに従って信号処理を行う。
予め、信号処理装置28にプローブ光パルス列の時間的な周波数配列(周波数、周波数変調時間)を記録する(ステップS1)。これにより、信号処理装置28は任意時間におけるプローブ光周波数がわかる状態にある。
プローブ光パルス列のみを入射し、プローブ光パルス列の先頭の戻り時間を分岐心線毎に記録する(ステップS2)。
先頭の戻り時間と変調時間の情報から、プローブ光パルス列に内包する各プローブ光を抽出すべきフーリエ窓を決定する。なお、n番目のフーリエ窓から抽出すべき周波数成分は、予め信号処理装置28に記録されたプローブ光パルス列の時間的な周波数配列から決定できる(ステップS3)。
ブリルアン利得を受けない(ポンプ光を入射しない)条件下での各周波数成分の振幅強度を参照し、プローブ光強度として収録し(ステップS4)、ブリルアン利得を受ける(ポンプ光を入射する)条件下での各周波数成分の振幅強度をプローブ光強度として収録し(ステップS5)、ステップS4,S5で収録された参照プローブ光強度と信号プローブ光強度を比較することでブリルアン利得情報を得る(ステップS6)。
上記の処理は全てコンピュータで制御する。
(第2の実施形態)
図5に第2の実施形態を実施するための装置構成を示す。第1の実施形態と比較して、第2の実施形態は試験光パルス列の生成法が異なる。第2の実施形態では、周波数の異なるパルス列を、合波素子31,33により周波数シフタを有する光ファイバリング32,34にパルス(時間幅τ)を導入することで生成する。
ここで、周波数シフタは、音響光学変調器、LN位相変調器、シングルサイドバンド変調器が使用可能である。
周波数シフタを有する光ファイバリング32,34にパルスが導入されると、パルスは周回毎に周波数シフタに設定された周波数シフト量だけ周波数が段階的にシフトするため、光ファイバリング32,34から出力される光は、周波数が段階的に異なるパルス列を成し、パルス列に内包されるパルスの間隔は光ファイバリング32,34の光の周回時間trに一致する。
受信信号処理時の各プローブ光のグリッドの開始時間は下式で決定できる。
(n番目のプローブ光のグリッドの開始時間)
=(プローブ光パルス列の光受信器到達時間)+(n−1)×(周回時間tr
また、各グリッドの時間幅は各パルスの時間幅τに等しい。第1の実施形態と比較して、同期を必要とする機器が少なくなり、装置構成が簡易になる。また、広帯域な変調周波数制御器が不要になるため、装置が安価になる。
このように、本発明に係る第1及び第2の実施形態によれば、ブリルアン周波数だけ異なる周波数数差によってペアリングしたプローブ−ポンプ光パルス対について、周波数を変えて時間的に並べてそれぞれプローブ光パルス列、ポンプ光パルス列とし、これら試験光パルス列を任意の入射時間差を与えて被測定光線路に入射し、先に入射したプローブパルス列の反射光と後に入射したポンプ光パルス列が対向伝搬することにより誘導ブリルアン(Brillouin)散乱光を発生する。そして、その散乱光を光受信器で受信し、光受信器の出力電流を予め試験光の戻り時間を測定しておくことで、第1〜第Nのどの分岐光ファイバからの誘導ブリルアン散乱かを特定することが可能であり、パルス列の先頭を基準に設けたフーリエ窓内でフーリエ変換して所定周波数成分の振幅強度を取り出しブリルアン利得解析を行い、プローブ光パルス列とポンプ光パルス列の入射時間差を連続的に変化することで分岐光ファイバ毎の特性分布が求められる。
したがって、第1、第2の実施形態によれば、いずれも新たに光デバイスや光線路構成を変更することなく、かつ既存技術と比較して光ファイバ識別分解能や特性分布測定分解能を劣化されることなく、既設所外設備の光線路損失特性を個別に高速測定することを可能となる。
尚、上記誘導ブリルアン散乱は、光媒質内の光減衰・温度・曲げなどによる歪みを測定することが可能であり、ここでの光線路特性とは距離に対する光減衰量、反射ピークの位置、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量である。
上記誘導ブリルアン散乱は、光媒質内の光減衰・温度・曲げなどによる歪みを測定することが可能であり、ここでの光線路特性とは距離に対する光減衰量、反射ピークの位置、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量である。
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成を削除してもよい。さらに、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11…レーザ光源、12…分岐素子、13…光周波数シフタ、14…分岐素子、15,17…光周波数変換装置、16,18…光パルス化装置、19…変調周波数制御器、20…PPGまたはFG、21…合波素子、22…光サーキュレータ、23…被測定光ファイバ、230…基幹光ファイバ、231…N分岐光スプリッタ、2321〜232N…下部分岐ファイバ、2331〜233N…光反射フィルタ、24…光フィルタ、25…合波素子、26…光受信器、27…A/D変換器、28…信号処理装置。

Claims (7)

  1. 光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析装置であって、
    互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調する試験光周波数変調手段と、
    前記試験光変調手段と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化する試験光パルス化手段と、
    前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波する合波手段と、
    前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出するサーキュレータと、
    前記サーキュレータで抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段で抽出された第1試験光を受光して電流に変換する光・電気変換手段と、
    前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換手段と、
    前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部光ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得する信号演算処理手段と
    を具備し、
    前記試験光周波数変調手段は、所定の周波数変調時間ごとに前記第1試験光および前記第2試験光を周波数変調する手段であって、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、
    前記信号演算処理手段は、前記試験光周波数変調手段と前記試験光パルス化手段の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し、前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換して、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る
    ことを特徴とする光分岐線路の特性解析装置。
  2. 前記信号演算処理手段は、
    予め前記N本の分岐下部光ファイバからのプローブ光パルス列の先頭の戻り時間を各々測定し、
    前記受信したプローブ光パルス列の先頭の戻り時間と前記周波数変調手段による周波数変調時間の情報から、前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間を特定し、
    前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から周波数変調時間にかけて受信すべき変調周波数を特定し、
    前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いて受信信号強度の時間変化をフーリエ変換して周波数分離を行い、当該時間に受信すべきプローブ光周波数成分の光振幅強度を抽出し、
    前記X個のプローブ光が得られたブリルアン利得をそれぞれ独立に解析する
    ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。
  3. 前記試験光周波数変調手段は、シングルサイドバンド変調器またはLN位相変調器と任意波形信号発生器の変調電気信号によって実現する
    ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。
  4. 前記試験光周波数変調手段は、前記特定変調周波数に調整されたシングルサイドバンド変調器、またはLN位相変調器、または音響光学変調器を光ファイバリング内に設置し、周回ごとに特定変調周波数にて段階的に光変調を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。
  5. 前記信号演算処理手段は、受信したプローブ光パルス列による電流信号の時間変化に窓関数をかけ、特定信号を抽出する
    ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。
  6. 前記光線路特性は、距離に対する光減衰量、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量の少なくともいずれかである
    ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。
  7. 光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析方法であって、
    互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調し、
    記変調と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化し、
    前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波し、
    前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出し、
    前記抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出し、
    前記抽出された第1試験光を受光して電流に変換し、
    前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換し、
    前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得するものとし、
    記変調は、所定の周波数変調時間ごとに、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、
    前記信号分離では、記変調と前記パルス化の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し
    前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換し、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る
    ことを特徴とする光分岐線路の特性解析方法。
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