JP3667132B2 - ブリルアンゲインスペクトル測定方法および装置 - Google Patents

ブリルアンゲインスペクトル測定方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバのブリルアンゲインスペクトルを測定する技術に係り、特に、光ファイバにおいてブリルアン散乱現象が発生する位置の空間分解能を高める技術に関する。
【0002】
この技術は、光ファイバを利用して、該光ファイバが設置されている環境における温度、歪み等の物理量分布を測定する光ファイバセンサ等に応用できる。光ファイバセンサは、例えば、(1) 光通信路の保守管理、(2) ダム、堤防等の大規模構造物の保守管理、(3) 欠陥、故障について自己診断機能を有する材料・構造物( スマートマテリアル・ストラクチャ) に利用される。本発明を利用した光ファイバセンサであれば、特に(2) 、および(3) において重要であると考えられる物理量分布測定の空間分解能を高めることができる。
【0003】
【従来の技術】
光ファイバが設置されている環境における歪み、または温度を分布測定する技術として、光ファイバ中のブリルアン散乱現象に基づく方法がある。この方法では,設置する光ファイバ自体を歪み、または温度を検知する媒体として利用するため、多数の点型センサを配列する方法に比べて単純な構成で分布測定を実現することが可能になる。
【0004】
ブリルアン散乱現象とは、光ファイバ中で、周波数の異なる2つの光波がすれ違うとき、高周波数の光から低周波数の光へと、光ファイバ中の音響波を介してパワーが移動する現象をいう。すれ違う2光波間の周波数差がνであるとき、移動するパワーは近似的に、式1で定義されるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) に比例する。
【0005】
【式1】
Figure 0003667132
【0006】
ここで、νB , ΔνB はブリルアンゲインスペクトルを特徴づけるパラメータであり、それぞれブリルアン周波数シフト、ブリルアンゲイン線幅(半値全幅)と呼ばれる。ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) はブリルアン周波数シフトνB を中心とする周波数範囲ΔνB で1/2 以上の値を取る。つまり、光ファイバ中でブルリアン散乱現象を効率良く発生させるためには、光ファイバ中ですれ違う2光波間の周波数に対し、ブリルアン周波数シフトνB を中心としブリルアンゲイン線幅ΔνB の周波数範囲にある周波数差を付与する必要がある。
ブリルアン周波数シフトνB は、光ファイバ中の音速をva として式2により与えられる。
【0007】
【式2】
Figure 0003667132
【0008】
ここで、nは光ファイバの屈折率、λは光ファイバに入射する光の波長である。音速va が光ファイバ周辺の温度、光ファイバに付加された歪みに依存して変化する結果、ブリルアン周波数シフトνB の測定は式2を介し温度、歪みの検知手段を与える。ブリルアン周波数シフトνB の変化感度の数値例として、光波長1.3μmにおいて、
歪みに対して
【0009】
【式3】
Figure 0003667132
【0010】
温度に対して
【0011】
【式4】
Figure 0003667132
【0012】
であることが以下の文献(1) で報告されている。
(1) M.Nikles et al., Journal of Lightwave Technology, vol.15, pp. 1842‐‐1851, (1997)
従って、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) を光ファイバに沿った位置の関数として測定し、ブリルアン周波数シフトνB を光ファイバに沿った位置の関数として求めることにより,歪み、または温度分布を測定することが可能になる。
【0013】
前述のブリルアンゲインスペクトルを測定する従来技術として、周波数差が可変の、パルスポンプ光と連続波プローブ光とを、パルスポンプ光を被測定光ファイバの一端から、連続波プローブ光を被測定光ファイバの他端から、それぞれ入射し、ブリルアン散乱現象によるプローブ光の変化成分を時間の関数として測定し、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) の光ファイバに沿った分布を求める方法であるBOTDA (Brillouin Optical Time Domain Analysis)が用いられてきた。
【0014】
また、BOTDA と等価な技術として、パルス光を被測定光ファイバの片端から入射し、自然ブリルアン散乱現象による散乱光のスペクトルを時間の関数として測定することにより、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) の光ファイバに沿った分布を求める方法であるBOTDR (Brillouin Optical Time Domain Reflectometry )も用いられてきた。
BOTDA およびBOTDR は以下の文献(2) において発案者らにより解説されている。
(2)T.Horiguchi et al.,Journal of Lightwave Technology, vol.13, pp. 1296‐‐1302, (1995)
【0015】
BOTDA 、およびBOTDR 両従来技術の空間分解能δz は、ポンプ光として光ファイバに入射する光パルス時間幅をW、光ファイバ中の光速をvとすると、
【0016】
【式5】
Figure 0003667132
【0017】
で与えられる。従って空間分解能δz を高める(狭める)には、光パルス時間幅Wを短くする必要がある。しかし、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) 、特にそれが最大値を取る周波数であるブリルアン周波数シフトνB を精度良く測定するためには、光パルス時間幅Wを以下に示す下限値以上に設定する必要があるために、空間分解能δz は2 〜3mよりも大きな値に制限される。
【0018】
両従来技術において、ポンプ光として用いる光パルスは、プローブ光との周波数差νを有する連続光を、光スイッチ等を用いてパルス化して作り出される。すると、例えば前述のBOTDA についていうと、被測定光ファイバ中で、パルス時間幅Wのポンプ光と連続波プローブ光との干渉により発生するビート信号のスペクトルは、νを中心に2/W程度の周波数範囲で大きな値を持つ。ポンプ光からプローブ光へブリルアン散乱現象により移動するパワーは、ビート信号のスペクトルと、式1で与えられるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) との重なり積分で与えられるから、パルス時間幅Wの光をポンプ光として用いる場合には、gB(ν) のνを中心とする2/W程度の周波数範囲における積分値が、移動したパワーとして測定されることになる。
【0019】
測定の対象であり、式1で与えられるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) は、ブリルアン周波数シフトνB を中心として、ブリルアンゲイン線幅(半値全幅)ΔνB の周波数範囲で1/2 以上の値を取る。従って、パルス時間幅Wのポンプ光を用いる結果として、積分範囲2/Wが半値全幅ΔνB の2倍よりも広くなると、周波数差νをブリルアン周波数シフトνB の近くで変化させても積分値はほとんど一定となるために、ブリルアンゲインスペクトルが最大値を取る周波数差を精度良く測定することが困難になる。
【0020】
以上の理由により、ブリルアン周波数シフトνB を精度良く決定するためには、次式で与えられる下限値以上のパルス時間幅Wを持つ光パルスを用いる必要がある。
【0021】
【式6】
Figure 0003667132
【0022】
ブリルアンゲイン線幅ΔνB の実験値30 MHzと、光ファイバ中の光速v=2×(10の8乗)m/sを用いると、式5で与えられる空間分解能δz は3mとなる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術であるBOTDA およびBOTDR は、空間分解能が2〜3mよりも大きな値に制限されるために、発明の属する技術分野の欄において挙げた大規模構造物の保守管理や自己診断機能を有する材料・構造物において、近年必要とされつつある1m以下の空間分解能を実現できなかった。
【0024】
本発明の目的は、1m以下の空間分解能でブリルアンゲインスペクトルgB(ν) を測定できる方法および装置を提供することである。また、1m以下の空間分解能でブリルアンゲインスペクトルgB(ν) の光ファイバに沿った分布を測定できる方法および装置を提供することである。
前記方法および装置の提供は、従来技術では実現できなかった応用分野における歪み分布、および温度分布センサの実現に通ずる。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明のブリルアンゲインスペクトル測定方法および装置は、ポンプ光もプローブ光も所定の変調周波数で変調された連続光を用いることとした。すなわち、
本発明の請求項1のブリルアンゲインスペクトル測定方法は、所定の変調周波数で周波数変調された第1の連続発振光と前記所定の変調周波数と等しい変調周波数で周波数変調された第2の連続発振光とを用いたブリルアンゲインスペクトル測定方法であって、前記第1の連続発振光を被測定光ファイバの一端面から入射させ、前記第2の連続発振光の中心周波数を周波数シフトし、該周波数シフトにより中心周波数のシフトした前記第2の連続発振光を被測定光ファイバの他端面から入射させ、前記第2の連続発振光の中心周波数の周波数シフト量を変化させて、被測定光ファイバの前記一端面または前記他端面から出射された光のパワーを測定することとし、被測定光ファイバにおいて前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が同期し相関値が高まる位置におけるブリルアンゲインスペクトルを測定することを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項2のブリルアンゲインスペクトル測定方法は、請求項1に記載のブリルアンゲインスペクトル測定方法において、前記所定の変調周波数を変えることによって、被測定光ファイバ中のブリルアンゲインスペクトルを測定する位置を変えることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項3のブリルアンゲインスペクトル測定方法は、所望の変調周波数で周波数変調された連続発振光を分岐し、該分岐により得られる第1の連続発振光と第2の連続発振光を用いたブリルアンゲインスペクトル測定方法であって、前記第1の連続発振光を遅延させ、該遅延した第1の連続発振光を被測定光ファイバの一端面から入射させ、前記第2の連続発振光の中心周波数を周波数シフトし、該周波数シフトにより中心周波数のシフトした前記第2の連続発振光を被測定光ファイバの他端面から入射させ、前記第2の連続発振光の中心周波数の周波数シフト量を変化させて、被測定光ファイバの前記一端面または前記他端面から出射された光のパワーを測定することで、被測定光ファイバにおいて前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が同期し相関値が高まる位置におけるブリルアンゲインスペクトルを測定し、前記変調周波数を変化させることで、被測定光ファイバにおいて前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が同期し相関値が高まる位置を変化させてブリルアンゲインスペクトルを測定することとし、被測定光ファイバにおけるブリルアンゲインスペクトルの分布を測定することを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項4のブリルアンゲインスペクトル測定装置は、所定の変調周波数で周波数変調された第1の連続発振光を出力する第1の光源と、前記所定の周波数と等しい周波数で周波数変調された第2の連続発振光を出力する第2の光源と、該第2の連続発振光の中心周波数に対し所望の周波数シフトを与える光周波数変換器と、前記第1の連続発振光を受けて被測定光ファイバの一端に入射するとともに、前記光周波数変換器により周波数シフトを受けた後、前記被測定光ファイバの他端に入射され該被測定光ファイバを伝搬して出射された前記第2の連続発振光の少なくとも一部を導く光学手段と、該光学手段で導かれた光のパワーを測定する光検出器とを備えている。そして、前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が被測定光ファイバ中で同期する位置におけるブリルアンゲインスペクトルを測定することを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項5のブリルアンゲインスペクトル測定装置は、所望の変調周波数で周波数変調された連続発振光を出力する光源と、前記連続発振光を分岐し、第1の出力光および第2の出力光を出力する光分岐手段と、前記第1の出力光の中心周波数に対し所望の周波数シフトを与える光周波数変換器と、前記第2の出力光に所定の遅延時間を与える光遅延器と、該光遅延器で遅延された第2の出力光を受けて被測定光ファイバの一端に入射するとともに、前記光周波数変換器により周波数シフトを受けた後、前記被測定光ファイバの他端に入射され該被測定光ファイバを伝搬して出射された前記第1の出力光の少なくとも一部を導く光学手段と、該光学手段で導かれた光のパワーを測定する光検出器とを備えている。そして、前記所望の変調周波数を変化させることで被測定光ファイバの両端から入射された前記第1の出力光の位相と第2の出力光の位相が同期する位置を変化させ、被測定光ファイバにおけるブリルアンゲインスペクトルの分布測定を可能としたことを特徴とする。
【0030】
【作用】
以下、周波数変調と位相変調は等価な技術であるので、空間分解能の理論式を導出する過程を簡単化するために位相変調を用いて作用を説明するが、周波数変調を用いても同様の説明が可能である。
【0031】
先ず、被測定光ファイバの所定の位置におけるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) を測定する手段を説明する。
所定の周波数で位相変調されたポンプ光とプローブ光とを、被測定光ファイバの一端と他端とからそれぞれ入射する。両光の中心周波数の周波数差をνとすると、被測定光ファイバ中で両光の位相が同期し相関値が高まる位置では単一周波数νのビート信号が生じ、一方、両光の位相が非同期であり相関値が低い位置では位相変調されたビート信号が生じる。
【0032】
ブリルアン散乱現象によって、ポンプ光からプローブ光へ移動するパワーは,従来技術で説明したように、両光のビート信号のスペクトルとブリルアンゲインスペクトルgB(ν) の重なり積分で与えられる。そこでビート信号のスペクトルに着目すると、両光の位相が同期する位置では単一周波数νのビート信号が生じ、そのスペクトルは鋭いピーク状であるのに対し、両光の位相が非同期の位置では位相変調されたビート信号が生じ、そのスペクトルはνを中心に広がりを持つ。両光の中心周波数の周波数差νを変化させると、ビート信号のスペクトル中心もシフトするが、この間、両光の位相が同期する位置においてポンプ光からプローブ光へ移動するパワーは、ビート信号のスペクトルが鋭いピーク状である結果、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) に従って変化する。一方、両光の位相が非同期の位置では、周波数差νを変化させても移動するパワーはほとんど変化しない。
【0033】
なぜなら、非同期の位置ではビート信号のスペクトルが、νを中心として、最近接の位相が同期する位置との距離に応じて決まる周波数範囲で大きな値を持つ結果、gB(ν) をその周波数範囲で積分したパワーが移動するためである。従って、両光の中心周波数の周波数差νをブリルアン周波数シフトνB の近傍で変化させて、出射プローブ光のパワーの変化または出射ポンプ光のパワーの変化を測定することにより、被測定光ファイバ中でポンプ光の位相とプローブ光の位相が同期する位置におけるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) が測定可能になる。
【0034】
ポンプ光の位相とプローブ光の位相が同期する位置( 以下、同期点という。) は、位相変調の変調周波数に応じて決まる間隔で複数個存在するが、被測定ファイバ中に存在する同期点が1 点に限定されるように位相変調の変調周波数を設定することが可能である。さらに、位相変調の変調周波数を変化させることで、同期点を、すなわちブリルアンゲインスペクトルを測定する位置を変化することができるが、これらの実施手段については、以下に空間分解能の理論式を導出する過程で説明する。
【0035】
次に、本発明において得られる空間分解能の理論式を導出し、後に実施例で述べる実験結果で用いた数値を理論式に代入することで、1m以下の空間分解能が得られることを示す。
ポンプ光、プローブ光の中心周波数をそれぞれν1 ,ν2 とし、両光に変調指数m、変調周波数νm の正弦波位相変調を印加する。ポンプ光、プローブ光の光電界の複素振幅をそれぞれE1 、E2 として,
【0036】
【式7】
Figure 0003667132
【0037】
【式8】
Figure 0003667132
【0038】
と表わす。ここでtは時間、zは位置、また、vは両光の群速度である。
両光のビート信号E1 ×(E2 の複素共役)は
【0039】
【式9】
Figure 0003667132
【0040】
【式10】
Figure 0003667132
【0041】
で与えられる。式10より、ポンプ光とプローブ光の位相が同期する位置、すなわち同期点は
【0042】
【式11】
Figure 0003667132
【0043】
の条件が成り立ち、式10において、変調周波数νm で時間的に振動する成分が消滅する位置、すなわち
【0044】
【式12】
Figure 0003667132
【0045】
が成り立つ位置として定義される。従って、被測定光ファイバ中に存在する同期点を一点に限定するには、変調周波数νm を、同期点の間隔v/νm が被測定光ファイバ長よりも長くなるよう設定すればよい。さらに、光遅延器を用いてポンプ光、プローブ光の間に所定の遅延時間を付与し、非零整数倍(式11においてN≠0)の同期点が被測定光ファイバ中に存在するよう設定することで、変調周波数νm を変化させて同期点位置を変化することで、被測定光ファイバ中のブリルアンゲインスペクトル分布を測定する手段が得られる。
【0046】
従来の技術では、前述のように、ポンプ光としてパルス光を用いていたので、パルスポンプ光を出力してからブリルアンゲインを測定するまでの時間を変えることで、被測定光ファイバ中のブリルアンゲインの測定位置を変えることができた。本発明では、ポンプ光とプローブ光の同期点位置を変えなければならないが、遅延量可変の光遅延器による同期点位置の変化は、現状では僅かでしかなく、実用的でない。そこで、前述のような、非零整数倍の同期点位置を利用し、変調周波数νm を変えることで、同期点位置を変える方法をとる。
【0047】
同期点におけるビート信号のスペクトルがν=〔(ν1 −ν2 )の絶対値〕の単一周波数であることから、ポンプ光とプローブ光の中心周波数の周波数差νを、ブリルアン周波数シフトνB の近傍で変化させ、被測定光ファイバから出射されたポンプ光またはプローブ光のパワーを測定することで、同期点におけるブリルアンゲインスペクトルが測定される。
ここで、空間分解能を求めるために、同期点の近傍でのビート信号を考え、z=vN/νm +εとおくと(ここで、εは同期点からの微小なずれを表す。)、zにおけるビート信号はε,tの関数として、
【0048】
【式13】
Figure 0003667132
【0049】
【式14】
Figure 0003667132
【0050】
となる。複号はNの偶奇に応じ、それぞれ+、−をとる。式14より、ビート信号の瞬時周波数ν(t)は
【0051】
【式15】
Figure 0003667132
【0052】
となることから、同期点からε離れた位置におけるビート信号のスペクトルは
【0053】
【式16】
Figure 0003667132
【0054】
の周波数帯域を占めることになる。
従来技術において、ビート信号の占める周波数帯域(パルス時間幅Wより2/Wで与えられる。) が、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) のブリルアンゲイン線幅(半値全幅)ΔνB の2倍となる条件から空間分解能が決定されたように、本発明においても、式16で与えられるビート信号の周波数帯域が半値全幅ΔνB の2倍となる条件から空間分解能δz を決定すると、
【0055】
【式17】
Figure 0003667132
【0056】
が得られる。式17より、位相変調の変調周波数νm を高くすることで、空間分解能が向上することがわかる。ブリルアンゲイン線幅ΔνB の実験値30MHz と、ファイバ中の光速v=2×(10の8乗)m/s、後に実施例において示す実験結果において用いた変調指数m=50、位相変調の変調周波数νm = 7.5MHz を式17に代入して得られる空間分解能δz は35cmとなり、1m以下の空間分解能が実現される。
さらに、式13のビート信号が第1種Bessel関数を用いて
【0057】
【式18】
Figure 0003667132
【0058】
【式19】
Figure 0003667132
【0059】
と表される事実を用いると、位相変調の変調周波数νm について
【0060】
【式20】
Figure 0003667132
【0061】
なる条件下で、ビート信号の零次のスペクトル成分の振幅J0(y)のみを用いて空間分解能の理論式が得られる。なぜなら、条件式20の下では、非零次のスペクトル成分はブリルアンゲインスペクトルgB(ν) が1/2 以上の大きな値をとる周波数帯域外に存在するからである。零次成分J0(y)が1/2 以下に抑圧される結果、ポンプ光からプローブ光へのパワー移動が抑圧される条件より空間分解能δz を求めると、J0(π/2) ≒0.5を用いて
【0062】
【式21】
Figure 0003667132
【0063】
が得られる。νm = 50MHz>ΔνB /2= 15MHz、および変調指数m=20の条件下で空間分解能δz =5cm を得る。
【0064】
なお、これまでの説明で用いてきたポンプ光、プローブ光の位相が同期し、両光の相関値が高まるという記述における相関値とは、式18で与えられるビート信号の、零次のスペクトル成分の振幅J0(y)を意味する。零次の第1種Bessel関数は、y=0で最大値を取るので、式19で定義されるyにおいてεが同期点からの微小なずれを意味することから、同期点においては相関値が最大値を取り、同期点からずれるにしたがって相関値は減少することが分かる。
【0065】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の第1の実施の形態であるブリルアンゲインスペクトル測定装置を示す。
第1の実施の形態のブリルアンゲインスペクトル測定装置は、所定の変調周波数で周波数変調されたポンプ光を発生する第1の光源1、所定の変調周波数で周波数変調されたプローブ光を発生する第2の光源2、第2の光源2から出力されたプローブ光の中心周波数を所望の周波数、シフトさせるための光周波数変換器3、被測定光ファイバ6の片端からポンプ光を入射し、かつ、被測定光ファイバ6より出射したプローブ光の少なくとも一部を光検出器5に導くための光学手段としての光分岐器4、および光分岐器4で分岐されたプローブ光のパワーを検出するための光検出器5から構成されている。
【0066】
所定の周波数で変調された光を発生する第1の光源1、および第2の光源2は、半導体レーザの注入電流を所定の変調周波数で変調することで、周波数変調された光を発生させる手段等により実現する。第2の光源2から出力されたプローブ光の中心周波数に、所望の周波数シフトを与えるための光周波数変換器3としては、電界効果型の光強度変調器等が用いられる。光強度変調器を用いて振幅変調を印加すると周波数シフト光が発生し、周波数シフト量は振幅変調の周波数に等しい。光学手段としては、被測定光ファイバ6から出射したプローブ光の少なくとも一部を光検出器5に導けばよいのであるから、光分岐器の他に、光サーキュレータ、ビームスプリッタ、ハーフミラー等を用いてもよい。
【0067】
所定の変調周波数で周波数変調されたポンプ光とプローブ光を、被測定光ファイバ6の両端から入射する。周波数変換器3を用いてプローブ光の中心周波数を、プローブ光とポンプ光の中心周波数の周波数差がブリルアン周波数シフトνB の近傍となるよう変化させると、両光の位相が同期する位置、つまり両光の相関値が高まる位置において選択的に、ポンプ光からプローブ光へのパワーの移動が発生する。従って、被測定光ファイバ6から出射後、光分岐器4で分岐されたプローブ光のパワーを光検出器5で検出することにより、両光の位相が同期する位置におけるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) が測定される。
【0068】
図2に本発明の第2の実施の形態であるブリルアンゲインスペクトル測定装置を示す。
第2の実施の形態のブリルアンゲインスペクトル測定装置は、所望の変調周波数で周波数変調された光を発生する光源1、光源1の出力光を分岐するための光分岐手段としての第1の光分岐器7、分岐された一方であるプローブ光の中心周波数を所望の周波数、シフトさせるための光周波数変換器3、分岐された他方であるポンプ光と前記プローブ光の間に所定の遅延時間を与えるための光遅延器8、被測定光ファイバ6の片端からポンプ光を入射し、かつ、被測定光ファイバ6より出射したプローブ光の少なくとも一部を光検出器5に導くための光学手段としての第2の光分岐器4、および第2の光分岐器4で分岐されたプローブ光のパワーを検出するための光検出器5から構成されている。
【0069】
所望の変調周波数で周波数変調された光を発生する光源1、プローブ光の中心周波数に所望の周波数シフトを与える光周波数変換器3、および第2の光分岐器4については、第1の実施の形態と同様である。第1の光分岐器7については、一つの出力光からポンプ光とプローブ光とを作り出すために、出力光を分岐できればよいのであるから、ビームスプリッタやハーフミラーを用いてもよい。プローブ光とポンプ光との間に所定の遅延時間を与える光遅延器8としては、光ファイバ等を利用する。
【0070】
所望の変調周波数で周波数変調されたポンプ光とプローブ光を、光遅延器8を用いて両光の間に所定の遅延時間を与えた状態で、被測定光ファイバ6の両端から入射する。両光の位相が同期する位置、すなわち同期点は、変調周波数と被測定光ファイバ6中の光速を用いて式11で与えられる。両光の間に与える遅延時間を、被測定光ファイバ6中に非零整数倍(式11でN≠0)の同期点が存在するように設定する。プローブ光の中心周波数の周波数シフト量を変化させ、両光の位相が同期する位置におけるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) を測定する点は、第1の実施の形態と同様である。さらに、前記変調周波数を変化させることで、両光の位相が被測定光ファイバ中で同期する位置を変化させることにより、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) の被測定光ファイバに沿った分布を測定する。
【0071】
ここで、光周波数変換器3の挿入位置について付け加える。光周波数変換器3は前述のとおり、ポンプ光の中心周波数とプローブ光の中心周波数の間にブリルアン散乱現象が発生するような周波数差を持たせるため、そして、その周波数差をブリルアンゲインスペクトルを測定するために変化させるようにするためのものであるから、第1の実施の形態において、図1に示す被測定光ファイバ6と第2の光源2の間の代わりに、第1の光源1と光分岐器4の間に挿入してもよい。また、第2の実施の形態において、図2に示す第1の光分岐器7と被測定光ファイバ6の間の代わりに、第1の光分岐器7と光遅延器8の間や光遅延器8と第2の光分岐器4の間に挿入してもよい。
【0072】
【実施例】
本発明の実施例を図3に示す。
実施例のブリルアンゲインスペクトル測定装置は、光源1を構成する半導体レーザ11と信号発生器12、第1の光分岐器7、光遅延器8、光周波数変換器3を構成する光強度変調器31とマイクロ波発生器32、第2の光分岐器4、光波長フィルタ9、および光検出器5で構成されている。
【0073】
信号発生器12で発生した周期的信号により、半導体レーザ( 以下、LDという。) 11の注入電流を変調することで、LD11から周波数変調された光が発生する。周波数変調されたLD11の出力光は、第1の光分岐器7で二分され、それぞれポンプ光、プローブ光となり、プローブ光は、光強度変調器31に入力される。マイクロ波発生器32で発生するマイクロ波を光強度変調器31に入力し、振幅変調を印加することで、入力光の中心周波数に対してマイクロ波周波数に等しい周波数差を有する側帯波を発生させ、被測定光ファイバ6に入射する。ここでは、プローブ光として用いられるのは、低周波側の側帯波である。ポンプ光は光遅延器8、第2の光分岐器4を通過後、被測定光ファイバ6に入射する。光遅延器8により、ポンプ光、プローブ光の間には所定の遅延時間が設定される。被測定光ファイバ6から出射したプローブ光は、第2の光分岐器4で分岐され、光波長フィルタ9で低周波側の側帯波のみが選択され、光検出器5でパワーが測定される。
【0074】
被測定光ファイバ6中に、ポンプ光、プローブ光の位相が同期する位置が一点だけ存在するように、LD11の変調周波数を選択する。さらに、変調周波数で決まる同期点間隔の非零整数倍の同期点が、被測定光ファイバ6中に存在するよう光遅延器による遅延量を設定する。
【0075】
光強度変調器31に印加するマイクロ波周波数を、ブリルアン周波数シフトνB の近傍で掃引することで、被測定光ファイバ6中で、ポンプ光、プローブ光の位相が同期する位置におけるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) が測定される。さらに、LD11への注入電流の変調周波数を変化させることで、被測定光ファイバ6中で、ポンプ光、プローブ光の位相が同期する位置を変化させ、被測定光ファイバ6に沿ったブリルアンゲインスペクトルを測定する。
【0076】
図4に、本発明の実施例を用いて測定した被測定光ファイバ6の構成を示す。被測定光ファイバ6はシングルモード光ファイバ61、分散シフト光ファイバ62、およびシングルモード光ファイバ63で構成されている。シングルモード光ファイバ61,63、分散シフト光ファイバ62のブリルアン周波数シフトνB はそれぞれ10.83GHz、10.56GHzである。
【0077】
実験では、LD11への注入電流の変調周波数を7 〜8MHzの間で掃引した。このとき同期点間隔は、式11より25〜29m の間で変化する。光遅延器8には40m の光ファイバを用いたので、光分岐器等の光学部品による遅延量も考慮すると、被測定光ファイバ6中には、式11におけるN=2に相当する同期点のみが存在し、LD11への注入電流の変調周波数の掃引により被測定光ファイバ6中でのポンプ光、プローブ光間の光路長差は50〜58m の範囲で変化する。
【0078】
図5に、ブリルアンゲインスペクトル分布の測定結果を示す。
図5でx軸は測定位置、25〜27m の付近に分散シフト光ファイバが存在する。y軸は周波数、z軸は、z=z(x,y) としたとき、測定位置x、周波数yにおけるブリルアンゲインである。ここで、z軸のブリルアンゲインには、被測定光ファイバを接続しない状態であらかじめ測定しておいたプローブ光のパワーを基準とするゲイン〔増幅率(%)〕をプロットした。
【0079】
図6に、図5より得られるブリルアン周波数シフトνB の分布を示す。
図7に、図5より得られる、シングルモード光ファイバ61,63、分散シフト光ファイバ62それぞれのブリルアン周波数シフトに沿ったブリルアンゲインの分布、すなわち、図5のy=10.83 GHz のzx面、および、y=10.56 GHz のzx面による断面図として得られる結果を示す。
【0080】
図7より空間分解能は、シングルモード光ファイバ61,63と、分散シフト光ファイバ62の間にある遷移領域の長さの半分として40cmと見積もられる。
実験条件を理論式17に代入して得られる空間分解能は38〜33cmであり、実験値40cmによく一致している。理論分解能の計算には、実験に用いたLD11から発生する光の周波数変調振幅360MHz、および、あらかじめ測定されたブリルアンゲイン線幅ΔνB = 30MHzを用いた。なお、実験は周波数変調を用いて行ったので、位相変調を用いて導出した式17において、mνm に周波数変調振幅360MHzを代入すればよい。
【0081】
【発明の効果】
本発明のブリルアンゲインスペクトル測定方法および装置は、所定の変調周波数で周波数変調されたポンプ光とプローブ光を被測定光ファイバの両端から入射し、両光の位相が同期する位置におけるブリルアンゲインスペクトルgB(ν) を選択的に測定することとしたから、従来技術においては、ポンプ光パルスの時間幅に、ブリルアンゲインスペクトルgB(ν) の周波数広がりΔνB により決定される下限値があるために、空間分解能が2 〜3m以上に制限されるという問題点を解決し、1m以下の空間分解能でブリルアンゲインスペクトルを測定できる方法および装置を実現できた。
【0082】
また、光遅延器を用いて被測定光ファイバに入射するポンプ光とプローブ光との間に遅延を設定することで、両光を周波数変調する変調周波数を変化させることにより、被測定光ファイバ中で両光の位相が同期する位置、すなわちブリルアンゲインスペクトルを測定する位置を実用的な距離変化させることが可能になり、ブリルアンゲインスペクトルの光ファイバに沿った分布を測定できる方法および装置を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。
【図3】本発明の実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の実施例により測定した光ファイバの構成を示す図である。
【図5】図4に示す光ファイバを測定して得られたブリルアンゲインスペクトル分布を示す図である。
【図6】図5より得られる、被測定光ファイバのブリルアン周波数シフト分布を示す図である。
【図7】図5より得られる、シングルモード光ファイバ、分散シフト光ファイバそれぞれのブリルアン周波数シフトに沿ったブリルアンゲインの分布を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の光源
2 第2の光源
3 光周波数変換器
4 光学手段,光分岐器
5 光検出器
6 被測定光ファイバ
7 光分岐手段,光分岐器
8 光遅延器
9 光波長フィルタ
11 半導体レーザ,LD
12 信号発生器
31 光強度変調器
32 マイクロ波発生器
61 シングルモード光ファイバ
62 分散シフト光ファイバ
63 シングルモード光ファイバ

Claims (5)

  1. 所定の変調周波数で周波数変調された第1の連続発振光と前記所定の変調周波数と等しい変調周波数で周波数変調された第2の連続発振光とを用いたブリルアンゲインスペクトル測定方法であって、
    前記第1の連続発振光を被測定光ファイバの一端面から入射させ、
    前記第2の連続発振光の中心周波数を周波数シフトし、該周波数シフトにより中心周波数のシフトした前記第2の連続発振光を被測定光ファイバの他端面から入射させ、
    前記第2の連続発振光の中心周波数の周波数シフト量を変化させて、被測定光ファイバの前記一端面または前記他端面から出射された光のパワーを測定することで、被測定光ファイバにおいて前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が同期し相関値が高まる位置におけるブリルアンゲインスペクトルを測定することを特徴とするブリルアンゲインスペクトル測定方法。
  2. 請求項1に記載のブリルアンゲインスペクトル測定方法において、前記所定の変調周波数を変えることによって、被測定光ファイバ中のブリルアンゲインスペクトルを測定する位置を変えることを特徴とするブリルアンゲインスペクトル測定方法。
  3. 所望の変調周波数で周波数変調された連続発振光を分岐し、該分岐により得られる第1の連続発振光と第2の連続発振光を用いたブリルアンゲインスペクトル測定方法であって、
    前記第1の連続発振光を遅延させ、該遅延した第1の連続発振光を被測定光ファイバの一端面から入射させ、
    前記第2の連続発振光の中心周波数を周波数シフトし、該周波数シフトにより中心周波数のシフトした前記第2の連続発振光を被測定光ファイバの他端面から入射させ、
    前記第2の連続発振光の中心周波数の周波数シフト量を変化させて、被測定光ファイバの前記一端面または前記他端面から出射された光のパワーを測定することで、被測定光ファイバにおいて前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が同期し相関値が高まる位置におけるブリルアンゲインスペクトルを測定し、
    前記変調周波数を変化させることで、被測定光ファイバにおいて前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が同期し相関値が高まる位置を変化させてブリルアンゲインスペクトルを測定し、被測定光ファイバにおけるブリルアンゲインスペクトルの分布を測定することを特徴とするブリルアンゲインスペクトル測定方法。
  4. 所定の変調周波数で周波数変調された第1の連続発振光を出力する第1の光源(1)と、
    前記所定の周波数と等しい周波数で周波数変調された第2の連続発振光を出力する第2の光源(2)と、
    該第2の連続発振光の中心周波数に対し所望の周波数シフトを与える光周波数変換器(3)と、
    前記第1の連続発振光を受けて被測定光ファイバ(6)の一端に入射するとともに、前記光周波数変換器により周波数シフトを受けた後、前記被測定光ファイバの他端に入射され該被測定光ファイバを伝搬して出射された前記第2の連続発振光の少なくとも一部を導く光学手段(4)と、
    該光学手段で導かれた光のパワーを測定する光検出器(5)とを備え、
    前記第1の連続発振光の位相と第2の連続発振光の位相が被測定光ファイバ中で同期する位置におけるブリルアンゲインスペクトルを測定することを特徴とするブリルアンゲインスペクトル測定装置。
  5. 所望の変調周波数で周波数変調された連続発振光を出力する光源(1)と、
    前記連続発振光を分岐し、第1の出力光および第2の出力光を出力する光分岐手段(7)と、
    前記第1の出力光の中心周波数に対し所望の周波数シフトを与える光周波数変換器(3)と、
    前記第2の出力光に所定の遅延時間を与える光遅延器(8)と、
    該光遅延器で遅延された第2の出力光を受けて被測定光ファイバの一端に入射するとともに、前記光周波数変換器により周波数シフトを受けた後、前記被測定光ファイバの他端に入射され該被測定光ファイバを伝搬して出射された前記第1の出力光の少なくとも一部を導く光学手段(4)と、
    該光学手段で導かれた光のパワーを測定する光検出器(5)とを備え、
    前記所望の変調周波数を変化させることで被測定光ファイバの両端から入射された前記第1の出力光の位相と第2の出力光の位相が同期する位置を変化させ、被測定光ファイバにおけるブリルアンゲインスペクトルの分布測定を可能としたことを特徴とするブリルアンゲインスペクトル測定装置。
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