JP5882690B2 - 多孔質ガラス、その製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は多孔質ガラス、その製造方法に関する。
ガラスの相分離現象を利用して製造される多孔質ガラスは、反射防止など様々な光学機能を有する光学材料として工業的利用が期待されている。
ガラスの相分離現象を利用した多孔質ガラスは、一般的に相分離可能な組成領域にあるホウケイ酸系母体ガラスを500℃から700℃で熱処理して相分離を起こさせ、その後酸エッチングを行い多孔質化させることで得られる。
反射防止などの光学機能が優れた多孔質ガラス材料を得るには、多孔質ガラス構造の形成を幅広く制御することが重要である。上述した従来のプロセスでは多孔質構造の形成自由度が低く、得られる多孔質ガラスは通常単一な孔径を有するため、得られる光学性能も制限される。
様々な機能を有する多孔質ガラスを作製するために、ガラスに特定のプロセスを施すことで目的の機能を付与する手法が開示されている。
特許文献1には、有機系ポリマがコーティングされた多孔質ガラスが開示されている。特許文献2には、特異的に腐食したガラス表面上に非粘着性耐熱樹脂組成物の液体分散物を塗布し、硬化させることで得られた複合体の製造方法が開示されている。特許文献3には、SiOを含むガラス基板上に相分離成分を塗布し、加熱処理し相分離させた後、SiO含有量の少ない相だけ除去して作製するメッキ回路形成用基板が開示されている。
特許文献1や特許文献2は多孔質構造を有するガラス上に樹脂物を塗布したもので、防汚などの環境安定性を付与したものである。特許文献3では、実施例よりSiOを含むガラス基板として多孔質化が困難なパイレックス(登録商標)や石英ガラスを用いており、基板であるガラスとその上に形成させる金属メッキ膜の密着性を上げる目的でガラス表面を粗化する方法である。
以上のように、ガラス表面へのコーティングにより防汚などの耐環境安定機能や表面粗化機能を付与している手法は開示されているが、相分離による多孔質ガラスの構造形成を幅広く制御する方法は知られていない。
特開平9−208265号公報 特開昭61−205638号公報 特開平01−317135号公報
上述したように、従来の技術分野では、構造形成を幅広く制御した多孔質ガラスが求められているが、相分離を用いて作製する多孔質ガラスにおいて構造形成の自由度が高い多孔質ガラスの製造方法は知られていない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、多孔質構造を変化させた、優れた光学性能を示す多孔質ガラスおよびそれを用いた光学部材を提供するものである。
また、本発明は、多孔質構造の形成を幅広く制御することができる多孔質ガラスの製造方法を提供するものである。
上記課題を解決する多孔質ガラスの製造方法は、酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属酸化物を含有する母体ガラス上に、ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層を設ける第1工程と、前記母体ガラスおよび前記表層を加熱処理して、相分離された相分離ガラスを形成する第2工程と、前記相分離ガラスを酸処理して孔を有する多孔質ガラスを形成する第3工程と、を有することを特徴とする。
上記課題を解決する上記の多孔質ガラスは、表面から内部に向かって平均骨格径が大きくなっていることを特徴とする。
本発明によれば、多孔質構造を変化させた、優れた光学性能を示す多孔質ガラスおよびそれを用いた光学部材を提供することができる。
また、本発明は、多孔質構造の形成を幅広く制御することができる多孔質ガラスの製造方法を提供することができる。
本発明の多孔質ガラスの一実施態様を示す概略図である。 本発明の多孔質ガラスの製造方法の一実施態様を示す工程図である。 (a)は実施例1において得られた多孔質ガラスの断面の電子顕微鏡観察図である。(b)は実施例1において得られた多孔質ガラスの他の断面の電子顕微鏡観察図である。 (a)は比較例1において得られた多孔質ガラスの断面の電子顕微鏡観察図である。(b)は比較例1において得られた多孔質ガラスの他の断面の電子顕微鏡観察図である。 平均骨格径を説明する図である。
以下、本発明の多孔質ガラスの実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の多孔質ガラスの一実施態様を示す概略図である。図1において、本発明に係る多孔質ガラス1は、酸化ケイ素を主成分として含有するガラス内部3と、前記ガラス内部3上に酸化ケイ素を主成分として含有するガラス表層部2を有し、前記ガラス表層部2と前記ガラス内部3には連続細孔を有する。上記の多孔質ガラスにおいて、前記ガラス表層部2の平均骨格径Rが、ガラス内部3の平均骨格径Rより小さい。
図2は、本発明の多孔質ガラスの製造方法の一実施態様を示す工程図である。図2において、本発明に係る多孔質ガラスの製造方法は、下記の第1工程から第3工程を有する。
第1工程は、酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属酸化物を含有する母体ガラス5上に、ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層4を設ける工程である(図2(a)参照)。
第2工程は、前記母体ガラス5および表層4を加熱処理して、前記母体ガラス5および表層4を相分離させて相分離ガラスを形成する工程である(図2(b)参照)。なお、「相分離」について、たとえばガラス体に酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属を有する酸化物を含むホウケイ酸塩ガラスを用いた場合を例に説明する。「相分離」とは、ガラス内部でアルカリ金属を有する酸化物と酸化ホウ素を相分離前の組成より多く含有する相(非シリカリッチ相)と、アルカリ金属を有する酸化物と酸化ホウ素を相分離前の組成より少なく含有する相(シリカリッチ相)に、数nmスケールの構造で分離することを意味する。
前記相分離ガラス(相分離したガラス内部7およびガラス表層部6)を酸処理して、前記相分離ガラスに連続細孔を形成して、多孔質ガラスを得る工程である(図2(c)参照)。
本発明の多孔質ガラスは、ガラス表層部2のようなガラス組成シフト誘起層を設けることにより、ガラス構造内に組成傾斜をもたらすことで、多孔質構造形成の自由度が高まり構造形成の制御幅の拡張が可能となる。したがって、優れた光学性能を示す多孔質ガラスの製造方法およびそれを用いた光学部材を提供することができる。
本発明において、多孔質ガラスの母体となる母体ガラス5は、酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属酸化物を含有する。
本発明の多孔質ガラスのガラス内部を構成する母体ガラス5の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素系多孔質ガラスI(母体ガラス組成:酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物)、酸化ケイ素系多孔質ガラスII(母体ガラス組成:酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物−(アルカリ土類金属酸化物,酸化亜鉛,酸化アルミニウム,酸化ジルコニウムの少なくとも1種))、酸化ケイ素系多孔質ガラスIII(母体ガラス組成:酸化ケイ素−リン酸塩−アルカリ金属酸化物)、酸化チタン系多孔質ガラス(母体ガラス組成:酸化ケイ素−酸化ホウ素−酸化カルシウム−酸化マグネシウム−酸化アルミニウム−酸化チタン)などが挙げられる。なかでも、酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物のホウケイ酸系ガラスを母体ガラスに用いることが好ましい。さらには、ホウケイ酸系ガラスにおいて酸化ケイ素の割合が55重量%以上85重量%以下の組成、特に60重量%以上80重量%以下の組成のガラスが好ましい。上記母体ガラスは分相性を有している。「分相性」とは、たとえば母体ガラスに酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物のホウケイ酸系ガラスを用いた場合、加熱処理によって、ガラス内部で酸化ケイ素リッチ相とアルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相とに、相分離する性質のことである。
母体ガラスの製造方法は、上記組成となるように原料を調製するほかは、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、各成分の供給源を含む原料を加熱溶融し、必要に応じて所望の形態に成形することにより製造することができる。加熱溶融する場合の加熱温度は、原料組成等により適宜設定すれば良いが、通常は1350℃以上1450℃以下、特に1380℃以上1430℃以下の範囲とすることが好ましい。
例えば、上記原料として炭酸ナトリウム、ホウ酸及び二酸化珪素を均一に混合し、1350℃以上1450℃以下に加熱溶融すれば良い。この場合、原料は、前記のとおりアルカリ金属酸化物、酸化ホウ素及び酸化ケイ素の成分を含むものであればどのような原料を用いても良い。
また、多孔質ガラスを所定の形状にする場合は、分相性母体ガラスを合成した後、概ね1000℃以上1200℃以下の温度下で管状、板状、球状等の各種の形状に成形すれば良い。例えば、上記原料を溶融して分相性母体ガラスを合成した後、溶融温度から温度を降下させて1000℃以上1200℃以下に維持した状態で成形する方法を好適に採用することができる。
次に、本発明に係る多孔質ガラスの製造方法を各工程に基づいて説明する。
(第1工程)
本発明に係る多孔質ガラスの製造方法は、酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属酸化物を含有する母体ガラス5上に、ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層4を設ける第1工程(図2(a)参照)を行う。
本発明におけるホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層4は、公知のCVD、PVDの気相法、及びゾル−ゲル液相法より形成させることが可能である。中でもゾル−ゲル液相法を用いた塗布方法は、使用目的に応じて平板、曲板など様々な形状を有する分相性の母体ガラス上に層を形成させやすい点からより好ましい。
ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層は、次の工程における加熱処理により酸化されて、酸化ホウ素およびアルカリ金属酸化物を主成分として含有する層となる。ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分とする原料としては、加熱による酸化により酸化ホウ素化合物およびアルカリ金属酸化物を生成する有機ホウ素化合物、ホウ酸塩、有機アルカリ金属化合物、有機酸のアルカリ金属塩等を用いることができる。例えば、ホウ素、アルカリ金属の各々の金属アルコキシドや酢酸塩、塩化物、硝酸塩などの塩化合物を用いることができる。また、主成分の他に添加できる成分として、加熱による酸化により酸化ケイ素を生成する有機ケイ素化合物を添加してもよい。
ホウ素化合物の具体例として、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸などが挙げられる。アルカリ金属化合物の具体例としては、酢酸ナトリウム、アセチルアセトンナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられる。有機ケイ素化合物の具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルシリケート53A(コルコート社製)などのシリケートオリゴマーなどが挙げられる。
ホウ素化合物やアルカリ金属化合物、必要に応じて添加した有機ケイ素化合物は、有機溶媒に溶解させて、ホウ素化合物やアルカリ金属化合物の溶液を調製する。
有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレンなどの各種の芳香族炭化水素類;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどの各種のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのような各種のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミドのような、非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。本発明で使用される塗布溶液を調製するに当たり、溶液の安定性の点から上述した各種の溶剤類のうちアルコール類を使用することが好ましい。また、水に対する反応性が高い金属アルコキシド原料を用いる際、空気中の水分や水の添加により急激に加水分解され溶液の白濁、沈殿を生じる場合が多い。これらを防止するために溶液の安定化を図る目的で、安定化剤を添加してもよい。
安定化剤としては、例えば、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン化合物類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどの、β−ケトエステル化合物類;さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの、アルカノールアミン類等を挙げることができる。安定化剤の添加量は、金属アルコキシドに対しモル比で1程度にすることが好ましい。なお、本発明において、Aの添加量はBに対してモル比で1とは、添加するAのモル量がBのモル量に対して等倍であることを表している。一般的に金属アルコキシドを加水分解反応させるために、水を添加する。その際に反応を促進させる目的で触媒を適宜用いる。触媒としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、アンモニア等を例示することができる。
上記溶液中のホウ素化合物およびアルカリ金属化合物、必要に応じて添加した有機ケイ素化合物の添加量は、加熱により得られる酸化物層の酸化物重量に対して重量比で1重量%以上30重量%以下の範囲となるように溶液を調製することが好ましい。
安定化剤を含まない塗布溶液を用いて薄膜を形成する際には、塗布を行う雰囲気を乾燥空気もしくは乾燥窒素等の不活性気体雰囲気とすることが好ましい。乾燥雰囲気の相対湿度は30%以下にすることが好ましい。
前記ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層は、ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する溶液を塗布して設けることが好ましい。塗布膜を形成する溶液塗布法としては、例えばディッピング法、スピンコート法、スプレー法ならびにこれらの併用等、既知の塗布手段を適宜採用することができる。膜厚は、ディッピング法における引き上げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変化させることと、塗布溶液の濃度を変えることにより制御することができる。
本発明における分相性母体ガラス5上に設けるホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層4の厚みが10nm以上5μm以下,好ましくは30nm以上3μm以下が望ましい。
(第2工程)
次に、本発明においては、前記母体ガラス5および表層4を加熱処理して、前記母体ガラス5と前記表層4との間で成分拡散させた後、相分離させて、相分離ガラスにする第2工程(図2(b)参照)を行う。この工程で形成された相分離ガラスは、酸化ケイ素リッチ相とアルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相とに相分離している。また、相分離ガラスの表面から内部にかけて、酸化ケイ素リッチ相とアルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相との割合が変化する部分を含んでいる。具体的には、アルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相の割合は相分離ガラスの表面から内部にかけて減少し、反対に酸化ケイ素リッチ相の割合は表面から内部にかけて増加する。
母体ガラス5は、加熱処理により相分離して、相分離したガラス内部7となる。ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層4は、加熱処理により酸化・相分離されて、アルカリ金属酸化物―酸化ホウ素リッチ相の割合がガラス内部7に比べて高い相分離したガラス表層部6となる。ただし、上記のように、相分離ガラスの表面から内部にかけて、酸化ケイ素リッチ相とアルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相との割合が変化する部分があるため、ガラス表層部6とガラス内部7との境界は観察しにくくなっている。なお、ガラス表層部6は、酸化ケイ素リッチ相とアルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相との割合が変化する部分のことを指し、およそ表面から厚さ50μm程度の領域に現れる。
表層4を設けた後(第1の工程の後)、相分離のための加熱処理工程前に予め加熱処理(仮焼成)を行ってもよい。加熱処理の目的は層と分相性母体ガラス間で相互に成分拡散を促すためである。加熱処理は相分離のための加熱処理温度より低い温度で行う。具体的には100℃以上500℃以下であり、処理時間は5時間以上5日(120時間)以下である。
相分離するための加熱処理工程では、従来と同様に、相分離のための加熱処理温度は400℃以上800℃以下とし、相分離のための加熱処理時間は通常20時間以上100時間以下の範囲内において適宜設定することができる。
一般的には、分相性母体ガラスを加熱処理することにより、分相性母体ガラスを相分離させることができる。加熱処理温度は500℃以上800℃以下とし、加熱処理時間は通常20時間以上100時間以内の範囲内において、得られる多孔質ガラスの細孔径等に応じて適宜設定することができる。
(第3工程)
次に、本発明においては、図2(b)の工程で得られた相分離した相分離ガラス(ガラス内部7およびガラス表層部6)を酸処理して、前記ガラス表層部と前記ガラス内部に連続細孔を形成し、多孔質ガラスを得る第3工程(図2(c)参照)を行う。
前記加熱処理工程より得られる相分離ガラスを酸溶液と接触させることにより酸可溶成分であるアルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相を溶出除去させる。酸溶液としては、例えば塩酸、硝酸等の無機酸等を好ましく用いることができ、酸溶液は通常は水を溶媒とした水溶液の形態で好適に使用することができる。酸溶液の濃度は、通常は0.1mol/L以上2mol/L以下の範囲内で適宜設定すれば良い。この酸処理工程では、その溶液の温度を室温以上100℃以下の範囲とし、処理時間は1時間以上50時間以下程度とすれば良い。
その後、水洗浄処理を経て酸化ケイ素からなる骨格を持つ多孔質ガラスが得られる。水洗浄処理工程における洗浄水の温度は、一般的には室温以上100℃以下の範囲内とすれば良い。水洗浄処理工程の時間は、対象となるガラスの組成、大きさ等に応じて適宜定めることができるが、通常は1時間以上50時間以下とすれば良い。
相分離にはスピノーダル型とバイノーダル型に分類される。スピノーダル型の相分離により得られる多孔質ガラスの細孔は表面から内部にまで連結した貫通連続細孔であり、バイノーダル型相分離では独立細孔のものが得られる。スピノーダル型の相分離により得られる多孔質ガラスは、3次元的に孔が絡み合うような構造を有し、例えば「アリの巣」状であり、酸化ケイ素による骨格が「巣」で、連続細孔が「巣穴」にあたる。一方、バイノーダル型の相分離により得られる多孔質ガラスは、球形に近い閉曲面で囲まれた孔である独立細孔が不連続に酸化ケイ素による骨格中に存在している構造である。これらの細孔は電子顕微鏡による形態観察結果より判断され区別されうる。スピノーダル相分離およびバイノーダル相分離に関しては、例えば文献John Wiley&Sons,“Introduction to Ceramics,second editon,”Chapter8,1960.に記載されている。
多孔質ガラスの平均細孔径は、特に限定的でないが、1nm以上1μm以下の範囲、特に2nm以上0.5μm以下の範囲、さらには10nm以上100nm以下であることが望ましい。多孔質ガラスの気孔率は、通常は10%以上90%以下、特に20%以上80%以下であることが望ましい。
本発明において、母体ガラスに設けるホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層において、酸化物換算で、酸化ホウ素およびアルカリ金属酸化物の合計の含有量が、前記層全体に対し50重量%以上100重量%以下、好ましくは60重量%以上95重量%以下が望ましい。酸化ホウ素およびアルカリ金属酸化物の合計の含有量が少ないと、酸処理後も膜が残存する恐れがある。また、設ける表層には、ケイ素化合物を含有していてもよい。ケイ素化合物の含有量は、前記層全体に対し5重量%以上40重量%以下が好ましい。
本発明において、多孔質ガラスのガラス表層部の平均骨格径Rがガラス内部の平均骨格径Rより小さい。さらに、かつ前記ガラス表層部の平均骨格径とガラス内部の平均骨格径の差分X(X=R−R)が25nm≦X≦70nmであることが光学部材として使用する上で好ましい。
前記ガラス表層部の平均骨格径Rが5nm以上75nm以下で、前記ガラス内部の平均骨格径Rが30nm以上100nm以下であることが好ましい。多孔質ガラスの平均骨格径は、走査電子顕微鏡像を用い、一定の範囲内で多孔質体表面の骨格を複数の楕円で近似し、近似したそれぞれの楕円における短径を計測し、これを30点以上で繰り返す。その得られた値の平均より骨格径を算出することが可能である。具体的には、例えば図5に示すように、多孔質体表面の電子顕微鏡写真を用い、骨格102を複数の楕円103で近似し、それぞれの楕円における短径104の平均値を求める。なお、符号”101”は多孔質ガラスの孔を表している。ガラス表層部および内部において各々算出し、それらを用いて差分値の範囲を求める。その他の方法を用いても差し支えない。
本発明の多孔質ガラスの細孔構造の形成のメカニズムについては不明な点が多いが、以下のように推測される。分相性母体ガラス上に表層を設けた後に仮焼成を含めた相分離のための加熱処理を行うことにより、ガラス表層部においてガラス内部と表層間の成分拡散が相互におこり、ガラス組成がガラス表層部とガラス内部では異なる様になる。ここでいうガラス表層部とは分相性ガラス(ガラス表層部+ガラス内部)表面から深さ50μmまでの厚みまでの部分を示す。成分拡散は連続的に起こることからガラス組成の傾斜が発生すると考えられる。ガラス表層部はガラス内部と組成が異なるため相分離形態や相分離の程度も異なり、得られる細孔構造もガラス表層部とガラス内部で変化する。ガラス表層部において、ガラス部と表層間で成分拡散がおこり、ガラス表層部の組成が変化するためガラス内部でみられるスピノーダル相分離状態とは異なる。相分離されたガラス表層部では、アルカリ金属酸化物−酸化ホウ素リッチ相の割合が表面から内部に向かい小さくなる。そのため最終的に得られる多孔質ガラスの構造において、平均骨格径がガラス内部に比べて小さくなる。また、最終的に得られる多孔質ガラスの構造において、空孔率が、表面から内部に向かうほど徐々に小さくなる。
空孔率の算出について簡易的な方法として、例えば、電子顕微鏡写真の画像を2値化する処理を利用できる。電子顕微鏡写真において多孔質ガラスの骨格部分は白色が中心であり、孔部分は黒色が中心である。だが、骨格部分でも灰色がかった箇所、孔部分でも下層の骨格部分が若干見える部分などは明るくなっている箇所がある。これらを完全に切り分けるために、画像を白色と黒色のみに収束させるのが2値化である。黒色部分の面積の全体の面積(白色と黒色部分の面積の和)に対する割合を算出する。5万倍、10万倍、15万倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真を使用し、その平均値を空孔率とする。空孔率から屈折率の値が算出できる。550nmの波長に光に対し、空気の屈折率が約1、骨格を形成するシリカの屈折率は約1.46であり、空孔率を用いてそれぞれの寄与を足し合わせることで得られる。
本発明の多孔質ガラスは光学部材として用いることができる。多孔質ガラス構造を幅広く制御可能なため撮像、観察、投射および走査光学系の光学レンズやディスプレイ装置に用いる偏光板などの光学部材として用途が期待される。多孔質ガラスを光学部材として使用する場合、ガラス内部よりもガラス表層部が光の入射面側に配置されるようにした場合、低反射な光学部材を提供することができる。
本発明は、筐体内に配置された撮像素子を有する撮像装置(例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラなど)の中に配置される光学部材の一部として使用されてもよい。本発明は、光学部材として使用される多孔質ガラスを上述した方法で製造される撮像装置の製造方法を提供することができる。
このように、従来の分相性母体ガラスに表層部を設けるプロセスを導入することにより、ガラス表層部とガラス内部で異なった多孔質構造の形成を実現でき、多孔質構造形成が幅広く制御可能となる。よって、得られる多孔質ガラスの屈折率傾斜構造の自由度が広がることとなる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
各実施例および比較例の多孔質ガラスの評価は下記の方法で行った。
(1)表面観察
走査電子顕微鏡(FE−SEM S−4800、日立製作所製)を用いて多孔質ガラスの断面観察(加速電圧;5kV、倍率;15万倍)を行った。
(2)反射率測定
レンズ反射率測定機(USPM−RU、オリンパス製)を用いて多孔質ガラスの反射率を測定した。
[実施例1]
ガラス原料として、炭酸ナトリウム、ホウ酸、二酸化珪素、アルミナを用い、それらをNaO:B:SiO:Al=4.5:19:75:1.5(重量%)組成比で均一に混合し、1350から1450℃で加熱溶融した。その後、板状に成形した状態で自然冷却し、厚み約1mmの板状ガラスを得た。
上記板状ガラスを約2cm角に切断した、4.5NaO―19B―75SiO―1.5Al(重量%)組成の母体ガラス上に、予め調製した塗布液を用いスピンコーティング法で厚さ約200nmの塗布膜を形成した。
予め用意した塗布液の調製方法を示す。酸化ホウ素の原料としてホウ酸トリ−n−ブチル、酸化ナトリウムの原料として酢酸ナトリウム、溶剤にはエタノールを用いた。エタノール中にホウ酸トリ−n−ブチルを溶解させた後、希塩酸を添加し撹拌した。その溶液に酢酸ナトリウムを溶解させ、塗布液とした。塗布液は酸化物換算で、酸化ホウ素と酸化ナトリウムの重量比が4:1となるように塗布液を調製した。
スピンコートされた母体ガラスを300℃、4日仮焼成した後、600℃、50時間熱処理した。さらに、80℃に温めた1mol/Lの硝酸水溶液中に24時間浸漬した後、80℃のイオン交換水中に24時間浸漬し多孔質ガラスを得た。
得られた多孔質ガラスの断面SEM観察を行った結果を図3に示す。図3(a)は表面から深さ5μmの箇所、図3(b)は表面から150μmの箇所の観察結果を表している。図3(a)、図3(b)から、「アリの巣穴」に似た連続細孔を有する多孔質構造が形成されていることがわかる。図3(a)の平均骨格径Rは49nmで、図3(b)の平均骨格径Rは95nmであり、図3(a)の方が小さく、その差分Xは46nmであった。以上のように、ガラス表層部とガラス内部で骨格径が異なっていることがわかった。
なお、空孔率は、表面からの深さが、5μm、30μm、100μm、150μmの箇所でそれぞれ、25%、21%、19%、15%であった。
[実施例2]
実施例1と同様に作製した板状ガラスを約2cm角に切断した、4.5NaO・19B・75SiO・1.5Al(重量%)組成の母体ガラス上に予め調製した塗布液を用いスピンコーティング法で塗布膜を形成した。塗布液の調製は実施例1と同様の方法で行い、酸化物換算で、酸化ホウ素と酸化ナトリウムの重量比が5:1となるように塗布液を調製した。スピンコートされた母体ガラスを300℃、4日仮焼成した後、600℃、50時間熱処理した。さらに、80℃に温めた1mol/Lの硝酸水溶液中に24時間浸漬した後、80℃のイオン交換水中に24時間浸漬し多孔質ガラスを得た。
得られた多孔質ガラスの断面SEM観察を行った結果、実施例1と同様に、「アリの巣穴」に似た連続細孔を有する多孔質構造が形成されていた。ガラス表層部の連続細孔の平均骨格径Rは64nmであり、ガラス内部の連続細孔の平均骨格径Rは93nmであり、ガラス表層部の方が小さく、ガラス表層部とガラス内部の連続細孔の平均骨格径の差分Xは29nmであった。なお、実施例1と同様に、空孔率は表面からの深さが深くなるほど小さくなった。
[実施例3]
実施例1と同様に作製した板状ガラスを約2cm角に切断した、4.5NaO・19B・75SiO・1.5Al(重量%)組成の母体ガラス上に、予め調製した塗布液を用いスピンコーティング法で塗布膜を形成した。塗布液の調製は酸化ケイ素成分を添加したこと以外は実施例1と同様の方法で行った。
酸化ケイ素成分には加水分解・縮重合反応を一部進ませたシリケートオリゴマー(メチルシリケート53A、コルコート社製)を用いた。塗布液は酸化物換算で、酸化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化ケイ素の重量比が4:1:0.5となるように塗布液を調製した。スピンコートされた母体ガラスを300℃、4日仮焼成した後、600℃、50時間熱処理した。さらに、80℃に温めた1mol/Lの硝酸水溶液中に24時間浸漬した後、80℃のイオン交換水中に24時間浸漬し多孔質ガラスを得た。
得られた多孔質ガラスガラスの断面SEM観察を行った結果、実施例1と同様に、「アリの巣穴」に似た連続細孔を有する多孔質構造が形成されていた。ガラス表層部の連続細孔の平均骨格径Rは29nmであり、ガラス内部の連続細孔の平均骨格径Rは96nmであり、ガラス表層部の方が小さく、ガラス表層部と内部の連続細孔の平均骨格径の差分Xは67nmであった。なお、実施例1と同様に、空孔率は表面からの深さが深くなるほど小さくなった。
[実施例4]
実施例1で得られた多孔質ガラスの反射率測定を行ったところ、700nmにおける反射率が2.68%、600nmにおける反射率が2.72%、500nmにおける反射率が2.88%、400nmにおける反射率が2.83%であった。
[比較例1]
実施例1と同様に作製した板状ガラスを約2cm角に切断した、4.5NaO・19B・75SiO・1.5Al(重量%)組成の母体ガラスを300℃、4日仮焼成した後、600℃、50時間熱処理した。その後、80℃に温めた1mol/Lの硝酸水溶液中に24時間浸漬した後、80℃のイオン交換水中に24時間浸漬した。
そうして得られたガラス断面を電子顕微鏡観察した結果を図4に示す。図4(a)は表面から深さ5μmの箇所、図4(b)は表面から150μmの箇所の観察結果を表している。図4(a)、図4(b)から、「アリの巣穴」に似た連続細孔を有する多孔質ガラス構造が形成されていることがわかる。ガラス表層部と内部の平均骨格径はほぼ変わらず、その差分値は1nm以上5nm以下の範囲であった。なお、空孔率は表面からの深さが深くなっても変わらなかった。
[比較例2]
比較例1で得られた多孔質ガラスの反射率測定を行ったところ、700nmにおける反射率が3.51%、600nmにおける反射率が3.84%、500nmにおける反射率が3.97%、400nmにおける反射率が3.83%であった。
本発明の多孔質ガラスは、多孔質構造の形成を幅広く制御し、光学性能を向上させた多孔質ガラスなので、光学分野における光学部材に利用することができる。
1 多孔質ガラス
2 ガラス表層部
3 ガラス内部
4 表層
5 母体ガラス
6 相分離したガラス表層部
7 相分離したガラス内部

Claims (11)

  1. 多孔質ガラスの製造方法であって、
    酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属酸化物を含有する母体ガラス上に、ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層を設ける第1工程と、
    前記母体ガラスおよび前記表層を加熱処理して、相分離された相分離ガラスを形成する第2工程と、
    前記相分離ガラスを酸処理して孔を有する多孔質ガラスを形成する第3工程と、を有し、前記多孔質ガラスの平均骨格径が表面から内部に向かって大きくなることを特徴とする多孔質ガラスの製造方法。
  2. 多孔質ガラスの製造方法であって、
    酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属酸化物を含有する母体ガラス上に、ホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する表層を設ける第1工程と、
    前記母体ガラスおよび前記表層を加熱処理して、相分離された相分離ガラスを形成する第2工程と、
    前記相分離ガラスを酸処理して孔を有する多孔質ガラスを形成する第3工程と、を有し、前記前記多孔質ガラスの空孔率が表面から内部に向かって小さくなることを特徴とする多孔質ガラスの製造方法。
  3. 前記第2工程において、加熱処理温度は400℃以上800℃以下とし、加熱処理時間は20時間以上100時間以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  4. 前記第1工程と前記第2工程との間に、第2工程における加熱処理温度より低い温度で、加熱処理時間は5時間以上120時間以下で、前記母体ガラスおよび前記表層を加熱処理する第4工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  5. 前記第4工程において、加熱処理温度は100℃以上500℃以下であることを特徴とする請求項に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  6. 前記表層は、酸化物換算で酸化ホウ素およびアルカリ金属酸化物の合計の含有量が、該表層全体に対し50重量%以上100重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  7. 前記表層の厚みが10nm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  8. 前記第1工程は、前記母体ガラスの上にホウ素化合物およびアルカリ金属化合物を主成分として含有する溶液を塗布して表層を設けることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  9. 前記多孔質ガラスの空孔率が、表面から内部に向かって小さくなることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  10. 前記母体ガラスが分相性を有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の多孔質ガラスの製造方法。
  11. 多孔質ガラスを含む光学部材と撮像素子とを備える撮像装置の製造方法であって、
    前記多孔質ガラスが請求項1乃至10のいずれか1項に記載の多孔質ガラスの製造方法で製造されたことを特徴とする撮像装置の製造方法。
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