JP5880831B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は自動変速機の変速制御装置に係り、詳しくは登坂路や降坂路でいち早く適切にシフトダウンを実行するための変速制御装置に関する。
近年では乗用車のみならずトラックやバスなどの大型車両においても、運転者のアクセル操作量や車速などに応じて変速段を自動的に切り換える自動変速機が普及している。この種の自動変速機の形式としては、例えばトルクコンバータに遊星歯車機構を組み合わせた自動変速機やベルト式などの無段変速機の他に、従来からの機械式の手動変速機をベースとして変速操作及び変速に伴うクラッチ操作をアクチュエータにより自動化した自動変速機が存在する。
このような手動変速機をベースとした自動変速機では、車両の走行中に所定のシフトマップに基づきアクセル開度や車速から目標変速段を算出し、この目標変速段を達成すべく適宜クラッチを断接操作しながら変速機の変速段を切り換えている。例えば車両が平坦路から登坂路に至ると、車速の低下に応じてシフトマップから低速ギヤ側の目標変速段が算出され、その目標変速段に基づくシフトダウンにより登坂路で要求される車両駆動力が確保される。また、車両が平坦路から降坂路に至ると、路面勾配の推定に基づく降坂路の判定やアクセル操作の中止などを条件として、降坂路用のシフトマップに切り換えられて低速ギヤ側の目標変速段が算出され、その目標変速段に基づくシフトダウンにより降坂路で要求されるエンジンブレーキが確保される。
一方、登坂路や降坂路での変速制御に着目した技術として、特許文献1に開示されたものがある。当該特許文献1の技術は定速走行制御装置に関するものであり、定速走行制御中において、例えば車両が登坂路に至って実車速が低下して設定車速よりも所定値を超えて下回るとシフトダウンを実行している。
特開2003−200749号公報
ところで、登坂路や降坂路の緩急にもよるが、シフトダウンの遅れは運転者の意図に反した車速低下や車速増加を引き起こす。例えば登坂路でシフトダウンが遅れると、登坂路に対して車両駆動力が不足するため車速が低下し、甚だしいときには車両停止に至ってしまう。また、降坂路でシフトダウンが遅れると、降坂路に対してエンジンブレーキが不足するため車速が増加し、運転者は余分なフットブレーキ操作を強いられてしまう。
図3は従来技術のシフトマップに基づく変速制御による登坂路でのシフトダウン状況を示すタイムチャートであり、以下、この図に基づき登坂路の場合を詳述する。
車両が登坂路に至ると車速Vは低下し始めるが(ポイントa)、シフトマップ上の現変速段の領域内にある限り目標変速段は切り換えられない。車速Vがシフトマップ上のシフトダウン線に相当する所定車速V0まで低下すると(ポイントb)、目標変速段が低速ギヤ側の変速段に切り換えられ、エンジンが過回転にならないことを条件としてシフトダウンが許可される。
エンジンの過回転は、予めエンジン許容回転速度より若干低回転側に設定されたオーバーラン回転速度Ne0に基づき判定され、シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下のときには、直ちにシフトダウンが許可される。これに対して図3に破線で示すように、シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0を超えるときには、車速Vと共にエンジン回転速度Neが低下してオーバーラン回転速度Ne0以下になった時点でシフトダウンが許可される(ポイントc)。
シフトダウンが許可されると、接続状態のクラッチが切断方向に操作され始め、クラッチの切断完了後に目標変速段への切換が実行される(ポイントd)。クラッチ切断により駆動輪側への駆動力伝達が中断される所謂トルク抜けを生じるため、ポイントc以降の車速低下はさらに急激なものとなる。変速段の切換完了後にクラッチは接続方向に制御され、半クラッチ開始点(ポイントe)を経て接続される(ポイントf)。このためエンジン回転速度Neはシフトダウン後の値まで上昇し、低速ギヤ側の変速段を介した駆動力伝達により一旦低下した車速Vが回復する。
以上のように従来のシフトマップに基づく変速制御では、車両が登坂路に侵入して実際に車速Vが低下しないと目標変速段が切り換えられず(ポイントb)、さらに目標変速段が切り換えられてもエンジン過回転に関する条件が満たされるまでシフトダウンが遅延される場合もある(ポイントc)。従って、登坂路への到達からシフトダウン完了により駆動力伝達が再開されるまでのポイントa〜fの期間が非常に長くなる。そのため、変速完了までに車速Vが大幅に低下して走行フィーリングが悪化するし、車速低下が甚だしいときには登坂路の途中で車両が停止(図中に矢印で示す)してしまう場合があった。
降坂路の場合も同様であり、車両が降坂路に至って実際に車速Vが増加しないと目標変速段が切り換えられないことから、シフトダウン完了までに車速Vが大幅に増加して走行フィーリングが悪化する。また、場合によっては変速中に車速が増加してシフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0を超えてしまいシフトダウンできず、車両減速のために運転者が余分なフットブレーキ操作を強いられてしまう。
上記特許文献1に開示された定速走行制御装置も、登坂路での車速低下に基づきシフトダウンを実行する点では図3の従来技術と相違ないことから、上記不具合が発生することは明らかであった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、登坂路や降坂路でいち早く適切にシフトダウンを完了でき、もって登坂路での著しい車速低下や降坂路での著しい車速増加に起因する走行フィーリングの悪化を未然に回避することができる自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、予め設定されたシフトマップに従って車速及びアクセル操作量に基づき目標変速段を設定し、目標変速段に基づき車両の自動変速機を変速制御する自動変速機の変速制御装置において、地図情報に基づき車両の進路上の所定距離以内に登坂路または降坂路が存在するか否かを判定する登坂・降坂路判定手段と、登坂・降坂路判定手段により登坂路または降坂路の存在が判定されたとき、シフトマップに基づく目標変速段に関わらず、車両が上記登坂路または降坂路に到達する以前に低速ギヤ側の目標変速段を設定する目標変速段設定手段と、目標変速段設定手段により設定された目標変速段に基づきシフトダウンを実行するシフトダウン実行手段と、登坂・降坂路判定手段により登坂路の存在が判定されたとき、少なくとも登坂路に車両が到達する以前に、地図情報から求めた登坂路の路面勾配に基づき登坂路でのシフトダウン中の車両減速度を算出し、車両減速度及び予め目標変速段に対応して設定された変速所要時間に基づきシフトダウン中の車速低下量を算出し、車速低下量を目標変速段のギヤ比により回転速度に換算した変速中回転低下量を、予めエンジン過回転防止のために設定されているオーバーラン回転速度に加算して増加補正する補正手段とを備え、シフトダウン実行手段が、目標変速段に基づくシフトダウン後のエンジン回転速度が補正手段により増加補正後のオーバーラン回転速度を超えるときには、車速と共にシフトダウン後のエンジン回転速度が低下してオーバーラン回転速度以下になったときにシフトシフトダウンを実行するものである。
請求項2の発明は、請求項1において、目標変速段設定手段が、登坂・降坂路判定手段により登坂路の存在が判定されたとき、登坂路の路面勾配を地図情報に基づいて算出し、路面勾配に基づき車両が登坂路で大きく車速低下せずに走行可能な駆動力を確保できる変速段として目標変速段を設定するものである。
請求項3の発明は、請求項2において、目標変速段設定手段が、登坂・降坂路判定手段により降坂路の存在が判定されたとき、降坂路の路面勾配を地図情報に基づいて算出し、路面勾配に基づき車両が降坂路で大きく車速増加せずに走行可能なエンジンブレーキを確保できる変速段として目標変速段を設定するものである。
以上説明したように請求項1の発明の自動変速機の変速制御装置によれば、地図情報に基づき車両の進路上の所定距離以内に登坂路または降坂路が存在すると判定されたとき、シフトマップに基づく目標変速段に関わらず、車両が登坂路または降坂路に到達する以前に低速ギヤ側の目標変速段を設定するようにした。
また、登坂路に車両が到達する以前に、登坂路の路面勾配に基づき登坂路でのシフトダウン中の車両減速度を算出し、車両減速度及び目標変速段の変速所要時間に基づきシフトダウン中の車速低下量を算出し、車速低下量を回転速度に換算した変速中回転低下量をエンジン過回転防止のためのオーバーラン回転速度に加算して増加補正し、シフトダウン後のエンジン回転速度が増加補正後のオーバーラン回転速度以下になったときにシフトシフトダウンを実行するようにした。
本来のオーバーラン回転速度でシフトダウン後のエンジン回転速度を制限したとしても、登坂路ではシフトダウン中に車速が低下することから、実際にはより低回転域で回転制限が行われることになる。シフトダウン中に発生するエンジン回転速度の低下量(変速中回転低下量)だけオーバーラン回転速度が引き上げられるため、シフトダウン完了時のエンジン回転速度をオーバーラン回転速度に略一致して制限できる。このため、エンジンの過回転を防止した上でシフトダウンの開始タイミングを最大限に早めることができる。
請求項2の発明の自動変速機の変速制御装置によれば、請求項1に加えて、登坂路の存在が判定されたとき、地図情報から算出した登坂路の路面勾配に基づき大きく車速低下せずに走行可能な目標変速段を設定するようにした。
登坂路への到達以前に目標変速段を設定する必要があるが、地図情報から求めた路面勾配を指標とすることにより登坂路に対して最適な目標変速段を設定することができる。
請求項3の発明の自動変速機の変速制御装置によれば、請求項2に加えて、降坂路の存在が判定されたとき、地図情報から算出した降坂路の路面勾配に基づき大きく車速増加せずに走行可能な目標変速段を設定するようにした。
降坂路への到達以前に目標変速段を設定する必要があるが、地図情報から求めた路面勾配を指標とすることにより降坂路に対して最適な目標変速段を設定することができる。
実施形態の自動変速機の変速制御装置が適用されたトラックの駆動系を示す全体構成図である。 第1及び第2実施形態のGPS情報及び地図情報に基づく変速制御による登坂路でのシフトダウン状況を示すタイムチャートである。 従来技術のシフトマップに基づく変速制御による登坂路でのシフトダウン状況を示すタイムチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した自動変速機の変速制御装置の第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態の自動変速機のクラッチ制御装置が適用されたトラックの駆動系を示す全体構成図である。
車両には走行用動力源としてディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1が搭載されている。エンジン1の出力軸1bにはクラッチ装置2を介して自動変速機(以下、単に変速機という)3の入力軸3aが接続され、クラッチ装置2の接続時にエンジン1の回転が変速機3に伝達されるようになっている。当該変速機3は、前進6段及び後退1段を備えた手動式変速機をベースとしたものであり、以下に述べるように、その変速操作及び変速に伴うクラッチ装置2の断接操作を自動化したものである。
クラッチ装置2は、フライホイール4にクラッチ板5をプレッシャスプリング6により圧接させて接続される一方、フライホイール4からクラッチ板5を離間させることにより切断される摩擦式クラッチとして構成されている。クラッチ板5にはアウタレバー7を介してエアシリンダ8が連結され、エアシリンダ8には電磁弁9が介装されたエア通路10を介して圧縮エアを充填したエアタンク11が接続されている。
電磁弁9の開弁時にはエアタンク11からエア通路10を介してエアシリンダ8(シフトダウン実行手段)に圧縮エアが供給され、エアシリンダ8が作動してアウタレバー7を介してクラッチ板5をフライホイール4から離間させ、これによりクラッチ装置2が接続状態から切断状態に切り換えられる。一方、電磁弁9が閉弁すると、圧縮エアの供給中止によりエアシリンダ8が作動しなくなることから、クラッチ板5はプレッシャスプリング6によりフライホイール4に圧接され、これによりクラッチ装置2は切断状態から接続状態に切り換えられる。このように電磁弁9の開閉に応じてエアシリンダ8が作動して、クラッチ装置2を自動的に断接操作可能になっている。
変速機3には変速段を切り換えるためのギヤシフトユニット14が設けられ、図示はしないがギヤシフトユニット14(シフトダウン実行手段)は、変速機3内の各変速段に対応するシフトフォークを作動させる複数のエアシリンダ、及び各エアシリンダを作動させる複数の電磁弁を内蔵している。ギヤシフトユニット14はエア通路12を介して上記したエアタンク11と接続されており、各電磁弁の開閉に応じてエアタンク11からの圧縮エアが対応するエアシリンダに供給され、そのエアシリンダが作動して対応するシフトフォークを切換操作すると、切換操作に応じて変速機3の変速段が切り換えられる。このようにギヤシフトユニット14の電磁弁の開閉に応じてエアシリンダが作動して、変速機3を自動的に変速操作可能になっている。
車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAMなど)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなどを備えたECU(制御ユニット)21が設置されており、エンジン1、クラッチ装置2、変速機3の総合的な制御を行う。
ECU21の入力側には、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ22、変速機3の入力軸3aの回転速度(クラッチ回転速度Nc)を検出するクラッチ回転速度センサ23、運転席に設けられたチェンジレバー13の切換位置を検出するレバー位置センサ24、変速機3のギヤ位置を検出するギヤ位置センサ25、アクセルペダル26の操作量Accを検出するアクセルセンサ27、変速機3の出力軸3bに設けられて出力軸回転速度Vss(車速Vと相関する)を検出する車速センサ28、フットブレーキ29の操作を検出するブレーキスイッチ30、クラッチ装置2のクラッチストロークSTを検出するストロークセンサ31、及びナビゲーションユニット32(登坂・降坂路判定手段)などのセンサ類が接続されている。
ナビゲーションユニット32は、GPSアンテナ33を介して人工衛星からGPS信号を受信する一方、内蔵している記憶装置に予め標高を含めた地図情報が記憶されており、これらのGPS情報及び地図情報をECU21が任意に読出し可能になっている。
また、ECU21の出力側には、上記したクラッチ装置2の電磁弁9、ギヤシフトユニット14の各電磁弁などが接続されると共に、図示はしないが、エンジン1の燃料噴射弁などが接続されている。なお、このように単一のECU21で総合的に制御することなく、例えばECU21とは別にエンジン制御専用のECUを備えるようにしてもよい。
そして、例えばECU21は、エンジン回転速度センサ22により検出されたエンジン回転速度Ne及びアクセルセンサ27により検出されたアクセル操作量Accに基づき、図示しないマップからエンジン1の各気筒への燃料噴射量を算出すると共に、エンジン回転速度Ne及び燃料噴射量に基づき図示しないマップから燃料噴射時期を算出する。そして、これらの算出値に基づき各気筒の燃料噴射弁を駆動制御しながらエンジン1を運転する。
また、ECU21にはエンジン1の過回転を抑制するためのオーバーラン回転速度Ne0が予め記憶されている。このオーバーラン回転速度Ne0は、エンジン1の許容回転速度より若干低回転側の値として予め設定されたものであり、ECU21は、エンジン1の運転中に何らかの要因でエンジン回転速度Neが想定外に上昇したとしても、その回転上昇をオーバーラン回転速度Ne0に制限して過回転によるエンジン破損を未然に防止する。
また、ECU21は、レバー位置センサ24によりチェンジレバー13のDレンジへの切換が検出されているときには自動変速モードを実行し、アクセル操作量Acc及び車速センサ28により検出された車速Vに基づき、図示しないシフトマップから目標変速段を算出する。そして、クラッチ装置2の電磁弁9を開閉してエアシリンダ8によりクラッチ装置2を断接操作させながら、ギヤシフトユニット14の所定の電磁弁を開閉してエアシリンダにより対応するシフトフォークを切換操作して変速段を目標変速段に切り換え、これにより常に適切な変速段をもって車両を走行させる。
例えば車両が平坦路から登坂路に至ると、ECU21は車速Vの低下に応じてシフトマップから低速ギヤ側の目標変速段を算出し、その目標変速段に基づきシフトダウンを実行することにより登坂路で要求される車両駆動力を確保する。また、車両が平坦路から降坂路に至ると、路面勾配の推定に基づく降坂路の判定やアクセル操作の中止などを条件として、降坂路用のシフトマップに切り換えて低速ギヤ側の目標変速段を算出し、その目標変速段に基づきシフトダウンを実行することにより降坂路で要求されるエンジンブレーキを確保する。
シフトダウンを実行するとエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0を超えることがあるため、このような場合を想定して変速時にも上記オーバーラン回転速度Ne0が適用される。例えば登坂路でシフトダウンを実行する際に、シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0を超えると推測したときにはシフトダウンを禁止する。その後、登坂路での車速低下に伴ってエンジン回転速度Neが低下し、シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下になった時点でシフトダウンを許可し、この許可判定に基づきシフトダウンを実行している。
そして、以上のシフトマップに基づく変速制御では、車両が登坂路や降坂路に侵入して実際に車速Vが低下しないと目標変速段が切り換えられず、さらに目標変速段が切り換えられてもエンジン過回転に関する条件が満たされるまでシフトダウンが遅延される場合もある。従って、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、登坂路への到達から変速完了により駆動力伝達が再開されるまでの期間が非常に長くなり、走行フィーリングの悪化などの諸問題が発生してしまう。
本発明者は、このような不具合の要因がシフトマップに基づき低速ギヤ側に目標変速段が切り換えられるタイミングが遅いためであることに着目した。そして、登坂路や降坂路でのシフトダウンに限ってはシフトマップから求めた目標変速段に基づくことなく、車両が登坂路や降坂路に到達する以前のより早いタイミングで、GPS情報や地図情報に基づき登坂路や降坂路を認識して目標変速段を切り換えれば問題解決に繋がることを見出した。以下、このような観点に基づきECU21により実行される変速制御を説明する。
車両の走行中において、ECU21はナビゲーションユニット32からGPS情報及び車両周辺の地図情報を逐次読み出し、地図上での車両(自車)の現在位置を特定した上で、現在車両が走行中の道路上(以下、車両の進路上という)の所定距離(例えば100m)以内に登坂路や降坂路が存在するか否かを判定している(登坂・降坂路判定手段)。車両の進路上に登坂路や降坂路が存在しないときには、通常通りシフトマップに基づく変速制御により適宜変速機3の変速段を切り換えながら車両を走行させる。
そして、車両の進路上に登坂路や降坂路の存在を判定すると、これらの登坂路や降坂路に車両が到達する以前、例えば到達タイミングに対して所定距離だけ手前のタイミングで、シフトマップから求めた目標変速段に基づくことなく、変速制御の目標変速段を低速ギヤ側の変速段に切り換える(目標変速段設定手段)。
そのためにECU21は、地図情報に含まれる標高情報に基づき車両の進路上の登坂路の路面勾配を推定すると共に、積載物を含めた車両重量を推定し、これらの路面勾配及び車両重量に基づき登坂路を走行するために最適な変速段を算出して目標変速段として設定する。
具体的には、例えば登坂路の場合は、登坂路に侵入しても大きく車速低下することなく走行可能な駆動力、より望ましくは略一定の速度を維持可能な駆動力を確保できる変速段を目標変速段として算出する。また、降坂路の場合は、降坂路に侵入しても大きく車速増加することなく走行可能なエンジンブレーキ、より望ましくは略一定の速度を維持可能なエンジンブレーキを確保できる変速段を目標変速段として算出する。何れの場合も、平坦路を走行中の現在の変速段に比較して低速ギヤ側の変速段が目標変速段として算出・設定されることになる。
即ち、シフトマップに基づく変速制御では登坂路や降坂路での車速変化に応じて自ずと目標変速段が切り換えられるが、登坂路や降坂路への到達以前に目標変速段を設定する本実施形態では、設定のために別の指標を要する。そこで、地図情報から求めた路面勾配及び車両重量を指標とし、これにより登坂路や降坂路に対して最適な目標変速段を設定しているのである。
なお、上記車両重量は、車両の走行を開始した時点で車両の駆動力や車両の前後方向加速度などに基づき推定されるが、その周知の推定手法であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
このように路面勾配及び車両重量は、登坂路で要求される駆動力や降坂路で要求されるエンジンブレーキに直接的に相関する要件であるが、例えば、これらに加えて登坂路や降坂路の長さを考慮して目標変速段を算出してもよい。登坂路や降坂路が短い場合には車速低下や車速増加が少ないため、本来の低速ギヤ側の変速段よりも高ギヤ側(平坦路のときに近い)の変速段でも走りきることが可能なためである。また、乗用車などでは搭乗人数が増減しても車両重量はそれほど変化しないため、車両重量は考慮せずに路面勾配のみに基づき目標変速段を算出してもよい。
目標変速段を切り換えるタイミングは、以下の観点に基づき設定されている。
後述するように目標変速段の切換と同時に実際の変速段がシフトダウン方向に切り換えられる場合(Ne≦Ne0)があり、このときには登坂路や降坂路に到達する以前の平坦路で低速ギヤ側の変速段で走行することになる。このため燃費などの観点から目標変速段の切換タイミングを極力遅くする方が望ましいが、一方では登坂路や降坂路に到達した時点で変速(シフトダウン)を完了していることが望ましい。
そこで、予め実施した試験から各変速段の変速所要時間を設定しておき、上記算出した目標変速段に対応する変速所要時間を現在の車速Vに基づき距離換算して先行距離Lを算出し、登坂路や降坂路から先行距離Lだけ手前の地点に車両が到達したタイミングで目標変速段を切り換えている。
また、変速機3のシンクロ機構による回転同期の作用は油温の影響を受け、油温が低いほど変速所要時間は長引く傾向がある、そこで、変速機3の油温に応じて変速所要時間ひいては先行距離Lを補正するようにしてもよい。但し、目標変速段の切換タイミングはこれに限ることはなく、少なくとも車両が登坂路や降坂路に到達する以前に目標変速段を切り換えればよい。
以上の目標変速段の切換に関する処理をECU21は車両の走行中に繰り返し実行しており、車両の進路上に登坂路や降坂路の存在を判定すると、以下の手順で目標変速段の切換及びシフトダウンを実行する。
図2は本実施形態のGPS情報及び地図情報に基づく変速制御による登坂路でのシフトダウン状況を示すタイムチャートである。
同図では、目標変速段を切り換えた時点でシフトダウン後のエンジン回転速度Neが上記オーバーラン回転速度Ne0を超える場合を主体に示しており、シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下の場合については、路面勾配に対するエンジン回転速度Neの関係のみを下から2段目に併記している。以下、この図に基づき登坂路の場合を例にとってシフトダウンの実行状況を詳述する。
まず、目標変速段の切換時においてシフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下の場合について説明する。
車両の進路上に登坂路の存在が判定されると、図中に破線で示すように、登坂路から先行距離Lだけ手前の地点で目標変速段が低速ギヤ側の変速段に切り換えられる(ポイントA)。破線で示すシフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下であることから、この時点で直ちにシフトダウンが許可されて開始される。図2には詳細を示していないが、クラッチ装置2の切断操作、変速段の切換操作、クラッチ装置2の接続操作を経てシフトダウンが完了し(シフトダウン実行手段)、これとほぼ同時に車両が登坂路に到達する(ポイントB)。
従って、車両が登坂路に侵入した当初からシフトダウン後の変速段を介して動力伝達され、登坂路ではほとんど車速低下することなく車両の走行が継続され、降坂路では大きく車速増加することなく車両の走行が継続される。
次に、目標変速段の切換時において、シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0を超える場合について説明する。
目標変速段が切り換えられると(ポイントA)、破線で示すシフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0を超えていることから、この時点ではシフトダウンが禁止される。車両が登坂路に到達すると(ポイントB)、車速Vと共にエンジン回転速度Neが次第に低下し、それに伴ってシフトダウン後のエンジン回転速度Neも次第に低下する。シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下になるとシフトダウンが許可され(ポイントC)、この許可判定に基づきシフトダウンが開始される。
まず接続状態のクラッチ装置2が切断方向に操作され始め、クラッチ装置2の切断完了後に変速段が目標変速段に切り換えられる(ポイントD)。変速段の切換完了後にクラッチ装置2は接続方向に制御され始め、エンジン回転速度Neは次第に上昇してシフトダウン後の値と一致する(ポイントE)。半クラッチ開始点を経てクラッチ装置2が接続されてシフトダウンが完了し(ポイントF)、駆動輪側への駆動力伝達が再開されて一旦低下した車速Vが回復する。よって、車両が登坂路に侵入した直後に多少の車速低下が一時的に発生するもののシフトダウンの完了により車速Vは速やかに上昇し、大きな車速低下を生じることなく登坂路での車両走行が継続される。
このように、図3の従来技術では、登坂路への侵入により車速低下しないと目標変速段を切り換えないのに対し、本実施形態では、車両が登坂路に到達する以前に登坂路に対応して目標変速段を切り換えている。このため、目標変速段の切換時にエンジン過回転に関する条件が満たされている場合には(Ne≦Ne0)、登坂路に到達した時点で既にシフトダウンが完了しており、またエンジン過回転に関する条件が見たされていない場合でも(Ne>Ne0)、登坂路への侵入直後にシフトダウンが完了する。
よって、登坂路でいち早く適切にシフトダウンを完了できることから、登坂路への到達から変速完了により駆動力伝達が再開されるまでの期間を大幅に短縮化でき、もって登坂路での著しい車速低下や車両停止を未然に回避して車両の走行フィーリングを向上することができる。
一方、以上の登坂路の場合と同じく、車両の進路上に降坂路の存在が判定されると、降坂路から先行距離Lだけ手前の地点で目標変速段が低速ギヤ側の変速段に切り換えられる。降坂路でのシフトダウン状況を示すタイムチャートは図示しないが、目標変速段の切換時においてシフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下であれば、直ちにシフトダウンが許可されて開始される。
従って、シフトダウンの完了とほぼ同時に車両は降坂路に到達し、降坂路に侵入した当初からシフトダウン後の変速段を介してエンジンブレーキが作用する。このように降坂路でいち早く適切にシフトダウンを完了できることから、降坂路での著しい車速増加を未然に回避して車両の走行フィーリングを向上できるし、車両減速のために運転者に余分なフットブレーキ操作を強いる事態を回避することもできる。
ところで、上記のように登坂路においてエンジン過回転に関する条件が見たされていない場合には(Ne>Ne0)、車速Vと共にエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下に低下するまでシフトダウンを開始しなかった。トルク抜けを伴うシフトダウン中には登坂路により車速Vが低下し、クラッチ接続でシフトダウンが完了するとエンジン回転速度Neは低下した車速Vに対応する値、即ちオーバーラン回転速度Ne0よりも低い値となる。このようにシフトダウンの際の実質的な回転制限は本来のオーバーラン回転速度Ne0よりも低回転域で行われることになり、この現象は、回転制限域を引き上げてより迅速にシフトダウン可能な余地が存在することを意味する。
本発明者は、シフトダウン中に発生するエンジン回転速度Neの低下量(後述する変速中回転低下量ΔNe)だけオーバーラン回転速度Ne0を引き上げれば、シフトダウン完了時のエンジン回転速度Neをオーバーラン回転速度Ne0に一致して制限できることを見出した。以下、この観点に基づく自動変速機3の変速制御を第2実施形態として説明する。
[第2実施形態]
本実施形態の自動変速機3の変速制御装置の全体的な構成は、図1に示した第1実施形態のものと同様であり、上記のように相違点は登坂路でのオーバーラン回転速度Ne0の設定にある。そこで、共通する構成箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に述べる。
まず、ECU21によるオーバーラン回転速度Ne0の補正処理について述べる。上記したように先行距離Lの算出のために各変速段の変速所要時間が設定されており、この変速所要時間内(即ち、シフトダウン中)にエンジン回転速度Neの低下が生じると考えられる。一方、シフトダウン中の車両の減速度は路面勾配及び車両重量に応じて相違し、路面勾配が急であるほど、車両重量が大であるほど車両減速度が高くなり、必然的にシフトダウン中の車速低下量、及び車速低下量と相関するエンジン回転速度Neの低下量(以下、変速中回転低下量ΔNeという)が大きくなる。
そこで、ECU21は、車両の進路上に登坂路の存在を判定すると、その登坂路の路面勾配及び車両重量に基づき登坂路でのシフトダウン中(トルク抜け状態)の車両減速度を算出し、その車両減速度に目標変速段に対応する変速所要時間を乗算してシフトダウン中の車速低下量を求める。この車速低下量を目標変速段のギヤ比に基づき上記変速中回転低下量ΔNeに換算した上で、オーバーラン回転速度Ne0に加算して増加補正する(補正手段)。
そして、図2の最下段に示すように、登坂路から先行距離Lだけ手前の地点で目標変速段を低速ギヤ側の変速段に切り換える際には、これと同時にオーバーラン回転速度Ne0が増加補正した値に切り換えられる(ポイントA)。当初はシフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0を超えるためシフトダウンが禁止されるが、登坂路への到達後、シフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下になった時点でシフトダウンが許可される(ポイントC)。このときのシフトダウン後のエンジン回転速度Neは本来のオーバーラン回転速度Ne0(増加補正前)よりも高いが、その回転域まで実際にエンジン1を回転上昇させることはないため、何ら問題は発生しない。
なお、オーバーラン回転速度Ne0の増加補正は必ずしも目標変速段の切換と同時である必要はなく、少なくとも車両が登坂路に到達する以前であれば任意のタイミングに変更してもよい。
許可判定に基づきシフトダウンが開始され、クラッチ装置2の切断操作、変速段の切換操作、クラッチ装置2の接続操作を経てシフトダウンが完了する。シフトダウンの開始から完了までに変速所要時間が経過すると共に、その間にシフトダウン後のエンジン回転速度Neは変速中回転低下量ΔNeだけ低下して本来のオーバーラン回転速度Ne0と略一致する。この状態でクラッチ装置2が接続されるため、エンジン回転速度Neは本来のオーバーラン回転速度Ne0以下に抑制されて、エンジン1の過回転が防止される。
そして、このようにオーバーラン回転速度Ne0を引き上げたことで、シフトダウンの開始タイミングが最大限に早められる(ポイントC)。このため登坂路で一層迅速にシフトダウンを完了でき、もって登坂路での著しい車速低下や車両停止を未然に回避して車両の走行フィーリングを向上することができる。
なお、以上のように本実施形態では、シフトダウン中の変速中回転低下量ΔNeだけオーバーラン回転速度Ne0を引き上げたが、これに限ることはなく任意に変更可能である。但し、変速中回転低下量ΔNe以上にオーバーラン回転速度Ne0を増加補正すると、シフトダウン完了後のエンジン回転速度Neが本来のオーバーラン回転速度Ne0を超えてエンジン破損の可能性が生じる。そこで、望ましくは変速中回転低下量ΔNeを上限としてオーバーラン回転速度Ne0を増加補正すればよい。
また、以上の変速中回転低下量ΔNeに基づくオーバーラン回転速度Ne0の増加補正処理を簡略化してもよい。例えば、シフトダウン中の車両減速度が所定値以上のときに、オーバーラン回転速度Ne0を予め設定した所定量だけ増加させてもよい。
ところで、以上は登坂路に関して説明したが、降坂路においてもオーバーラン回転速度Ne0を切り換えることでメリットが得られる。
上記のように事前のシフトダウンにより降坂路でも著しい車速増加を回避できるが、例えば走行中の降坂路の路面勾配が増加すると、車速増加を抑制すべくさらなるシフトダウンが必要となる。そして、降坂路ではシフトダウン後のエンジン回転速度Neがオーバーラン回転速度Ne0以下であるとしてシフトダウンが許可されても、シフトダウン中のトルク抜け(エンジンブレーキの消失)により車速Vと共にシフトダウン後のエンジン回転速度Neが急増してオーバーラン回転速度Ne0を超える場合がある。このときにはシフトダウン不能として以前の変速段に戻されるため、結果として意味のない無用なシフトダウンが試行されただけで、トルク抜け中の車速増加の弊害だけが生じてしまう。
そこで、降坂路では、シフトダウン中に発生するエンジン回転速度Neの増加量を算出し、この回転増加量をオーバーラン回転速度Ne0から減算して減少補正するようにしてもよい。なお、このときの回転増加量は、上記登坂路での変速中回転低下量ΔNeに相当するものであり、同様の手順で算出できる。このようにすれば、当初よりシフトダウンが許可されないことから、上記意味のない無用なシフトダウンの試行がキャンセルされて現変速段での走行が継続されることになり、シフトダウン中のトルク抜けに起因する車速増加を未然に防止することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではトラックに適用したが、これに限ることはなくバスや乗用車に適用したりしてもよい。
また、上記実施形態では、手動式変速機をベースとして変速操作及びクラッチ操作を自動化した自動変速機3を対象としたが、自動変速機の形式はこれに限るものではない。例えば遊星歯車機構を備えたトルクコンバータ式の自動変速機に適用してもよく、この場合でも上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
1 エンジン
3 変速機
8 エアシリンダ(シフトダウン実行手段)
14 ギヤシフトユニット(シフトダウン実行手段)
21 ECU(登坂・降坂路判定手段、目標変速段設定手段、
シフトダウン実行手段、補正手段)
32 ナビゲーションユニット(登坂・降坂路判定手段)

Claims (3)

  1. 予め設定されたシフトマップに従って車速及びアクセル操作量に基づき目標変速段を設定し、該目標変速段に基づき車両の自動変速機を変速制御する自動変速機の変速制御装置において、
    地図情報に基づき上記車両の進路上の所定距離以内に登坂路または降坂路が存在するか否かを判定する登坂・降坂路判定手段と、
    上記登坂・降坂路判定手段により登坂路または降坂路の存在が判定されたとき、上記シフトマップに基づく目標変速段に関わらず、上記車両が上記登坂路または降坂路に到達する以前に低速ギヤ側の目標変速段を設定する目標変速段設定手段と、
    上記目標変速段設定手段により設定された目標変速段に基づきシフトダウンを実行するシフトダウン実行手段と
    上記登坂・降坂路判定手段により登坂路の存在が判定されたとき、少なくとも該登坂路に上記車両が到達する以前に、上記地図情報から求めた上記登坂路の路面勾配に基づき該登坂路でのシフトダウン中の車両減速度を算出し、該車両減速度及び予め上記目標変速段に対応して設定された変速所要時間に基づき上記シフトダウン中の車速低下量を算出し、該車速低下量を上記目標変速段のギヤ比により回転速度に換算した変速中回転低下量を、予めエンジン過回転防止のために設定されているオーバーラン回転速度に加算して増加補正する補正手段と
    を備え、
    上記シフトダウン実行手段は、上記目標変速段に基づくシフトダウン後のエンジン回転速度が上記補正手段により増加補正後のオーバーラン回転速度を超えるときには、上記車速と共に上記シフトダウン後のエンジン回転速度が低下して上記オーバーラン回転速度以下になったときにシフトシフトダウンを実行する
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御手段。
  2. 上記目標変速段設定手段は、上記登坂・降坂路判定手段により登坂路の存在が判定されたとき、該登坂路の路面勾配を上記地図情報に基づいて算出し、該路面勾配に基づき上記車両が登坂路で大きく車速低下せずに走行可能な駆動力を確保できる変速段として目標変速段を設定することを特徴とする請求項1記載の自動変速機の変速制御手段。
  3. 上記目標変速段設定手段は、上記登坂・降坂路判定手段により降坂路の存在が判定されたとき、該降坂路の路面勾配を上記地図情報に基づいて算出し、該路面勾配に基づき上記車両が降坂路で大きく車速増加せずに走行可能なエンジンブレーキを確保できる変速段として目標変速段を設定することを特徴とする請求項2記載の自動変速機の変速制御手段。
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