JP5869912B2 - 導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真画像形成装置に使用される導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置に関する。
近年の電子写真画像形成装置の使用環境の多様化に伴って、電子写真画像形成装置に対しては、使用環境に因らず、高品位な電子写真画像を形成可能であることが求められてきている。具体的には、高温高湿環境(例えば、温度30℃/湿度80%RH)および低温低湿環境(例えば、温度15℃/湿度10%RH)のいずれの環境においても、安定して高品質な電子写真画像を提供できることが求められてきている。
しかしながら、現実には、高温高湿環境下においては、トナーへの摩擦帯電性の低下に起因するカブリが電子写真画像に発生する場合がある。一方、低温低湿環境下においては、現像装置内において、トナーを表面に担持し、搬送するための現像部材に用いられる導電性部材の表面硬度が上昇し、それによってトナーに加わるストレスが増大し、現像部材の表面にトナーが融着する場合がある。
また、電子写真画像形成装置のプロセススピードの高速化に伴って、現像部材の表面に摩耗や割れ等の欠陥が生じることがある。その結果、当該欠陥を起点としてトナーが現像部材の表面に融着したり、トナー搬送能力の低下によって、ベタ画像を形成したときに、ベタ画像の後端部分の濃度が低下することがあった。
特許文献1には、高温多湿環境下および/または長期使用におけるトナーへの安定した帯電性の付与を目的として、軸芯体と、その外周に弾性層を有し、さらにその周囲にガラス転移温度の異なる少なくとも2種類のポリエステル樹脂を含有する表面層を有する導電性部材が開示されている。
また、特許文献2には、表面が規則的または不規則的に微小面積で分布した誘電部と接地された導電部とからなる現像ローラを用いて、現像ローラの表面近傍に多数の微小閉電界(マイクロフィールド)を形成し、この閉電界の作用により、トナー担持体上に多量のトナーを付着させることが提案されている。そして、特許文献3には、微小閉電界を形成するトナー担持体の具体的な構成として、誘電体物質中に導電体物質を分散して、この混合物を芯金上に塗布して表面に誘電部を露出させる分散タイプ、誘電体物質中に導電体物質を、分散繊維を巻き廻して溶融し、誘電部を一様に分散点在させるタイプおよび導電性基体に縦横の格子状の溝を形成し、この溝に熱硬化性樹脂を埋め込むローレットタイプが開示されている。
特開2001−109254号公報 特開平6−180533号公報 特開平8−286497号公報
しかしながら、本発明者らによる特許文献1〜3に係る発明の検討によれば、高速のプロセススピードの電子写真画像形成装置に、帯電部材や現像部材として適用でき、かつ、高温高湿または低温低湿の環境下においても、帯電部材または現像部材としての性能が安定している導電性部材を得るためには、さらなる技術開発が必要であるとの認識を得るに至った。
そこで、本発明の目的は、プロセススピードが速い電子写真画像形成装置に、帯電部材や現像部材として用いたときに、高温高湿または低温低湿の環境下において、帯電部材または現像部材としての性能が安定している導電性部材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、多様な環境の下で、安定して高品位な電子写真画像を形成可能なプロセスカートリッジ、および電子写真装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、軸芯体と、該軸芯体の外周に弾性層を有し、該弾性層の外周に表面層を有する導電性部材であって、該表面層は、下記式(A)、(B)および(C)を含むポリエステルメラミン樹脂と、下記式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂と、導電性微粒子と、を含み、該ポリエステルメラミン樹脂は該表面層中でマトリックス相を形成し、該ポリエステル共重合樹脂は該表面層中においてドメイン相を形成し、かつ、該導電性微粒子が該マトリックス相に偏在している導電性部材が提供される。
Figure 0005869912
(式(B)中、Rは炭素数2以上9以下の直鎖アルキレン基、もしくは炭素数6以上9以下の分岐鎖状アルキレン基であり、Rは炭素数2以上8以下の直鎖アルキレン基である。)。
また、本発明の他の態様によれば、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、少なくとも導電性部材、トナー規制部材、およびトナー容器を有し、かつ該導電性部材が上記の導電性部材であることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
さらに、本発明の別の様態によれば、感光体および感光体に当接して配置される導電性部材を有する電子写真画像形成装置であって、該導電性部材が上記の導電性部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置が提供される。
本発明によれば、多様な環境の下でも安定して高品位な電子写真画像の形成に資する導電性部材を得ることができる。また、本発明によれば、多様な環境下で、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできる電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジを得ることができる。
本発明に係る導電性部材の長手方向に対して垂直な断面図である。 本発明に係る導電性部材の表面近傍の長手方向に対して平行な断面図である。 本発明に係る導電性部材の表面層を形成するのに使用する液循環型浸漬塗工装置の説明図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの断面図である。 本発明に係る電子写真画像形成装置の断面図である。
以下に本発明に係る導電性部材を現像部材として用いた場合を例に本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記の目的に対して種々の検討を重ねた結果、下記(1)〜(4)の要件を満たす導電性部材が、上記目的を良く達成できることを見出した。
(1)導電性部材の表面層がドメイン相とマトリックス相とを有する相分離構造を形成すること、
(2)該ドメイン相が、下記式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂で構成されていること、
(3)該マトリックス相は、下記式(A)、(B)および(C)を含むポリエステルメラミン樹脂で構成されていること、および、
(4)該マトリックス相に導電性微粒子が偏在していること。
図1は、本発明に係る導電性部材の長手方向に対して垂直な断面図である。導電性部材1は、円柱状または中空円筒状の導電性の軸芯体2、該軸芯体の外周に形成された少なくとも一層以上の弾性層3および該弾性層の外周に形成された表面層4を有している。
<表面層>
図2に本発明に係る導電性部材の長手方向に対して平行な断面図を示す。表面層4は、マトリックス相4aとドメイン相4bとからなる相分離構造(以降、単に「相分離構造」ともいう)を有する。また、マトリックス相4aは、導電性微粒子4cが前記マトリックス相4aに偏在している。
本発明に係る導電性部材は、弾性層の外周に形成される表面層が相分離構造を有し、マトリックス相4aに導電性微粒子4cが偏在する。すなわち、導電体部と誘電体部とが点在してなる表面層は、現像部材としての使用時に、トナーの融着およびトナー搬送量が不足することによる画像追従不良の抑制を両立するうえで重要である。また、この導電体部と誘電体部を構成する材料の選択が、特に速いプロセススピードでの電子写真画像の出力時における表面層の削れ、割れの抑制、および高温高湿環境下における電子写真画像へのカブリの発生を抑制するうえで重要である。
一般的に、画像追従不良を引き起こす、現像部材のトナーの搬送量の不足に対しては、下記手法が用いられることが知られている。
(1)感光体に対する導電性部材の周速比を増加させてトナー供給量を増加させる。
(2)トナー規制部材と導電性部材との接触圧を増加させ、トナー取り込み口(楔)を開かせることで、トナー取り込み量を増加させる。
(3)導電性部材表面の凹凸形状を大きくすることで、物理的搬送性を増加させる。
しかしながら、上記(1)および(2)の手法は、感光体やトナー規制部材と現像部材との間のせん断抵抗が上昇するため、トナーに対するストレスを増大させ、トナー融着が悪化する場合がある。
一方、上記(3)の手法は、表面凹凸の増大で、トナー供給ローラがトナー層の下、すなわち、現像部材の表面層にまで十分に入り込むことができない。そのため、トナーの掻き取りが不十分となり、残留したトナーが接触部材との間で繰り返しストレスを受け、トナー融着が生じる場合がある。
さらに、プロセススピードの高速化に伴って、画像追従不良を抑制するためにトナー供給量の増加が必要となり、トナーと接触部材との摺擦によるせん断抵抗が増大する傾向にあるので、表面層の削れや割れが進行し易くなる傾向にある。また、画像出力の高速化に伴い、高温高湿環境下におけるカブリも悪化する傾向にある。これは、感光体に対する導電性部材の周速比を低減するのに伴って、一プロセス当たりの導電性部材上のトナー担持量の絶対量が増加することで、摩擦によるトナー一個当たりの電荷獲得量が低下するためである。
また、特に高温高湿環境下において、カブリ発生の原因となるトナー帯電不足は、下記要因によると推定される。
(1)湿度が高い(水分が多い)ことにより、トナー同士が液架橋力で凝集し易くなるため、トナー転動性が悪化し、摺擦時の転がり摩擦を受ける頻度が低下する。
(2)温度が高いことにより、導電性部材表面およびトナーの樹脂材料の分子運動性が上昇するため、導電性部材表面とトナー表面との間に働く分子間力(タック性)が強くなり、トナー転動性が悪化する。
(3)水分が多く介在することにより、トナーと接触するトナー規制部材や導電性部材との摩擦帯電で帯電したトナー電荷が減衰しやすい。
従って、高温高湿環境下におけるカブリを抑制するには、導電性部材において、タック性の増大によるトナーの転動性悪化を抑制するとともに、トナーの電荷減衰を効果的に抑制することが必要である。
従って、高速画像出力下で、本発明における効果を高次元なレベルで両立するためには、導電性部材において、下記技術的要件を同時に達成することが必要である。
(1)トナー吸引力の増加、
(2)トナーの転動性向上および電荷減衰の抑制、
(3)表面層の削れ、および割れの抑制、
(4)摺動時のトナーに与えるストレスの緩和。
上記技術的背景に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、導電性部材の表面層は、下記化学式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂を含むドメイン相4bと、下記化学式(A)、(B)、および(C)を含むポリエステルメラミン樹脂のマトリックス相4aとからなる相分離構造を有し、前記マトリックス相に導電性微粒子4cが偏在することで、上記要件を達成できることを見出した。
Figure 0005869912
式(B)中、Rは炭素数2以上9以下の直鎖アルキレン基、もしくは炭素数6以上9以下の分岐鎖状アルキレン基であり、Rは炭素数2以上8以下の直鎖アルキレン基である。
本発明に係る導電性部材において、表面層は、誘電体部からなるドメイン相と導電体部からなる導電性微粒子が偏在したマトリックス相とが微小面積で混在露出している。
誘電体部は、トナー規制部材などの接触部材により、トナーを介して摺擦されることにより帯電し、導電体部との隣接部上に微小閉電界を形成する。このとき、誘電体部と隣接する導電体部との間に電界勾配が形成される。導電性部材表面へ搬送されたトナーは、微小閉電界による電界勾配力(グラディエント力)を受けて、導電性部材表面に吸引され担持される。これは、誘電体面の面電荷と異極性トナーに対して、導電面より反発を受ける作用によって、トナーが吸引されるためである。このような電界効果によるトナー吸引作用は、分子間力や鏡像力といった一般的に知られているトナー付着力よりも付着体と被付着体との間の距離依存性が少ないため、多層のトナーを吸引することを可能とする。従って、上記構成とすることで、トナー搬送量の増加を容易とし、高速での電子写真画像の出力時にも、画像追従不良を抑制することが出来る。さらに、本発明の表面層は、トナー担持量を増大させるために、表面層に過度な凹凸を形成する必要や、トナー規制部材との接触圧を過度に増大させる必要がなく、トナー融着を効果的に抑制することが出来る。
さらに、上記ドメイン相は、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)由来の化学式(A)と脂肪族エステル由来の化学式(B)との共重合体であるポリエステル共重合樹脂を含むことを特徴とする。また、上記マトリックス相は、化学式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂と化学式(C)で示されるメラミン樹脂との架橋反応物であるポリエステルメラミン樹脂を含むことを特徴とする。
まず、化学式(A)の出発原料であるPET樹脂について説明する。PET樹脂は、出発原料として、エチレングリコールとテレフタル酸を用い、エステル化反応で合成されるポリエステル樹脂である。一般的にPET樹脂は、結晶性が高く、さらに、分子構造的に剛直であるため、分子間力起因の粘着性が低く、靭性に優れる。さらに、樹脂材料の中でも特にエレクトレット性(低電荷減衰性)に優れ、高い摩擦帯電付与性を示す。従って、表面層に化学式(A)のセグメント(官能基)を含有することで、高温高湿環境下においても優れたトナー転動性を発現することが可能となる。さらに、エレクトレット性に優れるため、トナー電荷減衰を抑制することができ、トナー帯電不足によるカブリ抑制に寄与する。
続いて、化学式(B)の出発原料である脂肪族エステルについて説明する。本発明の表面層は、化学式(B)のセグメントが存在することで、可とう性の発現に寄与し、表面層の削れおよび割れの抑制、および摺動時のトナーに与えるストレスを緩和することが出来る。これは下記の理由のためである。
(1)化学式(A)のセグメントの結晶性の制御
化学式(A)のセグメントの出発原料であるPET樹脂は、樹脂材料の中でも特に種々の溶媒に溶解し難く、樹脂の軟化温度も高いため、ゴム材料のような弾性層上に表面層として塗膜を形成させることが困難である。例えば、PET樹脂を熱溶融して塗膜を形成する場合は融点(約260℃)以上でPET樹脂を溶融する必要があり、下地の弾性層は熱分解もしくはダメージを与える場合がある。また、溶媒などに溶解させて塗膜を形成する場合、PET樹脂は、溶媒などへの溶解性が低く、さらには、結晶性が高いため、塗膜形成中に結晶が析出する場合がある。この場合、塗膜表面に結晶性析出物起因の凹凸が形成されると、弾性ローラとした場合に、凸部を起点にトナー融着が進行したり、ローラの摺動時に削れや割れが発生したりしやすくなる場合がある。従って、化学式(A)のセグメントを含んだ表面層を形成するためには、PET樹脂の構造規則性を低減させ、結晶性の適正化と溶媒への溶解性を向上させる必要がある。一般的な手法として、異なる構造のポリマーを二種以上混合し、ランダム共重合もしくはブロック共重合させる方法が挙げられる。このとき、PET樹脂と共重合させるポリマーの選択が重要である。共重合させるポリマーとの相溶性が悪いと、適正な結晶性を得るために、共重合させるポリマーの配合量が多量に必要になり、PET樹脂固有の特性を発現させることが困難になる。また、共重合させるポリマー自体の結晶性が高いと、上記と同様の理由により、PET樹脂固有の特性を発現させることが困難になる。従って、化学式(A)との相溶性および結晶性の適正化という観点から、化学式(B)は、化学式(A)と極性が近く相溶性が良好なエステル樹脂であり、さらに、結晶性が低い脂肪族エステル由来のセグメントであることが必要である。
(2)ポリエステル共重合樹脂中へのソフトセグメント付与
化学式(A)のセグメントの出発原料であるPET樹脂は、剛性が強く、可とう性に劣る。そのため、ゴム材料のような弾性体上に塗膜を形成し、摺動部材として使用する場合、下地との追従性が極端に悪く、剥れや割れが発生しやすい。
従って、本発明において、脂肪族エステル由来のセグメントによって、表面層を構成するポリエステル共重合樹脂のエラストマー性を改善し、可とう性を向上させることが必要である。ポリエステル共重合樹脂のエラストマー性の発現は、ハードセグメントを構成する化学式(A)のPET樹脂由来の結晶の凝集力と低二次転移点を有するソフトセグメントの分子運動とで決まる。
本発明においては、化学式(B)がソフトセグメントに相当し、可とう性発現に重要な役割を果たす。その理由として、脂肪族エステルは、分子構造中に剛直なフェニル基由来などのベンゼン環を有さないことが挙げられる。また、化学式(B)の出発原料である脂肪族エステルを用いることで、PET樹脂とポリエステル共重合樹脂を形成した際に、結晶サイズの微細化が可能である。
エラストマー分子中のソフトセグメントとハードセグメントは互いに非相溶性であるため、これらはミクロに相分離する。このミクロ相分離状態、つまりモルフォロジーの形態は、分子構造中の結晶サイズに影響を及ぼし、エラストマーとしての可とう性に影響を与える。そのため、化学式(B)のソフトセグメントを、エラストマー分子中にランダムに存在させることで、PET樹脂由来の結晶サイズの増大が抑制され、エラストマーの可とう性の発現に有利に作用する。
また、本発明における化学式(B)の出発原料である脂肪族エステルは、脂肪族ジオール類(式中Rに相当)と脂肪族ジカルボン酸(式中Rに相当)を用いて、エステル化反応により合成される。本発明の原料として用いる脂肪族ジオールとしては、炭素数2以上9以下の直鎖アルキレン基もしくは、炭素数6以上9以下の分岐鎖状アルキレン基を持つもので、例えば、下記のものが挙げられる。1,2−エタンジオール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、トリメチルプロパンジオール、メチルオクタンジオール。また、これらの2種類以上を混合しても良い。直鎖アルキレン基の炭素数が2以上であれば、脂肪族エステル樹脂の柔軟性が得られ、十分な可とう性を得ることが出来る。また、直鎖アルキレン基の炭素数が9以下であることで、脂肪族エステル樹脂、およびポリエステル共重合樹脂の過度な結晶性の上昇を抑制し、十分な可とう性を得ることが出来る。この中で特に好ましくは、柔軟性の付与、および結晶性の適正化の観点から、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオールである。
また本発明の原料として用いる脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数2以上8以下の直鎖アルキレン基を持つもので、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸が挙げられる。また、これらの二種類以上を混合しても良い。脂肪族ジオール類同様に、直鎖アルキレン基の炭素数が2以上であれば、脂肪族エステル樹脂の柔軟性が得られ、十分な可とう性を得ることが出来る。また、直鎖アルキレン基の炭素数が8以下であることで、脂肪族エステル樹脂、およびポリエステル共重合樹脂の過度な結晶性の上昇を抑制し、十分な可とう性を得ることが出来る。この中で特に好ましくは、柔軟性の付与、結晶性の適正化および入手が容易であるなどの理由より、アジピン酸もしくはセバシン酸である。
さらには、脂肪族エステル樹脂として、環状エステルモノマーであるポリε-カプロラクトン、ポリエナントラクトン、ポリカプロラクトン、ポリビバロカプロラクトンのようなラクトン類の開環重合反応によって得られるものを用いることができる。ラクトン類から得られるポリエステルは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールのようなアルキレングリコール類を開始剤として、無触媒、もしくは触媒の存在下、ラクトン類を開環重合することで得られる。この中で特に好ましくは、柔軟性の付与、および結晶性の適正化の観点から、ポリε-カプロラクトンである。
直接エステル化反応およびラクトン類の開環重合に用いる触媒としては、Li,Sr,Ba,Zn,Mn,Co,Al、Ti,Sn,Sb,Zrなどの金属、あるいはこれらの金属を含む有機金属化合物、有機酸塩、またはアルコキシドなどを挙げることができる。これらの中でも、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシドなどが好ましい。
PET樹脂と脂肪族エステル樹脂とのポリエステル共重合樹脂の合成は、共重合法、溶融混合法、付加重合法のような製造方法を用いることができる。脂肪族エステル樹脂として、環状エステルモノマーを用いる場合は、付加重合方法を好適に用いることができる。
ポリエステル共重合樹脂100質量部中のPET樹脂(A)の質量比、つまり、PET樹脂(A)の質量部/{PET樹脂(A)の質量部+脂肪族エステル樹脂(B)の質量部}は、0.20〜0.98であることが好ましい。特に好ましくは、0.25〜0.90である。上記の質量比にあることで、可とう性の付与および結晶性の制御がより容易となる。また、本発明におけるポリエステル共重合樹脂中のハードセグメントとしての化学式(A)およびソフトセグメントとしての化学式(B)の構造単位は、核磁気共鳴法(NMR法)のような公知の手法を用いて分析することが可能である。
続いて、本発明の表面層のマトリックス相に含まれる化学式(C)に示す骨格ユニットを含むメラミン樹脂について説明する。一般的にメラミン樹脂は、熱硬化性の樹脂であり、主剤であるポリエステル樹脂やアクリル樹脂と組み合わせて用いられることが多い樹脂材料である。本発明においては、化学式(C)に示す骨格ユニットを含むメラミン樹脂がマトリックス相中に存在することで、相分離構造の形成およびマトリックス相での導電性微粒子の偏在の必須成分として寄与する。これは、化学式(C)に示す窒素由来の六員環構造のユニットが、導電性微粒子と化学的相互作用を生じることで、導電性微粒子が化学式(C)に示す骨格ユニットを含む樹脂に選択的に偏在されるためである。
また、メラミン樹脂は、化学式(C)に示す骨格ユニットに様々な官能基を付与することが可能である。例えば、アルキル基やメチロール基、イミノ基、カルボキシル基、フェニル基などが挙げられる。さらには、骨格ユニット同士をメチレン結合やメチレンエーテル結合などで鎖延長し、高分子化することも可能である。メラミン樹脂の特性は、この官能基の種類や重合度(分子量)によって、制御することができる。本発明におけるメラミン樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂、イソブチルエーテル化メラミン樹脂、イソプロピルエーテル化メラミン樹脂が好適なものとして挙げることが出来る。また、例として、メチルエーテル化メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドのようなアルデヒド成分との付加反応生成物であるメチロール化メラミン樹脂中のメチロール基の一部または全部を、メタノールのみでエーテル化したメチル化メラミン樹脂と称することも出来る。さらに、このとき、メチロール化メラミン樹脂中のメチロール基の一部または全部を、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどによって混合エーテル化したメラミン樹脂のいずれも包含する。これらの官能基は、本発明に規定した構造の中においては、二種類以上混合しても良い。本発明におけるメラミン樹脂は、化学式(C)を含むものであれば、特に限定されるものではないが、中でも、柔軟なセグメントをメラミン樹脂の分子構造中に有することが好ましい。柔軟なセグメントを分子構造中に有することで、可とう性が十分に発現され、導電性部材の表面層の削れおよび割れを効果的に抑制することが出来る。さらには、導電性部材の摺動時のトナーに与えるストレスの緩和に寄与する。また、詳細は後述するが、メラミン樹脂の低極性化を容易とすることで、相分離構造の形成およびドメイン相の大きさの適正化を達成することが出来る。特に好ましくは、アルキル基の分子鎖長が長く柔軟であること、さらに、ポリエステル共重合樹脂との極性差の適正化による相分離構造の制御の観点から、ブチルエーテル化メラミン樹脂である。また、ブチルエーテル化メラミン樹脂は、ブタノールのみでエーテル化したブチル化メラミン樹脂と称することも出来る。
一方で、化学式(C)を含まず、構造中に分子構造的に剛直なフェニル基を有するベンゾグアナミン樹脂やシクロヘキシルグアナミン樹脂などは、可とう性が悪く、削れや割れが発生する場合があるので、好ましくない。また、摺動時のトナーに与えるストレスが増加するため好ましくない。さらに、前記ベンゾグアナミン樹脂やシクロヘキシルグアナミン樹脂などは、ポリエステル共重合樹脂との極性が近く、相分離構造の形成が困難になるため、好ましくない。
また、化学式(C)に示す骨格ユニットを含むメラミン樹脂の数平均分子量(Mn)は、500≦Mn≦10000、特には、2000≦Mn≦6500の範囲が好ましい。Mnが500以上あることで、表面層におけるマトリックス相の過度な硬度上昇を抑制し、トナーに与えるストレス低減の効果を奏する。さらには、十分な可とう性が得られる。また、Mnが10000以下であることで、マトリックス相のタック性増大を抑制し、トナー転動性悪化による高温高湿環境下のカブリを抑制することが出来る。
続いて、本発明の効果を発現するために重要な役割を果たす相分離構造を形成するための具体的達成手段について説明する。本発明に係る弾性層の周囲に形成される表面層は、化学式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂を含むドメイン相と、化学式(A)、(B)、および(C)を含むポリエステルメラミン樹脂のマトリックス相とからなる相分離構造を呈す。このような構成を形成するための達成手段としては、例として、下記の二通りが挙げられる。
(1)極性(SP値)の異なる2種類以上の樹脂原料を用いた相分離構造制御
相分離構造を有する塗膜を形成する方法として、SP値の異なる二種類の樹脂原料を溶媒中に混合溶解し、溶媒を乾燥させることで、相分離構造を形成する方法を挙げることが出来る。SP値は分子の凝集エネルギー密度の平方根であり、分子同士の凝集する力(分子間力)の大小を表す。従って、二者間のSP値差を適正化することで、混和(相溶)状態を制御し、相分離構造の制御を可能とする。本発明における2種類の樹脂原料とは、化学式(A)および化学式(B)からなるポリエステル共重合樹脂と、化学式(C)に示す骨格ユニットを含むメラミン樹脂である。ポリエステル共重合樹脂のSP値は、化学式(A)と化学式(B)との共重合比を調整することで制御できる。メラミン樹脂のSP値は、メラミン樹脂の骨格ユニットに付与した官能基の選択や、メチレン結合やメチレンエーテル結合の存在比と相関する分子量の選択によって、容易に制御できる。尚、本発明においては、極性が高いPET樹脂と極性が低い構造のメラミン樹脂とを用いているため、ポリエステル共重合樹脂のSP値に対して、メラミン樹脂のSP値が相対的に低いものである。
本発明においては、2種類の樹脂原料のSP値差が、0.5以上2.1以下、特には、1.0以上1.8以下であることが好ましい。SP値差を上記の範囲内とすることで、2種類の樹脂材料が相分離構造を制御しやすくなり、ドメイン相の大きさの制御がより容易となる。また、平滑性や機械的特性により優れた表面層とすることができる。
(2)ポリエステル共重合樹脂の結晶性(溶媒溶解性)制御
相分離構造を有する塗膜を形成する方法として、結晶性が高く、常温では固体状態の樹脂材料を過飽和量の溶媒に溶解し、塗膜を形成する方法が挙げられる。結晶性の高い樹脂材料は、塗膜形成中の溶剤の揮発によって部分的に結晶が析出しやすい性質を示す。この結晶の凸状の析出部がドメイン部となり、連続的に塗膜が形成された部分がマトリックス部となることで、相分離構造が形成される。このドメイン相、つまり、結晶の析出度は、本発明においては、ポリエステル共重合樹脂の結晶性に依存する。このポリエステル共重合樹脂の結晶性を分子構造の最適化をすることで、結晶サイズの大きさや、被覆率を制御することが重要なポイントである。また、樹脂材料の結晶性の適正化とともに、溶媒の沸点や蒸発速度およびSP値によっても、相分離構造、つまりドメインの大きさの制御を達成することが出来る。本発明では、上述の手法および材料組成を組み合わせて、相分離構造を制御し、(1)トナー吸引力増加(2)トナーの転動性向上および電荷減衰の抑制(3)表面層の削れおよび割れの抑制(4)トナーに与えるストレスの緩和の両立を実現した。
具体的には、表面層を構成する樹脂材料の選択および組み合わせの最適化により、相分離構造の形状を制御することで、微小閉電界による電界勾配力(グラディエント力)を受けて、画像追従不良抑制の効果を奏する。また、本発明の表面層は、ドメイン相はマトリックス相よりも、相対的に凸形状であることで、トナーとトナー規制部材や感光体などとの接触面が、導電面であるマトリックス相よりも、誘電体部であるドメイン相の方が多い構成となる。このような構成によって、トナーを介した電荷減衰を相乗効果的に抑制するとともに、PET樹脂成分による摩擦帯電付与性によって、高次元なカブリ抑制の効果を奏する。
また、上記の手法で形成された表面層は、ドメイン相とマトリックス相からなる構成であり、ドメイン相は主に熱可塑性を示すポリエステル共重合樹脂から形成されているにも関わらず、変形応答性を有する。これは、ドメイン相とマトリックス相がほぼ同じ組成であることから、両者の応力に対する固有振動数が近く、摺動時の変形に対する高い応答性が得られたと推察される。加えて、ドメイン相とマトリックス相との界面は一部がメラミン樹脂由来のアミノ結合などを介して架橋されるため、界面における塑性変形が抑制され、変形応答性が発揮されたと考えられる。
また、本発明における表面層は、マトリックス相中にドメイン相が存在するもので、ドメイン相の円相当径は、トナーの平均粒径にも依存するが、5μm以上200μm以下であることが好ましい。特に好ましくは、10μm以上100μm以下である。5μm以上であれば、微小閉電界による電界勾配力(グラディエント力)を十分に発現することを可能とし、トナー吸引力を増大させることを可能とする。さらには、一般的に数μmの平均粒径を持つトナーに対して、十分に大きな誘電層面を得ることが出来るため、トナー電荷減衰を抑制することができる。また、200μm以下であれば、トナー供給ローラによる十分なトナー掻き取り性が得られるため、繰り返しストレスによる残留トナー起因のトナー融着を抑制することができる。さらには、過度な凹凸形成を抑制することを可能とし、摺動による削れや割れの発生を抑制することが出来る。ここで円相当径とは、導電性部材表面に投影されるドメイン相の面積と同じ面積を持つ円の直径を指す。尚、本発明におけるドメイン相は、走査型電子顕微鏡(SEM)や走査型透過電子顕微鏡(STEM)などによって同定可能である。
ドメイン相の大きさ(ドメインサイズ)の制御は上述の通りに、二種類の樹脂原料のSP値差、ポリエステル共重合樹脂の結晶性の適正化、表面層形成時の溶媒選択の他に、二種類の樹脂原料の質量比でも達成可能である。ポリエステル共重合樹脂とメラミン樹脂の総質量数に対するポリエステル共重合樹脂の質量比が、0.25以上0.92以下であることが好ましく、より好ましくは0.30以上0.90以下である。ポリエステル共重合樹脂とメラミン樹脂の総質量数に対するポリエステル共重合樹脂の質量比が0.25以上であると、PET樹脂成分の寄与が十分に得られ、摩擦帯電付与性が得られやすくなるとともにドメインサイズの低減の抑制が容易である。一方、0.92以下であると、メラミン樹脂成分の寄与が十分に得られ、削れや割れの抑制、およびトナー融着に対して効果を得られやすい。さらに、ドメインサイズの過度な増加の抑制が容易となる。
さらに、本発明にかかるマトリックス相は、導電性微粒子が偏在している。
導電性微粒子は、表面層の機械的物性および導電性の適正化に寄与する。また、導電性微粒子をマトリックス相に偏在させることが、グラディエント力を形成するために必要である。導電性微粒子の種類として、本発明において特に限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の粉体や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛の如き金属酸化物;ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック、カーボンナノチューブの如きカーボン系の導電剤。これらの中でも、カーボンブラックは、導電性の制御が容易であり、耐磨耗性に優れる、さらには、導電性微粒子に表面処理を施すことで、マトリックス相中に偏在させることが容易なので、特に好ましいものとして挙げることができる。
上記導電性微粒子のマトリックス相への偏在手法は、特に限定されるものではないが、導電性微粒子への表面官能基の付与、およびマトリックス相とドメイン相との間のガラス転移温度差(溶融特性差)を利用したポリマーアロイ化手法などを用いることが出来る。本発明においては、マトリックス相中に柔軟なセグメントを多く有するメラミン樹脂を含有するため、ドメイン相よりもマトリックス相のガラス転移温度が相対的に低い特徴を示す。従って、加熱後の冷却過程において、ドメイン相がガラス転移温度に達したときに、急激に流動性が低下することで、表面層中の導電性微粒子がマトリックス相中に移動する。上記理由により、マトリックス中への導電性微粒子の偏在が生じると考えられる。さらには、インクジェット法を用いて、マトリックス相を均一形成した塗膜上に、ドメイン相を規則的に塗布することでも形成することが可能である。
上記導電性微粒子は、酸化処理により表面官能基を付与した酸化処理導電性微粒子を用いることが好ましい。導電性微粒子の表面が酸化処理によりカルボキシル基などの酸性官能基が形成されることにより、メラミン樹脂中のイミノ基やヒドロキシル基と化学的相互作用を生じる。その結果、導電性微粒子は、選択的に化学式(C)のセグメントを含むメラミン樹脂に分散され、マトリックス中に導電性微粒子を偏在させることを容易とする。さらに、充分な導電性を付与できる範囲で導電性微粒子を使用しても均一に分散することができるため、経時に伴う凝集を抑制することを可能とし、ゴーストなどの画像不具合やリークの発生を抑制することができる。酸化処理導電性微粒子のpH値は5.0以下であることが好ましい。
導電性微粒子の表面層中の含有量は、表面層の樹脂成分100質量部に対して、1〜60質量部の範囲であることが好ましい。このとき、例えばマトリックス相とドメイン相の質量比が7:3の場合、マトリックス相中には、1.4〜85.7質量部の導電性微粒子が含有される。より好ましくは、表面層の樹脂成分100質量部に対して、5〜50質量部の範囲である。導電性微粒子の含有量が1質量部以上であることで、グラディエント力を形成するための適度なマトリックス相の導電性が得られるだけでなく、マトリックス相の機械的物性および耐摩耗性の低下の抑制が可能である。一方で、60質量部以下であることで、樹脂成分に対する導電性微粒子の分散均一性が得られ、適度な導電性が得られるだけでなく、マトリックス相の過度な硬度上昇の抑制によるトナー融着を防ぐことが可能である。
上記導電性微粒子の平均一次粒子径は、表面層樹脂成分の強度を維持し、適切な導電性を発揮させることを考慮すると、15〜50nmとすることが好ましい。また、導電性微粒子の好ましいDBP吸収量としては、同様の理由から、50〜300ml/100g、特には、60〜180ml/100gである。導電性微粒子の二次粒子径と相関するDBP吸収量を上記範囲にすることで、分散性と耐摩耗性の両立を果たすことができる。更に、必要な物性に合わせて、2種以上の導電性微粒子を配合してもよい。
上記表面層の好ましい表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.10μm以上、3.5μm以下、特には、0.20μm以上、3.0μm以下である。Raが0.10μm以上であれば、導電性部材表面の粘着性が上昇するのを抑制し、トナー転動性の低下による高温高湿環境下のカブリを抑制することができる。さらには、真実接触面積の過度な増大に伴った接触部材との摺擦の上昇による削れや割れが発生するのを抑制することができる。更に、トナーの搬送性が低下するのを抑制し、高速出力下においても、画像追従不良の発生を抑制することができる。また、Raが3.5μm以下であれば、トナーの搬送性が過大となって、トナー劣化に起因したトナー融着が発生するのを抑制することができる。トナーや電子写真画像形成プロセスとの組み合わせにもよるが、Raが上記数値範囲内であれば、特に耐削れ性および耐割れ性の低下を抑制する性能に優れ、トナー融着、トナー搬送性不足に起因する不良画像を抑制するバランスが良好となる。このような表面粗さを有する表面層を得るには、相分離構造の適正化や、表面層に任意の粒径の球状微粒子を含有させる方法を例として挙げることができる。
RaはJIS規格(JISB0601−2001)に準拠し、(株)小坂研究所製surfcorder SE−3400を用い、送り速度0.5mm/s、カットオフ0.8mm、測定長2.5mmの条件で測定する。この測定を導電性部材の母線方向の任意3箇所で行い、これらの値の相加平均として得られる値をRaに採用することができる。
上述した表面粗さを導電性部材の表面に付与させるために、表面層は、相分離構造の形成を阻害しない範囲で、ドメイン相、マトリックス相の両者、もしくはどちらか一方の表面に凹凸形状を形成させる球状微粒子を含有してもよい。表面層が球状微粒子を含有することによって、導電性部材表面の表面粗度を均一にすることが容易となると同時に、表面層が磨耗した場合でも、表面粗度の変動を少なくし表面状態を一定に保持することができる。球状微粒子としては、体積平均粒径が5〜30μmであることが好ましい。微粒子の体積粒径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:LS−230型;コールター社製)に、リキッドモジュールを取り付けたものを用いることができる。測定は、水約10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに微粒子約10mgを加え、超音波分散機で10分間分散した後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定を行う。上記の測定方法により測定した値を体積平均粒径の値として採用することができる。球状微粒子の含有量としては、表面層の樹脂成分100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましい。
球状微粒子の材料としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を挙げることができる。これらの球状微粒子は、例えば、懸濁重合、または分散重合法により製造することができる。
上記表面層には、上記成分の他、上記成分の機能を阻害しない範囲で、必要に応じて、充填剤、増量剤、加硫剤、加硫助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤の如き各種添加剤を含有させることができる。
また、表面層の好ましい厚さとしては、1〜100μm、特には、2〜30μmである。表面層の厚さが1μm以上であれば、表面層より下の層が含有する染み出し物質のブリードを抑制し、粘着性増大によるトナー融着を抑制することができる。さらには、ドメインサイズの制御を容易とすることができる。表面層の厚さが100μm以下であれば、導電性部材が高硬度となるのを抑制し、トナーの融着を抑制することができる。さらに、ドメイン相とマトリックス相のドメインサイズの制御が容易となるため、高温高湿環境におけるカブリ抑制の観点からも上記範囲であることが好ましい。尚、形成された表面層の膜厚は、デジタルマイクロスコープ(VH−2450:キーエンス株式会社)を用いて、導電性部材の長手方向を端部より等間隔に3箇所、かつ周方向に等間隔に3箇所の合計9箇所で測定し、得られた値の相加平均値を表面層の膜厚とする。
<表面層の形成方法>
上記の構成を有する表面層は、軸芯体の外周に形成される弾性層の周面に、下記に示すポリエステル共重合樹脂、メラミン樹脂および導電性微粒子などの樹脂原料混合物を含む表面層形成用の塗料の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって形成できる。
上記ポリエステル共重合樹脂、メラミン樹脂および導電性微粒子を含む表面層形成用の塗料に用い得る溶媒として、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、または酢酸ブチルが挙げられる。また、この塗料の塗膜を弾性層上に形成する方法としては、スプレー、浸漬、またはロールコートの如き塗工方法を使用することができる。さらには、インクジェト法を用いて、表面層を形成することも可能である。そして、弾性層上に形成した塗膜を、乾燥して溶媒を除去し、硬化させることで、表面層を形成できる。塗膜の硬化は、加熱、電子線照射のいずれの方法によっても可能である。
上記塗膜形成に浸漬塗工を使用する場合、図3に示す塗料の循環機構を有する液循環型浸漬塗工装置を用いることが好ましい。図3に示す塗工装置は浸漬槽5を有する。浸漬槽5は弾性層3が形成されたローラ6の外径よりわずかに大きな内径と、ローラ6の軸方向の長さより長い深さとを備えた円筒形を有し、浸漬槽5の軸方向を垂直方向にして設置される。その上端部外周には環状の液受け部7が設けられ、液受け部7はその底面に接続される管9により、攪拌タンク8に接続されている。一方、浸漬槽5の底部は管13を介して表面層形成用塗料10を循環させるポンプ11に接続されている。また、ポンプ11と攪拌タンク8とは、接続管12によって接続されている。攪拌タンク8には内部に収納する表面層形成用塗料10を攪拌するための攪拌翼14が設けられる。この塗工装置には、浸漬槽5の上部において昇降板16を浸漬槽5の軸方向に昇降させる昇降装置15が設けられている。そして、昇降板16に懸架されるローラ6は浸漬槽5に進入、後退可能となっている。このような塗工装置を用いて弾性層3上に表面層4を形成するには、ポンプ11を駆動し、攪拌タンク8に収納する表面層形成用塗料10を、管12、13を通って浸漬槽5に供給する。昇降装置15を駆動させ昇降板16を降下させ、ローラ6を表面層形成用塗料10が充填された浸漬槽5に進入させる。ローラ6の進入により浸漬槽の上端5aから溢れ出た表面層形成用塗料10は液受け部7に受けられ、管9を通って攪拌タンク8に戻される。その後、昇降装置を駆動して昇降板を上昇させ、ローラ6を所定の速度で浸漬槽5から後退させ、弾性層3上に塗膜を形成する。この間、攪拌タンク8内で攪拌翼14を回転させ、表面層形成用塗料を攪拌して含有物の沈降を抑制し、表面層形成用塗料の均一性を維持する。塗膜が形成されたローラは、昇降板16から取り外され、塗膜を乾燥、硬化して、表面層4が成形される。
<軸芯体>
本発明の導電性部材に用いる軸芯体は、軸芯体の外周に形成される上層としての少なくとも一層以上の弾性層3を支持し、感光体へトナーを搬送可能な強度と、帯電したトナーを感光体へ移動可能な電極となり得る導電性とを有するものであればよい。その材料としては、アルミニウム、ステンレス、導電性を有する合成樹脂、鉄、銅合金などの金属または合金が挙げられる。
<弾性層>
また、軸芯体の外周に形成される弾性層は、原料主成分としてゴムまたは樹脂を用いた成型体である。また、弾性層は発泡体、非発泡体のいずれであってもよい。なお、原料主成分のゴムとして、従来、現像ローラに用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム。また、原料主成分の樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、以下のものが挙げられる。低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の如きポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン系樹脂;ABS樹脂;ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル樹脂;フッ素樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6の如きポリアミド樹脂。そして、これらゴムおよび樹脂は、単独であるいは2種以上を混合して用いられる。
さらに、本発明の導電性部材では、弾性層自体に要求される機能に必要な、導電剤や非導電性充填剤のような成分、また、ゴムおよび樹脂成型体とする際に利用される各種添加剤成分、例えば、増量剤、酸化防止剤、加工助剤、架橋剤、触媒、分散促進剤等を原料主成分に適宜配合できる。
導電剤としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質と、電子導電機構による導電付与剤があり、どちらか一方、或いは併用することも可能である。
電子導電機構による導電付与剤としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の粉体や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛の如き金属酸化物;ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック、カーボンナノチューブの如きカーボン系の導電剤。
また、イオン導電機構によるイオン導電性物質としては、以下のものが挙げられる。LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaClの如きアルカリ金属塩;NH4Cl、NH4SO4、NH4NO3の如きアンモニウム塩;Ca(ClO42、Ba(ClO42の如きアルカリ土類金属塩;第四級アンモニウム塩の如き陽イオン性界面活性剤;脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の如き陰イオン性界面活性剤;ベタインの如き両性界面活性剤。
これら導電付与剤は、単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。
これらの内、カーボンブラック系の導電剤は、比較的安価かつ容易に入手でき、また、主成分のゴムおよび樹脂材料の種類に依らず、良好な導電性を付与できるため、好ましい。
原料主成分のゴムおよび樹脂材料中に、微粉末状の導電剤を分散させる手段としては、従来から利用される下記の手段を原料主成分のゴムおよび樹脂材料に応じて適宜利用すればよい。例えば、ロールニーダー、バンバリーミキサーの如き手段が挙げられる。また、弾性層の体積抵抗率は1×103〜1×1011Ω・cmの範囲にあることが好ましい。弾性層の体積抵抗率が1×103〜1×1011Ω・cmであれば、トナーを均一に帯電することができる。弾性層の体積抵抗率のより好ましい範囲は1×103〜1×108Ω・cmである。
充填剤および増量剤としては、以下のものが挙げられる。シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤。これらの充填剤は表面を有機ケイ素化合物で処理して疎水化してもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤の如き高分子化合物に対して使用される公知のものを適宜選択して使用できる。
加工助剤としては、公知の材料が使用可能である。具体的には、ステアリン酸、オレイン酸の如き脂肪酸、脂肪酸の金属塩やエステルが使用できる。
なお、感光体と当接して、ニップ幅を確保し、加えて、好適なセット性を満たすものとするためには、弾性層の厚さは、好ましくは、0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上とする。また、弾性層の厚さの上限は、作製される導電性部材の外径精度を損なわない限り、特にない。しかしながら、弾性層の厚さを過度に厚くすると、導電性部材および当接部材を長時間当接させたまま放置すると、当接箇所の変形が大きくなり、歪みが残るので好ましくない。したがって、実用上、弾性層の厚さは6.0mm以下とするのが適当であり、5.0mm以下がより好ましい。
また、弾性層の成型後、必要に応じて、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、UV処理といった表面処理を施すこともできる。これらの表面処理を施すことで、弾性層の最表面に反応活性基が形成され、表面層との層間接着性を向上させることができる。
なお、本発明では、この弾性層の成形は、従来から知られている押出成形法、圧縮成形法、射出成形法などによって可能であるが、特に限定されない。層構成としては本発明に記載された特徴を有すれば、限定されず、二層以上の構成とすることもできる。
なお、本発明に係る導電性部材は、感光体を所定に電位に帯電させるための帯電部材として用いた場合においても優れた効果を発揮する。すなわち、本発明に係る導電性部材は、感光体の帯電が不安定化しやすい低温低湿環境下で、長期に亘って接触帯電用の帯電部材として使用した場合においても、表面の摩耗や割れは極めて生じにくく、長期に亘る感光体の安定した帯電に資するものである。
<プロセスカートリッジ>
また、本発明のプロセスカートリッジは、図4に示すように、少なくとも導電性部材1、トナー規制部材21、トナー容器20を有し、前記導電性部材1を現像ローラとして具備し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に装着される。さらに、本発明は、前記導電性部材の表面にトナーの薄層を形成し、その導電性部材を感光体に当接して配置させて感光体表面にトナーを供給することにより、感光体に可視画像を形成させる電子写真画像形成装置である。この導電性部材1、トナー規制部材21、トナー容器20を有するプロセスカートリッジ17は、図4に示す電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジのように、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24とともに一体のオールインワンプロセスカートリッジとすることができる。また、前記導電性部材1を帯電ローラ24として用いることも出来る。
<電子写真画像形成装置>
図5は、本発明の導電性部材を具備したプロセスカートリッジを用いた電子写真画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図5の電子写真画像形成装置には、導電性部材1、トナー供給ローラ19、トナー容器20およびトナー規制部材21からなる現像装置22と、感光体18と、クリーニングブレード26と、廃トナー収容容器25と、帯電ローラ24とからなるプロセスカートリッジ17が脱着可能に電子写真画像形成装置の本体に装着されている。また、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24は電子写真画像形成装置の本体に配備されていてもよい。感光体18は矢印方向に回転し、感光体18を帯電処理するための帯電ローラ24によって一様に帯電され、感光体18に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光23により、その感光体表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光体18に対して接触配置される現像装置22によってトナー20aを付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。
現像は露光部にトナー像を形成する所謂反転現像を行っている。可視化された感光体18上のトナー像は、転写部材である転写ローラ29によって記録媒体である紙34に転写される。紙34は、給紙ローラ35および吸着ローラ36を経て装置内に給紙され、エンドレスベルト状の転写搬送ベルト32により感光体18と転写ローラ29の間に搬送される。転写搬送ベルトは、従動ローラ33、駆動ローラ28、テンションローラ31により稼働している。転写ローラ29および吸着ローラ36には、バイアス電源30から電圧が印加されている。トナー像を転写された紙34は、定着装置27により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光体18上に残存した転写残トナーは、感光体表面をクリーニングするためのクリーニング部材であるクリーニングブレード26により掻き取られ廃トナー収容容器25に収納され、クリーニングされた感光体18は上述工程を繰り返し行う。
現像装置22は、一成分現像剤としてトナー20aを収容した現像容器20と、現像容器内の長手方向に延在する開口部に位置し感光体18と対向設置されたトナー担持体としての導電性部材1とを備え、感光体18上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
また、トナー規制部材21として、金属製の板金にゴム弾性体を固定した部材や、SUSやリン青銅の薄板のようなバネ性を有する部材、もしくはその表面に樹脂やゴムを積層した部材が用いられる。また、トナー規制部材21に、導電性部材1に印加する電圧よりも高い電圧を印加することにより、導電性部材上のトナー層を制御することが可能であり、そのためにはトナー規制部材21はSUSやリン青銅の薄板を用いることが好ましい。なお、導電性部材1およびトナー規制部材21にはバイアス電源30から電圧が印加されているが、現像ブレード21に印加する電圧は、導電性部材1に印加する電圧に対し、絶対値で100Vから300V大きい電圧とすることが好ましい。
現像装置22における現像プロセスを、以下に説明する。回転可能に支持されたトナー供給ローラ19により導電性部材1上にトナーが塗布される。導電性部材1上に塗布されたトナーは、導電性部材1の回転によりトナー規制部材21と摺擦される。ここで、トナー規制部材21に印加されたバイアスにより、導電性部材上のトナーが導電性部材上に均一にコートされる。導電性部材1は感光体18と回転しながら接触し、感光体18上に形成された静電潜像を、導電性部材1上にコートされたトナーにより、現像することで画像が形成される。
トナー供給ローラ19の構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や軸芯体上にレーヨン、ポリアミドなどの繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、導電性部材1へのトナー20a供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。本実施例では、軸芯体上にポリウレタンフォームを設けた弾性ローラを用いた。
このトナー供給ローラ19の導電性部材1に対する当接幅としては、1〜8mmが好ましく、また、導電性部材1に対してその当接部において相対速度をもたせることが好ましい。
以下に、本発明の導電性部材、プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置を具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。まず、本発明の実施例および比較例における弾性層ローラの作製方法を具体的に例示して説明する。
<弾性層ローラ(1)の作製>
下記の材料を直径30mm、L/D32の2軸押出機を用いて混練し、押出して樹脂混合物を調製した。
・スチレンブタジエン系エラストマー(商品名:SL563、JSR株式会社製):100質量部
・カーボンブラック(商品名:Printex U、エボニック・デグサ・ジャパン製):40質量部
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム株式会社製):60質量部
・酸化亜鉛(商品名:活性亜鉛華、境化学工業株式会社製):5質量部
・ステアリン酸亜鉛(商品名:SZ−P、境化学工業株式会社製):2質量部
・加硫促進剤1(商品名 ノクセラーM、大内新興社製):0.5質量部
・加硫促進剤2(商品名 ノクセラーTRA、大内新興社製):1.2質量部
・硫黄(商品名:サルファックスPMC、鶴見化学株式会社製):1.6質量部
次いで、上記樹脂混合物をペレット化した。このペレットを、クロスヘッド押出機を用いて、直径6mm、長さ250mmのステンレス(SUS304)製の軸芯体上に押出成形し、弾性層を形成した。この弾性層の端部を切断し、さらに弾性層の表面部分を回転砥石(GC#80)で研磨して、厚み3mm(直径:12mm)の弾性層を軸芯体の周囲に有する弾性層ローラ(1)を得た。
<弾性層ローラ(2)の調製>
反応基として、以下のビニル基を有する液状シリコーンゴムベース材料Aとビニル基およびSiH基を有する液状シリコーンゴムベース材料Bとを質量比1:1で混合して調製した未加硫のシリコーンゴムを熱硬化して弾性層ローラ(2)を作製した。
(ビニル基を有する液状シリコーンゴムベース材料A)
・両末端にビニル基を有し、重量平均分子量(Mw)が85000のジメチルポリシロキサン:100質量部
・カーボンブラック(商品名:Raven860Ultra、ColumbianChemical製):8質量部
・シリカ(商品名:レオロシールMT−10、トクヤマ社製):10質量部
(ビニル基およびSiH基を有する液状シリコーンゴムベース材料B)
・両末端にビニル基を有し、重量平均分子量(Mw)が85000のジメチルポリシロキサン:100質量部
・カーボンブラック(商品名:Raven860Ultra、ColumbianChemical製):8質量部
・シリカ(商品名:レオロシールMT−10、トクヤマ社製):10質量部
・硬化触媒(2質量%の塩化白金酸のイソプロパノール溶液をジメチルポリシロキサンに対して10ppm配合したもの):0.5質量部
・メチルハイドロジェンポリシロキサン:3質量部(ベース材料AおよびBに含有するビニル基1モルに対して、SiH基が1.1モルとなる量)
軸芯体として、SUS304製の直径6mmの芯金に、プライマー(商品名:DY35−051、東レダウコーニング社製)を、厚み約1μmになるように塗布し、150℃、30分間焼き付けたものを用いた。次いで、軸芯体を金型内に配置し、上記未加硫のシリコーンゴムを金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱して未加硫のシリコーンゴムを150℃、15分間加硫硬化し、冷却後脱型した。その後、さらに180℃、1時間加熱し硬化反応を完結させ、厚み3mmの弾性層を軸芯体の周囲に有する弾性層ローラ(2)を得た。
続いて、本発明の実施例および比較例におけるポリエステル共重合樹脂の出発原料である(脂肪族)エステル樹脂の合成は下記出発原料を用いて行った。以下に具体的な合成方法を例示して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<エステル樹脂原料/脂肪族ジオール類(B−1)>
・1,2−エタンジオール(R炭素数:2、三協化学株式会社製)
・1,4−ブタンジオール(R炭素数:4、三協化学株式会社製)
・1,5−ペンタンジオール(R炭素数:5、宇部興産株式会社製)
・1,6−ヘキサンジオール(R炭素数:6、宇部興産株式会社製)
・1,7−ヘプタンジオール(R炭素数:7、宇部興産株式会社製)
・1,9−ノナンジオール(R炭素数:9、メルクケミカルズジャパン製)
・3−メチル1,5−ペンタンジオール(R炭素数:6、分岐型、株式会社クラレ製)
・2−メチル1,8−オクタンジオール(R炭素数:9、分岐型、株式会社クラレ製)
・1,10−デカンジオール(R炭素数:10、東京化成工業株式会社)
<エステル樹脂原料/ジカルボン酸(B−2)>
・アジピン酸(脂肪族系、R炭素数:4、住友化学株式会社製)
・セバシン酸(脂肪族系、R炭素数:8、ケイエフトレーディング株式会社製)
・テレフタル酸(芳香族系、三井化学株式会社製)
[エステル樹脂(1)の合成]
1,2−エタンジオール620.6g(10mol)、アジピン酸730.7g(10mol)、触媒のテトラブチルチタネート0.94g(0.50mol)をパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、マグネチックスターラーを用いて混合撹拌した。その後、フラスコ内の温度を230℃になるまで加熱し、30分間混合撹拌した。最終圧力は30Torrとし、留去する水は反応系該へ除外した。反応終了後、白色の反応生成物としてのエステル樹脂(1)を得た。このエステル樹脂(1)をクロロホルムに溶解させ、その後メタノールで再沈殿させた後、得られた生成物をFT−IRおよびH−NMRを用いて、スペクトル解析を行った。その結果、エステル樹脂(1)は、アジピン酸エチルを基本骨格とする脂肪族ポリエステルであることを確認した。合成に用いた出発原料および構造を表1に示す。
[エステル樹脂(2)〜(11)の合成]
エステル樹脂(1)同様にエステル樹脂(2)〜(11)の合成を行った。このときの脂肪族ジオール類と二塩基酸のモル比は、常に1:1で合成した。合成に用いた出発原料および構造を表1に示す。
[エステル樹脂(12)の合成]
ε−カプロラクトン(ダイセル工業株式会社製)1141.4g(10mol)、エチレングリコール(三菱化学株式会社製)620.6g(10mol)、開始剤としてナトリウムメチラート0.50gをパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、マグネチックスターラーを用いて10分混合撹拌した。その後、フラスコ内の温度を100℃になるまで加熱し、30分間混合撹拌した。最終圧力は10Torrとし、留去する水は反応系該へ除外した。反応終了後、白色の反応生成物としてのエステル樹脂(12)を得た。このエステル樹脂(12)をクロロホルムに溶解させ、その後メタノールで再沈殿させた後、得られた生成物をFT−IRおよびH−NMRを用いて、スペクトル解析を行った。その結果、エステル樹脂(12)は、Rの炭素数が5、およびRの炭素数が2を基本骨格とする脂肪族ポリエステルであることを確認した。
Figure 0005869912
続いて、本発明の実施例および比較例におけるポリエステル共重合樹脂の合成を行った。以下に具体的な合成方法を例示して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ポリエステル共重合樹脂(1)の合成]
上述の方法で得られたエステル樹脂(1)を50℃、0.1mmHgの減圧下、36時間乾燥した。その後、ポチエチレンテレフタレート(商品名:ポリエチレンテレフタレートフィルム用樹脂、越前ポリマー株式会社製)800質量部、およびテトラブチルチタネート0.1質量部をパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、エステル樹脂(1)200質量部を窒素雰囲気化で投入した。その後、直ちに減圧を開始し30分間で0.15mmHgの減圧度とした。この混合物を245℃の温度で30分間重縮合した後に、水中へストランド状で回収し、冷却することで、生成物を得た。得られた生成物をFT−IRおよびH−NMRを用いて、スペクトル解析を行った。その結果、生成物は、化学式(A)のセグメントを有し、化学式(B)のセグメントにおいて、Rの炭素数が2、およびRの炭素数が4を基本骨格とするポリエステル共重合樹脂であることが確認された。合成されたPET−E−(1)の原材料および構造を表2に示す。
[ポリエステル共重合樹脂(2)〜(12)の合成]
ポリエステル共重合樹脂(1)同様に、ポリエステル共重合樹脂(2)〜(12)の合成を行った。合成されたPET−E−(2)〜(12)の原材料および構造を表2に示す。
Figure 0005869912
続いて、以下に本発明の実施例および比較例における、表面層形成用塗料液を、先に合成したポリエステル共重合樹脂、下記のポリエステルポリオール、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、イソシアネートおよび導電性微粒子から成る出発原料を用いて調製した。
<ポリエステルポリオール>
・エステルポリオール(商品名:P−3010、3−メチル1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなる。SP値:8.4、株式会社クラレ製)
<メラミン樹脂>
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン20SB、SP値:7.4、Mn:6500、三井化学株式会社製)
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン21R、SP値:8.3、Mn:10000、三井化学株式会社製)
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン2020、SP値:7.8、Mn:2500、三井化学株式会社製)
・メチル化メラミン樹脂(商品名:SB15−594、SP値:8.2、Mn:2000、DIC株式会社製)
・メチル化メラミン樹脂(商品名:サイメル303、SP値:8.4、Mn:500、三井サイテック社製)
・イソブチル変性メラミン樹脂(商品名:265B−L、SP値:7.7、Mn:6500、日立化成株式会社製)
<ベンゾグアナミン樹脂>
・ジメチルイミノ型ベンゾグアナミン樹脂(商品名:マイコート106、SP値:8.9、Mn:1000、三井サイテック社製)
<イソシアネート樹脂>
・ブロック型イソシアネート樹脂(商品名:コロネート2507、SP値:8.8、Mn:1500、日本ポリウレタン工業株式会社製)
<導電性微粒子>
・酸性カーボン(商品名:MA−100、平均一次粒子径:22nm、DBP吸収量:100ml/100g、pH:3.5、三菱化学株式会社製)
・酸性カーボン(商品名:MA−11、平均一次粒子径:29nm、DBP吸収量:64ml/100g、pH:3.5、三菱化学株式会社製)
・スズ系酸化物導電性粉末(商品名:S−2000、DBP吸収量:60ml/100g、pH:4.0、三菱マテリアル電子化成株式会社製)
尚、下記に表面層形成用塗料液の調製方法を具体的に例示して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[表面層形成用塗料液(1)の調製]
・PET−E−(1):80質量部
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン2020):20質量部
表面層形成用塗料液の材料として、上記成分を混合して表面層樹脂成分とした。最初に、PET-E-(1)を、メチルエチルケトン(MEK)を用いて、樹脂固形分50%になるように調整し、完全に溶解するまで撹拌した。その後、n−ブチル化メラミン樹脂を加えて、混合撹拌した。続いて、この表面層樹脂成分の固形分100質量部に対して、カーボンブラック(商品名:MA−100、三井化学株式会社製)30質量部およびMEKを加え、モーターで一時間混合攪拌した。続いて、総固形分比25質量%になるようにMEKをさらに加え、モーターで更に一時間混合攪拌をした。続いて、上記混合溶液を横型分散NVM−03(商品名、アイメックス社製)で周速7m/sec、流量1cc/min、分散液温度15℃の条件下で、3時間均一分散した。なお、この分散の際に、直径=1.5mmのガラスビーズ(商品名:DMB503B、ホッターズバロティニーズ社製)を用いた。次に、この溶液を表面層形成後の膜厚が10μmになるように、MEKを用いて固形分18質量%に希釈し、この溶液を300メッシュの網でろ過したものを表面層形成用塗料(1)とした。
[表面層形成用塗料液(2)〜(60)の調製]
表面層形成用塗料液(2)〜(60)は、表3および表4に示す出発原料を用いた以外は、表面層形成用塗料液(1)と同様の方法で調製した。各々の表面層形成用塗料液の調製に用いた出発原料の質量部と物性を表3および表4に示す。尚、本発明の表中の表記においては、ポリエステル共重合樹脂、およびポリエステルポリオールを主剤と称する。また、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、イソシアネート樹脂を硬化剤と称する。
Figure 0005869912
Figure 0005869912
続いて、以下に本発明の実施例、比較例の表面層の樹脂原料の数平均分子量(Mn)およびSP値の測定方法、ならびに導電性微粒子の分析方法に関して説明する。
[樹脂原料の数平均分子量(Mn)の測定方法]
(GPCによるメラミン樹脂のMn測定)
GPCカラム「TSKgel SuperHM−M」(商品名、東ソー株式会社製)2本を直列につないだ高速液体クロマトグラフ分析装置「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー株式会社製)を用いた。溶媒にテトラヒドロフラン(THF)、温度40℃、流速0.6 ml/min、RI(屈折率)検出器の測定条件下において、測定サンプルを0.1質量%のTHF溶液として測定した。検量線作成用の標準試料として数種の単分散標準ポリスチレン(東ソー株式会社製)を用いて検量線の作成を行い、これを基に得られた測定サンプルの保持時間から、数平均分子量(Mn)を求めた。各実施例および比較例で作製した導電性部材としての導電性ローラにおける結果を表3、4に示す。
[樹脂原料のSP値の測定]
ポリエステル共重合樹脂およびメラミン樹脂のSP値の測定は以下のように行った。
溶剤を完全に揮散させたサンプル0.25gを30mlサンプル管に入れ、良溶媒としてアセトンを3.0ml加え、十分に撹拌、溶解した。次に、50mlビュレットを用いて貧溶媒としてノルマルヘキサンを滴下し、白濁を生じるのに要した滴下量を測定した。SP値(δ)は、各溶媒のSP値、およびサンプルの溶解に要したアセトンと白濁を生じるのに要したノルマルヘキサンの体積分率から、以下の式で計算した。
δ=δAcetone×φAcetone+δHexane×φHexane
φAcetone=VAcetone/(VAcetone+VHexane
φHexane=VHexane/(VAcetone+VHexane
δAcetone:アセトンのSP値(10.0)
δHexane:ノルマルヘキサンのSP値(7.0)
φAcetone:アセトンの体積分率
φHexane:ノルマルヘキサンの体積分率
Acetone:サンプルの溶解に要したアセトン量(3.0ml)
Hexane:白濁を生じるのに要したノルマルヘキサンの滴下量(測定値)
[導電性微粒子の分析方法]
(導電性微粒子の含有量測定)
導電性ローラの表面層を、マニュピレーターを用いて、弾性層から適量切り出した。その後、下記条件で熱重量分析法(DTA−TG)を用いて、導電性微粒子の含有量を測定した。このとき、窒素雰囲気下の加熱処理で重量減少が生じたものが、表面層樹脂由来のものに相当する。また、酸素雰囲気下の加熱処理で重量減少が生じたものが、導電性微粒子由来のものに相当する。その量比関係から、本発明の表面層に含まれる導電性微粒子の含有量を求めた。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける導電性微粒子の含有量を表3、表4に示す。
[測定条件]
・測定機器;Thermo plus TG8120(商品名;株式会社リガク製)
・昇温/降温条件:25℃→800℃→200℃(窒素雰囲気下)→800℃(酸素雰囲気下)
・昇温/降温速度条件;10℃/min
・測定用試料ホルダー;アルミナパン
(導電性微粒子の平均一次粒子径測定)
導電性ローラの表面層を、マニュピレーターを用いて、弾性層から適量切り出し、その後500℃、24時間の焼成条件でマトリックス相のポリマーを分解した。その後、残渣物を洗浄することで、表面層中の導電性微粒子を分取した。その導電性微粒子約0.1gを30ccのガラス瓶に秤り取り、その後20mlのトルエンを加えて蓋をし、15分間超音波振動器を用いて、均一に分散した。その後、スポイトを用いて、分散液を吸い取り、ガラスプレート上に一滴滴下し、乾燥することで、評価用サンプルを作製した。その評価用サンプルを走査型顕微鏡S−4800(商品名、日立工業株式会社製)を用いて観察し、インターセプト法を用いることで、各々の導電性微粒子の平均一次粒子径と定義した。
(導電性微粒子のDBP吸収量測定)
本発明の表面層の形成に用いた導電性微粒子のDBP吸収量の測定は、JIS−Z8901に準拠した方法で測定を行った。
(導電性微粒子のpH測定)
各導電性微粒子10gをビーカーに秤り取り、100mlの水およびエチルアルコールを3滴加えて時計皿で覆い、15分間煮沸した。煮沸後室温まで冷却し、遠心分離法により上澄み液を除去して、泥状の測定サンプルを調製した。この測定サンプルに、pHメーター“HM−30R”(商品名、東亜ディーケーケー社製)の電極を入れ、ビーカーの中を動かしながら測定を行い、pH値が一定になった値を各導電性微粒子のpH値とした。
(実施例1)
まず、先に作製した弾性層ローラ(1)にエキシマUV処理を施すことで、表面処理を行った。弾性層ローラ(1)の軸芯体を回転軸として30rpmで回転させながら、波長172nmの紫外線を細管エキシマランプ(ハリソン東芝ライティング製)により、積算光量が150mJ/cm2となるように照射して処理を行った。照射時の弾性層表面とエキシマランプの距離は2mmとした。その後、表面処理した弾性層ローラの周面に、デイッピング塗工法を用いて、先に調製した表面層形成用塗料液(1)を塗工して最表面層を形成した。
この表面層の形成は、図3に示す浸漬塗工装置を用いて行った。内径32mm、長さ300mmの浸漬槽5(シリンダー)の下方から、液温を23℃に保った表面層形成用塗料液(1)を毎分250cc注入し、浸漬槽5の上端からあふれ出た液を再び浸漬槽5の下方に循環させた。浸漬槽5に浸入速度100 mm/sで、前記弾性層ローラ(1)を浸漬させ、10秒間停止させた後に、初速300 mm/s、終速200 mm/sの条件で弾性層ローラ(1)を引き上げて、60分間、自然乾燥させた。次いで、140 ℃にて2時間加熱処理することで、表面層の原料の硬化を行い、実施例1の導電性ローラ(1)を作製した。尚、作製した表面層の膜厚は、10μmであった。
得られた導電性ローラ(1)の表面層におけるマトリックス相およびドメイン相の同定を行うために、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)法によるマッピングを行った。マッピングには赤外顕微鏡・イメージングシステム(商品名:Spectrum400(分析装置)およびSpotlight400(走査装置)、PerkinElmer社製)を用いた。測定は、ATRイメージングアクセサリを用い、ピクセルサイズ:1.56μm、分解能:16cm−1、視野:300μm×300μmおよびスキャン速度1.0cm/sの条件で行った。導電性ローラ(1)から、ミクロトームで表面層の薄片を切り出し、マッピングを行った。結果、表面層全域にエステル基(1200cm−1)に起因するスペクトルが確認された。さらにその中に、エステル基およびフェニル基(1500cm−1、1610cm−1)起因のスペクトルが、周囲と比較して相対的に高い領域が、円相当径にして10〜100μm程度のサイズで点在していることが確認された。また、その点在部の周囲の領域においては、アミノ基(3070、3280cm−1)およびエーテル基(1100cm−1)起因のスペクトルが点在部と比較して、極端に高いことが確認された。
さらに、前記のアミノ基およびエーテル基起因のスペクトルが低いドメイン状の領域を、ミクロトームでさらに切り出し、MEKに溶解させ、精製および再結晶処理を施した。その後、再結晶物をH-NMR法を用いて分析を行ったところ、化学式(A)と化学式(B)のセグメントが確認された。また、化学式(B)におけるRの炭素数は2であり、Rの炭素数は4であることが同定された。一方で、エステル基とアミノ基起因の両者のスペクトルが強い領域の部位は、MEKへの溶解ができなかったので、熱分解GC−MSを用いて分析を行った。その結果、化学式(A)、(B)および(C)のセグメントが確認された。また、メラミン樹脂の鎖延長部由来と思われるブチレンエーテル基が確認された。
従って、導電性ローラ(1)のマトリックス相は化学式(A)、(B)および(C)由来のポリエステルメラミン樹脂であることが同定された。さらに、ドメイン相は、溶媒に可溶であること、およびH−NMRの結果から、熱可塑性を示す化学式(A)、(B)を含むポリエステル共重合樹脂であることが同定された。尚、本発明においてはドメイン相を、走査型電子顕微鏡(SEM)や走査型透過電子顕微鏡(STEM)などによっても、同定可能である。
続いて、マトリックス相への導電性微粒子の偏在を、走査型プローブ顕微鏡(SPM)のマッピング分析を行うことにより、確認した。その結果、ドメイン状の領域は、絶縁性を示すのに対して、その周囲のマトリックス領域は、導電性が確認された。さらに、ドメイン状の領域とマトリックス状の領域を、各々、ミクロトームで切り出し、上述の熱重量分析法(DTA−TG)を用いて分析を行った。その結果、ドメイン状の領域には、酸素雰囲気下での分析において、カーボンブラック由来の発熱ピークがほとんど確認されなかった。従って、導電性ローラ(1)のドメイン相には、導電性微粒子がほとんど含有しておらず、マトリックス相への導電性微粒子の偏在が確認された。
また、この導電性ローラ(1)を現像ローラとして装備した電子写真画像形成装置(後述するレーザープリンタ)により画像形成して画像評価を行った。この導電性ローラ(1)の表面層特性の評価および画像評価の結果を表9に示す。
(実施例2〜51)
実施例1において、弾性層ローラ(1)を弾性層ローラ(2)に変更するか、表面層形成用塗料液(1)に変えて表面層形成用塗料液(2)〜(51)を用いる他は、実施例1と同様にして導電性ローラ(2)〜(51)を作製した。実施例1の導電性ローラ(1)と同様に、導電性ローラ(2)〜(51)について、表面層の構造解析、相分離構造の確認、および導電分布分析を行った。また、導電性ローラ(2)〜(51)を現像ローラとして用いて画像形成し、画像評価を行った。実施例2〜51における導電性ローラ(2)〜(51)に用いた弾性層ローラ、表面層特性の評価および画像評価の結果を表9に示す。
(比較例1〜9)
実施例1において、弾性層ローラ(1)を弾性層ローラ(2)に変更するか、表面層形成用塗料液(1)に変えて表面層形成用塗料液(52)〜(60)を用いる他は、実施例1と同様にして導電性ローラ(52)〜(60)を作製した。導電性ローラ(52)〜(60)について、実施例1の導電性ローラ(1)と同様に、表面層の構造解析、相分離構造の確認、および導電分布分析を行った。また、導電性ローラ(52)〜(60)を現像ローラとして用いて画像形成し、画像評価を行った。比較例1〜9における導電性ローラ(52)〜(60)に用いた弾性層ローラ、表面層特性の評価および画像評価の結果を表10に示す。
<評価1:現像ローラとしての評価>
続いて以下に本発明の実施例および比較例で行った画像評価の方法を具体的に説明する。
本発明の画像評価に用いたレーザープリンタは、市販のレ−ザープリンタ(商品名:HP Color LaserJET CP4525dn、ヒューレッドパッカード社製)の記録メディアの出力スピードを60ppmに改造したものである。改造は、高圧電源の設定、モーターのギア、紙搬送を適宜調節して行った。また、現像ブレードの固定位置の変更や、現像ブレードとプロセスカートリッジ容器との間にスペーサを挟むことで、導電性ローラ上のトナー担持量が0.50mg/cm2となるように調節した。
[高温高湿環境長期保管後のカブリの画像評価]
作製した新品の導電性ローラを新品のプロセスカートリッジ(商品名:CE260X、ヒューレッドパッカード社製、色:黒)に、現像ローラとして組み込み、このプロセスカートリッジを温度35℃、湿度85%RHの環境に48時間放置した。放置後、同環境において、プロセスカートリッジを当該レーザープリンタ改造機に組み込み、1%の印字率で連続12000枚の画像出力を行った。その後、同環境において白ベタ画像を出力した。反射濃度計(商品名:TC−6DS/A、東京電色社製)を用い、非印字範囲(基準)および印字範囲のベタ白部の反射率を測定し、基準に対する反射率の低下量(%)を「カブリ」とした。このカブリを下記表5の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
Figure 0005869912
[画像追従性の画像評価]
上述の高温高湿環境長期保管後のカブリの画像評価後に、同環境において1%の印字率で連続100枚画像出力し、その後、A4サイズ(210mm×297mm)の黒ベタ画像を連続5枚出力した。導電性ローラのトナー搬送性が低下すると、感光体へのトナー供給を多量に必要とする黒ベタ画像を連続で出力した場合、出力画像の先端と後端で顕著に濃度差が生じる。この連続出力画像の先端50mmと、後端50mm(先端から247mm)に位置する濃度を、上記反射濃度計を用いて測定し、先端に対する後端の濃度低下率を、「画像追従性」の指標とした。この画像追従性を下記表6の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
Figure 0005869912
[低温低湿環境下におけるトナー融着評価]
製造した新品の導電性ローラを新品のプロセスカートリッジ(商品名:CE263A、ヒューレッドパッカード社製、色:マゼンタ)に組み込み、このプロセスカートリッジを温度15℃、湿度10%RHの環境に48時間放置した。放置後、同環境において、プロセスカートリッジを当該レーザープリンタ改造機に組み込み、2%の印字率で連続画像出力を行った。導電性ローラ表面にトナーが融着すると、トナーに与える摩擦帯電性が低下することによるカブリとなって画像上に顕在化する。そのため、低温低湿環境におけるトナー融着の評価は、ベタ白部分に3%を超えるカブリが観察される出力枚数を計測するとともに、下記表7の評価基準で、画像評価後のローラ外観評価をすることで行った。また、出力1000枚毎に上記反射濃度計を用い、非印字範囲(基準)および印字範囲のベタ白部の反射率を測定した。基準に対する反射率の低下量(%)を「カブリ」とした。さらに、顕著なカブリやトナー融着が発生した場合も、連続印字枚数が15000枚に達するまでは継続して、トナー融着の評価を行った。尚、ローラ外観の観察前に、エアブローでトナー融着に寄与しないトナーを除去することで、下記表7の基準で外観評価を行った。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
Figure 0005869912
[耐削れ性および耐割れ性の評価]
上記の低温低湿環境下におけるトナー融着評価と同時に、画像出力5000枚毎に導電性ローラの表面層をデジタルマイクロスコープ(商品名:VH―8000;株式会社キーエンス製)にて観察し、耐削れ性および耐割れ性の評価を下記表8の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
Figure 0005869912
Figure 0005869912
Figure 0005869912
表9に示したように、本発明に係る導電性ローラは、(1)高温高湿環境下におけるカブリ(2)ベタ画像追従不良(3)低温低湿環境下におけるトナー融着(4)耐削れ性および耐割れ性を有効に抑制できることが判った。特に、実施例(23)、(24)、(26)、(35)、(46)および(47)において、上記の画像弊害を高次元なレベルで抑制できたことは明らかである。
それに対し、比較例(1)、(2)における導電性ローラ(52)、(53)は表面層中に、PET樹脂由来の化学式(A)を含有しないため、高電荷減衰性起因と推測される、高温高湿環境下における顕著なカブリが確認された。さらに、相分離構造が確認されなかったために、電界勾配力によるトナー吸引力不足起因と推測される顕著なベタ画像追従不良が確認された。比較例(3)における導電性ローラ(54)は、表面層中に、分子構造的に柔軟な化学式(C)を含有しないため、可とう性が発現されず、画像出力を通じて、顕著な削れや割れが確認された。また、表面層の削れや割れを起点とした、顕著なトナー融着が確認された。さらには、相分離構造が確認されなかったために、顕著な画像追従不良が確認された。比較例(4)における導電性ローラ(55)は、化学式(B)に分子的に剛直で、結晶性が高い芳香族系エステルを含有するため、可とう性が得られず、画像出力を通じて、顕著な削れや割れが確認された。また、表面層の削れや割れを起点とした、顕著なトナー融着が確認された。比較例(5)における導電性ローラ(56)は、化学式(B)のアルキル鎖長(R炭素数)が長すぎるため、結晶性が強く、結晶サイズが過大となることで、十分な可とう性が得られず、画像出力を通じて、顕著な削れや割れが確認された。また、過大に析出された結晶相を起点とした、顕著なトナー融着が確認された。比較例(6)、(7)における導電性ローラ(57)、(58)は表面層中に、分子構造的に非常に剛直なベンゾグアナミン樹脂を含有するため、可とう性が悪く、画像出力を通じて、顕著な削れや割れが確認された。また、表面層の削れや割れを起点とした、顕著なトナー融着が確認された。さらには、比較例(7)における導電性ローラにおいては、両者とも高極性を示すベンゾグアナミン樹脂およびポリエステル共重合樹脂との組み合わせによって、相分離構造の形成およびマトリックス相への導電性微粒子の偏在が確認されなかった。その結果、電界勾配力の寄与によるトナー吸引力が発現せず、顕著な画像追従不良が確認された。比較例(8)における導電性ローラ(59)は、化学式(C)のメラミン樹脂の代わりに、相対的に高極性なイソシアネート樹脂を用いため、相分離構造の形成およびマトリックス相への導電性微粒子の偏在が確認されなかった。その結果、電界勾配力の寄与によるトナー吸引力が発現せず、顕著な画像追従不良が確認された。比較例(9)における導電性ローラ(60)は、表面層およびマトリックス相中に導電性微粒子を含有していないため、電界勾配力によるトナー吸引力が得られず、顕著な画像追従不良が確認された。さらに、表面層全体が絶縁性を示すために、静電的付着力が過度に上昇し、低温低湿環境下における顕著なトナー融着が確認された。
(実施例52〜55)
上記で作製した弾性層ローラ(1)を、回転砥石(GC#80)を用いて研磨し、厚み1.25mm(直径:8.5mm)の弾性層を形成した。その後、レ−ザープリンタ(商品名:HP Color LaserJET CP4525dn、ヒューレッドパッカード社製)の帯電ローラとして組み替えられるように、軸芯体を加工することで、弾性層ローラ(3)を得た。この弾性層ローラ(3)上に、実施例(1)同様に、表面層形成塗料液(23)、(24)、(26)および(35)を用いて、表面層を形成し、実施例(52)〜(55)の導電性ローラ(61)〜(64)を得た。
(比較例10〜12)
上記で作製した弾性層ローラ(3)上に、実施例(1)同様に、表面層形成塗料液(54)、(58)および(60)を用いて、表面層を形成することで、比較例(10)〜(12)の導電性ローラ(65)〜(67)を得た。
<評価2:帯電ローラとしての評価>
作製した新品の導電性ローラ(61)〜(67)を、新品のプロセスカートリッジ(商品名:CE260X、ヒューレッドパッカード社製、色:黒)に、帯電ローラとして組み込み、プロセスカートリッジを温度15℃、湿度10%RHの環境に48時間放置した。 同環境において、各プロセスカートリッジを、評価1で用いたレーザープリンタ改造機に装填し、2%の印字率で15000枚の電子写真画像を連続出力した。引き続いて、ハーフトーン画像を1枚出力し、当該ハーフトーン画像を目視で観察し、感光体への帯電ムラ起因の画像ムラを下記の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表11に示す。
A:感光体への帯電ムラ起因の画像ムラが認められなかった。
B:感光体への帯電ムラ起因の画像ムラが認められた。
さらに、導電性ローラ(1)〜(60)と同様にして、耐削れ性および耐割れ性の評価を行った。
その結果、導電性ローラ(61)〜(64)を組み込んだ画像には、感光体への帯電ムラに起因したスジ状の画像ムラが全く確認されなかった。また、連続印字15000枚後においても、表面層の削れや割れなどの欠陥は、全く確認されなかった。これは、連続画像出力を通じて、表面層の削れおよび割れを抑制することで、感光体への均一帯電性を維持することが可能だったためであると推定される。
また、導電性ローラ(65)および(66)においては、顕著な帯電ムラ起因の画像ムラが確認された。さらには、連続印字15000枚後において、表面層に顕著な削れや割れなどの欠陥が確認された。更に、の導電性ローラ(67)においては、顕著な削れや割れなどの欠陥は確認できなかったものの、顕著な帯電ムラ起因の画像ムラが確認された。
導電性ローラ(61)〜(67)に用いた弾性層ローラ、表面層形成用塗料、表面層特性の評価および画像評価の結果を表11に示す。
Figure 0005869912
これら本発明の実施例で作製される導電性ローラは、上述の通りに、現像ローラおよび帯電ローラとして好適に使用することができた。
1 導電性ローラ(現像ローラ)
2 軸芯体
3 弾性層
4 表面層
4a マトリックス相
4b ドメイン相
4c 導電性微粒子
5 浸漬槽
5a 浸漬槽の上端
6 ローラ
7 液受け部
8 攪拌タンク
9 管
10 表面層形成用塗料
11 ポンプ
12,13 管
14 攪拌翼
15 昇降装置
16 昇降板
17 プロセスカートリッジ
18 感光体
19 トナー供給ローラ
20 トナー容器
20a トナー
21 トナー規制部材
22 現像装置
23 レーザー光
24 帯電ローラ(導電性ローラ)
25 廃トナー収集容器
26 クリーニングブレード
27 定着装置
28 駆動ローラ
29 転写ローラ
30 バイアス電源
31 テンションローラ
32 転写搬送ベルト
33 従動ローラ
34 紙
35 給紙ローラ
36 吸着ローラ

Claims (3)

  1. 軸芯体と、該軸芯体の外周に弾性層を有し、該弾性層の外周に表面層を有する導電性部材であって、
    該表面層は、
    下記式(A)、(B)および(C)を含むポリエステルメラミン樹脂と、
    下記式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂と、
    導電性微粒子と、を含み
    該ポリエステルメラミン樹脂は該表面層中でマトリックス相を形成し、
    該ポリエステル共重合樹脂は該表面層中においてドメイン相を形成し、かつ、
    該導電性微粒子が該マトリックス相に偏在していることを特徴とする導電性部材:
    Figure 0005869912
    (式(B)中、Rは炭素数2以上9以下の直鎖アルキレン基、もしくは炭素数6以上9以下の分岐鎖状アルキレン基であり、Rは炭素数2以上8以下の直鎖アルキレン基である。)。
  2. 電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、導電性部材、トナー規制部材、およびトナー容器を有し、かつ該導電性部材が、請求項1に記載の導電性部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  3. 感光体および感光体に当接して配置される導電性部材を有する電子写真画像形成装置であって、該導電性部材が、請求項1に記載の導電性部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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