JP5867053B2 - 電子ビームの照射方法 - Google Patents

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本発明は、金属ストリップに対し電子ビームを照射する方法において、電子ビームの出力が安定するまでの間等に、銅などの熱伝導性の良い材料からなる電子ビームの被照射体(以下、アイドルターゲットという)に電子ビームを照射する電子ビームの照射方法に関し、特にアイドルターゲットの局所的な高温化を回避しようとするものである。
金属の微細加工に電子ビーム照射が用いられており、ビーム出力を変えることにより、大小さまざまな加工が可能になっている。
電子ビームはビーム出力が安定するまで、数10〜数100 ms ほどの時間がかかる。高出力で被照射体を溶融・変形させる溶接などの用途では、ビーム出力が安定するまで、被照射体上にビームを照射している。一方で、表面改質などの用途においては、被照射体に照射される微妙な熱が、表面性状などに影響してくるため、加工する材料の近傍に設置したアイドルターゲットに電子ビームを照射して、出力を安定化させた後に、加工を開始している(例えば、特許文献1)。
また、電子ビームは金属ストリップの幅方向全幅に照射することが多いが、幅方向端部付近に電子ビームを照射しようとする場合、金属ストリップの外側にも電子ビームが照射されることになる。この場合、電子ビームの熱を外部に散乱させない手段として、アイドルターゲットを用いる。
近年、表面改質などでも、より大きな出力でビーム照射するケースが増えてきた。例えば、高出力による照射は、照射を高速化できる利点がある。ビームの走査速度をv(m/s)とした場合、単位長さ当たりに照射されるエネルギE(J/m)は、加速電圧V(V)×ビーム電流(A)÷vで表されるため、ビーム電流が高いほど、より速い走査で同一のエネルギを照射することが可能である。
ビームが高出力化するに従って、電子ビームの出力が安定するまでの間に、または電子ビームが金属ストリップの外側に照射される間に、アイドルターゲットが電子ビームから受ける熱量が増え、その結果、アイドルターゲットの局所的な高温化、溶解または気化等が生じ、以下のような問題が顕在化してきた。
(1)アイドルターゲットの変形・磨耗
(2)金属蒸気の発生による電子銃加工室の真空度低下
(3)金属ストリップへの金属蒸気の付着
(4)アイドルターゲットからの熱伝導による金属ストリップの高温化と変形
上記(1)により、アイドルターゲットの交換頻度が増して、生産性が低下する。
上記(2)により、電子ビームの金属ストリップへの照射エネルギが低下し、加工精度の低下を招く。
上記(3)により、金属ストリップの外観等が劣化する。
上記(4)により、電子ビーム源と金属ストリップの間の距離が変化し、加工精度が低下する。
このような問題の解決策として、特許文献2に、アイドルターゲット上の電子ビームの照射位置を常時変化させることでアイドルターゲットの高温化を防ぐ技術が開示されている。
また、特許文献3に、ビーム待機位置で収束電流を変化させることにより、ターゲットの蒸発を抑えることで、基板への不要な蒸着粒子の付着を防止する技術が開示されている。
一方、一般的な解決方法として、アイドルターゲットを大型化したり、アイドルターゲットの素材を変更することが考えられる。
特開平2-228427号公報 特許第3160315号公報 特開2010-280961号公報
しかしながら、特許文献2に開示されている方法を用いる場合、アイドルターゲット上の電子ビームの照射位置を常時変化させるという、煩雑なビーム制御が必要となる。また、この方法を用いる場合、電子ビームが安定化するまで、または金属ストリップ外に待機する間、揺動させているために、待機位置から「ストリップ照射開始点へのビーム移動時間が一定とならないため、ストリップ照射開始点が不安定になる」おそれがある。
また、同文献には、待機位置からストリップ照射開始点の距離が常に一定となるように、揺動させる電子ビームの形状を円状にさせることによって、上記問題を解消する技術も示されているが、この場合には、待機位置からストリップ照射開始点まで電子ビームを移動させる間に、金属ストリップに電子ビームが照射されてしまうおそれがあった。
また、特許文献3に開示されている方法は、基板への薄膜の形成を回避すべき待機時に、ビーム待機位置での収束電流をターゲット照射時における収束電流から大きく異なる値に制御するものであり、この方法を用いる場合、アイドルターゲット照射時の収束電流を金属ストリップ照射時における収束電流から大きく異なる値に制御することとなる。しかしながら、本発明で意図している金属ストリップの連続通板における通板速度の高速化や金属ストリップに照射していないアイドル時間の短縮化が求められる状況においては、特許文献3のような急激な変化を伴う収束電流の制御は困難である。
さらに、収束電流を変える以外にもアイドルターゲット上のビーム径を大きくしてエネルギ密度を低減する方法があり、アイドルターゲットの位置を金属ストリップより大きく離すことが考えられるが、
(i)加工室内の真空度向上のために、アイドルターゲットを大きく離すような余剰スペースがない、
(ii)電子ビーム源と金属ストリップの間の距離が長い場合には、加工室内でターゲット位置をずらしてもビーム径に大きな変化はない、
(iii)ターゲットが電子銃部に近づくにつれ、ターゲットで気化した物質によるアーキング(異常放電)の頻度が増大する、
(iv)アイドルターゲットを金属ストリップより下方に設置する場合には、幅広の材料に照射するときに考えられるような、幅方向に複数台数の電子銃を使用する場合において、各々の電子銃からの電子ビームが待機できるようにアイドルターゲットを配置することができない、
という場合があった。
また、アイドルターゲットを大型化させる場合は、アイドルターゲットの熱容量が増加するため、アイドルターゲット全体としての温度上昇は抑制できる。しかしながら、アイドルターゲットのビーム照射面におけるビーム照射時の局所的な高温化を防止することはできないため、少なくとも上記(2),(3)の問題を解決することができない。
また、アイドルターゲットの素材を変更する場合は、例えば、熱伝導度がより高い銀、またはより融点の高いタングステンもしくはモリブデンに変えることによって、上記の問題を軽減または解決することができる。しかしながら、これらの素材はいずれも入手が難しく、またタングステンやモリブデンの場合には加工性に問題がある。
この発明は、上記の問題を解決するもので、アイドルターゲットの局所的な高温化を有利に防止することができ、ひいてはアイドルターゲットの変形や、金属蒸気の発生を回避することができる電子ビームの照射方法を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた末に、以下に述べる知見を得た。
アイドルターゲットに電子ビームを照射する際のアイドルターゲット表面におけるビーム照射径を、上記(i)〜(iv)の課題を解決しつつ、金属ストリップに電子ビームを照射する際の金属ストリップ表面におけるビーム照射径よりも大きくしてやれば、アイドルターゲットのビーム照射面における熱密度を低下させて、アイドルターゲットの局所的な高温化を防止することができる。すなわち、具体的方法としては、アイドルターゲットのビーム照射面を傾斜させ、アイドルターゲットのビーム照射面に対する電子ビームの照射角度を大きくすることによって、アイドルターゲットのビーム照射面の局所的な高温化を効果的に抑制することができる。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである。
1.金属ストリップに対し電子ビームを照射する方法において、電子ビームの出力が安定するまでの間、または電子ビームが金属ストリップの外側に照射される間に、別途用意したアイドルターゲットに電子ビームを照射するに際し、
上記アイドルターゲットのビーム照射面を傾斜させ、該アイドルターゲットのビーム照射面に対する電子ビームの照射角度を30°以上、80°以下とすることによって、該アイドルターゲット表面におけるビーム照射径を調整することを特徴とする電子ビームの照射方法。
2.前記アイドルターゲットのビーム照射面に対する電子ビームの照射角度を50°以上とすることを特徴とする上記1に記載の電子ビームの照射方法。
3.前記アイドルターゲットのビーム照射面に対する電子ビームの照射角度の変更と共に、該アイドルターゲットを昇降移動させることを特徴とする上記1または2に記載の電子ビームの照射方法。
本発明に従い、アイドルターゲットの局所的な高温化を有利に防止することができ、ひいてはアイドルターゲットの変形や、金属蒸気の発生を回避することができる。従って、高出力での電子ビーム加工、さらにそれによる、ビーム加工の高速化が可能になる。また、アイドルターゲットの消耗量および交換頻度を抑制することができ、さらに、加工真空度の安定化や、アイドルターゲット上での電子ビームの揺動不要化などにより、加工精度を向上させることができる。
本発明に従う電子ビームの照射要領を示す図である。 本発明と比較される電子ビームの照射要領を示す図である。 本発明に従うビーム照射径比と、アイドルターゲットが溶融しない最大の照射エネルギとの関係を示す図である。 本発明に従うΔWDと、アイドルターゲットが溶融しない最大の照射エネルギとの関係を示す図である。 本発明に従う入射角と、(照射径)/(入射角0°のときの照射径)との関係を示す図である。 本発明に従う入射角と、アイドルターゲットが溶融しない最大の照射エネルギとの関係を示す図である。 本発明に従う電子ビームの他の照射要領を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る電子ビームの代表的な照射要領を、図1を用いて説明する。図1において、1は電子ビーム発生装置(電子銃)、2は金属ストリップ、3は電子ビーム、4はアイドルターゲットである。さて金属ストリップ2は、真空室内を図中に示すY方向に走行しているものとする。電子銃1は、真空室の上方に設置されていて、ストリップ2の上面に向けて電子ビーム3を照射する。この時電子ビーム3は、電子銃1に取り付けられた収束コイルによりその径を絞られ、同じく電子銃1に取り付けられた偏向コイルによりその進行方向が偏向させられる。
アイドルターゲット4の素材は、局所的な熱集中およびそれに伴うアイドルターゲットの溶解を抑制するために、熱伝導性が高く、融点が高い材料が好ましい。例えば、Cuは、熱伝導率が極めて高く、融点が比較的高い上、加工性にも優れるため好ましい。この点、Alは、熱伝導性は高いが、融点が低いため好ましくない。
アイドルターゲット4は、電子ビーム3の出力が安定するまでの間、または電子ビーム3が金属ストリップ2の外側に照射される間に、電子ビーム3の照射を受けるよう配置する。従って、アイドルターゲット4は、電子ビーム3をアイドルターゲット4上から金属ストリップ2上へと連続して照射することができるように、金属ストリップ2と隣接して配置されている。
アイドルターゲット4を長時間交換しない場合には、長時間の照射による熱の蓄積が問題となる。従って、冷却装置などを用いて、アイドルターゲット4を連続的に冷却することが好ましい。特に、アイドルターゲット4を図1に示したように金属ストリップ2と接触させて配置する場合には、熱が金属ストリップ2へ拡散し、金属ストリップ2を熱変形させるおそれがある。従って、この場合には、アイドルターゲット4の金属ストリップ2と接触している部分を、ステンレス鋼製や樹脂製などとすることで、アイドルターゲット4と金属ストリップ2とを熱的に遮断することが好ましい。
さて、本発明に先立って、発明者らは、寸法(X,Y,Z)=(20,100,Z)になる平板状のアイドルターゲット4を図2のとおり配置し、Zの値(アイドルターゲットの高さ)を変えることによって、アイドルターゲット4に電子ビーム3を照射する際のアイドルターゲット表面におけるビーム照射径と、金属ストリップ2に電子ビーム3を照射する際の金属ストリップ表面におけるビーム照射径との比(「アイドルターゲット表面におけるビーム照射径」÷「金属ストリップ表面におけるビーム照射径」。以下、照射径比という)を調整した。そしてこの照射径比と、電子ビーム3の照射エネルギを4Jづつ増大させていったときにアイドルターゲット4がはじめて溶融したときの照射エネルギ(J)との関係を調べた。その結果を図3に示す。ここに、電子銃1の電子ビーム3の射出口と金属ストリップ2の中央部までの距離W0は450 mm、電子銃1の直下(ストリップの中央部)における電子ビームの照射径は0.25 mmとした。また、電子ビーム3のアイドルターゲットにおける照射時間は0.1 秒とした。
なお、照射径rは、金属ストリップまたはアイドルターゲット上に電子ビームを静止したときに照射される照射面積Sを求め、その円相当径(S=πr、すなわち、r=(S/π)1/2)として求められる。照射面積は、例えば、油性インクを塗布した鋼板にビームを照射すると照射部のインクがはがれるため、そのはがれた部分の面積を求めることで、事前に測定しておくことができる。
図3に示す結果から、照射径比が大きくなってアイドルターゲット表面でのビーム照射径が大きくなるほど、アイドルターゲット4が溶融しない照射エネルギ値を高めることができる、換言すれば、アイドルターゲット4が溶融するようなアイドルターゲット4の局所的な高温化を効果的に抑制できることを確認した。
この時、電子銃1の電子ビーム3の射出口と金属ストリップの幅方向端部までの距離をW1(この例では453 mm )、電子銃1の電子ビーム3の射出口とアイドルターゲット表面におけるビーム照射面までの距離をW2とし、|W2−W1|=ΔWD(mm)としたときのΔWDと、電子ビーム3の照射エネルギを4Jづつ増大させていったときにアイドルターゲット4がはじめて溶融したときの照射エネルギ(J)との関係について調査した。その結果を図4に示す。
図4に示す結果から、この条件下ではΔWDが大きくなるにつれて、アイドルターゲット4が溶融しない最大の照射エネルギが高まる傾向にあることがわかる。
一方、図1に示すように、アイドルターゲット4のビーム照射面を傾斜させることによっても、照射径比を調整することが可能である。この手法は、加工室空間の形状により、アイドルターゲットの配置や、寸法、形状に制限がある場合などにとくに有効である。
図5に示すように、入射角θを大きくすれば大きくするほど、アイドルターゲット表面におけるビーム照射径を大きくすることができる。ここに、入射角θとは、図1に示したとおり、アイドルターゲット表面のビーム照射位置における法線と電子ビーム軸線とのなす角をいう。
次に、図6に、電子ビームの照射エネルギ(J)を4Jづつ増大させていったときに、アイドルターゲットがはじめて溶融したときの照射エネルギと入射角との関係を調べた結果を示す。ここに、W0は450 mm 、W1は453 mm 、W2は424 mm 、電子銃1の直下(ストリップの中央部)における電子ビームの照射径は0.25 mm とした。また、電子ビーム3のアイドルターゲットにおける照射時間は0.1 秒とした。この結果から、この条件下では、照射角が大きくなるほどアイドルターゲット4が溶融しない照射エネルギ値を高めることができ、この照射角を30°以上とすることで、アイドルターゲットが溶融するようなアイドルターゲットの局所的な高温化をより効果的に抑制することができるということが判明した。好ましくは照射角:50°以上である。
図3〜6の比較により、入射角θを大きくしてビーム径を変えた場合には、アイドルターゲット高さを変えてビーム径を変えた場合よりも、アイドルターゲットが溶融しない最大照射エネルギが高くなっていることがわかる。例えば、ターゲット高さを変更する方法では、照射径比が1.4のときに最大照射エネルギが60 J 程度であるのに対して、入射角を変更する方法では、照射径比が1.4のときに最大照射エネルギは100 J 以上となる。これは、電子ビームの入射角をある一定以上の角度とすることにより、その一部が反射するために、アイドルターゲットの高温化に影響する電子ビーム照射エネルギが下がるためであると考えられる。
上述したとおり、入射角θの変更の方がアイドルターゲットを昇降移動させる場合よりも良好な結果が得られるが、必要に応じて、この入射角θの変更とアイドルターゲットの昇降移動とを組み合わせても良いのは言うまでもない。
ここに、入射角を大きくするほど、アイドルターゲット表面におけるビーム照射径を増大させることが可能であるが、入射角が80°を超えると、電子ビームの反射量が過度に増大し、反射した電子ビームが金属ストリップなどに熱影響をおよぼすおそれがあるため、入射角は80°以下とする
なお、アイドルターゲットの寸法は、大きければ大きいほど、アイドルターゲットの平均温度を低くする上で好ましい。
以上、アイドルターゲット4を予め所定位置に固定しておく配置パターンについて説明したが、図1に示した配置に代え、図7に示すように、アイドルターゲット4を上下方向に移動させて変位Hを変更しつつアイドルターゲット4を傾斜させて入射角を変更できるようにしても良い。
表1に示す条件で電子ビームの照射を行った。そのときの前述した各問題、すなわち、
(1)アイドルターゲットの変形
(2)電子銃加工室の真空度低下
(3)金属ストリップへの金属蒸気付着
(4)金属ストリップの変形
の有無について調べた結果を、表2に示す。なお、金属ストリップの中央部における電子ビームの照射径は0.25 mm の一定とした。また、表1における配置パターン1,2は、それぞれ図1,2に示した配置に対応するものである。
Figure 0005867053
Figure 0005867053
No.1の従来例は、特に問題は生じなかったが、ビーム電流が4mA と極めて低く、また走査速度も10 m/s と遅いため、生産性は極めて低い。走査速度を30 m/s 以上に高速化させると、No.3,5のように、上記(2)電子銃加工室の真空度低下の問題が生じる。一方、走査速度が30 m/s でも、No.2のように、照射エネルギを低減すれば、問題は発生しないが、この場合、エネルギが低いため、所望の加工ができない。
次に、アイドルターゲットを単純に大型化したNo.4の例でも、上記(1)アイドルターゲットの変形や、上記(2)電子銃加工室の真空度低下の問題が生じる。また、No.6に示す例のように、アイドルターゲットを金属ストリップの上方に設置した場合には、アーキングが発生した。これは、電子銃とターゲット位置が近いため、ターゲットから微小に飛散する物質が電子銃部に悪影響を及ぼしやすいことによるものと推定される。
また、No.6に示す例のように、アイドルターゲットに対する入射角を変えた場合でも、その入射角が30°未満である場合は、アイドルターゲットの変形やアーキングが発生した。これは、入射角が小さいため、ビーム径拡大の効果が小さいことによるものと推定される。
これに対し、No.7〜11に示す例のように、アイドルターゲットに対する電子ビームの入射角を大きく変えた場合には、走査速度を30〜150 m/s まで高めたにも関わらず、上記問題は何も発生しなかった。
以上の実施例により、本発明に従う電子ビームの照射方法によれば、アイドルターゲットの局所的な高温化を効果的に抑制できることが確認された。
1 電子銃
2 金属ストリップ
3 電子ビーム
4 アイドルターゲット

Claims (3)

  1. 金属ストリップに対し電子ビームを照射する方法において、電子ビームの出力が安定するまでの間、または電子ビームが金属ストリップの外側に照射される間に、別途用意したアイドルターゲットに電子ビームを照射するに際し、
    上記アイドルターゲットのビーム照射面を傾斜させ、該アイドルターゲットのビーム照射面に対する電子ビームの照射角度を30°以上、80°以下とすることによって、該アイドルターゲット表面におけるビーム照射径を調整することを特徴とする電子ビームの照射方法。
  2. 前記アイドルターゲットのビーム照射面に対する電子ビームの照射角度を50°以上とすることを特徴とする請求項1に記載の電子ビームの照射方法。
  3. 前記アイドルターゲットのビーム照射面に対する電子ビームの照射角度の変更と共に、該アイドルターゲットを昇降移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子ビームの照射方法。
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