JP5849930B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マニュアルクラッチを備えた車両において、車両の発進を制御する車両用駆動装置に関するものである。
マニュアルトランスミッション(以下、MTと略す)及びマニュアルクラッチを備えた自動車においては、発進時に運転者は、クラッチペダルを踏込んでクラッチを切断し、MTを1速へシフトする。そして、運転者は、アクセルペダルを踏込んでエンジン回転速度を上昇させつつ、クラッチペダルを徐々に戻してクラッチを係合させ、エンジントルクを車輪に伝達させる。このように、運転者は、アクセルペダルの踏込み、すなわちエンジン出力(エンジン回転速度)を上昇させ、クラッチペダルを戻し、クラッチの係合(エンジン負荷)を調和させる操作を行うことにより、発進操作を行っている。
特許文献1には、MT及びクラッチを備えた自動車において、クラッチが切断された際に、エンジン回転速度とMTの入力軸回転速度を一致させることにより、クラッチ係合時に発生するショックを低減する技術が開示されている。
特開昭58−200052号公報
特許文献1に示される技術では、エンジン回転速度を入力軸回転速度に一致させる制御を行っている。しかしながら、エンジン回転速度と入力軸回転速度が一致したとしても、エンジン回転速度と入力軸回転速度の変化量が異なる場合には、クラッチの完全係合時に、エンジンの回転速度の変化量が急変し、エンジンの回転イナーシャトルクが車両に作用して、車両にショックが発生してしまうという問題があった。
また、半クラッチ操作中に運転者がクラッチペダルを踏み込み、クラッチ伝達トルクが減少した場合には、応答遅れによりエンジン回転速度が上昇してしまうため、半クラッチ時間が長くなってしまう問題があった。また一方で、運転者がクラッチペダルを離して、クラッチ伝達トルクが増加した場合には、エンジン回転速度と入力軸回転速度の差分の時間当たりの変化量が増加してしまう。この時間当たりの回転速度差変化量が大きいと、半クラッチ中の入力軸へのトルク伝達量が大きくなるが、このトルクはエンジン回転速度が入力軸回転速度と同一となった瞬間よりゼロになってしまう特性を持つため、半クラッチ前後におけるショック発生の原因となる問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、マニュアルクラッチを備えた車両において、マニュアルクラッチの係合時に伴うショックの発生を低減することができる車両用駆動装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するためになされた、本発明は、出力軸にエンジントルクを出力するエンジンと、前記エンジンが出力するエンジントルクを可変に操作するためのエンジン操作手段と、車両の駆動輪の回転と連動して回転する入力軸と、前記出力軸と前記入力軸との間に設けられ、前記出力軸と前記入力軸間におけるクラッチ伝達トルクを可変とするクラッチと、前記クラッチ伝達トルクを可変に操作するためのクラッチ操作手段と、前記クラッチが発生している前記クラッチ伝達トルクを取得するクラッチ伝達トルク取得手段と、前記伝達トルク取得手段が取得した前記クラッチ伝達トルクに基づいて、クラッチ同期時エンジントルクを演算するクラッチ同期時エンジントルク演算手段と、前記クラッチの同期中における前記出力軸と前記入力軸との差回転速度であるクラッチ差回転速度の絶対値が第一規定差回転速度以下に収束した場合に、前記クラッチ同期時エンジントルクとなるように前記エンジンを制御してトルクバランス制御を実行するエンジン制御手段と、を有する構成とした。
本発明は、前記トルクバランス制御において、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度よりも速い場合には、マイナスの値の調整トルクを演算し、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度よりも遅い場合には、プラスの値の調整トルクを演算する調整トルク演算手段を有し、前記クラッチ同期時エンジントルク演算手段は、前記調整トルクを加算して前記クラッチ同期時エンジントルクを演算する構成とすることが好ましい。
本発明は、前記調整トルク演算手段は、前記クラッチ差回転速度の絶対値が大きい程、絶対値が大きい前記調整トルクを演算する構成とすることが好ましい。
本発明は、前記アクセルペダルの操作量に基づいて、前記エンジンの要求トルクである要求エンジントルクを演算する要求エンジントルク演算手段と、前記クラッチの係合中における前記クラッチ差回転速度の絶対値が第一規定差回転速度よりも遅い第二規定差回転速度以下となった場合に、前記クラッチ同期時エンジントルクから前記要求エンジントルクに徐変する復帰制御時エンジントルクを演算する復帰制御時エンジントルク演算手段を有し、前記エンジン制御手段は、前記クラッチの係合中における前記クラッチ差回転速度の絶対値が前記第二規定差回転速度以下となった場合に、前記復帰制御時エンジントルクとなるように前記エンジンを制御する復帰制御を実行する構成とすることが好ましい。
本発明は、前記復帰制御時エンジントルク演算手段は、前記乖離トルクがプラスの場合には、マイナスの値の単位時間当たり復帰率を演算し、前記乖離トルクがマイナスの場合には、プラスの値の単位時間当たり復帰率を演算し、前記乖離トルクの絶対値が小さい程、絶対値の大きい単位時間当たり復帰率を演算し、前回演算したトルク乖離率から、前記単位時間当たり復帰率に前回のトルク乖離率の演算からの経過時間を乗じた値を減算して、前記トルク乖離率を演算する構成とすることが好ましい。
本発明は、前記復帰制御時エンジントルク演算手段は、前記乖離トルクがプラスの場合には、マイナスの値の単位時間当たり復帰率を演算し、前記乖離トルクがマイナスの場合には、プラスの値の単位時間当たり復帰率を演算し、前記乖離トルクの絶対値が小さい程、絶対値の大きい単位時間当たり復帰率を演算し、前回演算したトルク乖離率から、前回のトルク乖離率の演算からの経過時間を前記単位時間当たり復帰率を乗じた値を減算して、前記トルク乖離率を演算する構成とすることが好ましい。
本発明は、前記クラッチ伝達トルク取得手段は、前記クラッチ操作手段の操作量を検出するクラッチ操作量検出手段である構成とすることが好ましい。
本発明は、前記車両の車速を検出する車速検出手段を有し、前記エンジン制御手段は、前記車速検出手段で検出された車速が規定速度より遅い場合には、前記トルクバランス制御を実行しない構成とすることが好ましい。
本発明は、前記車両に制動力を付与する制動力付与手段と、前記制動力付与手段の制動力を可変に操作するための制動力操作手段と、を有し、前記エンジン制御手段は、前記制動力操作手段が操作されている場合には、前記トルクバランス制御を実行しない構成とすることが好ましい。
本発明によると、クラッチ同期時エンジントルク演算手段は、クラッチ伝達トルクに基づいて、クラッチ同期時エンジントルクを演算する。そして、クラッチ差回転速度の絶対値が第一規定差回転速度以下に収束した場合に、エンジン制御手段は、クラッチ同期時エンジントルクとなるようにエンジンを制御してトルクバランス制御を実行する。
このように、トルクバランス制御が実行されると、エンジンが出力するエンジントルクが、クラッチ伝達トルクに近づく。これにより、エンジン回転速度と入力軸回転速度との差回転速度の時間当たりの変化を低減することができる。このため、クラッチの完全係合時に、車両に作用するエンジンのイナーシャトルクを低減することができ、ショックの発生を低減すると共に、不必要なエンジン回転速度上昇を抑制し、半クラッチ時間を短縮させることができる。
また、クラッチ同期時エンジントルクは、クラッチ伝達トルクに基づいて演算される。このため、運転者のクラッチの操作により、クラッチ伝達トルクが変化したとしても、クラッチ伝達トルクの変化に追従して、クラッチ同期時エンジントルクもまた増減する。このため、運転者のクラッチ操作に関わらず、エンジンの回転速度の変化量と入力軸の回転速度の変化量との差を低減することができる。このため、クラッチ完全係合時における、ショックの発生を低減することができる。
本発明によると、調整トルク演算手段は、エンジンの回転速度が入力軸の回転速度よりも速い場合には、マイナスの値の調整トルクを演算し、エンジンの回転速度が入力軸の回転速度よりも遅い場合には、プラスの値の調整トルクを演算する。そして、クラッチ同期時エンジントルク演算手段は、調整トルクを加算してクラッチ同期時エンジントルクを演算する。これにより、確実にクラッチを同期させることができる。
本発明によると、調整トルク演算手段は、クラッチ差回転速度の絶対値が大きい程、絶対値が大きい調整トルクを演算する。これにより、エンジンの回転速度を迅速に入力軸の回転速度に近づけることができる。このため、クラッチの同期時間を短縮することができる。
また、クラッチ差回転速度の絶対値が小さい程、絶対値が小さい調整トルクが演算される。これにより、クラッチ同期直前における、エンジンの回転速度の変化量と入力軸の回転速度の変化量との差をより低減することができる。このため、クラッチの完全係合に伴うショックの発生をより低減することができる。
本発明によると、復帰制御時エンジントルク演算手段は、クラッチ差回転速度の絶対値が第二規定差回転速度以下となった場合に、徐々にクラッチ同期時エンジントルクから要求エンジントルクに徐変する復帰制御時エンジントルクを演算する。そして、エンジン制御手段は、帰制御時エンジントルクとなるようにエンジンを制御する復帰制御を実行する。
このように、復帰制御が実行されると、エンジンが出力するエンジントルクが、徐々に要求エンジントルクに復帰する。このため、エンジントルクの急激な変動が抑制され、運転者が違和感を覚えない。
本発明によると、復帰制御時エンジントルク演算手段は、復帰制御の実行が開始されてからの経過時間が長くなるに従って、徐々に値が小さくなるトルク乖離率を演算し、要求エンジントルクに、乖離トルクにトルク乖離率を乗算した値を加算して、復帰制御時エンジントルクを演算する。
これにより、エンジントルクを、クラッチ同期時エンジントルクから要求エンジントルクに確実に徐変させることができる。
本発明によると、復帰制御時エンジントルク演算手段は、乖離トルクがプラスの場合には、マイナスの値の単位時間当たり復帰率を演算する。一方で復帰制御時エンジントルク演算手段は、乖離トルクがマイナスの場合には、プラスの値の単位時間当たり復帰率を演算する。そして、復帰制御時エンジントルク演算手段は、乖離トルクの絶対値が小さい程、絶対値の大きい単位時間当たり復帰率を演算する。そして、復帰制御時エンジントルク演算手段は、前回演算したトルク乖離率から、単位時間当たり復帰率に前回のトルク乖離率の演算からの経過時間を乗じた値を減算して、トルク乖離率を演算する。
このように、乖離トルクの絶対値が小さい程、絶対値の大きい単位時間当たり復帰率が演算される。これにより、乖離トルクの絶対値が小さい程、エンジントルクをより迅速に運転者の意思を反映した要求エンジントルクに復帰させることができる。このため、運転者の意思を反映しないエンジン制御が実行される時間を短縮することができ、運転者の違和感を低減することができる。
一方で、乖離トルクの絶対値が大きい程、絶対値の小さい単位時間当たり復帰率が演算される。これにより、乖離トルクが大きい場合には、エンジントルクが緩慢に要求エンジントルクに復帰される。このため、運転者は違和感を覚えにくい。
本発明によると、クラッチ伝達トルク取得手段は、クラッチ操作手段の操作量を検出するクラッチ操作量検出手段である。これにより、簡単な構造により、クラッチ操作手段の操作量を取得することができる。
本発明によると、エンジン制御手段は、車速が規定速度より遅い場合には、トルクバランス制御を実行しない。エンジントルクがクラッチ伝達トルクに対して大きい方が、車両はスムーズに発進することができる。発進時にはトルクバランス制御が実行されないので、エンジントルクがクラッチ伝達トルクに近づかない。このため、発進時に、車両がスムーズに発進することができる。
本発明によると、エンジン制御手段は、制動力操作手段が操作されている場合には、トルクバランス制御を実行しない。
これにより、例えば、緊急制動時等車両を早急に停止させる必要が生じた場合に、エンジントルクを無理にクラッチ伝達トルクに近づける制御が実行されない。このため、安全に車両を停止させることができる。
本実施形態の車両用駆動装置の構成を示す構成図である。 クラッチストロークとクラッチ伝達トルクとの関係を表した「クラッチ伝達トルクマッピングデータ」である。 本実施形態の概要を示すグラフであり、横軸を経過時間、縦軸をエンジン回転速度、エンジントルク、クラッチ伝達トルク、トルク乖離率、アクセル開度を表したグラフである。 「クラッチ・エンジン協調制御」のフローチャートである。 図4の「クラッチ・エンジン協調制御」のサブルーチンである「トルクバランス制御」のフローチャートである。 クラッチ差回転速度Δcと調整トルクTaとの関係を表したマッピングデータである「調整トルク演算データ」の一例を表した図である。 図4の「クラッチ・エンジン協調制御」のサブルーチンである「復帰制御」のフローチャートである。 乖離トルクΔTと単位時間当たり復帰率Rrとの関係を表したマッピングデータである「単位時間当たり復帰率演算データ」の一例を表した図である。
(車両の説明)
図1に基づき、本発明の実施形態による車両用駆動装置1について説明する。図1は、エンジン2を備えた車両の車両用駆動装置1の概略を示している。図1において、太線は各装置間の機械的な接続を示し、破線による矢印は制御用の信号線を示している。
図1に示すように、車両には、エンジン2、クラッチ3、マニュアルトランスミッション4、デファレンシャル装置17が、この順番に、直列に配設されている。また、デファレンシャル装置17には、車両の駆動輪18R、18Lが接続されている。なお、駆動輪18R、18Lは、車両の前輪又は後輪、或いは、前後輪である。
車両は、アクセルペダル51、クラッチペダル53、及びブレーキペダル56を有している。アクセルペダル51は、エンジン2が出力するエンジントルクを可変に操作するものである。アクセルペダル51には、アクセルペダル51の操作量であるアクセル開度Acを検出するアクセルセンサ52が設けられている。
クラッチペダル53は、クラッチ3を切断状態又は接続状態とし、後述するクラッチ伝達トルクTcを可変とするためのものである。車両は、クラッチペダル53の操作量に応じた液圧を発生させるマスタシリンダ55を有している。マスタシリンダ55には、マスタシリンダ55のストロークを検出するクラッチセンサ54が設けられている。
ブレーキペダル56には、ブレーキペダル56の操作量を検出するブレーキセンサ57が設けられている。車両は、ブレーキペダル56の操作量に応じた液圧を発生させるブレーキマスタシリンダ(不図示)、ブレーキマスタシリンダが発生したマスタ圧に応じて車輪に制動力を発生するブレーキ装置19を有している。
エンジン2は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。エンジン2は、出力軸21、スロットルバルブ22、エンジン回転速度センサ23、燃料噴射装置28を有している。出力軸21は、ピストンにより回転駆動されるクランクシャフトと一体的に回転する。このように、エンジン2は、出力軸21にエンジントルクTeを出力する。なお、エンジン2がガソリンエンジンである場合には、エンジン2のシリンダヘッドには、シリンダ内の混合気を点火するための点火装置(不図示)が設けられている。
スロットルバルブ22は、エンジン2のシリンダに空気を取り込む経路の途中に設けられている。スロットルバルブ22は、エンジン2のシリンダに取り込まれる空気量を調整するものである。燃料噴射装置28は、エンジン2の内部に空気を取り込む経路の途中やエンジン2のシリンダヘッドに設けられている。燃料噴射装置28は、ガソリンや軽油等の燃料を噴射する装置である。
エンジン回転速度センサ23は、出力軸21の近傍に配設されている。エンジン回転速度センサ23は、出力軸21の回転速度であるエンジン回転速度Neを検出して、その検出信号を制御部10に出力する。なお、本実施形態では、エンジン2の出力軸21は、後述するクラッチ3の入力部材であるフライホイール31に連結している。
クラッチ3は、エンジン2の出力軸21と後述のマニュアルトランスミッション4の変速機入力軸41との間に設けられている。クラッチ3は、運転者によるクラッチペダル53の操作により、出力軸21と変速機入力軸41とを接続又は切断するとともに、出力軸21と変速機入力軸41間におけるクラッチ伝達トルクTc(図2示)を可変とするマニュアル式のクラッチである。クラッチ3は、フライホイール31、クラッチディスク32、クラッチカバー33、ダイヤフラムスプリング34、プレッシャプレート35、クラッチシャフト36、レリーズベアリング37、スレーブシリンダ38を有している。
フライホイール31は、円板状であり、出力軸21に連結している。クラッチシャフト36は、変速機入力軸41に連結している。クラッチディスク32は、円板状であり、その外周部の両面に摩擦材32aが設けられている。クラッチディスク32は、フライホイール31と対向して、クラッチシャフト36の先端に軸線方向移動可能且つ回転不能にスプライン嵌合している。
クラッチカバー33は、扁平な円筒状の円筒部33aと、この円筒部33aの一端から回転中心方向に延在する板部33bとから構成されている。円筒部33aの他端は、フライホイール31に連結している。このため、クラッチカバー33は、フライホイール31と一体に回転する。プレッシャプレート35は、中心に穴が開いた円板状である。プレッシャプレート35は、フライホイール31の反対側において、クラッチディスク32と対向して軸線方向移動可能に配設されている。プレッシャプレート35の中心には、クラッチシャフト36が挿通している。
ダイヤフラムスプリング34は、リング状のリング部34aと、このリング部34aの内周縁から、内側に向かって延出する複数の板バネ部34bとから構成されている。板バネ部34bは、内側方向に向かって徐々に、板部33b側に位置するように傾斜している。板バネ部34bは、軸線方向に弾性変形可能となっている。ダイヤフラムスプリング34は、板バネ部34bが軸線方向に圧縮された状態で、プレッシャプレート35とクラッチカバー33の板部33bとの間に配設されている。リング部34aは、プレッシャプレート35と当接している。板バネ部34bの中間部分は、板部33bの内周縁と接続している。ダイヤフラムスプリング34の中心には、クラッチシャフト36が挿通している。
レリーズベアリング37は、図示しないクラッチ3のハウジングに取り付けられている。レリーズベアリング37に中心には、クラッチシャフト36が挿通し、軸線方向移動可能に配設されている。レリーズベアリングは、互いに対向し、相対回転可能な第一部材37aと第二部材37bとから構成されている。第一部材37aは、板部33bの先端と当接している。
スレーブシリンダ38には、液圧により進退するプッシュロッド38aを有している。プッシュロッド38aの先端は、レリーズベアリング37の第二部材37bと当接している。スレーブシリンダ38とマスタシリンダ55とは、液圧配管58により接続されている。
クラッチペダル53が踏まれていない状態では、マスタシリンダ55及びスレーブシリンダ38のいずれにも液圧は発生していない。この状態では、クラッチディスク32は、プレッシャプレート35を介して、ダイヤフラムスプリング34によって、フライホイール31に付勢されて押し付けられている。このため、摩擦材32aとフライホイール31との摩擦力、及び摩擦材32aとプレッシャプレート35との摩擦力により、フライホイール31、クラッチディスク32、及びプレッシャプレート35が一体回転し、出力軸21と変速機入力軸41とが一体回転する接続状態となっている。
一方で、クラッチペダル53が踏まれると、マスタシリンダ55に液圧が発生し、スレーブシリンダ38にも液圧が発生する。すると、スレーブシリンダ38のプッシュロッド38aがレリーズベアリング37をダイヤフラムスプリング34側に押圧する。すると、板バネ部34bが板部33bの内周縁との接続部分を支点として変形し、クラッチディスク32をフライホイール31に付勢する付勢力が小さくなり、遂には0となる。
図2に示すように、マスタシリンダ55のストロークであるクラッチストロークが増大するにつれて、クラッチ3が出力軸21から変速機入力軸41に伝達するクラッチ伝達トルクTcは小さくなり、上記付勢力が0となると、クラッチ伝達トルクTcは0となり、クラッチ3は完全切断状態となる。このように、本実施形態のクラッチ3は、クラッチペダル53が踏まれていない状態では、クラッチ3が接続状態となる、ノーマルクローズドクラッチである。
マニュアルトランスミッション4は、変速機入力軸41と変速機出力軸42との間において変速比がそれぞれ異なる複数の変速段を選択的に切り替える有段変速機である。変速機入力軸41と変速機出力軸42のいずれか一方には、軸に対して遊転可能な複数遊転ギヤと、遊転ギヤと噛合し軸に対して遊転不能な複数固定ギヤ(いずれも不図示)が取り付けられている。
また、マニュアルトランスミッション4は、複数遊転ギヤのうち1の遊転ギヤを選択して、取り付けられている軸に遊転不能に嵌合する選択機構を備えている。このような構成により、変速機入力軸41は、駆動輪18R、18Lと連動して回転する。更に、マニュアルトランスミッション4は、運転者のシフトレバー45の操作を、選択機構を作動させる力に変換するシフト操作機構(不図示)を備えている。
変速機入力軸41の近傍には、変速機入力軸41の回転速度(変速機入力軸回転速度Ni)を検出する変速機入力軸回転速度センサ43が設けられている。変速機入力軸回転速度センサ43によって検出された変速機入力軸回転速度Ni(クラッチ回転速度Nc)は、制御部10に出力される。
変速機出力軸42の近傍には、変速機出力軸42の回転速度(変速機出力軸回転速度No)を検出する変速機出力軸回転速度センサ46が設けられている。変速機出力軸回転速度センサ46によって検出された変速機出力軸回転速度Noは、制御部10に出力される。
制御部10は、車両を統括制御するものである。制御部10は、CPU、RAM、ROMや不揮発性メモリー等で構成された記憶部(いずれも不図示)を有している。CPUは、図4、図5、図7に示すフローチャート対応したプログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものである。記憶部は上記プログラムや図2、図6、図8に示すマッピングデータを記憶している。
制御部10は、ドライバのアクセルペダル51の操作に基づくアクセルセンサ52のアクセル開度Acに基づいて、運転者が要求しているエンジン2のトルクである要求エンジントルクTerを演算する。そして、制御部10は、要求エンジントルクTerに基づいて、スロットルバルブ22の開度Sを調整し、吸気量を調整するとともに、燃料噴射装置28の燃料噴射量を調整し、点火装置を制御する。
これにより、燃料を含んだ混合気の供給量が調整され、エンジン2が出力するエンジントルクTeが要求エンジントルクTerに調整されるとともに、エンジン回転速度Neが調整される。なお、アクセルペダル51が踏まれていない場合には(アクセル開度Ac=0)、エンジン回転速度Neはアイドリング回転速度(例えば、700r.p.m.)に維持される。
制御部10は、クラッチセンサ54によって検出されたクラッチストロークClを、図2に示すクラッチストロークClとクラッチ伝達トルクTcとの関係を表した「クラッチ伝達トルクマッピングデータ」に参照させることにより、クラッチ3が出力軸21から変速機入力軸41に伝達可能なトルクであるクラッチ伝達トルクTcを演算する。
制御部10は、変速機出力軸回転速度センサ46によって検出された変速機出力軸回転速度Noに基づいて、車速Vを演算する。制御部10は、エンジン回転速度センサ23によって検出されたエンジン回転速度Neから変速機入力軸回転速度センサ43によって検出された変速機入力軸回転速度Niを減算することにより、クラッチ3の差回転速度であるクラッチ差回転速度Δcを演算する。つまり、クラッチ差回転速度Δcは、クラッチ3の差回転速度、つまり、出力軸21と変速機入力軸41との差回転速度である。
エンジン2、クラッチ3、マニュアルトランスミッション4、制御部10、クラッチペダル53、クラッチセンサ54、マスタシリンダ55、アクセルペダル51、アクセルセンサ52、ブレーキペダル56、ブレーキセンサ57、液圧配管58を含めた構成が、本実施形態の車両用駆動装置1である。
(本実施形態の概要)
以下に、図3を用いて、本実施形態の概要について説明する。クラッチ3が半クラッチ状態であり係合中である場合に、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第一規定差回転速度A(例えば400r.p.m.)以下となった場合には(図3のT1)、「トルクバランス制御」が実行される。具体的には、エンジン2が発生するエンジントルクTeを、クラッチ伝達トルクTcに近づける制御が実行される(図3の(1))。
次に、クラッチ3が殆ど同期し、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第二規定差回転速度B(例えば25r.p.m.)以下となった場合には(図3のT2)、「復帰制御」が実行される。具体的には、エンジン2が発生するトルクを、要求エンジントルクTerに戻す制御が実行される(図3の(2))。
上述の「トルクバランス制御」が実行されると、エンジン回転速度Neの変化量と変速機入力軸回転速度Niの変化量の差が低減される。すると、クラッチ3の完全係合時に、車両に作用するエンジン2のイナーシャトルクが低減され、この結果、車両のショックの発生が低減される。
一方で、図3の一点鎖線で示すように、「トルクバランス制御」が実行されない場合には、エンジン回転速度Neの変化量と変速機入力軸回転速度Niの変化量の差がある状態で、クラッチ3が同期して、クラッチ3が完全係合する。すると、クラッチ3の完全係合時に、エンジン2のイナーシャトルクが車両に作用し、この結果、車両のショックが発生する。以下に、図4に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
(クラッチ・エンジン協調制御)
以下に、図4のフローチャートを用いて、「クラッチ・エンジン協調制御」について説明する。車両のイグニッションキーがNOとされ、エンジン2が始動すると、「クラッチ・エンジン協調制御」が開始し、プログラムはS11に進む。
S11において、制御部10は、ブレーキセンサ57の検出信号に基づいて、ブレーキペダル56が踏まれていなく、ブレーキ装置19で制動力が発生していない(ブレーキOFF)と判断した場合には、(S11:YES)、プログラムをS12に進める。一方で、ブレーキペダル56が踏まれて、ブレーキ装置19で制動力が発生している(ブレーキON)と判断した場合には(S11:NO)、プログラムをS20に進める。
S12において、制御部10は、クラッチセンサ54からの検出信号に基づき、クラッチ伝達トルクTcが0でない(クラッチ3が完全断でない)と判断した場合には(S12:YES)、プログラムをS13に進める。一方で、制御部10は、クラッチ伝達トルクTcが0である(クラッチ3が完全断)と判断した場合には(S12:NO)、プログラムをS20に進める。
S13において、制御部10は、車速Vが所定の規定速度(例えば10km/h)以上であると判断した場合には(S13:YES)、プログラムをS14に進め、車速Vが規定速度より遅いと判断した場合には(S13:NO)、プログラムをS20に進める。
S14において、制御部10は、エンジン回転速度センサ23及び変速機入力軸回転速度センサ43が出力する検出信号に基づいて、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第一規定差回転速度A(例えば400r.p.m.)以下に収束したと判断した場合には(S14:YES)、プログラムをS15に進める。一方で、制御部10は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第一規定差回転速度Aより大きいと判断した場合には(S14:NO)、プログラムをS20に進める。
S15において、制御部10は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第二規定差回転速度B以下であると判断した場合には(S15:YES)、プログラムをS16に進める。一方で、制御部10は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第二規定差回転速度Bより大きいと判断した場合には(S15:NO)、プログラムをS17に進める。なお、第二規定差回転速度Bは、第一規定差回転速度Aよりも小さい差回転速度であり、例えば25r.p.m.である。つまり、クラッチ差回転速度Δcが第二規定差回転速度B以下である場合には、出力軸21と変速機入力軸41の回転が殆ど同期し、クラッチ3が殆ど同期しているといえる。
S16において、制御部10は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第二規定差回転速度以下の状態が所定の規定時間(例えば300ms)以上継続したと判断した場合には、プログラムをS18に進める。一方で、制御部10は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第二規定差回転速度以下の状態が所定の規定時間以上継続していないと判断した場合には、プログラムをS17に進める。
S17において、制御部10は、「トルクバランス制御」を実行する。この「トルクバランス制御」については、図5に示すフローチャートを用いて説明する。S17が終了すると、プログラムは、S15に戻る。
S18において、制御部10は、「復帰制御」を実行する。この「復帰制御」については、図7に示すフローチャートを用いて説明する。S18が終了すると、プログラムは、S19に進む。
S19において、制御部10は、「復帰制御」が完了したと判断した場合には(S19:YES)、プログラムをS20に進め、「復帰制御」が完了していないと判断した場合には(S19:NO)、プログラムをS18に戻す。なお、制御部10は、後述の復帰制御時エンジントルクTertが、要求エンジントルクTerと同一になったと判断した場合には、「復帰制御」が完了したと判断する。
S20において、制御部10は、「通常エンジン制御」を行う。つまり、制御部10は、エンジントルクTeが運転者のアクセルペダル51の操作により演算された要求エンジントルクTerとなるように、エンジン2を制御する。S20が終了すると、プログラムはS11に戻る。
(トルクバランス制御)
以下に、図5のフローチャートを用いて、「トルクバランス制御」について説明する。「トルクバランス制御」が開始すると、プログラムは、S17−1に進む。S17−1において、制御部10は、上述した方法によりクラッチ伝達トルクTcを演算し、プログラムをS17−2に進める。
S17−2において、制御部10は、クラッチ差回転速度Δcを、図6に示す「調整トルク演算データ」に参照させることにより、調整トルクTaを演算する。なお、クラッチ差回転速度Δcがプラスの値である場合、つまり、エンジン回転速度Ne(出力軸21の回転速度)が変速機入力軸回転速度Niよりも速い場合には、調整トルクTaはマイナスの値となる。一方で、クラッチ差回転速度Δcがマイナスの値である場合、つまり、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niよりも遅い場合には、調整トルクTaはプラスの値となる。そして、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が大きい程、調整トルクTaの絶対値は大きくなるように演算される。
なお、クラッチ差回転速度Δcが、図6に示す「調整トルク演算データ」に規定されている「クラッチ差回転速度」の間にある場合には、現在のクラッチ差回転速度Δcの両隣の「クラッチ差回転速度」に対応する「調整トルク」を線形補間することにより調整トルクTaを演算する。S17−2が終了すると、プログラムは、S17−3に進む。
S17−3において、制御部10は、下式(1)に基づき、クラッチ伝達トルクTcと調整トルクTaを加算することにより、クラッチ同期時エンジントルクTesを演算する。
Tes=Tc+Ta…(1)
Tes:クラッチ同期時エンジントルク
Tc:クラッチ伝達トルク
Ta:調整トルク
S17−3が終了すると、プログラムはS17−4に進む。
S17−4において、制御部10は、エンジントルクTeがクラッチ係合時エンジントルクTesとなるようにエンジン2を制御する。S17−4が終了すると、図4のS15に戻る。
(復帰制御)
以下に、図7のフローチャートを用いて、「復帰制御」について説明する。「復帰制御」が開始すると、プログラムは、S18−1に進む。S18−1において、制御部10は、上述した図5に示す「トルクバランス制御」のS17−1〜S17−3と同様の方法により、クラッチ同期時エンジントルクTesを演算する。S18−1が終了すると、プログラムは、S18−2に進む。
S18−2において、制御部10は、下式(2)に基づいて、クラッチ同期時エンジントルクTesから要求エンジントルクTerを減算することにより、乖離トルクΔTを演算する。
ΔT=Tes−Ter…(2)
ΔT:乖離トルク
Tes:クラッチ同期時エンジントルク
Ter:要求エンジントルク
S18−2が終了すると、プログラムは、S18−3に進む。
S18−3において、制御部10は、乖離トルクΔTを、図8に示す「単位時間当たり復帰率演算データ」に参照させることにより、単位時間当たり復帰率Rrを演算する。なお、単位時間当たり復帰率Rrとは、後述のトルク乖離率Rtを減少させるための単位時間当たりの100分率である。
乖離トルクΔTがプラスの値である場合、つまり、現在のクラッチ同期時エンジントルクTesが要求エンジントルクTerよりも大きい場合には、単位時間当たり復帰率Rrはマイナスの値となる。一方で、乖離トルクΔTがマイナスの値である場合、つまり、要求エンジントルクTerが現在のクラッチ同期時エンジントルクTesよりも大きい場合には、単位時間当たり復帰率Rrはプラスの値となる。
また、乖離トルクΔTの絶対値が大きい程、単位時間当たり復帰率Rrの絶対値は小さくなるように演算される。なお、乖離トルクΔTが、図8に示す「単位時間当たり復帰率演算データ」に規定されている「乖離トルク」の間にある場合には、現在の乖離トルクΔTの両隣の「乖離トルク」に対応する「単位時間当たり復帰率」を線形補間することにより単位時間当たり復帰率Rrを演算する。S18−3が終了すると、プログラムは、S18−4に進む。
S18−4において、制御部10は、下式(3)に基づき、トルク乖離率Rt(n)を演算する。
Rt(n)=Rt(n−1)−Rr×et…(3)
Rt(n):トルク乖離率
Rt(n−1):前回演算されたトルク乖離率
Rr:単位時間当たり復帰率
et:前回のS18−3からの経過時間
なお、S18−3がはじめて実行される場合には、Rt(n−1)は100である。
S18−4が終了すると、プログラムはS18−5に進む。
S18−5において、制御部10は、下式(4)に基づき、復帰制御時エンジントルクTertを演算する。
Tert=Ter+ΔT×Rt(n)/100…(4)
Tert:復帰制御時エンジントルク
Ter:要求エンジントルク
ΔT:乖離トルク
Rt(n):トルク乖離率
S18−5が終了すると、プログラムはS18−6に進む。
S18−6において、制御部10は、エンジントルクTeが復帰制御時エンジントルクTertとなるように、エンジン2を制御する。S18−6が終了すると、プログラムは、図4のS19に進む。
(本実施形態の効果)
上述した説明から明らかなように、制御部10(クラッチ同期時エンジントルク演算手段)は、図5のS17−4において、上式(1)及びクラッチ伝達トルクTcに基づいて、クラッチ同期時エンジントルクTesを演算する。そして、制御部10(エンジン制御手段)は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第一規定差回転速度A以下に収束した場合に(図4のS14でYESと判定、S15でNOと判定)、図5のS17−4において、エンジントルクTeがクラッチ同期時エンジントルクTesとなるように、エンジン2を制御する。
このように、「トルクバランス制御」が実行されると、図3の(1)に示すように、エンジン2が出力するエンジントルクTeが、クラッチ伝達トルクTcに近づく。これにより、エンジン回転速度Neの変化量と変速機入力軸回転速度Niの変化量との差を低減することができる。このため、クラッチ3の完全係合時に、車両に作用するエンジン2のイナーシャトルクを低減することができ、ショックの発生を低減することができる。
また、クラッチ同期時エンジントルクTesは、上式(1)及びクラッチ伝達トルクTcに基づいて演算される。このため、運転者のクラッチペダル53の操作により、クラッチ伝達トルクTcが変化したとしても、クラッチ伝達トルクTcの変化に追従して、クラッチ同期時エンジントルクTesもまた増減する。このため、運転者のクラッチペダル53の操作に関わらす、エンジン回転速度Neの変化量と変速機入力軸回転速度Niの変化量との差を低減することができる。このため、クラッチ3の完全係合時における、ショックの発生を低減することができる。
また、制御部10(調整トルク演算手段)は、図5のS17−2において、クラッチ差回転速度Δcを図6に示す「調整トルク演算データ」に参照させることにより、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niより速い場合には、マイナスの値の調整トルクTaを演算する。また、制御部10は、変速機入力軸回転速度Niがエンジン回転速度Neよりも速い場合には、プラスの値の調整トルクTaを演算する。そして、制御部10は、図4のS17−3において、上式(1)に基づき、調整トルクTaを加算してクラッチ同期時エンジントルクTesを演算する。これによる効果を、以下に説明する。
「トルクバランス制御」では、エンジントルクTeがクラッチ伝達トルクTcに近づく。すると、エンジン回転速度Neの変化量と変速機入力軸回転速度Niの変化量との差を低減するので、いつまで経っても、エンジン回転速度Neと変速機入力軸回転速度Niが同期しないおそれが発生する。
例えば、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niより速い場合には、図3の(3)の二点鎖線に示すように、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niよりも若干速い速度で平行に推移してしまうおそれがある。一方で、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niより遅い場合には、図3の(4)の二点鎖線に示すように、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niよりも若干遅い速度で平行に推移してしまうおそれがある。
上述したように、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niより速い場合には、調整トルクTaはマイナスとなる。これにより、調整トルクTa分だけエンジン回転速度Neが引き下げられるので、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niに同期される。
一方で、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niより遅い場合には、調整トルクTaはプラスとなる。これにより、調整トルクTa分だけエンジン回転速度Neが引き上げられるので、エンジン回転速度Neが変速機入力軸回転速度Niに同期される。このため、確実にクラッチ3を同期させることができる。
また、制御部10は、図5のS17−2において、クラッチ差回転速度Δcを図6に示す「調整トルク演算データ」に参照させることにより、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が大きい程、絶対値が大きい調整トルクTaを演算する。これにより、エンジン回転速度Neを迅速に変速機入力軸回転速度Niに近づけることができる。このため、クラッチ3の同期時間を短縮することができる。
一方で、図5のS17−2において、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が小さい程、絶対値が小さい調整トルクTaが演算される。これにより、クラッチ3の同期直前における、エンジン回転速度Neと変速機入力軸回転速度Niの変化量との差をより低減することができる。このため、クラッチ3の完全係合に伴うショックの発生をより低減することができる。
また、制御部10(復帰制御時エンジントルク演算手段)は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が第二規定差回転速度B以下の状態が規定時間以上継続した場合に(図4S16でYESと判断)、「復帰制御」を実行する。具体的には、制御部10は、図7のS18−5において、徐々にクラッチ同期時エンジントルクTesから要求エンジントルクTerに徐変する復帰制御時エンジントルクTertを演算する。そして、制御部10は、図5のS18−6において、エンジントルクTeが復帰制御時エンジントルクTertとなるようにエンジン2を制御する。
このように、「復帰制御」が実行されると、図3の(2)に示すように、エンジン2が出力するエンジントルクTeが、徐々に要求エンジントルクTerに復帰する。このため、エンジントルクTeの急激な変動が抑制され、運転者が違和感を覚えない。
また、制御部10は、図7のS18−4において、上式(3)に基づき、「復帰制御」の実行が開始されてからの経過時間が長くなるに従って、徐々に値が小さくなるトルク乖離率Rtを演算する。そして、制御部10は、S18−5において、上式(4)に基づき、要求エンジントルクTerに、乖離トルクΔTにトルク乖離率Rtを乗算した値を加算して、復帰制御時エンジントルクTertを演算する。
そして、制御部10は、図5のS18−6において、エンジントルクTeが復帰制御時エンジントルクTertとなるようにエンジン2を制御する。このため、エンジントルクTeを、クラッチ同期時エンジントルクTesから要求エンジントルクTerに確実に徐変させることができる。
また、制御部10は、図7のS18−3において、乖離トルクΔTを図8に示すマッピングデータに参照させることにより、乖離トルクΔTがプラスの場合には、マイナスの値の単位時間当たり復帰率Rrを演算する。一方で、制御部10は、乖離トルクΔTがマイナスの場合には、プラスの値の単位時間当たり復帰率Rrを演算する。そして、制御部10は、乖離トルクΔTの絶対値が小さい程、絶対値の大きい単位時間当たり復帰率Rrを演算する。
そして、制御部10は、図7のS18−4において、上式(3)に基づき、前回演算したトルク乖離率Rt(n−1)から、単位時間当たり復帰率Rrに前回のトルク乖離率Rt(n−1)の演算からの経過時間etを乗じた値を減算して、トルク乖離率Rt(n)を演算する。
このように、乖離トルクΔTの絶対値が小さい程、絶対値の大きい単位時間当たり復帰率Rr(n)が演算される。これにより、乖離トルクΔTの絶対値が小さい程、エンジントルクTeをより迅速に運転者の意思を反映した要求エンジントルクTerに復帰させることができる。このため、運転者の意思を反映しないエンジン制御が実行される時間を短縮することができ、運転者の違和感を低減することができる。なお、乖離トルクΔTの絶対値が小さい場合には、エンジントルクTeが迅速に要求エンジントルクTerに復帰したとしても、運転者は違和感を覚えにくい。
一方で、乖離トルクΔTの絶対値が大きい程、絶対値の小さい単位時間当たり復帰率Rr(n)が演算される。これにより、乖離トルクΔTが大きい場合には、エンジントルクが緩慢に要求エンジントルクTerに復帰される。このため、エンジントルクTeの変動が抑制され、運転者は違和感を覚えにくい。
また、クラッチセンサ54(クラッチ伝達トルク取得手段)によって検出されたクラッチペダル53の操作量であるクラッチストロークClを検出している。そして、制御部10は、当該クラッチストロークClを図2に示す「クラッチ伝達トルクマッピングデータ」に参照させることにより、クラッチ伝達トルクTcを取得している。これにより、簡単な構造・手法により、確実にクラッチ伝達トルクTcを取得することができる。
また、制御部10は、車速が規定速度より遅い場合には(図4のS13でNOと判断)、「トルクバランス制御」を実行しない。エンジントルクTeがクラッチ伝達トルクTcに対して大きい方が、車両はスムーズに発進することができる。発進時には「トルクバランス制御」が実行されないので、エンジントルクTeがクラッチ伝達トルクTcに近づかない。このため、発進時に、車両がスムーズに発進することができる。
また、制御部10は、ブレーキペダル57(制動力操作手段)が操作されている場合には(図4のS11でNOと判断)、「トルクバランス制御」を実行しない。
これにより、例えば、緊急制動時等車両を早急に停止させる必要が生じた場合に、エンジントルクTeを無理にクラッチ伝達トルクTcに近づける制御が実行されない。このため、安全に車両を停止させることができる。
また、制御部10は、クラッチ差回転速度Δcの絶対値が、第二規定差回転速度B以下である時間が規定時間以上継続した場合に限り(図4のS16でYESと判断)、「復帰制御」を実行する。これにより、各種センサの検出信号にノイズが混入したとしても、当該ノイズにより、誤ってクラッチ差回転速度Δcの絶対値が、第二規定差回転速度B以下であると判断されて、誤って「復帰制御」が実行されてしまうことが防止される。
(別の実施形態)
以下に、以上説明した実施形態と異なる実施形態について説明する。
以上説明した実施形態では、車両の発進時において、クラッチ3が係合する場合の実施形態について本発明を説明した。しかし、マニュアルトランスミッション4のアップ変速又はダウン変速時において、クラッチ3が切断され、クラッチ3が係合する際にも本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
また、渋滞時、車庫入れ時等において、運転者が半クラッチを利用してクラッチを適度に滑らせる操作を行うことにより、エンジン回転速度の過度の低下を防止するような、徐行あるいは微速走行時において、クラッチ3が係合する際にも、本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
以上説明した実施形態では、クラッチペダル53の操作力は、マスタシリンダ55、液圧配管58及びスレーブシリンダ38を介して、レリーズベアリング37に伝達させる。しかし、クラッチペダル53の操作力が、ワイヤ、ロッド、ギヤ等の機械的要素を介して、レリーズベアリング37に伝達される実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、クラッチセンサ54によって検出されたクラッチストロークClを、図2に示すクラッチストロークClとクラッチ伝達トルクTcとの関係を表した「クラッチ伝達トルクマッピングデータ」に参照させることにより、クラッチ伝達トルクTcを演算している。しかし、特開2008−157184号公報に示されるように、クラッチストロークClの時間当たりの変化量に基づき、クラッチ伝達トルクTcを予測し、要求エンジントルクTerを予測する実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、クラッチ伝達トルクTcは、クラッチセンサ54の検出信号に基づいて演算される。しかし、エンジンイナーシャ、エンジンフリクショントルク、係合開始時の変速機入力軸41の回転速度、現在の変速機入力軸41の回転速度、係合開始からの経過時間等の情報からクラッチ伝達トルクTcを演算することにしても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、クラッチセンサ54は、マスタシリンダ55のストローク量を検出している。しかし、クラッチセンサ54は、クラッチペダル53の操作量やマスタシリンダ55のマスタ圧、スレーブシリンダ38のストロークや液圧、レリーズベアリング37のストローク量を検出するセンサであっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、制御部10は、変速機出力軸回転速度センサ46によって検出された変速機出力軸回転速度Noに基づいて、車速Vを演算している。しかし、制御部10が、車輪の回転速度を検出する車輪速度センサによって検出された車輪回転速度や、その他車輪と連動して回転する軸の回転速度を検出するセンサに基づいて、車速Vを演算する実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、クラッチ3に運転者の操作力を伝達するクラッチ操作部材は、クラッチペダル53である。しかし、クラッチ操作部材は、クラッチペダル53に限定されず、例えば、クラッチレバーであっても差し支え無い。同様に、アクセル開度Acを調整するアクセルペダル51の代わりに、例えば、アクセル開度Acを調整するアクセルグリップであっても差し支え無い。そして、本実施形態の車両用駆動装置を、自動二輪車やその他車両に適用しても、本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
以上説明した実施形態では、単一の制御部10が、エンジン2を制御するとともに、図4に示す「クラッチ・エンジン協調制御」を実行する。しかし、エンジン制御部が、エンジン2を制御し、エンジン制御部とCAN(Controller Area Network)等の通信手段で接続された制御部10が「クラッチ・エンジン協調制御」を実行する実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、車両はマニュアルトランスミッション4を有している。しかし、マニュアルトランスミッション4を有さず、駆動輪18R、18Lと連動して回転しクラッチディスク32に連結された入力軸を有する車両にも本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
1…車両用駆動装置、2…エンジン、3…クラッチ、10…制御部(要求エンジントルク演算手段、クラッチ同期時エンジントルク演算手段、エンジン制御手段、クラッチ伝達トルク取得手段、調整トルク演算手段、復帰制御時エンジントルク演算手段)、19…ブレーキ装置(制動力付与手段)、21…出力軸、41…変速機入力軸(入力軸)、46…変速機出力軸回転速度センサ(車速検出手段)、51…アクセルペダル(エンジン操作手段)、52…アクセルセンサ(要求エンジントルク演算手段)、53…クラッチペダル(クラッチ操作部材)、54…クラッチセンサ(クラッチ伝達トルク取得手段、クラッチ操作量検出手段)、56…ブレーキペダル(ブレーキ操作手段)、57…ブレーキセンサ(ブレーキ操作量検出手段)
t…油温
V…車速
A…第一規定差回転速度
B…第二規定差回転速度
Nc…クラッチ回転速度
Ne…エンジン回転速度
Ni…変速機入力軸回転速度
Δc…クラッチ差回転速度
Te…エンジントルク
Tc…クラッチ伝達トルク
Tern…要求エンジントルク
Tes…クラッチ同期時エンジントルク
Tert…復帰制御時エンジントルク
Ta…調整トルク
Rr…単位時間当たり復帰率
Rt(n)…トルク乖離率
Rt(n−1)…前回演算されたトルク乖離率

Claims (9)

  1. 出力軸にエンジントルクを出力するエンジンと、
    前記エンジンが出力するエンジントルクを可変に操作するためのエンジン操作手段と、
    車両の駆動輪の回転と連動して回転する入力軸と、
    前記出力軸と前記入力軸との間に設けられ、前記出力軸と前記入力軸間におけるクラッチ伝達トルクを可変とするクラッチと、
    前記クラッチ伝達トルクを可変に操作するためのクラッチ操作手段と、
    前記クラッチが発生している前記クラッチ伝達トルクを取得するクラッチ伝達トルク取得手段とを備える車両用駆動装置において、
    前記伝達トルク取得手段が取得した前記クラッチ伝達トルクに基づいて、クラッチ同期時エンジントルクを演算するクラッチ同期時エンジントルク演算手段と、
    前記クラッチの同期中における前記出力軸と前記入力軸との差回転速度であるクラッチ差回転速度の絶対値が第一規定差回転速度以下に収束した場合に、前記クラッチ同期時エンジントルクとなるように前記エンジンを制御してトルクバランス制御を実行するエンジン制御手段と、を有する車両用駆動装置。
  2. 請求項1において、
    前記トルクバランス制御において、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度よりも速い場合には、マイナスの値の調整トルクを演算し、前記出力軸の回転速度が前記入力軸の回転速度よりも遅い場合には、プラスの値の調整トルクを演算する調整トルク演算手段を有し、
    前記クラッチ同期時エンジントルク演算手段は、前記調整トルクを加算して前記クラッチ同期時エンジントルクを演算する車両用制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記調整トルク演算手段は、前記クラッチ差回転速度の絶対値が大きい程、絶対値が大きい前記調整トルクを演算する車両用制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項において、
    前記アクセルペダルの操作量に基づいて、前記エンジンの要求トルクである要求エンジントルクを演算する要求エンジントルク演算手段と、
    前記クラッチの係合中における前記クラッチ差回転速度の絶対値が第一規定差回転速度よりも遅い第二規定差回転速度以下となった場合に、前記クラッチ同期時エンジントルクから前記要求エンジントルクに徐変する復帰制御時エンジントルクを演算する復帰制御時エンジントルク演算手段を有し、
    前記エンジン制御手段は、前記クラッチの係合中における前記クラッチ差回転速度の絶対値が前記第二規定差回転速度以下となった場合に、前記復帰制御時エンジントルクとなるように前記エンジンを制御する復帰制御を実行する車両用駆動装置。
  5. 請求項4において、
    前記復帰制御時エンジントルク演算手段は、
    前記クラッチ同期時エンジントルクから前記要求エンジントルクを減算した乖離トルクを演算し、
    前記復帰制御の実行が開始されてからの経過時間が長くなるに従って、徐々に値が小さくなるトルク乖離率を演算し、
    前記要求エンジントルクに、前記乖離トルクに前記トルク乖離率を乗算した値を加算して、前記復帰制御時エンジントルクを演算する車両用駆動装置。
  6. 請求項5において、
    前記復帰制御時エンジントルク演算手段は、
    前記乖離トルクがプラスの場合には、マイナスの値の単位時間当たり復帰率を演算し、
    前記乖離トルクがマイナスの場合には、プラスの値の単位時間当たり復帰率を演算し、
    前記乖離トルクの絶対値が小さい程、絶対値の大きい単位時間当たり復帰率を演算し、
    前回演算したトルク乖離率から、前記単位時間当たり復帰率に前回のトルク乖離率の演算からの経過時間を乗じた値を減算して、前記トルク乖離率を演算する車両用駆動装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項において、
    前記クラッチ伝達トルク取得手段は、前記クラッチ操作手段の操作量を検出するクラッチ操作量検出手段である車両用駆動装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項において、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段を有し、
    前記エンジン制御手段は、前記車速検出手段で検出された車速が規定速度より遅い場合には、前記トルクバランス制御を実行しない車両用駆動装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項において、
    前記車両に制動力を付与する制動力付与手段と、
    前記制動力付与手段の制動力を可変に操作するための制動力操作手段と、を有し、
    前記エンジン制御手段は、前記制動力操作手段が操作されている場合には、前記トルクバランス制御を実行しない車両用駆動装置。
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