JP2003278806A - クラッチ制御装置 - Google Patents

クラッチ制御装置

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JP2003278806A
JP2003278806A JP2002079467A JP2002079467A JP2003278806A JP 2003278806 A JP2003278806 A JP 2003278806A JP 2002079467 A JP2002079467 A JP 2002079467A JP 2002079467 A JP2002079467 A JP 2002079467A JP 2003278806 A JP2003278806 A JP 2003278806A
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clutch
stroke
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JP2002079467A
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English (en)
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Atsushi Kumazawa
厚 熊沢
Osamu Umemoto
修 梅本
Takeshi Nakamura
中村  剛
Osamu Ogi
治 小木
Toshikuni Shirasawa
敏邦 白沢
Yukihiko Shiono
幸彦 塩野
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Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
Original Assignee
Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、機械式自動変速機を備えた車両の
クラッチ機構に用いて好適の、クラッチ制御装に関し、
クラッチの接続時に、常に最適な半クラッチ状態に設定
できるようにして、ショックやエンジンの吹け上がりや
クラッチの早期磨耗等を防止するようにする。 【解決手段】 クラッチ接続時には、エンジン回転数と
クラッチ回転数との差の変化率が所定値となるようにク
ラッチストローク目標値を設定するとともに、上記エン
ジン回転数と上記クラッチ回転数との差の変化率が上記
所定値になったらクラッチストローク目標値を固定する
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動的にクラッチ
の断接を行なう、クラッチ制御装置に関し、特に機械式
自動変速機を備えた車両のクラッチ機構に用いて好適
の、クラッチ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の変速機として、マニュア
ル車と同様な変速ギア機構及びクラッチ機構にそれぞれ
アクチュエータを付設して自動変速を行なえるようにし
た機械式自動変速機が開発、実用化されており、主にト
ラックやバス等の大型車を中心に適用されている。
【0003】また、このようなアクチュエータとして
は、例えばエアや油圧等の流体圧を用いたシリンダ機構
や電気モータが適用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
機械式自動変速機では、いかにしてショックを生じるこ
となく速やかに変速を終了させるかが極めて大きな課題
となっている。特に、クラッチ接続時の半クラッチ制御
は滑らかな変速制御を実現する上で重要である。ここ
で、図5及び図6はそれぞれ一般的なクラッチの接続制
御の作用を説明するものであって、変速時におけるエン
ジン回転数及びクラッチ回転数の変化や、これに対応す
るクラッチストロークの変化を示す図である。
【0005】まず、図5について説明すると、図示する
ように、クラッチが切断されるとエンジン回転数は徐々
に低下する。一方、クラッチ回転数に着目すると、クラ
ッチの切断とともに略同時に変速段が一旦ニュートラル
に切り替えられるので、クラッチ回転数は比較的急激に
低下する。そして、その後目標変速段に切り替えられ、
クラッチ回転数は車輪の回転速度と目標変速段のギア比
とに応じた回転数となる。
【0006】そして、変速機側の変速終了が検出され
る、或いはクラッチの切断から所定時間経過すると、ク
ラッチが接続方向に作動して、半クラッチ領域に制御さ
れる。これによりクラッチ回転速度エンジン回転速度と
が徐々に同期して、その後クラッチを完全接続する。し
かしながら、このときの半クラッチのクラッチストロー
クが、過度にクラッチ接側であると、クラッチ回転速度
とエンジン回転速度とが急激に同期してしまい、その後
のクラッチ接続制御にともないエンジン回転速度及びク
ラッチ回転速度が一旦下降して再び上昇に転じるような
特性となり、加速度変化(ジャーク)やショックが発生
するという課題がある。
【0007】また、図6に示すように、半クラッチのク
ラッチストロークが十分ではない場合(つまり、過度に
クラッチ切側の場合)、半クラッチ領域であっても、エ
ンジン回転速度とクラッチ回転速度とがなかなか同期せ
ず、クラッチの接続タイミングが遅れ、エンジンの吹き
上がりやクラッチの早期磨耗が生じるという課題があ
る。
【0008】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、クラッチの接続時に、常に最適な半クラッチ
状態に設定できるようにして、ショックやエンジンの吹
け上がりやクラッチの早期磨耗等を防止するようにし
た、クラッチ制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
クラッチ制御装置では、エンジンと駆動系との間に介装
されたクラッチはクラッチアクチュエータにより断接駆
動され、制御手段によりこのクラッチアクチュエータの
作動が制御される。また、制御手段では、目標値設定手
段によりクラッチストロークの目標値が設定されるとと
もに、制御信号設定手段によりクラッチの実ストローク
が目標値設定手段で設定された目標値となるようにクラ
ッチアクチュエータに対する制御信号が設定される。
【0010】また、目標値設定手段では、エンジン回転
数とクラッチ回転数との差の変化率が所定値となるよう
にクラッチストローク目標値を設定するとともに、エン
ジン回転数とクラッチ回転数との差の変化率が所定値に
なったらクラッチストローク目標値を固定しクラッチス
トロークが保持される。また、その後エンジン回転数と
クラッチ回転数とが同期すると、速やかにクラッチが接
続される。
【0011】そして、このような制御を行なうことによ
り、クラッチ接続の前後における加速度変化が防止さ
れ、ショックを生じることなく円滑に且つ速やかにクラ
ッチを接続することができる。また、エンジンの吹け上
がりやクラッチの早期磨耗を防止することができる。請
求項2記載の本発明のクラッチ制御装置では、エンジン
と駆動系との間に介装されたクラッチはクラッチアクチ
ュエータにより断接駆動され、制御手段によりクラッチ
アクチュエータの作動が制御される。また、制御手段で
は、目標値設定手段によりクラッチストロークの目標値
が設定されるとともに、制御信号設定手段によりクラッ
チの実ストロークが目標値設定手段で設定された目標値
となるようにクラッチアクチュエータに対する制御信号
が設定される。
【0012】また、目標値設定手段では、クラッチの伝
達トルクがエンジン出力トルクと一致するようにクラッ
チストローク目標値が設定される。また、その後エンジ
ン回転数とクラッチ回転数とが同期すると、速やかにク
ラッチが接合される。そして、このような制御を行なう
ことにより、クラッチ接続の前後における加速度変化が
防止され、ショックを生じることなく円滑に且つ速やか
にクラッチを接続することができる。また、エンジンの
吹け上がりやクラッチの早期磨耗を防止することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の第1
実施形態に係るクラッチ制御装置について説明すると、
図1はその要部機能を示す模式的なブロック図、図2は
本発明が適用されるクラッチ機構及び機械式自動変速機
の要部機能に着目して示す模式図、図3はその特性を説
明するための図である。
【0014】まず、本発明が適用されるクラッチ機構及
び機械式自動変速機について図2を用いて簡単に説明す
ると、エンジン1には摩擦クラッチを有するクラッチ機
構(単にクラッチともいう)2と、このクラッチ機構2
を介してエンジン1の出力部に接続された機械式自動変
速機本体3とをそなえている。また、クラッチ機構2に
は、クラッチ用アクチュエータとしての電動モータ21
が付設されており、このアクチュエータ21が作動する
ことによりクラッチ2が断接駆動されるようになってい
る。
【0015】また、変速機本体3は、ギヤシフトユニッ
ト(GSU)31によって変速操作されるようになって
いる。このギヤシフトユニット31には、変速用アクチ
ュエータとして、セレクト方向及びシフト方向にそれぞ
れギヤシフト部材を駆動する電動モータ(図示省略)を
そなえている。そして、変速操作時には、電動モータに
よってシフト部材を駆動して、変速機本体3のギア機構
の噛合状態を切り替えることにより変速段を所要の状態
にシフト駆動するようになっている。
【0016】エンジン1はエンジン電子コントロールユ
ニット(エンジンECU)42によって、また、クラッ
チ用アクチュエータ21及びギヤシフトユニット31は
変速機のための電子制御ユニットである変速機電子コン
トロールユニット(変速機ECU)41によって、それ
ぞれ電気信号を通じて制御されるようになっている。ま
た、この機械式自動変速機は、ドライバの手動操作によ
る変速段のシフト指令を電気信号としてクラッチアクチ
ュエータ21及びギヤシフトユニット31に伝達してこ
れらのクラッチアクチュエータ21及びギヤシフトユニ
ット31を遠隔操作する手動シフトモードと、車両の走
行状態(例えば車速やエンジン負荷)に応じた最適変速
段にするために変速段の切替が必要な時にクラッチアク
チュエータ21及びギヤシフトユニット31の作動を制
御する自動シフトモードとを選択して実行できるように
なっている。
【0017】また、変速機ECU41には、チェンジレ
バーユニット5,車速センサ(車速検出手段)51,ク
ラッチストロークセンサ52,変速機本体3の変速段を
検出するトランスミッションギヤセンサ(図示略),ク
ラッチ回転速度(すなわち、クラッチ機構2の出力側回
転数)を検出するクラッチ回転数センサ54,ブレーキ
ペダル7が踏み込まれるとONになりブレーキの作動を
検出するストップランプスイッチ(ブレーキのエア圧を
検知するタイプも含む)56,エンジンECU42,エ
マージェンシスイッチ(図示略),インジケータ60,
パーキングブレーキスイッチ59等がそれぞれ接続され
ており、各種の信号が入力されるようになっている(図
2参照)。
【0018】また、エンジンECU42には、車速セン
サ51,アクセル踏込量センサ57,エンジン回転数セ
ンサ58,変速機ECU41及びエキゾーストブレーキ
系61等がそれぞれ接続されている。なお、アクセル踏
込量センサ57はアクセルペダル8に付設される。そし
て、チェンジレバーユニット5を通じて手動シフトモー
ドが選択されると、変速機ECU41に設けられた手動
変速用遠隔操作制御部(図示略)を介して、チェンジレ
バーユニット5からの指令に基づいて、ギヤシフトユニ
ット31やクラッチアクチュエータ21が遠隔操作され
るようになっている。
【0019】つまり、手動変速用遠隔操作制御部では、
手動シフトモード時に、チェンジレバーユニット5のチ
ェンジレバー5aを手動操作するだけで、ギヤシフトユ
ニット31及びクラッチアクチュエータ21を遠隔操作
して、変速機本体3の要部及びクラッチ機構2を駆動し
ながら、クラッチ断,ギヤチェンジ,クラッチ接の動作
を制御するようになっている。
【0020】また、チェンジレバー5aを通じて自動シ
フトモードが選択されると、自動シフトモードを実施す
るようになっている。この自動シフトモード時には、変
速機ECU41に設けられた自動変速用遠隔操作制御部
(図示省略)を介して、各種の情報に基づきギヤシフト
ユニット31及びクラッチアクチュエータ21が遠隔操
作されるとともに、エンジンECU42を介して、各種
の情報に基づき電子ガバナ11が遠隔操作されるように
なっている。
【0021】次に、本発明のクラッチ制御装置の要部に
ついて説明すると、図1に示すように、制御手段として
の変速機ECU41にはクラッチ2の接続時におけるク
ラッチストロークの目標値を設定する目標値設定手段6
1と、上記目標値設定手段61で設定されたクラッチス
トローク目標値となるようにクラッチアクチュエータ2
1に対する制御信号を設定する制御信号設定手段62と
が設けられている。
【0022】そして、クラッチ2の接続時には、チェン
ジレバーユニット5,車速センサ51,クラッチ回転数
センサ54,アクセル踏込量センサ57及びエンジン回
転数センサ58からの各種情報に基づいて、上記目標値
設定手段61においてクラッチストローク目標値が設定
されるとともに、制御信号設定手段62において、上記
クラッチストローク目標値となるようにクラッチアクチ
ュエータ21に制御信号が設定されるようになってい
る。
【0023】ここで、本クラッチ制御装置は、クラッチ
2の接続時における半クラッチ状態の制御に特徴があ
る。以下、これについて説明すると、本装置では、クラ
ッチ接続時には、エンジン回転数センサ58から得られ
るエンジン回転速度Neとクラッチ回転数センサから得
られるクラッチ回転数Ncとの差(Ne−Nc)に基づ
き、半クラッチの目標クラッチストロークを設定するよ
うになっている。
【0024】具体的には、本装置では上記の回転数差
(Ne−Nc)の絶対値の変化率(以下、単に変化率と
いう)が所定値となるようにクラッチアクチュエータ2
1が制御されるようになっており、変化率が所定値とな
ると、図3に示すように、目標クラッチストロークが保
持されるようになっている。そして、その後クラッチ回
転数とエンジン回転数とが同期するとクラッチを完全に
接続するようになっている。
【0025】つまり、上述した変化率d(│Ne−Nc
│)/dtが所定値αとなるように目標クラッチストロ
ークが設定され、その後、変化率が所定値αとなると、
この時点でクラッチストローク目標値を保持するように
なっているのである。ここで、クラッチが接続される
際、所定値αは負の値となるが、所定値αの値をプラス
方向に大きくすると、エンジン回転数とクラッチ回転数
との差がゆっくり縮まることこととなり、半クラッチ時
間が長くなって、変速時間が長くなる反面、半クラッチ
時のシフトショックの発生は抑制されることになる。
【0026】一方、所定値αをマイナス方向に大きくす
ると(つまりαを小さくすると)、エンジン回転数とク
ラッチ回転数との差が素早く縮まることとなり、半クラ
ッチ時間が短くなって変速時間が短くなる反面、半クラ
ッチ時のシフトショックが生じやすくなる。これらのこ
とから、変速時間とシフトショックという相反する関係
にあるパラメータをうまくバランスさせるべくチューニ
ングを行なって所定値αが設定されることとなる。な
お、本発明では、従来のような多くのパラメータやマッ
プをチューニングするのではなく所定値αのみをチュー
ニングするだけで所望のクラッチ制御が行なわれるので
チューニング自体が格段に容易になる。
【0027】ところで、上述のようにクラッチ2の接続
時に変化率が所定値となると半クラッチのストローク
(目標クラッチストローク)を保持するのは、以下の理
由による。つまり、半クラッチのストロークを保持する
ということは、クラッチ2の伝達トルク(Tc)を所定
の値に保持していることとなる。この結果、半クラッチ
を所定のストロークに保持する間は車両側は一定のトル
クTcで加速されることになり、半クラッチ中の加速度
変化(ジャーク)の発生をなくすことができ、変速ショ
ックを抑えることができるのである。
【0028】また、クラッチストロークが保持されてい
ても、変化率が所定値αに保持されていれば、エンジン
回転数Neとクラッチ回転数Ncとの差は次第に収束し
ていく。そこで、回転数差が収束したことが検出される
と、クラッチアクチュエータ21に対する目標値が速や
かに接続側に設定され、クラッチ2が接続されるように
なっている。そして、これにより変速動作が完了する。
【0029】これに対して、クラッチストロークを保持
せずに、クラッチ接動作を半クラッチ中に継続した場
合、クラッチ2の伝達トルクは上昇しつづけ、車両の加
速度が徐々に増すため加速度変化(ジャーク)が発生し
てしまうことになるが、本装置ではこのようなジャーク
の発生を防止することができるのである。ところで、上
述の半クラッチ制御中に、例えばアクセルが踏み込まれ
エンジン出力トルクが上昇した場合、変化率は所定値α
から外れることとなる。この場合には、クラッチストロ
ーク目標値は、変化率が所定値αとなる状態まで制御さ
れるようになっている。
【0030】具体的には、エンジン出力トルクが上昇す
れば、回転数差(Ne−Nc)の変化率は正の方向に変
化するため、これに対して半クラッチストロークの目標
値は接方向に設定され、変化率を所定の値に保持しよう
とする。この結果、クラッチ2の伝達トルクは上昇し、
車両の加速度は増加することとなるが、これは、アクセ
ル操作の加速度増加の要求を車両に反映した形になるた
め、変速ショックとはならない。
【0031】逆にアクセルがオフとなった場合や、車両
側の負荷が変化した場合でも、本制御により変化率が所
定値に維持できるように制御を行なうため、変速ショッ
クなく、また、半クラッチが長すぎることなく、エンジ
ン・クラッチ回転数を収束させることができるのであ
る。本発明の第1実施形態に係るクラッチ制御装置は、
上述のように構成されているので、クラッチの接続時に
は、目標値設定手段61により、半クラッチにおけるク
ラッチストロークの目標値が設定されるとともに制御信
号設定手段62により上記クラッチストローク目標値と
なるようにクラッチアクチュエータ21に対して制御信
号が出力される。
【0032】この場合、エンジン回転数センサ58及び
クラッチ回転数センサ54からそれぞれエンジン回転数
Ne及びクラッチ回転数NcがECU41に取り込ま
れ、これらの値に基づいて、両回転数の差の変化率が所
定値となるように目標クラッチストロークが設定され
る。また、その後両回転数の差の変化率が所定値となっ
たと判定されると、図3に示すように、目標クラッチス
トロークがそのときの値に保持される。
【0033】そして、その後エンジン回転数Neとクラ
ッチ回転数Ncとが同期すると、目標クラッチストロー
クがクラッチ完全接に設定され、速やかにクラッチ2が
接合される。したがって、上述したようなクラッチ制御
装置によれば、クラッチ接続時に加速度変化(ジャー
ク)やショックを生じることなく円滑に且つ速やかにク
ラッチを接続することができるという利点がある。ま
た、ショックが生じないように単にクラッチ2をゆっく
りつないだ場合には、エンジン回転速度とクラッチ回転
速度とがなかなか同期せず、クラッチの接続タイミング
が遅れてエンジンの吹き上がりやクラッチ2の早期磨耗
が生じることになるが、本装置ではこのようなエンジン
の吹け上がりやクラッチ2の早期磨耗を防止することが
できるという利点もある。
【0034】次に、本発明の第2実施形態に係るクラッ
チ制御装置について説明すると、図4はその特性を説明
するための図である。本第2実施形態では、半クラッチ
の目標ストロークをどのように設定するかというロジッ
クのみが異なっており、これ以外については第1実施形
態と同様に構成されている。したがって、この第2実施
形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明
し、第1実施形態と同様に構成された部分については説
明を省略する。
【0035】さて、この第2実施形態では、クラッチ接
続時の半クラッチ制御において、クラッチ2の伝達トル
クとエンジン出力トルクとが一致するように、目標値設
定手段61で目標クラッチストロークが設定されるよう
になっている。つまり、半クラッチ中におけるクラッチ
2の伝達トルクが半クラッチ完了後のエンジン出力トル
クと一致するように、クラッチストロークが制御される
ようになっているのである。
【0036】これは、以下の理由による。即ち、半クラ
ッチを行なっている間は、クラッチ2の伝達トルクは、
クラッチ押し付け力(クラッチストローク)に依存して
いる。したがって、半クラッチを行なっている間はエン
ジン1の出力に関係なくクラッチストローク次第で車両
の加速度が決定される。つまり、エンジン1とクラッチ
2とに回転数に差がある限り、クラッチ2の伝達容量の
範囲で車両の加速度を任意に制御することができるので
ある。
【0037】ところが、エンジン・クラッチ回転数差が
なくなりクラッチ2が完全に接になると、エンジン1の
出力トルクにより加速される状態へと非線形に切り換わ
る。ここで、半クラッチ中のクラッチ伝達トルクが、半
クラッチ終了後のエンジン出力トルクよりも大幅に大き
くなっていた場合、半クラッチ終了時に半クラッチ中の
高い加速度の状態から、エンジントルクによる低い加速
度の状態へ切り替わることで、車両の加速度が急速に低
下することになる。つまり、急激な加速度変化(ジャー
ク)がクラッチ完全接時に発生し、ドライバはショック
を感じることになる。
【0038】そこで、「半クラッチ中のクラッチ伝達ト
ルク=半クラッチ完了後のエンジン出力トルク」とする
ことにより、クラッチ完全接時の前後における加速度変
化が解消され、ショックを防止しているのである。これ
により、半クラッチ中及びクラッチ2の完全接後の車両
加速度が一致し、クラッチ完接時の加速度変化をなくす
ことができる。
【0039】この場合、アクセル踏込量センサ57によ
り検出されるドライバのアクセル踏込み量及びエンジン
回転数センサ58で検出されるエンジン回転速度Neよ
り、変速完了後に発生するであろうエンジン出力トルク
をエンジントルク特性マップ等に基づいて推定する。そ
して、このトルクと同等のトルクを伝達可能である半ク
ラッチストロークを求める。このような半クラッチスト
ロークは、例えば伝達トルクとクラッチストロークとの
関係を予め記憶させた伝達トルクマップより伝達トルク
をパラメータとして求めることができる。その後、この
クラッチストロークを目標クラッチストロークとして設
定し、半クラッチ完了までこの目標ストロークを保持す
るようになっているのである。
【0040】そして、このような制御を行なうことによ
り、図4に示すようにクラッチ完全接の前後において車
両加速度変化をなくすことができ円滑な変速を行なうこ
とができるのである。本発明の第2実施形態に係るクラ
ッチ制御装置は、上述のように構成されているので、ク
ラッチの接続時には、目標値設定手段61により、半ク
ラッチにおけるクラッチストロークの目標値が設定され
るとともに制御信号設定手段62により上記クラッチス
トローク目標値となるようにクラッチアクチュエータ2
1に対して制御信号が出力される。
【0041】この場合、アクセル踏込量センサ57によ
りアクセル踏込み量が検出されるとともにエンジン回転
数センサ58エンジン回転速度Neが検出され、これら
2つのパラメータに基づき、エンジントルク特性マップ
等で変速完了後に発生するエンジン出力トルクが推定さ
れる。そして、伝達トルクとクラッチストロークとの関
係に基づいて、上記のエンジン出力トルクと同じトルク
を伝達する半クラッチストロークを求め、これを目標ク
ラッチストロークとして設定するとともに、この目標ク
ラッチストロークを半クラッチ完了まで保持する。
【0042】その後、エンジン回転数Neとクラッチ回
転数Ncとが同期したことが検出されると、目標クラッ
チストロークが完全接側に設定され速やかにクラッチ2
が接続される。したがって、この第2実施形態において
も、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。す
なわち、半クラッチ中とクラッチ2の完全接となった後
とにおいて、車両加速度が一致し、クラッチ完接時の加
速度変化を抑制することができ、クラッチ接続時に加速
度変化(ジャーク)やショックを生じることなく円滑に
且つ速やかにクラッチを接続することができるという利
点があるほか、エンジン1の吹け上がりやクラッチ2の
早期磨耗を防止することができるという利点もある。
【0043】なお、本発明は上述の各実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変形が可能である。例えば、上述の各実施形態で
は、本発明を機械式自動変速機に適用した場合について
説明したが、単にクラッチ機構のみを自動化した自動ク
ラッチに適用してもよい。また、このようなクラッチ制
御装置のクラッチアクチュエータは、電動モータ以外に
も油圧シリンダ機構やエアシリンダ機構等種々のアクチ
ュエータを適用可能なのは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のクラッチ
制御装置によれば、エンジン回転数とクラッチ回転数と
の差の変化率が所定値となるようにクラッチストローク
目標値を設定するとともに、エンジン回転数とクラッチ
回転数との差の変化率が上記所定値になったらクラッチ
ストローク目標値を固定したり(請求項1)、クラッチ
の伝達トルクがエンジン出力トルクと一致するようにク
ラッチストローク目標値を設定したり(請求項2)する
ことにより、クラッチ接続時に加速度変化(ジャーク)
やショックを生じることなく円滑に且つ速やかにクラッ
チを接続することができるという利点がある。また、従
来の技術では、ショックが生じないように単にクラッチ
をゆっくりつないだ場合には、エンジン回転速度とクラ
ッチ回転速度とがなかなか同期せず、クラッチの接続タ
イミングが遅れてエンジンの吹き上がりやクラッチの早
期磨耗が生じることになるが、本発明ではこのようなエ
ンジンの吹け上がりやクラッチの早期磨耗を防止するこ
とができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクラッチ制御装置
の要部機能を示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るクラッチ制御装置
が適用されるクラッチ機構及び機械式自動変速機の要部
機能に着目して示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るクラッチ制御装置
の特性を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るクラッチ制御装置
の特性を説明するための図である。
【図5】一般的なクラッチの接続制御の作用の一例を説
明する図である。
【図6】一般的なクラッチの接続制御の作用の他の例を
説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クラッチ機構 21 クラッチ用アクチュエータとしての電動モータ 41 変速機ECU(制御手段) 54 クラッチ回転数センサ(クラッチ回転数検出手
段) 58 エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手
段) 61 目標値設定手段 62 制御信号設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 剛 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 小木 治 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 白沢 敏邦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 塩野 幸彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J057 AA02 AA03 BB02 GA03 GA29 GA67 GB02 GB05 GB12 GB14 GB27 GB30 GB36 GE07 HH01 JJ04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと駆動系との間に介装されたク
    ラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータと、 上記クラッチアクチュエータの作動を制御する制御手段
    と、 上記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手
    段と、 上記クラッチの回転数を検出するクラッチ回転数検出手
    段とをそなえ、 上記制御手段は、 上記クラッチストロークの目標値を設定する目標値設定
    手段と、 上記クラッチの実ストロークが上記目標値設定手段によ
    り設定されたクラッチストロークの目標値になるように
    上記クラッチアクチュエータに対する制御信号を設定す
    る制御信号設定手段とをそなえるとともに、 上記目標値設定手段は、クラッチ接続時には、 上記エンジン回転数と上記クラッチ回転数との差の変化
    率が所定値となるようにクラッチストローク目標値を設
    定するとともに、上記エンジン回転数と上記クラッチ回
    転数との差の変化率が上記所定値になったらクラッチス
    トローク目標値を固定することを特徴とする、クラッチ
    制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンと駆動系との間に介装されたク
    ラッチを断接駆動するクラッチアクチュエータと、 上記クラッチアクチュエータの作動を制御する制御手段
    とをそなえ、 上記制御手段は、 上記クラッチストロークの目標値を設定する目標値設定
    手段と、 上記クラッチの実ストロークが上記目標値設定手段によ
    り設定されたクラッチストロークの目標値になるように
    上記クラッチアクチュエータに対する制御信号を設定す
    る制御信号設定手段とをそなえるとともに、 上記目標値設定手段は、クラッチ接続時には、上記クラ
    ッチの伝達トルクがエンジン出力トルクと一致するよう
    にクラッチストローク目標値を設定することを特徴とす
    る、クラッチ制御装置。
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