JP5847029B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents
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Description
本発明は、自動車のエンジンマウント等に適用される流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する一方の部材と他方の部材の間に介装されて、それら部材を相互に防振連結乃至は防振支持せしめる流体封入式防振装置が知られている。流体封入式防振装置は、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第1の取付部材と、他方の部材に取り付けられる第2の取付部材とが、本体ゴム弾性体によって弾性連結された構造を有している。更に、第2の取付部材で支持された仕切部材の両側には、非圧縮性流体を封入された受圧室と平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室がオリフィス通路によって相互に連通されている。更にまた、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数の振動に対する防振効果を得るために、仕切部材の収容空所に板状の可動部材が配設されて、可動部材の両面に受圧室と平衡室の各一方の液圧が及ぼされた構造も、採用されている。例えば、特開2010−7836号公報(特許文献1)が、それである。
ところで、流体封入式防振装置では、衝撃的な大荷重の入力時に、キャビテーションに起因する異音の発生が問題になるおそれがある。即ち、大荷重の入力によって受圧室の圧力が大幅に低下すると、受圧室内にキャビテーションによる気泡が生じて、かかる気泡が消失する際の衝撃波のエネルギーに基づいた異音が発生する場合がある。
そこで、特許文献1等では、可動部材を収容する収容空所と受圧室とを連通するリーク孔が形成されており、更に、受圧室の加圧時に収容空所が可動部材によって平衡室から遮断されると共に、受圧室の減圧時に収容空所が平衡室に連通されるようになっている。これにより、受圧室に負圧が及ぼされると、収容空所およびリーク孔を通じて受圧室と平衡室が連通されることから、平衡室から受圧室に流体が流入することで受圧室の負圧が低減されて、キャビテーションに起因する異音の発生が防止される。特許文献1の構造では、可動部材が仕切部材に対して充分に位置決めされた可動膜構造となっており、可動膜の変形によって液圧吸収作用が発揮されると共に、可動膜が変形状態においてもリーク孔を備えた収容空所の壁内面には当接し得ない。それ故、収容空所を介した受圧室と平衡室の連通と遮断の切替えが、可動膜の変形によって安定して実現されて、キャビテーション異音の発生が有効に防止されるようになっている。
しかしながら、可動部材の変形乃至は変位によって発揮される液圧伝達作用に基づいた振動絶縁効果等をより有利に得るために、可動部材の仕切部材に対する変位をより許容し易い構造を採用する場合等では、可動部材の変形乃至は変位の態様が一様に定まり難くなる。このように可動部材が収容空所内で比較的に自由に変形乃至は変位可能とされた場合には、可動部材の変形乃至は変位の態様によっては、リーク孔の開口部が可動部材によって覆われて閉塞されてしまうおそれがあった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、可動部材の変形乃至は変位によって発揮される防振効果を有効に得ながら、可動部材を利用した簡単な構造によってキャビテーション異音を安定して低減することができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の態様は、第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体で弾性連結されており、該第2の取付部材によって支持された仕切部材を挟んで一方の側には壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室が形成されていると共に、他方の側には壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されて、更にそれら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されていると共に、該仕切部材に形成された収容空所には板状の可動部材が配設されて、該可動部材の両面に該受圧室の液圧と該平衡室の液圧の各一方が及ぼされている流体封入式防振装置において、前記収容空所には筒状緩衝体が配設されていると共に、該筒状緩衝体の中央孔に前記可動部材が配設されて、該筒状緩衝体の周壁が該収容空所の壁内面における該可動部材の打ち当たり面に重ね合わされている一方、該筒状緩衝体の開口端面に重ね合わされる該収容空所の周壁内面に開口して該収容空所から外側に広がるリーク空所が形成されていると共に、該リーク空所を前記受圧室に連通するリーク孔が形成されて、該受圧室の減圧時に該受圧室と前記平衡室とを連通する短絡通路が該リーク空所と該リーク孔を含んで形成されるようになっており、更に、該リーク空所の該収容空所への開口部が、該可動部材の厚さ方向および該筒状緩衝体の軸方向の何れに対しても直交する長さ方向で該可動部材よりも小さくされていることを、特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置によれば、受圧室に大きな負圧が及ぼされた場合に、短絡通路を通じて平衡室から受圧室に流体が流入することで、受圧室の圧力低下が緩和される。その結果、キャビテーションによる気泡の発生が回避されて、気泡消失時の衝撃波等に起因するキャビテーション異音が防止される。
しかも、筒状緩衝体の開口がリーク空所の開口と対向するように配置されており、筒状緩衝体の中央孔がリーク空所に連通されて短絡通路が形成されていることにより、短絡通路が充分な通路断面積で形成されて、キャビテーション異音の低減が効果的に実現されるようになっている。
そこにおいて、筒状緩衝体の中央孔に可動部材が配設されていることから、筒状緩衝体の軸方向外方に形成されたリーク空所に対する可動部材の入り込みが、リーク空所の開口部が可動部材よりも小さくされていることによって防止されている。従って、筒状緩衝体の中央孔をリーク空所に連通させることで短絡通路が充分な通路断面積で形成されると共に、可動部材がリーク空所に入り込むことによる短絡通路の意図しない遮断が防止されて、キャビテーション異音を安定して効果的に防止することができる。
なお、筒状緩衝体は、可動部材が中央孔に配設されていることからも明らかなように、長さ方向において可動部材よりも大きい。それ故、リーク空所の収容空所への開口部が長さ方向において可動部材よりも小さくされていることで、筒状緩衝体が収容空所に非接着で配設されて仕切部材に対する相対変位を許容されている場合には、筒状緩衝体のリーク空所への入り込みも防止されて、短絡通路が連通状態に保持される。
また、筒状緩衝体の中央孔に可動部材が配設されることによって、可動部材が収容空所の壁内面に打ち当たることで生じる打音が、少ない部品点数で効果的に低減されるようになっており、上述のキャビテーション異音を防止する効果と相俟って、優れた静粛性が実現される。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記リーク空所の長さ方向での内寸が、前記収容空所の長さ方向での内寸よりも小さくされているものである。
第2の態様によれば、リーク空所が収容空所よりも長さ方向で小さくされることによって、収容空所に配設される可動部材をリーク空所に入り込み難くすることができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記リーク空所が前記収容空所の長さ方向の中間に形成されているものである。
第3の態様によれば、長さ方向の両側において収容空所とリーク空所の間に段差が形成されることから、可動部材のリーク空所への入り込みが、段差への当接によってより効果的に防止される。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか1つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記リーク空所と前記収容空所の間にはそれらリーク空所と収容空所を隔てる制限突部が形成されており、該リーク空所の該収容空所への開口部が該制限突部を挟んだ長さ方向の両側に分割されて、それら分割されたリーク空所の該収容空所への開口部が何れも長さ方向で前記可動部材よりも小さくされているものである。
第4の態様によれば、制限突部によってリーク空所の収容空所への開口部が分割されることから、比較的に大きなリーク空所を形成しても、各開口部の長さ方向での大きさを可動部材よりも小さくすることができる。これにより、可動部材が制限突部への当接によってリーク空所への入り込みを防止されて、短絡通路が連通状態に保持される。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記リーク空所が前記収容空所よりも前記オリフィス通路の前記受圧室側の連通口に対して近い位置に形成されており、前記リーク孔の該受圧室への開口が該オリフィス通路の該受圧室側の連通口付近に配置されているものである。
第5の態様によれば、受圧室の内圧低下時に、短絡通路を通じて平衡室から受圧室に流入する流体が、キャビテーションによる気泡が発生し易いオリフィス通路の受圧室側の連通口付近に供給される。これにより、オリフィス通路の連通口付近における受圧室の負圧が速やかに低減乃至は解消されて、キャビテーションによる気泡の発生が低減されることから、キャビテーションに起因する異音が防止される。
本発明によれば、受圧室および収容空所に連通されて短絡通路を構成するリーク空所が、収容空所への開口部において長さ方向で可動部材よりも小さくされている。これにより、リーク空所が収容空所に対して筒状緩衝体の開口側に形成された構造であっても、可動部材が筒状緩衝体の開口を通じてリーク空所に入り込むのを防ぐことができて、リーク孔が可動部材で塞がれるのを回避できる。それ故、受圧室の圧力低下時に、短絡通路が安定して連通状態に保持されて、キャビテーションに起因する異音の発生が防止される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1,図2には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第1の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第1の取付部材12と第2の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有しており、第1の取付部材12が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第2の取付部材14が図示しない車両ボデーに取り付けられることで、パワーユニットが車両ボデーによって防振支持されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、エンジンマウント10の軸方向である図1中の上下方向を言う。
より詳細には、第1の取付部材12は、鉄やアルミニウム合金等で形成された高剛性の部材であって、全体として小径の略円形ブロック形状を有しており、上部が略円柱形状を有していると共に、下部が下方に向かって次第に縮径する逆向きの略円錐台形状とされている。また、第1の取付部材12には、中心軸上を上下に延びて上面に開口するボルト穴18が形成されており、内周面にねじ山が形成されている。
第2の取付部材14は、第1の取付部材12と同様の材料で形成された高剛性の部材であって、薄肉大径の略円筒形状を有している。また、第2の取付部材14の上端部分には、外周側に開口する溝状を呈する括れ部20が設けられていると共に、括れ部20の上端から外周側に向かってフランジ部22が突出している。
そして、第1の取付部材12と第2の取付部材14は、同一中心軸上で第1の取付部材12が第2の取付部材14よりも上方に離隔配置されて、それら第1の取付部材12と第2の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、厚肉大径の略円錐台形状を有しており、小径側の端部が第1の取付部材12に加硫接着されていると共に、大径側の端部の外周面に第2の取付部材14の括れ部20が重ね合わされて加硫接着されている。なお、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が第1の取付部材12および第2の取付部材14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、本体ゴム弾性体16には、大径凹所24が形成されている。大径凹所24は、本体ゴム弾性体16の大径側端面に開口する逆向きの略すり鉢形状を呈する凹所であって、本体ゴム弾性体16の径方向中央部分に形成されている。
更にまた、本体ゴム弾性体16における大径凹所24よりも外周側からは、シールゴム層26が延び出している。シールゴム層26は、薄肉大径の略円筒形状を有するゴム弾性体であって、本体ゴム弾性体16と一体形成されていると共に、第2の取付部材14の内周面に固着されている。
また、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、可撓性膜28が取り付けられている。可撓性膜28は、薄肉の円板状乃至は円形ドーム状を呈するゴム膜であって、軸方向に充分な弛みを備えている。更に、可撓性膜28の外周端部には環状の固着部30が一体形成されており、この固着部30の外周面が環状の固定部材32の内周面に加硫接着されている。
そして、固定部材32が第2の取付部材14の下側開口部に挿入されて、第2の取付部材14に八方絞り等の縮径加工が施されることにより、固定部材32が第2の取付部材14に嵌着されて、可撓性膜28が第2の取付部材14の下側開口部を閉鎖するように配設される。なお、第2の取付部材14と固定部材32の間には、シールゴム層26が介在しており、第2の取付部材14と固定部材32が流体密に固定されている。
このように本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に可撓性膜28が取り付けられることで、本体ゴム弾性体16と可撓性膜28の軸方向対向面間には、外部空間に対して密閉されて非圧縮性流体を封入された流体室34が形成されている。なお、流体室34に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではないが、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液等が採用され得る。また、後述する流体の流動作用に基づいた防振効果を効率的に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
また、流体室34には、仕切部材36が収容配置されている。仕切部材36は、全体として厚肉の略円板形状を呈しており、上仕切部材38と下仕切部材40とを含んで構成されている。
上仕切部材38は、図1〜図3に示されているように、略円板形状を呈しており、径方向中央部分には上方に開口する中央凹所42が形成されて、後述する受圧室72の容積が効率的に確保されるようになっている。更に、上仕切部材38の外周端部には、外周面に開口しながら周方向に所定の長さで延びる上部溝44が形成されており、上部溝44の一方の端部が上連通口46を通じて中央凹所42に連通されていると共に、他方の端部が下面に開口している。
また、中央凹所42の底壁の中央部分には、上下に貫通する第1の連通孔48が形成されている。この第1の連通孔48は軸方向視で略長方形とされており、一対の第1の連通孔48,48が短辺方向で所定の距離を隔てて設けられている。更に、中央凹所42の底壁部には、リーク孔50が形成されている。リーク孔50は、第1の連通孔48に比して開口面積の小さい円形孔であって、第1の連通孔48を外れた位置で中央凹所42の底壁部を上下に貫通している。なお、本実施形態のリーク孔50は、第1の連通孔48に比して、上部溝44の上連通口46に近い位置に形成されている。
下仕切部材40は、図1,図4に示されているように、中央部分が厚肉の略円板形状を呈していると共に、その外周側には下端から薄肉のフランジ状部分52が突出している。このフランジ状部分52は、周方向で一周に満たない所定長さで延びており、一方の端部が周方向外側に向かって次第に厚肉となる傾斜部とされていると共に、他方の端部が軸方向下方に開口している。更に、フランジ状部分52の両端部間には、中央部分と同じ厚肉の隔壁部56が突出している。
また、下仕切部材40の径方向中央部分には、上方に開口する収容凹所58が形成されている。この収容凹所58は、軸方向視で略長方形を呈しており、上下に略一定の断面形状で延びている。なお、以下では、原則として、収容凹所58の長辺方向(図3中、上下方向)を長さ方向として説明する。また、収容凹所58の長さ方向の内寸がL1 とされている。
さらに、収容凹所58の底壁部には、第2の連通孔60が貫通形成されている。第2の連通孔60は、第1の連通孔48と略同じ長方形断面で上下に延びており、第1の連通孔48と同様に、短辺方向で所定距離を隔てて一対の第2の連通孔60,60が設けられている。なお、第2の連通孔60は、その短辺方向が収容凹所58の長辺方向と略一致するように設けられており、後述する上下の仕切部材38,40の組み合わせ状態において、第1の連通孔48の長辺方向と第2の連通孔60の長辺方向が略一致している。
また、下仕切部材40には、リーク凹所62が設けられている。リーク凹所62は、収容凹所58から短辺方向で外方に延び出す凹所であって、下仕切部材40の上面に開口している。また、リーク凹所62は、収容凹所58の長さ方向の中央部分に形成されていると共に、その長さ方向内寸:L2 が収容凹所58の長さ方向内寸:L1 よりも小さくされている。なお、本実施形態では、リーク凹所62の深さ方向での内寸が、収容凹所58の深さ方向での内寸と略同じとされている。
さらに、リーク凹所62と収容凹所58の間には、制限突部64が設けられている。制限突部64は、リーク凹所62における収容凹所58への接続開口部に形成されており、リーク凹所62の底面から上方に向かって略一定の矩形断面で直線的に突出している。また、制限突部64の長さ方向の寸法:L3 が、リーク凹所62の内寸:L2 よりも小さくされており、リーク凹所62が制限突部64を挟んだ長さ方向両側において収容凹所58に連通されている。なお、制限突部64の突出高さ寸法は、収容凹所58およびリーク凹所62の深さ寸法に対して、同じか僅かに小さくされている。制限突部64の突出高さ寸法が、収容凹所58およびリーク凹所62の深さ寸法に対して小さくされている場合には、制限突部64の突出高さ寸法と、収容凹所58およびリーク凹所62の深さ寸法との差が、後述する対向板部82aの厚さ寸法よりも小さくされている。
そして、上仕切部材38と下仕切部材40は、上下に重ね合わされて、ピンやねじ等で相互に固定されている。また、上仕切部材38の上部溝44の下壁部が下仕切部材40のフランジ状部分52に対して上方に離隔して対向配置されることにより、外周側に開口して周方向に延びる凹溝が形成されており、その凹溝と上部溝44が周方向端部で相互に連通されることによって、周方向に2周弱の長さで螺旋状に延びる周溝66が形成されている。
また、下仕切部材40の収容凹所58の開口部が上仕切部材38で覆蓋されることによって、上下の仕切部材38,40の間には収容空所68が形成されている。なお、収容空所68の上壁部に第1の連通孔48が貫通形成されていると共に、収容空所68の下壁部に第2の連通孔60が貫通形成されている。
さらに、下仕切部材40のリーク凹所62の開口部が上仕切部材38で覆蓋されることによって、上下の仕切部材38,40の間にはリーク空所70が形成されている。このリーク空所70は、収容空所68の周壁の一部に開口しており、収容空所68に連通されている。なお、上仕切部材38におけるリーク凹所62を覆う部分にリーク孔50が貫通形成されており、リーク孔50がリーク空所70に連通されている。
更にまた、収容空所68とリーク空所70の間には制限突部64が設けられており、収容空所68とリーク空所70が制限突部64によって長さ方向の中央部分で隔てられていると共に、リーク空所70の収容空所68への開口部が制限突部64を挟んで長さ方向に二分されている。これにより、リーク空所70の収容空所68への各開口部は、その長さ方向の内寸が(L2 −L3 )/2とされている。
かくの如き構造とされた仕切部材36は、流体室34に収容配置されて、軸直角方向に広がっており、外周端部を第2の取付部材14によって支持されている。これにより、流体室34が仕切部材36を挟んで上下に二分されており、仕切部材36を挟んだ上方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される受圧室72が形成されている。一方、仕切部材36を挟んだ下方には、壁部の一部が可撓性膜28で構成されて、可撓性膜28の変形によって容積変化が容易に許容される平衡室74が形成されている。それら受圧室72および平衡室74には、上述の非圧縮性流体が封入されている。
さらに、仕切部材36の外周面が第2の取付部材14に対してシールゴム層26を介して重ね合わされることにより、周溝66の外周開口部が第2の取付部材14によって流体密に覆蓋されて、周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。このトンネル状流路の周方向一方の端部が上連通口46を通じて受圧室72に連通されると共に、周方向他方の端部が下連通口54を通じて平衡室74に連通されることにより、受圧室72と平衡室74を相互に連通するオリフィス通路76が、周溝66を利用して形成されている。なお、オリフィス通路76は、受圧室72および平衡室74の壁ばね剛性を考慮しながら、通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を調節することにより、エンジンシェイクに相当する10Hz程度の低周波数にチューニングされている。更に、本実施形態では、リーク空所70が収容空所68よりもオリフィス通路76の受圧室72側の開口部である上連通口46に対して近い位置に形成されており、リーク孔50の受圧室72への開口が上連通口46付近に配置されている。
また、収容空所68には、筒状緩衝体としての緩衝ゴム78が収容配置されている。緩衝ゴム78は、図5〜図6に示されているように、中空形状のゴム弾性体で形成されており、軸方向視で略長方形を呈していると共に、短辺方向に貫通する中央孔としての内部空所80を備えている。
より具体的には、緩衝ゴム78は、略一定幅寸法の帯を無端にした筒体を一方向に押し潰すようにして扁平させた帯形筒状体とされており、一対の対向板部82a,82bと、それら一対の対向板部82a,82bを相互に接続する一対の側板部84a,84bとを、一体で備えている。
一対の対向板部82a,82bは、軸方向視で互いに対応する略長方形を呈する板状体であって、上下方向で相互に所定距離を隔てて対向配置されている。また、対向板部82aに4つの第1の窓部86が形成されていると共に、対向板部82bに4つの第2の窓部88が形成されている。第1の窓部86は、略長方形断面で対向板部82aを上下に貫通しており、軸方向視で略十文字を呈する桟部を隔てて4つの第1の窓部86が配置されている。一方、第2の窓部88は、第1の窓部86と略同一の長方形断面で対向板部82bを上下に貫通しており、4つの第2の窓部88が第1の窓部86とそれぞれ対応する位置に配置されている。
また、一対の対向板部82a,82bの長辺方向の両端部には、それら一対の対向板部82a,82bの対向方向内方に延び出す一対の側板部84a,84bが一体形成されており、一対の対向板部82a,82bが一対の側板部84a,84bによって相互に接続されている。そして、一対の対向板部82a,82bが一対の側板部84a,84bで相互に接続されることにより、帯形筒状の緩衝ゴム78が形成されていると共に、一対の対向板部82a,82bおよび一対の側板部84a,84bで囲まれた内部空所80が形成されている。
かくの如き構造とされた緩衝ゴム78は、図4に示されているように、下仕切部材40の収容凹所58に嵌め込まれている。そして、下仕切部材40に上仕切部材38が重ね合わされて固定されることにより、緩衝ゴム78が収容空所68に収容配置されて、収容空所68の上壁内面が対向板部82aで覆われていると共に、収容空所68の下壁内面が対向板部82bで覆われている。なお、緩衝ゴム78の収容空所68への配設状態において、一対の側板部84a,84bは、収容空所68の周壁内面(図1中の左右両壁内面)に対して所定の隙間を隔てて対向配置されていることが望ましい。
また、緩衝ゴム78の第1の窓部86が上仕切部材38の第1の連通孔48に対して位置決めされて相互に連通されていると共に、緩衝ゴム78の第2の窓部88が下仕切部材40の第2の連通孔60に対して位置決めされて相互に連通されている。これにより、受圧室72と平衡室74を相互に連通する流体流路90が、第1,第2の連通孔48,60と、第1,第2の窓部86,88と、収容空所68と、内部空所80とを含んで構成されている。
この流体流路90上には、可動部材としての可動膜92が配設されている。可動膜92は、緩衝ゴム78と一体形成された略矩形板状のゴム弾性体であって、側板部84aから内部空所80に突出して、略軸直角方向に広がっている。また、可動膜92は、図5に破線で示されているように、対向板部82a,82bの長辺方向および短辺方向において、4つの第1の窓部86および4つの第2の窓部88の外端よりも外側まで延び出しており、それら第1の窓部86および第2の窓部88の全体が、軸方向の投影において可動膜92と重なり合っている。なお、可動膜92は、対向板部82aと対向板部82bの対向面間に延び出しており、それら対向板部82a,82bの何れに対しても離隔して広がっている。また、本実施形態では、可動膜92が対向板部82a,82bよりも薄肉とされて、弾性変形し易くなっている。
さらに、可動膜92は、緩衝ゴム78と共に収容空所68に配設された状態において、軸方向に延びる流体流路90に対して略直交して広がるように配設されており、可動膜92の上面には第1の連通孔48および第1の窓部86を通じて受圧室72の液圧が及ぼされていると共に、可動膜92の下面には第2の連通孔60および第2の窓部88を通じて平衡室74の液圧が及ぼされている。これにより、可動膜92は、受圧室72と平衡室74の相対的な圧力変動に基づいて、内部空所80内で上下に微小変形するようになっている。
更にまた、可動膜92が緩衝ゴム78の内部空所80に収容配置されていることにより、収容空所68の壁内面における可動膜92の打ち当たり面に緩衝ゴム78の対向板部82a,82bが重ね合わされて配置されている。これにより、可動膜92が収容空所68の壁内面に当接する際の衝撃力が、緩衝ゴム78の内部摩擦等に基づいて緩和されて、打音が低減される。なお、緩衝ゴム78が筒状とされて、可動膜92が中央孔である内部空所80内に配設されていることから、可動膜92が収容空所68の上下両側の壁内面に対して打ち当たる際の衝撃力が、何れも緩衝ゴム78で低減されるようになっており、打音がより効果的に防止されている。
そして、アイドリング振動に相当する中周波小振幅振動の入力時には、可動膜92が内部空所80内で上下に微小変位することで、受圧室72と平衡室74の間で液圧が伝達されるようになっている。一方、低周波大振幅振動の入力時には、可動膜92が第1の窓部86と第2の窓部88の何れかを塞ぐことで流体流路90が遮断されて、流体流路90を通じた液圧の伝達が防止されることにより、オリフィス通路76を通じた流体流動による防振効果が有効に発揮されるようになっている。要するに、本実施形態では、中周波小振幅振動の入力時に受圧室72の液圧を平衡室74に伝達する液圧伝達機構が、可動膜92を含んで構成されている。なお、本実施形態では、流体流路90のチューニング周波数がアイドリング振動に相当する中周波数域に設定されているが、走行こもり音等に相当する高周波数域に設定することも可能である。
また、帯形筒状体とされた緩衝ゴム78は、収容空所68の短辺方向に開口するように配設されており、緩衝ゴム78の一方の開口部がリーク空所70に向かって開口して、緩衝ゴム78の内部空所80がリーク空所70に連通されている。そして、リーク空所70は、リーク孔50を通じて受圧室72に常時連通されていると共に、内部空所80と第2の窓部88と第2の連通孔60とを通じて平衡室74に連通されるようになっている。これにより、受圧室72と平衡室74を相互に連通する短絡通路94が、リーク孔50と、リーク空所70と、内部空所80と、第2の窓部88と、第2の連通孔60とを、含んで構成されている。このように、短絡通路94の中間部分が、直接的に連通されたリーク空所70と内部空所80とで構成されていることから、短絡通路94の通路断面積を容易に大きく確保することができる。
そして、受圧室72に負圧が及ぼされると、図7に示されているように、可動膜92が受圧室72側に吸引されて、第1の窓部86が可動膜92で遮断されると共に、第2の窓部88が連通状態に保持される。これにより、流体流路90が遮断されると共に、短絡通路94が連通状態に保持されて、短絡通路94を通じて平衡室74から受圧室72に流体が流入する。その結果、受圧室72の負圧が低減されて、キャビテーションに起因する異音の発生が防止されるようになっている。しかも、短絡通路94の通路断面積を大きく設定し易くなっていることから、短絡通路94を通じて流動する流体の量を確保し易くなっており、短絡通路94を通じた流体流動によって受圧室72の負圧が速やかに低減されて、キャビテーション異音が効果的に防止されるようになっている。
そこにおいて、エンジンマウント10では、受圧室72の圧力低下時に、短絡通路94が安定して連通状態に保持されるようになっている。即ち、リーク空所70の深さ寸法:dが、可動膜92と対向板部82aの厚さ寸法の合計:tよりも大きくされており、可動膜92の弾性変形による上下位置の変化に関わらず、リーク空所70が内部空所80への連通状態に保持されている。更に、可動膜92の突出長さ寸法:L4 が、リーク空所70の収容空所68への開口部の長さ寸法:(L2 −L3 )/2よりも大きくされており、可動膜92のリーク空所70への入り込みが防止されている。これにより、受圧室72に負圧が及ぼされて可動膜92が受圧室72側に吸引されても、リーク孔50の開口部が可動膜92によって閉塞されるのを回避することができて、短絡通路94が連通状態に保持される。
さらに、リーク空所70の長さ方向内寸:L2 が収容空所68の長さ方向内寸:L1 よりも小さくされて、リーク空所70が収容空所68の長さ方向中間に設けられており、可動膜92がリーク空所70の収容空所68への開口部長さ方向で跨いで設けられている。これにより、弾性変形による変位量が大きくなり易い可動膜92の突出先端部が、緩衝ゴム78の開口部から軸方向外方に突出するように変位しても、収容空所68の周壁への当接によってリーク空所70への入り込みを防止されている。
更にまた、収容空所68とリーク空所70の間には制限突部64が設けられており、制限突部64が可動膜92の中間側方に位置していることから、緩衝ゴム78の内部空所80から軸方向外方にはみ出した可動膜92が、制限突部64への当接によって、リーク空所70への入り込みをより有利に防止されている。特に本実施形態では、制限突部64を挟んで収容空所68と反対側にリーク孔50が配置されていることから、可動膜92によるリーク孔50の閉塞がより確実に防止される。
以上の如くして、可動膜92のリーク空所70への入り込みが防止されて、リーク孔50が常時連通状態に保持されることから、受圧室72に対する負圧の作用時に短絡通路94を通じた流体流動が安定して許容されて、負圧の低減によるキャビテーション異音の防止が実現される。しかも、可動膜92の弾性変形を制限することなく、短絡通路94の確保が実現されることから、可動膜92の弾性変形によって発揮される防振効果(低動ばねによる振動絶縁効果)も有効に得ることができる。
また、可動膜92のリーク空所70への入り込みが防止されるだけでなく、収容空所68に対して非接着で配設される緩衝ゴム78のリーク空所70への入り込みも防止されることから、緩衝ゴム78を収容空所68内で位置決めするための接着や係止等の位置決め手段が不要とされて、構造の容易化や緩衝ゴム78の配設作業の簡単化が図られる。
また、受圧室72にキャビテーションが生じる程の負圧が及ぼされると、可動膜92が対向板部82a側に変位することで、筒状とされた緩衝ゴム78の対向板部82bと可動膜92との対向面間のスペースが急速に拡大する。そこにおいて、緩衝ゴム78が収容空所68に対して非接着で配設されている場合には、それら対向板部82bと可動膜92との対向面間の負圧を補償するように対向板部82bが対向板部82a側に吸引されて変位する。かかる対向板部82bの変位は、負圧が解消される中立位置で直ちに静止されることなく、慣性によって中立位置より対向板部82a側まで持続される。その結果、対向板部82bと可動膜92の間に正圧が作用することから、それら対向板部82bと可動膜92との対向面間の流体が緩衝ゴム78の開口からリーク空所70に向かって吐出されて、リーク孔50を通じて受圧室72に供給される。このように、緩衝ゴム78を筒状としたことで、緩衝ゴム78の弾性変形を利用したポンプ作用によっても、キャビテーション異音を低減する効果の更なる向上が期待される。
また、本実施形態では、リーク孔50の受圧室72側の開口が、オリフィス通路76の上連通口46付近に配置されている。これにより、キャビテーションによる気泡の発生が問題となり易いオリフィス通路76の上連通口46付近に対して、平衡室74から流体が供給されて、当該箇所の負圧が速やかに低減されることから、キャビテーションによる気泡とそれに起因する異音の発生を、より効果的に防止することができる。
図8には、本発明の第2の実施形態としてのエンジンマウントを構成する下仕切部材100と緩衝ゴム78が示されている。なお、以下の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。また、図中に示されていない部分については、実質的に第1の実施形態と同一の構造が採用される。
より詳細には、下仕切部材100は、リーク凹所102を有している。リーク凹所102は、下仕切部材100の中央上面に開口して、収容凹所58の短辺方向側方に延び出した凹所であって、深さ方向において収容凹所58と同じ内寸で形成されている。更に、本実施形態のリーク凹所102は、長さ方向の内寸:L5 が、収容凹所58の長さ方向の内寸:L1 と略同じとされている。そして、長さ方向の略中央に設けられた制限突部64によってリーク凹所102の収容凹所58への開口部が二分されて、各開口部の長さ方向の内寸:(L5 −L3 )/2が、可動膜92の長さ方向での寸法:L4 よりも小さくされている。
このような本実施形態に示された構造においても、可動膜92および緩衝ゴム78のリーク凹所102への入り込みが防止されて、リーク孔50が常時連通状態に保持されることから、受圧室72への負圧作用時に短絡通路94が遮断されるのを防ぐことができる。
また、本実施形態に示された構造からも明らかなように、リーク空所は収容空所に比して長さ方向で小さくされている必要はなく、同じ大きさであっても、リーク空所の収容空所への開口部を可動部材よりも小さくすることで、可動部材のリーク空所への入り込みを防止することができる。
図9には、本発明の第3の実施形態としてのエンジンマウントを構成する下仕切部材110が、収容凹所58に緩衝ゴム78が配設された状態で示されている。この下仕切部材110では、第1の実施形態に示された下仕切部材110に比して、制限突部64が省略された構造とされている。
このような本実施形態に示された構造においても、リーク空所70における収容空所68への開口部が、長さ方向において可動膜92よりも小さくされて、可動膜92がリーク空所70の開口部を長さ方向に跨いで配置されていることから、可動膜92のリーク空所70への入り込みが防止される。その結果、受圧室72に対する負圧作用時に、短絡通路94が連通状態に保持されて、キャビテーション異音が安定して防止される。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、収容凹所58およびリーク凹所62が下仕切部材40の径方向略中央に形成されているが、図10に示された下仕切部材120のように、収容凹所58およびリーク凹所62が外周側に偏倚した位置に設けられていても良い。
また、リーク孔50は、リーク空所70を受圧室72に連通するように設けられていれば、その形成位置は特に限定されるものではなく、必ずしも制限突部64を挟んで収容空所68と反対側に配置されていなくても良い。具体的には、例えば、図11に示された上仕切部材130のように、リーク孔50は、制限突部64と長さ方向で隣り合って、リーク空所70の収容空所68への開口部付近に設けられていても良い。
また、リーク空所は、必ずしも収容空所と同じ深さ寸法で形成されていなくても良く、受圧室への負圧作用時(減圧時)に筒状緩衝体の内部空所に連通されるようになっていれば、収容空所よりも小さい深さ寸法で形成されていても良い。なお、受圧室への負圧作用時におけるリーク空所と筒状緩衝体の内部空所との連通状態は、可動部材が受圧室側の対向板部に当接した状態において、リーク空所の平衡室側の壁内面が、可動部材と平衡室側の対向板部との間に位置するように各部の寸法が設定されることで、実現される。
また、リーク空所の軸方向投影形状は、必ずしも矩形に限定されず、例えば半円形状等であっても良い。
また、リーク空所の長さ方向での内寸が収容空所に比して小さい場合には、リーク空所は収容空所の長さ方向中間に配置されていることが望ましいが、限定されるものではなく、長さ方向端部に配置されていても良い。
また、リーク空所は複数が形成されて、それぞれが収容空所に連通されていても良い。更に、リーク孔や制限突部も複数が設けられ得るのであって、1つのリーク空所に複数のリーク孔や制限突部が設けられていても良いし、複数のリーク空所にそれぞれ1つずつリーク孔や制限突部が設けられて、全体として複数のリーク孔や制限突部が設けられていても良い。
また、前記実施形態では、可動部材として、緩衝ゴム78と一体形成された可動膜92が例示されているが、緩衝ゴム78とは別体の可動板が、内部空所80に緩衝ゴム78とは独立して変位可能に配設された構造であっても良い。
また、筒状緩衝体は、全体が途切れることなく筒状に連続したものに限定されず、全体として筒状であれば、例えば、周上の一箇所乃至は複数箇所で分断されていても良い。
本発明は、エンジンマウントにのみ適用されるものではなく、ボデーマウントやメンバマウント等を含んだ各種の流体封入式防振装置に対して好適に適用され得る。また、本発明の適用範囲は、自動車用の流体封入式防振装置に限定されず、例えば自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両等、自動車以外に用いられる流体封入式防振装置にも適用され得る。
10:エンジンマウント(流体封入式防振装置)、12:第1の取付部材、14:第2の取付部材、16:本体ゴム弾性体、28:可撓性膜、36:仕切部材、46:上連通口(オリフィス通路の受圧室側の連通口)、50:リーク孔、64:制限突部、68:収容空所、70:リーク空所、72:受圧室、74:平衡室、78:緩衝ゴム(筒状緩衝体)、80:内部空所(中央孔)、92:可動部材、94:短絡通路
Claims (5)
- 第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体で弾性連結されており、該第2の取付部材によって支持された仕切部材を挟んで一方の側には壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室が形成されていると共に、他方の側には壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されて、更にそれら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されていると共に、該仕切部材に形成された収容空所には板状の可動部材が配設されて、該可動部材の両面に該受圧室の液圧と該平衡室の液圧の各一方が及ぼされている流体封入式防振装置において、
前記収容空所には筒状緩衝体が配設されていると共に、該筒状緩衝体の中央孔に前記可動部材が配設されて、該筒状緩衝体の周壁が該収容空所の壁内面における該可動部材の打ち当たり面に重ね合わされている一方、
該筒状緩衝体の開口端面に重ね合わされる該収容空所の周壁内面に開口して該収容空所から外側に広がるリーク空所が形成されていると共に、該リーク空所を前記受圧室に連通するリーク孔が形成されて、該受圧室の減圧時に該受圧室と前記平衡室とを連通する短絡通路が該リーク空所と該リーク孔を含んで形成されるようになっており、
更に、該リーク空所の該収容空所への開口部が、該可動部材の厚さ方向および該筒状緩衝体の軸方向の何れに対しても直交する長さ方向で該可動部材よりも小さくされていることを特徴とする流体封入式防振装置。 - 前記リーク空所の長さ方向での内寸が、前記収容空所の長さ方向での内寸よりも小さくされている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
- 前記リーク空所が前記収容空所の長さ方向の中間に形成されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
- 前記リーク空所と前記収容空所の間にはそれらリーク空所と収容空所を隔てる制限突部が形成されており、該リーク空所の該収容空所への開口部が該制限突部を挟んだ長さ方向の両側に分割されて、それら分割されたリーク空所の該収容空所への開口部が何れも長さ方向で前記可動部材よりも小さくされている請求項1〜3の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
- 前記リーク空所が前記収容空所よりも前記オリフィス通路の前記受圧室側の連通口に対して近い位置に形成されており、前記リーク孔の該受圧室への開口が該オリフィス通路の該受圧室側の連通口付近に配置されている請求項1〜4の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
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