JP5846534B1 - 補修用塗料の調色装置及び調色方法 - Google Patents

補修用塗料の調色装置及び調色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主に自動車修理工場において、従来、経験と勘により行われてきた調色作業を十分に支援することが可能な補修用塗料の調色装置及び調色方法を提供する。【解決手段】塗装対象部の測色データと、塗板の測色データとの誤差を座標軸ごとに計算し(S3)、座標軸ごとに、誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料を調色候補として検索し(S5)、塗装対象部の塗装に用いる補修用塗料の分量に対応する調色候補の基本量を計算し(S7)、前記誤差を測色データに対応する基準値で割ることにより座標軸ごとに誤差率を計算し(S8)、調色候補の基本量と誤差率とを掛け合わせることにより、調色候補ごとの調色量を算出する(S10)。【選択図】図2

Description

本発明は補修用塗料の調色装置及び調色方法に関し、主として、自動車の塗装補修作業において行われる補修用塗料の調色に適する調色装置及び調色方法に関する。
補修のために運び込まれた自動車に部分塗装を行う際には、補修車両の塗装対象部の塗色に合わせて補修用塗料の調色(色合せ)を行う必要がある。
自動車メーカーは、自動車ごとにカラーコードを指定し、塗装に使用した塗料の配合塗料や配合値に関する情報を提供している。塗料メーカーは、指定された各カラーコードについて、各塗料メーカーが製造販売する塗料を用いて補修用塗料を作成するうえで、配合すべき配合塗料(塗料コード)や各配合塗料の配合値(配合割合)などに関する情報(マスタカラーデータ)を提供している。
ところで、車両購入者による車両の保管方法や利用方法は多様であり、補修車両の塗装の経年劣化は各車両やその部位ごとに異なっている。自動車製造ラインにおける塗装方法や塗装環境などの違い(いわゆるロッドぶれ)により、製造段階から車両の塗装に違いが生じている場合もある。このように補修車両の塗色は多様であるため、たとえカラーコードが同一の車であったとしても、塗料メーカーの提供するマスタカラーデータどおりに塗料を調合するだけでは、補修車両の塗装対象部に適合する補修用塗料を作成することはできない。
そのため、マスタカラーデータどおりに調合することにより、補修車両の塗色にある程度近似する補修用塗料を作成することができるとしても、通例、補修車両の塗装対象部ごとに調色作業を行う必要がある。この調色作業は、従来、色見本帳を用いながら、作業者の経験と勘を頼りに行われることが多かったが、近年では、測色機を導入のうえ、調色作業を行う場合もある。幾つかの塗料メーカーからは、CCS(コンピュータカラーサーチング)ないしCCM(コンピュータカラーマッチング)機能を搭載した調色支援システムが提供されている。
もっとも、現在提供されている調色支援システムは、多数のマスタカラーデータをデータベース化しておき、測色機により計測された補修車両の測色データ(例えば、L値)との間で色差が最小となるものを検索・表示するというものである(例えば、特許文献1の[0038]段落参照)。しかしながら、色差が最小となるものを検索・表示するというだけでは、調色なしには塗装することができない場合が多い。かかる問題に対し、塗料メーカーは、ある1つのカラーコードに対して微妙に色を変化させた複数のバリエーションを作成し、これらのバリエーションも補修車両に塗装可能なものとしてデータベースに登録することによりデータベースの充実化を図り、なるべく色差が最小となる候補が選択されるようにしているが、検索対象がデータベース登録情報に限られる以上、補修車両の塗装対象部に適合する塗料が検索・表示されるとは限らないという問題は解消されない。そのため、作業者の調色作業を十分に支援することができるものではなく、塗装の現場では、作業者が経験と勘を頼りに、多数の塗料の中から、追加すべき塗料や調色量を求めなければならないことが多かった。
加えて、塗装に用いられるスプレーガンと塗装対象部との距離、スプレーガンを動かす速度などの塗装方法、使用する塗装器具、作業者の塗装スキルや癖などに応じて塗装状態は変化するため、全く同一の塗料を用いたとしても、塗装後の色味や色調に違いが生じてしまう。これらの全てに対応できる補修用塗料を作成しデータベース化することは事実上不可能である。塗装の現場で利用されている色見本帳には、塗料メーカーがカラーコードの配合塗料及び配合値に基づいて作成した塗板が貼付されているが、塗料メーカーによる塗装方法や塗装環境は各塗装現場におけるものと同一ではないから、色見本帳に表現された色味や色調と同一ものを再現できるとは限らない。そのため、作業者の調色作業を十分に支援することができるものではなく、塗装の現場では、作業者が経験と勘を頼りに、多数の塗料の中から、追加すべき塗料や調色量を求めなければならないことが多かった。
現在販売されている測色機は、塗装対象部に対して一定の輝度で光を照射して、その反射光を測色するものである。ところが、光の反射率ないし吸収率は物体色によって異なるから、輝度が一定のままでは、塗装対象部本来の色を精度良く測定することができない。とくに、自動車用塗料にはアルミフレーク(メタリック塗装)やパール顔料(パール塗装、マイカ塗装)などの光輝顔料(光輝材)が添加されていることが多く、これらの添加物は屈折率の違いにより多重反射光沢を生み出すことから、常に一定の輝度で測色するのでは、塗装対象部本来の色を精度良く測定することができない。
特開2005−200590号公報
前述のとおり、従来の調色支援システムによる検索・表示は、作業者の調色作業を十分に支援することができるものではなく、塗装の現場では作業者が経験と勘を頼りに、多数の塗料の中から、追加すべき塗料や調色量を求めなければならない場面が多かった。加えて、塗装現場や作業者ごとに塗装方法や塗装環境などが異なることから、各作業者が経験と勘を頼りに、多数の塗料の中から、追加すべき塗料や調色量を求めなければならない場面が多かった。
本発明は、これらの従来の欠点に鑑み、主として、自動車修理工場において、従来、作業者の経験と勘により行われてきた補修用塗料の調色作業を十分に支援することが可能な補修用塗料の調色装置及び調色方法を提供することを目的としている。
本発明の補修用塗料の調色装置は、カラーコードごとに配合塗料及び配合値を記憶し、色空間を構成する表色系の各座標軸に対応する特性情報を前記配合塗料ごとに記憶し、かつ、前記各座標軸上において任意に設けられた間隔ごとに所定の値を基準値として設定したものを記憶する記憶手段と、塗装対象部の測色データと、当該塗装対象部のカラーコードに基づいて所望量作成した補修用塗料が塗装された塗板の測色データとの入力を受けるデータ受付手段と、前記塗板の測色データと前記塗装対象部の測色データとの誤差を前記座標軸ごとに計算する誤差計算手段と、前記記憶手段が記憶する特性情報を参照して、前記座標軸ごとに、前記誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料を調色候補として検索する調色候補検索手段と、前記塗装対象部の塗装に用いる補修用塗料の分量の入力を受ける分量受付手段と、前記記憶手段が記憶する配合値を参照して、前記分量に対応する前記調色候補の基本量を計算する基本量計算手段と、前記座標軸ごとに、前記塗装対象部の測色データの値が含まれる前記間隔について設定された基準値を前記記憶手段から読み出し、前記誤差計算手段により計算された座標軸ごとの前記誤差を、読み出された当該基準値で割ることにより、前記座標軸ごとに誤差率を計算する誤差率計算手段と、前記座標軸ごとに、前記基本量計算手段により計算された前記調色候補の基本量と前記誤差率計算手段により計算された前記誤差率とを掛け合わせることにより、前記調色候補の調色量を計算する調色量計算手段とを有することを特徴とする。これにより、前記座標軸ごとに、前記誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料、即ち、追加調色することにより塗装対象部の塗色に近付けることができる配合塗料の候補を、前記記憶手段により登録された配合塗料の中から検索し、調色候補である配合塗料について、追加すべき調色量を具体的に計算することができる。
さらに、本発明の補修用塗料の調色装置は、任意的に、前記調色候補検索手段は、前記塗板に塗装された補修用塗料に含まれる配合塗料の中ら調色候補が検索されない場合には、前記塗装対象部に塗装することが許容された他のカラーコードの配合塗料を対象として調色候補を検索するようにしても良い。これにより、塗板に塗装された配合塗料の範囲をこえて調色候補を検索することが可能となる。
さらに、本発明の補修用塗料の調色装置は、任意的に、前記データ受付手段が入力を受ける測色データは、輝度を変化させることが可能な分光測色機を用いて、測色対象物である前記塗装対象部又は前記塗板の反射率ないし吸収率に応じて輝度を変化させて測色することにより取得されるものであるものとしても良い。これにより、測色対象物(例えば、補修車両、塗板、色見本帳)本来の色を精度良く測定することができ、補修車両の塗装対象部位などの塗装対象部に適合する補修用塗料を精度良く作成することができる。
本発明の補修用塗料の調色方法は、塗装対象部の測色データと、当該塗装対象部のカラーコードに基づいて所望量作成した補修用塗料が塗装された塗板の測色データとの入力を受けるデータ受付工程と、前記塗板の測色データと前記塗装対象部の測色データとの誤差を、色空間を構成する表色系の座標軸ごとに計算する誤差計算工程と、カラーコードごとに配合塗料及び配合値を記憶し、かつ、前記各座標軸に対応する特性情報を前記配合塗料ごとに記憶する記憶部を参照して、前記座標軸ごとに、前記誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料を調色候補として検索する調色候補検索工程と、前記塗装対象部の塗装に用いる補修用塗料の分量の入力を受ける分量受付工程と、前記記憶部が記憶する配合値を参照して、前記分量に対応する前記調色候補の基本量を計算する基本量計算工程と、各座標軸上において任意に設けられた間隔ごとに所定の値を基準値として設定したものを記憶する記憶部を参照して、前記塗装対象部の測色データに対応する基準値を前記座標軸ごとに読み出し、前記誤差計算工程により計算された座標軸ごとの前記誤差を、読み出された当該基準値で割ることにより、前記座標軸ごとに誤差率を計算する誤差率計算工程と、前記座標軸ごとに、前記基本量計算工程により計算された前記調色候補の基本量と前記誤差率計算工程により計算された前記誤差率とを掛け合わせることにより、前記調色候補の調色量を計算する調色量計算工程とを含むことを特徴とする。これにより、前記座標軸ごとに、前記誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料、即ち、追加調色することにより塗装対象部の塗色に近付けることができる配合塗料を調色候補として前記記憶部に記憶された配合塗料の中から検索し、当該調色候補である配合塗料について追加すべき調色量を具体的に計算することができる。
さらに、本発明の補修用塗料の調色方法は、任意的に、前記分量受付工程は、前記分量として、前記塗板に塗装することにより費消した補修用塗料の残存量の入力を受けるものとしても良い。これにより、前記基本量計算工程が、残存する補修用塗料に含まれる配合塗料の基本量を割り出すので、塗板の作成により費消した分の塗料を考慮に入れた調色を行うことができる。
さらに、本発明の補修用塗料の調色方法は、任意的に、前記調色候補検索工程は、前記塗板に塗装された補修用塗料に含まれる配合塗料の中ら調色候補が検索されない場合には、前記塗装対象部に塗装することが許容された他のカラーコードの配合塗料を対象として調色候補を検索するようにしても良い。これにより、塗板に塗装された配合塗料の範囲をこえて調色候補を検索することが可能となる。




さらに、本発明の補修用塗料の調色方法は、任意的に、前記データ受付工程により入力を受ける測色データは、輝度を変化させることが可能な分光測色機を用いて、測色対象物である前記塗装対象部又は前記塗板の反射率ないし吸収率に応じて輝度を変化させて測色することにより取得されるものとしても良い。これにより、測色対象物(例えば、補修車両、塗板、色見本帳)本来の色を精度良く測定することができ、塗装対象部(例えば、補修車両の塗装対象部位)に適合する補修用塗料を精度良く作成することができる。
本発明によれば、多数の塗料の中から、調色のために追加すべき塗料を検索し、その調色量を具体的に計算することができるので、主として、自動車修理工場において、従来、作業者が経験と勘を頼りに行ってきた補修用塗料の調色作業を十分に支援することができる。
本発明の一実施の形態である調色装置の構成図である。 本発明の一実施の形態である調色装置の処理工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態である調色装置の条件入力画面である。 EMX社製カラーセンサ付属ソフトウエアデモ画面のイメージ図である。
以下、本発明の一実施の形態である自動車向けの補修用塗料の調色方法、及び、当該調色方法が適用された調色装置1について説明する。なお、本実施の形態においては、色空間を構成する表色系はL表色系であるが、本発明は、XYZや、RGBなど他の表色系においても適用可能である。
図1は、本発明の一実施の形態である調色装置1の構成図である。調色装置1は、記憶部、演算部や制御部などをもつコンピュータ本体2と、各種データや計算結果の表示手段としてのフルカラーモニター3とにより構成されている。コンピュータ本体2やフルカラーモニター3としては、通常市販されているパーソナルコンピュータを用いることができる。なお、本発明の補修用塗料の調色装置及び調色方法は、記憶、演算、制御、入出力機能などを備える測色機に組み込むことにより、測色機と一体として実現することも可能である。
記憶手段としての記憶部には、調色マスタデータシート(表1)、塗料マスタデータシート(表2)、基準値テーブル(表3)が記憶されている。本実施の形態においては、表1及び表2に示されるとおり、配合塗料は4桁の数字の塗料コードにより管理されているが、一例に過ぎない。
調色マスタデータシート(表1)には、カラーコード、配合塗料の塗料コード、各配合塗料の配合値、各配合塗料の利用可否に関する情報が登録されている。これらの情報は、任意に、追加・変更・削除が可能である。
表1に示されるカラーコード、塗料コード、配合値は、塗料メーカーが提供するマスタカラーデータを参考にして登録される情報である。調色装置1は、各自動車修理工場において実施されることを予定している。そのため、運び込まれる可能性の高い自動車の情報を中心に登録されている。なお、未登録の車種が運び込まれた場合には、塗料メーカーの提供するマスタカラーデータを利用して、適宜、登録情報を追加することができる。
記憶部には、表1に示されるとおり、カラーコードごとに、複数の配合塗料及び当該配合塗料ごとの配合値が記憶されている。配合値とは、いわば各配合塗料の配合割合であり、例えば、カラーコード「B589P−1」の分量を10000(g)とした場合、塗料コード「0030」642g、塗料コード「0036」986g、塗料コード「0083」1646g、塗料コード「0095」530g、塗料コード「0250」4176g、塗料コード「4006」658g、塗料コード「4336」614g、塗料コード「4342」748gを調合することにより作成されるという情報が記憶されている。
塗料メーカーは、背景技術で述べたとおり、ある1つのカラーコード(例えば、B589P)に対して微妙に色を変化させた複数のバリエーション(例えば、B589P−1〜B589P−3)を作成し、これらのバリエーションも補修車両の塗装対象部に塗装することが許容されるものとして、利用者に対して、それらの配合塗料や当該配合塗料の配合値に関する情報を提供している。これらのバリエーションに関する情報が提供されている場合には、好ましくは、当該情報についても調色マスタデータシートに登録することによって、調色候補として検索される対象を増やすことができる。表記しないが、調色マスタデータシートには、他のカラーコード(例えば、B568MやB594Pなど)も多数登録されている。「B589P」という共通のコードを付与することにより、塗装対象部に塗装することが許容されたものと、それ以外のもの(B568MやB594Pなど)とを区別して検索することができる。
利用可否の欄に記載される「APPLY」とは、各補修現場において利用可能な塗料であるという意味である。製造中止、在庫管理や購入コストの問題から、自動車修理工場などの各補修現場において利用可能な塗料が制限される場合があるので、配合塗料ごとに利用の可否を設定することができるようになっている。
塗料マスタデータシート(表2)には、塗料コード、利用可否、塗料メーカー、特性情報、色見本帳の測色データ、備考に関する情報が登録されている。これらの情報は、任意に、追加・変更・削除が可能である。備考の欄には、配合塗料の通称名などの任意の情報を登録することができる。前述のとおり、本実施の形態においては、配合塗料は塗料コードにより管理されているが、各配合塗料を識別できるものであれば良く、例えば、備考欄記載の配合塗料の通称名を用いた管理・検索を行うようにしても良い。
記憶部には、配合塗料ごとに、色空間を構成する表色系の各座標軸に対応する特性情報が記憶されている。本実施の形態においては、色空間を構成する表色系はL表色系であり、その座標軸はL軸、a軸、b軸の3軸である。つまり、記憶部には、塗料コードで管理される配合塗料ごとに、L軸、a軸、b軸に対応する、配合塗料の特性に関する情報が記憶されている。L表色系でいえば、明度がL値で表され、色度がa値とb値で表される。本実施の形態においては、表2に示すとおり、L軸に対応する配合塗料の特性に関する情報として「明」「暗」を設定し、a軸に対応する配合塗料の特性に関する情報として「赤」「緑」を設定し、b軸に対応する配合塗料の特性に関する情報として「黄」「青」を設定している。これらの特性情報は、塗料メーカーが提供するフリップフロップ一覧表、原色フラップ情報などに基づいて任意に設定される。例えば、塗料コード「0010」は赤味をもつ塗料であることから「赤」の欄にチェックが付けられており、塗料コード「0088」は明るさを増す塗料であることから「明」の欄にチェックが付けられている。
また、色見本帳の測色データとして、各塗料コードの色見本帳(例えば、日本塗料工業界が発行する「オートペイントカラーズ」)を測色することにより得られる色データ(L値、a値、b値)が記憶されている。なお、表2に示される色データは、発明者が測色したものである。
基準値テーブル(表3)には、各座標軸について任意の値又は間隔ごとに設定された基準値に関する情報が登録されている。本実施の形態にあっては、各座標軸について[0〜+100]の範囲で任意の間隔ごとに設定されている。なお、後述のとおり、a値、b値は[−100〜+100]の範囲の値に変換されるから、これに合わせて、a値、b値の基準値テーブルを[−100〜+100]の範囲で設定するようにしても良い。
この「基準値」とは、測色データの誤差の程度を評価するためのものである。L表色系は、一般に、心理的に同じ色違いに見える色同士の距離を均等に表した色立体(色空間)とされているが、人間の色差識別限界は、一般に、彩度が小さくなるほど小さく、彩度が大きくなるほど大きくなるという性質がある。また、黄色や緑色の光は明るく感じられるが、赤色や青色の光は暗く感じられるというように、人間の眼は波長ごとに光を感じ取る強さの度合い(視感度)が異なるという性質がある。
そのため、後説する誤差計算手段(工程)により計算された数字上の誤差(ΔL、Δa、Δb)の大小が、人間の眼からみた塗装対象物と塗板との色の違いをそのまま表現するものとは限らない。すなわち、人間の色差識別能力が劣る領域では、数字上の誤差が大きい場合でも、調色としては十分に塗装可能な場合があり、これとは逆に、数字上の誤差が小さい場合でも、人間の眼からみて色差が大きく、より精細な調色が求められる場合もある。そこで、本発明では、数字上の「誤差」を評価するものとして、「基準値」概念を導入し、補修車両の塗装対象部10と塗板20との色の違いを「誤差率」として評価するものとしている。例えば、色の違いを明確に表したい領域においては基準値を小さく設定して誤差率が大きく計算されるようにすることができる。
図2は本発明の一実施の形態である調色装置1の処理工程を示すフローチャートである。調色装置1は、記憶手段としての記憶部に加えて、データ受付手段、データ変換手段、誤差計算手段、カラーコード受付手段、調色候補検索手段、分量受付手段、基本量計算手段、誤差率計算手段、調色要否判定手段、調色量計算手段、出力手段を有しており、これら各手段の工程を実行処理することができる。以下、図2に基づいて、各処理工程(S1〜S11)について説明する。
<データ受付工程> 調色装置1のデータ受付手段が、補修車両の塗装対象部10の測色データ、及び、塗板20の測色データの入力を受ける(S1)。塗板20は、塗装対象部10のカラーコードの配合塗料及び配合値に基づいて作成された補修用塗料を塗装することにより作成されたものである。測色データは、作業者が、分光測色機4を用いて、補修車両の塗装対象部10、及び、塗板20を測色することにより取得する。
<データ変換工程> 調色装置1のデータ変換手段により、データ受付工程により入力を受けた測色データについて、前記表色系(L表色系)の形式と同一である場合には当該形式を維持し、相違する場合には当該測色データの形式を前記表色系(L表色系)の形式に変換する(S2)。たとえば、測色機で計測された測色データがRGB表示系の形式(R[%]、G[%]、B[%])である場合には、従来公知の変換式を用いて、L表色系の形式に変換する。さらに、本実施の形態においては、このデータ変換手段により、a値およびb値を[−100〜+100]のレンジに変換している。なお、一般的に用いられる[−60〜+60]のレンジに変換する場合でも本発明を適用することができる。
測色機で計測された測色データがL表色系の形式である場合には、当該形式を維持したまま次の誤差計算工程に進むこともできる。このように変換が不要な場合があるという意味において、データ変換工程は任意的な工程である。もっとも、各種測色データに対応することができるので、データ変換工程を含むことが好ましい。
<誤差計算工程> 調色装置1の誤差計算手段により、塗板20の測色データ(L2、a2、b2)と、補修車両の塗装対象部10の測色データ(L1、a1、b1)との誤差(例えば、ΔL=L2−L1、Δa=a2−a1、Δb=b2−b1)を、座標軸ごとに計算する(S3)。
<カラーコード受付工程> 調色装置1のカラーコード受付手段により、補修車両の塗装対象部10のカラーコードの入力を受ける(S4)。塗板20を作成する際に採用したカラーコードが入力される。図3は本発明の一実施の形態である条件入力画面であり、モニター3に表示される。図3に示すとおり、「カラーNo」欄にカラーコードを入力すると、記憶部に記憶された調色マスタデータ(表1)及び塗料マスタデータ(表2)が参照され、当該カラーコードに対応する複数の塗料コード、配合値、塗料メーカー、特性情報、色見本帳の測色データが配合リスト欄に表示されるようになっている。これにより、作業者は、選択したカラーコードに関する情報を確認することができる。なお、図2に示されるフローは本発明の一実施の形態に過ぎず、カラーコード受付工程(S4)を誤差計算工程(S3)よりも前に実行するようにしても良い。
<調色候補検索工程> 調色装置1の調色候補検索手段により、記憶手段としての記憶部が記憶する特性情報を参照して、座標軸ごとに、誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料(塗料コード)を調色候補として検索する(S5)。例えば、誤差を(ΔL=L2−L1、Δa=a2−a1、Δb=b2−b1)として計算した場合には、L軸上の誤差(ΔL)が正の値(>0)である場合にはL2の値を減少させる特性情報(「暗」)をもつ配合塗料を検索し、L軸上の誤差(ΔL)が負の値(<0)である場合にはL2の値を増加させる特性情報(「明」)をもつ配合塗料を検索し、a軸上の誤差(Δa)が正の値(>0)である場合にはa2の値を減少させる特性情報(「緑」)をもつ配合塗料を検索し、a軸上の誤差(Δa)が負の値(<0)である場合にはa2の値を増加させる特性情報(「赤」)をもつ配合塗料を検索し、b軸上の誤差(Δb)が正の値(>0)である場合にはb2の値を減少させる特性情報(「青」)をもつ配合塗料を検索し、b軸上の誤差(Δb)が負の値(<0)である場合にはb2の値を増加させる特性情報(「黄」)をもつ配合塗料を検索する。
本実施の形態によれば、調色装置1は、複数の配合塗料及び当該配合塗料ごとの配合値をカラーコードごとに記憶し、かつ、色空間を構成する表色系の各座標軸に対応する特性情報を前記配合塗料ごとに記憶する記憶手段と、塗装対象部10の測色データと、塗装対象部10のカラーコードの配合塗料及び配合値に基づいて所望量作成した補修用塗料が塗装された塗板20の測色データとの入力を受けるデータ受付手段と、塗板20の測色データと塗装対象部10の測色データとの誤差を前記座標軸ごとに計算する誤差計算手段と、記憶手段が記憶する特性情報を参照して、前記座標軸ごとに、前記誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料を調色候補として検索する調色候補検索手段とを有することにより、色空間を構成する表色系の座標軸ごとに、塗板20の測色データと塗装対象部10の測色データとの誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料、即ち、追加調色することにより塗装対象部10の塗色に近付けることができる調色候補を検索することができる。
本実施の形態においては、調色候補は、塗板20に塗装された配合塗料、即ち、カラーコード受付手段(工程)により選択されたカラーコードに対応する塗料に含まれる配合塗料から優先的に検索するが、仮に、誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料が見つからず調色候補が検索されない場合には、塗装対象部10に塗装することが許容された他のカラーコードの配合塗料を対象として調色候補を検索することもできる。これにより、塗板を作成する際に調合した補修用塗料に含まれないものであっても、塗料メーカーが塗装することを許容している配合塗料については検索対象とすることができるので、調色において、より適切な配合塗料を検索することが可能となる。なお、調色候補検索手段は、塗板20に塗装された配合塗料の中から調色候補を優先的に検索するのではなく、当初から、塗料メーカーが塗装することを許容する全ての配合塗料を対象として調色候補を検索するようにしても良い。
調色マスタデータシート(表1)には、塗料コードごとに利用可否に関する情報が記憶されている。この場合、調色候補検索手段(工程)は、利用可能なものとして登録された配合塗料(「APPLY」と登録されているもの)のみを検索対象とすることも可能である。これにより、自動車修理工場などの各補修現場において、製造中止、在庫管理や購入コストの問題から利用できない配合塗料がある場合には、これを除外して、調色候補となる配合塗料を計算することができる。
<分量受付工程> 調色装置1の分量受付手段が、塗装対象部10の塗装に用いる補修用塗料の分量の入力を受ける(S6)。分量受付手段として、図3に示す場合には、「分量」の入力欄が設けられており、塗装対象部10の塗装に用いる補修用塗料の分量を入力することができるようになっている。補修用塗料の分量としては、これから作成しようとする分量ではなく、塗板20を作成することにより費消した補修用塗料を計量して、その残存量を入力するようにしても良く、後者の場合には、後述の基本量計算手段により、残存する補修用塗料に含まれる配合塗料の基本量が割り出されるので、塗板20の作成により減った分の塗料を考慮に入れた調色を行うことができる。なお、図2に示されるフローは本発明の一実施の形態に過ぎず、分量受付工程(S6)は、基本量計算工程(S7)の前であれば、いずれの工程の前後に位置していても良い。
<基本量計算工程> 調色装置1の基本量計算手段が、調色マスタデータシート(表1)に記憶された配合値に関する情報を参照して、入力を受けた補修用塗料の分量に対応する調色候補の基本量を計算する(S7)。
<誤差率計算工程> 調色装置1の誤差率計算手段が、塗板20の測色データ(L2、a2、b2)又は補修車両の塗装対象部10の測色データ(L1、a1、b1)に対応する基準値を、座標軸ごとに、基準値テーブル(表3)からそれぞれ呼び出して、誤差計算手段により計算された座標軸ごとの誤差を読み出された当該基準値で割ることにより、座標軸ごとに誤差率を計算する(S8)。
本実施の形態においては、基準値テーブル(表3)を[0〜+100]の範囲内で設定しているので、基準値を呼び出す際には、[−100〜+100]の範囲内の値であるa値およびb値を絶対値に変換したうえで、基準値を呼び出すようにしている。もっとも、当初から、a値、b値の基準値テーブルを[−100〜+100]の範囲で設定するようにしても良い。
誤差率の計算式は、例えば、以下のとおりである。追加すべき調色量を計算するために、計算の便宜上、誤差を絶対値として、誤差率が正の値として得られるようにしているが、単なる計算の便宜に過ぎないので、これに限られるものではない。
誤差率=(|誤差|/基準値)×100[%]
<調色要否判定工程> 調色装置1の調色要否判定手段が、座標軸ごとに、誤差率が所定値以下であるか否か判定する(S9)。所定値以下である場合には、調色が不要なものとして、調色量計算手段の計算対象から除外する。なお、誤差計算手段により計算された誤差、又は、塗板20及び塗装対象部10の測色データから算出された色差(例えば、ΔE ={(ΔL+(Δa+(Δb1/2)が所定値以下の場合に、調色が不要なものと判定されるようにしても良い。また、作業者が目視により判定のうえ、手動により計算対象から除外されるようにしても良く、これらを併用しても良い。このように、誤差、誤差率、又は色差が所定値以下である場合には調色量の計算対象から除外することにより、計算の簡素化が図られ、無用な調色を省き、補修用塗料を短時間で作成することができる。一方、無条件で全ての調色候補について調色量を計算するようにしても良く、かかる意味で、調色要否判定工程は、本発明にとって、任意的な工程である。
<調色量計算工程> 調色装置1の調色量計算手段が、座標軸ごとに、基本量計算手段により計算された調色候補の基本量と、誤差率計算手段により計算された誤差率とを掛け合わせることにより、調色候補である塗料の調色量を計算する(S10)。本実施の形態においては、ある1つの調色候補について、座標軸ごとに計算された調色量が複数ある場合のルールとして、調色量が最も大きいものを当該調色候補の調色量としている。
本実施の形態によれば、塗装対象部10の塗装に用いる補修用塗料の分量の入力を受ける分量受付手段と、記憶手段が記憶する配合値を参照して、前記分量に対応する調色候補の基本量を計算する基本量計算手段と、塗板20又は塗装対象部10の測色データに対応する基準値を座標軸ごとに記憶手段から読み出し、誤差計算手段により計算された座標軸ごとの前記誤差を、読み出された当該基準値で割ることにより、前記座標軸ごとに誤差率を計算する誤差率計算手段と、前記座標軸ごとに、基本量計算手段により計算された調色候補の基本量と誤差率計算手段により計算された前記誤差率とを掛け合わせることにより、調色候補の調色量を計算する調色量計算手段とを有することにより、前記調色候補検索手段により検索された調色候補としての塗料について、調色のために追加すべき調色量を計算することができる。本発明は、所与のマスタカラーデータを活用しつつも、そのデータ自体を出力するものではなく、測色データに基づく誤差率を反映させて、追加すべき調色量を具体的に計算するので、有限のデータベース登録情報をこえて、塗装対象部10の塗色に適合する最適な調色量を出力することが可能である。本発明によれば、追加すべき調色量が具体的に計算されることから、作業者の経験と勘により行われてきた調色作業を十分に支援することが可能である。
本発明によれば、分量受付工程で述べたとおり、補修用塗料の分量として、塗板20を作成するために塗装対象部10のカラーコードの配合塗料及び配合値に基づいて所望量作成された補修用塗料の残存量の入力を受けるようにしても良く、これにより、塗板の作成により減った分の塗料を考慮に入れた調色を行うことができる。すなわち、本発明によれば、マスタカラーデータどおりに作成した補修用塗料と塗装対象部10との色差が大きく調色無しでは塗装できない場合であっても、塗板20を作成するために費消した補修用塗料に対して追加すべき調色量を具体的に計算することができるので、一から作り直すことなく、当該補修用塗料を廃棄することなく、無駄のない調色を実現することが可能である。
<出力工程> 調色装置1の出力手段が、調色候補、当該調色候補の調色量などの計算結果などの情報をモニター3に表示する(S11)。また、この出力手段は、記憶手段に記憶された配合塗料の色見本帳の測色データ(表2)を参照し、当該調色候補である配合塗料に対応する色見本帳の測色データもあわせて出力することもできる。これにより、作業者は、同塗料の色見本帳上の測色データを参考にしながら、調色候補による調色の可否を最終判断することができる。すなわち、L表色系では、Lは明度を表し、+aは赤方向、−aは緑方向、+bは黄方向、−bは青方向を示しており、数値が大きくなるに従い鮮やかな色になり、数値が小さくなる(原点に近づく)に従いくすんだ色になるというように、各数値の大小から、概ね、調色すべき方向性・程度を推測することができる。そこで、例えば、調色候補が複数検索された場合において、明度のみを補正したい場合には、塗装対象部10の測色データ(L値)と対比して、色相や彩度(a値)に与える影響の小さい調色候補を選択するというように、同塗料の色見本帳上の測色データを参考にしながら、調色候補による調色の可否を最終判断することができる。
モニター3に表示される前記情報に基づいて補修用塗料の調色を行った後、作業者は、本番と同様の塗装方法で塗板を作成し、塗装対象部10と比色して、塗装に適合する補修用塗料が作成されたか否かを目視で判定する。仮に、更なる調色が必要であると判定された場合には、このとき作成した塗板を測色し、当該測色データを入力データとして本発明を再度適用することができる。このように、本発明は、一旦作成した補修用塗料について、これを廃棄することなく、繰り返し調色を行うことにより塗装対象部10に適合する補修用塗料を得ることができるので、無駄のない調色を実現することが可能である。
本発明によれば、マスタカラーデータどおりに作成すれば補修車両の塗装対象部10の近似色を得ることが可能であることを前提として、所与のマスタカラーデータを活用しつつ、自動車修理工場などの各補修現場や各作業者における塗装方法や塗装環境等の違いに応じて、調色するために追加すべき配合塗料(調色候補)を検索したり、当該調色候補の調色量を計算したりすることができる。すなわち、本発明は、マスタカラーデータどおりに複数の配合塗料を調合して補修用塗料を作成し、塗装対象部10に塗装する場合と同様の方法、即ち塗装本番と同様の方法により、塗板20に試し塗りをし、塗装対象部10と塗板20とを比色したところ、色差が大きいため塗装対象部10に塗装することができなかった場合に適用することができるものである。この塗板20への塗装作業の際に、スプレーガンと塗装対象部との距離、スプレーガンを動かす速度などの塗装方法、使用する塗装器具、塗装環境、作業者の塗装スキルや癖が、塗板20の塗装(出来栄え)に反映される。この塗板20を測色する場合には、自動車修理工場などの各補修現場や各作業者における塗装方法や塗装環境等の違いが反映された塗板データを得ることになり、この塗板20の測色データと塗装対象部10の測色データとの誤差・誤差率に基づいて調色量を計算することにより、自動車修理工場などの各補修現場や各作業者における塗装方法や塗装環境等に適合した調色量を得ることができる。
以上述べた本発明の一実施の形態について、次に、具体的な実施例を説明する。この実施例1は、作業者が、塗装対象部10のカラーコードがB589Pであることを確認した後、最も適合しそうな塗料としてB589P−2を選択し、そのマスタカラーデータどおりに複数の配合塗料を調合して補修用塗料を作成し、塗板に試し塗りをし、塗装対象部と塗板とを比色したところ、色差が大きいため塗装対象部に塗装することができなかったときに、本発明を適用する場合の一つの適用例を示すものである。したがって、本発明を適用するに際して、既に、補修用塗料および当該補修用塗料を用いて作成された塗板が存在する。この塗板への塗装作業の際に、スプレーガンと塗装対象部との距離、スプレーガンを動かす速度などの塗装方法、使用する塗装器具、塗装環境、作業者の塗装スキルや癖が、塗板に反映されている。
作業者が、後述の分光測色機(商品名「Color Max−1000」)を用いて補修車両の塗装対象部、及び、塗板を測色したところ、RGB表色系の形式[%]による測色データ(表4)を得た。
<データ受付工程> 調色装置1のデータ受付手段が、補修車両の塗装対象部の測色データ(R1、G1、B1)、及び、塗板の測色データ(R2、G2、B2)の入力を受ける(S1)。
<データ変換工程> 調色装置1のデータ変換手段により、データ受付工程により入力された測色データがL表色系と相違することから、従来公知の変換式を用いて、当該測色データの形式を前記表色系(L表色系)の形式に変換するとともに、a値およびb値を[−100〜+100]のレンジに変換する(S2)。
R1:55.350[%] → L1:+56.982
G1:47.306[%] → a1:+22.693
B1:77.185[%] → b1:−30.111
R2:55.899[%] → L2:+56.818
G2:46.757[%] → a2:+24.294
B2:77.703[%] → b2:−31.080
<誤差計算工程> 調色装置1の誤差計算手段により、塗板の測色データ(L2、a2、b2)と、補修車両の塗装対象部の測色データ(L1、a1、b1)との誤差(ΔL=L2−L1、Δa=a2−a1、Δb=b2−b1)を、座標軸ごとに計算する(S3)。
ΔL:−0.615
Δa:+1.600
Δb:−0.790
<カラーコード受付工程> 条件入力画面(図3)の「カラーNo」欄に、カラーコード(B589P−2)を入力することにより、カラーコード受付手段がカラーコードの入力を受ける(S4)。調色マスタデータシート(表1)及び塗料マスタデータシート(表2)が参照され、当該カラーコードに対応する複数の配合塗料(塗料コード)、配合値、塗料メーカー、特性情報、色見本帳の測色データが配合リスト欄に表示される(図3)。なお、塗料コード「0095」はクリア系塗料で無色透明なためL値はブランクである。
<調色候補検索工程> 調色装置1の調色候補検索手段により、記憶手段が記憶する塗料マスタデータシート(表2)の特性情報を参照して、座標軸ごとに、誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料(塗料コード)を調色候補として検索する(S5)。このとき、調色候補は、塗板に塗装された配合塗料、即ち入力されたカラーコード(B589P−2)に対応する塗料に含まれる配合塗料(塗料コード)から優先的に検索する(表5参照)。本実施例では、L軸上の誤差(ΔL)が負の値であることから、L2の値を増加させる特性情報(「明」)をもつ塗料コード「4006」「4336」が検索される。また、b軸上の誤差(Δb)が負の値であることから、b2の値を増加させる特性情報(「黄」)をもつ配合塗料「4336」が検索される。一方、a軸上の誤差(Δa)が正の値であることから、a2の値を減少させる特性情報(「緑」)をもつ配合塗料が検索対象となるが、カラーコード(B589P−2)に対応する配合塗料(No1〜No8)にはそのような塗料は含まれていない。
このように、誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料が見つからず、調色候補が検索されない場合には、検索対象を、塗装対象部に塗装することが許容された他のカラーコード(B589P−1、B589P−3など)の配合塗料(No9〜No16、No17〜・・・)にまで広げる。塗装対象部に塗装することが許容されたものには共通のカラーコード(B589P)が付与されているので、カラーコード中にB589Pが含まれるものの配合塗料を検索対象とすることにより、塗装対象部に塗装することが許容された他のカラーコードとそれ以外のものとを区別して検索することができる。本実施例では、a2の値を減少させる特性情報(「緑」)をもつものとして配合塗料「4342」が検索された。なお、調色マスタデータシート(表1)に示されるとおり、いずれの塗料コードも「APPLY」であることから、いずれも利用可能なものとして検索対象とされている
<分量受付工程> 調色装置1の分量受付手段が、補修用塗料の分量の入力を受ける(S6)。条件入力画面(図2)の「分量」欄に、補修車両の補修に用いる塗料の分量を入力する。分量として、塗板を作成する際に費消した補修用塗料の残存量を入力するようにしても良く、本実施例では、塗板作成後の補修用塗料を計量したところ95.0(g)であったことから、残存量として「95.0(g)」が入力されている。
<基本量計算工程> 調色装置1の基本量計算手段が、調色マスタデータシート(表1)に記憶された配合値に関する情報を参照して、分量「95.0(g)」に対応する調色候補の基本量を計算する(S7)。
「4006」基本量:95.0× 656/10000≒ 6.23(g)
「4336」基本量:95.0×1108/10000≒10.53(g)
「4342」基本量:95.0× 748/10000≒ 7.11(g)
<誤差率計算工程> 調色装置1の誤差率計算手段が、補修車両の塗装対象部10の測色データ(56.982、22.693、−30.111)に対応する基準値(60、30、40)を、座標軸ごとに、基準値テーブル(表3)からそれぞれ呼び出して、誤差計算手段により計算された座標軸ごとの誤差を、読み出された当該基準値で割ることにより、座標軸ごとに誤差率を計算する(S8、表4)。本実施例では、基準値テーブル(表3)は[0〜+100]のレンジで設定されているから、基準値を呼び出す際には、例えば、b値(−30.111)を絶対値に変換したうえで、基準値(40)を呼び出すようにしている。
誤差率:0.27[%]
誤差率:5.33[%]
誤差率:2.42[%]
<調色要否判定工程> 調色装置1の調色要否判定手段が、座標軸ごとに、誤差率が所定値以下であるか否かを判定する(S9)。本実施例では、計算対象から除外されたものはなかった。なお、表4の「レ」点は、調色が必要と判定したことを示している。
<調色量計算工程> 調色装置1の調色量計算手段が、座標軸ごとに、基本量計算手段により計算された調色候補の基本量と、誤差率計算手段により計算された誤差率とを掛け合わせることにより、調色候補である塗料の調色量を計算する(S10)。
「4006」L調色量: 6.23(g)×0.27[%]≒0.02[g](a)
「4336」L調色量:10.53(g)×0.27[%]≒0.03[g](b)
「4342」a調色量: 7.11(g)×5.33[%]≒0.38[g](c)
「4336」b調色量:10.53(g)×2.42[%]≒0.26[g](d)
本実施例においては、ある調色候補「4336」について、座標軸ごとに計算された調色量が複数ある場合(b、d)のルールとして、調色量が最も大きいもの(d)を当該調色候補の調色量としている。以上の計算により、以下の解を得る(表5)。なお、調色候補として検索された配合塗料が、塗板を作成する際に選択したカラーコードに含まれないものである場合には、残存する補修用塗料に含まれていない塗料を調合することになるが、通常、当該調合量が微量であることから支障はない。
「4006」:0.02[g]追加
「4336」:0.26[g]追加
「4342」:0.38[g]追加
<出力工程> 調色装置1の出力手段が、調色候補、当該調色候補の調色量などの計算結果、当該調色候補である配合塗料に対応する色見本帳の測色データ(L値)などの情報をモニター3に表示する(S11)。
実施例1は、塗装対象部のマスタカラーデータ(B589P−2)どおりに複数の配合塗料を調合して補修用塗料を作成し、塗板に試し塗りをした場合における、本発明の一つの適用例を示すものである。すなわち、マスタカラーデータどおりに調合すれば調色なしでも塗装対象部に塗装可能な塗料が作成されることを期待して、塗装対象部のカラーコードの配合塗料及び配合値に基づいて塗板を作成したものの、比色した結果、未だ色差が大きく調色なしでは塗装できなかった場合における本発明の適用例を示すものである。
ところで、補修車両の変色劣化が進んでいるなどの理由で、補修用塗料を試作して比色するまでもなく、作業者がマスタカラーデータどおりに補修用塗料を作成したとしても色差が大きく調色が必要であろうことが容易に予想される場合がある。この場合には、既製の色見本帳に貼付されている塗料メーカーが作成した塗板を作業者がマスタカラーデータどおりに作成した塗板と見立て、当該色見本帳の塗板を測色し、その測色データを塗板データとして入力することもできる。この場合、調色装置1のデータ受付手段は、塗板データとして、色見本帳に貼付された塗板の測色データの入力を受け(S1)、この塗板データと塗装対象部の測色データについて、図2に示すものと同様の処理手順・内容で、データ変換工程(S2)から出力工程(S11)までの工程が実行される。
ここで、調色装置1の基本量計算手段によれば、調色候補(No7、8)の基本量に加えて、調色候補以外の配合塗料(No1〜6)の基本量も計算することができる(表5参照)。また、調色装置1によれば、各配合塗料の基本量と調色候補(No7、8)の調色量との合計値を計算して、モニター3に表示することができる。したがって、作業者は、これらの合計値([0030]7.17g、[0036]6.92g、[0048]15.16g、[0079]7.77g、[0095]3.65g、[0250]37.57g、[4006]6.25g、[4336]10.78g)に加えて、調色候補の塗料([4342]0.38g)を調合することにより、1度目の補修用塗料の作成段階から、マスタカラーデータどおりに作成した場合よりも、塗装対象部の色に近似する補修用塗料を作成することが可能となる。このような調色装置1の利用方法によれば、強いて調色が必要になるであろうマスタカラーデータどおりの調合を行う必要がなく、無駄な調合を省くことができる。既製の塗板を測色するため作業者の塗装スキルや癖などの違いが反映されていないが、その違い以上に、補修車両の変色劣化が進んでいる場合における本発明の一つの適用例である。このような適用例により作成された補修用塗料を用いて作業者が新たな塗板を作成し、比色した結果、更なる調色が必要であると判定された場合には、この新たな塗板を測色したデータを入力データとして、再度本発明を適用すれば、より塗装対象部に適合する補修用塗料を作成することができる。
本発明における調色方法及び調色装置は、輝度を変化させることが可能な分光測色機4を用いることが好適である。輝度を変化させることが可能な分光測色機を用いることにより、測色対象物の反射率ないし吸収率に応じて輝度を変化させ、カラーセンサの感度特性が最良の状態での色データを計測することができるので、測色対象物本来の色を精度良く測定することが可能となる。かかる測定データを用いて調色量を計算することにより、塗装対象部に適合する補修用塗料を精度良く作成することができ、結果的に、主として、自動車修理工場において、従来、経験と勘により行われてきた調色作業を十分に支援することができる。
そのような分光測色機4として、米国EMX社製カラーセンサ(EMX Industries、Inc.商品名「Color Max−1000」)を用いることができる。発明者の実験によれば、輝度を0〜約3400ルクスの範囲で設定することが可能である。“Color Max−1000”は、自発光源として高輝度白色LEDを、受光素子としてSiフォトダイオード(赤色光検出用、緑色光検出用、青色光検出用の各受光素子)を内蔵する。高輝度白色LEDから対象物に向けて照射された光は、塗装対象部で反射又は透過し、それぞれのフォトダイオードによりRGBの光強度として検出される。
図4は、同カラーセンサに付属するソフトウエアの表示画面のイメージ図である。“Color Max−1000”には専用のアプリケーションソフトウエアが付属しており、コンピュータ本体2に同ソフトウエアをインストールすることにより、“Color Max−1000”が照射する輝度を制御したり、“Color Max−1000”が測定したRGB値をモニター3に表示したりすることができる。“Color&Luminosity”モードで使用した場合、色データ(RGB値)に加えて、R、G、Bごとのルミノシティ(Luminosity:視感度、明るさ)を検出・表示することができる。
R、G、Bごとのルミノシティが、いずれも20〜80(%)の範囲に入るように輝度の設定値を調整することにより、各受光素子の感度が最適化され、測定対象物本来の色を精度良く測定することができる。例えば、シルバー系の色は反射率が高いため、輝度が高いと反射光の照度が高くなり過ぎて、測定対象物本来の色を精度良く測定することができない。そこで、検出されるルミノシティの値を確認しながら、輝度を下げ、各受光素子の感度が最適化されたときの色データ(RGB値)を検出するようにする。一方、黒系の色は吸収率が高いため輝度を上げて計測する。アルミフレーク(メタリック塗装)やパール顔料(パール塗装、マイカ塗装)などの光輝顔料(光輝材)が添加され、多重反射光沢が生み出される場合においても、ルミノシティを指標として最適感度で色データを検出することができるので、塗装対象部本来の色を精度良く測定することができる。なお、発明者の実験によれば、塗料によっては、R、G、Bごとのルミノシティのいずれもが20〜80(%)の範囲に入らない場合があるが、この場合には、例えば、当該塗料が赤系でればR値が中央値(50%)に近づくように輝度の設定値を調整すると良い。
分光測色機4には、筒状の遮光性アタッチメント5が装着されている。遮光性アタッチメント5を装着することにより、光源から塗装対象部までの距離、照射角度を調整することができる。分光測色機4は、調色装置1に対して、通信ケーブルなどの有線接続やブルートゥース通信などの無線接続により接続することができ、分光測色機4により測色された測色データは、前記データ受付手段によりコンピュータ本体2に入力される。分光測色機4としての“Color Max−1000”は、“直径が約30mm、長さが約110mmの略円筒状の測色機であり、本体重量が約180gと軽量であり携帯性に富むこと、計測された測色データは無線通信により転送することが可能であることから、補修車両の補修箇所を測色し易いという意味においても好適である。
本発明は、特定の塗料メーカーが製造販売する塗料に限定することなく適用することもできる。背景技術で述べたが、幾つかの塗料メーカーからは、CCSないしCCM機能を搭載した調色支援システムが提供されているが、同システムが検索対象とする塗料は、通例、当該塗料メーカーの製造販売に係るものに限られている。しかしながら、本発明は、調色マスタデータシート(表1)や塗料マスタデータシート(表2)に登録される情報は、ある一つの塗料メーカーのものに限られることなく、複数の塗料メーカーのものについて登録することができる。そのため、最適な調色候補を、他の塗料メーカーのものから検索してくることも可能である。
本発明は、自動車の塗装補修作業において行われる補修用塗料の調色作業において用いられるのが好適であるが、塗装に使用した塗料の配合塗料(塗料コード)や配合値(配合割合)に関する情報が提供されている分野(例えば、建築分野、印刷分野、工業製品分野、家庭製品分野などが考えられる。)における、塗装対象物一般に対する塗装作業にも広く用いることができる。
1 調色装置
2 コンピュータ本体
3 フルカラーモニター
4 分光測色機
5 アタッチメント
10 補修車両の塗装対象部
20 塗板

Claims (7)

  1. カラーコードごとに配合塗料及び配合値を記憶し、色空間を構成する表色系の各座標軸に対応する特性情報を前記配合塗料ごとに記憶し、かつ、前記各座標軸上において任意に設けられた間隔ごとに所定の値を基準値として設定したものを記憶する記憶手段と、
    塗装対象部の測色データと、当該塗装対象部のカラーコードに基づいて所望量作成した補修用塗料が塗装された塗板の測色データとの入力を受けるデータ受付手段と、
    前記塗板の測色データと前記塗装対象部の測色データとの誤差を前記座標軸ごとに計算する誤差計算手段と、
    前記記憶手段が記憶する特性情報を参照して、前記座標軸ごとに、前記誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料を調色候補として検索する調色候補検索手段と、
    前記塗装対象部の塗装に用いる補修用塗料の分量の入力を受ける分量受付手段と、
    前記記憶手段が記憶する配合値を参照して、前記分量に対応する前記調色候補の基本量を計算する基本量計算手段と、
    前記座標軸ごとに、前記塗装対象部の測色データの値が含まれる前記間隔について設定された基準値を前記記憶手段から読み出し、前記誤差計算手段により計算された座標軸ごとの前記誤差を、読み出された当該基準値で割ることにより、前記座標軸ごとに誤差率を計算する誤差率計算手段と、
    前記座標軸ごとに、前記基本量計算手段により計算された前記調色候補の基本量と前記誤差率計算手段により計算された前記誤差率とを掛け合わせることにより、前記調色候補の調色量を計算する調色量計算手段とを有することを特徴とする補修用塗料の調色装置。
  2. 前記調色候補検索手段は、前記塗板に塗装された補修用塗料に含まれる配合塗料の中ら調色候補が検索されない場合には、前記塗装対象部に塗装することが許容された他のカラーコードの配合塗料を対象として調色候補を検索することを特徴とする請求項1記載の補修用塗料の調色装置。
  3. 前記データ受付手段が入力を受ける測色データは、輝度を変化させることが可能な分光測色機を用いて、測色対象物である前記塗装対象部又は前記塗板の反射率ないし吸収率に応じて輝度を変化させて測色することにより取得されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の補修用塗料の調色装置。
  4. 塗装対象部の測色データと、当該塗装対象部のカラーコードに基づいて所望量作成した補修用塗料が塗装された塗板の測色データとの入力を受けるデータ受付工程と、
    前記塗板の測色データと前記塗装対象部の測色データとの誤差を、色空間を構成する表色系の座標軸ごとに計算する誤差計算工程と、
    カラーコードごとに配合塗料及び配合値を記憶し、かつ、前記各座標軸に対応する特性情報を前記配合塗料ごとに記憶する記憶部を参照して、前記座標軸ごとに、前記誤差を減らす方向に作用する特性情報を有する配合塗料を調色候補として検索する調色候補検索工程と、
    前記塗装対象部の塗装に用いる補修用塗料の分量の入力を受ける分量受付工程と、
    前記記憶部が記憶する配合値を参照して、前記分量に対応する前記調色候補の基本量を計算する基本量計算工程と、
    各座標軸上において任意に設けられた間隔ごとに所定の値を基準値として設定したものを記憶する記憶部を参照して、前記塗装対象部の測色データに対応する基準値を前記座標軸ごとに読み出し、前記誤差計算工程により計算された座標軸ごとの前記誤差を、読み出された当該基準値で割ることにより、前記座標軸ごとに誤差率を計算する誤差率計算工程と、
    前記座標軸ごとに、前記基本量計算工程により計算された前記調色候補の基本量と前記誤差率計算工程により計算された前記誤差率とを掛け合わせることにより、前記調色候補の調色量を計算する調色量計算工程とを含むことを特徴とする補修用塗料の調色方法。
  5. 前記分量受付工程は、前記分量として、前記塗板に塗装することにより費消した補修用塗料の残存量の入力を受けることを特徴とする請求項4記載の補修用塗料の調色方法。
  6. 前記調色候補検索工程は、前記塗板に塗装された補修用塗料に含まれる配合塗料の中ら調色候補が検索されない場合には、前記塗装対象部に塗装することが許容された他のカラーコードの配合塗料を対象として調色候補を検索することを特徴とする請求項4又は5記載の補修用塗料の調色方法。
  7. 前記データ受付工程により入力を受ける測色データは、輝度を変化させることが可能な分光測色機を用いて、測色対象物である前記塗装対象部又は前記塗板の反射率ないし吸収率に応じて輝度を変化させて測色することにより取得されるものであることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の補修用塗料の調色方法。
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