JP2005200590A - 塗料の調色方法 - Google Patents

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光伸 福田
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Abstract

【課題】非隠蔽塗料を簡便に且つ精度よく調色する方法、ならびに光輝性塗料の調色を上記非隠蔽塗料の調色を利用して簡便に且つ精度よく行うことができる調色方法を提供する。
【解決手段】(1)調色色合わせの基準となる基準塗料が非隠蔽塗料であり、該基準塗料と黒エナメルとを所定配合比率で混合した上記基準膜厚における隠蔽率が98%以上の黒混合基準塗料について、黒混合基準板を予め得ておく工程、及び(2)目的色の非隠蔽塗料を調色により得る工程であって、調色途中の非隠蔽塗料の一部と黒エナメルとを上記所定配合比率で混合した黒混合塗料について、非隠蔽塗料と黒エナメルとの該所定配合比率を保持したまま、黒混合塗料塗装板を上記黒混合基準板に合せるように調色を行い、黒混合塗料の色が合格となる非隠蔽塗料を得る工程、を有する非隠蔽塗料の調色方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非隠蔽塗料を簡便に且つ精度よく調色する方法、ならびに光輝性塗料の調色を上記非隠蔽塗料の調色を利用して簡便に且つ精度よく行うことができる調色方法に関する。
従来、塗料の調色について、特開昭63−153677号公報において、ポータブルなカラーメータを使用して調色すべき選択色の色相、彩度、明度を表す色データを記憶し、前記カラーメータ内の前記色データをコンピュータに接続するとともに、利用可能な複数の塗料配合を前記コンピュータ内に記憶し、前記記憶した利用可能な色公式によって指定された各塗料の色相、彩度、輝度を表す色データを前記コンピュータ内に記憶し、前記カラーメータから受取った選択色の色データと、前記記憶した利用可能な塗料配合のそれぞれを表す前記記憶した色データとを比較して最近似整合を見つけ出し、前記最近似整合として見つけ出された前記色データによって表される記憶した塗料配合を選択し、これによって前記選択色に対する色合わせを行う方法及び装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、調色を行うために使用する測色データは、隠蔽していない塗膜については、下地色の影響や膜厚のバラツキの影響を受けるため、調色が難しいといった問題があった。そのため、非隠蔽塗料では、合格レベルまで調色するのが難しく調色回数が多くなりがちであった。
また、近年、自動車などの塗色は、個人の好みの多様化、美粧性の向上などの観点からアルミニウム粉や光輝性マイカ粉が配合された光輝感のある塗色が増加している。この光輝感のある塗色の色合わせを行う場合、上記特開昭63−153677号公報に記載された色合わせ方法では、色合わせ精度がいまだ十分ではなかった。
特開平10−310727号公報には、光輝材又は着色材と光輝材を配合したメタリック・パール系塗料の目標色に合致した着色材と光輝材の配合比又は光輝材の配合量を求めるメタリック・パール系塗料の調色方法において、使用する光輝材の配合量又は着色材及び光輝材の配合比を変化させた複数の塗板サンプルを、予め変角分光光度計により分光反射率を測定してコンピュータのメモリ上に記憶させておき、これを用いて調色する際に添加する光輝材の添加量を変えることにより生じる変角分光反射率の変化を取り込みつつ再現分光反射率を予測計算し、光輝材の配合量又は着色材と光輝材の適切な配合比を求める方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この方法においては、光輝材の配合量又は着色材及び光輝材の配合比を変化させた塗板サンプルを1色材について、少なくとも5〜6水準程度必要であり、基礎データ作成に多くの労力が必要であり、計算アルゴリズムも複雑であることから使用する装置のコストが高くなる要因となる。
また、特開2001−221690号公報には、(A)測色計と、(B)ミクロ光輝感測定器と、(C)複数の塗料配合、該各塗料配合に対応した色データとミクロ光輝感データ、複数の原色塗料の色特性データとミクロ光輝感特性データが登録されており、該塗料配合及び該各データを利用した色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータとから構成されてなる塗料のコンピュータ調色装置を用いた光輝感を有する塗料にも対応できる調色方法が記載されている(特許文献3参照)。
しかしながら、この方法に使用する各塗料配合に対応した色データとミクロ光輝感データ、複数の原色塗料の色特性データとミクロ光輝感特性データの登録に非常に多くの労力、コストがかかり、計算アルゴリズムも複雑であることから使用する装置のコスト高の要因となる。
さらに、特開2001−50891号公報には、セルに充填された着色液を測色する方法であって、セルの測定部位を含む面に対して上記着色液を吐出循環することによって、上記セルの測定部位における着色液を連続して更新しながら、測色することを特徴とする液体測色方法が記載されている(特許文献4参照)。
しかしながら、この方法に使用する各光輝性塗料の配合に対応した色データや複数の原色塗料の色特性データの登録に非常に多くの労力、コストがかかり、また、セルの測定部位を含む面に対して着色液を吐出循環する必要があることから使用する装置のコスト高の要因となる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開昭63−153677号公報
特開平10−310727号公報 特開2001−221690号公報 特開2001−50891号公報
上記特開平10−310727号公報及び特開2001−221690号公報に記載の方法のいずれにおいても、光輝感を有する塗料を調色する場合、塗料の基本配合が既知である繰返し調色においても、光輝材を含む塗膜の光学特性を把握しながらの調色であり、色以外に光輝感が要因として含まれている為、調色が複雑になり出荷合格レベルに到達するまでの調色回数が多くなり、調色の為の塗装板作成などの工数が多くなるといった問題があった。
また、特開2001−50891号公報に記載の方法においては、光輝性塗料の調色のための塗装板を作成しなくてもよいが、非隠蔽塗料や、非隠蔽塗料に光輝材が配合された光輝性塗料についての調色は十分に行うことができなかった。
従来、調色は、目的塗色見本板に近づくよう、目的塗料基準配合による調合塗板の色測定値に基づいて配合修正を行うことが一般的に行われていた。しかし、塗料の特性上、見本板や調合塗板が下地を十分隠蔽できていない場合など、色測定値が塗料の色そのものを指しているとは言い難い場合があった。
本発明の目的は、非隠蔽性塗料の調色を簡便に且つ精度よく行うことができる調色方法を提供することである。
また、本発明の目的は、非隠蔽性塗料や、非隠蔽性塗料に光輝材を含有させた光輝感を有する塗料を調色する場合において、簡便に且つ精度よく調色でき、出荷合格レベルに到達するまでの調色回数を減らすことが可能な調色方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、非隠蔽性塗料の調色を行うにあたり、非隠蔽性塗料の一部に黒エナメルを所定割合混合した黒混合塗料について測色し、黒混合塗料の色が合格となる黒混合塗料を得ることによって簡便に且つ精度良く、目的とする非隠蔽性塗料を得ることができることを見出し本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、非隠蔽性塗料に光輝材を含有させた光輝感を有する塗料を調色する場合において、前記目的を達成するため、着色顔料配合による色変化と光輝材配合による光輝感、色への影響を分離し、かつ光輝材を除いた非隠蔽性塗料について、非隠蔽性塗料の一部に黒エナメルを所定配合比率で混合した黒混合エナメル塗料について測色し、黒混合エナメル塗料の色が合格となる非隠蔽性塗料を得、ついでこの非隠蔽性塗料に光輝材を配合することによって上記目的を達成することができることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1.下記工程
(1)調色色合わせの基準となる基準塗料が、基準膜厚において隠蔽率が98%未満の非隠蔽塗料であり、該基準塗料と黒エナメルとを所定配合比率で混合した上記基準膜厚における隠蔽率が98%以上の黒混合基準塗料について、黒混合基準板を予め得ておく工程、及び
(2)目的色の非隠蔽塗料を調色により得る工程であって、該非隠蔽塗料を調色するに当り、調色途中の非隠蔽塗料の一部と黒エナメルとを上記所定配合比率で混合した黒混合塗料について、非隠蔽塗料と黒エナメルとの該所定配合比率を保持したまま、黒混合塗料塗装板を上記黒混合基準板に合せるように調色を行い、黒混合塗料の色が合格となる、非隠蔽塗料を得る工程、
を有することを特徴とする非隠蔽塗料の調色方法(以下、「本発明調色方法(I)という」)を提供するものである。
また本発明は、2.上記工程(2)における非隠蔽塗料の調色を色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いて行うことを特徴とする上記項1記載の調色方法を提供するものである。
さらに本発明は、3.下記工程
(A)基準塗料配合が既知であり、調色して色合わせをする光輝性塗料の基準塗料配合から光輝材と必要に応じて塗料添加剤とを除いてなる、該光輝性塗料の基準膜厚において隠蔽率が98%未満の非隠蔽塗料と黒エナメルとを所定配合比率で混合した上記基準膜厚における隠蔽率が98%以上の黒混合基準塗料について、黒混合基準板を予め得ておく工程、
(B)光輝材と必要に応じて塗料添加剤とを除いた非隠蔽塗料を調色により得る工程であって、非隠蔽塗料を調色するに当り、調色途中の非隠蔽塗料の一部と黒エナメルとを上記所定配合比率で混合した黒混合エナメル塗料について、非隠蔽塗料と黒エナメルとの上記所定配合比率を保持したまま、黒混合エナメル塗料塗装板を上記黒混合基準板に合せるように調色を行い、黒混合エナメル塗料の色が合格となる非隠蔽塗料を得る工程、及び
(C)上記工程(B)で得られた非隠蔽塗料に対して、光輝材及び必要に応じて塗料添加剤を混合する工程、
を有することを特徴とする光輝性塗料の調色方法(以下、「本発明調色方法(II)という」)を提供するものである。
また本発明は、4.上記工程(B)における非隠蔽塗料の調色を色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いて行うことを特徴とする上記項3記載の調色方法を提供するものである。
さらに本発明は、5.上記工程(C)において、工程(B)で得た非隠蔽塗料に対して基準配合量の光輝材を加えて得た第一次調色塗料について塗装板を作成し、目的とする光輝性塗料の基準塗板との色一致性を判定し、色が合格であれば調色を終了し、色が不合格であれば更に光輝材量の調整による調色を行うことを特徴とする上記項3又は4記載の調色方法を提供するものである。
また本発明は、6.上記工程(C)において、色一致性の判定を測色計及び/又は目視にて行うことを特徴とする上記項5記載の調色方法を提供するものである。
本発明方法は、非隠蔽塗料の調色において、従来方法に比べ、膜厚のバラツキの影響がなく、簡便に且つ精度よく調色でき、出荷合格レベルに到達するまでの調色回数を減らすことができる。従来方法では、色合わせが困難であった隠蔽性の小さい色域でも精度よく調色が可能である。
非隠蔽性のエナメルに光輝材が配合された光輝性塗料の調色を行う場合には、光輝材を除くエナメル塗料の調色をまず行うので、光輝性顔料を配合した状態で原色塗料などの着色剤の配合量を変化させる従来方法に比較して調色が容易で、かつ精度よく調色することができる。
以下、本発明の調色方法について詳細に説明する。
本発明では、黒混合基準板を作成し、仮の目標色とし、これに対して調色を進めることで色測定値の信頼性を確保し、十分に仮の目標色に調色できたことを確認し、この調色された黒混合塗料(配合)に基づいて調色された非隠蔽塗料を得て、必要に応じて光輝材を配合し目的とする塗料を得ることができるものである。
本発明調色方法(I)は、基準配合が既知である非隠蔽塗料を調色する方法である。したがって、基準配合が既知である同一塗色について、繰り返して調色塗料を製造する場合に好適に使用できる方法である。
非隠蔽塗料を製造するための原料にロット間のばらつきが全くなければ、その基準配合どおりに配合すれば、目的とする色の塗料を得ることが可能であるが、現実には、ロット間のばらつきが存在し、単一種の顔料を含有する原色塗料においても着色力にある程度のばらつきがあり、色味などがばらつく場合もある。したがって、基準配合が既知である非隠蔽塗料を調色する場合にも、基準配合どおりの配合で色一致性が合格となる場合はほとんどない。
本発明調色方法(I)は、非隠蔽塗料を調色するにあたり、非隠蔽塗料の一部に黒エナメルを所定配合比率で混合した黒エナメル混合塗料を黒混合基準板の色に合わせるように調色することによって非隠蔽塗料の調色を行うものである。
本発明調色方法(II)は、光輝性塗料を調色するにあたり、光輝材を含有する塗料として一度に調色するのではなく、光輝材抜きの非隠蔽塗料を調色した後、これに光輝材を加えて調色を行うものである。光輝材抜きの非隠蔽塗料は、上記本発明調色方法(I)におけると同様の方法にて行うものである。
本発明調色方法(I)は、下記の工程(1)及び(2)を有する。
工程(1)
工程(1)は、基準膜厚において隠蔽率が98%未満の基準塗料である非隠蔽塗料について、該基準塗料と黒エナメルと所定配合比率で混合し、隠蔽率が98%以上の黒混合基準塗料を作成し この塗料について黒混合基準板を予め得ておく工程である。本明細書において、「隠蔽率」は、JIS K5400 7.2(1990)の規定によるものである。尚、隠蔽率が98%の塗料では隠蔽の度合いによる影響から生じる色差が殆ど認められなかった。
上記黒混合基準板は、目的とする非隠蔽塗料製造の直前に得ることもできるが、黒混合基準板は、繰り返し調色作業を行った結果に基づいて、より精度の高いものとしておくことが好ましい。
本明細書において、「黒エナメル」とは、隠蔽色の塗装板の色測定値において、JIS Z8729(1994)に規定されたL表色系におけるL値が5以下、好ましくは1以下、a値が5以下、好ましくは1以下、b値が5以下、好ましくは1.5以下であるエナメル塗料を意味するものとする。この黒エナメルは、製造ロット間のバラツキが極めて小さいこと、例えば、JIS Z8729(1994)に規定されたL表色系におけるロット間の色差ΔEが1.0以内、さらには0.3以内であることが好適である。
非隠蔽塗料と黒エナメルとの配合割合は、混合色である黒混合塗料の塗色のL値が45以上、好ましくは50〜70となり、隠蔽率が98%以上となる限り特に制限されるものではない。通常、非隠蔽塗料と黒エナメルとの配合割合は、前者/後者の重量比で、85/15〜99.9/0.1、好ましくは90/10〜99/1の範囲内にあることが好適である。
黒混合基準板は、例えば、基材に隠蔽膜厚以上の標準膜厚となるように黒混合基準塗料を塗装し、標準硬化条件で硬化させることによって得ることができる。
工程(2)
工程(2)は、目的色である非隠蔽塗料を調色により得る工程であって、該非隠蔽塗料を調色するに当り、調色途中の非隠蔽塗料の一部と黒エナメルとを上記所定配合比率で混合した黒混合塗料について、非隠蔽塗料と黒エナメルとの該所定配合比率を保持したまま、黒混合塗料塗装板を上記黒混合基準板に合せるように調色を行い、黒混合塗料の色が合格となる非隠蔽塗料の配合を得る工程である。この調色にあたり、色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いてコンピュータ調色することもできるし、コンピュータ調色を用いずに、測色計及び/又は目視による調色を行なうこともできる。当然のことながら、コンピュータ調色と目視の両者を併用しても良い。色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータや測色計による測定値により色が一致しているかを判断する場合、例えば、JIS Z8729(1994)に規定されたL表色系による△E値などによって管理することが出来る。
黒混合塗料塗装板の色を黒混合基準板に合わせるにあたり、非隠蔽塗料の一部に黒エナメルを上記所定配合比率で混合した黒混合塗料の色を合わせるように、非隠蔽塗料の調色を行うことによって非隠蔽塗料を得てもよいし、また、非隠蔽塗料に黒エナメルを上記所定配合比率で混合した黒混合塗料の色が合うように調色する際に配合量を記録し、色が合った黒混合塗料の配合から黒エナメルを除いた配合に基づいて非隠蔽塗料を得ることもできる。
本発明調色方法(II)は、下記の工程(A)、(B)及び(C)を有する。
工程(A)
工程(A)は、基準塗料配合が既知であり、調色して色合わせをする光輝性塗料の基準塗料配合から光輝材及び必要に応じて塗料添加剤とを除いてなる、該光輝性塗料の基準膜厚において隠蔽率が98%未満の非隠蔽塗料と黒エナメルとを所定配合比率で混合した上記基準膜厚における隠蔽率が98%以上の黒混合基準塗料について、黒混合基準板を予め得ておく工程である。
上記黒混合基準板は、目的とする光輝性塗料製造の直前に得ることもできるが、黒混合基準板は、繰り返し調色作業を行った結果に基づいて、より精度の高いものとしておくことが好ましい。
上記黒混合基準板は、前記本発明調色方法(I)の工程(1)と同様にして得ることができる。
工程(B)
工程(B)は、光輝材及び必要に応じて塗料添加剤を除いた非隠蔽塗料を調色により得る工程であって、該非隠蔽塗料を調色するに当り、調色途中の非隠蔽塗料の一部と黒エナメルとを上記所定配合比率で混合した黒混合エナメル塗料について、非隠蔽塗料と黒エナメルとの上記所定配合比率を保持したまま、黒混合塗料塗装板を黒混合基準板に合せるように調色を行い、黒混合塗料の色が合格となる非隠蔽塗料を得る工程である。
上記非隠蔽塗料は、前記本発明調色方法(I)の工程(2)と同様にして得ることができる。
工程(C)
工程(C)は、上記工程(B)にて調色された非隠蔽塗料に対して、光輝材及び必要に応じて塗料添加剤を混合する工程である。工程(C)において、光輝材の基準量を一度に加えても良いし、少し減量して加え、光輝感を見ながら光輝材を追加していくこともできる。光輝材の光輝感のバラツキは光輝材を製造する技術の向上などによって小さくなってきており、バラツキの大きいものを除いては、光輝材の規定量を一度に加えても不合格になることはなくなってきていると考えられる。
調色された非隠蔽塗料に対して光輝材などを配合した第一次調色塗料について、塗装板を作成し、目的とする光輝性塗料の基準塗板との色一致性を判定することができる。この判定において、色一致性が合格であれば調色を終了し、色一致性が不合格であれば更に調色を行う。この色一致性の判定は、例えば、測色計を用いて行うこともできるし、目視によって行うこともでき、また、両者を併用してもよい。測色計としては、多角度にて測色を行うことができる多角度測色計が好適である。測色計によって、色一致性の判断を行う場合、多角度、例えば2〜5水準程度の受光角度において、例えば、JIS Z8729(1994)に規定されたL表色系によるΔE値が一定範囲内にあるか否かで判断することができる。上記受光角度とは、塗膜に一定の入射角度で光照射したときの鏡面反射軸と受光軸とがなす角度を意味する。受光角度3水準で測定を行う場合には、例えば、上記受光角度が15〜30度、35〜60度及び75〜110度の各角度範囲のうちの各1ずつであることが目視による色の判断との対応がとれやすいことから好適である。
上記色一致性の判定で合格であれば調色を終了し、不合格であれば、さらに光輝材量の調整による調色を行うことによって目的とする光輝性塗料を得ることができる。
以下、実施例、比較例などを示し、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例及び比較例において、調色にはコンピュータカラーマッチング装置(関西ペイント(株)製、商品名「アレスマッチ」)を用い、塗料には自動車補修塗装用アクリル・ウレタン塗料(関西ペイント(株)製、商品名「レタンPGハイブリッド」)を用いた。
比較例1 赤ソリッド色塗料1の調色(従来技術)
赤ソリッド色塗料1を、下記表1に示した目的塗料基準配合どおりに、見本板作成時とはロットの異なった原色エナメルを調合して、標準塗装条件にて塗装し塗板を作成した。この塗板(この塗板の塗色を「塗色1b」とする)と、調色の目標となる目的塗色見本板(塗色1a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、0.52であった。
本比較例においてはコンピュータカラーマッチングシステムを使用し調色を進め、微調色3回(塗色1e)の塗色は、目標となる目的塗料見本板(塗色1a)との色差ΔE(分光光度計による)が0.30であり、目視評価はBランクであった。
Figure 2005200590
実施例1 赤ソリッド色塗料1の調色(本発明方法)
赤ソリッド色塗料1の塗色の基準配合への黒エナメル添加量と隠蔽の関係を調査したところ、黒エナメル添加量1.0%により十分隠蔽することがわかった。このためこの塗色について予め調色の目標となる目的塗色見本板(この見本板の塗色を「塗色2a」とする)に加え、基準配合に黒エナメルを1.0%添加した黒混合基準板(この基準板の塗色を「塗色2b」とする)を作成した。標準硬化膜厚での隠蔽率は、黒エナメル添加なしの場合、95.6%であり、黒エナメル添加量1.0%の場合、99.7%であった。隠蔽率はJIS K5400 7.2(1990)に規定の方法によって測定した。
下記表2に示した、目的塗料基準配合どおりに、見本板作成時とはロットの異なった原色エナメルを調合し、標準塗装条件にて塗装し塗板を作成した。この塗板(この見本板の塗色を「塗色2c」とする)と、調色の目標となる目的塗色見本板(塗色2a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、0.52であった。
本実施例においては黒混合基準配合による塗色(塗色2d)を黒混合基準板(塗色2b)に近づくよう調色を進め、調整後配合を得た。黒混合基準板(塗色2b)と調整後配合塗板(この塗板の塗色を「塗色2e」とする)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、0.17であった。また、この調整後配合から混合に使用した黒エナメルを除外した配合である目的塗料調整後配合の塗料から得た塗板(この塗板の塗色を「塗色2f」とする)と目標となる目的塗料見本板(塗色2a)との色一致性をみると、色差ΔE(分光光度計による)は0.17であり、目視評価はAランクであった。
Figure 2005200590
比較例2 赤マイカ色塗料2の調色(従来技術)
赤マイカ色塗料2を、下記表3に示した目的塗料基準配合どおりに、見本板作成時とはロットの異なった原色エナメルを調合し、標準塗装条件にて塗装し塗板を作成した。この塗板(この塗板の塗色を「塗色3b」とする)と、調色の目標となる目的塗色見本板(塗色3a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、2.09であった。
本比較例においてはコンピュータカラーマッチングシステムを使用し調色を進め、微調色3回の塗色(塗色3e)は、目標となる目的塗料見本板(塗色1a)との色差ΔE(分光光度計による)が1.32であり、目視評価はCランクであった。
Figure 2005200590
実施例2 赤マイカ色塗料2の調色
この塗色の基準配合は光輝材を含有する。「黒混合基準板(塗色4b)」の作成の際には光輝材を抜いた上で黒エナメル原色添加量と塗膜の隠蔽性の関係を調査した。この結果、標準硬化膜厚において黒エナメル添加量0.44%(光輝材量を含んだ基準配合量合計に対する比率)で十分隠蔽することがわかった。このためこの塗色について、調色の目標となる目的塗料見本板(塗色4a)の他に、基準配合から光輝材を抜き、さらに黒エナメルを0.44%添加(但し光輝材量を含んだ基準配合量合計に対する比率)した、「薄め色見本板(塗色4b)」を予め作成した。標準硬化膜厚での隠蔽率は、黒エナメル添加なしの場合、96.3%であり、黒エナメル添加量0.44%の場合、98.5%であった。隠蔽率は前出の方法によって測定した。
下記表4に示した、基準配合通りに、見本板作成時とはロットの異なった塗料を調合し、塗装し塗板を作成した。この塗板(塗色4c)と、調色の目標となる見本色塗板(塗色A)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、2.09であった。
本実施例においては黒混合塗料(塗色4d)を黒混合基準板(塗色4b)に近づけるよう調色を進め、調整後配合(塗色4e)を得た。黒混合基準板(塗色4b)と調整後配合塗板(塗色4e)との色差ΔE(分光光度計による)は、0.14であった。また、この調整後配合に使用した黒エナメルを除外し光輝材を所定通り配合して作成した目的塗料調整後塗料塗板(塗色4f)と調色の目標となる目的塗料見本板(塗色4a)とのとの色一致性をみると、色差ΔE(分光光度計による)は0.97であり、目視評価はBランクであった。
Figure 2005200590
上記比較例1、2、実施例1、2及び前記表1〜表4における塗装板の目視評価は下記基準に基いて行った。
目視評価:各塗色の標準となる基準板又は見本板と塗板とを目視により観察し、下記基準によりランクを評価した。
A:基準板又は見本板と差が認められず良好。
B:基準板又は見本板と比較してほんの僅かに差が認められるが良好。
C:基準板又は見本板と比較して差が認められるが、許容限度内であると判断できる。
D:基準板又は見本板と比較して差が限度を超えるものであり、許容範囲内にない。
本発明は、塗料分野において非隠蔽塗料の調色に利用できる。

Claims (6)

  1. 下記工程
    (1)調色色合わせの基準となる基準塗料が、基準膜厚において隠蔽率が98%未満の非隠蔽塗料であり、該基準塗料と黒エナメルとを所定配合比率で混合した上記基準膜厚における隠蔽率が98%以上の黒混合基準塗料について、黒混合基準板を予め得ておく工程、及び
    (2)目的色の非隠蔽塗料を調色により得る工程であって、該非隠蔽塗料を調色するに当り、調色途中の非隠蔽塗料の一部と黒エナメルとを上記所定配合比率で混合した黒混合塗料について、非隠蔽塗料と黒エナメルとの該所定配合比率を保持したまま、黒混合塗料塗装板を上記黒混合基準板に合せるように調色を行い、黒混合塗料の色が合格となる、非隠蔽塗料を得る工程、
    を有することを特徴とする非隠蔽塗料の調色方法。
  2. 上記工程(2)における非隠蔽塗料の調色を色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いて行うことを特徴とする請求項1記載の調色方法。
  3. 下記工程
    (A)基準塗料配合が既知であり、調色して色合わせをする光輝性塗料の基準塗料配合から光輝材と必要に応じて塗料添加剤とを除いてなる、該光輝性塗料の基準膜厚において隠蔽率が98%未満の非隠蔽塗料と黒エナメルとを所定配合比率で混合した上記基準膜厚における隠蔽率が98%以上の黒混合基準塗料について、黒混合基準板を予め得ておく工程、
    (B)光輝材と必要に応じて塗料添加剤とを除いた非隠蔽塗料を調色により得る工程であって、非隠蔽塗料を調色するに当り、調色途中の非隠蔽塗料の一部と黒エナメルとを上記所定配合比率で混合した黒混合エナメル塗料について、非隠蔽塗料と黒エナメルとの上記所定配合比率を保持したまま、黒混合エナメル塗料塗装板を上記黒混合基準板に合せるように調色を行い、黒混合エナメル塗料の色が合格となる非隠蔽塗料を得る工程、及び
    (C)上記工程(B)で得られた非隠蔽塗料に対して、光輝材及び必要に応じて塗料添加剤を混合する工程、
    を有することを特徴とする光輝性塗料の調色方法。
  4. 上記工程(B)における非隠蔽塗料の調色を色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いて行うことを特徴とする請求項3記載の調色方法。
  5. 上記工程(C)において、工程(B)で得た非隠蔽塗料に対して基準配合量の光輝材を加えて得た第一次調色塗料について塗装板を作成し、目的とする光輝性塗料の基準塗板との色一致性を判定し、色が合格であれば調色を終了し、色が不合格であれば更に光輝材量の調整による調色を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の調色方法。
  6. 上記工程(C)において、色一致性の判定を測色計及び/又は目視にて行うことを特徴とする請求項5記載の調色方法。
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