JP5846409B2 - 固体高分子形燃料電池用の導電性構造体及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用の導電性構造体及び固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、種々の電気電子部品、とりわけ燃料電池における電気的接続部分に適用され、接触抵抗を低減することができる導性構に関するものである。
地球環境保護や化石燃料の枯渇問題の観点から、燃料電池を電源とする電動自動車の開発が進められ、近年では、その実用段階に来ている。
このような燃料電池は、単独のセルだけでは発電量が小さいため、実用的な電力を取り出すためには、多数のセルを積層した燃料電池スタックとして稼働させる必要がある。
例えば、100℃以下での比較的低温で作動し、発電効率が高いとされている固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell、PEMFC:Proton Exchange Membrane Fuel Cell)において、単セルは、固体高分子電解質膜の両側に、空気極と燃料極を接合した膜電極接合体(MEA:Membrane−Electorode Assembly)を備え、この接合体のさらに両側にセパレータが配置されている。
なお、上記空気極及び燃料極は、それぞれガス拡散層と触媒層を備えた2層構造を有し、両触媒層がそれぞれ固体高分子電解質膜に接触している。
このような単セルは、複数個が積層され、両端部をエンドフランジで挟んだ状態で締結ボルトにより加圧保持されて一体化され、燃料電池スタックとなる。
こうして組み立てられた燃料電池スタックにおいて、上記セパレータは単セル間を電気的に接続する機能を有することから、このようなセパレータには、電気伝導性に優れると共に、隣接するセパレータやガス拡散層等の構成材料との接触抵抗が低いことが要求されることになる。
このような観点から、例えば特許文献1には、電極との接触面や隣接するセパレータとの接触面の表面粗さを、JIS B0601(2001)に規定される算術平均粗さRaで0.9〜3.0、負荷長さ率Rmr(50)で50以上としたセパレータが記載されている。
特開2009−218170号公報
しかしながら、接触抵抗は接点を構成する材料種と、接触面圧で一意的に決まってしまい、例えば貴金属である金をメッキした材料と比べて、接触抵抗を大幅に低減することはできないという問題があった。また、上記文献以外にも、Raに代表される粗さパラメータなど、表面粗さの調整によって、電気的な接点を増加させようとする試みもあるが、接触抵抗の低減には限度があるという問題があった。
本発明は、燃料電池を始めとする各種電気部品における電気的接続に関する上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、接触面圧が低い場合にも接触抵抗を低減することができる固体高分子形燃料電池用の導電性構造体及び固体高分子形燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の達成に向けて、鋭意検討を重ねた結果、固体高分子形燃料電池に適用され、導電性多孔質部材であるガス拡散層と、ガス拡散層に接触する導電性部材であるセパレータとからなり、セパレータが、ガス拡散層との接触面に導電性凹凸層を有し、導電性凹凸層は、その先端が鋭角をなす無数の針状又は錐状突起が配列されて成り、突起は、高さが1000nm以上9000nm以下であり、少なくとも突起の一部が、ガス拡散層に食い込んでいる構成とすることによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の固体高分子形燃料電池用の導電性構造体は、固体高分子形燃料電池に適用され、導電性多孔質部材であるガス拡散層と、ガス拡散層に接触する導電性部材であるセパレータとからなり、セパレータが、ガス拡散層との接触面に導電性凹凸層を有し、導電性凹凸層は、その先端が鋭角をなす無数の針状又は錐状突起が配列されて成り、突起は、高さが1000nm以上9000nm以下であり、少なくとも突起の一部が、ガス拡散層に食い込んでいることを特徴とする。
本発明によれば、固体高分子形燃料電池に適用され、導電性多孔質部材であるガス拡散層と、ガス拡散層に接触する導電性部材であるセパレータとからなる固体高分子形燃料電池用の導電性構造体であって、セパレータが、ガス拡散層との接触面に導電性凹凸層を有し、導電性凹凸層は、その先端が鋭角をなす無数の針状又は錐状突起が配列されて成り、突起は、高さが1000nm以上9000nm以下であり、少なくとも突起の一部が、ガス拡散層に食い込んでいる構成とすることによって、低面圧下でも、接触抵抗を低減することができる。
(a)(b)は本発明の導電性構における接触抵抗低減メカニズムを示す概略断面図である。 (a)(b)は従来の導電性部材間における接触抵抗発生のメカニズムを示す概略断面図である。 本発明の導電性構における接触抵抗に及ぼす突起高さの影響を示すグラフである。 電性凹凸層における突起の形状例を示す電子顕微鏡画像である。 電性凹凸層における突起の他の形状例を示す電子顕微鏡画像である。 本発明の導電性凹凸層を備えた導電性構における接触面圧と接触抵抗の関係を導電性凹凸層を備えていない場合と比較して示すグラフである。 面に二次突起を有する突起を備えた導電性凹凸層の表面形状例を示す電子顕微鏡画像である。 二次突起を備えた導電性凹凸層を備えた本発明の導電性構における接触抵抗を二次突起がない場合及び凹凸層自体がない場合と比較して示すグラフである。 電性凹凸層による接触抵抗を機械的加工による同じ表面粗さを備えた表面の場合と比較して示すグラフである。 電性凹凸層によるマイクロポーラス層との接触抵抗を凹凸層がない場合と比較して示すグラフである。
以下、導電性凹凸層及び本発明の導電性構について、さらに具体的、詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味するものとする。
導電性凹凸層は、例えば、電気的な接続がなされる導電性部材の一方の接触面に形成されるものであって、上記したように、先端が鋭角をなす針状又は錐状突起が無数に配列された構造を有する凹凸層である。
そして、本発明の固体高分子形燃料電池用の導電性構造体は、固体高分子形燃料電池に適用され、導電性多孔質部材であるガス拡散層と、ガス拡散層に接触する導電性部材であるセパレータとからなり、セパレータが、ガス拡散層との接触面に導電性凹凸層を有し、導電性凹凸層は、その先端が鋭角をなす無数の針状又は錐状突起が配列されて成り、突起は、高さが1000nm以上9000nm以下であり、少なくとも突起の一部が、ガス拡散層に食い込んでいるものである。
したがって、このような導電性凹凸層を接触面に設ければ、相手部材との接点数を増すことができ、突起の先端が鋭角をなしていることによって、相手部材に食い込み易くなり、さほど接触面圧を増加することなく相手部材との接触面積を増すことができ、接触抵抗の低減が可能となる。
図1は、本発明の導電性構を模式的に示す断面図であって、図1(a)に示すように、導電性凹凸層1は、基材としての導電性部材2の相手部材、この例ではカーボンペーパー(導電性多孔質部材)3との接触面に形成されており、無数の錐状突起1aを備えている。
そして、図1(b)に、矢印で示すように圧縮荷重を付与し、若干の接触面圧を加えることによって、上記突起1aが導電性多孔質部材3に食い込むことによって、部材3との接点を大幅に増加させ、より低荷重で接点数や接触面積を増加させることができる。
このような導性構を例えば燃料電池に適用すること、すなわち、導電性凹凸層1をセパレータに形成し、ガス拡散層との接触面に適用することによって、スタッキング荷重を減らすことができる。したがって、エンドプレートやテンションプレートといった締結材などの部材強度がさほど必要ではなくなり、材料コストの削減が可能になると共に、燃料電池の単位重量当たりの発電量が向上することになり、車載用の燃料電池により好適なものとなる。
これに対して、図2は、Raに代表される粗さパラメータによって表面粗さを規定した従来の凹凸層10による接触構造例の模式的断面図であって、図2(a)に示すように、部分的には鋭角状の凸部があったとしても、他の部位では先端面がなだらかであったり、凹部幅が狭かったりしている。したがって、平坦な材料面の表面積を増やすことはできるものの、相手部材に食い込むことはできず、図2(b)に示すように圧縮荷重を付与し、接触面圧を高めたとしても、接触面積はさほど変わらず、接触抵抗を効果的に低減させることはできない。
導電性凹凸層は、上記のように、先端が鋭角をなす針状又は錐状突起が無数に配列された構造のものであるが、これら突起の少なくとも一部の突起について、当該突起の側面からさらに同様の突起(2次突起)を延出させることによって樹状の突起とすることもできる。
これによって、単位面積当たりの突起(一次突起)数が少ない場合であっても、相手部材との接点数、接触面積を増すことができ、接触抵抗を減らすことができる。
このような凹凸層は、例えば、金属基材にNi−Fe合金めっき処理を施すことによって得ることができる。
なお、機械加工などによって針状の凹凸をつけることも可能であるが、高さがサブミクロンレベルの構造を複数形成する場合は、コストをも鑑みるとメッキ処理が最適であると考えられる。また、本メッキでは集中的に過度の電流を供給することでその形状を形成することができる。したがって、電解メッキが好ましく、無電解では十分な形状が得られない。
上記したNi−Fe合金めっき処理の場合、ニッケルイオンと鉄イオンが共存するめっき浴を用い、メッキ浴の温度やpH値、電流密度、通電(処理)時間、パルス電流波形などを調整することによって、突起の高さや密度を変えることができる。
例えば、通常の平滑な表面メッキを施す場合に比べて十分大きな電流を流すことで針状又は錐状の構造が形成され、その処理時間によって、高さを増やすことができる。さらに、電流供給を継続することで針状の壁面から2次突起を延出させた樹枝状の構造を形成することができる。突起の高さの限界はメッキ初期の条件によっても変化し、樹枝状構造の形成要因は必ずしも明らかではないが、時間と電流によってコントロールできることが確認されている。
電性凹凸層において、上記突起は、当該突起と同じ組成を有し、少なくとも1つの島状に分布する下地層の上に形成されており、島状領域内に無数に配列されていることが望ましい。
下地層が基材上に被覆されている割合は導電性と耐食性によって適宜決めることができる。すなわち、突起材料自身の導電性によって必要な数が決まり、突起を形成する島状の下地層の基材上の被覆率の上限及び下限が計算もしくは実験的に決まる。
一方、被覆率が100%でない場合、基材が表層に露出する。被覆率は、例えば基材自体の燃料電池作動環境下における耐食性によっても決定され得る。すなわち、耐食性に乏しい基材金属では、極力基材露出を抑制する必要がある。
また、上記突起の表面は、その材料よりも電導性や耐食性に優れた機能性膜によって覆われていることが望ましく、これによって長期に亘って良好な電気伝導性を確保して、相手部材との接触抵抗を低減することができる。なお、上記機能性膜としては、例えばAu(金)、Ag(銀)、Sn(錫)、C(炭素)、Pt(白金)、Ru(ルテニウム)、Pa(パラジウム)などの金属から成るものを挙げることができる。
電性構造体は、上記のように導電性多孔質部材と接触する導電性部材の接触面に、上記導電性凹凸層を形成した構造のものであるが、上記導電性凹凸層の突起の高さとしては、接触抵抗を低くする観点から、0.1μm以上であって、接触相手である導電性多孔質部材の厚さ以下であることが望ましい。
なお、本発明において、突起の高さとは、基材又は下地層から突起先端までの平均値と定義される。
すなわち、突起の高さは、断面観察による計測や、下地層と同一の組成で、表面処理条件を変えることで突起を形成する場合は、あらかじめ、条件を変える前で処理を中止し、基材+下地の厚さを計測することで、最終的に突起層が形成された状態における見かけ厚さを複数点計測することにより、平均値として算出することができる。
また、導電性構においては、上記導電性部材と導電性凹凸層の間に中間層を形成することが望ましい。
このような中間層は、基材金属が燃料電池作動環境下において十分な耐食性を有していない際に、基材の防錆を行う場合や、基材と機能性膜(凹凸層)との熱膨張率などが大きく異なり、燃料電池の起動停止時の熱変動によって剥離してしまう場合に、両材料の中間的な材料を使用することで、剥離を抑える役割としても果たす。
こうした中間層の材料としては、例えばAu,Ag,Sn,Crなどを用いることができ、中間層自体はそれらの金属で形成されていることが望ましいが、基材との界面や、凹凸層との界面においては、それぞれの材料が混ざり合った混合層を作っても構わない。
上記したFe−Niメッキ層では、基材にステンレス鋼を用いた場合、その主要成分がFeであるため、熱膨張については考慮する必要が無く、中間層を介在させることなく、ステンレス鋼表面の酸化皮膜を除去した後に形成することができる。
ステンレス鋼のような耐食性の高い材料を用いない場合、例えば炭素鋼などの場合には、中間層としてNiやCrなどを用いることも可能である。
そして、本発明の導電性構は、燃料電池における電気的な接続部分に好適に用いられることは、先に記載したとおりであるが、具体的な配置部位としては、導電性凹凸層はセパレータといった導電性部材に適用することができる。
このとき、これら部材の接触相手となる導電性多孔質部材としては、ガス拡散層ということになり、接触抵抗を大幅に少なくすることができ、電池重量当たりの発電出力を大幅に向上させることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
実施例1
〔めっき処理〕
基材金属として、厚さ0.1mm、1辺100mmの正方形をなすオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lを用い、電気化学的に表層の酸化皮膜を除去した後、めっき処理を施すことによって、上記基材金属の両面に、Ni−Fe合金から成り、それぞれ高さの異なる錐状突起を備えた導電性凹凸層を形成した。
めっき浴組成としては、公知の組成比として、FeSO・7HO=35、NiSO・6HO=240、NiCl・6HO=45、HBO=25、サッカリン=1.5(いずれもg/L)を準備し、pHを3に設定した。
Ni−Feめっき自体は、既に知られたものであり、液温:65℃、pH:3のめっき浴中に、上記金属基板を陰極に接続し、アノード極としてNi−Fe合金板を用い、攪拌子によって攪拌しながら、5〜12A/cmの電流密度で通電することを基本的な条件とした。
なお、錐状突起を備えためっき層は、処理面の各部に電流を集中させることによって得られる。メッキの種類によっては非直流電流によるパルスメッキにより、錐状突起成長の基点を形成することも可能である。この際も、パルス電流密度を大きく取ることが有効である。
ここでは、めっき浴温度を59〜60℃に保持し、電流密度を初期に5A/cmから増加させ10A/cmを流すことによって、200〜9000nmの高さの錐状突起を有する導電性凹凸層をそれぞれに備えた7種類の試料(発明例1〜7)を得た。
なお、上記導電性凹凸層はNi−Fe合金から成るものであって、耐食性が十分ではないため、得られた導電性凹凸層の表面に金めっきを0.02μmの厚さに施したのち、以下の接触抵抗の測定に供した。
金メッキは公知の技術として、メッキ浴に酸性、中性、アルカリ性のものが存在するが、ここでは、燃料電池内の作動下における環境が酸性であることを考慮し、酸性浴を用いた。すなわち、KAu(CN)=10g/Lに対して、クエン酸=90g/L前後を加えてpH4とし、浴温度40℃にて1A/dmの電流密度のもとに、上記の厚さとなるように通電時間を制御した。
〔接触抵抗測定〕
上記によって、両面にそれぞれ高さの異なる導電性凹凸層を形成したそれぞれの試料を厚さ200μmの2枚のカーボンペーパーの間に挟み、さらにその両側を20mm径の銅電極間に挟持し、ここでは1MPaで加圧することによって、試料とカーボンペーパーの間に接触面圧を付与した。この状態で銅電極間に1Aの直流電流を流し、このときの電圧降下から接触抵抗を算出した。
なお、導電性凹凸層を備えたそれぞれの発明例試料と比較するため、上記ステンレス鋼基材の表面をRzで0.05μmの粗さに仕上げたのち、上記同様の金めっきを施した試料(比較例1)を用意し、これを用いて接触抵抗を上記同様に測定した。これらの結果を図3に示す。
このとき、各発明例における錐状突起の高さについては、各試料の縦断面をSEM観察することによって測定した。
一方、突起の先端角度については、上部から確認すると、各突起は正確な角錐や円錐ではないため、突起の側面からの観察方向によっては先端角度が異なることになる。
発明例2及び発明例3について、同様の断面観察を行った結果から、形成された突起の先端角度は、それぞれ10〜60度、30〜60度前後であり、他の発明例においてもそれぞれ鋭角をなす先端を備えた突起が形成されていることが確認された。
図3に示した結果から明らかなように、導電性凹凸層における錐状突起の高さが大きくなるにしたがって、接触抵抗が減少し、1200nm付近で極小値となり、高さが1200nmを超えてからは、その増加と共に緩やかに接触抵抗が上昇する傾向が認められた。
なお、上記のカーボンペーパーは、同面圧において1mΩcm程度の電気抵抗を有していることから、実際の接触抵抗は、図3に示した数値から1mΩcmを差し引いた値となり、例えば高さ1000nmの発明例3の試料における一方のカーボンペーパーとの接触抵抗は、0.5mΩcm程度ということになる。なお、基材金属や銅板の抵抗値は極めて小さいので、無視することができる。
上記実施例により得られた導電性凹凸層形状の代表例として、発明例2及び3の電子顕微鏡画像を図4及び5にそれぞれ示す。
実施例2
上記実施例1で得られた発明例3(錐状突起高さ:1000nm)と、比較例1(凹凸層なし)の試料を用いて、接触抵抗に及ぼす面圧の影響を調査した。その結果を表1及び図6に示す。
本発明によれば、低面圧の領域から接触抵抗の低減傾向が認められる。また、接触抵抗は、面圧が高くなるにしたがって減少し、同一接触面圧下では、発明例3の試料における接触抵抗は、導電性凹凸層が形成されていない比較例1の場合の概ね半分程度に低減することが判明した。
Figure 0005846409
実施例3
上記発明例3と同様の条件で、上記ステンレス鋼基材の両面に1000nmの高さの錐状突起を形成した後、さらに電流を付与し続けて、上記突起の側面から、さらに2次突起を成長させた樹枝状突起を有する導電性凹凸層を備えた試料(発明例8)を得た。そして、その表面に同様の方法によって金めっきを施した。
当該試料における導電性凹凸層表面の電子顕微鏡画像を図7に示す。
また、上記により得られた試料を用いて、接触面圧1MPaの下での接触抵抗を同様に測定し、上記発明例3及び比較例1と比較した。この結果を図8に示す。
この結果、錐状突起の側面から延出する2次突起が形成されることによって、カーボンペーパーとの接点がさらに増加することから、発明例3の試料と較べて、接触抵抗のさらなる低減が確認された。
実施例4
上記したステンレス鋼基材の両面をサンドペーパーによって粗らし、Rzで0.5μmの粗さとしたのち、上記同様に厚さ0.02μmの金めっきを施した試料(比較例2)を作製した。
これを用いて、接触面圧0.2MPaと1MPaにおける接触抵抗を上記同様に測定し、Rzで0.5μmの表面粗さに相当する0.5μmの高さの錐状突起を有する導電性凹凸層を備えた発明例2の試料における接触抵抗と比較した。その結果を図9に示す。なお、図9における接触抵抗値は、カーボンペーパーと金属基材の固有抵抗値を控除した値で示した。
図9から明らかなように、錐状突起から成る凹凸層を備えた本発明の導電性構においては、Rzとして同等の表面粗さであっても、機械加工による粗面を備えた表面に較べてより低い接触抵抗を示し、特に高面圧の場合には、機械加工粗面の半分以下の抵抗値となることが確認された。
実施例5
上記各実施例においては、カーボンペーパーとの間の接触抵抗を測定したが、ここでは、固体高分子形燃料電池に用いられるマイクロポーラス層(MPL)との間の接触抵抗を発明例3(錐状突起高さ:1000nm)の試料について測定し、凹凸層のない比較例1の試料と比較した。
すなわち、10%のフッ素樹脂と90%のカーボン粉から成り、厚さ30μm、気孔率80%のフィルムをMPLとして使用した。
そして、上記カーボンペーパーに替えて、このフィルムによって発明例3及び比較例1で得られた試料をそれぞれ挟持した上で、さらにその両側を銅電極で挟み、1MPaの面圧を負荷した状態で、接触抵抗を同様に測定し、その結果を図10に示す。なお、図10においては、比較例1の試料による接触抵抗を「1」とする相対値で表した。
その結果、図に示すように、接触相手がMPLであっても、カーボンペーパーの場合と同様に、本発明の導電性構によって、接触抵抗が減少することが確認された。
1 導電性凹凸層
1a 錐状突起
2 導電性部材
3 カーボンペーパー(導電性多孔質部材)

Claims (4)

  1. 固体高分子形燃料電池に適用され、導電性多孔質部材であるガス拡散層と、該ガス拡散層に接触する導電性部材であるセパレータとからなり、
    上記セパレータが、上記ガス拡散層との接触面に導電性凹凸層を有し、
    上記導電性凹凸層は、その先端が鋭角をなす無数の針状又は錐状突起が配列されて成り、
    上記突起は、高さが1000nm以上9000nm以下であり、
    少なくとも上記突起の一部が、上記ガス拡散層に食い込んでいる
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池用の導電性構造体。
  2. 上記突起の表面が該突起の材料よりも導電性及び/又は耐食性に優れた機能性膜によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用の導電性構造体。
  3. 上記突起の少なくとも一部が当該突起の側面から延出した2次突起を備えた樹状をなしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用の導電性構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体高分子形燃料電池用の導電性構造体を適用した固体高分子形燃料電池であって、
    固体高分子電解質膜の両側に、空気極と燃料極を接合した膜電極接合体と、
    上記膜電極接合体の両側に配置されたセパレータと、を備え、
    上記空気極及び上記燃料極は、それぞれ触媒層とガス拡散層とを有し、
    上記触媒層が、固体高分子電解質膜に接触しており、
    上記ガス拡散層と上記セパレータが、上記導電性構造体からなる
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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