JP5845440B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、焦げ付き検知を備えた誘導加熱調理器に関するものである。
近年、鍋等の被加熱物を加熱コイルにより誘導加熱する誘導加熱調理器は、安全・清潔・高効率という優れた特徴が認知され、広く普及している。この種の誘導加熱調理器は、被加熱物の温度を検出するために、被加熱物から放射される赤外線エネルギを検出する赤外線センサを備えている。赤外線センサは、赤外線を透過可能な材料で形成されたトッププレートの赤外線入射領域から入射した、被加熱物から放射される赤外線を受光し、被加熱物の温度に応じて変化する信号を出力する。特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、2つの赤外線センサを用いて、互いに異なる2つの波長域の赤外線エネルギを検出し、これらの赤外線エネルギの関係から被加熱物の温度を検出し、その検出温度に基づいて加熱部の加熱制御を行っている。
図7は従来の誘導加熱調理器の構成図である。図7において、磁界発生コイル103は、通常の電磁誘導加熱を行なうために用いられる磁界発生コイルであり、電源回路121から端子両端に印加された高周波電流により磁力線を発生させるように構成されている。そして、この磁界発生コイル103に対して磁気結合された磁性材料製の被加熱物102の底部には、この磁力線により、渦電流が発生し、この渦電流が被加熱物102の電気抵抗によって熱に変わることで、被加熱物102の底部を加熱することができる。また、上記電源回路121により磁界発生コイル103に供給される電力調整や、電力供給開始又は停止を行なう制御回路120が設けられている。さらに、被加熱物102の底部から放射された赤外線の赤外線強度を検出する赤外線強度検出手段110が設けられ、さらに、制御回路120に、赤外線強度検出手段110により検出された赤外線強度に基づいて、被加熱物102の温度を検出可能な温度検出手段115が設けられている。また、制御回路120は、温度検出手段115により検出した被加熱物102の底部の温度に基づいて、電源回路121により磁界発生コイル103に供給される電力調整や、電力供給開始又は停止を行ない、被加熱物Nの自動温度設定や、過昇温時の緊急停止等を行うことができる。
特開2003−109736号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の誘導加熱調理器の構成では、被加熱物の温度が高い場合、過熱状態であると判断して安全性のため加熱を緊急停止する制御を行っている。ところが、調理中に鍋振りや鍋ずらし、鍋の持ち上げなどが行われた場合がある。このとき、赤外線入射領域から被加熱物が外れると、赤外線センサが受ける被加熱物からの赤外線エネルギは減少するが、赤外線センサは可視光等の外乱光を受光してしまう。これにより、被加熱物の温度が実際より高く判断されてしまい、過熱状態防止のための保護機能が動作し、加熱が停止され、調理に支障をきたすという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者がカレー調理などの煮込みを行うような調理において、調理途中で鍋振りや鍋ずらし、鍋の持ち上げなどが行われた場合に、誤って焦げ付き、または炒め物と検知させないように働かせることができ、焦げ付き検
知機能が動作して不必要に加熱が停止したり、炒め物と誤検知したりすることを避け、使用者が違和感なく調理を継続することができ、使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、調理容器を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下に設けられ前記調理容器を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、前記トッププレートの下に設けられ前記調理容器の底から放射され前記トッププレートを透過する赤外線を検知して前記調理容器の底温度に対応する出力電圧を出力する赤外線センサと、前記出力電圧が第1出力電圧値から前記第1出力電圧値よりも大きい第2出力電圧値以上に増加したことを検知すると前記調理容器底に調理物が焦げ付いたことを示す焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、複数の異なる出力設定値の中から、ひとつの前記出力設定値を選択するための出力設定部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給し、かつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御する制御部と、を備え、さらに、前記制御部には、前記赤外線センサの前記出力電圧を温度に換算する検知温度算出部を備え、さらに、前記焦げ付き検知部には、前記赤外線センサの前記出力電圧の上昇時間を測定する上昇時間測定部と、前記加熱動作を停止した後に前記検知温度の所定期間の温度低下を算出する温度低下算出部と、備え前記焦げ付き検知部は、前記温度低下算出部、及び前記上昇時間測定部による判定値が所定の範囲以上であると焦げ付き検知情報を出力する構成において、前記第2出力電圧以下の加熱状態において、すなわち煮物調理と炒め物調理の判別を行うまでの期間に、前記上昇時間測定部にて前記赤外線センサの出力値の温度変化勾配を測定し、使用者により前記調理容器られたり、ずらされたり、また、持ち上げられたりされることにより前記赤外線センサに外乱光が入射された場合、その温度変化勾配がある所定値以上となった場合に、前記炒め物調理と判定させないように構成したものである。
これによって、使用者が選択した加熱出力で加熱する加熱モードで、カレー調理のような煮物調理を行っている場合に、途中で調理容器を持ち上げられた場合に、誤って炒め物調理と検知させないように働かせることができ、使用者が違和感なく調理を継続することが可能で、使い勝手を向上させることができる。
本発明の誘導加熱調理器は、使用者が選択した加熱出力で加熱する加熱モードで、カレー調理のような煮物調理を行っている場合に、途中で調理容器を持ち上げられた場合に、誤って炒め物調理と検知させないように働かせることができ、使用者が違和感なく調理を継続することが可能で、使い勝手を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の全体構成図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの略回路図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの出力特性を示す図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の焦げ付き検知部の温度上昇時間測定動作及び温度低下測定動作を示す図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の焦げ付き検知部の焦げ付き動作の判定値の関係を示す図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の調理中に調理容器が持ち上げられた場合の赤外線センサの検知温度変化動作を示す図 従来の誘導加熱調理器の回路ブロック図
第1の明は、調理容器を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下に設けられ前記調理容器を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、前記トッププレートの下に設けられ前記調理容器の底から放射され前記トッププレートを透過する赤外線を検知
して前記調理容器の底温度に対応する出力電圧を出力する赤外線センサと、前記出力電圧が第1出力電圧値から前記第1出力電圧値よりも大きい第2出力電圧値以上に増加したことを検知すると前記調理容器底に調理物が焦げ付いたことを示す焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、複数の異なる出力設定値の中から、ひとつの前記出力設定値を選択するための出力設定部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給し、かつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御する制御部と、を備え、さらに、前記制御部には、前記赤外線センサの前記出力電圧を温度に換算する検知温度算出部を備え、さらに、前記焦げ付き検知部には、前記赤外線センサの前記出力電圧の上昇時間を測定する上昇時間測定部と、前記加熱動作を停止した後に前記検知温度の所定期間の温度低下を算出する温度低下算出部と、備え前記焦げ付き検知部は、前記温度低下算出部、及び前記上昇時間測定部による判定値が所定の範囲以上であると焦げ付き情報を出力する構成において、前記第2出力電圧以下の加熱状態において、すなわち煮物調理と炒め物調理の判別を行うまでの期間に、前記上昇時間測定部にて前記赤外線センサの出力値の温度変化勾配を測定し、使用者により前記調理容器られたり、ずらされたり、また、持ち上げられたりされることにより前記赤外線センサに外乱光が入射された場合、その温度変化勾配がある所定値以上となった場合に、前記炒め物調理と判定させないように構成したものである。
これによって、使用者が選択した加熱出力で加熱する加熱モードで、カレー調理のような煮物調理を行っている場合に、途中で調理容器を持ち上げられた場合に、誤って炒め物調理と検知させないように働かせることができ、使用者が違和感なく調理を継続することが可能で、使い勝手を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の全体構成図、図2は、赤外線センサ4の略回路図、図3は、赤外線センサ4の出力特性を示す図、図4は、焦げ付き検知部の温度上昇時間測定動作及び温度低下測定動作を示す図、図5は、焦げ付き検知部の焦げ付き動作の判定値の関係を示す図、図6は調理中に調理容器が持ち上げられた場合の赤外線センサの検知温度変化動作を示す図である。
図1において、機器上面に設けられたセラミック製のトッププレート1と、高周波磁界を発生させることによって、トッププレート1上の調理容器2(鍋)を誘導加熱する加熱コイル(誘導加熱コイル)3(外コイル3a及び内コイル3b)と、を備える。トッププレート1は、ガラスなどの電気絶縁物からなり、赤外線を透過する。加熱コイル3は、トッププレート1の下方に設けられている。加熱コイル3は、同心円状に2分割されて外コイル3aと内コイル3bを形成している。外コイル3aと内コイル3bの間に、隙間が設けられている。調理容器2は、加熱コイル3の高周波磁界により発生した渦電流によって発熱する。
トッププレート1の使用者側には、加熱の開始/停止などを使用者が指示するための操作部14が設けられている。また、操作部14と調理容器2との間に表示部(図示せず)が設けられている。
赤外線センサ4は、本実施の形態において、外コイル3aと内コイル3bとの間の隙間
の下方に設けられる(赤外線センサ設置位置は限定しない)。調理容器2の底面から放射された、調理容器2の底面温度に基づく赤外線は、トッププレート1を通って入射し、外コイル3aと内コイル3bとの間の隙間を通って、赤外線センサ4により受光される。赤外線センサ4は、受光した赤外線を検出し、検出した赤外線量に基づいた赤外線検出信号5を出力する。
加熱コイル3の下方には、商用電源6から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流平滑部7と、整流平滑部7から直流電圧を供給されて高周波電流を生成し、生成した高周波電流を加熱コイル3に出力するインバータ回路8とが設けられる。また、商用電源6と整流平滑部7との間に、商用電源6から整流平滑部7に流れる入力電流を検出するための入力電流検出部9が設けられている。
整流平滑部7は、ブリッジダイオードで構成される全波整流器10と、全波整流器10の出力端子間に接続された、チョークコイル16及び平滑コンデンサ17で構成されるローパスフィルタと、を有する。インバータ回路8は、スイッチング素子11(本実施の形態ではIGBT)と、スイッチング素子11と逆並列に接続されたダイオード12と、加熱コイル3に並列に接続された共振コンデンサ13と、を有する。インバータ回路8のスイッチング素子11がオン/オフすることによって、高周波電流が発生する。インバータ回路8と加熱コイル3は、高周波インバータを構成する。
本実施の形態1の誘導加熱調理器は、さらに、インバータ回路8のスイッチング素子11のオン/オフを制御することによって、インバータ回路8から加熱コイル3に供給される高周波電流を制御する制御部15を有する。制御部15は、操作部14から送信される信号及び赤外線センサ4が検出した温度に基づいて、スイッチング素子11のオン/オフを制御する(インバータ制御)。
制御部15は、赤外線センサ4の出力に基づいて加熱コイル3の高周波電流を制御して調理容器2の加熱電力量を制御し、赤外線センサ4の前記出力電圧を温度に換算する検知温度算出部30を備え、焦げ付き検知部31には、赤外線センサ4の出力電圧の上昇時間を測定する上昇時間測定部32と、前記加熱動作を停止した後に前記検知温度の所定期間の温度低下を算出する温度低下算出部33と、上昇時間測定部32と温度低下算出部33によって算出された値を記憶する記憶部34を有し、上昇時間測定部32と、温度低下算出部33による判定値35が所定の範囲以上であると焦げ付き検知情報を出力する。
操作部14は、表示部の手前側(使用者側)に設けられる。操作部14は、複数の静電容量式のスイッチ14a〜14dを含む。スイッチ14a〜14dは、調理に関する指示を入力するためのスイッチであって、加熱部の数に対応させて設けられている。なお、スイッチは、静電容量式に限定するものではなく、タクトスイッチのような押しボタン式でもよい。
各スイッチ14a〜14cには、それぞれ特定の機能が割り当てられている。例えば、スイッチ14aは、調理の開始及び終了を制御する機能が割り当てられた切/入スイッチである。使用者が操作して制御命令を入力するための操作部14には、出力設定部14b、動作モードを選択するための制御モード選択キー14cが設けられている。出力設定部14bには、出力設定値を1段階減少させるためのダウンキー14b2と1段階増加するためのアップキー14b1が設けられ、それらを操作することで複数の出力設定値(例えば、設定1=100W、設定2=300W、設定3=700W、設定4=1000W、設定5=1450W、設定6=2000W、設定7=3000Wの6段階設定5=2000W、設定6=3000Wの6段階)の加熱出力の中からひとつの出力設定値を選択して設定することができる。
制御部15は、スイッチ14a〜14cが押下されたことを検知すると、押下されたスイッチに基づいて、インバータ回路8を制御して、加熱コイル3に供給する高周波電流を制御する。
制御部15の制御モードは、加熱が停止した状態である待機モードとなる。待機モードでは、加熱動作時の動作を制御するための制御モードである動作モードが選択できる。待機モードにおいて制御モード選択キー14c操作すると複数の動作モードの中からひとつの動作モードを選択できる。
加熱モードが選択されて待機モードとなっているときに、加熱開始キー14aが押されると(操作されると)加熱動作が開始され、制御部15は出力設定値を自動的に「設定4=1000W」として加熱モードに移行する。加熱モードは使用者が選択した出力設定値で加熱する動作モードである。出力設定部14bはアップキー14b1とダウンキー14b2を備えており、制御部15が加熱モードで動作するときは、出力設定部14bを操作することにより出力設定値を変更することができる。出力設定部14bにより、出力設定値が変更されると、制御部15にそのことを伝達するための出力設定情報が出力される。制御部15は、インバータ回路8の入力電流を、カレントトランスを含む入力電流検出部9でモニタして、加熱出力が出力設定値となるようにインバータ回路8を構成するスイッチング素子11を制御して必要な大きさの高周波電流を誘導加熱コイル3に供給する。
図2に、赤外線センサ4の略回路図を示す。赤外線センサ4は、フォトダイオード21と、オペアンプ22と、抵抗23、24とを有する。抵抗23、24の一端はフォトダイオード21に接続され、他端はオペアンプ22の出力端子及び反転出力端子にそれぞれ接続されている。フォトダイオード21は、トッププレート1を透過するおよそ3ミクロン以下の波長の赤外線が照射されると電流が流れ、照射される赤外線の温度が高くなればなるほど、流れる電流の大きさ及び増加率が大きくなるInGaAs等で形成された受光素子である。フォトダイオード21により発生した電流は、オペアンプ22によって増幅され、調理容器2の温度を示す赤外線検出信号25(電圧値V0に相当)として、制御部15に出力される。赤外線センサ4は、調理容器2から放射され、トッププレート1を透過する赤外線を受光するため、トッププレート1を介して温度を検出するサーミスタと比較して、熱応答性が良い。
図3に、本実施の形態の赤外線センサ4の出力特性を示す。図3において、横軸は調理容器などの調理容器2の底面温度であり、縦軸は赤外線センサ4が出力する赤外線検出信号25の電圧値を示す。トッププレート1を透過するおよそ3ミクロン以下の波長の赤外線が照射されると電流が流れ、照射される赤外線の温度が高くなればなるほど、流れる電流の大きさ及び増加率が大きくなるInGaAs等で形成された受光素子であるため、例えば、120℃〜200℃を低温域、200℃〜250℃を中温域、250〜330℃を高温域と定義すると、照射される赤外線の温度(検出値)が大きくなればなるほど、増幅率を切り替え、低温域→中温域→高温域のように温度領域を切り替える。
本実施の形態においては、赤外線センサ4は、調理容器2の底面温度が約120〜200℃のときに赤外線検出信号25aを出力し、底面温度が約200〜250℃のときに赤外線検出信号25bを出力し、底面温度が約250〜330℃のときに赤外線検出信号25cを出力する特性を有する。また、赤外線センサ4は、調理容器2底面温度が約120℃未満のときには赤外線検出信号25を出力しない。この場合の「赤外線検出信号25を出力しない」とは、赤外線検出信号25を全く出力しないだけでなく、実質的に出力しないこと、すなわち制御部15が赤外線検出信号25の大きさの変化に基づいて調理容器2の底面の温度変化を実質的に読み取れない程の微弱な信号を出力することを含む。赤外線
検出信号25の出力値は、調理容器2の温度が約120℃以上になると、指数関数的に増加する。
なお、赤外線センサ4は、フォトダイオードに限定するものではない(フォトダイオードに替えてサーモパイルなどを使用してもよい)。
次に、図4、図5、図6を用いて、焦げ付き検知部31の構成とその焦げ付き検知動作について説明する。
以下、説明を簡単にするため出力設定は、「設定4=1000W」で変更されないものとする。制御部15は赤外線センサ4の出力電圧Vを入力してその大きさを測定しその情報を焦げ付き検知部31に送る。なお、焦げ付き検知部31は、制御部15を介在することなく赤外線センサ4から直接、出力電圧Vを入力してもよい。焦げ付き検知部31は、第1出力電圧値V1及び第1出力電圧値V1より大きい値の第2出力電圧値V2を予め記憶する温度記憶部を備えている(図示せず)。
図4に、摂氏温度で表記している値は、第1出力電圧値V1が、検知温度算出部30によって温度換算された値、例えば、調理容器2の底がTemp1(℃)(例えば約129℃)になったときに赤外線センサ4が出力する電圧としている。
同様にTemp2(℃)(例えば約159℃)を表す値は、第2出力電圧値V2が、検知温度算出部30によって温度換算された値、調理容器2の底が約159℃になったときに赤外線センサ4が出力する電圧としている。以降、出力電圧は温度換算し、赤外線センサの検知温度として摂氏温度で記す。
図4において、設定4で加熱されている調理容器2の底温度が上昇し、赤外線センサ4の温度が上昇し始めたとき、Temp1(℃)からTemp2(℃)までの上昇時間Tupを上昇時間測定部32によって測定し、上昇温度Temp2(℃)に到達してから、所定時間T(例えば10秒間)の間、加熱を停止して、調理容器2の底温度の低下温度を温度低下算出部33によって、1秒あたりの低下温度(10秒間の温度低下の平均値)Taveを算出する。
次に、図5に記すように、判定値の境界線以上の領域を煮物領域、判定値の境界線未満の領域を炒め物領域と定義し、算出した上昇時間と低下温度の平均値が座標(Tir1,Tave1)を確定した後、図5で記す領域に属するとすると、判定値の境界線対し境界線未満であることから、判定結果を炒め物とみなし焦げ付き検知することなく加熱を継続する。また、算出した上昇時間と低下温度の平均値が座標(Tir2,Tave2)を確定した後、判定値の境界線対し境界線以上であることから、判定結果を煮物と判定し、焦げ付き検知して加熱を停止する。
このような炒め物と煮物の区別を行うまでの状態において、例えば、使用者がカレーの煮込み調理を行っている場合、調理容器2を振ったり、ずらしたり、また、持ち上げたりした場合には、図6の破線で示すように赤外線センサ4の出力の温度変化勾配が急峻になり、炒め物時の温度変化勾配に近い温度変化を起こす。このTemp1(℃)からTemp2(℃)までの上昇時間Tup2を上昇時間測定部32によって測定し、その温度変化勾配がある所定の値以上となった場合には、炒め物と検知せずに加熱を継続する。
以上のことから、本実施の形態によれば、制御部15の焦げ付き検知部31は、出力設定4(1000W)で加熱されている調理容器2の底温度が上昇し、赤外線センサ4の温度が上昇し始めたとき、Temp1(℃)からTemp2(℃)までの上昇時間Tupを
上昇時間測定部32によって測定することで、上昇時間が短い炒め物系統の調理と上昇時間が長い煮物系統の調理を判別するが、上昇温度Temp2(℃)に到達してから、所定時間T(例えば10秒間)の間、加熱を停止して、調理容器2の底温度の低下温度を温度低下算出部33によって、1秒あたりの低下温度(10秒間の温度低下の平均値)Taveを算出することで、使用している調理容器2の底の厚みを推定でき、上昇時間と低下温度から推定される調理容器2の底の厚さとの関係を図5に記すリニアな比例式にすることで、煮物調理と炒め物調理の区別を高精度で判別することができ、この煮物調理と炒め物調理の区別を行うまでの状態において、例えば、使用者がカレーの煮込み調理を行っている場合、調理容器2を振ったり、ずらしたり、また、持ち上げたりした場合には、図6の破線で示すように赤外線センサ4の出力の温度変化勾配が急峻になり、炒め物時の温度変化勾配に近い温度変化を起こす。このTemp1(℃)からTemp2(℃)までの上昇時間Tup2を上昇時間測定部32によって測定し、その温度変化勾配がある所定の値以上となった場合には、炒め物と検知せずに加熱を継続することができ、誤って炒め物調理と検知させないよう働かせることができ、使用者が違和感なく調理を継続することが可能で、使い勝手を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、調理容器2の底面温度を赤外線センサ4で検知しているため、サーミスタなどの感温素子を使用する場合に比べて鍋底温度が応答性よく検出できるので焦げ付きを精度良く検出することができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、使用者が選択した出力設定で加熱する加熱モードでカレー調理のような煮物調理を行っている場合に、調理途中で調理容器を持ち上げられた場合に、誤って炒め物調理と検知させないように働かせることができ、使用者が違和感なく調理を継続することが可能で、使い勝手を向上させることができるので、組み込み式、テーブルの上で使用する卓上型、又は置き台の上で使用する据え置き型等で、家庭用又は業務用の、出力設定可能な誘導加熱調理器に適用できる。
1 トッププレート
2 調理容器
3 加熱コイル(誘導加熱コイル)
4 赤外線センサ
8 インバータ回路
14 操作部
15 制御部
30 検知温度算出部
31 焦げ付き検知部
32 上昇時間測定部
33 温度低下算出部
35 判定値

Claims (1)

  1. 調理容器を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下に設けられ前記調理容器を加熱する誘導加熱コイルを含むインバータと、前記トッププレートの下に設けられ前記調理容器の底から放射され前記トッププレートを透過する赤外線を検知して前記調理容器の底温度に対応する出力電圧を出力する赤外線センサと、前記出力電圧が第1出力電圧値から前記第1出力電圧値よりも大きい第2出力電圧値以上に増加したことを検知すると前記調理容器底に調理物が焦げ付いたことを示す焦げ付き情報を出力する焦げ付き検知部と、複数の異なる出力設定値の中から、ひとつの前記出力設定値を選択するための出力設定部と、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給し、かつ加熱出力が前記出力設定値となるように前記インバータの加熱動作を制御する制御部と、を備え、
    さらに、前記制御部には、前記赤外線センサの前記出力電圧を温度に換算する検知温度算出部を備え、
    さらに、前記焦げ付き検知部には、前記赤外線センサの前記出力電圧の上昇時間を測定する上昇時間測定部と、前記加熱動作を停止した後に前記検知温度の所定期間の温度低下を算出する温度低下算出部と、備え
    前記焦げ付き検知部は、前記温度低下算出部、及び前記上昇時間測定部による判定値が所定の範囲以上であると焦げ付き情報を出力する構成において、
    前記第2出力電圧以下の加熱状態において、すなわち煮物調理と炒め物調理の判別を行うまでの期間に、前記上昇時間測定部にて前記赤外線センサの出力値の温度変化勾配を測定し、使用者により前記調理容器られたり、ずらされたり、また、持ち上げられたりされることにより前記赤外線センサに外乱光が入射された場合、その温度変化勾配がある所定値以上となった場合に、前記炒め物調理と判定させないように構成した誘導加熱調理器。
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