JP5840187B2 - 光電変換素子およびその使用方法、光センサ、撮像素子 - Google Patents

光電変換素子およびその使用方法、光センサ、撮像素子 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子およびその使用方法、並びに、光センサおよび撮像素子に関する。
従来の光センサは、シリコン(Si)などの半導体基板中にフォトダイオード(PD)を形成した素子であり、固体撮像素子としては、PDを2次元的に配列し、各PDで発生した信号電荷を回路で読み出す平面型固体撮像素子が広く用いられている。
カラー固体撮像素子を実現するには、平面型固体撮像素子の光入射面側に、特定の波長の光を透過するカラーフィルタを配した構造が一般的である。現在、デジタルカメラなどに広く用いられている2次元的に配列した各PD上に、青色(B)光、緑色(G)光、赤色(R)光を透過するカラーフィルタを規則的に配した単板式固体撮像素子がよく知られている。
また、近年、有機光電変換膜を信号読み出し用基板上に形成した構造を有する固体撮像素子の開発が進んでいる。
このような有機光電変換膜を使用した固体撮像素子や光電変換素子では、特に光電変換効率や応答速度の向上、暗電流の低減が課題とされている。
さらに、素子を種々の用途に応用するというニーズの中で、高温環境下(例えば90℃)に長時間置かれたとしても、特性(高光電変換効率、応答性など)が維持されることが求められている。すなわち、優れた高温保存性が求められている。
このようななか、例えば、特許文献1には、アミンとチオフェンとカルボニルとを有する特定の構造の化合物を光電変換材料として使用した光電変換素子が開示されている。
特開2011−77198号公報
本発明者らが、特許文献1に記載の光電変換素子について検討を行ったところ、高速応答性(以下、単に応答性ともいう)が不十分であることが明らかになった。また、長時間高温環境下に置いたときに応答速度が低下することが明らかになった。すなわち、応答速度の高温保存性(以下、単に高温保存性ともいう)が不十分であることが明らかになった。
そこで本発明は、上記実情に鑑みて、応答性および高温保存性に優れた光電変換素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記光電変換素子の使用方法、並びに、上記光電変換素子を含む光センサおよび撮像素子を提供することも目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、光電変換材料として、後述する式(1)で表される化合物(A)を使用することで、応答性および高温保存性に優れた光電変換素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 導電性膜と、光電変換材料を含有する光電変換膜と、透明導電性膜とをこの順に備え、
上記光電変換材料が、後述する式(1)で表される化合物(A)を含む、光電変換素子。
(2) 上記化合物(A)が、後述する式(2)で表される化合物(a2)である、上記(1)に記載の光電変換素子。
(3) 上記式(1)中、R3とR5、および/または、R6とR8が互いに結合して環を形成する、上記(1)または(2)に記載の光電変換素子。
(4) 上記化合物(A)が、後述する式(3)で表される化合物(a3)である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換素子。
(5) 上記光電変換膜が、さらにn型有機半導体を含む、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光電変換素子。
(6) 上記n型有機半導体が、フラーレンおよびその誘導体からなる群より選択されるフラーレン類を含む、上記(5)に記載の光電変換素子。
(7) 前記導電性膜と前記透明導電性膜との間に、さらに電子ブロッキング層を備える、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光電変換素子。
(8) 上記導電性膜と、上記電子ブロッキング層と、上記光電変換膜と、上記透明導電性膜とをこの順に備え、または、上記導電性膜と、上記光電変換膜と、上記電子ブロッキング層と、上記透明導電性膜とをこの順に備える、上記(7)に記載の光電変換素子。
(9) 上記nが0〜3の整数である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光電変換素子。
(10) 上記化合物(A)と上記フラーレン類との合計含有量に対する上記フラーレン類の含有量(上記フラーレン類の単層換算での膜厚/(上記化合物(A)の単層換算での膜厚+上記フラーレン類の単層換算での膜厚))が、50体積%以上である、上記(6)〜(9)のいずれかに記載の光電変換素子。
(11) 光が上記透明導電性膜を介して上記光電変換膜に入射される、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の光電変換素子。
(12) 上記透明導電性膜が、透明導電性金属酸化物からなる、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の光電変換素子。
(13) 上記光電変換膜上に直接、上記透明導電性膜が積層された、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の光電変換素子。
(14) 上記(1)〜(13)のいずれかに記載の光電変換素子からなる光センサ。
(15) 上記(1)〜(13)のいずれかに記載の光電変換素子を含む撮像素子。
(16) 上記(1)〜(13)のいずれかに記載の光電変換素子の使用方法であって、
上記導電性膜と上記透明導電性膜とが一対の電極であり、上記一対の電極間に1×10-4〜1×107V/cmの電場を印加させる、光電変換素子の使用方法。
(17) 後述する式(2)で表される化合物(a2)。
(18) 後述する式(3)で表される化合物(a3)。
以下に示すように、本発明によれば、応答性および高温保存性に優れた光電変換素子を提供することができる。
また、本発明によれば、上記光電変換素子の使用方法、並びに、上記光電変換素子からなる光センサおよび上記光電変換素子を含む撮像素子を提供することができる。
図1(a)および図1(b)は、それぞれ光電変換素子の一構成例を示す断面模式図である。 撮像素子の1画素分の断面模式図である。
[光電変換素子]
本発明の光電変換素子は、導電性膜と、光電変換材料を含有する光電変換膜と、透明導電性膜とをこの順に備え、上記光電変換材料が、後述する式(1)で表される化合物(A)を含む。
以下に、本発明の光電変換素子について図面を参照して説明する。図1に、本発明の光電変換素子の一実施形態の断面模式図を示す。
図1(a)に示す光電変換素子10aは、下部電極として機能する導電性膜(以下、下部電極とも記す)11と、下部電極11上に形成された電子ブロッキング層16Aと、電子ブロッキング層16A上に形成された光電変換膜12と、上部電極として機能する透明導電性膜(以下、上部電極とも記す)15とがこの順に積層された構成を有する。
図1(b)に別の光電変換素子の構成例を示す。図1(b)に示す光電変換素子10bは、下部電極11上に、電子ブロッキング層16Aと、光電変換膜12と、正孔ブロッキング層16Bと、上部電極15とがこの順に積層された構成を有する。なお、図1(a)、図1(b)中の電子ブロッキング層16A、光電変換膜12、正孔ブロッキング層16Bの積層順は、用途、特性に応じて逆にしても構わない。
本発明の光電変換素子は、光電変換効率の観点から、光電変換膜12上に直接、透明導電性膜(上部電極)15が積層された態様であるのが好ましい。すなわち、図1(b)に示す態様よりも、図1(a)に示す態様であるのが好ましい。
光電変換素子10a(10b)の構成では、透明導電性膜15を介して光電変換膜12に光が入射されることが好ましい。
また、光電変換素子10a(10b)を使用する場合には、電場を印加することができる。この場合、導電性膜11と透明導電性膜15とが一対の電極をなし、この一対の電極間に、1×10-3〜1×107V/cmの電場を印加することが好ましく、1×10-4〜1×107V/cmの電場を印加することがより好ましい。性能および消費電力の観点から、1×10-4〜1×106V/cmの電場を印加することが好ましく、1×10-5〜5×105V/cmの電場を印加することがより好ましい。
なお、電圧印加方法については、図1(a)および(b)において、電子ブロッキング層16A側が陰極であり、光電変換膜12側が陽極となるように印加することが好ましい。光電変換素子10a(10b)を光センサとして使用した場合、また、撮像素子に組み込んだ場合も、同様の方法により電圧の印加を行うことができる。
以下に、光電変換素子10a(10b)を構成する各層(光電変換膜、下部電極、上部電極、電子ブロッキング層、正孔ブロッキング層など)の態様について詳述する。
まず、光電変換膜について詳述する。
[光電変換膜]
光電変換膜は、光電変換材料として後述する式(1)で表される化合物(A)を含む膜である。
本発明では光電変換材料として後述する化合物(A)を使用するため、応答性および高温保存性に優れた光電変換素子となると考えられる。
その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
化合物(A)は、後述する式(1)から分かるように、アミン部位と酸性核部位とがチオフェンを含む連結部位によって連結され、上記アミン部位と上記連結部位とが縮環した構造を有する。化合物(A)は上記のとおりアミン部位と上記連結部位とが縮環した構造を有するため、縮環していないものに比べ、アミン部位から連結部位にかけての分子構造の平面性が高く、また、自由度の小さい剛直な構造になっている。平面性の高さから分子間のパッキングが強くなり、分子間での電子またはホールの速やかな移動が可能となる。結果として、化合物(A)を光電変換材料として使用する光電変換素子は優れた応答性を示すものと考えられる。加えて、自由度の小さい剛直な構造になっているため、高温環境下に長時間置かれたとしても光電変換膜中のモルフォロジーの変化が小さく、応答性が優れた状態で維持されるものと考えられる。すなわち、優れた高温保存性を示すものと考えられる。
このことは、アミン部位と連結部位とが縮環していない化合物を使用した後述する比較例1〜4では、応答性および高温保存性が不十分であることからも推測される。
なお、上述のとおり、化合物(A)は電子供与性(ドナー性)であるアミン部位と電子受容性(アクセプター性)である酸性核部位とがチオフェンを含む連結部位で連結された構造を有するため、光吸収により化合物(A)の分子内では良好な電荷分離が生じる。結果として、化合物(A)を光電変換材料として使用する光電変換素子は高光電変換効率を示す。
<化合物(A)>
本発明において、光電変換材料として使用される化合物(A)は下記式(1)で表される。
上記式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す。なかでも、光電変換効率および応答性の観点から、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
1またはR2がアルキル基である場合、炭素数1〜22のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
アルキル基の置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。
1またはR2がアリール基である場合、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましい。アリール基を構成する環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環(2個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)、ターフェニル基(3個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)などが挙げられる。
アリール基の置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。
1またはR2がヘテロアリール基である場合、5員、6員もしくは7員の環またはその縮合環からなるヘテロアリール基が好ましい。ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子など挙げられる。ヘテロアリール基を構成する環の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、キサンテン環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、フェノキサジン環、チアントレン環、インドリジン環、キノリジン環、キヌクリジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環などが挙げられる。
ヘテロアリール基の置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。
上記式(1)中、R3〜R9は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。
3〜R8が置換基である場合、炭素数1〜10のアルキル基(特にメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基)、炭素数2〜10のアルケニル基(特にビニル基、アリル基)、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、炭素数1〜10のアルキルチオ基であることが好ましい。
9は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基(特にメチル基、エチル基)であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上記式(1)中、mは0または1を表す。mは、より高い光電変換効率を示すことから、1であることが好ましい。
上記式(1)中、nは0以上の整数を表す。nは、より優れた応答性を示す理由から、0〜3の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記式(1)中、R1とR2、R3とR4、R3とR5、R5とR6、R6とR8、R7とR8、R7とR9は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nが2以上である場合、複数のR7同士、複数のR8同士は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。形成される環には他の環(例えば、環R)が縮環してもよい。
mまたはnが1以上である場合、R3とR5、および/または、R6とR8は、光電変換効率、高温保存性の観点から、互いに結合して環を形成するのが好ましい。R3とR5、および/または、R6とR8が互いに結合して環を形成する場合、形成される環は、芳香族炭化水素環または芳香族複素環(特にヘテロ原子として硫黄原子を有する芳香族複素環)であることが好ましく、芳香族炭化水素環(特にベンゼン環)であることがより好ましい。
上記式(1)中、A1は酸性核を表す。ここでいう酸性核とは、化合物(A)のLUMOの値が、電子密度汎関数法(B3LYP/6−31G(d)レベル)で求めたとき、−2.2eVよりも小さくなるような置換基を表す。
より具体的には、米国特許3,567,719号、3,575,869号、3,804,634号、3,837,862号、4,002,480号、4,925,777号、特開平3−167546号などに記載されているものが挙げられる。
式(1)中、A1の具体例としては以下のものなどが挙げられる。
(a)1,3−ジカルボニル核:例えば、1,3−インダンジオン核、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等。
(b)ピラゾリノン核:例えば、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等。
(c)イソオキサゾリノン核:例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等。
(d)オキシインドール核:例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等。
(e)2,4,6−トリオキソヘキサヒドロピリミジン核:例えば、バルビツール酸または2−チオバルビツール酸およびその誘導体等。誘導体としては、例えば、1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体、1,3−ジメチル、1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体、1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体、1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−1−アリール体、1,3−ジ(2―ピリジル)等の1,3-ジヘテロアリール体等が挙げられる。
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核:例えば、ローダニンおよびその誘導体等。誘導体としては、例えば、3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン、3−フェニルローダニン等の3−アリールローダニン、3−(2−ピリジル)ローダニン等の3−ヘテロアリールローダニン等が挙げられる。
(g)2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H,5H)−オキサゾールジオン核:例えば、3−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等。
(h)チアナフテノン核:例えば、3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等。
(i)2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核:例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等。
(j)2,4−チアゾリジンジオン核:例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等。
(k)チアゾリン−4−オン核:例えば、4−チアゾリノン、2−エチル−4−チアゾリノン等。
(l)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核:例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(m)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核:例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(n)イミダゾリン−5−オン核:例えば、2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等。
(o)3,5−ピラゾリジンジオン核:例えば、1,2−ジフェニル−3,5−ピラゾリジンジオン、1,2−ジメチル−3,5−ピラゾリジンジオン等。
(p)ベンゾチオフェン−3(2H)−オン核:例えば、ベンゾチオフェン−3(2H)−オン、オキソベンゾチオフェン−3(2H)−オン、ジオキソベンゾチオフェンー3(2H)−オン等。
(q)インダノン核:例えば、1−インダノン、3−フェニル−1−インダノン、3−メチル−1−インダノン、3,3−ジフェニル−1−インダノン、3,3−ジメチル−1−インダノン等。
(r)ベンゾフラン−3−(2H)−オン核:例えば、ベンゾフラン−3−(2H)−オン等。
(s)2,2−ジヒドロフェナレン−1,3−ジオン核等。
これらはさらに置換基を有していてもよく、さらに他の環が縮環していてもよい。
なお、A1が置換基を有する場合、その置換基としては、例えば後述する置換基Wなどが挙げられる。
1は、応答性がより優れ、また高い光電変換効率を示す理由から、下記一般式(Z1)で表される基であることが好ましい。*は上記式(1)におけるR9の根元の炭素原子(言い換えると、R9が結合している炭素原子)との結合位置を表す。
2は少なくとも3つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。
1は、応答性がより優れ、また高い光電変換効率を示す理由から、下記一般式(Z2)で表される基または下記一般式(Z3)で表される基であることがより好ましく、一般式(Z3)で表される基がさらに好ましい。*は上記式(1)におけるR9の根本の炭素原子との結合位置を表す。
一般式(Z2)で表される基において、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基の好適な態様としては、ハロゲン原子(特に塩素原子)などが挙げられる。
11とR12、R12とR13、R13とR14は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。形成される環の好適な態様としては、置換基を有してもよいベンゼン環、置換基を有してもよいナフタレン環、置換基を有してもよいアントラセン環などが挙げられる。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。置換基の好適な態様としては、ハロゲン原子(特に塩素原子)などが挙げられる。
一般式(Z3)で表される基において、R21〜R26はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。R21とR22、R22とR23、R23とR24、R24とR25、R25とR26は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。形成される環の好適な態様は、上述した一般式(Z2)中のR11とR12、R12とR13、R13とR14が結合して形成される環と同じである。
上記式(1)中、R1およびR2のうち少なくとも一方は、R3、R4およびR5のいずれかと結合して環を形成する。これにより、化合物(A)は、アミン部位とチオフェンを含む連結部位とが縮環した構造を有することになる。結果として、上述のとおり、本発明の効果(優れた応答性および高温保存性)が得られるものと考えられる。
1およびR2のうち少なくとも一方が、R3、R4およびR5のいずれかと結合して形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。
形成される環は、2価の連結基Xを有していてもよい。つまり、R1およびR2のうち少なくとも一方が、R3、R4およびR5のいずれかと結合する際には、それぞれ互いに直接結合してもよいし、上記のような連結基Xを介して結合して環を形成してもよい。連結基Xとしては、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、アルキレン基(好ましくは、>CRab:ここでRaおよびRbは水素原子または炭化水素基)、シリレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、または−NRC−(RCは水素原子または置換基(例えば、上述した置換基W)を表す)などが挙げられる。
なお、R1およびR2のうち少なくとも一方が、R3、R4およびR5のいずれかとアルキレン基で結合して環を形成することが好ましく、ジメチルメチレン基で結合して環を形成することがさらに好ましい。
化合物(A)の好適な態様としては、例えば、下記式(4)で表される化合物(a4)が挙げられる。
上記式(4)中、R1〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(4)中、mおよびnの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(4)中、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。
10とR11は、互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。
10とR11が互いに結合して環を形成する場合、形成される環の好適な態様としては、1,3−インダンジオン環、1,3−ベンゾインダンジオン環、1,3−シクロヘキサンジオン環、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン環、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン環、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン環、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン環、1−(2−ベンゾチアゾイル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン環、ピリミジン−2,4,6−トリオン環などが挙げられる。
上記化合物(a4)の好適な態様としては、例えば、下記式(5)で表される化合物(a5)が挙げられる。
上記式(5)中、R1〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(5)中、mおよびnの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(5)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。
11とR12は、互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。形成される環の好適な態様は、上述した式(4)中のR10とR11が互いに結合して形成される環と同じである。
上記化合物(a5)の好適な態様としては、例えば、下記式(6)で表される化合物(a6)が挙げられる。
上記式(6)中、R1〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(6)中、mおよびnの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(6)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。
13とR14は、互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。形成される環の好適な態様としては、置換基を有してもよいベンゼン環、置換基を有してもよいナフタレン環、置換基を有してもよいアントラセン環などが挙げられる。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。置換基の好適な態様としては、ハロゲン原子(特に塩素原子)などが挙げられる。
上記化合物(a6)の好適な態様としては、例えば、下記式(2)で表される化合物(a2)が挙げられる。
上記式(2)中、R1〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(2)中、mおよびnの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(2)中、R15〜R18は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。置換基の好適な態様としては、ハロゲン原子(特に塩素原子)などが挙げられる。
15とR16、R16とR17、R17とR18は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。形成される環の好適な態様は、上述した式(6)中のR13とR14が互いに結合して形成される環と同じである。
上記化合物(a2)の好適な態様としては、例えば、下記式(3)で表される化合物(a3)が挙げられる。上記化合物(a2)が上記化合物(a3)であると光電変換効率が向上する。
上記式(3)中、R1〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(3)中、mおよびnの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(3)中、R15およびR18〜R22は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。置換基の好適な態様としては、ハロゲン原子(特に塩素原子)などが挙げられる。
15とR19、R19とR20、R20とR21、R21とR22、R22とR18は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。形成される環の好適な態様は、上述した式(6)中のR13とR14が互いに結合して形成される環と同じである。
化合物(A)の別の好適な態様としては、例えば、下記式(7)で表される化合物(a7)、下記式(8)で表される化合物(a8)、下記式(9)で表される化合物(a9)などが挙げられる。
上記式(7)中、R6〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(7)中、nの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(7)中、R71〜R74は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。なかでも、水素原子であることが好ましい。
上記式(7)中、R75の定義および好適な範囲は、上述した式(1)のR1およびR2と同じである。
71とR72、R72とR73、R73とR74、R71とR75は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。
上記式(7)中、X1は、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、置換基を有する窒素原子(−NR’−)、置換基を有する炭素原子(−CR’R’’-)、置換基を有するケイ素(−SiR’R’’−)原子を表す。なかでも、硫黄原子であることが好ましい。R’およびR’’は、それぞれ独立に置換基を表し、その定義は上記置換基Wと同様である。なかでも、R’およびR’’としては、アルキル基が好ましい。
上記式(7)中、X2は、単結合または連結基を表す。連結基の具体例は、上述したXと同じである。
上記式(7)中、A1の定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(8)中、R6〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(8)中、nの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(8)中、R71〜R74の定義および好適な態様は、上述した式(7)と同じである。
上記式(8)中、R75の定義および好適な態様は、上述した式(7)と同じである。
71とR75、R75とR81は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。
上記式(8)中、X2は、単結合または連結基を表す。連結基の具体例は、上述したXと同じである。
上記式(8)中、A1の定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(8)中、R81およびR82は、水素原子または置換基を表す。置換基としては、例えば、後述する置換基Wなどが挙げられる。なかでも水素原子であることが好ましい。R81とR82は、互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、後述する環Rなどが挙げられる。
上記式(9)中、R6〜R9の定義、具体例および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(9)中、nの定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
上記式(9)中、R71〜R74の定義および好適な態様は、上述した式(7)と同じである。
上記式(9)中、R75の定義および好適な態様は、上述した式(7)と同じである。
上記式(9)中、X2は、単結合または連結基を表す。連結基の具体例は、上述したXと同じである。
上記式(9)中、A1の定義および好適な態様は、上述した式(1)と同じである。
(置換基W)
本明細書における置換基Wについて記載する。
置換基Wとしては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基などが挙げられる。
なお、置換基の詳細については、特開2007-234651号公報の段落[0023]に記載される。
(環R)
本明細書における環Rについて記載する。
環Rとしては、例えば、芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環、非芳香族複素環、またはこれらが組み合わされて形成された多環縮合環などが挙げられる。より具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環などが挙げられる。
環Rは上記置換基Wを有してもよい。
化合物(A)は、公知の方法に従い、一部改変して実施することで製造することができる。以下に、化合物(A)で表される化合物の具体例(1)〜(62)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
化合物(A)のイオン化ポテンシャル(以下IPと略すことがある)は6.0ev以下であることが好ましく、5.8eV以下がより好ましく、5.6eV以下が特に好ましい。この範囲であれば、電極および他の材料が存在する場合、その材料との電子の授受を小さな電気抵抗で行うために好ましい。IPは理研計器(株)製AC−2を用いればよい。
化合物(A)は、紫外可視吸収スペクトルにおいて400nm以上720nm未満に吸収極大を有するものが好ましく、吸収スペクトルのピーク波長(吸収極大波長)は、可視領域の光を幅広く吸収するという観点から450nm以上700nm以下が好ましく、480nm以上650nm以下がより好ましく、510nm以上600nm以下が更に好ましい。
化合物(A)の吸収極大波長は、化合物(A)のクロロホルム溶液を、島津製作所社製UV−2550を用いて測定することができる。クロロホルム溶液の濃度は5×10-5〜1×10-7mol/lが好ましく、3×10-5〜2×10-6mol/lがより好ましく、2×10-5〜5×10-6mol/lが特に好ましい。
化合物(A)は、紫外可視吸収スペクトルにおいて400nm以上720nm未満に吸収極大を有し、その吸収極大波長のモル吸光係数が10000mol-1・l・cm-1以上であるものが好ましく、光電変換膜の膜厚を薄くし、高い電荷捕集効率、高速応答性の素子とするには、モル吸光係数が大きい材料が好ましい。化合物(A)のモル吸光係数としては5000mol-1・l・cm-1以上が好ましく、10000mol-1・l・cm-1以上がより好ましく、15000mol-1・l・cm-1以上が特に好ましい。化合物(A)のモル吸光係数は、クロロホルム溶液で測定したものである。
化合物(A)は、融点と蒸着温度との差(融点−蒸着温度)が大きいほど蒸着時に分解しにくく、高い温度をかけて蒸着速度を大きくすることができ好ましい。また、融点と蒸着温度の差(融点−蒸着温度)は40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。
また、化合物(A)の融点は200℃以上が好ましく、220℃以上がより好ましく、240℃以上が更に好ましい。融点が200℃以上であれば蒸着前に融解することが少なく、安定して成膜できることに加え、化合物の分解物が生じにくいため、光電変換性能が低下しにくいため好ましい。
化合物の蒸着温度は、4×10-4Pa以下の真空度でるつぼを加熱し、蒸着速度が0.4オングストローム/s(0.4×10-10m/s)に到達した温度とする。
化合物(A)のガラス転移点(Tg)は、95℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、135℃以上がさらに好ましく、150℃以上が特に好ましく、160℃以上が最も好ましい。ガラス転移点が高くなると、光電変換素子の耐熱性が向上するため好ましい。
化合物(A)の分子量は、300〜1500であることが好ましく、400〜1000であることがより好ましく、500〜800が特に好ましい。分子量が大きすぎると、蒸着温度が高くなり、分子が分解しやすくなり、小さすぎると光電変換膜のガラス転移点が低くなり、光電変換素子の耐熱性が悪化する。
化合物(A)は、撮像素子、光センサ、または光電池に用いる光電変換膜の材料として特に有用である。なお、通常、化合物(A)は、光電変換膜内でp型有機半導体(化合物)として機能する。また、他の用途として、着色材料、液晶材料、有機半導体材料、有機発光素子材料、電荷輸送材料、医薬材料、蛍光診断薬材料、等としても用いることもできる。
<その他材料>
光電変換膜は、さらにp型有機半導体(化合物)またはn型有機半導体(化合物)の光電変換材料を含有してもよい。
p型有機半導体(化合物)は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物等を用いることができる。
n型有機半導体(化合物)とは、アクセプター性有機半導体であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機半導体は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。好ましくは、フラーレンおよびその誘導体からなる群より選択されるフラーレン類、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有するヘテロ環化合物(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。
上記n型有機半導体(化合物)としては、フラーレンおよびその誘導体からなる群より選択されるフラーレン類が好ましい。フラーレンとは、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC80、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC96、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレンを表し、フラーレン誘導体とはこれらに置換基が付加された化合物のことを表す。置換基としては、アルキル基、アリール基、または複素環基が好ましい。フラーレン誘導体としては、特開2007−123707号公報に記載の化合物が好ましい。
光電変換膜は、上記化合物(A)と、フラーレンおよびその誘導体からなる群より選択されるフラーレン類とが混合された状態で形成されるバルクヘテロ構造をなしていることが好ましい。バルクヘテロ構造は光電変換膜内で、p型有機半導体(例えば、化合物(A))とn型有機半導体が混合、分散している膜であり、湿式法、乾式法のいずれでも形成できるが、共蒸着法で形成するものが好ましい。へテロ接合構造を含有させることにより、光電変換膜のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換膜の光電変換効率を向上させることができる。なお、バルクへテロ接合構造については、特開2005−303266号公報の[0013]〜[0014]等において詳細に説明されている。
光電変換膜における上記化合物(A)に対するn型有機半導体のモル比率(n型有機半導体/上記化合物(A))は、0.5以上であることが好ましく、1以上10以下であることがより好ましく、2以上5以下であることが更に好ましい。
光電変換素子の応答性の観点から、化合物(A)とフラーレン類との合計の含有量に対するフラーレン類の含有量(=フラーレン類の単層換算での膜厚/(化合物(A)の単層換算での膜厚+フラーレン類の単層換算での膜厚))が、50体積%以上であることが好ましく、55体積%以上であることがより好ましく、65体積%以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、95体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがより好ましい。
化合物(A)および有機n型化合物が含まれる光電変換膜は非発光性膜であり、有機電界発光素子(OLED)とは異なる特徴を有する。非発光性膜とは発光量子効率が1%以下の膜の場合であり、0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが更に好ましい。
<製膜方法>
光電変換膜12は、乾式成膜法または湿式成膜法により成膜することができる。乾式成膜法の具体例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法、または、プラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等が用いられる。好ましくは乾式成膜法であり、真空蒸着法がより好ましい。真空蒸着法により成膜する場合、真空度、蒸着温度等の製造条件は常法に従って設定することができる。
光電変換膜12の厚みは、10nm以上1000nm以下が好ましく、50nm以上800nm以下がより好ましく、100nm以上500nm以下が特に好ましい。10nm以上とすることにより、好適な暗電流抑制効果が得られ、1000nm以下とすることにより、好適な光電変換効率が得られる。
[電極]
電極(上部電極(透明導電性膜)15と下部電極(導電性膜)11)は、導電性材料から構成される。導電性材料としては、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができる。
上部電極15から光が入射されるため、上部電極15は検知したい光に対し十分透明であることが必要である。具体的には、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属薄膜、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、高導電性、透明性等の点から、透明導電性金属酸化物である。
TCOなどの透明導電膜を上部電極15とした場合、DCショート、あるいはリーク電流増大が生じる場合がある。この原因の一つは、光電変換膜12に導入される微細なクラックがTCOなどの緻密な膜によってカバレッジされ、反対側の下部電極11との間の導通が増すためと考えられる。そのため、アルミなど膜質が比較的劣る電極の場合、リーク電流の増大は生じにくい。上部電極15の膜厚を、光電変換膜12の膜厚(すなわち、クラックの深さ)に対して制御することにより、リーク電流の増大を大きく抑制できる。上部電極15の厚みは、光電変換膜12厚みの1/5以下、好ましくは1/10以下であるようにすることが望ましい。
通常、導電性膜をある範囲より薄くすると、急激な抵抗値の増加をもたらすが、本実施形態に係る光電変換素子を組み込んだ固体撮像素子では、シート抵抗は、好ましくは100〜10000Ω/□でよく、薄膜化できる膜厚の範囲の自由度は大きい。また、上部電極(透明導電性膜)15は厚みが薄いほど吸収する光の量は少なくなり、一般に光透過率が増す。光透過率の増加は、光電変換膜12での光吸収を増大させ、光電変換能を増大させるため、非常に好ましい。薄膜化に伴う、リーク電流の抑制、薄膜の抵抗値の増大、透過率の増加を考慮すると、上部電極15の膜厚は、5〜100nmであることが好ましく、更に好ましくは5〜20nmであることが望ましい。
下部電極11は、用途に応じて、透明性を持たせる場合と、逆に透明を持たせず光を反射させるような材料を用いる場合等がある。具体的には、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル、チタン、タングステン、アルミ等の金属およびこれらの金属の酸化物や窒化物などの導電性化合物(一例として窒化チタン(TiN)を挙げる)、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOまたは窒化チタンとの積層物などが挙げられる。
電極を形成する方法は特に限定されず、電極材料との適正を考慮して適宜選択することができる。具体的には、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等により形成することができる。
電極の材料がITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で形成することができる。更に、ITOを用いて作製された膜に、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。電極の材料がTiNの場合、反応性スパッタリング法をはじめとする各種の方法が用いられ、更にUV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。
[電荷ブロッキング層:電子ブロッキング層、正孔ブロッキング層]
本発明の光電変換素子は、電荷ブロッキング層を有していてもよい。該層を有することにより、得られる光電変換素子の特性(光電変換効率、応答速度など)がより優れる。電荷ブロッキング層としては、電子ブロッキング層と正孔ブロッキング層とが挙げられる。以下に、それぞれの層について詳述する。
<電子ブロッキング層>
電子ブロッキング層には、電子供与性有機材料を用いることができる。具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポルフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができる。電子供与性化合物でなくとも、十分なホール輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。具体的には特開2008−72090号公報の[0083]〜[0089]、特開2011−176259号公報の[0043]〜[0063]、特開2011−228614号公報の[0121]〜[0148]、特開2011−228615号公報の[0108]〜[0156]に記載の化合物が好ましい。
なお、電子ブロッキング層は、複数層で構成してもよい。
電子ブロッキング層としては無機材料を用いることもできる。一般的に、無機材料は有機材料よりも誘電率が大きいため、電子ブロッキング層に用いた場合に、光電変換膜に電圧が多くかかるようになり、光電変換効率を高くすることができる。電子ブロッキング層となりうる材料としては、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化クロム銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ガリウム銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム銅、酸化インジウム銀、酸化イリジウム等がある。電子ブロッキング層が単層の場合にはその層を無機材料からなる層とすることができ、または、複数層の場合には1つまたは2以上の層を無機材料からなる層とすることができる。
<正孔ブロッキング層)>
正孔ブロッキング層には、電子受容性有機材料を用いることができる。
電子受容性材料としては、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、バソクプロイン、バソフェナントロリン、およびこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物などを用いることができる。また、電子受容性有機材料でなくとも、十分な電子輸送性を有する材料ならば使用することは可能である。ポルフィリン系化合物や、DCM(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(4−(ジメチルアミノスチリル))−4Hピラン)等のスチリル系化合物、4Hピラン系化合物を用いることができる。具体的には特開2008−72090号公報の[0073]〜[0078]に記載の化合物が好ましい。
電荷ブロッキング層の製造方法は特に制限されず、乾式製膜法または湿式製膜法により製膜できる。乾式製膜法としては、蒸着法、スパッタ法等が使用できる。蒸着は、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)のいずれでもよいが、真空蒸着等の物理蒸着が好ましい。湿式製膜法としては、インクジェット法、スプレー法、ノズルプリント法、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等が使用可能であるが、高精度パターニングの観点からはインクジェット法が好ましい。
電荷ブロッキング層(電子ブロッキング層および正孔ブロッキング層)の厚みは、それぞれ、10〜200nmが好ましく、更に好ましくは30〜150nm、特に好ましくは50〜100nmである。この厚みが薄すぎると、暗電流抑制効果が低下してしまい、厚すぎると光電変換効率が低下してしまうためである。
[基板]
本発明の光電変換素子は、さらに基板を含んでいてもよい。使用される基板の種類は特に制限されず、半導体基板、ガラス基板、またはプラスチック基板を用いることができる。
なお、基板の位置は特に制限されないが、通常、基板上に導電性膜、光電変換膜、および透明導電性膜をこの順で積層する。
[封止層]
本発明の光電変換素子は、さらに封止層を含んでいてもよい。光電変換材料は水分子などの劣化因子の存在で顕著にその性能が劣化してしまうことがあり、水分子を浸透させない緻密な金属酸化物・金属窒化物・金属窒化酸化物などセラミクスやダイヤモンド状炭素(DLC)などの封止層で光電変換膜全体を被覆して封止することが上記劣化を防止することができる。
なお、封止層としては、特開2011−082508号公報の段落[0210]〜[0215]に記載に従って、材料の選択および製造を行ってもよい。
[光センサ]
光電変換素子の用途として、例えば、光電池と光センサが挙げられるが、本発明の光電変換素子は光センサとして用いることが好ましい。光センサとしては、上記光電変換素子単独で用いたものでもよいし、上記光電変換素子を直線状に配したラインセンサや、平面上に配した2次元センサの形態とするものが好ましい。本発明の光電変換素子は、ラインセンサでは、スキャナー等の様に光学系および駆動部を用いて光画像情報を電気信号に変換し、2次元センサでは、撮像モジュールのように光画像情報を光学系でセンサ上に結像させ電気信号に変換することで撮像素子として機能する。
光電池は発電装置であるため、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が重要な性能となるが、暗所での電流である暗電流は機能上問題にならない。更にカラーフィルタ設置等の後段の加熱工程が必要ない。光センサは明暗信号を高い精度で電気信号に変換することが重要な性能となるため、光量を電流に変換する効率も重要な性能であるが、暗所で信号を出力するとノイズとなるため、低い暗電流が要求される。更に後段の工程に対する耐性も重要である。
[撮像素子]
次に、光電変換素子10aを備えた撮像素子の構成例を説明する。
なお、以下に説明する構成例において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号または相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
撮像素子とは画像の光情報を電気信号に変換する素子であり、複数の光電変換素子が同一平面状でマトリクス上に配置されており、各々の光電変換素子(画素)において光信号を電気信号に変換し、その電気信号を画素ごとに逐次撮像素子外に出力できるものをいう。そのために、画素ひとつあたり、一つの光電変換素子、一つ以上のトランジスタから構成される。
図2は、本発明の一実施形態を説明するための撮像素子の概略構成を示す断面模式図である。この撮像素子は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、電子内視鏡、携帯電話機等の撮像モジュール等に搭載して用いられる。
この撮像素子は、図1に示したような構成の複数の光電変換素子と、各光電変換素子の光電変換膜で発生した電荷に応じた信号を読み出す読み出し回路が形成された回路基板とを有し、該回路基板上方の同一面上に、複数の光電変換素子が1次元状または二次元状に配列された構成となっている。
図2に示す撮像素子100は、基板101と、絶縁層102と、接続電極103と、画素電極(下部電極)104と、接続部105と、接続部106と、光電変換膜107と、対向電極(上部電極)108と、緩衝層109と、封止層110と、カラーフィルタ(CF)111と、隔壁112と、遮光層113と、保護層114と、対向電極電圧供給部115と、読出し回路116とを備える。
画素電極104は、図1に示した光電変換素子10aの下部電極11と同じ機能を有する。対向電極108は、図1に示した光電変換素子10aの上部電極15と同じ機能を有する。光電変換膜107は、図1に示した光電変換素子10aの下部電極11および上部電極15間に設けられる層と同じ構成である。
基板101は、ガラス基板またはSi等の半導体基板である。基板101上には絶縁層102が形成されている。絶縁層102の表面には複数の画素電極104と複数の接続電極103が形成されている。
光電変換膜107は、複数の画素電極104の上にこれらを覆って設けられた全ての光電変換素子で共通の層である。
対向電極108は、光電変換膜107上に設けられた、全ての光電変換素子で共通の1つの電極である。対向電極108は、光電変換膜107よりも外側に配置された接続電極103の上にまで形成されており、接続電極103と電気的に接続されている。
接続部106は、絶縁層102に埋設されており、接続電極103と対向電極電圧供給部115とを電気的に接続するためのプラグ等である。対向電極電圧供給部115は、基板101に形成され、接続部106および接続電極103を介して対向電極108に所定の電圧を印加する。対向電極108に印加すべき電圧が撮像素子の電源電圧よりも高い場合は、チャージポンプ等の昇圧回路によって電源電圧を昇圧して上記所定の電圧を供給する。
読出し回路116は、複数の画素電極104の各々に対応して基板101に設けられており、対応する画素電極104で捕集された電荷に応じた信号を読出すものである。読出し回路116は、例えばCCD、CMOS回路、またはTFT回路等で構成されており、絶縁層102内に配置された図示しない遮光層によって遮光されている。読み出し回路116は、それに対応する画素電極104と接続部105を介して電気的に接続されている。
緩衝層109は、対向電極108上に、対向電極108を覆って形成されている。封止層110は、緩衝層109上に、緩衝層109を覆って形成されている。カラーフィルタ111は、封止層110上の各画素電極104と対向する位置に形成されている。隔壁112は、カラーフィルタ111同士の間に設けられており、カラーフィルタ111の光透過効率を向上させるためのものである。
遮光層113は、封止層110上のカラーフィルタ111および隔壁112を設けた領域以外に形成されており、有効画素領域以外に形成された光電変換膜107に光が入射する事を防止する。保護層114は、カラーフィルタ111、隔壁112、および遮光層113上に形成されており、撮像素子100全体を保護する。
このように構成された撮像素子100では、光が入射すると、この光が光電変換膜107に入射し、ここで電荷が発生する。発生した電荷のうちの正孔は、画素電極104で捕集され、その量に応じた電圧信号が読み出し回路116によって撮像素子100外部に出力される。
撮像素子100の製造方法は、次の通りである。
対向電極電圧供給部115と読み出し回路116が形成された回路基板上に、接続部105,106、複数の接続電極103、複数の画素電極104、および絶縁層102を形成する。複数の画素電極104は、絶縁層102の表面に例えば正方格子状に配置する。
次に、複数の画素電極104上に、光電変換膜107を例えば真空加熱蒸着法によって形成する。次に、光電変換膜107上に例えばスパッタ法により対向電極108を真空下で形成する。次に、対向電極108上に緩衝層109、封止層110を順次、例えば真空加熱蒸着法によって形成する。次に、カラーフィルタ111、隔壁112、遮光層113を形成後、保護層114を形成して、撮像素子100を完成する。
撮像素子100の製造方法においても、光電変換膜107の形成工程と封止層110の形成工程との間に、作製途中の撮像素子100を非真空下に置く工程を追加しても、複数の光電変換素子の性能劣化を防ぐことができる。この工程を追加することで、撮像素子100の性能劣化を防ぎながら、製造コストを抑えることができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(例示化合物(1)の合成)
2−iso−プロペニルアニリン(18.6g、140mmol)、酢酸パラジウム(1.57g、7.00mmol)、トリ(t−ブチル)ホスフィン(2.83g、14.0mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(33.64g、350mmol)、および6−ブロモ−ベンゾチオフェン(14.9g、70mmol)をトルエン(560mL)に溶解させ、窒素雰囲気下、2時間沸点還流にて反応させた。室温に戻した後、これに飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出を行った。油層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過を行った。濃縮後、反応混合物をシリカゲルカラム(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン=1/14)によって分離することで化合物1(16.2g)を得た。
化合物1(7.96g,30.0mmol)を酢酸(270mL)と塩酸(30mL)との混合溶媒中に加え、70℃で1.5時間攪拌した。室温に戻した後、反応溶液を水(1500mL)へ添加し、析出した固体をろ過、乾燥した。この反応混合物をシリカゲルカラム(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/9)によって分離することで化合物2(3.80g)を得た。
ヨードベンゼン(3.67g,18.0mmol)、酢酸パラジウム(269mg,1.20mmol)、トリ(t−ブチル)ホスフィンの1Mトルエン溶液(2.40mL,2.40mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(5.76g,60.0mmol)、および化合物2(3.18g,12.0mmol)をトルエン(96mL)に溶解させ、窒素雰囲気下、1.5時間沸点還流にて反応させた。室温に戻した後、これに飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出を行った。油層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過を行った。濃縮後、反応混合物をシリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/9)によって分離することで化合物3(3.45g)を得た。
化合物3(2.75mg,8.05mmol)を窒素雰囲気下、THF(120mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。この反応溶液へn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)(8.05mL,12.9mmol)を滴下し、1時間撹拌後、N,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL,25.9mmol)を滴下した。反応溶液を室温まで昇温後、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出を行った。油層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過を行った。濃縮後、アセトニトリルから再結晶することで化合物4(2.1g)得た。
化合物4(500mg、1.35mmol)、1,3−ベンゾインダンジオン(292mg、1.49mmol)、N−メチルピペラジン(4.10mg,0.041mmol)をオクタン(10mL)に溶解させ、125℃で4時間反応させた。室温に戻した後、ろ過を行い、ヘキサンで洗浄した。ろ過物をアニソールから再結晶することで例示化合物(1)(610mg)得た。
(例示化合物(3)の合成)
化合物4(500mg、1.35mmol)、6,7−ジクロロ−1,3−インダンジオン(320mg、1.49mmol)、N−メチルピペラジン(4.10mg,0.041mmol)をオクタン(10mL)に溶解させ、125℃で4時間反応させた。室温に戻した後、ろ過を行い、ヘキサンで洗浄した。ろ過物をアニソールから再結晶することで例示化合物(3)(580mg)得た。
(例示化合物(10)の合成)
化合物4(1.98g、5.35mmol)、o−ヒドロキシアセトフェノン(874mg、6.42mmol)、ピペリジン(547mg、6.42mmol)をエタノール(40mL)に溶解させ、90℃で12時間反応させた。室温に戻した後、ろ過し、ろ過物をシリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=9/1)によって分離することすることで化合物5を(1.56g)得た。
化合物5(1.22g、2.50mmol)、ヨウ素(1.02g、4.00mmol)をピリジンに溶解させ、90℃で4時間反応させた。室温に戻した後、これに1M亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。油層を飽和食塩水で洗浄したのち、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過を行った。濃縮後、反応混合物をシリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=9/1)によって分離することで化合物6(724mg)を得た。
化合物6(710mg、1.46mmol)、1,3−インダンジオン(320mg、2.19mmol)、および、N−メチルピペラジン(4.10mg,0.041mmol)を無水酢酸(10mL)に溶解させ、100℃で6時間反応させた。室温に戻した後、ろ過物をアニソールから再結晶することで例示化合物(10)を(542mg)得た。
(例示化合物(35)の合成)
チエノ[3,2−b]チオフェン(1.40g、10.0mmol)、N−ブロモスクシンイミド(1.78g、10.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させ、氷浴で4時間反応させた。水を加え、酢酸エチルで抽出を行い、油層を飽和食塩水で洗浄したのち、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過を行った。濃縮後、反応混合物をシリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン/ヘキサン=1/9)によって分離することで2−ブロモチエノ[3,2−b]チオフェン(1.56g)を得た。
6−ブロモ−ベンゾチオフェンの代わりに2−ブロモチエノ[3,2−b]チオフェンを用いて、例示化合物(1)と同様の方法で、例示化合物(35)を合成した。
(例示化合物(47)の合成)
6−ブロモ−ベンゾチオフェンの代わりに2−ブロモチオフェン(東京化成工業(株)製)を用いて、例示化合物(1)と同様の方法で、例示化合物(47)を合成した。
(例示化合物(51)の合成)
6−ブロモ−ベンゾチオフェンの代わりに2−ブロモチオフェン(東京化成工業(株)製)を用い、かつ、1,3−インダンジオンの代わりに1,3−ベンゾインダンジオンを用いて、例示化合物(10)と同様の方法で、例示化合物(51)を合成した。
(例示化合物(56)の合成)
6−ブロモベンゾチオフェン(東京化成工業(株)製)を用いて、特許文献1に記載の方法と例示化合物(1)の合成法の組み合わせで例示化合物(56)を合成した。
なお、例示化合物(1)、(3)、(10)、(35)、(39)、(47)、(51)、および(56)は、上述した化合物(A)で表される化合物の具体例(1)、(3)、(10)、(35)、(39)、(47)、(51)、および(56)にそれぞれ該当する。
<実施例1>
図1(a)の形態の光電変換素子を作製した。ここで、光電変換素子は、下部電極11、電子ブロッキング層16A、光電変換膜12および上部電極15からなる。
具体的には、ガラス基板上に、アモルファス性ITOをスパッタ法により成膜して、下部電極11(厚み:30nm)を形成し、さらに下部電極11上に下記の化合物(EB−1)を真空加熱蒸着法により成膜して、電子ブロッキング層16A(厚み:100nm)を形成した。さらに、基板の温度を25℃に制御した状態で、電子ブロッキング層16A上に例示化合物(1)とフラーレン(C60)とをそれぞれ単層換算で120nm、280nmとなるように真空加熱蒸着により共蒸着して成膜し、光電変換膜12を形成した。さらに、光電変換膜12上に、アモルファス性ITOをスパッタ法により成膜して、上部電極15(透明導電性膜)(厚み:10nm)を形成した。上部電極15上に、加熱蒸着により封止層としてSiO膜を形成した後、その上にALCVD法により酸化アルミニウム(Al23)層を形成し、光電変換素子を作製した。
<実施例2〜8、比較例1〜4>
例示化合物(1)の代わりに、第1表に示す光電変換材料を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、光電変換素子を作製した。
なお、比較例1〜4で光電変換材料として使用した比較化合物(63)〜(66)は以下のとおりである。比較化合物(63)〜(66)は、上述した特許文献1で光電変換材料として開示される化合物に該当する。
<駆動の確認(暗電流の測定)>
得られた各光電変換素子について、光電変換素子として機能するかどうかの確認を行った。具体的には、光電変換素子の下部電極および上部電極に、2.5×105V/cmの電界強度となるように電圧を印加して、暗所と明所における電流値を測定した。結果、いずれの光電変換素子においても、暗所では100nA/cm2以下の暗電流を示すが、明所では10μA/cm2以上の電流を示し、光電変換素子として機能することが確認された。
<光電変換効率(外部量子効率)の評価>
得られた各光電変換素子について光電変換効率を評価した。
まず、光電変換素子に1.0×105V/cmの電界強度となるように電圧を印加した。その後、上部電極(透明導電性膜)側から光を照射して580nmでの外部量子効率を測定した。外部量子効率は、オプテル製定エネルギー量子効率測定装置を用いて測定した。照射した光量は50uW/cm2であった。また、光電変換素子表面の反射光の影響を除くため、580nmでの外部量子効率を580nmの光吸収率で除算することで外部量子効率とした。結果を第1表に示す。
なお、実施例1の外部量子効率を1としたときの相対値が0.9以上のものを「A」、0.8以上0.9未満のものを「B」、0.7以上0.8未満のものを「C」、0.7未満のものを「D」とした。
<応答性の評価>
得られた各光電変換素子について応答性を評価した。
具体的には、光電変換素子に2.0×105V/cmの電界強度となるように電圧を印加した。その後、LEDを瞬間的に点灯させて上部電極(透明導電性膜)側から光を照射し、そのときの光電流をオシロスコープで測定して、0から95%信号強度までの立ち上がり時間を求めた。結果を第1表に示す。
なお、実施例1の立ち上がり時間を1としたときの相対値が1.5未満のものを「A」、1.5以上2.0未満のものを「B」、2.0以上3.0未満のものを「C」、3.0以上のものを「D」とした。実用上、AまたはBであることが好ましい。
相対値は以下の式より計算される。
(相対値)=(各実施例または各比較例における0〜95%信号強度の立ち上がり時間/実施例1における0〜95%信号強度の立ち上がり時間)
<高温保存性の評価>
得られた各光電変換素子について高温保存性を評価した。
具体的には、光電変換素子を90℃に保った恒温槽内で1000時間保管し、その後、上記応答性の評価と同じ方法で0から90%信号強度までの立ち上がり時間を求めた。
高温保管前後の立ち上がり時間から、高温保管による応答性の変化率(悪化率)(=高温保管後の立ち上がり時間/高温保管前の立ち上がり時間)を求めた。変化率が小さいほど高温保存性に優れる。結果を第1表に示す。
なお、実施例1の変化率を1としたときの相対値が1.2未満のものを「A」、1.2以上1.5未満のものを「B」、1.5以上2.0未満のものを「C」、2.0以上のものを「D」とした。実用上、AまたはBであることが好ましい。
なお、相対値は以下の式より計算される。
(相対値)=(各実施例または各比較例における悪化率/実施例1における悪化率)
第1表から分かるように、光電変換材料として、上記式(1)で表される化合物(A)の代わりに、アミン部位と連結部位とが縮環していない化合物を使用した比較例1〜4(特許文献1の態様)は、いずれも応答性および高温保存性が不十分であった。
一方、光電変換材料として、アミン部位と連結部位とが縮環する上記式(1)で表される化合物(A)を使用した本願実施例は、いずれも優れた応答性および高温保存性を示した。なかでも、上記式(1)中のR3とR5、および/または、R6とR8が互いに結合して環を形成する実施例1〜5および8は、より高い光電変換効率を示した。そのなかでも、形成される環が芳香族炭化水素環である実施例1〜3は、より優れた高温保存性を示した。
実施例1と2との対比から、化合物(A)が上記式(3)で表される化合物(a3)である実施例1の方が、より高い光電変換効率を示した。
実施例1と6との対比から、上記式(1)中のmが1である実施例1の方が、より高い光電変換効率、および、より優れた高温保存性を示した。
実施例1〜3の対比、および、実施例6〜8の対比から、n=0である実施例1、2および6の方が、より優れた応答性を示した。
<撮像素子の作製>
図2に示す形態と同様の撮像素子を作製した。すなわち、CMOS基板上に、アモルファス性TiN30nmをスパッタ法により成膜後、フォトリソグラフィーによりCMOS基板上のフォトダイオード(PD)の上にそれぞれ1つずつ画素が存在するようにパターニングして下部電極とし、電子ブロッキング材料の製膜以降は実施例1〜8、比較例1〜4と同様に作製した。その評価も同様に行い、第1表と同様な結果が得られ、撮像素子においても製造に適していることと、優れた性能を示すことが分かった。
10a、10b 光電変換素子
11 下部電極(導電性膜)
12 光電変換膜
15 上部電極(透明導電性膜)
16A 電子ブロッキング層
16B 正孔ブロッキング層
100 撮像素子
101 基板
102 絶縁層
103 接続電極
104 画素電極(下部電極)
105 接続部
106 接続部
107 光電変換膜
108 対向電極(上部電極)
109 緩衝層
110 封止層
111 カラーフィルタ(CF)
112 隔壁
113 遮光層
114 保護層
115 対向電極電圧供給部
116 読出し回路

Claims (18)

  1. 導電性膜と、光電変換材料を含有する光電変換膜と、透明導電性膜とをこの順に備え、
    前記光電変換材料が、下記式(1)で表される化合物(A)を含む、光電変換素子。

    (式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す。R3〜R9は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。mは0または1を表す。nは0以上の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R3とR5、R5とR6、R6とR8、R7とR8、R7とR9は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nが2以上である場合、複数のR7同士、複数のR8同士は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。A1は酸性核を表す。R1およびR2のうち少なくとも一方は、R3、R4およびR5のいずれかと結合して環を形成する。)
  2. 前記化合物(A)が、下記式(2)で表される化合物(a2)である、請求項1に記載の光電変換素子。

    (式(2)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す。R3〜R9は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。mは0または1を表す。nは0以上の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R3とR5、R5とR6、R6とR8、R7とR8、R7とR9は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nが2以上である場合、複数のR7同士、複数のR8同士は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R1およびR2のうち少なくとも一方は、R3、R4およびR5のいずれかと結合して環を形成する。R15〜R18は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。R15とR16、R16とR17、R17とR18は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
  3. 前記式(1)中、R3とR5、および/または、R6とR8が互いに結合して環を形成する、請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記化合物(A)が、下記式(3)で表される化合物(a3)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。

    (式(3)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す。R3〜R9は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。mは0または1を表す。nは0以上の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R3とR5、R5とR6、R6とR8、R7とR8、R7とR9は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nが2以上である場合、複数のR7同士、複数のR8同士は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R1およびR2のうち少なくとも一方は、R3、R4およびR5のいずれかと結合して環を形成する。R15およびR18〜R22は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。R15とR19、R19とR20、R20とR21、R21とR22、R22とR18は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
  5. 前記光電変換膜が、さらにn型有機半導体を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記n型有機半導体が、フラーレンおよびその誘導体からなる群より選択されるフラーレン類を含む、請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記導電性膜と前記透明導電性膜との間に、さらに電子ブロッキング層を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記導電性膜と、前記電子ブロッキング層と、前記光電変換膜と、前記透明導電性膜とをこの順に備え、または、前記導電性膜と、前記光電変換膜と、前記電子ブロッキング層と、前記透明導電性膜とをこの順に備える、請求項7に記載の光電変換素子。
  9. 前記nが0〜3の整数である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  10. 前記化合物(A)と前記フラーレン類との合計含有量に対する前記フラーレン類の含有量(=前記フラーレン類の単層換算での膜厚/(前記光電変換材料の単層換算での膜厚+前記フラーレン類の単層換算での膜厚))が、50体積%以上である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  11. 光が前記透明導電性膜を介して前記光電変換膜に入射される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  12. 前記透明導電性膜が、透明導電性金属酸化物からなる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  13. 前記光電変換膜上に直接、前記透明導電性膜が積層された、請求項1〜12のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光電変換素子からなる光センサ。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光電変換素子を含む撮像素子。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光電変換素子の使用方法であって、
    前記導電性膜と前記透明導電性膜とが一対の電極であり、前記一対の電極間に1×10-4〜1×107V/cmの電場を印加させる、光電変換素子の使用方法。
  17. 下記式(2)で表される化合物(a2)。

    (式(2)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す。R3〜R9は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。mは0または1を表す。nは0以上の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R3とR5、R5とR6、R6とR8、R7とR8、R7とR9は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nが2以上である場合、複数のR7同士、複数のR8同士は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R1およびR2のうち少なくとも一方は、R3、R4およびR5のいずれかと結合して環を形成する。R15〜R18は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。R15とR16、R16とR17、R17とR18は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
  18. 下記式(3)で表される化合物(a3)。

    (式(3)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す。R3〜R9は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。mは0または1を表す。nは0以上の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R3とR5、R5とR6、R6とR8、R7とR8、R7とR9は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nが2以上である場合、複数のR7同士、複数のR8同士は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R1およびR2のうち少なくとも一方は、R3、R4およびR5のいずれかと結合して環を形成する。R15およびR18〜R22は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。R15とR19、R19とR20、R20とR21、R21とR22、R22とR18は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
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