JP5837546B2 - 車両用ポジションライト - Google Patents

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本発明は、ヘッドライトの縁に沿って車幅方向に延びるポジションライトが、光源と、前記光源の後方に配置されたリフレクタと、前記光源の前方に配置されたレンズとを備え、前記光源から出て前記リフレクタで反射された光が前記レンズを透過して前方に出射される車両用ポジションライトに関する。
ヘッドライト(前照灯ユニット)およびポジションライト(標識灯ユニット)を一体に備える自動車用のコンビネーションライトにおいて、ヘッドライトの上方に車幅方向に細長いポジションライトを配置したものが、下記特許文献1により公知である。
特許第5145190号公報
ところで、車幅方向に細長いポジションライトに、明るい部分および暗い部分が車幅方向に交互に連続する縞模様のグラデーションを形成すれば意匠性を高めることができる。このような縞模様のグラデーションを形成する手段として、ポジションランプから出た光を反射するリフレクタの反射面をジグザグのステップ状に構成し、光を前方に反射して明るく見える部分と、光を前方以外の方向に反射して暗く見える部分とを交互に形成するものが知られている。
しかしながら、ステップ状の反射面を有するリフレクタを用いた場合には、明るく見える部分と暗く見える部分との明度差が不充分になり、コントラストの強い縞模様のグラデーションを形成することが困難であった。
また他の手段として、リフレクタの前方を覆うレンズの後面に、光を透過する部分と光を透過しない部分とが交互に形成された縞模様のフィルムを貼り付けることが考えられるが、このフィルムを用いた場合には部品点数や組付工数が増加するためにコストが上昇する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でポジションライトに縞模様のグラデーションを形成することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ヘッドライトの縁に沿って車幅方向に延びるポジションライトが、光源と、前記光源の後方に配置されたリフレクタと、前記光源の前方に配置されたレンズとを備え、前記光源から出て前記リフレクタで反射された光が前記レンズを透過して前方に出射される車両用ポジションライトであって、前記リフレクタは車幅方向に所定間隔で配置された複数のスリットを備え、前記複数のスリットのスリット幅は、前記リフレクタの車幅方向外側から内側に向かって漸増することを特徴とする車両用ポジションライトが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記リフレクタの車幅方向内側に隣接して配置されたフロントグリルを備え、前記フロントグリルは黒色であることを特徴とする車両用ポジションライトが提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記リフレクタの後方を覆って前記光源を支持するボディ部を備え、前記ボディ部の前面は前記リフレクタの前面よりも明度が低いことを特徴とする車両用ポジションライトが提案される。
尚、実施の形態のポジションランプ25は本発明の光源に対応する。
請求項1の構成によればヘッドライトの縁に沿って車幅方向に延びるポジションライトは、光源と、光源の後方に配置されたリフレクタと、光源の前方に配置されたレンズとを備え、光源から出てリフレクタで反射された光がレンズを透過して前方に出射される。リフレクタは車幅方向に所定間隔で配置された複数のスリットを備えるので、光を反射するスリット以外の部分が明るく見え、光を反射しないスリットの部分が暗く見えることで、ポジションライトに車幅方向に明るさが変化する縞模様のグラデーションを形成して意匠効果を発揮させることができる。このように、リフレクタをステップ状に形成するだけでは達成できないコントラストの強い縞模様のグラデーションを、レンズの裏面に特別のフィルムを貼り付けることなく、リフレクタにスリットを形成するだけの簡単な構造で達成することができる。
また、複数のスリットのスリット幅は、リフレクタの車幅方向外側から内側に向かって漸増するので、ポジションライトに車幅方向外側から内側に向かって次第に暗くなるグラデーションを形成することができる。
また請求項2の構成によれば、リフレクタの車幅方向内側に隣接して配置されたフロントグリルを備え、フロントグリルは黒色であるので、車幅方向外側から車幅方向内側に向かって次第に暗くなるポジションライトの明るさを黒色の暗いフロントグリルに連続させることで、ポジションライトからフロントグリルに至る連続したグラデーションを形成して意匠性を高めることができる。
また請求項3の構成によれば、リフレクタの後方を覆って光源を支持するボディ部を備え、ボディ部の前面はリフレクタの前面よりも明度が低いので、前方からポジションライトを見たときに、リフレクタのスリットを通してボディ部が暗く見えることで、リフレクタの反射面とスリットとの明るさのコントラストを際立たせることができる。
自動車のフロントグリルおよびコンビネーションライトの正面図。 図1の2部拡大図。 図2の3−3線断面図。 図3の4部拡大図。 リフレクタの斜視図。
以下、図1〜図5に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書において、前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1および図2に示すように、自動車の前面の車幅方向中央部に黒色のフロントグリル11が設けられており、フロントグリル11の車幅方向両側に左右一対のコンビネーションライト12,12が配置される。コンビネーションライト12は、ヘッドライト13と、ヘッドライト13の上に沿って車幅方向に細長く延びるポジションライト(スモールライト)14と、ヘッドライト13の車幅方向外端に設けられたターンシグナルライト15とを備える。
図2および図3に示すように、コンビネーションライト12は、ヘッドライト13、ポジションライト14およびターンシグナルライト15に共通の枠部21と、枠部21の後方を覆うボディ部22とを備える。ポジションライト14は、ボディ部22の前面に固定されたリフレクタ23と、枠部21の開口部に嵌合するレンズ24と、ボディ部22に固定されてリフレクタ23の開口23aを後から前に貫通するポジションランプと25を備える。ポジションランプ25は、HID(High Intensity Discharge)ランプ、LED(Light Emitting Diode)ランプ、ハロゲンランプ等の任意の発光体である。
図3〜図5に示すように、合成樹脂製のリフレクタ23は、相互に平行に配置されて車幅方向に水平に延びる上壁部23bおよび下壁部23cと、上壁部23bおよび下壁部23cの後端間を上下方向に接続する反射壁23dとを備える。ジグザグのステップ状に屈曲する反射壁23dは全体として後方に凸に湾曲しており、その前面は光を効率的に反射するようにアルミニウムを蒸着した反射面で構成される。
リフレクタ23の反射壁23dのうち、フロントグリル11の車幅方向外端に隣接する一部、つまりリフレクタ23の車幅方向内側に位置する約半分の領域には、上下方向に縦長に延びる複数個(実施の形態では8個)のスリット23e…が車幅方向に所定間隔で形成される。スリット23e…の車幅方向の幅(スリット幅)は、車幅方向外側のスリット23eから車幅方向内側のスリット23eに向かって漸増している。
リフレクタ23の後面に対向するボディ部22の前面は、ボディ部22全体を黒色の合成樹脂で構成したり、その部分を黒色に塗装したりすることで、光が反射し難くなっている。従って、前方からリフレクタ23を見たとき、リフレクタ23のスリット23e…を通して黒色のボディ部22が見えることになる。
尚、透明なレンズ24の前面は滑らかな曲面であるが、後面はジグザグのステップ状に形成されており、これによりレンズ24を通してリフレクタ23やポジションランプ25が明瞭に見えるのを防止して意匠性が高められる。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
ジションライト14のポジションランプ25が発光すると、ポジションランプ25から出た光の一部は後方のリフレクタ23のアルミニウムが蒸着された反射壁23dで反射される。反射壁23dはジグザグのステップ状に形成されており、前方のレンズ24に向かって光を強く反射する部分と、ポジションランプ25から出る光と略平行に延びて光をあまり反射しない部分とが交互に存在するため、ポジションライト14のレンズ24を前方から見ると、明るく光る部分と暗い部分とが交互に縞模様状に現れる。このとき、リフレクタ23の反射壁23dのうち、ポジションランプ25から出る光と略平行に延びる部分も光を多少は反射するため、その反射した光がレンズ24から前方に出射されてしまい、ポジションライト14の縞模様のコントラストが弱くなる問題がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、リフレクタ23の反射壁23dのうち、スリット23e…が形成された部分は光りを全く反射せず、スリット23e…以外の部分が光を前方に向けて強く反射するため、縞模様のコントラストが強くなる。しかもスリット23e…の車幅方向の幅(スリット幅)は車幅方向外側のスリット23eから車幅方向内側のスリット23eに向けて漸増するため、ポジションライト14の明るさは車幅方向外側から車幅方向内側に向けて次第に暗くなり、暗い黒色のフロントグリル11に連続的につながるグラデーションを形成して意匠性を高めることができる。
またポジションライト14を前方から見たとき、リフレクタ23のスリット23e…を通してボディ部22の前面が見えるが、ボディ部22の前面は黒色であるためにスリット23e…の部分は暗くなり、縞模様のコントラストが一層強められる。
以上のように、本実施の形態によれば、リフレクタ23にスリット23e…を形成するだけの簡単な構成により、ステップ状の反射壁23dを有するリフレクタ23だけでは実現できないコントラストの強い縞模様を形成し、ポジションライト14の意匠性を高めることができる。しかもコントラストの強い縞模様を形成するために、レンズ24の後面に光を透過する部分と透過しない部分とを交互に形成したフィルムを貼り付ける必要がないため、部品点数や組付工数を削減してコストダウンに寄与することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、リフレクタ23の反射壁23dは必ずしもステップ状である必要はなく、前方に向けて光を反射するように滑らかに湾曲する曲面壁に、所定間隔で複数のスリット23e…を形成したものであっても良い
たフロントグリル11の色は実施の形態の黒色に限定されず、クロームメッキによる金属色であっても良い。
またボディ部22の前面は必ずしも黒色である必要はなく、リフレクタ23の反射壁23dの前面よりも明度の低い暗色であれば、黒色以外の任意の色であっても良い。
11 フロントグリル
13 ヘッドライト
14 ポジションライ
22 ボディ部
23 リフレクタ
23e スリット
24 レンズ
25 ポジションランプ(光源)

Claims (3)

  1. ヘッドライト(13)の縁に沿って車幅方向に延びるポジションライト(14)が、光源(25)と、前記光源(25)の後方に配置されたリフレクタ(23)と、前記光源(25)の前方に配置されたレンズ(24)とを備え、前記光源(25)から出て前記リフレクタ(23)で反射された光が前記レンズ(24)を透過して前方に出射される車両用ポジションライトであって、
    前記リフレクタ(23)は車幅方向に所定間隔で配置された複数のスリット(23e)を備え、
    前記複数のスリット(23e)のスリット幅は、前記リフレクタ(23)の車幅方向外側から内側に向かって漸増することを特徴とする車両用ポジションライト。
  2. 前記リフレクタ(23)の車幅方向内側に隣接して配置されたフロントグリル(11)を備え、前記フロントグリル(11)は黒色であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ポジションライト。
  3. 前記リフレクタ(23)の後方を覆って前記光源(25)を支持するボディ部(22)を備え、前記ボディ部(22)の前面は前記リフレクタ(23)の前面よりも明度が低いことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用ポジションライト。
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