JP5834559B2 - 目的細胞の検査方法 - Google Patents

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本発明は、血液から目的細胞を回収する方法,該方法に用いるキットおよびシステムに関する。さらに詳細には、赤血球を溶解し、濾過(サイズ分離)によって白血球および希少な目的細胞を回収する方法,該方法に用いるキットおよびシステムに関する。
悪性腫瘍(がん)の診断の一つとして、または腫瘍が局在性か転移性かを識別するための方法として、血液検査が挙げられる。血中遊離癌細胞〔CTC〕などの腫瘍細胞は、顕微鏡下での観察、すなわち検鏡によって形態から鑑別されるが、病期(ステージ)に関わらず、がん患者から採取した血液10mL当りに含まれる腫瘍細胞は10個程度と極めて少ない。
血液などの細胞懸濁液を、フィルタを用いて濾過する方法は多数の文献に記載されており、例えば特許文献1には、CTC検査の前処理として、約5μm〜約12μmの孔径を有するパリレン基板を含むメンブレンフィルタを用いて血液を濾過する方法が開示されている。しかしながら、例えば直径が約11μmのCTCが存在している場合、このCTCを濾過で失う虞がある。また、濾過した際の目詰まりを防止するため、血液を希釈し、かつ遅い速度(流速)での濾過を必要とするため、検査に必要な10mL程度の血液を濾過する場合、多大な時間を要することがある。
他方、特許文献2には、CTC検査の前処理として、赤血球の溶解剤を用いて赤血球を溶解させる旨記載されている。しかしながら、赤血球を溶解すると、赤血球に由来する細胞の断片が生じて、観察の妨げになる場合がある。さらに、溶解後に細胞を洗浄することによって目的細胞をロス(損失)する虞がある。
特表2008−538509号公報 特表2009−525468号公報
本発明は、血液に含まれる希少な目的細胞を観察しやすくするために、血液に含まれる赤血球の数を減らすが、白血球および目的細胞の数は極力減らさずに目的細胞を回収する方法,該方法に用いるキットおよびシステムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、血液中の赤血球を溶解した後に濾過することによって、フィルタが目詰まりすることも、血液を希釈することもなく、目的細胞をロスする虞のある洗浄操作を必須とせず、赤血球数/白血球数の比率を高くても1〜10程度にできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の、目的細胞を検査する方法は、
(a) 赤血球の溶解剤を血液に添加することによって、溶血させる工程;
(b) 孔径が0.4μm以上5μm以下である濾紙状フィルタを用いて、血液に含有される血球成分または該血球成分が崩壊したもののうち、少なくともCTCを含む目的細胞は前記濾紙状フィルタ上に残留するように分離する工程;および
(c)前記濾紙状フィルタを観察することにより少なくともCTCを含む目的細胞の有無を確認する工程;
を含み、
前記工程(a)〜(c)のうち、工程(c)を最後に実施することを特徴とする、血液に含有される少なくともCTCを含む目的細胞を検査する方法である
上記工程(a)の後に上記工程(b)を実施しても、上記工程(b)の後に上記工程(a)を実施し
ても、上記工程(a)と上記工程(b)とを同時に実施してもよい
上記溶解剤は、塩化アンモニウムであっても、アミンであっても、界面活性剤であってもよく、該界面活性剤は、ノニオン(非イオン)性界面活性剤であることが好ましい
また、本発明の観察システムは、上記濾紙状フィルタを用いた分離手段と、上記溶解剤添加手段とを含み、本発明の方法に用いられることを特徴とする。
本発明によれば、血液に含まれる赤血球の数を減らしながらも、白血球および目的細胞の数は極力減らさずに、血液に含まれる希少な目的細胞を観察しやすくすることが可能な目的細胞の回収を行うことができる。
特に、赤血球を溶解する溶血工程と、血球成分または該血球成分が崩壊したものを大きさで分離するサイズ分離工程とを、同時またはその順に実施する場合には、赤血球を溶解し、洗浄を行わずに、濾過(サイズ分離)によって白血球および希少な目的細胞と、赤血球の断片および溶け残った赤血球とを分離することができる。濾過に濾紙状フィルタを用いる(赤血球をフィルタ濾液中に除去、白血球をフィルタ上に回収できる)場合であっても、この代替として流路状フィルタを用いる(濾過分級を行い、白血球をトラップまたは懸濁液として回収できる)場合であってもよい。
赤血球の溶解後に濾過を行うと、血液を希釈する必要がなく(目的細胞の濃度が下がることがない。)、かつ速く濾過できることから、大量の血液を短時間に処理することができる。
洗浄工程をサイズ分離工程に置き換えることにより、白血球の損失(ロス)を軽減し、不要な残存物を濾過で除去することができる。
また、サイズ分離工程後に溶血工程を実施する場合には、分離の際のサイズをやや大き目に設定でき、それにより分離の際に生じる目的細胞へのダメージを低減できると共に、その後の溶血工程における赤血球の溶解反応の阻害因子(例えば、血漿中に含まれる崩壊した赤血球などの不要細胞)を除去できる点においてさらに有効である。
図1は、特許第4005022号公報に記載の図1であり、流路状フィルタを最も単純化した態様のマイクロ流路デバイスの概略図を示す。血液を分岐(10)に導入すると、白血球は第二排出チャネル(12)に、血球成分または該血球成分が崩壊したものは第一排出チャネル(11)に分離される。 図2は、参考例4,5および比較例4で用いた、流路状フィルタの一態様であるマイクロ流路デバイスの概略図を示す。図中の数字の単位はμmである。分岐流路としてoutlet2〜4に繋がるものを各10本、outlet5に繋がるものを100本設けた。inlet1からPBSで10倍に希釈した血液を、inlet2からPBSをそれぞれ連続的に導入すると、outlet5からは平均直径7μm未満の赤血球および血小板が、outlet4からは7〜10μmの白血球が、outlet3からは10〜17μmの白血球が、outlet2からは17〜30μmの白血球が、outlet1からは30μm以上の白血球が主に含まれる液をそれぞれ流出するように設計されている。 図3は、図1,2に示したマイクロ流路デバイスにおける、水力学的濾過法の基本的な原理を説明するための模式図を示す。 図4は、実施例3の工程(b)において、濾紙状フィルタをクランプ[2]とサポートスクリーン[3]との間に挟んだ状態で濾過する際に用いる各部品の構成を模式的に示した図である。
次に、本発明の、血液から目的細胞を回収する方法,該方法に用いるキットおよびシステムについて詳細に説明する。
<血液から目的細胞を回収する方法>
本発明の工程(a)において、赤血球の溶解剤を血液に添加し溶血させると、溶解後の赤血球の(溶け残り)断片や小さくなった赤血球(赤血球デブリ)、溶けなかった赤血球が残存する場合がある。従来、これらの不要な残存物を洗浄(洗浄液を添加し遠心分離した後、不要な残存物を上清として廃棄して、白血球を沈殿として再懸濁して回収する。)によって除去していた。しかしながら、洗浄による除去において、廃棄した上清に白血球が含まれたり(ロス)、下層に赤血球が沈んで残存したり(混入)していた。
本発明の、血液から目的細胞を回収する方法は、上記の洗浄するという工程(操作)が不要であって、下記工程(a)および(b)を含むことを特徴とし、好ましくはさらに下記工程(c)を含み、白血球の損失(ロス)を低減する方法である。
(a) 赤血球の溶解剤を血液に添加することによって、溶血させる工程。
(b) 血液に含有される血球成分または該血球成分が崩壊したものを、その大きさに依存した分離手段を用いて分離する工程。
(c) 工程(a)および(b)(すなわち、本発明の、血液から目的細胞を回収する方法)を実施したことによって得られた細胞集団を観察し、目的細胞を検査する工程。
ここで、「検査」とは、単に目的細胞の有無を調べること、細胞種を同定することなどを含むものである。
本発明は、目的細胞を検査するための前処理とも位置付けられる。まず、前処理後の懸濁液に含まれるすべての細胞を観察する必要があるため、赤血球の数を減らし、白血球の数を維持すること(すなわち赤血球数/白血球数の比率を下げること)が望ましい。
本発明において、工程(a)の後に工程(b)を実施しても、工程(b)の後に工程(a)を実施しても、工程(a)と工程(b)とを同時に実施してもよい。いずれの場合であっても工程(c)は最後に実施する。すなわち、本発明の、血液から目的細胞を回収する方法は、下記の第一の態様,第二の態様および第三の態様が含まれる。
[第一の態様]
第一の態様としては、工程(a)の後に工程(b)を実施し、最後に工程(c)を実施する態様である。
第一の態様を具体的に説明すると、まず、血液に、赤血球の溶解剤を添加し、溶血させる。次に、赤血球の溶解剤で崩壊しなかった白血球や血中遊離癌細胞〔CTC〕および赤血球(赤血球はすべて崩壊し、存在しない場合もある。)等の血球成分と、赤血球の溶解剤で崩壊した血球成分(赤血球が崩壊したものであるが、赤血球以外の血球成分が崩壊したものも含まれる場合がある。)とをその大きさに依存して、例えば濾紙状フィルタ等を用いて分離するか、または、例えば流路状フィルタ等を用いて分離する。最後に、このようにして得られた細胞集団を、例えば顕微鏡等で観察し、例えばCTC等の目的細胞を検査する態様である。
[第二の態様]
第二の態様としては、工程(b)の後に工程(a)を実施し、最後に工程(c)を実施する態様である。
第二の態様を具体的に説明すると、まず、血液そのまま、または、適切な緩衝液で希釈した血液を、白血球やCTCと赤血球との大きさに依存して、例えば濾紙状フィルタ等を用いて分離するか、あるいは、例えば流路状フィルタ等を用いて分離する。次に、濾紙状フィルタ上の白血球やCTC、あるいは、流路状フィルタで分離された白血球やCTCを含有する血液に、赤血球の溶解剤を添加し、溶血させる(おもに、残留した赤血球のみを崩壊させる)。最後に、このようにして得られた細胞集団を、例えば顕微鏡等で観察し、例えばCTC等の目的細胞を検査する態様である。
[第三の態様]
第三の態様としては、工程(a)と工程(b)とを同時に実施し、最後に工程(c)を実施する態様である。
第三の態様を具体的に説明すると、まず、血液(適切な緩衝液で希釈した血液でもよい。)と赤血球の溶解剤とをそれぞれ濾紙状フィルタ上に滴下する。該血液に含まれる、該フィルタの孔径より小さいもの(例えば、血小板など)が濾過されつつ、該フィルタ上で赤血球が溶解すると同時に赤血球デブリが濾過される。あるいは、図1に示すように、マイクロ流路デバイスのinlet1および2から、それぞれ血液(適切な緩衝液で希釈した血液でもよい。)および赤血球の溶解剤を連続的に導入し、溶解と分離とを同時に行う。次に、このようにして得られた細胞集団を、例えば顕微鏡等で観察し、例えばCTC等の目的細胞を検査する態様である。
[フィルタ]
上記工程(b)の分離を、濾紙状フィルタを用いて行ってもよく、流路状フィルタを用いて行ってもよい。
濾紙状フィルタの孔径は、0.4μm以上5μm以下であることが好ましい。このような濾紙状フィルタとしては、例えば、GEヘルスケア・ジャパン(株)製の「ニュークリポアメンブレン(商標)」シリーズの(PC MB 25mm 3.0μm)や(PC MB 25mm 5.0μm)等が好適である。
流路状フィルタは、図1に示すように、分岐(10)に血液を供給する流入チャネル(9)と、血液に含有される血球成分または該血球成分が崩壊したものを有する流体を分岐(10)から離して導出する第一排出チャネル(11)と、目的細胞を有する流体を分岐(10)から離して導出する第二排出チャネル(12)とを含む、流動チャネル(3)を備え、目的細胞が第二排出チャネル(12)の中で第一排出チャネル(11)の中よりもはるかに速く流れ、かつ、第一排出チャネル(11)の内径は0.4μm以上5μm以下であることが好ましい。本発明で用いる流路上フィルタとして、図2に示すようなマイクロ流路デバイスを用いることがより好ましく、例えば、「ミューセルソーター(商標)」((株)アドバンス製)などが好適である。
これらフィルタの孔径または内径が上記範囲内であると、赤血球の溶解剤によって崩壊した血球成分(おもに赤血球デブリ)のみを濾過し、崩壊しなかった血球成分は濾過しないため好適である。
このマイクロ流路デバイスにおける水力学的濾過法の基本的な原理は、例えば、松田ら「水理学的濾過法を用いた血液細胞の分級」(電学論E,128巻10号,2008年)に記載されており、そこからの引用である図2を用いて簡単に説明する。図2(a) において、途中に分岐点を有する流路に、下方のinlet(入口)から連続的に粒子懸濁液が導入されている(図中の斜線は、分岐流路に導入される流体部分を示す)。このとき、粒子aのように分岐流路への流量等によって定まる境界線Aよりも分岐流路側(図中右側)にその中心がある粒子は、分岐流路に導入されるが、粒子bや粒子cのようにその中心が境界線Aよりも左側にある場合は、分岐流路には導入されない。このような原理に基づいて作製した流路を図(b) に示す。ここでは、outlet(出口)を多数、inlet(入口)を2つ設け、inletの一方(図下部左側)から、粒子を含まない液体(組成は粒子懸濁液の連続相と同様)を導入し、分岐流路を有する壁(図中右側)の近傍を粒子が流れるようにする。さらに、図中領域dに、一定の大きさ以上の粒子が導入されないように調整された分岐流路を複数設けると、一定の大きさ以上の粒子は徐々に右側の流路壁に引き寄せられ、最終的には壁側に整列するようになる。そして、下流(図中領域e)において、小さな粒子から順に排出されるように分岐流路を少しずつ太くまたは短くすることで、粒子は大きさにより分離され、同時に濃縮することが可能となる。
[赤血球の溶解剤]
本発明で用いる赤血球の溶解剤としては、公知の各種の溶解剤を用いることができるが、塩化アンモニウムであっても、アミンであっても、界面活性剤であってもよく、または、塩化アンモニウムもしくはアミンと界面活性剤とを併用してもよい。
赤血球の溶解剤が塩化アンモニウムである場合、生成したアンモニウムイオンが、赤血球の膜表面に浸透圧の差を引き起こし、赤血球の細胞外の水が半透膜である細胞膜を通過して赤血球内に流れ込み、赤血球を破裂(崩壊)させるものであり、例えば、日本ベクトン・ディッキンソン(株)製の「PharmLyse(商標)」(塩化アンモニウムをベースとした10倍濃縮の緩衝液)などの市販品を用いることができる。「PharmLyse」の製造会社によると、「PharmLyse」を10倍に希釈して、赤血球が懸濁した溶液に添加(例えば、10倍希釈した「PharmLyse」1mLを、全血100μLに添加等)し、穏やかに撹拌した後、室温(20〜25℃)で15分間、暗所で反応させることが推奨されている。
赤血球の溶解剤がアミンである場合、赤血球を崩壊させる作用機序は塩化アンモニウムの場合と類似しているが、アンモニウムイオンを生成することがないことからpH変化を引き起こさず、塩化アンモニウムを用いた場合と比べ緩やかに溶血する。アミンの市販品としては、例えば、ベックマンコールター(株)製の「VersaLyse(商標)」(活性を有する主成分は環状アミンであり、環状アミンが赤血球に存在する炭酸脱水酵素に接触すると、赤血球に対して高い溶解性を示す化合物に変換される。)などが挙げられる。「VersaLyse」の製造会社によると、白血球5×105個/100μL(赤血球6×108個/100μL)に対して「VersaLyse」1mLを添加し、室温(18〜25℃)で少なくとも10分間、暗所で反応させることが推奨されている。
赤血球の溶解剤が界面活性剤である場合、ノニオン(非イオン)性界面活性剤であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、GEヘルスケア・ジャパン(株)製の「Triton X−100(商標)」や「TWEEN 20(商標)」等の一般的な市販試薬が挙げられる。
用いる赤血球の溶解剤の種類(赤血球の溶解の度合いの強さ)、濃度および反応時間を適宜調整することによって、所望の態様で赤血球を溶解することができる。例えば、同程度の溶解の度合いの強さを有する溶解剤を用いるにしても、比較的薄い濃度で反応時間を長くする場合と、比較的濃い濃度で反応時間を短くする場合のいずれかで、分離の際に用いるフィルタに依存することなく、回収後の赤血球数/白血球数の比率を下げる(具体的には1〜10程度の比率とする)ことができる。例えば、流路型フィルタで分離する等のような濾過に時間を要する場合、赤血球を赤血球の溶解剤と接触させた状態で流下させることで、分離されるまでの間に溶解処理が行われるようにすることができる。血液に赤血球の溶解剤を添加したものを流路に導入してもよいし、赤血球の溶解剤を別の流路から導入して赤血球と接触させてもよい。
[目的細胞]
目的細胞としては、血液に含まれる希少な細胞であることが好ましく、血中遊離癌細胞〔CTC〕であることが特に好ましい。
血液中の、白血球数に対する赤血球の比率、すなわち(赤血球の数)/(白血球の数)は、103オーダー(約1000〜2000)である。より具体的なデータを下表に示す。
Figure 0005834559
CTCの直径は、例えばClin Cancer Res. 2004 Dec 15;10(24):8152-62などCTCに関する多くの報告において記載されており、平均として約20μmである。
従って、CTCは血液中に含まれる白血球の多くと同程度の直径であるため、白血球の多くをその数を極力減らさずに回収することにより、目的細胞としたCTCがロス(損失)してしまうことを防止することができる。
<白血球観察用キット>
本発明の白血球観察用キットは、上記濾紙状フィルタまたは上記流路状フィルタと、上記の赤血球の溶解剤とを含み、本発明の、血液から目的細胞を回収する方法に用いられることを特徴とする。
例えば、本発明の白血球観察用キットと被験者から採取した血液とを用いることによって、CTCを高精度で検出することができる。この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
このようなキットとしては、具体的に、フィルタや溶解剤の他に、血液を希釈する適切な緩衝液や本発明の方法を実施するために必要とされる各種器材または資材や装置を含めることもできる。
<観察の前処理用システム>
また、本発明の、観察の前処理用システムは、上記濾紙状フィルタまたは上記流路状フィルタを用いた分離手段と、上記の赤血球の溶解剤の添加手段とを含み、本発明の方法に用いられることを特徴とする。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1]
まず工程(a)として、市販の血液(コージンバイオ(株)製の「正常ヒト全血液・B型」)100μLが入ったチューブに、溶解剤として蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse(商標)」(日本ベクトン・ディッキンソン(株)製)1mLを加えた。そして、穏やかに撹拌した後、暗所にて15分間、室温で静置した。
次に工程(b)として、孔径0.4μmの濾紙状フィルタ(GEヘルスケア・ジャパン(株)製の「ニュークリポアメンブレン(PC MB 25mm 0.4μm)(商標)」)を用いて全量を濾過した。
濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、処理前の細胞数に対する処理後の細胞数の割合を回収率として、白血球および赤血球の回収率を算出した。目的細胞(CTC、実施例および比較例では白血球)の回収率が高く、不要な細胞(主に赤血球)の回収率が低いことが望ましい。不要な細胞については、回収率の低さが、除去した細胞の割合の高さを示している。その結果を表2に示す。
なお、市販の血液は、採血してから2〜4週間程度の時間が経過したものであるから、赤血球・白血球の数は、表1に記載の数より若干少なくなっているものと考えられる。
[実施例2]
実施例1において、工程(b)で用いた濾紙状フィルタの孔径を2μmに変更した(すなわち、濾紙状フィルタとして、GEヘルスケア・ジャパン(株)製の「ニュークリポアメンブレン(PC MB 25mm 2μm)」を用いた)以外は実施例1と同様にして該濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
[実施例3]
まず工程(b)として、市販の血液(コージンバイオ(株)製の「正常ヒト全血液・B型」)100μLを、孔径2μmの濾紙状フィルタである「ニュークリポアメンブレン(PC MB 25mm 2μm)」を、図4に示すように、アドバンテック東洋(株)製の「サポートスクリーン19310004」([3])の上に載せ、「クランプ19311003」([2])により挟んで固定した状態で濾過した。
次に工程(a)として、その濾紙状フィルタに、蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse」を1mL滴下し、該PharmLyseがその濾紙状フィルタ表面全体に行き渡るように、該フィルタを穏やかに「ポリマックス1040 5度(商標)」(Heidolph(株)製)を用いて振盪させた。その後、暗所にて15分間、室温で静置した。
濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
参考例4]
まず工程(a)として、市販の血液20μLが入ったチューブに、蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse(商標)」(日本ベクトン・ディッキンソン(株)製)200μLを加えた。そして、穏やかに撹拌した後、暗所にて15分間、室温で静置した。
次に工程(b)として、工程(a)で得られた細胞懸濁液をさらにPBSで5倍希釈して、「ミューセルソーター」((株)アドバンス製)を用いて分離した。この「ミューセルソーター(表中では「μセルソーター」と簡略表記する。)」は、図1に示すマイクロ流路デバイスと基本構造は同じである。inletに検体を導入してから、outletで細胞を回収するまでの時間(すなわち反応時間)は、45分間であった。
Outlet1〜4(図1に示す。)から回収した液をそれぞれ顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
参考例5]
工程(b)として、市販の血液20μLをPBSで50倍希釈(全量:1mL)して「ミューセルソーター」のinletに導入すると同時に、工程(a)として、蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse」1mLを、もう一方のinletから流路に流し、「ミューセルソーター」で分離した。inletに検体を導入してから、outletで細胞を回収するまでの時間(すなわち反応時間)は、50分間であった。
Outlet1〜4(図1に示す。)から回収した液をそれぞれ顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球の回収率および赤血球の除去率を算出した。その結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1において、工程(a)で用いた溶解剤を「VersaLyse(商標)」(ベックマンコールター(株)製)に変更し、暗所での反応時間を15分間から10分間に短縮し、工程(b)で用いた濾紙状フィルタの孔径を2μmに変更した以外は実施例1と同様にして該濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例1において、工程(a)で用いた溶解剤を、0.05%「Triton X−100(商標)」(GEヘルスケア・ジャパン(株)製)および0.0001%「TWEEN 20(商標)」(GEヘルスケア・ジャパン(株)製)に変更し、反応時間を15分間から30秒間に短縮し、工程(b)で用いた濾紙状フィルタの孔径を2μmに変更した以外は実施例1と同様にして該濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
なお、以上の実施例1〜7においては、いずれも希釈や洗浄を行っていないが、本発明に係る工程(a)および工程(b)に加えて、さらに希釈や洗浄を行っても本発明の効果が得られることは勿論である。例えば、白血球の沈殿または懸濁液に洗浄液としてPBSを加え、遠心分離後の上清に白血球が含まれない程度に、充分な遠心分離を行い、遠心分離後の上清を廃棄することで洗浄工程を行うことができる。また、例えば、工程(a)の後に、洗浄による遠心分離後の上清を廃棄せず、この上清と白血球の沈殿あるいは白血球の沈殿を再懸濁したものとのそれぞれに対して、工程(b)の分離を別々に行って、それらを回収するようにすることもできる。
[比較例1]
実施例1において、工程(b)の代わりに洗浄工程を実施した。すなわち、
まず工程(a)として、市販の血液100μLが入ったチューブに、蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse」1mLを加えた。そして、穏やかに撹拌した後、暗所にて15分間、室温で静置した。
次に洗浄工程として、そのチューブを室温で5分間遠心分離(200×g)し上清を捨て、PBSを2mL加えた。そして、室温で5分間遠心分離(200×g)し上清を捨てた。
最後にPBSを1mL加えて懸濁した。適切な濃度に希釈して血球計算盤で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例1において、「PharmLyse」の代わりにベックマンコールター(株)製の「VersaLyse」を用いて、暗所での反応時間を15分間から10分間に短縮した以外は比較例1と同様にして、適切な濃度に希釈した細胞を血球計算盤で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例3において、工程(a)を実施しなかった。ただし、市販の血液を適切な濃度となるようにPBSで希釈し、フィルタの孔径を8μmに変更した。すなわち、
工程(b)として、市販の血液を適切な濃度に希釈した後、孔径8μmの濾紙状フィルタ(GEヘルスケア・ジャパン(株)製の「ニュークリポアメンブレン(PC MB 25mm 8.0μm)」)により濾過した。
その濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球の回収率および赤血球の除去率を算出した。その結果を表2に示す。
[比較例4]
参考例4において、工程(a)を実施しなかった。すなわち、
工程(b)として、市販の血液20μLをPBSで50倍希釈して「ミューセルソーター」のinletに導入し分離した。inletに検体を導入してから、outletで細胞を回収するまでの時間(すなわち反応時間)は、60分であった。
Outlet1〜4(図1に示す。)から回収した液をそれぞれ顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005834559
本発明の、血液から目的細胞を回収する方法を用いて、被験者から採血した血液(10mL)から回収した細胞を観察した場合、赤血球数/白血球数の比率を1〜10程度にできることから、例えばCTCなどの数が少ない細胞を効率良く検査することができる。
1・・・マイクロ流路デバイス
3・・・流動チャネル
8・・・入口
9・・・流入チャネル
10・・・分岐
11・・・第一排出チャネル
12・・・第二排出チャネル
14・・・出口
15・・・出口
16・・・穿孔
a・・・境界線Aよりも分岐流路側(図中右側)に中心がある、小さい粒子
b・・・境界線Aよりも左側に中心がある、大きい粒子
c・・・境界線Aよりも左側に中心がある、小さい粒子
d・・・一定の大きさ以上の粒子が導入されないように調整された分岐流路を複数設けた領域
e・・・上流から下流にかけて小さな粒子から順に排出されるように分岐流路を少しずつ太くまたは短くして複数設けた領域
[1]・・・ファンネル
[2]・・・クランプ
[3]・・・サポートスクリーン
[4]・・・PTFE製ガスケット
[5]・・・リングプレート
[6]・・・ベース
[7]・・・ゴム栓

Claims (9)

  1. (a) 赤血球の溶解剤を血液に添加することによって、溶血させる工程
    (b) 孔径が0.4μm以上5μm以下である濾紙状フィルタを用いて、血液に含有される血球成分または該血球成分が崩壊したもののうち少なくともCTCを含む目的細胞は前記濾紙状フィルタ上に残留するように分離する工程;および
    (c)前記濾紙状フィルタを観察することにより少なくともCTCを含む目的細胞の有無を確認する工程;
    を含み、
    前記工程(a)〜(c)のうち、工程(c)を最後に実施することを特徴とする、血液に含有される少なくともCTCを含む目的細胞を検査する方法。
  2. 前記工程(a)の後に前記工程(b)を実施する請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(b)の後に前記工程(a)を実施する請求項1に記載の方法。
  4. 前記工程(a)と前記工程(b)とを同時に実施する請求項1に記載の方法。
  5. 前記溶解剤が、塩化アンモニウムである請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記溶解剤が、アミンである請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記溶解剤が、界面活性剤である請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記界面活性剤が、ノニオン(非イオン)性界面活性剤である請求項に記載の方法。
  9. 前記濾紙状フィルタを用いた分離手段と、前記溶解剤添加手段とを含み、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の方法に用いられることを特徴とする、観察システム。
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