JP5834559B2 - 目的細胞の検査方法 - Google Patents
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(a) 赤血球の溶解剤を血液に添加することによって、溶血させる工程;
(b) 孔径が0.4μm以上5μm以下である濾紙状フィルタを用いて、血液に含有される血球成分または該血球成分が崩壊したもののうち、少なくともCTCを含む目的細胞は前記濾紙状フィルタ上に残留するように分離する工程;および
(c)前記濾紙状フィルタを観察することにより少なくともCTCを含む目的細胞の有無を確認する工程;
を含み、
前記工程(a)〜(c)のうち、工程(c)を最後に実施することを特徴とする、血液に含有される少なくともCTCを含む目的細胞を検査する方法である。
ても、上記工程(a)と上記工程(b)とを同時に実施してもよい。
また、サイズ分離工程後に溶血工程を実施する場合には、分離の際のサイズをやや大き目に設定でき、それにより分離の際に生じる目的細胞へのダメージを低減できると共に、その後の溶血工程における赤血球の溶解反応の阻害因子(例えば、血漿中に含まれる崩壊した赤血球などの不要細胞)を除去できる点においてさらに有効である。
<血液から目的細胞を回収する方法>
本発明の工程(a)において、赤血球の溶解剤を血液に添加し溶血させると、溶解後の赤血球の(溶け残り)断片や小さくなった赤血球(赤血球デブリ)、溶けなかった赤血球が残存する場合がある。従来、これらの不要な残存物を洗浄(洗浄液を添加し遠心分離した後、不要な残存物を上清として廃棄して、白血球を沈殿として再懸濁して回収する。)によって除去していた。しかしながら、洗浄による除去において、廃棄した上清に白血球が含まれたり(ロス)、下層に赤血球が沈んで残存したり(混入)していた。
(b) 血液に含有される血球成分または該血球成分が崩壊したものを、その大きさに依存した分離手段を用いて分離する工程。
ここで、「検査」とは、単に目的細胞の有無を調べること、細胞種を同定することなどを含むものである。
第一の態様としては、工程(a)の後に工程(b)を実施し、最後に工程(c)を実施する態様である。
第二の態様としては、工程(b)の後に工程(a)を実施し、最後に工程(c)を実施する態様である。
第三の態様としては、工程(a)と工程(b)とを同時に実施し、最後に工程(c)を実施する態様である。
上記工程(b)の分離を、濾紙状フィルタを用いて行ってもよく、流路状フィルタを用いて行ってもよい。
本発明で用いる赤血球の溶解剤としては、公知の各種の溶解剤を用いることができるが、塩化アンモニウムであっても、アミンであっても、界面活性剤であってもよく、または、塩化アンモニウムもしくはアミンと界面活性剤とを併用してもよい。
目的細胞としては、血液に含まれる希少な細胞であることが好ましく、血中遊離癌細胞〔CTC〕であることが特に好ましい。
本発明の白血球観察用キットは、上記濾紙状フィルタまたは上記流路状フィルタと、上記の赤血球の溶解剤とを含み、本発明の、血液から目的細胞を回収する方法に用いられることを特徴とする。
また、本発明の、観察の前処理用システムは、上記濾紙状フィルタまたは上記流路状フィルタを用いた分離手段と、上記の赤血球の溶解剤の添加手段とを含み、本発明の方法に用いられることを特徴とする。
[実施例1]
まず工程(a)として、市販の血液(コージンバイオ(株)製の「正常ヒト全血液・B型」)100μLが入ったチューブに、溶解剤として蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse(商標)」(日本ベクトン・ディッキンソン(株)製)1mLを加えた。そして、穏やかに撹拌した後、暗所にて15分間、室温で静置した。
[実施例2]
実施例1において、工程(b)で用いた濾紙状フィルタの孔径を2μmに変更した(すなわち、濾紙状フィルタとして、GEヘルスケア・ジャパン(株)製の「ニュークリポアメンブレン(PC MB 25mm 2μm)」を用いた)以外は実施例1と同様にして該濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
まず工程(b)として、市販の血液(コージンバイオ(株)製の「正常ヒト全血液・B型」)100μLを、孔径2μmの濾紙状フィルタである「ニュークリポアメンブレン(PC MB 25mm 2μm)」を、図4に示すように、アドバンテック東洋(株)製の「サポートスクリーン19310004」([3])の上に載せ、「クランプ19311003」([2])により挟んで固定した状態で濾過した。
[参考例4]
まず工程(a)として、市販の血液20μLが入ったチューブに、蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse(商標)」(日本ベクトン・ディッキンソン(株)製)200μLを加えた。そして、穏やかに撹拌した後、暗所にて15分間、室温で静置した。
[参考例5]
工程(b)として、市販の血液20μLをPBSで50倍希釈(全量:1mL)して「ミューセルソーター」のinletに導入すると同時に、工程(a)として、蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse」1mLを、もう一方のinletから流路に流し、「ミューセルソーター」で分離した。inletに検体を導入してから、outletで細胞を回収するまでの時間(すなわち反応時間)は、50分間であった。
実施例1において、工程(a)で用いた溶解剤を「VersaLyse(商標)」(ベックマンコールター(株)製)に変更し、暗所での反応時間を15分間から10分間に短縮し、工程(b)で用いた濾紙状フィルタの孔径を2μmに変更した以外は実施例1と同様にして該濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
実施例1において、工程(a)で用いた溶解剤を、0.05%「Triton X−100(商標)」(GEヘルスケア・ジャパン(株)製)および0.0001%「TWEEN 20(商標)」(GEヘルスケア・ジャパン(株)製)に変更し、反応時間を15分間から30秒間に短縮し、工程(b)で用いた濾紙状フィルタの孔径を2μmに変更した以外は実施例1と同様にして該濾紙状フィルタを顕微鏡で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
実施例1において、工程(b)の代わりに洗浄工程を実施した。すなわち、
まず工程(a)として、市販の血液100μLが入ったチューブに、蒸留水で10倍希釈した「PharmLyse」1mLを加えた。そして、穏やかに撹拌した後、暗所にて15分間、室温で静置した。
最後にPBSを1mL加えて懸濁した。適切な濃度に希釈して血球計算盤で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
比較例1において、「PharmLyse」の代わりにベックマンコールター(株)製の「VersaLyse」を用いて、暗所での反応時間を15分間から10分間に短縮した以外は比較例1と同様にして、適切な濃度に希釈した細胞を血球計算盤で観察し、白血球数および赤血球数を計測し、白血球および赤血球の回収率を算出した。その結果を表2に示す。
実施例3において、工程(a)を実施しなかった。ただし、市販の血液を適切な濃度となるようにPBSで希釈し、フィルタの孔径を8μmに変更した。すなわち、
工程(b)として、市販の血液を適切な濃度に希釈した後、孔径8μmの濾紙状フィルタ(GEヘルスケア・ジャパン(株)製の「ニュークリポアメンブレン(PC MB 25mm 8.0μm)」)により濾過した。
[比較例4]
参考例4において、工程(a)を実施しなかった。すなわち、
工程(b)として、市販の血液20μLをPBSで50倍希釈して「ミューセルソーター」のinletに導入し分離した。inletに検体を導入してから、outletで細胞を回収するまでの時間(すなわち反応時間)は、60分であった。
3・・・流動チャネル
8・・・入口
9・・・流入チャネル
10・・・分岐
11・・・第一排出チャネル
12・・・第二排出チャネル
14・・・出口
15・・・出口
16・・・穿孔
a・・・境界線Aよりも分岐流路側(図中右側)に中心がある、小さい粒子
b・・・境界線Aよりも左側に中心がある、大きい粒子
c・・・境界線Aよりも左側に中心がある、小さい粒子
d・・・一定の大きさ以上の粒子が導入されないように調整された分岐流路を複数設けた領域
e・・・上流から下流にかけて小さな粒子から順に排出されるように分岐流路を少しずつ太くまたは短くして複数設けた領域
[1]・・・ファンネル
[2]・・・クランプ
[3]・・・サポートスクリーン
[4]・・・PTFE製ガスケット
[5]・・・リングプレート
[6]・・・ベース
[7]・・・ゴム栓
Claims (9)
- (a) 赤血球の溶解剤を血液に添加することによって、溶血させる工程;
(b) 孔径が0.4μm以上5μm以下である濾紙状フィルタを用いて、血液に含有される血球成分または該血球成分が崩壊したもののうち、少なくともCTCを含む目的細胞は前記濾紙状フィルタ上に残留するように分離する工程;および
(c)前記濾紙状フィルタを観察することにより少なくともCTCを含む目的細胞の有無を確認する工程;
を含み、
前記工程(a)〜(c)のうち、工程(c)を最後に実施することを特徴とする、血液に含有される少なくともCTCを含む目的細胞を検査する方法。 - 前記工程(a)の後に前記工程(b)を実施する請求項1に記載の方法。
- 前記工程(b)の後に前記工程(a)を実施する請求項1に記載の方法。
- 前記工程(a)と前記工程(b)とを同時に実施する請求項1に記載の方法。
- 前記溶解剤が、塩化アンモニウムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記溶解剤が、アミンである請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記溶解剤が、界面活性剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記界面活性剤が、ノニオン(非イオン)性界面活性剤である請求項7に記載の方法。
- 前記濾紙状フィルタを用いた分離手段と、前記溶解剤の添加手段とを含み、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法に用いられることを特徴とする、観察システム。
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