JP5830461B2 - Pcr用プライマーセット、pcr用反応液、食中毒菌の検出方法 - Google Patents

Pcr用プライマーセット、pcr用反応液、食中毒菌の検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、食中毒菌を検出するためのPCR用プライマーセットに関し、特に複数の食中毒菌を特異的に検出可能なPCR用プライマーセット、PCR用反応液、食中毒菌の検出方法に関する。
従来、食品検査や環境検査、臨床試験、家畜衛生などにおいて、食中毒菌の存否の検査が行われている。このような検査では、近年PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により検査試料中に含まれるDNA(デオキシリボ核酸)を増幅し、得られた増幅産物にもとづき対象菌を判定することが行われている。
このようなPCRを行うにあたっては、対象菌を特異的に増幅することが可能なプライマーを設計することが重要である。
ここで、特許文献1には、腸管出血性大腸菌O157、サルモネラ、カンピロバクター、リステリア、及び黄色ブドウ球菌群の五種類の食中毒菌を検出することが可能なプライマーセットが開示されている。
また、特許文献2には、LAMP法(Loop-Mediated Isothermal Amplification)を用いて、サルモネラO4群のDNAを増幅するためのプライマーセットが開示されている。
特開2007−274934号公報 特開2008−72951号公報
しかしながら、これらの方法では、その他の食中毒菌を検出することはできない。細菌性食中毒には、他にもセレウスや腸炎ビブリオによる場合が多くあり、大腸菌、リステリア、サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌の五種類にこれらを含めた七種類の食中毒菌が、細菌性食中毒を原因とする疾病の90%以上を占めている。
したがって、これら七種類の食中毒菌が、食品や環境などにおいて存在しているか否かを同時かつそれぞれ特異的に検出することができれば、大変有用である。
ここで、複数の食中毒菌が存在する場合に、これらをそれぞれ特異的に検出するためには、その複数の食中毒菌のDNAの一部を同時に増幅可能なプライマーセットを設計する必要がある。このとき、対象領域の異なるプライマーセットのプライマーの組み合わせにより、非対象領域が増幅されることがないようにする必要がある。また、対象領域の異なるプライマーセットが複数存在する場合、プライマーの長さや融解温度などが近いと競合する場合があるため、単独の場合よりも一層特異性の高い増幅を行うことが可能なプライマーの設計が求められる。
このように複数の食中毒菌を、それぞれ特異的に検出することは非常に難しく、これまでは五種類の食中毒菌の特異的検出が限界であり、それ以上の種類数の特異的検出は無理であるとされてきた。
そこで、本発明者らは鋭意研究し、数多くの実験を繰り返し行った結果、上記七菌種における八領域の毒素領域遺伝子又は生体内必須遺伝子を対象とし、これらをそれぞれ特異的に増幅することができるマルチプレックスPCR用プライマーセットを開発することに成功し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、セレウス(Bacillus cereus)、カンピロバクター(Campylobacter属)、大腸菌(Escherichia coli)、リステリア(Listeria属 )、サルモネラ(Salmonella属)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のうちの二種類以上の食中毒菌を特異的に増幅し得るPCR用プライマーセット、PCR用反応液、食中毒菌の検出方法、及びプライマーの設計方法を提供することを目的とする。
本発明のPCR用プライマーセットは、PCR法によって核酸を増幅するためのプライマーセットであって、セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号1に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第一のプライマーセットと、セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号3に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第二のプライマーセットと、カンピロバクター(Campylobacter属)のDNAを増幅するための配列番号5に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第三のプライマーセットと、大腸菌(Escherichia coli)のDNAを増幅するための配列番号7に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第四のプライマーセットと、リステリア(Listeria属)のDNAを増幅するための配列番号9に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第五のプライマーセットと、サルモネラ(Salmonella属)のDNAを増幅するための配列番号11に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第六のプライマーセットと、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のDNAを増幅するための配列番号13に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第七のプライマーセットと、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のDNAを増幅するための配列番号15に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第八のプライマーセットと、からなる群のうち、二以上のプライマーセットを混合してなる構成としてある。
また、本発明のPCR用プライマーセットは、PCR法によって核酸を増幅するためのプライマーセットであって、セレウス(Bacillus cereus)のゲノムDNAに含まれる溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)を増幅対象領域とするプライマーセットと、セレウス(Bacillus cereus)のゲノムDNAに含まれるセレウリド合成酵素遺伝子(cesB)を増幅対象領域とするプライマーセットと、カンピロバクター(Campylobacter属)のゲノムDNAに含まれるリボソーム遺伝子(16S rDNA)を増幅対象領域とするプライマーセットと、大腸菌(Escherichia coli)のゲノムDNAに含まれるウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)を増幅対象領域とするプライマーセットと、リステリア(Listeria属)のゲノムDNAに含まれるヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を増幅対象領域とするプライマーセットと、サルモネラ(Salmonella属)のゲノムDNAに含まれる侵入性因子関連遺伝子(invA)を増幅対象領域とするプライマーセットと、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のゲノムDNAに含まれるヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を増幅対象領域とするプライマーセットと、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のゲノムDNAに含まれる耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)を増幅対象領域とするプライマーセットと、からなる群のうち、二以上のプライマーセットを混合してなる構成としてある。
また、本発明のPCR用反応液は、上記PCR用プライマーセットを含有するものとしてある。
また、本発明の食中毒菌の検出方法は、セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号1に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第一のプライマーセットと、セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号3に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第二のプライマーセットと、カンピロバクター(Campylobacter属)のDNAを増幅するための配列番号5に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第三のプライマーセットと、大腸菌(Escherichia coli)のDNAを増幅するための配列番号7に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第四のプライマーセットと、リステリア(Listeria属)のDNAを増幅するための配列番号9に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第五のプライマーセットと、サルモネラ(Salmonella属)のDNAを増幅するための配列番号11に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第六のプライマーセットと、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のDNAを増幅するための配列番号13に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第七のプライマーセットと、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のDNAを増幅するための配列番号15に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第八のプライマーセットと、からなる群のうち、二以上のプライマーセットを用いて、PCR法による増幅対象の試料中にこれらのプライマーセットに対応する一又は二以上の食中毒菌の核酸が含まれている場合、当該核酸を特異的に増幅し、得られた増幅産物にもとづき食中毒菌を検出する方法としてある。
本発明によれば、セレウス、カンピロバクター、大腸菌、リステリア、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオのうちの二種類以上の食中毒菌を特異的に増幅することができる。このため、これらの食中毒菌をそれぞれ特異的に検出することが可能となる。
本発明の実施形態における新規プライマーセットに対応する配列番号、フォワード、リバースの区別、対象食中毒菌、増幅対象領域、及び増幅産物の長さを示す図である。 本発明の実施形態における新規プライマーセットの増幅対象領域と配列の対応を示す図である。 試験1のセレウスのゲノムDNAに含まれる溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(Bacillus cereus/nhe)の増幅結果を示す図である。 試験2のセレウスのゲノムDNAに含まれるセレウリド合成酵素遺伝子(Bacillus cereus/cesB)の増幅結果を示す図である。 試験3のカンピロバクターのゲノムDNAに含まれるリボソーム遺伝子(Campylobacter/16S rDNA)の増幅結果を示す図である。 試験4の大腸菌のゲノムDNAに含まれるウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(Escherichia coli/pyrH)の増幅結果を示す図である。 試験5のリステリアのゲノムDNAに含まれるヒートショックタンパク遺伝子(Listeria monocytogenes/dnaJ)の増幅結果を示す図である。 試験6のサルモネラのゲノムDNAに含まれる侵入性因子関連遺伝子(Salmonella enterica/invA)の増幅結果を示す図である。 試験7の黄色ブドウ球菌のゲノムDNAに含まれるヒートショックタンパク遺伝子(Staphylococcus aureus/dnaJ)の増幅結果を示す図である。 試験8の腸炎ビブリオのゲノムDNAに含まれる耐熱性溶血毒素遺伝子(Vibrio parahaemolyticus/tdh)の増幅結果を示す図である。 実施例1の八セット全てのプライマーにより七種類の食中毒菌のゲノムDNAの一部を個別にそれぞれ増幅した結果を示す図である。 実施例2の八セット全てのプライマーにより七種類の食中毒菌のゲノムDNAの一部を一括して増幅した結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[PCR用プライマーセット]
まず、図1及び図2を参照して本実施形態のPCR用プライマーセットについて説明する。
PCR用プライマーセットは、PCR法により試料中のゲノムDNAの一部を増幅するために用いられ、フォワードプライマー及びリバースプライマーの二種類のプライマーにより特定される領域を増幅する。PCR用プライマーセットは、PCR反応液に含有される。PCR反応液には、その他に核酸合成基質、核酸合成酵素、試料のゲノムDNA、緩衝液などが含有される。そして、このPCR反応液を用いてサーマルサイクラーなどの核酸増幅装置により、試料中のゲノムDNAの一部が増幅される。すなわち、PCR用プライマーセットによる増幅対象領域を有するゲノムDNAが試料中に存在している場合、その対象領域が増幅される。本実施形態のPCR用プライマーセットは、一般的なPCR法において使用することができる。
図1において、配列番号は、配列表に示される塩基配列の配列番号を示している。F/Rは、フォワードプライマー及びリバースプライマーの区別を示しており、Fがフォワードプライマー、Rがリバースプライマーを示している。増幅対象食中毒菌(学名)は、本実施形態のPCR用プライマーセットにより増幅する対象の食中毒菌の名称を表している。対象領域は、その食中毒菌における本実施形態のPCR用プライマーセットにより増幅される対象領域に存在する遺伝子の名称を示している。増幅産物は、本実施形態のPCR用プライマーセットを用いて、対応する対象領域を増幅した場合の増幅産物の塩基配列の長さを示している。また、図2において、食中毒菌の増幅対象領域ごとに対応するPCR用プライマーセットの塩基配列を示している。
配列番号1及び2は、セレウス(Bacillus cereus)のゲノムDNAに含まれる溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は195bp(base pair)である。
配列番号3及び4は、セレウス(Bacillus cereus)のゲノムDNAに含まれるセレウリド合成酵素遺伝子(cesB)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は238bpである。
配列番号5及び6は、カンピロバクター(Campylobacter属)のゲノムDNAに含まれるリボソーム遺伝子(16S rDNA)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は263bpである。
配列番号7及び8は、大腸菌(Escherichia coli)のゲノムDNAに含まれるウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は157bpである。
配列番号9及び10は、リステリア(Listeria属)のゲノムDNAに含まれるヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は176bpである。
配列番号11及び12は、サルモネラ(Salmonella属)のゲノムDNAに含まれる侵入性因子関連遺伝子(invA)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は180bpである。
配列番号13及び14は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のゲノムDNAに含まれるヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は236bpである。
配列番号15及び16は、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のゲノムDNAに含まれる耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)を増幅するためのプライマーセットの塩基配列を示しており、増幅産物は380bpである。
これらの配列番号に示される塩基配列は、5’末端から3’末端方向の配列を示している。
また、本実施形態のPCR用プライマーセットにおける各プライマーは、上記の塩基配列に限定されるものではなく、それぞれの塩基配列において1又は数個の塩基が欠損、置換又は付加されたものを用いることができる。また、それぞれの塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸断片に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズできる核酸断片からなるものを用いることもできる。
なお、ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、配列番号1〜16で表される配列からなるDNAに対し高い相同性(相同性が90%以上、好ましくは95%以上)を有するDNAが、配列番号1〜16で表される配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAと、ハイブリダイズする条件が挙げられる。通常、完全ハイブリッドの溶解温度(Tm)より約5℃〜約30℃、好ましくは約10℃〜約25℃低い温度でハイブリダイゼーションが起こる場合をいう。ストリンジェントな条件については、J.Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Mannual,Second Edition,Cold Spring
Harbor Laboratory Press(1989)、特に11.45節「Conditions for Hybridization of Oligonucleotide Probes」に記載されている条件等を使用することができる。
さらに、本実施形態のPCR用プライマーセットに対して、相補的な塩基配列を有するプライマーからなるPCR用プライマーセットを用いることもできる。
すなわち、本実施形態のPCR用プライマーセットにおけるプライマーとそれぞれ相補的な配列を有し、かつ5’末端から3’末端の配列の方向を逆向きにしたプライマーセットを用いることもできる。
上記八種類のPCR用プライマーセットをPCR反応液に含有させてPCR法による増幅反応を行った場合、PCR反応液に含有される試料中に、上記増幅対象の食中毒菌のゲノムDNAのいずれかが含まれていれば、その増幅対象領域を特異的に増幅することができる。
また、試料中に、上記増幅対象の食中毒菌のゲノムDNAが二種類以上含まれている場合、それぞれのゲノムDNAの増幅対象領域を同時かつ特異的に増幅することができる。試料中に、七種類の増幅対象の食中毒菌のゲノムDNAにおける八領域の遺伝子が全て含まれている場合でも、各ゲノムDNAの増幅対象領域を同時かつ特異的に増幅することが可能である。
すなわち、本実施形態のPCR用プライマーセットによれば、それぞれ対象の食中毒菌以外のゲノムDNAによる競合が行われない。また、複数のPCR用プライマーセットを同時に使用しても、異なるプライマーセットにおけるプライマーの組み合わせによる非特異的な増幅も行われない。
このため、本実施形態のPCR用プライマーセットをPCR反応液に加えることで、試料に増幅対象領域をもつ食中毒菌のゲノムDNAが含まれている場合には、その領域を特異的に増幅することが可能である。
また、試料に増幅対象の食中毒菌が複数種類含まれている場合でも、それぞれの増幅対象領域を同時かつ特異的に増幅することが可能である。
勿論、PCR反応液に、上記八種類のPCR用プライマーセットの全てではなく、このうち一種類から七種類のPCR用プライマーセットが含まれている場合であっても、そのPCR用プライマーセットの増幅対象領域をもつ食中毒菌のゲノムDNAがPCR反応液に含まれている場合には、その対象領域を特異的に増幅することが可能である。
[PCR用反応液]
本実施形態のPCR反応液は、少なくとも上記八種類のPCR用プライマーセットのいずれかを含有し、好ましくはその二種類以上を含有し、より好ましくは、八種類全てのPCR用プライマーセットを含有するものである。PCR反応液におけるそれ以外の成分は、一般的なものを用いることができる。
具体的には、例えば以下の組成からなるものを用いることができるが、これに限定されるものではない。特に、プライマー、試料のDNA、及び滅菌水の容量は、増幅対象とする食中毒菌の種類数によって相違する。
・緩衝液(10容量%)
・核酸合成基質(8容量%)
・フォワードプライマー(10ng/μl、2容量%〜16容量%)
・リバースプライマー(10ng/μl、2容量%〜16容量%)
・核酸合成酵素(0.5容量%)
・試料のDNA(5容量%〜35容量%)
・水(72.5容量%〜14.5容量%)
[食中毒菌の検出方法]
次に、本実施形態の食中毒菌の検出方法について説明する。
まず、本実施形態のPCR反応液を用いて、PCR法により試料中に含まれるゲノムを増幅する。
なお、実用上は、食中毒菌の検出を行う場合、食品や環境などからサンプルを採取して、そのサンプル中に含まれる菌の培養を行う。そして、培養された菌からゲノムDNAを抽出し、この抽出されたゲノムDNAを、上記PCR反応液における試料として使用する。したがって、実用上は、試料中に増幅対象の食中毒菌が存在するか否かは不明であり、存在する場合に、これを検出することを可能にしている。また、このときPCR反応液に上記八種類のPCR用プライマーセットを全て含有させておけば、試料に上記七菌種八領域の遺伝子の少なくともいずれかが存在していれば、その増幅対象領域をそれぞれ特異的に増幅することが可能である。
PCR法による遺伝子の増幅には、核酸増幅装置を使用する。この核酸増幅装置としては、一般的なサーマルサイクラーなどを用いることができる。PCRの反応条件は、例えば以下のようにすることができるが、これに限定されるものではない。
(1)95℃ 2分
(2)95℃ 10秒(DNA鎖の乖離工程)
(3)68℃ 30秒(アニーリング工程)
(4)72℃ 30秒(DNA合成工程)
(5)72℃ 2分
(2)〜(4)を40サイクル
次に増幅産物を用いて電気泳動を行い、本実施形態のPCR用プライマーセットによる増幅産物が得られているか否かを確認する。
電気泳動は、アガロースゲル電気泳動やアクリルアミド電気泳動やマイクロチップ電気泳動など一般的な方法により行うことができる。
[プライマーの設計方法]
次に、本実施形態のプライマーの設計方法について説明する。
背景技術において説明した通り、複数の食中毒菌を、それぞれ特異的に同時に検出するためには、その複数の食中毒菌のDNAを同時に増幅可能なプライマーを設計する必要がある。しかしながら、種類の異なるプライマーセットが複数存在する場合は、プライマーの長さや融解温度などが近いと競合する場合があるため、単独の場合よりも一層特異性の高い増幅を行うことが可能なプライマーの設計が求められる。
そこで、本発明者らは、このようなプライマーの特異性を向上させ得るプライマーの設計方法を検討し、以下の基準に従えば、プライマーの特異性を向上させ得ることを見いだした。
(1)融解温度
プライマーの融解温度を70℃以上とする。
従来のプライマーでは、融解温度が55℃〜60℃のものが一般的に使用されている。これに対し、本実施形態のPCR用プライマーセットでは、融解温度の高いプライマーを設計することで、PCRにおける増幅反応時の自由エネルギーを増大させ、非特異的な増幅反応を減少させることができているものと推定される。
(2)GC含量
プライマーの塩基配列におけるGC含量を60%以上とする。
従来のプライマーでは、GC含量が40%〜60%のものが一般的に使用されている。これに対し、本実施形態のPCR用プライマーセットでは、ATに比較してより高い結合力を有するGCの含量が多いプライマーを設計することで、アニーリング工程における特異的結合を向上させることが可能になっているものと推定される。
(3)プライマーの長さ
プライマーの塩基配列の長さを23mer〜41mer程度とする。より好ましくは26mer〜34mer程度であり、28mer〜32mer程度とすることがさらに好ましい。
従来のプライマーでは、塩基配列の長さが18mer〜25mer程度のものが一般的に使用されている。これに対し、本実施形態のPCR用プライマーセットでは、より長いプライマーを使用することで、非特異的な増幅を排除するようにしている。
このように(1)〜(3)の少なくともいずれかの基準を用いてプライマー設計を行うことで、従来のプライマーよりもその特異性、すなわち増幅対象の遺伝子領域を特異的に増幅させる性質を、より向上させることが可能になっている。
本実施形態のPCR用プライマーセットは、これら全ての基準に適合するPCR用プライマーセットを設計することで、七種類八領域を特異的に増幅することが可能な優れたものとなっている。
(4)検出対象領域
また、本実施形態のPCR用プライマーセットは、図1を用いて上述した通り、各食中毒菌の特定の領域を対象として、プライマーを設計している。
すなわち、これらの食中毒菌の毒素領域の遺伝子、及び/又は、生体内必須領域の遺伝子を対象としている。
具体的には、増幅対象領域として、セレウスについては溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)、及びセレウリド合成酵素遺伝子(cesB)を、カンピロバクターについてはリボソーム遺伝子(16S rDNA)を、大腸菌についてはウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)を、リステリアについてはヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を、サルモネラについては侵入性因子関連遺伝子(invA)を、黄色ブドウ球菌についてはヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を、腸炎ビブリオについては耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)を、それぞれ選択している。
本実施形態のPCR用プライマーセットは、それぞれこれらの領域を増幅対象として選択することにより、プライマーの特異性をより向上させることが可能となっている。
以上説明した通り、本実施形態のPCR用プライマーセット、PCR用反応液、食中毒菌の検出方法によれば、セレウス、カンピロバクター、大腸菌、リステリア、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオの七種類の食中毒菌における八領域について、同時に特異的に増幅することができる。このため、本実施形態によれば、これらの食中毒菌を同時にそれぞれ特異的に検出することが可能となる。
また、本実施形態のプライマーの設計方法によれば、本実施形態のPCR用プライマーセットのような特異性の高いプライマーを設計することが可能である。
まず、本実施形態のPCR用プライマーセットが、増幅対象領域を正しく増幅できるかを確認するための検証試験を行った。
試験方法は、上記実施形態の方法により、本実施形態のPCR用プライマーセットを含有するPCR反応液を用いてPCR法により増幅反応を行い、増幅産物を電気泳動することで、正しい増幅産物が得られることを確認した。具体的には、八種類のPCR用プライマーセットごとに、以下の試験1〜8において説明する。
(試験1)
まず、PCR用プライマーセットとして、配列番号1及び2に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた。増幅対象領域は、セレウスのゲノムDNAの毒素領域における溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)であり、増幅産物は195bpである。
PCR反応液としては、以下の組成のものを使用した。プライマーはライフテクノロジージャパン株式会社より合成した。それ以外は、タカラバイオ株式会社製である。
・緩衝液 10×Ex Taq buffer(20mM Mg 2+ plus) 2.0μl
・核酸合成基質 dNTP Mixture(dATP、dCTP、dGTP、dTTP各2.5mM) 1.6μl
・primerF(10ng/μl、final conc.4ng) 0.4μl
・primerR(10ng/μl、final conc.4ng) 0.4μl
・核酸合成酵素 EX Taq(5U/μl) 0.1μl
・試料のDNA 1.0μl
・滅菌水 14.5μl
(全量 20μl)
また、試料のDNAは、次の1〜11に示す食中毒菌の供試菌株のゲノムDNAをそれぞれ別個に含有させ、個別にPCRを行った。
1.Bacillus cereus NBRC 15305
2.Bacillus cereus TIFT 114011
3.Campylobacter coli ATCC 43478
4.Campylobacter jejuni ATCC 33560
5.Escherichia coli NBRC 102203
6.Listeria monocytogenes ATCC 15313
7.Salmonella enterica ATCC 9270
8.Staphylococcus aureus NBRC 100910
9.Vibrio parahaemolyticus GTC 2055
10.Vibrio parahaemolyticus ATCC 17802
11.Yersinia enterocolitica ATCC 9610
12.Negative Cont.
これらの食中毒菌の菌株は、次の機関から分譲されたものである。
・NBRC 独立行政法人製品評価基盤機構
・TIFT 東洋食品研究所
・ATCC American type culture collection
・GTC 岐阜大学大学院医学系研究科病原体制御分野
なお、供試菌株11のエルシニア(Yersinia enterocolitica ATCC 9610)を含有するPCR反応液を用いた試験は、本実施形態の各PCR用プライマーセットについての偽陽性反応を確認するために行った。また、12の試験は、試料のDNAに代えて同量の滅菌水をPCR反応液に加えたものである。
PCR法による遺伝子の増幅には、epグラジエント(エッペンドルフ株式会社製)を使用した。また、PCRの反応条件は、実施形態で説明したものと同一の次の条件で行った。
(1)95℃ 2分
(2)95℃ 10秒(DNA鎖の乖離工程)
(3)68℃ 30秒(アニーリング工程)
(4)72℃ 30秒(DNA合成工程)
(5)72℃ 2分
(2)〜(4)を40サイクル
次に、PCR法による産物を、アガロースゲル電気泳動により増幅対象領域ごとに泳動させ、正しい増幅産物が得られているか否かを確認した。電気泳動は、MultiNA(株式会社島津製作所製)を用いて行った。その結果を図3に示す。
同図において、1〜12のバンドは、それぞれ対応する番号の試料のDNA等を含有するPCR反応液を用いて行ったPCRの産物を、それぞれ電気泳動した結果を示している。また、グラフは、増幅産物の長さを示すものである。グラフには、当該PCR用プライマーセットの増幅対象である目的の増幅産物が得られたバンドについて、その増幅産物のピークが示されている。これらは、以下の試験2〜8においても同様である。
ここで、PCRによる増幅産物を電気泳動した場合、MultiNA(株式会社島津製作所製)に用いる試薬などの影響から、理論上の増幅産物の塩基配列と完全には一致せず、近似する値の結果が得られる。
試験1のPCR用プライマーセットは、配列番号1及び2に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものであり、増幅対象領域はセレウスの溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)、増幅産物は195bpである。
図3では、試料のDNAとしてセレウスのゲノムを使用した供試菌株1,2において、200bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株3〜12には、同付近にバンドが見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株1についてのものであり、195bpのピークが示されている。
なお、電気泳動結果における25bpや75bp付近等のその他のバンドは、プライマーやプライマーにより形成されたダイマーを示すものであると推定される。これは、以下の試験2〜8でも同様である。
以上のことから、試料のDNAとしてセレウスのゲノムDNAを使用した供試菌株1,2では、試験1のPCR用プライマーセットにより、セレウスの溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)が正しく増幅されていると判断できる。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムを使用した供試菌株3−11のバンドを参照すると、プライマーにより形成されたダイマーを示すと考えられるバンドは見られるが、溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号1及び2に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、セレウスの溶血活性を示さないエンテロトキシン分泌遺伝子(nhe)を特異的に増幅できることが確認された。
(試験2)
PCR用プライマーセットとして、配列番号3及び4に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた点以外は、試験1と同様にして実験を行った。その結果を図4に示す。
試験2のPCR用プライマーセットの増幅対象領域は、セレウスのゲノムDNAの毒素領域におけるセレウリド合成酵素遺伝子(cesB)であり、増幅産物は238bpである。
図4では、試料のDNAとして、セレウリド合成酵素遺伝子(cesB)を有する供試菌株2のゲノム(Bacillus cereus TIFT 114011)のDNAを使用したものにおいて、250bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株1,3−12には、250bp付近にバンドが見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株2についてのものであり、251bpのピークが示されている。
したがって、試料のDNAとして、セレウリド合成酵素遺伝子(cesB)を有するゲノムDNAを用いた供試菌株2については、試験2のPCR用プライマーセットにより、増幅対象領域が正しく増幅されていると判断できる。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムDNAを使用した供試菌株1,3〜11のバンドを参照すると、セレウリド合成酵素遺伝子(cesB)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号3及び4に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、セレウスのセレウリド合成酵素遺伝子(cesB)を特異的に増幅できることが確認された。
(試験3)
PCR用プライマーセットとして、配列番号5及び6に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた点以外は、試験1と同様にして実験を行った。その結果を図5に示す。
試験3のPCR用プライマーセットの増幅対象領域は、カンピロバクターのゲノムDNAの生体内必須領域におけるリボソーム遺伝子(16S rDNA)であり、増幅産物は263bpである。
図5では、試料のDNAとして、カンピロバクターのリボソーム遺伝子(16S rDNA)を有する供試菌株3,4のゲノムのDNAを使用したものにおいて、275bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株1,2,5〜12には、同付近にバンドは見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株3についてのものであり、268bpのピークが示されている。
したがって、試料のDNAとして、カンピロバクターのリボソーム遺伝子(16S rDNA)を有するゲノムDNAを用いた供試菌株3,4については、試験3のPCR用プライマーセットにより、増幅対象領域が正しく増幅されていると判断できる。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムDNAを使用した供試菌株1,2,5〜11のバンドを参照すると、カンピロバクターのリボソーム遺伝子(16S rDNA)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号5及び6に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、カンピロバクターのリボソーム遺伝子(16S rDNA)を特異的に増幅できることが確認された。
(試験4)
PCR用プライマーセットとして、配列番号7及び8に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた点以外は、試験1と同様にして実験を行った。その結果を図6に示す。
試験4のPCR用プライマーセットの増幅対象領域は、大腸菌のゲノムDNAの生体内必須領域におけるウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)であり、増幅産物は157bpである。
図6では、試料のDNAとして、大腸菌のウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)を有する供試菌株5のゲノムのDNAを使用したものにおいて、160bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株1〜4,6〜12には、同付近にバンドは見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株5についてのものであり、159bpのピークが示されている。
したがって、試料のDNAとして、大腸菌のウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)を有するゲノムDNAを用いた供試菌株5については、試験4のPCR用プライマーセットにより、増幅対象領域が正しく増幅されていると判断できる。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムDNAを使用した供試菌株1〜4,6〜11のバンドを参照すると、大腸菌のウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号7及び8に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、大腸菌のウリジンモノリン酸キナーゼ遺伝子(pyrH)を特異的に増幅できることが確認された。
(試験5)
PCR用プライマーセットとして、配列番号9及び10に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた点以外は、試験1と同様にして実験を行った。その結果を図7に示す。
試験5のPCR用プライマーセットの増幅対象領域は、リステリアのゲノムDNAの生体内必須領域におけるヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)であり、増幅産物は176bpである。
図7では、試料のDNAとして、リステリアのヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を有する供試菌株6のゲノムのDNAを使用したものにおいて、200bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株1〜5,7〜12には、同付近にバンドは見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株6についてのものであり、198bpのピークが示されている。
したがって、試料のDNAとして、リステリアのヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を有するゲノムDNAを用いた供試菌株6については、試験5のPCR用プライマーセットにより、増幅対象領域が正しく増幅されていると判断できる。
なお、試験5では、理論上の増幅産物の長さと、現実の増幅産物の長さに、20bp程度の差が見られる。これは、供試菌株6におけるヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)において、何らかの配列の挿入が起こったためであると推定される。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムDNAを使用した1〜5,7〜11に対応するバンドを参照すると、リステリアのヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号9及び10に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、リステリアのヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を特異的に増幅できることが確認された。
(試験6)
PCR用プライマーセットとして、配列番号11及び12に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた点以外は、試験1と同様にして実験を行った。その結果を図8に示す。
試験6のPCR用プライマーセットの増幅対象領域は、サルモネラのゲノムDNAの毒素領域における侵入性因子関連遺伝子(invA)であり、増幅産物は180bpである。
図8では、試料のDNAとして、サルモネラの侵入性因子関連遺伝子(invA)を有する供試菌株7のゲノムDNAを使用したものにおいて、190bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株1〜6,8〜12には、同付近にバンドは見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株7についてのものであり、183bpのピークが示されている。
したがって、試料のDNAとして、サルモネラの侵入性因子関連遺伝子(invA)を有するゲノムDNAを用いた供試菌株7については、試験6のPCR用プライマーセットにより、増幅対象領域が正しく増幅されていると判断できる。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムDNAを使用した供試菌株1〜6,8〜11のバンドを参照すると、サルモネラの侵入性因子関連遺伝子(invA)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号11及び12に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、サルモネラの侵入性因子関連遺伝子(invA)を特異的に増幅できることが確認された。
(試験7)
PCR用プライマーセットとして、配列番号13及び14に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた点以外は、試験1と同様にして実験を行った。その結果を図9に示す。
試験7のPCR用プライマーセットの増幅対象領域は、黄色ブドウ球菌のゲノムDNAの生体内必須領域におけるヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)であり、増幅産物は236bpである。
図9では、試料のDNAとして、黄色ブドウ球菌のヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を有する供試菌株8のゲノムDNAを使用したものにおいて、240bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株1〜7,9〜12には、同付近にバンドは見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株8についてのものであり、238bpのピークが示されている。
したがって、試料のDNAとして、黄色ブドウ球菌のヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を有するゲノムDNAを用いた供試菌株8については、試験7のPCR用プライマーセットにより、増幅対象領域が正しく増幅されていると判断できる。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムDNAを使用した供試菌株1〜7,9〜11のバンドを参照すると、黄色ブドウ球菌のヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号13及び14に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、黄色ブドウ球菌のヒートショックタンパク遺伝子(dnaJ)を特異的に増幅できることが確認された。
(試験8)
PCR用プライマーセットとして、配列番号15及び16に示す塩基配列からなるプライマーを備えたものを用いた点以外は、試験1と同様にして実験を行った。その結果を図10に示す。
試験8のPCR用プライマーセットの増幅対象領域は、腸炎ビブリオのゲノムの毒素領域における耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)であり、増幅産物は380bpである。
図10では、試料のDNAとして、腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)を有する供試菌株9のゲノムDNAを使用したものにおいて、400bp付近にバンドが見られ、その他の供試菌株1〜8,10〜12には、同付近にバンドは見られない。また、下欄のグラフは、供試菌株9についてのものであり、390bpのピークが示されている。なお、供試菌株10のゲノム(Vibrio parahaemolyticus ATCC 17802)は、耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)を有していない腸炎ビブリオの菌株であり、増幅対象領域の増幅は見られなかった。
したがって、試料のDNAとして、腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)を有するゲノムDNAを用いた供試菌株9については、試験8のPCR用プライマーセットにより、増幅対象領域が正しく増幅されていると判断できる。
一方、試料のDNAとしてその他のゲノムDNAを使用した供試菌株1〜8,10,11のバンドを参照すると、腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)が増幅されたものと誤認してしまうような、非対象領域の増幅は見られなかった。
これにより、配列番号15及び16に示す塩基配列からなるプライマーを備えたPCR用プライマーセットを用いることで、腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh)を特異的に増幅できることが確認された。
以上の通り、本実施形態のPCR用プライマーセットは、それぞれ単独で用いた場合には、当該プライマーセットの増幅対象ではない他の上記食中毒菌のゲノムDNAに関し、偽陽性による増幅反応が起こらないことが確認された。
次に、これらのPCR用プライマーセットを同時に使用した場合において、対象領域を特異的に増幅できるかを検証した。その結果を以下の実施例1及び実施例2において説明する。
(実施例1)
まず、PCR用プライマーセットとして、試験1〜8で使用した全てのプライマーセットを用いて、実験を行った。すなわち、実施例1のPCR反応液には、配列番号1〜16に示す塩基配列からなる全てのプライマーを含有させた。
実施例1のPCR反応液は、プライマー、試料のDNA、及び滅菌水以外は試験1と同様であり、以下の組成のものを使用した。
・緩衝液 10×Ex Taq buffer(20mM Mg 2+ plus) 2.0μl
・核酸合成基質 dNTP Mixture(dATP、dCTP、dGTP、dTTP各2.5mM) 1.6μl
・ビブリオ検出用primer F(10ng/μl、final conc.4ng) 0.4μl
・ビブリオ検出用primer R(10ng/μl、final conc.4ng) 0.4μl
・他のprimer F(10ng/μl、final conc.2ng) 0.2μl×7
・他のprimer R(10ng/μl、final conc.2ng) 0.2μl×7
・核酸合成酵素 EX Taq(5U/μl) 0.1μl
・試料のDNA 1.0μl
・滅菌水 11.7μl
また、試料のDNAは、次の1〜7に示す食中毒菌の供試菌株のゲノムDNAをそれぞれ別個に含有させ、個別にPCRを行った。
1.Bacillus cereus TIFT 114011
2.Campylobacter jejuni ATCC 33560
3.Escherichia coli NBRC 102203
4.Listeria monocytogenes ATCC 15313
5.Salmonella enterica ATCC 9270
6.Staphylococcus aureus NBRC 100910
7.Vibrio parahaemolyticus GTC 2055
PCR法による遺伝子の増幅は、試験1と同様に、epグラジエント(エッペンドルフ株式会社製)を使用して、以下の条件で行った。
(1)95℃ 2分
(2)95℃ 10秒(DNA鎖の乖離工程)
(3)68℃ 30秒(アニーリング工程)
(4)72℃ 30秒(DNA合成工程)
(5)72℃ 2分
(2)〜(4)を40サイクル
次に、PCR法による産物を、電気泳動により増幅対象領域ごとに泳動させ、試料のDNAごとに、その増幅対象領域が増幅された正しい増幅産物が得られているか否かを確認した。その結果を図11に示す。
同図において、試料のDNAとして、上記供試菌株1〜7のゲノムDNAを用いた場合のPCR法による増幅産物ごとに、それぞれ以下のピークが示されている。
1.Bacillus cereus TIFT 114011 198bp及び252bp
2.Campylobacter jejuni ATCC 33560 270bp
3.Escherichia coli NBRC 102203
158bp
4.Listeria monocytogenes ATCC 15313 195bp
5.Salmonella enterica ATCC 9270 177bp
6.Staphylococcus aureus NBRC 100910 238bp
7.Vibrio parahaemolyticus GTC 2055 390bp
これらは、それぞれの理論上の増幅産物の塩基配列の長さに近似するものであり、本実施形態のPCR用プライマーセットによって、それぞれ対象とする食中毒菌の増幅対象領域が特異的に増幅することができていると考えられる。
なお、供試菌株4のリステリアの増幅産物は195bpであり、図1に示すリステリアの増幅産物176bpに比較して20bp近く長くなっているが、これは上述した通り、当該菌株に配列の挿入が生じていることによるものと推定される。
(実施例2)
実施例2のPCR反応液には、試料のDNAとして、実施例1における供試菌株1〜7の全ての食中毒菌のゲノムDNAを含有させた。試料のDNA及び滅菌水以外は実施例1と同様であり、以下の組成のものを使用した。
・緩衝液 10×Ex Taq buffer(20mM Mg 2+ plus) 2.0μl
・核酸合成基質 dNTP Mixture(dATP、dCTP、dGTP、dTTP各2.5mM) 1.6μl
・ビブリオ検出用primer F(10ng/μl、final conc.4ng) 0.4μl
・ビブリオ検出用primer R(10ng/μl、final conc.4ng) 0.4μl
・他のprimer F(10ng/μl、final conc.2ng) 0.2μl×7
・他のprimer R(10ng/μl、final conc.2ng) 0.2μl×7
・核酸合成酵素 EX Taq(5U/μl) 0.1μl
・試料のDNA 1.0μl×7
・滅菌水 5.7μl
このPCR反応液を用いて、実施例1と同様の条件で、PCR法により増幅対象領域の増幅を一括して行った。
次に、増幅産物の電気泳動を、MultiNA(株式会社島津製作所製)を用いて行った。その結果を図12に示す。
同図に示すように、次の8つの増幅産物のピークが見られた。
(1)168bp (2)172bp (3)187bp (4)201bp
(5)224bp (6)243bp (7)273bp (8)387bp
実施例1の結果と照らし合わせると、これらのピークは、それぞれ以下の供試菌株の増幅産物を示していると考えられる。
(1)供試菌株3.Escherichia coli NBRC 102203
(2)供試菌株5.Salmonella enterica ATCC 9270
(3)供試菌株4.Listeria monocytogenes ATCC 15313
(4)供試菌株1.Bacillus cereus TIFT 114011
(5)供試菌株6.Staphylococcus aureus NBRC 100910
(6)供試菌株1.Bacillus cereus TIFT 114011
(7)供試菌株2.Campylobacter jejuni ATCC 33560
(8)供試菌株7.Vibrio parahaemolyticus GTC 2055
このように、本実施形態のPCR用プライマーセットによれば、セレウス、カンピロバクター、大腸菌、リステリア、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオの食中毒菌を同時かつ特異的に増幅することができることがわかった。
またその結果、これらの食中毒菌を同時にそれぞれ特異的に検出することが可能であることが確認された。
本発明は、以上の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、PCR反応液のプライマーとして、本実施形態のPCR用プライマーセットを含有させるものであれば、その他の成分については上記実施形態及び実施例と異なるものとするなど適宜変更することが可能である。また、本実施形態のプライマーの設計方法を、その他の菌のゲノムDNAを増幅するためのプライマー設計に適用することも可能である。
本発明は、食品や製造環境などに、セレウス、カンピロバクター、大腸菌、リステリア、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオが存在しているか否かを同時かつ特異的に短期間で検査する場合などに好適に利用することが可能である。

Claims (6)

  1. PCR法によって核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
    セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号1に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第一のプライマーセットと、
    セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号3に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第二のプライマーセットと、
    カンピロバクター(Campylobacter属)のDNAを増幅するための配列番号5に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第三のプライマーセットと、
    大腸菌(Escherichia coli)のDNAを増幅するための配列番号7に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第四のプライマーセットと、
    リステリア(Listeria属)のDNAを増幅するための配列番号9に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第五のプライマーセットと、
    サルモネラ(Salmonella属)のDNAを増幅するための配列番号11に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第六のプライマーセットと、
    黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のDNAを増幅するための配列番号13に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第七のプライマーセットと、
    腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のDNAを増幅するための配列番号15に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第八のプライマーセットと、からなる群における6種類以上のプライマーセットを混合してなる
    ことを特徴とするPCR用プライマーセット。
  2. 前記第一から第八の全てのプライマーセットを混合してなることを特徴とする請求項1記載のPCR用プライマーセット。
  3. 請求項1又は2記載のPCR用プライマーセットを含有することを特徴とするPCR用反応液。
  4. セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号1に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第一のプライマーセットと、
    セレウス(Bacillus cereus)のDNAを増幅するための配列番号3に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第二のプライマーセットと、
    カンピロバクター(Campylobacter属)のDNAを増幅するための配列番号5に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第三のプライマーセットと、
    大腸菌(Escherichia coli)のDNAを増幅するための配列番号7に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第四のプライマーセットと、
    リステリア(Listeria属)のDNAを増幅するための配列番号9に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第五のプライマーセットと、
    サルモネラ(Salmonella属)のDNAを増幅するための配列番号11に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第六のプライマーセットと、
    黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のDNAを増幅するための配列番号13に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第七のプライマーセットと、
    腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)のDNAを増幅するための配列番号15に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーを備えた第八のプライマーセットと、からなる群における6種類以上のプライマーセットを混合して用いて、PCR法による増幅対象の試料中にこれらのプライマーセットに対応する一又は二以上の食中毒菌の核酸が含まれている場合、当該核酸を特異的に増幅し、得られた増幅産物にもとづき食中毒菌を検出する
    ことを特徴とする食中毒菌の検出方法。
  5. 前記第一から第八の全てのプライマーセットを用いて、PCR法による増幅対象の試料中にこれらのプライマーセットに対応する一又は二以上の食中毒菌の核酸が含まれている場合、当該核酸を特異的に増幅することを特徴とする請求項記載の食中毒菌の検出方法。
  6. 前記増幅産物を電気泳動し、一又は二以上の食中毒菌を同時に検出することを特徴とする請求項4又は5記載の食中毒菌の検出方法。
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