JP5829174B2 - 液処理装置および液処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に処理液を供給することにより基板の洗浄処理やエッチング処理、メッキ処理、現像処理等の液処理を行う液処理装置および液処理方法に関する。
従来から、半導体ウエハ等の基板(以下、ウエハともいう)を水平状態に保持した状態で当該ウエハの表面や裏面に処理液を供給することによりウエハの洗浄処理やエッチング処理、メッキ処理、現像処理等の液処理を行う液処理装置として、様々な種類のものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。特許文献1には、処理対象のウエハを保持する基板保持部と、この基板保持部に保持されたウエハの周囲を取り囲むとともに当該ウエハの上方に開口部を有する遮蔽壁と、この遮蔽壁の上方に設けられた遮蔽部材と、前記遮蔽壁と前記遮蔽部材との間の隙間を通して側方から差し入れられ、前記基板保持部に保持されたウエハに向けて処理液を吐出する処理液ノズルと、を備えた液処理装置が開示されている。
特開2007−35866号公報
特許文献1に示すような従来の液処理装置では、処理液ノズルがウエハに向けて処理液を吐出している間に、処理液ノズルの表面に処理液のミストが付着することが考えられる。この場合、処理液ノズルの表面に多量のミストが付着したままミストが放置されると、複数のミストが凝縮して液滴が形成され、この液滴が処理中のウエハに落下してしまうおそれがある。また、処理液ノズルに付着した液滴が放置され、その結果、液滴が乾燥してしまうと、乾燥した部分の一部がパーティクルとなってウエハ上を漂い、このパーティクルがウエハに付着し、これによってウエハが汚染されることも考えられる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ノズルを支持するノズル支持アームの表面に付着したミストが、付着したまま放置されることを防止することができる液処理装置および液処理方法を提供する。
本発明の第1の観点によれば、基板を保持する基板保持部が内部に設けられた処理室と、前記基板保持部に保持された基板に対して処理液を供給するためのノズルと、前記ノズルを支持するノズル支持アームと、を備え、前記ノズル支持アームに、前記ノズル支持アームの表面に形成された吸引部と、前記吸引部を介して前記ノズル支持アームの表面に付着した液滴を吸引する吸引管と、を含む吸引機構が設けられている液処理装置が提供される。
本発明の第2の観点によれば、処理室の内部に設けられた基板保持部により基板を保持させることと、ノズル支持アームのノズルにより、前記基板保持部により保持された基板に流体を供給することと、前記ノズル支持アームに設けられた吸引機構により、前記ノズル支持アームの表面に付着した液滴を吸引することと、を備えた液処理方法が提供される。
本発明の液処理装置および液処理方法によれば、ノズルを支持するノズル支持アームの表面に付着したミストが、付着したまま放置されることを防止することができる。
本発明の実施の形態による液処理装置を含む液処理システムを上方から見た上面図である。 本発明の実施の形態による液処理装置の概略的な構成を示す上面図である。 図2に示す液処理装置の側面図である。 図2に示す液処理装置の構成の詳細を示す縦断面図であって、カップ外周筒が下方位置にあるときの状態を示す図である。 図2に示す液処理装置の構成の詳細を示す縦断面図であって、カップ外周筒が上方位置にあるときの状態を示す図である。 図4等に示す液処理装置におけるカップ外周筒の構成を示す斜視図である。 図2等に示す液処理装置における処理室および6つのノズル支持アームを示す斜視図である。 図7等に示すノズル支持アームの構成の詳細を示す側断面図である。 図7等に示すノズル支持アームを拡大して示す斜視図である。 図9に示すノズル支持アームを、ノズル支持アームの長手方向に平行する平面によって切断した場合を示す縦断面図である。 図9に示すノズル支持アームを、ノズル支持アームの長手方向に直交する平面によって切断した場合を示す縦断面図である。 ノズル支持アームに設けられた吸引機構の吸引部の第1の変形例を示す斜視図である。 ノズル支持アームに設けられた吸引機構の吸引部の第2の変形例を示す縦断面図である。 ノズル支持アームの輪郭の変形例を示す縦断面図である。 ノズル支持アームに設けられた吸引機構の吸引部が、ノズル支持アームの先端面に付着した液滴をも吸引するよう構成されている例を示す図である。 本発明の実施の形態による液処理装置の変形例を示す図であって、カップ外周筒の外側に設けられたアーム洗浄機構を示す側断面図である。 図16に示すアーム洗浄機構の洗浄用ブロックを拡大して示す斜視図である。 アーム洗浄機構の変形例を示す図であって、アーム洗浄機構の洗浄用ブロックの端面を洗浄するブロック洗浄部を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図11は、本実施の形態による液処理装置を示す図である。より詳細には、図1は、本発明の実施の形態による液処理装置を含む液処理システムを上方から見た上面図である。また、図2は、本発明の実施の形態による液処理装置の概略的な構成を示す上面図であり、図3は、図2に示す液処理装置の概略的な構成を示す側面図である。また、図4および図5は、図2に示す液処理装置の構成の詳細を示す縦断面図である。また、図6は、図4等に示す液処理装置におけるカップ外周筒の構成を示す斜視図である。また、図7乃至図11は、図2等に示す液処理装置に設けられたノズル支持アームの構成を示す図である。
まず、図1を用いて、本実施の形態による液処理装置を含む液処理システムについて説明する。図1に示すように、液処理システムは、外部から被処理基板としての半導体ウエハ等の基板W(以下、ウエハWともいう)を収容したキャリアを載置するための載置台101と、キャリアに収容されたウエハWを取り出すための搬送アーム102と、搬送アーム102によって取り出されたウエハWを載置するための棚ユニット103と、棚ユニット103に載置されたウエハWを受け取り、当該ウエハWを液処理装置10内に搬送する搬送アーム104と、を備えている。図1に示すように、液処理システムには、複数(図1に示す態様では4個)の液処理装置10が設けられている。
次に、本実施の形態による液処理装置10の概略的な構成について図2および図3を用いて説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態による液処理装置10は、ウエハWが収容され、この収容されたウエハWの液処理が行われる処理室(チャンバー)20を備えている。図3に示すように、処理室20内には、ウエハWを水平状態で保持して回転させるための保持部21が設けられており、この保持部21の周囲にはリング状の回転カップ40が配設されている。また、図2および図3に示すように、処理室20内において回転カップ40の周囲には円筒状のカップ外周筒50が配設されている。後述するように、このカップ外周筒50はウエハWの処理状況に応じて昇降可能となっている。これらの保持部21、回転カップ40およびカップ外周筒50の構成の詳細については後述する。
また、液処理装置10には、保持部21に保持されたウエハWに対してウエハWの上方から処理液やN2ガス等の流体を供給するためのノズル81と、このノズル81を支持する、水平方向に延びるノズル支持アーム82が設けられている。図2に示すように、1つの液処理装置10には複数(具体的には例えば6つ)のノズル支持アーム82が設けられており、各ノズル支持アーム82の先端近傍にノズル81が設けられている。また、図3に示すように、各ノズル支持アーム82にはアーム支持部84が設けられており、各アーム支持部84は後述するアーム駆動機構85によって図3における左右方向に駆動されるようになっている。このことにより、各ノズル支持アーム82は、ノズル81が処理室20内に進出した進出位置と、ノズル81が処理室20から後述するアーム待機部内へ退避した退避位置との間で水平方向に直線運動を行うようになっている(図2および図3における各ノズル支持アーム82に設けられた矢印参照)。また、図3に示すように、各ノズル支持アーム82には表面処理液供給管82mが設けられており、各表面処理液供給管82mは表面処理液供給部89に接続されている。そして、表面処理液供給部89から各表面処理液供給管82mを介して各ノズル支持アーム82のノズル81に処理液やN2ガス等の流体が供給されるようになっている。
また図3に示すように、ノズル支持アーム82には後述する吸引機構の吸引管73が設けられており、この吸引管73は、吸引管73内の液体および気体を吸引する吸引ポンプ77に接続されている。吸引ポンプ77としては、吸引管73内の液体および気体を適切に吸引することができる様々なものが用いられ得るが、例えばイジェクターや真空ポンプなどが用いられ得る。
図2および図3に示すように、液処理装置10において、アーム待機部80が処理室20に隣接して設けられている。このアーム待機部80において、処理室20から退避したノズル支持アーム82が待機するようになっている。また、アーム待機部80と処理室20との間には鉛直方向に延びる壁90が設けられている。この壁90には、各ノズル支持アーム82が通過可能な開口88pが設けられている。
また、図3に示すように、処理室20の上方にはFFU(ファンフィルタユニット)70が設けられており、このFFU70からN2ガス(窒素ガス)やクリーンエア等のガスがダウンフローで処理室20内に送られるようになっている。また、図2および図3に示すように、処理室20の底部におけるカップ外周筒50の内側には排気部54が設けられており、この排気部54により処理室20内の雰囲気の排気が行われるようになっている。このように、FFU70から処理室20内にクリーンエア等のガスがダウンフローで送られ、このガスが排気部54により排気されることにより、処理室20内の雰囲気の置換が行われるようになっている。
また、図2および図3に示すように、処理室20の底部におけるカップ外周筒50の外側には排気部56が設けられており、この排気部56により処理室20内の雰囲気の排気が行われるようになっている。この排気部56により、処理室20内におけるカップ外周筒50の外側の雰囲気の排気を行うことができるようになっている。具体的には、排気部56により、アーム待機部80内の雰囲気がカップ外周筒50内に入り込むことが抑止される。また、この排気部56により、カップ外周筒50内の雰囲気がアーム待機部80に出てしまうことが抑止される。
また、図2および図3に示すように、アーム待機部80の底部には排気部58が設けられており、この排気部58によりアーム待機部80内の雰囲気の排気が行われるようになっている。具体的には、各ノズル支持アーム82を駆動するためのアーム駆動機構85(後述)から発生するパーティクルを排気部58により引くことができるようになっている。
また、図2に示すように、液処理装置10の処理室20およびアーム待機部80の出入口にはそれぞれメンテナンス用のシャッター60、62が設けられている。処理室20およびアーム待機部80にそれぞれメンテナンス用のシャッター60、62が設けられていることにより、これらの処理室20内やアーム待機部80内の機器を個別にメンテナンスすることができる。
また、図2に示すように、液処理装置10の側壁には、搬送アーム104により処理室20内へウエハWを搬入したり処理室20からウエハWを搬出したりするための開口94aが設けられており、この開口94aには、当該開口94aを開閉するためのシャッター94が設けられている。
なお、図2に示す液処理装置10において、処理室20内におけるカップ外周筒50の内部の領域はクリーンルームに対して微陽圧となっており、一方、処理室20内におけるカップ外周筒50の外側の領域はクリーンルームに対して微陰圧となっている。このため、処理室20内において、カップ外周筒50の内部の領域の気圧はカップ外周筒50の外側の領域の気圧よりも大きくなっている。
次に、図2および図3に示すような液処理装置10の構成の詳細について図4および図5を用いて説明する。
図4および図5に示すように、保持部21は、ウエハWを保持するための円板形状の保持プレート26と、保持プレート26の上方に設けられた円板形状のリフトピンプレート22とを備えている。リフトピンプレート22の上面には、ウエハWを下方から支持するためのリフトピン23が周方向に等間隔で3つ設けられている。なお、図4および図5では2つのリフトピン23のみを表示している。また、リフトピンプレート22にはピストン機構24が設けられており、このピストン機構24によりリフトピンプレート22が昇降するようになっている。より具体的には、搬送アーム104(図1参照)によりウエハWをリフトピン23上に載置したりリフトピン23上からウエハWを取り出したりするときには、ピストン機構24によりリフトピンプレート22が図4等に示すような位置から上方に移動させられ、このリフトピンプレート22は回転カップ40よりも上方に位置するようになる。一方、処理室20内でウエハWの液処理を行う際には、ピストン機構24によりリフトピンプレート22が図4等に示すような下方位置に移動させられ、ウエハWの周囲に回転カップ40が位置するようになる。
保持プレート26には、ウエハWを側方から支持するための保持部材25が周方向に等間隔で3つ設けられている。なお、図4および図5では2つの保持部材25のみを表示している。各保持部材25は、リフトピンプレート22が上方位置から図4および図5に示すような下方位置に移動したときにこのリフトピン23上のウエハWを保持し、このウエハWをリフトピン23からわずかに離間させるようになっている。
各保持部材25は、ウエハWを受け取る受け取り位置と、ウエハWを保持する保持位置との間で移動可能な構造を有しており、また各保持部材25は、リフトピンプレート22の昇降と連動して動くようになっている。すなわち、リフトピンプレート22が上方位置にあるときは、各保持部材25が受け取り位置に移動し、リフトピンプレート22が下方位置にあるときは、各保持部材25が保持位置に移動する。
また、リフトピンプレート22および保持プレート26の中心部分にはそれぞれ貫通穴が形成されており、これらの貫通穴を通るよう処理液供給管28が設けられている。この処理液供給管28は、保持プレート26の各保持部材25により保持されたウエハWの裏面に薬液や純水等の処理液を供給するようになっている。また、処理液供給管28はリフトピンプレート22と連動して昇降するようになっている。処理液供給管28の上端には、リフトピンプレート22の貫通穴を塞ぐよう設けられたヘッド部分28aが形成されている。また、図4等に示すように、処理液供給管28には処理液供給部29が接続されており、この処理液供給部29により処理液供給管28に処理液が供給されるようになっている。
図4および図5に示すように、保持部21の周囲にはリング状の回転カップ40が配設されている。この回転カップ40は保持プレート26に取り付けられており、保持プレート26と一体的に回転するようになっている。より詳細には、回転カップ40は、保持プレート26の各保持部材25により支持されたウエハWを側方から囲うよう設けられており、ウエハWの液処理を行う際にこのウエハWから側方に飛散した処理液を受けるようになっている。
また、回転カップ40の周囲には、ドレインカップ42、第1案内カップ43、第2案内カップ44および第3案内カップ45が上方から順に設けられている。ドレインカップ42および各案内カップ43、44、45はそれぞれリング状に形成されている。ここで、ドレインカップ42は処理室20において固定されている。一方、各案内カップ43、44、45にはそれぞれ昇降シリンダ(図示せず)が連結されており、これらの案内カップ43、44、45は対応する昇降シリンダにより互いに独立して昇降自在となっている。
図4および図5に示すように、ドレインカップ42や各案内カップ43、44、45の下方には、第1処理液回収用タンク46a、第2処理液回収用タンク46b、第3処理液回収用タンク46cおよび第4処理液回収用タンク46dがそれぞれ設けられている。そして、各案内カップ43、44、45の上下方向における位置により、ウエハWの液処理を行う際にこのウエハWから側方に飛散した処理液が、処理液の種類に基づいて、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうちいずれか一つの処理液回収用タンクに選択的に送られるようになっている。具体的には、全ての案内カップ43、44、45が全て上方位置にあるときには(図4および図5に示すような状態)、ウエハWから側方に飛散した処理液は第4処理液回収用タンク46dに送られるようになっている。一方、第3案内カップ45のみが下方位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した処理液は第3処理液回収用タンク46cに送られるようになっている。また、第2案内カップ44および第3案内カップ45が下方位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した処理液は第2処理液回収用タンク46bに送られるようになっている。また、全ての案内カップ43、44、45が下方位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した処理液は第1処理液回収用タンク46aに送られるようになっている。
また、図4および図5に示すように、第4処理液回収用タンク46dの内側には排気部48が設けられている。そして、各案内カップ43、44、45の上下方向における位置が所定の位置となることにより、ウエハWの周囲の雰囲気が、排気部48により排気されるようになっている。
また、本実施の形態の液処理装置10においては、処理室20内においてドレインカップ42や各案内カップ43、44、45の周囲にカップ外周筒50が設けられている。このカップ外周筒50は、図4に示すような下方位置と図5に示すような上方位置との間で昇降可能となっている。また、図2および図3に示すように、カップ外周筒50には、ノズル支持アーム82が通過可能な開口50mが設けられている。カップ外周筒50は、図5に示すような上方位置にあるときに、カップ外周筒50内の領域を外部に対して隔離するようになっている。
このようなカップ外周筒50の構成の詳細について図6を用いて説明する。図6は、カップ外周筒50の構成を示す斜視図である。図6に示すように、カップ外周筒50の側面には、ノズル支持アーム82が通過可能な開口50mが、ノズル支持アーム82の本数に応じて設けられている(例えばノズル支持アーム82が6本の場合、6つの開口50mが設けられる)。また、カップ外周筒50の上部には、このカップ外周筒50を支持するための支持部材50aが連結されており、支持部材50aには当該支持部材50aを昇降させる駆動機構50bが設けられている。そして、駆動機構50bにより支持部材50aを昇降させることにより、この支持部材50aに支持されるカップ外周筒50も昇降するようになっている。
また、図4および図5に示すように、FFU70にはガイド部材51が取り付けられている。このガイド部材51は、図5に示すようにカップ外周筒50が上方位置にあるときに、このカップ外周筒50から内側にわずかに距離を隔てて位置するよう配置されている。また、本実施の形態の液処理装置10においては、図5に示すようにカップ外周筒50が上方位置にあるときには、カップ外周筒50内の気圧はカップ外周筒50の外側の気圧よりも大きくなるようになっている。このため、カップ外周筒50が上方位置にあるときには、FFU70により生じる処理室20内のダウンフローのガスが、ガイド部材51によりカップ外周筒50の上端近傍において当該カップ外周筒50の内側から外側に案内されるようになっている。
また、図4および図5に示すように、処理室20内には、カップ外周筒50を洗浄するための洗浄部52が設けられている。この洗浄部52は、純水等の洗浄液を貯留するための貯留部分52aを有しており、図4に示すようにカップ外周筒50が下方位置にあるときにこのカップ外周筒50が貯留部分52aに貯留された洗浄液に浸されるようになっている。洗浄部52は、貯留部分52aに貯留された洗浄液にカップ外周筒50が浸されることにより、このカップ外周筒50の洗浄を行うようになっている。
図4に示すように、カップ外周筒50が下方位置にあるときにはこのカップ外周筒50の大部分が貯留部分52aに貯留された洗浄液に浸されるようになる。また、図5に示すように、カップ外周筒50が上方位置にあるときにもこのカップ外周筒50の下部が貯留部分52aに貯留された洗浄液に浸されるようになる。このため、カップ外周筒50が上方位置にあるときには、貯留部分52aに貯留された洗浄液とカップ外周筒50の下部との間で水シールを行うとともに、カップ外周筒50の上部とガイド部材51との間が狭くなるので、カップ外周筒50内の領域を外部から隔離することができるようになる。
また、図4および図5に示すように、処理室20内において、洗浄部52の内側には処理室20内の雰囲気の排気を行うための排気部54が設けられており、また、洗浄部52の外側には処理室20内の雰囲気の排気を行うための排気部56が設けられている。このような排気部54および排気部56が設けられていることにより、カップ外周筒50が図4に示すような下方位置にあるときには、これらの排気部54および排気部56により処理室20内全体の雰囲気の排気を行うことができる。一方、カップ外周筒50が図5に示すような上方位置にあるときには、カップ外周筒50内の領域が外部から隔離されるので、排気部54によりカップ外周筒50の内部の雰囲気の排気を行うことができ、また、排気部56によりカップ外周筒50の外側の雰囲気の排気を行うことができる。
前述のように、本実施の形態においては、1つの液処理装置10に複数(具体的には例えば6つ)のノズル支持アーム82が設けられており、各ノズル支持アーム82の先端にノズル81が設けられている。具体的には、各ノズル81は、それぞれ、第1の薬液(具体的には、例えば酸性の薬液)、第2の薬液(具体的には、例えばアルカリ性の薬液)、純水、N2ガス、IPA(イソプロピルアルコール)、純水のミストをウエハWの上面に供給するようになっている。
以下、本実施の形態におけるノズル支持アーム82の構成について図7および図8を用いて詳述する。ここで、図7は、図2等に示す液処理装置10における処理室20および6つのノズル支持アーム82p〜82uを示す斜視図であり、図8は、図7等に示す各ノズル支持アーム82p〜82uの構成の詳細を示す側断面図である。
図7に示すように、6つのノズル支持アーム82は、例えば純水供給用アーム82p、第1の薬液供給用アーム82q、N2ガス供給用アーム82r、第2の薬液供給用アーム82s、純水のミスト供給用アーム82tおよびIPA供給用アーム82uから構成されている。前述のように、これらのアーム82p〜82uの先端近傍にはノズル81が設けられている。ここで、純水供給用アーム82pの先端近傍に設けられたノズル81からは純水がウエハWの上面に供給され、第1の薬液供給用アーム82qの先端近傍に設けられたノズル81からは第1の薬液(具体的には、例えば硫酸と過酸化水素水とを混合することにより得られるSPM液)がウエハWの上面に供給され、N2ガス供給用アーム82rの先端近傍に設けられたノズル81からはN2ガスがウエハの上面に供給されるようになっている。また、第2の薬液供給用アーム82sの先端近傍に設けられたノズル81からは第2の薬液(具体的には、例えばアルカリ性の薬液)がウエハWの上面に供給され、純水のミスト供給用アーム82tの先端近傍に設けられたノズル81からは純水のミストがウエハWの上面に供給され、IPA供給用アーム82uの先端近傍に設けられたノズル81からはIPAがウエハWの上面に供給されるようになっている。
図8に示すように、各ノズル支持アーム82には、当該ノズル支持アーム82を直進運動させるためのアーム駆動機構85が設けられている。アーム駆動機構85は、ノズル支持アーム82が図8における左右方向に直進運動を行うよう、ノズル支持アーム82を支持するアーム支持部84を駆動することができる。
本実施の形態の液処理装置10においては、アーム駆動機構85が処理室20の外部に設けられていることにより、このアーム駆動機構85から発生するゴミ等が処理室20内に入ってしまうことを抑制することができる。また、処理室20内の雰囲気がアーム駆動機構85に到達してしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態の液処理装置10においては、図7に示すように、複数のアーム82p〜82uの高さレベルが異なっていてもよい。この場合、高さレベルが互いに異なる複数のアーム82p〜82uが同時に処理室20内に進出したときにアーム同士が衝突または干渉しないようになっている。
図8に示すように、各アーム82p〜82uは二重配管構造となっている。より詳細には、各アーム82p〜82uは内部配管82bおよび外部配管82cから構成されている。内部配管82bはノズル81に連通しており、この内部配管82bからノズル81に流体が送られるようになっている。内部配管82bは例えばフッ素系樹脂から構成されている。また、内部配管82bは外部配管82cに覆われるようになっており、この外部配管82cは例えばステンレス鋼パイプにフッ素系樹脂をコーティングしたものからなる。
ところで図8に示すように、各アーム82p〜82uの表面は、側面82dと先端面82eとを含んでいる。このうち側面82dとは、各アーム82p〜82uの表面のうち各アーム82p〜82uの長手方向と同一の方向に延びる面のことである。また先端面82eとは、各アーム82p〜82uの表面のうち各アーム82p〜82uの長手方向と異なる方向に延びる面であって、アーム82qの先端に位置する面のことである。図8に示す例において、先端面82eは、各アーム82p〜82uの長手方向軸線に直交する方向に延びる平坦な面となっている。このように先端面82eを構成することにより、図8に示すように、各アーム82p〜82uは、アーム待機部80で待機しているときに、処理室20とアーム待機部80との間に設けられた壁90の開口88pをほぼ塞ぐことができる。このことにより、各アーム82p〜82uは、壁90の開口88pを塞ぐ蓋として機能するようになり、これによって、処理室20内の領域とアーム待機部80の領域とを隔離することができるようになる。
また、各アーム82p〜82uは、図5に示すような上方位置にあるカップ外周筒50の開口50mも塞ぐことができるようになっている。このことにより、カップ外周筒50内の領域とアーム待機部80の領域とを隔離することができるようになる。
(吸引機構)
また本実施の形態の液処理装置10においては、図2や図9乃至図11に示すように、ノズル支持アーム82には、ノズル支持アーム82の表面に付着した液滴を吸引する吸引機構71が設けられている。以下、吸引機構71について詳細に説明する。ここでは、各ノズル支持アーム82p〜82uのうち第1の薬液供給用アーム82qに設けられた吸引機構71について、図9乃至図11を参照して説明する。図9は、アーム82qを拡大して示す斜視図である。また図10は、図9に示すアーム82qを、アーム82qの長手方向に平行する平面によって切断した場合を示す縦断面図であり、図11は、図9に示すアーム82qを、アーム82qの長手方向に直交する平面によって切断した場合を示す縦断面図である。
アーム82qに設けられた吸引機構71について説明する前に、まず、アーム82qの内部配管82bについて説明する。上述のように、アーム82qに設けられたノズル81からは、硫酸と過酸化水素水とを混合することにより得られるSPM液がウエハWの上面に向けて吐出される。ここで、SPM液をノズル81に供給する内部配管82bは、図10および図11に示すように、硫酸を供給する第1内部配管87aと、過酸化水素水を供給する第2内部配管87bと、を含んでいる。この場合、第1内部配管87aから供給される硫酸と、第2内部配管87bから供給される過酸化水素水とは、ノズル81の直前で混合され、その後、ウエハWに供給される。
SPM液は、不要となったレジスト膜をウエハW上から除去するためにウエハW上に供給される。このSPM液は、レジスト膜の除去能力を高くするため、一般に高温に加熱された状態でウエハWに対して供給される。より具体的には、硫酸が、例えば140〜200度の高温に加熱された状態で第1内部配管87aにより供給される。また、硫酸と過酸化水素水とを混合すると、反応熱による温度上昇が生じる。このため、ノズル81からウエハW上に供給されるSPM液の温度は、例えば200〜250度程度になっている。
高温のSPM液がウエハW上に供給されると、SPM液のミストがアーム82qの側面82d上で凝縮し、この結果、アーム82qの側面82dに液滴が生成されることがある。このような液滴がアーム82q側面82dに付着したままになっている場合、いずれ液滴がアーム82qから離れ、そしてウエハW上に落下してしまうと考えられる。上述の吸引機構71は、このように液滴がウエハW上に落下してしまうことを防ぐために設けられている。図9に示すように、吸引機構71は、アーム82qの側面82dに形成された吸引部78と、吸引部78を介してアーム82qの側面82dに付着した液滴を吸引する吸引管73と、を含んでいる。上述のように、吸引管73は、吸引管73内の液体および気体を吸引する吸引ポンプ77に接続されている。
(吸引部)
次に吸引部78について具体的に説明する。はじめに、吸引部78が形成される位置について説明する。一般に、アーム82qの側面82dに付着した液滴は、重力によってアーム82qの側面82dに沿って下方に移動し、最終的にアーム82qの下端部に至ると考えられる。ここで図9に示すように、吸引部78は、アーム82qの下端部に形成されている。ここで、このため、アーム82qの側面82d上に生成された液滴を、アーム82qの下端部に形成された吸引部78によって最終的に吸引することができる。
次に、吸引部78の構造について説明する。図9乃至図11に示すように、吸引部78は、アーム82qの長手方向に沿って所定のピッチで形成された複数の吸引口72を含んでいる。各吸引口72の具体的な形状は特には限られないが、例えば各吸引口72は円形の輪郭を有している。図10および図11に示すように、各吸引口72は吸引管73に連通している。このため、アーム82qの側面82dのうち各吸引口72の近傍の領域に付着している液滴は、吸引管73からの吸引力により、吸引口72を介して吸引管73に吸引される。
好ましくは、図9に示すように、アーム82qの側面82dには、吸引口72に至るよう延びる溝82fが形成されている。この場合、液滴がアーム82qの側面82dに沿って移動している間に溝82fに接すると、当該液滴は、その後、溝82fに沿って下方に移動することになる。このため、アーム82qの側面82dに付着した液滴を、溝82fを介して吸引口72に導くことができる。これによって、吸引口72を介して液滴を吸引管73により吸引することができ、このことにより、アーム82qに付着した液滴がウエハW上に落下してしまうことをより確実に防ぐことができる。
図9および図10において、各吸引口72間のピッチが符号pにより示されている。また図9において、各溝82f間のピッチが符号pにより示されている。さらに図10において、アーム82qの長手方向における各吸引口72の寸法(直径)が符号dにより示されている。これらピッチp,pおよび直径dの具体的な値が特に限られることはなく、アーム82qの側面82dに付着し得る液滴の寸法に応じて適宜設定される。例えば、アーム82qの側面82dに付着している複数の小さな液滴が凝集し、これによって生成された1つの大きな液滴の寸法が2〜3mmになると、この液滴が重力によりアーム82qから離れてウエハW上に落下してしまう、という場合について考える。この場合、各吸引口72間のピッチpおよび各溝82f間のピッチpは、液滴が側面82dから離れてしまう際の寸法よりも小さくなるよう設定され、例えば2mm以下に設定される。これによって、液滴が側面82dから離れてしまうよりも先に液滴が溝82fに接することになり、このため、液滴を確実に吸引口72に至らせることができる。
上述のように想定される液滴の寸法に応じてピッチp,pおよび直径dの具体的な値が適宜設定されるが、一般的には、隣接する2つの吸引口72間のピッチpおよび隣接する2つの溝82f間のピッチpが1.0〜5.0mmの範囲内に設定され、各吸引口72の直径dが0.5〜1.0mmの範囲内に設定される。これによって、アーム82qの側面82dに付着するものとして想定される液滴の大部分を、吸引口72によって吸引することができる。
図10および図11に示すように、吸引管73および各吸引口72は、吸引機構用材料74の内部を切削することにより形成されている。この吸引機構用材料74は、図11に示すように、アーム82qの内側に位置するだけでなく、吸引口72の近傍においてアーム82qの側面82dを構成している。このような、吸引口72の近傍においてアーム82qの側面82dを構成する吸引機構用材料74は、好ましくは、石英などの親水性材料から構成されている。すなわち、吸引機構用材料74は、表面エネルギーが大きく濡れやすい材料から構成されている。これによって、吸引機構用材料74の表面に付着した液滴が吸引機構用材料74から離れてしまうことを抑制することができ、このことにより、液滴がウエハW上に落下してしまうことをより確実に防ぐことができる。
なお吸引機構用材料74自体が親水性を有する例を示したが、これに限られることはなく、吸引機構用材料74のうちアーム82qの側面82dを構成する領域のみが親水性材料によってコーティングされていてもよい。これによって、吸引機構用材料74の表面に付着した液滴が吸引機構用材料74から離れてしまうことを抑制することができる。
ところで上述の説明において、アーム82qの側面82dのうち吸引口72近傍の領域を除くその他の部分を構成する外部配管82cが、ステンレス鋼パイプにフッ素系樹脂をコーティングすることにより構成される例を示した。すなわち、外部配管82cの表面が撥水性を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、外部配管82cの表面は、撥水性または親水性のいずれを有していてもよい。例えば、側面82dのうち外部配管82cによって構成されている領域内においては、側面82dから離れてしまう程度の寸法の液滴が生成され得ないことが想定される場合、外部配管82cの表面が撥水性を有していてもよい。これによって、外部配管82cの表面に付着した液滴を速やかに移動させ、そして溝82fや吸引機構用材料74の領域に至らせることができる。溝82fや吸引機構用材料74の領域に至った液滴は、吸引口72を介して吸引管73により吸引される。
次に、アーム82qに設けられたノズル81の表面に付着した液滴がウエハW上に落下することを防ぐための構造について説明する。図9に示すように、アーム82qに設けられたノズル81は、下方に向かって突出するよう形成されている。このノズル81は、側面部81bと、側面部81bの下端に形成された吐出口81aと、からなっている。ここで図9に示すように、好ましくは、ノズル81は、下方に向かうにつれて先細になるよう構成されている。このようにノズル81を構成することにより、ノズルの側面部81bに付着した液滴を、ノズルの側面部81bに沿って下方へ移動させ、そして液滴を吐出口81aに至らせることができる。この場合、吐出口81aに至った液滴は、内部配管82bから供給されるSPM液とともにウエハWに吐出されることになる。
次に、このような構成からなる液処理装置10の動作について説明する。
まず、保持部21におけるリフトピンプレート22および処理液供給管28を図4に示す位置から上方に移動させることと、処理室20の開口94aに設けられたシャッター94をこの開口94aから退避させることにより開口94aを開くことを行う。そして、液処理装置10の外部からウエハWが搬送アーム104により開口94aを介して処理室20内に搬送され、このウエハWがリフトピンプレート22のリフトピン23上に載置され、その後、搬送アーム104は処理室20から退避する。この際に、カップ外周筒50は図4に示すような下方位置に位置している。また、各ノズル支持アーム82は処理室20から退避した退避位置に位置している。すなわち、各ノズル支持アーム82はアーム待機部80で待機している。また、FFU70から処理室20内にクリーンエア等のガスが常にダウンフローで送られ、このガスが排気部54により排気されることにより、処理室20内の雰囲気の置換が行われるようになっている。
次に、リフトピンプレート22および処理液供給管28を下方に移動させ、これらのリフトピンプレート22および処理液供給管28を図4に示すような下方位置に位置させる。この際に、保持プレート26に設けられた各保持部材25が、リフトピン23上のウエハWを支持し、このウエハWをリフトピン23からわずかに離間させる。
その後に、またはリフトピンプレート22の下降中に、カップ外周筒50に設けられた駆動機構50bにより、このカップ外周筒50を上方に移動させ、カップ外周筒50を図5に示すような上方位置に位置させる。そして、カップ外周筒50が上方位置に移動した後、保持部21における保持プレート26およびリフトピンプレート22を回転させる。このことにより、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWも回転する。
その後、アーム待機部80で待機している6つのノズル支持アーム82のうち一または複数のノズル支持アーム82を、壁90の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出させる(図5の二点鎖線参照)。この際に、アーム駆動機構85によりノズル支持アーム82は直線運動を行う。
その後、まず、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対して酸性の薬液により処理を行い、その後引き続いてリンス処理を行う。具体的には、図5に示すような状態で、アーム待機部80で待機している6つのノズル支持アーム82のうち第1の薬液供給用アーム82qが壁90の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する。
そして、ウエハWが回転した状態で、処理室20内に進出した第1の薬液供給用アーム82qに設けられたノズル81からウエハWの上面の中心に向けて酸性の薬液(ここではSPM液)を供給する。また、この際に、ウエハWの下面(裏面)に向かって処理液供給管28から酸性の薬液を供給してもよい。このようにして、ウエハWの少なくとも上面にSPM液が供給され、ウエハWの薬液処理が行われる。ウエハWに供給されたSPM液は、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第1処理液回収用タンク46aに送られて回収される。
第1の薬液供給用アーム82qに設けられたノズル81からウエハWの上面にSPM液が供給されている間、アーム82qに設けられた吸引機構71は、アーム82qの側面82dに付着した液滴を吸引し続ける。具体的には、高温のSPM液から発生するミストがアーム82qの側面82d上で凝縮することにより生成された液滴が、吸引口72を介して吸引管73に吸引される。これによって、アーム82qの側面82dに付着した液滴が薬液処理中にウエハ上に落下してしまうことを防ぐことができる。
次に、処理室20内に純水供給用アーム82pを進出させ、その後、純水供給用アーム82pに設けられたノズル81から純水をウエハWに供給する。ウエハWに供給された純水は、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第3処理液回収用タンク46cに送られて回収される。このようにして、カップ外周筒50内でウエハWに対してSPM液により処理が行われ、その後引き続いてリンス処理が行われるようになる。
なお、SPM液による処理の直後にリンス処理を実施するため、第1の薬液供給用アーム82qと純水供給用アーム82pとが処理室20内に同時に進出していてもよい。これによって、SPM液による処理とリンス処理との間を空けることなく、連続的にリンス処理を実施することができる。この際に、処理室20内において純水供給用アーム82pと第1の薬液供給用アーム82qは互いに高さレベルが異なっているのでこれらのアーム82p、82qが互いに干渉することはない。
ウエハWに対するSPM液による処理およびリンス処理が終了すると、処理室20に進出した第1の薬液供給用アーム82qはこの処理室20から退避してアーム待機部80で待機するようになる。一方、純水供給用アーム82pは処理室20内に残ったままとなる。また、リンス処理が行われる間に、第2の薬液供給用アーム82sが壁90の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する。より詳細には、上述のようなリンス処理が行われる際に、第2の薬液供給用アーム82sは、純水供給用アーム82pのノズル81による純水の吐出位置からわずかに後退した位置に当該第2の薬液供給用アーム82sのノズル81が位置するよう、処理室20内で待機している。
その後、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対してアルカリ性の薬液により処理を行い、その後引き続いてリンス処理を行う。具体的には、処理室20内に進出している第2の薬液供給用アーム82sおよび純水供給用アーム82pにより、ウエハWに対してアルカリ性の薬液による処理およびリンス処理が行われる。この際に、第2の薬液供給用アーム82sおよび純水供給用アーム82pは互いに高さレベルが異なるようになっているので、これらのアーム82s、82pが互いに干渉することはない。第2の薬液供給用アーム82sを用いたアルカリ性の薬液による処理の具体的な方法は、薬液の種類が異なる点を除いて、第1の薬液供給用アーム82qを用いた上述のSPM液による処理の方法と略同一である。また、アルカリ性の薬液による処理の後のリンス処理の具体的な方法は、SPM液による処理の後の上述のリンス処理の方法と略同一である。
アルカリ性の薬液による処理の後のリンス処理が行われる間に、IPA供給用アーム82uが壁90の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する。より詳細には、上述のようなリンス処理が行われる際に、IPA供給用アーム82uは、純水供給用アーム82pのノズル81による純水の吐出位置からわずかに後退した位置に当該IPA供給用アーム82uのノズル81が位置するよう、処理室20内で待機している。
その後、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWに対してIPAにより乾燥処理が行われる。具体的には、アーム待機部80で待機している6つのノズル支持アーム82のうちN2ガス供給用アーム82rが壁90の開口88pおよびカップ外周筒50の開口50mを介して処理室20内に進出する。このようにして、処理室20内にN2ガス供給用アーム82rおよびIPA供給用アーム82uがそれぞれ進出した状態となる。この際に、N2ガス供給用アーム82rおよびIPA供給用アーム82uは互いに高さレベルが異なるようになっているので、これらのアーム82r、82uが互いに干渉することはない。
そして、ウエハWが回転した状態で、処理室20内に進出したIPA供給用アーム82uに設けられたノズル81からウエハWに対してIPAを供給した後に、このウエハWにおけるIPAが供給された箇所に対して処理室20内に進出したN2ガス供給用アーム82rに設けられたノズル81からN2ガスを供給する。具体的には、処理室20内において、IPA供給用アーム82uに設けられたノズル81によりウエハWの中心にIPAが供給される。その後、IPA供給用アーム82uがウエハWの中心から周縁部に移動し、IPAが供給された後のウエハW上の領域に対して、N2ガス供給用アーム82rに設けられたノズル81によりガスが噴射されるウエハW上の領域が後を追うように、これらのIPA供給用アーム82uおよびN2ガス供給用アーム82rをウエハW上で移動させる。このようにして、ウエハWの表面において、IPAが供給された箇所にN2ガスがすぐに供給されるようになり、ウエハWの乾燥処理を適切に行うことができるようになる。なお、ウエハWに供給されたIPAは、4つの処理液回収用タンク46a、46b、46c、46dのうち例えば第4処理液回収用タンク46dに送られて回収される。ウエハWの乾燥処理が終了すると、処理室20に進出したIPA供給用アーム82uおよびN2ガス供給用アーム82rはこの処理室20から退避してアーム待機部80で待機するようになる。
ウエハの乾燥処理が終了すると、カップ外周筒50に設けられた駆動機構50bにより、このカップ外周筒50を下方に移動させ、カップ外周筒50を図4に示すような下方位置に位置させる。
その後、保持部21におけるリフトピンプレート22および処理液供給管28を図4に示す位置から上方に移動させる。この際に、保持プレート26の保持部材25により支持されたウエハWがリフトピンプレート22のリフトピン23上に受け渡される。次に、処理室20の開口94aに設けられたシャッター94をこの開口94aから退避させることにより開口94aを開き、液処理装置10の外部から開口94aを介して搬送アーム104を処理室20内に進出させ、この搬送アーム104によりリフトピンプレート22のリフトピン23上のウエハWを取り出す。搬送アーム104により取り出されたウエハWは液処理装置10の外部に搬送される。このようにして、一連のウエハWの液処理が完了する。
本実施の形態の液処理装置10によれば、上述のように、第1の薬液供給用アーム82qには吸引機構71が設けられている。このため、高温のSPM液から発生するミストがアーム82q上で凝縮することにより、アーム82q上に液滴が生成されたとしても、当該液滴を吸引機構71によって吸引することができる。これによって、ウエハW上に液滴が落下することを防ぐことができ、このことにより、ウエハWが汚染されてしまうことを防ぐことができる。
また本実施の形態の液処理装置10によれば、アーム82qの側面82dに、吸引機構71の各吸引口72に至るよう延びる溝82fが形成されている。このため、液滴を確実に吸引口72に至らせることができ、このことにより、ウエハW上に液滴が落下することをより強固に防ぐことができる。
また本実施の形態の液処理装置10によれば、アーム82qに設けられたノズル81は、下方に向かうにつれて先細になる形状を有している。これによって、ノズルの側面部81bに付着した液滴を、ノズルの側面部81bに沿って下方へ移動させ、そして液滴を吐出口81aに至らせることができる。この場合、吐出口81aに至った液滴は、内部配管82bから供給されるSPM液とともにウエハWに供給されることになる。このことにより、液滴のみが単独でウエハW上に落下してしまうことを防ぐことができる。
(比較の形態)
次に比較の形態として、上述の吸引機構71が設けられていない液処理装置10について考える。この場合、アーム82qの側面82dに付着している複数の小さな液滴は、下方に移動している間にその他の液滴と合流し、その寸法が増大すると考えられる。そして、液滴の寸法が所定の寸法よりも大きくなると、当該液滴がウエハW上に落下する。この場合、当該液滴は、アーム82qの側面82dに付着している間に冷却されており、このため、ウエハW上に落下する際の当該液滴の温度は、ノズル81からウエハW上に供給されるSPM液の温度に比べて大幅に低くなっていると考えられる。すなわち、ノズル81から供給されてウエハW上に存在しているSPM液の温度と、アーム82qの側面82dからウエハW上に落下した液滴の温度と、は大きく相違している。このため、仮にノズル81から供給されてウエハW上に存在しているSPM液の成分と、アーム82qの側面82dからウエハW上に落下した液滴の成分とが略同一であったとしても、温度の相違により、アーム82qの側面82dからウエハW上に落下した液滴によってウエハW上の反応が乱されることになる。この結果、アーム82qの側面82dからウエハW上に落下した液滴に起因して、ウエハW上にパーティクルなどの不要な物質が生成されることになる。
これに対して本実施の形態によれば、上述のように、アーム82qには吸引機構71が設けられている。このため、アーム82qの側面82dに付着した液滴がウエハW上に落下することを防ぐことができる。
また本実施の形態によれば、上述のように、アーム82qに設けられたノズル81は、下方に向かうにつれて先細になる形状を有している。このため、ノズル81の側面部81bに付着した液滴は、側面部81bに沿って下方に移動し、そして吐出口81aに至る。このため、ノズル81の側面部81bに付着した液滴のみが単独でウエハW上に落下してしまうことはなく、当該液滴は、内部配管82bから供給されるSPM液とともにウエハWに供給される。この場合、ノズル81の側面部81bに付着した液滴の温度が低くなっていたとしても、当該液滴と内部配管82bから供給されるSPM液とが混合されるため、ウエハW上に到達する液の温度には、ノズル81の側面部81bに付着していた液滴の温度の影響がほとんど現れない。このことにより、ウエハW上にパーティクルなどの不要な物質が生成されることを防ぐことができる。
吸引機構の変形例
また、吸引機構71の具体的な構成が上述の構成に限られることはなく、各アーム82p〜82uの表面に付着した液滴を吸引することができる限りにおいて、様々な構造が採用され得る。以下、吸引機構71の変形例について説明する。
(吸引部の第1の変形例)
はじめに吸引部78の変形例について説明する。図12は、吸引機構71の吸引部78の第1の変形例を示す斜視図である。
図12に示す例において、吸引部78は、アーム82qの長手方向に沿って延びるスリット75を含んでいる。このスリット75は、上述の吸引口72の場合と同様に吸引管73に連通している。このため、アーム82qの側面82dのうちスリット75の近傍の領域に付着している液滴は、吸引管73からの吸引力により、スリット75を介して吸引管73に吸引される。
図12において、スリット75の幅が符号dにより示されている。スリット75の幅dの具体的な値は特には限定されないが、例えば0.5〜1.0mmの範囲内となっている。
(吸引部の第2の変形例)
次に吸引部78の第2の変形例について説明する。図13は、吸引機構71の吸引部78の第2の変形例を示す縦断面図である。
図13に示す例において、吸引機構71の吸引管73は、多数のポーラス76aを含む多孔質材料76の内部を切削することにより形成されている。この場合、多数のポーラス76aのうちいくつかのポーラス76aは、隣接するポーラス76aとの間で互いに連通している。また図13に示すように、多数のポーラス76aの一部は多孔質材料76の表面に至っている。この場合、アーム82qの側面82dに付着している液滴を、多孔質材料76の表面に至っているポーラス76aおよび当該ポーラス76aに連通しているポーラス76aを介して吸引管73によって吸引することができる。
(アームの輪郭の変形例)
また図9乃至図13に示す本実施の形態および変形例において、アーム82qの断面形状が円形となっている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、アーム82qが、少なくとも吸引機構71の吸引部78の近傍において、下方に向かうにつれて先細になる形状を有していてもよい。例えば図14に示すように、アーム82qの断面形状が、頂点が下方に位置する逆三角形の形状となっていてもよい。この場合、アーム82qの側面82dに付着した液滴は、側面82dに沿って下方へ移動し、そして吸引口72を介して吸引管73によって吸引される。
(吸引部および吸引管の変形例)
また上述の本実施の形態および変形例において、吸引機構71の吸引部78および吸引管73が、アーム82qの側面82dに付着した液滴を吸引するよう構成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、吸引部78および吸引管73は、アーム82qの先端面82eに付着した液滴をも吸引するよう構成されていてもよい。例えば図15に示すように、吸引管73が先端面82eの近傍まで延びており、また、先端面82eの下端部に吸引口72が形成されていてもよい。これによって、アーム82qの表面(側面82dおよび先端面82e)に付着した液滴がウエハW上に落下してしまうことをより確実に防ぐことができる。
その他の変形例
また上述の本実施の形態において、アーム82qの側面82dに付着する液滴が、高温のSPM液のミストに起因する例を示した。しかしながら、アーム82qの側面82dに付着する液滴の原因が特に限られることはなく、様々な経緯でアーム82qの側面82dに付着することが考えられる。例えば、ノズル81からウエハW上に供給されたSPM液などの流体がウエハWで跳ね返され、これによって、流体の液滴がアーム82qの側面82dに汚れとして付着することが考えられる。
また上述の本実施の形態において、各ノズル支持アーム82p〜82uのうち第1の薬液供給用アーム82qに吸引機構71が設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、その他のアーム82p,82r〜82uに吸引機構71が設けられていてもよい。これによって、例えば上述のように第1の薬液供給用アーム82qと同時に純水供給用アーム82pが処理室20内に進出している場合に、高温のSPM液のミストに起因して純水供給用アーム82pの表面に付着した液滴を吸引機構71によって吸引することができる。このことにより、純水供給用アーム82pの表面に付着した液滴が薬液処理中にウエハW上に落下してしまうことを防ぐことができる。
アーム洗浄機構
また上述の本実施の形態および変形例において、ノズル支持アーム82p〜82uの表面に付着した液滴を吸引する吸引機構71が液処理装置10に設けられる例を示した。しかしながら、ノズル支持アーム82p〜82uを清浄に保つための機構が吸引機構71に限られることはない。例えば図7や図16に示すように、アーム82p〜82uの洗浄を行うため、アーム82p〜82u毎に位置固定で設けられたアーム洗浄機構88がさらに設けられていてもよい。若しくは、吸引機構71の代わりにアーム洗浄機構88が設けられていてもよい。アーム洗浄機構88は、それぞれ対応するアーム82p〜82uが移動する際に当該アーム82p〜82uの洗浄を行うようになっている。このような各アーム洗浄機構88による各アーム82p〜82uの洗浄のタイミングは自由に設定できるようになっており、具体的には、各アーム82p〜82uの洗浄は例えば処理毎に、または一日一回、あるいは月に一回行われるようになっている。
以下、アーム洗浄機構88の構成の詳細について図16および図17を参照して説明する。図16は、ノズル支持アーム82およびアーム洗浄機構88を示す側断面図であり、図17は、アーム洗浄機構88を斜め上方から見た場合を示す斜視図である。図16に示すように、アーム洗浄機構88は、上方位置にあるカップ外周筒50の外側に設けられている。なおカップ外周筒50が上方位置にあるとき、ウエハWの周囲の領域は、外部から隔離されている。ここで「隔離」とは、ウエハWの周囲の領域が外部から封止されている場合だけでなく、カップ外周筒50の内部の領域と外部の領域との間における気体の連通が妨げられている場合も含む概念である。
図16に示すように、アーム洗浄機構88は、水平方向(図16における左右方向)に延び、ノズル支持アーム82(82p〜82u)が通過可能な貫通穴88qが形成された洗浄用ブロック88rを有している。貫通穴88qの断面は、ノズル支持アーム82の断面よりもわずかに大きくなっている。また洗浄用ブロック88rには、以下に説明する、ノズル支持アーム82を洗浄するための構成要素が設けられている。
図16に示すように、洗浄用ブロック88rには、ノズル支持アーム82を洗浄するための洗浄液が収容される収容部分88aが、貫通穴88qに連通するよう設けられている。また、収容部分88aには洗浄液供給管88bが接続されており、洗浄液供給管88bから収容部分88aに洗浄液が供給されるようになっている。収容部分88aに洗浄液が供給されると、この収容部分88a内でノズル支持アーム82の外周面上に液膜が張られるようになる。そして、収容部分88aに収容された洗浄液にノズル支持アーム82(82p〜82u)の一部が接触しながら当該ノズル支持アーム82が移動することにより、ノズル支持アーム82の洗浄が行われる。
洗浄用ブロック88rには、収容部分88aに収容された洗浄液が収容部分88aから外部に漏れた場合に、漏れた洗浄液を吸引して排液するための吸引機構が設けられていてもよい。吸引機構の配置は特には限られないが、例えば図16に示すように、収容部分88aの前後にそれぞれ吸引機構88c、88dが設けられている。吸引機構88c、88dは、ノズル支持アーム82が洗浄された後に、このノズル支持アーム82に付着した液滴を吸引することにより、ノズル支持アーム82の乾燥を行うために使用されてもよい。
また洗浄用ブロック88rには、ノズル支持アーム82の内部配管82bに残留した薬液等の液体を回収するための排液部分88eが設けられていてもよい。内部配管82bから排液部分88eに送られた液体は、排液部分88eに接続されたドレン管88fを介して外部に排出される。
アーム洗浄機構88は、ノズル支持アーム82の全体を洗浄するよう構成されていてもよく、あるいはノズル支持アーム82の一部分のみを洗浄するように構成されていてもよい。
アーム洗浄機構88の具体的な配置が特に限られることはないが、例えば図16に示すように、アーム洗浄機構88は、壁90の開口88pに取り付けられている。この場合、図16に示すように、各アーム洗浄機構88および各アーム82p〜82uは、各アーム82p〜82uがアーム待機部80で待機しているときに、壁90の開口88pを塞ぐことができる。このことにより、処理室20内の領域とアーム待機部80の領域とを隔離することができる。また各アーム82p〜82uは、各アーム82p〜82uが待機しているときに、図16に示すような上方位置にあるカップ外周筒50の開口50mをも塞ぐよう配置されてもよい。このことにより、カップ外周筒50内の領域とアーム待機部80の領域とを隔離することができる。
ところで、ノズル支持アーム82の断面は、ノズル支持アーム82が適切にカップ外周筒50の開口50mを通過することができるよう、開口50mよりもわずかに小さく構成されている。このため、ノズル支持アーム82がカップ外周筒50の開口50mを塞いでいる場合であっても、開口50mとノズル支持アーム82との間にはわずかな隙間が形成されている。この場合、図17において矢印で示されているように、カップ外周筒50の内部の領域において使用されている処理液が、開口50mとノズル支持アーム82との間の隙間を通ってカップ外周筒50の外部に到達することが考えられる。例えば、カップ外周筒50の内部の領域においてアーム82qのノズル81からウエハWに向けて吐出されたSPM液が、ウエハWによって跳ね返され、そしてSPM液の飛沫88zとして開口50mとノズル支持アーム82との間の隙間を通ることが考えられる。このような飛沫88zがカップ外周筒50の外部の領域に到達し、その後に飛沫88zが乾燥すると、乾燥した部分の一部がパーティクルとなってカップ外周筒50の外部の領域を漂うことになる。また、パーティクルが開口50mとノズル支持アーム82との間の隙間を通ってカップ外周筒50の内部の領域に入り込み、そして、パーティクルがウエハWに付着してしまうことも考えられる。
ここで本変形例によれば、図16および図17に示すように、アーム洗浄機構88の洗浄用ブロック88rは、ウエハWに対してSPM液などの処理液が供給されるときに、すなわちカップ外周筒50が上方位置にあるときにカップ外周筒50の外面に対向する端面88sを有している。このため、カップ外周筒50の開口50mとノズル支持アーム82との間の隙間を通ってカップ外周筒50の外部に到達した処理液の飛沫88zを、端面88sによって受けることができる。すなわち、処理液の飛沫88zを端面88sに付着させることにより、処理液の飛沫88zがカップ外周筒50の外部の領域において拡散することを防ぐことができる。このことにより、カップ外周筒50の外部の領域がパーティクルによって汚染されることを防ぐことができ、この結果、ウエハWがパーティクルによって汚染されることを防ぐことができる。なお、端面88sの形状や端面88sとカップ外周筒50の外面および開口50mとの間の距離などは、カップ外周筒50の内部の領域から飛来する処理液の飛沫88zを端面88sによって適切に遮断することができるよう、適宜設定されている。
ところで、洗浄用ブロック88rの端面88sに付着した処理液の飛沫88zを放置しておくと、その後に飛沫88zが乾燥し、乾燥した部分の一部がパーティクルとなってカップ外周筒50の外部の領域を漂うことが考えられる。また、生成されたパーティクルがウエハWに付着してしまうことも考えられる。このようなウエハWの汚染を防ぐため、アーム洗浄機構88は、洗浄用ブロック88rの端面88sを洗浄するブロック洗浄部88tをさらに有していてもよい。図18は、アーム洗浄機構88を洗浄用ブロック88rの端面88s側から見た場合を示す斜視図であって、洗浄用ブロック88rに取り付けられたブロック洗浄部88tの一例を示す斜視図である。
図18に示すように、ブロック洗浄部88tは、洗浄用ブロック88rの端面88sの上部に配置され、端面88sにブロック洗浄液88vを供給する供給口88uを含んでいる。この場合、供給口88uから端面88s上に供給されたブロック洗浄液88vは、図18において矢印で示すように、端面88sに沿って下方へ流れる。これによって、端面88sに付着している処理液の飛沫88zを洗浄することができる。このため、洗浄用ブロック88rの端面88sがパーティクルの発生源となることを防ぐことができ、このことにより、ウエハWがパーティクルによって汚染されることを防ぐことができる。
ブロック洗浄部88tの供給口88uから端面88s上に供給されるブロック洗浄液88vの種類が特に限られることはなく、端面88sに付着している処理液の飛沫88zを洗浄することができる適切な液が用いられる。例えば、ブロック洗浄液88vとして水が用いられ得る。
ブロック洗浄部88tは、端面88sに向けて空気やN2ガスなどの気体を吐出する吐出口をさらに有していてもよい。これによって、ブロック洗浄液88vによって端面88sを洗浄した後、端面88sに向けて気体を吐出することが可能となり、このことにより、端面88sを速やかに乾燥させることができる。なお、端面88sに向けて気体を吐出するための吐出口と、端面88s上にブロック洗浄液88vを供給するための供給口88uとが、共通のものであってもよい。
ブロック洗浄部88tを用いて洗浄用ブロック88rの端面88sを洗浄するタイミングが特に限られることはなく、自由に設定され得る。例えば、アーム82qのノズル81からSPM液をウエハWに向けて吐出した後、各アーム82p〜82uに対応するアーム洗浄機構88においてそれぞれ、ブロック洗浄部88tを用いた洗浄用ブロック88rの端面88sの洗浄が実施されてもよい。この際、SPM液用のアーム82qに対応するアーム洗浄機構88においては、アーム82qを処理室20からアーム待機部80に向けて移動させている間に、ブロック洗浄部88tを用いた洗浄用ブロック88rの端面88sの洗浄が実施されてもよい。これによって、液処理装置10におけるスループットが低下してしまうことを抑制しながら、洗浄用ブロック88rの端面88sの洗浄を実施することができる。
10 液処理装置
20 処理室
21 保持部
71 吸引機構
73 吸引管
78 吸引部
81 ノズル
82 ノズル支持アーム
88 アーム洗浄機構
88r 洗浄用ブロック
88t ブロック洗浄部

Claims (14)

  1. 基板を保持する基板保持部が内部に設けられた処理室と、
    前記基板保持部に保持された基板に対して処理液を供給するためのノズルと、
    前記ノズルを支持するノズル支持アームと、を備え、
    前記ノズル支持アームに、前記ノズル支持アームの表面に形成された吸引部と、前記吸引部を介して前記ノズル支持アームの表面に付着した液滴を吸引する吸引管と、を含む吸引機構が設けられ、
    前記ノズル支持アームは、水平方向に延びており、
    前記吸引機構の前記吸引部は、前記ノズル支持アームの下端部に形成されていることを特徴とする液処理装置。
  2. 前記ノズル支持アームの表面に、前記吸引機構の前記吸引部に至るよう延びる溝が形成されていることを特徴とする請求項に記載の液処理装置。
  3. 前記ノズル支持アームが、少なくとも前記吸引機構の前記吸引部の近傍において、下方に向かうにつれて先細になる形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の液処理装置。
  4. 前記ノズルが、下方に向かうにつれて先細になる形状を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の液処理装置。
  5. 前記ノズル支持アームの表面を構成する材料が、少なくとも前記吸引機構の前記吸引部の近傍において、親水性材料からなっていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の液処理装置。
  6. 前記吸引機構の前記吸引部が、前記ノズル支持アームの長手方向に沿って所定のピッチで形成された複数の吸引口を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の液処理装置。
  7. 前記ノズル支持アームの長手方向において、各吸引口の寸法は0.5〜1.0mmの範囲内となっており、
    隣接する2つの前記吸引口間の前記ピッチは、1.0〜5.0mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項に記載の液処理装置。
  8. 前記吸引機構の前記吸引部が、前記ノズル支持アームの長手方向に沿って延びるスリットを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の液処理装置。
  9. 前記基板に対して処理液が供給されるときに前記基板の周囲の領域を外部から隔離するよう構成され、前記ノズル支持アームが通過可能な開口が設けられた円筒状のカップ外周筒と、
    前記カップ外周筒の外側に設けられ、前記ノズル支持アームを洗浄するアーム洗浄機構と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の液処理装置。
  10. 前記アーム洗浄機構は、前記ノズル支持アームが通過可能な貫通穴が形成された洗浄用ブロックを有し、
    前記洗浄用ブロックは、前記カップ外周筒の外面に対向する端面を含むことを特徴とする請求項に記載の液処理装置。
  11. 前記アーム洗浄機構は、前記洗浄用ブロックの前記端面を洗浄するブロック洗浄部をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の液処理装置。
  12. 前記ブロック洗浄部は、前記洗浄用ブロックの前記端面の上部に配置され、前記端面にブロック洗浄液を供給する供給口を含む請求項11に記載の液処理装置。
  13. 処理室の内部に設けられた基板保持部により基板を保持させることと、
    ノズル支持アームのノズルにより、前記基板保持部により保持された基板に流体を供給することと、
    前記ノズル支持アームに設けられた吸引機構により、前記ノズル支持アームの表面に付着した液滴を吸引することと、を備え、
    前記ノズル支持アームは、水平方向に延びており、前記吸引機構は、前記ノズル支持アームの下端部に形成されている吸引部から前記液滴を吸引することを特徴とする液処理方法。
  14. 前記ノズル支持アームに設けられた吸引機構により、前記ノズル支持アームの表面に付着した液滴を吸引することが、前記ノズル支持アームのノズルにより、前記基板保持部により保持された基板に流体を供給することの間に実施されることを特徴とする請求項13に記載の液処理方法。
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