JP5823344B2 - ダストリサイクル方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脱炭炉におけるダストリサイクル方法に関する。
転炉精錬においては、転炉に溶銑等を主原料として装入し、酸素ガスを吹き込んで脱炭処理を行う。この脱炭処理の際に発生する排ガス中には多量のダストが含まれ、この量は例えば20kg/t程度にもなる。このダストは多量の鉄分を含むため、可能な限りリサイクルすることが好ましい。
上記脱炭処理の際に生じるダストには、スピッティング等に起因する比較的粗大な粒子と、火点からのヒューム等に起因する微細な粒子とに分けられる。前者は、鉄分が特に多くかつ亜鉛及び鉛分が少ないため、好適かつ容易に再利用ができる。逆に後者は、鉄分が比較的少なく、亜鉛及び鉛分が多い。そのため、発生したダストを比重分離等で粗粒と微粒とに分け、粗粒を脱炭処理や焼結などで再利用することが行われている。
一方、上述の微粒のダストも45〜65質量%程度の鉄分を含むため、可能な限り再利用することが望まれている。しかし、亜鉛は熱間圧延における延性阻害や連続鋳造中のモールド内面におけるメッキの腐食磨耗速度の増加等を招く。また、鉛はスラグからの溶出が環境汚染を生じさせる。従って、亜鉛及び鉛の含有量が多い微粒ダストを大量に製鉄原料としてリサイクルすることは困難であり、この微粒ダストは例えばセメント原料等に用いられている。
そのような中、亜鉛を含有するダストを効率的にリサイクルする方法として、(1)分離した微粒のダストをさらに分離し、これらのうち比較的径が大きく低亜鉛濃度のダストはそのまま再利用する一方、より径が小さく高亜鉛濃度のダストは脱亜鉛処理して再利用する方法(特表2008−32638号公報参照)、及び(2)酸素ガスの吹き込み速度を制御することなどにより、処理の前半に高亜鉛濃度のダストを発生させ、後半に低亜鉛濃度のダストを発生させる方法(特開2005−126781号公報参照)が提案されている。また、ダストに含まれる亜鉛の量を減らす方法として、(3)含亜鉛鉄スクラップを予め溶銑収容容器に入れ置きしておき、この容器に高炉からの溶銑を受銑し、この溶銑に脱珪及び脱リン処理を行う方法(特開2008−31497号公報参照)が提案されている。
しかし、上記(1)の方法は、多段の分離や脱亜鉛処理を必要とするため煩雑となる。上記(2)の方法は、処理の前半と後半とによる吹き込み速度の制御やダストの分別回収が必要となる。また、上記(3)の方法によれば、一定程度のダスト中の亜鉛濃度の低減は可能である。しかし、この技術は投入物がダストではないのでダストリサイクルの指針となるものではない。さらに、上記(1)〜(3)のいずれも、再利用可能なダストの量を示すものはなく、スラグ中の含鉛量や鉛溶出量を減らす方法については何ら触れられていない。
他方、スラグ中の鉛の溶出を抑える技術としては、スラグ組成を調整することなどによりスラグ中の鉛を不溶化させる方法が提案されている(特開2002−20815号公報参照)。しかし、この技術はスラグの有効利用には資するものの、脱炭炉から生じる亜鉛含有ダストのリサイクルを効果的に行うための参考となるものではない。
特表2008−32638号公報 特開2005−126781号公報 特開2008−31497号公報 特開2002−20815号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、脱炭処理において、得られる溶鋼中の亜鉛含有量及び生じるスラグからの鉛溶出量を抑制しつつ、生じるダストを脱炭炉へ最大限再利用することができるダストリサイクル方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
脱炭炉における脱炭処理で発生するダストを回収する工程、
上記ダストを微粒ダストと粗粒ダストとに分離する工程、及び
上記微粒ダストをリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する工程
を有し、
上記脱炭炉に装入する微粒ダスト量X(kg/t)が下記式(1)及び(2)を満たすダストリサイクル方法である。
X≦(172−100B)/A ・・・(1)
X≦(6.34−100b+0.0292c−0.708d)/a ・・・(2)
(上記式(1)中、Aは、微粒ダストにおける亜鉛濃度(質量%)である。Bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量(kg/t)である。
上記式(2)中、aは、微粒ダストにおける鉛濃度(質量%)である。bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量(kg/t)である。cは、脱炭炉で発生するスラグ量(kg/t)である。dは、上記スラグの塩基度である。)
ここで、kg/tとは主原料1tに対する質量であり、この主原料の量は脱炭炉に装入される溶銑、冷銑及びスクラップの合計量をいう。
本発明のダストリサイクル方法によれば、脱炭炉に装入(再利用)する微粒ダスト量Xが式(1)を満たすことで、溶鋼中の亜鉛含有量を所定範囲に抑えることができ、式(2)を満たすことで、スラグからの鉛溶出量を所定範囲に抑えることができる。従って、当該ダストリサイクル方法によれば、脱炭処理で生じるダストを脱炭炉へ多量に再利用することができ、ダストを最大限にリサイクルすることができる。
本発明のダストリサイクル方法の一実施形態に用いられるダスト回収分離システムを示す模式図 溶鋼Zn濃度と投入Zn量との関係を示すグラフ スラグPb溶出濃度と投入Pb量等との関係を示すグラフ 実施例の結果を示すグラフ
以下、本発明のダストリサイクル方法の実施の形態を図面を参照にしつつ詳説する。
当該ダストリサイクル方法は、
脱炭炉における脱炭処理で発生するダストを回収する工程、
上記ダストを微粒ダストと粗粒ダストとに分離する工程、及び
上記微粒ダストを特定条件下でリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する工程
を有する。
(1)回収工程
この工程では、脱炭炉で発生するダストを回収する。上記脱炭炉とは、転炉のうち主に脱炭処理を目的としたものをいう。なお、この脱炭処理の前処理として、脱リン処理等の溶銑予備処理を行うこともできる。
上記脱炭炉としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には上底吹転炉、底吹転炉、上吹転炉等を用いることができるが、処理効率などの点から上底吹転炉が好ましい。上記脱炭炉のサイズとしては、特に制限されず、例えば、出鋼量50〜400t規模のものを用いることができる。上記ダストの回収方法としては、特に制限されず、公知の集塵機を用いることができる。
(2)分離工程
この工程では、回収された上記ダストを微粒ダストと粗粒ダストとに分離する。この分離方法としては、特に制限されず、分級器等の公知の分離手段により行うことができる。例えば、図1に示すダスト回収分離システム1が、好適に用いられる。
図1のダスト回収分離システム1は、脱炭炉2(転炉)、集塵フード3a、3b、3c、散水機4、分級器5、シックナー6及び換気集塵機7を備える。上記集塵フード3aは脱炭炉2の直上に設けられており、集塵フード3b、3cは集塵フード3aの周囲に設けられている。
上記ダスト回収分離システム1においては、吹錬中には、脱炭炉2からのダストYを含む排ガスXが、集塵フード3aを介して散水機4に送られ、散水機4内で排ガスXとダストYとに分離される。分離されたダストYは水と共に分級器5に送られる。分級器5においては、質量が大きい粗粒ダストY1が回収される。一方、質量の小さい微粒ダストY2は上澄み液と共にシックナー6に送られ、その後沈殿回収される。
一方、溶銑装入時及び出鋼時には、排ガスXは換気集塵機7によって処理される。すなわち、溶銑装入時及び出鋼時には、脱炭炉2を傾斜して作業が行われることから、上記集塵フード3aの周囲に配置される集塵フード3b、3cを介して、換気集塵機7に排ガスXが送られる。
上記回収分離システム1においては、このように吹錬中に発生するダストYを回収し、粗粒ダストY1と微粒ダストY2とに分離することができる。なお、上記粗粒ダストは粒径50μm以上の粒子が80体積%以上のものをいい、上記微粒ダストは粒径50μm未満の粒子が80体積%以上のものをいう。ここで、粒径は、レーザー回折・散乱式の粒径分析装置で測定される値をいう。
この分離工程後、得られた微粒ダストの亜鉛及び鉛濃度を測定する工程を有することが好ましい。この測定方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ICP発光分析法等により測定することができる。
(3)装入工程
この工程では、分離された上記微粒ダストをリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する。この際、上記脱炭炉に装入する微粒ダスト量X(kg/t)は、下記式(1)及び(2)を共に満たす。
X≦(172−100B)/A ・・・(1)
(上記式(1)中、Aは、微粒ダストにおける亜鉛濃度(質量%)である。Bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量(kg/t)である。)
X≦(6.34−100b+0.0292c−0.708d)/a ・・・(2)
(上記式(2)中、aは、微粒ダストにおける鉛濃度(質量%)である。bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量(kg/t)である。cは、脱炭炉で発生するスラグ量(kg/t)である。dは、上記スラグの塩基度である。)
ここで、上記式(1)及び(2)を導出した根拠を示す。
(式(1)について)
実績値としての脱炭処理後溶鋼のZn(亜鉛)濃度をV(ppm)、及びこの際の投入亜鉛量をZ(kg/t)として、切片0での2次式で回帰することにより下記式(1−i)を得た(図2参照)。
V=6.35Z+6.58Z ・・・(1−i)
ここで、溶鋼Zn濃度(V)が投入Zn量(Z)の2次式となる理由については定かではないが、以下の理由でZn含有量が増えると揮発割合が減るためであると考えられる。すなわち、亜鉛の蒸発は、ZnO+[C]=Zn↑+CO↑などの反応で進行するが、温度が一定の状況下では反応界面でのZn蒸気分圧が低いほど反応が右(すなわち揮発が進む方向)に進む。従って、Zn量が増えると蒸発するZn量も増えるため、Zn蒸気分圧が上がり、揮発しがたくなると考えられる。
一方、ダストリサイクルの際の亜鉛の弊害は、上述したとおり得られる溶鋼中の亜鉛の残存が熱間圧延における延性を阻害することが挙げられるが、溶鋼中の亜鉛濃度が30ppm程度であれば問題ないとされている(特開2007−146228号公報参照)。また、溶鋼中の亜鉛の残存は、連続鋳造中のモールド内面のメッキの腐食磨耗速度を高めることも挙げられが、このことからも、溶鋼中の亜鉛濃度を30ppm以下とすることが必要となる(特開2004−255409号公報参照)。従って、上記式(1−i)においてV≦30(ppm)として二次不等式を解くと下記式(1−ii)が得られる。
Z≦1.72 ・・・(1−ii)
ここで、投入亜鉛量(Z)は、脱炭炉にリサイクルする微粒ダスト量X(kg/t)、上記微粒ダストにおける亜鉛濃度A(質量%)、及び上記脱炭炉に装入する上記微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量B(kg/t)を用いると、下記式(1−iii)で表すことができる。
Z=X×A/100+B ・・・(1−iii)
よって、上記式(1−ii)及び(1−iii)から上記式(1)を導くことができる。
(式(2)について)
ダストリサイクルにおける鉛(Pb)の弊害は、上述のように脱炭処理の際に揮発しなかったPbがスラグに残存し、脱炭スラグからの鉛溶出の原因となることにある。一般的にこの脱炭スラグは、路盤材や土木工事用の埋め戻し剤等に使用される。この際、このスラグは環境省告示第46号法に記載の土壌溶出試験における鉛溶出濃度0.01ppm以下の基準を満たす必要がある。そこで、この鉛溶出濃度の基準を満たす指標として、式(2)を導いた。
ここで、鉛溶出濃度V(ppm)は、脱炭処理の際の投入Pb量Z(kg/t)に比例すると考えられる。また、発生するスラグ量c(kg/t)が多い場合はスラグ中のPb濃度が低下するため、発生スラグ量が多いほど鉛溶出濃度が低下する傾向がある。さらには、この発生するスラグの塩基度d(CaO/SiO)が高いと、CaO+HO=Ca(OH)の反応量が多くなるため、スラグと接触する水のpHが高くなり、鉛溶出濃度が増加する傾向にある。これらの点を踏まえ、実績値としてスラグからの鉛溶出濃度をV(ppm)、この際の投入鉛量をZ(kg/t)、発生するスラグ量をc(kg/t)及びこのスラグの塩基度をdとし、Vを従属変数、Z、c及びdを独立変数、切片0として重回帰を行うことで下記式(2−i)を得た(図3参照)。
V=0.158Z−4.60×10−5c+1.12×10−3d ・・・(2−i)
ここで、投入鉛量(Z)は、脱炭炉にリサイクルする微粒ダスト量X(kg/t)、上記微粒ダストにおける鉛濃度a(質量%)、及び上記脱炭炉に装入する上記微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量b(kg/t)を用いると、下記式(2−ii)で表すことができる。
Z=X×a/100+b ・・・(2−ii)
上記式(2−ii)を式(2−i)に代入すると、下記式(2−iii)が得られる。
V=0.158(X×a/100+b)Z4.60×10−5c+1.12×10−3d ・・・(2−iii)
一方、鉛溶出濃度V(ppm)は、V≦0.01とする必要があるため、この式を上記式(2−iii)に代入し、変形することで上記式(2)を導くことができる。
なお、この微粒ダストの脱炭炉への装入方法(リサイクル方法)としては特に限定されず、例えば、ブリケットやペレットのように塊成化したものを用いる方法、ガスをキャリアとしてランスから吹き付ける方法、インジェクションランスから吹き込む方法等を挙げることができる。
この装入工程において、脱炭炉に装入される他の原料としては、特に限定されず、通常使用されるものが用いられる。具体的には、主原料として、溶銑、冷銑及びスクラップが挙げられ、その他の副原料として、石灰、焼結鉱、上記微粒ダスト以外のダスト等が挙げられる。
上記他の原料に含まれる亜鉛及び鉛の量は、各原料種の質量と亜鉛又は鉛濃度との積で求めることができる。上記亜鉛又は鉛濃度の測定方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
当該ダストリサイクル方法においては、上記式(1)及び(2)を共に満たす微粒ダスト量X(kg/t)を脱炭炉に装入する(リサイクルする)ため、上述したダストリサイクルの際の亜鉛及び鉛の存在による不都合を抑制することができる。また、このように脱炭炉に装入可能な微粒ダスト量を上記式(1)及び(2)により導かれるので、最大限に微粒ダストを再利用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における測定方法、用いた脱炭炉(転炉)及び原料は以下のとおりである。
[測定方法]
(1)微粒ダスト中の亜鉛及び鉛濃度
ICP発光分析法により各濃度を測定した。分析下限は、それぞれ0.01質量%である。
(2)脱炭処理前後の溶銑及び溶鋼中の亜鉛及び鉛濃度
ICP−MASSにより各濃度を測定した。分析下限は、それぞれ1ppmである。
(3)スラグ量
スラグ量とは、脱炭処理中に発生するスラグの質量であり、下記式により導出した。
Figure 0005823344
ここで、
:副原料iの投入量[kg]
:主原料j(溶銑、冷銑及びスクラップ)の投入量[kg]
(%CaO):副原料iのCaO濃度[質量%]
(%SiO:副原料iのSiO濃度[質量%]
[%Si]j:主原料j中のSi濃度[質量%]
SiO2:SiOの分子量[kg/mol]
Si:Siの分子量[kg/mol]
(%SiO+%CaO)max:スラグ中CaO濃度とSiO濃度の最大値
である。なお、(%SiO+%CaO)maxは、当業者定法による脱炭スラグの分析値より61質量%を用いた。これにより、スラグ量は実操業範囲における最小値となるため、ダストリサイクル可能量は安全サイドに見積もられることになる。
(4)スラグ塩基度
スラグ塩基度とは、スラグ中の(CaO)/(SiO)のことであり、以下の式によって導出した。
Figure 0005823344
ここで、
:副原料iの投入量[kg]
:主原料j(溶銑、冷銑及びスクラップ)の投入量[kg]
(%CaO):副原料iのCaO濃度[質量%]
(%SiO:副原料iのSiO濃度[質量%]
[%Si]j:主原料j中のSi濃度[質量%]
SiO2:SiOの分子量[kg/mol]
Si:Siの分子量[kg/mol]
である。
(5)スラグからのPb溶出濃度
環境省告示46号で定められた土壌溶出試験に準じて測定した。
[脱炭炉]
脱炭炉(転炉)は、容量250t(粗鋼ton)の上底吹転炉(上吹ノズル:6孔、スロート径:42mm、孔角度:15°)を用いた。また、底吹きのガスはN及びCOガスを使用した。底吹きの羽口型式は一層環状管であり、個数は4個である。
[原料]
(1)溶銑
事前脱リン処理を施していない溶銑を用いた。また、溶銑中の各成分は以下のとおりである。
[C]:4.2〜4.6質量%
[Si]:0.3〜0.5質量%
[Mn]:0.1〜0.4質量%
[P]:0.10〜0.130質量%
HMR=80〜90質量%(各実施例毎のHMRは表1及び2に示す)
(2)溶銑以外のZn源及びPb源
主原料の一つとしてのスクラップは、Zn及びPbを実質上含有しない工場内発生のものを用いた。
Zn含有副原料としては、Zn含有量0.01質量%の焼結鉱を用いた。その他の用いた副原料はZnを実質上含有しない。
Pb含有副原料としては、Pb含有量0.002質量%の上記焼結鉱を用いた。その他の用いた副原料はPbを実質上含有しない。
(3)微粒ダスト
図1に示した装置で脱炭炉から回収及び分離して得られた微粒ダスト(粒径50μm未満の粒子が80体積%以上)を5質量%の澱粉をバインダーとして用いてブリケット状(40mm×40mm×25mm)にしたものを用いた。
[実施例1〜14、比較例I−1〜I−5及び比較例II−1〜II〜6]
上記脱炭炉に主原料としての溶銑及びスクラップを装入した。次いで、炉上ホッパーから石炭、焼結鉱等の副原料と共にブリケット状にした微粒ダストを装入し、吹錬を行った。
各実施例及び比較例において装入した主原料(溶銑及びスクラップ)の装入量と、溶銑の装入量、HMR、Zn含有率(濃度)(ppm)及びPb含有率(濃度)(ppm)と、副原料としての焼結鉱の装入量(Wsin(kg/t))と、微粒ダスト(ダスト)の組成(Zn及びPb含有量)及び装入量(リサイクル量)と、発生したスラグの量と塩基度は、表1〜2に示すとおりである。
なお、表1〜2中のリサイクル上限値は、式(1)により導かれる上限値をX(Zn)、式(2)により導かれる上限値をX(Pb)としたものである。また、表1〜2中の適否の欄において、「○」は式(1)又は(2)を満たすこと、「L」は式(1)又は(2)を満たすが上限値に近いもの(2kg/t以下)、「↓」は式(1)又は(2)を満たさないことを示す。
また、表1〜2中の脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量B(kg/t)、及び脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量b(kg/t)は、以下の式にて算出した。
B=HMR×[ppm Zn]×1/1000+Wsin×(0.01/100)
b=HMR×[ppm Pb]×1/1000+Wsin×(0.002/100)
Figure 0005823344
Figure 0005823344
脱炭処理(吹錬)後の得られた溶鋼中の亜鉛濃度、及び脱炭処理中に発生したスラグからの鉛溶出濃度を上記方法にて測定した。測定結果を表3〜4及び図4に示す。なお、表3及び4中の評価の欄において、「○」は溶鋼中の亜鉛濃度又はスラグからの鉛溶出濃度が上限値以下であること、「×」は上限値を超えていることを示す。
Figure 0005823344
Figure 0005823344
表3〜4及び図4に示されるように、実施例1〜14は、式(1)及び(2)を共に満たすダスト量をリサイクルしているため、脱炭処理において溶鋼の亜鉛含有量を30ppm以下に抑え、かつ発生するスラグからの鉛溶出濃度を0.010ppm以下に抑えることができる。一方、比較例I(I−1〜I〜5)は溶鋼中の亜鉛含有量が上限を超え、比較例II(II−1〜II−6)はスラグからの鉛溶出濃度が上限を超えている。
以上説明したように、本発明のダストリサイクル方法は、脱炭処理において、得られる溶鋼中の亜鉛含有量及び生じるスラグからの鉛溶出量を抑制しつつ、脱炭処理で生じるダストを脱炭炉へ多量に再利用することができる。従って、当該ダストリサイクル方法は、製鉄に好適に利用される。
1 ダスト回収分離システム
2 脱炭炉
3a、3b、3c 集塵フード
4 散水機
5 分級器
6 シックナー
7 換気集塵機
X 排ガス
Y ダスト
Y1 粗粒ダスト
Y2 微粒ダスト

Claims (1)

  1. 脱炭炉における脱炭処理で発生するダストを回収する工程、
    上記ダストを粒径50μm未満の粒子が80体積%以上の微粒ダストと粒径50μm以上の粒子が80体積%以上の粗粒ダストとに分離する工程、及び
    上記微粒ダストをリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する工程
    を有し、
    上記脱炭炉に装入する微粒ダスト量X(kg/t)が下記式(1)及び(2)を満たし、
    上記脱炭炉で発生するスラグの塩基度が3.9以上であるダストリサイクル方法。
    X≦(172−100B)/A ・・・(1)
    X≦(6.34−100b+0.0292c−0.708d)/a ・・・(2)
    (上記式(1)中、Aは、微粒ダストにおける亜鉛濃度(質量%)である。Bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量(kg/t)である。
    上記式(2)中、aは、微粒ダストにおける鉛濃度(質量%)である。bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量(kg/t)である。cは、脱炭炉で発生するスラグ量(kg/t)である。dは、上記スラグの塩基度である。)
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