JP6710564B2 - 電気炉精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スラグの密度よりも見かけ密度が高い加炭材を用いた電気炉精錬方法に関する。
電気炉精錬においては、アーク電極によって形成されるアークプラズマを用いて、主原料の鉄屑および造滓材を溶解しつつ、酸素ランスからOガスとともに、コークス粉等の加炭材を電気炉内の溶鉄に供給する。電気炉に供給された加炭材は、燃焼することによって炉内の溶鉄および溶鉄の表面に生成した溶融スラグへ熱付加する。また、加炭材は、溶鉄表面に生成したスラグ中の酸化鉄等の酸化物の還元材、さらには、電気炉内の溶鉄の加炭材として作用する。
従来、電気炉精錬で用いられている加炭材としては、小塊コークス、コークス粉、CDQ粉(コークス消火設備捕集粉)、CDQ粉のブリケットおよび鉄粉含有CDQ粉のブリケット等が知られている。これらは酸化物の還元、COガスやCOガスへの燃焼および溶鋼への加炭等の反応へ寄与しやすく、また、簡易な設備で製造できることから、電気炉精錬に広く用いられている。例えば、特許文献1には、電気炉ダストと粉粒状炭材とを用いた電気炉用加炭材が開示されている。
特開2000−212630号公報
しかしながら、従来から用いられている加炭材および特許文献1に開示されている加炭材の見かけ密度は、溶鉄の表面に生成した溶融スラグの密度より小さい。このため、加炭材を電気炉内に投入しても、溶融スラグ内で浮上してしまい溶鉄に到達できず、その後、溶融スラグとともに排滓されるので、溶融スラグの鉄濃度を低下できない、という課題があった。本発明は、従来技術が抱える上記課題を鑑みてなされたものであり、電気炉精錬終了後における溶融スラグの鉄濃度を含む成分濃度から算出される計算密度を所定の範囲内にすることで、鉄濃度を従来よりも低い濃度に抑えた電気炉精錬方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]炭材粉と、バインダーと、鉄、鉄酸化物、マンガンおよびマンガン酸化物の少なくとも1つと、を含む加炭材を溶鉄に投入する電気炉精錬方法であって、電気炉精錬におけるスラグの密度よりも見かけ密度が高い前記加炭材を溶鉄に投入し、電気炉精錬終了後の前記スラグの組成が下記の数式(1)を満足することを特徴とする電気炉精錬方法。
3600≦{(FeO質量%)+(SiO質量%)+(CaO質量%)+(Al質量%)+(MgO質量%)+(MnO質量%)}/{(FeO質量%)/5740+(SiO質量%)/2700+(CaO質量%)/3200+(Al質量%)/4000+(MgO質量%)/3600+(MnO質量%)/5400}≦4215・・・数式(1)
但し、上記数式(1)において、(FeO質量%)は、前記スラグ中のFeO濃度を表し、(SiO質量%)は、前記スラグ中のSiO濃度を表し、(CaO質量%)は、前記スラグ中のCaO濃度を表し、(Al質量%)は、前記スラグ中のAl濃度を表し、(MgO質量%)は、前記スラグ中のMgO濃度を表し、(MnO質量%)は、前記スラグ中のMnO濃度を表す。
[2]炭材粉と、バインダーと、鉄、鉄酸化物、マンガンおよびマンガン酸化物の少なくとも1つと、を含む加炭材を溶鉄に投入する電気炉精錬方法であって、前記加炭材は、電気炉精錬におけるスラグの密度よりも見かけ密度が高いことを特徴とする電気炉精錬方法。
[3]前記加炭材の見かけ密度は、下記の数式(2)を満足することを特徴とする[2]に記載の電気炉精錬方法。
Y>{(FeO質量%)+(SiO質量%)+(CaO質量%)+(Al質量%)+(MgO質量%)+(MnO質量%)}/{(FeO質量%)/5740+(SiO質量%)/2700+(CaO質量%)/3200+(Al質量%)/4000+(MgO質量%)/3600+(MnO質量%)/5400}・・・数式(2)
但し、上記数式(2)において、Yは、前記加炭材の見かけ密度(kg/m)を表し、(FeO質量%)は、前記スラグ中のFeO濃度を表し、(SiO質量%)は、前記スラグ中のSiO濃度を表し、(CaO質量%)は、前記スラグ中のCaO濃度を表し、(Al質量%)は、前記スラグ中のAl濃度を表し、(MgO質量%)は、前記スラグ中のMgO濃度を表し、(MnO質量%)は、前記スラグ中のMnO濃度を表す。
[4]前記加炭材は、炭素分原単位で2.1kg/t−溶鉄以上となるように前記溶鉄に投入される[2]または[3]に記載の電気炉精錬方法。
[5]前記加炭材は、炭素分原単位で30.1kg/t−溶鉄以下となるように前記溶鉄に投入される[2]から[4]のいずれか1つに記載の電気炉精錬方法。
[6]前記鉄および鉄酸化物として、鉄製ショットブラスト残渣および/または磁着スラグを用いることを特徴とする[2]から[5]のいずれか1つに記載の電気炉精錬方法。
本発明の電気炉精錬方法を用いることで、電気炉精錬終了後における溶融スラグの鉄濃度を含む成分濃度から算出される計算密度を、3600kg/m以上4215kg/m以下の範囲内に調整できる。これにより、従来よりも溶融スラグの鉄濃度を低い濃度に抑えた電気炉精錬が実現でき、電気炉精錬における鉄歩留まりを向上できる。
本実施形態の電気炉精錬方法が適用される電気炉の一例を示す断面図である。 (a)は、溶融スラグの密度よりも見かけ密度が大きい加炭材の溶融スラグ内の状態を示す模式図であり、図2(b)は、溶融スラグの密度よりも見かけ密度が小さい加炭材の溶融スラグ内の状態を示す模式図である。 加炭材の着炭効率を示すグラフである。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。図1は、本実施形態に係る電気炉精錬方法が適用される電気炉10の一例を示す断面図である。電気炉10は、炉本体12と、炉蓋14と、アーク電極16と、バーナー18と、シュート20と、酸素ランス22と、を備える。
電気炉10の炉本体12には、まず、スクラップ等の屑鉄が生石灰等の造滓材とともに装入される。その後、アーク電極16によって形成されるアークプラズマとバーナー18を用いた屑鉄側面からのカッチングにより、屑鉄および造滓材が炉本体12内で溶解される。図1は、屑鉄および造滓材が溶解され、炉本体12において溶鉄24の上表面に溶融スラグ26が形成された状態を示している。なお、溶融スラグ26は、前チャージの溶融スラグの一部を含む。屑鉄および造滓材が溶解された後、不図示の炉頂ホッパに貯留された加炭材28が、シュート20を介して段階的に炉本体12へ投入される。
図2(a)は、溶融スラグの密度よりも見かけ密度が大きい加炭材28の溶融スラグ内の状態を示す模式図である。図2(b)は、溶融スラグの密度よりも見かけ密度が小さい加炭材30の溶融スラグ内の状態を示す模式図である。
図2(a)に示した加炭材28は、本実施形態に係る電気炉精錬方法に用いられる加炭材であり、溶融スラグ26の密度よりも見かけ密度が大きい加炭材である。加炭材28は、シュート20から投入されて溶融スラグ26に入り込む。加炭材28の見かけ密度は、溶融スラグ26の密度よりも大きいので、溶融スラグ26からの浮力よりも加炭材28にかかる重力の方が大きくなる。このため、加炭材28は、図2(a)に示すように溶融スラグ26中を沈降する。これにより、加炭材28のほとんどが溶鉄24に到達でき、この結果、加炭材28の着炭効率は大きく向上する。なお、本実施形態において、着炭効率とは、投入した加炭材における炭素質量に対して溶鉄の炭素濃度向上に寄与した炭素質量の割合(質量%)をいう。
一方、図2(b)に示した加炭材30は、溶融スラグ26の密度よりも見かけ密度が小さい加炭材である。加炭材30も、加炭材28と同様に、シュート20から投入されて溶融スラグ26に入り込む。しかしながら、加炭材30の見かけ密度は溶融スラグ26の密度よりも小さいので、図2(b)に示すように、加炭材30は、溶融スラグ26の浮力によって溶融スラグ26内で浮上する。このため、加炭材30のほとんどが溶鉄24に到達できず、溶融スラグ26の上表面を漂った後に、溶融スラグ26とともに系外に排滓される。このため、加炭材30の着炭効率は低下する。
本実施形態における加炭材28は、溶融スラグ26の計算密度よりも見かけ密度が高い。電気炉精錬における溶融スラグ26の計算密度Xは、その溶融スラグの各成分濃度から下記の数式(3)で算出できる。なお、計算密度Xとは、溶融スラグ26の成分濃度から計算される密度をいう。
X={(FeO質量%)+(SiO質量%)+(CaO質量%)+(Al質量%)+(MgO質量%)+(MnO質量%)}/{(FeO質量%)/5740+(SiO質量%)/2700+(CaO質量%)/3200+(Al質量%)/4000+(MgO質量%)/3600+(MnO質量%)/5400}・・・数式(3)
但し、上記数式(3)で、Xは、溶融スラグ26の計算密度(kg/m)を表し、(FeO質量%)は、溶融スラグ26中のFeO濃度を表し、(SiO質量%)は、溶融スラグ26中のSiO濃度を表し、(CaO質量%)は、溶融スラグ26中のCaO濃度を表し、(Al質量%)は、溶融スラグ26中のAl濃度を表し、(MgO質量%)は、溶融スラグ26中のMgO濃度を表し、(MnO質量%)は、溶融スラグ26中のMnO濃度を表す。
加炭材28の見かけ密度は、溶融スラグ26の計算密度よりも高いので、加炭材28の見かけ密度Yは、下記の数式(2)を満足する。
Y>{(FeO質量%)+(SiO質量%)+(CaO質量%)+(Al質量%)+(MgO質量%)+(MnO質量%)}/{(FeO質量%)/5740+(SiO質量%)/2700+(CaO質量%)/3200+(Al質量%)/4000+(MgO質量%)/3600+(MnO質量%)/5400}・・・数式(2)
但し、上記数式(2)において、Yは、加炭材28の見かけ密度(kg/m)を示し、他は、数式(3)と同じである。
溶融スラグ26の初期の各成分濃度は、前チャージから持ち込まれる溶融スラグの量と、持ち込まれる溶融スラグ中の各成分濃度と、当該チャージで投入される造滓材の量とから予測できる。また、その後の溶融スラグ26の各成分濃度の変化は、予測された初期の溶融スラグ26の各成分濃度と、本実施形態に係る溶融スラグ26の計算密度よりも見かけ密度の高い加炭材を用いることによる溶融スラグ26の成分調整効果を加味して定められたターゲットとなる鋼種の成分に調整するための電気炉精錬条件と、から予測できる。そして、予測された各成分濃度の変化と上記数式(3)を用いて算出された溶融スラグ26の計算密度の変化の推移における最も高い計算密度に一定の安全率を乗じた値よりも加炭材28の見かけ密度が高くなるように、加炭材28の原料の配合量を定めて製造する。
次に、加炭材28の製造方法について説明する。本実施形態に係る加炭材28は、コークス粉と、タールと、製鉄所で発生した鉄製ショットブラスト残渣または磁着スラグを含んで構成される。なお、コークス粉は、炭材粉の一例であり、タールは、バインダーの一例である。また、鉄製ショットブラスト残渣または磁着スラグは、鉄、鉄酸化物の少なくとも1つの例である。また、鉄、鉄酸化物に代えて、マンガンおよびマンガン酸化物を用いてもよい。また、磁着スラグとは、製鉄所における製鋼工程で発生したスラグを粉砕した後に磁力選別し、磁着側に選別されたスラグである。
下記表1に加炭材28に用いた鉄製ショットブラスト残渣および磁着スラグの組成を示す。このように、鉄および鉄酸化物として、製鉄所で発生した鉄製ショットブラスト残渣および/または磁着スラグを用いてよい。これにより、製鉄所で発生した鉄製ショットブラスト残渣や磁着スラグを加炭材28の原料としてリサイクルできる。
これらの原料は、加炭材28の見かけ密度Yが上記数式(2)を満足するように配合され、ニーダー方式またはKB方式を用いて混合され、その後、ブリケットマシンを用いて成型される。このようにして、本実施形態に係る加炭材28が製造される。
加炭材28は、その見かけ密度が溶融スラグ26の計算密度よりも高いので、溶融スラグ26内を沈降して高い着炭効率で溶鉄24に着炭する。図3は、加炭材の着炭効率を示すグラフである。図3において、「MBC1」は、コークス粉に鉄製ショットブラスト残渣とタールとを添加して製造したメタルブリケットである。「MBC2」は、コークス粉に磁着スラグとバインダーとを添加して製造したメタルブリケットである。「コークス粉」は、酸素ランスからインジェクションで投入したコークス粉である。また、「コークス粉ブリケット」は、コークス粉にバインダーを添加して成型したブリケットである。これらの加炭材の組成と、見かけ密度と、これらの加炭材を用いて電気炉精錬を実施した後の場合の溶融スラグの計算密度と、を表2に示す。
MBC1およびMBC2は、溶融スラグ26の計算密度よりも見かけ密度が高い加炭材である。一方、コークス粉およびコークス粉ブリケットは、溶融スラグ26の計算密度よりも見かけ密度が低い加炭材である。なお、着炭効率は、投入した炭素質量に対する溶鉄の炭素濃度の増加に寄与した炭素質量の割合(質量%)である。
図3に示すように、溶融スラグ26の計算密度よりも見かけ密度が高い加炭材であるMBC1の着炭効率は90質量%であり、MBC2の着炭効率は97質量%であった。一方、溶融スラグ26の計算密度よりも見かけ密度が低い加炭材であるコークス粉の着炭効率は50質量%であり、コークス粉ブリケットの着炭効率は40質量%であった。このように、溶融スラグ26の計算密度よりも加炭材の見かけ密度を高くすることで、加炭材の着炭効率を大きく向上できることが確認された。
また、着炭効率の高い加炭材を用いることで、溶鉄24の炭素濃度を高めることができる。濃度が高められた溶鉄24の炭素は、溶融スラグ26に含まれる酸化鉄等を還元し、溶融スラグ26の各成分濃度が調整され、特に、溶融スラグ26の鉄濃度が低減される。これにより、溶融スラグの鉄濃度を低い濃度に抑えた電気炉精錬が実現でき、電気炉精錬における鉄歩留まりを向上できる。
次に、本発明に係る電気炉精錬方法を用いて、電気炉精錬を行なった実施例を説明する。電気炉容量が70.0tで、トランス容量が30,000kVAの電気炉10を用いて、スクラップ等の鉄屑を65.0tと生石灰等の造滓材5.2tとを装入し、これらをアーク電極16およびバーナー18を用いて溶解した。表3に実施例の電気炉精錬条件を示す。
実施例1として、シュート20から表2に示したMBC1を100.0kg投入し、その後、酸素ランスから1430Nm(22Nm/t−溶鉄)の酸素を吹込みながら、シュート20からMBC1を分割して投入した。初期に投入した100.0kgのMBC1を含め、MBC1を合計で624.0kg(加炭材原単位で9.6kg/t−溶鉄 炭素分原単位で3.4kg/t−溶銑)投入して、電気炉精錬を実施した。表4に実施例1における溶鉄の初期組成および終了組成を示す。また、溶融スラグの初期組成を表5に示す。
実施例2として、実施例1と同じ条件で、MBC1をシュート20から100.0kg投入し、その後、酸素ランスから実施例1と同じ量の酸素を吹込みながら、シュート20からMBC1を分割して投入した。初期に投入した100.0kgを含め、MBC1を合計で390.0kg(加炭材原単位で6.0kg/t−溶鉄 炭素分原単位で2.1kg/t−溶銑)投入して、電気炉精錬を実施した。
実施例3として、実施例1と同じ条件で、MBC1をシュート20から100.0kg投入し、その後、酸素ランスから実施例1と同じ量の酸素を吹込みながら、シュート20からMBC1を分割して投入した。初期に投入した100.0kgを含め、MBC1を合計で5590.0kg(加炭材原単位で86.0kg/t−溶鉄 炭素分原単位で30.1kg/t−溶銑)投入して、電気炉精錬を実施した。
実施例4として、実施例1と同じ条件で、シュート20から実施例1で用いたMBC1と炭素分原単位をあわせた量のMBC2を投入し、酸素ランスから実施例1と同じ量の酸素を吹込んで電気炉精錬を実施した。
比較例1として、実施例1と同じ条件で、実施例1で用いたMBC1と炭素分原単位をあわせた量のコークス粉を酸素ランス22からインジェクションで投入するとともに、酸素ランスから実施例1と同じ量の酸素を吹込んで電気炉精錬を実施した。
比較例2として、実施例1と同じ条件で、実施例1で用いたMBC1と炭素分原単位をあわせた量のコークス粉ブリケットを投入し、酸素ランスから実施例1と同じ量の酸素を吹込んで電気炉精錬を実施した。表6は、実施例1から実施例4、および比較例1、2の電気炉精錬終了後の溶融スラグの各組成を示す。
実施例1における溶融スラグ組成の結果から、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度の高い加炭材であるMBC1を用いることで、溶融スラグの鉄濃度を20質量%以下である13質量%に抑えた電気炉精錬が実現できることがわかる。このように、溶融スラグの計算密度よりも高い見かけ密度の加炭材を用いることで、溶融スラグ中に含まれる鉄濃度を低くでき、これにより、電気炉精錬における鉄歩留まりを大きく向上できる。また、実施例2の結果から、溶融スラグの鉄濃度を20質量%以下にするには、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度の高い加炭材を炭素原単位で2.1kg/t−溶鉄以上となるように投入すればよいことがわかる。
一方、溶融スラグの鉄濃度が10質量%未満になると、溶融スラグの流動性が悪化し、溶融スラグの排滓が困難になる。このため、溶融スラグの鉄濃度は10質量%以上が好ましい。実施例3の結果から、溶融スラグの鉄濃度を10質量%以上にするには、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度の高い加炭材を炭素原単位で、30.1kg/t−溶鉄以下となるように、当該加炭材を投入すればよいことがわかる。
このように、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度が高い加炭材を用いることで、電気炉精錬終了後の溶融スラグの各成分濃度を調整でき、この結果、溶融スラグの鉄濃度を10質量%以上であって20質量%以下にできる。この溶融スラグの組成および計算密度から、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度が高い加炭材を用いることで、電気炉精錬終了後の溶融スラグが下記の数式(1)を満足するような電気炉精錬を実施できる。
3600≦{(FeO質量%)+(SiO質量%)+(CaO質量%)+(Al質量%)+(MgO質量%)+(MnO質量%)}/{(FeO質量%)/5740+(SiO質量%)/2700+(CaO質量%)/3200+(Al質量%)/4000+(MgO質量%)/3600+(MnO質量%)/5400}≦4215・・・数式(1)
比較例1は、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度が低い加炭材であるコークス粉を用いて電気炉精錬を行なった結果である。溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度が低いコークス粉を、酸素ランスを用いてインジェクションで投入しても、溶鉄の炭素濃度を高めることができず、電気炉精錬終了後の溶融スラグの成分濃度を調整して溶融スラグの鉄濃度を低下させることができない。このため、比較例1の電気炉精錬後の溶融スラグの計算密度は、表6に示すように4330kg/mになり、上記数式(1)を満足しない。
比較例2は、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度が低い加炭材であるコークス粉ブリケットを用いて電気炉精錬を行なった結果である。溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度が低いコークス粉ブリケットを投入しても、溶鉄の炭素濃度を高めることができない。このため、電気炉精錬後の溶融スラグの成分濃度を調整し、溶融スラグの鉄濃度を低下させることができない。このため、比較例2の電気炉精錬終了後の溶融スラグの計算密度は、表6に示すように4299kg/mになり、上記数式(1)を満足しない。
以上、説明したように、本発明に係る加炭材を用いた電気炉精錬方法を実施して、電気炉精錬終了後における溶融スラグの鉄濃度を含む成分濃度から算出される計算密度を3600kg/m以上4215kg/m以下の範囲内に調整する。これにより、溶融スラグの計算密度よりも見かけ密度が低い加炭材を用いて電気炉精錬を実施した場合よりも溶融スラグの鉄濃度を低い濃度に抑えた電気炉精錬が実現でき、電気炉精錬における鉄歩留まりを向上できる。一方、比較例1および比較例2として示したコークス粉およびコークス粉ブリケットを用いても、電気炉精錬終了後における溶融スラグの計算密度を3600kg/m以上4215kg/m以下の範囲内に調整できず、溶融スラグの鉄濃度を低く抑えた電気炉精錬が実現できない。
10 電気炉
12 炉本体
14 炉蓋
16 アーク電極
18 バーナー
20 シュート
22 酸素ランス
24 溶鉄
26 溶融スラグ
28 加炭材
30 加炭材

Claims (1)

  1. 炭材粉と、
    バインダーと、
    鉄、鉄酸化物、マンガンおよびマンガン酸化物の少なくとも1つと、
    を含む加炭材を溶鉄に投入する電気炉精錬方法であって、
    電気炉精錬におけるスラグの計算密度よりも見かけ密度が高い前記加炭材を溶鉄に投入し、電気炉精錬終了後の前記スラグの組成が下記の数式(1)を満足することを特徴とする電気炉精錬方法。
    3600≦{(FeO質量%)+(SiO質量%)+(CaO質量%)+(Al質量%)+(MgO質量%)+(MnO質量%)}/{(FeO質量%)/5740+(SiO質量%)/2700+(CaO質量%)/3200+(Al質量%)/4000+(MgO質量%)/3600+(MnO質量%)/5400}≦4215・・・数式(1)
    但し、上記数式(1)において、(FeO質量%)は、前記スラグ中のFeO濃度を表し、(SiO質量%)は、前記スラグ中のSiO濃度を表し、(CaO質量%)は、前記スラグ中のCaO濃度を表し、(Al質量%)は、前記スラグ中のAl濃度を表し、(MgO質量%)は、前記スラグ中のMgO濃度を表し、(MnO質量%)は、前記スラグ中のMnO濃度を表す。
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