JP5821889B2 - 熱磁気サイクル装置 - Google Patents

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Description

ここに開示される発明は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置に関し、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置として利用することができる。
特許文献1、および特許文献2は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置のひとつである磁気熱量効果型ヒートポンプ装置を開示している。そこには、磁性体である磁気熱量素子の磁気熱量効果を利用したヒートポンプ装置が提案されている。これらの装置では、磁気熱量素子への外部磁場の印加(以下、励磁とも呼ぶ)と、磁気熱量素子への外部磁場の除去(以下、消磁とも呼ぶ)とを周期的に切換えるために、永久磁石および磁路を形成するヨーク部材を有する磁場変調装置を備えている。磁場変調装置は、永久磁石を含む磁気部材を回転させることにより、磁気熱量素子に与えられる外部磁場の強さを周期的に変調している。
特開2012−255642号公報 特許第4557874号公報
従来技術の構成では、永久磁石を含む磁気回路が大きく、重い。このため、熱磁気サイクル装置としての体格の大型化、重量の増加を招いている。このような観点から、熱磁気サイクル装置にはさらなる改良が求められている。
発明の目的のひとつは、軽量な熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、小型の熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、励磁期間が消磁期間より短い磁気変調装置の採用が可能な熱磁気サイクル装置を提供することである。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
発明のひとつは、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、磁気熱量素子が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および磁気熱量素子が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように外部磁場を変調するとともに、励磁期間が消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、磁気熱量素子は、熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、熱交換部は、消磁期間における熱輸送媒体との熱交換効率より高い熱交換効率を励磁期間において提供することを特徴とする熱磁気サイクル装置である。
発明のひとつは、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、磁気熱量素子が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および磁気熱量素子が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように外部磁場を変調するとともに、励磁期間が消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、磁気熱量素子は、熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、熱交換部は、熱輸送媒体の流れの方向に応じて異なる熱交換効率を提供することを特徴とする熱磁気サイクル装置である。
発明のひとつは、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、磁気熱量素子が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および磁気熱量素子が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように外部磁場を変調するとともに、励磁期間が消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、磁気熱量素子は、熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、熱交換部は、消磁期間における熱輸送媒体の圧力損失より高い圧力損失を励磁期間において提供することを特徴とする熱磁気サイクル装置である。
発明のひとつは、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、磁気熱量素子が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および磁気熱量素子が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように外部磁場を変調するとともに、励磁期間が消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、磁気熱量素子は、熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、熱交換部(61、261、361、461)は、往復的な流れ(FM、FN)の方向に関して非対称となる形状を有することを特徴とする熱磁気サイクル装置である。
発明のひとつは、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、磁気熱量素子が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および磁気熱量素子が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように外部磁場を変調するとともに、励磁期間が消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、磁気熱量素子は、熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、熱交換部(561)は、往復的な流れ(FM、FN)のそれぞれにおいて磁気熱量素子を異なる振動状態にする振動子(567)を備えることを特徴とする熱磁気サイクル装置である。
この構成によると、励磁期間が消磁期間より短いから、外部磁場を供給するための磁力源を軽量化することができる。
発明の第1実施形態に係る磁気熱量効果型ヒートポンプ装置(以下、MHP装置という)のブロック図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態の磁気熱量素子の斜視図である。 第1実施形態の磁気熱量素子の断面図である。 発明の第2実施形態の磁気熱量素子の断面図である。 発明の第3実施形態の磁気熱量素子の断面図である。 第3実施形態の磁気熱量素子の断面図である。 発明の第4実施形態の磁気熱量素子の断面図である。 第4実施形態の磁気熱量素子の断面図である。 発明の第5実施形態の磁気熱量素子の斜視図である。 発明の第6実施形態のMHP装置の断面図である。
以下に、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1は、発明を適用した第1実施形態に係る車両用空調装置10を示すブロック図である。車両用空調装置10は、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置11を備える。磁気熱量効果型ヒートポンプ装置11はMHP(Magneto-caloric effect Heat Pump)装置11とも呼ばれる。MHP装置11は、熱磁気サイクル装置を提供する。
この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。
MHP装置11は、磁気熱量素子12を備える。磁気熱量素子12は、MCE(Magneto-Caloric Effect)素子12とも呼ばれる。MCE素子12は、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる。MCE素子12は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。MCE素子12は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子12は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。MCE素子12は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮する磁性体によって作られている。例えば、ガドリウム系材料、またはランタン−鉄−シリコン化合物を用いることができる。また、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物を用いることができる。
ひとつのMCE素子12とそれに関連する要素は、磁気熱量素子ユニットを構成する。磁気熱量素子ユニットは、MCD(Magneto-Caloric effectDevice)ユニットとも呼ばれる。MHP装置11は、MCE素子12の磁気熱量効果を利用する。MHP装置11は、MCE素子12をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルとして機能させるための磁場変調装置13と熱輸送装置14とを備える。
磁場変調装置13は、MCE素子12に外部磁場を与えるとともに、その外部磁場の強さを増減させる。磁場変調装置13は、MCE素子12を強い磁界内に置く励磁状態と、MCE素子12を弱い磁界内またはゼロ磁界内に置く消磁状態とを周期的に切換える。磁場変調装置13は、MCE素子12が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間PM、およびMCE素子12が励磁期間PMより弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間PNを周期的に繰り返すように外部磁場を変調する。さらに、磁場変調装置13においては、励磁期間PMが消磁期間PNより短く(PM<PN)設定されている。磁場変調装置13は、外部磁場を生成するための磁力源、例えば永久磁石、または電磁石を備える。この磁力源は励磁期間PMが消磁期間PNより短くなるように構成されている。
熱輸送装置14は、MCE素子12が放熱または吸熱する熱を輸送するための熱輸送媒体を流すための流体機器を備える。熱輸送装置14は、MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体をMCE素子12に沿って流す装置である。熱輸送装置14は、磁場変調装置13による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れFM、FNを発生させる。
この実施形態では、MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体は一次媒体と呼ばれる。一次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。熱輸送装置14は、磁場変調装置13による磁場の増減に同期して熱輸送媒体を往復的に移動させる。熱輸送装置14は、熱輸送媒体を流すためのポンプを含むことができる。熱輸送装置14は、一次媒体を流すためのポンプ41、42を備える。ポンプ41、42は、ひとつのMCE素子12に関して一次媒体の往復流れを供給する。ポンプ41、42は、MCE素子12の両端に配置されている。ポンプ41、42は、相補的に吸入行程と吐出工程とを実行するように配置されている。
MHP装置11は、動力源としてのモータ15を備える。モータ15は、磁場変調装置13の動力源である。モータ15は、熱輸送装置14の動力源である。
MHP装置11は、MHP装置11によって得られた高温を輸送する高温系統16を備える。高温系統16は、MHP装置11によって得られた高温を利用する機器でもある。MHP装置11は、MHP装置11によって得られた低温を輸送する低温系統17を備える。高温系統16は、MHP装置11によって得られた低温を利用する機器でもある。
高温系統16は、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供する熱交換器51を備える。二次媒体は、高温系統16において熱を輸送するために利用される熱輸送媒体である。二次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。高温系統16は、二次媒体が循環的に流される経路52を備える。高温系統16は、二次媒体と他の媒体との間の熱交換を提供する熱交換器53を備える。例えば、熱交換器53は、二次媒体と空気との熱交換を提供する。高温系統16は、MHP装置11の高温端から熱を持ち去り、高温端を冷却する機器でもある。
低温系統17は、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供する熱交換器54を備える。二次媒体は、低温系統17において熱を輸送するために利用される熱輸送媒体である。二次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。低温系統17は、二次媒体が循環的に流される経路55を備える。低温系統17は、二次媒体と他の媒体との間の熱交換を提供する熱交換器56を備える。例えば、熱交換器56は、二次媒体と空気との熱交換を提供する。低温系統17は、MHP装置11の低温端に熱を持ち込み、低温端を加熱する機器でもある。
車両用空調装置10は、車両に搭載され、車両の乗員室の温度を調節する。2つの熱交換器53、56は、車両用空調装置10の一部を提供する。熱交換器53は、熱交換器56より高温になる高温側熱交換器53である。熱交換器53は、室内熱交換器53とも呼ばれる。熱交換器56は、熱交換器53より低温になる低温側熱交換器56である。熱交換器56は、室外熱交換器56とも呼ばれる。車両用空調装置10は、高温側熱交換器53、および/または低温側熱交換器56を室内空調のために利用するための空調ダクトおよび送風機などの空気系機器を備える。
車両用空調装置10は、冷房装置または暖房装置として利用される。車両用空調装置10は、室内に供給される空気を冷却する冷却器と、冷却器によって冷却された空気を再び加熱する加熱器とを備えることができる。MHP装置11は、車両用空調装置10における冷熱供給源、または温熱供給源として利用される。すなわち、高温側熱交換器53は上記加熱器として用いることができる。また、低温側熱交換器56は上記冷却器として用いることができる。
MHP装置11が温熱供給源として利用されるとき、高温側熱交換器53を通過した空気は車両の室内に供給され、暖房のために利用される。このとき、低温側熱交換器56を通過した空気は車両の室外に排出される。MHP装置11が冷熱供給源として利用されるとき、低温側熱交換器56を通過した空気は車両の室内に供給され、冷房のために利用される。このとき、高温側熱交換器53を通過した空気は車両の室外に排出される。MHP装置11は、除湿装置として利用されることもある。この場合、低温側熱交換器56を通過した空気は、その後に、高温側熱交換器53を通過し、室内に供給される。MHP装置11は、冬期においても、夏期においても、温熱供給源として利用される。
車両用空調装置10は、制御装置(CNTR)18を備える。制御装置18は、車両用空調装置10の制御可能な複数の要素を制御する。例えば、制御装置18は、MHP装置11の作動と停止とを少なくとも切換えるようにモータ15を制御する。
制御装置18は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置18は、処理装置(CPU)と、プログラムを記憶する記憶媒体としてのメモリ(MMR)とを有する。制御装置18は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクによって提供されうる。プログラムは、制御装置18によって実行されることによって、制御装置18をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように制御装置18を機能させる。制御装置18が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
図2は、第1実施形態のMHP装置11の断面図である。図3は、第1実施形態のMHP装置11の断面図である。図2は、図3に示されたII−II線における断面を示す。図3は、図2に示されたIII−III線における断面を示す。
MHP装置11の動力源として設けられたモータ15は、車載の電池によって駆動される。また、モータ15は、磁場変調装置13を提供する回転子13を回転駆動する。これにより、モータ15と磁場変調装置13とは、MCE素子12へ外部磁場を印加する状態と、MCE素子12から外部磁場を除去した状態(外部磁場を印加しない状態)との間での周期的な交互切換を生じさせる。モータ15は、熱輸送装置14のポンプ41、42を駆動する。これにより、モータ15とポンプ41、42とは、ひとつのMCE素子12において、一次媒体の往復的な流れを生じさせる。
ポンプ41、42は、MCE素子12をAMRサイクルとして機能させるための一次媒体の往復流をMCDユニット内に生じさせる。ポンプ41、42は、容積型の往復流ポンプである。ポンプ41、42は、斜板型のピストンポンプである。ポンプ41、42は、多気筒のアキシャルピストンポンプである。ひとつのMCE素子12に、ポンプ41のひとつの気筒と、ポンプ42のひとつの気筒とが対応付けられている。ひとつのMCE素子12に対応付けられた2つの気筒は、相補的に作動する。これにより、ひとつのMCE素子12の長手方向に沿って流れる一次媒体の往復流が提供される。この実施形態では、MHP装置11は、熱的に並列接続された複数のMCE素子12を備える。MHP装置11においては、8つのMCE素子12が熱的に並列接続されている。よって、ポンプ41、42は8気筒である。
MHP装置11は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング21を備える。ハウジング21は、その中心軸上に回転軸22を回転可能に支持する。回転軸22は、モータ15の出力軸に連結されている。ハウジング21は、回転軸22の周囲に、磁場変調装置13を収容するための収容室23を区画形成している。収容室23は、円柱状の空間である。回転軸22には、ロータコア24が固定されている。ロータコア24は、ハウジング21とともに、磁束を通すためのヨークを提供する。ロータコア24は、その周方向に沿って磁束を通しやすい範囲と、磁束を通しにくい範囲とを形成するように構成されている。ロータコア24には、永久磁石25が固定されている。永久磁石25は、部分円筒状であり、その断面が扇型である。永久磁石25は、ロータコア24の外周面に固定されている。
ロータコア24と永久磁石25とは、それらの周囲に、永久磁石25が提供する外部磁場が強くなる領域と、永久磁石25が提供する外部磁場が弱くなる領域とを形成する。外部磁場が弱くなる領域では、外部磁場がほぼ除去された状態が提供される。ロータコア24と永久磁石25とは、回転軸22の回転に同期して回転する。よって、外部磁場が強い領域と、外部磁場が弱い領域とは、回転軸22の回転に同期して回転する。この結果、ロータコア24と永久磁石25との周囲の一点においては、外部磁場が強く印加される期間と、外部磁場が弱くなりほぼ除去された期間とが繰り返して生じる。したがって、ロータコア24と永久磁石25とは、外部磁場の印加および除去を繰り返す磁場変調装置13を提供する。ロータコア24と永久磁石25とは、MCE素子12への外部磁場の印加と除去とを切換える装置を提供する。なお、磁場の語は磁界と読み替えることができる。
ハウジング21は、少なくともひとつの作業室26を区画形成している。作業室26は、収容室23に隣接して設けられている。ハウジング21は、収容室23の径方向外側に、等間隔に配置された複数の作業室26を区画形成している。この実施形態では、ひとつのハウジング21は、8つの作業室26を区画形成している。作業室26のそれぞれは、ハウジング21の軸方向に沿って長手方向を有する柱状空間を形成している。ひとつの作業室26は、ポンプ41のひとつの気筒と、ポンプ42のひとつの気筒とに対応するように設けられている。ひとつの作業室26の両側に、ふたつの気筒が配置されている。
作業室26は、一次媒体が流通する流路を提供する。作業室26内には、その長手方向に沿って一次媒体が流れる。一次媒体は、作業室26内を長手方向に沿って往復するように流れる。
さらに、作業室26は、MCE素子12を収容する収容室を提供する。ハウジング21は、作業室26が形成された容器を提供している。作業室26の中には、磁気熱量効果を有する磁気作業物質としてのMCE素子12が配置されている。
ひとつのMCE素子12は、MHP装置11の軸方向に沿って長手方向を有する棒状に形成されている。MCE素子12は、作業室26内を流れる一次媒体と十分に熱交換できる形状に形成されている。それぞれのMCE素子12は、素子ベッドとも呼ばれる。
MCE素子12は、磁場変調装置13によって印加、または除去される外部磁場の影響下に置かれる。すなわち、回転軸22が回転すると、MCE素子12を磁化させるための外部磁場が印加された状態と、MCE素子12から上記外部磁場が除去された状態とが交互に切換えられる。
図3に図示されるように、永久磁石25が配置された周方向の範囲PMは、永久磁石25が配置されない周方向の範囲PNより短い。永久磁石25は回転軸22の周囲に固定されている。回転軸22に垂直な面において永久磁石25が周方向に占める割合は、全周の1/2より小さい。
範囲PMは、ひとつのMCE素子12に外部磁場が印加される印加期間、すなわち励磁期間PMとも呼ぶことができる。すなわち、磁場変調装置13は、励磁期間PMに相当する大きさをもつ永久磁石25を備える。範囲PNは、ひとつのMCE素子12から外部磁場が除去される除去期間、すなわち消磁期間PNとも呼ぶことができる。ここで、消磁は、磁場がゼロである状態を意味するものではなく、励磁期間PMにおける磁場より弱い磁場が印加されている状態を含む。励磁期間PMが消磁期間PNより短いこと(PM<PN)により、永久磁石25が配置される範囲PMを小さくすることができる。これにより、永久磁石25およびロータコア13を小型化することができる。また、永久磁石25およびロータコア13を軽量化することができる。言い換えると、MCE素子12に外部磁場を供給するための磁力源の重量が抑制される。
範囲PMは、範囲PNの3/4より短い。励磁期間PMが消磁期間PNの3/4より短い(PM<3/4PN)から、重量抑制効果および/または小型化効果が顕著になる。
励磁期間PMが消磁期間PNより短く設定されることに対応して、ポンプ41、42の吐出、吸入特性も非対称に設定されている。励磁期間PMにおいては、MCE素子12は発熱するから、ポンプ41、42は、一次媒体を高温系統16に向けて流すように作動する。一方、消磁期間PNにおいては、MCE素子12は吸熱するから、ポンプ41、42は、一次媒体を低温系統17に向けて流すように作動する。励磁期間PMは消磁期間PNより短いから、一次媒体が高温系統16に向けて流される第1期間は、一次媒体が低温系統17に向けて流される第2期間より短い。励磁期間PMと第1期間とは多くの範囲で重複する。励磁期間PMと第1期間とは、始期と終期とにおいてわずかにずれる場合がある。消磁期間PNと第2期間とは多くの範囲で重複する。消磁期間PNと第2期間とは、始期と終期とにおいてわずかにずれる場合がある。第1期間において高温系統16に向けて流れる一次媒体の流量と、第2期間において低温系統17に向けて流れる一次媒体の流量とは等しい。短い第1期間において、MCE素子12と一次媒体との間で十分な熱交換が実現されることが望ましい。
図4および図5は、MCE素子12に設けられた熱交換部61を示す。図5は、図4のV−V線における断面である。MCE素子12は、熱輸送媒体と熱交換する熱交換部61を備える。熱交換部61は、往復的な流れFM、FNの一方の流れFMと、他方の流れFNとにおいて異なる熱交換効率を提供する。熱交換部61は、往復的な流れFM、FNの方向に関して非対称となる形状を有する。熱交換部61は、三角柱状の突起62を有する。MCE素子12は、複数の突起62を有する。複数の突起62の周囲に一次媒体の流路63が区画形成されている。突起62は、ひとつの頂点を高温系統16に向けて指向させるように配置されている。熱交換部61は、ひとつの側面、すなわち底面を低温系統17に向けて指向させるように配置されている。
消磁期間PNにおける低温系統17へ向かう流れFNは、突起62の頂点に衝突する。流れFNは、突起62の斜面に沿って滑らかに流れる。一方、励磁期間PMにおける高温系統16へ向かう流れFMは、突起62の底面に衝突する。流れFMは、突起62の底面への衝突によって妨げられる。また、流れFMは、突起62の周囲において多くの欄りゅを生じる。
熱交換部61は、流れFMに対して、流れFNより大きい圧力損失を生じる。言い換えると、熱交換部61は、消磁期間PNにおける熱輸送媒体の圧力損失より高い圧力損失を励磁期間PMにおいて提供する。
熱交換部61は、流れFMに対して、流れFNより高い熱交換効率を提供する。熱交換部61は、励磁期間PMにおける一次媒体の流れFM、すなわち高温系統16へ向かう流れFMにおいて、逆の流れFNより高い熱交換効率を提供する。熱交換部61は、消磁期間PNにおける熱輸送媒体との熱交換効率より高い熱交換効率を励磁期間PMにおいて提供する。熱交換部61は、熱輸送媒体の流れの方向に応じて異なる熱交換効率を提供する。この構成によると、励磁期間PMにおいて消磁期間PNより高い熱交換効率が得られるから、短い励磁期間PMにおいても大きい熱交換量が得られる。これにより、短い第1期間においても、MCE素子12と一次媒体との間で必要な熱交換量が得られる。励磁期間PMが消磁期間PNより短い磁気変調装置13を採用しても、熱輸送媒体の往復流れFM、FNにおいて必要な熱交換量を提供できる。
この実施形態では、往復的な流れFM、FNの流量、すなわち一次媒体の往復的な移動量は互いに等しい。流れFMの流速と、流れFNの流速とは、ポンプ41、42の圧送特性、吸引特性によって調節することができる。
突起62の幅WDは、0.1mmから0.5mmの間の範囲に設定することができる。流路63の幅GPは、0.1mmから0.5mmの間の範囲に設定することができる。さらに、MCE素子12の流れ方向の長さMLは、100mmから300mmの間の範囲に設定することができる。
MHP装置11が運転されると、MCE素子12に対して周期的に磁場の印加と除去とが繰り返される。これにより、MCE素子12は、発熱と吸熱とを繰り返す。さらに、MCE素子12の発熱と吸熱とに同期してポンプ41、42が一次媒体の往復流を発生する。これにより、MCE素子12の周囲において熱が運搬される。
このようなMHP装置11の運転により、MHP装置11に内蔵されたMCE素子12は、高温端において高温となり、低温端において低温となる。MHP装置11は、高温端に設けられた高温系統16に温熱を供給する。MHP装置11は、低温端に設けられた低温系統17に冷熱を供給する。
この実施形態によると、励磁期間PMが消磁期間PNより短いことにより、軽量のMHP装置11が提供される。この実施形態によると、励磁期間PMが消磁期間PNより短いことにより、小型のMHP装置11が提供される。また、MCE素子12と一次媒体との間には、一次媒体の流れ方向に依存して熱交換効率が高低に変化する熱交換部61が設けられる。このため、励磁期間PMが消磁期間PNより短い構成においても、MCE素子12と一次媒体との間で必要な熱交換量が得られる。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、三角柱状の突起62を採用した。これに代えて、一次媒体の流れ方向に応じて熱交換効率が変化する種々の形状の熱交換部材を採用することができる。図6に図示されるように、この実施形態では、熱交換部261が採用される。熱交換部261は、半円柱状の突起262を備える。突起262は、流れFMに対して、流れFNよりも高い熱交換効率を発揮する。熱交換部261は、往復的な流れFM、FNの方向に関して非対称となる形状を有する。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、静的な熱交換部材によって熱交換部61、261を提供した。これに代えて、この実施形態では、一次媒体の流れ方向に応じて能動的に変位する動的な熱交換部材を含む熱交換部361が採用される。熱交換部361は、往復的な流れFM、FNのそれぞれにおいて形状が変化する。これにより、熱交換部361は、往復的な流れFM、FNの方向に関して非対称となる形状を提供する。
図7は、消磁期間PNにおける熱交換部361の状態を示す。図8は、励磁期間PMにおける熱交換部361の状態を示す。図示されるように、熱交換部361は、MCE素子12に設けられた熱交換のための複数の可動片364を備える。可動片364は、半円柱状である。可動片364は、流路63とMCE素子12と境界に配列されている。可動片364は、MCE素子12の一部である。可動片364は、MCE素子12の主要な本体部分に対して揺動可能に軸支されている。可動片364は、駆動機構365によって第1位置と、第2位置とに移動可能である。駆動機構365は、モータ、ソレノイドなどのアクチュエータと、機械的なリンク機構とによって提供することができる。アクチュエータは、モータ15の回転と同期するように制御装置18によって制御することができる。
図7に図示される第1位置において、可動片364は、一次媒体の流れFNに小さい圧力損失を与える。第1位置において、可動片364は、一次媒体の流れFNとの間において、低い熱交換効率を提供する。第1位置において、可動片364は、MCE素子12の表面に小さい凹凸を提供する。
図8に図示される第2位置において、可動片364は、一次媒体の流れFMに大きい圧力損失を与える。第2位置において、可動片364は、一次媒体の流れFMとの間において、高い熱交換効率を提供する。第2位置において、可動片364は、MCE素子12の表面に、第1位置において提供される凹凸より大きい凹凸を提供する。この構成によると、熱交換部361は、流れFMに対して、流れFNよりも高い熱交換効率を発揮する。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、駆動機構によって変位する熱交換部361を提供した。これに代えて、この実施形態では、一次媒体の流れを受けて受動的に変位する動的な熱交換部材を含む熱交換部461が採用される。熱交換部461は、往復的な流れFM、FNのそれぞれにおいて形状が変化する。これにより、熱交換部461は、往復的な流れFM、FNの方向に関して非対称となる形状を提供する。
図9は、消磁期間PNにおける熱交換部461の状態を示す。図10は、励磁期間PMにおける熱交換部461の状態を示す。図示されるように、熱交換部461は、MCE素子12に設けられた熱交換のための複数の可動片466を備える。可動片466は、フィン状である。可動片466は、流路63とMCE素子12と境界に配列されている。可動片466は、MCE素子12の一部である。可動片466は、MCE素子12の主要な本体部分に対して揺動可能に軸支されている。可動片466は、一次媒体の流れを受けることによって第1位置と、第2位置とに移動可能である。
図9に図示される第1位置において、可動片466は、一次媒体の流れFNに小さい圧力損失を与える。第1位置において、可動片466は、一次媒体の流れFNとの間において、低い熱交換効率を提供する。第1位置において、可動片466は、MCE素子12の表面に小さい凹凸を提供する。
図10に図示される第2位置において、可動片466は、一次媒体の流れFMに大きい圧力損失を与える。第2位置において、可動片466は、一次媒体の流れFMとの間において、高い熱交換効率を提供する。第2位置において、可動片466は、MCE素子12の表面に、第1位置において提供される凹凸より大きい凹凸を提供する。この構成によると、熱交換部461は、流れFMに対して、流れFNよりも高い熱交換効率を発揮する。
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、MCE素子12の表面形状によって熱交換部を提供した。これに代えて、この実施形態では、MCE素子12を振動させることにより、一次媒体の流れ方向に依存して熱交換効率を変化させる熱交換部561が採用される。熱交換部561は、往復的な流れFM、FNのそれぞれにおいてMCE素子12を異なる振動状態にする振動子567を備える。
図11は、MCE素子12の斜視図を示す。MCE素子12は、複数の板状の壁部材562と、壁部材562に隣接する一次媒体の流路563とを有する。熱交換部561は、MCE素子12を振動させる振動子567を備える。振動子567は、超音波振動子である。振動子567は、壁部材562を振動させることができるように、MCE素子12の側面に設けられている。振動子567は、消磁期間PNにおいてMCE素子12を振動させないか、または、小さく振動させる。振動子567は、励磁期間PMにおいてMCE素子12を大きく振動させる。これにより、MCE素子12と一次媒体との間の熱交換効率は、励磁期間PMにおいて、消磁期間PNより高められる。振動子567は、モータ15の回転と同期するように制御装置18によって制御することができる。例えば、制御装置18は、一次媒体が流れPMの方向に流れるとき、振動子567を振動させ、一次媒体が流れPNの方向に流れるとき、振動子567を停止させる。この構成によると、熱交換部561は、流れFMに対して、流れFNよりも高い熱交換効率を発揮する。
(第6実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、MCE素子12の両端にポンプ41、42を配置した。これに代えて、この実施形態では、2つのMCE素子12a、12bを採用し、それらの間に、ポンプ643を設ける。
図12に図示されるように、MHP装置11は、2つのMCE素子12a、12bを備える。熱輸送装置14は、2つのMCE素子12a、12bの間に配置されたポンプ643を備える。ポンプ643は、両方のMCE素子12a、12bに一次媒体を流す。ポンプ643は、ラジアルピストンポンプによって提供される。この実施形態によると、ひとつのポンプによって2つのMCE素子12a、12bに一次媒体を供給することができる。
(他の実施形態)
発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示であって、発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、それぞれ独立して実施可能である。発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
また、上記実施形態では、斜板式ポンプ、またはラジアルピストンポンプによって多気筒ポンプを提供した。これに代えて、他の形式の容積型ポンプを利用してもよい。また、上記第1実施形態では、ポンプの1気筒に、一つの作業室を対応させて配置した。これに代えて、複数の気筒とひとつの作業室、またはひとつの気筒と複数の作業室、または複数の気筒と複数の作業室を対応させて配置してもよい。
また、上記実施形態では、車両用空調装置に本発明を適用した。これに代えて、住宅用の空調装置に本発明を適用してもよい。また、水を加熱する給湯装置として利用してもよい。また、上記実施形態では、室外の空気を主要な熱源とするMHP装置11を説明した。これに代えて、水、土などの他の熱源を主要熱源として利用してもよい。
また、上記実施形態では、熱磁気サイクル装置の一形態であるMHP装置11を説明した。これに代えて、熱磁気サイクル装置の一形態である熱磁気エンジン装置に本発明を適用してもよい。例えば、上記実施形態のMHP装置11の磁場変化と熱輸送媒体の流れとの位相を調節することにより熱磁気エンジン装置を提供することができる。
例えば、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
10 車両用空調装置、 11 磁気熱量効果型ヒートポンプ(MHP)装置、
12 磁気熱量(MCE)素子、 13 磁場変調装置、 14 熱輸送装置、
15 モータ、 16 高温系統、 17 低温系統、 18 制御装置、
21 ハウジング、 22 回転軸、 23 収容室、 24 ロータコア、
25 永久磁石、 26 作業室、 41、42、643 ポンプ、
51、54 熱交換器、 52、55 経路、 53、56 熱交換器、
61、261、361、461、561 熱交換部、
62、262 突起、 63、563 流路、
364、466 可動片、365 駆動機構、
562 壁部材、567 振動子。

Claims (12)

  1. 外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、
    前記磁気熱量素子が強い前記外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および前記磁気熱量素子が前記励磁期間より弱い前記外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように前記外部磁場を変調するとともに、前記励磁期間が前記消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、
    前記磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を前記磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、前記磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、前記熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、
    前記磁気熱量素子は、前記熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、
    前記熱交換部は、前記消磁期間における前記熱輸送媒体との熱交換効率より高い熱交換効率を前記励磁期間において提供することを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  2. 外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、
    前記磁気熱量素子が強い前記外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および前記磁気熱量素子が前記励磁期間より弱い前記外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように前記外部磁場を変調するとともに、前記励磁期間が前記消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、
    前記磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を前記磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、前記磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、前記熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、
    前記磁気熱量素子は、前記熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、
    前記熱交換部は、前記熱輸送媒体の流れの方向に応じて異なる熱交換効率を提供することを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  3. 外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、
    前記磁気熱量素子が強い前記外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および前記磁気熱量素子が前記励磁期間より弱い前記外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように前記外部磁場を変調するとともに、前記励磁期間が前記消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、
    前記磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を前記磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、前記磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、前記熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、
    前記磁気熱量素子は、前記熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、
    前記熱交換部は、前記消磁期間における前記熱輸送媒体の圧力損失より高い圧力損失を前記励磁期間において提供することを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  4. 外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、
    前記磁気熱量素子が強い前記外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および前記磁気熱量素子が前記励磁期間より弱い前記外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように前記外部磁場を変調するとともに、前記励磁期間が前記消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、
    前記磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を前記磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、前記磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、前記熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、
    前記磁気熱量素子は、前記熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、
    前記熱交換部(61、261、361、461)は、前記往復的な流れ(FM、FN)の方向に関して非対称となる形状を有することを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  5. 外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子(12、12a、12b)と、
    前記磁気熱量素子が強い前記外部磁場の中に置かれる励磁期間(PM)、および前記磁気熱量素子が前記励磁期間より弱い前記外部磁場の中に置かれる消磁期間(PN)を周期的に繰り返すように前記外部磁場を変調するとともに、前記励磁期間が前記消磁期間より短く(PM<PN)設定されている磁場変調装置(13)と、
    前記磁気熱量素子と熱交換する熱輸送媒体を前記磁気熱量素子に沿って流す熱輸送装置(14)であって、前記磁場変調装置による外部磁場の変化に同期して、前記熱輸送媒体の往復的な流れ(FM、FN)を発生させる熱輸送装置(14)を備え、
    前記磁気熱量素子は、前記熱輸送媒体と熱交換する熱交換部(61、261、361、461、561)を備え、
    前記熱交換部(561)は、前記往復的な流れ(FM、FN)のそれぞれにおいて前記磁気熱量素子を異なる振動状態にする振動子(567)を備えることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  6. 前記熱交換部は、前記熱輸送媒体の流れの方向に応じて異なる熱交換効率を提供することを特徴とする請求項1に記載の熱磁気サイクル装置。
  7. 前記熱交換部は、前記消磁期間における前記熱輸送媒体の圧力損失より高い圧力損失を前記励磁期間において提供することを特徴とする請求項1、請求項2、および請求項6のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  8. 前記熱交換部(61、261、361、461)は、前記往復的な流れ(FM、FN)の方向に関して非対称となる形状を有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項6、および請求項7のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  9. 前記熱交換部(361、461)は、前記往復的な流れ(FM、FN)のそれぞれにおいて形状が変化することを特徴とする請求項4または請求項8に記載の熱磁気サイクル装置。
  10. 前記熱交換部(561)は、前記往復的な流れ(FM、FN)のそれぞれにおいて前記磁気熱量素子を異なる振動状態にする振動子(567)を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  11. 前記熱輸送装置が提供する前記往復的な流れ(FM、FN)の流量は互いに等しいことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  12. 前記励磁期間(PM)は、前記消磁期間(PN)の3/4より短いことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
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