JP6003879B2 - 熱磁気サイクル装置 - Google Patents

熱磁気サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6003879B2
JP6003879B2 JP2013268745A JP2013268745A JP6003879B2 JP 6003879 B2 JP6003879 B2 JP 6003879B2 JP 2013268745 A JP2013268745 A JP 2013268745A JP 2013268745 A JP2013268745 A JP 2013268745A JP 6003879 B2 JP6003879 B2 JP 6003879B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
magnetocaloric element
heat transport
medium
transport medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013268745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015124927A (ja
Inventor
明人 鳥居
明人 鳥居
渡辺 直樹
直樹 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2013268745A priority Critical patent/JP6003879B2/ja
Priority to US14/579,177 priority patent/US9696064B2/en
Publication of JP2015124927A publication Critical patent/JP2015124927A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6003879B2 publication Critical patent/JP6003879B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B21/00Machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2321/00Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • F25B2321/002Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects by using magneto-caloric effects
    • F25B2321/0023Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects by using magneto-caloric effects with modulation, influencing or enhancing an existing magnetic field
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

ここに開示される発明は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置に関し、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置として利用することができる。
特許文献1−特許文献4は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置を開示する。熱磁気サイクル装置は、ヒートポンプまたはエンジンとして利用することができる。ヒートポンプにおいては、動力によって生じる磁気的な変動によって低温または高温が取り出される。エンジンにおいては、温度差に起因して生じる磁気的な変動によって動力が取り出される。
さらに、特許文献4は、高温の領域と、低温の領域とに異なる媒体を使用して熱を運搬する装置を提案する。この装置は、2つの媒体の間の熱交換を提供するために、熱交換手段を採用している。熱交換手段は、異なる媒体の間に配置された熱伝導部材である。その構成は、棒状の熱伝導部材によって熱エネルギーの移動を生じさせている。
特開2012−255642号公報 特開2012−229634号公報 特表2012−503754号公報 特表2012−518149号公報
特許文献4が開示する熱伝導部材は、熱伝導だけで熱を輸送する。このため、熱磁気サイクル装置の中において、望ましくない損失を生じる。熱伝導部材においては、低温端と高温端との間の主温度勾配とは逆の部分的な温度勾配が必要だからである。
例えば、図1に図示されるように、低温側の第1のユニット11aと、高温側の第2のユニット11bとを備えるヒートポンプ装置を考える。2つのユニットの間の熱移動を熱伝導部材だけによって提供する場合、破線CMPのような温度分布があらわれる。熱伝導部材の両端には、温度T1と、温度T2cとがあらわれる。熱伝導のために、温度T1と温度T2cとの関係は、T1>T2cである。ところが、T1>T2の部分温度勾配は、低温端温度TCと、高温端温度THcとの間の主温度勾配TC<THcとは逆である。このため、熱磁気サイクル装置としての効率が低下する。
また、別の観点では、特許文献4が開示する長い熱伝導部材は、2つの媒体の間において効率的な熱交換を提供できない。このため、熱磁気サイクル装置としての効率が低下する。例えば、ヒートポンプにおいては作り出される温度差が低くなる。また、エンジンにおいては得られる動力が小さくなる。
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、熱磁気サイクル装置にはさらなる改良が求められている。
発明の目的のひとつは、2つの媒体の間において効率的な熱移動を提供できる熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、2つの媒体の間において、熱伝導だけに依存しない熱移動を提供できる熱磁気サイクル装置を提供することである。
発明の目的の他のひとつは、2つの媒体の間において、主温度勾配と逆の部分温度勾配を抑制、または解消できる熱磁気サイクル装置を提供することである。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつにより熱磁気サイクル装置が提供される。発明は、低温端(1a)と高温端(1b)との間に設けられた磁気熱量素子(12)と、磁気熱量素子と熱交換するように熱輸送媒体(PF1、PF2)の往復流れを発生させる熱輸送装置(14)と、熱輸送媒体の往復流れに同期して、磁気熱量素子への磁場の印加と除去とを繰り返す磁場変調装置(13)とを備える熱磁気サイクル装置において、磁気熱量素子は、第1の磁気熱量素子(12a)と、第1の磁気熱量素子より高温側に配置された第2の磁気熱量素子(12b)と、第1の磁気熱量素子と第2の磁気熱量素子との間に配置された第3の磁気熱量素子(12c、212c、312c、412c)とを有し、熱輸送装置は、第1の磁気熱量素子(12a)と熱交換するように流される第1の熱輸送媒体(PF1)と、第1の熱輸送媒体とは異なる熱輸送媒体であって、第2の磁気熱量素子(12b)と熱交換するように流される第2の熱輸送媒体(PF2)とを有し、第3の磁気熱量素子(12c、212c、312c、412c)は、第1の熱輸送媒体が流される第1の流路(12f、212f、312f、412f)と、第2の熱輸送媒体が流される第2の流路(12g、212g、312g、412g)とを有し、第3の磁気熱量素子は、第1の熱輸送媒体と第2の熱輸送媒体との間における受動的な熱移動を熱伝導によって提供するとともに、第3の磁気熱量素子は、第1の熱輸送媒体から第2の熱輸送媒体への能動的な熱移動を磁気熱量効果によって提供することを特徴とする。
この構成によると、低温側に位置する第1の磁気熱量素子と、高温側に位置する第2の磁気熱量素子とに、異なる熱輸送媒体を流すことができる。このため、低温側に適した熱輸送媒体と、高温側に適した熱輸送媒体とを用いることができる。さらに、第1の磁気熱量素子と第2の磁気熱量素子との間に配置された第3の磁気熱量素子には、第1の熱輸送媒体のための第1の流路と、第2の熱輸送媒体のための第2の流路との両方が設けられる。この構成によると、第3の磁気熱量素子は、自らの磁気熱量効果によって、第1の熱輸送媒体の熱を吸熱し、その熱の一部を、第2の熱輸送媒体へ放熱する。よって、第3の磁気熱量素子は、自らの磁気熱量効果によって、第1の熱輸送媒体から第2の熱輸送媒体への熱移動を提供する。この結果、第1の磁気熱量素子を含む低温側のステージと、第2の磁気熱量素子を含む高温側のステージとの間において、能動的な熱移動が提供される。なお、第3の磁気熱量素子は、第1の熱輸送媒体の温度(T1)が第2の熱輸送媒体の温度(T2)より高いとき(T1>T2)には、受動的な熱伝導によって第1の熱輸送媒体から第2の熱輸送媒体への熱移動を提供する。
開示される発明のひとつにより熱磁気サイクル装置が提供される。発明は、低温端(1a)と高温端(1b)との間に設けられた磁気熱量素子(12)と、磁気熱量素子と熱交換するように熱輸送媒体(PF1、PF2)の往復流れを発生させる熱輸送装置(14)と、熱輸送媒体の往復流れに同期して、磁気熱量素子への磁場の印加と除去とを繰り返す磁場変調装置(13)とを備える熱磁気サイクル装置において、磁気熱量素子は、第1の磁気熱量素子(12a)と、第1の磁気熱量素子より高温側に配置された第2の磁気熱量素子(12b)とを有し、熱輸送装置は、第1の磁気熱量素子(12a)と熱交換するように流される第1の熱輸送媒体(PF1)と、第1の熱輸送媒体とは異なる熱輸送媒体であって、第2の磁気熱量素子(12b)と熱交換するように流される第2の熱輸送媒体(PF2)とを有し、さらに、第1の磁気熱量素子と第2の磁気熱量素子との間に配置され、第1の熱輸送媒体が流される複数の第1の流路(12f、212f、312f、412f)と、第2の熱輸送媒体が流される複数の第2の流路(12g、212g、312g、412g)とを有する熱交換器(12c、212c、312c、412c)を備え、第1の流路と第2の流路とは、それらの流路が隔壁の両面に配置された隣接流路構造を提供するように配置されており、さらに、第1の流路と第2の流路とは、複数の隣接流路構造が提供されるように層状に配置されていることを特徴とする。
発明の第1実施形態に係る磁気熱量効果型ヒートポンプ装置(以下、MHP装置という)のブロック図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態のMHP装置の断面図である。 第1実施形態の熱交換素子の斜視図である。 第1実施形態の熱交換素子の断面を示す斜視図である。 第1実施形態の熱交換素子の断面を示す斜視図である。 発明の第2実施形態に係るMHP装置の断面図である。 第2実施形態のMHP装置の断面図である。 第2実施形態の熱交換素子の斜視図である。 第2実施形態の熱交換素子の断面を示す斜視図である。 第2実施形態の熱交換素子の断面を示す斜視図である。 発明の第3実施形態に係るMHP装置の断面図である。 第3実施形態のMHP装置の断面図である。 第3実施形態の熱交換素子の斜視図である。 第3実施形態の熱交換素子の断面を示す斜視図である。 第3実施形態の熱交換素子の断面を示す斜視図である。 発明の第4実施形態に係るMHP装置の断面図である。 第4実施形態のMHP装置の断面図である。 発明の第5実施形態に係るMHP装置の断面図である。 第5実施形態のMHP装置の断面図である。
図面を参照しながら、ここに開示される発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については他の形態の説明を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、発明を実施するための第1実施形態に係る車両用空調装置10を示すブロック図である。車両用空調装置10は、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置11を備える。磁気熱量効果型ヒートポンプ装置11はMHP(Magneto-caloric effect Heat Pump)装置11とも呼ばれる。MHP装置11は、熱磁気サイクル装置を提供する。
この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。
MHP装置11は、磁気熱量素子12を備える。磁気熱量素子12は、低温端1aと高温端1bとの間に設けられている。MHP装置11は、磁気熱量素子12の磁気熱量効果を利用する。磁気熱量素子12は、MCE(Magneto-Caloric Effect)素子12とも呼ばれる。MCE素子12は、外部磁場の強弱の変化に応答して発熱と吸熱とを生じる。MCE素子12は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。MCE素子12は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子12は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。MCE素子12は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮する磁性体によって作られている。例えば、ガドリウム系材料、またはランタン−鉄−シリコン化合物を用いることができる。また、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物を用いることができる。
MHP装置11は、MCE素子12をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルとして機能させるための磁場変調装置13と熱輸送装置14とを備える。
磁場変調装置13は、MCE素子12に外部磁場を与えるとともに、その外部磁場の強さを増減させる。磁場変調装置13は、MCE素子12を強い磁界内に置く励磁状態と、MCE素子12を弱い磁界内またはゼロ磁界内に置く消磁状態とを周期的に切換える。磁場変調装置13は、MCE素子12が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間、およびMCE素子12が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間を周期的に繰り返すように外部磁場を変調する。磁場変調装置13は、後述する熱輸送媒体の往復的な流れに同期して、MCE素子12への磁場の印加と除去とを繰り返す。磁場変調装置13は、外部磁場を生成するための磁力源、例えば永久磁石、または電磁石を備える。
熱輸送装置14は、MCE素子12が放熱または吸熱する熱を輸送するための熱輸送媒体と、この熱輸送媒体を流すための流体機器を備える。熱輸送装置14は、MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体をMCE素子12に沿って流す装置である。熱輸送装置14は、第1のMCE素子12aと熱交換するように流される第1の熱輸送媒体PF1と、第1の熱輸送媒体PF1とは異なる熱輸送媒体であって、第2のMCE素子12bと熱交換するように流される第2の熱輸送媒体PF2とを有する。熱輸送装置14は、MCE素子12と熱交換するように熱輸送媒体PF1、PF2を往復的に流す。熱輸送装置14は、磁場変調装置13による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体PF1、PF2の往復的な流れを発生させる。熱輸送装置14は、磁場変調装置13による磁場の増減に同期して熱輸送媒体PF1、PF2を往復的に移動させる。
MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体PF1、PF2は一次媒体PF1、PF2と呼ばれる。一次媒体PF1、PF2は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。熱輸送装置14は、熱輸送媒体を流すためのポンプを含むことができる。熱輸送装置14は、一次媒体を流すためのポンプ41、42を備える。ポンプ41、42は、ひとつのMCE素子12に関して一次媒体PF1、PF2の往復流れを供給する。ポンプ41、42は、MCE素子12の両端に配置されている。ポンプ41、42は、複数の気筒を備える。ポンプ41、42は、対をなす気筒が、相補的に吸入行程と吐出工程とを実行するように構成されている。
MHP装置11は、動力源としてのモータ15を備える。モータ15は、磁場変調装置13の動力源である。モータ15は、熱輸送装置14の動力源である。
MHP装置11は、MHP装置11によって得られた高温を輸送する高温系統16を備える。高温系統16は、MHP装置11によって得られた高温を利用する機器でもある。MHP装置11は、MHP装置11によって得られた低温を輸送する低温系統17を備える。低温系統17は、MHP装置11によって得られた低温を利用する機器でもある。
高温系統16は、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供する熱交換器51を備える。二次媒体は、高温系統16において熱を輸送するために利用される熱輸送媒体である。二次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。高温系統16は、二次媒体が循環的に流される経路52を備える。高温系統16は、二次媒体と他の媒体との間の熱交換を提供する熱交換器53を備える。例えば、熱交換器53は、二次媒体と空気との熱交換を提供する。高温系統16は、MHP装置11の高温端から熱を持ち去り、高温端を冷却する機器でもある。
低温系統17は、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供する熱交換器54を備える。二次媒体は、低温系統17において熱を輸送するために利用される熱輸送媒体である。二次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。低温系統17は、二次媒体が循環的に流される経路55を備える。低温系統17は、二次媒体と他の媒体との間の熱交換を提供する熱交換器56を備える。例えば、熱交換器56は、二次媒体と空気との熱交換を提供する。低温系統17は、MHP装置11の低温端に熱を持ち込み、低温端を加熱する機器でもある。
車両用空調装置10は、車両に搭載され、車両の乗員室の温度を調節する。2つの熱交換器53、56は、車両用空調装置10の一部を提供する。熱交換器53は、熱交換器56より高温になる高温側熱交換器53である。熱交換器53は、室内熱交換器53とも呼ばれる。熱交換器56は、熱交換器53より低温になる低温側熱交換器56である。熱交換器56は、室外熱交換器56とも呼ばれる。車両用空調装置10は、高温側熱交換器53、および/または低温側熱交換器56を室内空調のために利用するための空調ダクトおよび送風機などの空気系機器を備える。
車両用空調装置10は、冷房装置または暖房装置として利用される。車両用空調装置10は、室内に供給される空気を冷却する冷却器と、冷却器によって冷却された空気を再び加熱する加熱器とを備えることができる。MHP装置11は、車両用空調装置10における冷熱供給源、または温熱供給源として利用される。すなわち、高温側熱交換器53は上記加熱器として用いることができる。また、低温側熱交換器56は上記冷却器として用いることができる。
MHP装置11が温熱供給源として利用されるとき、高温側熱交換器53を通過した空気は車両の室内に供給され、暖房のために利用される。このとき、低温側熱交換器56を通過した空気は車両の室外に排出される。MHP装置11が冷熱供給源として利用されるとき、低温側熱交換器56を通過した空気は車両の室内に供給され、冷房のために利用される。このとき、高温側熱交換器53を通過した空気は車両の室外に排出される。MHP装置11は、除湿装置として利用されることもある。この場合、低温側熱交換器56を通過した空気は、その後に、高温側熱交換器53を通過し、室内に供給される。MHP装置11は、冬期においても、夏期においても、温熱供給源として利用される。
図1には、作動状態の一例を示す温度分布が図示されている。図中において、縦軸は温度(°C)を示し、横軸は、各部の位置を示す。実線EMBは、この実施形態の作動によって得られる温度分布の一例を示す。破線CMPは、第3のユニット11cを細長い熱伝導部材によって構成した比較例によって得られる温度分布の一例を示す。
MHP装置11は、低温が生成される低温端1aと、高温が生成される高温端1bとを提供する。MHP装置11は、低温端1aと高温端1bとの間に、複数の磁気熱量効果(MCD:Magneto-Caloric effect Device)ユニット11a、11b、11cを備える。磁気熱量効果ユニット11a、11b、11cは、ユニット11a、11b、11c、または熱モジュールとも呼ばれる。MHP装置11は、第1のユニット11aと、第2のユニット11bと、第3のユニット11cとを有する。
3つのユニット11a、11b、11cは、低温端1aと高温端1bとの間に直列的に配置されている。第1のユニット11aは、低温端1aを提供するように配置されている。第1のユニット11aは、低温端1aと中間低温端1cとの間に配置されている。第2のユニット11bは、高温端1bを提供するように配置されている。第2のユニット11bは、高温端1bと中間高温端1dとの間に配置されている。第3のユニット11cは、2つのユニット11a、11bの間に配置されている。第3のユニット11cは、2つのユニット11a、11bの間を機械的に、かつ熱的に連結するように配置されている。
第1のユニット11aは、MHP装置11が提供する温度帯RGの中の低温側の第1温度帯RG1を担当する。第1のユニット11aは、低温端1aから中間低温端1cに向けて熱を輸送する。すなわち、第1のユニット11aは、第1温度帯RG1においてヒートポンプ作用を生じる。第1のユニット11aは、第1温度帯RG1において高い効率を発揮するように構成されている。
第1のユニット11aは、低温端1aと中間低温端1cとの間において高い磁気熱量効果を発揮する第1のMCE素子12aを有する。第1のMCE素子12aは、高い磁気熱量効果を発揮する温度帯が異なる複数の素子によって提供されうる。第1のユニット11aは、第1温度帯RG1での使用に適した低温用の一次媒体PF1を備える。一次媒体PF1には、凍結しないこと、沸騰しないこと、高い熱交換性能を発揮すること、流体力学的な損失が小さいことなどが求められる。例えば、一次媒体PF1は、第1温度帯RG1において比較的低い粘度を示し、圧力損失を抑制できる流体である。比較的低温である第1温度帯RG1においては、凍結しない流体が一次媒体PF1として選定される。この実施形態では、一次媒体PF1は、不凍液である。
第2のユニット11bは、MHP装置11が提供する温度帯の中の高温側の第2温度帯RG2を担当する。第2温度帯RG2は、第1温度帯RG1より高温側に位置している。第1温度帯RG1と第2温度帯RG2とは、部分的に重複することがある。この場合、第2温度帯RG2の少なくとも一部は、第1温度帯RG1より高い温度帯を占める。第2温度帯RG2の全体は、第1温度帯RG1より高い場合がある。第2のユニット11bは、中間高温端1dから高温端1bに向けて熱を輸送する。すなわち、第2のユニット11bは、第2温度帯RG2においてヒートポンプ作用を生じる。第2のユニット11bは、第2温度帯RG2において高い効率を発揮するように構成されている。
第2のユニット11bは、中間高温端1dと高温端1bとの間において高い磁気熱量効果を発揮する第2のMCE素子12bを有する。第2のMCE素子12bは、第1のMCE素子12aより高温側に配置されている。第2のMCE素子12bは、高い磁気熱量効果を発揮する温度帯が異なる複数の素子によって提供されうる。第2のユニット11bは、第2温度帯RG2での使用に適した高温用の一次媒体PF2を備える。一次媒体PF2には、凍結しないこと、沸騰しないこと、高い熱交換性能を発揮すること、流体力学的な損失が小さいことなどが求められる。例えば、一次媒体PF2は、第2温度帯RG2において比較的低い粘度を示し、圧力損失を抑制できる流体である。比較的高温である第2温度帯RG2においては、沸騰しない流体が一次媒体PF2として選定される。この実施形態では、一次媒体PF2は、水である。一次媒体PF1と一次媒体PF2とは、異なる媒体である。一次媒体PF1は、一次媒体PF2より低温での利用に適した粘度を有する。一次媒体PF2は、一次媒体PF1より高温での利用に適した粘度を有する。
第3のユニット11cは、中間低温端1cと、中間高温端1dとの間に配置されている。中間低温端1cの温度T1と中間高温端1dの温度T2とは、運転状態の変化に伴って変化する。それらの温度T1、T2は、T1<T2、T1=T2、またはT1>T2といった関係に変化する。
第3のユニット11cは、第1のユニット11aと第2のユニット11bとの間における熱輸送を提供する。第3のユニット11cは、少なくとも熱伝導による熱移動によって、第1のユニット11aから第2のユニット11bへ向かう熱輸送を提供する。さらに、第3のユニット11cは、自らの磁気熱量効果によって、第1のユニット11aから第2のユニット11bへ向かう熱移動を提供する。
第3のユニット11cは、MHP装置11が提供する温度帯の中の中間に位置付けられた第3温度帯RG3を担当することがある。第3温度帯RG3の温度幅は、第1温度帯RG1の温度幅より小さい。第3温度帯RG3の温度幅は、第2温度帯RG2の温度幅より小さい。第3温度帯RG3の温度幅は、0(ゼロ)またはマイナスの場合もある。第3のユニット11cは、中間高温端1dから高温端1bに向けて熱を輸送する。すなわち、第3のユニット11cは、第3温度帯RG3においてヒートポンプ作用を生じる。第3のユニット11cは、第3温度帯において高い効率を発揮するように構成されている。
第3のユニット11cは、中間低温端1cと中間高温端1dとの間において高い磁気熱量効果を発揮する第3のMCE素子12cを有する。MCE素子12cは、中間素子12cまたは接続素子12cとも呼ばれる。第3のMCE素子12cは、高い磁気熱量効果を発揮する温度帯が異なる複数の素子によって提供されうる。第3のユニット11cは、第1のユニット11aのための一次媒体PF1と、第2のユニット11bのための一次媒体PF2との両方と熱交換する。この結果、一次媒体PF1と一次媒体PF2との間は、第3のユニット11cのMCE素子12cを介して熱的に連結される。
MCE素子12cは、AMRサイクルの一部として機能する磁気熱量効果素子である。さらに、MCE素子12cは、一次媒体PF1と一次媒体PF2との間の熱交換を提供する熱交換器でもある。
第1のMCE素子12aと、第3のMCE素子12cと、第2のMCE素子12bとは、低温端1aと高温端1bとの間において直列的に配列されている。これらMCE素子12a、12b、12cは、低温端1aと高温端1bとの間において連接して配列されている。これらMCE素子12a、12b、12cは、互いに機械的に接触して配置されている。また、これらMCE素子12a、12b、12cは、互いに機械的にわずかに離して配置することができる。
図2、図3、図4は、は、MHP装置11の内部を示す断面図である。図2は、他図に示されたII−II断面を示す。図3は、他図に示されたIII−III断面を示す。図4は、他図に示されたIV−IV断面を示す。
図2において、モータ15は、MHP装置11の動力源として設けられている。モータ15は、車載の電池によって駆動される。モータ15は、磁場変調装置13を提供する回転子を回転駆動する。これにより、モータ15と磁場変調装置13とは、MCE素子12へ外部磁場を印加する状態と、MCE素子12から外部磁場を除去した状態(外部磁場を印加しない状態)との間での周期的な交互切換を生じさせる。モータ15は、熱輸送装置14のポンプ41、42を駆動する。これにより、モータ15とポンプ41、42とは、一次媒体PF1、PF2の往復的な流れを生じさせる。ポンプ41の気筒が吸引行程にあり、ポンプ42が吐出工程にあるとき、一次媒体PF1、PF2は、矢印で図示されるように流れる。
ポンプ41、42は、MCE素子12をAMRサイクルとして機能させるための一次媒体PF1、PF2の往復流をMHP装置11内に生じさせる。ポンプ41、42は、容積型の往復流ポンプである。ポンプ41、42は、斜板型のピストンポンプである。ポンプ41、42は、多気筒のアキシャルピストンポンプである。ポンプ41、42は、8気筒のポンプである。
MHP装置11は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング21を備える。ハウジング21は、その中心軸上に回転軸22を回転可能に支持する。回転軸22は、モータ15の出力軸に連結されている。ハウジング21は、回転軸22の周囲に、磁場変調装置13を収容するための収容室23を区画形成している。収容室23は、円柱状の空間である。回転軸22には、ロータコア24が固定されている。ロータコア24は、ハウジング21とともに、磁束を通すためのヨークを提供する。ロータコア24は、その周方向に沿って磁束を通しやすい範囲と、磁束を通しにくい範囲とを形成するように構成されている。ロータコア24には、永久磁石25が固定されている。永久磁石25は、部分円筒状であり、その断面が扇型である。永久磁石25は、ロータコア24の外周面に固定されている。
ロータコア24と永久磁石25とは、それらの周囲に、永久磁石25が提供する外部磁場が強くなる領域と、永久磁石25が提供する外部磁場が弱くなる領域とを形成する。外部磁場が弱くなる領域では、外部磁場がほぼ除去された状態が提供される。ロータコア24と永久磁石25とは、回転軸22の回転に同期して回転する。よって、外部磁場が強い領域と、外部磁場が弱い領域とは、回転軸22の回転に同期して回転する。この結果、ロータコア24と永久磁石25との周囲の一点においては、外部磁場が強く印加される期間と、外部磁場が弱くなりほぼ除去された期間とが繰り返して生じる。したがって、ロータコア24と永久磁石25とは、外部磁場の印加および除去を繰り返す磁場変調装置13を提供する。ロータコア24と永久磁石25とは、MCE素子12への外部磁場の印加と除去とを切換える装置を提供する。なお、磁場の語は磁界と読み替えることができる。
ハウジング21は、少なくともひとつの作業室26を区画形成している。作業室26は、収容室23に隣接して設けられている。ハウジング21は、収容室23の径方向外側に、等間隔に配置された複数の作業室26を区画形成している。この実施形態では、ひとつのハウジング21は、8つの作業室26を区画形成している。作業室26のそれぞれは、ハウジング21の軸方向に沿って長手方向を有する柱状空間を形成している。ひとつの作業室26は、ポンプ41のひとつの気筒と、ポンプ42のひとつの気筒とに対応するように設けられている。ひとつの作業室26の両側に、ふたつの気筒が配置されている。
作業室26は、熱輸送媒体、すなわち一次媒体PF1、PF2が流通する流路を提供する。作業室26内には、その長手方向に沿って一次媒体PF1、PF2が流れる。一次媒体PF1、PF2は、作業室26内を長手方向に沿って往復するように流れる。
さらに、作業室26は、MCE素子12を収容する収容室を提供する。ハウジング21は、作業室26が形成された容器を提供している。作業室26の中には、磁気熱量効果を有する磁気作業物質としてのMCE素子12が配置されている。
図3および図4において、周方向に並ぶ2つの作業室26a、26bは、一組の作業室を提供している。一組の作業室26a、26bにより、ひとつの第1のユニット11aと、ひとつの第2のユニット11bと、ひとつの第3のユニット11cとが提供される。一組の作業室26a、26bは、中央部分と、両側部分とに区分される。
第1の作業室26aの低温側の部分には、第1のユニット11aを提供するためのMCE素子12aが収容される。MCE素子12aは、複数の区分素子を有する。図中には3つの区分素子が図示されている。これら区分素子は、第1温度帯RG1を複数に区分して得られる区分温度帯のそれぞれにおいて高い磁気熱量効果を発揮するように材料、大きさなどが設定されている。MCE素子12aには、一次媒体PF1を流すためのマイクロチャンネルと呼ばれる複数の流路12dが形成されている。流路12dは、断面が扁平な薄い流路である。図中には、簡単化のために2つの流路12dが図示されている。これらの流路12dは、MCE素子12aと一次媒体PF1との間において高い熱交換性能を提供する。
第1の作業室26aの高温側の部分には、第2のユニット11bを提供するためのMCE素子12bが収容される。MCE素子12bは、複数の区分素子を有する。図中には3つの区分素子が図示されている。これら区分素子は、第2温度帯RG2を複数に区分して得られる区分温度帯のそれぞれにおいて高い磁気熱量効果を発揮するように材料、大きさなどが設定されている。MCE素子12bには、一次媒体PF2を流すためのマイクロチャンネルと呼ばれる複数の流路12eが形成されている。流路12eは、断面が扁平な薄い流路である。図中には、簡単化のために2つの流路12eが図示されている。これらの流路12eは、MCE素子12bと一次媒体PF2との間において高い熱交換性能を提供する。
第2の作業室26bの低温側の部分には、第2のユニット11b を提供するための一次媒体PF2を流すための高温媒体ギャラリHMGが形成される。高温媒体ギャラリHMGにはMCE素子12は収容されていない。高温媒体ギャラリHMGは、ポンプ42の対応する気筒に連通している。
第2の作業室26bの高温側の部分には、第1のユニット11aを提供するための一次媒体PF1を流すための低温媒体ギャラリCMGが形成される。低温媒体ギャラリCMGにはMCE素子12は収容されていない。低温媒体ギャラリCMGは、ポンプ41の対応する気筒に連通している。
図2に図示されるように、第1の作業室26aと第2の作業室26bとの中間部分には、第3のユニット11cを提供するためのMCE素子12cが配置されている。図4に図示されるように、MCE素子12cは、第1の作業室26aと第2の作業室26bとの間に周方向に沿って跨るように配置されている。MCE素子12cを配置するために、第1の作業室26aと第2の作業室26bとの間には周方向に延びる連通部分が形成されている。
MCE素子12cは、第1のユニット11aの流路12dと低温媒体ギャラリCMGとに連通する低温流路12fを有する。MCE素子12cは、第2のユニット11bの流路12eと高温媒体ギャラリHMGとに連通する高温流路12gを有する。MCE素子12cは、第1の熱輸送媒体PF1が流される第1の流路12fと、第2の熱輸送媒体PF2が流される第2の流路12gとを有する。MCE素子12cは、低温流路12fと高温流路12gとの間に、それらを区画する隔壁を提供する。隔壁は、一次媒体PF1と一次媒体PF2との混合を阻止する。隔壁は、低温流路12fと高温流路12gとの間に拡がる薄い板状である。隔壁は、一次媒体PF1と一次媒体PF2との間の高効率の熱交換を提供する。一次媒体PF1が一次媒体PF2より高温であるとき(T1>T2)、隔壁は、自らの熱伝導によって、一次媒体PF1から一次媒体PF2への熱移動を提供する。
さらに、隔壁は、磁気熱量効果による吸熱と発熱とを提供する。この結果、隔壁と一次媒体PF1との間には、AMRサイクルとしての熱輸送作用が生じる。同様に、隔壁と一次媒体PF2との間には、AMRサイクルとしての熱輸送作用が生じる。一次媒体PF1から吸熱された熱の一部は、磁気熱量効果によって、一次媒体PF2へ放熱される。この結果、隔壁、すなわちMCE素子12cは、一次媒体PF1の温度T1と一次媒体PF2の温度T2との関係に依存することなく、一次媒体PF1から一次媒体PF2への熱移動を提供する。よって、一次媒体PF1が一次媒体PF2より低温であるとき(T1<T2)にも、一次媒体PF1から一次媒体PF2への熱移動が実現される。
上記実施形態のMHP装置11は、低温端1aと高温端1bとの間において、MCE素子12cを共用して直列に配置された2つのステージを備えると見ることができる。低温側の第1のステージST1は、MCE素子12aと、MCE素子12cと、低温用の一次媒体PF1とを有する。第1のステージST1は、磁場変調装置13の一部と、熱輸送装置14の一部とを有する。高温側の第2のステージST2は、MCE素子12bと、MCE素子12cと、高温用の一次媒体PF2とを有する。第2のステージST2は、磁場変調装置13の一部と、熱輸送装置14の一部とを有する。
直列に配置された2つのステージST1、ST2は、少なくともひとつのMCE素子12cを共有する。しかも、このMCE素子12cには、低温用の一次媒体PF1のための流路12fと、高温用の一次媒体PF2のための流路12gとが、薄い隔壁を隔てて交互に積層されるように形成されている。この結果、一次媒体PF1と一次媒体PF2とが、薄い隔壁の両側に流れる隣接熱交換部が提供される。しかも、MCE素子12cは、複数の隣接熱交換部を備える。
これにより、MCE素子12cにおいては、一次媒体PF1から一次媒体PF2への熱移動がMCE素子12cの隔壁の熱伝導によって提供される場合がある。さらに、MCE素子12cは、一次媒体PF1と一次媒体PF2との間において磁気熱量効果を発揮する。よって、MCE素子12cにおいては、一次媒体PF1から一次媒体PF2への熱移動が、MCE素子12cの磁気熱量効果によっても提供される。例えば、MCE素子12cは、一次媒体PF1から吸熱した熱の一部を、一次媒体PF2へ放熱する。
図5、図6は、MHP装置11の一組の作業室26a、26bに対応する部分を示す模式化された断面図である。図中には、MHP装置11の周方向の断面が図示されている。
図5に図示されるように、第3のユニット11cのためのMCE素子12cは、流路12dと低温媒体ギャラリCMGとに連通する流路12fを備える。流路12fは、マイクロチャンネルと呼ばれる扁平な流路である。流路12fは、クランク型に延びている。
図6に図示されるように、第3のユニット11cのためのMCE素子12cは、流路12eと高温媒体ギャラリHMGとに連通する流路12gを備える。流路12gは、マイクロチャンネルと呼ばれる扁平な流路である。流路12gは、クランク型に延びている。
第3のMCE素子12cは、複数の第1の流路12fと、複数の第2の流路12gとを有する。第1の流路12fと第2の流路12gとは、それらの流路12f、12gが隔壁の両面に配置された隣接流路構造を提供するように配置されている。第1の流路12fと第2の流路12gとは、複数の隣接流路構造が提供されるように層状に配置されている。複数の第1の流路12fと複数の第2の流路12gとは、交互に層状に配置されている。流路12f、12gの断面形状は、それら流路12f、12gの積層方向に対して直交する方向に長手方向をもつ扁平な形状である。
図示されるように、熱輸送装置14は、少なくとも2つの作業室26a、26bを形成するハウジング21を有する。熱輸送装置14は、第1のMCE素子12aと第3のMCE素子12cとが配置された作業室26a、26bの両端に配置され、第1の熱輸送媒体PF1を往復的に流すための第1のポンプ、すなわち気筒P1a、P1bを有する。熱輸送装置14は、第2のMCE素子12bと第3のMCE素子12cとが配置された作業室26a、26bの両端に配置され、第2の熱輸送媒体PF2を往復的に流すための第2のポンプ、すなわち気筒P2a、P2bを有する。
図示されるように、第1の作業室26aと第2の作業室26bとの低温端1aに対応付けられたポンプ42の2つの気筒P1a、P2aは、ほぼ同位相である。第1の作業室26aと第2の作業室26bとの高温端1bに対応付けられたポンプ41の2つの気筒P1b、P2bは、ほぼ同位相である。ポンプ41の2つの気筒P1b、P2bとポンプ42の2つの気筒P1a、P2aとは、対向関係にある。これら対向関係にある2つの気筒は、ほぼ逆位相である。ひとつのユニット11a、11bの一次媒体PF1、PF2を流すための2つの対向気筒は、逆位相である。
図7、図8、図9は、MCE素子12cの模式化された斜視図である。図8、図9には、断面が図示されている。
図示されるように、第1のユニット11aの一次媒体PF1を流すための流路12fの一方の開口は、第1の作業室26aに対応する領域に開口している。流路12fの他方の開口は、第2の作業室26bに対応する領域に開口している。第2のユニット11bの一次媒体PF2を流すための流路12gの一方の開口は、第2の作業室26bに対応する領域に開口している。流路12gの他方の開口は、第1の作業室26aに対応する領域に開口している。
第3のユニット11cを提供するMCE素子12cは、第1のユニット11aのための一次媒体PF1を流すための複数の流路12fと、第2のユニット11bのための一次媒体PF2を流すための複数の流路12gとを有する。流路12f、12gは、多数設けられている。流路12fと流路12gとの間には、MCE素子12cによって薄い隔壁が設けられている。複数の流路12fと複数の流路12gとは、MCE素子12cの内部に積層されるようにして形成されている。これにより、広い面積にわたって隔壁の熱伝達による熱交換が提供される。
モータ15に電力が供給されると、モータ15は、回転軸22を回転させる。回転軸22の回転によって、磁場変調装置13は、MCE素子12に印加される磁場を周期的に、印加状態と、除去状態とに切替える。MCE素子12は、磁場の印加と、除去とに対応して、発熱と吸熱とを繰り返す。回転軸22の回転によって、ポンプ41、42は、一次媒体PF1、PF2の往復流を生じさせる。一次媒体PF1は、MCE素子12aと熱交換する。この結果、MCE素子12aと一次媒体PF1とは、AMRサイクルとして機能し、低温端1aから中間低温端1cへ熱を輸送する。一次媒体PF2は、MCE素子12bと熱交換する。この結果、MCE素子12bと一次媒体PF2とは、AMRサイクルとして機能し、中間高温端1dから高温端1bへ熱を輸送する。
MCE素子12cは、一次媒体PF1および一次媒体PF2の両方と熱交換する。MCE素子12cは、熱伝導によって、一次媒体PF1と一次媒体PF2との間における受動的な熱移動を提供する。例えば、一次媒体PF1の温度T1と一次媒体PF2の温度T2とがT1>T2であるとき、MCE素子12cは、MCE素子12cの熱伝導によって、一次媒体PF1から一次媒体PF2への熱輸送を提供する。
さらに、MCE素子12cは、磁場の印加と除去とに対応して発熱と吸熱とを繰り返す。このとき、MCE素子12cは、磁気熱量効果によって、第1の熱輸送媒体と第2の熱輸送媒体との間における能動的な熱移動を提供する。例えば、MCE素子12cは、一次媒体PF1から吸熱した熱の少なくとも一部を、一次媒体PF2へ放熱する。この結果、MCE素子12cは、磁気熱量効果によって、一次媒体PF1から一次媒体PF2への能動的な熱輸送を提供する。この結果、第3のユニット11cを提供するMCE素子12cは、熱伝導および磁気熱量効果の両方によって、一次媒体PF1から一次媒体PF2への熱輸送を提供する。
MHP装置11がAMRサイクルとして機能することにより、高温系統16の温度は上昇し、低温系統17の温度は低下する。車両用空調装置10が暖房装置として利用されるとき、温度が低い外気を熱源として、室温を暖めるヒートポンプ作用が提供される。
図1に図示されるように、低温端1aの温度TCが外気の温度であるとき、MHP装置11により、高温端1bには温度THが提供される。安定的な運転状態において、第3のユニット11cを提供するMCE素子12cは、中間低温端1cから中間高温端1dへの熱輸送を提供する。MCE素子12cは、中間低温端1cの温度T1と、中間高温端1dの温度T2eとが、T1<T2eである場合でも、熱輸送を可能とする。この実施形態によると、低温端1aと高温端1bとの間に大きい温度差が得られる。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、ポンプ41の一つの気筒と、ポンプ42の一つの気筒との間にひとつのユニットを設けた。これに代えて、この実施形態では、MHP装置11は、ひとつのポンプの2つの気筒の間に設けられたひとつのユニットを備える。図10、図11は、図5、図6に対応する断面図である。図12、図13、図14は、図7、図8、図9に対応する断面図である。
図示されるように、第1のユニット11aは、ポンプ42のひとつの気筒と、ポンプ42の他のひとつの気筒との間に設けられる。第2のユニット11bは、ポンプ41のひとつの気筒と、ポンプ41の他のひとつの気筒との間に設けられる。この構成でも、ひとつのユニットの両端に位置する気筒は逆位相である。第3のユニット11cを提供するMCE素子212cは、U字形またはブラケット形の流路212f、212gを有する。
低温媒体ギャラリCMGは、第3のユニット11cより低温側に設けられる。この構成によると、高温端1bから低温媒体ギャラリCMGへの熱の逃げが抑制される。高温媒体ギャラリHMGは、第3のユニット11cより高温側に設けられる。この構成によると、高温媒体ギャラリHMGから低温端1aへの熱の逃げが抑制される。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、MHP装置11の両端にポンプ41、42を配置し、一組の作業室26a、26bに、第1のユニット11aと第2のユニット11bとを設けた。これに代えて、この実施形態では、MHP装置11は、中間位置に追加的なポンプ343を備える。図15、図16は、図5、図6に対応する断面図である。図17、図18、図19は、図7、図8、図9に対応する断面図である。
図示されるように、第1のユニット11aは、ポンプ42のひとつの気筒と、追加的なポンプ343のひとつの気筒との間に設けられる。第1のユニット11aの両端に位置付けられた2つの気筒は逆位相である。第2のユニット11bは、ポンプ41のひとつの気筒と、追加的なポンプ343のひとつの気筒との間に設けられる。第2のユニット11bの両端に位置付けられた2つの気筒は逆位相である。ポンプ343は、例えば、カムとカムの外側に配置された複数の気筒とを有するラジアルピストンポンプによって提供することができる。第3のユニット11cを提供するMCE素子312cは、L字形の流路312f、312gを有する。
この構成によると、ひとつの作業室26の半分を、一次媒体を流すだけのギャラリとして用いることなく、2つのユニット11a、11bをひとつの作業室26の中に設けることができる。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、MHP装置11のひとつの作業室26aの中に第1のユニット11aのMCE素子12aと第2のユニット11bのMCE素子12bとを設けた。これに代えて、この実施形態では、MHP装置11は、ひとつの作業室26aの中に第1のユニット11aのMCE素子12aを備え、他のひとつの作業室26bの中に第2のユニット11bのMCE素子12bを備える。図20、図21は、図5、図6に対応する断面図である。
図示されるように、第1のユニット11aは、第1の作業室26aの半部に設けられたMCE素子12aと、同じ作業室26aの他の半部に設けられた低温媒体ギャラリCMGとを有する。第2のユニット11bは、第2の作業室26bの半部に設けられたMCE素子12bと、同じ作業室26bの他の半部に設けられた高温媒体ギャラリHMGとを有する。第3のユニット11cを提供するMCE素子412cは、Ω型と呼びうる流路412f、412gを有する。
この構成によると、MCE素子412cの中に、長い流路412f、412gを形成することができ、一次媒体PF1と一次媒体PF2との間の熱移動を大きくすることができる。
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、第1のユニット11aに割り当てられた第1温度帯RG1と、第2ユニット11bに割り当てられた第2温度帯RG2とは、重複することなく低温側と高温側とに離れている。これに代えて、この実施形態では、第1のユニット11aに割り当てられた第1温度帯RG1と、第2ユニット11bに割り当てられた第2温度帯RG2とが互いに重複している。しかも、それらの温度帯RG1、RG2は、高温端1bが配置された高温側において重複している。言い換えると、第1のユニット11aは、第3温度帯RG3、すなわち中間温度帯を越えて拡がる広い第1温度帯RG1を担当している。この結果、高温側の半部の熱的な能力は、低温側の半部の熱的な能力より大きい。図22、図23は、図5、図6に対応する断面図である。
図示されるように、第1のユニット11aは、第2の作業室26bの中、すなわち先行する実施形態における低温媒体ギャラリCMGの領域に、MCE素子512aを備える。MCE素子512aは、第2温度帯RG2において高い磁気熱量効果を発揮する素子である。MCE素子512aは、例えば、MCE素子12bと同じ素子によって提供することができる。MCE素子512aは、一次媒体PF1のための流路512dを有する。
さらに、第2の作業室26bに対応して高温系統16の熱交換器551が設けられる。熱交換器551は、高温端1bにおいて、一次媒体PF1と熱交換することにより、一次媒体PF1から高温系統16へ熱を供給する。
この構成によると、低温端1aでは、熱交換器54から第1のユニット11aだけに熱が供給される。さらに、低温端1aと中間低温端1cとの間の区間では、第1のユニット11aだけがヒートポンプ作用を発揮する。
中間低温端1cと中間高温端1dとの間の区間には、第3のユニット11cを提供するMCE素子12cが設けられている。MCE素子12cは、第1のユニット11aの素子として一次媒体PF1と協働してAMRサイクルを提供する。さらに、MCE素子12cは、先行する実施形態と同様に、熱伝導によって、一次媒体PF1と一次媒体PF2との間の熱交換を提供する熱交換器として機能する。同時に、MCE素子12cは、磁気熱量効果によって、一次媒体PF1から吸熱した熱の一部を一次媒体PF2に放熱する。このように、第3のユニット11cは、第1のユニット11aの低温側の部分と、第2のユニット11bとを直列的に接続している。
一方、中間高温端1dと高温端1bとの間の区間では、第1のユニット11aと第2のユニット11bとの両方がヒートポンプ作用を発揮する。さらに、高温端1bにおいては、一次媒体PF1と一次媒体PF2との両方から高温系統16へ熱が供給される。このため、中間高温端1dと高温端1bとの間の区間においては、熱の逃げを抑制しながらヒートポンプ作用が提供される。このように高温側の熱輸送能力を低温側のそれより高くすることにより、高効率のヒートポンプ運転を実現できる。
(他の実施形態)
ここに開示される発明は、その発明を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示される発明の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
また、上記実施形態では、斜板式ポンプ、またはラジアルピストンポンプによって多気筒ポンプを提供した。これに代えて、他の形式の容積型ポンプを利用してもよい。また、上記第1実施形態では、ポンプの1気筒に、一つの作業室を対応させて配置した。これに代えて、複数の気筒とひとつの作業室、またはひとつの気筒と複数の作業室、または複数の気筒と複数の作業室を対応させて配置してもよい。
また、上記実施形態では、車両用空調装置に本発明を適用した。これに代えて、住宅用の空調装置に本発明を適用してもよい。また、水を加熱する給湯装置として利用してもよい。また、上記実施形態では、室外の空気を主要な熱源とするMHP装置11を説明した。これに代えて、水、土などの他の熱源を主要熱源として利用してもよい。
また、上記実施形態では、熱磁気サイクル装置の一形態であるMHP装置11を説明した。これに代えて、熱磁気サイクル装置の一形態である熱磁気エンジン装置に本発明を適用してもよい。例えば、上記実施形態のMHP装置11の磁場変化と熱輸送媒体の流れとの位相を調節することにより熱磁気エンジン装置を提供することができる。
上記実施形態では、MCE素子12a、12bにマイクロチャンネルと呼ばれる多数の流路12d、12eを形成した。これに代えて、MCE素子12a、12bに、熱輸送媒体を流すことができる多数の丸孔、または角孔を設けてもよい。また、MCE素子12a、12bを熱輸送媒体を流すことができる多孔質に形成してもよい。
上記実施形態では、2つのユニット11a、11bが直列的に接続された2段の熱磁気サイクル装置を説明した。発明は、2段に限定されることなく、3段、4段など多数のユニットを直列的に接続した熱磁気サイクル装置に適用することができる。
上記実施形態では、第3のユニット11cには、MCE素子12c、212c、312c、412cを設けた。これに代えて、MCE素子12c、212c、312c、412cと同じ形状をもつ熱交換器を設けてもよい。この熱交換器は、熱伝導性に優れた材料、例えば、銅、アルミ、鉄などの金属によって作ることができる。
この構成では、第1のMCE素子12aと第2のMCE素子12bとの間に配置された熱交換器12cが提供される。この熱交換器12cは、第1の熱輸送媒体PF1が流される複数の第1の流路12fと、第2の熱輸送媒体PF2が流される複数の第2の流路12gとを有する。第1の流路12gと第2の流路12gとは、それらの流路12f、12gが隔壁の両面に配置された隣接流路構造を提供するように配置されている。さらに、第1の流路12fと第2の流路12gとは、複数の隣接流路構造が提供されるように層状に配置されている。これにより、低温用の一次媒体PF1と高温用の一次媒体PF2との間において、損失の少ない熱交換が提供される。
10 車両用空調装置、 11 磁気熱量効果型ヒートポンプ(MHP)装置、
12 磁気熱量(MCE)素子、 13 磁場変調装置、 14 熱輸送装置、
15 モータ、 16 高温系統、 17 低温系統、
21 ハウジング、 22 回転軸、 23 収容室、 24 ロータコア、
25 永久磁石、 26 作業室、 41、42、343 ポンプ、
51、54、551 熱交換器、 52、55 経路、 53、56 熱交換器、
11a 第1のユニット、 11b 第2のユニット、 11c 第3のユニット、
PF1 低温用の一次媒体、 PF2 高温用の一次媒体、
CMG 低温媒体ギャラリ、 HMG 高温媒体ギャラリ、
12a、12b MCE素子、
12c、212c、312c、412c MCE素子(熱交換器)、
12f、212f、312f、412f 流路(第1の流路)、
12g、212g、312g、412g 流路(第2の流路)。

Claims (8)

  1. 低温端(1a)と高温端(1b)との間に設けられた磁気熱量素子(12)と、
    前記磁気熱量素子と熱交換するように熱輸送媒体(PF1、PF2)の往復流れを発生させる熱輸送装置(14)と、
    前記熱輸送媒体の往復流れに同期して、前記磁気熱量素子への磁場の印加と除去とを繰り返す磁場変調装置(13)とを備える熱磁気サイクル装置において、
    前記磁気熱量素子は、
    第1の磁気熱量素子(12a)と、
    前記第1の磁気熱量素子より高温側に配置された第2の磁気熱量素子(12b)と、
    前記第1の磁気熱量素子と前記第2の磁気熱量素子との間に配置された第3の磁気熱量素子(12c、212c、312c、412c)とを有し、
    前記熱輸送装置は、
    前記第1の磁気熱量素子(12a)と熱交換するように流される第1の熱輸送媒体(PF1)と、
    前記第1の熱輸送媒体とは異なる熱輸送媒体であって、前記第2の磁気熱量素子(12b)と熱交換するように流される第2の熱輸送媒体(PF2)とを有し、
    前記第3の磁気熱量素子(12c、212c、312c、412c)は、
    前記第1の熱輸送媒体が流される第1の流路(12f、212f、312f、412f)と、
    前記第2の熱輸送媒体が流される第2の流路(12g、212g、312g、412g)とを有し、
    前記第3の磁気熱量素子は、前記第1の熱輸送媒体と前記第2の熱輸送媒体との間における受動的な熱移動を熱伝導によって提供するとともに、前記第3の磁気熱量素子は、前記第1の熱輸送媒体から前記第2の熱輸送媒体への能動的な熱移動を磁気熱量効果によって提供することを特徴とする熱磁気サイクル装置。
  2. 前記第1の磁気熱量素子と、前記第3の磁気熱量素子と、前記第2の磁気熱量素子とは、前記低温端と前記高温端との間において直列に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の熱磁気サイクル装置。
  3. 前記第1の磁気熱量素子と、前記第3の磁気熱量素子と、前記第2の磁気熱量素子とは、前記低温端と前記高温端との間において連接して配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱磁気サイクル装置。
  4. 前記第3の磁気熱量素子(12c、212c、312c、412c)は、
    複数の前記第1の流路と、複数の前記第2の流路とを有し、
    前記第1の流路と前記第2の流路とは、それらの流路が隔壁の両面に配置された隣接流路構造を提供するように配置されており、
    さらに、前記第1の流路と前記第2の流路とは、複数の前記隣接流路構造が提供されるように層状に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  5. 複数の前記第1の流路と複数の前記第2の流路とは、交互に層状に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の熱磁気サイクル装置。
  6. 前記第1の流路と前記第2の流路とは、断面が扁平な流路であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  7. 前記熱輸送装置(14)は、
    前記第1の磁気熱量素子(12a)と前記第3の磁気熱量素子とが配置された作業室(26a、26b)前記第1の熱輸送媒体(PF1)の往復流れを発生させる第1のポンプ(P1a、P1b)と、
    前記第2の磁気熱量素子(12b)と前記第3の磁気熱量素子とが配置された作業室(26a、26b)前記第2の熱輸送媒体(PF2)の往復流れを発生させる第2のポンプ(P2a、P2b)とを有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  8. 低温端(1a)と高温端(1b)との間に設けられた磁気熱量素子(12)と、
    前記磁気熱量素子と熱交換するように熱輸送媒体(PF1、PF2)の往復流れを発生させる熱輸送装置(14)と、
    前記熱輸送媒体の往復流れに同期して、前記磁気熱量素子への磁場の印加と除去とを繰り返す磁場変調装置(13)とを備える熱磁気サイクル装置において、
    前記磁気熱量素子は、
    第1の磁気熱量素子(12a)と、
    前記第1の磁気熱量素子より高温側に配置された第2の磁気熱量素子(12b)とを有し、
    前記熱輸送装置は、
    前記第1の磁気熱量素子(12a)と熱交換するように流される第1の熱輸送媒体(PF1)と、
    前記第1の熱輸送媒体とは異なる熱輸送媒体であって、前記第2の磁気熱量素子(12b)と熱交換するように流される第2の熱輸送媒体(PF2)とを有し、
    さらに、前記第1の磁気熱量素子と前記第2の磁気熱量素子との間に配置され、前記第1の熱輸送媒体が流される複数の第1の流路(12f、212f、312f、412f)と、前記第2の熱輸送媒体が流される複数の第2の流路(12g、212g、312g、412g)とを有する熱交換器(12c、212c、312c、412c)を備え、
    前記第1の流路と前記第2の流路とは、それらの流路が隔壁の両面に配置された隣接流路構造を提供するように配置されており、
    さらに、前記第1の流路と前記第2の流路とは、複数の前記隣接流路構造が提供されるように層状に配置されていることを特徴とする熱磁気サイクル装置。
JP2013268745A 2013-12-26 2013-12-26 熱磁気サイクル装置 Expired - Fee Related JP6003879B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013268745A JP6003879B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 熱磁気サイクル装置
US14/579,177 US9696064B2 (en) 2013-12-26 2014-12-22 Thermo-magnetism cycle apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013268745A JP6003879B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 熱磁気サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015124927A JP2015124927A (ja) 2015-07-06
JP6003879B2 true JP6003879B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=53481279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013268745A Expired - Fee Related JP6003879B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 熱磁気サイクル装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9696064B2 (ja)
JP (1) JP6003879B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6344103B2 (ja) * 2014-07-14 2018-06-20 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
EP3175186A1 (en) * 2014-07-28 2017-06-07 Astronautics Corporation Of America Magnetic refrigeration system with separated inlet and outlet flow
JP6551292B2 (ja) * 2016-04-19 2019-07-31 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
EP3839379A3 (en) * 2016-11-02 2021-06-30 Ngk Insulators, Ltd. Magnetic member for magnetic refrigerator
JP6683138B2 (ja) * 2017-01-11 2020-04-15 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
WO2019038719A1 (en) * 2017-08-25 2019-02-28 Astronautics Corporation Of America MULTI-BED RING DRUM TYPE MAGNETIC REFRIGERATION APPARATUS
US11125477B2 (en) 2017-08-25 2021-09-21 Astronautics Corporation Of America Drum-type magnetic refrigeration apparatus with improved magnetic-field source
KR101954538B1 (ko) * 2017-11-28 2019-03-05 엘지전자 주식회사 자기 냉각 시스템
JP7364932B2 (ja) * 2019-09-30 2023-10-19 ダイキン工業株式会社 固体冷凍装置
CN114502899B (zh) * 2019-09-30 2023-08-29 大金工业株式会社 固体冷却模块

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH695836A5 (fr) * 2002-12-24 2006-09-15 Ecole D Ingenieurs Du Canton D Procédé et dispositif pour générer en continu du froid et de la chaleur par effet magnetique.
FR2890158A1 (fr) * 2005-09-01 2007-03-02 Cooltech Applic Soc Par Action Generateur thermique a materiau magnetocalorique
FR2936364B1 (fr) 2008-09-25 2010-10-15 Cooltech Applications Element magnetocalorique
FR2942305B1 (fr) 2009-02-17 2011-02-18 Cooltech Applications Generateur thermique magnetocalorique
US20100212327A1 (en) * 2009-02-25 2010-08-26 General Electric Company Magnetic assembly system and method
FR2959602B1 (fr) * 2010-04-28 2013-11-15 Cooltech Applications Procede de generation d'un flux thermique et generateur thermique magnetocalorique
JP5278486B2 (ja) 2011-04-25 2013-09-04 株式会社デンソー 熱磁気エンジン装置、および可逆熱磁気サイクル装置
JP5418616B2 (ja) 2011-05-13 2014-02-19 株式会社デンソー 熱磁気サイクル装置
JP5776579B2 (ja) * 2012-02-17 2015-09-09 株式会社デンソー 磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
US9696064B2 (en) 2017-07-04
US20150184902A1 (en) 2015-07-02
JP2015124927A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6003879B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP5278486B2 (ja) 熱磁気エンジン装置、および可逆熱磁気サイクル装置
JP6191539B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP5267613B2 (ja) 磁気熱量効果型ヒートポンプ装置
JP5884806B2 (ja) 磁気熱量素子およびそれを備える熱磁気サイクル装置
US10443905B2 (en) Magnetocaloric refrigeration using fully solid state working medium
EP2813785B1 (en) Magnetic cooling apparatus and method of controlling the same
JP5644812B2 (ja) 磁気ヒートポンプシステム及び該システムを用いた空気調和装置
CN107726664B (zh) 磁制冷机
CN107726663B (zh) 磁热交换***、磁热式制冷装置及热弹性冷却设备
JP6464922B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP6589706B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP5724603B2 (ja) 磁気冷凍システム及び該磁気冷凍システムを用いた空気調和装置
JP2013170495A (ja) 磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ
JP6344103B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP2016080206A (ja) 磁気熱量素子および熱磁気サイクル装置
JP6060789B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP6583143B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP6350147B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP6365173B2 (ja) 磁気ヒートポンプ装置
JP2014206334A (ja) 熱磁気サイクル装置
JP2013185752A (ja) 磁気ヒートポンプ装置
JP6361413B2 (ja) 磁気ヒートポンプ装置
JP6683138B2 (ja) 熱磁気サイクル装置
JP6601300B2 (ja) 熱磁気サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160822

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6003879

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees