JP6601300B2 - 熱磁気サイクル装置 - Google Patents

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Description

ここに開示される発明は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置に関し、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置として利用することができる。
特許文献1は、磁性体の温度特性を利用する熱磁気サイクル装置のひとつである磁気熱量効果型ヒートポンプ装置を開示している。この装置は、磁性体と熱交換する一次媒体と、外部の熱系統に利用される二次媒体との間に熱交換器を設けている。装置は、それぞれが磁性体を収容する複数の作動室を有している。装置は、複数の作動室のそれぞれに対応する複数の一次媒体通路を有している。二次媒体のための二次媒体通路は、複数の一次媒体通路の中の一次媒体と、二次媒体とが、順に、一度だけ熱交換するように形成されている。
特開2014−62682号公報
従来技術の構成では、一次媒体と二次媒体とが熱交換することにより、二次媒体の温度が徐々に変化する。このため、二次媒体の流れに沿って、一次媒体にも温度差が生じる。例えば、一次媒体と二次媒体とが最初に熱交換する一次媒体通路内の一次媒体と、一次媒体と二次媒体とが最後に熱交換する一次媒体通路内の一次媒体との間に温度差が生じる。一次媒体の温度差は、複数の作動室において磁性体が発揮する磁気熱量効果に差を生じさせる。例えば、磁性体に高い磁気熱量効果を発揮させることができない場合が生じる。このため、高効率の熱磁気サイクル装置を提供することが困難であった。
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、熱磁気サイクル装置にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、複数の磁気熱量素子の温度差が抑制される熱磁気サイクル装置を提供することである。
開示される他のひとつの目的は、高効率の熱磁気サイクル装置を提供することである。
ここに開示された熱磁気サイクル装置は、磁気熱量効果を発揮する複数の磁気熱量素子(12)、複数の磁気熱量素子と熱交換する一次媒体を流すための複数の一次通路(26、62)を区画形成する通路部材(21、61)、複数の一次通路の中の一次媒体と二次媒体との熱交換を提供する熱交換器(51、56)、および複数の一次通路における同じ温度となるべき複数の部分の間にまたがって配置され、通路部材を経由する熱移動より大きい熱移動を提供する熱輸送部材を備え、熱輸送部材は、複数の一次通路の径方向内側に配置されている。
ここに開示された熱磁気サイクル装置は、磁気熱量効果を発揮する複数の磁気熱量素子(12)、複数の磁気熱量素子と熱交換する一次媒体を流すための複数の一次通路(26、62)を区画形成する通路部材(21、61)、複数の一次通路の中の一次媒体と二次媒体との熱交換を提供する熱交換器(51、56)、および複数の一次通路における同じ温度となるべき複数の部分の間にまたがって配置され、通路部材を経由する熱移動より大きい熱移動を提供する熱輸送部材を備え、熱輸送部材は、ヒートパイプを有する。
開示される熱磁気サイクル装置によると、複数の部分の間に熱輸送部材が配置される。熱輸送部材は、通路部材を経由する熱移動より大きい熱移動を提供する。このため、複数の一次通路の中の一次媒体に温度差が生じると、熱輸送部材が熱移動を提供する。これにより、一次媒体の温度差が抑制される。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の断面図である。 第1実施形態の磁気熱量効果型ヒートポンプ装置(以下、MHP装置という)の断面図である。 第1実施形態の熱輸送部材の斜視図である。 第2実施形態のMHP装置の断面図である。 第3実施形態のMHP装置の断面図である。 第4実施形態のMHP装置の断面図である。 第4実施形態の熱交換器の斜視図である。 第5実施形態のMHP装置の断面図である。 第5実施形態の熱交換器の斜視図である。 第6実施形態のMHP装置の断面図である。 第6実施形態の熱交換器の斜視図である。 第7実施形態のMHP装置の断面図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る車両用空調装置10を示す。図2は、熱交換器の断面を示す。図1は、図2に示されたI−I線における断面を示す。図2は、図1に示されたII−II線における断面を示す。
車両用空調装置10は、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置11を備える。磁気熱量効果型ヒートポンプ装置11はMHP(Magneto-caloric effect Heat Pump)装置11とも呼ばれる。MHP装置11は、熱磁気サイクル装置を提供する。
この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。
MHP装置11は、磁気熱量素子12を備える。磁気熱量素子12は、MCE(Magneto-Caloric Effect)素子12とも呼ばれる。MCE素子12は、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる。MCE素子12は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。MCE素子12は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子12は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。MCE素子12は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮する磁性体によって作られている。例えば、ガドリニウム系材料、またはランタン−鉄−シリコン化合物を用いることができる。また、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物を用いることができる。
一群のMCE素子12は、MCE素子12の長手方向、すなわち一次媒体の流れ方向に沿って配置された複数の部分を有する。複数の部分のそれぞれを構成する材料は、キュリー温度が異なる。複数の部分は、異なる温度帯において高い磁気熱量効果(ΔS(J/kgK))を発揮する。高温端に近い部分は、定常運転状態において高温端に現れる温度の近傍において高い磁気熱量効果を発揮する材料組成を有する。中温部に近い部分は、定常運転状態において中温部に現れる温度の近傍において高い磁気熱量効果を発揮する材料組成を有する。低温端に近い部分は、定常運転状態において低温端に現れる温度の近傍において高い磁気熱量効果を発揮する材料組成を有する。
MCE素子12のそれぞれの部分が高い磁気熱量効果を発揮する温度帯は、高効率温度帯と呼ばれる。高効率温度帯の上限温度と下限温度とは、MCE素子12の材料組成などに依存する。複数の部分は、高温端と低温端との間において高効率温度帯が並ぶように直列に配列されている。言い換えると、複数の部分の高効率温度帯は、高温端と低温端との間において、高温端から徐々に低下する分布を示す。この高効率温度帯の分布は、定常状態における高温端と低温端との間の温度分布にほぼ対応する。
この実施形態では、定常運転において高温端と低温端との間に作り出される定常温度差を複数の部分が分担する。これにより、それぞれの部分において高い効率が得られる。言い換えると、MCE素子12は、定常温度差が得られるときに、それぞれの素子ユニットが所定の閾値を上回る磁気熱量効果を発揮するように調節されている。MCE素子12のそれぞれの部分の温度が、高効率温度帯から外れると、その部分は高い効率を発揮できない。この結果、MCE素子12全体の効率も低下する。
ひとつのMCE素子12とそれに関連する要素は、磁気熱量素子ユニットを構成する。磁気熱量素子ユニットは、MCD(Magneto-Caloric effectDevice)ユニットとも呼ばれる。MHP装置11は、MCE素子12の磁気熱量効果を利用する。MHP装置11は、MCE素子12をAMR(ActiveMagnetic Refrigeration)サイクルとして機能させるための磁場変調装置13と熱輸送装置14とを備える。
磁場変調装置13は、MCE素子12に外部磁場を与えるとともに、その外部磁場の強さを増減させる。磁場変調装置13は、MCE素子12を強い磁界内に置く励磁状態と、MCE素子12を弱い磁界内またはゼロ磁界内に置く消磁状態とを周期的に切換える。磁場変調装置13は、MCE素子12が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間、およびMCE素子12が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間を周期的に繰り返すように外部磁場を変調する。磁場変調装置13は、外部磁場を生成するための磁力源、例えば永久磁石、または電磁石を備える。
熱輸送装置14は、MCE素子12が放熱または吸熱する熱を輸送するための熱輸送媒体を流すための流体機器を備える。熱輸送装置14は、MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体をMCE素子12に沿って流す装置である。熱輸送装置14は、MCE素子12に高温端と低温端とを生成するように、熱輸送媒体を流す。熱輸送装置14は、磁場変調装置13による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れFM、FNを発生させる。往復的な流れFM、FNは、主成分としての往復流れと、高周波の脈動成分としての流れとを含むことができる。
この実施形態では、MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体は一次媒体と呼ばれる。一次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。熱輸送装置14は、磁場変調装置13による磁場の増減に同期して熱輸送媒体を往復的に移動させる。熱輸送装置14は、熱輸送媒体を流すためのポンプを含むことができる。熱輸送装置14は、一次媒体を流すためのポンプ41、42を備える。ポンプ41、42は、ひとつのMCE素子12に関して一次媒体の往復流れを供給する。ポンプ41、42は、MCE素子12の両端に配置されている。ポンプ41、42は、相補的に吸入行程と吐出工程とを実行するように配置されている。
MHP装置11は、動力源としてのモータ(MTR)15を備える。モータ15は、磁場変調装置13の動力源である。モータ15は、熱輸送装置14の動力源である。MHP装置11の動力源として設けられたモータ15は、車載の電池によって駆動される。また、モータ15は、磁場変調装置13を提供するロータコア24を回転駆動する。これにより、モータ15と磁場変調装置13とは、MCE素子12へ外部磁場を印加する状態と、MCE素子12から外部磁場を除去した状態(外部磁場を印加しない状態)との間での周期的な交互切換を生じさせる。モータ15は、熱輸送装置14のポンプ41、42を駆動する。これにより、モータ15とポンプ41、42とは、ひとつのMCE素子12において、一次媒体の往復的な流れを生じさせる。
ポンプ41、42は、MCE素子12をAMRサイクルとして機能させるための一次媒体の往復流をMCDユニット内に生じさせる。ポンプ41、42は、容積型の往復流ポンプである。ポンプ41、42は、斜板型のピストンポンプである。ポンプ41、42は、多気筒のアキシャルピストンポンプである。ひとつのMCE素子12に、ポンプ41のひとつの気筒と、ポンプ42のひとつの気筒とが対応付けられている。ひとつのMCE素子12に対応付けられた2つの気筒は、相補的に作動する。これにより、ひとつのMCE素子12の長手方向に沿って流れる一次媒体の往復流が提供される。この実施形態では、MHP装置11は、熱的に並列接続された複数のMCE素子12を備える。MHP装置11は、熱的に並列接続された10基のMCE素子12を有する。ポンプ41、42は、10気筒である。
MHP装置11は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング21を備える。ハウジング21は、その中心軸上に回転軸22を回転可能に支持する。回転軸22は、モータ15の出力軸に連結されている。ハウジング21は、回転軸22の周囲に、磁場変調装置13を収容するための収容室23を区画形成している。収容室23は、円柱状の空間である。回転軸22には、ロータコア24が固定されている。ロータコア24は、ハウジング21とともに、磁束を通すためのヨークを提供する。ロータコア24は、その周方向に沿って磁束を通しやすい範囲と、磁束を通しにくい範囲とを形成するように構成されている。ロータコア24には、永久磁石25が固定されている。永久磁石25は、部分円筒状であり、その断面が扇型である。永久磁石25は、ロータコア24の外周面に固定されている。
ロータコア24と永久磁石25とは、それらの周囲に、永久磁石25が提供する外部磁場が強くなる領域と、永久磁石25が提供する外部磁場が弱くなる領域とを形成する。外部磁場が弱くなる領域では、外部磁場がほぼ除去された状態が提供される。ロータコア24と永久磁石25とは、回転軸22の回転に同期して回転する。よって、外部磁場が強い領域と、外部磁場が弱い領域とは、回転軸22の回転に同期して回転する。この結果、ロータコア24と永久磁石25との周囲の一点においては、外部磁場が強く印加される期間と、外部磁場が弱くなりほぼ除去された期間とが繰り返して生じる。したがって、ロータコア24と永久磁石25とは、外部磁場の印加および除去を繰り返す磁場変調装置13を提供する。ロータコア24と永久磁石25とは、MCE素子12への外部磁場の印加と除去とを切換える装置を提供する。なお、磁場の語は磁界と読み替えることができる。
ハウジング21は、少なくともひとつの作業室26を区画形成している。作業室26は、収容室23に隣接して設けられている。ハウジング21は、収容室23の径方向外側に、等間隔に配置された複数の作業室26を区画形成している。この実施形態では、ひとつのハウジング21は、10の作業室26を区画形成している。作業室26のそれぞれは、ハウジング21の軸方向に沿って長手方向を有する柱状空間を形成している。ひとつの作業室26は、ポンプ41のひとつの気筒と、ポンプ42のひとつの気筒とに対応するように設けられている。ひとつの作業室26の両側に、ふたつの気筒が配置されている。
作業室26は、一次媒体を流すための一次通路を提供する。ハウジング21は、一次媒体を流すための複数の一次通路を区画形成する通路部材でもある。作業室26内には、その長手方向に沿って一次媒体が流れる。一次媒体は、作業室26内を長手方向に沿って往復するように流れる。
さらに、作業室26は、MCE素子12を収容する収容室を提供する。ハウジング21は、作業室26が形成された容器を提供している。作業室26の中には、磁気熱量効果を有する磁気作業物質としてのMCE素子12が配置されている。
ひとつのMCE素子12は、MHP装置11の軸方向に沿って長手方向を有する棒状に形成されている。MCE素子12は、作業室26内を流れる一次媒体と十分に熱交換できる形状に形成されている。それぞれのMCE素子12は、素子ベッドとも呼ばれる。
MCE素子12は、磁場変調装置13によって印加、または除去される外部磁場の影響下に置かれる。すなわち、回転軸22が回転すると、MCE素子12を磁化させるための外部磁場が印加された状態と、MCE素子12から上記外部磁場が除去された状態とが交互に切換えられる。
MHP装置11は、MHP装置11によって得られた高温を輸送する高温系統16を備える。高温系統16は、MHP装置11によって得られた高温を利用する熱機器でもある。MHP装置11は、MHP装置11によって得られた低温を輸送する低温系統17を備える。高温系統16は、MHP装置11によって得られた低温を利用する熱機器でもある。高温系統16と低温系統17とは、熱輸送媒体を一次媒体とし、この一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供する熱交換器51、56を備える。熱交換器51、56の構成は、参照によって導入することができる特開2014−62682号公報にも開示されている。
高温系統16は、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供する熱交換器51を備える。二次媒体は、高温系統16において熱を輸送するために利用される熱輸送媒体である。二次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。高温系統16は、二次媒体が循環的に流される通路52を備える。高温系統16は、二次媒体と他の媒体との間の熱交換を提供する熱交換器53を備える。例えば、熱交換器53は、二次媒体と空気との熱交換を提供する。高温系統16は、二次媒体を流すためのポンプ54を備える。ポンプ54は、二次媒体が熱交換器51、通路52、および熱交換器53を循環的に流れるように二次媒体を流す。高温系統16は、MHP装置11の高温端から熱を持ち去り、高温端を冷却する機器でもある。
低温系統17は、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供する熱交換器56を備える。二次媒体は、低温系統17において熱を輸送するために利用される熱輸送媒体である。二次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。低温系統17は、二次媒体が循環的に流される通路56を備える。低温系統17は、二次媒体と他の媒体との間の熱交換を提供する熱交換器58を備える。例えば、熱交換器58は、二次媒体と空気との熱交換を提供する。低温系統17は、二次媒体を流すためのポンプ59を備える。ポンプ59は、二次媒体が熱交換器56、通路57、および熱交換器58を循環的に流れるように二次媒体を流す。低温系統17は、MHP装置11の低温端に熱を持ち込み、低温端を加熱する機器でもある。
熱交換器51、56は、複数のMCE素子12の両端に、対称的に配置されている。熱交換器51、56は、互いに対応する構成要素を有している。以下では、熱交換器56が詳細に説明されている。この説明は、熱交換器51にも適用することができる。熱交換器56は、ボディ61を有する。ボディ61は、複数の部材を組み合わせることによって形成されている。ボディ61は、一次媒体を流すための複数の一次通路62を区画形成する通路部材である。ボディ61は、二次媒体を流すための複数の二次通路63を区画形成する通路部材でもある。ボディ61は、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を促進するために、それらの間に高い熱伝達率を実現できるように形成されている。この実施形態では、ボディ61は、アルミニウム系の金属製である。ボディ61は、銅系の金属製、または樹脂材料製でもよい。
熱交換器56は、一次媒体が流れるための一次通路62を有する。ボディ61は、一次通路62を区画形成している。ボディ61は、複数の一次通路62を有する。複数の一次通路62は、複数の作業室26の延長上に位置している。複数の一次通路62は、円周上に分散的に配置されている。複数の一次通路62は、熱交換器56に周方向に沿って等間隔に配置されている。ひとつの一次通路62は、ひとつの作業室26に対応している。図示の例では、10個の一次通路62が設けられている。一次通路62は、円柱状の熱交換器56を軸方向に沿って貫通している。一次通路62内には、熱交換に寄与する広い面積を提供するために、複数のフィンが配置されている。
熱交換器56は、二次媒体が流れるための二次通路63を有する。ボディ61は、二次通路63を区画形成している。二次通路63は、熱交換器56の周方向に沿って延びている。二次通路63は、入口から出口に向かう一方向の通路である。二次通路63は、熱交換器56の周方向に沿って一方向に延びる通路である。二次通路63は、複数の一次通路62の近傍を通過している。二次通路63は、複数の一次通路62の近傍を順に通過している。二次通路63は、複数の一次通路62の近傍を一度ずつ通過する。二次通路63は、円柱状の熱交換器56の径方向外側部分を一周するように形成されている。二次通路63内には、熱交換に寄与する広い面積を提供するために、複数のフィンが配置されている。
この構成では、MHP装置11が作動状態にあるとき、一次通路62には一次媒体が流れ、二次通路63には二次媒体が流れる。二次通路63を通過する二次媒体は、複数の一次通路62内の一次媒体と、順に、かつ一度だけ熱交換する。二次媒体の温度は、二次通路63内を流れるに従って徐々に変化する。この結果、二次通路63の上流に位置するひとつの一次通路62内の一次媒体の温度と、複数の二次通路63のうち上記ひとつの一次通路62より下流に位置する他の一次通路62内の一次媒体の温度との間には差が生じる。このような温度差は、ひとつ、または複数のMCE素子12が高い効率で機能することを妨げる。
例えば、低温系統17では、二次媒体の温度は、二次通路63の入口から出口に向けて徐々に低下する。この二次媒体の温度は、複数の一次通路62の中の一次媒体の温度に影響する。二次通路63の入口近傍のひとつの一次通路62内の一次媒体は比較的高い温度となる。一方、二次通路63の出口近傍の他の一次通路62内の一次媒体は比較的低い温度となる。この結果、それら一次通路62に対応するMCE素子12の温度は、最適温度値から、さらには最適温度範囲からずれることがある。この場合、MCE素子12が発揮する磁気熱量効果が減少するか、または、0(ゼロ)になる。
図1に戻り、車両用空調装置10は、車両に搭載され、車両の乗員室の温度を調節する。2つの熱交換器53、58は、車両用空調装置10の一部を提供する。熱交換器53は、熱交換器58より高温になる高温側熱交換器である。熱交換器53は、室内熱交換器とも呼ばれる。熱交換器58は、熱交換器53より低温になる低温側熱交換器である。熱交換器58は、室外熱交換器とも呼ばれる。車両用空調装置10は、高温側の熱交換器53、および/または低温側の熱交換器56を室内空調のために利用するための空調ダクトおよび送風機などの空気系機器を備える。
車両用空調装置10は、冷房装置または暖房装置として利用される。車両用空調装置10は、室内に供給される空気を冷却する冷却器と、冷却器によって冷却された空気を再び加熱する加熱器とを備えることができる。MHP装置11は、車両用空調装置10における冷熱供給源、または温熱供給源として利用される。すなわち、熱交換器53は上記加熱器として用いることができる。また、熱交換器58は上記冷却器として用いることができる。
MHP装置11が温熱供給源として利用されるとき、熱交換器53を通過した空気は車両の室内に供給され、暖房のために利用される。このとき、熱交換器58を通過した空気は車両の室外に排出される。MHP装置11が冷熱供給源として利用されるとき、熱交換器58を通過した空気は車両の室内に供給され、冷房のために利用される。このとき、熱交換器53を通過した空気は車両の室外に排出される。MHP装置11は、除湿装置として利用されることもある。この場合、熱交換器58を通過した空気は、その後に、熱交換器53を通過し、室内に供給される。MHP装置11は、冬期においても、夏期においても、温熱供給源として利用される。
車両用空調装置10は、制御装置(CNTR)18を備える。制御装置18は、車両用空調装置10の制御可能な複数の要素を制御する。例えば、制御装置18は、MHP装置11の作動と停止とを少なくとも切換えるようにモータ15を制御する。制御装置18は、MHP装置11をヒートポンプとして機能させるように、モータ15を経由して、磁場変調装置13と熱輸送装置14とを制御する。制御装置18は、MCE素子12の両端に高温端と低温端とを発生させるように、モータ15を経由して、磁場変調装置13と熱輸送装置14とを制御する。
制御装置18は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置18は、処理装置(CPU)と、プログラムを記憶する記憶媒体としてのメモリ(MMR)とを有する。制御装置18は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクによって提供されうる。プログラムは、制御装置18によって実行されることによって、制御装置18をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように制御装置18を機能させる。制御装置18が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
この実施形態では、ひとつのMCE素子12と、ひとつの作業室26と、熱交換器51のひとつの一次通路と、熱交換器56のひとつの一次通路62とによって、ひとつのMCDユニットが形成されている。MHP装置11は、複数のMCDユニットを有している。これら複数のMCDユニットは、それらの低温端が隣接し、それらの高温端が隣接するように配置されている。複数のMCDユニットは、周方向に沿って円筒状に配置されている。複数のMCDユニットは、少なくともひとつの熱交換器51または56において、複数の一次通路62の中の一次媒体が、共通の二次媒体と熱交換するように配置されている。複数のMCDユニットは、少なくともひとつの熱交換器51または56において、二次通路63の延在方向、すなわち二次媒体の流れ方向に沿って、複数の低温端が隣接し、複数の高温端が隣接するように配置されている。
MHP装置11は、熱輸送部材71、72を備える。熱輸送部材71または熱輸送部材72の一方だけが設けられていてもよい。熱輸送部材71、72は、複数のMCDユニットにわたって設けられている。熱輸送部材71、72は、複数のMCDユニットにおける同じ温度となるべき部位の間にまたがって配置されている。熱輸送部材71、72は、熱交換器51、56内の一次通路62と熱的に結合して配置されている。
熱輸送部材71、72は、通路部材としてのボディ61を経由する熱移動より大きい熱移動を提供する。熱輸送部材71、72は、複数のMCDユニットの間における温度差を抑制するように熱を輸送する。熱輸送部材71、72は、二次媒体の流れに依存することなく、複数の一次通路62の間の温度差を抑制するように、その温度差に応じた熱量を、それらの間において移動させる。言い換えると、熱輸送部材71、72は、複数の一次通路62の間の温度差に依存した熱移動を提供する。熱輸送部材71、72は、熱交換器51、56を形成するボディ61の材料より大きい熱輸送能力を提供する。熱輸送部材71、72がもつ熱輸送能力を熱伝導率として評価した場合、熱輸送部材71、72の熱伝導率は、ボディ61の材料の熱伝導率より高い。熱輸送部材71、72の熱伝導率は、ボディ61の材料の熱伝導率より数倍高い。
熱輸送部材71は、媒体の移動によって熱を輸送する。熱輸送部材71は、動的な熱移動、または積極的な熱移動を提供する部材である。動的な熱移動は、物質を熱が伝導する静的な熱移動から明確に区別される。積極的な熱移動は、物質を熱が伝導する受動的な熱移動から明確に区別される。熱輸送部材71は、媒体の移動と、媒体の相転移との両方を利用して熱を輸送する。
熱輸送部材71は、熱交換器51に設けられている。熱輸送部材72は、熱交換器56に設けられている。熱輸送部材71、72は、複数の一次通路62に隣接して配置されている。熱輸送部材71、72は、複数の一次通路62の径方向内側に配置されている。熱輸送部材71、72は、複数の一次通路62にまたがって周方向に延びている。
図3に図示されるように、熱輸送部材72は、内部にチャンネル73を有する。チャンネル73は、高温部において液体から気体への相転移を生じ、低温部において気体から液体への相転移を生じる媒体を収容している。熱輸送部材72は、ヒートパイプである。ヒートパイプは、自励振動式ヒートパイプである。自励振動式ヒートパイプは、高温端における気泡の拡大と、低温端における気泡の縮小とを利用して、液柱を高温端と低温端との間で移動させる。
熱輸送部材71、72は、隣接する2つの一次通路62にまたがって延びている。熱輸送部材71、72は、複数の一次通路62にわたって延びている。熱輸送部材71、72は、C字型断面をもつ円筒状である。熱輸送部材71、72は、その一端部を二次通路63の入口に対応する部分に位置づけている。熱輸送部材71、72は、その他端部を二次通路63の出口に対応する部分に位置づけている。熱輸送部材71、72は、二次通路63の入口と出口との間における、複数の一次通路62の間の温度差を抑制する。
以上に述べた実施形態によると、熱輸送部材71、72により、複数の一次通路62の間における温度差が抑制される。これにより、熱交換器51、56に起因する一次媒体の温度差が抑制される。この結果、複数のMCDユニット間の温度差が抑制される。複数のMCE素子12の間における温度差が抑制され、高効率の熱磁気サイクル装置が提供される。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、ヒートパイプによって熱輸送部材71、72が提供されている。これに代えて、この実施形態では、固体熱伝導部材によって熱輸送部材71、72が提供される。
図4に図示されるように、MHP装置11は、熱輸送部材272を有する。熱輸送部材272は、固体熱伝導部材である。固体熱伝導部材の材料は、ボディ61の材料とは異なる。固体熱伝導部材は、ボディ61の材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率をもつ材料で作られている。ボディ61が樹脂製である場合、固体熱伝導部材は、鉄、銅、アルミニウムなどの金属製である。ボディ61が炭素鋼などの鉄系金属である場合、固体熱伝導部材はアルミニウム系または銅系の金属製である。この実施形態によると、簡単な構成によって複数のMCDユニット間の温度差が抑制される。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、複数の一次通路62の径方向内側に熱輸送部材71、72が配置されている。これに代えて、この実施形態では、複数の一次通路62の径方向外側に熱輸送部材71、72が配置される。
図5に図示されるように、MHP装置11は、熱輸送部材372を有する。熱輸送部材372は、複数の一次通路62の径方向外側に配置されている。MHP装置11は、熱輸送部材72と熱輸送部材372との両方を備える。これに代えて、MHP装置11は、熱輸送部材372だけを備えていてもよい。複数の熱輸送部材72、372の両方はヒートパイプによって提供されている。複数の熱輸送部材72、372のいずれか一方、または両方は、固体熱伝導部材によって提供されてもよい。この実施形態でも、複数のMCDユニット間の温度差が抑制される。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、二次通路63は、一周分に相当する単一通路である。二次通路63は、複数の一次通路62と一回だけ熱交換を実行する。これに代えて、この実施形態では、二次通路463は、複数の一次通路62と複数回の熱交換を実行するように配置されている。
図6および図7に図示されるように、MHP装置11は、熱輸送部材を備えない。二次通路463は、周方向の端部において少なくとも1回は折り返す往復通路である。二次通路463は、複数の一次通路62にまたがって延びている。二次通路463は、複数の一次通路62にまたがって往復して延びている。二次通路463は、ひとつの一次通路62の中の一次媒体と2回以上熱交換するように二次媒体を流す。二次通路463は、周方向の端部において2回折り返している。二次通路463は、複数の一次通路62と複数回の熱交換を実行するように配置されている。二次通路463は、往復パスを提供している。
熱交換器56は、複数の周方向通路463a、463b、463cと、隣接する周方向通路の端部を連通する2つの折り返し部463d、463eを有する。3つの周方向通路463a、463b、463cは、複数の一次通路62にまたがって延びている。3つの周方向通路463a、463b、463cは互いに平行である。3つの周方向通路463a、463b、463cは、それらの端部において折り返し部463d、463eを経由して連通している。
周方向通路463aにおける二次媒体は、複数の一次通路62内の一次媒体と熱交換することにより、それら一次媒体に温度差を生じさせる場合がある。周方向通路463aにおける二次媒体の流れ方法は、周方向通路463bにおける二次媒体の流れ方向とは逆である。よって、周方向通路463bにおける二次媒体の流れは、複数の一次通路62内の一次媒体と熱交換することにより、それら一次媒体に逆方向の温度差を生じさせる。よって、周方向通路463bにおける二次媒体の流れは、周方向通路463aにおける二次媒体の流れにより生じた一次媒体の温度差を減少させる。複数の周方向通路463a、463b、463cは、一次媒体の温度差を抑制しながら、一次媒体と二次媒体との熱交換を提供する。この実施形態でも、複数のMCDユニット間の温度差が抑制される。
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態に代えて、二次通路463と熱輸送部材72との両方を備えていてもよい。図8および図9に図示されるように、MHP装置11は、熱輸送部材72と、往復パスを形成する二次通路463とを備える。この実施形態でも、複数のMCDユニット間の温度差が抑制される。
第6実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、二次通路63、463は、複数の一次通路62にまたがって延びるように周方向に沿って延びている。これに代えて、この実施形態では、二次通路663は、複数の一次通路62と平行に延びるように配置されている。
図10および図11に図示されるように、MHP装置11は、熱輸送部材72を備える。二次通路663は、一次通路62と平行に延びる平行通路である。二次通路663は、一次通路62と平行な平行パスを提供している。二次通路663は、二次媒体が複数の一次通路62内の一次媒体と順に熱交換することがないように配置されている。
熱交換器56は、周方向通路663a、複数の軸方向通路663b、および周方向通路663cを有する。周方向通路663aは、複数の軸方向通路663bと連通している。周方向通路663aは、二次媒体の入口と連通している。周方向通路663aは、複数の軸方向通路663bに二次媒体を分配する分配通路である。
複数の軸方向通路663bは、入口および出口に対して並列的に延びている。軸方向通路663bは、一次通路62に沿って延びている。軸方向通路663bは、一次通路62の中の一次媒体と平行に二次媒体を流す。
周方向通路663cは、複数の軸方向通路663bと連通している。周方向通路663cは、二次媒体の出口と連通している。周方向通路663cは、複数の軸方向通路663bから二次媒体を集める集積通路である。
二次媒体は、周方向通路663aによって入口から複数の軸方向通路663bへ分配される。二次媒体は、複数の軸方向通路663bにおいて、一次通路62内の一次媒体と熱交換する。二次媒体は、周方向通路663cによって複数の軸方向通路663bから出口へ集められる。周方向通路663a、663cにおける一次媒体と二次媒体との間の熱交換量は、軸方向通路663bにおける熱交換量より格段に小さい。軸方向通路663b内の二次媒体は、複数の一次通路62内の一次媒体と順に熱交換することがない。ひとつの軸方向通路663b内の二次媒体は、それと対応する一次通路62内の一次媒体と一度だけ熱交換する。このため、複数の一次通路62内の一次媒体の間に大きい温度差を与えない。この実施形態でも、複数のMCDユニット間の温度差が抑制される。
第7実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、熱輸送部材72は、熱交換器56内に設けられている。これに代えて、この実施形態では、熱輸送部材771、772は、ハウジング21に設けられている。
図12に図示されるように、MHP装置11は、熱輸送部材771、772を有する。熱輸送部材771、772は、ハウジング21に設けられている。熱輸送部材771、772は、MCE素子12を収容する一次通路としての作業室26と熱的に結合して配置されている。熱輸送部材771、772は、作業室26の径方向外側に配置されている。熱輸送部材771、772は、複数の作業室26にまたがって延びるように配置されている。熱輸送部材771、772は、熱交換器51、56の近傍に設けられている。熱輸送部材771、772は、複数の作業室26内の一次媒体の間の温度差を抑制するように熱を輸送する。熱輸送部材771、772が周方向に関して発揮する熱輸送能力は、熱輸送部材771、772が軸方向に関して発揮する熱輸送能力より高い。これにより、MCE素子12によって生成された軸方向における温度差を損なうことなく、周方向における複数のMCDユニット間の温度差が抑制される。
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、斜板式ポンプによって多気筒ポンプを提供した。これに代えて、他の形式の容積型ポンプを利用してもよい。また、熱輸送装置14は、モータ15によって駆動されない別体の装置として構成されてもよい。また、上記第1実施形態では、ポンプの1気筒に、一つの作業室を対応させて配置した。これに代えて、複数の気筒とひとつの作業室、またはひとつの気筒と複数の作業室、または複数の気筒と複数の作業室を対応させて配置してもよい。
上記実施形態では、車両用空調装置が提供される。これに代えて、住宅用の空調装置を提供してもよい。また、水を加熱または冷却する装置、例えば給湯装置または冷水機を提供してもよい。また、上記実施形態では、室外の空気を主要な熱源とするMHP装置11を説明した。これに代えて、水、土などの他の熱源を主要熱源として利用してもよい。
上記実施形態では、熱磁気サイクル装置の一形態であるMHP装置11が提供される。これに代えて、熱磁気サイクル装置の一形態である熱磁気エンジン装置を提供してもよい。例えば、上記実施形態のMHP装置11の磁場変化と熱輸送媒体の流れとの位相を調節することにより熱磁気エンジン装置を提供することができる。
上記実施形態では、熱輸送部材72、372、772によって、熱輸送部材の複数の設置位置が例示されている。熱輸送部材は、例示された複数の設置位置のうちのひとつ、または複数の設置位置に設けることができる。さらに、熱輸送部材は、複数のMCDユニット上の他の位置に設けられてもよい。また、熱輸送部材は、熱交換器51、56の軸方向端面上に設けられてもよい。上記実施形態では、熱輸送部材72、272によって、熱輸送部材の複数の構造が例示されている。熱輸送部材は、例示された複数の構造のひとつ、またはそれらの組み合わせによって提供することができる。例えば、ヒートパイプと固体熱伝導部材とを併用してもよい。
上記実施形態では、熱輸送部材はC字状の断面を有する。これに代えて、熱輸送部材は、閉じた環状に形成することができる。また、熱輸送部材は、複数の環状のヒートパイプの束として提供されてもよい。
上記実施形態では、熱輸送部材は、MCDユニットにおける一次媒体の通路を形成する部材と熱的に結合している。これにより、熱輸送部材は、複数の一次通路または作業室の間の温度差を抑制する。これに代えて、上記熱的な結合を、断続する機構を設けてもよい。例えば、一次通路に温度差が生じているときのみ、熱的な結合を提供するように構成されてもよい。
上記実施形態では、熱輸送部材は、ボディ61またはハウジング21に設けられている。熱輸送部材は、ボディ61またはハウジング21を介して、一次媒体と二次媒体との間の熱交換を提供している。これに代えて、熱輸送部材を一次媒体に直接に接触するように配置してもよい。
10 車両用空調装置、11 磁気熱量効果型ヒートポンプ(MHP)装置、
12 磁気熱量(MCE)素子、13 磁場変調装置、14 熱輸送装置、
15 モータ、16 高温系統、17 低温系統、18 制御装置、
21 ハウジング、22 回転軸、23 収容室、24 ロータコア、
25 永久磁石、26 作業室、41、42 ポンプ、
51、53、56、58 熱交換器、52、57 通路、54、59 ポンプ、
61 ボディ、62 一次通路、63 二次通路、
463 二次通路(往復パス)、663 二次通路(平行パス)、
71、72、372、771、772 熱輸送部材(ヒートパイプ)、
272 熱輸送部材(固体熱伝導部材)。

Claims (10)

  1. 磁気熱量効果を発揮する複数の磁気熱量素子(12)、
    複数の前記磁気熱量素子と熱交換する一次媒体を流すための複数の一次通路(26、62)を区画形成する通路部材(21、61)、
    複数の前記一次通路の中の一次媒体と二次媒体との熱交換を提供する熱交換器(51、56)、および
    複数の前記一次通路における同じ温度となるべき複数の部分の間にまたがって配置され、前記通路部材を経由する熱移動より大きい熱移動を提供する熱輸送部材を備え
    前記熱輸送部材は、複数の前記一次通路の径方向内側に配置されている熱磁気サイクル装置。
  2. 前記熱輸送部材は、ヒートパイプを有する請求項1に記載の熱磁気サイクル装置。
  3. 磁気熱量効果を発揮する複数の磁気熱量素子(12)、
    複数の前記磁気熱量素子と熱交換する一次媒体を流すための複数の一次通路(26、62)を区画形成する通路部材(21、61)、
    複数の前記一次通路の中の一次媒体と二次媒体との熱交換を提供する熱交換器(51、56)、および
    複数の前記一次通路における同じ温度となるべき複数の部分の間にまたがって配置され、前記通路部材を経由する熱移動より大きい熱移動を提供する熱輸送部材を備え
    前記熱輸送部材は、ヒートパイプを有する熱磁気サイクル装置。
  4. 複数の前記磁気熱量素子は、外部磁場の強弱により発熱と吸熱とを生じる磁気熱量素子であり、
    さらに、前記磁気熱量素子に印加される前記外部磁場を変調する磁場変調装置(13)、および
    前記磁気熱量素子に高温端と低温端とを生成するように、前記磁気熱量素子を流す熱輸送装置(14)を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  5. 複数の前記一次通路は、円周上に分散的に配置されており、
    前記熱輸送部材は、複数の前記一次通路にまたがって周方向に延びている請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  6. 前記熱輸送部材は、複数の前記一次通路の径方向外側に配置されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  7. 前記熱輸送部材は、前記熱交換器内の前記一次通路(62)、または前記磁気熱量素子を収容する前記一次通路(26)と熱的に結合して配置されている請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  8. 前記熱輸送部材は、固体熱伝導部材を有する請求項1から請求項7のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  9. 前記熱交換器は、複数の前記一次通路にまたがって往復して延びており、複数の前記一次通路の中の前記一次媒体と複数回熱交換するように前記二次媒体を流すための二次通路(463)を有する請求項1から請求項8のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  10. 前記熱交換器は、複数の前記一次通路に沿って平行に延びており、複数の前記一次通路の中の前記一次媒体と平行に前記二次媒体を流すための二次通路(663)を有する請求項1から請求項8のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
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