JP5821188B2 - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスクおよび光ディスク等の情報記録媒体に用いられるガラス基板の製造方法に関する。
磁気ディスク記憶装置等に使用される磁気ディスクの基板としてガラス基板が用いられている。このガラス基板は通常、中央に円孔を有する円板状のものであり、その主表面および端面のいずれも、ヘッドによる読み書きのエラーを無くすため、異物欠点の存在を無くすことが望まれている。
また、磁気ディスク記憶装置等においては、記録密度向上を目指し、情報記録媒体用ガラス基板上に被覆された磁性膜の最表面とヘッドとの距離が一層近づく傾向にあり、ガラス基板表面に異物欠点が存在していると、読み書き時にヘッドが異物欠点と衝突し、ヘッドクラッシュの原因となる。
情報記録媒体に用いられるガラス基板は通常、ガラス板を角切りし、円形加工、面取り加工、研削加工、外周および内周研磨、エッチング、1次および2次研磨、最終研磨、スクラブ並びに最終洗浄することにより製造される。従来から、ガラス基板の製造工程におけるエッチングおよび洗浄に用いる処理液として、硫酸を含む処理液が用いられている(例えば、特許文献1)。
特開平7−296380号公報
しかしながら、本発明者らは、特にアルカリ土類金属酸化物を含むガラス板からガラス基板を製造する工程において、エッチングおよび洗浄に硫酸を含む処理液を用いた場合、アルカリ土類金属酸化物と硫酸との反応生成物である難溶性の塩が生じ、該反応生成物が欠点異物としてガラス表面に残留するとともに、マスクとなってエッチングが進行することにより、ガラス基板表面の平坦度および平滑度が著しく低下するということを確認した。
したがって、本発明はアルカリ土類金属酸化物を含むガラス板から情報記録媒体用ガラス基板を製造する場合に、ガラス基板表面に異物欠点を生じさせない磁気ディスク情報記録媒体用ガラス基板を製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を鑑み鋭意検討した結果、アルカリ土類金属酸化物を含むガラス板をエッチングおよび洗浄する際に、酸として硫酸を含まずに、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含む処理液を用いることにより、ガラス基板表面に前記反応生成物を生じさせることがなく、平坦度および平滑度が向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は以下である。
CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を含有するガラス板をガラス円板に加工する円板加工工程、ガラス円板の主表面をラッピングするラッピング工程、ガラス円板のラッピングされた主表面を研磨する主表面研磨工程およびこれら工程間、これら工程内もしくはこれら工程後においてガラス円板を表面処理する工程を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
表面処理に用いる処理液が、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
ガラス板をガラス円板に加工する円板加工工程、ガラス円板の主表面をラッピングするラッピング工程、ガラス円板のラッピングされた主表面を研磨する主表面研磨工程およびこれら工程間、これら工程内もしくはこれら工程後においてガラス円板を表面処理する工程を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
ガラス板がモル百分率表示で、SiOを62〜74%、Alを7〜18%、Bを2〜15%を含有し、MgOを0〜10%、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を合計で1〜21%含有し、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量合計が8〜21%、上記7成分の含有量合計が95%以上であり、
表面処理に用いる処理液が、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
ガラス板をガラス円板に加工する円板加工工程、ガラス円板の主表面をラッピングするラッピング工程、ガラス円板のラッピングされた主表面を研磨する主表面研磨工程およびこれら工程間、これら工程内もしくはこれら工程後においてガラス円板を表面処理する工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
ガラス板がモル百分率表示で、SiOを67〜72%、Alを11〜14%、Bを0〜2%未満を含有し、MgOを4〜9%、CaOを4〜6%、SrOを1〜6%、BaOを0〜5%含有し、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量合計が14〜18%、上記7成分の含有量合計が95%以上であり、
表面処理に用いる処理液が、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
ガラス板におけるCaO、SrOおよびBaOの含有量合計がモル百分率表示で7%以上である前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
ガラス板の徐冷点が650℃以上である前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
表面処理がエッチングである前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
エッチングに用いる処理液がさらにフッ酸を含む前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、ガラス円板の中央に孔を形成する工程を有し、情報記録媒体用ガラス基板の当該孔の内面が、前記エッチングがされた面または研磨された面である情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
表面処理が洗浄である前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
フロート法またはダウンドロー法を用いてガラス板を製造する前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
情報記録媒体が磁気ディスクである前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
本発明の製造方法によれば、アルカリ土類金属酸化物を含むガラス基板表面における異物欠点の発生を効果的に抑制することが可能となり、その結果情報記録媒体用ガラス基板表面の平坦度および平滑度を向上することができる。
本発明の製造方法は、ガラス板をガラス円板に加工する円板加工工程、ガラス円板の主表面をラッピングするラッピング工程、ガラス円板のラッピングされた主表面を研磨する主表面研磨工程およびこれら工程間、これら工程内もしくはこれら工程後においてガラス円板を表面処理する工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法である。
前記ガラス板(以下、基板ガラスということがある)は、アルカリ土類金属酸化物として、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を含む。基板ガラスにおけるCaO、SrOおよびBaOの合計含有量は、モル百分率表示組成で、7%以上であることが好ましく、7.5%以上であることがより好ましく、8%以上であることが更に好ましい。また、通常21%以下であることが好ましく、18%以下であることがより好ましく、14%以下であることが更に好ましい。
基板ガラスにおけるCaO、SrOおよびBaOの合計含有量を7%以上とした場合に、エッチングおよび洗浄工程に用いる処理液を、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含む処理液とすることにより、異物欠点の発生をより効果的に抑制することができる。
これは、硫酸を含む処理液を用いてCaO、SrOおよびBaOの合計含有量を7%以上である基板ガラスを表面処理すると、CaO、SrOおよびBaOと硫酸とが反応して難溶性の硫酸塩が生成され、異物欠点となるため、処理液に用いる酸として硫酸以外の酸を用いることにより、異物欠点の発生を抑制するものである。
また、当該合計含有量を21%以下とすることにより、ガラスの失透温度が高くなりすぎるのを防ぎ、フロート法やフュージョン法、ダウンドロー法など大量生産に適したプロセスで生産することができる。
本発明に用いる基板ガラスとしては、以下の組成の基板ガラス1および基板ガラス2が好ましい。なお、以下ではモル%を単に%と表示する。
(基板ガラス1)
基板ガラス1は、モル百分率表示で、SiOを62〜74%、Alを7〜18%、Bを2〜15%を含有し、MgOを0〜10%、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を合計で1〜21%含有し、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量合計が8〜21%、上記7成分の含有量合計が95%以上である基板ガラスである。
SiOは必須成分である。基板ガラス1におけるSiOの含有量は、62%以上であり、65%以上であることが好ましい。また、74%以下であり、69%以下であることがより好ましい。62%未満ではガラスが傷つきやすくなる、またガラスの耐酸性が低くなる。一方、74%を超えると溶解性が低下し、ガラス製造が困難になる。
Alは必須成分である。基板ガラス1におけるAlの含有量は、7%以上であり、9%以上であることがより好ましい。また、18%以下であり、12%以下であることがより好ましい。7%未満ではガラスが分相しやすくなり、基板を加工・洗浄した後に平滑な表面を維持できなくなるおそれがある。またはガラスが傷つきやすくなるおそれがある。一方、18%を超えると溶解性が低下し、ガラス製造が困難になる。またガラスの耐酸性が低くなる。
なお、ガラスをよりキズつけにくくするには、SiOおよびAlの含有量の合計が70%以上であることが好ましく、72%以上であることがより好ましい。
はガラスの溶解性を改善する効果があり、必須である。基板ガラス1におけるBの含有量は、2%以上であり、7%以上であることが好ましい。また、15%以下であり、12%以下であることが好ましい。2%未満ではガラスの溶解性が低下する。一方、15%を超えるとガラスが分相しやすくなり、基板を加工・洗浄した後に平滑な表面を維持できなくなる。またガラスの耐酸性が低くなる。
MgOは、必須ではないが、含有させることによりガラスの溶解性を改善できる。またガラスの熱膨張係数を低下させる効果がある。基板ガラス1におけるMgOの含有量は10%以下であり、0〜7%であることが好ましい。10%を超えると、分相が起きやすくなる。またガラスの失透温度が高くなる。
CaO、SrOおよびBaOはガラスの溶解性を改善する成分であり、いずれか1成分以上を含有しなければならない。基板ガラス1におけるCaO、SrOおよびBaOの含有量合計は、1〜21%であり、7〜14%であることが好ましい。当該含有量合計が1%未満では、溶解性が低下し、ガラス製造が困難になる。一方21%を超えるとガラスの失透温度が高くなる。またガラスが傷つきやすくなるおそれがある。
また、基板ガラス1におけるMgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量合計(RO)は、8%以上であり、10%以上であることが好ましい。また、21%以下であり、16%以下であることが好ましい。当該含有量合計が8%未満ではガラスの溶解性が低下し、ガラス製造が困難になる。一方、ROが21%を超えるとガラスの失透温度が高くなる。またガラスが傷つきやすくなる。
基板ガラス1は本質的に上記7成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を合計で5%未満であれば含有してもよい。上記7成分以外の成分の含有量の合計が5%以上ではガラスが傷つきやすくなる。以下では上記7成分以外の成分について例示的に説明する。
ZnOはMgO、CaO、SrOおよびBaOと同様の効果を奏する成分であり、基板ガラス1においては、5%未満の範囲で含有してもよい。また、ZnOの含有量とROの合計は8〜21%であることが好ましく、10〜16%であることがより好ましい。
LiO、NaOおよびKOは徐冷点Tを低下させるので、基板ガラス1におけるこれら3成分の含有量合計は0%であるか1%未満とすることが好ましい。
VなどTiよりも原子番号が大きな原子の酸化物はガラスを傷つきやすくするおそれがある。基板ガラス1においてこれら酸化物を含有する場合、含有量合計は3%以下とすることが好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましく、0.3%以下が最も好ましい。
SO、F、Cl、As、SbおよびSnO等は清澄剤として代表的な成分である。
(基板ガラス2)
基板ガラス2は、モル百分率表示で、SiOを67〜72%、Alを11〜14%、Bを0〜2%未満を含有し、MgOを4〜9%、CaOを4〜6%、SrOを1〜6%、BaOを0〜5%含有し、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量合計が14〜18%、上記7成分の含有量合計が95%以上である基板ガラスである。
基板ガラス2は徐冷点Tまたは耐酸性を高くしたい場合に好適な基板ガラスである。
SiOは必須成分である。基板ガラス2におけるSiOの含有量は、67%以上であり、68%以上がより好ましい。また、72%以下であり、71%以下がより好ましい。67%未満ではガラスが傷つきやすくなる。またガラスの耐酸性が低くなる。一方、72%を超えると溶解性が低下し、ガラス製造が困難になる。
Alは必須成分である。基板ガラス2におけるAlの含有量は、11%以上であり、12%以上がより好ましい。また、14%以下であり、13.5%以下であることがより好ましい。11%未満ではガラスが分相しやすくなり、基板を加工・洗浄した後に平滑な表面を維持できなくなる、またはガラスが傷つきやすくなるおそれがある。一方、14%を超えると溶解性が低下し、ガラス製造が困難になる。
は必須成分ではないが、ガラスの溶解性を改善する効果がある。基板ガラス2におけるBの含有量は、2%未満とすることが好ましい。2%以上では耐酸性またはTが低下するおそれがある。
MgO、CaOおよびSrOはガラスの溶解性を改善する成分であり、必須である。基板ガラス2におけるMgOの含有量は、4%以上であり、4.5%以上であることが好ましい。また、9%以下であり、8.5%以下であることが好ましい。MgOの含有量が4%未満であると溶解性が低下する。また、9%を超えるとガラスが傷つきやすくなる。またガラスの失透温度が高くなる。
基板ガラス2におけるCaOの含有量は4%以上であり、4.5%以上であることが好ましい。また、6%以下であり、5.5%以下であることが好ましい。CaOの含有量が4%未満であると溶解性が低下する。また、6%を超えるとガラスが傷つきやすくなる。またガラスの失透温度が高くなる。
基板ガラス2におけるSrOの含有量は1%以上であり、1.5%以上であることが好ましい。また、6%以下であり、5%以下であることが好ましい。SrOの含有量が1%未満であると溶解性が低下する。また、6%を超えるとガラスが傷つきやすくなる。またガラスの失透温度が高くなる。
BaOは必須成分ではないが、ガラスの溶解性を改善する効果があり、5%以下の範囲で含有してもよい。5%超ではガラスが傷つきやすくなる。またガラスの失透温度が高くなる。
また、基板ガラス2におけるMgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量合計(RO)は、14%以上であり、15%以上であることが好ましい。また、18%以下であり、17.5%以下であることがより好ましい。ROが14%未満ではガラスの溶解性が低下し、ガラス製造が困難になる。一方、ROが18%を超えるとガラスが傷つきやすくなる。またガラスの失透温度が高くなる。
基板ガラス2は本質的に上記7成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を合計で5%未満であれば含有してもよい。上記7成分以外の成分の含有量の合計が5%超ではガラスが傷つきやすくなる。以下では上記7成分以外の成分について例示的に説明する。
ZnOはMgO、CaO、SrOおよびBaOと同様の効果を奏する成分である。基板ガラス2におけるZnOの含有量は5%未満とすることが好ましい。また、ZnOの含有量とROの合計は14〜18%であることが好ましく、15〜17.5%であることがより好ましい。
LiO、NaOおよびKOはTを低下させるので、基板ガラス2におけるこれら3成分の含有量合計は0%であるか1%未満とすることが好ましい。
VなどTiよりも原子番号が大きな原子の酸化物はガラスを傷つきやすくするおそれがあるので、基板ガラス2においてこれら酸化物を含有する場合、含有量合計は3%以下とすることが好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましく、0.3%以下が最も好ましい。
SO、F、Cl、As、SbおよびSnO等は清澄剤として代表的な成分である。
基板ガラスの徐冷点Tは650℃以上であることが好ましく、680℃以上であることがより好ましく、700℃以上であることが更に好ましい。また、通常750℃以下であることが好ましい。650℃以上とすることにより、磁気記録層形成時にガラスが反りにくくなり、読み書きのトラブルが起こりにくくなる。
基板ガラスのクラック発生率p(単位:%)は50%以下であることが好ましく、30%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。50%以下とすることにより、ガラスにキズがつきにくくなり、応力集中が起こりにくくなる。その結果、弱い応力においても脆性的破壊が起こりにくくなる。
pは次のようにして測定される。ガラスを平均粒径2mmの酸化セリウム砥粒で研磨後、平均粒径20nmのコロイダルシリカ砥粒で研磨し、厚さが1〜2mm、大きさが4cm×4cm、表面粗さRaが15nm以下であるガラス板を作製し、該ガラス板を徐冷点またはガラス転移点で30分保持後、1℃/分またはそれ以下の速度で室温まで冷却する。該ガラス板の表面に、23℃、相対湿度70%に制御した室内において荷重1000gでビッカース圧子を打ち込み、その4つの頂点から発生したクラック本数を測定する。この測定を10回繰り返し、100×(前記クラック本数の合計)÷40をpとする。
基板ガラスの耐酸性は0.1mg/cm以下であることが好ましい。0.1mg/cm以下とすることにより、酸を用いる研磨や洗浄の工程における面荒れを抑制することができる。なお、耐酸性は、90℃、0.1N塩酸に基板ガラスを20時間浸漬した後の重量減少量を測定し、試料表面積で除して求める。
基板ガラスの比重は2.65以下であることが好ましく、2.60以下がより好ましく、2.55以下が更に好ましく、2.52以下が最も好ましい。2.65以下とすることにより、磁気ディスクドライブ回転時にモーター負荷がかかるのを防ぎ、消費電力を低下するとともに、ドライブ回転を安定にする。
本発明の製造方法においては通常次のような工程を経て情報記録媒体用ガラス基板を製造する。すなわち、ガラス板をガラス円板にし(円板加工工程)、ガラス円板の中央に円孔を開け、端面研磨、面取り、主表面ラッピング(ラッピング工程)、外周端面鏡面研磨を順次行う。その後円板状ガラス板を積層して内周端面をエッチング処理し、必要に応じて研磨する。次に、円板状ガラス板の主表面を研磨して(主表面研磨工程)、平坦かつ平滑な面とし情報記録媒体用ガラス基板とする。
本発明の製造方法は、円板加工工程、ラッピング工程および主表面研磨工程の各工程間、これら工程内もしくはこれら工程後においてガラス円板を表面処理する工程を含む。本発明において、「表面処理」とは、エッチング処理または洗浄処理をいう。
(ガラス板の製造)
本発明の製造方法に用いるガラス板の製造方法は特に限定されず、各種方法を適用できる。
例えば、通常使用される各成分の原料を目標組成となるように調合し、これをガラス溶融窯で加熱溶融する。バブリング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化し、周知のフロート法、プレス法、フュージョン法またダウンドロー法などの方法により所定の厚さの板ガラスに成形し、徐冷後必要に応じて研削、研磨などの加工を行った後、所定の寸法・形状のガラス基板とする。
成形法としては、特に、大量生産に適したフロート法が好適である。また、フロート法以外の連続成形法、すなわち、フュージョン法およびダウンドロー法も好適である。
尚、ガラス板の厚さは、通常0.38〜1.2mm程度であることが好ましい。
(円板加工工程)
円板加工工程は、ガラス板を角切りし、内径および外径をくり抜いてドーナツ状のガラス円板に加工する工程である。
(内周外周端面の研削)
ドーナツ状のガラス円板に加工した後、内周端面および外周端面を、ダイヤモンド砥石を用いて研削加工を行う。ダイヤモンド砥石は、#800メッシュアンダー品が好ましい。
(ラッピング工程)
ラッピング工程は、ガラス円板の主表面を研削(ラッピング)する工程である。主表面ラッピングは通常、平均粒径が6〜8μmである酸化アルミニウム砥粒または酸化アルミニウム質の砥粒を用いて行うことが好ましい。ラッピングされた主表面は通常、30〜40μm研磨されることが好ましい。
主表面ラッピングした後、端面鏡面研磨を順次行う。尚、主表面ラッピング工程を粗ラッピング工程と精ラッピング工程とに分け、それらの間に形状加工工程(円形ガラス板中央の孔開け、面取り、端面研磨)を設けてもよい。
端面鏡面研磨は、研磨材として酸化セリウムスラリー、研磨具としてブラシを用いたブラシ研磨を行い、外周端面に鏡面加工を施す。研磨材である酸化セリウムは、#200〜#1000メッシュ品が好ましい。また、このときの研磨量は、半径方向の除去量で例えば30μm程度が適当である。この鏡面加工により、表面粗さ(Ra)が1.0μm以下とすることが好ましく、0.7μm以下とすることがより好ましい。
これらの加工において、中央に円孔を有さないガラス基板を製造する場合には、当然、ガラス円板中央の孔開け及び内周端面の鏡面研磨は不要である。
(エッチング処理)
端面鏡面研磨の後に、内周または全面のエッチング処理をする。また、ガラス円板中央の孔の内面をエッチング処理してもよい。端面鏡面研磨は、ガラス円板を積層して内周端面を、酸化セリウム砥粒を用いたブラシ研磨を行い、エッチング処理をしてもよい。
また、内周端面のブラシ研磨の代わりにそのエッチング処理された内周端面に例えばポリシラザン化合物含有液をスプレー法等によって塗布し、焼成して内周端面に被膜(保護被膜)形成を行ってもよい。
エッチング処理は、円板状ガラス板をエッチング液中に浸漬して行う方法が一般的であるが、スプレー法、その他の方法でも可能である。なお、このエッチング処理は内周端面に高い突起を形成しないようなものであることが好ましく、また、このエッチング処理が本発明における表面処理である場合はエッチング液と接触させて行う。
内周端面のエッチング量、すなわちエッチング処理による内周端面ガラスの除去厚さであるエッチング深さは、2〜25μmであることが好ましい。2μm以上とすることにより、内周端面に存在する深い傷の除去が十分となり、機械的強度を向上することができる。好ましくは5μm以上である。また、25μm以下とすることにより、内周端面に高い突起が形成されるのを防ぐことができる。好ましくは20μm以下である。
エッチング処理が本発明における表面処理である場合はそれに用いる処理液は、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含み、フッ酸をさらに含むことがより好ましい。なお、前記処理液は硫酸を含まない。
これらの酸の中でも、現場作業性の観点から、硝酸、塩酸が特に好ましい。また、これらの酸は単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。複数種の組み合わせとしては、フッ酸と硝酸、フッ酸と塩酸の組み合わせが、現場作業性の観点から特に好ましい。
フッ酸と硝酸を組み合わせて用いる場合、濃フッ酸と濃硝酸と水の混合比(質量)は、2:1:7〜1:3:6とすることが好ましく、1:1:8〜1:2:7とすることがより好ましい。当該範囲とすることにより、エッチング速度が適切になりエッチング処理がしやすくなる。
エッチング処理に用いる処理液に前記酸を含む処理液を用いることにより、アルカリ土類金属酸化物としてCaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を含む基板ガラスを用いてガラス基板を製造する場合に、ガラス基板表面の異物欠点の発生を効果的に抑制し、平坦度および平滑度を著しく向上することができる。
エッチング処理に用いる処理液における前記酸の含有量は、1〜20質量%とすることが好ましく、4〜18質量%とすることがより好ましい。1質量%以上とすることにより、最低限必要なエッチング速度が得られやすくなる。20質量%以下とすることにより、エッチング速度が適切になりエッチング処理がしやすくなる。
(内周端面の研磨)
上記の工程を経た後、内周端面に研磨処理を施すことが好ましい。研磨方法としては、ブラシ研磨、スポンジ研磨、粘性流体研磨、磁性流体研磨及びスポンジ砥石研磨が好ましい。これらの研磨方法は、それぞれ単独であってもよく、適宜組み合わせてもよい。また、ガラス基板を一枚ずつ研磨してもよいし、複数枚を重ねて一度に研磨してもよい。
尚、ブラシ研磨は、平均粒径が0.5〜1.8μmである酸化セリウムを含有するスラリーと樹脂製ブラシを用いて行うことが好ましい。スポンジ研磨は、平均粒径が0.5〜1.8μmである酸化セリウムを含有するスラリーとウレタン製スポンジを用いて行うことが好ましい。
粘性流体研磨は、平均粒径が0.5〜1.8μmである酸化セリウムと、ポリアクリル酸、エチレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ガラクトマンナンおよびメチル化ポリガラクチュロン酸等の増粘剤を含有し、粘度が0.01Pa・s以上のスラリーとを用いて行うことが好ましい。
磁性流体研磨は、平均粒径が0.5〜1.8μmである酸化セリウムと磁性粉体との混合スラリーを用いて行うことが好ましい。
スポンジ砥石研磨は、平均粒径が0.5〜1.8μmである酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムの何れかを混合した発泡ウレタン製スポンジ砥石を用いて行うことが好ましい。
このような研磨処理により、エッチング処理により形成された稜線が摩滅し、スピンドルシャフトと摺接したときのガラス微粉の発生を抑えることができる。
更に、上記の研磨処理の後に、再度エッチング処理を行うこともできる。このエッチング処理により、摩滅により生じた稜線のエッジが消失し、ガラス微粉の発生をより抑えることができる。
(主表面研磨工程)
次いで、主表面の研磨を行う。この研磨には、平均粒径が0.9〜1.8μmの酸化セリウムを含有するスラリーとウレタン製研磨パッドとを用いて行うことが好ましい。このときの板厚の減少量(研磨量)は、例えば30〜40μmが適当である。その後、更に、研磨剤として上記の酸化セリウムよりも平均粒径が小さい、例えば平均粒径0.15〜0.25μmの酸化セリウムを用い、研磨具としてウレタンパッドを用いて研磨する。このときの研磨量は、例えば1.6μm程度が適当である。
尚、磁気ディスク記録装置の中には、磁気ディスクの外周端面を保持する形式のものもある。このような磁気ディスク記録装置に使用される磁気ディスク用のガラス基板などについては、上記のエッチング処理及び研磨処理を、ガラス板の外周端面に対して同様に行う。
(洗浄工程)
洗浄工程は、ガラス円板を純水に浸漬した後に、硫酸と過酸化水素水とを混合して加熱した洗浄液に浸漬し、最後に純水でリンスすることにより、ガラス円板を洗浄する工程である。
尚、洗浄工程の前に、酸性洗浄剤やアルカリ洗浄剤を用いた前洗浄工程を実施してもよい。また、純水による浸漬工程やリンス工程においては、超音波洗浄を併用してもよく、流水またはシャワー水による洗浄を行ってもよい。
洗浄が本発明における表面処理である場合、それに用いる処理液は、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含み、硫酸を含まない。
これらの酸の中でも、現場作業性と洗浄効果の観点から、硝酸、塩酸、クエン酸、アスコルビン酸が特に好ましい。また、これらの酸は単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよいが、通常は単独で用いる。
洗浄に用いる処理液に前記酸を含む処理液を用いることにより、アルカリ土類金属酸化物としてCaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を含む基板ガラスを用いてガラス基板を製造する場合に、ガラス基板表面の異物欠点の発生を効果的に抑制し、平坦度および平滑度を著しく向上することができる。
洗浄に用いる処理液における前記酸の含有量は、10−6〜10−2mol/Lとすることが好ましく、10−4〜10−5mol/Lとすることがより好ましい。10−2mol/L以下とすることにより、過剰なリーチングが起こりにくくなる。10−6mol/L以上とすることにより、洗浄効果を得やすくなる。
洗浄に用いる処理液のpHは2〜6とすることが好ましく、4〜5とすることがより好ましい。pHを2以上とすることによりガラス中のアルカリ金属成分またはアルカリ土類金属成分の過剰なリーチングによる表面変化が起こりにくくなる。また、pHを6以下とすることによりエッチング速度が適切になり洗浄効果を得やすくなる。
洗浄液の液温は、エッチング速度に応じて適宜選択することでよい。
(仕上げ研磨工程)
仕上げ研磨工程では、スラリーを用いて最終研磨を行う。耐酸性が劣るガラスの場合は仕上げ研磨工程の前にスラリーとスエードパッドを用いて研磨を行うことが好ましい(再研磨工程)。このスエードパッドはショアA硬度が60°以下である発泡樹脂層をPETや不織布に貼り付けたものとすることが好ましい。また、当該ショアA硬度を20°以上であることが好ましい。
前記ショアA硬度を60°以下とすることにより、空孔率を小さくする必要性が生じにくく、親水性を保ち易い。またショアA硬度を20°以上とすることにより、研磨レートが遅くなるのを防ぐことができる。
また、前記発泡樹脂層は単層でもよいし、異なる発泡形態の発泡層を2層以上重ね合わせたものでもよい。後者の場合、ガラスと接触する第一の発泡樹脂層のショアA硬度が20°以上50°以下、下層の第二の発泡樹脂層が40°以上60°以下であり、第一の発泡層が第二の発泡層よりも硬度が低いことが好ましい。
また、このような発泡樹脂層はポリウレタンであることが典型的である。特に、スエードパッドとしては、ショアA硬度が30〜60、圧縮率が0.5〜10%かつ密度が0.2〜0.9g/cmである発泡ウレタン樹脂からなるものが典型的である。
ショアA硬度は、それぞれJIS K7215に規定されているプラスチックのデュロメータA硬さを測定する方法によって測定する。
また、圧縮率(単位:%)は次のようにして測定する。すなわち、研磨パッドから適切な大きさに切り出した測定試料について、ショッパー型厚さ測定器を用いて無荷重状態から10kPaの応力の負荷を30秒間加圧した時の材料厚さtを求め、次に厚さがtの状態から直ちに110kPaの応力の負荷を5分間加圧した時の材料厚さtを求め、tおよびtの値から(t−t)×100/tを算出し、これを圧縮率とする。
(最終洗浄工程)
仕上げ研磨工程の後、最終洗浄を行うことが好ましい。最終洗浄工程では、少なくとも1回はpH10以上のアルカリ性洗浄剤による洗浄を行うことが好ましい。洗浄方法は、ガラス円板を浸漬して超音波振動を加えてもよいし、スクラブ洗浄を用いてもよい。また、両方を組み合わせてもよい。更に、洗浄の前後に、純水による浸漬工程やリンス工程を行うことが好ましい。
最終洗浄工程における洗浄が本発明における表面処理である場合その処理液は、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含み、硫酸を含まない。
これらの酸の中でも、現場作業性と洗浄効果の観点から、硝酸、塩酸が特に好ましい。また、これらの酸は単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよいが、通常は単独で用いる。
最終洗浄に用いる処理液に前記酸を含む処理液を用いることにより、アルカリ土類金属酸化物としてCaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を含む基板ガラスを用いてガラス基板を製造する場合に、ガラス基板表面の異物欠点の発生を効果的に抑制し、平坦度および平滑度を著しく向上することができる。
最終洗浄に用いる処理液における前記酸の含有量は、10−6〜10−2mol/Lとすることが好ましく、10−5〜10−3mol/Lとすることがより好ましい。10−2mol/L以下とすることにより、過剰なリーチングが起こりにくくなる。10−6mol/L以上とすることにより、洗浄効果を得やすくなる。
最終洗浄に用いる処理液のpHは2〜6とすることが好ましく、3〜5とすることがより好ましい。pHを2以上とすることによりガラス中のアルカリ金属成分またはアルカリ土類金属成分の過剰なリーチングによる表面変化が起こりにくくなる。また、pHを6以下とすることによりエッチング速度が適切になり洗浄効果を得やすくなる。
最終洗浄の処理液の液温は、最終基板表面の清浄度により適宜調整することが好ましい。
最終のリンス工程後にガラス円板を乾燥するが、乾燥方法としてはイソプロピルアルコール蒸気を用いる乾燥方法、スピン乾燥および真空乾燥などが用いられる。
本発明の製造方法により得られる情報記録媒体用ガラス基板は、基板ガラスにCaO、SrOおよびBaOの含有量合計がモル百分率表示で、たとえば7%以上である場合であっても、硫酸を含まない処理液により表面処理(エッチングまたは洗浄)することにより、処理液とガラス成分の反応生成物の発生を抑制することができる。なお、この反応生成物は光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、光学検査装置等により測定される。
以下に実施例を示して本発明を更に説明する。
(基板ガラス)
フロート法で成形された、以下の組成および物性である基板ガラス1および2を用いた。
〔基板ガラス1〕
モル%表示組成:SiO 66.2%、Al 11.3%、B 7.6%、MgO 5.3%,CaO 4.7%、SrO 4.9%
比重:2.50
耐酸性:0.1mg/cm
徐冷点:725℃
クラック発生率p:0%
〔基板ガラス2〕
モル%表示組成:SiO 64.5%、Al 12.0%、ZrO 1.8%、LiO 12.8%、NaO 5.5%、KO 3.4%。
比重:2.47
耐酸性:0.1mg/cm
徐冷点:520℃
クラック発生率p:10%
基板ガラスの物性は以下の方法で評価した。
(1)耐酸性(mg/cm
ガラスの耐酸性は、90℃、0.1N塩酸に基板ガラスを20時間浸漬した後の重量減少量を測定し、試料表面積で除して求めた。
(2)徐冷点(℃)
基板ガラスの徐冷点は、ASTM C336の方法に基づいて測定した。
(3)クラック発生率p(%)
基板ガラスのクラック発生率pは次のようにして測定した。ガラスを平均粒径2mmの酸化セリウム砥粒で研磨後、平均粒径20nmのコロイダルシリカ砥粒で研磨し、厚さが1〜2mm、大きさが4cm×4cm、表面粗さRaが15nm以下であるガラス板を作製した。
前記ガラス板を、徐冷点またはガラス転移点で30分保持後、1℃/分またはそれ以下の速度で室温まで冷却した。該ガラス板の表面に、23℃、相対湿度70%に制御した室内において荷重1000gでビッカース圧子を打ち込み、その4つの頂点から発生したクラック本数を測定した。この測定を10回繰り返し、100×(前記クラック本数の合計)÷40をpとした。
(評価方法)
基板ガラス1および2について、下記条件の内周エッチング試験を行った。基板ガラスの異物欠点の有無を、光学顕微鏡を用いて調べた。基板ガラスの異物欠点の成分は、走査電子顕微鏡により調べた。走査電子顕微鏡では成分は判明するものの、化合物同定には至らなかった。そこで基板ガラスの異物欠点の化合物同定は、顕微ラマン分光装置により調べた。
〔内周エッチング試験〕
濃フッ酸:濃硝酸:水=1:2:7(液A)と濃フッ酸:濃硫酸:水=1:1:8(液B)を用意し、25℃の液Aと液Bを用いて基板ガラス1、2をそれぞれ2分間エッチングした後、光学顕微鏡(オリンパス社製MX50)により観察した結果、異物の存在を確認した。
その結果、液Aでエッチングしたときは基板ガラス1、2のいずれでも異物の存在は認められなかったが、液Bでエッチングしたときは基板ガラスでは異物の存在は認められなかったが、基板ガラスでは異物の存在が認められた。
また、基板ガラスの異物を走査電子顕微鏡(日立ハイテク社製S4700)により分析した結果、ガラス成分以外に、硫黄、並びにCaおよびSrなどのアルカリ土類金属が多く検出された。さらに、顕微ラマン分光装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Nicolet Almega)で異物を同定したところ、硫酸カルシウム若しくは硫酸ストロンチウム、またはそれらの混合塩であることが確認された。
本発明は磁気ディスク、情報記録媒体用ガラス基板の製造に利用できる。

Claims (3)

  1. モル百分率表示で、SiOを62〜74%、Alを7〜18%、Bを2〜15%含有し、MgOを0〜10%、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を合計で1〜21%含有し、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量合計が8〜21%、上記7成分の含有量合計が95%以上であり、LiO、NaOおよびKOの含有量合計が1%未満であるガラス板をガラス円板に加工する円板加工工程、ガラス円板の主表面をラッピングするラッピング工程、ガラス円板のラッピングされた主表面を研磨する主表面研磨工程およびこれら工程間、これら工程内もしくはこれら工程後においてガラス円板を表面処理する工程を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記表面処理が洗浄であり、前記洗浄に用いる処理液が、硝酸、酢酸、塩酸、過塩素酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、アルキルスルフォン酸およびアルキルホスホン酸から選ばれる少なくとも1を含み、酸の含有量が10 −6 〜10 −4 mol/Lである情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. フロート法、プレス法、フュージョン法またはダウンドロー法を用いてガラス板を製造する請求項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 情報記録媒体が磁気ディスクである請求項1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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