JP5820049B1 - Led照明装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このシーリングライトの天井への取り付けは、被取付部である天井の配線器具に、まずアダプタを取り付け、次にこのアダプタに照明器具本体を取り付け、最後にセードを装着する手順で行うが、特に最近は、この取り付け作業を安全かつ簡単に行えるシーリングライトが検討されている。
しかし、この特許文献1に記載された照明器具では、照明器具本体に発光モジュールや配線用部品類が露出した状態のまま搭載されているため、安全性に問題がある。
発明者らは、LED照明装置の安全性向上に関して保護カバーの利用を検討している。保護カバーの利用により安全性を向上させることができたが、点灯回路基板を構成する回路部品の影が現れるという新たな問題が生じた。本発明では、安全性を向上しつつ、回路部品の影が発生しにくいLED照明装置を提供することも目的としている。
本発明の一態様に係るLED照明装置において、LED素子を搭載したLED基板と、前記LED素子に点灯電力を供給する回路部品を実装した点灯回路基板と、前記LED素子の光出射方向から前記LED基板と前記点灯回路基板とを覆う透光性カバーと、前記LED基板と前記点灯回路基板とを前記透光性カバーの内側で覆う保護カバーとを備えたLED照明装置であって、前記保護カバーは、前記LED素子の光出射方向から見たときに、前記回路部品が存在する領域と重なる部分に、拡散処理部を有することを特徴としている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記LED基板は、前記LED素子の光出射方向から見たときに環状に配されており、前記点灯回路基板は、環状に配された前記LED素子の外側に配されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記拡散処理部は、前記保護カバーにおける前記回路部品と対向する側の面に存在する。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記保護カバーは、複数の保護カバー片を、隣接する保護カバー片の端部同士を重ね合わせた連結部分を有する状態で、組み合わせてなり、前記連結部分に、前記LED素子から出射された光を拡散させる拡散処理がなされている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記保護カバーは、前記LED素子の光出射方向から見たときに環状をすると共に横断面形状が半円状をしている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記拡散処理部は、シボ加工により形成されており、シボの大きさは、前記LED素子の光出射方向から見たときに、前記LED素子から外側に離れるに従って、大きくなる。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記LED基板と前記点灯回路基板は、中央部に開口を有するベース部材に配され、被取付部材に取り付けられる取付部材が前記ベース部材と一体化されている。
他の一態様に係るLED照明装置において、前記保護カバーは、前記ベース部材に取り付けられ、前記保護カバーは、前記ベース部材に装着された状態において、前記保護カバーを境としたLED基板側の空間と前記透光性カバー側の空間とを連通状態にする連通部を有する。
別の態様において、第1の手段として、LED素子を搭載したLED基板と、LED素子に点灯電力を供給する回路部品を実装した点灯回路基板と、LED素子の光出射方向を覆う透光性カバーと、LED基板と透光性カバーとの間に位置して、少なくともLED基板を覆う保護カバーを備えたLED照明装置において、保護カバーは、LED照明装置に装着された状態において、保護カバーを境としたLED基板側の空間と透光性カバー側の空間とを連通するように保護カバーに形成された連通部を備えることを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
第1の手段によれば、LED素子を実装したLED基板と、LED素子に点灯電力を供給する回路部品を実装した点灯回路基板の双方が、保護カバーによって光の出射方向側から覆われてベース部材上で露出していないため、LED基板や点灯回路基板が搭載され、引掛刃を備えたベース部材を天井に既設された配線器具に着脱する作業を透光性カバーが外された状態で行っても、作業者がLED基板や点灯回路基板に接触することがなく、取付作業を安全に行うことができる実益がある。
また、第1の手段によれば、上記のように、保護カバーは分割された複数の略同一の保護カバー片から構成されていることから、部品の混同や取り付け方向の間違いなどが起こる虞はなく、個々には軽量でもあり、取付作業を簡単に行うことができる実益がある。
特に、第1の手段によれば、上記のように、保護カバーには連通部が形成されているため、空気が、リング状の保護カバーの外周縁部に形成された連通部から流入すると共に、内周縁部に形成された連通部から流出して対流が発生することにより、LED素子が発生する熱は、効率的に保護カバーの外部に排熱されて保護カバーの内部空間に熱が籠もることがないため、LED素子の温度上昇が抑制され、LEDの寿命を劣化させる虞がない実益がある。
他の態様に係るLED照明装置は、第2の手段として、上記第1の解決手段において、保護カバーは、点灯回路基板をも覆うことを特徴とするLED照明装置を提供するものである。
<第1の実施形態>
以下に第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。ここでは、LED照明装置の実施形態として、天井に既設のロゼットや引掛シーリングボディに取り付けが可能な引掛刃を備えたシーリングライトを一例として採り上げて説明する。なお、以下では便宜的にシーリングライトは天井に取り付けられ、シーリングライトの照明光は下方(床面側)に向けて照射されるものとして説明するが、これに限定されるものではない。
LED照明装置、ここでは一実施例として示すシーリングライト100は、図1乃至図3に示すように、LED照明装置本体1と、このLED照明装置本体1に搭載されたLED素子25が発する光の出射方向を覆うように、LED照明装置本体1に取り付けられる透光性カバー3とで構成されている。
このシーリングライト100は、天井面5(図2)に既設のロゼットや引掛シーリングボディ等の被取付部である配線器具7に、電気的かつ機械的に接続される引掛刃12を備えたLED照明装置本体1を、この引掛刃12により着脱自在に装着して天井面5に設置される。具体的には図1乃至図3、図15及び図17に示すように、天井面5に既設の配線器具7に、LED照明装置本体1を支持しながらLED照明装置本体1の中央部に備えられた引掛保持部10に保持された引掛刃12を挿入し、その状態で、LED照明装置本体1を上方に押圧しながら配線器具7と引掛刃12が係合する方向にLED照明装置本体1を回動する。
なお、引掛保持部10に備わった引掛刃12を天井面5に既設の配線器具7に挿入する際、詳細は後述するが、引掛保持部10が透明な合成樹脂材料製であるため、LED照明装置本体1の中央部の下方からでも、配線器具7の位置や設置の向きが、引掛保持部10を透過視して視認できるので、LED照明装置本体1を配線器具7に取り付ける作業を簡単に行うことができる。
天井用ばね22は、長辺の一方端がベース部材21に挿入して固定され、他の一端は固定されずにベース部材21の天井面側に単に当接した状態でベース部材21に取り付けられている。天井面5にシーリングライト100を装着する際は、天井用ばね22の湾曲が小さくなる方向に変形させながら、すなわちシーリングライト100を天井面5の方向に押し上げながら、引掛保持部10の引掛刃12を、天井面5に既設の配線器具7に挿入する。
シーリングライト100が天井面5に取り付けられた後は、天井用ばね22の復元力により、シーリングライト100は常時、天井面5から引き離す方向(下方)の力を受けた状態で天井面5と略平行に支持される。天井用ばね22の復元力は、天井面5に装着されたシーリングライト100の位置ずれや振動を防止する機能も持つ。
なお、ここでは、天井用ばね22は、湾曲したプラスチック製の板ばねとしたが、シーリングライト100を天井面5に取り付けた状態で、シーリングライト100を天井面5から離間させる方向の力を常時発する機能を持てば特に限定はなく、他に例えば、金属などを弾性変形する形状に加工した弾性体、又はゴムなどの弾性材料からなる弾性体を用いることもできる。
LED照明装置本体1は、図2及び図3に示すように、ベース部材21と、このベース部材21に嵌装して固定されてベース部材21と一体となる引掛保持部10と、ベース部材21に配設されLED素子25が実装されるLED基板24と、このLED素子25を点灯させるための電力を供給する点灯回路基板23と、この点灯回路基板23とLED基板24とを覆う保護カバー26から構成されている。
ここで、引掛保持部10は、特に図6乃至図9に示すように、引掛刃12を備え、この引掛刃12は、シーリングライト100を電気的かつ機械的に、天井面5に既設の配線器具7に直接接続する役割を担う。引掛保持部10は、円盤状のベース部材21の中心部に形成されたベース部材開口部21aを塞ぐように、天井面5の反対側(下方)からベース部材21に固定されて、ベース部材21とほぼ同一面状に設置される。
また、図示の実施形態では、LED基板24と点灯回路基板23は、図11乃至図14に示すように、複数設けられ、これらの複数のLED基板24は、ベース部材21に形成されたLED基板保持部21dに、これらの複数の点灯回路基板23は、ベース部材21のうちLED基板保持部21dを除いた部分、具体的には、LED基板保持部21dよりもベース部材21の外周側において周縁部側リブ211bの裏面(下面)の所定位置に直接、固定される。
保護カバー26は、特に図22及び図23に示すように、ベース部材21に固定されたLED基板24及び点灯回路基板23、LED基板24間の電気配線及び点灯回路基板23とLED基板24を結ぶ電気配線などがベース部材21の下方に露出しないように、下方から覆う。この保護カバー26は、図22に示すように、ベース部材21の下面に固定される。
このシーリングライト100は、補助器具であるアダプタを介さず、天井面5に既設の配線器具7に直接、引掛刃12を挿入して取り付ける構造であり、天井面5からのシーリングライト100の突出量を小さく(薄く)することが可能となる。
LED照明装置本体1のベース部材21は、例えば、厚さ0.5mm〜2.0mmの冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。ベース部材21は、図11に示すように、円盤形状である。その中心部には、円形のベース部材開口部21aが形成され、この開口部21aに、引掛保持部10が、ベース部材位置合わせ部11g(図6)を引掛刃保持部位置合わせ部21g(図11)に嵌装させて位置決めした状態で、ベース部材開口部21a塞ぐように固定され、ベース部材21の中央に引掛刃12が設置され、この引掛刃12を保持する引掛保持部10に隣接してLED基板保持部21dが形成される。
なお、引掛刃12を備えた引掛保持部10は、透明な合成樹脂材料から形成される。このため、ベース部材開口部21aが引掛保持部10で塞がれた後であっても、LED照明装置本体1を天井面5に既設の配線器具7に取り付ける作業において、LED照明装置本体1の下方からベース部材開口部21aを透過して、配線器具7の位置や向きを視認できるので、取り付け作業が簡易になる。
このベース部材開口部21aによる空間及びこの空間に固定された引掛保持部10のことを、ここでは、透過窓15(図5)と称する。即ち、図示の実施形態においては、透明性材料から形成された引掛保持部10が、透過窓15を兼任している。
LED基板24を固定するLED基板保持部21dの下面(保持面211c)は、図12に示すように、平坦面であるが、水平、即ち、ベース部材21のうちLED基板保持部21dを除いた他の部分である平板面と平行ではなく、ベース部材21のLED基板保持部21dを除いた他の部分である平板面に対し所定の傾斜をなして形成されている。
この場合、図12に特に示すように、このLED基板保持部21dの保持面211cは、ベース部材21の平板面からの保持面211cの離間距離が、ベース部材21の外周側よりもベース部材の中心側の方が大きくなるように(即ち、ベース部材21の仮想中心に近い側が、ベース部材21の外周に近い側に比べて下方(床面側)に位置するように)傾斜して形成されている。このため、この保持面211cに保持されるLED基板24が、外向きに(ベース部材の外周側を向くように)傾斜して設置されているため、LED素子25が発する光の照射角は広く確保され、光を広く均一に照射することができる。
また、LED基板24を固定するLED基板保持部21dの保持面211cは、図12に示すように、ベース部材21の下方に向けて突出して形成され、この保持面211cのうちのベース部材21の外周側における平板面からの突出高さが、点灯回路基板23の表面位置よりも高くなるように設定されている。このため、回路部品による影が出にくく、光を広く均一に出射することができる。
なお、ここではベース部材21を円盤状としたが、必ずしも、円盤状に限定されるものではなく、他に、例えば、方形平板状の外形とすることもできる。
ベース部材21には、他に、引掛刃保持部材11を固定するための引掛刃保持部固定孔21hと、LED基板24を固定するためのLED基板固定孔21jと、点灯回路基板23を固定するための点灯回路基板固定孔21kと、保護カバー26を固定するための保護カバー固定孔21mと、天井用ばね22を固定するための天井用ばね固定孔21nが設けられている。これらの孔は、図示しないねじや引掛けピンが挿入されて目的とする要素部材、例えばLED基板24や引掛保持部10などをベース部材21に固定する際に使用される。
引掛保持部10は、図6に示すように、引掛刃保持部材11(図7)と、この引掛刃保持部材11の中央部に設けられた略矩形溝状の回動部11aに組み込まれた、2個一対で機能する引掛刃12と、ロック部材13と、電力線14とから成っている。シーリングライト100は、引掛保持部10の引掛刃12により配線器具7と電気的かつ機械的に直接に連結される。
引掛刃保持部材11は、透明性を有し、かつ、絶縁性と難燃性にも優れた合成樹脂材料から製作する。このような合成樹脂材料として、例えば、ポリカーボネート(PC)を使用することができる。この場合、具体的には、引掛刃保持部材11全体を、ポリカーボネート(PC)から一体成型することができる。このように全体が透明材料から成る引掛刃保持部材11を備えた引掛保持部10が、ベース部材21の中央に設けられたベース部材開口部21aに取り付けられて、透過窓15となる。これにより、引掛保持部10に備わった引掛刃12を天井面5に既設されている配線器具7に挿入してシーリングライト100を取り付ける際、引掛刃保持部材11が透明な合成樹脂材料製であるため、LED照明装置本体1の下方からでも、LED照明装置本体1の中央部の透過窓15を透過して、死角の無い広い視野で、配線器具7の周辺部を含めて配線器具7の位置や設置の向きを視認できる。このため、LED照明装置本体1を配線器具7に取り付ける作業を簡単に行うことができる。透過窓15、すなわち引掛刃保持部材11を形成する合成樹脂材料(形成後の材料である。)として、光透過率が70%以上の透明性を有するものが好ましい。
なお、透過窓15は、半透明であっても配線器具7の視認性に問題はないが、できれば、明確に視認可能なレベルであることが望ましい。これは、透過率が小さい場合には、充分な視認性を確保することが困難となる可能性があるためである。
また、引掛刃保持部材11の後面(上面)側の外周部には、引掛刃保持部材11をベース部材21に固定する際の位置決めに使用するベース部材位置合わせ部11gと、ベース部材21に固定する際の固定面となるベース部材嵌装部11hが形成されている。
さらに、引掛刃保持部材11の後面(上面)側の回動部11aの一端からは、外周部に向けて、引掛刃12からの商用電力を点灯回路基板23に供給するための電力線14が収まる配線溝11eと、電力線14を固定する配線固定部11fが形成されている。
さらに、引掛刃保持部材11の後面(上面)側の中央部に設けられた回動部11aの一端角部には、ロック部材13を納めるロック部材配置部11mが設けられ、ロック開口部11bよりロック部材13の押部13dが回動部11aから露出している。
引掛刃保持部材11の前面(下面)側の周辺部には、保護カバー26の内周部を固定するための保護カバー固定溝11oと、ベース部材21に固定するためのベース部材固定溝11nが形成されている。
なお、ここでは、つまみ部11jは引掛刃保持部材11の後面側に開口する内部空間を有し、この空間が前述した回動部11aとして兼用されている。
引掛刃12は、図9に示すように、導電性を有する黄銅等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。引掛刃保持部材11には、図6に示すように、この引掛刃12が2個一対で設置され、各々、引掛刃保持部材11の回動部11aに設けられた凹形状の引掛刃設置溝11d(図7)に挿置され、刃固定孔12bから挿入されて引掛刃固定溝11cにねじ込まれるねじで固定され、引掛部12aの先端部が、引掛刃保持部材11の後面側、すなわち、天井面5の被取付部の配線器具7の側へ突出している。
より具体的には、一対の引掛刃12は、図1乃至図6に示すように、引掛刃保持部材11の上側に略L字形状の引掛部12aが立設するように、引掛刃保持部材11の引掛刃設置溝11dに、刃固定部12cと刃端子固定部12dを合わせて、ねじで引掛刃保持部材11に固定される。引掛刃12には、配線器具7に挿入して回動するとき、横方向(回転方向)に大きな力が加わるため、引掛刃設置溝11dを設けて引掛刃12を固定している。引掛刃12の刃端子孔12eには、電力線14が挿入されて、ハンダにより固定される。これにより、配線器具7からの外部電力と点灯回路基板23が引掛刃12を介して電気的に接続されることになる。
ロック部材13は、LED照明装置本体1が天井面5の配線器具7に装着されてシーリングライト100として使用されている状態で、引掛刃12が配線器具7から外れないようにするための引掛刃のロック機能を持つ。具体的には、ロック部材13は、図6に示すように、引掛刃保持部材11の回動部11aの中の引掛刃12の根元部分に収納されている。天井面5等の配線器具7に設けられている、ここでは図示しない弧状の溝に引掛刃12の先端部が挿入された後、回動されて、LED照明装置本体1が配線器具7に固定されたとき、固定爪13a(図10)が、配線器具7に設けられている弧状の溝に入り、引掛刃12が配線器具7から外れる方向への回動、すなわち固定時とは逆の回動を防止する。ロック部材13は、図10に示すように、略N字形状のポリアセタール(POM)等の弾性特性を有する樹脂で製作されている。図10はロック部材13の動作状況を示しており、図10(a)は通常時の形状で固定爪13aが上方に突出している状態である。LED照明装置本体1が配線器具7に取り付けられた状態では、配線器具7に設けられている弧状の溝の中で、固定爪13aが図10(a)の状態を維持している。したがって、LED照明装置本体1が配線器具7に固定された状態では、配線器具7に設けられている弧状の溝には、一端に引掛刃12の引掛部12aが、他端にはロック部材13の固定爪13aが挿入されており、配線器具7に対し、引掛刃12が回動できない状態になる。
一方、図10(b)はロック部材13の押部13dが押され、固定爪13aが下方に引っ込んだ状態である。LED照明装置本体1を配線器具7から取り外す際は、押部13dを押し、固定爪13aを引っ込めて、すなわち、配線器具7に設けられている弧状の溝から固定爪13aを抜いて、引掛刃を回動可能な状態にして取り外す。
ここで、可動する部分にベース突部13fや固定突部13cなどの半円柱状突部を設けているため、固定爪13aが、配線器具7に設けられている弧状の溝からスムーズに挿抜できる構造となっている。
LED素子25が搭載されたLED基板24とLED素子25を点灯させるための点灯回路基板23は、図13に示すように、ベース部材21のLED照明装置本体1を天井面5に取り付けた場合の床面側に配設されている。LED基板24は、引掛刃保持部材11の外側に隣接してベース部材21のLED基板保持部21dに配置されている。点灯回路基板23は、ベース部材21の周縁部側リブ211bに配置されて、LED基板24の周囲、即ち、LED基板保持部21dに重ならないように、LED基板保持部21d、ひいてはLED基板24よりもベース部材21の外周側に設けられている構成となっている。これにより、LED基板24がベース部材21の中心部近くに配置されるため、センター部が暗くなることなく均一な明るさの照明が得られる。また、点灯回路基板23を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト100をコンパクト化してコストダウンを実現することができる。
LED基板24は、図2、図3、図13及び図14に示すように、所定の幅寸法を有した円弧形状の6枚の基板が基板接続線によりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されて、ベース部材21のLED基板保持部21dに配置されている。このLED基板24は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEM−3)から成り、片面側にLED素子25が実装されている。このように分割された基板を用いることにより、基板の分割部分で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、図14に示すように、LED基板24同士の基板間の配線は、一方のLED基板24にコネクタ24aが設けられ、他方のLED基板24にリード線24bをハンダで接続することにより行われている。即ち、複数のLED基板24は、一端が一方のLED基板24に接続されたリード線24bと、他方のLED基板24に設置されリード線24bの他端に接続されるコネクタ24aにより相互に接続されている。これにより、組み立て時のLED基板24同士の接続を容易にできるうえ、組み立て工数及び部品点数を削減することができ、コストダウンを実現することができる。なお、点灯回路基板23と接続するための基板配線も同様の接続構成としている。また、これらのLED基板24同士の接続は、図13及び図14に示すように、LED基板24のうちLED照明装置本体1の外周側において接続されている。このため、LED基板24同士の接続のための配線がLED素子25からの光出射を妨げることなく、広く均等に光出射することができる。
なお、このLED基板24に実装するLED素子25としては、公知の種々のLED素子を用いることができる。本実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なシーリングライト100となっている。
点灯回路基板23は、図2、図3、図13及び図14に示すように、配線器具7から引掛刃保持部材11を介して供給される交流電流を直流に変換してLED基板24に供給するために、ベース部材21の周縁部側リブ211bの前面側で、LED基板24の周囲に円弧形状に配設されている。点灯回路基板23は、図14に示すように、回路部品23a、23bが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯回路基板23の回路部品23a、23bが搭載されていない裏面を、ベース部材21の前面側に絶縁シートを介して配設することにより、点灯回路基板23から発生する熱を、ベース部材21を介して効率よく放熱している。なお、この点灯回路基板23を構成する回路部品23a、23bとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサ、トランス、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
また、回路部品23a、23bの高さは、LED素子25から出射される光の1/2ビーム角(光の広がり具合(配光)を示し、光源の直下照度(最大光度)の1/2の照度になる点と光源中心を結んだ線と、光源中心の鉛直方向線とのなす角度をいう)の出射光が、回路部品23a、23bに照射されないように配置する必要がある。これにより、透光性カバー3に、影が出なく、均一な明るさになる。
また、点灯回路基板23を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト100をさらにコンパクト化してコストダウンをすることができる。この時の点灯回路基板23の分割としては、入力回路部と出力回路部と分割したり、調光回路と調色回路に分けて搭載する機種により選択できるように分割することができる。
更に、点灯回路基板23は、図22及び図23に示すように、保護カバー26により全体を保護されているために、通常点灯回路基板23に設けられるカバーを省くことができ、部品点数削減によるコストダウンを図ることができる。
保護カバー26は、ベース部材21に取り付けられる。保護カバー26は、ポリカーボネート(PP)等の透明性を有する難燃性の合成樹脂材料から成り、その形状は、図2乃至図4、図15、図16に示すように、ドーナツ状に連続する中空パイプのリングを、このドーナツを側面視(ドーナツの中空部分の中心軸と直交する方向から見た状態である。)したときの長円を上下に2等分する仮想平面で切断したときの下半分の形状に類似しており(すなわち、縦断面が略半パイプ状の形状を有している)、その切断面側がベース部材21への固定側(図3)となる。このリング状の保護カバー26を側面視して、リングの仮想中心を含む仮想垂直面で切断したときの保護カバー26の断面は、図2及び図16に示すように、下に凸な円弧が離間して2つ並列する形状となる。保護カバー26をベース部材21に装着したとき、前述した下に凸な円弧の内側、すなわち実際の立体構造では、上面が開口したリング状の半パイプの内側空間が、ベース部材21に搭載された点灯回路基板23とLED基板24の両方を合わせて下方から覆い、点灯回路基板23とLED基板24の光の出射方向側の面を覆う。これにより、点灯回路基板23及びLED基板24の双方をLED素子25の光出射方向側から露出させることなく覆うことができると同時に、点灯回路基板23とLED基板24を別々のカバーを準備して、個々に覆う必要がなくなるため、部品点数の増加を抑え、コスト削減に効果が大きい構成となっている。
以上のように、保護カバー26の内周縁部に形成された貫通孔26kと、外周縁部に形成された切欠26mとは、LED素子25を冷却するための冷却機能(放熱性)を担うことができる。
同様に、保護カバー26の外周縁部に沿って形成されている切欠26mの開口も、図15に示すように、LED素子25から出射される光の1/2ビーム角の出射光よりも、ベース部材21側(天井面5側)に位置するように配することにより、切欠26mの影が透光性カバー3に映る事態を防止することができる。
保護カバー26を、引掛刃保持部材11が装着されたベース部材21に取り付ける際、引掛保持固定ガイド26jの内側に、引掛刃保持部材11の内筒11r(図8)が挿入されるように保護カバー26とベース部材21を位置合わせし、次に、保護カバー26を回動して、引掛保持固定ガイド26jの前述したU字状の溝に、引掛刃保持部材11の配線溝11e(図8)、または保護カバー位置ピン11sを嵌め込むと、保護カバー26が、ベース部材21の正しい固定位置に位置合わせできたことになる。
なお、点灯回路基板23への電気配線を通す凹部となる電力線配線溝26gは、図15に示すように、引掛刃保持部材11から点灯回路基板23へ電力を送る電力線14を通すためのU字状の溝として形成されている。
図23に示すように、保護カバー26は、LED基板24と点灯回路基板23が、保護カバー26の外に露出しない状態に覆っており、LED照明装置本体1を配線器具7に取り付ける際に、設置作業者の電気的安全性が図れるとともに、設置作業者がLED素子25等に触れて照明性能を劣化させる事態も回避できる。
ここで、保護カバー26は、その外周部側面が下に凸な曲面であることにより、この曲面に沿って後透光性カバー開口31cを滑らせて移動させながら、透光性カバー31を自己位置合わせ的に保護カバー26の嵌合位置に導く位置合わせ作業のアシスト機能を果たしている。このため、後透光性カバー31を、LED照明装置本体1に対して、当初から厳密に水平方向の位置を一致させる作業を要することなく、簡易に位置決めしながら適切に保護カバー26に取り付けることができる。
本実施形態では、上記範囲以外にも表面処理されている。具体的には、LED素子25の光出射方向から見たときに、回路部品が存在する領域と重なる部分である。
また、保護カバー26は、相互に同一の2つの保護カバー片から構成されていることも前述したが、これらの2つの保護カバー連結部26bの近傍もシボ加工が施されている。
上記のような保護カバー26の外表面へのシボ加工により、回路部品23a、23bの影や保護カバー連結部26b(連結部分)の影の発生を抑え、透光性カバー3から出射する光を全面で均一化させることができる。特に、コンパクト化の観点から点灯回路基板23がLED基板24に近い位置に配される場合、回路部品23a、23bの影が生じやすくなるが、上記構成により影発生が抑制される。また、薄肉化の観点から保護カバー26や透光性カバー3を薄くすると、回路部品23a、23bと透光性カバー3との距離が小さくなり、影が発生しやすくなるが、上記構成により影発生を抑制できる。
なお、保護カバー26の外表面において、シボ加工が施されていない部分は透明である。
実施形態では、保護カバー26の上面開口の縁から、光出射方向からみたときに回路部品23a、23bと重なる領域であってLED基板24に最も近い位置を結んだ線(この線を、「規定線」という。)までの範囲で突起サイズ(高さ)を、上面開口の縁では大きく、他方、規定線付近では小サイズとなるよう、突起サイズを傾斜的に変化させたシボ加工を施している。突起サイズの傾斜的変化には、上面開口縁で60μmとし、規定線付近では5μmとすることなどが挙げられる。
なお、LED基板24最も近い位置を結んだ線は、例えば、光出射方向から見たときに、回路部品23a、23bと重なる領域であってベース部材21の中心(ベース部材開口部21aの中心でもある。)に最も近い点を通り且つベース部材21の中心を中心とする円により構成してもよい。つまり、実施形態における拡散処理部は、光出射方向から見たときに円環状をしている。
このような突起サイズに対する傾斜的シボ加工を、保護カバー26の表面に施すことにより、床面に平行に近い浅い角度で出射するシーリングライト100の照明光は、大きなサイズ突起により大きく拡散されるために、回路部品23a、23bの影が効果的に抑制される一方、床面方向に近い角度で出射するシーリングライト100の照明光に対する拡散性は小さく、床面方向を明るく照射することができるようになる。
また、保護カバー26の外形を、上面が開口したリング状の半パイプ(断面が下に凸な円弧状)としたが、保護カバー開口部26aの周辺は、内部のLED基板24や点灯回路基板23と干渉せず、照明光に強度むらを発生させないなど、照明装置の性能を劣化させない範囲で形状の変更は可能である。また、保護カバー26の外周外面はリング状の全周が全て略曲面である必要はなく、照明光に強度むらを発生させない範囲で、部分的に傾斜面が含まれていればよい。
LED照明装置本体1を構成する引掛保持部10、ベース部材21、点灯回路基板23、LED基板24、保護カバー26の相互の位置関係について、図2と図3を参照しながら説明する。
まず、図3に示すように、引掛保持部10がベース部材21に嵌装されて固定される。また、ベース部材21のベース部材開口部21aの周囲には、6枚の円弧状のLED基板24が配設される。点灯回路基板23が、LED基板24の外周側の周囲に配設される。LED基板24と点灯回路基板23を覆うように、円環状の保護カバー26が配設される。
LED照明装置本体1に取り付けられる透光性カバー3は、図1乃至図3、及び図17乃至図20に示すように、保護カバー26と嵌合する後透光性カバー31と、この後透光性カバー31の下部の開口部に取り付けられて、LED照明装置本体1を下方から覆う前透光性カバー32との2つの部材から成り、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して製作される。LED照明装置本体1に透光性カバー3を取り付ける際は、まず、ベース部材21に取り付けられた保護カバー26に、円環形状の後透光性カバー31を取り付け、次に、後透光性カバー31の下部開口の内側に設けられた前カバー嵌合部31bと、前透光性カバー32の後カバー嵌合部32aを嵌合させて、ドーム形状の前透光性カバー32を後透光性カバー31に取り付ける。
透光性カバー3が、後透光性カバー31と前透光性カバー32の2つの部材に分かれていることにより、一体構造である場合より、それぞれが軽量のため、保護カバー26への後透光性カバー31の取り付け作業や、後透光性カバー31への前透光性カバー32の取り付け作業が、床面方向から天井面を見上げる視点での作業であっても、簡単に行うことができる。
なお、後透光性カバー31を保護カバーに位置合わせして取り付ける作業手順の詳細と、その作業が簡単に行えることは、すでに説明ずみである。
また、透光性カバー3は、連続した曲面形状にすることや、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、シーリングライト100からの出射光を全面で均一にさせることができる。
<第2の実施形態>
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、照明装置の一例としてシーリングライトについて説明する。ここでいう「シーリングライト」は、引掛シーリングやローゼット等の被取付部材に取り付けられて使用する照明装置をいう。
以下では便宜的にシーリングライトは天井面に取り付けられ、シーリングライトの照明光は下方(床面側)に向けて照射されるものとして説明する。なお、天井面の被取付部材に取り付けられるシーリングライトとしては、例えば、居間、和室、寝室、子供部屋等の各居室に使用されるものや、廊下、トイレ、玄関等に使用されるもの等がある。また、被取付部材として、壁面に設けられたものがあり、このような照明装置にも適用できる。
照明装置、ここでは一実施例として示すシーリングライト1100は、図27乃至図29に示すように、特に図28に示すように、LED照明装置本体1001と、このLED照明装置本体1001に搭載されたLED素子1025が発する光の出射方向を覆うように、LED照明装置本体1001に取り付けられる透光性カバー1003とで構成されている。
シーリングライト1100は、配線器具1007に引掛刃1012を介してLED照明装置本体1001が取り付けられ、その後、LED照明装置本体1001に透光性カバー1003が取り付けられることで、天井面1005に取り付けられる。
(2.−1 LED照明装置本体の取り付け)
LED照明装置本体1001は、天井面1005(図28)に既設の引掛シーリングや引掛ローゼット等の被取付部材である配線器具1007に、電気的かつ機械的に接続される引掛刃1012により着脱自在に装着して天井面1005に設置される。具体的には図27乃至図29、図41及び図43に示すように、天井面1005に既設の配線器具1007に、LED照明装置本体1001を支持しながらLED照明装置本体1001の中央部に備えられた引掛保持部1010にある引掛刃1012を挿入し、その状態で、LED照明装置本体1001を上方に押圧しながら配線器具1007と引掛刃1012とが係合する方向にLED照明装置本体1001を回動する。
なお、引掛保持部1010に備わった引掛刃1012を天井面1005に既設の配線器具1007に挿入する際、詳細は後述するが、引掛保持部1010が透明な合成樹脂材料製の引掛刃保持部材1011により主要部分が構成されているため、LED照明装置本体1001の中央部の下方からでも、配線器具1007の位置や設置の向きが、引掛保持部1010を透過視して視認できるので、LED照明装置本体1001を配線器具1007に取り付ける作業を簡単に行うことができる。
このようにして、LED照明装置本体1001を回動して配線器具1007に取り付けた後、LED照明装置本体1001に取り付けられた保護カバー1026の外周部に設けられた4か所の後透光性カバー嵌合部1026dに、後透光性カバー1031の上端外周部に設けられた4か所の保護カバー嵌合部1031aを位置合わせして嵌合させ、後透光性カバー1031をLED照明装置本体1001に取り付ける。
更に後透光性カバー1031の下端外周部に設けられた4か所の前カバー嵌合部1031bに、前透光性カバー1032の上端外周部に設けられた4か所の後カバー嵌合部1032aを位置合わせして嵌合させ、前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に取り付ける。これにより、シーリングライト1100として使用可能となる。
天井用ばね1022は、例えば、接着剤、ねじ、ピン等の固定手段によりベース部材1021に固定される。具体例として、天井用ばね1022は、長辺の一方端(長手方向の一端である。)がベース部材1021に挿入して固定され、他の一端(長手方向の他端である。)は固定されていない状態で、ベース部材1021に取り付けられている。天井用ばね1022の他端は、ベース部材1021の天井面1005側に単に当接しているが、当接していなくてもよい。天井面1005にシーリングライト1100を装着する際は、最初に天井面1005に天井用ばね1022が当接するため、天井用ばね1022の湾曲が小さくなる方向に変形させながら、すなわちシーリングライト1100を天井面1005の方向に押し上げながら、引掛保持部1010の引掛刃1012を、天井面1005に既設の配線器具1007に挿入する。
シーリングライト1100が天井面1005に取り付けられた後は、天井用ばね1022の復元力により、シーリングライト1100は常時、天井面1005から引き離す方向(下方)の力を受けた状態で天井面1005と略平行に支持される。天井用ばね1022の復元力は、天井面1005に装着されたシーリングライト1100の位置ずれや振動を防止する機能も持つ。
なお、ここでは、天井用ばね1022は、湾曲したプラスチック製の板ばねとしたが、シーリングライト1100を天井面1005に取り付けた状態で、シーリングライト1100を天井面1005から離間させる方向の力を常時発する機能を持てば特に限定はなく、他に例えば、金属などを弾性変形する形状に加工した弾性体、又はゴムなどの弾性材料からなる弾性体を用いることもできる。
本実施形態においては、LED照明装置本体1001は、図28及び図29に示すように、ベース部材1021と、このベース部材1021に嵌装して固定されてベース部材1021と一体となる引掛保持部1010と、LED素子1025と、ベース部材1021に配設されLED素子1025が実装されるLED基板1024と、このLED素子1025を点灯させるための電力を供給する点灯回路基板1023と、この点灯回路基板1023とLED基板1024とを覆う保護カバー1026から構成されている。
ここで、引掛保持部1010は、特に図32乃至図35に示すように、引掛刃保持部材1011に引掛刃1012を備える。この引掛刃1012は、シーリングライト1100を電気的かつ機械的に、天井面1005に既設の配線器具1007に直接接続する役割を担う。引掛保持部1010は、ベース部材1021の中央部のベース部材開口部1021aに組み込まれて一体化されている。より具体的には、引掛保持部1010は、円盤状のベース部材1021の中央部に形成されたベース部材開口部1021aを塞ぐように、床面側(下方)からベース部材1021に固定されて、ベース部材1021とほぼ同一面状に設置される。
また、図示の実施形態では、LED基板1024と点灯回路基板1023は、図37乃至図40に示すように、複数設けられている。複数のLED基板1024は、ベース部材1021に形成されたLED基板保持部1021dに固定されている。複数の点灯回路基板1023は、ベース部材1021のうちLED基板保持部1021dを除いた部分、具体的には、LED基板保持部1021dよりもベース部材1021の外周側において外周縁部側リブ1211bの裏面(下面)の所定位置に直接、固定される。つまり、複数の点灯回路基板1023は、床面側から見たときに、ベース部材1021におけるLED基板1024の外側部分に固定されている。
保護カバー1026は、LED基板1024や点灯回路基板1023を保護するために、下方からこれらを覆う。より具体的には、保護カバー1026は、図39乃至図42、図48及び図49に示すように、ベース部材1021に固定されたLED基板1024及び点灯回路基板1023、LED基板1024間の電気配線(リード線1024b)及び点灯回路基板1023とLED基板1024を結ぶ電気配線(リード線1023d)などがベース部材1021の下方に露出しないように、下方から覆う。この保護カバー1026は、図48に示すように、ベース部材1021の床面側である下面に固定される。
このシーリングライト1100は、補助器具であるアダプタを介さず、天井面1005に既設の配線器具1007の引掛刃嵌入孔に直接、引掛刃1012を挿入して取り付ける構造であり、天井面1005からのシーリングライト1100の突出量を小さく(薄く)することが可能となる。
LED照明装置本体1001のベース部材1021は、例えば、厚さ0.5mm〜2.0mmの冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。ベース部材1021は、平板状をし、床面側から見たときに、中央部にベース部材開口部1021aを有する環状をしている。ここでの「中央部」は、ベース部材1021の中心又は重心を含む領域である。ベース部材1021は、具体的には、図37に示すように、円盤形状である。その中央部には、円形状のベース部材開口部1021aが形成されている。つまり、ベース部材1021は、外周形状及び内周形状が円形状である円環状をしている。
このベース部材開口部1021aに、引掛保持部1010が、引掛刃保持部材1011のベース部材位置合わせ部1011g(図32)を引掛刃保持部位置合わせ部1021g(図37)に嵌装させて位置決めした状態で、ベース部材開口部1021aを塞ぐように固定され、ベース部材1021の中央部に引掛刃1012が設置される。これに伴って、この引掛刃1012を保持する引掛保持部1010に隣接してLED基板保持部1021dが形成される。
引掛保持部1010は、その上部がベース部材開口部1021aに下方から入り込んでベース部材開口部1021aを塞ぐ状態で、ベース部材1021に固定されている。これにより、引掛保持部1010の引掛刃1012がベース部材1021の上面から上方へと延出するようになる。
引掛刃保持部材1011は、例えば、合成樹脂材料から形成される。ここで、例えば、引掛刃1012を備えた引掛刃保持部材1011が透明な合成樹脂材料から形成される(なお、少なくとも形成後に透明であればよい。)と、ベース部材開口部1021aが引掛保持部1010で塞がれた後であっても、LED照明装置本体1001を天井面1005に既設の配線器具1007に取り付ける作業において、LED照明装置本体1001の下方からベース部材開口部1021a(引掛保持部1010)を透過して、配線器具1007の位置や向きを視認できるので、取り付け作業が簡易になる。なお、合成樹脂材料は、透明でなくても、軽量化、絶縁性の観点からの実益がある。
このベース部材開口部1021aによる空間及びこの空間に固定された引掛保持部1010のことを、ここでは、透過窓1015(図31)と称する。即ち、図示の実施形態においては、透明性材料から形成された引掛保持部1010が透過窓1015を兼任している。
また、ベース部材1021の最外周部には、外縁部を下方に屈曲させたベース外縁部1021cが形成されている。ベース部材1021の径方向には放射状に、複数の放射方向リブ1021fが形成されている。つまり、ベース部材1021は、下方へと屈曲したベース外縁部1021cを外周縁に有している。また、ベース部材1021は、天井面1005側に突出し且つ径方向に延伸する複数の放射方向リブ1021fを有している。
ここで、突出部(LED基板保持部1021d)を基準にすると、ベース部材1021は、突出部の内周側に内周縁部側リブ1211aを、突出部の外周側に外周縁部側リブ1211bをそれぞれ有している。
これら円環状のLED基板保持部1021d、ベース外縁部1021c、放射方向リブ1021fのリブ効果により、ベース部材1021は機械的剛性が強化されている。この剛性強化により、ベース部材1021を構成する金属材料の厚さを薄くすることが可能となり、シーリングライト1100の軽量化を実現でき、この軽量化によりシーリングライト1100の天井面1005への取り付け作業が一層容易になる。
LED基板1024を固定するLED基板保持部1021dの下面(配置面1211c)は、図38に示すように、平坦面であるが、水平、即ち、ベース部材1021のうちLED基板保持部1021dを除いた他の部分である平板面(例えば、点灯回路基板1023が装着されている面である。)と平行ではなく、ベース部材1021のLED基板保持部1021dを除いた他の部分である平板面に対し所定の傾斜をなして形成されている。
この場合、図38に特に示すように、このLED基板保持部1021dの配置面1211cは、ベース部材1021の平板面からの配置面1211cの離間距離が、ベース部材1021の外周側よりもベース部材1021の中心側(ベース部材開口部1021aに近い側)の方が大きくなるように、傾斜して形成されている。
即ち、ベース部材1021の仮想中心に近い側が、ベース部材1021の外周に近い側に比べて下方(床面側)に位置するように、配置面1211cは傾斜している。つまり、配置面1211cは、ベース部材開口部1021aから離れるに従って突出量(平板面を基準としている。)が少なくなる状態で、傾斜している。これにより、この配置面1211cに保持されるLED基板1024が、外向きに(ベース部材の外周側を向くように)傾斜して設置されているため、LED素子1025が発する光の照射角は広く確保され、光を広く均一に照射することができる。
また、LED基板1024を固定するLED基板保持部1021dの配置面1211cは、図38に示すように、ベース部材1021の下方に向けて突出した突出部の下面に形成され、この配置面1211cのうちのベース部材1021の外周側における平板面からの突出高さが、点灯回路基板1023の表面位置よりも高くなるように設定されている。つまり、配置面1211cは、点灯回路基板1023の下面よりも下方に位置する。このため、回路部品1023a、1023b(図40)による影が出にくく、光を広く均一に出射することができる。
なお、ここではベース部材1021を円盤状としたが、必ずしも、円盤状に限定されるものではなく、他に、例えば、方形平板状の外形とすることもできる。また、ベース部材開口部1021aを円形状としたが、必ずしも、円形状に限定されるものでなく、他に、例えば、四角形、六角形等の多角形状とすることもできる。
ベース部材1021は、図37及び図38に示すように、ベース部材開口部1021aに嵌合する引掛保持部1010と当接する引掛刃保持嵌装部1021bをベース部材開口部1021aの周辺下面に有している。引掛刃保持嵌装部1021bには、ベース部材開口部1021a側から切り欠かれた切欠が設けられている。この切欠は、引掛刃保持部位置合わせ部1021gであり、引掛刃保持部材1011のベース部材位置合わせ部1011gと嵌合する。ベース部材1021を床面側から見たときに、引掛刃保持嵌装部1021bの外周側の近い位置に突出部(LED基板保持部1021d)を有しているので、引掛刃保持嵌装部1021bでの機械的特性もリブ効果により確保される。
ベース部材1021には、LED基板保持部1021dや点灯回路基板1023の固定部が予め加工(例えば、一体加工である。)で形成されているが、引掛保持部1010を装着することにより、天井面1005に既設されている配線器具1007に直接、電気的かつ機械的に接続可能な引掛刃1012を、さらに備えることになる。
ベース部材1021には、他に、引掛刃保持部材1011を固定するための引掛刃保持部固定孔1021hと、LED基板1024を固定するためのLED基板固定孔1021jと、点灯回路基板1023を固定するための点灯回路基板固定孔1021kと、保護カバー1026を固定するための保護カバー固定孔1021mと、天井用ばね1022を固定するための天井用ばね固定孔1021nが設けられている。これらの孔は、図示しないねじや引掛けピンが挿入されて目的とする要素部材、例えばLED基板1024や引掛保持部1010などをベース部材1021に固定する際に使用される。なお、引掛刃保持部固定孔1021hは、上記の引掛刃保持嵌装部1021bに設けられている。
引掛保持部1010は、図32乃至図34に示すように、少なくとも、引掛刃保持部材1011と、一対の引掛刃1012とを有している。ここでは、引掛保持部1010は、引掛刃保持部材1011と、この引掛刃保持部材1011の中央部に設けられた略矩形溝状の回動部1011aに組み込まれた、2個一対で機能する引掛刃1012と、ロック部材1013と、電力線1014とから成っている。シーリングライト1100は、引掛保持部1010の引掛刃1012により配線器具1007と電気的かつ機械的に直接に連結される。引掛保持部1010は、LED照明装置本体1001を配線器具(被取付部材)7に取り付ける取付部として機能する。
引掛刃保持部材1011は、少なくとも透明性を有している。ここでの引掛刃保持部材1011は、透明性を有し、かつ、絶縁性と難燃性にも優れた合成樹脂材料から製作されている。このような合成樹脂材料として、例えば、ポリカーボネート(PC)を使用することができる。この場合、具体的には、引掛刃保持部材1011全体を、ポリカーボネート(PC)から一体成形することができる。このように全体が透明材料からなる引掛刃保持部材1011を備えた引掛保持部1010が、ベース部材1021の中央部に設けられたベース部材開口部1021aに取り付けられて、透過窓1015となる。これにより、引掛保持部1010に備わった引掛刃1012を天井面1005に既設されている配線器具1007の引掛刃嵌入孔に挿入してシーリングライト1100を取り付ける際、引掛刃保持部材1011が透明な合成樹脂材料製であるため、LED照明装置本体1001の下方からでも、LED照明装置本体1001の中央部の透過窓1015を透過できる。これにより、死角の無い広い視野で、配線器具1007の周辺部を含めて配線器具1007の位置や設置の向きを視認できる。このため、LED照明装置本体1001を配線器具1007に取り付ける作業を簡単に行うことができる。透過窓1015、すなわち引掛刃保持部材1011を形成する合成樹脂材料(形成後の材料である。)として、光透過率が70%以上の透明性を有するものが好ましい。
なお、透過窓1015は、半透明であっても配線器具1007の視認性に問題はないが、できれば、明確に視認可能なレベルであることが望ましい。これは、透過率が小さい場合には、充分な視認性を確保することが困難となる可能性があるためである。
この引掛刃保持部材1011の後面側の中央円形部には、引掛刃保持部材1011を天井面1005の配線器具1007に取付けるための引掛刃1012を装着するスペースが設けられている。ここでは、天井面1005側から見たときに略矩形溝状を呈する回動部1011aの内部に形成されている。換言すると、回動部1011aは、引掛刃保持部材1011における中央部から下方へと矩形状に凹入し、凹入した内部が引掛刃1012を装着するためのスペースとなっている。
この回動部1011aの溝部(内部)には、引掛刃1012を固定するためのねじが挿入される引掛刃固定溝1011cと、引掛刃1012を強固に固定する凹凸が設けられた引掛刃設置部1011dとが形成されている。
つまり、図32及び図33に示すように、回動部1011aの内部には、引掛刃1012を固定するための固定手段が設けられている。固定手段は、ボス、リブ、凹部、凹み等により構成されている。具体的には、回動部1011aの底面から上方に突出するボス1011c’、底面や側面に設けられ且つ上方へと延伸するリブ1011u、1011v、側面に設けられた凹みであって上下方向に延伸する溝1011w等により構成される。
ボス1011c’は、回動部1011aの開口にまで達しておらず、引掛刃保持部材1011の後面より底面側の位置に上面を有する。ボス1011c’はねじ穴を上面に有する。このねじ穴が上記の引掛刃固定溝1011cである。リブ1011u、1011vは、後述する引掛刃1012の刃固定部1012cに当接する。リブ1011vは、ボス1011c’側の上部が切り欠かれており、切欠の側面が刃固定部1012cに当接し、切欠の底面が刃固定部1012cの底面に当接する。リブ1011u、1011vはボス1011c’と連結されている。溝1011wは、引掛刃1012の刃固定部1012cの位置決め突起1012fと嵌合する。溝1011wの上下方向の底の位置は、ボス1011c’の上面位置と略一致する。上記の固定手段により、引掛刃1012の刃固定部1012cは、位置決めされた状態で支持され、最終的には、ねじにより固定される。なお、上記の引掛刃設置部1011dは、ボス1011c’、リブ1011u、1011v及び溝1011wにより構成される。
また、引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の外周部には、引掛刃保持部材1011をベース部材1021に固定する際の位置決めに使用するベース部材位置合わせ部1011gと、ベース部材1021に固定する際の固定面(当接面)となるベース部材嵌装部1011hが形成されている。
つまり、引掛刃保持部材1011の後面における段差1011iの外周部分が、ベース部材1021の引掛刃保持嵌装部1021bを床面側から支持(当接)するベース部材嵌装部1011hとなっている。ベース部材位置合わせ部1011gは、段差1011iから径方向へと張り出しており、ベース部材1021の引掛刃保持部位置合わせ部1021gと係合する。なお、ベース部材位置合わせ部1011gと引掛刃保持部位置合わせ部1021gとの嵌合関係(凹凸関係)は、逆であってもよい。
さらに、引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の回動部1011aの一端からは、外周部に向けて、引掛刃1012からの商用電力を点灯回路基板1023に供給するための電力線1014が収まる配線溝1011eと、配線溝1011e内に配された電力線1014を固定する配線固定部1011fが形成されている。
引掛刃保持部材1011は、電力線1014を収容するための配線溝1011eを有している。この配線溝1011eは、引掛刃保持部材1011の径方向に延伸している。図33及び図34に示すように、配線溝1011eの回動部1011aに近い端部が回動部1011aと、配線溝1011eの外周側の端部が外筒1011pの切欠1011tと、それぞれつながる。
さらに、引掛刃保持部材1011の後面(上面)側の中央部に設けられた回動部1011aの一端角部には、後述のロック部材1013を納めるロック部材配置部1011mが設けられ、ロック開口部1011bよりロック部材1013の押部1013dが回動部1011aから露出している。ロック部材配置部1011mは、回動部1011aの内部のボス1011c’と、矩形状の凹部をした回動部1011aを構成する短手側の側面との間に形成され、ボス1011c’より低い部分の空間を含んでいる。ロック開口部1011bは、回動部1011aの側面に形成されている。
引掛刃保持部材1011の前面(下面)側の周辺部には、保護カバー1026の内周部を固定するための保護カバー固定溝1011oと、引掛刃保持部材1011をベース部材1021に固定するためのベース部材固定溝1011nが形成されている。なお、ここでは、つまみ部1011jは引掛刃保持部材1011の後面側に開口する内部空間を有し、この空間が前述した回動部1011aとして兼用されている。これにより、引掛保持部1010の構造の簡略化や引掛刃保持部材1011の薄肉化が図れる。また、つまみ部1011jは、操作性を考慮した大きさとなっているため、内部空間が大きくできる。これにより、引掛刃1012等を収容し易くできる。
保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011nは、ボス部に設けられている。ボス部(保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011n)は、外筒1011pと内筒1011rとの間に形成されている。このため、保護カバー固定溝1011oやベース部材固定溝1011nが異物と干渉するのを抑制できる。保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011nは、外筒1011pと一体となっている(連続している)。このため、保護カバー固定溝1011oとベース部材固定溝1011nの強度を向上させることができる。内筒1011rの外周面には、保護カバー1026の引掛保持固定ガイド1026jの外周面が当接する。これにより内筒1011rが補強されることとなる。
引掛刃1012は、図35に示すように、導電性を有する黄銅等の金属材料を使用して、打抜加工、プレス加工、折曲加工等によって製作される。引掛刃1012は、平板状の刃固定部1012cと、刃固定部1012cの端部から立設する引掛部1012aとを有する。刃固定部1012cには、固定用の刃固定孔1012bと電気接続用の刃端子孔1012eとが設けられている。ここでは、引掛部1012aは、逆「L」字状をしている。
引掛刃1012は、回動部1011a内に固定される。具体的には、引掛刃保持部材1011には、図32に示すように、この引掛刃1012が2個一対で設置され、各々、引掛刃保持部材1011の回動部1011aに設けられた凹形状の引掛刃設置部1011d(図33)に挿置され、刃固定孔1012bから挿入されて引掛刃固定溝1011cにねじ込まれるねじで固定される。この状態では、引掛部1012aの先端部が、天井面1005の被取付部材の配線器具1007の側へ突出している。
より具体的には、一対の引掛刃1012は、図27乃至図33に示すように、引掛刃保持部材1011の上側に略L字形状の引掛部1012aが立設するように、引掛刃保持部材1011の引掛刃設置部1011dに、刃固定部1012cと刃端子固定部分1012dを合わせて、ねじで引掛刃保持部材1011に固定される。つまり、引掛刃1012の刃固定部1012cと回動部1011a内のボス1011c’やリブ1011u、1011vとが当接する状態で、天井面1005側から刃固定孔1012bを挿通するねじが引掛刃固定溝(ねじ穴)11cに螺合する。これにより、引掛刃1012が引掛刃保持部材1011に固定(保持)される。
引掛刃1012には、配線器具1007に挿入して回動するとき、横方向(回転方向)に大きな力が加わるため、引掛刃設置部1011dを設けて引掛刃1012を固定している。換言すると、引掛刃1012は、刃固定部1012cの側面がリブ1011u、1011vと当接し、さらに、位置決め突起1012fが溝1011wに挿入した状態で、回動部1011aの内部に固定される。また、引掛部1012aは刃固定部1012cの隅から立設し、引掛部1012aの背面が回動部1011aの側面に当接する状態で、固定されている。これにより、引掛刃1012は引掛刃保持部材1011に強固に固定される。
引掛刃1012の刃端子孔1012eには、電力線1014が挿入されて、刃端子孔1012eから上方へ導出する電力線1014の端部がハンダにより刃端子固定部分1012dに固定される。これにより、配線器具1007からの外部電力と点灯回路基板1023とが引掛刃1012を介して電気的に接続されることになる。
ロック部材1013は、LED照明装置本体1001が天井面1005の配線器具1007に装着されてシーリングライト1100として使用されている状態で、引掛刃1012が配線器具1007から外れないようにするための引掛刃のロック機能を持つ。
ロック部材1013は、図36に示すように、配線器具1007の引掛刃嵌入孔に対して挿抜方向に移動可能な出没自在に配された固定ベース部(第1可動部)1013bと、解除の際に操作され且つ操作方向に移動可能に配されたロックベース部(第2可動部)1013eと、固定ベース部1013bとロックベース部1013eとを連結するばね部1013gとを有している。ばね部1013gは、無負荷状態では傾斜している(図36(a))。解除操作の際にロックベース部1013eが固定ベース部1013bに近づくように移動すると、ばね部1013gは直立状態となり、固定ベース部1013bを没入させる(図36(b))。なお、固定ベース部1013bの挿抜方向の挿方向先端部には固定爪1013aが設けられ、ロックベース部1013eの外側には押部1013dが設けられている。また、ここでの固定爪1013aは、挿抜方向は上下方向であり、押部1013dの操作方向は水平方向である。ロック部材1013は、固定爪1013aが回動部1011aから天井面1005側へと進出し、押部1013dがロック開口部1011b(図33)からつまみ部1011jの外部に張り出すように、回動部1011a内に配されている。
具体的には、ロック部材1013は、図32に示すように、引掛刃保持部材1011の回動部1011aの中の引掛刃1012の根元部分に収納されている。天井面1005等の配線器具1007に設けられている、ここでは図示しない弧状の引掛刃嵌入孔に引掛刃1012の先端部(引掛部1012a)が挿入された後、回動されて、LED照明装置本体1001が配線器具1007に固定されたとき、固定爪1013a(図36)が、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔に入り、引掛刃1012が配線器具1007から外れる方向への回動、すなわち固定時とは逆の回動を防止する。ロック部材1013は、図36に示すように略N字形状をし、ポリアセタール(POM)等の弾性特性を有する樹脂で製作されている。図36はロック部材1013の動作状況を示しており、図36(a)は通常時の形状で固定爪1013aが上方に突出している状態である。LED照明装置本体1001が配線器具1007に取り付けられた状態では、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔の中で、固定爪1013aが図36(a)の状態を維持している。したがって、LED照明装置本体1001が配線器具1007に固定された状態では、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔には、一端に引掛刃1012の引掛部1012aが、他端にはロック部材1013の固定爪1013aが挿入されており、配線器具1007に対し、引掛刃1012が回動できない状態になる。
一方、図36(b)は、ロック部材1013の押部1013dが押され、固定爪1013aが下方に引っ込んだ状態である。LED照明装置本体1001を配線器具1007から取り外す際は、押部1013dを押し、固定爪1013aを引っ込めて、すなわち、配線器具1007に設けられている弧状の引掛刃嵌入孔から固定爪1013aを抜いて、引掛刃1012を回動可能な状態にして取り外す。
ここで、可動する部分にベース突部1013fや固定突部1013cなどの半円柱状突部を設けているため、固定爪1013aが、配線器具1007に設けられている弧状の溝からスムーズに挿抜できる構造となっている。
LED素子1025が搭載されたLED基板1024とLED素子1025を点灯させるための点灯回路基板1023は、図39に示すように、ベース部材1021のLED照明装置本体1001を天井面1005に取り付けた場合の床面側に配設されている。LED基板1024は、引掛刃保持部材1011の外側に隣接してベース部材1021のLED基板保持部1021dに配置されている。点灯回路基板1023は、ベース部材1021の外周縁部側リブ1211bに配置されて、LED基板1024の周囲、即ち、LED基板保持部1021dに重ならないように、LED基板保持部1021d、ひいてはLED基板1024よりもベース部材1021の外周側に設けられている構成となっている。これにより、LED基板1024がベース部材1021の中央部近くに配置されるため、センター部が暗くなることなく均一な明るさの照明が得られる。また、点灯回路基板1023を複数の基板に分けて配置できるようになり、シーリングライト1100をコンパクト化してコストダウンを実現することができる。
LED基板1024は、図28、図29、図39及び図40に示すように、複数枚あり、ベース部材1021におけるベース部材開口部1021aの周囲に配されている。より具体的には、複数のLED基板1024はLED基板保持部1021dの配置面1211cにねじ、ピン等の固定手段を利用して固定されている。LED基板1024は、所定の幅寸法を有した長尺状をしている。ここでは、LED基板1024は、矩形状をし、長手方向の各端部が三角形状に面取りされている。つまり、LED基板1024は、円弧形状に近い形状をしている。ここでは、複数枚のLED基板1024は、ベース部材開口部1021aを囲んだ1重の環状に配されている。具体的には、6枚のLED基板1024が基板接続線によりつなぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状(正確には六角形状に近いが、略円形状とする。)に形成される状態で、ベース部材1021のLED基板保持部1021dに配置されている。このLED基板1024は、片面に配線されたガラスコンポジット基板(CEM−3)からなり、片面側にLED素子1025が実装されている。なお、LED基板1024にLED素子1025が実装されたものもLED基板と称する場合もある。
このように複数のLED基板1024を用いることにより、周方向に隣接するLED基板1024間で熱的収縮を吸収して基板の変形を抑制することができる。また、LED基板1024は、長手方向の端部が三角形状となっているため、環状に配置された場合に隣接するLED基板1024間の隙間を小さくできる。また、LED基板1024の長手方向の端部が三角形状をしているため、LED素子1025をLED基板1024の長手方向の端部の頂角近傍にまで実装できる。これにより、複数のLED基板1024を環状に配したときに、隣接するLED基板1024の長手方向の最端に実装されたLED素子1025同士の間隔を小さくできる。
また、図40に示すように、LED基板1024同士の基板間の配線は、上述のように基板接続線(リード線1024b)が利用される。隣接するLED基板1024は一方のLED基板1024に設けられたコネクタ1024aに接続されたリード線1024bが他方のLED基板1024にハンダで接続されることにより行われている。即ち、複数のLED基板1024は、一端が一方のLED基板1024に接続されたリード線1024bと、他方のLED基板1024に設置されリード線1024bの他端に接続されるコネクタ1024aとにより相互に接続されている。これにより、組み立て時のLED基板1024同士の接続を容易にできるうえ、組み立て工数及び部品点数を削減することができ、コストダウンを実現することができる。なお、点灯回路基板1023と接続するための基板配線も同様の接続構成としている。また、これらのLED基板1024同士の接続は、図39及び図40に示すように、LED基板1024のうちLED照明装置本体1001の外周側において接続されている。このため、LED基板1024同士の接続のための配線がLED素子1025からの光出射を妨げることなく、広く均等に光出射することができる。
また、LED基板1024同士の配線は、図39や図40に示すように、複数のLED素子1025が実装されている列から離れた領域で行われている。このため、LED基板1024の長手方向の端部の頂角近傍にまでLED素子1025を実装できる。これにより、複数のLED基板1024を環状に配したときに、隣接する各LED基板1024の長手方向の最端に位置するLED素子1025同士の間隔を小さくできる。
このLED基板1024に実装するLED素子1025としては、公知の種々のLED素子を用いることができる。本実施形態では、照明用の白色光を発光する高輝度タイプのLED素子と、昼光色を発光する高輝度タイプのLED素子が用いられて、調色が可能なシーリングライト1100となっている。
点灯回路基板1023は、図28、図29、図39及び図40に示すように、配線器具1007から引掛刃1012を介して供給される交流電流を直流に変換してLED基板1024に供給するために、ベース部材1021の外周縁部側リブ1211bの前面側で、LED基板1024の周囲に円弧形状に配設されている。点灯回路基板1023は、点灯基板1023A、1023Bと、この点灯基板1023A、1023Bに実装され且つ各回路機能を構成する回路部品1023a、1023bとから構成される。なお、点灯回路は、回路部品1023a、1023bが点灯基板1023A、1023Bに実装されて、点灯基板1023A、1023Bに形成されている配線パターンにより接続されることで構成される。
点灯回路基板1023は、具体的には、図40に示すように、回路部品1023a、1023bが片面に配線された紙フェノール基板(FR−1)で構成されている。点灯基板1023A、1023Bは、1個であってもよいし、複数個あってもよい。基板はここでは2個ある。点灯回路基板1023は、床面側から見たときに、環状に配されたLED基板1024の外周側全周に沿って又外周側一部に沿って配されている。ここでは、外周側に沿う一部の領域に点灯回路基板1023は配されている。点灯基板1023A、1023Bは、床面側から見たとき円弧状をしているため、LED基板1024に沿うことができる。点灯基板1023A、1023Bの回路部品1023a、1023bが搭載されていない裏面を、ベース部材1021の前面側に絶縁シートを介して接触させることにより、点灯回路基板1023から発生する熱を、ベース部材1021を介して効率よく放熱している。なお、この点灯回路基板1023を構成する回路部品1023a、1023bとしては、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などの回路機能を行うための各種ダイオード、コンデンサ、トランス、IC、抵抗などの公知の電子部品を使用することができる。
また、LED基板1024と点灯回路基板1023との配線は、図39や図40に示すように、LED素子1025は実装されている列から離れた領域(ここでは、LED素子1025が実装されている列よりもベース部材開口部1021a側である)で行われている。このため、LED基板1024の長手方向の端部の頂角近傍にまでLED素子1025を実装できる。これにより、複数のLED基板1024を環状に配したときに、隣接する各LED基板1024の長手方向の最端に実装されたLED素子1025同士の間隔を小さくできる。
点灯基板1023A、1023Bは、図39及び図40に示すように、円弧状をしている。主基板である点灯基板1023Aは、周方向の各端部で電力線1014やリード線1023dと接続されている。このため、電力線1014とリード線1023dとの離間距離が長くなり、電気的安全性を向上させることができる。特に、電力線1014とリード線1023dは、ベース部材1021のベース部材開口部1021a(の中心)を挟んで対向する部位に配されている。このため、電力線1014とリード線1023dとの接触をなくすことができる。
また、回路部品1023a、1023bの高さは、LED素子1025から出射される光の1/2ビーム角(光の広がり具合(配光)を示し、光源の直下照度(最大光度)の1/2の照度になる点と光源中心を結んだ線と、光源中心の鉛直方向線とのなす角度をいう)の出射光が、回路部品1023a、1023bに照射されないように配置する必要がある。これにより、透光性カバー1003に、影が出なく、均一な明るさになる。
また、ベース部材1021におけるLED基板1024の外側部分は、点灯回路基板1023を配置する領域として利用できる。このため、点灯回路基板1023を複数の基板に分けて配置することもできるようになり、シーリングライト1100をさらにコンパクト化してコストダウンをすることができる。この時の点灯回路基板1023の分割としては、入力回路部と出力回路部とを分割したり、調光回路と調色回路に分けて搭載する機種により選択できるように分割したりすることができる。
更に、点灯回路基板1023は、図48及び図49に示すように、保護カバー1026により全体を保護されているために、通常は点灯回路基板1023に設けられるカバーを省くことができ、部品点数削減によるコストダウンを図ることができる。
保護カバー1026は、ベース部材1021に取り付けられる。保護カバー1026は、ポリカーボネート(PP)等の透明性を有する難燃性の合成樹脂材料からなり、その形状は、図28乃至図30、図41、図42に示すように、ドーナツ状に連続する中空パイプのリングを、このドーナツを側面視(ドーナツの中空部分の中心軸と直交する方向から見た状態である。)したときの長円を上下に2等分する仮想平面で切断したときの下半分の形状に類似しており(すなわち、横断面が略半パイプ状の形状を有している)、その切断面側がベース部材1021への固定側(図29)となる。なお、略半パイプの軸心は、仮想の切断されなかった円パイプの軸心と同じである。
換言すると、保護カバー1026は、ベース部材開口部1021aの中心を通る仮想回転軸に対して、仮想回転軸から離れた位置に存在する円の中心を通り且つ仮想回転軸と直交する仮想線分で前記円を切断した下半分の半円に近い形状の近似半円を回転させてなる中空の半ドーナツ状をしている。近似半円の中心を仮想回転軸に対して回転させたものが半パイプの軸心である。
このリング状の保護カバー1026を側面視して、リングの仮想中心軸を含む仮想垂直面で切断したときの保護カバー1026の断面(この断面を「横断面」ともいう。)は、図28及び図42に示すように、下に凸な円弧が離間して2つ並列する形状となる。保護カバー1026をベース部材1021に装着したとき、前述した下に凸な円弧の内側、すなわち実際の立体構造では上面が開口したリング状の半パイプの内側空間が、ベース部材1021に搭載された点灯回路基板1023とLED基板1024の両方を合わせて下方から覆い、点灯回路基板1023とLED基板1024の光の出射方向側の面を覆う。つまり、保護カバー1026は、半パイプの横断面において、光の出射方向にドーム状(上記「下に凸な円弧」に相当する。)に張り出すドーム部1026nを有する。なお、半パイプの横断面において、ドーム部1026nにおける回転体の仮想回転軸に近い側を内周側とし、仮想回転軸から離れた側を外周側とする。保護カバー1026は、半パイプの横断面において、ドーム部1026nの内周縁より内側に、保護カバー1026を引掛刃保持部材1011に固定するための引掛刃固定部1026hを有している。保護カバー1026は、ドーム部1026nの外周縁より外側に、保護カバー1026をベース部材1021に固定するためのベース部材固定部(ベース部材固定孔1026f)を有している。
これにより、点灯回路基板1023及びLED基板1024の双方をLED素子1025の光出射方向側から露出させることなく覆うことができると同時に、点灯回路基板1023とLED基板1024を別々のカバーを準備して、個々に覆う必要がなくなるため、部品点数の増加を抑え、コスト削減に効果が大きい構成となっている。
保護カバー片1026A、1026Bは、同一な構成であるため、1つの成形型で製造される。このためコスト削減につながる。なお、ここでは、2つの保護カバー片1026A、1026Bは、同一の構成としたが、異なる構成としてもよい。また、保護カバー片1026A、1026Bは、保護カバー1026を略均等に分割したような形状をしているが、保護カバー1026を不均等に分割したような形状であってもよい。また、3以上の複数個の保護カバー片から保護カバーが構成されてもよい。
保護カバー片1026A、1026Bは、互いに対向する端部が保護カバー連結部1026bとなっている。保護カバー片1026Aの保護カバー連結部1026bと、保護カバー片1026Bの保護カバー連結部1026bとが重なり合うことで連結される。この保護カバー連結部1026b同士が重なった部分を、第1の実施形態と同様に、連結部分とする。
2つの保護カバー片1026A、1026Bは、図47乃至図49に示すように、保護カバー連結固定部1026tで連結されて、ベース部材1021に固定される。ベース部材1021へは、1部材ずつ、順次取り付け作業を行えばよく、位置合わせ等の作業が容易である。
保護カバー連結固定部1026tは、図47乃至図52に示すように、保護カバー片1026A、1026Bにおける周方向の一方の端部に設けられた突状の嵌合片1026uと、周方向の他方の端部に設けられ且つ嵌合片と嵌合する嵌合溝1026vとを有する。つまり、保護カバー片1026Aの嵌合片1026uが保護カバー片1026Bの嵌合溝1026vと嵌合し、保護カバー片1026Bの嵌合片1026uが保護カバー片1026Aの嵌合溝1026vと嵌合する。これにより、2つの保護カバー片1026A、1026Bが連結される。
嵌合片1026uと嵌合溝1026vとが嵌合する状態で、嵌合片1026uと嵌合溝1026vとを貫通する貫通孔1026wが設けられており、この貫通孔1026wを挿通するねじにより保護カバー1026がベース部材1021に固定される。
ここでは、内周側連通部が貫通孔1026kであり、外周側連通部が切欠1026mである。しかしながら、保護カバー1026がベース部材1021に取り付けられた状態で、保護カバー1026の内側と保護カバー1026の外側とが連通できればよく、内周側連通部及び外周側連通部の形態は特に限定するものではない。例えば、内周側連通部及び外周側連通部を、貫通孔で構成しても良いし、切欠で構成してもよいし、内周側連通部を切欠で、外周側連通部を貫通孔でそれぞれ構成してもよい。
これらの複数の貫通孔1026kは、必ずしも、均等な間隔で設ける必要はなく、また、すべて同じ大きさや形状の貫通孔1026kとする必要もなく、保護カバー1026の引掛刃保持部材1011への取り付け等を考慮して、配置や大きさを設定することができる。保護カバー1026はベース部材1021の平板面と平行な平坦部分(引掛刃固定部1026h)を内周側に有しており、この平坦部分がねじによりベース部材1021に螺着される。ねじの位置は、図47及び図49に示すように、周方向に隣接する貫通孔1026kの間である。
以上のように、保護カバー1026の内周端部に形成された貫通孔1026kと、外周縁部に形成された切欠1026mとは、LED素子1025を冷却するための冷却機能(放熱性)を担うことができるなお、点灯回路基板1023の回路部品1023a、1023bの発生する熱も、LED素子1025の発熱と同様に、循環空気流により放出できる。
同様に、保護カバー1026の外周縁部に沿って形成されている切欠1026mの開口も、図41に示すように、LED素子1025から出射される光の1/2ビーム角の出射光よりも、ベース部材1021側(天井面1005側)に位置するように配することにより、切欠1026mの影が透光性カバー1003に映る事態を防止することができる。
2つの保護カバー片1026A、1026Bにおいて、2つの保護カバー連結部1026bによる連結部分は単なる当接(重なり)ではなく、2つの保護カバー片1026A、1026Bのうち、一方の保護カバー片1026A、1026Bの端部は保護カバー1026の板厚の略上半分がカットされ(段状に形成されている)、この略上半分がカットされた一方の端部に係合する他方の保護カバー片1026B、1026Aの端部は保護カバー1026の板厚の略下半分がカットされた形状(いわゆる、木材を継ぐ建築用語でいう「相欠き」加工)に成形されて、これらの端部により保護カバー連結部1026bが形成される。したがって、2つの保護カバー片1026A、1026Bの円弧状(横断面においてである。)の端部を互いに対向させてリング状に連結した状態の連結部分は、上半分カットと下半分カットの端部が対向しており、このカット部を嵌め合わせると、保護カバー1026のうち保護カバー連結部1026b(連結部分)以外の部分と略同一の厚さを維持したままスムーズに2つの部材が連結される。
なお、ここでは、連結部の構造として、保護カバー片1026A、1026Bの端部をカットしているが、例えば、一方の保護カバー片の端部をそのままにし、他方の保護カバー片の端部を一方の保護カバー片の端部の上面又は下面に沿って延出するような構造とすることもできる。
図42及び図49、特に図42に示すように、横断面において、ベース部材1021の平板面を基準にして、連結部分の頂部の高さが、連結部分以外の他の部分での頂部の高さよりも低くなっている。つまり、連結部分とLED基板1024(又はベース部材1021)との距離は、連結部分以外の他の部分とLED基板1024(又はベース部材1021)との距離よりも短くなっている。
各保護カバー片1026A、1026Bは、床面側から見たときの周方向の中央部分よりも端部に近い部分から保護カバー連結部1026bに近づくに従って頂部の高さが徐々に低くなる領域1026pを有している。1つの領域1026pは、図30に示すように、保護カバー開口部1026a(引掛保持部1010)の中心を基準として約30度の角度である。つまり、連結部分を挟んで60度の範囲が、他の部分の頂部の高さよりも低くなっている。これにより、透光性カバー1003に連結部分が影として映るのを抑制できる。
パイプ状の引掛保持固定ガイド1026jは、その内周面が引掛刃保持部材1011の内筒1011r(図34)の外周面に当接するように、設けられている。なお、引掛保持固定ガイド1026jの内周の形状及び引掛刃保持部材1011の内筒1011rの外周形状は、円形状である。このため、保護カバー1026を内筒1011rに沿って回動させることができ、保護カバー1026の引掛刃保持部材1011に対する位置決めを容易に行える。
引掛保持固定ガイド1026jには、図41から解るように、パイプの中心(保護カバー開口部1026aの中心でもある。)に対して、対向する2か所に溝(ここでは、「U」字状である。)が設けられている。一方は、点灯回路基板1023への電力線1014を通す凹部となる電力線配線溝1026gであり、他方の溝には引掛刃保持部材1011の保護カバー位置ピン1011s(図34)が嵌る。2か所の溝形状は相同であり、どちらを点灯回路基板1023への電力線1014を通す凹部となる電力線配線溝1026gとするかの区別はない。
引掛保持固定ガイド1026jに形成されている溝は、2つの保護カバー片1026A、1026Bの保護カバー連結部1026bにおいて、保護カバー片1026A、1026Bに跨って形成されている。このため、保護カバー片1026A、1026B単位では、「U」字状の半分の形状で切り欠かれている。
保護カバー1026を、引掛刃保持部材1011が装着されたベース部材1021に取り付ける際、引掛保持固定ガイド1026jの内側に、引掛刃保持部材1011の内筒1011r(図34)が挿入されるように保護カバー1026とベース部材1021を位置合わせし、次に、保護カバー1026を回動して、引掛保持固定ガイド1026jの前述したU字状の溝に、引掛刃保持部材1011の配線溝1011e(図34)、または保護カバー位置ピン1011sを嵌め込むと、保護カバー1026が、ベース部材1021の正しい固定位置に位置合わせできたことになる。
なお、点灯回路基板1023への電力線1014を通す凹部となる電力線配線溝1026gは、図41に示すように、引掛刃保持部材1011から点灯回路基板1023へ電力を送る電力線1014を通すためのU字状の溝として形成されている。
図49に示すように、保護カバー1026は、LED基板1024と点灯回路基板1023が保護カバー1026の外に露出しない状態で、LED基板1024及び点灯回路基板1023を覆っており、LED照明装置本体1001を配線器具1007に取り付ける際に、設置作業者の電気的安全性が図れるとともに、設置作業者がLED素子1025等に触れて照明性能を劣化させる事態も回避できる。
保護カバー1026は、周方向に間隔を置いて複数個(ここでは4個である。)の後透光性カバー嵌合部1026dを有している。後透光性カバー嵌合部1026dは、図52に示すように、外周端部からベース部材1021の平板面と平行な方向であって外方へ張り出すと共に周方向に延伸する張出部分1026rと、張出部分1026rの周方向の一端から上下に延伸する規制部分1026sとからなる。ここでの張出部分1026rの周方向の一端は、後透光性カバー1031を保護カバー1026に取り付ける際に回動させる側(進行する側である)に存する端である。
後透光性カバー1031は、床面側から見たときに環状をし、図50に示すように、後透光性カバー嵌合部1026dの位置に対応して、周方向に間隔をおいて複数個(ここでも4個である。)の保護カバー嵌合部1031aを有している。後透光性カバー1031が筒状(ここでは円筒状である。)をしている。保護カバー嵌合部1031aは、筒状の上端部の内周面からベース部材1021の平板面と平行な方向であって内方へと張り出すと共に周方向に延伸する張出部により構成されている。
周方向に隣接する後透光性カバー嵌合部1026dの間隔は、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aの周方向の長さより大きい。なお、後透光性カバー1031の回動方向は、後透光性カバー嵌合部1026dの規制部分1026sに向かう方向である。
保護カバー1026に後透光性カバー1031が取り付けられた状態では、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aの下面が、保護カバー1026の後透光性カバー嵌合部1026dの上面に係合(当接)している。
後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aは、張出部分1026rの回動方向の先端部位(嵌合した状態で保護カバー1026の規制部分1026sに近い部位である。)の下面に、ベース部材1021側に凹入する凹み1031dを有している。保護カバー片1026A、1026Bの少なくとも1つの後透光性カバー嵌合部1026dは、後透光性カバー1031が保護カバー1026に取り付けられた状態において、保護カバー嵌合部1031aの凹み1031dに対応する部位に、上下方向に弾性変形可能な弾性片1026qを有している。なお、通常は、弾性片1026qは上方(ベース部材1021側である)へと張り出している。後透光性カバー1031が保護カバー1026に取り付けられた際に、保護カバー1026の弾性片1026qが、後透光性カバー1031の凹み1031dに係合する。これにより、後透光性カバー1031の保護カバー1026からの脱落が抑制される。
また、後透光性カバー1031を床面側から見たとき、保護カバー嵌合部1031aの内周縁形状は円弧状をしている。この円弧状の半径及び中心は、ドーム部1026nの外周縁の半径及び中心と略一致している。
この場合、保護カバー1026は、透光性カバー1003を滑らせて所定の位置に案内するカバーガイド部を有することになる。つまり、このカバーガイド部は、図示の実施形態では、具体的には、図51及び図42に示すように、保護カバー1026のうち、LED素子1025が発する光が出射する側の面の外周部側面に形成された略凸状曲面(ドーム部1026nの表面であって頂部より外周側に位置する面)から成っている。より具体的には、図51に示すように、保護カバー1026の外周部側面(表面)は、側面視したとき、下端(床面に最も近い部位)からベース部材1021の方向に向けて(上方に向けて)、先述したように円弧状をなして拡がっている(図42及び図51参照)。
実際の保護カバー1026は、床面側から見たとき、リング状(図50)であって、その下端部(ドーム部1026nの頂部である。)の直径は、保護カバー嵌合部1031aのある部分の後透光性カバー開口1031cの直径より小さくなっている。特に、保護カバー1026の下端部の直径は、保護カバー嵌合部1031aの内周縁の直径より小さい。したがって、保護カバー1026に後透光性カバー1031を取り付ける際は、図50及び図51に示すように、後透光性カバー開口1031cへ保護カバー1026の下端部が挿入されるように、後透光性カバー1031を保護カバー1026の下方から上方に向けて移動させればよい。このとき、保護カバー1026と後透光性カバー1031が水平方向に位置ずれしていても、一旦、後透光性カバー開口1031cに保護カバー1026の下端部が入っていれば、上記のように、保護カバー1026の外周部側面が略凸状曲面に形成されているため、その後は、後透光性カバー1031を上方に移動させれば、後透光性カバー開口1031cが、保護カバー1026の外周側面の円弧状曲面に沿って滑りながら水平方向にも移動する。最終的には水平方向は自己位置合わせ(セルフアライメント)的に、所定の正しい位置に合ってくる。換言すると、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aの内周縁をドーム部1026nの外周側表面に沿って移動させると、保護カバー嵌合部1031aの内周縁が、ドーム部1026nの外周縁に自然と案内される。この位置は、保護カバー嵌合部1031aが後透光性カバー嵌合部1026dに嵌合する際に、後透光性カバー1031を回動させる位置に相当する。
後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aが後透光性カバー嵌合部1026dに当接する位置に達した後は、後透光性カバー1031を回動させ、後透光性カバー嵌合部1026dと保護カバー嵌合部1031aを嵌合させれば、保護カバー1026への後透光性カバー1031の取り付け作業が完了する。
ここで、保護カバー1026の外周部側面が下に凸な曲面であることにより、この曲面に沿って後透光性カバー開口1031cを滑らせて移動させながら、後透光性カバー1031を自己位置合わせ的に保護カバー1026の嵌合位置に導く位置合わせ作業のアシスト機能を果たしている。このため、後透光性カバー1031を、LED照明装置本体1001に対して、当初から厳密に水平方向の位置を一致させる作業を要することなく、簡易に位置決めしながら適切に保護カバー1026に取り付けることができる。なお、保護カバー1026にカバーガイド部としての機能を持たせる場合、保護カバー1026のシボ加工による表面処理は内面(LED基板1024や点灯回路基板1023と対向する面)に施される。
また、後透光性カバー1031の保護カバー嵌合部1031aは、上端部の内周から径方向の内方に向けて張り出す。このため、保護カバー1026に後透光性カバー1031を取り付ける際に、ドーム部1026nに保護カバー嵌合部1031aが最初に当接することとなり、後透光性カバー1031は保護カバー1026の取り付ける位置へと確実に案内されることとなる。
本実施形態では、上記範囲以外にも表面処理されている。具体的には、LED素子1025の光出射方向から見たときに、回路部品が存在する領域と重なる部分である。
また、保護カバー1026は、相互に同一の2つの保護カバー片1026A、1026Bから構成されていることも前述したが、これらの2つの保護カバー連結部1026bの近傍(保護カバー連結部1026bの切欠かれた部分も含む。)もシボ加工が施されている。
上記のような保護カバー1026の内表面や保護カバー連結部1026bへのシボ加工により、回路部品1023a、1023bの影や保護カバー連結部1026b(連結部分である。)の影の発生を抑え、透光性カバー1003から出射する光を全面で均一化させることができる。なお、保護カバー1026の内表面や外表面において、シボ加工が施されていない部分は透明である。
実施形態では、保護カバー1026の上面開口の縁から、光出射方向からみたときに回路部品1023a、1023bと重なる領域であってLED基板1024に最も近い位置を結んだ線(この線を、「規定線」という。)線までの範囲で突起サイズ(高さ)を、上面開口の縁では大きく、他方、規定線付近では小サイズとなるように、突起サイズを傾斜的に変化させたシボ加工を施している。突起サイズの傾斜的変化には、上面開口縁で60μmとし、規定線付近では5μmとすることなどが挙げられる。
なお、LED基板1024最も近い位置を結んだ線は、例えば、光出射方向から見たときに、回路部品1023a、1023bと重なる領域であってベース部材21の中心(ベース部材開口部1021aの中心でもある。)に最も近い点を通り且つベース部材1021の中心を中心とする円により構成してもよい。
このような突起サイズに対する傾斜的シボ加工を、保護カバー1026の表面に施すことにより、床面に平行に近い浅い角度で出射するLED素子1025の照明光は、大きなサイズ突起により大きく拡散されるために、回路部品1023a、1023bの影が効果的に抑制される一方、床面と直交する方向に近い角度で出射するLED素子1025の照明光に対する拡散性は小さく、床面と直交する方向を明るく照射できるようになる。
また、保護カバー1026の外形を、上面が開口したリング状の半パイプ(断面が下に凸な円弧状)としたが、保護カバー開口部1026aの周辺は、内部のLED基板1024や点灯回路基板1023と干渉せず、照明光に強度むらを発生させないなど、照明装置の性能を劣化させない範囲で形状の変更は可能である。また、保護カバー1026の外周外面はリング状の全周が全て略曲面である必要はなく、照明光に強度むらを発生させない範囲で、部分的に傾斜面が含まれていればよい。
LED照明装置本体1001を構成する引掛保持部1010、ベース部材1021、点灯回路基板1023、LED基板1024、保護カバー1026の相互の位置関係について、図28と図29を参照しながら説明する。
まず、図29に示すように、引掛保持部1010がベース部材1021に嵌装されて固定される。また、ベース部材1021のベース部材開口部1021aの周囲には、6枚のLED基板1024が円環状に配設される。点灯回路基板1023が、LED基板1024の外周側の周囲に配設される。LED基板1024と点灯回路基板1023を覆うように、円環状の保護カバー1026が配設される。
透光性カバー1003は、ここでは、図28に示すように、後透光性カバー1031と前透光性カバー1032とを有する。つまり、後透光性カバー1031はLED照明装置本体1001に取り付けられ、前透光性カバー1032は後透光性カバー1031に取り付けられる。
LED照明装置本体1001に取り付けられる透光性カバー1003は、図27乃至図29、及び図43乃至図46に示すように、保護カバー1026と嵌合する後透光性カバー1031と、この後透光性カバー1031の下部の開口部に取り付けられて、LED照明装置本体1001を下方から覆う前透光性カバー1032との2つの部材からなる。両カバー1031、1032は、ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性合成樹脂を使用して製作される。
後透光性カバー1031は、高さの低い筒状をし、図50に示すように、上部開口部側に保護カバー嵌合部1031aを有し、下部開口部側に前カバー嵌合部1031bを有している。保護カバー嵌合部1031aは、保護カバー1026の後透光性カバー嵌合部1026dと嵌合する。前カバー嵌合部1031bは、前透光性カバー1032の後カバー嵌合部1032aと嵌合する。
前透光性カバー1032は、図45に示すように、ドーム形状をし、開口部側に後カバー嵌合部1032aを有している。後カバー嵌合部1032aは、後透光性カバー1031の前カバー嵌合部1031bと嵌合する。
後透光性カバー嵌合部1026dと保護カバー嵌合部1031aとは、複数個あり、互いに対応した位置に設けられ、後透光性カバー1031を保護カバー1026に対して回動させることで、両嵌合部1026d、1031aは嵌合する。前カバー嵌合部1031bと後カバー嵌合部1032aとは、複数個あり、互いに対応した位置に設けられ、前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に対して回動させることで、両嵌合部1031b、1032aは嵌合する。
LED照明装置本体1001に透光性カバー1003を取り付ける際は、まず、ベース部材1021に取り付けられた保護カバー1026に、円環形状の後透光性カバー1031を取り付け、次に、後透光性カバー1031の下部開口の内側に設けられた前カバー嵌合部1031bと、前透光性カバー1032の後カバー嵌合部1032aを嵌合させて、ドーム形状の前透光性カバー1032を後透光性カバー1031に取り付ける。
透光性カバー1003が、後透光性カバー1031と前透光性カバー1032の2つの部材に分かれていることにより、一体構造である場合より、それぞれが軽量のため、保護カバー1026への後透光性カバー1031の取り付け作業や、後透光性カバー1031への前透光性カバー1032の取り付け作業が、床面方向から天井面1005を見上げる視点での作業であっても、簡単に行うことができる。
なお、後透光性カバー1031を保護カバーに位置合わせして取り付ける作業手順の詳細と、その作業が簡単に行えることは、すでに説明ずみである。
また、透光性カバー1003は、連続した曲面形状にすることや、高密度となる光拡散面を形成するシボ加工を施したり、材料に拡散剤を含有させること等により、シーリングライト1100からの出射光を全面で均一にさせることができる。
更に、引掛刃保持部材1011及び透過窓1015を、絶縁性材料から形成しているため、引掛刃1012を、LED照明装置本体1001を通電状態の配線器具1007に接続しても、金属製部材などと電気的に短絡が生じる虞はなく、簡単かつ安心してLED照明装置本体1001の取り付けや取り外し作業を行うことができる。
拡散処理部は、光出射方向から見たときに、少なくとも、保護カバーと回路部品とが重なる部分に施されていればよく、他の部分にも拡散処理部が存在してもよい。
図53の(a)に示す例(実施形態と同じである。)では、保護カバー26の上面開口の縁F1から規定線D1までの範囲E1にシボ加工が施されている。規定線D1は、光出射方向からみたときに回路部品23a、23bと重なる領域であってLED基板24に最も近い位置を結んだ線である。
ここで、「A」は、LED素子25の光の主出射方向であり、「C1」は、LED素子25から出射された光の内、1/2ビーム角(図中の「B」であり、60度である。)の出射光が保護カバー26の内表面と交わる点群を結んで、直線近似(保護カバー26がリング状のため、実際には前記点群を結ぶと、リング上の円となる)して描ける線(以下、「1/2ビーム線」という。)である。本例では、規定線D1は、1/2ビーム線C1よりも保護カバー26の中心側に位置している。
この場合、突起サイズ(高さ)を、上面開口の縁F1では大サイズ、1/2ビーム線C1付近では小サイズとなるように、傾斜的に変化させ、1/2ビーム線C1から規定線D1までの領域で同じになる(小サイズである。)ようにしてよいし、上面開口の縁F1では大サイズ、規定線D1付近では小サイズとなるように傾斜的に変化させてもよい。
図53の(b)に示す例では、保護カバー526の上面開口の縁F2から規定線CD2までの範囲E2にシボ加工が施されている。本例では、1/2ビーム線C2と規定線D2とが一致している(このため「CD2」で表している。)。この場合、突起サイズ(高さ)を、上面開口の縁F2では大サイズ、規定線CD2付近では小サイズとなるように傾斜的に変化させればよい。
図53の(c)に示す例では、保護カバー726の上面開口の縁F3から、1/2ビーム線C3までの範囲E3にシボ加工が施されている。本例では、1/2ビーム線C3は、規定線D3よりも保護カバー726の中心側に位置している。この場合、突起サイズ(高さ)を、上面開口の縁F3では大サイズ、1/2ビーム線C3付近では小サイズとなるように、傾斜的に変化させればよい。
実施形態における拡散処理部は、上述の図53の(a)に示す保護カバー26の上面開口の縁F1と規定線D1までの領域S1に存在し、光出射方向から見たときに、図54の(a)に示すように、円環状をしている。
しかしながら、回路部品の影が透光性カバーに映るのを抑制するだけの観点からは、光出射方向から見たときに、回路部品の上方に拡散処理部が存在しておればよく、例えば、図54の(b)に示すように、回路部品に対応して複数(ここでは3つである。)の領域S11、S12、S13に存在してよい。
拡散処理部は、実施形態において、シボ加工を利用したが、他の方法。例えば、ブラスト加工、拡散膜塗布等を利用してもよい。
<変形例>
(1. 取付部材)
実施形態では、ベース部材21と引掛保持部(取付部材の一例に相当とする。)10、ベース部材1021と引掛保持部(取付部材の一例に相当する。)1010が一体に組み立てられていたが、ベース部材と取付部材とは別体で構成されてもよい。つまり、取付部材に従来のアダプタを利用してもよい。
(2. 点灯回路基板)
実施形態では、点灯回路基板23、1023は、光出射方向から見たときに、環状に配されたLED基板24、1024の外側に配されていたが、内側であってもよい。なお、上述したように、点灯回路基板は環状に配されたLED基板の外側に配された方が種々の効果が得られる。
規定線の基準となる回路部品は、LED素子側に位置にする部品である。例えば、実施形態のように、点灯回路基板23、1023がLED基板24、1024の外側に位置する場合は内側に位置する回路部品である。逆に、点灯回路基板がLED基板の内側に位置する場合は、外側に位置する回路部品が規定線の基準となる部品である。
(3. LED素子)
実施形態では、LED素子の1/2ビーム角について特に説明しなかったが、LED照明装置の機能に合わせて適宜設定できる。LED照明装置の1例であるシーリングライトでは、床面を広く照射させるため、1/2ビーム角は比較的広いものが利用される。
実施形態では、LED素子25は円環状に1列に配されている。しかしながら、複数列に配されてもよい。この場合、1/2ビーム角、1/2ビーム線の基準となるLED素子は、点灯回路基板が配されている側に位置する素子である。
(4. 連結部分の表面処理)
第2の実施形態では、連結部分の表面処理を各保護カバー1026の一方の保護カバー連結部1026bの内面(段差を含む。)に施されていたが、光出射方向から保護カバーを見たときに、連結部分に表面処理が施されていればよく、他の部分に表面処理が施されてもよい。
他の部分としては、保護カバー連結部おいて、LED基板と対向する側に位置する保護カバーの内面(LED基板と対向する側の面である)や、LED基板と対向しない側に位置する保護カバーの外面(LED基板と対向しない側の面である。)等がある。
10:引掛保持部
11:引掛刃保持部材
11a:回動部
11b:ロック開口部
11c:引掛刃固定溝
11d:引掛刃設置溝
11e:配線溝
11f:配線固定部
11g:ベース部材位置合わせ部
11h:ベース部材嵌装部
11j:つまみ部
11m:ロック部材配置部
11n:ベース部材固定溝
11o:保護カバー固定溝
11p:外筒
11r:内筒
11s:保護カバー位置ピン
12:引掛刃
12a:引掛部
12b:刃固定孔
12c:刃固定部
12d:刃端子固定部
12e:刃端子孔
13:ロック部材
13a:固定爪
13b:固定ベース部
13c:固定突部
13d:押部
13e:ロックベース部
13f:ベース突部
13g:ばね部
14:電力線
15:透過窓
21:ベース部材
21a:ベース部材開口部
21b:引掛刃保持嵌装部
21c:ベース外縁部
21d:LED基板保持部
21e:周方向リブ
21f:放射方向リブ
21g:引掛刃保持部位置合わせ部
21h:引掛刃保持部固定孔
21j:LED基板固定孔
21k:点灯回路基板固定孔
21m:保護カバー固定孔
21n:天井用ばね固定孔
211a:中央部側リブ
211b:周縁部側リブ
211c:保持面
22:天井用ばね
23:点灯回路基板
23a:回路部品
23b:回路部品
23c:コネクタ
23d:リード線
24:LED基板
24a:コネクタ
24b:リード線
25:LED素子
26:保護カバー
26a:保護カバー開口部
26b:保護カバー連結部
26c:保護カバー外縁部
26d:後透光性カバー嵌合部
26e:引掛固定孔
26f:ベース部材固定孔
26g:電力線配線溝
26h:引掛保持固定部
26j:引掛保持固定ガイド
26k:貫通孔
26m:切欠
3:透光性カバー
31:後透光性カバー
31a:保護カバー嵌合部
31b:前カバー嵌合部
31c:後カバー開口部
32:前透光性カバー
32a:後カバー嵌合部
5: 天井面
7:配線器具
100:シーリングライト
Claims (8)
- LED素子を搭載したLED基板と、
前記LED素子に点灯電力を供給する回路部品を実装した点灯回路基板と、
前記LED基板と前記点灯回路基板とを一主面に搭載する板状のベース部材と、
前記LED素子の光出射方向から前記LED基板と前記点灯回路基板とを覆う透光性カバーと、
前記LED基板と前記点灯回路基板とを前記透光性カバーの内側で覆い且つ透明性を有する保護カバーと
を備えたLED照明装置であって、
前記保護カバーは、前記LED素子の光出射方向から見たときに、環状をすると共に前記回路部品が存在する領域と重なる部分に拡散処理部を有する
ことを特徴とするLED照明装置。 - 前記LED基板は、前記LED素子の光出射方向から見たときに環状に配されており、
前記点灯回路基板は、環状に配された前記LED素子の外側に配されている
請求項1に記載のLED照明装置。 - 前記拡散処理部は、前記保護カバーにおける前記回路部品と対向する側の面に存在する
請求項2に記載のLED照明装置。 - 前記保護カバーは、複数の保護カバー片を、隣接する保護カバー片の端部同士を重ね合わせた連結部分を有する状態で、組み合わせてなり、
前記連結部分に、前記LED素子から出射された光を拡散させる拡散処理がなされている
請求項1〜3の何れか1項に記載のLED照明装置。 - 前記保護カバーの横断面形状は半円状をしている
請求項1〜4の何れか1項に記載のLED照明装置。 - 前記拡散処理部は、シボが形成されており、
シボの大きさは、前記LED素子の光出射方向から見たときに、前記LED素子から外側に離れるに従って、大きくなる
請求項1〜5の何れか1項に記載のLED照明装置。 - 前記LED基板と前記点灯回路基板は、中央部に開口を有するベース部材に配され、
被取付部材に取り付けられる取付部材が、被取付部材に取り付けられる前の状態において、前記ベース部材と一体化されている
請求項1〜6の何れか1項に記載のLED照明装置。 - 前記保護カバーは、前記ベース部材に取り付けられ、
前記保護カバーは、前記ベース部材に装着された状態において、前記保護カバーを境としたLED基板側の空間と前記透光性カバー側の空間とを連通状態にする連通部を有する
請求項7に記載のLED照明装置。
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