JP5817682B2 - カーテンエアバッグ取付クリップおよびカーテンエアバッグ取付装置 - Google Patents

カーテンエアバッグ取付クリップおよびカーテンエアバッグ取付装置 Download PDF

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Description

本発明は、カーテンエアバッグ展開初期における取付クリップの破断を抑制できるカーテンエアバッグ取付クリップ、およびそれを用いてカーテンエアバッグを車両のボデーに固定したカーテンエアバッグ取付装置に関する。これらは、取付クリップを主要部とし、その主要部で互いに同じ構造を有する。
カーテンエアバッグを、以下、「CSA」ともいう。CSAは、Curtain Shield Airbag の略である。
特許文献1は、従来のCSA取付クリップおよびそのクリップを用いたCSA取付装置を開示している。
従来のCSA取付クリップは、クリップ本体(ブッシュ)とピンとを有する。クリップ本体は、頭部と、クリップ本体中心軸線に沿って頭部から離れる方向に延びる脚部(軸部)とを有する。頭部はクリップ本体中心軸線と直交する方向に延びるほぼ長方形状の座部(フランジ部)を有し、座部は四隅に円弧で角落とししたコーナ部を有する。脚部は頭部への接続部に設定された湾曲部を有し、この湾曲部は頭部に近づくにつれてクリップ本体中心軸線から離れる側に湾曲している。
座部の外周縁部には、座部から脚部と反対側に立ち上がる周囲壁が設けられている。脚部湾曲部と反対側の座部面には、中央のボス部から周囲壁まで厚肉部(リブ)が放射状に延びている。この厚肉部は、長方形状座部の長手方向および長手直交方向に延びている他、座部の四隅の座部コーナ部と脚部湾曲部のコーナ部との間にも延びている。厚肉部以外の座部部分は厚肉部より薄い。厚肉部、および厚肉部以外の座部部分は、周囲壁より内側に位置する。
脚部には弾性係止爪が形成されている。クリップ本体の脚部が車両ボデーのクリップ取付孔に挿通され押し込まれた時には、係止爪の端部が車両ボデーのクリップ取付孔縁部に係合する。座部と車両ボデーとの間にはCSAのタブ部とスペーサとが位置する。
CSA展開初期には、CSAのタブ部から座部の四隅のコーナ部のうち座部のCSA側でインフレータ側のコーナ部にこのコーナ部を持ち上げる方向、すなわちクリップ抜き方向にCSAの展開荷重がかかる。
特開2008−020006号公報
しかし、従来のCSA取付クリップおよびそのCSA取付クリップを用いたCSA取付装置には、つぎの点で改善の余地がある。
CSA展開初期に、座部コーナ部のうちCSA側でかつインフレータ側の座部コーナ部に持ち上げ方向にCSA展開荷重がかかった時、この座部コーナ部から、クリップ本体中心軸線側にある脚部湾曲部に荷重と曲げモーメントがかかり、この脚部湾曲部に応力集中が生じる。この応力は曲げ引張応力である。
CSAの容量アップや展開時間の短縮等のためにCSAの展開圧を増大させたいという要求があった場合に、従来構造ではこの曲げ引張応力を許容値内に抑えることが難しい。許容値を越えると脚部湾曲部から割れが発生し、それを起点としてクリップが破断するおそれがある。
本発明の目的は、CSA展開初期における脚部湾曲部からの破断を抑制できるCSA取付クリップおよびそのCSA取付クリップを用いたCSA取付装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のCSA取付クリップおよびCSA取付装置はつぎのとおりである。
(1)本発明のCSA取付クリップは、クリップ本体を備える。クリップ本体は、頭部とクリップ本体中心軸線に沿って頭部から離れる方向に延びる脚部とを有している。
頭部はクリップ本体中心軸線と直交する方向に延びる座部を有し、座部は外周部にコーナ部を有している。座部は長方形状を有している。
脚部は頭部への接続部に設定された湾曲部を有する。湾曲部は頭部に近づくにつれてクリップ本体中心軸線から離れる側に湾曲している。
座部は薄肉部と厚肉部とを有している。薄肉部の少なくとも一部は座部コーナ部のうちカーテンエアバッグ展開荷重が入力される入力座部コーナ部と脚部との間の座部部分に設けられており、厚肉部は薄肉部以外の座部部分に設けられている。
頭部は、座部から脚部と反対側に立ち上がり座部の長方形状の長手方向に延びる一対の長手方向側壁を有している。
薄肉部と厚肉部は、一対の長手方向側壁間と反対側である、一対の長手方向側壁の外側に位置している。
(2)上記(1)のCSA取付クリップにおいて、長方形状の座部のコーナ部は、弧状に角落としされている
(3)上記(1)または上記(2)のCSA取付クリップにおいて、厚肉部は、入力座部コーナ部に位置し荷重を伝達する荷重伝達用厚肉部コーナ部と、荷重伝達用厚肉部コーナ部から座部の長手方向中央部まで長手方向側壁と平行に延び荷重を伝達する荷重伝達用側壁平行部と、荷重伝達用厚肉部コーナ部および荷重伝達用側壁平行部の座部長手方向中央側端部のそれぞれから長手方向側壁まで長手方向側壁と直交する方向に延び荷重を伝達する荷重伝達用側壁直交部と、を有している。
薄肉部は荷重伝達用厚肉部コーナ部と荷重伝達用側壁平行部と荷重伝達用側壁直交部と一
対の長手方向側壁のひとつによって囲まれている。
(4)上記(1)または上記(2)のCSA取付クリップにおいて、薄肉部は長方形状座部の四隅の各座部コーナ部と脚部との間の座部部分に設けられている。
厚肉部は、各座部コーナ部に位置する厚肉部コーナ部と、厚肉部コーナ部から座部の長手方向中央部まで長手方向側壁と平行に延びる厚肉部側壁平行部と、厚肉部コーナ部および厚肉部側壁平行部の座部長手方向中央側端部のそれぞれから長手方向側壁まで長手方向側壁と直交する方向に延びる厚肉部側壁直交部と、を有している。
薄肉部は厚肉部コーナ部と厚肉部側壁平行部と厚肉部側壁直交部と一対の長手方向側壁のひとつによって囲まれている。
(5)本発明のCSA取付装置は、上記(1)−(4)の何れか1つのCSA取付クリップを用いてCSAを車両のボデーに固定したものからなる。
上記(1)のCSA取付クリップによれば、つぎの作用、効果が得られる。
CSA展開初期には、CSA展開荷重が、CSA側でかつインフレータ側にある入力座部コーナ部に、クリップ抜き方向にかかる。CSA展開荷重の一部は、薄肉部を介して入力座部コーナ部から湾曲部に直接伝わり、湾曲部に曲げモーメントをかけ、湾曲部の表面に曲げ引張応力を生じさせる。CSA展開荷重の残りの部分は、厚肉部を介して長手方向側壁に伝わり、長手方向側壁に曲げモーメントをかけ、長手方向側壁の表面に曲げ圧縮応力を生じさせる。
入力座部コーナ部と脚部との間の座部部分が薄肉部とされ低剛性となっているので、入力座部コーナ部から薄肉部を介して湾曲部への荷重の伝達と曲げモーメントの生成が、薄肉部を設けない従来に比べて低減され、湾曲部の表面に生じる曲げ引張応力が低減される。これによって、湾曲部からの割れの発生が抑制される。
また、薄肉部が入力座部コーナ部と湾曲部との間に設定されているので、湾曲部への荷重の伝達と湾曲部にかかる曲げモーメントが低減され、湾曲部における応力集中を効果的に低減できる。
薄肉部を介して湾曲部へ伝わるCSA展開荷重とその曲げモーメントが低減する分、厚肉部を介して湾曲部以外の頭部部分に伝わるCSA展開荷重とその曲げモーメントは増えるが、湾曲部以外の頭部部分の表面に生じる曲げ応力は圧縮応力であるため、湾曲部以外の頭部部分の表面から割れが発生することはない。
また、厚肉部が一対の長手方向側壁の外側に位置しているので、入力座部コーナ部から厚肉部を介して長手方向側壁に伝わるCSA展開荷重によって厚肉部と長手方向側壁との交差部に生じる曲げ応力は圧縮応力となる。したがって、厚肉部と長手方向側壁との交差部の表面から割れが発生することが抑制される。
上記(2)のCSA取付クリップによれば、座部が弧状に角落とししたコーナ部をもつ
長方形状を有しているので、入力座部コーナ部は長方形状座部の四隅のコーナ部のうちCSA展開荷重がかかるコーナ部となる
上記(3)のCSA取付クリップによれば、薄肉部が荷重伝達用厚肉部コーナ部と荷重伝達用側壁平行部と荷重伝達用側壁直交部と一対の長手方向側壁によって囲まれているので、CSA展開荷重は薄肉部と厚肉部に分散され、薄肉部を介して湾曲部に伝わる荷重、モーメントが低減される。その結果、湾曲部からの割れの発生が抑制される。
また、厚肉部が、荷重伝達用厚肉部コーナ部と荷重伝達用側壁平行部と荷重伝達用側壁直交部とを有しているので、CSA展開荷重は厚肉部を介して長手方向側壁に伝わる。荷重伝達用側壁直交部と長手方向側壁との交差部に生成される曲げ応力は圧縮応力となるので、厚肉部と長手方向側壁との交差部の表面から割れが発生することが抑制される。
上記(4)のCSA取付クリップによれば、薄肉部と厚肉部が長方形状座部の四隅の各座部コーナ部に設けられているので、クリップ本体中心軸線まわりにCSA取付クリップの向きを変えても、何れか1つの座部コーナ部がCSA展開荷重を受けるコーナ部となる。したがって、CSAの取り付けに際しCSA取付クリップの向きが制限されることがなく、CSA取り付けは容易である。
上記(5)のCSA取付装置によれば、上記(1)−(4)の何れか1つのCSA取付クリップを用いてCSAを車両のボデーに固定したので、上記(1)−(4)の何れか1つのCSA取付クリップと同じ作用、効果が得られる。
本発明の一実施例に係るCSA取付クリップにおけるクリップ本体の斜視図である。 図1のCSA取付クリップの頭部拡大斜視図である。 図1のCSA取付クリップの平面図である。 図3のCSA取付クリップの4−4線に沿う断面図である。 ロックピンのピン係止爪がクリップ本体の仮保持係止孔に係止している状態における、本発明の実施例に係るCSA取付クリップの断面図である。 ロックピンのピン係止爪がクリップ本体の本保持係止孔に係止している状態における、図5のCSA取付クリップの断面図である。 CSA取付クリップの車両における配置図である。 本発明のCSA取付装置のフロントピラー部位における断面図である。
本発明の一実施例に係るCSA取付クリップ、およびそのCSA取付クリップを用いてCSAを車両のボデーに取り付けたCSA取付装置を、図1−図8を参照して説明する。図1−図6は本発明のCSA取付クリップの要部を示しており、図7、図8はそれを含む本発明のCSA取付クリップおよびCSA取付装置を示している。
図1−図8の一部の図において、Lは平面視で長方形状のCSA取付クリップの長手方向(クリップ長手方向ともいう)を示し、Pは長手方向と直交する方向(クリップ長手直交方向ともいう)を示す。また、図7において、FRは車両前方を示し、UPは車両上方を示し、図8において、INは車両左右方向の内側方向を示す。
〔CSA取付クリップの全体構造〕
図1に示すように、CSA取付クリップ1はクリップ本体10を備える。CSA取付クリップ1は、ロックピン50、スペーサ70を備えていてもよい。ただし、ロックピン50、スペーサ70はなくてもよい。以下では、CSA取付クリップ1がロックピン50、スペーサ70を有する場合を例にとって説明する。
クリップ本体10、ロックピン50、スペーサ70は、可撓性を有する樹脂材からなる。樹脂材は、たとえばポリアセタールまたはポリヘキサメチレンアジポアミドである。ただし、可撓性を有し必要な強度をもつ樹脂材であれば、それ以外の樹脂材であってもよい。
図1に示すように、クリップ本体10は、頭部12と、頭部12と結合しクリップ本体中心軸線10aに沿って頭部12から離れる方向に延びる脚部40と、を有する。
頭部12の、クリップ本体中心軸線10aと直交する面内における外形形状は、ほぼ長方形状である。この長方形状にはコーナ部を円弧で角落とししたほぼ長方形状を含む。脚部40の、クリップ本体中心軸線10aと直交する面内における外形形状も、ほぼ長方形状であることが望ましい。ただし、脚部40の外形形状は長方形状以外の形状、たとえば円形状、楕円形状などでもよい。
図8に示すように、CSA取付クリップ1によりCSA80をボデー90のクリップ取付孔90dに取り付けた状態では、クリップ本体中心軸線10aに沿って見たCSA取付クリップ1の平面視において、クリップの長方形状の長手方向LとCSA本体80aの延びる方向とは互いに平行である。
図1に示すように、クリップ本体10の頭部12は、クリップ本体中心軸線10aと直交する方向に延びる座部14と、クリップ本体中心軸線10a方向に座部14よりも脚部40と反対側に位置する狭幅部12aと、狭幅部12aと座部14とを連結する連結部12bとを有する。CSA取付クリップ長手方向と直交する方向Pにおいて、狭幅部12aの幅は座部14の幅より狭い。これによって、図8に示すようにCSA80の断面の外形をクリップ本体中心軸線10aに近づけることができ、Aピラーガーニッシュ98の幅を狭くすることができる。連結部12bの、CSA取付クリップ長手方向と直交する方向Pの幅は、狭幅部12aから座部14に近づくにつれて増大する。頭部12の平面視形状がコーナ部を円弧で角落としした長方形状の場合、座部14の平面視形状もコーナ部14cを円弧で角落としした長方形状である。
図1−図4に示すように、クリップ本体10は、中央部に、クリップ本体中心軸線10aに沿う方向に延びるロックピン挿入穴(中央穴ともいう)20を有する。ロックピン挿入穴20の中心軸線は、クリップ本体中心軸線10aと一致する。ロックピン挿入穴20は、ロックピン挿入穴20の中心軸線に沿う方向に脚部40と反対側に開口している。
ロックピン挿入穴20は、頭部12の上端から脚部40の下端部近傍に形成された底壁まで延びている。
頭部12は、ロックピン挿入穴20のクリップ長手直交方向Pの両側でクリップ長手方向Lに延びる一対の長手方向側壁22Lと、ロックピン挿入穴20のクリップ長手方向Lの両側でクリップ長手直交方向Pに延びる少なくとも一対、図示例では二対、の直交側壁(以下、単に側壁ともいう)22Pと、を有する。側壁22L、22Pは、脚部40と反対側で、座部14から立ち上がる。ロックピン挿入穴20は、周囲を一対の側壁22Lと一対の側壁、二対ある場合は内側の側壁、22Pによって囲まれている。
一対の側壁22Lの内面間の間隔および一対の側壁22Pの内面間の間隔は、指が入らないかまたは入り難いように設定されており、ロックピン50が仮保持位置にある時に、奥に誤挿入され難いようになっている。一対の側壁22Lの外面間の間隔は、座部14のクリップ長手直交方向Pの幅より狭い。
ロックピン50が仮保持位置P1にある時には、ロックピン50の全体がロックピン挿入穴20内に位置する。この状態では、ロックピン50のピン頭部52の頂面は、クリップ本体10の頭部12の、脚部40から遠い側の先端から脚部40と反対側に突出しない。これによっても、ロックピン50の誤挿入が抑制される。
図5、図6に示すように、脚部40は、頭部12への接続部に脚部40の全周にわたって形成された湾曲部42を有する。湾曲部42は頭部12に近づくにつれてクリップ本体中心軸線10aから離れる側に弧状に湾曲している。図3で42oは湾曲部42の外周部を示し、42iは湾曲部42の内周部を示す。頭部12の座部14および脚部40の平面視形状がコーナ部を円弧で角落としした長方形状の場合、湾曲部42の平面視形状も、コーナ部42cを円弧で角落としした長方形状を有する。
ロックピン挿入穴20内には、座部14と脚部40の内側に中央リブ48が設けられている。中央リブ48は、座部14の上面とほぼ同じ高さ位置から脚部40の下端部近傍にある底壁まで延び、クリップ長手方向Lの両端で座部14と脚部40に結合する。CSA展開時にはCSA80から座部14に引き抜き方向に引張力F(図4)がかかり、座部14から脚部40と中央リブ48に引き抜き方向の引張力が伝わる。
クリップ本体10の脚部40の側壁には、開口46が設けられている。この開口46には脚部側壁と直交方向に弾性変位可能な係止爪44が設けられている。係止爪44は、頭部12から離れた側の端部(係止爪根元部)で脚部40の側壁に結合されている。
係止爪44の幅方向側面および上面からなる爪側面44aは、爪側面44aに対向する脚部側面40aから、開口46により形成される逆U字状のスリット状空間46によって隔てられている。
係止爪44は、係止爪44の厚み方向に、脚部40の中央リブ48から隔てられている。係止爪44のクリップ本体中心軸線10aに対向する内面からなる爪側面44aは、中央リブ48の表面からなる脚部側面40aから空間46によって隔てられている。
係止爪44が空間46によって脚部40と中央リブ48から隔たっていることにより、係止爪44は、脚部40の側壁との結合部まわりに、クリップ本体中心軸線10aと直交する方向に弾性変形可能である。
図5、図6に示すように、係止爪44の厚み方向外面44dは、クリップ本体中心軸線10aから離れる方向に膨出しており、係止爪44の自由状態で、クリップ本体中心軸線10aと直交する方向に脚部40の係止爪44以外の部分の外面40bより突出している。
係止爪44は、根元部側から頭部12側にかつクリップ本体中心軸線10aから離れる方向に斜めに延びる面44dと、面44dの頭部12側の端部から頭部12側にかつクリップ本体中心軸線10a側に斜めに延びる面44eと、面44eの途中で折れ曲がってクリップ本体中心軸線10a側に係止爪44の内面44aまでクリップ本体中心軸線10aとほぼ直交する方向に延びる面44fを有する。
係止爪44の内面44aと中央リブ48との間の空間46にロックピン50の脚部54が挿入されていない時には係止爪44はクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位可能であり、ロックピン50が挿入された時には係止爪44はクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位不能である。この空間46にロックピン50が挿入されていない状態で、クリップ本体10が車両ボデー90のクリップ取付孔90dに押し込まれる。係止爪44がクリップ取付孔90dを通過する時には係止爪44がクリップ本体中心軸線10a側に後退し、通過した時に係止爪44が弾性で元の位置に復帰し、クリップ取付孔90dの周縁部に抜け外れ不能に係合する。この状態で空間46にロックピン50を挿入すると、係止爪44がクリップ本体中心軸線10a側に後退不能となり、クリップ本体10は車両のボデー90にロックされる。
クリップ本体中心軸線10aと直交する方向に見た正面視における係止爪44の幅方向中央部位には、係止爪44の外面44dから頭部12側にかつクリップ本体中心軸線10a側に傾斜して延びる溝底面をもつ溝44bが形成されている。
溝44bは係止爪44の外面44dから内面44aまでにわたって形成されている。図5、図6において、ロックピン挿入穴20を構成する壁内面は、座部14と座部14よりロックピン挿入穴開放端側にあってクリップ本体中心軸線10aに平行に延びる部分20aと、部分20aのロックピン挿入穴開放端と反対側端からロックピン挿入穴開放端と反対側にかつクリップ本体中心軸線10a側に斜めに延びる部分20bと、部分20bのロックピン挿入穴開放端と反対側端からロックピン挿入穴開放端と反対側に係止爪44直上のスリット状の空間46までクリップ本体中心軸線10aに平行に延びる部分20cと、係止爪44の内面44aと、を含む。
係止爪44の内面44aは、ロックピン挿入穴20を構成する壁内面のうち係止爪44よりもロックピン挿入穴開放端側にある部分20a、20b、20cよりもクリップ本体中心軸線10a側にある。したがって、ロックピン50がクリップ本体10から取り外された状態では、溝44bのクリップ本体中心軸線10a側の端部44cは、ロックピン挿入穴20のうち係止爪44よりもロックピン挿入穴開放端側にある部分を通して、頭部12側に、すなわち、ロックピン挿入穴開放端側に開放している。
これによって、クリップ本体10を車両のボデー90から取り外す時に、クリップ本体抜去用治具をロックピン挿入穴20にロックピン挿入穴開放端側から挿入し、溝44bの端部44cを治具の先端部の傾斜面で押して係止爪44をクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位させることが可能となっている。
本体係止爪44の内面44aと中央リブ48との間の間隔は、係止爪44を治具4によってクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位させた時に、係止爪44の外面44dを脚部40の係止爪44以外の部分の外面40bかそれよりクリップ本体中心軸線10a側に位置させる間隔に設定されている。これによって、係止爪44が治具によってクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位された状態で、係止爪44が車両ボデー90のクリップ取付孔90dを通過でき、治具を引くことにより、そのまま、クリップ本体10を車両ボデー90から抜去できるようになっている。
〔ロックピン〕
図5、図6に示すように、ロックピン50はロックピン中心軸線50aを有する。中心軸線は軸芯ともいう。ロックピン50はロックピン中心軸線50aをクリップ本体中心軸線10aに一致させてロックピン挿入穴20の開口からロックピン挿入穴20に挿入される。
図5に示すように、ロックピン50がロックピン挿入穴20への挿入の途中にある仮保持位置P1にある時に、ロックピン50はクリップ本体10に仮保持される。
図6に示すように、ロックピン50がロックピン挿入穴20に奥まで挿入された本保持位置P2にある時に、ロックピン50はクリップ本体10に本保持される。
ロックピン50は、ピン頭部52と、ピン脚部54と、ピン可撓部58と、ピン係止爪56と、延設部64とを有する。
ロックピン中心軸線50aに沿って見た平面視でのピン頭部52の外形形状は、ほぼ長方形状である。CSA取付クリップ1にてCSA80を車両ボデー90に取り付け、ロックピン50をクリップ本体10に仮保持または本保持した状態では、ロックピン50の長方形状の長手方向とCSA本体80aの延びる方向とは互いに平行である。
ピン脚部54は、ピン頭部52からロックピン中心軸線50aに平行にクリップ本体10への挿入方向に延びる。脚部40に係止爪44が2つ設けられる場合は、ピン脚部54は長方形状のピン頭部52の2つの長辺に1本づつ、合計2本設けられる。脚部40に係止爪44が4つ設けられる場合は、ピン脚部54は長方形状のピン頭部52の各辺に1本づつ、合計4本設けられる。図示例は係止爪42が2つ設けられ、ピン脚部54が2本、互いに対向させて設けられた場合を示している。複数のピン脚部54は互いに分離しており、ピン頭部52のみに結合している。
ピン可撓部58は、ロックピン軸方向にピン頭部52から離れた位置にある結合部66でピン脚部54と結合している。
ピン可撓部58は、ピン脚部54との結合部66からピン頭部52側に延びている。ピン可撓部58の結合部66と反対側の端部から、延設部64がロックピン軸方向にピン頭部52のピン脚部54と反対側の端面と同じロックピン軸方向位置まで延びている。
ピン可撓部58は、ピン可撓部58の正面視におけるピン可撓部58の両側で、スリットによりピン脚部54およびピン頭部52から離れている。ピン可撓部58は、結合部66まわりにロックピン軸方向と直交する方向に弾性変形可能である。結合部66のピン可撓部58側での厚み方向中心は、ピン可撓部58の揺動弾性変形の変形支点66aを構成する。ピン可撓部58が変形支点66aまわりに揺動弾性変形することにより、ピン係止爪56がロックピン中心軸線50aと直交する方向に弾性変位可能である。
ピン係止爪56は、爪先端部60と、爪先端部60とピン可撓部58の外面58aとを連結する連結部62とを有している。
図5、図6に示すように、クリップ本体10の頭部12の一対の側壁22Lには、側壁22Lの長手方向中央部に、長手方向中央部を貫通する仮保持係止孔26と、その奥側に本保持係止孔28が設けられている。仮保持係止孔26、本保持係止孔28は、クリップ本体10の頭部12の先端部側から座部14側に向かって順に設けられており、クリップ本体軸方向に、互いに間隔をおいて設けられている。
ピン係止爪56はピン脚部54の外面より外側に突出している。ロックピン50をロックピン挿入穴20に挿入する時には、ピン係止爪56は一対の側壁22Lによって押されてロックピン中心軸線50a側に弾性変位し後退する。ピン係止爪56が仮保持係止孔26の位置に来た時には、ピン可撓部58の弾性によりピン係止爪56が元位置に復帰して、ピン係止爪56が仮保持係止孔26に突入する。
ロックピン50が仮保持位置P1にある時には、ピン脚部54の下端は係止爪44の上端位置より上方にある。これによって、クリップ本体10の脚部40をボデー90のクリップ取付孔90dに挿入する時に係止爪44はクリップ本体中心軸線10a側に後退可能である。
ロックピン50が仮保持位置P1にある時に、図8に示すように、クリップ本体10の脚部40がCSAタブ80bの貫通孔80c、スペーサ70の脚部挿通孔72に挿通され、さらに車両ボデー90のクリップ取付孔90dに挿通されることにより、CSA80が車両ボデー90にCSA取付クリップ1によって取り付けられる。この時には、ロックピン50はまだ仮保持位置P1にある。
図6に示すように、爪先端部60は、ピン可撓部58の揺動弾性変形の変形支点66aを通りロックピン中心軸線50aと平行な線50bからロックピン中心軸線50aと反対側にオフセットされている。これによって、仮保持位置P1にあるロックピン50を押し込む時に、仮保持係止孔26の縁部下面から上方への力が働き、ピン可撓部58が変形支点66aまわりに内側方向に変形し、爪先端部60が容易に仮保持係止孔26から外れて円滑に奥へと移動できる。
CSA80の車両ボデー90への取付完了後、ロックピン50が図示略の工具で押されてロックピン挿入孔20の奥へと移動される。
ロックピン50がロックピン挿入穴20の奥側に押されて、ピン係止爪56が本保持係止孔28位置に来た時に、ピン可撓部58が弾性復帰してピン係止爪56が本保持係止孔28に突入することにより、ロックピン50が本保持位置P2に保持される。
図6に示すように、ロックピン50が本保持位置P2にある時には、ロックピン50のピン脚部54の下端部はクリップ本体10の係止爪44の上端位置より下方にあり、ピン脚部54が係止爪44と中央リブ48との間に位置する。これによって、クリップ本体10の係止爪44がクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位して後退することが不可能になり、クリップ本体10はボデー90から抜け外れ不能になり、ボデー90にロックされる。
延設部64は、ピン可撓部58のピン頭部側端部からロックピン軸方向にピン頭部52側に延びている。延設部64の先端面は、ロックピン頭部52の先端面と同じロックピン軸方向位置まで延びている。
延設部64は、ロックピン中心軸線50aの両側に設けられており、一対設けられる。一対の延設部64は、ロックピン抜去時に工具により一対の延設部64の外面から挟まれる。
一対の延設部64が工具により挟まれて爪先端部60が本保持係止孔28または仮保持係止孔26から外れた状態では、爪先端部60の外側端はロックピン挿入穴20の内面20aよりクリップ本体中心軸線10a側にある。したがって、工具で一対の延設部64を挟んだままロックピン50を引き抜くと、爪先端部60がロックピン挿入穴20の内面20aと干渉することなく、ロックピン50を抜去することができる。
〔スペーサ〕
スペーサ70は、図5、図6に示すように、クリップ本体中心軸線10aに沿って見た平面視で長方形状を有し、この長方形状の長手方向中央部に脚部嵌合孔72を有し、この脚部嵌合孔72にて脚部40と嵌合する。スペーサ70は、脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向両端よりも脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向中心寄りのスペーサ部位からスペーサ70の長手方向両端にわたって形成された弾性変形部76を有している。弾性変形部76は、クリップ本体軸方向に弾性変形可能である。
スペーサ70がクリップ本体10に脚部40と嵌合した状態において、スペーサ70の弾性変形部76は、スペーサ70の長手方向両端に近づくにつれて頭部12からクリップ本体軸方向に離れる側に湾曲しているか、または、傾斜して直線状に延びている。
弾性変形部76をスペーサ長手方向に沿って形成した場合を例にとって示したが、これに限定されない。たとえば、弾性変形部76をスペーサ長手方向と直交する方向に沿って形成してもよい。
〔CSA展開初期における脚部の湾曲部からの割れ発生抑制構造〕
座部14は平面視において複数の座部コーナ部(単にコーナ部ともいう)14cを有する。複数のコーナ部14cのうち座部14のCSA80側でかつインフレータ(図示せず)側のコーナ部14cには、CSA展開初期にCSA展開荷重F(図4)がかかる。CSA展開荷重Fが入力されるコーナ部14cの符号を、以下、14ciとする。CSA展開荷重Fはこのコーナ部14ciを持ち上げる方向、すなわちクリップ抜き方向にかかる。CSA展開荷重Fの一部は座部14を介して湾曲部42に伝わり、湾曲部42に曲げモーメントを発生し、湾曲部42の表面に曲げ引張応力を発生する。従来、座部は一定厚でその下面に接続する湾曲部42はこの応力に耐えるように設計されている。CSA展開圧力を増大させたいという要求がある場合、湾曲部42はその増大された展開圧力によって湾曲部42に生じる曲げ引張応力に耐えなければならない。本発明は、そのための取付クリップ構造を提供する。
図1−図4に示すように、CSA展開初期における脚部40の湾曲部42からの割れとそれを起点とする破断を抑制するために、座部14は、薄肉部16と、この薄肉部16より相対的に厚い厚肉部18とを有している。薄肉部16は従来の一定厚の座部の厚さよりは薄いことが望ましい。厚肉部18は、薄肉部16に対してリブ状に盛り上がっており、リブと呼んでもよい。薄肉部16は、座部コーナ部14cのうちCSA展開荷重Fが入力される入力座部コーナ部14ciと脚部40との間の座部部分に設けられている。厚肉部18は、薄肉部16以外の座部部分に設けられている。
座部14の平面視形状が長方形状である場合、座部14は四隅に弧状に角落としした座部コーナ部(単にコーナ部ともいう)14cを有する。また、脚部湾曲部42は、図3、図4において、湾曲部の外周部42oと湾曲部の内周部42iとの間の部分である。座部14の平面視形状が長方形状である場合、脚部湾曲部42も、四隅に弧状に角落としした湾曲部コーナ部42cを有することが望ましい。
薄肉部16と厚肉部18は、座部14から立ち上がり長方形状座部14の長手方向に延びる、一対の長手方向側壁22L間と反対側である、一対の長手方向側壁22Lの外側に位置している。
一対の長手方向側壁22Lと長手直交方向側壁22Pとで囲まれた部分は、肉盗み部である。この肉盗み部は、薄肉部16には含まれない。肉盗み部の厚さは薄肉部16の厚さより厚くてもよい。
座部コーナ部14cのうちCSA展開荷重Fが入力される入力座部コーナ部14ciに対して、厚肉部18はつぎの構造をとってもよい。
すなわち、図2に示すように、厚肉部18は、入力座部コーナ部14ciに位置し入力座部コーナ部14ciに入力されるCSA展開荷重を伝達する荷重伝達用厚肉部コーナ部18ciと、荷重伝達用厚肉部コーナ部18ciから座部14の長手方向中央部(本保持係止孔28の型抜き溝の手前)まで長手方向側壁22Lと平行に延びCSA展開荷重を伝達する荷重伝達用側壁平行部18piと、荷重伝達用厚肉部コーナ部14ciおよび荷重伝達用側壁平行部18piの座部長手方向中央側端部のそれぞれから長手方向側壁22Lまで長手方向側壁22Lと直交する方向に延びCSA展開荷重を長手方向側壁22Lに伝達する荷重伝達用側壁直交部18riと、を有している。
荷重伝達用側壁直交部18riは、長手方向側壁22Lの近傍において、長手方向側壁22Lに近づくにつれて、クリップ本体中心軸線10aと平行な方向の厚さが増大され、長手方向側壁22Lに滑らかに交差していることが望ましい。
薄肉部16は、荷重伝達用厚肉部コーナ部18ciと荷重伝達用側壁平行部18piと荷重伝達用側壁直交部18riと一対の長手方向側壁22Lのひとつによって囲まれている。
図2に荷重伝達ルートRを示すように、入力座部コーナ部14ciに入力されるCSA展開荷重のうち厚肉部18を介して長手方向側壁22Lに伝達される荷重は、入力座部コーナ部14ciから荷重伝達用厚肉部コーナ部18ciに伝わる。荷重伝達用厚肉部コーナ部18ciに伝わった荷重は、一部が荷重伝達用側壁直交部18riを介して一対の長手方向側壁22Lの一方に伝わり、残りが荷重伝達用側壁平行部18piを介して長手方向中央部にある荷重伝達用側壁直交部18riに伝わり、ついで一対の長手方向側壁22Lの一方に伝わる。一対の長手方向側壁22Lの一方に伝わったCSA展開荷重は、長手直交側壁22Pを介して一対の長手方向側壁22Lの他方にも伝わり、一対の長手方向側壁22Lにより受け持たれる。
上記の厚肉部18の構造は、座部コーナ部14cのうちCSA展開荷重Fが入力される入力座部コーナ部14ci以外の座部コーナ部14cの厚肉部18に対して適用されてもよい。
その場合は、薄肉部16は長方形状座部14の四隅の各座部コーナ部14cと脚部40との間の座部部分に設けられている。
厚肉部18は、各座部コーナ部14cに位置する厚肉部コーナ部18cと、厚肉部コーナ部18cから座部14の長手方向中央部まで長手方向側壁22Lと平行に延びる厚肉部側壁平行部18pと、厚肉部コーナ部18cおよび厚肉部側壁平行部18pの座部長手方向中央側端部のそれぞれから長手方向側壁22Lまで長手方向側壁22Lと直交する方向に延びる厚肉部側壁直交部18rと、を有している。
側壁直交部18rは、長手方向側壁22Lの近傍において、長手方向側壁22Lに近づくにつれて、クリップ本体中心軸線10aと平行な方向の厚さが増大され、長手方向側壁22Lに滑らかに交差していることが望ましい。
薄肉部16は、厚肉部コーナ部18cと厚肉部側壁平行部18pと厚肉部側壁直交部18rと一対の長手方向側壁22Lのひとつによって囲まれている。
〔CSA取付装置〕
CSA取付装置2は、CSA取付クリップ1を用いてCSA80を車両のボデー90に固定する装置である。
図7、図8に示すように、CSA取付装置2は、CSA80と、CSA80をタブ80b部位にて車両のボデー90に取り付けるCSA取付クリップ1と、を備える。CSA取付クリップ1は上記のCSA取付クリップと同じである。
CSA80が取り付けられる車両のボデー90は、たとえば、フロントピラー(以下、Aピラーともいう)である。ただし、Aピラーに限るものではなく、サイドレールであってもよい。
図8は、CSA80が取り付けられるボデー90がAピラーである場合を例にとって示している。ボデー90は、インナーパネル90a、アウターパネル90b、リインホースメント90cを含み、金属製、たとえば鋼製である。
また、図8は、車両のフロントシールドガラス92、ウエザーストリップ94、96、Aピラーガーニッシュ98も示している。
CSA80は、CSA長手方向に沿って延びる本体部80aと、本体部80aの長手方向に複数箇所において本体部80aからCSA取付クリップ1側に延びる舌片状のタブ80bと、を有する。CSA80は、布製で、ロール折りまたは蛇腹折りで折り畳まれた状態にてAピラーガーニッシュ98とインナーパネル90aとの間の空間に収納される。CSA80の本体部80aの断面の外形形状は、ロール折りの場合は図8に示すようにほぼ円形であり、蛇腹折りの場合はほぼ矩形状である。CSA本体部80aは、CSA取付クリップ1の、フロントシールドガラス92と反対側(車両後方側)に位置する。
CSA80は、車両衝突時に図示略のインフレータから膨張用ガスが供給されて展開し、この展開圧力でAピラーガーニッシュ98をインナーパネル90aから離れる方向に押す。CSA80は、Aピラーガーニッシュ98とインナーパネル90aとの間に形成された間隙から車室内に、かつ乗員とサイドドアとの間に展開して、乗員をサイドドア側から拘束する。図7、図8で、98’はAピラーガーニッシュ98が押し広げられた状態の一部を示し、80’はCSA80の展開状態の一部を示す。
つぎに、CSA取付クリップ1およびCSA取付装置2の作用、効果を説明する。
〔CSA取付クリップの作用、効果〕
CSA取付クリップ1を用いてCSA80を車両のボデー90に取り付ける前においては、ロックピン50が仮保持位置P1でクリップ本体10に取り付けられている状態で、CSA取付クリップ1が搬送され、取り扱われる。
ロックピン50が仮保持位置P1にある時には、ロックピン50がクリップ本体10から突出していないし、側壁22L、22Pで囲まれている。その結果、ロックピン50が仮保持位置P1から本保持位置P2に誤挿入されることが抑制され、固定具1の車両のボデー90への装着不能が生じ難い。
CSA80を車両のボデー90に取り付ける際には、脚部40をボデー90の固定具取付孔90dに押し込む。この時にはロックピン50は仮保持位置P1にある。
ついで、ロックピン50を図5の仮保持位置P1から図6の本保持位置P2に押し込む。係止爪44はクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位することができなくなり、CSA取付クリップ1が固定具取付孔90d部位から抜け外れ不能にボデー90にロックされる。
メンテナンス時など、CSA取付クリップ1をボデー90から外す必要が生じた時には、まずロックピン50をクリップ本体10から取り外し、ついでクリップ本体10をボデー90から取り外す。
ロックピン50をクリップ本体10から取り外す時には、工具、たとえばラジオペンチをロックピン挿入穴20に挿入し、一対の延設部64を工具で挟んで延設部64とピン係止爪56をピン中心軸線50a側に変位させ、ピン係止爪56を仮保持係止孔26または本保持係止孔28から外す。ついで、一対の延設部64を工具で挟んだまま工具をロックピン50を引くことによりロックピン50をクリップ本体10から抜去することができる。そのため、ロックピン50のクリップ本体10からの抜去は容易である。
クリップ本体10を車両ボデー90から取り外す時は、クリップ本体抜去用治具(図示略)を用いる。溝44bのクリップ本体中心軸線10a側の端部44cがロックピン挿入穴20を通して本体頭部12側に開放しているので、ロックピン挿入穴20を通して治具を挿入し治具で溝44bの底面を押すことができる。治具で溝44bの底面をクリップ本体の軸方向に押すだけで本体係止爪44をクリップ本体中心軸線10a側に変位させ本体係止爪44とボデー90との係合を外すことができる。その状態で治具を引くことによりクリップ本体10を車両ボデー90から抜去する。
〔CSA展開初期における脚部の湾曲部からの割れ発生抑制作用、効果〕
CSA展開初期には、CSA展開荷重Fが、CSA側でかつインフレータ側にある入力座部コーナ部14ciに、クリップ抜き方向にかかる。CSA展開荷重Fの一部は、薄肉部16を介して入力座部コーナ部14ciから湾曲部42に直接伝わり、湾曲部42に荷重F×(入力座部コーナ部14ciと湾曲部42との間の距離)の曲げモーメントをかけ、湾曲部の表面に曲げ引張応力を生じさせる。CSA展開荷重Fの残りの部分は、厚肉部18を介して長手方向側壁22Lに伝わり、長手方向側壁22Lに曲げモーメントをかけ、厚肉部18と長手方向側壁22Lとの交差部の表面に曲げ圧縮応力を生じさせる。
入力座部コーナ部14ciと脚部40との間の座部部分が薄肉部16とされ低剛性となっているので、入力座部コーナ部14ciから薄肉部16を介して湾曲部42へのCSA展開荷重Fの伝達と湾曲部42での曲げモーメントの生成が、薄肉部を設けず厚肉部のままの従来に比べて低減される。その結果、湾曲部42の表面に生じる曲げ引張応力が低減される。これによって、湾曲部42からの割れの発生と、それを起点とする脚部40の座部下面とほぼ平行な破断が抑制される。
薄肉部16を介して湾曲部42へ伝わるCSA展開荷重とその曲げモーメントが低減する分、厚肉部18を介して湾曲部以外の頭部部分、たとえば厚肉部18と長手方向側壁22Lとの交差部に伝わるCSA展開荷重とその曲げモーメントは増えるが、厚肉部18と長手方向側壁22Lとの交差部の表面に生じる曲げ応力は圧縮応力であるため、湾曲部以外の頭部部分の表面から割れが発生することはない。
座部14が弧状に角落とししたコーナ部14cをもつ長方形状を有している場合、入力座部コーナ部14ciは、長方形状座部14の四隅のコーナ部14cのうちCSA側でかつインフレータ側にある1つの座部コーナ部である。
この入力座部コーナ部14ciと湾曲部42との間には薄肉部16が設定されているので、湾曲部42における応力集中は低減される。
また、厚肉部18が一対の長手方向側壁22Lの外側に位置しているので、入力座部コーナ部14ciから厚肉部18を介して長手方向側壁22Lに伝わるCSA展開荷重によって厚肉部18と長手方向側壁22Lの交差部に生成される曲げ応力は圧縮応力となる。そのため、厚肉部18と長手方向側壁22Lの交差部の表面から割れが発生することが抑制される。
薄肉部16が荷重伝達用厚肉部コーナ部18ciと荷重伝達用側壁平行部18piと荷重伝達用側壁直交部18riと一対の長手方向側壁22Lのひとつとによって囲まれてい
るので、CSA展開荷重Fは薄肉部16を通るルートと厚肉部を通るルートRに分散される。
CSA展開荷重Fのうち薄肉部16を介して湾曲部42に伝わる荷重分は、湾曲部42が座部下面に結合しているため、湾曲部42の表面に曲げ引張応力を生成するが、薄肉部16によって荷重、モーメントが低減されるため、湾曲部42からの割れの発生が抑制される。
CSA展開荷重Fのうち厚肉部18を通って長手方向側壁22Lに伝わる荷重分は、荷重伝達用厚肉部コーナ部18ciと荷重伝達用側壁平行部18piと荷重伝達用側壁直交部18riが座部14の上面に形成されているため、荷重伝達用側壁直交部と長手方向側壁との交差部に曲げ圧縮応力を生成する。そのため、厚肉部18と長手方向側壁22Lとの交差部の表面から割れが発生することが抑制される。
薄肉部16と厚肉部18が長方形状座部の四隅の各座部コーナ部14cに対して設けられているので、クリップ本体中心軸線10aまわりにCSA取付クリップ1の向きを変えても、CSA側かつインフレータ側にくる座部コーナ部14cが自動的にCSA展開荷重を受ける入力座部コーナ部14ciとなる。したがって、CSAの取り付けに際しCSA取付クリップ1の向きに注意を払う必要がない。これによって、CSA取り付け作業が単純化される。
〔CSA取付装置の作用、効果〕
CSA取付装置2では、CSA取付クリップ1を用いてCSA80を車両のボデー90に固定したので、CSA取付クリップ1と同じ作用、効果が得られる。
1 CSA取付クリップ
2 CSA取付装置
10 クリップ本体
10a クリップ本体中心軸線
12 頭部
12a 狭幅部
12b 連結部
14 座部
14c 座部コーナ部
14ci 入力座部コーナ部
16 薄肉部
18 厚肉部
18c 厚肉部コーナ部
18ci 荷重伝達用厚肉部コーナ部
18p 厚肉部側壁平行部
18pi 荷重伝達用側壁平行部
18r 厚肉部側壁直交部
18ri 荷重伝達用側壁直交部
22L 一対の長手方向側壁
40 脚部
42 湾曲部
42c 湾曲部のコーナ部
42o 湾曲部の外周部
42i 湾曲部の内周部
80 CSA
90 ボデー
R 荷重伝達ルート

Claims (5)

  1. クリップ本体を備え、該クリップ本体は頭部とクリップ本体中心軸線に沿って前記頭部から離れる方向に延びる脚部とを有しており、
    前記頭部はクリップ本体中心軸線と直交する方向に延びる座部を有し、該座部は外周部にコーナ部を有しており、該座部は長方形状を有しており、
    前記脚部は前記頭部への接続部に設定された湾曲部を有し、該湾曲部は前記頭部に近づくにつれてクリップ本体中心軸線から離れる側に湾曲している、カーテンエアバッグ取付クリップであって、
    前記座部は薄肉部と厚肉部とを有しており、前記薄肉部の少なくとも一部は座部コーナ部のうちカーテンエアバッグ展開荷重が入力される入力座部コーナ部と前記脚部との間の座部部分に設けられており、前記厚肉部は前記薄肉部以外の座部部分に設けられており、
    前記頭部は、前記座部から前記脚部と反対側に立ち上がり前記座部の長方形状の長手方向に延びる一対の長手方向側壁を有しており、
    前記薄肉部と前記厚肉部は、一対の長手方向側壁間と反対側である、前記一対の長手方向側壁の外側に位置している、カーテンエアバッグ取付クリップ。
  2. 前記長方形状の座部のコーナ部は、弧状に角落としされている、請求項1記載のカーテンエアバッグ取付クリップ。
  3. 前記厚肉部は、前記入力座部コーナ部に位置し荷重を伝達する荷重伝達用厚肉部コーナ部と、該荷重伝達用厚肉部コーナ部から座部の長手方向中央部まで前記長手方向側壁と平行に延び荷重を伝達する荷重伝達用側壁平行部と、前記荷重伝達用厚肉部コーナ部および前記荷重伝達用側壁平行部の座部長手方向中央側端部のそれぞれから前記長手方向側壁まで前記長手方向側壁と直交する方向に延び荷重を伝達する荷重伝達用側壁直交部と、を有しており、
    前記薄肉部は前記荷重伝達用厚肉部コーナ部と前記荷重伝達用側壁平行部と前記荷重伝達用側壁直交部と前記一対の長手方向側壁のひとつによって囲まれている、請求項1または請求項2記載のカーテンエアバッグ取付クリップ。
  4. 前記薄肉部の少なくとも一部はは前記長方形状座部の四隅の各座部コーナ部と前記脚部との間の座部部分に設けられており、
    前記厚肉部は、前記各座部コーナ部に位置する厚肉部コーナ部と、該厚肉部コーナ部から
    座部の長手方向中央部まで前記長手方向側壁と平行に延びる厚肉部側壁平行部と、前記厚肉部コーナ部および前記厚肉部側壁平行部の座部長手方向中央側端部のそれぞれから前記長手方向側壁まで前記長手方向側壁と直交する方向に延びる厚肉部側壁直交部と、を有しており、
    前記薄肉部は前記厚肉部コーナ部と前記厚肉部側壁平行部と前記厚肉部側壁直交部と前記一対の長手方向側壁のひとつによって囲まれている、請求項1または請求項2記載のカーテンエアバッグ取付クリップ。
  5. 請求項1−請求項4の何れか1項に記載のカーテンエアバッグ取付クリップを用いてカーテンエアバッグを車両のボデーに固定したカーテンエアバッグ取付装置。
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