JP5811017B2 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents
還元鉄の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5811017B2 JP5811017B2 JP2012088507A JP2012088507A JP5811017B2 JP 5811017 B2 JP5811017 B2 JP 5811017B2 JP 2012088507 A JP2012088507 A JP 2012088507A JP 2012088507 A JP2012088507 A JP 2012088507A JP 5811017 B2 JP5811017 B2 JP 5811017B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- microwave
- agglomerate
- furnace
- heating
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Tunnel Furnaces (AREA)
- Furnace Details (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Manufacture Of Iron (AREA)
Description
本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法について説明するに先立ち、まず、図1を参照しながら、一般的な還元鉄の製造工程について、詳細に説明する。図1は、一般的な還元鉄の製造工程を説明するための説明図である。
続いて、図2を参照しながら、還元鉄の製造方法で用いられる固体還元炉の一例である回転炉床炉について、詳細に説明する。図2は、固体還元炉の一例である回転炉床炉を説明するための説明図である。
回転炉床炉21の内部には、回転炉床炉21内を周方向に沿って移動可能な回転炉床25が設けられている。装入口27から装入されたブリケットBは、回転炉床25上に展開される。ブリケットBは、熱間レベラー29によって平坦にならされ、炉内を回転炉床25の移動に伴って移動していく。ブリケットBは、移動の過程で、炉壁又は炉上のバーナー31によって生じた高温燃焼ガスの輻射熱により加熱され、ブリケットB中の還元材により酸化鉄原料が還元される。還元された酸化鉄原料である還元鉄は、ディスチャージャー33により回転炉床炉21の内部から払い出されることとなる。
そのため、本発明者らは、操業コストの増加を抑制しながら、輻射加熱が直接届かない塊成化物の裏面側の還元不良の発生を抑制可能な方法について鋭意検討を行った結果、バーナーによる加熱と、物体の内部まで到達して物体を内部から直接加熱することが可能なマイクロ波による加熱と、を併用することに想到した。
σ :被加熱物質の導電率 [S/m]
f :マイクロ波の周波数 [Hz]
ε0:真空中の誘電率 [F/m]
ε”:被加熱物質の比誘電率の虚数部
μ0:真空中の透磁率 [H/m]
μ”:被加熱物質の比透磁率の虚数部
E :マイクロ波により形成される電界強度 [V/m]
H :マイクロ波により形成される磁界強度 [A/m]
π :円周率
である。
・代表的な耐火炉材であるアルミナ:0.004〜0.01
・粉状の炭素粉:10〜50
・酸化鉄:0.1〜10
続いて、本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法で用いられるマイクロ波について、簡単に説明する。
次に、図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法で利用可能なマイクロ波照射装置の構成について、詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法で利用可能なマイクロ波照射装置の構成を説明するための説明図である。
<還元鉄の製造方法について>
以上説明したように、還元鉄の原料となる塊成化物に含まれる酸化鉄原料や還元材は、マイクロ波を良く吸収する物質であり、バーナーによる加熱とマイクロ波による加熱とを併用することで、効率良く塊成化物を加熱することが可能であると考えられる。ここで、バーナーによる加熱とマイクロ波による加熱の併用を考えた場合、固体還元炉の全域にわたってマイクロ波を照射することで、もれなく塊成化物裏面側の加熱不良の発生を抑制することが可能となると考えられるが、その一方で、マイクロ波を照射するために要するコストの増加が懸念される。
以下では、図4A〜図6を参照しながら、塊成化物に対するマイクロ波の照射タイミングの検討結果について、詳細に説明する。図4A及び図4Bは、マイクロ波の照射タイミングの検討に用いた加熱装置について示した説明図である。図5は、マイクロ波照射開始時の塊成化物温度と金属化率との関係を示したグラフ図である。図6は、塊成化物の示差走査熱量測定結果を示したグラフ図である。
以下に示す組成の製鉄ダスト79質量%と、還元材である石炭20質量%とに加え、更にバインダーとしてベントナイト1質量%を混合し、適量の水分を添加した混合物を製造した。その後、この混合物を混練した後にブリケットマシンに装入し、平均径50mm×厚み20mmの生ブリケットを製造した。製造した生ブリケットは、乾燥機を用いて水分を除去し、水分含有率が0.5質量%の乾燥ブリケットとした。
○実験条件及び得られた結果
以下の表2に、実施した実験の条件及び得られた結果を併せて示した。
なお、この実験では、上記の塊成化物(ブリケット)を、図4Aに示した複合加熱装置の加熱室中に計20分載置して、塊成化物原料を加熱・還元した。途中3分間、マイクロ波照射装置から2.45GHzのマイクロ波を500W照射した。なお、電気炉は、温度制御運転により温度1200℃に維持されるように、ヒータ電力が自動で制御されるようにした。
={(塊成化物中の金属Feの質量%)÷(塊成化物中の全Feの質量%)}×100
・・・(式101)
図5を参照すると、塊成化物原料の中心近傍の温度が600℃〜1150℃である際にマイクロ波の照射を開始すると、マイクロ波の照射が無い場合(No.10,金属化率85.1%)に比べて、塊成化物原料の金属化が促進されていることがわかった。
○実験条件
実施例1と同様に、図4Aに示した複合加熱装置を用いて、輻射加熱とマイクロ波の複合加熱による塊成化物の金属化試験を行った。実施例1と同様に、塊成化物は総加熱時間T=t1+t2+t3(分)だけ加熱され、そのうちt2時間は、マイクロ波が照射されている。実施例1ではマイクロ波の照射時間t2を3分間としていたが、実施例2においては、さまざまなt2の時間での塊成化物の金属化の促進についての評価を行った。試験に用いた塊成化物の成分組成は、実施例1と同じである。マイクロ波照射開始までの加熱時間t1を変更することで、マイクロ波照射開始時点での塊成化物の中心近傍温度を700℃、900℃、1000℃の3水準に変更した。マイクロ波の照射時間t2は、0.5分、1.0分、2.0分の3水準で変更した。合計の加熱時間t1+t2+t3は20分とし、実施例1の試験条件と同じとした。
得られた試験結果を、下記の表3に示した。実施例1と同様に、マイクロ波の照射時間が0.5分から2.0分と短い場合においても、塊成化物の金属化率は、マイクロ波照射なしで20分の加熱を行った実施例1のNo10(マイクロ波照射なしの条件)に比較して増加する結果となり、マイクロ波の照射が塊成化物の金属化を促進する効果が確認された。
○実験条件
実施例1と同様のマイクロ波加熱試験を、加熱する塊成化物を2層に積層した状態で実施した。すなわち、図4Bに示すように、耐火材トレーに塊成化物を上下2層に載置して、加熱炉による輻射加熱とマイクロ波の複合加熱処理を行い、加熱後の金属化率ηを評価した。塊成化原料を2層化した以外の試験手順は実施例1及び実施例2と同様であり、試験に用いた塊成化物についても、実施例1及び実施例2と同様のものを用いた。なお、試験に際し、上層に位置する塊成化物と下層に位置する塊成化物の双方に対して熱電対を設置し、各層に位置する塊成化物の内部温度を測定できるようにした。
得られた試験結果を、下記の表4に示した。塊成化物が2段に積層された状態でマイクロ波を上方から照射した場合でも、下段の塊成化物の金属化が促進される結果となり、マイクロ波が塊成果原料の表面から下層の塊成化物まで深く浸透して下層の塊成化物を加熱し、下層の塊成化物の金属化を促進する結果となった。また金属化の促進Δη(%)は、上層の塊成化物よりも下層の塊成化物の方が大きい結果となった。
上記調査によると、塊成化物の温度が900℃を超えると塊成化物原料中のメタルFe(金属Fe)が急激に増加し始め、塊成化物の金属化率が急上昇した。その後、塊成化物の温度が1200℃に近づくと金属化率の上昇が飽和し、温度1200℃で塊成化物の還元反応がほぼ終息していることを示した。
塊成化物原料中のFe2O3の含有量は、塊成化物の温度が600℃になると減少を開始し、その後、塊成化物温度1100℃〜1200℃まで減少をつづけ、1100℃〜1200℃という温度帯で塊成化物原料中のFe2O3成分の還元がほぼ終了していることがわかった。
塊成化物原料中のFeOの含有量は、塊成化物の温度が600℃になると増加を開始し、その後、塊成化物温度1000℃まで増加を続けた。塊成化物温度が1000℃を超えると、原料中のFeO含有量は減少し始め、塊成化物温度が1200℃になるまで減少を続け、塊成化物原料中のFeO成分についての還元も、1200℃付近で終了することがわかった。
以上説明したように、バーナーや輻射熱等によって供給される熱エネルギーとマイクロ波によるエネルギーとを併用して塊成化物を加熱・還元する場合には、内部温度が600℃〜1150℃のどこかの状態の塊成化物(より好ましくは、少なくとも内部温度が900℃である状態の塊成化物)に対してマイクロ波を照射することが効果的であることが明らかとなった。このような内部温度にある塊成化物に対してマイクロ波を照射することで、マイクロ波のエネルギーは塊成化物中の酸化鉄の還元反応に有効に利用され、操業コストを抑えながら、より効率良く還元鉄を製造することが可能となる。
まず、操業に用いられる固体還元炉6において実際の操業条件のもとで塊成化物の内部温度が600℃〜1150℃となる部分を特定する。また、実際の操業条件を模した実験炉を製造し、塊成化物の内部温度が600〜1150℃となるまでの時間(昇温に要する時間)を特定した上で、固体還元炉6において塊成化物の内部温度が600℃〜1150℃となる部分を特定してもよい。
101 マイクロ波発振機
103 サーキュレータ
105 アイソレータ
107 自動整合器
109 マイクロ波照射部材(導波管)
Claims (4)
- 固体還元炉に設けられたバーナー及び当該固体還元炉の炉壁からの輻射熱を熱源として、酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成化物を加熱することで還元鉄を製造する還元鉄の製造方法において、
前記熱源として、前記塊成化物に対して照射されるマイクロ波を更に利用し、
前記固体還元炉中において、前記塊成化物の内部温度が600℃〜1150℃の温度範囲にあるときに、前記塊成化物に対して前記マイクロ波の照射を開始する
ことを特徴とする、還元鉄の製造方法。 - 前記塊成化物の内部温度が900℃〜1000℃の温度範囲であるときに、前記塊成化物に対して前記マイクロ波の照射を開始する
ことを特徴とする、請求項1に記載の還元鉄の製造方法。 - 前記固体還元炉における、前記塊成化物の内部温度が前記温度範囲である領域全体に対して、前記マイクロ波を照射するためのマイクロ波照射部材を設置してマイクロ波照射可能領域とし、
前記塊成化物に対して、前記マイクロ波照射可能領域の少なくとも一部の領域において前記マイクロ波を照射する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の還元鉄の製造方法。 - 前記固体還元炉における、前記塊成化物の内部温度が前記温度範囲である領域の少なくとも一部の領域に対して、前記マイクロ波を照射するためのマイクロ波照射部材を設置してマイクロ波照射領域とし、
前記塊成化物に対して、前記マイクロ波照射領域において前記マイクロ波を照射する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の還元鉄の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012088507A JP5811017B2 (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | 還元鉄の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012088507A JP5811017B2 (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | 還元鉄の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013216943A JP2013216943A (ja) | 2013-10-24 |
JP5811017B2 true JP5811017B2 (ja) | 2015-11-11 |
Family
ID=49589398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012088507A Active JP5811017B2 (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | 還元鉄の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5811017B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6311420B2 (ja) * | 2014-04-10 | 2018-04-18 | 新日鐵住金株式会社 | 還元鉄の製造方法及び固体還元炉 |
EP4374992A3 (en) | 2021-03-15 | 2024-08-28 | K.K. Sun Metalon | Method for producing cohesive solid |
CN113528813A (zh) * | 2021-08-04 | 2021-10-22 | 攀枝花金原科技有限公司 | 一种铁粉与富钒钛料的制备方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3280435B2 (ja) * | 1992-08-17 | 2002-05-13 | 同和鉄粉工業株式会社 | マイクロ波を利用する鉄粉の製造方法及び装置 |
US8540794B2 (en) * | 2004-09-03 | 2013-09-24 | Jiann-Yang Hwang | Method for reducing iron oxide and producing syngas |
JP2007139272A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-07 | Takasago Ind Co Ltd | 連続式マイクロ波加熱炉 |
JP5218196B2 (ja) * | 2009-03-25 | 2013-06-26 | 新日鐵住金株式会社 | 酸化鉄含有物質の還元方法 |
US8252084B2 (en) * | 2009-04-15 | 2012-08-28 | Phoenix Environmental Reclamation | Separator and crusher of minerals with microwave energy and method thereof |
-
2012
- 2012-04-09 JP JP2012088507A patent/JP5811017B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013216943A (ja) | 2013-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2385146B1 (en) | Vertical microwave smelting furnace | |
JP3280435B2 (ja) | マイクロ波を利用する鉄粉の製造方法及び装置 | |
EP3529383B1 (en) | Process and apparatus for continuous reduction of iron ore using biomass | |
JP5811017B2 (ja) | 還元鉄の製造方法 | |
JP6217397B2 (ja) | マイクロ波乾燥装置及びマイクロ波乾燥方法 | |
JP2012158790A (ja) | マイクロ波を利用した製鉄原料の還元方法 | |
JP6764875B2 (ja) | マグネタイト系焼結鉱およびその製造方法 | |
JP5601138B2 (ja) | 塊成化物の加熱方法 | |
JP5729277B2 (ja) | 固体還元炉 | |
US20130195726A1 (en) | Microwave and radio frequency material processing | |
JP5737157B2 (ja) | 塊成化物の加熱還元装置 | |
JP6311420B2 (ja) | 還元鉄の製造方法及び固体還元炉 | |
JP5445230B2 (ja) | マイクロ波加熱による酸化鉄含有物質の還元方法、及び、焼結鉱製造用原料の製造方法、並びに、高炉原料の製造方法 | |
JP5729278B2 (ja) | 固体還元炉 | |
JP6094312B2 (ja) | 還元鉄の製造方法および製造装置 | |
JP2019077905A (ja) | 酸化鉱石の製錬方法 | |
Nayak et al. | An Analysis of the Influence of Drying Methods on the Drying Kinetics and Quality of Ilmenite-Coke Composite Pellets | |
JP5708459B2 (ja) | 固体還元炉 | |
RU2489493C2 (ru) | Способ термической металлизации железосодержащего рудоугольного сырья | |
JP2013076560A (ja) | マイクロ波乾燥装置及びマイクロ波乾燥方法 | |
Coetzer et al. | Influence of additives on cokemaking from a semi-soft coking coal during microwave heating | |
Prasad et al. | Effect of microwave heat hardening on microstructure and strength of coke composed iron ore pellet | |
JP2013076561A (ja) | マイクロ波乾燥装置及びマイクロ波乾燥方法 | |
JP6225433B2 (ja) | 乾燥炉及び乾燥方法 | |
WO2023173159A1 (en) | Biomass direct reduced iron |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150518 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150526 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150727 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150831 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5811017 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |