JP5809874B2 - 繊維製品用洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維製品用洗浄剤に関する。
近年、清潔志向の高まりから、繊維製品用洗浄剤には、繊維製品に付着した汚れを除去すること(洗浄効果)に加え、繊維製品から発生する不快な臭気を除去したり(除臭効果)、繊維製品からの不快な臭気が発生するのを防止したりすること(防臭効果)が求められている(以下、除臭効果及び防臭効果を合わせて消臭効果という)。
繊維製品から発せられる不快な臭気は、繊維製品に付着した微生物が、繊維製品の乾燥中や保管中に増殖することに起因する。
一般に、カチオン性界面活性剤は殺菌効果を有するが、繊維製品用洗浄剤の洗浄効果を高めるためにアニオン界面活性剤を併用すると、カチオン性界面活性剤の殺菌効果が十分に発揮されないという問題があった。
このため、従来、除臭効果又は防臭効果の向上を図るために、繊維製品に付着する微生物を殺菌したり(殺菌効果)、付着した微生物の増殖を抑制したり(抗菌効果)できる繊維製品用洗浄剤が提案されている。
例えば、被覆過炭酸ナトリウムと、特定の配位子と銅又はマンガンとの錯体である金属触媒と、無機アルカリ剤と、界面活性剤とを含有する衣料用粉末洗剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、優れた臭い抑制効果が図られている。
また、陰イオン界面活性剤と、特定のアルカリビルダーと、アルミノ珪酸塩と、抗菌性金属を含有する無機系抗菌剤とを含有する洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、洗浄液中の微生物を十分に減少させ、洗濯物に抗菌効果を付与することが図られている。
特開2008−31407号公報 特開2006−169379号公報
しかしながら、特許文献1〜2の発明は、微生物増殖に由来する臭気を低減するのに効果を示すものの、外部から付着した臭気を低減等することはできなかった。加えて、微生物への殺菌効果や抗菌効果により臭気の低減を図った場合、脂肪酸に由来する臭気を低減できるものの、多岐にわたる原因の臭気の全てを低減できなかった。さらに、殺菌効果や抗菌効果を高めるために、殺菌剤や抗菌剤を増量すると、繊維製品に損傷を与えたり、褪色を生じたりする等、繊維製品の品質劣化を生じやすいという問題がある。
そこで、本発明は、幅広い臭気を消臭できる繊維製品用洗浄剤を目的とする。
本発明の繊維製品用洗浄剤は、アニオン界面活性剤(A)と、銅、マンガン、ニッケル、鉄及び亜鉛から選択される少なくとも1種(B)と、前記(B)成分と錯体を形成するアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤(C)と、カチオン化セルロース(D)とを含有することを特徴とする。
前記(D)成分を0.01〜3質量%含有することが好ましく、前記(B)成分/前記(C)成分で表されるモル比は、1/3〜5であることがより好ましく、下記一般式(I)で表される有機過酸前駆体(E)と、過酸化水素又は水中で過酸化水素を発生する過酸化物(F)とを含有してもよい。
Figure 0005809874
[(I)式中、Rは炭素数7〜18の直鎖状の脂肪族炭化水素基を表し、Xは水素原子、−COOM又はSOM(Mは水素原子又は塩形成カチオンを表す。)を表す。]
本発明の繊維製品用洗浄剤によれば、幅広い臭気を消臭できる。
(繊維製品用洗浄剤)
本発明の繊維製品用洗浄剤は、アニオン界面活性剤(A)(以下、(A)成分ということがある)と、銅、マンガン、ニッケル、鉄及び亜鉛から選択される少なくとも1種(B)(以下、(B)成分ということがある)と、前記(B)成分と錯体を形成するアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤(C)(以下、(C)成分ということがある)と、カチオン化セルロース(D)(以下、(D)成分ということがある)とを含有するものである。
繊維製品用洗浄剤の剤形は、粒状(粉末、顆粒)、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体であってもよく、液体であってもよい。(B)成分及び(D)成分の長期安定性の観点からは、固体が好ましく、粒状がより好ましい。
繊維製品用洗浄剤が粒状である場合、その嵩密度は、特に限定されないが、例えば、0.3g/cm以上が好ましく、0.4〜1.2g/cmがより好ましく、0.5〜1.0g/cmがさらに好ましい。
嵩密度は、JIS−K3362により測定される値である(以降において同じ)。
粒状の繊維製品用洗浄剤の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがより好ましい。平均粒子径が200μm未満であると、粉塵が発生しやすくなる場合があり、1500μm超であると、溶解性が不十分になる場合がある。
平均粒子径は、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm及び149μmの9段の篩と、受け皿とを用いた分級操作により測定される値である。分級操作では、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れる。蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させる。その後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目毎に回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算し、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とする。また、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」とし、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とする。そして、下記(1)式により平均粒子径(50質量%粒子径)を求め、これを試料の平均粒子径とする。
Figure 0005809874
粒状の繊維製品用洗浄剤の流動性は、安息角として60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。60°を超えると粒子の取り扱い性が悪化する場合がある。
なお、安息角は、容器に満たした粒子が流出するときに形成されるすべり面と、水平面とのなす角であり、いわゆる排出法による安息角測定法で測定される値である(以降において同じ)。
<(A)成分>
(A)成分は、アニオン界面活性剤である。(A)成分を含有することで、被洗物に付着した汚れや臭気成分を良好に除去できると共に、消臭効果の向上が図れる。これは、繊維製品用洗浄剤が水に分散された洗浄液中で、(A)成分が、(B)成分と(C)成分とで形成された錯体を取り込むと共に、(D)成分と会合体を形成し、この会合体が繊維製品に吸着することで、消臭効果を発揮するためと考えられる。
(A)成分としては、従来公知のアニオン界面活性剤を用いることができ、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(10)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)炭素数14〜18の脂肪酸メチルエステルスルホン酸塩(MES)。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
これらの(A)成分は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。また、これらのアニオン界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合し、混合物として使用してもよい。
上記(A)成分の中でも、LAS、ABS、MES又は石鹸が好ましく、LAS、MES、石鹸(以上、好ましくは、ナトリウム塩又はカリウム塩)がより好ましく、LAS及び石鹸を含むことがさらに好ましい。LAS及び石鹸を併用することで、(B)〜(D)成分との相互作用を高め、消臭効果をより高められる。LASと石鹸とを併用する場合、LAS/石鹸で表される質量比(LAS/石鹸比)は、20/80〜95/5が好ましく、40/60〜95/5がより好ましく、70/30〜90/10がさらに好ましい。LAS/石鹸比が前記範囲内であれば、繊維製品用洗浄剤の消臭効果をより高められる。
また、LASと石鹸との合計の含有量は、繊維製品用洗浄剤中、6〜25質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、洗浄効果と消臭効果とがより高まる。
繊維製品用洗浄剤中の(A)成分の含有量は、10〜80質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましく、15〜35質量%がさらに好ましい。該範囲の下限値未満では、洗浄効果が不十分となるおそれがある。上記上限値を超えると、相対的に他の成分の含有量が少なくなり、本発明の効果が十分に得られないおそれがある。
繊維製品用洗浄剤中、(A)成分と、後述するノニオン界面活性剤との合計量が、全界面活性剤の50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
さらに、消臭効果の向上の観点から、全界面活性剤中の(A)成分の含有量は、5〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましく、50〜90質量%がさらに好ましく、70〜90質量%が特に好ましい。
(A)成分は、界面活性剤含有粒子として繊維製品用洗浄剤に配合されることが好ましい。
好適な界面活性剤含有粒子としては、(A)成分を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子(含アニオン界面活性剤粒子)と、ノニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子(含ノニオン界面活性剤粒子)とが挙げられる。これらの界面活性剤含有粒子は、いずれか一方を用いてもよく、双方を併用してもよいが、最終的な繊維製品用洗浄剤中に(A)成分が含まれる必要がある。
≪含アニオン界面活性剤粒子≫
含アニオン界面活性剤粒子は、(A)成分を必須成分とし、含アニオン界面活性剤粒子中に配合されている界面活性剤の中で(A)成分の含有量が最も多くなっている粒子である。
含アニオン界面活性剤粒子に配合される(A)成分としては、特に限定されず、上述した(A)成分のいずれを用いてもよい。含アニオン界面活性剤粒子に配合される(A)成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
含アニオン界面活性剤粒子には、(A)成分以外の他の界面活性剤(ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等)も、含有量は制限されるものの、配合可能である。
含アニオン界面活性剤粒子中の全界面活性剤の含有量としては、繊維製品用洗浄剤に所望する洗浄効果等を勘案して決定することができ、例えば、好ましくは10〜90%、より好ましくは15〜70%以下、さらに好ましくは15〜50質量%である。上述の範囲内であれば、十分な洗浄効果を発揮できる。
また、含アニオン界面活性剤粒子中、(A)成分/その他界面活性剤で表される質量比は、100/0〜50/50が好ましく、100/0〜55/45がより好ましく、95/5〜70/30がさらに好ましい。
含アニオン界面活性剤粒子には、界面活性剤以外の他の成分を含有してもよい。
含アニオン界面活性剤粒子中に含まれてよい他の成分としては、後述する(B)〜(D)成分や、後述する<その他の任意成分>が挙げられる。中でも、(A)成分以外の界面活性剤、無機又は有機の洗浄性ビルダーが好ましく、(A)成分以外の界面活性剤及び無機ビルダーが好ましい。
無機ビルダーとしては、溶解性向上の効果を併せ持つことから、炭酸カリウム、硫酸カリウム等のカリウム塩や、塩化カリウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物が好ましい。中でも、炭酸カリウムや、塩化カリウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物が溶解性向上効果とコストのバランスから好ましい。
炭酸カリウムを配合する場合、溶解性向上効果の点から、含アニオン界面活性剤粒子中の含有量は、1〜15質量%が好ましく、2〜12質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
アルカリ金属塩化物を配合する場合、溶解性向上効果の点から、含アニオン界面活性剤粒子中の含有量は、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。
含アニオン界面活性剤粒子の物性値は、特に限定されず、例えば、嵩密度は、0.3g/cm以上が好ましく、0.5〜1.2g/cmがより好ましく、0.6〜1.1g/cmがさらに好ましい。
また、含アニオン界面活性剤粒子の平均粒子径(質量50%)は、200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがより好ましい。平均粒子径(質量50%)が200μm未満であると、粉塵が発生し易くなる場合があり、1500μm超であると、溶解性が不十分になる場合がある。
含アニオン界面活性剤粒子の流動性は、安息角として60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。安息角が60°を超えると粒子の取り扱い性が悪化する場合がある。
含アニオン界面活性剤粒子は、公知の方法により得ることができ、製造方法としては、例えば、以下の方法(1)又は(2)が挙げられる。
方法(1):中和塩型のアニオン界面活性剤を造粒する方法。
方法(2):アニオン界面活性剤の酸前駆体をドライ中和して造粒する方法。
方法(1)で用いる造粒方法としては、例えば、以下の方法(1−1)〜(1−5)等が挙げられる。
(1−1)界面活性剤の原料粉末及びバインダー化合物(界面活性剤、水、液体高分子成分等)を捏和・混練した後、押出して造粒する押出造粒法。
(1−2)界面活性剤の原料粉末及びバインダー化合物を捏和・混練して固形洗剤を得、得られた固形洗剤を破砕して造粒する捏和・破砕造粒法。
(1−3)界面活性剤の原料粉末にバインダー化合物を添加し、撹拌羽根で撹拌して造粒する撹拌造粒法。
(1−4)界面活性剤の原料粉末を転動させつつ、バインダー化合物を噴霧し造粒する転動造粒法。
(1−5)界面活性剤の原料粉末を流動化させつつ、液体バインダーを噴霧し造粒する流動層造粒法。
方法(2)では、(A)成分の酸前駆体と、アルカリ性無機粉体とを接触・混合させつつ中和し、造粒する。この時の造粒方法としては、例えば、前記方法(1)で挙げた造粒方法と同様の造粒方法が利用できる。
(A)成分の酸前駆体としては、前述した(A)成分の酸前駆体であればいずれの酸前駆体も好適に利用可能である。
また、中和剤としてのアルカリ性無機粉体としては、特に限定されず、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属燐酸塩等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム・カリウム等が挙げられる。アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、層状珪酸ナトリウム等が挙げられる。アルカリ金属燐酸塩としては、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム等が挙げられる。中でも、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、中でも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム・カリウムがより好ましい。
これらの中和剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した方法により造粒された含アニオン界面活性剤粒子は、必要に応じて分級され、所望の粒度に調整された粒子のみとされてもよい。
≪含ノニオン界面活性剤粒子≫
含ノニオン界面活性剤粒子は、ノニオン界面活性剤を含み、含ノニオン界面活性剤粒子中に配合されている界面活性剤の中でノニオン界面活性剤の含有量が最も多くなっている粒子である。
含ノニオン界面活性剤粒子に配合されるノニオン界面活性剤としては、従来、繊維製品用洗浄剤に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、以下の各種のノニオン界面活性剤が挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは3〜20モル、さらに好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
上記(3)の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートとしては、例えば下記一般式(31)で表されるものが挙げられる。
CO(OA)10 ・・・(31)
[(31)式中、RCOは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示す。OAは、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位(オキシアルキレン基)を示し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が好ましい。qはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20である。R10は置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
上記のノニオン界面活性剤の中でも、(1)のノニオン界面活性剤が好ましく、その中でも炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテルが特に好ましい。
含ノニオン界面活性剤粒子に配合されるノニオン界面活性剤は1種であってもよく、2種以上であってもよい。
また、融点が50℃以下でHLB値が9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、本発明における融点とは、JIS K8001「試薬試験法通則」に記載されている凝固点測定法によって測定された値である。
含ノニオン界面活性剤粒子には、ノニオン界面活性剤以外の他の界面活性剤としてアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等も含有量は制限されるものの、配合可能である。
含ノニオン界面活性剤粒子中の全界面活性剤の含有量としては、繊維製品用洗浄剤に所望する洗浄性能等を勘案して決定することができ、例えば、好ましくは5〜85質量%、より好ましくは10〜60質量%である。上述の範囲であれば、十分な洗浄効果を発揮できる。
また、含ノニオン界面活性剤粒子中、ノニオン界面活性剤/その他界面活性剤の質量比率は、100/0〜50/50が好ましく、100/0〜60/40がより好ましく、95/5〜70/30がさらに好ましい。
含ノニオン界面活性剤粒子には、界面活性剤以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、特に限定されず、例えば、前記含アニオン界面活性剤粒子の説明で、界面活性剤以外の他の成分として挙げたものを適宜配合できる。中でも、含ノニオン界面活性剤粒子中に好適に配合される成分として、無機又は有機の洗浄ビルダーが挙げられる。洗浄ビルダーは、前述の含アニオン界面活性剤粒子に用いられる洗浄ビルダーと同様である。また、含ノニオン界面活性剤粒子中の洗浄ビルダーの含有量は、含アニオン界面活性剤粒子中の洗浄ビルダーの含有量と同様である。
また、含ノニオン界面活性剤粒子中には、ノニオン界面活性剤を担持するための吸油性担体を配合することが好ましい。
吸油性担体としては、JIS−K5101試験方法で表される吸油量が、好ましくは80cm/100g以上、より好ましくは150〜600cm/100gである物質が好適に用いられる。このような吸油性担体としては、例えば、特開平5−125400号公報や特開平5−209200号公報記載の成分が挙げられる。これらの吸油性担体は1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
吸油性担体は、含ノニオン界面活性剤粒子中に、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜15質量%含有される。
また、含ノニオン界面活性剤粒子中には、造粒助剤としての粘土鉱物等を配合することが好ましい。
粘土鉱物としては、特に、スメクタイト群に属し、その結晶構造がジオクタヘドラル型3層構造又はトリオクタヘドラル型3層構造をとるものが好ましい。
本発明における粘土鉱物は、好ましくは吸油量が80cm/100g未満、さらに好ましくは30〜70cm/100gで、嵩密度が好ましくは0.1g/cm以上、さらに好ましくは0.2〜1.5g/cmのものである。このような粘土鉱物の具体例としては、特開平9−87691号公報記載の成分が挙げられる。
粘土鉱物は、含ノニオン界面活性剤粒子中に、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%含有される。
含ノニオン界面活性剤粒子の物性値は、特に制限されず、例えば嵩密度は、通常、0.3g/cm以上が好ましく、0.5〜1.2g/cmがより好ましく、0.6〜1.1g/cmがさらに好ましい。
また、含ノニオン界面活性剤粒子の平均粒子径は、好ましくは200〜1500μm、より好ましくは300〜1000μmである。平均粒子径が200μm未満になると粉塵が発生し易くなる場合があり、一方、1500μmを超えると溶解性が不十分になる場合がある。
含ノニオン界面活性剤粒子の流動性は、安息角として60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。60°を超えると粒子の取り扱い性が悪化する場合がある。
含ノニオン界面活性剤粒子は、含アニオン界面活性剤粒子と同様の造粒方法によって得ることができる。
得られた含ノニオン界面活性剤粒子は、必要に応じて分級され、所望の粒度に調整された粒子のみとされてもよい。
<(B)成分>
(B)成分は、銅、マンガン、ニッケル、鉄及び亜鉛から選択される少なくとも1種である。繊維製品用洗浄剤は、(B)成分を含有することで、優れた消臭効果を発揮する。これは、洗浄液中で(B)成分が(C)成分と錯体を形成し、この錯体が微生物の増殖を抑制したり、臭気を吸着したりするためと考えられる。
(B)成分としては、マンガン、銅又は亜鉛が好ましく、銅又は亜鉛がより好ましく、亜鉛がさらに好ましい。これらの(B)成分を用いることで、消臭効果をさらに高められる。
(B)成分は、各種金属化合物として配合されてもよいし、後述する(C)成分との錯体として配合されてもよい。ただし、繊維製品用洗浄剤の美観、生産効率等の観点から、(B)成分を金属化合物として配合することが好ましい。
金属化合物は、水に溶解するものであればよく、金属化合物を形成する塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、過塩素酸過物、塩化アンモニウム塩、シアン化物等の無機塩、酢酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、グリシン塩等の有機塩等が挙げられる。
マンガン化合物としては、水中でマンガンイオンを放出するものであれば特に限定されず、例えば、硝酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、過塩素酸マンガン、マンガンアセチルアセトナート等が挙げられ、中でも、取り扱い性、コスト、原料供給性等の点で硫酸マンガン、塩化マンガンが好ましい。
銅化合物としては、水中で銅イオンを放出するものであれば特に限定されず、例えば、硝酸銅、硫化銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅、シアン化銅、塩化アンモニウム銅、グルコン酸銅、酒石酸銅、過塩素酸銅等が挙げられ、中でも、取り扱い性、コスト、原料供給性等の点で硫酸銅、塩化銅、グルコン酸銅が好ましく、硫酸銅がより好ましい。
亜鉛化合物としては、水中で亜鉛イオンを放出するものであれば特に限定されず、例えば、硝酸亜鉛、硫化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、シアン化亜鉛、塩化アンモニウム亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、過塩素酸亜鉛等が挙げられ、取り扱い性、コスト、原料供給性等の点で硫酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸塩が好ましく、硫酸亜鉛がより好ましい。
繊維製品用洗浄剤中の(B)成分の含有量は、(B)成分の種類を勘案して決定でき、例えば、0.001〜2質量%が好ましい。上記下限値未満であると、消臭効果が不十分になるおそれがあり、上記上限値超としても、消臭効果のさらなる向上が図れないおそれがある。
例えば、(B)成分としてマンガンを用いる場合、繊維製品用洗浄剤中のマンガンの含有量は、0.001〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.3質量%がより好ましく、0.02〜0.15質量%がさらに好ましい。上記下限値未満であると、消臭効果が不十分になるおそれがあり、上記上限値超としても、消臭効果のさらなる向上が図れないおそれがあるためである。
あるいは、(B)成分として銅を用いる場合、繊維製品用洗浄剤中の銅の含有量は、0.001〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.3質量%がより好ましく、0.02〜0.15質量%がさらに好ましい。上記下限値未満であると、消臭効果が不十分になるおそれがあり、上記上限値超としても、消臭効果のさらなる向上が図れないおそれがあるためである。
また、例えば、(B)成分として亜鉛を用いる場合、繊維製品用洗浄剤中の亜鉛の含有量は、0.002〜2質量%が好ましく、0.02〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%がさらに好ましい。上記下限値未満であると、消臭効果が不十分になるおそれがあり、上記上限値超としても、消臭効果のさらなる向上が図れないおそれがあるためである。
(B)成分を(C)成分との錯体として配合する場合、錯体は、例えば、国際公開第09/078459号パンフレットに記載の錯体の製造方法により製造できる。
<(C)成分>
(C)成分は、(B)成分と錯体を形成するアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤である。繊維製品用洗浄剤は、(C)成分を含有することで、優れた消臭効果を発揮する。
(C)成分としては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩が挙げられ、好ましくはカルボキシル基を分子中に2つ以上有するアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤であり、より好ましくは下記の(c1)又は(c2)の化合物が挙げられる。
Figure 0005809874
[(c1)式中、X11〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はカチオン性アンモニウムを表し、Rは水素原子又は水酸基を表し、n1は0又は1の整数を表す。]
Figure 0005809874
[(c2)式中、Aはアルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、水酸基又は水素原子を表し、X21〜X23は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はカチオン性アンモニウムを表し、n2は0〜5の整数を表す。]
(c1)式中、X11〜X14におけるアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。なお、X11〜X14のうち少なくとも1つがアルカリ土類金属である場合には1/2原子分に相当する。例えば、X11がカルシウムの場合、−COOX11は、「−COO1/2(Ca)」となる。
カチオン性アンモニウムとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられ、例えば、アンモニウムの水素原子の1〜3個がアルカノール基で置換されたものが挙げられる。アルカノール基の炭素数は1〜3が好ましい。
中でも、X11〜X14は、アルカリ金属が好ましい。
式(c1)中のX11〜X14は、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。
(c1)式中のRは、水素原子、水酸基のいずれであってもよい。
(c1)式中のn1は、1が好ましい。
(c1)式で表される化合物としては、例えば、イミノジコハク酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸又はそれらの塩等が挙げられる。該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられ、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
(c2)式中、X21〜X23におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウムとしては、それぞれ、前記X11〜X14におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウムと同様のものが挙げられる。X21〜X23は、アルカリ金属が好ましい。
(c2)式中のX21〜X23は、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。
(c2)式のAにおけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。該アルキル基は、その水素原子の一部が置換基にて置換されていてもよい。該置換基としては、スルホ基(−SOH)、アミノ基(−NH)、水酸基、ニトロ基(−NO)等が挙げられる。
Aは、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、水酸基、水素原子のいずれであってもよく、水素原子が好ましい。
(c2)式中のn2は、0〜2の整数が好ましく、1がより好ましい。
(c2)式で表される化合物としては、例えば、ニトリロトリ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸、セリン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸又はそれらの塩等が挙げられ、中でも、ニトリロトリ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸又はそれらの塩が好ましく、メチルグリシンジ酢酸又はその塩がより好ましい。該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられ、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
これらの(C)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤中の(C)成分の含有量は、特に限定されないが、0.1〜1質量%が好ましく、0.2〜0.5質量%がより好ましく、0.2〜0.4質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、消臭効果をより高められる。
繊維製品用洗浄剤中、(B)成分/(C)成分で表されるモル比(以下、(B)/(C)モル比という)は、例えば、1/3〜5が好ましく、1/2〜2がより好ましい。上記範囲内であれば、消臭効果をより高められる。
<(D)成分>
(D)成分は、カチオン化セルロースである。(D)成分と(A)成分とを併用することで、消臭効果をより高められる。加えて、被洗物である繊維製品に柔軟性を付与できる。
(D)成分の質量平均分子量は、10万〜200万が好ましく、40万〜160万がより好ましい。質量平均分子量が上記下限値以上であれば、(D)成分が被洗浄物に吸着しやすくなり、(B)成分と(C)成分とで形成される錯体を取り込んだ(A)成分のミセルを被洗浄物に吸着しやすくし、消臭効果をより高められる。質量平均分子量が上記上限値以下であれば、(D)成分の水への溶解性が良好となる。
なお、(D)成分の質量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。
(D)成分のカチオン化度は、0.4〜1.2質量%が好ましく、0.4〜0.8質量%がより好ましい。
ここで、「カチオン化度」とは、(D)成分の分子中に占める窒素の含有率(質量%)を意味し、グルコース環単位当たりの窒素原子の割合を示す。なお、該窒素原子はカチオン化剤に由来する。
カチオン化度は、その値が大きいほどカチオン化セルロースのカチオン性が強まり、水溶性が高くなることを意味する。つまりカチオン化度は、被洗物とカチオン化セルロースとの吸着性に関係する物性である。
本発明では、(D)成分のカチオン化度が上記下限値以上であれば、適度な強さのカチオン性が得られ、(D)成分の被洗物への吸着性がより良好となる。一方、カチオン化度が上記上限値以下であれば、カチオン性の強さが適度に抑えられて水溶性が高くなりすぎない。つまり、被洗物に吸着した(D)成分が、濯ぎ等によって流失するのを防ぐことができる。このため、被洗物への(D)成分の吸着性が良好に保たれ、(D)成分を介して、(B)成分と(D)成分との錯体が被洗物に吸着し、消臭効果が洗浄後から、使用後の洗浄に至るまで持続されると考えられる。
(D)成分は、例えば、セルロースに酸化エチレンを付加させて得られるヒドロキシエチルセルロースと、カチオン化剤のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドとを反応させることによって製造することができる。
好適な(D)成分としては、下記一般式(II)で表される繰返し単位を有する化合物、即ち、(ハロゲン)−O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
Figure 0005809874
[(II)式中、αは単位モノマーの重合数;R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は下記一般式(III)で示される置換基である。l、m、nは、それぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を示す。]
Figure 0005809874
[(III)中、Xはハロゲン原子を示す]
前記一般式(III)中、Xは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表す。
(II)式で表される化合物において、グルコース環単位当たりのエチレンオキシド(EO)置換度は、0.3〜3.0が好ましく、0.7〜2.5がより好ましく、1.0〜1.6がさらに好ましい。なお、一般式(II)にて示される[CHCHO]は、EOに由来するオキシエチレン基である。
ここで、「EO置換度」とは、セルロース原料のグルコース環単位当たり、EOで置換された水酸基の平均個数(該グルコース環の持つ3つの水酸基の内のいくつにEOが付加されたかを示すもので、最大3となる。)を示す。EO置換度は0.3以上であれば、分子同士の相互作用が少なく、溶解性が高いので好ましい。
(II)式で表される化合物において、グルコース環単位当たりのEO平均付加モル数は、l+m+n=0.4〜5が好ましく、洗浄効果の向上、再汚染(汚れの再付着)の抑制の効果が良好なことから、l+m+nの下限値が1であるとより好ましく、上限値が3であるとさらに好ましい。
(D)成分としては、ライオン株式会社から販売されているレオガードGPS(カチオン化度1.8質量%)、レオガードGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードGP0(カチオン化度1.8質量%)、レオガードLP(カチオン化度1.0質量%)、レオガードKGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードMGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードMLP(カチオン化度0.6質量%);東邦化学工業株式会社から販売されているカチナールHC−100(カチオン化度1.0〜2.0質量%)、カチナールHC−200(カチオン化度1.0〜2.0質量%)、カチナールLC−100(カチオン化度0.5〜1.5質量%)、カチナールLC−200(カチオン化度0.5〜1.5質量%);ダウケミカル社から販売されているUCARE Polymer LR400(カチオン化度0.8〜1.1質量%)、UCARE Polymer LR30M(カチオン化度0.8〜1.1質量%)(以上、商品名)等が好適なものとして挙げられる。
上記市販のものにおけるグレードの相違は、セルロースの分子量、EOの平均付加モル数又はカチオン化度等が異なることによる。
本発明において、(D)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤中の(D)成分の含有量は、0.01〜3質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましく、0.2〜1.0質量%がさらに好ましく、0.3〜0.8質量%が特に好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であれば、(B)成分と(C)成分との錯体の被洗物への吸着をより促進でき、消臭効果をより高められる。上記上限値以下であれば、洗浄後の被洗物への白色粉状物の付着を抑制できる。加えて、上記上限値超としても、消臭効果のさらなる向上が図れないおそれがある。
繊維製品用洗浄剤中、(A)成分と(D)成分のバランスは、特に限定されず、例えば、(A)成分/(D)成分で表される質量比(以下、(A)/(D)質量比という)が好ましくは10〜350であり、より好ましくは10〜90、さらに好ましくは10〜60である。10以上であると(D)成分と(A)成分とが会合体を作った後、洗浄液中に残る(A)成分により十分な洗浄性能が得られる。350以下であると(B)成分と(C)との錯体が(A)成分のミセル中に取り込まれた後、このミセルと(D)成分とが会合体を形成し被洗物に残留することで、消臭効果がより高められる。
なお、(B)成分と(C)成分との錯体は、疎水的な状態であれば、前記ミセルに取り込まれる量が高まると考えられる。(B)成分と(C)成分との錯体が疎水的になるか否かは、(B)/(C)モル比に依存すると考えられる。
<(E)成分>
繊維製品用洗浄剤は、(A)〜(D)成分に加え、下記一般式(I)で表される有機過酸前駆体(E)((E)成分)を含有できる。(E)成分は、後述する(F)成分と併用されることで、有機過酸を発生し、この有機過酸が、洗浄液中の微生物又は被洗物に付着した微生物に作用し、殺菌又は除菌効果が向上する。加えて、殺菌又は除菌効果は、(B)成分と(C)成分との錯体の存在によって、相乗的に高められる。このため、洗浄後の乾燥中の繊維製品や使用後の繊維製品において、微生物の増殖が抑制され、消臭効果がより高められる。さらに、繊維製品の漂白効果が高まる。
Figure 0005809874
[(I)式中、Rは炭素数7〜18の直鎖状の脂肪族炭化水素基を表し、Xは水素原子、−COOM又はSOM(Mは水素原子又は塩形成カチオンを表す。)を表す。]
(I)式中、Rにおける脂肪族炭化水素基は、飽和の脂肪族炭化水素基(アルキル基)であってもよく、不飽和結合を有する脂肪族炭化水素基であってもよい。該脂肪族炭化水素基の炭素数は、殺菌効果、除菌効果に優れる点から、8〜11が好ましい。
Mにおける塩形成カチオンとしては、例えば、前記式(c1)中のX11〜X14の説明で挙げたアルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウム等が挙げられる。Mとしては、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はカチオン性アンモニウムが好ましく、水素原子又はアルカリ金属がより好ましい。
(I)式中、ベンゼン環におけるXの結合位置は、特に限定されない。過酸の発生速度、製造性の点から、RC(=O)O−の結合位置のパラ位(4位)が好ましい。
(E)成分としては、例えば、デカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、繊維製品の褪色を抑制する観点から、デカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましく、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。これらの(E)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分は、貯蔵時の保存安定性の観点から、造粒物又は成形物として配合されることが好ましく、造粒物として配合されることがより好ましい。
造粒物又は成形物中、(E)成分の含有量は、30〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。含有量が上記範囲内であると、造粒した効果が十分に得られない場合がある。
(E)成分は、バインダー化合物を用いて造粒物又は成形物とされていることが好ましい。
バインダー化合物としては、公知のものが利用できる。好ましいバインダー化合物として、ポリエチレングリコール、炭素数12〜20の飽和脂肪酸、重量平均分子量1000〜1000000のポリアクリル酸及びその塩等が挙げられる。
ポリエチレングリコールとしては、平均分子量500〜25000のポリエチレングリコールが好ましい。該平均分子量は、1000〜20000がより好ましく、2600〜9300がさらに好ましく、7300〜9300が特に好ましい。
炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、炭素数14〜20の飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14〜18の飽和脂肪酸がより好ましい。
なお、本明細書において、ポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。ポリアクリル酸及びその塩の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
造粒物又は成形物中、バインダー化合物の含有量は、0.5〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
前記造粒物又は成形物には、さらに、水への溶解性の向上のために、界面活性剤が配合されていてもよい。
この界面活性剤としては、従来公知のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等を用いることができる。
好ましい界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、それらのいずれか2種以上の混合物等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が10〜15のものが好ましく、アルキレンオキサイドとしてEO及び/又はプロピレンオキサイド(PO)が付加したものが特に好ましい。該ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、EO、PO、あるいはEOとPOの混合のいずれの場合も、合計で4〜30が好ましく、5〜15がより好ましい。また、EO/POのモル比は、5/0〜1/5が好ましく、5/0〜1/2がより好ましい。
オレフィンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が14〜18のα−オレフィンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18のアルキル硫酸エステル塩が好ましく、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、ラウリル硫酸エステルナトリウム又はミリスチル硫酸エステルナトリウムがさらに好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩におけるオキシエチレン基の平均重合度(以下、平均重合度をPOEと記載する。)は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、特に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)が好ましい。
造粒物又は成形物中、界面活性剤の含有量は、0〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
前記造粒物又は成形物には、さらに、フィルム形成性重合体、ゼオライト等が配合されていてもよい。繊維製品用洗浄剤がアルカリ性の成分と水とを含む場合、これらの存在により、貯蔵中に(E)成分の加水分解が生じ、効果が損なわれるおそれがある。このため、フィルム形成性重合体、ゼオライト等が配合されていると、(E)成分の加水分解を抑制できる。
前記造粒物又は成形物は、公知の造粒又は成形方法により製造できる。
造粒又は成形の際、バインダー化合物を予め融解して(E)成分(及び必要に応じて界面活性剤等)に添加することが、保存安定性、製造性等の観点で好ましい。この時、バインダー化合物を融解させる温度は40〜100℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、50〜90℃がさらに好ましい。
これらの成分を均一になるまで撹拌混合した後、造粒又は成形することにより造粒物又は成形物が得られる。
好ましい造粒法としては、押出造粒が挙げられる。この場合、造粒物の平均粒子径を500〜5000μmとすることが好ましく、平均粒子径を500〜3000μmとすることがより好ましい。
また、成形物とする場合の好ましい成形法として、例えば、ブリケット機により錠剤形状にする方法等が挙げられる。
繊維製品用洗浄剤中の(E)成分の含有量は、0.1〜3質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。上記下限値以上であれば、漂白効果、殺菌効果、除菌効果等がさらに高まり、消臭効果がさらに高まる。上記上限値超としても、漂白効果、殺菌効果、除菌効果が高まらない場合があり、また、繊維製品の品質劣化が生じたり、十分な界面活性剤の含有量が確保できず、十分な洗浄効果が得られないおそれがある。
<(F)成分>
繊維製品用洗浄剤は、(A)〜(D)成分に加え、過酸化水素又は水中で過酸化水素を発生する過酸化物(F)((F)成分)を含有できる。(F)成分を含有することで、漂白効果、殺菌効果、除菌効果が高まる。加えて、(F)成分は、(E)成分と併用されることで、漂白効果、殺菌効果、除菌効果を相乗的に高められる。
(F)成分の内、水中で過酸化水素を放出する過酸化物(以下、単に過酸化物ということがある)としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム・3水和物等が挙げられ、中でも、使用時の溶解性や貯蔵時の安定性の点から、過炭酸ナトリウムが好ましい。
繊維製品用洗浄剤が固体である場合、(F)成分としては、過酸化物が用いられる。この時、繊維製品用洗浄剤には、過酸化物がそのまま配合されてもよく、貯蔵時の安定性等を改善するための被覆が施された被覆粒子(例えば、被覆過炭酸ナトリウム粒子)として配合されてもよい。
これらの(F)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤が液体である場合、(F)成分としては、過酸化水素、過酸化物のいずれを用いてもよい。
前記被覆粒子としては、公知のものが利用できる。例えば、被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、ケイ酸及び/又はケイ酸塩とホウ酸及び/又はホウ酸塩とで被覆されたものや、LAS等の界面活性剤と無機化合物とを組み合わせて被覆されたものが好ましい。具体的には、特許第2918991号公報等に記載されているように、ケイ酸及び/又はケイ酸アルカリ金属塩水溶液とホウ酸及び/又はホウ酸アルカリ金属塩水溶液等を噴霧して被覆したものや、特許第2871298号公報等の芳香族炭化水素スルホン酸及び/又は平均粒子径が10〜500μmである珪酸アルカリ塩、炭酸塩、重炭酸塩及び硫酸塩で被覆したもの、パラフィンやワックス等の水不溶性有機化合物で被覆したもの等が挙げられる。非危険物化のために、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、種々の無機物等と粉体ブレンドして用いてもよい。
さらに、繊維製品用洗浄剤が、成分(A)の配合等により水分が多い組成物となっている場合には、過炭酸ナトリウムにケイ酸及びホウ酸ナトリウムでコーティングした被覆過酸化物、芳香族炭化水素スルホン酸及び珪酸アルカリ塩、炭酸塩、重炭酸塩及び硫酸塩で被覆したものを用いるのがより好ましい。
なお、繊維製品用洗浄剤が固体である場合、(F)成分の安定性を考慮すると、繊維製品用洗浄剤の水分は9質量%以下が好ましい。
被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、特開昭59−196399号公報、USP4526698号(何れも過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆)の他に特開平4−31498号公報、特開平6−40709号公報、特開平7−118003号公報、特許第2871298号公報に掲載されている方法により製造されたものを挙げることができる。
(F)成分を粒子(過酸化物粒子又は被覆粒子)として繊維製品用洗浄剤に配合する場合、(F)成分の粒子の平均粒子径は200〜1000μmが好ましく、500〜1000μmがより好ましい。また、溶解性及び安定性の向上のため、粒子径125μm未満の粒子及び粒子径1400μmを超える粒子は、(F)成分中、10質量%以下が好ましい。
繊維製品用洗浄剤中の(F)成分の含有量は、繊維製品用洗浄剤の用途等を勘案して決定できる。
また、繊維製品用洗浄剤中の(F)成分の含有量は、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、2〜15質量%がさらに好ましい。上記下限値未満では、殺菌効果、除菌効果が不十分となり、消臭効果が高まらないおそれがある。上記上限値超とすると、(A)成分の含有量が不十分となり、洗浄効果が低下するおそれがある。
<その他の任意成分>
繊維製品用洗浄剤は、(A)〜(F)成分に加え、(A)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤)、洗浄性ビルダー、(C)成分以外の金属イオン封鎖剤、香料、色素、蛍光増白剤、酵素、酵素安定剤、その他のポリマー類、ケーキング防止剤、消泡剤、還元剤、pH調整剤等の任意成分を含有できる。
≪任意界面活性剤≫
任意界面活性剤としては、≪含ノニオン界面活性剤粒子≫で例示したノニオン界面活性剤、従来公知のカチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、従来、繊維製品用洗浄剤に用いられているものであれば、特に限定されず、各種のカチオン界面活性剤を使用することができる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
これら(1)〜(3)における「長鎖アルキル」は、炭素数12〜26のアルキル基を示す。該アルキル基の炭素数は14〜18が好ましい。
「短鎖アルキル」は、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。該アルキル基の炭素数は1又は2が好ましい。該アルキル基が有していてもよい置換基としては、フェニル基、ベンジル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基の炭素数は2〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。ポリオキシアルキレン基におけるアルキレン基の炭素数は2〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。
両性界面活性剤としては、従来、繊維製品用洗浄剤に用いられているものであれば、特に限定されず、各種の両性界面活性剤を使用することができる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系の両性界面活性、アミドベタイン系の両性界面活性剤等を挙げることができる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
これらの任意界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
≪洗浄性ビルダー≫
洗浄性ビルダーは、無機ビルダー、有機ビルダーに大別される。
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、結晶性層状珪酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン社製の商品名[Na−SKS−6](δ−NaO・2SiO))等の結晶性アルカリ金属珪酸塩、非晶質アルカリ金属珪酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物、アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
アルミノ珪酸塩としては、結晶質、非晶質(無定形)のいずれのものも用いることができる。カチオン交換能の点から結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩としてはゼオライトが好適に配合でき、該ゼオライトとしては、A型、X型、Y型、P型いずれも使用できる。
無機ビルダーとしては、上記の中でも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、結晶性アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属塩化物、アルミノ珪酸塩が好ましく、炭酸カリウム、結晶性アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属塩化物、結晶性アルカリ金属塩化物が特に好ましい。
炭酸カリウムを配合する場合、繊維製品用洗浄剤中の炭酸カリウムの含有量は、溶解性向上の効果の点から、1〜15質量%が好ましく、2〜12質量%がより好ましく、5〜12質量%がさらに好ましい。
結晶性アルカリ金属珪酸塩を配合する場合、繊維製品用洗浄剤中の結晶性アルカリ金属珪酸塩の含有量は、洗浄効果の点から、0.5〜40質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
アルカリ金属塩化物を配合する場合、繊維製品用洗浄剤中のアルカリ金属塩化物の含有量は、溶解性向上の効果の点から、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩を配合する場合、繊維製品用洗浄剤中の結晶性アルミノ珪酸塩の含有量は、洗浄効果及び流動性等の粉体物性の点で、1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%が特に好ましい。
有機ビルダーとしては、ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物等の多糖類誘導体等が挙げられる。中でも、クエン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩が好ましい。特に、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、重量平均分子量が1000〜80000のアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩、重量平均分子量が800〜1000000(好ましくは5000〜200000)のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩(例えば、特開昭54−52196号公報に記載のもの)が好適である。
洗浄性ビルダーは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。洗浄効果、洗浄液中での汚れ分散性を改善する目的から、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩等の有機ビルダーと、ゼオライト等の無機ビルダーとを併用するのが好ましい。
繊維製品用洗浄剤中の洗浄性ビルダーの含有量は、十分な洗浄性を付与するために、本発明の効果を損なわない範囲で使用することが好ましい。
≪金属イオン封鎖剤≫
金属イオン封鎖剤は、水道水中の微量金属イオン等を捕捉し、洗浄効果を高める効果を有するものであり、(C)成分を除くものである。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP−H)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、ヒドロキシメタンホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシエチルイミノジ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸誘導体又はその塩;ジグリコール酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等の有機酸類又はその塩等が挙げられる。
上記金属イオン封鎖剤は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤中の金属イオン封鎖剤の含有量は、性能を損なわない範囲で用いるよう配慮が必要となる。
≪香料≫
本発明における香料とは、香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物(香料組成物)である。
かかる香料としては、例えば、特開2002−146399号公報、特開2003−89800号公報に記載のもの等を用いることができる。
香料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤中の香料の含有量は、0.001〜2質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。
≪色素≫
繊維製品用洗浄剤の外観を良好にするために、各種色素を配合できる。
色素としては、染料、顔料のいずれも使用できる。保存安定性の点から、顔料が好ましく、酸化物等、耐酸化性を有する化合物が特に好ましい。かかる化合物としては、酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。
色素は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
≪蛍光増白剤≫
蛍光増白剤としては、例えば、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等の蛍光増白剤が挙げられる。
市販の蛍光増白剤としては、例えばホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(以上、商品名;住友化学株式会社製)、チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(以上、商品名;BASF社製)、Lemonite CBUS−3B(以上、商品名;Khyati Chemicals社製)等が挙げられる。これらの中ではチノパールCBS−X、チノパールAMS−GXが好ましい。
蛍光増白剤としては、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤中の蛍光増白剤の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
≪酵素≫
繊維製品用洗浄剤に配合することができる酵素としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類、及びイソメラーゼ類が挙げられ、本発明においてはいずれも適用できる。中でも、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ等が好ましい。
プロテアーゼとしては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA又はB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA又はB等が挙げられる。プロテアーゼの市販品としては、サビナーゼ、アルカラーゼ、カンナーゼ、コロナーゼ、エバラーゼ、デオザイム(以上、商品名;ノボザイムズ社製);API21(商品名;昭和電工株式会社製);マクサカル、マクサペム、ピュラフェクト(以上、商品名;ダニスコ社製);プロテアーゼK−14又はK−16(特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼ)等を挙げることができる。
エステラーゼとしては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類、ホスホターゼ類等が挙げられる。
リパーゼとしては、リポラーゼ、ライペックス(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、リポサム(商品名;昭和電工株式会社製)等の市販のリパーゼ等を挙げることができる。
セルラーゼとしては、セルザイム、ケアザイム、セルクリーン(商品名;ノボザイムズ社製);アルカリセルラーゼK、アルカリセルラーゼK−344、アルカリセルラーゼK−534、アルカリセルラーゼK−539、アルカリセルラーゼK−577、アルカリセルラーゼK−425、アルカリセルラーゼK−521、アルカリセルラーゼK−580、アルカリセルラーゼK−588、アルカリセルラーゼK−597、アルカリセルラーゼK−522、CMCアーゼI、CMCアーゼII、アルカリセルラーゼE−II、及びアルカリセルラーゼE−III(以上、特開昭63−264699号公報に記載のセルラーゼ)等が挙げられる。
アミラーゼとしては、市販のステインザイム、ターマミル、デュラミル(以上、商品名;ノボザイムズ社製)等を挙げることができる。
酵素は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、酵素は、別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用することが好ましい。
繊維製品用洗浄剤中、酵素の含有量は、0.3〜2質量%が好ましい。
≪酵素安定剤≫
酵素安定剤としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、蟻酸、ホウ素化合物等を配合することができる。これらの中では、4ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム等が好ましい。
酵素安定剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤中の酵素安定剤の含有量は、0.05〜2質量%が好ましい。
≪その他のポリマー類≫
界面活性剤含有粒子を高密度化する場合におけるバインダーや粉末物性剤として、さらには疎水性微粒子に対する再汚染防止効果を付与するため、平均分子量が200〜200,000のポリエチレングリコールや重量平均分子量1000〜100000のアクリル酸及び/又はマレイン酸のポリマー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等を配合することができる。
また、汚れ放出剤として、テレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位とのコポリマー又はターポリマー等を配合することができる。
また、色移り防止効果を付与するため、ポリビニルピロリドン等を配合することができる。中でも、平均分子量1500〜7000のポリエチレングリコールが好ましい。
該ポリマー類は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維製品用洗浄剤中の該ポリマー類の含有量は、0.05〜5質量%が好ましい。
≪ケーキング防止剤≫
ケーキング防止剤としては、例えば、パラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等が挙げられる。
ケーキング防止剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
≪消泡剤≫
消泡剤としては、従来、知られている例えばシリコーン系/シリカ系のものを挙げることができる。
消泡剤は、特開平3−186307号公報4頁左下欄に記載の方法を用いて製造した消泡剤造粒物としてもよい。具体的には、まず、マルトデキストリン(酵素変性デキストリン、日澱化学株式会社製)100gに消泡成分としてシリコーン(コンパウンド型、PSアンチフォーム、ダウコーニング社製)を20g添加し、混合して均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG−6000,融点58℃)25質量%及び中性無水芒硝25質量%を70〜80℃で混合後、押出し造粒機(型式EXKS−1、不二パウダル株式会社製)により造粒し、造粒物を得る。
消泡剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
≪還元剤≫
還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。
≪pH調整剤≫
繊維製品用洗浄剤は、そのpHが特に制限されるものではないが、洗浄性能の点から、繊維製品用洗浄剤の1質量%水溶液におけるpHが8以上が好ましく、該1質量%水溶液におけるpHが9〜11がより好ましい。前記pHが8以上であることにより、洗浄効果が発揮されやすくなる。
繊維製品用洗浄剤のpHを制御するための技術としては、通常アルカリ剤によってpH調整が行われており、前記洗浄性ビルダーに記載のアルカリ剤のほか、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。例えば、水への溶解性及びアルカリ度の点から、炭酸ナトリウムと珪酸ナトリウムと水との割合が55/29/16(質量比)の混合物であるNABION15(商品名、ローディア社製)を用いるのが好ましい。
また、繊維製品用洗浄剤のpHが高くなりすぎることを防止するために、酸等を用いて上記pHの範囲に調整することもできる。
かかる酸としては、前記金属イオン封鎖剤、リン酸2水素カリウム等のアルカリ金属リン酸2水素塩、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸又はそれらのポリカルボン酸、炭酸水素ナトリウム、硫酸、塩酸等を使用することができる。
また、洗浄時に繊維の汚れに由来する酸成分によるpHの低下を防止するための緩衝剤を用いてもよい。
pH調整剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(製造方法)
繊維製品用洗浄剤の製造方法は、特に制限されないが、例えば、粒状の繊維製品用洗浄剤の場合、界面活性剤含有粒子を得る第一の工程と、得られた界面活性剤含有粒子と機能性粒子(例えば過炭酸ナトリウム粒子等)を流動させながら、混合する第二の工程により得られる。
<第一の工程>
第一の工程は界面活性剤含有粒子を得る工程であり、従来公知の方法を用いることができる。例えば、界面活性剤、アルカリ金属炭酸塩や任意成分を水に分散・溶解して噴霧乾燥用スラリーを調製し(スラリー調製操作)、噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥機により乾燥して噴霧乾燥粒子を得るものが挙げられる(噴霧操作)。さらに、噴霧操作で得られた噴霧乾燥粒子を界面活性剤や任意成分と共に造粒(造粒操作)して、界面活性剤含有粒子を得ることができる。必要に応じ、得られた界面活性剤含有粒子を篩い分けて所望する平均粒子径、粒度分布に調整してもよい(篩分操作)。
噴霧操作において、噴霧乾燥用スラリーの噴霧乾燥時、噴霧乾燥塔内には高温ガスが供給される。この高温ガスは、例えば噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される。この高温ガスの温度としては、170〜300℃が好ましく、200〜280℃がより好ましい。該範囲であれば、噴霧乾燥用スラリーを十分に乾燥することができ、所望とする水分含有量の噴霧乾燥粒子を容易に得ることができる。
また、噴霧乾燥塔より排出されるガスの温度は、通常、70〜125℃が好ましく、70〜115℃がより好ましい。
なお、高温ガスが噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される(向流式)場合、得られる噴霧乾燥粒子の温度が高くなりすぎることを抑制するために、噴霧乾燥塔の下部より冷風を供給することができる。また、同時に、例えば噴霧乾燥塔の下部より無機微粒子(ゼオライト等)等を導入し、噴霧乾燥粒子と接触させることにより、該噴霧乾燥粒子の噴霧乾燥塔内壁への付着防止を図ったり、得られる噴霧乾燥粒子の流動性の向上を図ったりできる。噴霧乾燥塔としては、向流式であっても並流式であってもよく、中でも、熱効率や噴霧乾燥粒子を十分に乾燥することができることから向流式が好ましい。噴霧乾燥用スラリーの微粒化装置としては、圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式等が挙げられる。中でも、所望とする平均粒子径を得ることが容易な圧力噴霧ノズルを用いることが好ましい。ここで、「圧力噴霧ノズル」とは、圧力をかけることにより、噴霧乾燥用スラリーを該ノズルの噴霧口より押し出しながら噴射させて微粒化させる際に用いるノズル全般を包含する。中でも、噴霧乾燥用スラリーを、該ノズルの一又は複数の流入口から該ノズル内の渦巻き室に導き、その渦巻き室内で旋回流として噴霧口より噴射させる構造を持つノズルが特に好ましい。噴霧時の圧力としては、2〜4MPa(ゲージ圧)が好ましく、より好ましくは2.5〜3MPa(ゲージ圧)である。
造粒操作は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、噴霧乾燥粒子と他の任意成分とを捏和・粉砕する粉砕造粒や、攪拌造粒、転動造粒、流動層造粒等が挙げられる。
造粒操作においては、噴霧乾燥粒子と他の任意成分とに、水、ノニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤の水分散液を任意の液滴径で噴霧しながら造粒することができる。
造粒操作で噴霧するノニオン界面活性剤の溶融液又はノニオン界面活性剤の水分散液の温度は、特に限定されないが、70〜85℃が好ましい。
液滴径は、特に限定されないが、100〜200μmが好ましい。液滴径は、例えば、レーザー式粒子径測定装置により測定することができる。該レーザー式粒子径測定装置としては、例えば、東日コンピュータアプリケーションズ株式会社製、LDSA−1400A等が挙げられる。
造粒操作において、噴霧乾燥粒子、他の任意成分の温度は、特に限定されないが、20〜40℃が好ましい。
篩分操作は、例えば、複数種の目開きの篩を用意し、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ねて篩ユニットとし、該篩ユニットの上部に界面活性剤含有粒子を投入し、篩ユニットを振動して篩い分ける。篩上に残存した界面活性剤含有粒子を篩毎に回収し、回収した界面活性剤含有粒子を混合して、所望する平均粒子径又は粒度分布の界面活性剤含有粒子を得ることができる。
<第二の工程>
第二の工程は、界面活性剤含有粒子と機能性粒子等を混合する工程であり、従来公知の方法を用いることができる。例えば、これらの粒子を攪拌造粒機、転動造粒機、流動層造粒機で流動させながら混合するものが挙げられる。
混合操作は、例えば、有底円筒状の容器内に攪拌羽根を備えた容器回転式円筒型混合機を用い、該粒子を添加し混合する方法が挙げられる。容器回転式円筒型混合機としては、例えば、特開2005−154648号公報に記載の容器回転式円筒型混合機が挙げられる。
容器回転式円筒型混合機を用いた混合操作においては、下記(2)式で表されるフルード数(Fr)を0.01〜0.8とすることが好ましい。Frを上記範囲とすることで、該粒子を良好に混合できる。
Fr=V/(R×g)・・・(2)
[ただし、前記(2)式中、Vは、容器回転式円筒型混合機の攪拌羽根における最外周の周速(m/s)を表す。Rは、容器回転式円筒型混合機における最外周の回転中心からの半径(m)を表す。gは、重力加速度(m/s)を表す。]
(洗浄方法)
繊維製品用洗浄剤を用いた繊維製品の洗浄方法として、例えば、繊維製品用洗浄剤の濃度が0.02〜2質量%である洗浄液を用い、洗濯機で被洗物を洗浄したり、繊維製品用洗浄剤の濃度を0.02〜2質量%とした洗浄液に被洗物を浸け置く等の方法が好適であり、洗濯機に投入して5〜30分間洗浄するのに特に好適である。これにより、繊維製品に付着した汚れを除去すると共に、繊維製品に消臭効果を付与できる。
本発明の洗浄方法により洗浄された繊維製品は、洗濯サイクルで生じる様々な臭気を抑制できる。
被洗物である繊維製品としては、特に限定されないが、例えば、衣料、布帛、カーテン、シーツ等が挙げられる。
繊維製品の素材としては、特に限定されないが、本発明の繊維製品用洗浄剤の有効性が高いことから、綿製品が好ましい。
繊維製品用洗浄剤と繊維製品との接触は、pH8以上のアルカリ条件下で行うことが好ましく、pH9〜11がより好ましい。該pHが8以上であれば、除菌効果を高め、消臭効果を相乗的に高められる。なお、pHは、25℃におけるpHである。
上述した通り、本発明の繊維製品用洗浄剤によれば、(A)〜(D)成分の相互作用により、繊維製品からの臭気発生を抑制できる。
本発明の繊維製品用洗浄剤が消臭効果に優れる理由は定かではないが、以下のように推測される。
繊維製品用洗浄剤を水に分散すると、(B)成分と(C)成分とが錯体(以下、金属錯体ということがある)を形成する。この金属錯体は、洗浄液中の微生物や被洗物に付着している微生物を失活させ、洗浄後の繊維製品における微生物の増殖を抑制して、臭気の発生を抑制する。
加えて、金属錯体は、(B)成分単体及び(C)成分単体に比べて水溶性が低いため、(A)成分中に容易に取り込まれる。金属錯体を取り込んだ(A)成分は、(D)成分と会合体を形成し、この会合体は、容易かつ強固に被洗濯物に吸着し、残留する。繊維製品に吸着された金属錯体は、洗浄後の繊維製品に付着した微生物の増殖を抑制し、臭気の発生を抑制する。
繊維製品に吸着された金属錯体の(B)成分周辺では、配位子となる(C)成分や、(B)成分に配位している水が、他の物質と置換されやすい状態になっていると考えられる。このため、繊維製品に吸着した金属錯体においては、プラスに荷電しやすい臭気が、(B)成分と置換して金属錯体中の(C)成分と結合し、マイナスに荷電しやすい臭気が、水又は(C)成分と置換して金属錯体中の(B)成分と結合すると考えられる。このように、金属錯体は、臭気成分を良好に捕捉すると推測される。
そして、脂肪酸系、アミン系、チオール系等の様々な臭気を消臭できるものと考えられる。
さらに、臭気成分が金属錯体によって捕捉される効果は、洗濯サイクルにおいて、継続して発揮される。
本発明の繊維製品用洗浄剤は、(D)成分が繊維製品に残留することで、繊維製品に柔軟性を付与できる。
加えて、本発明の繊維製品用洗浄剤は、(B)成分又は(D)成分を著しく増量することなく消臭効果を高められるため、繊維製品の品質劣化を抑制できる。
さらに、本発明の繊維製品用洗浄剤は、(E)成分及び(F)成分を含有することで、金属錯体との相乗効果によって殺菌又は除菌効果をさらに高められ、消臭効果をより高められる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。なお、各例で用いた成分の配合量は、特に断りのない限り純分換算値である。
(使用原料)
<(A)成分>
(A−1):MES(パルミチン酸メチルエステル:ステアリン酸メチルエステル=80:20(質量比)の脂肪酸メチルエステルから合成される脂肪酸メチルエステルスルフォネートのナトリウム塩、純分(AI)=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等、ライオン株式会社製)
(A−2):LAS塩(LAS−H(直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(製品名;ライポンLH−200、純分96質量%、ライオン株式会社製)を、濃度48質量%水酸化カリウム水溶液で中和したもの(表中の配合量は、LAS−K(カリウム)としての質量%を示す))
(A−3):石鹸(炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム、純分;67質量%、タイター;40〜45℃、脂肪酸組成;C12=11.7質量%、C14=0.4質量%、C16=29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)=0.7質量%、C18F1(オレイン酸)=56.8質量%、C18F2(リノール酸)=1.2質量%、分子量;289、ライオン株式会社製)
<(A’)成分:(A)成分の比較品>
(A’−1):ノニオン界面活性剤、レオックスCC−150−90(炭素数12〜14のアルキル基をもつアルコールの酸化エチレン平均15モル付加体、ライオン株式会社製)
<(B)成分>
(B−1):ZnSO・1HO(硫酸亜鉛1水和物、信陽株式会社製)
(B−2):CuSO・5HO(硫酸銅5水和物、関東化学株式会社製)
<(C)成分>
(C−1):MGDA(メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム、製品名;Trilon M Compactate(純分86%)、BASF社製)
(C−2):NTA(ニトリロトリ酢酸3ナトリウム、製品名;Trilon A92R(純分92%)、BASF社製)
<(D)成分>
(D−1):カチオン化セルロース1(製品名;レオガードMLP、カチオン化度0.6質量%、ライオン株式会社製)
(D−2):カチオン化セルロース2(製品名;レオガードLP、カチオン化度1.0質量%、ライオン株式会社製)
<(D’)成分:(D)成分の比較品>
(D’−1):塩化ベンザルコニウム(関東化学株式会社製)
<(E)成分>
(E−1):OBS(4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム)の造粒物
≪OBS造粒物の製造方法≫
原料としてp−フェノールスルホン酸ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製、試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業株式会社製、試薬)、アセトン(関東化学株式会社製、試薬)を用い、以下の方法でOBSを合成した。
予め脱水処理したp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.46mol)をジメチルホルムアミド300g中に分散させ、マグネチックスターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド111g(0.51mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させ、ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去した。アセトンで洗浄した後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶させた。収率は90%であった。
得られたOBS、PEG(ポリエチレングリコール#6000M、平均分子量8300、凝固点58度、ライオン株式会社製)を連続式プロシェアミキサー(WA型、太平洋機工株式会社製)により混合して混合粉体を得た。該混合粉体を連続ニーダー(KRS−S1型、株式会社クリモト鉄工所製)に投入し、60℃で混練後、0.8mmの多孔性スクリーンを通して押し出し、ヌードル状の混合物を得た。得られた混合物に粉砕助剤としてA型ゼオライト(シルトンB、純分80質量%、水澤化学株式会社製)を混合しながら、粉砕機(NEW SPEED MILL、岡田精工株式会社製)を用いて粉砕し、粉砕物を得た。該粉砕物を篩分けし、粒子径300〜700μmの造粒物を得た。
なお、造粒物中の各成分の配合割合は次の通り。
OBS12:70.0質量%、A型ゼオライト:5.0質量%、PEG:20.0質量%。
<(F)成分>
(F−1)PC剤:過炭酸ナトリウム粒子(商品名;SPCC、有効酸素量13.8質量%、平均粒子径870μm、Zhejiang Jinke Chemicals Co.,Ltd.製)
(任意成分)
・炭酸ナトリウム:粒灰、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm、旭硝子株式会社製
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0、四国化成株式会社製
・A型ゼオライト:シルトンB(製品名)、純分80質量%、水澤化学株式会社製
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm、旭硝子株式会社製
・MA剤:アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、アクアリックTL−400(商品名)、純分40質量%水溶液、株式会社日本触媒製
(実施例1〜17、比較例1〜8)
表1〜4に示す組成表に従い、以下の製造方法にて粒状の繊維製品用洗浄剤を得た。
原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られた(A−1)の水性スラリー(水分濃度25質量%に調製した。)に、(A’−1)の一部((A−1)に対して25質量%の量)を投入し、水分濃度が11質量%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、(A−1)と(A’−1)との混合濃縮物を得た。なお、以下の製造方法において、表中に配合量が記載されていない成分は、添加されないものとする。
<第一の工程>
撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を80℃に調整した。これに(A−1)と(A’−1)とを除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤を添加した。さらに10分間撹拌した後、A型ゼオライトの一部(表中に記載の配合量から、捏和時添加用1.0質量%、粉砕助剤用5.0質量%及び第二の工程で投入する表面改質用の1.5質量%を除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した(スラリー調製操作)後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径(質量50%)320μm、嵩密度0.30g/cm、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た(噴霧操作)。
得られた噴霧乾燥粒子、上述の混合濃縮物、1.0質量%のA型ゼオライト、ノニオン界面活性剤(第二の工程で噴霧する噴霧添加用のノニオン界面活性剤0.3質量%、及び上記混合濃縮物中のノニオン界面活性剤を除く残部)、蛍光増白剤、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(D’)成分及び水を連続ニーダー(KRC−S12型、株式会社栗本鐵工所製)に投入し、ニーダーの回転数135rpm、ジャケット温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤を含有する水分6質量%の捏和物を得た(捏和処理)。該捏和物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル株式会社製、EXDFJS−100型)で押し出しつつ、カッターで切断(カッター周速は5m/s)し、長さ5〜30mm程度のペレット状成形物を得た。
次いで、得られたペレット状成形物に、粉砕助剤としてのA型ゼオライト(平均粒子径180μm)5.0質量%相当量を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で、直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン株式会社製、DKA−3)を用いて粉砕し、粉砕物(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)を得た(造粒操作)。
<第二の工程>
表1の組成に従い、粉砕物、(F−1)及びOBS造粒物を、容器回転式円筒型混合機に15kg/minの速度で同時に投入し、混合した。この容器回転式円筒型混合機は、容器が直径0.7m、長さ1.4m、傾斜角3.0°、出口堰高さ0.15m、内部混合羽根が高さ0.1m、長さ1.4mの平羽根を90°毎に4枚取り付けた仕様のものである。また、内部混合羽根の回転数はフルード数をFr=0.2になるように調整した。
容器を回転させて流動化させた粒子群に対し、1.5質量%の表面改質用のA型ゼオライトを加え、予め75℃に調整した、0.3質量%のノニオン界面活性剤水分散液を噴霧し、1分間転動して、各例の粒状の繊維製品用洗浄剤を得た。
得られた繊維製品用洗浄剤について、洗浄効果、消臭効果及び変褪色抑制効果を評価した。
なお、表中、「mmol/100g」は、繊維製品用洗浄剤100g中のモル濃度を表す。
(比較例9)
噴霧乾燥用スラリーに(A’−1)成分の一部(16質量%相当量)を添加し、捏和処理で(A’−1)成分の一部(4.7質量%相当量)を添加した以外は、実施例1と同様にして粒状の繊維製品用洗浄剤を得た。得られた繊維製品用洗浄剤について、洗浄効果、消臭効果及び変褪色抑制効果を評価した。
(評価方法)
<洗浄効果、消臭効果>
家庭で半年間使用したバスタオル10枚を、洗濯せずに入浴後繰り返し約3日間使用した。このバスタオルを回収し、半裁して被洗物とした。半裁された一方の被洗物(計10枚)と、5cm四方の湿式人工汚染布5枚とを洗濯機(JW−Z23A型、ハイアール社製)の通常コースで洗浄した(水温約16℃、硬度約3゜DHの水道水を注水、浴比20倍)。この際、18Lの水に、各例の繊維製品用洗浄剤12gを分散し洗浄液とした。なお、浴比合わせには、新品の綿100%の肌シャツ(BVD製)を用いた。この肌シャツは、全自動洗濯機(松下電器産業株式会社製、NA−F70SD1)のおまかせコースで5回洗浄したものである(水温約50℃、硬度約3°DHの水道水を注水)。肌シャツを洗浄する際には、洗浄剤として市販の合成洗浄剤粉末トップ(商品名、ライオン株式会社製)を用い、洗浄剤の1回当たりの使用量を20g/水道水30Lとして洗浄した。こうして、各例の繊維製品用洗浄剤で被洗物が洗浄された臭気評価布と、湿式人工汚染布の洗浄品(洗浄評価布)とを得た。得られた洗浄評価布の反射率及び洗浄前の湿式人工汚染布の反射率を色差計(SE200型、日本電色株式会社製)で測定し、下記(3)式により洗浄率(%)を算出した。洗浄評価布5枚の洗浄率(%)の平均値を下記評価基準に分類し、洗浄効果を評価した。
洗浄率(%)={(洗浄前の湿式人工汚染布のK/S)−(洗浄評価布のK/S)}÷(洗浄前の湿式人工汚染布のK/S) ・・・(3)
ただし、K/Sは、(1−R/100)÷(2R/100)で求められる値であり(クベルカムンク式)、Rは反射率(%)である。
≪評価基準≫
○:洗浄率70%以上。
△:洗浄率50以上70%未満。
×:洗浄率50%未満。
また、比較例1から(C)成分及び(D)成分を除いた洗浄剤(基準洗浄剤)を用い、各例の繊維洗品用洗浄剤と同様にして、半裁された他方の被洗物(計10枚)を洗浄した。こうして、基準洗浄剤により洗浄された基準布を得た。
得られた臭気評価布及び基準布について、下記4つのシーンで、10名の専門パネラーが、臭気評価布と、これと対になる基準布との臭気(悪臭)を比較して、下記評価基準に従って評価した。パネラー10名の評価点の合計を下記の消臭効果の判断基準に分類し、消臭評価とした。
下記の4つのシーンでの消臭効果を確認することにより、洗浄後から使用後洗浄前に至るまでに生じる様々な悪臭に対する消臭効果を確認した。
なお、悪臭の種類としては、以下のものが挙げられ、シーン毎に、これらの悪臭の種類や構成バランスが異なると考えられる。
(1)洗浄で除去・消臭し切れなかった脂肪酸、アルデヒド、チオール系、アミン系等が混合した悪臭。
(2)室内干しによる微生物の増殖によって生じる中鎖脂肪酸系及びアミン系の臭気が主体の悪臭(洗浄時に取りきれず残ってしまった微量の皮脂(脂質及びタンパク質)を微生物が代謝することで生じると推定)。
(3)中鎖脂肪酸系臭気を主体とする乾燥後にも残留する悪臭。
(4)アミン系の臭気成分を主体とする生臭い悪臭(被洗物に付着したタンパク質を基質とし微生物により代謝されると推定)。
≪消臭評価を行ったシーン≫
シーン1:洗浄終了直後、洗濯機から取り出した時。
シーン2:洗浄終了後に、約28℃、相対湿度90%RHの室内に干して8時間乾燥を行った後。
シーン3:シーン2の乾燥後、約20℃、相対湿度45%RHの室内に移し、8時間乾燥を行った後。
シーン4:洗浄終了後に、約20℃、相対湿度45%RHの室内にて1日乾燥し、対になる臭気評価布同士又は基準布同士をつなぎ合わせ、洗浄せずに家庭で3日間使用した。その後、半裁し、別々にチャック付ポリ袋に入れた状態で回収、25℃の条件で2日間保管(洗浄前の繊維製品の洗濯前のため込み(汚れがタオルに付着している状態での放置)を想定)した後。
≪消臭効果の評価基準≫
+1点:臭気評価布から感知される悪臭が、基準布から感知される悪臭よりも相対的に弱い(基準洗浄剤に比べて、各例の繊維製品用洗浄剤の消臭効果が総じて高い)。
0点:臭気評価布から感知される悪臭と、基準布から感知される悪臭とに差異が殆どない(基準洗浄剤と各例の繊維製品用洗浄剤との消臭効果が略同等である)。
−1点:臭気評価布から感知される悪臭が、基準布から感知される悪臭よりも相対的に強い(基準洗浄剤に比べて、各例の繊維製品用洗浄剤の消臭効果が総じて低い)。
≪判断基準≫
◎◎:10名の合計点数が10点。
◎:10名の合計点数が8又は9点。
○:10名の合計点数が5〜7点。
△:10名の合計点数が2〜4点。
×:10名の合計点数が1点以下。
<変褪色抑制効果>
≪通常条件≫
Reactive Red21で染色した綿布10枚(#100、6cm×6cm)を上記「<消臭効果>」の評価時と同様の洗浄条件で洗浄した。洗浄後の綿布について、下記の変褪色の評価基準に従って目視で評価し、2点以上を合格とした。
≪変褪色の評価基準≫
3点:綿布の変褪色が認められなかった。
2点:綿布の変褪色がごくわずかに認められた。
1点:綿布の変褪色が少し認められた。
0点:綿布の変褪色がはっきりと認められた
≪過酷条件≫
プラスチック製シャーレ(直径9cm、高さ1.5cm)の上に、Reactive Red21で染色した綿布(#100)6cm×6cmを配置した。各例の繊維製品用洗浄剤1gを綿布に載せ、さらに染色した綿布を被せた。その後、被せた綿布の上から40℃の水道水2mLを静かにかけ、室温(25℃)で2時間放置した後、穏やかにすすいだ。次いで、洗濯機(JW−Z23A型、ハイアール社製)の通常コース(すすぎ2回水道水)を行い、アイロンで乾燥した。洗浄後の綿布について、上記の変褪色の評価基準に従って目視で評価し、2点以上を合格とした。
Figure 0005809874
Figure 0005809874
Figure 0005809874
Figure 0005809874
表1に示すように、本発明を適用した実施例1〜17は、洗浄効果の評価が「○」であり、シーン1〜4のいずれにおいても、消臭効果が「○」〜「◎◎」であり、かつ変褪色抑制が2点以上であった。中でも、(E)成分と(F)成分とを併用した実施例16〜17は、消臭効果が特に優れるものであった。
一方、(B)成分及び/又は(C)成分を含有しない比較例1〜3は、消臭効果が「×」〜「△」であった。(D)成分を含有しない比較例4,8は、消臭効果が「△」であった。(D)成分に換えて、カチオン性殺菌剤である(D’−1)を用いた比較例7は、消臭効果が「△」であった。(C)成分及び(D)成分を含有しない比較例5、(B)成分及び(D)成分を含有しない比較例6は、消臭効果が「×」であった。(A)成分に換えて(A’)成分を含有する比較例9は、消臭効果が「×」〜「△」であった。
これらの結果から、本発明を適用した繊維製品用洗浄剤は、消臭効果に優れることが判った。

Claims (4)

  1. アニオン界面活性剤(A)と、銅、マンガン、ニッケル、鉄及び亜鉛から選択される少なくとも1種(B)と、前記(B)成分と錯体を形成するアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤(C)と、カチオン化セルロース(D)とを含有する繊維製品用洗浄剤。
  2. 前記(D)成分を0.01〜3質量%含有する請求項1に記載の繊維製品洗浄剤。
  3. 前記(B)成分/前記(C)成分で表されるモル比は、1/3〜5である請求項1又は2に記載の繊維製品用洗浄剤。
  4. 下記一般式(I)で表される有機過酸前駆体(E)と、過酸化水素又は水中で過酸化水素を発生する過酸化物(F)とを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維製品用洗浄剤。
    Figure 0005809874
    [(I)式中、Rは炭素数7〜18の直鎖状の脂肪族炭化水素基を表し、Xは水素原子、−COOM又はSOM(Mは水素原子又は塩形成カチオンを表す。)を表す。]
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