JP5645558B2 - 除菌剤組成物および除菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、除菌剤組成物および除菌方法に関する。
近年の衛生嗜好の高まりに基づいて、衣料洗浄の分野においても除菌効果が強く求められている。衣料用洗剤には、除菌成分として、一般的に、過炭酸ナトリウム等の、水中で過酸化水素を放出する過酸化物が配合されている。しかし、過酸化物から放出される過酸化水素だけでは、充分な除菌ができないことがある。特に低温では除菌が不充分になりやすい。
かかる問題に対し、除菌力の向上を目的として、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムに代表される有機過酸前駆体を併用することが行われている。有機過酸前駆体は黄色ブドウ球菌を始めとするグラム陽性菌に対しては、非常に優れた除菌効果を発揮する。しかしその一方で、大腸菌を始めとするグラム陰性菌に対しては充分な効果が得られないという問題がある。また、有機過酸前駆体は、濃度を増加させると2量体を形成して失活するため、配合量を増しても除菌効果が向上しないという問題も抱えている。
かかる問題に対し、特許文献1〜3には、特定の配位子を有する銅錯体が、過酸化水素による酸化反応を促進させ、グラム陰性菌に対して優れた殺菌・除菌効果を発揮することが記載されている。また、特許文献4には、特定の配位子を有する銅錯体と有機過酸前駆体を併用することで、グラム陰性菌と陽性菌の両菌に対して効果を発現させた例が記載されている。
特開2009−148682号公報 特開2009−148683号公報 特開2009−235058号公報 特開2009−155292号公報
過酸化水素と特定の配位子を有する銅錯体との併用は、特許文献1〜4で除菌力評価に用いられているような、懸濁法による除菌力の評価試験(水溶液中に菌を分散させ、そこに試料(たとえば除菌剤組成物)を添加して行う試験)では非常に優れた除菌効果を発揮することが認められる。
しかし、本発明者らの検討によれば、懸濁法よりも実際の使用に即した評価試験で評価した場合、過酸化水素と特定の配位子を有する銅錯体とを併用しても、グラム陰性菌に対する除菌効果は充分ではないことがわかった。すなわち、衣類等の繊維製品にグラム陰性菌を付着させ、該繊維製品に、特定の配位子を有する銅錯体の存在下で過酸化水素を作用させた場合、懸濁法により評価した場合に比べて、その除菌効果は大きく低下していた。かかる問題は、特に繊維製品が綿製品である場合に顕著であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、繊維製品、特に綿製品に付着したグラム陰性菌を効果的に除菌できる除菌剤組成物および除菌方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下に示す成分(A)〜(D)を組み合わせることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]下記成分(A)〜(D)を含有することを特徴とする除菌剤組成物。
成分(A):亜鉛化合物。
成分(B):下記一般式(b1)または(b2)で表されるキレート化合物。
成分(C):過酸化水素、または水中で過酸化水素を放出する過酸化物。
成分(D):前記成分(C)と反応して有機過酸を発生する有機過酸前駆体。
Figure 0005645558
[式中、X11〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはカチオン性アンモニウムを表し、Rは水素原子または水酸基を表し、n1は0または1の整数を表す。]
Figure 0005645558
[式中、Aはアルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、水酸基または水素原子を表し、X21〜X23は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはカチオン性アンモニウムを表し、n2は0〜5の整数を表す。]
[2]さらに、下記成分(E)を含有する、[1]に記載の除菌剤組成物。
成分(E):銅化合物。
[3]前記成分(A)と前記成分(B)とのモル比(B)/(A)が、0.05〜2の範囲内である、[2]に記載の除菌剤組成物。
[4]Zn濃度が0.02〜1.1ppm、Cu濃度が0.002〜0.13ppmとなるように水中に含有させて用いられる、[2]または[3]に記載の除菌剤組成物。
[5]下記成分(E)を含有せず、前記成分(A)と前記成分(B)とのモル比(B)/(A)が、0.1〜2.5の範囲内である、[1]に記載の除菌剤組成物。
成分(E):銅化合物。
[6]Zn濃度が0.1〜7ppmとなるように水中に含有させて用いられる、[5]に記載の除菌剤組成物。
[7]前記成分(D)が、下記一般式(d1)で表される[1]〜[6]のいずれか一項に記載の除菌剤組成物。
Figure 0005645558
[式中、Rは炭素数7〜18の直鎖状の脂肪族炭化水素基を表し、Xは水素原子、−COOMまたは−SOM(Mは水素原子または塩形成カチオンを表す。)を表す。]
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の除菌剤組成物を、水中で繊維製品と接触させることを特徴とする除菌方法。
本発明によれば、繊維製品、特に綿製品に付着したグラム陰性菌を効果的に除菌できる除菌剤組成物および除菌方法を提供できる。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の除菌剤組成物は下記成分(A)〜(D)を含有するものであり、好ましい実施形態として、成分(A)〜(D)に加えて下記成分(E)を含有するもの(以下、第一実施形態ということがある。)、成分(A)〜(D)を含有し、かつ下記成分(E)を含有しないもの(以下、第二実施形態ということがある。)が挙げられる。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「除菌」とは、除菌対象(繊維製品等)の表面に付着した菌を表面から取り除く作用を意味する。
「除菌剤組成物」とは、除菌効果に寄与する上記4または5成分の集合体を意味する。
<成分(A)>
成分(A)は亜鉛化合物である。
除菌剤組成物は通常、水中に投入して用いられる。そのため、成分(A)としては、水中で亜鉛イオンを発生するものが好ましい。
水中で亜鉛イオンを発生する亜鉛化合物としては、亜鉛の水溶性塩が挙げられる。該水溶性塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩、過塩素酸塩、シアン化塩、塩化アンモニウム塩、酒石酸塩等が挙げられ、それらの水和物も用いることができる。
成分(A)としては、硝酸亜鉛、硫化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、シアン化亜鉛、塩化アンモニウム亜鉛、酒石酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、グルコン亜鉛等が好ましく、取り扱いのし易さ、安全性、価格等から、硫酸亜鉛、硫酸亜鉛一水和物、硫酸亜鉛七水和物が特に好ましい。
成分(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
除菌剤組成物中、成分(A)の含有量は、他の成分とのバランスや使用方法を考慮して適宜設定すればよい。一例を挙げると、成分(A)は、水中にて亜鉛イオンを発生する成分であり、亜鉛イオンは、後述する成分(B)と錯体を形成する。この錯体が、後述する成分(C)、(D)とともに作用して除菌効果を発揮する。そのため、当該除菌剤組成物を水中に投入して除菌を行う場合、該投入後の水中のZnの濃度が、充分な除菌効果が得られる範囲内となるように、また、該濃度とするために必要な当該除菌剤組成物の量が使用に適した量となるように設定することが好ましい。特に、後述する成分(E)は、水中にて銅イオンを発生する成分であり、銅イオンは、亜鉛イオンと同様、成分(B)と錯体を形成し、後述する成分(C)、(D)とともに作用して除菌効果を発揮する。そのため、除菌剤組成物投入後の水中のZn濃度の好ましい範囲は、主に、成分(E)の配合の有無によってその好ましい範囲が設定される。
以下、除菌剤組成物が投入された水を処理液ということがある。
処理液中のZn濃度は、特に制限されるものではないが、成分(E)を含有する第一実施形態においては、Cu濃度によっても異なるが、0.02〜1.1ppmが好ましく、0.07〜0.7ppmがより好ましく、0.07〜0.6ppmがさらに好ましい。1.1ppmを超えると逆に除菌効果が低下する場合があり、0.02ppm未満では充分な除菌効果が得られない場合がある。
成分(E)を含有しない第二実施形態においては、0.1〜7ppmが好ましく、0.2〜4.5ppmがより好ましく、0.45〜1.1ppmがさらに好ましい。7ppmを超えると逆に除菌効果が低下する場合があり、0.1ppm未満では充分な除菌効果が得られない場合がある。
<成分(B)>
成分(B)は、下記一般式(b1)または(b2)で表されるキレート化合物である。
成分(B)においては、水に溶解した際、電離により−COOが生成する。この−COOの部分が、成分(A)から放出される亜鉛イオン又は成分(E)から放出される銅イオンと錯体を形成すると考えられる。
Figure 0005645558
[式中、X11〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはカチオン性アンモニウムを表し、Rは水素原子または水酸基を表し、n1は0または1の整数を表す。]
Figure 0005645558
[式中、Aはアルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、水酸基または水素原子を表し、X21〜X23は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはカチオン性アンモニウムを表し、n2は0〜5の整数を表す。]
式(b1)中、X11〜X14におけるアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。なお、X11〜X14のうちの少なくとも1つがアルカリ土類金属である場合には1/2原子分に相当する。たとえばX11がカルシウムの場合、−COOX11は、「−COO 1/2(Ca)」となる。
カチオン性アンモニウムとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられ、具体的には、アンモニウムの水素原子の1〜3個がアルカノール基で置換されたものが挙げられる。アルカノール基の炭素数は1〜3が好ましい。
上記のなかでも、X11〜X14は、アルカリ金属であることが好ましい。
式(b1)中のX11〜X14は、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。
Rは、水素原子、水酸基のいずれであってもよい。
は、1であることが好ましい。
式(b1)で表されるキレート化合物の具体例としては、たとえばイミノジコハク酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸またはそれらの塩等が挙げられる。該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられ、ナトリウム塩、またはカリウム塩が特に好ましい。
式(b2)中、X21〜X23におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウムとしては、それぞれ、前記X11〜X14におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウムと同様のものが挙げられる。
上記のなかでも、X21〜X23は、アルカリ金属であることが好ましい。
式(b2)中のX21〜X23は、それぞれ、同じであってもよく、異なっていてもよい。
Aにおけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜18がより好ましい。該アルキル基は、その水素原子の一部が置換基にて置換されていてもよい。該置換基としては、スルホ基(−SOH)、アミノ基(−NH)、水酸基、ニトロ基(−NO)等が挙げられる。
Aは、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、水酸基、水素原子のいずれであってもよく、水素原子が特に好ましい。
は、0〜2の整数であることが好ましく、1が特に好ましい。
式(b2)で表されるキレート化合物の具体例としては、たとえばニトリロトリ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、グルタミン酸−N,N−ジ酢酸、L−アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリンジ酢酸またはそれらの塩等が挙げられ、特にメチルグリシンジ酢酸が好ましい。該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられ、ナトリウム塩、またはカリウム塩が特に好ましい。
成分(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
除菌剤組成物中、成分(B)の含有量は、成分(A)および成分(E)の含有量を考慮して設定される。
成分(E)を含有する第一実施形態においては、成分(B)の含有量は、成分(A)とのモル比(B)/(A)で、0.05〜2の範囲内であることが好ましく、0.08〜1.3がより好ましく、0.5〜0.7がさらに好ましい。(B)/(A)が0.05未満では、逆に除菌効果が低下する場合があり、2を超えると除菌効果が得られない場合がある。
成分(E)を含有しない第二実施形態においては、成分(B)の含有量は、成分(A)とのモル比(B)/(A)で、0.1〜2.5の範囲内であることが好ましく、0.15〜2がより好ましく、0.5〜1がさらに好ましい。(B)/(A)が0.1未満では、逆に除菌効果が低下する場合があり、2.5を超えると除菌効果が得られない場合がある。
また、第一実施形態において、成分(B)の含有量は、成分(A)および成分(E)の合計に対するモル比(B)/[(A)+(E)]で、0.048〜1.9の範囲内であることが好ましく、0.078〜1.2がより好ましく、0.48〜0.68がさらに好ましい。
<成分(C)>
成分(C)は、過酸化水素、または水中で過酸化水素を放出する過酸化物である。
成分(C)の具体例としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物等が挙げられる。これらの中でも、使用時の溶解性や貯蔵時の安定性の点から、過炭酸ナトリウムが好ましい。
除菌剤組成物が固体(粉末、顆粒、タブレット、ブリケット、シート、バー等)である場合、成分(C)としては、過酸化物が用いられる。このとき、除菌剤組成物には、過酸化物をそのまま配合してもよく、過酸化物粒子に、貯蔵時の安定性等を改善するための被覆が施された被覆粒子(たとえば被覆過炭酸ナトリウム粒子)を配合してもよい。
除菌剤組成物が液体である場合、成分(C)としては、過酸化水素、過酸化物のいずれを用いてもよい。
前記被覆粒子は、公知のものが利用できる。たとえば被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、ケイ酸及び/又はケイ酸塩とホウ酸及び/又はホウ酸塩とで被覆されたものや、LASなどの界面活性剤と無機化合物とを組み合わせて被覆されたものが好ましい。具体的には、特許第2918991号公報等に記載されているように、ケイ酸及び/又はケイ酸アルカリ金属塩水溶液とホウ酸及び/又はホウ酸アルカリ金属塩水溶液等を噴霧して被覆したものや、特許第2871298号公報などの芳香族炭化水素スルホン酸及び/又は平均粒径が10〜500μmである珪酸アルカリ塩、炭酸塩、重炭酸塩及び硫酸塩で被覆したもの、パラフィンやワックス等の水不溶性有機化合物で被覆したもの等が挙げられる。非危険物化のために、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、種々の無機物等と粉体ブレンドして用いてもよい。
さらに、当該除菌剤組成物が、界面活性剤の配合等により水分が多い組成物となっている場合には、過炭酸ナトリウムにケイ酸及びホウ酸ナトリウムでコーティングした被覆過酸化物、芳香族炭化水素スルホン酸及び珪酸アルカリ塩、炭酸塩、重炭酸塩及び硫酸塩で被覆したものを用いるのがより好ましい。
なお、除菌剤組成物が固体である場合、成分(C)の安定性を考慮すると、除菌剤組成物中の水分が2質量%以下であることが好ましい。
被覆過炭酸ナトリウム粒子としては、特開昭59−196399号公報、USP4526698号(何れも過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆)の他に特開平4−31498号公報、特開平6−40709号公報、特開平7−118003号公報、特許第2871298号公報に掲載されている方法により製造されたものも挙げることができる。
成分(C)を粒子(過酸化物粒子または被覆粒子)として除菌剤組成物に配合する場合、該粒子の平均粒子径は200〜1000μmが好ましく、500〜1000μmがより好ましい。また、溶解性及び安定性の向上のため、粒径125μm未満の粒子及び1400μmを超える粒子は、成分(C)中、10質量%以下であることが好ましい。
本明細書において、「平均粒子径」は、下記測定方法により求められる値である。
「平均粒子径の測定方法」
まず、測定対象物(サンプル)について、目開き1,680μm、1,410μm、1,190μm、1,000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行う。分級操作は、まず受け皿の上方に該9段の篩を、上に向かって目開きが次第に大きくなるように積み重ね、最上部の目開き1,680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れる。次いで、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機(飯田製作所社製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩および受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していき、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、また、aμmの篩上の質量頻度をd%として、下記数式(1)により平均粒子径(質量50%)を求める。
Figure 0005645558
成分(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
除菌剤組成物中、成分(C)の含有量は、他の成分とのバランスや使用方法を考慮して適宜設定すればよい。一例を挙げると、当該除菌剤組成物を処理液中に投入して除菌を行う場合、投入後の処理液中の成分(C)の濃度が好ましい範囲となるように、また、該濃度とするために必要な当該除菌剤組成物の量が使用に適した量となるように設定することが好ましい。
処理液中における成分(C)の濃度は、特に制限されるものではないが、過酸化水素換算濃度として、1.6〜1300ppmが好ましく、1.6〜650ppmがより好ましく、3.2〜50ppmがさらに好ましい。1300ppmを超えても除菌効果が高まらない場合や逆に除菌効果が低下する場合があり、1.6ppm未満では充分な除菌効果が得られない場合がある。
過酸化水素換算濃度は、当該成分(C)が過酸化水素である場合はその濃度であり、成分(C)が前記過酸化物である場合は、該過酸化物から発生し得る過酸化水素の濃度である。
<成分(D)>
成分(D)は、前記成分(C)と反応して有機過酸を発生する有機過酸前駆体である。成分(D)は、通常、水中や処理液中で成分(C)と反応する。
成分(D)としては、従来、過酸化水素系の漂白剤組成物等に配合されている漂白活性化剤が利用できる。具体的には、たとえばオクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、トリアセチン、ジアセチン、モノアセチン、テレフタル酸モノコリンエステル、テレフタル酸ジコリンエステル等が挙げられる。
成分(D)としては、特に、下記一般式(d1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005645558
[式中、Rは炭素数7〜18の直鎖状の脂肪族炭化水素基を表し、Xは水素原子、−COOMまたは−SOM(Mは水素原子または塩形成カチオンを表す。)を表す。]
式(d1)中、Rにおける脂肪族炭化水素基は、飽和の脂肪族炭化水素基(アルキル基)であってもよく、不飽和結合を有する脂肪族炭化水素基であってもよい。該脂肪族炭化水素基の炭素数は、除菌効果に優れる点から、8〜11が好ましい。
−COOMまたは−SOMにおける塩形成カチオンとしては、たとえば前記式(b1)中のX11〜X14の説明で挙げたアルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウム等が挙げられる。
Mとしては、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはカチオン性アンモニウムが好ましく、水素原子またはアルカリ金属がより好ましい。
式(d1)中、ベンゼン環におけるXの結合位置は、特に限定されない。製造収率、および有機過酸生成効率の点から、RC(=O)O−の結合位置のパラ位(4位)が好ましい。
式(d1)で表される化合物の具体例としては、たとえばデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、衣類の退色へ与える影響の点から、デカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。中でも、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
成分(D)は、貯蔵時の保存安定性の点から、造粒物又は成型物として配合されることが好ましく、造粒物として配合されることがより好ましい。
造粒物又は成型物中、成分(D)の含有量は、30〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。含有量が30質量%未満または95質量%超では造粒した効果が充分に得られ難くなる場合がある。
成分(D)は、バインダー化合物を用いて造粒物又は成型物とされていることが好ましい。
バインダー化合物としては、公知のものが利用できる。好ましいバインダー化合物として、ポリエチレングリコール、炭素数12〜20の飽和脂肪酸、重量平均分子量1000〜1000000のポリアクリル酸およびその塩等が挙げられる。
ポリエチレングリコールとしては、平均分子量500〜25000のポリエチレングリコールが好ましい。該平均分子量は、1000〜20000がより好ましく、2600〜9300がさらに好ましく、7300〜9300が特に好ましい。
炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、炭素数14〜20の飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14〜18の飽和脂肪酸がより好ましい。
なお、本明細書において、ポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。ポリアクリル酸およびその塩の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
造粒物又は成型物中、バインダー化合物の含有量は、0.5〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
前記造粒物又は成型物には、さらに、処理液への当該造粒物又は成型物の溶解性向上のために、界面活性剤が配合されていてもよい。
界面活性剤としては、公知のものが利用できる。好ましい界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、それらのいずれか2種以上の混合物等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が10〜15のものが好ましく、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイド(以下、EOと略す)及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと略す)が付加したものが特に好ましい。該ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、EO、PO、あるいはEOとPOの混合の何れも場合も、合計で4〜30であることが好ましく、5〜15であることがより好ましい。また、EO/POのモル比は、5/0〜1/5が好ましく、5/0〜1/2がより好ましい。
オレフィンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が14〜18のα−オレフィンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18のアルキル硫酸エステル塩が好ましく、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、ラウリル硫酸エステルナトリウム又はミリスチル硫酸エステルナトリウムがさらに好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩におけるオキシエチレン基の平均重合度(以下、平均重合度をPOEと記載する。)は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、特に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)が好ましい。
造粒物又は成型物中、界面活性剤の含有量は、0〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。
前記造粒物又は成型物には、さらに、フィルム形成性重合体、ゼオライト等が配合されていてもよい。当該除菌剤組成物がアルカリ性の成分と水とを含む場合、貯蔵中に、それらの存在により成分(D)の加水分解が生じ、効果が損なわれるおそれがあるが、これらが配合されていると、該分解の発生を抑制できる。
前記造粒物又は成型物は、公知の造粒又は成型方法により製造できる。
造粒又は成型の際、バインダー化合物を予め融解して成分(D)(および必要に応じて界面活性剤等)に添加することが、造粒物又は成型物の強度維持や製造性、保存安定性の向上等においてより好ましい結果が得られるため好ましい。この時、バインダー化合物を融解させる温度は40〜100℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、50〜90℃がさらに好ましい。
これらの成分を均一になるまで撹拌混合した後、造粒又は成型することにより造粒物又は成型物が得られる。
造粒物とする場合の好ましい造粒法として、押出造粒を挙げることができる。この場合、造粒物の平均粒子径を500〜5000μmとすることが好ましく、平均粒子径を500〜3000μmとすることがより好ましい。
また、成型物とする場合の好ましい成型法として、たとえば、ブリケット機により錠剤形状にする方法等が挙げられる。
成分(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
除菌剤組成物中、成分(D)の含有量は、他の成分とのバランスや使用方法を考慮して適宜設定すればよい。一例を挙げると、当該除菌剤組成物を処理液中に投入して除菌を行う場合、投入後の処理液中の成分(D)の濃度が好ましい範囲となるように、また、該濃度とするために必要な当該除菌剤組成物の量が使用に適した量となるように設定することが好ましい。
処理液中における成分(D)の濃度は、特に制限されるものではないが、1.5〜75ppmが好ましく、1.5〜45ppmがより好ましく、1.5〜30ppmがさらに好ましい。75ppmを超えても除菌効果が高まらない場合や逆に除菌効果が低下する場合があると同時に、衣類等の繊維製品に対するダメージが生じる場合があり、1.5ppm未満では充分な除菌効果が得られない場合がある。
<成分(E)>
成分(E)は銅化合物である。
上述したように、除菌剤組成物は通常、水中に投入して用いられるため、成分(E)としては、水中で銅イオンを発生するものが好ましい。
水中で銅イオンを発生する銅化合物としては、銅の水溶性塩が挙げられる。該水溶性塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩、過塩素酸塩、シアン化塩、塩化アンモニウム塩、酒石酸塩等が挙げられ、それらの水和物も用いることができる。
成分(E)としては、硝酸銅、硫化銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅、シアン化銅、塩化アンモニウム銅、酒石酸銅、過塩素酸銅、グルコン酸銅等が好ましく、取り扱いのし易さ、安全性、価格等から、硫酸銅五水和物が特に好ましい。
成分(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
除菌剤組成物中、成分(E)の含有量は、他の成分とのバランスや使用方法を考慮して適宜設定すればよい。一例を挙げると、成分(E)は、上述したように、水中にて銅イオンを発生する成分であり、銅イオンは、前記成分(A)に由来する亜鉛イオンと同様、前記成分(B)と錯体を形成し、前記成分(C)、(D)とともに作用して除菌効果を発揮する。そのため、当該除菌剤組成物を処理液中に投入して除菌を行う場合、投入後の処理液中のCuの濃度が好ましい範囲となるように、また、該濃度とするために必要な当該除菌剤組成物の量が使用に適した量となるように設定することが好ましい。
処理液中のCu濃度は、特に制限されるものではなく、Zn濃度によっても異なるが、0.002〜0.13ppmが好ましく、0.003〜0.07ppmがより好ましく、0.01〜0.07ppmがさらに好ましい。0.13ppmを超えると逆に除菌効果が低下する場合があり、0.002ppm未満では充分な除菌効果が得られない場合がある。
また、処理液中、ZnとCuとの合計の濃度は、特に制限されるものではないが、0.022〜1.23ppmが好ましく、0.073〜0.77ppmがより好ましく、0.08〜0.67ppmがさらに好ましい。
前記成分(A)、成分(E)は、それぞれ、上述したように、水中にて金属イオン(亜鉛イオンまたは銅イオン)を発生する成分であり、各金属イオンは、成分(B)と錯体を形成し得る。これらの錯体が、成分(C)、(D)とともに作用して除菌効果を発揮すると考えられる。
本発明の除菌剤組成物中、成分(A)、成分(E)は、それぞれ、成分(B)と錯体化(各成分中に含まれる亜鉛または銅について成分(B)と錯体を形成)させてから配合されてもよく、錯体化せずに配合されてもよい。
錯体化は、成分(A)および成分(E)のいずれか一方のみについて行ってもよく、両成分について行ってもよい。
成分(E)の錯体化は、特開2009−148682号公報、特開2009−148683号公報、特開2009−155292号公報等に記載の方法により実施できる。成分(A)の錯体化は、成分(E)の代わりに成分(A)を用いる以外は、成分(E)の錯体化と同様の方法により実施できる。
除菌剤組成物の美観、製造しやすさ等を考慮した場合、成分(A)および成分(E)は、錯体化せず、個別に除菌剤組成物に配合されることが好ましい。
本発明の除菌剤組成物の形態は、粉末、顆粒、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体であってもよく、液体であってもよい。好ましくは固体であり、より好ましくは粉末である。
本発明の除菌剤組成物の調製方法は、特に限定されず、例えば上述したように、必要に応じて上記成分の一部を適宜錯体化したり、造粒又は成型する以外は、各形態の常法に準じて調製できる。
本発明の除菌剤組成物は、好ましくは洗浄剤組成物と併用される。
この場合、本発明の除菌剤組成物は、洗浄剤組成物とは別に、除菌剤として使用してもよく、洗浄剤組成物の構成成分の一部として洗浄剤組成物中に配合して使用してもよい。
洗浄剤組成物の組成は特に限定されず、従来、洗浄剤組成物に配合する成分として公知の成分を適宜組み合わせて使用できる。かかる成分としては、たとえば以下に示す成分(I)〜(XI)等が挙げられる。
[成分(I):界面活性剤]
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
アニオン界面活性剤としては、従来から洗剤に使用されているものであれば、特に限定されることなく、各種のアニオン界面活性剤を使用することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和のα−スルホ脂肪酸塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル。これらの中でも、α−スルホ脂肪酸塩又はそのメチルエステル(α−SF又はMES)が好ましい。
(10)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。また、これらのアニオン界面活性剤は、いずれか2種以上を混合し、混合物として使用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)や、AOS、MES、AS、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)等を好適なものとして挙げることができ、特に炭素鎖長14〜18のMESを含有することが好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、従来から洗剤に使用されているものであれば、特に限定されることなく、各種のノニオン界面活性剤を使用することができる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数10〜18、好ましくは12〜14の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは4〜20モル、さらに好ましくは5〜17モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。
ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
(9)脂肪酸アルカノールアミド。
(10)ポリオキシエチレンアルキルアミン。
(11)アルキルグリコシド。
(12)アルキルアミンオキサイド。
上記(3)の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートとしては、例えば下記一般式(31)で表されるものが挙げられる。
CO(OA)OR10 ・・・(31)
式(31)中、RCOは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示す。
OAは、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が好ましい。
nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20である。
10は置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。
上記のノニオン界面活性剤の中でも、融点が40℃以下でHLB値が9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、本発明における融点とは、JIS K8001「試薬試験法通則」に記載されている凝固点測定法によって測定された値である。
これらのノニオン界面活性剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
カチオン界面活性剤としては、従来から洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種のカチオン界面活性剤を使用することができる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
上記(1)〜(3)における「長鎖アルキル」は、炭素数12〜26のアルキル基を示す。該アルキル基の炭素数は14〜18が好ましい。
「短鎖アルキル」は、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。該アルキル基の炭素数は1または2が好ましい。該アルキル基が有していてもよい置換基としては、フェニル基、ベンジル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基の炭素数は2〜4が好ましく、2または3がより好ましい。ポリオキシアルキレン基におけるアルキレン基の炭素数は2〜4が好ましく、2または3がより好ましい。
両性界面活性剤としては、従来から洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種の両性界面活性剤を使用することができる。
なお、本発明は上記界面活性剤に限定されるものではなく、その他、公知の界面活性剤を適宜使用でき、これらのいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
成分(I)は、界面活性剤含有粒子として洗浄剤組成物に配合されることが好ましい。
好適な界面活性剤含有粒子として、アニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子と、ノニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子とが挙げられる。これらの界面活性剤含有粒子は、いずれか一方を用いてもよく、併用してもよい。
[アニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子]
アニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子(以下、含アニオン界面活性剤粒子という。)とは、アニオン界面活性剤を必須成分とし、含アニオン界面活性剤粒子中に配合されている界面活性剤の中でアニオン界面活性剤の含有量が最も多くなっている粒子を意味する。
含アニオン界面活性剤粒子に配合されるアニオン界面活性剤としては、特に限定されることなく、上述した各種のアニオン界面活性剤を使用することができる。含アニオン界面活性剤粒子に配合されるアニオン界面活性剤は1種であってもよく、2種以上であってもよい。
含アニオン界面活性剤粒子には、アニオン界面活性剤以外の他の界面活性剤(ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等)も、含有量は制限されるものの、配合可能である。
含アニオン界面活性剤粒子中の全界面活性剤の含有量としては、洗浄剤組成物に所望する洗浄性能を勘案して決定することができ、例えば、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは15〜70質量%、さらに好ましくは15〜50質量%である。10〜90質量%であれば、充分な洗浄効果を発揮できる。
また、含アニオン界面活性剤粒子中、アニオン界面活性剤/その他界面活性剤の質量比率は、100/0〜50/50が好ましく、100/0〜55/45がより好ましく、95/5〜70/30がさらに好ましい。
含アニオン界面活性剤粒子には、界面活性剤以外の他の成分を含有してもよい。
含アニオン界面活性剤粒子中に含まれてよい他の成分としては、たとえば、後述する成分(II)〜(XI)等が挙げられる。それらの中でも、無機または有機の洗浄性ビルダーが好ましく、特に無機ビルダーが好ましい。
無機ビルダーとしては、溶解性向上の効果を併せ持つことから、炭酸カリウム、硫酸カリウム等のカリウム塩や、塩化カリウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物が好ましい。中でも、炭酸カリウムや、塩化カリウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物が溶解性向上効果とコストのバランスから好ましい。
炭酸カリウムを配合する場合、その含有量は溶解性向上効果の点から、含アニオン界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。
アルカリ金属塩化物を配合する場合、その含有量は溶解性向上効果の点から、含アニオン界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
含アニオン界面活性剤粒子の物性値は、特に制限されるものではないが、例えば嵩密度は、通常、0.3g/mL以上であることが好ましく、0.5〜1.2g/mLであることがより好ましく、0.6〜1.1g/mLであることがさらに好ましい。
嵩密度は、JIS−K3362により測定される値である(以降において同じ)。
また、平均粒子径(質量50%)は、好ましくは200〜1500μm、より好ましくは300〜1000μmである。平均粒子径(質量50%)が200μm未満であると粉塵が発生し易くなる場合があり、一方、1500μmを超えると、溶解性が不十分になる場合がある。
さらに、含アニオン界面活性剤含有粒子の流動性は、安息角として60°以下、特に50°以下が好適である。安息角が60°を超えると粒子の取扱性が悪化する場合がある。
なお、安息角は、容器に満たした粒子が流出するときに形成されるすべり面の水平面となす角を測定する、いわゆる排出法による安息角測定法により測定することができる(以降において同じ)。
アニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子は、公知の方法により得ることができ、たとえば以下の方法(1)または(2)によって得ることができる。
方法(1):中和塩型のアニオン界面活性剤を造粒する方法。
方法(2):アニオン界面活性剤の酸前駆体をドライ中和して造粒する方法。
方法(1)で用いる造粒方法としては、たとえば以下の方法(1−1)〜(1−5)等が挙げられる。
(1−1)洗剤成分の原料粉末及びバインダー化合物(界面活性剤、水、液体高分子成分等)を捏和・混練した後、押出して造粒する押出造粒法。
(1−2)捏和・混練した後、得られた固形洗剤を破砕して造粒する捏和・破砕造粒法。
(1−3)原料粉末にバインダー化合物を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒する撹拌造粒法。
(1−4)原料粉末を転動させつつバインダー化合物を噴霧して造粒する転動造粒法。
(1−5)原料粉末を流動化させつつ、液体バインダーを噴霧し造粒する流動層造粒法。
方法(2)では、アニオン界面活性剤の酸前駆体と、アルカリ性無機粉体とを接触・混合させつつ中和し、造粒する。このときの造粒方法としては、基本的には、前記方法(1)で挙げた造粒方法と同様の造粒方法が利用できる。
アニオン界面活性剤の酸前駆体としては、前述したアニオン界面活性剤の酸前駆体であればいずれの酸前駆体も好適に利用可能である。
また、中和剤としてのアルカリ性無機粉体としては特に限定されるものではないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属燐酸塩等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム・カリウム等が挙げられる。アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、層状珪酸ナトリウム等が挙げられる。アルカリ金属燐酸塩としては、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中でも、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、その中でも特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム・カリウムが好ましい。
これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上述した方法により造粒された含アニオン界面活性剤粒子は、必要に応じて分級して所望の粒度の含アニオン界面活性剤含有粒子のみ製品に利用することもできる。
[ノニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子]
ノニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子(以下、含ノニオン界面活性剤粒子という。)とは、ノニオン界面活性剤を必須成分とし、含ノニオン界面活性剤粒子中に配合されている界面活性剤の中でノニオン界面活性剤の含有量が最も多くなっている粒子を意味する。
含ノニオン界面活性剤粒子に配合されるノニオン界面活性剤としては、特に限定されることなく、上述した各種のノニオン界面活性剤を使用することができる。含ノニオン界面活性剤粒子に配合されるノニオン界面活性剤は1種であってもよく、2種以上であってもよい。
含ノニオン界面活性剤粒子には、ノニオン界面活性剤以外の他の界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等)も、含有量は制限されるものの、配合可能である。
含ノニオン界面活性剤粒子中の全界面活性剤の含有量としては、洗浄剤組成物に所望する洗浄性能を勘案して決定することができ、例えば、好ましくは5〜85質量%、より好ましくは10〜60質量%である。5〜85質量%であれば、充分な洗浄効果を発揮できる。
また、含ノニオン界面活性剤粒子中、アニオン界面活性剤/その他界面活性剤の質量比率は、100/0〜50/50が好ましく、100/0〜60/40がより好ましく、95/5〜70/30がさらに好ましい。
含アニオン界面活性剤粒子には、界面活性剤以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、特に限定されることなく、たとえば前記含アニオン界面活性剤粒子の説明で、界面活性剤以外の他の成分として挙げたものを適宜配合できる。
それらのうち、含ノニオン界面活性剤粒子中に好適に配合される成分として、無機または有機の洗浄ビルダーが挙げられる。洗浄ビルダーとしては前述の含アニオン界面活性剤粒子に配合可能な洗浄ビルダーが同様に利用可能である。好適な洗浄ビルダー、洗浄ビルダーの含有量についても同様である。
また、含ノニオン界面活性剤粒子中には、ノニオン界面活性剤を担持するための吸油性担体を配合することが好ましい。
吸油性担体としては、JIS−K5101試験方法で表される吸油量が好ましくは80mL/100g以上、より好ましくは150〜600mL/100gの吸油性である物質が好適に用いられる。このような吸油性担体としては、例えば特開平5−125400号公報や特開平5−209200号公報記載の成分が挙げられる。これらの吸油性担体は1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
吸油性担体は、含ノニオン界面活性剤粒子中に、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜15質量%含有される。
また、含ノニオン界面活性剤粒子中には、造粒助剤としての粘土鉱物等を配合することが好ましい。
粘土鉱物としては、特に、スメクタイト群に属し、その結晶構造がジオクタヘドラル型3層構造又はトリオクタヘドラル型3層構造をとるものが好ましい。洗剤成分として使用できる粘土鉱物は、好ましくは吸油量が80mL/100g未満、さらに好ましくは30〜70mL/100gで、嵩密度が好ましくは0.1g/mL以上、さらに好ましくは0.2〜1.5g/mLのものである。このような粘土鉱物の具体例としては、特開平9−87691号公報記載の成分が挙げられる。
粘土鉱物は、含ノニオン界面活性剤粒子中に、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%含有される。
含ノニオン界面活性剤粒子の物性値は、特に制限されるものではないが、例えば嵩密度は、通常、0.3g/mL以上であることが好ましく、0.5〜1.2g/mLであることがより好ましく、0.6〜1.1g/mLであることがさらに好ましい。
また、平均粒径は、好ましくは200〜1500μm、より好ましくは300〜1000μmである。平均粒径が200μm未満になると粉塵が発生し易くなる場合があり、一方、1500μmを超えると溶解性が不十分になる場合がある。
さらに、含ノニオン界面活性剤含有粒子の流動性は、安息角として60°以下、特に50°以下が好適である。60°を超えると粒子の取扱性が悪化する場合がある。
含ノニオン界面活性剤粒子は、含アニオン界面活性剤粒子と同様の造粒方法によって得ることができる。
得られた含ノニオン界面活性剤粒子は、必要に応じて分級して所望の粒度の含ノニオン界面活性剤含有粒子のみ製品に利用することもできる。
成分(I)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
洗浄剤組成物中の成分(I)の含有量は、洗浄剤組成物の用途等を考慮して決定できる。
[成分(II):洗浄性ビルダー]
洗浄性ビルダーは、無機ビルダー、有機ビルダーに大別される。
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、結晶性層状珪酸ナトリウム(例えばクラリアントジャパン社製の商品名[Na−SKS−6](δ−NaO・2SiO))等の結晶性アルカリ金属珪酸塩、非晶質アルカリ金属珪酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物、結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。これらの中では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸塩が好ましい。
アルミノ珪酸塩としては、結晶質、非晶質(無定形)のいずれのものも用いることができる。カチオン交換能の点から結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩としてはゼオライトが好適に配合でき、該ゼオライトとしては、A型、X型、Y型、P型いずれも使用できる。
結晶性アルミノ珪酸塩の平均一次粒子径は0.1〜10μmが好ましい。
無機ビルダーを洗浄剤組成物として除菌剤組成物に配合する場合、洗浄剤組成物中の無機ビルダーの含有量は、使用する無機ビルダーの種類に応じて適宜設定すればよい。たとえば無機ビルダーとして結晶性アルミノ珪酸塩を配合する場合、その含有量は、洗浄力、流動性等の粉体物性の点で、洗浄剤組成物の総固形分に対し、0.5〜40質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
有機ビルダーとしては、たとえば、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類誘導体等が挙げられる。
これらの有機ビルダーの中では、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体が好ましく、特に、分子量が1000〜80000のアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩が好適である。
有機ビルダーの含有量は、洗浄剤組成物の総固形分に対し、0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい。
成分(II)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性を改善する目的から、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩等の有機ビルダーと、ゼオライト等の無機ビルダーとを併用するのが好ましい。
成分(II)の含有量は、充分な洗浄性を付与するために、洗浄剤組成物の総固形分に対し、10〜80質量%が好ましく、20〜75質量%がより好ましい。
[成分(III):香料]
香料としては、特に限定されず、たとえば特開2002−146399号公報や特開2003−89800号公報記載の香料成分や香料組成物が用いることができる。
なお、香料組成物とは、香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。
洗浄剤組成物中に上記香料組成物を配合する場合、その含有量は洗浄剤組成物の総固形分に対し、0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
成分(III)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
[成分(IV):色素]
組成物の外観を良好にするために、各種色素を配合できる。
色素としては、染料、顔料のいずれも使用できる。保存安定性の点から、顔料が好ましく、酸化物等耐酸化性を有する化合物が特に好ましい。かかる化合物としては、酸化チタン、酸化鉄、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。
成分(IV)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
[成分(V):蛍光増白剤]
蛍光増白剤としては、たとえば4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等の蛍光増白剤が挙げられる。
市販の蛍光増白剤としては、例えばホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(以上、商品名;住友化学株式会社製)、チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(以上、商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Lemonite CBUS−3B(以上、商品名;Khyati Chemicals社製)等を含有することができる。これらの中ではチノパールCBS−X、チノパールAMS−GXが好ましい。
成分(V)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
成分(V)の含有量は、洗浄剤組成物の総固形分に対し、0.001〜1質量%が好ましい。
[成分(VI):酵素]
酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程中になす酵素である。)としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類、イソメラーゼ類等が挙げられ、いずれも適用できる。
特に好ましいのは、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼ等である。
プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、BPN、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA及びB等が挙げられ、その市販品として、サビナーゼ、アルカラーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ(ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工株式会社製)、マクサカル、マクサぺム(ジェネンコア社製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14もしくはK−16等が挙げられる。
エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等が挙げられる。
リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、ライペックス(商品名;ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工株式会社製)等の市販のリパーゼが挙げられる。
セルラーゼの具体例としては、市販品のセルザイム(商品名;ノボザイムズ社製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等が挙げられる。
アミラーゼの具体例としては、市販のステインザイム、ターマミル、デュラミル(以上、商品名;ノボザイムズ社製)等が挙げられる。
なお、酵素は別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用すると好適である。
成分(VI)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
成分(VI)の含有量は、洗浄剤組成物の総固形分に対し、0.3〜2質量%が好ましい。
[成分(VII):酵素安定剤]
酵素安定剤としては、たとえばカルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、蟻酸、ホウ素化合物等を配合することができる。これらの中では、4ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム等がより好ましい。
成分(VII)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
成分(VII)の含有量は、洗浄剤組成物の総固形分に対し、0.05〜2質量%が好ましい。
[成分(VIII):その他のポリマー類]
高密度化する場合におけるバインダーや粉末物性剤として、さらには疎水性微粒子に対する再汚染防止効果を付与するため、平均分子量が200〜200,000のポリエチレングリコールや重量平均分子量1000〜100000のアクリル酸及び/又はマレイン酸のポリマー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等を配合することができる。
また、汚れ放出剤として、テレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位とのコポリマー又はターポリマー等を配合することができる。
また、色移り防止効果を付与するため、ポリビニルピロリドン等を配合することができる。
上記の中では、平均分子量1500〜7000のポリエチレングリコールが好ましい。
成分(VIII)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
成分(VIII)の含有量は、洗浄剤組成物の総固形分に対し、0.05〜5質量%が好ましい。
[成分(IX):ケーキング防止剤]
ケーキング防止剤としては、たとえばパラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等が挙げられる。
成分(IX)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
[成分(X):消泡剤]
消泡剤としては、従来から知られている例えばシリコーン系/シリカ系のものを挙げることができる。
消泡剤は、特開平3−186307号公報4頁左下欄に記載の方法を用いて製造した消泡剤造粒物としてもよい。具体的には、まず、日澱化学株式会社製マルトデキストリン(酵素変性デキストリン)100gに消泡成分としてダウコーニング社製シリコーン(コンパウンド型、PSアンチフォーム)を20g添加し混合し、均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG−6000,融点58℃)25質量%及び中性無水芒硝25質量%を70〜80℃で混合後、不二パウダル株式会社製押出し造粒機(型式EXKS−1)により造粒し、造粒物を得る。
成分(X)としては1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
[成分(XI):還元剤]
還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。
さらに、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、上記以外の、一般に衣料用洗浄剤、漂白剤に配合される成分も配合することができる。
洗浄剤組成物は、公知の方法により調製できる。
本発明の除菌剤組成物は、成分(A)〜(D)を含有することで、高い除菌力を有し、従来技術では極めて難しかった、衣類等の繊維製品(特に綿製品)に付着したグラム陰性菌の除去を効果的に実施できる。本発明の除菌組成物は、グラム陰性菌だけでなく、グラム陽性菌に対しても高い除菌力を有する。
一方、成分(A)〜(D)のいずれかが欠けている場合、充分な除菌力は得られない。
たとえば成分(A)〜(D)のうち成分(B)を含まない場合、その除菌力は、成分(C)および(D)のみを含む(成分(A)、(B)を含まない)場合と同等か、それよりも低いものとなる。その理由は、成分(A)から生成する亜鉛イオンが成分(C)の過酸化水素や成分(D)から生成する有機過酸を分解することにより、全体の除菌効果を低下させるためと考えられる。(E)成分についても同様で、成分(E)から生成する銅イオンが成分(C)の過酸化水素や成分(D)から生成する有機過酸を分解することにより、全体の除菌効果を低下させると考えられる。一方、本発明においては、亜鉛イオンや銅イオンが成分(B)と錯体を形成することにより、過酸化水素等の分解を抑制しつつ、良好な除菌効果を発揮すると推測される。
また、本発明の第一実施形態において、成分(A)と成分(E)はそれぞれ、グラム陰性菌に対し、異なる作用機序で除菌作用を発揮することで、相乗的に、除菌効果が高まっていると考えられる。該作用機序として、成分(E)と成分(C)がグラム陰性菌の細胞壁に作用し、成分(A)がグラム陰性菌の菌体内に入り込みやすくなり、該成分(A)が、グラム陰性菌が有する酵素を阻害していると推測される。
したがって、本発明の除菌剤組成物は、繊維製品、特に綿製品の除菌用として好適である。繊維製品としては、一般的に洗濯による洗浄の対象(被洗物)とされている繊維製品が挙げられ、具体的には、衣料、布巾、シーツ、カーテン等が挙げられる。
ただし本発明はこれに限定されず、食器、陶器、ガラス、プラスチック、義歯等、硬表面の除菌にも適用できる。
本発明の除菌剤組成物を用いた、繊維製品の除菌方法として、たとえば、該除菌剤組成物を水中で繊維製品と接触させる方法が挙げられる。
繊維製品としては、本発明の除菌剤組成物の有効性が高いことから、綿製品が特に好ましい。
除菌剤組成物と繊維製品との接触は、pH10以上のアルカリ条件下で行うことが好ましい。該pHが10未満であると、充分な除菌効果が得られないおそれがある。ここでのpHは、25℃におけるpHである。
除菌剤組成物と繊維製品とを接触させる方法は、特に制限されないが、例えば、洗濯機で繊維製品を洗濯する際、水中に除菌剤組成物を投入する方法、除菌剤組成物を添加した水中に、繊維製品を浸け置く等の方法が好適である。
このときの除菌剤組成物の使用量は、水中におけるZn濃度、成分(C)の濃度(過酸化水素換算)、成分(D)の濃度、Cu濃度が、それぞれ、前記各成分の説明で、処理液中の好ましい濃度として挙げた範囲内となるように、適宜調整すればよい。また、このとき、(B)/(A)や(B)/[(A)+(E)]が、前記成分(B)の説明で挙げた好ましい範囲内であることが好ましい。
本発明について、実施例を示してさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらの限定されるものではない。
以下の各例において、洗浄剤組成物、除菌剤組成物に用いた原料を以下に示した。
(洗浄剤組成物の使用原料)
・MES:炭素数16/炭素数18=80/20(質量比)の脂肪酸メチルエステルスルフォネートのナトリウム塩(ライオン株式会社製;AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)。
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸〔ライオン株式会社製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和した〕。表1中の配合量は、純分換算したLAS−Kとしての質量%を示した。
・LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸〔ライオン株式会社製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化ナトリウム水溶液で中和した〕。表1中の配合量は、純分換算したLAS−Naとしての質量%を示した。
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム〔ライオン株式会社製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289〕。
・ノニオン界面活性剤:レオックスCC−150−90(ライオンケミカル社製、炭素数12〜14のアルキル基をもつアルコールの酸化エチレン平均15モル付加体)。
・A型ゼオライト:A型ゼオライト(水澤化学株式会社製)。
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(旭硝子株式会社製)。
・無水硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(四国化成工業株式会社製)。
・酵素:エバラーゼ8T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=5/2/1/2(質量比)の混合物。
・CMC:カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセル化学工業製、CMCダイセル1170)。
・炭酸ナトリウム:重質炭酸ナトリウム(旭硝子株式会社製、ソーダ灰)。
(除菌剤組成物の使用原料)
[成分(A)]
・ZnSO・7HO:硫酸亜鉛(II)七水和物(関東化学株式会社製)。
・ZnSO・HO:硫酸亜鉛(II)一水和物(信陽株式会社製)。
・ZnCl:塩化亜鉛(II)(関東化学株式会社製)。
・Zn(NO・7HO:硫酸亜鉛(II)七水和物(関東化学株式会社製)。
[成分(B)]
・MGDA:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(BASF社製、商品名:Trilon M powder)。
・IDS:2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム塩(ランクセス社製)。
・HIDS:3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム塩(日本触媒社製)。
・NTA:ニトリロトリ酢酸3ナトリウム(BASF社製)。
・GLDA:グルタミン酸−N,N−ジ酢酸4ナトリウム(アクゾノーベル社製)。
・ASDA:L−アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸4ナトリウム(ナガセケムテックス社製)。
・EDTA(比較品):エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(関東化学社製)。
[成分(C)]
・過炭酸ナトリウム:Zhejiang JINKE CHEMICALS社製 商品名:SPCC、有効酸素量13.8%、平均粒径870μm。
[成分(D)]
・OBS12:4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(合成品)。
・OBC10:4−デカノイルオキシ安息香酸(三井化学株式会社製)。
・TAED:テトラアセチルエチレンジアミン(クラリアント社製、商品名:ペラクティブAN)。
[成分(E)]
・CuSO・5HO:硫酸銅(II)五水和物(関東化学株式会社製)。
・CuCl・2HO:塩化銅(II)二水和物(関東化学株式会社製)。
・Cu(NO・3HO:硝酸銅(II)三水和物(関東化学株式会社製)。
前記OBS12は以下の手順で合成したものである。
原料としてp−フェノールスルホン酸ナトリウム(関東化学株式会社製 試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製 試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業株式会社製 試薬)、アセトン(関東化学株式会社製 試薬)を用い、以下の方法で合成を行った。予め脱水処理したp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.46mol)をジメチルホルムアミド300g中に分散させ、マグネチックスターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライドを50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後3時間反応を行い、ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去し、アセトン洗浄後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶させた。収率は90%であった。
<製造例1:洗浄剤組成物粒子の調製>
表1に示す組成の洗剤組成物粒子を、以下に示す一連の工程により調製した。
[噴霧乾燥工程]
撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにMESとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した後、A型ゼオライトの一部(表1に記載する添加量より、1.0質量%の捏和時添加用、5.0質量%の粉砕助剤用、1.5質量%の表面改質用のA型ゼオライトを除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、無水硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径(質量50%)320μm、嵩密度0.30g/cm、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
[捏和混練工程]
一方、原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたMES−Naの水性スラリー(水分濃度25質量%に調製した。)に、ノニオン界面活性剤の一部(MES−Naに対して25質量%の量)を投入し、水分濃度を11質量%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MES−Naとノニオン界面活性剤との混合濃縮物を得た。
上記[噴霧乾燥工程]で得た噴霧乾燥粒子、上述の混合濃縮物、1.0質量%のA型ゼオライト、後述する表面被覆工程において噴霧添加するノニオン界面活性剤と上記混合濃縮物中のノニオン界面活性剤とを除く残りのノニオン界面活性剤、及び水を連続ニーダー(KRC−S4型、株式会社栗本鐵工所製)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤を含有する水分6質量%の界面活性剤含有混練物を得た。該界面活性剤含有混練物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXBFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断(カッター周速は5m/s)し、長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
[粉砕工程]
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に、粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)5.0質量%相当量を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で、直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)し、粉砕物を得た。
[表面被覆工程]
その後、上記粉砕した界面活性剤含有粒子、CMCを、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、1.5質量%の表面改質用のA型ゼオライトを加え、0.5質量%のノニオン界面活性剤を噴霧しつつ、1分間転動して、表面改質した界面活性剤含有粒子を得た。
[粉体混合工程]
得られた界面活性剤含有粒子を、ベルトコンベアにより0.5m/sの速度で移送(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高さ30mm、層幅300mm)しながら、1.0質量%相当量の酵素を定量フィードし、目的の洗浄剤組成物粒子を得た。
Figure 0005645558
<試験例1>
綿布に付着した大腸菌に対する除菌力を評価するための除菌試験を、実際の洗濯を想定し、Journal of the Association of Official Analytical Chemists 52;836−842に記載されているA.N.Petrocci等の方法に準拠して実施した。以下にその具体的な手順を示した。
(綿布の前処理)
除菌試験に供する綿布としてかなきん3号(JIS L0803準拠)を用い、試験前に以下に示す方法で前処理を行った。
ポリソルベート80及び炭酸ナトリウムを各5g水に溶解し、希釈して1000mlとしたものを湿潤剤とした。湿潤剤2.5g及び炭酸ナトリウム2.5gを水に溶解して5Lの洗浄液を調製した。そこに綿布を入れ約1時間煮沸した後、蒸留水に換えて約5分間煮沸した。さらに、5Lの冷蒸留水で約5分間攪拌し、風乾した。
(試験布の裁断)
前処理を行った綿布を裁断し、2.5cm×3.75cmの綿布と5.3cm×275cmの綿布とを作成した。
5.3cm×275cmの綿布はJournal of the Association of Official Analytical Chemists 52;837に記載のステンレス製スピンドルに巻きつけて、試験液と綿布との量比を実洗濯に近づけるための負荷布とした。
2.5cm×3.75cmの綿布は、以下に示す方法で菌液を添加して試験布とした。
なお、これ以降の操作は、すべて121℃、10分間の滅菌処理を行った布、水、器具等を用いて実施した。
(大腸菌液の添加)
試験布を乾熱滅菌機にて110℃、1時間保持して乾燥した後、生理食塩水10μLを試験布上に添加した。続けて、生菌数が5.0×10〜5.0×10cfu/mLとなるように調整した大腸菌液1.9mLと、馬血清(invitrogen社製)0.1mLとの混合液を調製し、該混合液の20μLを前記試験布上に添加した。
この試験布3枚を、ろ紙を敷いたシャーレに入れ、37℃恒温槽内のシリカゲル入りデシケーター内で40分間保持した後、菌液を添加した試験布3枚を、スピンドルに巻きつけた負荷布の間に挿入した。
(除菌剤組成物水溶液(処理液)の調製)
ガラス容器中に、前記洗剤組成物粒子と、表2〜7に示す各成分とを添加し、全量が250gとなるように水を加えて、実施例1〜60および比較例1〜16の除菌剤組成物水溶液を調製した。
表2〜7に、各除菌剤組成物水溶液中の各成分の配合量(ppm)を示した。表中の各成分の配合量は純分換算した値を示した。該配合量は、除菌剤組成物水溶液1000g中に含まれる各成分の質量(mg)である。
洗剤組成物粒子は、いずれの例においても、除菌剤組成物水溶液中の配合量が620ppmとなるよう添加した。
(除菌試験)
調製した除菌剤組成物水溶液を入れたガラス容器中に、試験布を挿入した負荷布を浸漬し、ガラス容器に蓋をして回転装置(マツシタ工業製)に装着して60回転/分の速度で10分間回転させた。
試験終了後、ピンセットで試験布3枚を取り出し、滅菌処理したビニール袋に入れ、SCDLP培地(日本製薬製Soybean−Casein Digest Broth with Lectin&Polysorbate 80)30mLを加え、抽出機で試験布に接種した試験菌を1分間洗い出した。その抽出液を1.0mL採取し、9.0mL の生理食塩水に加え、10倍希釈液とした。同様の方法を繰り返して、各希釈液を得た。
各希釈液から100μL採取し、標準寒天培地((株)アテクト製)に加え、コンラージ棒により均一に塗付したものを37℃恒温槽で1〜2日培養した後、コロニー数をカウントすることにより生菌数を求めた。
(除菌力評価)
除菌剤組成物水溶液の代わりに、対照試料としてポリソルベート80の500ppm水溶液を用いた以外は前記除菌試験と同様にして生菌数を求めた。
それらの結果から、除菌力を示す指標として、下記数式(2)に従って、各除菌剤組成物水溶液を用いた場合の生菌数と、対照試料を用いた場合の生菌数との対数差を算出した。その結果を表2〜7に示した。該対数差が大きいほど、除菌力が高かったことを示し、対数差1.8以上を除菌効果ありと判定した。
対数差=log10(対照試料を用いた場合の生菌数)−log10(除菌剤組成物水溶液を用いた場合の生菌数) ・・・(2)
Figure 0005645558
Figure 0005645558
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Figure 0005645558
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Figure 0005645558
表2〜7中、Mwは分子量を意味する。

Claims (8)

  1. 下記成分(A)〜(D)を含有することを特徴とする除菌剤組成物。
    成分(A):亜鉛化合物。
    成分(B):下記一般式(b1)または(b2)で表されるキレート化合物。
    成分(C):過酸化水素、または水中で過酸化水素を放出する過酸化物。
    成分(D):前記成分(C)と反応して有機過酸を発生する有機過酸前駆体。
    Figure 0005645558
    [式中、X11〜X14は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはカチオン性アンモニウムを表し、Rは水素原子または水酸基を表し、n1は0または1の整数を表す。]
    Figure 0005645558
    [式中、Aはアルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、水酸基または水素原子を表し、X21〜X23は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはカチオン性アンモニウムを表し、n2は0〜5の整数を表す。]
  2. さらに、下記成分(E)を含有する、請求項1に記載の除菌剤組成物。
    成分(E):銅化合物。
  3. 前記成分(A)と前記成分(B)とのモル比(B)/(A)が、0.05〜2の範囲内である、請求項2に記載の除菌剤組成物。
  4. Zn濃度が0.02〜1.1ppm、Cu濃度が0.002〜0.13ppmとなるように水中に含有させて用いられる、請求項2または3に記載の除菌剤組成物。
  5. 下記成分(E)を含有せず、前記成分(A)と前記成分(B)とのモル比(B)/(A)が、0.1〜2.5の範囲内である、請求項1に記載の除菌剤組成物。
    成分(E):銅化合物。
  6. Zn濃度が0.1〜7ppmとなるように水中に含有させて用いられる、請求項5に記載の除菌剤組成物。
  7. 前記成分(D)が、下記一般式(d1)で表される請求項1〜6のいずれか一項に記載の除菌剤組成物。
    Figure 0005645558
    [式中、Rは炭素数7〜18の直鎖状の脂肪族炭化水素基を表し、Xは水素原子、−COOMまたは−SOM(Mは水素原子または塩形成カチオンを表す。)を表す。]
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の除菌剤組成物を、水中で繊維製品と接触させることを特徴とする除菌方法。
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