JP5807832B1 - 誘導電動機のための位相生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、誘導電動機のための駆動制御装置に使用され、γδ準同期座標系の速度と位相を生成する手段を少なくとも備える位相生成装置に関し、回転子速度情報を一切必要としない位相生成装置を提供する。特に、簡単で、力行・回生の両駆動モードで安定に動作する位相生成装置を提供する。【解決手段】 速度と位相の生成手段を、駆動用電圧相当値、駆動用電流相当値、固定子磁束相当値のγ軸要素、固定子抵抗、固定子総合漏れインダクタンス、符号関数、それに正ゲインを用いて座標系速度を生成し、生成した座標系速度を積分処理して位相を生成するように構成して、課題を解決した。【選択図】図3

Description

本発明は、誘導電動機のための駆動制御装置に使用される位相生成装置に関する。特に、電動機駆動用電圧・電流を用いて、回転子磁束の位相を推定的生成する位相生成装置に関する。なお、本発明の説明では、「位相」を「角度位置」と同義で、「速度」を「角速度」と同義で使用する。また、誘導電動機の「固定子」と「回転子」を、各々、「1次側」と「2次側」と同義で使用する。
図1に、γδ一般座標系、αβ固定座標系、dq同期座標系の3座標系を描画した。αβ固定座標系の基軸であるα軸は、固定子のu相巻線中心と同一の方向の軸である。dq同期座標系の基軸であるd軸は、2行1列(2×1と略記)ベクトルとしての回転子磁束あるいは同比例値(同図では、φ2nと表現)と同一の方向の軸である。γδ一般座標系は、αβ固定座標系、dq同期座標系を特別の場合として包含する一般性に富む座標系である。本発明では、γδ一般座標系の中で、特にdq同期座標系への位相差の無い収斂を目指した座標系を、γδ準同期座標系と呼称する。
誘導電動機の代表的なベクトル制御法として、すべり周波数形ベクトル制御法がある。本法は、理想的なベクトル制御を達成できる最も簡単な方法でもある。すべり周波数形ベクトル制御法では、回転子速度にすべり周波数推定値を加算して生成した周波数を、γδ準同期座標系の速度、ひいては固定子に印加する電圧の周波数(すなわち電源周波数)とするものである。すべり周波数形ベクトル制御法では、「回転子速度が入手可能」であることが本方法実現のための必須要件となっている。このため、すべり周波数形ベクトル制御の遂行に際しては、インクリメンタルエンコーダなどの速度検出器が、広く利用されてきた。
ところが、速度検出器の回転子への装着には、電気的・機械的・熱的信頼性の低下、軸方向の容積の増大、検出器用配線引回し、コストの増大などの諸問題を引起した。用途によては、速度検出器の装着が困難あるいは不可能なこともある。本問題を根本から克服する技術として、従来、種々のセンサレスベクトル制御法が研究・開発されてきた。センサレスベクトル制御法は、基本的には、速度検出器の装着に代わって速度推定器を演算子内部にソフトウェア的に構成し、速度検出値(速度真値)に代わって速度推定値を利用して、ベクトル制御を遂行するものである。
上記の考えに従って、センサ利用(すなわち、速度検出器利用)のすべり周波数形ベクトル制御法に対して、速度検出器を撤去の上、新たに速度推定器を構成し、センサレス化を図ることが、種々試みなれてきた。特許文献1〜2は、この例であり、速度推定値にすべり周波数推定値を加算し、電源周波数を決定している。センサ利用すべり周波数形ベクトル制御法の実現は、すこぶる簡単であった。しかしながら、このセンサレス化は、特許文献1〜2の例が示すように、複雑な速度推定部を必要とし、結果的には、センサレスすべり周波数形ベクトル制御法は、最も複雑なセンサレスベクトル制御法の1つとなった。
センサレスすべり周波数形ベクトル制御法が不可避的に有する「複雑な速度推定部の必要性」の問題を、根本的に解決する方法として、速度情報を一切必要としないセンサレスベクトル制御法が、新中により、特許文献3を介して、提案されている。特許文献3の方法は、ベクトル制御の遂行に回転子情報を一切必要とせず、ひいては、本方法は、センサ利用すべり周波数形ベクトル制御法と同程度に簡単に電源周波数(γδ準同期座標系の速度ωγと等価)が生成できると言う優れた特長を有した。図4は、特許文献3で提案された電源周波数(γδ準同期座標系の速度ωγ)の生成法をブロック図(座標系速度推定器)として示したものである。しかしながら、特許文献3の方法により生成された電源周波数を利用する場合、回生状態の誘導電動機駆動制御システムは不安定化することがあった。
森真人・足利正:「誘導電動機の速度ベクトル制御方式」、特開平7−123799号(1993−10−25) 森真人・足利正・渡邉勝之:「誘導電動機の二次抵抗補償方式」、特開平7−303398号(1994−5−9) 新中新二:「誘導電動機のベクトル制御方法及び同装置」、特開平10−80200号(1996−8−30)
本発明は上記背景の下になされたものであり、その目的は、誘導電動機のための駆動制御装置に使用され、ベクトル制御の遂行に速度情報を必要とせず、簡単で、さらには、力行・回生の両駆動モードで安定に動作する位相生成装置を提供することにある。位相生成装置が生成する位相は、回転子磁束の位相をd軸の位相とするdq同期座標系への収束を目指したγδ準同期座標系の位相である。これは、「生成位相は、回転子磁束の位相推定値である」ことを意味している。当業者には自明のように、γδ準同期座標系の位相の微分値は同座標系の速度であり、同時に、誘導機へ印加される電圧電流の周波数(電源周波数)でもある。γδ準同期座標系の位相と速度は、厳密に微積分の関係にあり、互いに一方から他方を得ることができる。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、誘導電動機のための駆動制御装置に使用され、回転子磁束の位相をd軸の位相とするdq同期座標系への収束を目指したγδ準同期座標系上の駆動用電圧の相当値と駆動用電流の相当値とを入力信号とし、γδ準同期座標系の速度と位相を生成する手段を少なくとも備える位相生成装置であって、駆動用電圧相当値のγ軸要素、δ軸要素をそれぞれv1γ、v1δとし、駆動用電流相当値のγ軸要素、δ軸要素をそれぞれi1γ、i1δとし、固定子磁束の相当値のγ軸要素をφ^1γとし、固定子抵抗をR1とし、固定子総合漏れインダクタンスをl1tとし、sを微分演算子d/dtとし、符号関数sgnを以下のように定める場合、
Figure 0005807832
γδ準同期座標系の速度ωγを、正ゲインg3をもつ次の生成基本式に準拠して生成し、
Figure 0005807832
生成した座標系速度ωγを積分処理してγδ準同期座標系の位相を生成するようにしたことを特徴とする。(2)式に利用された符号関数(シグナム関数とも呼ばれる)sgnの働きは、(1)式が明瞭に示しているように、対象信号の極性(すなわち、プラス、マイナス)を抽出することである。
請求項2の発明は、請求項1記載の位相生成装置であって、該生成基本式に準拠して生成した信号に対して変化率制限処理を追加的に施した信号を、γδ準同期座標系の最終的な速度としたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の位相生成装置であって、該生成基本式(すなわち(2)式)の分母、分子に相当する信号をそれぞれ個別にフィルタ処理し、フィルタ処理後の信号を該生成基本式に従い除算して、γδ準同期座標系速度ωγを生成するようにしたことを特徴とする。
なお、上に用いた「相当値」なる用語は、当該信号の真値、真値の良好な近似値、推定値、あるいは真値と良好な相関を有する信号などを意味する。
以下、図面と数式を用いて、本発明の効果を明快に説明する。図1のように、任意の速度ωγで回転するγδ一般座標系を考える。また、誘導電動機の回転子磁束が主軸のγ軸に対し、ある瞬時に位相θγをなしているものとする。γδ一般座標系上における誘導電動機の数学モデル(回路方程式)は、次の(3)〜(4)式により記述される。
Figure 0005807832
Figure 0005807832
(3)〜(4)式において、2×1ベクトルv1、i1は、それぞれ固定子の電圧、電流を、φ2は回転子磁束を意味している。ω2nは回転子の電気速度であり、sは微分演算子d/dtである。R1、l1t、M、L2、W2は、電動機パラメータを示しており、おのおの、固定子抵抗、固定子総合漏れインダクタンス、相互インダクタンス、回転子インダクタンス、回転子時定数の逆数(以下、回転子逆時定数と呼称)を意味する。
ここで、回転子磁束相当値の1つとして、正規化回転子磁束φ2nを以下のように定義する。
Figure 0005807832
上式より明白なように、正規化回転子磁束は回転子磁束の比例値である。同様に、回転子抵抗R2の比例値として、正規化回転子抵抗R2nを以下のように定義する。
Figure 0005807832
(3)式の回路方程式は、(5)、(6)式を用いて、次式のように書き改めることができる。
Figure 0005807832
(7)式は、ベクトル信号の要素を用いた表現に改めることができる。この1例は、次式となる。
Figure 0005807832
スカラ信号の脚符γ、δは、対応信号のγ軸要素、δ軸要素を意味している。
(8a)式は、正規化回転子磁束のδ軸要素φ2nδに関し、以下のように書き改められる。
Figure 0005807832
(9c)式は、(9a)式、(9b)式に用いた固定子磁束相当値のγ軸要素φ^1γの基本定義式を示している。
(9)式より、正値のゲインg3を用いた次式を得ることができる。
Figure 0005807832
(10)式におけるωγとして、請求項1の発明に従って生成されたωγを適用すると、すなわち(2)式のωγを適用すると、次式を得る。
Figure 0005807832
上式は、正規化回転子磁束のδ軸要素が、ゼロに収束することを意味する。換言するならば、γδ一般座標系は、γδ準同期座標系となることを意味する。(11)式の成立は、力行・回生の駆動モード相違を問わない。なお、(2)式の第1式から第2式への近似には、「励磁分電流i1γを一定に制御する」というベクトル制御の基本性質を利用している。本制御の下では、(9c)式に示した固定子磁束相当値のγ軸要素は一定となり、この微分値はゼロとなる。
以上説明した解析結果より明白なように、請求項1の発明によれば、回転子速度情報を一切必要とすることなく、さらには、力行・回生の両駆動モードにおいて、安定的にγδ準同期座標系の位相(座標系速度の積分値)を生成できるようなる、と言う効果が得られる。γδ準同期座標系の位相は、回転子磁束位相の推定値でもある。したがって、本効果は、回転子速度情報を一切必要とすることなく、さらには、力行・回生の両駆動モードにおいて、回転子磁束位相の推定値を生成できるようになると言う効果と言い換えることができる。
つづいて請求項2の発明の効果を説明する。請求項1に発明である(2)式に従って、γδ準同期座標系の速度ωγとこの積分処理を通じて座標系位相を生成する場合、電動機パラメータが必要とされる。しかし、実際の駆動システムにおいては、必ずしもパラメータ真値を知ることができず、誤差をもつ公称パラメータを利用せざるを得ない。また、誘導電動機には電力変換器を介して交流電圧が印加されるが、電力変換器が必ずしも理想的な特性をもつとは限らない。電流検出器も、同様に理想的特性をもつとは限らない。すなわち、(2)式における電圧相当値、電流相当値は、電動機パラメータと同様に、種々の誤差を伴う。この結果、実際の駆動システムにおいては、(2)式で生成されたγδ準同期座標系の速度ωγには、種々の誤差が混入することになる。ひいては、微分処理を伴う(2)式に従って生成された座標系速度は好ましくない過大な値をとることがある。
請求項2の発明によれば、生成基本式すなわち(2)式に準拠して生成した信号に対して変化率制限処理を追加的に施した信号を、γδ準同期座標系の最終的な速度とすることになる。ひいては、座標系速度が不要な過大値を取ることを防ぐことができるようになる。すなわち、請求項2の発明によれば、電動機パラメータ、電圧相当値、電流相当値が理想的でない場合にも、座標系速度が不要な過大値をとることを防ぐことができる、と言う効果を得られる。ひいては、請求項1の効果を実用的に高めることができるという効果を得られる。
つづいて請求項3の発明の効果を説明する。請求項2の発明の効果の説明に際して、説明したように、(2)式で生成されたγδ準同期座標系の速度ωγには、種々の誤差が混入する。このため、(2)式に従って生成された座標系速度は好ましくない過大な値をとることがある。過大値発生の最大の原因は、(2)式における微分処理である。請求項3の発明によれば、生成基本式すなわち(2)式の分母、分子に相当する信号をそれぞれ個別にフィルタ処理し、フィルタ処理後の信号を該生成基本式に準拠して除算して、γδ準同期座標系速度ωγを生成することになる。このときのフィルタは、基本的には、ローパスフィルタである。ローパスフィルタ効果により、直接微分を回避することができるようなる。ひいては、フィルタ処理後の信号の除算により得られた座標系速度は、過大値をとらなくなる。以上より、明らかなように、請求項3の発明によれば、電動機パラメータ、電圧相当値、電流相当値が理想的でない場合にも、座標系速度が不要な過大値をとることを防ぐことかできる、と言う効果を得られる。ひいては、請求項1の効果を実用的に高めることができるという効果を得られる。
3種の座標系と回転子磁束位相の1関係例を示す図 本発明に基づくγδ準同期座標系上の回転子磁束推定器を利用した駆動制御システム例を示すブロック図 本発明に基づくγδ準同期座標系上の回転子磁束推定器の内部構成例を示すブロック図 従前の座標系速度推定器の内部構成例を示すブロック図
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
誘導電動機に対して、本発明の位相生成装置を用いた駆動制御装置を適用した1実施例を図2に示す。本発明の主眼は位相生成装置(以下、回転子磁束推定器とも言う)にあるが、電動機駆動制御システム全体における位相生成装置(回転子磁束推定器)の位置づけを明示すべく、あえて、駆動制御装置を含む電動機駆動制御システム全体から説明する。1は誘導電動機を、2は電力変換器を、3は電流検出器を、4a、4bは夫々3相2相変換器、2相3相変換器を、5a、5bは共にベクトル回転器を、6は電流制御器を、7は本発明を利用した回転子磁束推定器(位相生成装置)を、8は磁束制御器を、9は指令変換器を、各々示している。当業者には容易に理解されるように、図2では、1の電動機を除く、2から9までの諸機器が駆動制御装置を構成している。本発明に直接的に関連した回転子磁束推定器は、トルク制御、速度制御でも利用される。本図では、簡単のためトルク制御を遂行するためのシステムを示している。なお、本図では、電圧、電流の座標系を明示すべく、これら信号には脚号t(uvw座標系)、s(αβ固定座標系)、r(γδ準同期座標系)を付している。更には、簡明性を確保すべく、3×1または2×1のベクトル信号を1本の太い信号線で表現している。
駆動制御装置の中で、本発明と関係するのは、回転子磁束推定器7である。本実施例では、回転子磁束推定器7には、駆動用電圧相当値として電圧指令値が、駆動用電流相当値として電流実測値(真値)が入力されている。回転子磁束推定器7からは、γδ準同期座標系の位相の余弦正弦値、γδ準同期座標系の速度、回転子磁束相当値(正規化回転子磁束)の振幅推定値、回転子(電気)速度推定値などが出力されている。図3に、回転子磁束推定器7の内部構成を示した。回転子磁束推定器7は、大きくは、磁束振幅推定器7a、座標系速度推定器7b、積分器7c、余弦正弦発生器7dから構成されている。
磁束振幅推定器7aは、γδ準同期座標系上の固定子電流検出値を入力信号として得て、γδ準同期座標系上で評価した正規化回転子磁束推定値と固定子磁束推定値などを生成し出力している。この生成の原理は、(7)〜(9)式の数学モデルに由来している。具体的には、次の通りである。
Figure 0005807832
(12a)式は、(8b)式の第1行から得ている。(12b)式は、実質的に(9c)式と同一である。(12c)式は、(8b)式の第2行から得ている。なお、速度推定値ω^2nは、必ずしも必要ない。この点を考慮して、図3の磁束振幅推定器7aでは破線を利用して描画している。
座標系速度推定器7bの構成の実際を説明する。第1実施例は、請求項1の発明に基づく生成基本式の第1式に正確に従った次のものである。
Figure 0005807832
上式では、電圧相当値として電圧指令値を利用している。頭符*は当該信号の指令値を意味する。固定子磁束相当φ^1γは、磁束振幅推定器7aから得ている。
座標系速度推定器7bで生成した座標系速度ωγは、積分器7cで積分処理され座標系位相θ^2fに変換される。積分器7cで遂行される積分処理は、基本的には、次式で表現される単純積分である。
Figure 0005807832
座標系位相θ^2fは、余弦正弦発生器7dで次式のように余弦値、正弦値に変換され、ベクトル回転器5a、5bへ向け出力されている。
Figure 0005807832
座標系速度推定器に関しては、種々の実施例を考えることができる。第2実施例は、請求項1の発明に基づく生成基本式の第2式に正確に従った次のものである。
Figure 0005807832
座標系速度推定器の構成の第3実施例は、請求項2の発明に基づくものであり、これは、次式のように記述される。
Figure 0005807832
上式におけるRLmtは、変化率制限処理を意味する。RLmtの処理対象信号ω’γ、すなわち処理前信号ω’γは、(13)式または(16)式で生成したものを利用すればよい。請求項2の発明は、請求項1の発明に追加処理を施すものである。
座標系速度推定器の構成の第4実施例は、請求項3の発明に基づくものであり、これは、次式のように記述される。
Figure 0005807832
上式における記号〈〉は、ローパスフィルタ処理を意味する。処理原理は、(2)式の生成基本式に従っている。先ず、まずの分母の信号と分子の信号をそれぞれ個別にローパスフィルタ処理している。次に、フィルタ処理後の信号を生成基本式に準拠して除算して、γδ準同期座標系速度ωγを生成するようにしている。
座標系速度推定器における座標系速度の生成は、生成基本式と数学的に等価な次の等式が成立するように、除算を用いることなく、行なってよい。
Figure 0005807832
「生成基本式に準拠して生成」は、上記のような生成も包含することを指摘しておく。
実施例2〜5における磁束振幅推定器7a、積分器7c、余弦正弦発生器7dに関しては、実施例1と同一のものが利用可能である。当然のことながら、必要に応じ、これらを改変したものを利用してもよい。
図2〜3を用いて説明した実施例では、駆動用電圧相当値として固定子電圧指令値を利用した。駆動用電圧相当値として、電圧真値(実測値)を含む他の電圧相当値を利用してよいことを指摘しおく。
以上、本発明に関し、各種の図を利用しつつ複数の実施例を用いて具体的かつ詳しく説明した。上記説明の本発明は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術的範囲を外れない範囲内で多様な変形及び変更が可能であり、前述した実施例及び添付図面に限定されるものではないことを指摘しておく。
本発明は、誘導電動機のセンサレス駆動を必要とする用途に広く活用することができる。
1 誘導電動機
2 電力変換器
3 電流検出器
4a 3相2相変換器
4b 2相3相変換器
5a ベクトル回転器
5b ベクトル回転器
6 電流制御器
7 回転子磁束推定器
7a 磁束振幅推定器
7b 座標系速度推定器
7c 積分器
7d 余弦正弦発生器
8 磁束制御器
9 指令変換器

Claims (3)

  1. 誘導電動機のための駆動制御装置に使用され、回転子磁束の位相をd軸の位相とするdq同期座標系への収束を目指したγδ準同期座標系上の駆動用電圧の相当値と駆動用電流の相当値とを入力信号とし、γδ準同期座標系の速度と位相を生成する手段を少なくとも備える位相生成装置であって、
    駆動用電圧相当値のγ軸要素、δ軸要素をそれぞれv1γ、v1δとし、駆動用電流相当値のγ軸要素、δ軸要素をそれぞれi1γ、i1δとし、固定子磁束の相当値のγ軸要素をφ^1γとし、固定子抵抗をR1とし、固定子総合漏れインダクタンスを11tとし、sを微分演算子d/dtとし、符号関数sgnを以下のように定める場合、
    Figure 0005807832
    γδ準同期座標系の速度ωγを、正ゲインg3をもつ次の生成基本式に準拠して生成し、
    Figure 0005807832
    生成したγδ準同期座標系速度ωγを積分処理してγδ準同期座標系の位相を生成するようにしたことを特徴とする位相生成装置。
  2. 請求項1記載の位相生成装置であって、該生成基本式に準拠して生成した信号に対して変化率制限処理を追加的に施した信号を、γδ準同期座標系の最終的な速度としたことを特徴とする請求項1記載の位相生成装置。
  3. 請求項1記載の位相生成装置であって、該生成基本式の分母、分子に相当する信号をそれぞれ個別にフィルタ処理し、フィルタ処理後の信号を該生成基本式に準拠して除算して、γδ準同期座標系速度ωγを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の位相生成装置。
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