JP5803441B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂及びそれを用いたハードコート材 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂及びそれを用いたハードコート材 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネル等の表面に施されるハードコートに用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂及びそれを用いたハードコート材に関する。
近年、タッチパネルはカーナビ、スマートフォン、タブレットPC等のコンシューマー製品に幅広く搭載されるようになり、その市場規模は年々拡大している。タッチパネルへの入力は主に人の指によるので、タッチパネルへの指紋付着による視認性の低下が問題となっている。そのため、指紋による汚れが付着し難く、拭取り易く、かつ目立たないタッチパネル表面のハードコート処理技術が重要となっている。
従来、ハードコート材では、フッ素、シリコーン系材料等を使用してハードコートの表面を撥水・撥油性にし、指紋の汚れを防止することが一般的であった(例えば、特許文献1、特許文献2)。しかし、この方法では、指紋をある程度拭取った後も、残った指紋が外光の乱反射によって目立ちやすいという問題点があった。
一方、指紋を目立たなくする方法として、ハードコートの表面を親油性とする技術も提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5)が、これらの技術では、親油性とするために長鎖構造を導入したり、親油性とするための化合物を配合したりするため、硬度、特に耐擦り傷性が低下してしまうという問題点があった。
特開2009−263409号公報 特開2007−077188号公報 特開2010−024283号公報 特開2010−128363号公報 国際公開第2008/108153号
本発明は、ハードコート処理を施した際に、指紋による汚れが拭取り易く、目立たず、かつ耐擦り傷性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂及びそれを用いたハードコート材を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)に関する。
(1)脂環式骨格を有するビニルモノマー(A)、分子中にエポキシ基を有するビニルモノマー(B)を(A):(B)=20〜80〜50:50の質量比で含有する重合成分を重合して得られる共重合体(I)と、
α,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる活性エネルギー線硬化型樹脂。
(2)前記脂環式骨格を有するモノマー(A)がジシクロペンテニル基を有するモノマーである前記(1)記載の活性エネルギー線硬化型樹脂。
(3)前記(1)又は(2)記載の活性エネルギー線硬化型樹脂と、溶剤と、多官能性(メタ)アクリル化合物と、光重合開始剤とを含有する活性エネルギー線硬化型ハードコート材。
(4)多官能性(メタ)アクリル化合物の含有量が、活性エネルギー線硬化型樹脂と、溶剤と、多官能性(メタ)アクリル化合物と、光重合開始剤との総量に対して15〜40質量%である前記(3)記載の活性エネルギー線硬化型ハードコート材。
(5)光重合開始剤が水素引き抜き型光重合開始剤である前記(3)又は(4)記載の活性エネルギー線硬化型ハードコート材。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂及びそれを用いたハードコート材によれば、ハードコート処理を施した際に、指紋による汚れが拭取り易く、目立たず、かつ耐擦り傷性のような硬度に優れるハードコートを提供することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂は、脂環式骨格を有するビニルモノマー(A)と、分子中にエポキシ基を有するビニルモノマー(B)とを(A):(B)=20〜50:50〜80の質量比で含有する重合成分を重合して得られる共重合体(I)に、α,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる。共重合体(I)内の成分(B)のエポキシ基と、α,β−不飽和カルボン酸との反応により重合性二重結合を有しているので、活性エネルギー線照射による硬化反応性を有するものである。
<共重合体(I)>
本発明における脂環式骨格を有するビニルモノマー(A)としては、脂環式骨格を有するビニルモノマーであれば特に制限なく公知のものを使用することができる。脂環式骨格の炭素数は5〜10が好ましい。具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート,イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を持つ多官能性(メタ)アクリレート類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち耐擦り傷性という観点から、硬化物のTgが高いモノマーであるジシクロペンテニル基を有するモノマーを使用することが好ましい。
本発明における分子中にエポキシ基を有するビニルモノマー(B)としては、特に限定することなく分子内にエポキシ基を一つ以上含む公知のものを使用することができる。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3、4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド 1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、活性エネルギー線硬化型樹脂を得る合成上の反応性の観点から、グリシジル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
脂環式骨格を有するビニルモノマー(A)と、分子中にエポキシ基を有するビニルモノマー(B)との質量比は、(A):(B)=20:80〜50:50の範囲内で重合させる。(B)成分80質量部に対して成分(A)が20質量部以上であれば、指紋拭取り性(指紋による汚れが拭取り易い)が充分に良好であり、成分(B)50質量部に対して50質量部以下であれば、耐擦り傷性が充分に良好な傾向にある。前記質量比は25:75〜45:55であるとより好ましく、35:65〜45:55であるとさらに好ましい。
なお、共重合体(I)用の重合成分として、上記成分(A)及び成分(B)のいずれにも属さない他の成分を塗工性の調整のような種々の目的に応じて、かつ、本発明の効果を損ねない範囲で適宜使用してもよい。かかる成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸メチル等の、共重合し得る二重結合を1個有するビニルモノマーであって、かつ、成分(B)のエポキシ基と反応しないものであれば特に限定することなく使用することができる。
成分(A)と成分(B)とを含む共重合体(I)の重合方法としては、特に限定することなく公知の方法により行えばよい。例えば、これら各共重合成分と溶媒とを混合物溶液とし、これに重合開始剤を添加して反応液とし、80〜140℃の温度条件下で滴下重合を行うことで、各成分がランダムに共重合した共重合体を得ることができる。
重合反応に使用する溶媒としては、各重合成分に対して共溶媒となるものであれば特に限定することなく公知のものを使用することができる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、二塩化エチレン、四塩化炭素等の有機溶剤が挙げられる。
重合開始剤としては、特に限定することなく公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、重合開始剤の使用量は、全重合成分100質量部に対し、0.01〜8質量部程度とすることが好ましい。
さらに、必要に応じ、連鎖移動剤等を配合してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。連鎖移動剤の使用量は、使用する全重合成分100質量部に対し、0.01〜5質量部程度とすることが好ましい。
このようにして得られた共重合体(I)は、重量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)10,000〜100,000程度が好ましい。10,000以上であれば、この共重合体(I)から得られたハードコート材を硬化した表面の硬度が充分で耐擦り傷性に優れる。また、表面の親油性が良好で指紋が目立たない。100,000以下であれば、ハードコート材において充分な溶解性を有する。
<活性エネルギー線硬化型樹脂>
本発明で使用するα,β−不飽和カルボン酸は、特に限定することなく公知のものを使用することができる。具体的には、(メタ)アクリル酸、カプロラクトン変性アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の一価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の二価カルボン酸又はそれらの無水物;2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビン酸)等の複数の不飽和結合を有する一価カルボン酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、活性エネルギー線硬化型樹脂を得る合成における反応性という観点から、アクリル酸を使用することが好ましい。
上記の共重合体(I)とα,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法としては、特に限定することなく公知の方法により行えばよい。例えば、必要によりトリフェニルフォスフィン等の触媒を使用し、80〜110℃の温度条件下でα,β−不飽和カルボン酸のカルボキシル基と、共重合体(I)のエポキシ基との付加反応を行うことにより、活性エネルギー線硬化型樹脂を得ることができる。なお、必要に応じて、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−へキサン等の有機溶剤やハイドロキノン、p−メトキシフェノール等の安定化剤などを用いてもよい。
使用する触媒としては、例えば、塩基性触媒としては、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンやアンモニア等のアミン類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類などが挙げられ、酸触媒としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、テトラブトキシトリチタニウム等の金属アルコキシド化合物、塩化アルミニウム等のルイス酸、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物などが挙げられる。触媒の使用量は特に限定されないが、共重合体(I)とα,β−不飽和カルボン酸との合計100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部程度とすることが好ましい。
こうして得られた活性エネルギー線硬化型樹脂は、重量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)が10,000以上であれば硬化収縮を小さくする効果が大きく、100,000以下であれば硬度が十分に高いものとなるため好ましい。また、酸価は2.0mgKOH/g以下であれば次に配合するハードコート材の保存安定性が良好である。
<活性エネルギー線硬化型ハードコート材>
本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート材(以下、ハードコート材ともいう。)は、前述した活性エネルギー線硬化型樹脂と、溶剤と、多官能性(メタ)アクリル化合物と、光重合開始剤とを含有する、樹脂組成物である。ハードコートを得るには、例えば、ハードコート材をポリエステル樹脂等の基材の表面に塗布し、乾燥後、活性エネルギー線を照射して硬化させてハードコートを形成する方法が挙げられる。乾燥後の好ましい塗膜厚は0.5〜500μmであり、さらに好ましくは3〜50μm、特に好ましくは4〜30μmである。
多官能性(メタ)アクリル化合物としては、1分子当たりの官能基数(エチレン性不飽和二重結合の数)が2以上であれば、特に限定することなく公知のものを使用することができる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、長鎖脂肪族ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、三官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エステルヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのうち、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が好ましい。特に高硬度の硬化塗膜が得られる耐擦傷性の観点から官能基数の多い、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を使用することがさらに好ましい。
多官能性(メタ)アクリル化合物は、活性エネルギー線硬化型樹脂と、溶剤と、多官能性(メタ)アクリル化合物と、光重合開始剤との総量に対する含有量が15〜40質量%であることが好ましい。15%質量以上であると、耐擦り傷性に優れる傾向にあり、40質量%以下であると、指紋拭取り性が優れる傾向にある。より好ましくは20〜30質量%である。
本発明のハードコート材を紫外線で硬化させる場合には光重合開始剤を使用することができる。光重合開始剤としては、紫外線により分解してラジカルを発生して重合を開始させることができるものであれば、特に限定されず公知のものを用いることができる。また、必要であればさらに光増感剤を添加する。
有効な光重合開始剤としては、分子内開裂型光重合開始剤と水素引き抜き型光重合開始剤に大別できる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステルなどの化合物が挙げられる。
一方、水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノンなどの化合物が挙げられる。これらのうち、ベンゾフェノン等の水素引き抜き型光重合開始剤であることが好ましい。
本発明のハードコート材には、基材への塗工適性をさらに付与するために、粘度調整用の溶剤を加えることができる。溶剤としては、特に制限なく公知のものを使用することができるが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;酢酸エチル、エチルソルブアセテート等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類などが挙げられる。この中でも、ハンドリング、乾燥性の点から、ケトン類やエステル類の溶剤を用いることが好ましい。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。また、塗布前に真空脱気等によってワニス状のハードコート材中の気泡を除去するのが好ましい。
本発明のハードコート材中には、本発明の効果を損なわない限り、前記成分以外の他の感光性樹脂、添加剤をさらに添加してもよい。感光性樹脂としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を配合することができる。添加剤としては、シリコーン系、フッ素系の消泡剤、レベリング剤、公知慣用の熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤等を配合することができる。
本発明のハードコート材を塗布する基材の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系樹脂、変性ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン共重合体などが挙げられる。これらの材質の中でも、トリアセチルセルロースは、優れた密着性を示すので好ましい。また、これらの樹脂からなる基材を2種以上貼り合わせて用いても良い。
本発明のハードコート材を基材に塗布する方法としては、例えば、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、かけ渡しコート、ディップコート、スピンナーコート、ホイーラーコート、刷毛塗り、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート等が挙げられる。また、オフセット印刷、活版印刷等の印刷方式でも良い。これらの中でも、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、ワイヤーバーコート、フローコートは、より厚みが一定な塗膜が得られるため好ましい。
活性エネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、ガンマー線、レーザー光線等の電磁波、アルファー線、ベータ線、電子線等の粒子線などが挙げられる。本発明の好適な用途を考慮すれば、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、又は電子線が好ましい。活性エネルギー線の照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等が適当である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。
(製造例1)
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計、加圧装置を取り付けた4ツ口フラスコ中に溶媒としてメチルイソブチルケトンを50質量部仕込み、窒素雰囲気下で110℃に昇温させた。この溶媒中に、(B)成分としてグリシジルメタクリレート(以下、GMA)50質量部、(A)成分としてジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業株式会社製品名FA512M)50質量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.0質量部を混合させた溶液を2時間かけて滴下した。その後、110℃で2時間保温し、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、メチルイソブチルケトン50質量部の混合液を30分で滴下し、その後加圧し、140℃まで昇温し2時間保温し、アクリル樹脂共重合体(I−1)を合成した。得られた共重合体(I−1)の加熱残分は50.3%で重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー測定の結果、ポリスチレン換算で、30000であった。
攪拌器、還流冷却器、温度計を取り付けた4ツ口フラスコ中に、得られた共重合体(I−1)200質量部、アクリル酸25.4質量部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.5質量部、安定化剤としてp−メトキシフェノール0.5質量部を仕込み、空気雰囲気下で100℃に昇温させ5時間保温し、活性エネルギー線硬化型樹脂(樹脂1)を得た。加熱残分は60.4%で、重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー測定の結果、ポリスチレン換算で、35000であり、酸価は1.5mgKOH/gであった。
(製造例2〜7)
下記表1に示すように配合を変更した以外は製造例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹脂(樹脂2〜7)を作製した。なお、表1中、FA513Mは、ジシクロペンタニルメタクリレートの日立化成工業株式会社製品名を示す。また、ステアリルメタクリレートは(A)成分の比較例用の脂環式骨格を有さないビニルモノマーである。
Figure 0005803441
(実施例1〜7、比較例1〜3)
上記で得られた樹脂1〜7及び溶剤としてメチルエチルケトンを下記表2に示す質量部で配合し、活性エネルギー線硬化型ハードコート材1〜10を得た。これらを硬化させた試験片を用いて、以下に示す方法で特性を評価した。なお、表2中、イルガキュア(長瀬産業株式会社の登録商標)184は、光重合開始剤1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンを示す。また、DPHAは、前出のようにジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを示す。
<試験片作製条件>
下記表2に示す各ハードコート材をポリカーボネート板にバーコータ#10で塗装後、70℃×3分乾燥し、400mJ/cmで露光させて試験板を得た。
<指紋拭取り性>
指紋を付着させ、ガーゼで100g/cm荷重×5往復後で目視確認
○:指紋跡がほとんど確認できない
△:指紋跡が若干確認できる。
×:指紋跡が残る。
<鉛筆硬度>
JIS-K-5600の試験方法に準じて評価した。
<耐擦り傷性>
スチールウール#0000を用い、塗膜表面を500g/cm荷重で10回往復後で目視確認した。
○:傷なし
△:浅い傷が数本確認された。
×:深い傷が1本以上確認された。
Figure 0005803441
実施例1〜7では、指紋拭取り性、鉛筆硬度、耐擦り傷性ともに良好な結果であったのに対し、比較例1では、脂環式骨格を有するビニルモノマー(A)の重合比が50を超えているため、鉛筆硬度及び耐擦り傷性に問題があり、比較例2では、脂環式骨格を有するビニルモノマー(A)20未満であるため指紋拭取り性に問題があった。また、比較例3では、脂環式骨格を有さないビニルモノマーを使用したため、鉛筆硬度及び耐擦り傷性に問題があった。

Claims (3)

  1. 活性エネルギー線硬化型樹脂と、溶剤と、多官能性(メタ)アクリル化合物と、光重合開始剤とを含有し、
    前記活性エネルギー線硬化型樹脂が、ジシクロペンテニル基又はジシクロペンタニル基を有するビニルモノマー(A)、分子中にエポキシ基を有するビニルモノマー(B)を(A):(B)=20:80〜50:50の質量比で含有する重合成分を重合して得られる共重合体(I)と、α,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる、活性エネルギー線硬化型ハードコート材。
  2. 前記多官能性(メタ)アクリル化合物の含有量が、前記活性エネルギー線硬化型樹脂と、前記溶剤と、前記多官能性(メタ)アクリル化合物と、前記光重合開始剤との総量に対して15〜40質量%である請求項記載の活性エネルギー線硬化型ハードコート材。
  3. 前記光重合開始剤が水素引き抜き型光重合開始剤である請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型ハードコート材。
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