JP5801888B2 - ポリエステルの後処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素原子数3〜20の線状もしくは分枝状脂肪族モノカルボン酸とポリオールとを、吸着剤の存在下に及び触媒としての金属含有化合物の存在下に反応させることによって製造されたポリオールエステルを、酸化作用性または還元作用性化合物で及びその直後に水蒸気で後処理することによって、後処理する方法に関する。
ポリオールエステルとも称される多価アルコールのエステルは、工業的に大規模にかつ多様に使用されており、例えば可塑剤または潤滑剤などとして使用されている。適切な原料を選択することにより、物理的な材料特性、例えば沸点や粘度などを目的通りに調節でき、また化学的性質、例えば耐加水分解性や酸化分解に対する安定性を顧慮することができる。ポリオールエステルを、具体的な応用技術的な問題の解決に合わせて目的通りに作ることもできる。ポリオールエステルの用途に関しての詳細な総覧は、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1985,VCH Verlagsgesellschaft,ボリュームA1,305〜319頁(非特許文献1); Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1990,VCH Verlagsgesellschaft,ボリューム A15,438〜440頁(非特許文献2); Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,John Wiley&Sons,1978,ボリューム1,778〜787頁(非特許文献3);Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,John Wiley&Sons,1981,ボリューム14,496〜498頁(非特許文献4)に記載されている。
潤滑剤としてのポリオールエステルの使用は大きな工業的な意味を有し、更には、これらは、特に、鉱油ベースの潤滑剤が、課せられる要求を不完全にしか満たさない用途分野に使用される。ポリオールエステルは、特に、タービンモーター油及び精密機械油として使用される。潤滑剤用途のためのポリオールエステルは、しばしば、アルコール成分として、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、グリセリンまたはTCD−アルコールDMとも称される3(4),8(9)−ジヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカンに基づく。
ポリオールエステルは、可塑剤としてもかなりの規模で使用されている。可塑剤は、プラスチック、コーティング材、シール剤、弾性ゴム及びゴム物品中に様々な用途に使用されている。これらは、化学的に反応すること無しに、好ましくはそれらの溶解力及び膨潤力によって、高分子量熱可塑性物質と物理的な相互作用を起こす。それによって、元のポリマーと比べて熱可塑性範囲がより低い温度にシフトした均一な系が生じ、中でもその結果、それの機械的な性質が最適化され、例えば変形可能性、弾性、強度が高まりそして硬度が低下する。
可塑剤にできるだけ広い応用範囲を開くために、これらは一連の基準を満たさなければならない。理想的には、これらは、臭いが無く、無色であり、耐光性、耐低温性及び耐熱性であるのがよい。更に、これらが、水に対して敏感でなく、燃えにくくかつ揮発性が僅かであること、及び健康を害さないことが期待される。また更に、可塑剤は簡単に製造できるべきであり、かつその製造は、生態学的な要求を満たすために、廃棄物、例えば再利用できない副生成物や有害物質を含む廃水を避けて行われるべきである。
ポリオールエステルの特殊な部類(簡略してG−エステルとも称される)は、アルコール成分として、ジオールまたはエーテルジオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールまたはより高級のプロピレングリコールを含む。それらの製造は、様々な方法で行うことができる。場合により酸性触媒の存在下でのアルコールと酸との反応の他に、実際では、G−エステルを得るための更に別の方法、中でもジオールと酸ハロゲン化物との反応、カルボン酸エステルとジオールとの反応、及びカルボン酸へのエチレンオキシドの付加反応(エトキシル化)が使用される。工業的な製造では、ジオールとカルボン酸との直接的な反応及びカルボン酸のエトキシル化だけが製造方法として確立しており、この際、大概は、ジオールと酸のエステル化が優勢である。というのも、この方法は、慣用の化学装置中でそれ程の煩雑さ無しで行うことができ、そしてこれは化学的に均一な生成物を与えるからである。これと比べて、エトキシル化は大規模でコスト集約的な技術的な手段を必要とする。エチレンオキシドは非常に反応性の高い化学物質である。これは爆発的に重合し、そして非常に広い混合範囲において空気と爆発性の混合物を形成する。エチレンオキシドは目及び気道を刺激し、化学熱傷を招き、肝臓及び腎臓にダメージを与え、そして発がん性である。それ故、それの取り扱いは、大規模な安全措置を必要とする。更に、エチレンオキシドと異物との副反応による不所望な不純物の形成を排除するために、貯蔵設備及び反応装置の細心の清潔さに注意を払わなければならない。最後に、エチレンオキシドとの反応は選択性があまり高くなく、それでこれは異なる鎖長の複数種の化合物の混合物を与える。
アルコールとカルボン酸との直接的なエステル化は、有機化学の基本的な作業に属する。反応速度を高めるために、通常、反応は触媒の存在下に行われる。反応体の過剰使用及び/または反応の過程で生ずる水の分離が、質量作用の法則に応じて平衡を、反応生成物側、すなわちエステル側へとシフトさせる、すなわち高い収量が達成されることを保証する。
多価アルコールのエステル(エチレングリコールと脂肪酸とのエステルも含まれる)の製造について及びこれらの部類の化合物の選択された代表物の性質に関しての包括的な情報は、Goldsmith,Polyhydric Alcohol Esters of Fatty Acids,Chem.Rev.33,257頁以降(1943)(非特許文献5)に記載されている。例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリエチレングリコールのエステルの製造は、130〜230℃の温度において2.5〜8時間の反応時間で行われる。反応水を除去するためには、二酸化炭素が使用される。多価アルコールのエステル化に適した触媒としては、無機酸、酸性の塩、有機スルホン酸、アセチルクロライド、金属または両性金属酸化物が挙げられる。反応水の除去は、同伴剤(Schleppmittel)、例えばトルエンもしくはキシレンを用いてまたは不活性ガス、例えば二酸化炭素もしくは窒素を導入して行われる。
ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの取得及び性質についてはJohnson(編者),Fatty Acids in Industry (1989)第9章,Polyoxyethylene Esters of Fatty Acid(非特許文献6)に論じられており、製造に関する一連の示唆が記載されている。より高いジエステル濃度は、グリコールに対するカルボン酸のモル比を高めることによって達成される。反応水の除去のための適当な方策は、水と不混和性の溶剤の存在下での共沸蒸留、不活性ガスの導通下での加熱、または乾燥剤の存在下に減圧下での反応の実施である。触媒の添加を無しで済ませる場合には、より長い反応時間及びより高い反応温度が必要となる。これらの両反応条件は触媒の使用によって軽減することができる。硫酸の他に、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、並びにポリスチレンタイプのカチオン交換体が好ましい触媒である。錫や鉄などの金属粉末の使用も記載されている。US2,628,249(特許文献1)からの教示によると、硫酸またはスルホン酸を用いた触媒反応の際の色の問題は、活性炭の存在下に作業すると軽減できる。
更に別の金属含有触媒としては、例えばUS5,324,853A1(特許文献2)では、チタン−、ジルコニウム−またはスズアルコレート、−カルボキシレートまたは−キレートもポリオールエステルの製造に使用されている。このような金属触媒は、高温触媒と見なすことができ、すなわちこれらは、高いエステル化温度、一般的に180℃を超えるエステル化温度において始めてその完全な活性を達成する。多くの場合に、これらは、エステル化反応の開始時に加えられるのではなく、反応混合物が既に加熱されそして一部が水の解離の下に反応した後に加えられる。慣用の硫酸触媒と比較して必要な反応温度が高く及び必要な反応時間が長いにも拘わらず、このような金属含有化合物を用いた触媒反応では、比較的小さい色数を有する粗製エステルが得られる。通例のエステル化触媒は、例えばテトラ(イソプロピル)オルトチタネート、テトラ(ブチル)オルトチタネート、テトラ(ブチル)ジルコネートまたはスズ(II)−2−エチルヘキサノエートである。
カルボン酸でのポリオールの触媒エステル化反応では、不足に存在する成分に基づいて、比較的短い時間内で高い転化率が達成されるが、所望のポリオールエステルまでの残りの転化のために比較的長い反応時間を甘受しなければならない。確かに、mgKOH/gのヒドロキシル価(DIN53240準拠)によってまたはガスクロマトグラフィによって求められる部分エステル化生成物の含有率によって表される部分エステル化生成物の許容可能な残留含有率を持ってポリオールエステルが得られるが、長い反応時間は経済的に不利である。なぜならば、これは、工業的な生産装置の性能を制限するからである。残りの転化を加速するためにも、US5,324,853A1(特許文献2)は、反応混合物を強く混合することを提案している。
エステル化反応の終了後、金属触媒の十分な分離を保証しなければならない。というのも、精製されたポリオールエステル中の金属痕跡量は、例えば導電性または空気酸素に対する安定性が影響されることによって、可塑剤または潤滑剤としてのそれらの用途の邪魔となり得るからである。US5,324,853A1(特許文献2)からの作業方式によると、粗製エステル化混合物を、ソーダ水溶液、場合によっては及び活性炭と混合する。この作業方式によって、金属化合物が不溶性の固形物に加水分解され、そして次の加工の前に粗製エステル化合物から濾別することができる。US4,304,925A1(特許文献3)では、粗製エステル化生成物を、アルカリの添加の前に先ず水と混合し、そして熱の存在下に処理する。それによって、加水分解された金属化合物が良好に濾過可能な沈降物に変えられる。
US2,628,249A(特許文献10)からは、エーテルポリオールを脂肪族モノカルボン酸でエステル化することが知られている。硫酸またはスルホン酸の触媒作用下での色の問題は、エステル化を活性炭の存在下に行うことによって軽減できる。
金属触媒作用の下でのポリオールエステルの製造のための従来技術は、エステル化反応を経済的に許容可能な時間で完了するために特別な反応器の設計か、または良好に濾別可能な加水分解生成物の形成下に、エステル化反応の終了後に金属含有触媒を出来るだけ完全に除去するために熱条件下に水での追加的な処理のいずれかを必要とする。
US2,628,249 US5,324,853A1 US4,304,925A1 EP2308821A2 EP2308822A2 DE2729627A1 DD57596A DE19741913C1 US2,628,249A
Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1985,VCH Verlagsgesellschaft,ボリュームA1,305〜319頁 Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1990,VCH Verlagsgesellschaft,ボリューム A15,438〜440頁 Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,John Wiley&Sons,1978,ボリューム1,778〜787頁 Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,John Wiley&Sons,1981,ボリューム14,496〜498頁 Goldsmith,Polyhydric Alcohol Esters of Fatty Acids,Chem.Rev.33,257頁以降(1943) Johnson(編者),Fatty Acids in Industry (1989)第9章,Polyoxyエチルene Esters of Fatty Acid
金属含有触媒の使用下では一般的に満足できる色数を有するポリオールエステルが得られるものの、工業的な製造では、色数及び酸価に関して仕様値に相当しない生成物も時折生じる。DE102009048775A1による方法は、簡単に高い品質でポリオールエステルを得ることを可能にする一方で、DE102009048775A1に従う製造方法により得られたポリオールエステルが、例えば工業的な製造の間に生ずる障害の結果として、要求される仕様を持たない場合には、簡単な後処理によって仕様を満たすポリオールエステルが得られる方法を提供することは望ましい。
EP2308821A2(特許文献4)からポリオールエステルを淡色化するための方法が知られており、この方法では、未反応原料を分離した後の仕上げ処理の過程で反応混合物をオゾンまたはオゾン含有ガスで処理し、その直後に、他の中間ステップ無しで、水蒸気処理を行う。反応混合物の仕上げは吸着剤を用いずに行われる。
EP2308822A2(特許文献5)は、過酸化物型化合物を使用してポリオールエステルを淡色化するための類似の方法を記載している。
更にDE2729627A1(特許文献6)からは、カルボン酸エステルをオゾンで処理する方法が知られている。反応混合物は、オゾン処理の後に、アルカリ水溶液で中和され、そして水で洗浄される。次いで揮発性成分が、真空下または常圧下に高められた温度において追い出される。DD57596A(特許文献7)から知られる方法では、芳香族ジカルボン酸エステルを、淡色化のために、アルカリの存在下に過酸化水素水溶液と混合し、次いで水蒸気処理に付している。
DE10121866A1(特許文献8)は、還元剤及びアルカリ塩基の存在下に行われる、脂肪酸ポリオールエステルの製造のためのエステル交換方法を開示している。エステル交換反応の後に、過酸化水素を用いた漂白を行うことができる。DE19741913C1(特許文献9)は、Sn+4触媒作用下で脂肪酸をアルコールでエステル化することによって得られる反応生成物を、仕上げ処理の過程で、還元剤及び沈殿剤との組み合わせと混合することを提案している。それによって、難溶性のSn+2化合物が形成される。
それ故、既に金属触媒作用下に製造され及び仕上げされたポリオールエステルの品質を、簡単な後処理によって、できるだけ多方面に使用することができる仕様を満足するポリオールエステルが得られるように向上することができる方法を提供するという課題があった。
それ故、本発明は、以下の一般式
H−(−O−[−CR −] −) −OH
[式中、R 及びR は、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル、エチルもしくはプロピル、または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシメチル基を意味し、mは1〜10の整数、好ましくは1〜8の整数、特に1、2、3もしくは4を意味し、oは2〜15の整数、好ましくは2〜8の整数、特に2、3、4もしくは5を意味する]
で表されるポリオールと、炭素原子数3〜20の線状もしくは分枝状脂肪族モノカルボン酸とを、吸着剤の存在下及び触媒としてのチタン、ジルコニウム、スズ、亜鉛、鉄もしくはアルミニウム含有化合物の群から選択される金属含有化合物の存在下に、生ずるを水を除去しながら反応させ、次いで水蒸気処理することによって製造されるポリオールエステルの後処理方法であって、得られたポリオールエステルを、先ず、酸化作用性もしくは還元作用性化合物で、その直後に、150〜250℃の温度で及び0.5〜5時間の期間にわたって水蒸気で後処理することを特徴とする方法を骨子とする。
原料のポリオールと脂肪族モノカルボン酸との反応は、使用材料に依存して約120〜180℃の範囲で起こり、次いで様々な方法で終わらせることができる。
該エステル化ステップの一つの形態では、反応水の除去を容易にするために、先ず室温から始めて、最大280℃までの温度、好ましくは250℃までの温度に加熱し、及び一定に維持した温度下に、圧力を常圧から始めて段階的に低下させる。圧力段階数(一段階、二段階またはそれ以上)の選択及びそれぞれの段階で調節される圧力の選択は、はば広い範囲で変えることができ、そして個々の場合の条件に適合させることができる。例えば、先ず第一段階では、圧力を常圧から始めて600hPaまで低下させ、次いで反応を300hPaの圧力下に完了させることができる。これらの圧力の記載は、有利に遵守される基準値である。
圧力を変化させる他、同様に温度も、エステル化反応中に室温から出発して一段階、二段階またはそれ以上の段階で変化させることができ、そうして一定に調節された圧力下に温度を段階的に、通常は最大280℃の温度まで高める。しかし、段階的に上昇する温度を最大で280℃まで加熱すること及び圧力も段階的に低めることが有利であることが判明した。例えば、エステル化反応は、室温から開始して第一段階において190℃までの温度で行うことができる。同様に、反応水の排除を加速するために600hPaまでの低められた圧力が適用される。190℃の温度段階に達したら、圧力をもう一度300hPaまで下げ、そしてエステル化反応を250℃までの温度で終了させる。これらの温度及び圧力の値は、合目的的に遵守される基準値である。個々の段階において調節すべき温度及び圧力条件、段階の数、及び単位時間当たりの各々の温度上昇または圧力低下速度は幅広い範囲で変えることができ、そして原料化合物及び反応生成物の物理的性質に応じて適合され、この際、第一段階の温度及び圧力条件は常圧及び室温から出発して調節される。温度を二段階で高め及び圧力を二段階で低下させることが特に有利であることが判明した。
調節すべき圧力の下限は、原料化合物及び生成した反応生成物の物理的性質、例えば沸点及び蒸気圧に依存し、そしてプラント装備によっても決定される。常圧から出発して、この限界値の範囲内で、段階的に低下する圧力を用いて段階的に作業することができる。分解生成物の生成、中でも色を害する作用をする分解生成物の生成を避けるために、温度の上限、通常は280℃を遵守するべきである。温度段階の下限は反応速度によって決定され、この反応速度は、許容可能な時間内でエステル化反応を完了させるために十分に速いものでなければならない。この限界値の範囲内で、段階的に高まる温度を用いて段階的に作業することができる。
個々の反応条件、例えば温度、反応時間、生じさせる圧力または使用される触媒は、十分な反応速度下に着色性成分の生成を目立たなくしかつポリオールエステルの分解反応をできるだけ避けるために、個々のポリオールエステルに適合させるべきである。エーテルジオール、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールをベースとするポリオールエステルの場合には、温度、反応時間、触媒の種類及び触媒の量などの反応条件がそれぞれのポリオールエステルに合わせて的確に調節されていないと、エーテル骨格の強い分解が起こる恐れがある。
エステル化は、化学理論量のポリオール及び脂肪族モノカルボン酸を用いて行うことができる。しかし、好ましくは、ポリオールを、一般的に低沸点の成分でありそして後続の粗製エステルの仕上げの際に簡単に蒸溜により分離できる過剰のモノカルボン酸と反応させることができる。脂肪族モノカルボン酸は、ポリオールのエステル化するヒドロキシル基1モル当たり10〜50%モル過剰で、好ましくは20〜40%モル過剰で使用される。生成した反応水は、エステル化反応の過程で、過剰のモノカルボン酸と一緒に反応容器から留去され、そして後続の相分離器に導かれ、そこでモノカルボン酸と水とがそれらの溶解性に応じて分離する。場合によっては、使用したモノカルボン酸は反応条件下に水と共沸混合物も形成し、そして同伴剤として反応水を除去することを可能にする。水の収量から反応の進行を追跡することができる。分離した水はプロセスから除去され、他方、モノカルボン酸は相分離器から反応容器に再び返流する。共沸混合物形成剤の役割を担う更に別の有機溶剤、例えばヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンまたはキシレン異性体混合物の添加は排除されないが、僅かな事例に限られる。共沸混合物形成剤は、エステル化反応の開始時に既にか、または比較的高い温度に達してから加えることができる。理論的に予測される水の量が発生したらまたは(例えばDIN53240に従い測定した)ヒドロキシル価が決められた値以下まで低下したら、反応混合物を冷却することによって反応を終了する。
モノカルボン酸によるポリオールのエステル化のための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物、亜鉛化合物、鉄化合物及びアルミニウム化合物の群から選択される金属含有化合物が使用される。適当な化合物は、例えば、スズ(II)酸化物、スズ(IV)酸化物、スズカルボキシレート、例えばスズ(II)−2−エチルヘキサノエート、スズ(II)オキサレート、スズ(II)アセテートまたはスズ(IV)アセテート、スズ(IV)アルコレート、例えばテトラ(メチル)スタネート、テトラ(エチル)スタネート、テトラ(プロピル)スタネート、テトラ(イソ−プロピル)スタネートもしくはテトラ(イソブチル)スタネート、または有機スズ化合物、例えばブチルスズマレエートもしくはジブチルスズジラウレートである。
適当なチタン化合物には、アルコレート、例えばテトラ(メチル)オルトチタネート、テトラ(エチル)オルトチタネート、テトラ(プロピル)オルトチタネート、テトラ(イソ−プロピル)オルトチタネート、テトラ(ブチル)オルトチタネート、テトラ(イソ−ブチル)オルトチタネート、テトラ(ペンチル)オルトチタネートまたはテトラ(2−エチルヘキシル)オルトチタネート; アクリレート、例えばヒドロキシチタンアセテート、ヒドロキシチタンブチレートもしくはヒドロキシチタンペンタノエート、またはキレート、例えばテトラエチレングリコールチタネートもしくはテトラプロピレングリコールチタネートなどが挙げられる。対応するジルコニウム化合物も成功裏に使用でき、例えばテトラ(メチル)オルトジルコネート、テトラ(エチル)オルトジルコネート、ジルコニウムカーボネート、テトラ(プロピル)オルトジルコネート、テトラ(イソ−プロピル)オルトジルコネート、水酸化ジルコニウム、テトラ(ブチル)オルトジルコネート、テトラ(イソ−ブチル)オルトジルコネート、テトラ(ペンチル)オルトジルコネートまたはテトラ(2−エチルヘキシル)オルトジルコネートなどが挙げられる。
同様に、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、カルボン酸アルミニウム、例えば酢酸アルミニウムもしくはステアリン酸アルミニウム、またはアルミニウムアルコレート、例えばアルミニウムトリブチレート、アルミニウムトリ−sec.−ブチレート、アルミニウム−トリ−tert.−ブチレート、またはアルミニウム−トリ−イソプロピレートも好適である。
また、酸化亜鉛、硫酸亜鉛及びカルボン酸亜鉛、例えば酢酸亜鉛二水和物もしくはステアリン酸亜鉛、及び酢酸鉄(II)もしくは鉄(III)水酸化物−酸化物も触媒として使用できる。
対応する金属を微細な形態で使用することも同様に可能であり、この際は、先ず、金属含有の触媒活性化合物が反応混合物に生成する。
触媒は、既に初めから、または後になって始めて、安全措置に注意しながら高められた温度下に、例えば反応水の分離が始まった時に、反応混合物に加えることができる。
エステル化触媒の添加量は、不足に添加される出発化合物、有利にはポリオールを基準にして1×10−5〜20モル%、好ましくは0.01〜5モル%、特に0.01〜2モル%である。触媒量がこれより多いと、ポリオールエステルの解裂反応が予期され得る。
エーテルジオール、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールに基づくポリオールエステルを製造する場合は、反応の終了近くに高い触媒濃度を使用する場合及び遊離のヒドロキシル基の最後の残りを転化する段階において、エーテル鎖の強まった解裂が危惧され、そのためこの場合には、反応温度または適用すべき圧力を適応させるべきである。選択された触媒濃度が高いほどに、一般的に、反応温度または適用すべき圧力はより低く選択されるべきであり、及び最適化された温度及び圧力プロフィルに従い作業すべきである。触媒濃度が低すぎると、エステル化速度が遅くなり、許容できる反応時間内で満足できる転化率が観察されなくなる。
エステル化触媒の添加は液体の形態でまたは固形の形態で行うことができる。固形の触媒、例えばスズ(II)酸化物、亜鉛酸化物または鉄(III)水酸化物−酸化物は、エステル化反応の終了後に、濾別され、その後、粗製ポリオールエステルは更なる仕上げに付される。エステル化触媒が液状の化合物として加えられる場合、例えば、エステル化反応の終了後になおも反応混合物中に溶解して存在するテトラ(イソ−プロピル)オルトチタネートまたはテトラ(ブチル)オルトチタネートの場合には、これらの化合物は、仕上げプロセスの過程で水蒸気処理の際に不溶性の良好に濾別可能な沈降物に転化される。
エステル化は、吸着剤の存在下に行われる。この際、多孔性の高表面積の固形材料が使用され、これは、化学のプラクチスにおいて、実験室でも工業的なプラントでも普通に使用されるものである。このような材料の例は、高表面積ポリケイ酸、例えばシリカゲル(シリカ−キセロゲル)、ケイ酸ゲル、珪藻土、高表面積酸化アルミニウム類及び酸化アルミニウム水和物、鉱物材料、例えばクレーまたは炭酸塩、または活性炭である。活性炭が特に有利であることが実証された。一般的に、吸着剤は、強力な攪拌によってまたは不活性ガスを導入することによって動かした反応溶液中に、微細に懸濁される。それによって、液状相と吸着剤との間の緊密な接触が達成される。吸着剤の量はほぼ自由に、それ故、個々の場合の要求に合わせて調節することができる。液状反応混合物100重量部当たり、0.1〜5、好ましくは0.1〜1.5重量部の吸着剤を使用することが有利である。
冒頭に記載したポリオールエステルの品質基準のために、反応水の除去下でのエステル化段階の際のプロセスステップ及び粗製エステルの仕上げの際のプロセスステップは、非常に重要なプロセス上の特徴である。というのもこれらのプロセスステップの調整は、最終生成物の官能的及び外見的性質に本質的に影響を及ぼすからである。最適化されたプロセスの操業によって、エーテルジオール、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールに基づくポリオールエステルが、高い純度並びに低い色数及び高い色安定性を持って得られる。それとは反対に、出発物質、多価アルコール及び脂肪族モノカルボン酸の構造は、該ポリオールエステルで可塑化されるプラスチック材料の機械的及び熱的性質にとって決定的であり、潤滑剤の加水分解安定性及び酸化安定性に影響を与える。
反応の終了後に生ずる反応混合物は、所望の反応生成物としてのポリオールエステルの他に、場合により、未反応の出発物質、特に(モノカルボン酸過剰で作業した場合に)なおも過剰の脂肪族モノカルボン酸を含む。通常は、先ず、過剰に存在する未反応の出発化合物を、有利には減圧の適用下に、蒸留して除去する。
次いで、粗製エステルを水蒸気での処理に付し、これは、例えば、簡単な形態では、粗製生成物中に水蒸気を導入することによって行うことができる。水蒸気処理の一つの利点は、それの過程で、なおも存在する触媒が分解されそして良好に濾別可能な加水分解生成物に転化されることである。エステル化反応吸着剤の存在下に実行されるために、既に存在する吸着剤が、触媒転化生成物の分離を容易にする。水蒸気処理の最中の吸着剤の存在は、同様に、ポリオールエステルの色及び色安定性に対して有利に作用する。しかし、エステル化反応及び過剰の出発化合物の分離後、すなわち水蒸気蒸留の実施の前に、吸着剤を濾別することも可能である。
水蒸気処理は、軽い負圧、有利には400hPaまでの軽い負圧の使用は排除されないものの、一般的に常圧下に行われる。水蒸気処理は、150〜250℃、好ましくは150〜220℃、特に170〜200℃の温度で行われ、そして個々の場合に製造するべきポリオールエステルの物理的性質にも依存する。
水蒸気処理のプロセスステップでは、粗製エステルを水蒸気処理に必要な温度に加熱するために、作業温度に達するまでの加熱期間中、出来るだけ穏和に進行させることが有利である。
水蒸気処理の期間は、通例の試験によって決めることができ、これは、0.5〜5時間の期間にわたって行われる。長すぎる水蒸気処理はポリオールエステルの不所望な色数の上昇を招くので避けるべきである。酸反応性化合物が生成するポリオールエステルの強められた分解反応も観察され、このような化合物の含有は、例えばDIN EN ISO3682/ASTM D 1613に従い測定される中和価または酸価の上昇によって示される。処理時間が短すぎると、残留する酸及び水の除去の効果が十分ではなく、目的のポリオールエステルは、なおも高すぎる不所望な酸価及び高すぎる含水量を有する。処理時間が短すぎる場合にはまた、ポリオールエステルの色数に対する有利な効果が小さいということも観察される。
水蒸気処理の条件、例えば温度、時間及び適用すべき圧力も、ポリオールエステルの色数に関して最適な成果を達成し及び出発化合物、水及び触媒痕跡の残留含有量を出来るだけ最小にしかつ同時に分解反応を抑制するために、個々の場合のポリオールエステルに合わせて的確に調節されるべきである。特に比較的多量の触媒量を用いる場合エーテルジオール、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールに基づくポリオールエステルを製造するには、エーテル鎖の不所望な分解を阻止するために、個々の場合のポリオールエステルに合わせて水蒸気処理の際の条件を正確に適合させるべきである。
場合によっては、ポリオールエステルの中和価を更に減少させるために、水蒸気処理の後に、固形のアルカリ反応性物質、例えば塩基性二酸化ケイ素、塩基性酸化アルミニウムまたは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、または水酸化ナトリウムの固形の形態での添加、または塩基反応性鉱物の添加を行う。
水蒸気処理に続いて、場合により、吸着剤、及び場合によっては添加された固形のアルカリ反応性物質、及び更に別の発生した固形物の濾過の後に、ポリオールエステルの乾燥を、例えば高められた温度下に不活性ガスを生成物中に導通することによって行う。高められた温度下に同時に負圧を適用し、及び場合により不活性ガスを生成物中に導通することもできる。不活性ガスの作用無しでも、高められた温度下のみでまたは低められた圧力下のみで作業することもできる。個々の場合の乾燥条件、例えば温度、圧力及び時間は、簡単な予備実験で決めることができる。一般的に、80〜250℃、好ましくは100〜180℃の温度及び0.2〜500hPa、好ましくは1〜200hPa、特に1〜20hPaの圧力下に作業する。それに続いて、粗製エステルを、これがまだ未濾過の場合には、固形物質、場合により添加される固形のアルカリ反応性物質、触媒の加水分解生成物、及びエステル化段階中に添加された吸着剤をそれから除くために、濾過する。濾過は、慣用の濾過装置で、常温でまたは120℃までの温度下に行われる。濾過は、通例の濾過助剤、例えばセルロース、シリカゲル、珪藻土、木粉によって援助し得る。しかしそれらの使用は、例外的なケースに限られる。
濾過の終了後に、淡色のポリオールエステルが得られ、これは、通常、その他の規格、例えば含水量、残留酸含有量、触媒構成分の残留含有量、及びモノエステルの残留含有量を充たす。
本発明方法に従い後処理されるポリオールエステルは、以下の一般式
H−(−O−[−CR −] −) −OH
に相当する多価アルコールをベースとする。
式中、R及びRは、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル、エチルもしくはプロピル、または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシメチル基を意味し、mは1〜10の整数、好ましくは1〜8の整数、特に1、2、3または4を意味し、oは、2〜15の整数、好ましくは2〜8の整数、特に2、3、4または5を意味する。
ポリオールエステルに転化できるポリオールとしては、例えばジ−トリメチロールプロパン、ジ−ペンタエリトリトール、エチレングリコール及び1,2−プロピレングリコールのオリゴマー、特にエーテルジオールであるジ−、トリ−及びテトラエチレングリコールまたはジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールまたはテトラプロピレングリコールが適している。エチレングリコール及びプロピレングリコールは工業的に生産されている化学物質である。これの製造のための基礎物質は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドであり、これらから、加圧下に水と加熱することによって1,2−エチレングリコール及び1,2−プロピレングリコールが得られる。ジエチレングリコールは、エチレングリコールをエトキシル化することによって得られる。トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールは、エチレングリコールを製造するためにエチレンオキシドを加水分解する際に副生成物として生ずる。これらの両化合物は、エチレングリコールをエチレンオキシドと反応させることによっても合成し得る。ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール及びより高級のプロポキシル化生成物は、1,2−プロピレングリコールにプロピレンオキシドを複数回付加することによって得ることができる。
ポリオールエステルを得るためには、分子中に3〜20個の炭素原子を有する線状もしくは分枝状の脂肪族モノカルボン酸を使用する。多くの場合に飽和酸が好ましいものの、可塑剤または潤滑剤の個々の場合の使用分野に依存して、不飽和カルボン酸もエステル合成のための反応成分として使用し得る。ポリオールエステルの構成要素としてのモノカルボン酸の例は、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−ペンタン酸、2−メチル酪酸、3−メチル酪酸、2−メチルペンタン酸、n−ヘキサン酸、2−エチル酪酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、2−メチルオクタン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−プロピルヘプタン酸、2−メチルウンデカン酸、イソウンデカンカルボン酸、トリシクロデカンカルボン酸及びイソトリデカンカルボン酸である。オリゴマー性エチレングリコールと並びにオリゴマー性プロピレングリコールと、C 〜C 13 またはC 〜C 10 モノカルボン酸とのポリオールエステルの製造、並びにジ−トリメチロールプロパンをベースとするポリオールエステルの製造が特に重要である。
エチレングリコールまたはそれのオリゴマーのポリオールエステルは、全ての通例の高分子量熱可塑性物質の可塑剤として優れて適している。特に、これらは、グリコールエステルと混合して多層または複合ガラスの製造のための中間層として使用されるポリビニルブチラールへの添加物として有効であることが判明した。同様にこれらは、コーティング材として多方面での用途があるプラスチックの水性分散物中に癒着剤(Koaleszenzmittel)または成膜助剤としても使用し得る。ポリオールエステルを簡単な方法で優れた色特性を持って製造することができ、これらは更に別の品質要求、例えば少ない臭いまたは低い酸価を満たす。特に、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3G8エステル)、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7エステル)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3G6エステル)、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7エステル)またはテトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4G8エステル)の製造法が重要である。
原料のエステル化は、化学技術に典型的な反応装置中で連続式にもバッチ式にも行うことができる。攪拌タンクまたは反応管が有利であることが判明しており、この際、バッチ式の反応方式が好ましい。
DE102009048775A1に従う方法は、品質的に高価値で仕様を満たすポリオールエステルを与えるものの、工業的生産で障害が発生した場合には、色数に関して仕様値を満たさないポリオールエステルが製造されることがある。
本発明の作業法に従い、ポリオールエステルのこのような生産バッチを、その色品質を向上するために、簡単な方法で後処理に付すことができる。このためには、得られたポリオールエステルを、先ず、酸化もしくは還元作用性化合物で処理する。
酸化作用性化合物としては、過酸化物型化合物、例えば過酸化水素、有機過カルボン酸類、例えば過酢酸または過プロピオン酸、有機ヒドロパーオキシド類、例えばクメンヒドロパーオキシドまたはtert.−ブチルヒドロパーオキシド、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過ホウ酸塩、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過炭酸塩、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属パーオキソジスルフェート、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属パーオキソホスフェートが適している。
特に好適なものは、蒸留により簡単に分離することができる、過酸化水素水溶液、液状有機過カルボン酸または有機ヒドロパーオキシドである。固体の形態のまたは水溶液としてのいずれかの塩様の過酸化物型アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属化合物の使用も排除されないが、僅かな例外的なケースに限られる。というのも、これらはまたはこれらの転化生成物は、固形物質として存在するか、またはポリエステルの後処理の過程で沈殿し、追加の濾過ステップによって分離しなければならないからである。
既に仕上げされたポリオールエステルの後処理に特に適したものは、過酸化水素含有率が10重量%超、好ましくは30〜50重量%の水溶液の形の過酸化水素である。有効物質含有量がこれより少ない過酸化水素溶液では、後で除去する必要がある多量の水が導入されることになるため、推奨されない。過酸化水素濃度が高すぎる場合には、取り扱い時に煩雑で高コストな安全対策を遵守する必要がある。
処理すべきポリオールエステルに対し、過酸化物型化合物は、混合物全体中での有効成分含有率が0.03〜1.0重量%、好ましくは0.08〜0.3重量%となるような量で加えられる。有効成分濃度が低すぎると、十分な品質を有する淡色ポリオールエステルを得るための脱色力がもはや十分でなくなる。有効成分濃度が高すぎる場合には、エステル化合物の不制御の分解反応が見込まれ得る。
過酸化物型化合物での処理は、一般的に、高められた温度で、好ましくは70〜160℃、好ましくは100〜120℃の温度で行われ、但しこの際、低い温度、例えば室温またはそれ以下の温度は排除されない。処理時間は、幅広い範囲で選択することができる。処理時間は、短すぎるのも、長すぎるのもよくなく、簡単な予備試験によって求めることができる。一般的に、処理時間は0.5〜3時間である。処理時間がこれより短いと、色数に対して有利な影響が観察されず、他方、処理時間が長すぎると、存在する水及び酸化剤のために、強められたエステル解裂及びポリオールエステル骨格の不制御の分解が危惧され得る。同様に、処理時間が長すぎると、不要な反応器容積がとられてしまう。
過酸化物型化合物での処理の個々のケースの条件は、一方では最適な脱色を達成し、他方では、ポリオールエステルの分解反応をできるだけ避けるために、個々のポリオールエステルに合わせて調節するべきである。エーテルジオール類、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールをベースとするポリオールエステルの場合には、過酸化物型化合物での処理の時の条件、例えば温度、作用期間及び濃度が個々のポリオールエステルに的確に調節されていないと、エーテル骨格の強められた分解が起こる恐れがある。
更に別の形態では、色品質を向上するための既に仕上げ処理されたポリオールエステルの本発明による後処理は、酸化作用性化合物としてオゾンまたはオゾン含有ガスを用いて行うことができる。
オゾンまたはオゾン含有ガスを用いた後処理のためには、オゾンは、ポリオールエステル1リットル当たり0.01〜5.0グラム、好ましくは0.2〜0.8グラムの量で使用される。これより多いオゾン量は、ポリオールエステル骨格の強められて起こる分解反応の故に推奨されない。オゾン導入量が多すぎる場合には、ガスクロマトグラフィにより求められるポリオールエステル含有量が減少する他に、酸価または中和価、例えばDIN EN ISO3682/ASTM D 1613に従い決定される酸価または中和価の上昇、並びにポリオールエステル1キログラム当たりのミリ当量酸素で表される過酸化物価、例えばASTM E 298に従い決定される過酸化物価の増加が観察される。これらの特性値の動きは、使用オゾン量が多すぎる時に、強まって起こる酸の形成で推量することができる。オゾン導入量が少なすぎる場合には、色の淡色化に対する有利な影響が小さすぎるか、または不釣り合いに長い処理時間を甘受しなければならない。
オゾンは、純粋な形で、またはガスとの混合物、例えば空気もしくは酸素との混合物で、または不活性ガスとの混合物、例えば窒素、二酸化炭素もしくは希ガス、例えばヘリウムもしくはアルゴンとの混合物のいずれかで使用される。オゾン含有ガスを処理に使用する場合には、オゾン濃度は、ガス混合物m当たりで有利には2〜200グラム、好ましくは10〜100グラムである。好ましくは、酸素中のオゾンの混合物を用いて作業される。
オゾンまたはオゾン含有ガス混合物の調製のためには、商業的に入手できるオゾン発生器、例えばITT Wedeco GmbH社のOzone Systems SMO−シリーズ、PDO−シリーズ、SMA−シリーズまたはPDA−シリーズの名称の装置を利用できる。
オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理は、幅広い温度範囲にわたって行うことができる。温度の下限は、低温でも十分にポンプ輸送可能であるべき、反応媒体の粘度特性及び結晶化特性によって決定される。温度があまりにも高いと、強められて生ずるオゾンの分解が予期され得る。例えば、−30℃の温度から130℃の温度までの温度範囲で作業することができる。好ましくは、20〜100℃の温度、特に30〜80℃の温度が使用される。オゾンでの処理時間も同様に幅広い範囲にわたることができ、通常は、1〜5分間程から数時間、例えば1分間から3時間、好ましくは20〜90分間にわたって酸化剤を使用する。より高い温度及びより長い処理時間は、オゾンとポリオールエステルの強められて起こる分解の故に、避けるべきである。処理時間に基づき、オゾンの導入量は、1時間当たり及びポリオールエステル1リットル当たりで、0.1〜5.0グラム、好ましくは0.2〜0.9グラムのオゾンであるのがよい。
オゾンまたはオゾン含有ガスを用いた処理の個々のケースの条件は、一方では最適な脱色を達成するため、また他方ではポリオールエステルの分解反応をできるだけ避けるために、個々のポリオールエステルに合わせて調節されるべきである。エーテルジオール類、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールをベースとするポリオールエステルの場合には、オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理の時の条件、例えば温度、作用時間またはオゾン導入量が、個々のポリオールエステルに的確に調節されていないと、エーテル骨格の強められた分解が起こる恐れがある。
色品質を向上するためのポリオールエステルの本発明による後処理のためには、金属水素化物、例えば錯体アルカリ金属ホウ素水素化物またはアルカリ土類金属ホウ素水素化物などの還元作用性化合物も適している。
有利には固形物質を用いて作業され、これを先ず、処理すべきポリオールエステル中に懸濁させ、そして水を添加して活性化する。水を添加した時に、金属水素化物、例えば錯体アルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属ホウ素水素化物から、還元作用性の水素がその場(in situ)で放出される。あまりに多い水量の導入は避けるべきである。というのも、水は次いで再び除去しなければならず、並びにあまりに多い水量は、その場で生じた活性水素化合物のあまりに早い失活を招くからである。一般的に、後処理すべきポリオールエステル100重量部に対し、0.1〜5.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部の水が使用される。
処理すべきポリオールエステルに対し、還元作用性化合物は、ポリオールエステル及び添加水からなる混合物全体中での有効成分含有率が0.002〜0.3重量%、好ましくは0.005〜0.05重量%となるような量で加えられる。有効成分濃度が低すぎると、十分な品質を持った淡色のポリオールエステルを得るための脱色力がもはや十分でなくなる。有効成分濃度が高すぎると、エステル化合物の不制御の分解反応が予期され得る。
還元作用性化合物を用いた処理は、一般的に、高められた温度で、好ましくは70〜160℃、好ましくは80〜120℃の温度で行われ、この際、低温、例えば室温またはそれ以下の温度も排除されない。処理時間は、幅広い範囲にわたって選択することができる。処理時間は、短すぎても、長すぎてもよくなく、簡単な予備試験によって求めることができる。一般的に、処理時間は0.5〜3時間である。処理時間がこれより短いと、色数に対する有利な影響が観察されず、他方、処理時間が長すぎる場合には、存在する水及び還元作用性化合物の故に、強められたエステル解裂及びポリオールエステル骨格の不制御の分解が懸念され得る。同様に、処理時間が長すぎると、不要な反応器容積がとられてしまう。
還元作用性化合物を用いた処理の個々のケースの条件は、一方では最適な脱色を達成するため、また他方ではポリオールエステルの分解反応をできるだけ避けるために、個々のポリオールエステルに合わせて調節するべきである。エーテルジオール類、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールをベースとするポリオールエステルの場合には、還元作用性化合物を用いた処理の時の条件、例えば温度、作用時間及び濃度が個々のポリオールエステルに合わせて的確に調節されていないと、エーテル骨格の強められた分解が起こる恐れがある。
酸化または還元後処理の後は、ポリオールエステルは、次いで、他の中間ステップを経ることなく直接水蒸気での処理に付され、これは、例えば簡単な形態では、水蒸気を導入することによって行うことができる。水蒸気処理の一つの利点は、それの過程で、過剰の酸化もしくは還元作用性化合物が破壊され、そして導入された水が水蒸気と共に除去される点にある。
水蒸気処理は、一般的に、常圧下に行われるが、有利には400hPaまでの軽い負圧の使用は排除されない。水蒸気処理は、150〜250℃の温度、好ましくは150〜220℃の温度、特に170〜200℃の温度で行われ、そして個々のケースで製造するべきポリオールエステルの物理的性質に合わせる。
水蒸気処理のプロセスステップでは、ポリオールエステルと添加された酸化もしくは還元作用性化合物との混合物を、水蒸気処理に必要な温度まで加熱するために、作業温度に到達するまでの加熱期間中、できるだけ穏やかに進めることが有利である。
水蒸気処理の時間は、型どおりの試験によって求めることができ、そして0.5〜5時間の期間にわたって行われる。水蒸気処理の時間が長すぎると、ポリオールエステルの色数が不所望に上昇するので、避けるべきである。また、ポリオールエステルから酸反応性化合物への強められた分解反応が観察される。そのような化合物の含有は、中和価または酸価、例えばDIN EN ISO3682/ASTM D 1613に従い決定される中和価または酸価の上昇として現れる。処理時間が短すぎると、過剰の酸化作用性化合物の破壊が完全にならず、目的のポリオールエステルが、酸化作用性化合物での後処理の場合に、生成物1キログラム当たりのミリ当量酸素で表されそしてASTM E 298に従い決定される、高すぎる不所望な過酸化物価をなおも示してしまう。また、処理時間が短すぎると、ポリオールエステルの色数に対する有利な効果が少ないことも観察される。
酸化または還元作用性化合物を用いた処理の時と同じように、その直後の水蒸気処理においても、温度、圧力、及び時間などの条件は、ポリオールエステルの色数に関して最適な結果を達成し、導入された水及び過酸化物痕跡の残留含量をできるだけ最小化し、また同時に分解反応を抑えるために、個々のポリオールエステルに合わせて調節するべきである。エーテルジオール類、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールをベースとするポリオールエステルの場合には、エーテル鎖の不所望な分解を阻止するために、水蒸気処理の時の条件を、個々のポリオールエステルに合わせて正確に調節するべきである。
一般的に、水蒸気処理の後には、仕様を満たすポリオールエステルが得られ、他の後処理ステップ、例えば追加の乾燥などは不要であるが、排除はされない。
金属水素化物またはアルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属ホウ素水素化物を還元作用性化合物として使用する場合には、水蒸気処理を、固形または水溶液としてのアルカリ反応性化合物の存在下に、例えば水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを用いて行うことが有利である。金属またはホウ素から誘導される酸の当量を基準にして、1.2〜1.5当量のアルカリ反応性化合物が加えられる。
水蒸気処理の後は、金属含有またはホウ素含有固形物が生ずる。この場合には、水蒸気処理の後に続いて他の中間ステップを経ることなく直接、後処理されたポリオールエステルの乾燥を行う。これは、例えば、不活性ガスを高められた温度下に生成物中に導入することによって行われる。高められた温度下に同時に負圧をかけることもでき、また場合により不活性ガスを生成物中に通してもよい。不活性ガスを作用させなくとも、高められた温度下のみでまたは減圧下のみで作業することができる。個々のケースの乾燥条件、例えば温度、圧力及び時間は、簡単な予備試験で求めることができ、そして個々のポリオールエステルに合わせて調節するべきである。一般的には、80〜250℃、好ましくは100〜180℃の範囲の温度で及び0.2〜500hPa、好ましくは1〜200hPa、特に1〜20hPaの圧力で作業する。乾燥の終了後、水蒸気処理の間にまたは乾燥の間に生じた、堆積した金属含有もしくはホウ素含有の固形物を濾別する。
DE102009048775A1の方法に従う工業的な生産において、要求される色数に関して仕様を外れる製造バッチが生ずる時に、本発明によるポリオールエステルの後処理法によって色の問題を解消することができる。
以下の例において、本発明の方法をより詳しく説明するが、本発明は、記載の実施形態には限定されない。
実施例(比較例)
淡色化の試験のために、37ハーゼン単位の色数を有する触媒作用下に製造したトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートを使用した。これは、チタン触媒を用いて、トリエチレングリコールを、2.6モル量の2−エチルヘキサン酸でエステル化して得たものであった。触媒濃度は、トリエチレングリコールの使用量を基準に0.05モル%であった。ガスクロマトグラフィで求めたトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの含有率(重量%)は97.9%であり、トリエチレングリコール−モノ−2−エチルヘキサノエートの含有率は1.0%であり、そして残部は1.1%であった。
後処理のための例1:
触媒作用下に製造した前記トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの淡色化のために、過酸化水素水溶液を用いた後処理を以下の条件で行った。
Figure 0005801888
直後の水蒸気蒸留を以下の条件で行った。
Figure 0005801888
続く乾燥を以下の条件で行った。
Figure 0005801888
仕上げ処理の終了後に、ガスクロマトグラフィで測定して以下の含有率及び特性値を有する淡色のポリオールエステルが得られた。
Figure 0005801888
Figure 0005801888
後処理のための例2
前記トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの後処理を、攪拌機、内部温度計、及び孔径G3のビードフリットを持つ導管を備えた加熱可能な2リットル容積の四つ首フラスコ中でそれぞれ1リットルの粗製生成物を用いて行った。ITT Wedeco GmbH社のオゾン発生器Modular 8HC(BHT 964)中で、酸素1立方メータ当たりのオゾン濃度がオゾン21グラムであるオゾン含有酸素流を発生させ、これを、0.025m/時間の速度で、ビードフリットを介して、前記粗製エステル中に、70℃の温度で0.5時間の期間にわたって、強力な攪拌下に導通した。
続く水蒸気蒸留のために、オゾン導管を、1リットルの受け器を備えた蒸留橋に付け替え、そして該2リットル容積四つ首フラスコに、水蒸気を導通するための浸漬管を装備した。
以下に記載の条件に従い水蒸気蒸留を行った後に、水蒸気の供給を停止し、そして次の乾燥のために蒸留橋を介して負圧をかけた。仕様を満たす淡色のポリオールエステルが残渣として得られた。
オゾン処理の直後の水蒸気蒸留は以下の条件下に行った。
Figure 0005801888
次いで、次の乾燥条件を調節した。
Figure 0005801888
仕上げ処理の終了後に、ガスクロマトグラフィーで求めて以下の含有率、並びに以下の特性値を有する淡色のポリオールエステルが得られた。
Figure 0005801888
Figure 0005801888
後処理のための例3
上記の触媒作用下に製造したトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの淡色化のための水素化ホウ素ナトリウムを用いた後処理を、以下の条件下に行った。
Figure 0005801888
水素化ホウ素ナトリウム処理の直後の水蒸気処理を以下の条件下に行った。
Figure 0005801888
次の乾燥を以下の条件下に行った。
Figure 0005801888
仕上げ及び濾過の終了後に、ガスクロマトグラフィで求めて以下の含有率、並びに以下の特性値を有する淡色のポリオールエステルが得られた。
Figure 0005801888
Figure 0005801888

Claims (15)

  1. 以下の一般式
    H−(−O−[−CR−]−)−OH
    [式中、R及びRは、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基を意味し、mは1〜10の整数を意味し、oは2〜15の整数を意味する]
    で表されるポリオールと、炭素原子数3〜20の線状もしくは分枝状脂肪族モノカルボン酸とを、吸着剤の存在下及びチタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、スズ含有化合物、亜鉛含有化合物、鉄含有化合物及びアルミニウム含有化合物の群から選択される触媒としての金属含有化合物の存在下に、生成した水を除去しながら反応させ、次いで水蒸気処理を行うことによって製造されるポリオールエステルの後処理方法であって、得られたポリオールエステルを先ず酸化もしくは還元作用性化合物で、その直後に150〜250℃の温度で0.5〜5時間の期間にわたって水蒸気で後処理し、その際酸化もしくは還元作用性化合物での最初の後処理を20〜120℃の温度で行うことを特徴とする前記方法。
  2. 酸化作用性化合物として、過酸化物型化合物が使用される、請求項1に記載の方法。
  3. 過酸化物型化合物として、過酸化水素、過酢酸、過プロピオン酸、クメンヒドロパーオキシド、tert.−ブチルヒドロパーオキシド、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過ホウ酸塩、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過炭酸塩、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属パーオキソ二硫酸塩、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属パーオキソリン酸酸塩が使用される、請求項2に記載の方法。
  4. 過酸化水素が水溶液の形で使用される、請求項3に記載の方法。
  5. 酸化作用性化合物として、オゾンまたはオゾン含有ガスが使用される、請求項1に記載の方法。
  6. オゾンと酸素との混合物が使用される、請求項5に記載の方法。
  7. 還元作用性化合物として、金属水素化物が使用される、請求項1に記載の方法。
  8. 金属水素化物の使用中に水を添加し、そして直後の水蒸気による処理をアルカリ反応性化合物の存在下で行う、請求項7に記載の方法。
  9. 水蒸気処理の後に、乾燥及び濾過を行う、請求項1、7及び8のいずれか一つに記載の方法。
  10. ジ−トリメチロールプロパン、ジ−ペンタエリトリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールまたはテトラプロピレングリコールがポリオールとして使用される、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  11. プロピオン酸、n−ブタン酸、イソブタン酸、n−ペンタン酸、2−メチル−ブタン酸、3−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、n−ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、2−メチルオクタン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリ−メチルヘキサン酸または2−プロピルヘプタン酸を脂肪族モノカルボン酸として反応させる、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
  12. トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラ−エチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエートまたはテトラエチレングリコール−ジ−2−エチル−ヘキサノエートの後処理のための、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 請求項1記載の一般式において、R 及びR が互いに独立してメチル、エチルもしくはプロピル、あるいはヒドロキシメチル基を意味し、mが1〜8の整数を、そしてoは2〜8の整数を意味する、請求項1記載の方法
  14. mが1、2、3もしくは4を意味し、そしてoが2、3、4もしくは5を意味する、請求項13記載の方法
  15. 前記金属水素化物が錯体アルカリ金属ホウ素水素化物またはアルカリ土類金属ホウ素水素化物である、請求項7記載の方法
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