JP5795112B1 - ポリウレタン樹脂組成物、封止材及び電気電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されたポリウレタン樹脂組成物を提供する。【解決手段】イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とが反応してなるポリウレタン樹脂、及びリン酸エステル系難燃剤を含有するポリウレタン樹脂組成物であって、前記イソシアネート基含有化合物は、ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含み、前記水酸基含有化合物は、ひまし油系ポリオールを含み、前記イソシアネート基含有化合物と、前記水酸基含有化合物とのNCO/OH比が0.7〜1.0であり、前記リン酸エステル系難燃剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して15〜40質量%である、ことを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂組成物、封止材及び電気電子部品に関する。
近年、電気電子部品の高密度化および高集積化が進み、各部品に対して、信頼性の向上が要求されている。特に、車のエンジンや、給湯器等に用いられる電気電子部品は、常温での耐湿性のみならず、高温環境下にあっても高い信頼性が要求される。
これらの電気電子部品は、耐湿性を付与するために封止材により封止されており、封止材としてポリウレタン樹脂組成物が用いられている。このような封止材に用いられるポリウレタン樹脂組成物には、耐加水分解性(耐湿性)が要求され、また、電気電子部品の発火を抑制するために、難燃性が要求される。
耐湿性及び難燃性を示すポリウレタン樹脂組成物として、例えば、電気絶縁用ポリウレタン樹脂と、ノンハロゲンリン系難燃剤と、加水分解防止剤とを含む樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1では、ポリウレタン樹脂のNCO/OH比が検討されておらず、このようなポリウレタン樹脂を含有するポリウレタン樹脂組成物は、難燃性が十分でないという問題がある。
また、耐湿性及び難燃性を示すポリウレタン樹脂組成物として、例えば、特定のポリオールに対し、NCO/OHインデックスが200以上2,000以下の範囲となる重量のポリイソシアネートとを反応させることにより得られるポリウレタンを含有するポリウレタン樹脂組成物が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2では、難燃剤が十分に検討されておらず、また、難燃剤とポリウレタン樹脂のNCO/OH比との組み合わせについても検討されていない。このようなポリウレタン樹脂組成物は、難燃性及び耐加水分解性が十分であるとはいえない。このため、各種電気電子部品に対して好適に用いることができるポリウレタン樹脂組成物としては改善の余地がある。
特に、車のエンジンや、給湯器等に用いられる電気電子部品は、高温環境下で長時間使用されるため、電気電子部品を封止している封止材の難燃性が低下し易い。このため、上述のような用途に用いられる電気電子部品の封止材に用いられるポリウレタン樹脂組成物には、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されていることが要求される。上述の特許文献1及び2では、難燃性の低下の抑制については検討されておらず、電気電子部品の封止材に用いられるポリウレタン樹脂組成物としては、改善の余地がある。
よって、耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されたポリウレタン樹脂組成物の開発が求められている。
特開2003−165903号公報 特開2000−169542号公報
本発明は、耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されたポリウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とが反応してなるポリウレタン樹脂、及びリン酸エステル系難燃剤を含有するポリウレタン樹脂組成物において、イソシアネート基含有化合物がポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含み、水酸基含有化合物がひまし油系ポリオールを含む構成とし、イソシアネート基含有化合物と、水酸基含有化合物とのNCO/OH比、及び、リン酸エステル系難燃剤の含有量を特定の範囲とすれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、以下のポリウレタン樹脂組成物、封止材及び電気電子部品に関する。
1.イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とが反応してなるポリウレタン樹脂、及びリン酸エステル系難燃剤を含有するポリウレタン樹脂組成物であって、
前記イソシアネート基含有化合物は、ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含み、
前記水酸基含有化合物は、ひまし油系ポリオールを含み、
前記イソシアネート基含有化合物と、前記水酸基含有化合物とのNCO/OH比が0.7〜1.0であり、
前記リン酸エステル系難燃剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して15〜40質量%である、
ことを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
2.前記イソシアネート基含有化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含む、項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。
3.前記リン酸エステル系難燃剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して20〜35質量%である、項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物
4.項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物からなる封止材。
5.項4に記載の封止材を用いて樹脂封止された電気電子部品。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されている。また、本発明の封止材も、上記ポリウレタン樹脂組成物からなるので、耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下での難燃性の低下が抑制されている。更に、本発明の電気電子部品は、上記封止材を用いて樹脂封止されているので、高温環境下においても高い信頼性を示す。
以下、本発明のポリウレタン樹脂組成物、封止材及び電気電子部品について詳細に説明する。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、水酸基含有化合物とイソシアネート基含有化合物とが反応してなるポリウレタン樹脂を含有する。
イソシアネート基含有化合物は、ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含む。イソシアネート基含有化合物がポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含むことにより、ポリウレタン樹脂組成物が優れた耐熱性を示し、且つ、優れた難燃性を示す。
上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物および芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物をイソシアヌレート変性したものが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、又は芳香族ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体が好ましく、中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、又はジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体がより好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含むイソシアネート基含有化合物の市販品としては、コロネート HX(商品名 HDI系イソシアヌレート 日本ポリウレタン社製)、デュラネート TLA−100(商品名 HDI系イソシアヌレート)等が挙げられる。
イソシアネート基含有化合物には、上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体の他に、他のイシソアネート基含有化合物を含んでいてもよい。他のイソシアネート基含有化合物の例としては、上述の脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物および芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物等が挙げられ、また、これらのポリイソシアネート化合物や、これらのアロファネート変性体が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物において、用いられるイソシアネート基含有化合物の量は、後述する水酸基含有化合物を100質量部として、20〜80質量部が好ましく、40〜60質量部がより好ましい。イソシアネート基含有化合物の含有量が多過ぎるとポリウレタン樹脂組成物が発泡するおそれがあり、少な過ぎるとポリウレタン樹脂組成物が硬化不良を生じるおそれがある。
本発明に用いる水酸基含有化合物は、ひまし油系ポリオールを含む。上記ひまし油系ポリオールとしては、ひまし油、ひまし油脂肪酸、及びこれらに水素付加した水添ひまし油や水添ひまし油脂肪酸を用いて製造されたポリオールを使用することができる。このようなポリオールとしては、ひまし油、ひまし油とその他の天然油脂とのエステル交換物、ひまし油と多価アルコールとの反応物、ひまし油脂肪酸と多価アルコールとのエステル化反応物及びこれらにアルキレンオキサイドを付加重合したポリオールなどが挙げられる。
ひまし油系ポリオールを含む水酸基含有化合物の市販品としては、Y−403(商品名 伊藤製油社製)、ヒマシ油(商品名 伊藤製油社製)等が挙げられる。
ひまし油系ポリオールの含有量は、ポリウレタン樹脂組成物に対して20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、35〜65質量%であることがさらに好ましい。ひまし油系ポリオールの含有量が多過ぎると、ポリウレタン樹脂組成物の難燃性が低下するおそれがあり、少な過ぎると、絶縁性が低下するおそれがある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物において、水酸基化合物は、上記ひまし油系ポリオールの他に、他のポリオールを含んでいてもよい。他のポリオールとしては特に限定されないが、ポリブタジエンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリイソプレンポリオール、及びポリイソプレンポリオールの水素化物等が挙げられる。
これらの中でも、ポリブタジエンポリオールを含むことが好ましい。他のポリオールとしてポリブタジエンポリオールを含有することにより、本発明のポリウレタン樹脂組成物の混合時の相溶性が優れ、優れた耐熱性を示すことができる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物において、用いられる水酸基含有化合物の量は、ポリウレタン樹脂組成物を100質量%として、10〜80質量%が好ましく、30〜70量%がより好ましい。水酸基含有化合物の含有量が多過ぎると硬化不良を生じるおそれがあり、少な過ぎると硬化不良が生じるおそれがあり、また、得られるポリウレタン樹脂組成物の耐熱性が低くなるおそれがある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、上記イソシアネート基含有化合物と、上記水酸基含有化合物とのNCO/OH比が0.7〜1.0である。本発明のポリウレタン系樹脂組成物のNCO/OH比を0.7〜1.0とし、且つ、リン酸エステル系難燃剤の含有量を後述する特定の範囲とすることにより、本発明のポリウレタン樹脂組成物が耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制される。上記NCO/OH比は、0.5〜1.5であることが好ましく、0.7〜1.0であることがより好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、リン酸エステル系難燃剤を含有する。リン酸エステル系難燃剤としては、リンを含有する難燃剤であれば特に限定されないが、例えば、トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート等の非ハロゲン酸エステル;芳香族縮合リン酸エステル等の非ハロゲン縮合リン酸エステル等が挙げられる。中でも、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェートが好ましい。
リン酸エステル系難燃剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して15〜40質量%である、本発明のポリウレタン系樹脂組成物のリン酸エステル系難燃剤の含有量を15〜40質量%とし、且つ、上述のNCO/OH比を0.7〜1.0とすることにより、本発明のポリウレタン樹脂組成物が耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制される。上記リン酸エステル系難燃剤の含有量は、20〜35質量%が好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、上記イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とが反応してなるポリウレタン樹脂、及びリン酸エステル系難燃剤の他に、無機充填剤、及び可塑剤を含有していてもよい。
無機充填剤としては、例えば、ゼオライト、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、放熱性に優れることから、ゼオライト、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素が好ましい。
無機充填剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して、0.1〜75質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。無機充填剤の含有量が上記範囲より少ないと、放熱効果が小さくなるおそれがあり、上記範囲より多いとポリウレタン樹脂組成物の製造時の混合粘度が高くなり、作業性が低下するおそれがある。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレート等のフタル酸エステル、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、アセチル化リシノール酸トリグリセリド、アセチル化ポリリシノール酸トリグリセリド等のひまし油系エステル、トリオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート等のトリメリット酸エステル、テトラオクチルピロメリテート、テトライソノニルピロメリテート等のピロメリット酸エステル等が挙げられる。これらのうち、トリメリット酸エステルがより好ましい。
上記可塑剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、0.1〜30質量%であることがより好ましい。可塑剤の含有量を上記範囲内とすることにより、ポリウレタン樹脂組成物の耐熱性を大きく低下させることなく、ポリウレタン樹脂組成物の製造時の混合粘度をより低くできる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、触媒、酸化防止剤、吸湿剤、防黴剤、シランカップリング剤等、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。
触媒としては特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物に用いられる従来公知の触媒を用いることができる。このような触媒としては、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート等の錫触媒;オクチル酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛触媒;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス等のビスマス触媒、ジエチレントリアミン等のアミン系触媒等が挙げられる。また、上記触媒としては、有機金属化合物、金属錯体化合物等を用いてもよい。
これらの添加剤の使用量は、その使用目的に応じて、ポリウレタン樹脂組成物の所望の特性を阻害することのないように、通常の添加量と同定の範囲から適宜決定すればよい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、ポリウレタン樹脂組成物を製造する方法として用いられる従来公知の方法により製造することができる。
このような製造方法としては、例えば、イソシアネート基含有化合物を含む成分を調製してA成分、水酸基含有化合物を含む成分を調製してB成分とし、A成分とB成分とを混合することにより反応させてポリウレタン樹脂として、当該ポリウレタン樹脂を含有するポリウレタン樹脂組成物を製造する方法が挙げられる。
上記A成分がイソシアネート基含有化合物を含有し、上記B成分が水酸基含有化合物を含有していれば、他の成分は、A成分又はB成分のどちらに含有されていてもよい。中でも、B成分に無機充填剤が含まれている構成が好ましい。このような構成とすることにより、無機充填剤に含まれる水分とポリイソシアネート基含有化合物が反応することによるポリウレタン樹脂の硬化不良を抑制することができる。
上記A成分及びB成分の構成の組み合わせとしては、具体的には、A成分がイソシアネート基含有化合物のみを含有し、B成分が水酸基含有化合物、リン酸エステル系難燃剤、並びに、必要に応じて可塑剤、無機充填剤、及び、上述の添加剤を含有する構成、又は、A成分がイソシアネート基含有化合物及びリン酸エステル系難燃剤を含有し、B成分が、水酸基含有化合物、並びに、必要に応じて可塑剤、無機充填剤、及び、上述の添加剤を含有する構成等が挙げられる。このような構成とすることにより、A成分及びB成分が液安定性に優れる。また、より具体的には、A成分がイソシアネート基含有化合物、及び可塑剤を含有し、B成分が水酸基含有化合物、リン酸エステル系難燃剤及び無機充填剤を含有する構成、A成分がイソシアネート基含有化合物、リン酸エステル系難燃剤、可塑剤及び無機充填剤を含有し、B成分が水酸基含有化合物、及び可塑剤を含有する構成であってもよい。また、イソシアネート基含有化合物及び水酸基含有化合物以外は、A成分及びB成分に含まれず、別途C成分として調製され、添加されてもよい。
ポリウレタン樹脂組成物は、硬化前の液状であってもよいし、硬化していてもよい。ポリウレタン樹脂組成物を硬化させる方法としては、上記A成分及びB成分を混合することにより、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とを反応させてポリウレタン樹脂とすることによりポリウレタン樹脂組成物を経時的に硬化させる方法が挙げられるが、加熱により硬化させてもよい。この場合、加熱温度は40〜120℃程度が好ましく、加熱時間は、0.5〜24時間程度が好ましい。
本発明は、また、上記ポリウレタン樹脂組成物からなる封止材でもある。上記ポリウレタン樹脂組成物からなる封止材は、耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されているので、発熱を伴う電気電子部品等に好適に使用することができる。このような電気電子部品としては、トランスコイル、チョークコイル及びリアクトルコイル等の変圧器や機器制御基盤等が挙げられる。このような電気電子部品も、本発明の一つである。本発明の電気電子部品は、電気洗濯機、便座、湯沸し器、浄水器、風呂、食器洗浄機、電動工具、自動車、バイク等に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例、及び比較例に使用する原料を下記に示す。
・HDI系イソシアヌレート 商品名:コロネート HX(日本ポリウレタン社製)
・MDI系イソシアネート 商品名:ミリオネートMTL(日本ポリウレタン社製)
・ヒマシ油 商品名:ヒマシ油(伊藤製油社製)
・ヒマシ油系ポリオール 商品名:Y−403(伊藤製油社製)
・トリクレジルフォスフェート 商品名:TCP(大八化学工業社製)
・トリキシレニルフォスフェート 商品名:TXP(大八化学工業社製)
・ジオクチル錫ジラウレート 商品名:U−810(日東化成社製)
・ゼオライト 商品名:ゼオラムA−3(東ソー社製)
(ポリウレタン樹脂組成物の調製)
表1に示す配合により、下記の手順で各種のポリウレタン樹脂組成物を調製した。なお、表1は、水酸基含有化合物の量(ヒマシ油及びY−403の合計)を100質量部とした配合を示している。
先ず、表1のB成分の配合で組成物を調製してから、加熱、冷却、及び減圧装置を備えた反応釜に投入し、100℃、10mmHg以下の圧力下で2時間かけて脱水してB成分を調製した。B成分に、NCO/OH比が表1に示す値となるよう調整してイソシアネート基含有化合物及びリン酸エステルを含むA成分を加え、混合、脱泡してポリウレタン樹脂組成物を調製した。
(試験片の作製)
125×13×1.5mmの成型用型A、および内径30mm、高さ10mmの成形用型Bに、調製したポリウレタン樹脂組成物を注入した。それぞれを60℃で16時間加熱した後、室温で1日放置して硬化させ、試験片A及びBを調製した。調製した試験片A及びBを用い、以下に示す方法で初期難燃性、加熱後難燃性及び耐加水分解性の試験を行った。
難燃性(初期)
得られた実施例及び比較例のポリウレタン樹脂組成物の硬化物である試験片Aを用いて難燃性試験を行った。試験は、米国のUnderwriters Laboratories,Inc.により制定された燃焼試験規格(UL94)に基づいて行った。下記評価基準に従って初期難燃性を評価した。
○:V−0
△:V−2
×:HB
難燃性(加熱後)
得られた実施例及び比較例のポリウレタン樹脂組成物の硬化物である試験片Aを加熱し、加熱後の硬化物を用いて上述の燃焼試験規格(UL94)に基づいて難燃性試験を行った。加熱は、80℃の温度条件下で250時間放置することにより行った。下記評価基準に従って加熱後の難燃性を評価した。
○:V−0(加熱前)→V−0(加熱後)、又は V−2(加熱前)→ V−2(加熱後)
△:HB(加熱前)→HB(加熱後)
×:V−0(加熱前)→V−2(加熱後)
耐加水分解性
沸騰した水中に試験片Bを100時間放置して耐加水分解性試験を行った。試験前と試験後の試験片Bの硬度をJIS K6253に準拠した測定方法により測定し、下記式に従って硬度低下率を算出した。
[硬度低下率]={[(試験前硬度)−(試験後硬度)]÷(試験前硬度)}×100
算出された硬度低下率を基に、下記評価基準に従って耐加水分解性を評価した。
○:硬度低下率が25%未満である
△:硬度低下率が25〜50%である
×:硬度低下率が50%を超える
結果を表1に示す。
Figure 0005795112
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されている。このため、電気製品等の分野で利用が可能である。

Claims (5)

  1. イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とが反応してなるポリウレタン樹脂、及びリン酸エステル系難燃剤を含有するポリウレタン樹脂組成物であって、
    前記イソシアネート基含有化合物は、ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含み、
    前記水酸基含有化合物は、ひまし油系ポリオールを含み、
    前記イソシアネート基含有化合物と、前記水酸基含有化合物とのNCO/OH比が0.7〜1.0であり、
    前記リン酸エステル系難燃剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して15〜35質量%である、
    ことを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記イソシアネート基含有化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含む、請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記リン酸エステル系難燃剤の含有量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して20〜35質量%である、請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物からなる封止材。
  5. 請求項4に記載の封止材を用いて樹脂封止された電気電子部品。
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