JP6653949B2 - ポリウレタン樹脂形成性組成物およびポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタン樹脂形成性組成物およびポリウレタン樹脂に関する。
従来、電子回路基板や電子部品は、外部からの汚染を防ぐためにポリウレタン樹脂等を用いて封止することが行われている。本発明者らは、難燃性、耐加水分解性に優れ環境上問題となる虞も少ない、特定のポリウレタン樹脂、ノンハロゲンリン系難燃剤および加水分解防止剤を含むポリウレタン樹脂組成物について開示してきた(特許文献1)。
一方、封止材の周辺部品には樹脂ケースが使用される場合がある。この場合に、電子基板等の筐体(きょうたい)やケース材に対して、ケミカルストレスクラックが発生しないことが求められるが、これまでに開示されていたポリウレタン樹脂組成物ではケミカルストレスクラックの生じにくさが、十分でない場合があった。ケミカルストレスクラックとは、樹脂ケースの引張強度以下の引張応力で発生する、典型的な脆性破壊をいい、成形品において、引張応力発生箇所(荷重がかかっている箇所)に薬品が付着・接触した場合等に、時間経過を伴って薬品と応力との相乗作用にて割れ(クレーズ、クラック)が起る現象である。特許文献1のポリウレタン樹脂組成物のケミカルストレスクラック性は、必ずしも良好ではなかった。
特開2003−165903号公報
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて為されたものであり、難燃性、作業性に優れ、かつ樹脂ケースにケミカルストレスクラックが生じにくく、さらに耐湿熱性についても良好なポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリウレタン樹脂形成性組成物として特定の構造の水酸基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、特定の構造の含リン化合物およびイオン性化合物捕捉剤を用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記に掲げるに発明に関する。
(1) 水酸基含有化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、含リン化合物
(C)およびイオン性化合物捕捉剤(D)を含有するポリウレタン樹脂組成物(X)であ
って、 前記水酸基含有化合物が、ひまし油系ポリオール(A1)を含有し、 前記含リ
ン化合物(C)が、下記一般式(1)
(式中、Rは炭素数6〜30の芳香環を有する炭化水素基、Rは同一または異なる炭
素数6〜15のアリール基、nは1〜3である。)で表される化合物(C1)を含有し、
発泡剤の含有量がポリウレタン樹脂形成性組成物中に0.3質量%以下である、
ポリウレタン樹脂形成性組成物。
(2) 前記イオン性化合物捕捉剤(D)が、アルカリ土類金属水酸化物、酸化物、炭
酸塩およびポリカルボジイミドからなる群より選ばれる1種以上である(1)記載のポリ
ウレタン樹脂形成性組成物、
(3) 前記含リン化合物(C)とアルカリ土類金属水酸化物、酸化物及び炭酸塩か
らなる群より選ばれる1種以上(D1)の質量比が(C):(D1)=30〜230:1
である(2)記載のポリウレタン樹脂形成性組成物、
(4) 前記含リン化合物(C)とポリカルボジイミド(D2)の質量比が(C):
(D2)=15〜115:1である(2)記載のポリウレタン樹脂形成性組
成物、
(5) 電気電子部品用であることを特徴とする(1)〜(4)いずれか記載のポリ
ウレタン樹脂形成性組成物、
(6) (1)〜(5)いずれか記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得
られるポリウレタン樹脂。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリウレタン樹脂は、難燃性、作業性に優れ、かつ樹脂ケースにケミカルストレスクラックが生じにくく、さらに耐湿熱性についても良好である。
ケミカルストレスクラック性評価に用いる1/4楕円治具の横断面図である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物は、水酸基含有化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、含リン化合物(C)およびイオン性化合物捕捉剤(D)を含有する。
本発明に用いる水酸基含有化合物は、ひまし油系ポリオール(A1)を含有する。ひまし油系ポリオール(A1)を含有することにより、耐湿熱性が優れる。
ひまし油系ポリオール(A1)としては、ひまし油、ひまし油脂肪酸、及びこれらに水素付加した水添ひまし油や水添ひまし油脂肪酸を用いて製造されたポリオールを使用することができる。このようなポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ひまし油、ひまし油とその他の天然油脂とのエステル交換物、ひまし油と多価アルコールとの反応物、ひまし油脂肪酸と多価アルコールとのエステル化反応物及びこれらにアルキレンオキサイドを付加重合したポリオールなどが挙げられる。これらは一種又は二種以上を使用することができる。
ひまし油系ポリオール(A1)の25℃における粘度は、800mPa・s以下であることが好ましく、700mPa・s以下であることがより好ましい。仕込み量から算出される平均水酸基数は、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.7であることがより好ましい。これらの範囲であれば、ポリウレタン樹脂形成性組成物の製造時の混合粘度が好適なものとなり、作業性が良好なものとなる。
ひまし油系ポリオール(A1)の配合量は、ポリウレタン樹脂形成性組成物に対して20〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。ひまし油系ポリオール(A1)の配合量が上記範囲より少ないと、耐湿熱性が低下する傾向があり、上記範囲より多いとポリウレタン樹脂形成性組成物の製造時の混合粘度が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
なお、本発明に用いるポリオール成分には、本発明の効果を損なわない程度に、ひまし油系ポリオール(A1)以外のポリオールを配合することができる。このようなポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオールの水素化物およびポリイソプレンポリオールの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐湿熱性の観点からポリブタジエンポリオール(A2)が好ましい。これらは一種又は二種以上を使用することができる。
ひまし油系ポリオール(A1)は、イソシアネート基含有化合物(B)と反応させて得られる水酸基末端ウレタンプレポリマーであってもよい。
本発明に用いるイソシアネート基含有化合物(B)は、分子中にイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物および芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とを反応させてなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー変性体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体等の変性体を使用することもできる。これらは一種又は二種以上を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物としては、反応性、耐湿熱性、粘度および作業性の観点から、MDI、TDI、HDI、およびこれらの前記変性体が好ましい。
本発明に用いる含リン化合物(C)は、前記含リン化合物(C)が、下記一般式(1)で表される化合物(C1)を含有する。
一般式(1)中、R1は炭素数6〜30の芳香環を有する炭化水素基であり、難燃性、耐湿熱性、作業性およびケミカルストレスクラック抑制の観点から好ましくは炭素数6〜25であり、より好ましくは、炭素数6〜15であり、芳香環および/またはビスフェノール構造がさらに好ましい。
一般式(1)中、R2は同一または異なる炭素数6〜15のアリール基であり、難燃性、耐湿熱性、作業性およびケミカルストレスクラック抑制の観点から好ましくは炭素数6〜10であり、より好ましくは、炭素数6〜8であり、フェニルおよび/またはキシレニルがさらに好ましい。
一般式(1)中、nは1〜3であり、作業性の観点から好ましくは1〜2であり、より好ましくは、1である。
含リン化合物(C)としては、少なくとも化合物(C1)を含有するものであれば、他の含リン化合物(C2)を併用してもよい。(C1)と(C2)を併用することにより、難燃性が向上することから、好ましい態様の一つである。難燃性が向上する理由については明らかではないが、(C2)が存在することにより、(C1)とポリウレタン樹脂形成性組成物中の他の成分との相溶性が向上することが理由であることが推察される。
本発明に用いる他の含リン化合物(C2)は、化合物(C1)を除く含リン化合物であれば、特に限定されないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどのリン酸エステルが挙げられる。
リン化合物(C)として、化合物(C1)と化合物(C2)を併用する場合の、(C)中の(C1)の含有量は、15質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましい。これらの範囲であれば、難燃性、ケミカルストレスクラック、耐湿熱性の観点から好ましい。
含リン化合物(C)の配合量は、ポリウレタン樹脂形成性組成物に対して10〜60質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。含リン化合物(C)の配合量がこれらの範囲であれば、難燃性、耐湿熱性、作業性およびケミカルストレスクラック抑制の観点から好ましい。
本発明に用いるイオン性化合物捕捉剤(D)は、耐湿熱性の観点から、アルカリ土類金属水酸化物、酸化物、炭酸塩およびポリカルボジイミドからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。ポリカルボジイミドとしては、多価イソシアネート化合物から選択される少なくとも一種を用いた(共)重合体が挙げられる。より好ましくは水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カルボジイミド等量100〜500であるポリカルボジイミドであり、さらに好ましくは水酸化カルシウム、カルボジイミド等量200〜400である。これらは一種又は二種以上を使用することができる。ここでカルボジイミド等量とは1当量のカルボジイミド基を含有する重合体のグラム数を表す。
イオン性化合物捕捉剤(D)の配合量は、アルカリ土類金属水酸化物、酸化物及び炭酸塩からなる群より選ばれる1種以上(D1)では、ポリウレタン樹脂形成性組成物に対して0.1〜1.0質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。ポリカルボジイミド(D2)では、ポリウレタン樹脂形成性組成物に対して0.05〜2質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましい。イオン性化合物捕捉剤(D)の配合量がこれらの範囲であれば、耐湿熱性の観点から好ましい。
ポリウレタン樹脂形成性組成物中の前記含リン化合物(C)とアルカリ土類金属水酸化物、酸化物及び炭酸塩からなる群より選ばれる1種以上(D1)の質量比は(C):(D1)=30〜230:1であることが好ましく、40〜200:1であることがより好ましく、45〜170:1であることがさらに好ましい。これらの範囲であれば、難燃性、耐湿熱性、粘度および作業性が両立できる。なお、化合物(C)として、化合物(C1)を含有することなく、化合物(C2)のみを含有する場合は、本願の化合物(C)としての要件を満たさないことから、これらの範囲内に含まれることはない。
ポリウレタン樹脂形成性組成物中の前記含リン化合物(C)とポリカルボジイミド(D2)の質量比は(C):(D2)=15〜115:1であることが好ましく、20〜100:1であることがより好ましく、25〜85:1であることがさらに好ましい。これらの範囲であれば、難燃性、耐湿熱性、粘度および作業性が両立できる。なお、化合物(C)として、化合物(C1)を含有することなく、化合物(C2)のみを含有する場合は、本願の化合物(C)としての要件を満たさないことから、これらの範囲内に含まれることはない。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を用いて、ポリウレタン樹脂を得る方法としては、特に限定されないが、ワンショット、2液反応いずれも用いることができるが、2液反応が好ましい。2液反応の場合、水酸基含有化合物を含有する硬化剤と、イソシアネート基含有化合物を含有する主剤を混合、硬化することでポリウレタン樹脂を得る。含リン化合物およびイオン性化合物捕捉剤については、主剤および硬化剤いずれに含有させても好適に使用できるが、作業性等の観点から、イオン性化合物捕捉剤は硬化剤、含リン化合物は主剤中に含有させることが好ましい。混合に際しては、均一混合できる混合装置であれば特に限定されない。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート基と水酸基とのモル比(NCO/OH)が、0.5〜1.5であることが好ましく、0.6〜1.3であることがより好ましい。イソシアネート基と水酸基のモル比がこの範囲より小さいと硬化不良が生じる場合や得られる樹脂の耐湿熱性が低くなる場合があり、この範囲より大きいと硬化不良が起こる場合があるからである。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物には、含リン化合物を除く可塑剤を実施的に含有しないことが好ましく、特にフタル酸エステルまたはトリメリット酸エステルからなる可塑剤を実施的に含有しないことがより好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、可塑剤またはフタル酸エステルまたはトリメリット酸エステルからなる可塑剤のポリウレタン樹脂組成物(X)中の含有量が0.01質量%以下のものをいう。経時的なブリードアウトにより、樹脂ケースにケミカルストレスクラックが生じ易くなるからである。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物には、難燃性、作業性、ケミカルストレスクラック抑制の観点から、水、トリクロロモノモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチレンクロライド、トリクロロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、ノルマルペンタン、シクロペンタンおよびヘキサン等の発泡剤を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、ポリウレタン樹脂形成性組成物中に0.3質量%以下であることをいう。
また、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物には、触媒、酸化防止剤、吸湿剤、防黴剤、シランカップリング剤など、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。シランカップリング剤としては、例えばアルコキシシラン類、ビニル基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、メタクリル基含有シランカップリング剤、アクリル基含有シランカップリング剤などが挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物の混合粘度は、3000以下(mPa・s)が好ましく、2500以下(mPa・s)がより好ましい。なお、混合粘度は実施例記載の方法で測定される。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリウレタン樹脂の耐湿熱性は、85℃×85%RH×600時間後において、硬度typeA5以上を保持することが好ましく、硬度typeA10以上を保持することがさらに好ましい。これらの範囲であると樹脂形状保持の点で良好である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリウレタン樹脂の難燃性は、UL94規格において、V−1レベルの難燃性を有することが好ましく、V−0レベルの難燃性を有することがさらに好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリウレタン樹脂のケミカルストレスクラック性は、25℃×60%RH×48時間後での臨界ひずみにおいて、0.5%以上であることが好ましく、0.7%以上であることがさらに好ましい。これらの範囲であると基板の筐体およびケース材にクラックが入らない点で良好である。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物について詳細に説明する。なお、本明細書中に於ける「部」、「%」は、特に明示した場合を除き、「質量部」、「質量%」をそれぞれ表している。
実施例及び比較例において使用する原料を以下に示す。
(ひまし油系ポリオール(A1))
A1−1:ひまし油
(商品名:ひまし油マルトクA、伊藤製油社製)
A1−2: ひまし油脂肪酸−多価アルコールエステル
(商品名:URIC Y−403、伊藤製油社製)
(ポリブタジエンポリオール(A2))
A2−1:平均水酸基価46.6mgKOH/gのポリブタジエンポリオール
(商品名:Poly bd R−45HT、出光興産社製)
(イソシアネート基含有化合物(B))
B1:ポリメリックMDI
(商品名:フォームライト500B、BASFイノアックポリウレタン社製)
B2:カルボジイミド変性MDI
(商品名:ルプラネートMM−103、BASFイノアックポリウレタン社製)
B3:TDI
(商品名:コロネートT−80、東ソー社製)
B4:イソシアヌレート変性HDI
(商品名:デュラネートTLA−100、旭化成ケミカルズ社製)
(含リン化合物(C))
C1−1:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)
(商品名:アデカスタブFP600、ADEKA社製)
C1−2:1,3−フェニレンビス(2,6−ジメチルフェニル=ホスフェート)
(商品名:PX−200、大八化学工業社製)
C1−3:レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)
(商品名:アデカスタブPFR、ADEKA社製)
C1−4:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)
(商品名:CR−741、大八化学工業社製)
C2−1:クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート
(商品名:PX−110、大八化学工業社製)
C2−2:トリキシレニルホスフェート
(商品名:TXP、大八化学工業社製)
(イオン性化合物捕捉剤(D))
D1−1:水酸化カルシウム
(商品名:水酸化カルシウム 特級、ナカライテスク社製)
D1−2:水酸化マグネシウム
(商品名:水酸化マグネシウム、和光純薬工業社製)
D1−3:酸化カルシウム
(商品名:酸化カルシウムEP、ナカライテスク社製)
D1−4:炭酸カルシウム
(商品名:炭酸カルシウム、和光純薬工業社製)
D2−1:カルボジイミド基含有ポリマー(カルボジイミド等量:385)
(商品名:カルボジライトV02L2、日清紡ケミカルズ社製)
D2−2:カルボジイミド基含有ポリマー(カルボジイミド等量:360)
(商品名:スタバクゾールP、ラインケミージャパン(株))
<実施例1〜17及び比較例1〜3>
表1および表2に示す配合により、各実施例及び各比較例のポリウレタン樹脂形成性組成物の主剤および硬化剤を調製した。調製した硬化剤および主剤を、混合比100/70(重量比。NCO/OH=0.8)で合計量100gとなる量を25℃にて混合機(商品名:あわとり練太郎、シンキー社製)を用いて2000rpmで1分間混合することにより、各実施例のポリウレタン樹脂形成性組成物を得た。
<評価方法>
(混合粘度)
得られたポリウレタン樹脂形成性組成物を25℃に調整し、混合開始から3分後の粘度をBM型粘度計により測定した。
(耐湿熱性)
1.試験片の作成
上記ポリウレタン形成性樹脂組成物を5cm×5cm、厚み1cmの金型に流し込み、80℃で16時間養生した後、これを脱型することにより、耐湿熱性評価用の試験片を作成した。
2.耐湿熱性の評価
試験片を85℃×85%RH×600時間処理後、硬度(タイプA)をJIS K6253で測定し、下記の通り評価した。
○:硬度typeA10以上
×:硬度typeA10未満
(難燃性)
難燃性は、UL規格のUL94(プラスチック材料の難燃性)に従って測定し、下記の通り評価した。
○:UL94規格において、V−1またはV−0
×:UL94規格において、V−2
(ケミカルストレスクラック性評価)
ABS試験片(商品名:コウベポリシートABS、新神戸電機社製)を長軸100mm、短軸40mmの図1に示す1/4楕円治具に取り付け、実施例の樹脂シートを試験片表面に貼り付けしたあと、 25℃×60%RHの環境下に48時間放置し、亀裂が発生する位置Xを測定し、式1を用いて臨界ひずみ値を求めた。当該臨界ひずみ値に基づき、ケミカルストレスクラック性を下記のようにランク分けして評価した。
ε:臨界ひずみ値
a:楕円長軸 100mm
b:楕円短軸 40mm
X:亀裂発生点 試験片の長軸に対する固定端から亀裂発生点までの距離 mm
t:試験片厚み 2.0mm
<評価>
○(十分に実用可能):臨界ひずみ値(ε)0.7%以上
×(実用不可):臨界ひずみ値(ε)0.7%未満
<評価結果>
実施例1〜17から分かるように、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物は、混合粘度が使用可能な範囲であり、また、難燃性、耐湿熱性、作業性に優れ、かつ樹脂ケースにケミカルストレスクラックが生じにくいことが分かる。
一方、比較例1のように含リン化合物(C)が、前記一般式(1)で表される化合物(C1)を含有しない場合、ケミカルストレスクラック性が生じやすい。比較例2のようにイオン性化合物捕捉剤(D)を含有しない系では、耐湿熱性が劣ることが分かる。比較例3のようにヒマシ油系ポリオール(A1)を含有しない系では、混合粘度が高く作業性に劣り、難燃性にも劣ることが分かる。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリウレタン樹脂は、耐湿熱性を有していることから、発熱を伴う電気電子部品に好適に使用することができる。このような電気電子部品としては、トランスコイル、チョークコイルおよびリアクトルコイルなどの変圧器や機器制御基板が挙げられる。本発明のポリウレタン樹脂を使用した電気電子部品は、電気洗濯機、便座、湯沸し器、浄水器、風呂、食器洗浄機、太陽光パネル、電動工具、自動車、バイクなどに使用できる。また、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を用いれば、硬化して得られるポリウレタン樹脂は樹脂ケースにケミカルストレスクラックが生じにくいため、特に、樹脂ケース材が使用される電気電子部品分野に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 水酸基含有化合物(A)、イソシアネート基含有化合物(B)、含リン化合物(C)お
    よびイオン性化合物捕捉剤(D)を含有するポリウレタン樹脂組成物(X)であって、
    前記水酸基含有化合物が、ひまし油系ポリオール(A1)を含有し、
    前記含リン化合物(C)が、下記一般式(1)
    (式中、Rは炭素数6〜30の芳香環を有する炭化水素基、Rは同一または異なる炭
    素数6〜15のアリール基、nは1〜3である。)で表される化合物(C1)を含有し、
    発泡剤の含有量がポリウレタン樹脂形成性組成物中に0.3質量%以下である、
    ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. 前記イオン性化合物捕捉剤(D)が、アルカリ土類金属水酸化物、酸化物、炭酸塩およ
    びポリカルボジイミドからなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載のポリウレタ
    ン樹脂形成性組成物。
  3. 前記含リン化合物(C)とアルカリ土類金属水酸化物、酸化物及び炭酸塩からなる群よ
    り選ばれる1種以上(D1)の質量比が(C):(D1)=30〜230:1である請求
    記載のポリウレタン樹脂形成性組成物。
  4. 前記含リン化合物(C)とポリカルボジイミド(D2)の質量比が(C):(D2)=
    15〜115:1である請求項記載のポリウレタン樹脂形成性組成物。
  5. 電気電子部品用であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリウレタン樹脂
    形成性組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化して得られるポリウ
    レタン樹脂。
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