JP5827607B2 - ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂に関し、より詳細には金属水酸化物を含有しているにもかかわらず、硬化不良の問題を生ずることなく、高い放熱性と難燃性と発揮するポリウレタン樹脂組成物、及びこれを硬化させたポリウレタン樹脂に関する。
従来より、電化製品等に使用される電子回路の基板においては、電子部品を湿気等から保護するために体積抵抗値の高い難燃性の放熱性ポリウレタン樹脂組成物等からなる封止材によって基板全体を封止することが行われている(特許文献1)。これらの封止剤においては、放熱性と難燃性とを高めるために金属水酸化物が使用されている(例えば、特許文献2、3)。また、この金属水酸化物は高い放熱性と難燃性とを付与するために高い割合で配合されるが、その場合、ポリウレタン樹脂組成物に対するポリオールとポリイソシアネートとの合計の配合量が小さくなるため、微量の水分が存在する場合であってもポリウレタン樹脂の硬化不良が起こりやすくなることが知られている。従って、このようなポリウレタン樹脂組成物を取り扱ううえでは、水の混入を防止する措置が講じられている。
一方、この金属水酸化物は、高温条件下において金属酸化物と水とを生成する脱水反応を容易に起こすことが知られている。従って、金属水酸化物を多量に配合したポリウレタン樹脂組成物を加熱硬化させると、生成する水とポリウレタンの原料に含まれるイソシアネート基とが反応してしまい、ポリウレタン樹脂の硬化不良などの原因となるという問題がある。従って、従来では低温での硬化が必要となり、放熱性ポリウレタン樹脂の生産性は低くならざるを得なかった。
特開2000−226426号公報 特開2000−226426号公報(段落〔0027〕) 特開2004−300300号公報(段落〔0015〕)
本発明は上記従来技術に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、金属水酸化物を含有しているにもかかわらず、硬化不良の問題を生ずることなく、高い放熱性と難燃性を発揮するポリウレタン樹脂組成物、及びこれを硬化させたポリウレタン樹脂を提供することである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリオールとの反応により得られるポリウレタン樹脂中に、(C)金属水酸化物と、(D)可塑剤とを含有しているポリウレタン樹脂組成物であって、前記(C)金属水酸化物が、比表面積0.1〜1.8m2/gであり、かつ、平均粒子径が1〜10μmである(C−1)単粒状金属水酸化物を含有し、前記(C)金属水酸化物に含まれる前記(C−1)単粒状金属水酸化物の配合量は、前記(C)金属水酸化物を100重量%とした場合に、50〜100重量%であることを特徴とする。
本発明において放熱性と難燃性とを付与するために配合される(C)金属水酸化物は、(C−1)単粒状金属水酸化物を含んでいる。ここで、本明細書においては、(C−1)単粒状金属水酸化物とは、比表面積0.1〜1.8m2/gであり、かつ、平均粒子径が1〜10μmの金属水酸化物をいう。一般的な金属水酸化物では、平均粒子径が小さくなるほど比表面積が大きくなり、平均粒子径が大きくなるほど比表面積が小さくなる傾向があり、比表面積は2.0m2以上が一般的であり、又は平均粒子径12μm以上が一般的である。本発明における(C−1)単粒状金属水酸化物は、上記のような比表面積及び平均粒子径を有し、(C)金属水酸化物に含まれる(C−1)単粒状金属水酸化物の配合量は、(C)金属水酸化物を100重量%とした場合に、50〜100重量%であることから、加熱条件下においても水が生成し難いと考えられる。その結果、ポリウレタン樹脂組成物の硬化時におけるポリイソシアネートと水との反応が起こり難くなるために硬化不良が起こり難くなるものと推定される。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物では、一般式(1)で表される(F)リン酸エステルを配合してもよい。一般式(1)のリン酸エステルを配合すれば、(C)金属水酸化物を高い配合比率で使用した場合にも、ポリウレタン樹脂組成物の混合粘度を比較的低くすることができる。
本発明のポリウレタン樹脂は、上記ポリウレタン樹脂組成物を硬化させることにより得られる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂は、(C)金属水酸化物中に(C−1)単粒状金属水酸化物を含んでいるため、金属水酸化物の脱水反応が起こり難く、従って、脱水反応により生成する水と(A)ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基との反応による硬化不良も起こり難くなる。従って、多量の金属水酸化物を配合することが可能となり、得られるポリウレタン樹脂は、高い放熱性と難燃性を有するポリウレタン樹脂を提供することが可能となる。更に、金属水酸化物を配合していても十分な加熱硬化が可能なので、低い温度で硬化を行わなければならない従来のポリウレタン樹脂組成物に比較して、生産性を高めることが可能となる。
本発明のポリウレタン樹脂成分は、(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリオールとを反応させることにより得られる。ここで使用し得る(A)ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、これらの有機ポリイソシアネートのカルボジイミド体、アロハネート体、ビューレット体、イソシアヌレート体、アダクト体等の変性体を挙げることができる。尚、これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
これらのうち、特に、変色が起こりにくいという観点から、、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート変性イソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネート変性ビューレット体、及びヘキサメチレンジイソシアネート変性アダクト体がより好ましい。
また、本発明においては、上記ポリイソシアネートと(B)ポリオールとをイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるウレタンプレポリマーを(A)ポリイソシアネートとして使用してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用される上記の(B)ポリオールとして、従来公知のものを使用することができ、水酸基含有共役ジエン重合体およびその水素添加物、ひまし油系ポリオールおよびその水素添加物、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが拳げられる。
水酸基含有共役ジエン重合体およびその水素添加物としては、例えば、ポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオールなどの水酸基含有共役ジエン重合体やこれらに水素を付加した水素添加物が挙げられる。
ひまし油系ポリオールおよびその水素添加物とは、ひまし油のほか、ひまし油またはひまし油脂肪酸を原料として用いたひまし油変性ポリオール、および、これらの水素添加物である。このようなひまし油変性ポリオールとしては、例えば、ひまし油とひまし油以外の油脂とのエステル交換反応物、ひまし油と油脂脂肪酸とのエステル交換反応物、ひまし油と多価アルコールとのエステル交換反応物、ひまし油脂肪酸と多価アルコールとのエステル化反応物、ひまし油に含まれる水酸基の一部と酢酸などのモノカルボン酸とのエステル化反応物、これらにアルキレンオキサイドを付加重合した反応物、および、これらに水素を付加した水素添加物が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合したものが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸とのエステル化反応物が挙げられる。ポリカプロラクトンジオールとしては、カプロラクトンを開環重合したものが挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコールと、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートおよびホスゲン等の炭酸誘導体との反応生成物が挙げられる。
また、(B)ポリオールの水酸基の平均官能基数は、1.5〜3の範囲であることが好ましい。水酸基の平均官能基数がこの範囲より小さいと、硬化不良が起こる場合があり、この範囲より大きいと、樹脂が硬くなりやすく、基材に十分密着することができなくなる場合がある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物においては、(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリオールとの比率は、(A)ポリイソシアネートのイソシアネート基と、(B)ポリオールの水酸基とのモル比(NCO/OH)が0.3〜1.1の範囲内であることが好ましい。イソシアネート基と水酸基のモル比がこの範囲より小さいと、硬化不良が起こる場合があり、この範囲より大きいと、樹脂が硬くなりやすく、基材に十分密着することができなくなる場合がある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用される(C)金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを挙げることができる。
また、本発明において(C)金属水酸化物に含まれる(C−1)単粒状金属水酸化物は、上述のように比表面積0.1〜1.8m2/gであり、好ましくは比表面積0.1〜1.6m2/gであり、かつ、平均粒子径が1〜10μmであり、好ましくは平均粒子径が1〜5μmである。(C−1)単粒状金属水酸化物としては、比表面積及び平均粒子径が上記範囲にある点を除いて、(C)金属水酸化物と同じものを使用することができる。(C)金属水酸化物の配合量は、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%とした場合に、10〜95重量%であることが好ましく、25〜90重量%であることがより好ましい。(C)金属水酸化物の配合量が上記範囲より多いと、混合初期粘度が高くなりすぎる傾向にあり、上記範囲より少ないと十分な放熱性と難燃性が得られにくくなる傾向にある。
本発明においては、(C)金属水酸化物に含まれる(C−1)単粒状金属水酸化物の配合量は、(C)金属水酸化物を100重量%とした場合に、25〜100重量%であることが好ましく、50〜100重量%であることがより好ましい。(C−1)単粒状金属水酸化物の配合量を上記範囲内とすることにより、高温条件下における硬化性がより良好なものとなる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用される(D)可塑剤は、多価カルボン酸及び飽和アルコールの反応により得られるエステル化合物であり、具体的には、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレートなどのフタル酸エステル、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸エステル、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、アセチル化リシノール酸トリグリセリド、アセチル化ポリリシノール酸トリグリセリドなどのひまし油系エステル、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェートなどのリン酸トリエステル、トリメリット酸トリエステル、ヘミメリット酸トリエステル、トリメシン酸トリエステルなどの分子内に芳香環と3つのエステル基とを有するトリエステル化合物、ピロメリット酸テトラエステル、メロフアン酸テトラエステル、プレーニト酸エステルなどの分子内に芳香環と4つのエステル基とを有するテトラエステル化合物などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤の配合量は、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%とした場合に、1〜30重量%であることが好ましく、3〜20重量%であることがより好ましく、5〜15重量%であることが更に好ましい。上記より少ないと、ポリオール成分の十分な減粘効果と、ポリウレタン樹脂の可撓性が得られにくくなる傾向にあり、上記より多いと、ポリウレタン樹脂の強度などの各種物性が低下する傾向にある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物においては、金属酸化物及び金属窒化物から選択される少なくとも1種を含有する(E)熱伝導性付与剤を更に配合してもよい。(E)熱伝導性付与剤を配合することにより、得られるポリウレタン樹脂の熱伝導性を高めることができる。(E)熱伝導性付与剤を配合する場合には、(C)金属水酸化物と(E)熱伝導性付与剤とをあわせた配合量が、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%とした場合に、30〜95重量%であることが好ましく、50〜95重量%であることがより好ましく、60〜95重量%であることが更に好ましく、70〜90重量%であることが最も好ましい。(C)金属水酸化物と(E)熱伝導性付与剤とをあわせた配合量が上記範囲より多いと、混合初期粘度が高くなりすぎる傾向にあり、上記範囲より少ないと十分な放熱性が得られにくくなる傾向にある。
また、(C)金属水酸化物と(E)熱伝導性付与剤との配合割合は、重量比で99/1〜10/90であることが好ましく、95/5〜70/30であることがより好ましい。(C)金属水酸化物の配合割合を上記範囲内とすることにより、高い難燃性を維持したまま放熱性を向上させることができる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物においては、分散剤として、下記の化1に示す(F)リン酸エステルを使用することができる。(F)リン酸エステルを用いる場合、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%とした場合に、0.01〜2重量%の範囲で添加することが好ましい。
Figure 0005827607
ここで、Rは炭素数1〜30の炭化水素基、mは0〜20の整数、nは1〜20の整数、R’はOH又は一般式(2)に示す基であり、一般式(1)及び一般式(2)において、R”はCH3又はCH2CH3であり、「/」はその左右に記載されているオキシアルキレン基がブロック付加でもランダム付加でもよいことを表している。
Figure 0005827607
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、酸化防止剤、吸湿剤など、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール含有酸化防止剤、フェニルジイソデシルホスファイトなどのリン含有酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステルなどのイオウ含有酸化防止剤、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのフェノールとイオウとを一分子中に含有する酸化防止剤などを挙げることができる。酸化防止剤を用いる場合、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%とした場合に、0.01〜5重量%の範囲で添加することが好ましい。また、吸湿剤としては、ゼオライト、水硬性アルミナ、塩化カルシウムなどを挙げることができる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物の調製に際しては、ポリウレタン樹脂の硬化を早めるために触媒を添加してもよい。触媒としては、通常、ポリウレタン樹脂の製造に使用される、金属触媒やアミン系触媒を使用することができる。金属触媒としては、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクテートなどの錫触媒、オクチル酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛触媒、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどのビスマス触媒などを挙げることができる。アミン系触媒としては、ジエチレントリアミンなどを挙げることができる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、硬化後のタイプAによる硬度が80以下、さらには50以下であることが好ましく、また、硬化後のタイプCによる硬度が90以下、さらには80以下であることが好ましい。加えて、硬化後の熱伝導率が1W/m・K以上となることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させることにより得られるものである。その際、高温条件下における金属水酸化物からの水の生成が抑制されることから、例えば40〜100℃でも、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させることができると推定される。なお、通常の金属水酸化物を配合した従来のポリウレタン樹脂組成物を用いた場合には、金属水酸化物から生成する水によって硬化不良が起こりやすいと推定される。
以下、参考例及び比較例に基づいて、本発明のポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂について詳細に説明する。なお、本明細書中に於ける「部」、「%」は、特に明示した場合を除き、「重量部」、「重量%」をそれぞれ表している。
表1に、本発明の参考例及び比較例において使用する水酸化アルミニウムA〜Fについて、平均粒子径(μm)と比表面積(m2/g)をまとめて示した。なお、平均粒子径はマイクロトラック法による測定値、比表面積は窒素ガス吸着法による測定値である。
Figure 0005827607
(F−1:リン酸エステルの合成)
ラウリルアルコールを出発物質とし、プロピレンオキサイド2モルおよびエチレンオキサイド8モルを公知の方法でブロック付加して、ラウリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物を得た。
続いて、四つ口フラスコに、上記ラウリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物300gと、無水リン酸27.1gとを、モル比2.4:1にて仕込み、撹拌しながら70℃にて4時間反応を行い、リン酸エステルE−1(リン酸のOH基の理論上の置換数1.2)を得た。
(ポリウレタン樹脂組成物の製造)
表2に示す配合により、参考例1〜10及び比較例1〜3のポリウレタン樹脂組成物を調製した。調製に際しては、表2に示す成分のうち、(A)ポリイソシアネート成分を除く成分を、混合機(商品名:あわとり練太郎、シンキー社製)を用いて2000rpmで3分間混合した後、25℃に調整した。続いて、この混合物に25℃に調整したポリイソシアネート成分を加え、同上の混合機を用いて2000rpmで1分間混合することにより、各参考例のポリウレタン樹脂組成物を得た。
(ポリウレタン樹脂の製造)
次に、上記で調製したポリウレタン樹脂組成物を用いてポリウレタン樹脂の試験片を作製した。まず、ポリウレタン樹脂組成物を110×110×10mmの金型に充填し、蓋をして23℃で48時間養生した後、これを脱型してポリウレタン樹脂の試験片を得た。但し、比較例1〜4のポリウレタン樹脂組成物の場合は脱型することが不可能であった。
Figure 0005827607
<性能試験>
上記で得られた参考例1〜10及び比較例1〜3の試験片について、組成物調製時の混合初期の重合粘度、および80℃・24時間後における硬化状態の評価を行い、脱型が可能であった参考例1〜10の試験片については、更に硬度(タイプA及びタイプC)、熱伝導率、及び難燃性の評価を行った。各試験結果を表2に併せて示した。各試験方法は、以下に示すとおりである。
(混合粘度)
得られたポリウレタン樹脂組成物を25℃に調整し、混合開始から10分後の粘度をBH型粘度計を用いて測定した。
(硬化状態)
上記ポリウレタン樹脂の製造に際して、養生後のポリウレタン樹脂が硬化しており、脱型可能なものを「○」、ポリウレタン樹脂に未硬化の部分があり、脱型不可能なものを「×」とした。
(硬度(タイプAおよびタイプC))
JIS K6253に従って測定した。
(熱伝導率)
熱伝導率は、JIS R2618に従い、熱伝導率計(京都電子工業(株)製、QTM−D3)を用いて測定した。
(難燃性)
難燃性は、UL規格のUL94(プラスチック材料の難燃性)に従って測定した。
(試験結果)
参考例1〜10のポリウレタン樹脂組成物は、何れも混合可能な粘度であった。特に、リン酸エステルを配合した場合には、より低粘度となった。しかも、比較的低粘度であるにもかかわらず、硬化が可能であった。
また、参考例1〜10のポリウレタン樹脂は、何れも80℃での硬化が可能であり、ポリウレタン樹脂の生産効率を高めることが可能であることが分かる。一方、比較例1〜3のポリウレタン樹脂は、80℃では何れも硬化しなかった。
更に、参考例1〜10のポリウレタン樹脂は、何れも熱伝導率が高く、金属酸化物や金属窒化物を添加することにより、さらに熱伝導率を高めることができることが分かる。加えて、参考例1〜10のポリウレタン樹脂は、何れも難燃性が高いことが分かる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂とすれば、金属水酸化物を含有しているにもかかわらず、硬化不良の問題を生ずることなく高い放熱性と難燃性を発揮するので、電気製品、電子部品等の分野で利用が可能である。

Claims (4)

  1. (A)ポリイソシアネートと、(B)ポリオールと、(C)金属水酸化物と、(D)可塑剤とを含有しているポリウレタン樹脂組成物であって、
    前記(C)金属水酸化物が、比表面積0.1〜1.8m2/gであり、かつ、平均粒子径が1〜10μmである(C−1)単粒状金属水酸化物(比表面積0.1〜1.8m2/gであり、かつ、平均粒子径が1〜5μmである単粒状金属水酸化物を除く。)を含有し、
    前記(C)金属水酸化物に含まれる前記(C−1)単粒状金属水酸化物の配合量は、前記(C)金属水酸化物を100重量%とした場合に、50〜100重量%であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
  2. 金属酸化物及び金属窒化物から選択される少なくとも1種を含有する(E)熱伝導性付与剤を更に含有していることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 化1で表される(F)リン酸エステルを更に含有している請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物。
    Figure 0005827607
    (Rは炭素数1〜30の炭化水素基、mは0〜20の整数、nは1〜20の整数、R’はOH又は一般式(2)に示す基であり、一般式(1)及び一般式(2)において、R”はCH3又はCH2CH3であり、「/」はその左右に記載されているオキシアルキレン基がブロック付加でもランダム付加でもよいことを表している。)
    Figure 0005827607
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のポリウレタン樹脂組成物を硬化させて得られるポリウレタン樹脂。

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