JP5788867B2 - 蓄冷器、gm冷凍機およびパルスチューブ冷凍機 - Google Patents

蓄冷器、gm冷凍機およびパルスチューブ冷凍機 Download PDF

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Description

本発明は、蓄冷器に関し、特に蓄冷式の冷凍機に使用され得る蓄冷器に関する。
ギフォード・マクマホン式(GM)冷凍機およびパルスチューブ冷凍機等の蓄冷式冷凍機は、100K程度の低温から4K(ケルビン)の極低温までの範囲の寒冷を発生することができ、超電導磁石や検出器等の冷却、クライオポンプ等に用いることができる。
例えば、GM冷凍機では、圧縮機で圧縮されたヘリウムガスのような作動ガスが蓄冷器に導かれ、蓄冷器内の蓄冷材で予冷される。さらに、作動ガスは、膨張室で膨張仕事に相当した寒冷を発生した後、再び蓄冷器を通過し、圧縮機に戻る。この際に、作動ガスは、次に誘導される作動ガスのため、蓄冷器内の蓄冷材を冷やしながら、蓄冷器を通過する。この行程を1サイクルとすることにより、周期的に寒冷が発生される。
このような蓄冷式冷凍機において、温度が30K未満の極低温を発生させることが必要な場合、前述のような蓄冷器の蓄冷材として、HoCu等の磁性材料が使用される。
また、最近では、ヘリウムガスを蓄冷器の蓄冷材として使用することが検討されている(このような蓄冷器は、ヘリウム冷却式の蓄冷器とも称される)。例えば、特許文献1には、内部にヘリウムガスが充填された多数の熱伝導性カプセルを蓄冷器の蓄冷材として使用することが示されている。
図1には、各温度におけるヘリウムガスとHoCu磁性材料の比熱の変化を示す。この図から明らかなように、約10K前後の極低温域では、圧力が1.5MPa程度のヘリウムガスの比熱は、HoCu磁性材料の比熱を上回る。従って、このような温度域では、HoCu磁性材料の代わりにヘリウムガスを使用することにより、より効率的な熱交換を行うことが可能になる。
米国特許出願公開第2006/0201163号明細書
一般的なヘリウム冷却式の蓄冷器では、蓄冷材としてヘリウムガスが使用される。しかしながら、図1からも明らかなように、ヘリウムガスの比熱は、温度に対して変化する。例えば、ヘリウムガスの圧力を1.5MPaと仮定すると、ヘリウムガスの温度が、比熱のピーク値の得られる約9K近傍から離れるにつれて、ヘリウムガスの比熱は、低下する。これは、ヘリウムガスの温度が所定の範囲からずれた場合、蓄冷器の蓄冷性能が有意に低下することを意味する。
従って、蓄冷材の比熱の温度変化の影響を受けにくく、常に安定な蓄冷性能を維持することが可能なヘリウム冷却式の蓄冷器が要望されている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来のヘリウム冷却式の蓄冷器に比べて、より安定に蓄冷性能を維持することの可能なヘリウム冷却式の蓄冷器を提供することを目的とする。またそのような蓄冷器を有する冷凍機を提供することを目的とする。
本発明では、
作動ガスの寒冷を蓄冷するヘリウム冷却式の蓄冷器であって、
前記作動ガスの流通する温度勾配方向に沿って、蓄冷材としてのヘリウムガスが収容された少なくとも2つの収容空間を有し、
第1の収容空間は、高温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP1の蓄冷材を収容し、
第2の収容空間は、低温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP2の蓄冷材を収容し、圧力P1は、圧力P2よりも大きく、
前記第1の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP2であった場合、蓄冷材の圧力がP1である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなり、
前記第2の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP1であった場合、蓄冷材の圧力がP2である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなることを特徴とするヘリウム冷却式の蓄冷器が提供される。
ここで、本発明による蓄冷器において、前記第1の収容空間は、当該蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
前記第2の収容空間は、当該蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
温度T〜温度Tの範囲において、
前記蓄冷材の圧力がP1のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP2のときの比熱の温度変化曲線とが交差しても良い。
また、本発明による蓄冷器において、温度T=温度Tであっても良い。
また、本発明による蓄冷器は、さらに、蓄冷材としてのヘリウムガスが収容される第3の収容空間を有し、
該第3の収容空間は、前記第1の収容空間と前記第2の収容空間の間の温度領域に配置され、圧力がP3の前記蓄冷材を収容し、
圧力P3は、圧力P1よりも小さく圧力P2よりも大きく、
前記第3の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP1またはP2であった場合、蓄冷材の圧力がP3である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなっても良い。
また、本発明による蓄冷器において、前記第1の収容空間は、当該蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
前記第2の収容空間は、当該蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
前記第3の収容空間は、当該蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
温度T〜温度Tの範囲において、前記蓄冷材の圧力がP1のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP2のときの比熱の温度変化曲線とが交差しても良い。
また、本発明による蓄冷器では、温度T〜温度Tの範囲において、前記蓄冷材の圧力がP1のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP3のときの比熱の温度変化曲線とが交差しても良い。
また、本発明による蓄冷器では、温度T〜温度Tの範囲において、前記蓄冷材の圧力がP2のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP3のときの比熱の温度変化曲線とが交差しても良い。
また、本発明による蓄冷器において、温度T=温度Tおよび/または温度T=温度Tであっても良い。
また、本発明による蓄冷器において、前記第1の収容空間は、6K以上の温度領域に配置され、および/または
前記第2の収容空間は、10K以下の温度領域に配置されても良い。
また、本発明による蓄冷器において、前記圧力P1は、0.8MPa以上、3.5MPa以下であり、
前記圧力P2は、0.1MPa以上、2.2MPa以下であっても良い。
また、本発明による蓄冷器において、前記第1の収容空間および/または前記第2の収容空間は、内部にヘリウムガスが充填された複数のカプセルを収容しても良い。
あるいは、本発明による蓄冷器において、前記第1の収容空間および/または前記第2の収容空間は、複数の中空管の内部もしくは外部に形成されても良い。
また、本発明による蓄冷器において、前記第1の収容空間は、第1のヘリウム源に接続され、および/または
前記第2の収容空間は、第2のヘリウム源に接続されても良い。
また、本発明では、作動ガスを蓄冷器を介して膨脹室に供給し、前記作動ガスを前記蓄冷器を介して膨脹室から排気する圧縮機を備えるGM式冷凍機であって、
前記蓄冷器は、前述のいずれかの蓄冷器であることを特徴とするGM式冷凍機が提供される。
また、本発明では、作動ガスを蓄冷器を介して膨脹室に供給し、前記作動ガスを前記蓄冷器を介して膨脹室から排気する圧縮機を備えるGM式冷凍機であって、
前記蓄冷器は、前述の特徴を有する蓄冷器であり、
前記第1の収容空間は、第1のヘリウム源に接続され、および/または
前記第2の収容空間は、第2のヘリウム源に接続されており、
前記第1および/または第2のヘリウム源は、前記圧縮機であることを特徴とするGM式冷凍機が提供される。
さらに、本発明では、作動ガスを蓄冷管を介してパルス管に供給し、前記作動ガスを前記蓄冷管を介してパルス管から排気する圧縮機を備えるパルスチューブ冷凍機であって、
前記蓄冷管は、蓄冷器を有し、該蓄冷器は、前述のいずれかの蓄冷器であることを特徴とするパルスチューブ冷凍機が提供される。
また、本発明では、作動ガスを蓄冷管を介してパルス管に供給し、前記作動ガスを前記蓄冷管を介してパルス管から排気する圧縮機と、前記パルス管に接続されたバッファタンクとを備えるパルスチューブ冷凍機であって、
前記蓄冷器は、前述の特徴を有する蓄冷器であり、
前記第1の収容空間は、第1のヘリウム源に接続され、および/または
前記第2の収容空間は、第2のヘリウム源に接続されており、
前記第1のヘリウム源は、前記圧縮機もしくは前記バッファタンクであり、および/または
前記第2のヘリウム源は、前記圧縮機もしくは前記バッファタンクであることを特徴とするパルスチューブ冷凍機が提供される。
本発明では、従来のヘリウム冷却式の蓄冷器に比べて、より安定に蓄冷性能を維持することの可能なヘリウム冷却式の蓄冷器を提供することができる。またそのような蓄冷器を有する冷凍機を提供することができる。
各温度におけるヘリウムガスとHoCu磁性材料の比熱の変化を示したグラフである。 一般的なGM冷凍機の構成を概略的に示した図である。 従来のヘリウム冷却式の蓄冷器の一例を概略的に示した図である。 各温度における各圧力のヘリウムガスの比熱の変化を、HoCu磁性材料の比熱の変化と合わせて示したグラフである。 本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器の一例を概略的に示した断面図である。 本発明による蓄冷器において、蓄冷材の圧力を定める際の概念を説明するための図である。 本発明による蓄冷器において、蓄冷材の圧力を定める際の概念を説明するための図である。 本発明による蓄冷器において、蓄冷材の圧力を定める際の概念を説明するための図である。 本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器の別の例を概略的に示した断面図である。 蓄冷器200において、蓄冷材の圧力を定める際の概念を説明するための図である。 本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示した断面図である。 本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示した断面図である。 本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示した断面図である。 本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示した断面図である。 本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機の一構成例を概略的に示した図である。 本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機の別の構成例を概略的に示した図である。 本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機のさらに別の構成例を概略的に示した図である。 本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機のさらに別の構成例を概略的に示した図である。 本発明による蓄冷器を有するGM冷凍機の一構成例を概略的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明を説明する。
まず、本発明をより良く理解するため、ヘリウム冷却式の蓄冷器を有する一般的な蓄冷式冷凍機の構成について簡単に説明する。
図2には、蓄冷式冷凍機の一例として、GM(ギフォード・マクマホン)冷凍機の概略的な構成図を示す。
GM冷凍機1は、ガス圧縮機3と、冷凍機として機能する2段式のコールドヘッド10とを有する。コールドヘッド10は、第1段冷却部15と、第2段冷却部50とを有し、これらの冷却部は、フランジ12に同軸となるように連結されている。
第1段冷却部15は、中空状の第1段シリンダ20と、この第1段シリンダ20内に、軸方向に往復運動可能に設けられた第1段ディスプレーサ22と、第1段ディスプレーサ22内に充填された第1段蓄冷器30と、第1段シリンダ20の低温端23b側の内部に設けられ、第1段ディスプレーサ22の往復運動により容積が変化する第1段膨張室31と、第1段シリンダ20の低温端23b付近に設けられた第1段冷却ステージ35とを有する。第1段シリンダ20の内壁と第1段ディスプレーサ22の外壁との間には、第1段シール39が設けられている。
第1段シリンダ20の高温端23aには、第1段蓄冷器30に対してヘリウムガスを流出入させるため、複数の第1段高温側流通路40−1が設けられている。また、第1段シリンダ20の低温端23bには、第1段蓄冷器30および第1段膨張室31にヘリウムガスを流出入させるため、複数の第1段低温側流通路40−2が設けられている。
第2段冷却部50は、第1段冷却部15と略同様の構成を有し、中空状の第2段シリンダ51と、第2段シリンダ51内に軸方向に往復運動可能に設けられた第2段ディスプレーサ52と、第2段ディスプレーサ52内に充填された第2段蓄冷器60と、第2段シリンダ51の低温端53bの内部に設けられ、第2段ディスプレーサ52の往復運動により容積が変化する第2段膨張室55と、第2段シリンダ51の低温端53b付近に設けられた第2段冷却ステージ85とを有する。第2段シリンダ51の内壁と第2段ディスプレーサ52の外壁との間には、第2段シール59が設けられている。第2段シリンダ51の高温端53aには、第1段蓄冷器30に対してヘリウムガスを流出入させるため、第2段高温側流通路40−3が設けられている。また、第2段シリンダ51の低温端53bには、第2段膨張室55にヘリウムガスを流出入させるため、複数の第2段低温側流通路54−2が設けられている。
GM冷凍機1において、ガス圧縮機3からの高圧のヘリウムガスは、バルブ5および配管7を介して、第1段冷却部15に供給され、また、低圧のヘリウムガスは、第1段冷却部15から配管7およびバルブ6を介して、ガス圧縮機3に排気される。第1段ディスプレーサ22および第2段ディスプレーサ52は、駆動モータ8により、往復運動される。また、これに連動して、バルブ5およびバルブ6の開閉が行われ、ヘリウムガスの吸排気のタイミングが制御される。
第1段シリンダ20の高温端23aは、例えば室温に設定され、低温端23bは、例えば20K〜40Kに設定される。第2段シリンダ51の高温端53aは、例えば20K〜40Kに設定され、低温端53bは、例えば4Kに設定される。
次に、このような構成のGM冷凍機1の動作について、簡単に説明する。
まず、バルブ5が閉、バルブ6が閉の状態で、第1段ディスプレーサ22および第2段ディスプレーサ52が、それぞれ、第1段シリンダ20および第2段シリンダ51内の下死点にあるとする。
ここで、バルブ5を開状態とし、排気バルブ6を閉状態とすると、ガス圧縮機3から、高圧のヘリウムガスが第1段冷却部15に流入する。高圧のヘリウムガスは、第1段高温側流通路40−1から第1段蓄冷器30に流入し、第1段蓄冷器30の蓄冷材によって所定の温度まで冷却される。冷却されたヘリウムガスは、第1段低温側流通路40−2から第1段膨張室31に流入する。
第1段膨張室31へ流入した高圧のヘリウムガスの一部は、第2段高温側流通路40−3から第2段蓄冷器60に流入する。このヘリウムガスは、第2段蓄冷器60の蓄冷材によって、さらに低い所定の温度まで冷却され、第2段低温側流通路54−2から第2段膨張室55に流入する。これらの結果、第1段膨張室31および第2段膨張室55内は、高圧状態となる。
次に、第1段ディスプレーサ22および第2段ディスプレーサ52が上死点に移動するとともに、バルブ5が閉じられる。また、バルブ6が開かれる。これにより、第1段膨張室31および第2段膨張室55内のヘリウムガスは、高圧の状態から低圧の状態となり、体積が膨張し、第1段膨張室31および第2段膨張室55に寒冷が発生する。また、これにより、第1段冷却ステージ35および第2段冷却ステ−ジ85がそれぞれ冷却される。
次に、第1段ディスプレーサ22および第2段ディスプレーサ52は、下死点に向かって移動される。これに伴い、低圧のヘリウムガスは、上記の逆の順路を通り、第1段蓄冷器30および第2段蓄冷器60をそれぞれ冷却しつつ、バルブ6および配管7を介してガス圧縮機3に戻る。その後、バルブ6が閉じられる。
以上の動作を1サイクルとし、上記動作を繰り返すことにより、第1段冷却ステージ35、第2段冷却ステージ85において、それぞれに熱接続された冷却対象物(図示されていない)から熱を吸収し、冷却することができる。
ここで、第2段冷却ステージ85において、例えば、温度が30K未満の極低温を形成することが必要な場合、第2段蓄冷器60の蓄冷材として、HoCu等の磁性材料が使用される。
また、最近では、ヘリウムガスを蓄冷器の蓄冷材として使用した、いわゆるヘリウム冷却式の蓄冷器を使用することも提案されている。
図3には、図2に示したようなGM冷凍機1の第2段蓄冷器60として使用される、従来のヘリウム冷却式の蓄冷器60Aの構成を示す。
図3に示すように、従来のヘリウム冷却式の蓄冷器60Aは、例えば、図2で示した第2段ディスプレーサ52内の第2段蓄冷器として使用される。
ヘリウム冷却式の蓄冷器60Aは、第1の作動ガス流路68および第2の作動ガス流路69を有する。第1の作動ガス流路68は、GM冷凍機1の第1段膨張室31側に接続されている。第2の作動ガス流路69は、GM冷凍機1の第2段膨張室55側に接続されている。
ヘリウム冷却式の蓄冷器60Aは、多数の金属製カプセル62を有し、これらのカプセル62は、略球状の形態を有する。各カプセル62には、蓄冷材としてのヘリウムガスが充填されている。また、カプセル62の存在しない領域は、作動ガスが流通する空間65を構成する。
図1に示すように、通常、ヘリウムガスは、HoCu等の磁性材料に比べて、10K近傍での比熱が大きい。従って、ヘリウムガスを蓄冷材として使用することにより、蓄冷器60A内の空間65に流通する作動ガス(ヘリウムガス)をより効率的に冷却させることができる。
しかしながら、図1からも明らかなように、ヘリウムガスの比熱は、温度によって変化するため、ヘリウムガスを蓄冷材として使用した場合、ヘリウムガスの温度変化によって、蓄冷器の蓄冷性能が変化してしまうという問題がある。これは、例えば、蓄冷材がある温度域にある場合は、蓄冷器が良好な蓄冷性能を発揮しても、蓄冷材の温度が変化し、蓄冷材が別の温度域に移行した場合には、蓄冷器に適正な蓄冷性能が得られなくなる可能性があることを意味する。
特に、通常の場合、蓄冷器は、作動ガスの主流方向(図3の上下方向)に沿って温度勾配を有する。しかしながら、このような温度勾配が存在すると、蓄冷材の比熱、さらには蓄冷性能が温度勾配方向に沿って大きく変化してしまうことになり、このため、蓄冷器の平均的な蓄冷性能が低下してしまうという問題が生じる。
これに対して、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器は、
作動ガスの流通する温度勾配方向に沿って、蓄冷材としてのヘリウムガスが収容された少なくとも2つの収容空間を有し、
第1の収容空間は、高温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP1の蓄冷材を収容し、
第2の収容空間は、低温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP2の蓄冷材を収容し、圧力P1は、圧力P2よりも大きく、
前記第1の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP2であった場合、蓄冷材の圧力がP1である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなり、
前記第2の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP1であった場合、蓄冷材の圧力がP2である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなるという特徴を有する。
図4には、各圧力におけるヘリウムガスの比熱の温度変化をHoCu磁性材料の比熱と比較して示す。
この図から明らかなように、ヘリウムガスの比熱の温度変化挙動は、ヘリウムガスの圧力によって変化する。例えば、ヘリウムガスの圧力が0.4MPaの場合、比熱のピークは、約5Kの温度で生じる。一方、ヘリウムガスの圧力が0.8MPa、1.5MPa、および2.2MPaと増加するにつれ、比熱のピーク温度は、それぞれ、約7K、9Kおよび10Kと変化する。
また、図において、最大の比熱が得られるヘリウムガスの圧力は、
(i)温度が約6K以下の領域では、約0.4MPa;
(ii)温度が約6K〜約8Kの領域では、0.8MPa;
(iii)温度が約8K〜約9.5Kの領域では、1.5MPa;
(iv)温度が約9.5K以上の領域では、2.2MPa;
となっており、温度によって変化している。
そこで、本発明では、蓄冷器の各温度領域部位において、設置される蓄冷材の圧力を変化させ、それぞれの部位に、高い比熱を有する圧力のヘリウムガスを配置するようにして、蓄冷器を構成する。これにより、蓄冷材の比熱が温度によって変化してしまい、温度によっては、良好な蓄冷性能が得られなくなると言う問題を、ある程度抑制することが可能となる。また、その結果、蓄冷材の温度に影響されず、全体的に安定な蓄冷性能を維持することが可能な蓄冷器を得ることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
(第1の構成)
図5には、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器の一例を概略的に示す。
図5に示すように、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器100は、一例として、前述のGM冷凍機の第2段ディスプレーサ52内に設置されている。
本発明による蓄冷器100は、第1の作動ガス流路168と、第2の作動ガス流路169を有する。
蓄冷器100は、その内部に、第1の容器165Aおよび第2の容器165Bと、これらの容器165A、165Bの存在しない領域に相当する空間部175とを備える。
空間部175には、第1の作動ガス流路168および第2の作動ガス流路169を通る作動ガスが流通する。ただし、空間部175は、第1の容器165Aおよび第2の容器165Bの内部との連通が遮断されている。従って、作動ガスは、第1の容器165Aおよび第2の容器165Bの内部には侵入しない。
第1の容器165Aは、蓄冷器100の高温側110(図5の例では、蓄冷器100の上側)に設置され、第2の容器165Bは、蓄冷器100の低温側120(図5の例では、蓄冷器100の下側)に設置される。
第1の容器165Aの内部には、蓄冷材(ヘリウムガス)170Aが収容されている。第2の容器165Bの内部には、蓄冷材(ヘリウムガス)170Bが収容されている。第1の容器165A内のヘリウムガス170Aの圧力は、P1であり、第2の容器165B内のヘリウムガス170Bの圧力は、P2であり、P1>P2である。
なお、通常の場合、圧力P1およびP2は、単一の値ではなく、それぞれ、第1の容器165Aおよび第2の容器165Bの温度幅の範囲で変化する。すなわち、圧力P1およびP2は、ある範囲幅を有する値である。従って、圧力がP1>P2とは、圧力P2の最小値が圧力P1の最小値よりも小さいことを意味することに留意する必要がある。
ここで、蓄冷材170Aの圧力P1および蓄冷材170Bの圧力P2は、それらの蓄冷材の収容される容器165A、165Bが晒される温度域において、ヘリウムガスの比熱が大きくなるような範囲から選定される。
以下、この思想を図6を参照して詳しく説明する。図6には、蓄冷材170A、170Bの圧力P1、P2を定める際に考慮される概念を簡単に示す。図6において、横軸は、温度(単位K)であり、縦軸は、蓄冷材の比熱(単位J/cc・K)である。
まず、第1の容器165Aが、蓄冷器100内において、温度域T1となるような部位に配置される場合を考える。ここで、温度域T1は、最低温度Tおよび最高温度Tを有する。この場合、第1の容器165内の蓄冷材170Aの圧力P1は、温度域T1において、比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力の中から選定される。
ここで、温度域T1が広くなればなる程、圧力P1として選定されるヘリウムガス圧力の選択肢は、広くなる。すなわち、「比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力」という用語は、単一の圧力を表す概念ではなく、圧力のある範囲を表す概念である。従って、実際には、蓄冷材170Aの圧力P1として、「比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力」の範囲内から、一つのヘリウムガスの圧力を選定すれば良い。
例えば、図6の場合、蓄冷材170Aの圧力P1は、温度域T1において、ヘリウムガスの比熱のピークが含まれるような圧力、すなわち、比熱がF1に示すような温度変化曲線を示す圧力PAに選定される。
次に、第2の容器165Bが蓄冷器100内において、温度域T2となるような部位に配置される場合を考える。ここで、温度域T2は、最低温度Tおよび最高温度Tを有する。また、T<Tであり、T<Tである。なお、図6の例では、T=Tと仮定しているが、TとTの大小関係は、特に限られず、T<Tであっても、T>Tであっても良い。
この場合、第2の容器165B内の蓄冷材170Bの圧力P2は、温度域T2において、比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力に選定される。
ここで、温度域T2が広くなればなる程、圧力P2として選定されるヘリウムガス圧力の選択肢は、広くなる。すなわち、「比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力」という用語は、単一の圧力を表す概念ではなく、圧力のある範囲を表す概念である。従って、実際には、蓄冷材170Bの圧力P2として、「比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力」の範囲内から、一つのヘリウムガスの圧力を選定すれば良い。
例えば、図6の場合、蓄冷材170Bの圧力P2は、温度域T2において、ヘリウムガスの比熱のピークが含まれるような圧力、すなわち、比熱がF2に示すような温度変化曲線を示す圧力PBに選定される。
これにより、第2の容器165B内の蓄冷材として、高い比熱を有し、良好な蓄冷機能を有する圧力のヘリウムガスを選定することができる。
以上の操作によって得られる各容器内の蓄冷材の比熱の温度変化は、図6の太線の部分のようになる。従って、蓄冷器100の温度変化幅T〜Tの全範囲にわたって、良好な蓄熱性能を有する蓄冷材を配置することが可能となる。
ここで、第1の容器165Aの晒される最小温度Tと、第2の容器165Bが晒される最高温度Tの範囲(すなわち温度T〜T)を温度範囲Tとしたとき蓄冷材170Bの圧力P2として選定した圧力(例えば圧力PB)における比熱の温度変化曲線(例えばF2)は、蓄冷材170Aの圧力P1として選定した圧力(例えば圧力PA)における比熱の温度変化曲線(例えばF1)と、温度範囲Tにおいて交差するように選定することが好ましい。これにより、蓄冷材の比熱の温度変化の影響をより確実に抑制することが可能になる。
例えば、図6の例では、圧力PAにおける比熱の温度変化曲線F1は、温度T(T)において、圧力PBにおける比熱の温度変化曲線F2と点Cにおいて交差しており、上記条件を満たしている。
この他、第1の容器165Aの温度域T1と、第2の容器165Bの温度域T2とが相互に離れている場合、すなわちT<Tとなっている場合は、図7に示すように、蓄冷材170Aの圧力P1として圧力PAを採用し、蓄冷材170Bの圧力P2として圧力PBを採用することにより、両方の容器165A、165Bにおいて、良好な比熱を有する圧力のヘリウムガスを収容することが可能になる(図の太線の部分参照)。
また、第1の容器165Aの温度域T1と、第2の容器165Bの温度域T2とが一部で重なり合っている場合、すなわちT>Tとなっている場合は、図8に示すように、蓄冷材170Aの圧力P1として圧力PAが採用され、蓄冷材170Bの圧力P2として圧力PBが採用される。通常の場合、これにより、両方の容器165A、165Bにおいて、良好な比熱を有する圧力のヘリウムガスを収容することが可能になる。
このように構成された蓄冷器100では、例えば、高圧の作動ガスが第1の作動ガス流路168を通って、空間部175に導入されると、作動ガスは、第1の容器165A内に充填された蓄冷材170Aによって冷却される。さらに、作動ガスは、第2の容器165B内に充填された蓄冷材170Bによって冷却され、第2の作動ガス流路169を通って、蓄冷器100から排出される。
次に、低圧の作動ガスが第2の作動ガス流路169を通って、空間部175に導入されると、作動ガスは、第2の容器165B内に充填された蓄冷材170Bに寒冷を伝達する。これにより、蓄冷材170Bが冷却される。
ここで、蓄冷材170Bは、圧力P2が蓄冷材170Aの圧力P1よりも低く設定されている。また、蓄冷材170Bの比熱は、圧力P1の同温度域での蓄冷材170Aの比熱に比べて大きくなっている(図6〜図8参照)。このため、蓄冷材170Bは、作動ガスが圧力P1の蓄冷材170Aと接触する場合に比べて、より効率的に作動ガスの寒冷を蓄熱することができる。
次に、低圧の作動ガスは、第1の容器165A内に充填された蓄冷材170Aに寒冷を伝達する。
ここで、蓄冷材170Aは、圧力P1が蓄冷材170Bの圧力P2よりも高く設定されている。また、蓄冷材170Aの比熱は、圧力P2の同温度域での蓄冷材170Bの比熱に比べて大きくなっている(図6〜図8参照)。このため、蓄冷材170Aは、作動ガスが圧力P2の蓄冷材170Bと接触する場合に比べて、より効率的に作動ガスの寒冷を蓄熱することができる。
その後、低圧の作動ガスは、第1の作動ガス流路168を通って、蓄冷器100から排出される。
このような動作により、本発明による蓄冷器100では、ヘリウムガスの比熱の温度変化による影響が抑制され、全体的に安定な蓄冷性能を維持することが可能な蓄冷器を得ることができる。
なお、本発明による蓄冷器100を、図2に示したGM冷凍機1の第2ディスプレーサ52に設置することを想定した場合、第1の容器165Aは、約6K以上の温度域に配置し、蓄冷材170Aの圧力P1を0.8MPa以上、3.5MPa以下にすることが好ましく、1.5MPa以上、2.2MPa以下にすることがより好ましい。同様に、第2の容器165Bは、約10K以下の温度域に配置し、蓄冷材170Bの圧力P2を0.1MPa以上、2.2MPa以下にすることが好ましく、0.4MPa以上、1.5MPa以下にすることがより好ましい。
(第2の構成)
図9には、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器の別の一例を概略的に示す。
図9に示すように、蓄冷器200は、第1の作動ガス流路268と、第2の作動ガス流路269を有する。
蓄冷器200は、その内部に、第1の容器265A、第2の容器265B、および第3の容器265Cと、これらの容器265A、265B、265Cの存在しない領域に相当する空間部275とを備える。
空間部275には、第1の作動ガス流路268および第2の作動ガス流路269を通る作動ガスが流通する。ただし、空間部275は、第1の容器265A、第2の容器265B、および第3の容器265Cの内部との連通が遮断されている。従って、作動ガスは、これらの容器265A、265B、265Cの内部には侵入しない。
第1の容器265Aは、蓄冷器200の高温側210(図9の例では、蓄冷器200の上段側)に設置され、第2の容器265Bは、蓄冷器200の低温側220(図9の例では、蓄冷器200の下段側)に設置される。第3の容器265Cは、蓄冷器200の中間温度側230(図9の例では、蓄冷器200の中段側)、すなわち第1の容器265Aと第2の容器265Bの間に設置される。
第1の容器265Aの内部には、蓄冷材(ヘリウムガス)270Aが収容されている。第2の容器265Bの内部には、蓄冷材(ヘリウムガス)270Bが収容されている。第3の容器265Cの内部には、蓄冷材(ヘリウムガス)270Cが収容されている。
第1の容器265A内のヘリウムガス270Aの圧力は、P1であり、第2の容器265B内のヘリウムガス270Bの圧力は、P2であり、第3の容器265C内のヘリウムガス270Cの圧力は、P3であり、P1>P3>P2である。
なお、通常の場合、圧力P1、P2およびP3は、単一の値ではなく、それぞれ、第1の容器265A、第2の容器265Bおよび第3の容器265Cの温度幅の範囲で変化する。すなわち、圧力P1、P2およびP3は、ある範囲幅を有する値である。従って、圧力がP1>P3>P2とは、それぞれの圧力の最小値での比較であることに留意する必要がある。
ここで、蓄冷材270Aの圧力P1、蓄冷材270Bの圧力P2、および蓄冷材270Cの圧力P3は、それらの蓄冷材の収容される容器265A、265B、265Cが晒される温度域において、ヘリウムガスの比熱が大きくなるような範囲から選定される。
以下、この思想を図10を参照して詳しく説明する。図10には、蓄冷材270A、270B、270Cの圧力P1、P2、P3を定める際に考慮される概念を簡単に示す。図10において、横軸は、温度(単位K)であり、縦軸は、蓄冷材の比熱(単位J/cc・K)である。
まず、第1の容器265Aが、蓄冷器200内において、温度域T1となるような部位に配置される場合を考える。ここで、温度域T1は、最低温度Tおよび最高温度Tを有する。この場合、第1の容器265内の蓄冷材270Aの圧力P1は、温度域T1において、比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力の中から選定される。例えば、図10の場合、蓄冷材270Aの圧力P1は、温度域T1において、ヘリウムガスの比熱のピークが含まれるような圧力、すなわち、比熱がF1に示すような温度変化曲線を示す圧力PAに選定される。これにより、第1の容器265内の蓄冷材270Aとして、高い比熱を有し、良好な蓄冷機能を有する圧力のヘリウムガスを選定することができる。
次に、第2の容器265Bが蓄冷器200内において、温度域T2となるような部位に配置される場合を考える。ここで、温度域T2は、最低温度Tおよび最高温度Tを有する。また、T<Tであり、T<Tである。なお、図10の例では、T<Tと仮定している。
第2の容器265B内の蓄冷材270Bの圧力P2は、温度域T2において、比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力に選定される。例えば、図10の場合、蓄冷材270Bの圧力P2は、温度域T2において、ヘリウムガスの比熱のピークが含まれるような圧力、すなわち、比熱がF2に示すような温度変化曲線を示す圧力PBに選定される。これにより、第2の容器265B内の蓄冷材270Bとして、高い比熱を有し、良好な蓄冷機能を有する圧力のヘリウムガスを選定することができる。
次に、第3の容器265Cが蓄冷器200内において、温度域T3となるような部位に配置される場合を考える。ここで、温度域T3は、最低温度Tおよび最高温度Tを有する。T<Tであり、T<Tである。また、T>Tであり、T>Tである。なお、図10の例では、T=TおよびT=Tであると仮定しているが、TとTの大小関係、およびTとTの大小関係は、特に限られない。例えば、T<Tであっても良く、T>Tであっても良い。
第3の容器265C内の蓄冷材270Cの圧力P3は、温度域T3において、比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力に選定される。例えば、図10の場合、蓄冷材270Cの圧力P3は、温度域T3において、ヘリウムガスの比熱のピークが含まれるような圧力、すなわち、比熱がF3に示すような温度変化曲線を示す圧力PCに選定される。これにより、第3の容器265C内の蓄冷材270Cとして、高い比熱を有し、良好な蓄冷機能を有する圧力のヘリウムガスを選定することができる。
その結果、蓄冷器200の温度変化幅T〜Tの全範囲にわたって、良好な蓄熱性能を有する蓄冷材を配置することが可能となる。
なお、前述の操作において、温度域T1、T2、およびT3が広くなればなる程、選定されるヘリウムガス圧力の選択肢は、広くなる。すなわち、「比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力」という用語は、単一の圧力を表す概念ではなく、圧力のある範囲を表す概念である。従って、実際には、蓄冷材270Aの圧力P1として、「比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力」の範囲内から、一つのヘリウムガスの圧力を選定すれば良い。同様に、蓄冷材270Bの圧力P2、および蓄冷材270Cの圧力P3として、「比熱が最大となるようなヘリウムガス圧力」の範囲内から、一つのヘリウムガスの圧力を選定すれば良い。
ここで、第1の容器265Aの晒される最小温度Tと、第3の容器265Cが晒される最高温度Tの範囲(すなわち温度T〜T)を温度範囲TP1としたとき蓄冷材170Cの圧力P3として選定した圧力(例えば圧力PC)における比熱の温度変化曲線(例えばF3)は、蓄冷材170Aの圧力P1として選定した圧力(例えば圧力PA)における比熱の温度変化曲線(例えばF1)と、温度範囲TP1において交差するように選定することが好ましい。
また、第2の容器165Bの晒される最高温度Tと、第3の容器165Cが晒される最低温度Tの範囲(すなわち温度T〜T)を温度範囲TP2としたとき蓄冷材170Bの圧力P2として選定した圧力(例えば圧力PB)における比熱の温度変化曲線(例えばF2)は、蓄冷材170Cの圧力P3として選定した圧力(例えば圧力PC)における比熱の温度変化曲線(例えばF3)と、温度範囲TP2において交差するように選定することが好ましい。
例えば、図10の例では、圧力PAにおける比熱の温度変化曲線F1は、温度T(T)において、圧力PCにおける比熱の温度変化曲線F3と点C1において交差している。また、圧力PBにおける比熱の温度変化曲線F2は、温度T(T)において、圧力PCにおける比熱の温度変化曲線F3と点C2において交差している。
これにより、蓄冷材の比熱の温度変化の影響をより確実に抑制することが可能になる。
特に、第2の構成では、前述の第1の構成に比べて、各容器に収容された蓄冷材は、その容器が晒される温度域において、より大きな比熱を有する圧力を有する。従って、第2の構成では、蓄冷材の比熱の温度変化の影響がより小さくなり、より安定な蓄冷性能を有する蓄冷器を構成することが可能となる。
なお以上の記載からも明らかなように、蓄冷材を収容する容器の数は、2つ以上であれば、特に限られない。特に、容器の数が多くなればなる程、これらの容器に収容される蓄冷材の圧力を、容器の晒される温度域に合わせて細かく変化させることができる。従って、容器の数が多くなればなる程、蓄冷材の比熱が温度変化の影響を受けにくくなり、より安定に蓄冷性能を維持することの可能な蓄冷器を構成することができる。
なお、蓄冷器200を、図2に示したGM冷凍機1の第2ディスプレーサ52に設置することを想定した場合、第1の容器265Aは、約6K以上の温度域に配置し、蓄冷材270Aの圧力P1を0.8MPa以上、3.5MPa以下にすることが好ましく、1.5MPa以上、2.2MPa以下にすることがより好ましい。また、第3の容器265Cは、約4K〜約10Kの温度域に配置し、蓄冷材270Cの圧力P2を0.8MPa〜2.2MPaにすることが好ましく、0.8MPa以上、1.5MPa以下にすることがより好ましい。さらに、第2の容器265Bは、約10K以下の温度域に配置し、蓄冷材270Bの圧力P2を、0.1MPa以上、2.2MPa以下にすることが好ましく、0.4MPa以上、1.5MPa以下にすることがより好ましい。
(第3の構成)
図11には、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示す。
図11に示すように、蓄冷器300は、第1の作動ガス流路368と、第2の作動ガス流路369とを有する。また、蓄冷器300は、その内部に、仕切り部材310によって仕切られた、第1の区画365Aおよび第2の区画365Bを有する。
仕切り部材310は、2つの区画を分離するとともに、後述する伝熱性カプセル320A、320Bが相互に混合することを防止する役割を有する。仕切り部材310は、例えば、金網等の部材で構成される。
第1の区画365Aは、蓄冷器300の高温側(図11の例では、蓄冷器300の上側)に設けられ、第2の区画365Bは、蓄冷器300の低温側(図11の例では、蓄冷器300の下側)に設けられる。第1の区画365Aには、複数の伝熱性カプセル320Aが収容されており、伝熱性カプセル320Aの存在しない領域には、空間部375Aが形成される。第2の区画365Bには、複数の伝熱性カプセル320Bが収容されており、伝熱性カプセル320Bの存在しない領域には、空間部375Bが形成される。
伝熱性カプセル320Aは、内部に蓄冷材370Aとしてのヘリウムガスが充填されている。蓄冷材370Aの圧力は、P1である。伝熱性カプセル320Bは、内部に蓄冷材370Bとしてのヘリウムガスが充填されている。蓄冷材370Bの圧力は、P2であり、P1>P2である。
伝熱性カプセル320A、320Bは、例えば、銅もしくは銅合金、またはステンレス鋼等で構成されても良い。伝熱性カプセル320A、320Bの厚さは、例えば、0.05mm〜2mmの範囲であり、例えば1mmであっても良い。伝熱性カプセル320A、320Bの形状は、特に限られず、例えば球または扁平球のような形状であっても良い。図11の例では、伝熱性カプセル320A、320Bは、球形であり、直径は、例えば、0.1mm〜2mmの範囲である。なお、各伝熱性カプセル320Aの形状および寸法等は、同一であっても異なっていても良い。同様に、各伝熱性カプセル320Bの形状および寸法等は、同一であっても異なっていても良い。
空間部375Aおよび375Bには、第1の作動ガス流路368および第2の作動ガス流路369を通る作動ガスが流通する。従って、仕切り部材310は、そのような作動ガスが両空間部375Aおよび375Bに流通できるような貫通部を有する。
ここで、蓄冷材370Aの圧力P1および蓄冷材370Bの圧力P2は、それらの蓄冷材の収容される伝熱性カプセル320A、320Bが晒される温度域において、ヘリウムガスの比熱が大きくなるような範囲から選定される。
なお、圧力P1および圧力P2の選定方法は、前述の通りである。
このように構成された蓄冷器300においても、前述のような本発明による効果が得られることは、当業者には明らかであろう。
なお、この構成においても、蓄冷器300内を温度勾配方向に沿って3つ以上の区画に分割し、各区画に配置される伝熱性カプセル内の蓄冷材圧力を調整することにより、蓄冷材の温度変化による比熱の低下の影響をさらに抑制した蓄冷器を得ることができる。
(第4の構成)
図12には、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示す。
図12に示すように、蓄冷器400は、第1の作動ガス流路468と、第2の作動ガス流路469とを有する。また、蓄冷器400は、その内部に、仕切り部材410Bによって仕切られた、第1の区画465Aおよび第2の区画465Bを有する。
第1の区画465Aは、蓄冷器400の高温側(図12の例では、蓄冷器400の上側)に設けられ、第2の区画465Bは、蓄冷器400の低温側(図12の例では、蓄冷器400の下側)に設けられる。第1の区画465Aには、複数の中空管475Aがフランジ410Aおよび仕切り部材410Bに支持された状態で配列されており、中空管475Aの存在しない領域は、蓄冷材470Aとなるヘリウムガスの収容部420Aが形成される。中空管475A内には、作動ガスが流通する。従って、第1の作動ガス流路468は、中空管475Aの内部と連通されている。
第2の区画465Bには、複数の中空管475Bがフランジ410Cおよび仕切り部材410Bに支持された状態で配列されており、中空管475Bの存在しない領域には、蓄冷材470Bとなるヘリウムガスの収容部420Bが形成される。中空管475B内には、作動ガスが流通する。従って、第2の作動ガス流路469は、中空管475Bの内部と連通されている。
中空管475A、475Bは、例えば、銅もしくは銅合金、またはステンレス鋼等で構成されても良い。中空管475A、475Bの形状は、管状であれば特に限られず、例えば円管または楕円管のような形状であっても良い。なお、各中空管475Aの形状および寸法等は、同一であっても異なっていても良い。同様に、各中空管475Bの形状および寸法等は、同一であっても異なっていても良い。
仕切り部材410Bは、中空管475Aと中空管475Bの間の連通路を提供する役割を有する。また、仕切り部材410Bは、収容部420Aに収容された蓄冷材470Aと、収容部420Bに収容された蓄冷材470Bとが混合しないようにする役割を有する。なお、作動ガスと、蓄冷材470A、470Bは、中空管475A、475Bおよびフランジ410A、410Cによって仕切られている。
高圧の作動ガスは、第1の作動ガス流路468を通り、蓄冷器400内に導入される。次に、作動ガスは、第1の区画465Aにおいて、複数の中空管475Aの内部を通り、仕切り部材410Bの内部に形成された連通路を通る。さらに、作動ガスは、第2の区画465Bに設けられた複数の中空管475Bの内部を通った後、第2の作動ガス流路469を通り、蓄冷器400から排出される。
一方、低圧の作動ガスは、その逆の流れにより、蓄冷器400内に導入され、蓄冷器400から排出される。
収容部420Aに収容された蓄冷材470Aは、圧力がP1であり、収容部420Bに収容された蓄冷材470Bは、圧力がP2であり、P1>P2である。
ここで、蓄冷材470Aの圧力P1および蓄冷材470Bの圧力P2は、それらの蓄冷材が収容される収容部420A、420Bが晒される温度域において、ヘリウムガスの比熱が大きくなるような範囲から選定される。
圧力P1および圧力P2の選定方法は、前述の通りであり、ここではこれ以上説明しない。
このように構成された蓄冷器400においても、前述のような本発明による効果が得られることは、当業者には明らかであろう。
なお、この構成においても、蓄冷器400内を温度勾配方向に沿って3つ以上の区画465A、465B、465C...に分割し、各区画に形成される収容部420A、420B、420C...内の蓄冷材470A、470B、470C...の圧力を調整することにより、蓄冷材の温度変化による比熱の低下の影響がさらに抑制された蓄冷器を得ることができる。
(第5の構成)
図13には、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示す。
図13に示すように、蓄冷器500は、前述の図12に示した蓄冷器400と同様の構成を有する。従って、図13において、図12に示した部材と同様の部材には、図12に示した参照符号に100を加えた符号が付されている。
ただし、この蓄冷器500は、図12に示した蓄冷器400とは異なり、さらに、第1の蓄冷材用配管530および第2の蓄冷材用配管540を有する。
第1の蓄冷材用配管530は、一端が、高温側の第1の区画565Aに設けられた収容部520Aに接続されている。図には示していないが、第1の蓄冷材用配管530の他端は、高圧ヘリウムガス源531に接続されている。
第2の蓄冷材用配管540は、一端が、低温側の第2の区画565Bに設けられた収容部520Bに接続されている。図には示していないが、第2の蓄冷材用配管540の他端は、低圧ヘリウムガス源541に接続されている。
ここで、「ヘリウムガス源」とは、ヘリウムガスおよび/または液体ヘリウムが貯蔵されているいかなる部位をも含む概念であることに留意する必要がある。例えば、蓄冷器がGM冷凍機の蓄冷管に使用される場合、「ヘリウム源」は、作動ガスを供給排気する圧縮機であっても良い。また、蓄冷器がパルスチューブ冷凍機の蓄冷管に使用される場合、「ヘリウム源」は、作動ガスを供給排気する圧縮機、および/またはパルス管に接続されたバッファタンク等であっても良い。
蓄冷材570Aと蓄冷材570Bは、仕切り部材510Bによって相互に仕切られており、混合することはない。また、作動ガスと、蓄冷材570A、570Bは、中空管575A、575Bおよびフランジ510A、510Cによって相互に仕切られているため、混合することはない。
ここで、図12に示した蓄冷器400では、各収容部420A、420Bに、蓄冷材が予め収容されている。これに対して、図13に示した蓄冷器500では、第1の区画565Aの収容部520Aに収容される蓄冷材570Aは、蓄冷器の作動中に、高圧ヘリウムガス源531から、第1の蓄冷材用配管530を介して供給される。また、第2の区画565Bの収容部520Bに収容される蓄冷材570Bは、蓄冷器の作動中に、低圧ヘリウムガス源541から、第2の蓄冷材用配管540を介して供給される。
従って、例えば、高圧ヘリウムガス源531から第1の区画565Aの収容部520Aに供給されるヘリウムガスの圧力が、蓄冷器500の作動中にP1となるように設定しておき、低圧ヘリウムガス源541から第2の区画565Bの収容部520Bに供給されるヘリウムガスの圧力が、蓄冷器500の作動中にP2となるように設定しておくことにより、前述のような本発明による効果が得られる。なお、圧力P1、P2は、前述の操作によって定められる。
(第6の構成)
図14には、本発明によるヘリウム冷却式の蓄冷器のさらに別の一例を概略的に示す。
図14に示すように、蓄冷器600は、前述の図13に示した蓄冷器500と同様の構成を有する。従って、図14において、図13に示した部材と同様の部材には、図13に示した参照符号に100を加えた符号が付されている。
ここで、蓄冷器600は、さらに、第1の区画665Aと第2の区画665Bの間に、第3の区画665Cを有する。第3の区画665Cは、蓄冷器600の中温度側に設けられる。第3の区画665Cは、高温側の第1の区画665Aとは、仕切り部材610Bにより仕切られ、低温側の第2の区画665Bとは、仕切り部材610Cにより仕切られている。
第3の区画665Cには、複数の中空管675Cが仕切り部材610Bおよび仕切り部材610Cに支持された状態で配列されており、中空管675Cの存在しない領域は、蓄冷材670Cとなるヘリウムガスの収容部620Cが形成される。中空管675A内には、作動ガスが流通する。仕切り部材610Bは、中空管675Aの内部と中空管675Cの内部を連通させる役割を有し、仕切り部材610Cは、中空管675Cの内部と中空管675Bの内部を連通させる役割を有する。
また、第3の区画665Cには、第3の蓄冷材用配管635の一端が接続され、第3の蓄冷材用配管635は、収容部620Cと連通される。図には示していないが、第3の蓄冷材用配管635の他端は、中間圧のヘリウムガス源636に接続されている。
第3の区画665Cの収容部620Cに収容される蓄冷材670Cは、蓄冷器600の作動中に、中間圧ヘリウムガス源636から、第3の蓄冷材用配管635を介して供給される。
高圧ヘリウムガス源631から第1の区画665Aの収容部620Aに供給されるヘリウムガスの圧力は、蓄冷器600の作動中にP1となるように設定され、低圧ヘリウムガス源641から第2の区画665Bの収容部620Bに供給されるヘリウムガスの圧力は、蓄冷器600の作動中にP2となるように設定され、中間圧ヘリウムガス源636から第3の区画665Cの収容部620Cに供給されるヘリウムガスの圧力は、蓄冷器600の作動中にP3となるように設定される。なお、圧力P1、P2およびP3は、前述の操作によって定められる。
このような蓄冷器600では、図13に示した蓄冷器500に比べて、より蓄冷性能が安定した蓄冷器が得られる。
以上の説明では、蓄冷器内において、蓄冷材が圧力の異なるヘリウムガスのみで構成される場合を例に、本発明の構成およびその効果について説明した。しかしながら、本発明において、蓄冷器は、複数の蓄冷材で構成されても良い。例えば、一つの蓄冷器において、最高温側では、HoCu磁性材料を使用し、最低温側では、GdOのような磁性材料を使用しても良い。この場合、中間温度域に、前述のような複数の収容空間に圧力の異なるヘリウムガスが収容された蓄冷器部分が配置され、蓄冷器全体が構成されることになる。
(本発明による蓄冷器を有する冷凍機)
本発明による蓄冷器は、GM冷凍機やパルスチューブ冷凍機など、各種蓄冷式冷凍機に適用することができる。そこで次に、本発明をパルスチューブ冷凍機に適用した例について、簡単に説明する。
(パルスチューブ冷凍機1)
図15には、本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機の一構成例を概略的に示す。
図15に示すように、このパルスチューブ冷凍機700は、2段式のパルスチューブ冷凍機である。
パルスチューブ冷凍機700は、圧縮機712、第1段および第2段の蓄冷管740、780、第1段および第2段パルス管750、790、第1および第2の配管756、786、オリフィス760、761、ならびに開閉バルブV1〜V6等を備える。
第1段蓄冷管740は、高温端742および低温端744を有し、第2段蓄冷管780は、高温端744(第1段の低温端744に相当)および低温端784を有する。第1段パルス管750は、高温端752および低温端754を有し、第2段パルス管790は、高温端792および低温端794を有する。第1段および第2段のパルス管750、790の各高温端752、792および低温端754、794には、熱交換器が設置されている。第1段蓄冷管740の低温端744は、第1の配管756を介して、第1段パルス管750の低温端754と接続される。また、第2段蓄冷管780の低温端784は、第2の配管786を介して、第2段パルス管790の低温端794と接続される。
圧縮機712の高圧側(吐出側)の冷媒用流路は、A点で、3方向に分岐されており、第1〜第3の冷媒供給路H1〜H3が構成される。第1の冷媒供給路H1は、圧縮機712の高圧側〜開閉バルブV1が設置された第1の高圧側配管715A〜共通配管720〜第1段の蓄冷管740で構成される。第2の冷媒供給路H2は、圧縮機712の高圧側〜開閉バルブV3が接続された第2の高圧側配管725A〜オリフィス760が設置された共通配管730〜第1段パルス管750で構成される。第3の冷媒供給路H3は、圧縮機212の高圧側〜開閉バルブV5が接続された第3の高圧側配管735A〜オリフィス761が設置された共通配管799〜第2段パルス管790で構成される。
一方、圧縮機712の低圧側(吸込側)の冷媒用流路は、第1〜第3の冷媒回収路L1〜L3の、3方向に分岐されている。第1の冷媒回収路L1は、第1段の蓄冷管740〜共通配管720〜開閉バルブV2が設置された第1の低圧側配管715B〜B点〜圧縮機712の経路で構成される。第2の冷媒回収路L2は、第1段パルス管750〜オリフィス760が設置された共通配管730〜開閉バルブV4が設置された第2の低圧側配管725B〜B点〜圧縮機712の経路で構成される。第3の冷媒回収路L3は、第2段パルス管790〜オリフィス761が設置された共通配管799〜開閉バルブV6が設置された第3の低圧側配管735B〜B点〜圧縮機712の経路で構成される。
なお、このような構成のパルスチューブ冷凍機700の一般的な動作方法は、当業者には明らかであるため、ここでは説明しない。
ここで、第2段蓄冷管780は、前述のような特徴を有する本発明の蓄冷器781を備えている。例えば、蓄冷器781が図5に示すような蓄冷器100であると仮定すると、この場合、低温側の第2の容器165Bが晒される温度は、例えば約4K〜約6K程度であり、高温側の第1の容器165Aが晒される温度は、例えば約6K〜約8K程度である。また、圧力P2は、例えば約0.4MPa以下であり、圧力P1は、約0.4MPa〜約0.8MPa程度である。
このような構成の場合、パルスチューブ冷凍機700の作動中、第2段蓄冷管780中の蓄冷器781において、蓄冷材の比熱の温度による変化が有意に抑制される。そのため、パルスチューブ冷凍機700の第2段蓄冷管780において、安定な蓄冷性能を維持することが可能となる。
(パルスチューブ冷凍機2)
図16には、本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機の別の構成例を概略的に示す。
図16に示すように、このパルスチューブ冷凍機800は、前述のパルスチューブ冷凍機700とほぼ同様の構成を有する。従って、パルスチューブ冷凍機800において、図15に示したパルスチューブ冷凍機700と同様の部材には、図15と同様の参照符号が付されている。
ただし、このパルスチューブ冷凍機800は、さらに、第1の蓄冷材用配管830と、第2の蓄冷材用配管840とを有する。第1の蓄冷材用配管830には、オリフィスのような流路抵抗810が設置されている。ただし、この流路抵抗810は、省略しても良い。
第1の蓄冷材用配管830は、一端が圧縮機712の高圧側に設置され、他端が第2段蓄冷管780内の蓄冷器781に接続されている。より詳しくは、第1の蓄冷材用配管830の他端は、蓄冷器781の高温側の第1の区画565Aに設けられた圧力がP1の蓄冷材の収容部520Aに接続されている。一方、第2の蓄冷材用配管840は、一端が圧縮機712の低圧側に設置され、他端が第2段蓄冷管780内の蓄冷器781に接続されている。より詳しくは、第2の蓄冷材用配管840の他端は、蓄冷器781の低温側の第2の区画565Bに設けられた圧力がP2の蓄冷材の収容部520Bに接続されている。
この場合、蓄冷器781は、前述の図13に示した蓄冷器500と同様の構成となり、「高圧ヘリウムガス源」および「低圧ヘリウムガス源」は、それぞれ、圧縮機712の高圧側(供給側)および低圧側(回収側)に相当する。
このような構成のパルスチューブ冷凍機800においても、第2段蓄冷管780中の蓄冷器781において、蓄冷材の比熱の温度による変化が有意に抑制される。そのため、パルスチューブ冷凍機800の第2段蓄冷管780において、安定な蓄冷性能を維持することが可能となる。
なお、図には示していないが、第1の蓄冷材用配管830は、いずれかの箇所に、コントロールバルブおよび圧力測定手段を有しても良い。この場合、圧力測定手段によって測定された第1の蓄冷材用配管830内の圧力値に基づいて、コントロールバルブの開度を調節することにより、第1の蓄冷材用配管830内の高圧ヘリウムガスの圧力を、所望の値に調整することが可能となる。これに加えて、またはこれとは別に、第2の蓄冷材用配管840は、いずれかの箇所に、コントロールバルブおよび圧力測定手段を有しても良い。これにより、第2の蓄冷材用配管840内においても、低圧ヘリウムガスの圧力を、所望の値に調整することが可能となる。
ここで、通常の圧縮機712は、内部に圧力開放用のバイパスバルブを備えている。従って、パルスチューブ冷凍機800の停止の際に、蓄冷器780の第1の区画565Aの収容部520Aおよび第1の蓄冷材用配管830内が高圧となっている場合、圧縮機712内では、このバイパスバルブが作動して、高圧側から低圧側に蓄冷材が流れるようになる。このため、本発明による構成において、蓄冷器780において、高圧の蓄冷材を開放するための新たな部材は、特に必要ではない。
(パルスチューブ冷凍機3)
図17には、本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機の別の構成例を概略的に示す。
図17に示すように、このパルスチューブ冷凍機900は、図15に示したパルスチューブ冷凍機700とほぼ同様の構成を有する。従って、パルスチューブ冷凍機900において、図15に示したパルスチューブ冷凍機700と同様の部材には、図15と同様の参照符号が付されている。
ただし、このパルスチューブ冷凍機900は、さらに、バッファタンク966と、第1の蓄冷材用配管930と、第2の蓄冷材用配管940とを有する。
バッファタンク966は、オリフィス964を備える配管962を介して、第1段パルス管730の高温端732に接続される。
第1の蓄冷材用配管930は、一端が圧縮機712の高圧側に設置され、他端が第2段蓄冷管780内の蓄冷器781に接続されている。より詳しくは、第1の蓄冷材用配管930の他端は、蓄冷器781の高温側の第1の区画565Aに設けられた圧力がP1の蓄冷材の収容部520Aに接続されている。一方、第2の蓄冷材用配管940は、一端がバッファタンク966に接続され、他端が第2段蓄冷管780内の蓄冷器781に接続されている。より詳しくは、第2の蓄冷材用配管940の他端は、蓄冷器781の低温側の第2の区画565Bに設けられた圧力がP2の蓄冷材の収容部520Bに接続されている。
この場合、蓄冷器781は、前述の図13に示した蓄冷器500と同様の構成となり、「高圧ヘリウムガス源」および「低圧ヘリウムガス源」は、それぞれ、圧縮機712の高圧側(供給側)およびバッファタンク966に相当する。
このような構成のパルスチューブ冷凍機900においても、前述のような本発明による効果が得られることは、当業者には明らかである。
(パルスチューブ冷凍機4)
図18には、本発明による蓄冷器を有するパルスチューブ冷凍機の別の構成例を概略的に示す。
図18に示すように、このパルスチューブ冷凍機1000は、図15に示したパルスチューブ冷凍機700とほぼ同様の構成を有する。従って、パルスチューブ冷凍機1000において、図15に示したパルスチューブ冷凍機700と同様の部材には、図15と同様の参照符号が付されている。
ただし、このパルスチューブ冷凍機1000は、さらに、バッファタンク966と、第1の蓄冷材用配管1030と、第2の蓄冷材用配管1040と、第3の蓄冷材用配管1035とを有する。
バッファタンク966は、オリフィス964を備える配管962を介して、第1段パルス管730の高温端752に接続される。
第1の蓄冷材用配管1030は、一端が圧縮機712の高圧側に設置され、他端が第2段蓄冷管780内の蓄冷器781に接続されている。より詳しくは、第1の蓄冷材用配管1030の他端は、蓄冷器781の高温側の第1の区画665Aに設けられた圧力がP1の蓄冷材の収容部620Aに接続されている。一方、第2の蓄冷材用配管1040は、一端が圧縮機712の低圧側に設置され、他端が第2段蓄冷管780内の蓄冷器781に接続されている。より詳しくは、第2の蓄冷材用配管1040の他端は、蓄冷器781の低温側の第2の区画665Bに設けられた圧力がP2の蓄冷材の収容部620Bに接続されている。同様に、第3の蓄冷材用配管1035は、一端がバッファタンク966に接続され、他端が第2段蓄冷管780内の蓄冷器781に接続されている。より詳しくは、第3の蓄冷材用配管1035の他端は、蓄冷器781の中間温度側の第3の区画665Cに設けられた圧力がP3の蓄冷材の収容部620Cに接続されている。
この場合、蓄冷器781は、前述の図14に示した蓄冷器600と同様の構成となり、「高圧ヘリウムガス源」、「低圧ヘリウムガス源」および「中間圧のヘリウムガス源」は、それぞれ、圧縮機712の高圧側(供給側)、圧縮機712の低圧側(回収側)、およびバッファタンク966に相当する。
このような構成のパルスチューブ冷凍機1000においても、前述のような本発明による効果が得られることは、当業者には明らかである。
以上、本発明による蓄冷器を備えるパルスチューブ冷凍機の一例について説明した。しかしながら、本発明によるパルスチューブ冷凍機がこのような構成に限られるものではないことは、当業者には明らかである。例えば、図17の構成では、「高圧ヘリウムガス源」は、圧縮機712の高圧側となっており、「低圧ヘリウムガス源」は、バッファタンク966となっている。しかしながら、「高圧ヘリウムガス源」は、バッファタンク966であり、「低圧ヘリウムガス源」は、圧縮機712の低圧側であっても良い。
(本発明によるGM冷凍機)
本発明は、GM冷凍機にも適用することができる。
図19には、本発明による蓄冷器を有するGM冷凍機の一構成例を概略的に示す。
図19に示すように、このGM冷凍機1100は、図2に示した従来のGM冷凍機1とほぼ同様の構成を有する。従って、本発明のGM冷凍機1100において、図2に示したGM冷凍機1と同様の部材には、図2と同様の参照符号が付されている。
ただし、このGM冷凍機1100は、第2段シリンダ51内に軸方向に往復運動可能に設けられた第2段ディスプレーサ52の構成が、前述のGM冷凍機1とは異なっている。
すなわち、GM冷凍機1100において、第2段ディスプレーサ52内には、第2段蓄冷器60の代わりに、第2段蓄冷器1160が設置されている。
第2段蓄冷器1160は、上下に区画された2つの空間1161および1162を有する。第1の空間1161は、第2段シール59および中間シール1143により、作動ガスの流れる第1段膨脹室31、および第2の空間1162とシールされている。また、第2の空間1162は、中間シール1143および下側シール1145により、第1の空間1161、および作動ガスの流れる第2段膨脹室55とシールされている。
また、第2段シリンダ51には、第1の流通路1170−1および第2の流通路1175−1が形成されており、第2段ディスプレーサ52には、第3の流通路1170−2および第4の流通路1175−2が形成されている。
ここで、第2段蓄冷器1160は、第1の空間1161に配置された配管1121、および第2の空間1162に配置され、配管1121と流体連通する配管1122を有する。このため、第1段膨脹室31に流入した作動ガスは、配管1121を介して第1の空間1161内を流れ、配管1122を介して第2の空間1162内を流れ、その後、第2段ディスプレーサ52の底部に設けられた流通路1123を介して、第2段膨脹室55に流通される(あるいはその逆向きに流通される)。
一方、圧縮機3からの高圧配管には、分岐管1180が接続されており、分岐管1180は、第1の配管1181aおよび第2の配管1181bを有する。第1の配管1181aは、第2段シリンダ51の第1の流通路1170−1に接続されており、第2の配管1181bは、第2段シリンダ51の第2の流通路1175−1に接続されている。従って、圧縮機3からの蓄冷材は、配管1181aを通り、第2段シリンダ51の第1の流通路1170−1から、第2段ディスプレーサ52に設けられた第3の流通路1170−2を介して、第2段蓄冷器1160の第1の空間1161に流入することができる。同様に、圧縮機3からの蓄冷材は、配管1181bを通り、第2段シリンダ51の第2の流通路1175−1から、第2段ディスプレーサ52に設けられた第4の流通路1175−2を介して、第2段蓄冷器1160の第2の空間1162に流入することができる。
このような構成のGM冷凍機1100においても、前述のような本発明による効果が得られることは、当業者には明らかである。
本発明は、GM冷凍機およびパルスチューブ冷凍機などの蓄冷式冷凍機に適用することができる。
本願は、2010年3月19日に出願した日本国特許出願2010−065038号に基づく優先権を主張するものであり、同日本国出願の全内容を本願の参照により援用する。
1 GM冷凍機
3 ガス圧縮機
5、6 バルブ
7 配管
8 駆動モータ
10 コールドヘッド
12 フランジ
15 第1段冷却部
20 第1段シリンダ
22 第1段ディスプレーサ
23a 高温端
23b 低温端
30 第1段蓄冷器
31 第1段膨張室
35 第1段冷却ステージ
39 第1段シール
40−1 流通路
40−2 流通路
40−3 流通路
50 第2段冷却部
51 第2段シリンダ
52 第2段ディスプレーサ
53a 高温端
53b 低温端
54−2 流通路
55 第2段膨張室
59 第2段シール
60 第2段蓄冷器
60A 従来のヘリウム冷却式の蓄冷器
62 カプセル
65 空間
68 第1の作動ガス流路
69 第2の作動ガス流路
85 第2段冷却ステージ
100 本発明による蓄冷器
110 高温側
120 低温側
165A 第1の容器
165B 第2の容器
168 第1の作動ガス流路
169 第2の作動ガス流路
170A、170B 蓄冷材
175 空間部
200 本発明による蓄冷器
210 高温側
220 低温側
230 中間温度側
265A 第1の容器
265B 第2の容器
265C 第3の容器
268 第1の作動ガス流路
269 第2の作動ガス流路
270A、270B、270C 蓄冷材
275 空間部
300 本発明による蓄冷器
310 仕切り部材
320A、320B 伝熱性カプセル
365A 第1の区画
365B 第2の区画
368 第1の作動ガス流路
369 第2の作動ガス流路
370A、370B 蓄冷材
375A、375B 空間部
400 本発明による蓄冷器
410A フランジ
410B 仕切り部材
410C フランジ
420A、420B 収容部
465A 第1の区画
465B 第2の区画
468 第1の作動ガス流路
469 第2の作動ガス流路
470A、470B 蓄冷材
475A、475B 中空管
500 蓄冷器
510B 仕切り部材
520A、520B 収容部
530 第1の蓄冷材用配管
531 高圧ヘリウムガス源
540 第2の蓄冷材用配管
541 低圧ヘリウムガス源
565A 第1の区画
565B 第2の区画
600 蓄冷器
610B 仕切り部材
610C 仕切り部材
620C 収容部
635 第3の蓄冷材用配管
636 中間圧のヘリウムガス源
665A 第1の区画
665B 第2の区画
665C 第3の区画
670C 蓄冷材
675C 中空管
700 パルスチューブ冷凍機
712 圧縮機
715A 第1の高圧側配管
715B 第1の低圧側配管
720 共通配管
725A 第2の高圧側配管
725B 第2の低圧側配管
730 共通配管
735A 第3の高圧側配管
735B 第3の低圧側配管
740 第1段蓄冷管
742 第1段蓄冷管の高温端
744 第1段蓄冷管の低温端
750 第1段パルス管
752 第1段パルス管の高温端
754 第1段パルス管の低温端
756 第1の配管
760、761 オリフィス
780 第2段蓄冷管
781 蓄冷器
784 第2段蓄冷管の低温端
786 第2の配管
790 第2段パルス管
792 第2段パルス管の高温端
794 第2段パルス管の低温端
799 共通配管
800 パルスチューブ冷凍機
810 流路抵抗
830 第1の蓄冷材用配管
840 第2の蓄冷材用配管
900 パルスチューブ冷凍機
930 第1の蓄冷材用配管
940 第2の蓄冷材用配管
962 配管
964 オリフィス
966 バッファタンク
1000 パルスチューブ冷凍機
1030 第1の蓄冷材用配管
1035 第3の蓄冷材用配管
1040 第2の蓄冷材用配管
1100 本発明によるGM冷凍機
1121、1122 配管
1123 流通路
1143 中間シール
1145 下側シール
1160 第2段蓄冷器
1161 第1の空間
1162 第2の空間
1170−1 第1の流通路
1170−2 第3の流通路
1175−1 第2の流通路
1175−2 第4の流通路
1180 分岐管
1181a 第1の配管
1181b 第2の配管
H1〜H3 第1〜第3の冷媒供給路
L1〜L3 第1〜第3の冷媒回収路
V1〜V6 開閉バルブ。

Claims (12)

  1. 作動ガスを蓄冷器を介して膨脹室に供給し、前記作動ガスを前記蓄冷器を介して膨脹室から排気する圧縮機を備える冷凍機であって、
    前記蓄冷器は、
    ヘリウム冷却式の蓄冷器であり、
    前記作動ガスの流通する温度勾配方向に沿って、蓄冷材としてのヘリウムガスが収容された少なくとも2つの収容空間を有し、
    第1の収容空間は、高温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP1の蓄冷材を収容し、
    第2の収容空間は、低温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP2の蓄冷材を収容し、
    圧力P1及び圧力P2はある範囲幅を有する値であって、圧力P1の最小値は、圧力P2の最小値よりも大きく、
    前記第1の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP2であった場合、蓄冷材の圧力がP1である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなり、
    前記第2の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP1であった場合、蓄冷材の圧力がP2である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなり、
    前記作動ガスは、前記第1および第2の収容空間には侵入せず、
    前記第1の収容空間は、第1のヘリウム源に接続され、および/または
    前記第2の収容空間は、第2のヘリウム源に接続され、
    前記第1および/または第2のヘリウム源は、前記圧縮機であることを特徴とする冷凍機。
  2. 作動ガスを蓄冷管を介してパルス管に供給し、前記作動ガスを前記蓄冷管を介してパルス管から排気する圧縮機と、前記パルス管に接続されたバッファタンクとを備えるパルスチューブ冷凍機であって、
    前記蓄冷管は、蓄冷器を有し、
    該蓄冷器は、
    ヘリウム冷却式の蓄冷器であり、
    前記作動ガスの流通する温度勾配方向に沿って、蓄冷材としてのヘリウムガスが収容された少なくとも2つの収容空間を有し、
    第1の収容空間は、高温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP1の蓄冷材を収容し、
    第2の収容空間は、低温側の領域に配置され、当該蓄冷器の作動中、圧力がP2の蓄冷材を収容し、
    圧力P1及び圧力P2はある範囲幅を有する値であって、圧力P1の最小値は、圧力P2の最小値よりも大きく、
    前記第1の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP2であった場合、蓄冷材の圧力がP1である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなり、
    前記第2の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP1であった場合、蓄冷材の圧力がP2である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなり、
    前記作動ガスは、前記第1および第2の収容空間には侵入せず、
    前記第1の収容空間は、第1のヘリウム源に接続され、および/または
    前記第2の収容空間は、第2のヘリウム源に接続され、
    前記第1のヘリウム源は、前記圧縮機もしくは前記バッファタンクであり、および/または
    前記第2のヘリウム源は、前記圧縮機もしくは前記バッファタンクであることを特徴とするパルスチューブ冷凍機。
  3. 前記第1の収容空間は、前記蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
    前記第2の収容空間は、前記蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
    温度T〜温度Tの範囲において、
    前記蓄冷材の圧力がP1のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP2のときの比熱の温度変化曲線とが交差していることを特徴とする請求項1に記載の冷凍機または請求項2に記載のパルスチューブ冷凍機。
  4. 温度T=温度Tであることを特徴とする請求項3に記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  5. 前記蓄冷器は、さらに、蓄冷材としてのヘリウムガスが収容される第3の収容空間を有し、
    該第3の収容空間は、前記第1の収容空間と前記第2の収容空間の間の温度領域に配置され、圧力がP3の前記蓄冷材を収容し、
    圧力P3はある範囲幅を有する値であって、圧力P3の最小値は圧力P1の最小値よりも小さく圧力P2の最小値よりも大きく、
    前記第3の収容空間に収容された蓄冷材の圧力がP1またはP2であった場合、蓄冷材の圧力がP3である場合に比べて、蓄冷材の比熱が小さくなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  6. 前記第1の収容空間は、前記蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
    前記第2の収容空間は、前記蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
    前記第3の収容空間は、前記蓄冷器の作動中、温度T〜温度T(T<T)の範囲にあり、
    温度T〜温度Tの範囲において、前記蓄冷材の圧力がP1のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP2のときの比熱の温度変化曲線とが交差していることを特徴とする請求項5に記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  7. 温度T〜温度Tの範囲において、前記蓄冷材の圧力がP1のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP3のときの比熱の温度変化曲線とが交差していることを特徴とする請求項6に記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  8. 温度T〜温度Tの範囲において、前記蓄冷材の圧力がP2のときの比熱の温度変化曲線と、前記蓄冷材の圧力がP3のときの比熱の温度変化曲線とが交差していることを特徴とする請求項6または7に記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  9. 温度T=温度Tおよび/または温度T=温度Tであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一つに記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  10. 前記第1の収容空間は、6K以上の温度領域に配置され、および/または
    前記第2の収容空間は、10K以下の温度領域に配置されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  11. 前記圧力P1は、0.8MPa以上、3.5MPa以下であり、
    前記圧力P2は、0.1MPa以上、2.2MPa以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
  12. 前記第1の収容空間および/または前記第2の収容空間は、複数の中空管の内部もしくは外部に形成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の冷凍機またはパルスチューブ冷凍機。
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