JP5788335B2 - パルプ製造機の回収システムと組み合わせた成形セルロース製造プロセス - Google Patents

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Description

本発明は、リグノセルロースから成形セルロース材料を製造するためのプロセスに関する。アルファセルロースの溶解グレードパルプリッチが、繊維、薄膜及びセルロース誘導体を含む新たなセルロース構成物の成形に適した溶液を形成するアルカリ水和物又は酸性溶媒系で製造且つ溶解される。特に、本発明は、クラフト、亜硫酸塩又はソーダパルプ製造機の成形セルロース材料の製造を組み合わせるためのプロセスを扱い、使用済みのセルロース溶解又はセルロース成形化学物質の少なくとも一部が、パルプ製造機化学物質回収サイクルの1又はそれ以上のユニット工程で回収される。
木材又は一年生植物といったリグノセルロース材料の他の原料をパルプ化するための現在の工業的プロセス、及び得られるパルプを漂白するためのプロセスが、10年間でゆっくりと発達してきている。競争に生き残るために、成熟したパルプ及び製紙工業は、パルプ製造機で製造された製品のための新たな市場を模索している。セルロースをさらに精製し、ヘミセルロース及びリグニンの価格を安定維持することは特に関心がある。
溶解パルプは、高いアルファセルロース含有量(>90%)を有する低収率(木材に関して30乃至40重量%)の漂白化学木材パルプである。このようなパルプは、高いレベルの輝度及び高純度といった特徴を有する。溶解パルプは、再生セルロース製品の製造に使用される。再生セルロース繊維を製造するための主要なプロセスである、ビスコースプロセスは、高い環境的負担及び高いエネルギ需要に悩んでいる。ビスコースプロセスは、大量の二硫化炭素を使用するが、多くの場合、硫化カルボニル、硫化水素及び有機硫化物といった、悪臭を伴う不純物で汚染される化学物質である。現在の技術の最も良いものでさえ、ビスコース工場から発せられる臭いを抑えることができない。さらに、使用済みの溶解及び凝固化学物質を回収するための効果的な化学物質回収プロセスがない。
再生セルロース繊維を製造するためのNMMO(N−メチルモルホリン酸化物)プロセスといった新たな非誘導体化プロセスが、ビスコースプロセスに代わるものとして現れているが、しかしながら、NMMO溶媒の回収は複雑であり、エネルギを要しコストがかかる。中国特許出願CN101280476は、カチオン及びアニオン樹脂を用いてNMMO溶液を再生利用するための新たな方法を扱っている。
欧州特許出願EP1900860は、水酸化ナトリウムと尿素との混合物中の溶解セルロースためのプロセスを扱っている。このようなプロセスは、ビスコース及びNMMOプロセスと比較して利点を有するが、溶解/凝固化学物質を回収する方法については示唆がない。
溶解するタイプのパルプは、前加水分解クラフトプロセス又は亜硫酸塩プロセスによって製造されるか否かに拘わらず、ビスコース又はセルロースエステル、レーヨン繊維及びセロファンといったセルロース誘導体を製造するために従来から使用されている。レーヨンは、衣類のトップス、コート及びジャケットで使用される軟らかい織物材料である。溶解グレードパルプ又は綿地毛繊維のいずれかからビスコース材料を製造できる。製造プロセスは、水酸化ナトリウムで繊維を処理する(苛性処理)ことによって開始する。その後、苛性化されたパルプは、二硫化炭素と混ぜられキサントゲン酸セルロース、セルロースエステルを形成する。キサントゲン酸セルロースは、ビスコースセルロース溶液を形成する水酸化ナトリウムで分解する。セルロース溶液又はビスコースは、セロファンを作るスリットを通して、又はレーヨンを作るスピナレットを通して酸性浴の中に押し出される。酸性環境では、キサントゲン酸エステルがセルロース及び硫黄化合物に分解される。二硫化炭素の一部が回収且つ再循環され、新たなセルロースを処理する。
欧州特許EP1521873が、従来のビスコース処理の特定の新たな態様を説明する固形再生ビスコース繊維を製造するためのプロセスを扱っている。
ビスコースプロセスは、100年間にわたってかなり発達し、このプロセスは依然として、再生セルロースを製造するための市場に主要な位置を有する。ビスコースプロセス(及びNMMOプロセス)に関する詳細として、「Regenerated Cellulose Fibres」The Textile Institute,Ed.Calvin Woodings,Cambridge 2001.(ISBN 1 85573459 1)を参照されたい。
アルカリ(クラフト、水酸化ナトリウム)及び酸(亜硫酸塩、亜硫酸水素塩)のパルプ化プロセスによって溶解パルプを製造できる。クラフトプロセスでは、蒸解液が水酸化ナトリウム及び硫化ナトリウムで作られ、非硫黄ソーダパルプ製造機で、硫化ナトリウムが同じ場所で少なくとも部分的にアントラキノンと置換する。亜硫酸塩を用いる製造機は、活性化蒸解化学物質として亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸/亜硫酸水素マグネシウムを使用する。パルプ製造機の化学物質回収サイクルは、回収ボイラー、蒸発工場、二酸化硫黄回収ボユニット(亜硫酸塩を使用する工場)及び苛性化工場(アルカリパルプ工場)を有する。クラフト、ソーダ及び亜硫酸塩化学物質のパルプ化の詳細については、「Chemical Pulping」Book 6A,Ed.Johan Gullichsen,2000.(ISBN 952−5216−06−3)及び「Pulp and Paper Manufacture」Volume 4.Sulfite Science & Technology”Ed.by O.V.Ingruber,1985.(ISBN 1−919893−22−8)を参照されたい。
セルロースパルプ化工程の目的が、溶解タイプのパルプを製造することである場合、製品に関する目標とする物理的特性のパラメータは、紙パルプについての目標とする特性のパラメータとは異なる。引裂強度及び引張強度はあまり重要ではない一方、セルロースのパルプ純度(低いリグニン含有量、低い金属及び灰分含有量)が本質的である。
従来のビスコースプロセスに代わる新しく且つ効果的なセルロース溶解プロセスの必要性があることが明らかである。
本発明は、クラフト、亜硫酸塩又はソーダAQパルプ製造機のセルロース繊維製品と、新たな溶媒系を用いてセルロースを溶解するためのプロセスとを組み合わせるためのプロセスを扱し、使用済みのセルロース溶媒化学物質の少なくとも一部が、パルプ製造機の化学物質回収サイクルの1又はそれ以上のユニット工程で回収される。
本発明の1つの目的は、セルロースパルプ製造機に取り入れられる成形セルロース材料を作製するための効果的なセルロース溶解プロセスを確立することである。
本発明の別の目的は、新たなセルロース繊維、薄膜又はセルロース誘導体に成形するのに適したセルロースドープを製造するための低い資本集約度及び環境的に優れたプロセスを提供することである。
本発明の目的は、セルロースの結晶化度を壊すための能力を具えた両親媒性添加剤を任意に含む溶媒でセルロースを溶解するための、アルカリ性又は酸性セルロース溶媒を使用することによって達成される。セルロースの溶解又はセルロースの成形のために使用される溶媒化学物質の少なくとも一部が、脱リグニン化学物質、酸素脱リグニン化学物質又は漂白化学物質の回収とともに、同じプロセス機器で回収される。回収されたセルロース溶媒及び化学物質は化学物質の回収から再生利用され、セルロースを溶解し又は新たな繊維、薄膜又はセルロース誘導体にセルロースを成形する。
このため、本発明のプロセスは、パルプ化化学物質の回収及びセルロースの溶解及び成形のための化学物質の回収のための一体化された回収システムを具えた、溶解セルロースパルプ製造及びセルロース溶解プロセスに関する。いくつかのステップで主要なプロセスが実施されるが、第1のステップは、リグノセルロース材料の可触性を増すために、木材又は一年生植物材料といったリグノセルロース材料の物理的及び化学的処理を含む。
化学的及び物理的予処理に続いて、材料が、脱リグニン化した茶色のセルロースストックパルプを得るために任意に1又はそれ以上の活性化学試薬の存在下で、アルカリ性又は酸性緩衝液で蒸解される。茶色のストックパルプは、さらに任意に酸素によって脱リグニン化される。その後、セルロースリッチのパルプが、低いリグニン含有量及び所望の物理的特性を具えた最終的な溶解パルプ製品を得るために、オゾン、二酸化塩素、過酸化水素とった環境に優しい化学物質で漂白される。リグニン要素を含むプロセスで発生する使用済みのセルロース廃液及び使用済みの化学試薬が蒸発によって濃縮され、ガス発生器で完全に又は部分的に酸化される。ガス発生器では、熱い生ガスの流れ及びアルカリ物質及び化学試薬の流れが形成される。アルカリ物質がガス発生器から放出され、次の再利用及びパルプ製造プロセスでの再使用のためにさらに処理される。代替的又は部分的又は完全な酸化と組み合わせて、リグニンの回収のために使用済みの廃液を酸で処理する。
上記の手順によって生成される溶解パルプは溶媒で溶解され、実質的に均一なセルロースリッチの溶液又はゲルを形成する。パルプ溶解ステップは、溶解パルプ工場に直接的に隣接して都合良く実施される。
以下のセクションでは本発明をより詳しく説明するが、初めに供給材料の調整から説明する。
1)供給材料の調整及びヘキソースヘミセルロースの回復
ユーカリ、アカシア、ブナノキ、カバノキといった硬材及び熱帯雨林産の硬材とスギ、トウヒ及びツガといった軟材との組み合わせの双方を、本発明のセルロース溶媒系で溶解するのに適した溶解パルプを製造するために使用できる。
ヘミセルロースは、少なくとも部分的に、溶解パルプから除去する必要がある。ヘミセルロースの除去を、調整前の酸又はアルカリの前加水分解抽出処理によって、又はキシランといったペントースのケースでは、調整の後にパルプ製品から抽出することによって実行できる。本出願では、最終的な溶解パルプ製品のヘミセルロース含有量は、約7重量%を下回り、好適には約3重量%を下回る。
木質セルロース供給材料からヘミセルロースを除去するために、調整ステップは、チップの前加水分解ステップに先行する。このような処理は、ヘミセルロースの除去に加えて、木材構造の内部への調整用化学物質の接近性を増加させ、その後のパルプ操作における有効なアルカリ必要量を減らす。特に、前加水分解段階を、本発明のプロセスの原料がグルコマンナンといった相当量のヘキソースを含む場合に適用する。
このような状況における様々な前加水分解は、基本的に、175℃乃至225℃の温度でのリグノセルロース物質のスチームによる加水分解である自発的加水分解である。
自発的加水分解の下では、前加水分解段階において見られるようなヘミセルロース成分が可溶化し、フェノールとエーテルとの結合の開裂によりリグニンが部分的に加水分解する。
前加水分解のさらに別の変形タイプである蒸気爆発による加水分解では、木材が、数分間200℃乃至250℃の温度で蒸気により処理される。このような処理に続いて爆発的に急速な放出が起き、セルロース基板を分解する。しかしながら、このようなタイプのプロセスでは、セルロース材料への化学的及び機械的な攻撃により炭水化物の大規模な脱重合につながる。
前加水分解処理から生じるパルプ廃液は、好適には、パルプにさらなる処理を行う前に、セルロース材料から除去する必要がある。セルロース材料を洗浄することによって又はプレスすることによって、抽出ストレーナを通してパルプ廃液を除去できる。任意のリサイクルの後に、パルプ廃液が処理前のステップから放出される。
前加水分解ステップの間のpHは、所望のヘミセルロース除去の度合いに応じて、(温度、時間及び添加剤によって)約0.5乃至7.0の範囲の、好適には1.0と5.0との間のレベルの、自発的加水分解のケースでは4乃至6の任意の適切な値に調整できる。
2)蒸解/脱リグニン
セルロース材料が、チップ化、蒸気処理又は前加水分解といった前処理を受けた後に、この材料が、溶解可能なアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物に基づいて、アルカリ性又は酸性の蒸解溶液の存在下で蒸解される。ベースのアルカリ金属はナトリウムで、ベースのアルカリ土類金属はマグネシウム又はカルシウムである。
蒸解ステップの目的は、蒸解液の中のリグニンを分解することによって、セルロース及びリグニンを分離することである。クラフト又はソーダ法のケースでは、アルカリ性の蒸解液が、主にアルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩(及びクラフトでは水硫化ナトリウム)から成る。酸性の蒸解液は、リグニンをスルホン化及び分解する能力を有する任意の亜硫酸塩蒸解液である。アルカリ性のパルプ化処理では、アルカリ金属のリン酸塩及びアルカリ金属ホウ素をアルカリ蒸解液として使用できる。
アルカリ蒸解液は、パルプ化プラントの回収システムの化学物質に由来し、部分的な苛性化の有る無しに拘わらず、蒸解段階で再循環される。蒸解液にホウ素ベースのアルカリが存在する場合、ホウ素化合物が回収ボイラーの中で部分的に自動的苛政化されるため、苛政化及び石灰の再燃焼必要量が低くなる。
亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムパルプ製造機では、蒸解用の酸を再循環させるために、ナトリウム塩から分離するのに硫黄が必要となる。亜硫酸塩プロセス廃液(媒染剤紅)に存在するナトリウム硫酸塩、亜硫酸塩、リグノスルホン酸塩は、回収ボイラーに硫化ナトリウムを含む溶融物を形成する。この溶融物は分解され、ナトリウム及び硫黄化合物が分離して新たな蒸解用の酸を形成する。マグネシウムベースのパルプ製造機では、マグネシウム及び硫黄が回収ボイラーで分離される。固形酸化マグネシウム粒子が、水酸化マグネシウム溶液を形成するよう除去且つ分解される。ガス状の硫黄酸化物が新たなマグネファイト蒸解液を形成する水酸化マグネシウムで洗浄される。
パルプ化プロセスに拘わらず、蒸解段階の温度が約110℃乃至約200℃の範囲内に、好適には約120℃乃至160℃に保持される。より高い蒸解温度では、反応容器中でのより短い保持時間を要する。30乃至約60分の保持時間が、170℃乃至200℃の範囲の温度で十分である一方、約170℃よりも低い蒸解温度で所望の結果を得るのに60分乃至360分を必要とする。
ハイドロリック又は蒸気タイプの連続的な蒸解装置又は木材が蒸解処理にわたって反応容器に保持されるバッチタイプの蒸解装置といった従来の型のシングル又はデュアル容器が、蒸解反応を含めるよう採用できる。
これらのステップからの廃液の回収を、酸素脱リグニン段階からの廃液の回収を具えた既知の方法に組み込むことができる。蒸発によって廃液を濃縮でき、別の燃焼器又はガス化装置で燃焼し、さらなる処理のために他の廃液と混合する。
脱リグニン触媒及び他の添加剤を本プロセスの蒸解段階に加えることができる。これらの添加剤のいくつかは、一般にセルロース材料のアルカリアルカリ消化の際の脱リグニンの速さを高めるよう使用される。
硫黄化合物を含まないパルプ化は、環境上の理由だけではなく硫黄を含まないリグニン回収に可能性から特に関心がある。硫黄を含まないアルカリパルプ化プロセスの特定の多環芳香族有機化合物を、蒸解段階に加えることができるが、このような化合物は、1−メチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メトキシアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン及び2,7−ジメチルアントラキノンといった、アントラキノン及びその誘導体を含む。この段階における可能性のある有益な機能を備える他の添加剤は、炭水化物保護体及び遊離基捕捉剤である。このような化合物は、トリエタノールアミン及びエチレンジアミンといった様々なアミン及びメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソブチルアルコール、ネオペンチルアルコール及びレゾルシノール及びピロガロールといったアルコールを含む。
アントラキノン及びその誘導体は、硫黄を含まないパルプ化構成の蒸解段階で使用するための好適な有機添加剤を構成する。アントラキノン添加剤は、好適には、乾燥セルロース物質の1重量%を超えない量、特に約0.5%未満で使用される。
本プロセスの蒸解段階での最適な動作条件及び化学的投入は、セルロース原材料のソース及び起源、最終製品の用途等を含むいくつかのパラメータに依存する。それぞれの個々のケースについて、当業者はこれらの特定の条件を容易に決定できる。
3)酸素脱リグニン化
蒸解/脱リグニン化の後に、繊維を遊離させるためにセルロース材料が任意に機械的繊維離解処理を受け、次の酸素脱リグニン化段階において反応物間の十分な接触が促進される。繊維離解は、その広い意味において、処理装置の中に繊維が蓄積した材料を導入することによって実現でき、処理装置の中で、個々の繊維間の化学的結合が壊れ、基本的に乱されない物理的な力に影響される結合が残ることによって、繊維が互いに少なくとも部分的に解れる。さらに、処理された繊維蓄積の離解は、繊維蓄積の中の固形の化学的に結合した粒子を切断又は分割せずに、繊維を実質的且つ完全に分離するのに十分強いせん断力を材料に与えることによって実行される。
酸素ベースの分子を具えた酸素脱リグニン及び漂白は、漂白クラフト及び亜硫酸塩パルプの製造とともに標準的になっており、酸素化合物のコストが顕著に低下している。
アルカリ蒸解ステップと同様に、酸素脱リグニンの間にアルカリ溶液もまた存在する。アルカリ溶液は、水酸化アルカリ金属及びアルカリ金属炭酸塩を含む。アルカリ金属リン酸塩及びアルカリ金属ホウ素化合物といった、他の緩衝化学物質を使用できる。クラフト工場の酸素脱リグニン段階で使用されるアルカリ溶液は、化学物質回収システム、特に苛性化ユニットに由来し、溶液のアルカリ度が約13を上回るpH値に回復する(白液)。アルカリ溶液(白液)での還元硫黄化合物を無くすために、溶液が空気、酸素及び/又はオゾンを用いて都合良く酸化できる(白液酸化)。
酸素脱リグニン段階に添加される酸素は、純酸素又は酸素を含むガスとすることができ、反応器で必要とされる酸素のコスト及び分圧に基づいて選択される。反応器の全圧は蒸気、酸素及び酸素脱リグニンプロセス反応の結果として注入又は放出される他のガスの分圧で構成されている。酸素の分圧を0.1MPa乃至2.5MPaの範囲に保持する必要がある。
蒸解ステップ2)及び酸素脱リグニンステップ3)の主要な目的は、リグノセルロース材料から遊離且つ分解することである。蒸解ステップ2)が過酷な状況で行われる場合、セルロース材料のリグニン含有量は蒸解の後で約2%よりも低く、酸素脱リグニン段階が省かれる。酸素脱リグニンがない構成の欠点は、次のステップ4)もまたリグニン除去のために最適化する必要があることである。
4)漂白及びキシラン回収
ここで説明摺る手順にしたがって作製されたセルロースパルプは最終的に処理され、1又はそれ以上のステップで、アルカリ抽出及び/又は二酸化塩素、次亜塩素酸塩、過酸化物及び/又は酸素、オゾン、シアナミド、ペルオキシ酸、窒素酸化物又はこれらの漂白剤の組み合わせといった効果的な漂白剤を用いた漂白によって高品質の溶解パルプを得る。
パルプの高輝度への漂白(ISO88よりも高い)は別として、パルプ漂白工程の間にリグニン含有量もまた低くなる。漂白後のセルロースパルプのリグニン含有量は、約2重量%よりも低い必要があり、好適には約0.5重量%よりも低い。
パルプ流に対して反流するよう投入されるアルカリ組成は別として、漂白及び抽出段階で使用されるアルカリの一部又は全部が、パルプ製造機再苛性化工場で再生利用される。再生利用されるアルカリ中の還元した硫黄は、酸化によって除去される。
アルカリ漂白工場でろ過された液体は、反流して酸素脱リグニン段階に戻される。特に、次亜塩素酸塩、オゾン、窒素酸化物又は他の酸性処理段階に由来する酸性の漂白施設でろ過された液体は、前加水分解供給予処理段階に直接的又は間接的に再循環できる。
パルプ化プロセスへの供給原料がペントースリッチの硬材で、パルプ製品からのペントースの部分的な除去を要する場合、キシランといったペントースを、蒸解/脱リグニンステップの後であってセルロース溶解の前の任意の段階で、セルロースパルプから都合良く除去できる。水性の抽出剤、好適には水性の水酸化アルカリ金属(冷浸又は温浸)によって、キシランを選択的に分解するために選択される条件で、抽出が実行される。二酸化炭素といった酸で酸性にすることによって又は水又はエタノール又はイソプロパノールのようなC1−C4アルコールといった有機溶媒による抽出剤の希釈によって、分解キシランが抽出剤から析出する。析出したキシランは除去され、抽出剤が再生利用され、必要に応じて苛性化され新たなパルプを処理する。
(上述のようなキシランを含む)回収されたペントースはパルプ製造機から運び出すことができ、又はその場でフルフラール、乳酸、PLA等といった無害化学品及びポリマーに改善できる。代替的に、酸化に続く分別/蒸留を含む酸化プロセスを用いて、回収されたペントースをその場でフルフラールに変えることができ、又は触媒蒸留ユニットでフルフラールに直接的に変えることができる。
5)化学物質及びエネルギの回収
使用済みのパルプ廃液は、リグニン及び他の有機材料の事前の抽出のあるなしに拘わらず、回収処理のさらなる処理に引き出され、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物及びエネルギ値を回収する。
使用済みの蒸解液は、リグノセルロース材料から分解したリグニン及び他の有機物質とともに、ほぼ総ての無機蒸解化学物質を含んでいる。蒸解装置から放出される薄い使用済みの廃液の初期濃度は、水溶液中の約15%の乾燥固形物である。薄い使用済みの廃液は、約65%乃至約85%の範囲の蒸発器及び濃縮器の焼成条件に濃縮される。
使用済みのパルプ化溶液の処理のために標準的な回収ボイラーを使用できる一方、セルロースの使用済み廃液のガス化又は部分的酸化に基づく化学物質回収システムもまた使用できる。
エネルギ及び化学物質の回収に関する炭素質材料のガス化は、良く確立された技術であり、パルプ製造機の化学物質及びエネルギの回収に関する代替として現れてきている。セルロースの使用済み蒸解液は、低融点及び凝固点を具えた高濃度の塩を含んだ無機化合物を含んでおり、セルロースの廃液の変換に関する様々な流動床の概念が開示されているが、いる。懸濁液又は混合流ガス化装置が使用済みの蒸解液をガス化するのに最も適していることが一般に認められている。
本発明の実施において、例えば、米国特許第4,917,763号、米国特許第4,808,264号及び米国特許第4,692,209号に記載されたガス化装置を含む、わずかに改良したいくつかのタイプのガス化装置又はガス発生器を使用できる。これらのガス化システムは、高い硫化度の使用済みクラフト及びナトリウムベースの亜硫酸塩蒸解液からの化学物質及びエネルギ回収に適している。硫黄化合物はアルカリ硫化物として回収されるが、硫黄の大部分もまた、硫化水素及び硫化カルボニルとしての原燃料ガスから生じる。原燃料ガスの混入溶解アルカリ化学物質は、冷却及び急冷段階でガス蒸気から分離され、水溶液で分解される。緑液と称されるアルカリ溶液は石灰で苛性化され、高アルカリ度の白液、クラフトパルプ工程で使用される従来の蒸解化学物質を得る。
一方、米国特許第4,872,886号及び米国特許第4,060,397号に記載された重い炭化水素及び石炭のガス化のために設計された2段階の反応ゾーンの上昇気流ガス発生器もまた、わずかな改良で、本発明の実施で使用できる。
本発明の使用に適した構成の別のガス発生器が、米国特許第4,969,931号に開示されている。
ガス発生器又は回収ボイラーのタイプ及び構成に拘わらず、ユニットに形成された無機融解液滴及びエアロゾルが、ガス流から分離され水溶液で分解される。この溶液は、本発明の酸素脱リグニンのアルカリ、アルカリ蒸解段階及びセルロース溶解/セルロース成形段階として、任意に苛性化を介して使用するのに適した形式のアルカリ化合物を含んでいる。苛性化は、アルカリ化学パルプ化の技術で周知のユニット工程であり、ここで説明しない。
使用済みの蒸解液に硫黄化合物が存在するが、これらの化合物は、回収ユニットの構成に応じてアルカリ硫化物及びアルカリ亜硫酸塩を形成する。このようなアルカリ硫化物は、クラフトプロセスにおける有効なパルプ化化学物質/触媒である。ナトリウムベースの亜硫酸塩を用いた製造機では、新たな蒸解用の酸を戻すのにナトリウム及び硫黄を分離することが必要である。クラフト及び亜硫酸塩の製造機の化学物質回収構成及び工程は、当技術者に周知である。
パルプ化及び漂白工程のために回収される化学物質に加えて、パルプ製造機の回収システムはまた、セルロースの溶解、セルロースの凝固及び成形セルロースの洗浄液の回収及び回復のために使用される。これらの水溶液はアルカリ金属値を含んでおり、活性分解化学物質に戻すことを要する。セルロース溶解段階で使用するための水酸化アルカリ金属の回収は、蒸発装置の濃縮、回収ボイラー又はガス発生器の使用済みのパルプ化溶液と組み合わせた部分的又は完全酸化、再苛性化工場での苛性化、白液酸化工場での酸素による処理のうちの1又はそれ以上を含んでいる。硫酸又は亜硫酸をセルロース凝固ステップで使用する場合、水中で分解すると使用にセルロース凝固ステップでの適した酸性溶液を形成する還元硫黄化合物の硫黄酸化物への酸化にわたって、このような酸を分解したナトリウム及び硫黄から回収できる。
本発明の回収システムで生成されるアルカリ溶液は、溶液を再循環させて本発明の所望のセルロース/成形、漂白又は酸素脱リグニン段階に投入する前に、微量の硫化物をなくすために、酸素含有ガスで酸化処理を受けることができる。
6)硫黄を含まないリグニン回収
本発明の一実施例では、パルプ化プロセスが実質的に硫黄を含まない。このような構成では、回復ボイラー又はガス発生器への最終的濃縮及び放出の前に、リグニンの一部を使用済みの廃液蒸気又は蒸解装置の循環蒸気から都合良く抽出且つ分離できる。実質的に硫黄を含まないリグニン化学物質をリグニン回収技術の状態にしたがって回収できる。硫黄を含まないリグニンを、精製化学製品、炭素繊維、フェノール、及びエンジニアリングプラスチック製品の原材料又は前駆体として使用でき、又は硫黄を含まないバイオ燃料として使用できる。リグニンは、硫黄酸化物溶液及び二酸化炭素を含む1又はそれ以上の酸の作用によってサポートされる3乃至30%の範囲の固形分を具えたセルロースの廃液から析出できる。硫黄酸化酸性溶液をここで説明するようにその場で作製できる。二酸化炭素を溶解パルプ製造機のガス蒸気から回収できる。ここで説明する手順によって回収された洗浄されたリグニンの硫黄の総含有量は、約1重量%の乾燥リグニンよりも低く、好適には0.5%の硫黄よりも低く、より好適には約0.1重量%の硫黄よりも低い。
7)アルカリ又は酸性溶媒中のパルプの溶解及びセルロースの成形
化学的パルプ製造機に入り又はそこで製造される溶解グレードパルプは、実質的に均一のセルロース溶液を形成するセルロース溶媒で溶解する。溶解セルロースは、セルロースの溶解に続く1又はそれ以上のステップで、新たな繊維、薄膜、又はセルロース誘導体に成形される。凝固化学物質を含む凝固液への、直接的又は空気ジェットによる、ノズルを通したセルロース溶液の注入によって、新たな繊維へのセルロースの成形を実施できる。凝固化学物質は、セルロース溶媒が薄いことを特徴とする。セルロース繊維は、凝固ステップで再生セルロースのフィラメント又は紐に再形成される。フィラメント又は紐は、セルロース溶解工場から出すためにセルロースステープル繊維に、都合良くさらに変換できる。セルロースステープル繊維を、布地及び衛生的な消費者製品といった広範囲の最終製品で使用できる。また、セルロースの成形を、不織布セルロース繊維ネットワーク(スパンボンド不織布)を形成する移動床へのセルロース溶液の注入によって実施できる。凝固液を移動床に加えることができ、その後、繊維ネットワークを強くする。水流交絡の様々な形式を適用して、所望のセルロースネットワーク構造及び強度を得ることができる。また、均一層の溶解セルロースを、例えばセルロースエステルといったセルロース誘導体を形成する反応物と反応させることによって、セルロース成形を実施できる。
セルロース溶解及び/又は凝固化学物質の回収を、蒸解及び酸素脱リグニン化学物質の回収とともに行えるという、大きな技術的、環境的且つ商業的利点があることを本出願人は発見している。驚くべきことに、本発明の溶解又は凝固ステップで使用される化学物質は、選択条件及び添加剤を使用する場合、蒸解及び/又は酸素脱リグニンにも使用される回収システムで回収される。
セルロースドープに高いセルロース濃度を得るために、主としてセルロース溶解化学物質への可触性を高めるために、溶解の前に、(蒸解、漂白及びヘミセルロース抽出の後に得られる)溶解パルプを活性化できる。また、活性化は、セルロースを部分的に脱結晶化し、溶解パルプ中の700乃至1300の範囲の典型的なDp(無水グルコースの繰り返し単位の重合度)から、200乃至700の範囲にセルロース分子を短くする。水酸化アルカリ中での膨潤、酵素処理、電子ビーム処理、熱水処理及び蒸気爆発処理のいずれか又はそれらの組み合わせによって、溶解パルプの活性化を実施できる。
セルロース材料の熱水処理を、(弱い有機酸といった)添加剤の存在の有る無しに拘わらず、30分乃至5時間、約100℃乃至200℃の温度で密閉容器(バッチ蒸解装置)で実施できる。溶解パルプ活性段階へのエネルギの供給のために、マイクロ波を使用できる。
5乃至500秒間、2MPa乃至6MPaの範囲の圧力の蒸気でセルロースパルプ又はパルプスラリーを処理することによって、連続的又はバッチ式で蒸気爆発活性化を実施できる。任意に、パルプスラリーのpHをアルカリの添加によって約7を下回るpHに調整できる。蒸気処理の後に、パルプは相当低い圧力又は大気圧で容器の中に急激に放出される。ここで開示される蒸気爆発活性化処理によってキシランリッチのパルプを処理する場合、キシランがパルプスラリーに相当程度分解される。このようなキシランを、ここで記載される手順にしたがって回収且つ改善できる。
ここに記載した活性化手順の後に、活性化セルロースパルプは、セルロース溶解ステップに移行する。
最も好適なセルロース溶解化学システムは、両親媒性添加剤の存在下での水酸化アルカリに基づいている。両親媒性化合物は、親水性及び親油性部分を有することを特徴とする。水酸化アルカリは、好適には、炭酸ナトリウムリッチの溶液を苛性化することによって生成される水酸化ナトリウムである。還元硫黄を酸化するために、水酸化ナトリウムを酸素又はオゾンで予処理できる。セルロースドープ中の水酸化アルカリの濃度は、20重量%未満であり、好適には、約10重量%に調整される。
両親媒性化合物は、高分子電解質、(アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性イオン性)界面活性剤、ポリエチレングリコール、尿素、チオ尿素、又はグアニジンである。特に好適な両親媒性化合物は、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体及びレシチンを含んでいる。溶液中の約10重量%未満のセルロース濃度、好適には約3%未満の濃度で、添加剤を使用できる。
セルロースの溶解は、好適には、マイナス15℃乃至プラス20℃の温度範囲で実施される。
セルロース紡績装置が高粘度のドープに適用できる場合、セルロースドープ中のセルロースの濃度は、25重量%にもなる。セルロースポリマーを液晶層の形式のドープに並べることができ、このような相は、高強度の新たな繊維中へのセルロースの成形に関する利点を有する。
また、均一な反応の実施又は従来の紡績機械における紡績に関して、低粘度及び適切なセルロースドープレオロジーを有するために、セルロースの濃度を低く(5乃至15重量%)維持できる。
セルロースを含む紡績ドープを、細いノズルを通して凝固液浴の中に注入し、セルロースフィラメント又は糸を形成できる;代替的に、不織布ウェブを形成する移動床の中に紡績ドープを注入できる。凝固液は、セルロースを溶解するための低い又は非常に低い能力を具えた適切な液体である。都合の良いことに、凝固液が一価アルコール(エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール)といったアルコール、アセトン又は多価アルコール(グリセロール)を含んでいる。また、凝固液は、酸(酢酸、ギ酸といった有機酸及び硫酸といった無機酸)又はリン酸塩及び/又は硫酸塩から成る。さらに、凝固液は希釈セルロース溶解液とすることができる。亜鉛化合物を含む様々なタイプの添加剤を凝固液に加え、所望の物理的特性及び幾何学的形状を具えたセルロース繊維の形成を促進できる。使用済みの凝固液は、少なくとも部分的に再利用され、蒸解、酸素脱リグニン又はパルプ漂白のための化学物質の回収のために使用される同じ機器で回収される。
セルロース薄膜、不織布ウェブ、水流交絡結合材料、フィラメント又は糸(tow)が生成された場合、セルロース製品は、通常1又はいくつかの段階で洗浄液で洗浄される。洗浄液の再利用且つ回収のためのシステムは、都合の良いことに、パルプ製造機エネルギ及び化学物質回収システムに組み込まれる。
ここで開示されるアルカリセルロース溶媒系に加えて、濃縮リン酸、有機スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸又はアリールスルホン酸)及び/又は溶融塩水和物が、好適には、塩化亜鉛を含んでおり及び/又はLiClO・3HOといったリチウム負イオンをセルロース溶解及びセルロース成形のために使用できる。このような構成の凝固液は、水、アセトン、アルコール、リン酸塩又は水酸化アルカリとすることができる。パルプ製造機でのエネルギ集積はこれらの分解化学物質では複雑ではないが、凝固液からの酸及び溶融塩水和物の再生は、アルコールセルロース溶媒の回収よりも相当複雑である。硫酸塩を形成する硫酸及び所望のリン酸を含む凝固液から回収されるリン酸塩を処理することによって、セルロース溶解のための新たなリン酸を生成できる。
(生成リン酸からの副生成物又は使用済みのセルロース凝固液に存在する)使用済みの化学物質の硫酸塩を、硫化物への還元のために回収ボイラー又はガス発生器に直接的又は間接的に投入できる。そして、硫化物を、例えば硫化水素ガスの形式に分離でき、このガスは硫黄酸化物に酸化される。このような方法で生成される硫黄酸化物を、セルロース凝固ステップでの使用に適した硫酸又は酸性硫黄酸化物溶液を形成する水中で分解できる。
本発明によれば、リグノセルロースからの成形セルロース材料の生成のためのプロセス及び独立した請求項1で説明されるこのようなプロセスで使用された化学物質の回収のためのプロセスが提供される。
本発明のさらなる態様及び特定の実施例が、従属請求項に説明されている。

Claims (28)

  1. 一連の分離、溶解及びセルロース成形ステップによって、リグノセルロースから成形セルロース材料を製造するための方法であって、前記方法が:
    a)セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含む粉砕リグノセルロース材料の供給原料を供給するステップと;
    b)溶解可能なアルカリ、アルカリ土類金属又はリン酸塩化合物を含む水溶液中で、約1乃至6時間の間、約110℃と200℃との間の温度で前記材料を蒸解することによって、リグノセルロース供給材料からリグニンを分離し、これにより、セルロースが豊富な固形材料の第1のストリーム及び溶解リグニンが豊富な第2のストリームを形成するステップと;
    c)ステップb)によるセルロースの前記第1のストリームを、酸素脱リグニン、漂白及びアルカリ抽出のうちの少なくとも1によって処理して、リグニン含有量が約2%未満のセルロースパルプを形成するステップと;
    d)溶解リグニン、アルカリ、アルカリ土類、リン又は硫黄化合物を含む廃液流を、廃液濃縮ユニット、任意の苛性化ユニット、及びガス発生器又は回収ボイラーユニットを含む化学物質回収システムで処理するステップであって、新たなアルカリ、アルカリ土類金属、リン又は硫黄化合物が回収且つ再形成されるステップと;
    e)アルカリ、アルカリ土類、リン又は硫黄化合物を含む溶液中でステップc)で形成された約2重量%未満のリグニン含有量を有するセルロースを溶解するステップ、又は溶融塩中でセルロースを溶解するステップであって、前記溶液が任意に1又はそれ以上の添加剤を含むことで、溶解セルロースを含む実質的に均一な溶液を形成し、その後、1又はそれ以上のセルロース成形ステップで、繊維状又は薄膜状に溶解セルロースを成形するステップと;
    f)ステップd)の1又はそれ以上の化学物質回収システムに、アルカリ、アルカリ土類金属、リン及び硫黄化合物を含む、使用済みのセルロース溶解又はセルロース成形した化学物質を直接的又は間接的に再循環させるステップであって、前記使用済みの化学物質が:
    f1)セルロース溶解ステップ
    f2)セルロース成形又はセルロース凝固ステップ
    f3)成形セルロース洗浄ステップ;
    のうちの少なくとも1で放出されるステップと;
    g)ステップd)の化学物質回収システムから直接的又は間接的に回収されるアルカリ、アルカリ土類金属、リン又は硫黄化合物を含む、新たなセルロース溶解又はセルロース成形化学物質を、ステップe)のセルロース溶解又はセルロース成形ステップに投入するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  2. セルロースパルプから及び使用済みのセルロース溶解及びセルロース成形した化学物質の回収且つリサイクルにより、成形セルロース材料を製造するための方法であって、
    h)リグニン含有量が約2%未満のセルロースパルプの供給原料を供給するステップと;
    i)アルカリ金属、アルカリ土類金属、リン又は硫黄化合物のうちの1又はそれ以上を含む溶液でステップh)のセルロースを溶解するステップ、又は溶融塩でセルロースを溶解するステップであって、前記溶液が任意に1又はそれ以上の添加剤を含むことで、溶解セルロースを含む実質的に均一な溶液を形成するステップと;
    j)1又はそれ以上のセルロース成形ステップで、繊維状又は薄膜状に、ステップi)の溶解セルロースを成形するステップと;
    k)廃液濃縮ユニット、回収ボイラーユニット、ガス発生器ユニット及び任意に苛性化ユニットの1又はそれ以上に、ステップj)で使用された溶解又はセルロース成形した化学物質を回収するステップであって、化学物質回収システムが、クラフト、亜硫酸塩又はソーダパルプ製造機に組み込まれているステップと;
    を具えることを特徴とする記載の方法。
  3. セルロースパルプが、セルロース溶解化学物質のアクセス性を高めるために、ステップe)又はステップi)の前に活性化されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. アルカリ金属化合物がナトリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. アルカリ土類金属化合物がマグネシウムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ヘミセルロースが、ステップb)の蒸解の前に、供給されたリグノセルロース材料から分離されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 例えばキシランといったペントースが、蒸解ステップb)又はh)の後であるがセルロース溶解ステップの前に、セルロースパルプから分離されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. キシランが、水酸化ナトリウムを含む含水抽出剤で冷浸又は温浸することによって、セルロースパルプから分離され、その後で、水又はアルコールによる前記抽出剤の希釈、又は酸により前記抽出剤を酸性にすることによって、前記抽出剤からキシランが析出することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. アルコールが低級の一価C1−C4アルコールであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 析出キシランが、酸性化を含む酸性処理及び蒸留又は触媒蒸留を用いてフルフラールに変換されることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
  11. セルロース活性化ステップが、水酸化アルカリ中でのセルロースの膨潤、セルロースの電子ビーム処理、セルロースの蒸気爆発処理、セルロースの熱水処理、セルロースの酵素処理のうちの1又はそれ以上によって実行されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  12. セルロースの熱水処理が、0.5乃至5時間にわたる100℃と200℃との間の温度での、添加剤を任意に含む水溶液でのセルロースの処理によって実行されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 蒸気爆発処理によるセルロースの活性化が、前記セルロース、任意に分解キシランがほぼ大気圧で容器の中に急激に放出された後に、5乃至500秒間にわたって2MPa乃至6MPaの範囲の圧力の蒸気でセルロースを処理することによって、連続的に又はバッチ反応器で実行されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. ステップf)のアルカリ金属化合物を含む使用済みのセルロース溶解又はセルロース成形した化学物質が、ステップd)で苛性化プラントに直接的又は間接的に投入され、
    アルカリ炭酸塩が水酸化アルカリに変換されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. ステップf)のアルカリ又はアルカリ土類金属化合物を含む使用済みのセルロース溶解又はセルロース成形した化学物質が、新たなアルカリ又はアルカリ土類金属化合物の回収のために、回収ボイラー又はガス発生器に直接的又は間接的に再循環されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. ステップf)の使用済みのセルロース溶解又はセルロース成形した化学物質が、硫黄化合物の回収のために、回収ボイラー又はガス発生器に直接的又は間接的に再循環されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. ステップf)の使用済みのセルロース成形した化学物質が、セルロース凝固ステップから排出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 使用済みのセルロース溶解又はセルロース成形した化学物質が、水酸化アルカリ、アルカリ炭酸塩、アルカリ硫酸塩、アルカリ亜硫酸塩、亜鉛化合物又はリン酸塩のうちの1又はそれ以上を含むことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
  19. ステップf)の使用済みのセルロース溶解又はセルロース成形した化学物質が、成形セルロースの洗浄段階で回収されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 1又はそれ以上の添加剤が、ステップe)におけるセルロースの溶解又は成形を補助するよう存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  21. 添加剤が両親媒性化合物であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. ステップe)に関する硫黄化合物が、濃硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アリールスルホン酸のうちの1又はそれ以上であり、
    ステップe)に関するリン化合物が、濃リン酸であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  23. ステップe)で使用される溶融塩が、塩化亜鉛及びリチウム塩のうちの1又はそれ以上から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  24. 硫酸が、回収ボイラー又はガス発生器に由来する還元硫黄化合物から生成され、
    前記硫酸の少なくとも一部が、セルロース溶解又はセルロース成形ステップで使用され又はリン酸の製造のために使用されることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 実質的に硫化水素の形式の還元硫黄化合物が、回収ボイラーの溶解物又はガス発生器の分離物の分解によって形成される緑液から遊離し、
    前記硫化水素が、硫黄酸化物に酸化し水中で溶解して、酸性溶液を形成することを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 酸性溶液を、セルロース成形又は凝固ステップで使用し、及び/又は使用済みの蒸解液からリグニンを析出するために使用することを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 前記蒸解ステップb)での蒸解の際に、実質的に硫黄化合物が存在しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  28. 回収ボイラー又はガス発生器に蒸解液を投入する前に、使用済みの蒸解液から実質的に硫黄を含まないリグニンが回収されることを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の方法。
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