JP5783033B2 - ガーニッシュ取付装置およびテザークリップ - Google Patents
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Description
ガーニッシュは、テザークリップのアンカー部およびテザー部の一部を収納する収納部を有する。収納部のガーニッシュ一般部から隔たった壁(以下、「底壁」という)には、テザークリップをガーニッシュに組み付ける時にアンカー部を通過させる長方形挿通孔が形成されている。
ガーニッシュ取付状態では、テザークリップのアンカー部の長手方向とガーニッシュの長方形挿通孔の長手方向とは互いに直交している。
カーテンエアバッグ展開時には、ガーニッシュ係止部によるガーニッシュ係止孔縁部の固定が解けてガーニッシュがフロントピラーから離れる方向に移動する。この時、アンカー部が底壁の長方形挿通孔縁部に引っ掛かりガーニッシュの移動を止めることにより、ガーニッシュが途中まで開いた状態で、テザークリップがガーニッシュを保持し、ガーニッシュの飛散を防止する。
テザークリップのアンカー部の長手方向とガーニッシュの長方形挿通孔の長手方向が直交しているため、カーテンエアバッグ展開時にガーニッシュが途中まで開いた時にアンカー部がガーニッシュの長方形挿通孔縁部に引っ掛かりガーニッシュの移動を止めることができる。
しかし、ガーニッシュに対するテザークリップのテザー部まわりの回転を止める手段が無いため、カーテンエアバッグ展開の際の揺れ動きでテザークリップが回転すると、アンカー部の長手方向と長方形挿通孔の長手方向とが一致して、長方形挿通孔縁部がアンカー部をすり抜けガーニッシュが飛散するおそれがある。
テザークリップは、アンカー部から隔たった位置にてテザー部に結合される弾性片を有している。
テザー部のアンカー接続部に沿う方向に見た時に弾性片とアンカー部とは互いに直交する方向に延びている。
テザー部のアンカー接続部に沿う方向における、弾性片の先端部とアンカー部との間隔は、収納部の底壁の厚みより小さく設定されている。
ガーニッシュ取付装置。
テザークリップは、アンカー部から隔たった位置にてテザー部に結合される弾性片を有している。
テザー部のアンカー接続部に沿う方向において見た時に、弾性片とアンカー部とは互いに直交している。
弾性片は、テザー部との結合部と、結合部と反対側の先端部と、を有している。
テザー部のアンカー接続部に沿う方向における、弾性片の先端部とアンカー部との間隔は、テザークリップが組み付けられるガーニッシュの収納部底壁の厚みより小さく設定されている。
すなわち、エアバッグ展開時に、ガーニッシュが抜去方向に移動してアンカー部が底壁内面に当たった時に、弾性片の少なくとも先端部がガーニシュの長方形挿通孔に入り、テザークリップのガーニッシュに対するテザー部まわりの回転が阻止される。その結果、テザークリップが回転しアンカー部の長手方向とガーニッシュの長方形挿通孔の長手方向が一致した場合に起きる、ガーニッシュのアンカー部通り抜けとそれに続いて起こるガーニッシュの飛散が防止される。
組付けに際しては、アンカー部を長方形挿通孔に挿入し、弾性片が完全に撓むまで押し込む。弾性片のテザー部との結合部とアンカー部との間隔が収納部底壁の厚み以上であるので、弾性片がフラットになるまで押し込むと、アンカー部が長方形挿通孔を通り抜けることができ、テザークリップはガーニッシュに対して回転可能になる。その状態でテザークリップを90度回転させると、弾性片の長手方向と長方形挿通孔の長手方向が一致し、弾性片が長方形挿通孔を通り抜けることが可能になるとともに、弾性片の弾性復元力で弾性片先端部が長方形挿通孔に突入し、テザークリップが回転方向に位置決めされる。テザークリップをさらに押し込み、テザークリップのガーニッシュへの装着を完了する。弾性片によって回転方向に位置決めされることにより、弾性片付きテザークリップは容易にガーニッシュに組み付けられる。
組付け時に弾性片の長手方向を長方形挿通孔の長手方向と一致させた時に、弾性片が長方形挿通孔より小さいので弾性片が長方形挿通孔を通り抜けることができる。これによって、弾性片付きテザークリップのガーニッシュへの組付け、およびサービス時における取外しが、可能かつ容易となる。
組付け時に弾性片の長手方向を長方形挿通孔の長手方向と一致させた時に、弾性片が長方形挿通孔より小さいので弾性片が長方形挿通孔を通り抜けることができる。これによって、弾性片付きテザークリップのガーニッシュへの組付け、およびサービス時における取外しが、可能かつ容易となる。
テザークリップ10は、弾性変形可能な樹脂材からなる。図1に示すように、テザークリップ10は、座部12と、テザー部14と、アンカー部16と、テザー部14の両側に設けられたガーニッシュ係止部18と、弾性片(「弾性アーム」と呼んでもよい)20と、ボデー取付部22を備えている。以下の説明において、一対のガーニッシュ係止部18を結ぶ方向と直交する方向を第1の方向D1と呼び、一対のガーニッシュ係止部18を結ぶ方向を第2の方向D2と呼び、第1、第2の方向と直交する方向を第3の方向D3と呼ぶ場合がある。第1、第2、第3の方向はテザークリップ10に固定の方向とする。
左右の屈曲壁18bの間に中央壁18aが設けられてもよい。中央壁18aは先端で左右の屈曲壁18bと結合する。中央壁18aと屈曲壁18bとの間は先端部を除き空間が存在する。
これによって、左右の屈曲壁18bは第1の方向D1に弾性変形可能である。
左右の屈曲壁18bが、第1の方向D1において、膨出部18c間の間隔がガーニッシュ30の長方形挿通孔40の短辺の長さ以下に弾性変形されると、左右の屈曲壁18bの膨出部18cがガーニッシュ30の長方形挿通孔40を通り抜けることができる。これによって、テザークリップ10のガーニッシュ30への組付け、およびガーニッシュ30のテザークリップ10からの抜去および取外しが可能になる。
カーテンエアバッグ50の展開時(図6に2点鎖線で示す)などにおいて、ガーニッシュ30に抜去力がかかり、ガーニッシュ30がピラー60から離反する方向に移動し、ガーニッシュ30の長方形挿通孔40の縁部がガーニッシュ係止部18の膨出部18cを通り抜けて、アンカー部16が長方形挿通孔40の縁部に当たると、ガーニッシュ30は途中まで開いた状態で止まる。サービス時などにおいて、ガーニッシュ30をピラー60から離反する方向に引っ張りアンカー部16が長方形挿通孔40の縁部に当たった状態で、テザークリップ10をテザー部14まわりに90度回転させ、アンカー部16の長手方向と長方形挿通孔40の長手方向を一致させてガーニッシュ30を引っ張ると、アンカー部16が長方形挿通孔40を通り抜けることができ、ガーニッシュ30を車両のピラーから取り外すことができる。
テザー部14のアンカー接続部14cに沿う方向に見た時に、弾性片20とアンカー部16とは互いに直交する方向に延びており、弾性片20の長手方向とアンカー部16の長手方向とは直交する。
テザー部14のアンカー接続部14cに沿う方向における、弾性片20の先端部20cとアンカー部16との間隔は、ガーニッシュ30の収納部34の底壁36の厚みより小さく設定されている。ここで、弾性片20の先端部20cとアンカー部16との間隔とは、弾性片20が自由状態(弾性変形していない状態)において、弾性片20の先端部20cとアンカー部16のテザー部14のアンカー接続部14cと直交する方向に延びる面との間隔である。
テザー部14のアンカー接続部14cに沿う方向における、弾性片20の先端部20cとアンカー部16との間隔は、ガーニッシュ30の収納部34の底壁36の厚みより小さく設定されている。ここで、弾性片20の先端部20cとアンカー部16との間隔とは、弾性片20が自由状態(弾性変形していない状態)において、弾性片20の先端部20cとアンカー部16のテザー部14のアンカー接続部14cと直交する方向に延びる面との間隔である。
ボデー取付部22は、弾性爪部22aより座部12側に隔たった位置に、ボデー取付部22の外面から半径方向外側に延びボデー取付部22の軸方向に弾性変形可能な襟部22bを有している。
図5に示すテザークリップ10がガーニッシュ30に装着された状態では、テザークリップ10の第1の方向D1はガーニッシュ30の幅方向に向けられており、テザークリップ10の第2の方向D2はガーニッシュ30の長手方向に向けられており、テザークリップ10の第3の方向D3は座部12と直交する方向でピラー60から車室側に離れる方向を含む。
車両の側面衝突時に、図6に示すようにカーテンエアバッグ50は展開、膨張される。カーテンエアバッグ50の展開時には、ガーニッシュ30が途中まで開いた段階でアンカー部16が長方形挿通孔40の縁部に当たってそれ以上のガーニッシュ30のピラー60から離れる方向の移動を止め、ガーニッシュ30の飛散を防止する。ガーニシュ30が途中まで開いた状態におけるガーニシュ30の幅方向車室側端部とピラー60との間の開口を通して、カーテンエアバッグ50が車室側に展開する。図6において、2点鎖線で示したカーテンエアバッグ50は展開状態の一部を示す。
まず、カーテンエアバッグ50の展開時における、ガーニッシュ30に対するテザークリップ10の回転防止作用、効果を説明する。
車両の側面衝突時におけるカーテンエアバッグ50の展開時に、ガーニッシュ30は、展開するカーテンエアバッグ50によって押され抜去方向に移動する。アンカー部16が収納部底壁36の内面36bに当たることによって、ガーニッシュ30の移動が止まる。ガーニッシュ30の幅方向端部とピラー60との間に開口が形成され、この開口を通ってカーテンエアバッグ50が車室内に展開、膨張する。弾性片20の先端部20cとアンカー部16との間隔が、収納部底壁36の厚みより小さく設定されているので、カーテンエアバッグ展開時に弾性片20の少なくとも先端部20cがガーニッシュの長方形挿通孔40に入る。これによって、ガーニッシュ30に対するテザークリップ10のアンカー部16のテザー部14まわりの回転が阻止される。その結果、テザークリップ10が回転しアン
カー部16の長手方向とガーニッシュ30の長方形挿通孔40の長手方向が一致した場合に起きるかもしれない、ガーニッシュ30のアンカー部通り抜けと、それに続いて起こるガーニッシュ30の飛散が、防止される。
テザークリップ10のガーニッシュ30への組付けに際しては、図2に示すように、テザークリップ10のアンカー部16をガーニッシュ30の長方形挿通孔40に挿入する。
10 テザークリップ
12 座部
14 テザー部
14c アンカー接続部
16 アンカー部
20 弾性片
20a テザー部との結合部(テザー結合部)
20c 弾性片の先端部
30 フロントピラーガーニッシュ(ガーニッシュ)
34 収納部
36 (収納部の)底壁
40 長方形挿通孔
50 カーテンエアバッグ
60 フロントピラー(ピラー)
Claims (6)
- テザークリップによりガーニッシュが車両のピラーに取り付けられ、前記ガーニッシュが長方形挿通孔が形成された底壁をもつ収納部を有し、前記テザークリップがテザー部と該テザー部のアンカー接続部に接続されるアンカー部とを備えている、ガーニッシュ取付装置であって、
前記テザークリップが、前記アンカー部から隔たった位置にて前記テザー部に結合される弾性片を有しており、
前記テザー部のアンカー接続部に沿う方向に見た時に前記弾性片と前記アンカー部とは互いに直交する方向に延びており、
前記テザー部のアンカー接続部に沿う方向における、前記弾性片の先端部と前記アンカー部との間隔が、前記収納部の底壁の厚みより小さく設定されている、
ガーニッシュ取付装置。 - 前記テザー部のアンカー接続部に沿う方向における、前記弾性片のテザー部との結合部と前記アンカー部との間隔は、前記収納部の底壁の厚み以上に設定されている、請求項1記載のガーニッシュ取付装置。
- 前記弾性片が前記テザー部を挟んで一対設けられており、前記一対の弾性片の先端部の間隔は、前記長方形挿通孔の長手方向寸法より小さく、前記長方形挿通孔の長手方向と直交方向の寸法より大きい、請求項1または請求項2記載のガーニッシュ取付装置。
- テザー部と、該テザー部のアンカー接続部に接続するアンカー部と、を備えているテザークリップであって、
前記テザークリップが、前記アンカー部から隔たった位置にて前記テザー部に結合される弾性片を有しており、
前記テザー部のアンカー接続部に沿う方向において見た時に前記弾性片と前記アンカー部とは互いに直交しており、
前記テザークリップは、長方形挿通孔をもつ収納部底壁を備えたガーニッシュの車両ピラーへの取付けに用いられ、
前記弾性片が、前記テザー部との結合部と、該結合部と反対側の先端部と、を有しており、前記テザー部のアンカー接続部に沿う方向における、前記弾性片の先端部と前記アンカー部との間隔が、前記テザークリップが組み付けられるガーニッシュの収納部底壁の厚み
より小さく設定されている、テザークリップ。 - 前記テザー部のアンカー接続部に沿う方向における、前記弾性片の前記テザー部との結合部と前記アンカー部との間隔が、前記テザークリップが組み付けられるガーニッシュの収納部底壁の厚み以上に設定されている、請求項4記載のテザークリップ。
- 前記弾性片が前記テザー部を挟んで一対設けられており、前記一対の弾性片の先端部の間隔は、前記長方形挿通孔の長手方向寸法より小さく、前記長方形挿通孔の長手方向と直交方向の寸法より大きい、請求項4または請求項5記載のテザークリップ。
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