1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラーレーザプリンタである。カラーレーザプリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、本体ケーシング2の内部空間を開放するためのフロントカバー5が形成されている。フロントカバー5は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動自在に設けられている。
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部3は、本体ケーシング2内の底部において、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、給紙トレイ6の前端部上側に配置される1対のレジストローラ7間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム12(後述)と搬送ベルト18(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット8、プロセスユニット9、転写ユニット10、および定着ユニット11を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット8は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット8は、実線で示すように、4つの感光ドラム12(後述)に向けて、画像データに基づいて、レーザービームをそれぞれ出射し、感光ドラム12(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット9は、スキャナユニット8の下側であって、転写ユニット10の上側に配置されており、ドラムユニット24および現像ユニット14を備えている。
ドラムユニット24は、感光ドラム12と、スコロトロン型帯電器13とを備えている。
感光ドラム12は、左右に延びる略円筒形状に形成されており、左右に沿って設けられ、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。各感光ドラム12は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンにそれぞれ対応する。
スコロトロン型帯電器13は、各感光ドラム12に対応するように、感光ドラム12の後上側に、感光ドラム12と間隔を隔てて対向配置されている。
現像ユニット14は、各感光ドラム12に対応するように、感光ドラム12の上側に配置されている。また、各現像ユニット14は、それぞれ、現像ローラ15を備えている。
現像ローラ15は、現像ユニット14の下端において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム12に対して前上側から対向し、接触されている。
現像ユニット14には、現像ローラ15の上側の空間において、各色に対応するトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスユニットでの現像動作
現像ユニット14内のトナーは、現像ローラ15の回転に伴って、現像ローラ15の表面に担持される。
一方、感光ドラム12の表面は、感光ドラム12の回転に伴って、スコロトロン型帯電器13により一様に帯電された後、スキャナユニット8からのレーザービーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム12の表面に形成される。
感光ドラム12がさらに回転すると、現像ローラ15の表面に担持されているトナーが、感光ドラム12の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム12の静電潜像は可視像化され、感光ドラム12の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット10は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上側であって、プロセスユニット9の下側において、前後方向に沿って配置されている。この転写ユニット10は、駆動ローラ16および従動ローラ17と、搬送ベルト18と、4つの転写ローラ19とを備えている。
駆動ローラ16および従動ローラ17は、互いに前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
搬送ベルト18は、各感光ドラム12に対して下側から対向され、その上側部分が各感光ドラム12と接触するように、駆動ローラ16および従動ローラ17の周りに掛け渡されている。また、搬送ベルト18は、駆動ローラ16の駆動により、各感光ドラム12と接触する搬送ベルト18の上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
各転写ローラ19は、搬送ベルト18の上側部分を挟んで各感光ドラム12に対向するように設けられている。
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト18によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム12と各転写ローラ19とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム12に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット11は、搬送ベルト18の後上側に配置され、加熱ローラ20、および、加熱ローラ20に圧接される加圧ローラ21を備えている。
転写ユニット10において用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ20と加圧ローラ21との間を通過するときに、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、各排紙ローラ22によって、Uターンパスを通過するように搬送され、スキャナユニット8の上側に形成される排紙トレイ23上に排紙される。
2.ドラムユニットの詳細
図2および図3に示すように、ドラムユニット24は、支持部材の一例としての枠体31と、4つの感光ドラム12と、4つのドラムサブユニット30とを備えている。
ドラムユニット24は、本体ケーシング2(図1参照)内に対して前後方向に引き出し可能に装着される。
(1)枠体
枠体31は、樹脂から形成され、1対の側板33、フロントビーム34およびリヤビーム35を備えている。
両側板33は、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成され、その後端縁には、前側に向かって側面視略V字状に切り欠かれる切欠部38がそれぞれ形成されている。切欠部38は、後側に向かって開放されており、図1および図8に示すように、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態で、本体基準軸104(後述)を受け入れて、その本体基準軸104に上方および前方下方から当接する。
また、両側板33は、図6および図7に示されるように、それぞれ4つの軸受部40を一体的に備えている。
軸受部40は、略円筒状に形成され、一方側端面が側板33の内側面に接合され、他方側端面が開放されている。そして、前後方向に互いに等間隔を隔てて4つ配置されている。
また、軸受部40の内径は、軸受嵌合部44(後述)の外径よりもわずかに大径である。
また、右側の側板33(以下、右側板33Rとする。)には、図2に示すように、軸挿通穴37が形成されている。
詳しくは、軸挿通穴37は、側面視略円形状に形成され、右側板33Rが備える軸受部40(以下、右軸受部40Rとする。)の軸線と、軸挿通穴37の中心とが左右方向において一致するように、右軸受部40Rの内部空間と連通されている。
また、軸挿通穴37は、右軸受部40Rよりも小径であり、感光ドラム12の位置決め穴51(後述)およびさそい部52(後述)よりも大径である(図5参照)。
また、左側の側板33(以下、左側板33Lとする。)には、図3に示すように、貫通孔の一例としてのドラム露出穴39が形成されている。
詳しくは、ドラム露出穴39は、側面視略円形状に形成され、左側板33Lが備える軸受部40(以下、左軸受部40Lとする。)の軸線と、ドラム露出穴39の中心とが左右方向において一致するように、左軸受部40Lの内部空間と連通されている。
また、ドラム露出穴39は、左軸受部40Lの内径と略同径であり、軸受嵌合部44(後述)の外径よりもよりもわずかに大径である。
そして、右側板33Rと左側板33Lとは、それぞれの軸受部40が対向し、かつ、左右方向に投影したときに、右側板33Rの各軸挿通穴37の中心と、左側板33Lの各ドラム露出穴39の中心とがそれぞれ一致するように、互いに対向配置されている。
フロントビーム34は、両側板33の前端部間に架設されている。
また、フロントビーム34は、支持軸29を保持している。
支持軸29は、フロントビーム34を左右方向に貫通し、さらに右側板33Rおよび左側板33Lを貫通して、右側板33Rおよび左側板33Lから左右方向外方に突出している。支持軸29の両端部(突出部分)は、図8に示すように、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態で、挟持部105(後述)に、それぞれ下側および前側上側が挟持される。
リヤビーム35は、両側板33の後端部間に架設されている。
(2)感光ドラム
感光ドラム12は、図6および図7に示すように、素管41と、被支持部材の一例としての1対のフランジ部材42とを備えている。
素管41は、金属からなり、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。素管41の外周面には、感光層が被覆されている。
両フランジ部材42は、樹脂からなり、素管41内に相対回転不能に挿入されるドラム嵌合部43と、両側板33の軸受部40に相対回転可能に支持される軸受嵌合部44とを一体的に備えている。
詳しくは、フランジ部材42のドラム嵌合部43は、素管41の内径と略同径の略円柱形状に形成されている。
フランジ部材42の軸受嵌合部44は、ドラム嵌合部43の外径よりも小径の略円柱形状に形成され、ドラム嵌合部43と中心軸線を共有するようにドラム嵌合部43からその軸線方向に断面凸状に突出するように形成されている。
また、軸受嵌合部44のドラム嵌合部43と反対側の端面は、図5に示すように、封止部48により封止されている。
封止部48には、位置決め穴51と、さそい部52とが形成されている。
位置決め穴51は、側面視略円形状に形成され、軸受嵌合部44の軸線と、位置決め穴51の中心とが左右方向において一致するように形成され、その内径が位置決めシャフト55(後述)の外径と略同径となるように形成されている。
さそい部52は、封止部48における位置決め穴51の周端縁を面取りすることにより形成され、位置決め穴51の周端縁から、軸受嵌合部44の軸線方向外側に向けて徐々に幅広となるように形成されている。
そして、両フランジ部材42と素管41とは、図6および図7に示すように、素管41の左右両端部に、両フランジ部材42のドラム嵌合部43がそれぞれ圧入されることにより、相対回転不能に嵌合している。
つまり、右側のフランジ部材42(以下、右フランジ部材42Rとする。)の軸受嵌合部44は、ドラム嵌合部43から右側に断面凸状に突出するように形成されている。
また、左側のフランジ部材42(以下、左フランジ部材42Lとする。)の軸受嵌合部44は、ドラム嵌合部43から左側に断面凸状に突出するように形成されている。
また、左フランジ部材42Lの左端面には、図4および図5に示すように、進退部材50(後述)のカップリング雄部材60(後述)の嵌合突起62(後述)が嵌合される4つのカップリング嵌合穴61が形成されている。4つのカップリング嵌合穴61は、側面視略コ字状に形成され、軸受嵌合部44の周端部において、周方向に等間隔を隔てて、互いに約90°変位するように形成されている。
(3)ドラムサブユニット
ドラムサブユニット30は、図2および図3に示すように、両側板33間において、フロントビーム34とリヤビーム35との間に、各感光ドラム12の後側に配置されるように、前後方向に互いに等間隔を隔てて4つ並列配置されている。
各ドラムサブユニット30は、左右に延びる略三角柱形状に形成されている。各ドラムサブユニット30には、左右方向に沿って、スコロトロン型帯電器13が保持されている。
(4)ドラムユニットの組み立て
次いで、ドラムユニット24の組み立てを説明する。
ドラムユニット24を組み立てるには、まず、両側板33間に4つのドラムサブユニット30、フロントビーム34およびリヤビーム35を配置する。
各ドラムサブユニット30は、所定の位置において、両側板33間に配置する。
次いで、フロントビーム34を両側板33間に配置するとともに、リヤビーム35を両側板33間に配置する。
次いで、4つの感光ドラム12を右側板33Rに組み付ける。
各感光ドラム12を右側板33Rに組み付けるには、右フランジ部材42Rの軸受嵌合部44(以下、右軸受嵌合部44Rとする。)が、右軸受部40Rの左側に配置されるように、感光ドラム12を右側板33Rの左側に位置決めし、右軸受嵌合部44Rを右軸受部40Rの内部空間に挿入するように、感光ドラム12を右側板33Rに対して左側から取り付ける。
すると、右フランジ部材42Rの封止部48が、右軸受部40Rの右端面に形成される軸挿通穴37と左右方向において隣接する。このとき、右フランジ部材42Rの封止部48に形成される位置決め穴51およびさそい部52が、軸挿通穴37から露出する。
これにより、各感光ドラム12の右端部は、右フランジ部材42Rが右軸受部40Rに相対回転可能に支持されることにより、右側板33Rに相対回転可能に支持される。
次いで、各感光ドラム12を左側板33Lに組み付ける。
各感光ドラム12を左側板33Lに組み付けるには、左フランジ部材42Lの軸受嵌合部44(以下、左軸受嵌合部44Lとする。)が、左軸受部40Lの右側に配置されるように、感光ドラム12を左側板33Lの右側に位置決めし、左軸受嵌合部44Lを左軸受部40Lの内部空間に挿入するように、感光ドラム12を左側板33Lに対して右側から取り付ける。
すると、図8に示すように、左フランジ部材42Lの封止部48が、左軸受部40Lの左端面に形成されるドラム露出穴39と左右方向において隣接する。このとき、左フランジ部材42Lの封止部48がドラム露出穴39から露出するので、封止部48に形成される位置決め穴51およびさそい部52も、ドラム露出穴39から露出する。
これにより、感光ドラム12の左端部は、左フランジ部材42Lが左軸受部40Lに相対回転可能に支持されることにより、左側板33Lに相対回転可能に支持される。
以上によって、図6および図7に示すように、両側板33間に各感光ドラム12が支持される。
このとき、右フランジ部材42Rの右軸受嵌合部44Rの外径が、右軸受部40Rの内径よりもわずかに小径であるために、右軸受嵌合部44Rは右軸受部40Rに対して遊嵌されている。
また、左フランジ部材42Lの左軸受嵌合部44Lの外径が、左軸受部40Lおよびドラム露出穴39の直径よりもわずかに小径であるために、左軸受嵌合部44Lは左軸受部40Lおよびドラム露出穴39に対して遊嵌されている(図8参照)。
詳しくは、両フランジ部材42は、第1方向の一例としての前後方向(ドラムユニット24の装着方向および引き出し方向)、および、第2方向の一例としての上下方向(第1方向および感光ドラム12の軸線方向の両方向と直交する方向)に移動可能に遊嵌されている。
そして、両側板33を挟むように、ドラムサブユニット30、フロントビーム34およびリヤビーム35をねじ止めする。
これにより、ドラムユニット24の組み立てが完了する。
3.本体ケーシングの詳細
本体ケーシング2は、図1および、図6〜図8に示すように、位置決め部材の一例としての本体基準軸104および挟持部105、移動部材の一例としての進退部材50、固定部材の一例としての固定板101を備えている。
(1)本体基準軸および挟持部
本体基準軸104は、図1および図8に示すように、本体ケーシング2内における後側に左右方向にわたって架設されている。
また、本体基準軸104は、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態において、ドラムユニット24の両側板33に形成される切欠部38と、本体基準軸104の上側および前側下側とが当接する。
挟持部105は、図8に示すように、本体ケーシング2内における前側左右両側に2つ設けられており、それぞれ押圧部106と、規制壁107とを備えている。
押圧部106は、側面視矩形状の前側下端の角から後方上側に向けて斜めに切り欠かれた側面視略台形状の平板形状に形成され、切り欠かれた部分が傾斜面108をなしている。
また、押圧部106は、付勢部材(図示せず)により、下方に向けて付勢されている。
規制壁107は、押圧部106の下方に間隔を隔てて配置され、前後方向に沿って延びるように形成されている。
そして、規制壁107と押圧部106とは、規制壁107の上面と押圧部106の傾斜面108とが上下方向において対向するように配置されている。
これによって、挟持部105は、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態において、ドラムユニット24のフロントビーム34が支持する支持軸29の両端部を、それぞれ規制壁107の上面と押圧部106の傾斜面108との間で挟持する。
(2)進退部材
進退部材50は、左ドラム位置決め部材53、右ドラム位置決め部材54とを備えている。
(2−1)左ドラム位置決め部材
左ドラム位置決め部材53は、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態において、4つの左軸受嵌合部44Lに左方から対向するように、ドラムユニット24に対して左側において、前後方向に間隔を隔てて4つ設けられている。
左ドラム位置決め部材53は、基準部材71、駆動部材66、空心コイル状のばね部材56、嵌合部材59、および第1位置決め部の一例としての位置決めシャフト55を備えている。
(2−1-1)基準部材
基準部材71は、基端軸72と、途中軸73と、先端軸74とが一体として形成されている。
基端軸72、途中軸73および先端軸74は、それぞれ略円柱形状をなしている。
途中軸73は、その軸線方向長さがギヤ部67(後述)の厚み方向の長さと略同じ長さであり、その外径が基端軸72の外径よりも小径である。
先端軸74は、その外径が途中軸73の外径よりも小径である。
そして、基端軸72と途中軸73とは、中心軸線を共有するように基端軸72からその軸線方向に断面凸状に突出するように形成されている。また、途中軸73と先端軸74とは、中心軸線を共有するように途中軸73からその軸線方向に断面凸状に突出するように形成されている。
すなわち、基端軸72と途中軸73と先端軸74とは、それぞれ中心軸線を共有するように形成されている。
(2−1−2)駆動部材
駆動部材66は、外筒部68と、駆動回転体の一例としてのギヤ部67とが一体として形成されている。
外筒部68は、略円筒形状に形成され、その内径が途中軸73の外径と略同径であり、その外径が基端軸72の外径と略同径である。
また、外筒部68の軸線方向長さは、先端軸74と途中軸73との軸線方向長さの総和よりもわずかに長く形成されている。
また、外筒部68には、内筒部63(後述)に設けられる2つの突条64(後述)と係合する2つのスリット(図示せず)が軸線方向全体にわたって形成されている。
ギヤ部67は、外筒部68の軸線方向外側端部の外周面から径方向外方へ広がる円環板状に形成されている。すなわち、ギヤ部67と外筒部68とは、ギヤ部67の回転軸線と外筒部68の軸線とが一致するように形成されている。ギヤ部67の周端面には、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源(図示せず)から伝達される駆動力を受容するための係合歯(図示せず)が形成されている。
(2−1−3)嵌合部材および位置決めシャフト
嵌合部材59は、図4および図5に示すように、内筒部63と、カップリング雄部材60とが一体として形成されている。
内筒部63は、略円筒形状に形成され、その内径が先端軸74の外径と略同径であり、その外径が途中軸73の外径と略同径である。
また、内筒部63の外周面には、2つの突条64が設けられている。
2つの突条64は、断面略矩形状に形成され、内筒部63の軸線方向全体にわたって、その径方向に対向するように形成されている。
カップリング雄部材60は、略円筒状に形成された筒状部77と、筒状部77の軸線方向内側端面を封止する嵌合壁80と、嵌合壁80の中央部分に設けられ、筒状部77の内部空間に、筒状部77と同心円筒状をなすように形成されるシャフト保持部83(図6および図7参照)と、筒状部77の外周面において、筒状部77の軸線方向途中部から径方向外方へ広がる円環板状の鍔部78とを一体的に備えている。
筒状部77は、外筒部68の外径よりも大きな内径を有している。
嵌合壁80には、2つの嵌合突起62と、シャフト貫通孔82とが形成されている。
2つの嵌合突起62は、嵌合壁80の右側面の周端部において径方向に対向するように設けられている。各嵌合突起62は、嵌合壁80の右側面から右側に突出するように形成されている。嵌合突起62の先端部は、略円弧形状に形成されている。
シャフト貫通孔82は、嵌合壁80の中央部分において、嵌合壁80の厚さ方向に貫通し、シャフト保持部83の内部空間と連通するように設けられている。
鍔部78は、ばね部材56の外径よりも大径であって、その周端縁から左側に延びる延長部79を備えている。
カップリング雄部材60には、シャフト保持部83(筒状部77)の中心軸線に沿って、棒状の位置決めシャフト55が相対回転不能に設けられている。位置決めシャフト55の一端部は、シャフト保持部83に挿通され、カップリング雄部材60に保持される。また、位置決めシャフト55の他端部は、嵌合壁80から突出し、その先端が先細り形状に形成されている。
そして、内筒部63とカップリング雄部材60とは、カップリング雄部材60のシャフト保持部83と内筒部63とが中心軸線を共有するように結合されている。すなわち、内筒部63と位置決めシャフト55とは、中心軸線を共有するように形成されている。
(2−1−4)左位置決め部材の組み立て
次いで、左ドラム位置決め部材53の組み立てについて説明する。
左ドラム位置決め部材53を組み立てるには、まず、基準部材71に駆動部材66を装着する。詳しくは、基準部材71の先端軸74を、外筒部68のギヤ部67側端面から外筒部68の内部空間に挿入する。そして、外筒部68のギヤ部67側端部が、基端軸72と接触するまで、基準部材71を進出させる。
これにより、基準部材71の先端軸74および途中軸73に駆動部材66の外筒部68が外嵌され、駆動部材66が基準部材71に相対回転可能に装着される。このとき、外筒部68の内径と途中軸73の外径とが略同径であるので、外筒部68の径方向のがたつきが規制される。また、先端軸74の外径が外筒部68の内径よりも小径であるので、先端軸74の外周面と外筒部68の内周面との間には空間が形成される。
次いで、駆動部材66の外筒部68の外側に、ばね部材56を挿通した後、嵌合部材59を装着する。詳しくは、嵌合部材59の内筒部63の外周面に形成された2つの突条64と、駆動部材66の外筒部68に形成された2つのスリット(図示せず)とが、内筒部63の軸線方向にそれぞれ対向するように、嵌合部材59を位置決めする。そして、突条64とスリット(図示せず)とがスライド自在に係合するように、嵌合部材59の内筒部63を、先端軸74の外周面と外筒部68の内周面の間に形成される空間に挿入する。
これにより、嵌合部材59の内筒部63が、駆動部材66の外筒部68に外嵌され、嵌合部材59が、基準部材71、駆動部材66およびばね部材56に装着される。このとき、内筒部63の内径と先端軸74の外径とが略同径であるので、内筒部63の径方向のがたつきが規制される。また、外筒部68のスリット(図示せず)と内筒部63の突条64とが係合するために、駆動部材66と嵌合部材59とは、軸線方向に沿ってスライド自在、かつ、相対回転不能に係合している。また、ばね部材56は、ギヤ部67の外筒部68側と鍔部78の内筒部63側とに挟み込まれ、鍔部78に形成される延長部79により、被覆および固定される。
以上によって、左ドラム位置決め部材53が組み立てられる。
左ドラム位置決め部材53は、外筒部68および内筒部63のがたつきが、それぞれ規制されているので、嵌合部材59が保持する位置決めシャフト55の軸線と、基準部材71、外筒部68および内筒部63の軸線とが一致するように形成されている。
(2−2)右ドラム位置決め部材
右ドラム位置決め部材54は、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態において、4つの右軸受嵌合部44Rに右方から対向するように、ドラムユニット24に対して右側において、前後方向に間隔を隔てて4つ設けられている。
右ドラム位置決め部材54は、図6および図7に示すように、基準部材91、空心コイル状のばね部材95、シャフト保持部材90、および、第2位置決め部の一例としての位置決めシャフト98を備えている。
(2−2-1)基準部材
基準部材91は、基端軸92と、先端軸93とが一体として形成されている。
基端軸92は、略円柱形状に形成されている。
先端軸93は、略円柱形状に形成され、その外径が基端軸92の外径よりも小径である。
そして、基端軸92と先端軸93とは、中心軸線を共有するように、基端軸92からその軸線方向に断面凸状に突出するように形成されている。
(2−2−2)シャフト保持部材
シャフト保持部材90は、円筒部材96と、鍔部97と、シャフト保持部100とを一体的に備えている。
円筒部材96は、その内径が先端軸93の外径と略同径であり、その外径が基端軸92の外径と略同径である。
鍔部97は、略円環板状に形成され、円筒部材96の一方側周端部から径方向外方へ広がるように形成されている。また、鍔部97は、その直径が、ばね部材95の外径よりも大径であって、その周端縁から右側に延びる延長部99を備えている。
シャフト保持部100は、円筒部材96と同心略円筒状に形成され、円筒部材96の一端側(鍔部97側)の内周面と、シャフト保持部100の一端側の外周面とが、シャフト保持部100の周方向全体にわたって結合されている。
また、シャフト保持部100は、その内径が位置決めシャフト98(後述)の外径と略同径となるように形成されている。
シャフト保持部材90には、シャフト保持部100(円筒部材96)の中心軸線に沿って、棒状の位置決めシャフト98が相対回転不能に設けられている。位置決めシャフト98の一端部は、シャフト保持部100に挿通され保持される。また、位置決めシャフト98の他端部は、その先端が先細り形状に形成されている。
(2−2−3)右位置決め部材の組み立て
次いで、右ドラム位置決め部材54の組み立てについて説明する。
右ドラム位置決め部材54を組み立てるには、まず、基準部材71にシャフト保持部材90を装着する。詳しくは、基準部材91の先端軸93を、円筒部材96の遊端部側から円筒部材96の内部空間に挿入する。そして、円筒部材96の遊端部が、基端軸92と接触するまで、基準部材91を進出させる。
これにより、基準部材91の先端軸93にシャフト保持部材90の円筒部材96が外嵌され、基準部材91にシャフト保持部材90が装着される。このとき、円筒部材96の内径と先端軸93の外径とが略同径であるので、円筒部材96の径方向のがたつきが規制される。
次いで、基準部材91の基端軸92およびシャフト保持部材90の円筒部材96の外周面に、ばね部材95を挿通する。
以上によって、ばね部材95が、基準部材71およびシャフト保持部材90に装着され、右ドラム位置決め部材54が組み立てられる。
右ドラム位置決め部材54は、円筒部材96のがたつきが規制されているので、シャフト保持部材90が保持する位置決めシャフト98の軸線と、基準部材91および円筒部材96の軸線とが一致するように形成されている。
(3)進退部材の本体ケーシングに対する位置決め
固定板101は、略平板形状に形成され、左右方向において間隔を隔てて対向するように1対として設けられている。各固定板101は、本体ケーシング2のフレーム(図示せず)に固定されている。
そして、各進退部材50は、固定板101にねじ部材102により固定され、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
詳しくは、各左ドラム位置決め部材53は、図7に示すように、ドラムユニット24が本体ケーシング2に装着された状態で、かつ、各左ドラム位置決め部材53が進出位置(後述)にあるとき、対応する感光ドラム12の位置決め穴51に、各左ドラム位置決め部材53が保持する位置決めシャフト55が左側から進入するように配置される。そして、各左ドラム位置決め部材53の基準部材71の基端軸72の遊端面と固定板101とが、ねじ部材102によりねじ止めされる。
以上によって、4つの左ドラム位置決め部材53が、本体ケーシング2に対して位置決めされる。また、4つの左ドラム位置決め部材53は、1枚の固定板101に前後方向に等間隔を隔てて固定されている。
各右ドラム位置決め部材54は、ドラムユニット24が本体ケーシング2に装着された状態で、かつ、各右ドラム位置決め部材54が進出位置(後述)にあるとき、対応する感光ドラム12の位置決め穴51に、各右ドラム位置決め部材54が保持する位置決めシャフト98が、右側から進入するように配置される。そして、各右ドラム位置決め部材54の基準部材91の基端軸92の遊端面と固定板101とが、ねじ部材102によりねじ止めされる。このとき、ばね部材95は、固定板101と鍔部97の円筒部材96側とに挟み込まれ、鍔部97に形成される延長部99により、被覆および固定される。
以上によって、4つの右ドラム位置決め部材54が、本体ケーシング2に対して位置決めされる。また、4つの右ドラム位置決め部材54は、1枚の固定板101に前後方向に等間隔を隔てて固定されている。
そして、各左ドラム位置決め部材53と、各右ドラム位置決め部材54とは、左右方向において、互いに中央軸線を共有するように、間隔を隔てて対向配置されている。
(4)ドラムユニットの本体ケーシングに対する装着
図8に示すように、ドラムユニット24を本体ケーシング2に対して装着するには、まず、本体ケーシング2のフロントカバー5が開かれる(図1参照)。そして、ドラムユニット24が後方に移動されることにより、ドラムユニット24が本体ケーシング2に案内される。そして、右側板33Rおよび左側板33Lの切欠部38が、本体基準軸104の上側および前側下側に当接すると、それ以上のドラムユニット24の押し込みが規制される。このとき、フロントビーム34が支持する支持軸29の左右両端部は、それぞれ、挟持部105の押圧部106の傾斜面108と規制壁107の上面との間に位置し、押圧部106の押圧により、下側および前側上側が挟持される。これにより、ドラムユニット24は、前後方向および上下方向の移動が規制され、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
以上によって、ドラムユニット24の本体ケーシング2に対する装着が完了する。
なお、ドラムユニット24を本体ケーシング2から引き出すときには、ドラムユニット24を前方に移動させることに伴ない、支持軸29の両端部が前方に移動することにより、押圧部106の傾斜面108が規制壁107から離間する方向に押圧され、押圧部106が上方に移動して、挟持部105の支持軸29の両端部の挟持が解除される。そして、上記の手順と逆の手順で引き出すことができる。
(5)本体ケーシングに対する感光ドラムの位置決め
4つの進退部材50は、図6および図7に示すように、フロントカバー5の開閉とともに、公知の連動機構により、退避位置と進出位置とに移動する。
具体的には、フロントカバー5が開放されることにより、各進退部材50が進出位置から退避位置に移動し、フロントカバー5が閉鎖されることにより、各進退部材50が退避位置から進出位置に移動する。
退避位置では、図6に示すように、本体ケーシング2に対してドラムユニット24が装着された状態において、感光ドラム12の各フランジ部材42と、各進退部材50とがそれぞれ左右方向に離間している。
詳しくは、本体ケーシング2内の左側において、感光ドラム12の各左フランジ部材42Lに形成される軸挿通穴37と、各左ドラム位置決め部材53の保持する位置決めシャフト55の先端部とが、左右方向に間隔を隔てて対向配置している。
また、本体ケーシング2内の右側において、感光ドラム12の各右フランジ部材42Rに形成される軸挿通穴37と、各右ドラム位置決め部材54の保持する位置決めシャフト98の先端部とが、左右方向に間隔を隔てて対向配置している。
進出位置では、図7に示すように、本体ケーシング2に対してドラムユニット24が装着された状態において、各進退部材50がそれぞれ、退避位置から感光ドラム12の各フランジ部材42側に進出している。
詳しくは、各左ドラム位置決め部材53においては、各左ドラム位置決め部材53の嵌合部材59が、ばね部材56の付勢力により付勢され、右方に進出する。このとき、まず、嵌合部材59に保持されている位置決めシャフト55の先端部が、左フランジ部材42Lの封止部48に形成されたさそい部52と接触して、位置決め穴51の内部空間に誘導され、位置決めシャフト55が位置決め穴51に進入する。また、位置決めシャフト55の位置決め穴51の進入に伴なって、嵌合部材59が右方に進出され、嵌合部材59のカップリング雄部材60の嵌合壁80に形成された嵌合突起62と、左フランジ部材42Lの封止部48に形成されたカップリング嵌合穴61とが結合する。これにより、左フランジ部材42Lと嵌合部材59とは、相対回転不能に嵌合する。
一方、各右ドラム位置決め部材54においては、各右ドラム位置決め部材54のシャフト保持部材90が、ばね部材95の付勢力により付勢され、左方に進出する。このとき、シャフト保持部100に保持されている位置決めシャフト98の先端部が、右フランジ部材42Rの封止部48に形成されたさそい部52と接触して、位置決めシャフト98が位置決め穴51の内部空間に誘導され、位置決めシャフト98が位置決め穴51に進入する。
なお、各左ドラム位置決め部材53の嵌合部材59の嵌合突起62が、各左フランジ部材42Lのカップリング嵌合穴61に結合された後、各左ドラム位置決め部材53は、さらに右方に進出する。これにより、各左フランジ部材42Lを介してドラムユニット24が全体的に右方に移動される。これにより、ドラムユニット24の左右方向の位置決めが達成される。すなわち、各感光ドラム12の本体ケーシング2に対する左右方向の位置決めが達成される。
以上によって、4つの感光ドラム12は、4つの左ドラム位置決め部材53、4つの右ドラム位置決め部材54、および2枚の固定板101により、本体ケーシング2に対する前後方向および上下方向の位置決めが達成される。
よって、フロントカバー5を開放すると各進退部材50は退避位置に位置し、ドラムユニット24を本体ケーシング2に装着することができ、ドラムユニット24は、本体基準軸104および挟持部105により本体ケーシング2に対して位置決めされる。そして、フロントカバー5を閉鎖すると各進退部材50は進出位置に位置し、ドラムユニット24に支持される各感光ドラム12は、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
(6)感光ドラムに対する駆動力の入力
本体ケーシング2に対する各感光ドラム12の位置決めが達成されると、本体ケーシング2のモータなどの駆動源(図示せず)から伝達される駆動力が、各駆動部材66のギヤ部67の周端面に形成される係合歯(図示せず)を介して、各駆動部材66に伝達される。
駆動部材66は、基準部材71に相対回転可能に外嵌され、嵌合部材59と相対回転不能に係合している。そのため、各駆動部材66と各嵌合部材59とは、各駆動部材66に伝達された駆動力により一体として回転駆動する。
そして、各嵌合部材59は、各左フランジ部材42Lと相対回転不能に嵌合しているため、各左フランジ部材42Lに対して各駆動部材66から駆動力を伝達することができる。
左フランジ部材42Lは、ドラム嵌合部43が素管41に相対回転不能に嵌合し、左軸受嵌合部44Lが左側板33Lの左軸受部40Lに相対回転可能に遊嵌されている。また、右フランジ部材42Rは、ドラム嵌合部43が素管41に相対回転不能に嵌合し、右軸受嵌合部44Rが右側板33Rの右軸受部40Rに相対回転可能に遊嵌されている。そのため、各左フランジ部材42Lに伝達された駆動力により、各感光ドラム12は、両側板33に支持されながら回転駆動する。
以上によって、本体ケーシング2のモータなどの駆動源(図示せず)から伝達される駆動力は、左ドラム位置決め部材53の各駆動部材66および各嵌合部材59を介して各左フランジ部材42Lに伝達され、各感光ドラム12を回転駆動させることができる。
4.作用効果
(1)
カラーレーザプリンタ1は、左ドラム位置決め部材53と、右ドラム位置決め部材54とを備える進退部材50、および、ドラムユニット24に支持される感光ドラム12とを備えている。
詳しくは、左ドラム位置決め部材53は、本体ケーシング2内の左側に設けられ、位置決めシャフト55を備えている。また、右ドラム位置決め部材54は、本体ケーシング2内の右側に設けられ、位置決めシャフト98を備えている。
また、感光ドラム12は、その左端部に左フランジ部材42Lを、その右端部に右フランジ部材42Rを備えている。左フランジ部材42Lの封止部48には、位置決め穴51が形成され、右フランジ部材42Rの封止部48には、軸挿通穴37が形成されている。
そして、進退部材50は、位置決めシャフト55が左フランジ部材42Lの位置決め穴51の内部空間に進入し、位置決めシャフト98が右フランジ部材42Rの軸挿通穴37の内部空間に進入する進出位置と、位置決めシャフト55が位置決め穴51から離間し、位置決めシャフト98が軸挿通穴37から離間する退避位置とに進退自在である。
そのため、進出位置において、左ドラム位置決め部材53の位置決めシャフト55が、左フランジ部材42Lの位置決め穴51に進入し、右ドラム位置決め部材54の位置決めシャフト98が、右フランジ部材42Rの軸挿通穴37に進入することにより、感光ドラム12の本体ケーシング2に対する位置決めをすることができる。よって、本体ケーシング2に対する感光ドラム12の位置関係(ドラムピッチ)を一定に保つことができる。
つまり、ドラムユニット24に、感光ドラム12の相対的な位置関係を一定に保つことができる精度および剛性を有する側板を設けなくとも、左ドラム位置決め部材53および右ドラム位置決め部材54により、感光ドラム12を本体ケーシング2に対して位置決めすることができる。
したがって、ドラムユニット24の軽量化および材料コストの低減を図ることができながら、感光ドラム12の本体ケーシング2に対する位置関係を一定に保つことができ、色ずれを防止することができる。
(2)
カラーレーザプリンタ1では、感光ドラム12は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンにそれぞれ対応して4つ備えられ、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、左ドラム位置決め部材53は、それら4つの感光ドラム12の各左フランジ部材42Lと左右方向に対向するように、4つ備えられている。
そのため、カラーレーザプリンタ1は、各感光ドラム12の本体ケーシング2に対する位置決め精度の向上をすることができ、精度の高いカラーの画像を形成することができる。
(3)また、カラーレーザプリンタ1は、本体ケーシング2のフレーム(図示せず)に固定され、左右方向において間隔を隔てて対向する1対の固定板101を備えている。そして、各左ドラム位置決め部材53および各右ドラム位置決め部材54は、それぞれ、1枚の固定板101に前後方向に等間隔を隔てて固定されている。
つまり、各左ドラム位置決め部材53および各右ドラム位置決め部材54が、それぞれ一体として、本体ケーシング2に固定されているので、本体ケーシング2内における、各左ドラム位置決め部材53および各右ドラム位置決め部材54の相対的な位置関係を一定に保つことができる。
そのため、各感光ドラム12の本体ケーシング2に対する位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
(4)また、左ドラム位置決め部材53は、位置決めシャフト55の軸線と、回転軸線とが一致するギヤ部67を備えている。
詳しくは、ギヤ部67は、外筒部68と一体として駆動部材66を形成しており、駆動部材66は、嵌合部材59と相対回転不能に係合している。
そして、左ドラム位置決め部材53は、進出位置において、位置決めシャフト55が位置決め穴51に進入されるとともに、嵌合部材59と左フランジ部材42Lとが相対回転不能に嵌合する。
そのため、嵌合部材59の回転中心(位置決めシャフト55の軸線)と、左フランジ部材42Lの回転中心(位置決め穴51の中心)とのずれを低減することができ、感光ドラム12の駆動精度の向上を図ることができる。
(5)また、カラーレーザプリンタ1では、本体ケーシング2内に本体基準軸104および挟持部105を備えている。
ドラムユニット24を本体ケーシング2に対して装着するとき、ドラムユニット24の右側板33Rおよび左側板33Lの切欠部38が本体基準軸104と当接する。また、ドラムユニット24のフロントビーム34が支持する支持軸29の左右両端部が、挟持部105により挟持される。
そのため、ドラムユニット24は、前後方向および上下方向の移動が規制され、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
したがって、本体ケーシング2に対するドラムユニット24の位置決め精度の向上を図ることができる。
(6)具体的には、本体基準軸104は、本体ケーシング2内の後側(ドラムユニット24の装着方向下流側)に設けられ、挟持部105は、本体ケーシング2内の前側(ドラムユニット24の装着方向上流側)に設けられる。
そのため、ドラムユニット24の前端部および後端部が、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
したがって、本体ケーシング2に対するドラムユニット24の位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
(7)また、カラーレーザプリンタ1では、ドラムユニット24の左側板33Lには、ドラム露出穴39が形成されている。そして、感光ドラム12の左フランジ部材42Lは、ドラム露出穴39に対して、前後方向および上下方向に移動可能に遊嵌されている。
そのため、左ドラム位置決め部材53の進出位置において、左フランジ部材42Lの位置決め穴51に位置決めシャフト55が進入されるときに、左フランジ部材42Lは、ドラム露出穴39の遊びの部分に適宜移動することができる。
したがって、位置決めシャフト55の位置決め穴51への良好な進入を図ることができる。
(8)また、カラーレーザプリンタ1では、ドラムユニット24の枠体31は樹脂製である。
そのため、ドラムユニット24の軽量化および材料コストの低減を図ることができる。
5.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態におけるドラムユニットの装置本体に対する装着状態を示す側面図である。
図9において、図1〜図8に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
(1)ドラム露出穴
第1実施形態では、図8に示すように、ドラムユニット24に支持される4つの感光ドラム12における、左フランジ部材42Lの各左軸受嵌合部44Lのすべてが、対応する4つのドラム露出穴39に対して前後方向および上下方向に移動可能に遊嵌されている。
これに対し本発明の第2実施形態では、図9に示すように、ドラムユニット24に支持される4つの感光ドラム12のうち、最も後側(ドラムユニット24の装着方向最下流側)の感光ドラム12の左軸受嵌合部44Lが、対応するドラム露出穴39に対して、前後方向および上下方向に対する移動が規制されるように嵌合されている。また、最も前側(ドラムユニット24の装着方向最上流側)の左軸受嵌合部44Lが、対応するドラム露出穴39に対して、上下方向に対する移動が規制されるように嵌合されている。
詳しくは、4つのドラム露出穴39のうち、最も後側のドラム露出穴39が、左軸受嵌合部44Lの外径と略同径に形成されている。
そのため、ドラムユニット24に支持される4つの感光ドラムのうち、最も後側の感光ドラム12の左軸受嵌合部44Lは、対応するドラム露出穴39(最も後側のドラム露出穴39)に、遊びの部分がなく嵌合され、前後方向および上下方向に対する移動が規制される。
また、4つのドラム露出穴39のうち、最も前側のドラム露出穴39には、上下方向に対向する1対の横直線部112が形成されている。
1対の横直線部112は、その長さが、それぞれ左フランジ部材42Lの左軸受嵌合部44Lの外径に対して、略1/2であり、その間隔が、左軸受嵌合部44Lの外径と略同じ長さである。
そのため、ドラムユニット24に支持される4つの感光ドラムのうち、最も前側の感光ドラム12の左軸受嵌合部44Lは、対応するドラム露出穴39(最も前側のドラム露出穴39)に1対の横直線部112が形成されているために、前後方向には遊びの部分を有し、上下方向には遊びの部分がなく遊嵌されている。よって、上下方向に対する移動が規制される。
(2)本体基準軸
また、第1実施形態では、図8に示すように、本体ケーシング2内における後側に設けられる本体基準軸104と、本体ケーシング2内における前側左右両側に設けられる挟持部105とを備えている。
これに対して本発明の第2実施形態では、挟持部105が備えられておらず、本体ケーシング2内における後側に本体基準軸104が備えられるのみである。また、本体基準軸104は、規制部材の一例として形成されている。
(3)ドラムユニットの本体ケーシングに対する装着
図9に示すように、ドラムユニット24を本体ケーシング2に対して装着するには、まず、本体ケーシング2のフロントカバー5が開かれ、ドラムユニット24が本体ケーシング2に案内される。そして、右側板33Rおよび左側板33Lの切欠部38が、本体基準軸104の上側および前側下側に当接すると、それ以上のドラムユニット24の押し込みが規制される。以上によって、ドラムユニット24の本体ケーシング2に対する装着が完了する。
(4)本体ケーシングに対する感光ドラムの位置決め
左ドラム位置決め部材53は、第1実施形態において上記したように、フロントカバー5の開閉とともに、公知の連動機構により、退避位置と進出位置とに移動可能である。
ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態において、フロントカバー5を閉鎖することにより、各左ドラム位置決め部材53が退避位置から進出位置に移動する。そして、各左ドラム位置決め部材53が進出位置に移動して、右方に進出することにより、左ドラム位置決め部材53の各位置決めシャフト98が、左フランジ部材42Lの左軸受嵌合部44Lに形成された各位置決め穴51の内部空間に進入する。
詳しくは、左ドラム位置決め部材53の位置決めシャフト98が、最も後側の左軸受嵌合部44L、最も前側の左軸受嵌合部44L、および、他の2つの左軸受嵌合部44Lにそれぞれ形成された位置決め穴51の内部空間に進入する。
そのため、本体ケーシング2に対する感光ドラム12の位置決めがなされるとともに、最も後側の左軸受嵌合部44Lに対応する左ドラム位置決め部材53によって、ドラムユニット24の前後方向の移動が規制される。また、最も前側および最も後側の左軸受嵌合部44Lに対応する左ドラム位置決め部材53によって、ドラムユニット24の上下方向の移動が規制される。以上によって、4つの感光ドラム12が本体ケーシング2に対して位置決めされるとともに、ドラムユニット24は、前後方向および上下方向の移動が規制され、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
(5)作用効果
(5−1)本発明の第2実施形態では、4つの感光ドラム12の左フランジ部材42Lの左軸受嵌合部44Lうち、後側の左軸受嵌合部44Lが、対応するドラム露出穴39に対して、前後方向と上下方向とに対する移動が規制されるように嵌合されている。
そのため、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態において、左ドラム位置決め部材53が進出位置にあるとき、本体ケーシング2に対する感光ドラム12の位置決めがなされるとともに、後側の左軸受嵌合部44Lに対応する左ドラム位置決め部材53によって、ドラムユニット24の前後方向の移動が規制される。
また、前側の左軸受嵌合部44Lが、対応するドラム露出穴39に対して、1対の横直線部112によって上下方向に対する移動が規制されるように遊嵌されている。つまり、4つの左軸受嵌合部44Lうち、前側および後側の左軸受嵌合部44Lが、対応するドラム露出穴39に対して、上下方向に対する移動が規制されている。
そのため、ドラムユニット24が本体ケーシング2に対して装着された状態において、左ドラム位置決め部材53が進出位置にあるとき、本体ケーシング2に対する感光ドラム12の位置決めがなされるとともに、前側および後側の左軸受嵌合部44Lに、それぞれ対応する左ドラム位置決め部材53によって、ドラムユニット24の上下方向の移動が規制される。
そのため、ドラムユニット24は、前後方向および上下方向の移動が規制され、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
したがって、上記の第1実施形態のように、本体ケーシング2の前側に挟持部105を備える構成と比較して、部品点数の削減を図ることができながら、本体ケーシング2に対するドラムユニット24の位置決め精度の向上を図ることができる。
(5−2)具体的には、前後方向と上下方向とに対する移動が規制される左軸受嵌合部44Lが、4つの軸受嵌合部のうち、最も後側に位置し、1対の横直線部112によって上下方向に対する移動が規制される左軸受嵌合部44Lが、最も前側に位置している。
そのため、ドラムユニット24の前側および後側において、それぞれ本体ケーシング2の上下方向への移動が規制されている。
したがって、本体ケーシング2に対するドラムユニット24の位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
(5−3)また、本発明の第2実施形態では、本体ケーシング2内に本体基準軸104を備えている。
ドラムユニット24を本体ケーシング2に対して装着するとき、ドラムユニット24の右側板33Rおよび左側板33Lの切欠部38が本体基準軸104と当接する。
そのため、本体ケーシング2に、ドラムユニット24を装着するときに、ドラムユニット24を必要以上の押し込みを防止することができる。
したがって、本体ケーシング2に対するドラムユニット24の位置決め精度の向上を図ることができる。
(5−4)また、本発明の第2実施形態では、本体ケーシング2に対してドラムユニット24を装着した状態において、本体基準軸104と、前後方向および上下方向に対する移動が規制された左軸受嵌合部44Lとの位置関係を一定に保つことができる。
これによって、その位置関係に基づいて、4つの感光ドラム12の間の間隔を設定することができる。
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
例えば、上記の第2実施形態では、4つのドラム露出穴39のうち、最も後側のドラム露出穴39が、左軸受嵌合部44Lの外径と略同径に形成されていたが、図10に示すように、最も後側のドラム露出穴39に、それぞれ1対の横直線部112および縦直線部113を形成することもできる。
詳しくは、1対の横直線部112は、その長さが、それぞれ左フランジ部材42Lの左軸受嵌合部44Lの外径に対して、略1/2であり、その間隔が、左軸受嵌合部44Lの外径と略同じ長さである。
また、1対の縦直線部113は、その長さが、それぞれ左フランジ部材42Lの左軸受嵌合部44Lの外径に対して、略1/2であり、その間隔が、左軸受嵌合部44Lの外径と略同じ長さである。
これによっても、4つの感光ドラム12のうち、最も後側の感光ドラム12の左軸受嵌合部44Lを、対応する最も後側のドラム露出穴39に対して、前後方向および上下方向に対する移動が規制されるように嵌合することができる。
6.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態における、進退部材の退避位置を説明するための断面図である。図12は、本発明の第3実施形態における、進退部材の進出位置を説明するための断面図である。
図11および図12において、図1〜図8に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
(1)位置決めシャフト
第1実施形態では、図6および図7に示すように、基準部材91、ばね部材95、シャフト保持部材90、および位置決めシャフト98を備える、4つの右ドラム位置決め部材54が備えられている。
これに対し本発明の第3実施形態では、図11および図12に示すように、4つの位置決めシャフト115が備えられている。
位置決めシャフト115は、その外径が位置決め穴51の内径と略同径であり、その先端部が先細り形状に形成されている。
そして、各位置決めシャフト115は、固定板101に形成されるシャフト固定穴116に挿通することにより固定され、本体ケーシング2に対して位置決めされる。
詳しくは、各位置決めシャフト115は、図12に示すように、ドラムユニット24が本体ケーシング2に装着された状態で、左ドラム位置決め部材53が進出位置に進出することにより、ドラムユニット24が全体的に右方に移動したとき、対応する感光ドラム12の位置決め穴51に、右側から進入されるように配置される。そして、固定板101における、各位置決めシャフト115の基端部が対応する位置に、シャフト固定穴116を形成し、各位置決めシャフト115の基端部をシャフト固定穴116に挿通することにより、各位置決めシャフト115が固定される。
以上によって、4つの位置決めシャフト115が、本体ケーシング2に対して位置決めされる。また、4つの位置決めシャフト115は、1枚の固定板101に前後方向に等間隔を隔てて固定されている。
そして、各左ドラム位置決め部材53と、各位置決めシャフト115とは、左右方向において、互いに中央軸線を共有するように、間隔を隔てて対向配置されている。
(2)本体ケーシングに対する感光ドラムの位置決め
第1実施形態において上記したように、左ドラム位置決め部材53は、フロントカバー5の開閉とともに、公知の連動機構により、退避位置と進出位置とに移動可能である。
ドラムユニット24が本体ケーシング2に装着された状態において、左ドラム位置決め部材53が退避位置にあるとき、各位置決めシャフト115は、本体ケーシング2内の右側において、感光ドラム12の各右フランジ部材42Rに形成される軸挿通穴37と、その先端部とが、左右方向に間隔を隔てて対向配置している。
また、左ドラム位置決め部材53が進出位置にあるとき、左ドラム位置決め部材53が右方に進出することにより、各左フランジ部材42Lを介してドラムユニット24が全体的に右方に移動される。そして、ドラムユニット24の右方への移動に伴ない、位置決めシャフト115の先端部が、右フランジ部材42Rの封止部48に形成されたさそい部52と接触して、位置決めシャフト115が位置決め穴51の内部空間に誘導され、位置決めシャフト115が位置決め穴51に進入する。
以上によって、4つの感光ドラム12は、4つの左ドラム位置決め部材53、4つの位置決めシャフト115、および2枚の固定板101により、本体ケーシング2に対する前後方向および上下方向の位置決めが達成される。
(3)作用効果
第3実施形態では、上記した第1実施形態の右ドラム位置決め部材54に代えて、位置決めシャフト115を備えている。
上記した右ドラム位置決め部材54は、位置決めシャフト98に加え、基準部材91、ばね部材95、シャフト保持部材90を備えている。
つまり、位置決めシャフト115は、上記した右ドラム位置決め部材54と比較して、部品点数が少なく形成されている。
そして、ドラムユニット24が本体ケーシング2に装着された状態で、左ドラム位置決め部材53が進出位置にあるとき、位置決めシャフト115は、右フランジ部材42Rの封止部48に形成された位置決め穴51の内部空間に進入する。
そのため、部品点数の低減を図ることができながら、感光ドラム12の本体ケーシング2に対する位置決めをすることができる。