投影対物光学系では、一般的には、屈折式対物光学系、反射式対物光学系、および反射屈折式対物光学系の3つの異なる種類に分類することができる。屈折式対物光学系は、屈折部、すなわちレンズ部を用いて対象物面からの光を結像面に結像する。反射式対物光学系は、反射部、すなわち鏡部を用いて対象物面からの光を結像面に結像し、反射屈折式対物光学系は、屈折部および反射部を用いて対象物面からの光を結像面に結像する。
高開口率投影対物光学系、特にEUVリソグラフィー用光学系では、高開口率投影対物光学系の少なくとも数枚の鏡に対する入射角は高い。入射角が高いと、反射損失が大きくなり、s偏光及びp偏光の位相差が補正不可能又は補正困難になる。特に、マイクロリソグラフィー投影対物光学系の高開口率部分においては鏡に対する入射角は高く、入射角の変動も極めて大きい。
これらの現象の原因は、当該分野における光学系において、テレセン度の要件を決定する、光学系の端部に配置される2枚の鏡の幾何学的配置にある。
米国特許第5686728号には、光路において像側端部に配置される2枚の鏡を凸面鏡と凹面鏡の組み合わせにした光学系が開示されている。このような凸面鏡と凹面鏡からなる鏡の組み合わせは、像側のテレセン度の要件を満たことはできるが、光路において最後から2番目に位置する鏡に対する入射角、特に入射角の変動が極めて大きくなるという問題があった。
本明細書では、入射角の大きさの目安として、例えば、対象物面のリングフィールドなどのフィールドのフィールド中心点を通る主光線が鏡に入射する入射角に着目した。この入射角の大きさをΘCRで表す。例えば、欧州特許第EP1434093号に開示したもののように、結像面に最も近く配置された鏡の物理的な位置に中間像を結像する場合、像側の開口数はNA=O.5と高くできる。しかしながら、このように構成された光学系では、入射角が高くなることによって、対象物面から結像面へ進む光路において最後から2番目に位置する鏡の光損失が高くなることは避けられない。
このような欠点を回避するため、例えば、米国特許第6750948B2号では、開口部を設けた鏡を少なくとも1枚備え、瞳の遮光を行うマイクロリソグラフィー投影光学系が提案されている。
米国特許第6750948号に開示された光学系においては、瞳に生じる陰影を犠牲にして、対物光学系の高開口率部分、特に光路において最後から2番目に位置する鏡の入射角を小さく保っている。
しかしながら、米国特許第6750948号に開示された光学系では、動作距離が極めて短く、最後から2番目に位置する鏡の最終的な厚さを含めて、最大で12mmという欠点があった。
鏡の剛性を鑑みると、このように短い動作距離は問題がある。
米国特許第6750948号に開示された光学系では、動作距離を大きくすると、光路において最後から2番目の鏡の直径が薄くなることによって瞳の遮光が強くなるため、動作距離を大きくすることはできない。
像側の開口数を極めて高くした遮光光学系については米国特許公開第2004/0114217号に開示されている。
米国特許公開第2004/0114217号に開示された光学系の欠点は、第1部分対物光学系の鏡が、貫通孔、即ち開口部を有する鏡である点である。
第1部分対物光学系が貫通孔を有する鏡を備えたこの光学系は、鏡を全て瞳近傍に配置するため、例えば、テレセン度や歪み等のフィールドに依存する像歪みを補正できなくなり、EUVリソグラフィー等が必要とする大きなフィールドには適さないという問題があった。
当該技術分野で公知な光学系には更に、十分な反射性と角度範囲をもって、構造体の解像度が50nmを下回るものに適したものがないという問題があった。
当該技術分野で公知な対物光学系は更に、特にマイクロリソグラフィー用投影光学系に使用する場合、像の色歪みを補正、又は最小化するために、種類の異なるガラスを用いる、或いは、非常に高価な狭帯域レーザの使用が必須であるという問題があった。
例えば、光ダイオード、いわゆるLED等が、広帯域光源が紫外線領域用に開発されたが、色収差が極めて大きく、従来の屈折式リソグラフィー光学系では光源として使用できなかった。青色、特に紫外線領域の光ダイオード、いわゆるLEDによる放射は波長が、例えば、365nm、280nm、又は227nmである。このような光ダイオードの帯域幅は+/−20nm乃至+/−50nmの範囲である。これらの範囲における光出力は100mW以下である。
本発明は、上述の従来技術の欠点を克服することを目的とする。
一方では入射角を低くし、もう一方では、特に好ましい実施の形態において、結像面の最も近くに位置する鏡の物理的な動作距離を十分に設けた高開口率対物光学系、特に、投影対物光学系を提供する。像側ではテレセントリックな光線を射出することが好ましい。
本発明の第2の更なる態様では、50nmを下回る構造体を解像できる光学系を提供する。本発明は特に、動作波長が193nm以下、好ましくは157nm以下、更に好ましくは100nm以下の光学系に対応する。
本発明の第3の更なる態様では、広帯域光源(例えば、LED)、例えば、633nm及び248nmの異なる離散光波長を用いることができる光学系を提供する。
本発明のマイクロリソグラフィー投影対物光学系は、好ましくは、少なくとも1枚の鏡を備えた第1部分対物光学系と、少なくとも2枚の鏡を備えた第2部分対物光学系に分けられる。
上述の本発明の第1の態様の課題は、少なくとも1枚の鏡を備えた第1部分対物光学系と1枚の1次凹面鏡と1枚の2次凹面鏡を備えた第2部分対物光学系からなり、第1部分対物光学系の鏡が、投影対物光学系を対象側から像側に貫通して進む光線束を通過させる開口部を有さない対物光学系、特にマイクロリソグラフィー投影対物光学系によって解決される。本発明によると、第2部分対物光学系の少なくとも2枚の鏡は凹面鏡であって、1次凹面鏡と2次凹面鏡が光線束を通過させるように構成されている。ここで「鏡」とは、本明細書において、鏡表面の光学的使用領域をいう。光学的使用領域とは、対物光学系を対象物面から結像面へ貫通して進む光線束が入射する領域をいう。第2部分対物光学系の2枚の鏡を凹面鏡に構成したことにより、1次凹面鏡と結像面との距離を、12mmを上回る、好ましくは15mmを上回るようにできる。
このように1次凹面鏡と結像面との距離を大きくすることによって、鏡と結像面の間に十分な構築スペースが生じるため、一方では、結像面に位置する照明する対象、例えばウェーハの扱いが容易になり、他方では、十分な厚さを持った鏡を配置して鏡の強度を高めることができる。ここで、1次凹面鏡と結像面との距離とは、1次凹面鏡の鏡表面の頂点と結像面との距離をいうものとする。この距離は好ましくは12mmを上回り、より好ましくは15mmを上回り、更に好ましくは30mmを上回り、特に好ましくは60mmを上回る。
投影対物光学系を通過する光線束を通過させる開口部を有する投影対物光学系の1次凹面鏡による瞳の遮光によって、投影光学系が0.4を上回る、好ましくは0.5を上回る、より好ましくは0.6を上回る、更に好ましくは0.7を上回る像側開口数NAを有することが可能になる。
157nm以上の波長で動作するVUV、DUV、UV投影対物光学系では、1次凹面鏡をマンジャン鏡として使用できる。マンジャン鏡では入射する光線束にレンズ部材を通過させ、即ち、波長が157nmの光線束ではCaF2を、波長が193nmの光線束ではSiO2を通過させ、この光線束を反射被膜で覆ったレンズ裏面で反射する。このようにして、極めて厚く、強度の高い鏡を構成して、被照明対象が配置される結像面との距離の極めて短い位置に配置できる。
本発明の特に好ましい実施の形態において、第1部分対物光学系の少なくとも1枚の鏡は、マイクロリソグラフィー投影対物光学系を対象物面から結像面へ貫通して進む光線束が入射する反射面を有し、この反射面は第1軸外部位を構成する。
本発明の対物光学系、特にマイクロリソグラフィー対物光学系は、光軸とも呼ばれる対称軸を有する。好ましい実施の形態において、鏡は光軸に対して回転対象である。鏡の軸外部位とは、この軸に対して回転対象な鏡表面の一部のみ、即ち、鏡の軸外部位を意味する。
いわゆる対物光学系のいわゆるフィールドグループと呼ばれる第1部分対物光学系と中継グループとも呼ばれる第2部分対物光学系の他に、本実施の形態のマイクロリソグラフィー投影対物光学系の有利な構成では、対象物面から結像面へ進む光路において第1部分対物光学系の後で第2部分対物光学系の前に、第3部分対物光学系を含む。
第3部分対物光学系はいわゆる伝達グループとも呼ばれる。
3つの部分対物光学系を含む、即ち、3つの部分光学系グループを備えた本発明の実施の形態の投影対物光学系の更に有利な構成では、第1部分対物光学系、いわゆるフィールドグループは、対象を第1中間像に結像する。
開口数の低い第1部分対物光学系が対物光学系全体の一部を構成するため、軸外部位を用いることによって陰影のない光線が得られる。軸外部位はフィールド近傍に設けることができるため、第1部分対物光学系に軸外部位を使用すると、例えば、テレセン度や歪み等のフィールドに依存する像歪みを補正できる。
第1部分対物光学系では、更に、瞳上に直接、或いは第1部分対物光学系を構成する2枚の鏡の間に、開口絞り及び瞳遮光を画定する陰影部位を設けることができる、作業可能な瞳面を構成できる。瞳面の瞳を遮光する陰影部位を設けることによって、フィールドと独立して瞳が遮光される。陰影部位を瞳面に設けない場合、フィールドに依存して瞳は遮光される。フィールドに依存して瞳が遮光されると、解像力がフィールドに依存して変動することになるため、リソグラフィー結像を行うマイクロリソグラフィー用の投影対物光学系の使用には適さない。
特に有利な実施の形態において、第1部分対物光学系は2枚以上の鏡、即ち、4枚の鏡を備え、更に好ましくは、第1部分対物光学系を構成するこの4枚の鏡は順に凹面鏡、凸面鏡、凸面鏡、凹面鏡である。
或いは、第1部分対物光学系を構成するこの4枚の鏡を順に、凸面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡ともできる。更に有利な実施の形態では、第1の鏡の曲率半径を極めて大きくして、例えば、10.000mm上回る値を選択できる。ここで、第1部分対物光学系を構成するこの4枚の鏡を順に、平面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡、又は凹面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡ともできる。
更なる実施の形態において、第1部分対物光学系は6枚の鏡を備えてもよい。第1部分対物光学系を構成する6枚の鏡には様々な配置が考えられる。第1の実施の形態において、6枚の鏡は順に、凸面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡、凹面鏡、凸面鏡であり、第2の実施の形態において、6枚の鏡は順に、凸面鏡、凹面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凸面鏡、凹面鏡であり、第3の実施の形態において、6枚の鏡は順に、凹面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡であり、第4の実施の形態において、6枚の鏡は順に、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡であり、第5の実施の形態において、6枚の鏡は順に、凹面鏡、凸面鏡、凹面鏡、凸面鏡、凸面鏡、凹面鏡が可能である。
好ましい実施の形態において、第1の部分対物光学系の第1の鏡の曲率半径の値を極めて大きくする、好ましくは、10.000mmを上回る値を選択できる。したがって、第1の鏡を平面鏡、凸面鏡、或いは凹面鏡として構成できるため、第1部分対物光学系において以下の鏡の順列が可能である。
凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡
平面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡
凸面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡
平面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡
凸面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡
平面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡
凸面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凸面鏡−凹面鏡
平面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凸面鏡−凹面鏡
特に、対象物面から結像面への光路における第1部分対物光学系の第2の鏡の入射角を低くするため、対象物面から結像面へ進む光路の第1部分対物光学系の第2の鏡を凹面鏡で構成することが有利である。
更なる実施の形態において、対物光学系、特にマイクロリソグラフィー投影対物光学系は、伝達グループと呼ばれる第3部分対物光学系を含む。第3部分対物光学系は、好ましくは2枚の鏡、特に有利な実施の形態では正確に2枚の鏡から構成される。このように構成された第3部分対物光学系は、低開口率部分対物光学系を高開口率部分対物光学系に変換する、基本的には、結像スケール、即ち、像倍率を調整する働きをする。伝達グループを構成する2枚の鏡の一方を凸面鏡とし、他方を凹面鏡で構成すると特に有利である。伝達グループの鏡を第3の鏡、第4の鏡と呼ぶと、好ましくは第3の鏡は凸面鏡で構成し、第4の鏡は凹面鏡で構成するか、或いは第3の鏡を凹面鏡で構成し、第4の鏡を凸面鏡で構成する。
マイクロリソグラフィー投影光学系は、好ましくは、第1部分対物光学系が対象物面を第1中間像に結像し、第3部分対物光学系が第1中間像を第2中間像に結像し、第2部分対物光学系が第2中間像を結像面に結像するように構成される。
鏡の孔部を小さく保ち、必要な遮光、特に瞳遮光を小さく保つため、開口部、即ち、鏡の孔部を可能な限り小さく保つことが有利である。これは、本発明の更なる態様による、複数の鏡を備え、光学系の中間像を個別の部分対物光学系の間、鏡の孔部近傍に結像するマイクロリソグラフィー投影対物光学系によって可能になる。第1中間像を第4の鏡の物理的近傍、第2中間像を第3の鏡の物理的近傍に結像すると特に有利である。物理的近傍とはこの場合、鏡表面の頂点からそれぞれの中間像まで光軸に沿って測定した距離が、対物光学系の全長の1/10を下回る距離であることを意味する。対物光学系の全長とは、対象物面から結像面までの光軸に沿った距離をいう。
既に説明したように、第3部分対物光学系は第2中間像を結像するが、この第2中間像は通常、第3の鏡に近接した好ましい位置に設けられるため、結像面用に使えない。第2部分対物光学系はこの第2中間像を結像面に結像して、好ましくは、必要な鏡の厚さも考慮して、結像面から十分な動作距離を保持できるようにする。
第3の鏡と2次凹面鏡の直径は、米国特許公開第2004/0114217A1号に記載されているように大きく異なるのではなく、基本的に同様の大きさであることが好ましい。好ましい実施の形態において、2枚の鏡の直径は、ただ2倍(Faktor2)だけ異なる。
このような光学系の特に好ましい実施の形態において、第3の鏡と2次凹面鏡が基本的に、2次凹面鏡の直径(d1)と第3の鏡の直径(d2)、及び2枚の鏡と中間像とのそれぞれの距離Z1、Z2が、
で表される条件を満たす、即ち、
の比が
の比とほぼ一致する条件を満たす直径を有することが提案される。ここでd1は2次凹面鏡の直径、d2は第3の鏡の直径、Z1は2次凹面鏡の表面から2次中間像までの距離、Z2はは第3の鏡の表面から2次中間像までの距離を示す。
発明者らは、この条件が満たされると光学系の遮光が最小となり、特に、好ましくない瞳遮光の拡大を回避できることを発見した。
本発明の特に好ましい実施の形態では、対象物面から結像面へ進む光路における最後から4番目の鏡と最後の鏡を2重鏡として構成する。このように構成された二重鏡では、基板の表面と裏面の2つの反射面が用いられる。又、二重鏡には開口部、例えば、二重鏡を貫通する孔が設けられている。かかる二重鏡において、基板の両側はそれぞれ、表面と裏面に、例えば、波長λ=13nmのX線リソグラフィー用の、Mo/Siからなる40の層の組を含む高反射層を蒸着している。3つの部分対物光学系を備えた光学系では、対象物面から結像面へ進む光路における最後から4番目の鏡は第3の鏡であり、最後の鏡は2次凹面鏡である。
このように構成された二重鏡は、1枚のレンズのように製造して導入できる。2枚の鏡から構成することもできるが、この場合、2枚の鏡を、大きな剛性を有する物質(例えば炭化ケイ素)から製造する必要がある。
有利な実施の形態では、遮光を可能な限り小さくするため、二重鏡の開口部を円錐形に構成する。
二重鏡を構成に構成することによって、高い機械的安定性が得られる。
結像面からの十分な距離を確保するため、UV、DUV又はVUV領域の波長ではマンジャン鏡も使用できる。
マンジャン鏡の構成については、例えば、「Lexikon der Optik(光学辞典)」223頁に開示されている。
本発明の特に有利な構成では、2枚の鏡に対する入射角は、対象物面から結像面へ進む光路における第2の鏡を凹面鏡として構成することによって低くできる。
本発明の更に好ましい実施の形態では、光学系の開口絞りと陰影絞りを同じ場所ではなく、お互いに共役な2つの絞り面に設ける。これらの絞り面は、投影対物光学系の入射瞳に対しても共益な面に対応し、即ち、いわゆる瞳面である。
陰影絞り及び開口絞りを鏡から離間して設けることによって、光学的にも、機械的にも利点が得られる。鏡の直前に開口絞り又は陰影絞りを設けた場合、光線は必然的に2度貫通することになるため、口径食の発生が避けられず、結像品質が劣化する。しかしながら、開口又は遮光絞りを鏡の近傍に設けることは、双方に必要な構築スペースは有限で、制限されており、機械的な遊びも極めて小さく保つ必要があるという機械的理由から、困難である。米国特許第6750648号には、遮光瞳を、鏡上の非反射被膜によって実現したものが開示されている。このように構成することにより、陰影絞りとも呼ばれる遮光絞りは、鏡全体を交換することによって交換可能となるが、コストがかかるという問題があった。開口絞りが外側に進む光線束を制限し、外側半径、即ち、開口半径を固定する一方で、陰影絞りによって、フィールドと独立した遮光が画定され、投影光学系を対象物面から結像面へ貫通する光線束の内側半径が決定される。
本発明の特に好ましい実施の形態では、いわゆるフィールドグループとも呼ばれる第1部分対物光学系を含む本発明のマイクロリソグラフィー投影対物光学系が、更に、2枚の凹面鏡を備えた第2部分対物光学系を含む構成が提供される。フィールドグループは、いわゆる軸外鏡部位である。この対物光学系は、第3部分対物光学系、即ち、光線束を通過させる鏡を有する伝達グループを備えていない。このように構成された対物光学系の利点は、伝達グループを省くことによって2枚の鏡を不要にできる点である。こうして光透過性が高まると同時に、製造コストを削減できる。本対物光学系は、伝達グループの働き、即ち、開口数の低いフィールドグループと開口数の高い開口グループを連結する働きを、フィールドグループと開口グループのみで実現している。好ましい実施の形態において、フィールドグループは6枚の鏡を備え、それらの鏡は順に、例えば、凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡、或いは凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凸面鏡―凹面鏡である。特に好ましい実施の形態において、上記対物光学系は、主光線角度を小さくして、開口数をNA=O.7にできる。
本発明の第2の態様では、波長が193nm以下、特には193nm、157nm、或いは約100nmで、大きさが50nm以内の構造体を解像可能な対物光学系を提供する。本発明の第2の態様は、像側開口数NAが0.7を上回るように構成された光学系によって実現する。開口数は、好ましくは0.72を上回る、より好ましくは0.80を上回る、更に好ましくは0.90を上回る。
本発明の第2の態様の対物光学系は、好ましくは、8枚を上回る鏡、特に好ましくは、少なくとも10枚の鏡を備える。本発明の第2の態様の対物光学系は、代替として、或いは付加的に、像フィールド測定値、或いは像フィールド寸法が1mmを上回る像フィールドを有する。
特別な実施の形態では、フィールド中心点に進む主光線の入射角が、あらゆる鏡において30°を下回る高開口率光学系を提供する。
本発明の第2の態様の好ましい実施の形態の光学系は、第1部分光学系と第2部分光学系の2つの部分光学系を含む。
第1部分光学系は、好ましくは、投影対物光学系の中心軸から外れて位置する、好ましくは、中央開口部を有さない鏡のみを備える。これらの鏡は、いわゆる軸外鏡部位によって成される。第1部分光学系は、フィールドグループとも呼ばれる。
第2部分光学系は、中央開口部を有する鏡を少なくとも1枚備える。第2部分光学系は開口グループとも呼ばれる。
本発明の第2の態様の第1の実施の形態において、フィールドグループは、8枚の鏡を備え、これらの鏡は、第1小対物光学系部分を構成する6枚の鏡と第2小対物光学系部分を構成する2枚の鏡に分けられる。フィールドグループを構成する鏡は、好ましくは順に、凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凸面鏡―凹面鏡である。フィールドグループは8枚の鏡を備えることによって、フィールドに依存した像歪みを極めて良好に補正できる。
本発明の第2の態様の第1の実施の形態では、開口グループは2枚の凹面鏡を備える。
本発明の第2の態様の第2の実施の形態では、フィールドグループは6枚の鏡を備え、これらの鏡は、順に、凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡である。フィールドグループは4枚の鏡を備えた第1小対物光学系と、2枚の鏡を備えた第2小対物光学系に分けられる。開口グループは2枚の凹面鏡からなる第1部分対物光学系対応部と、2枚の凹面鏡からなる第2部分対物光学系対応部を備える。本態様の第2の実施の形態の対物光学系は、合計で3つの中間像を結像する。本態様の第2の実施の形態は、極めて小さな入射角で極めて高い開口数を実現する点に特徴がある。本発明の第2の態様の第2の実施の形態では、フィールド中心に進む主光線の入射角は30°を下回る。更に、本発明の第2の態様の第2の実施の形態の光学系は、鏡と鏡の間のドリフト区間が長い点に特徴がある。
本発明の第2の態様の第2の実施の形態では、フィールドグループは6枚の鏡を備える。フィールドグループを構成する6枚の鏡は、順に、凸面鏡―凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凸面鏡―凹面鏡である。開口グループは、同様に、第1部分対物光学系対応部と第2部分対物光学系対応部に分けられる。開口グループの鏡は、順に、凸面鏡―凹面鏡―凹面鏡―凹面鏡である。本対物光学系は、合計で2つの中間像を結像する。本対物光学系は、特に、開口数が極めて高い点に特徴がある。本発明の第3の態様では、対象物面と結像面の間に最大(maximal)一つの中間像を結像し、像側開口数NAが0.5を上回る、特に好ましくは0.7を上回るように構成された、少なくとも8枚の鏡を備えた光学系が提供される。
本発明の第3の態様の代替の実施の形態では、対物光学系は2つの部分対物光学系を含み、第2部分対物光学系は、光線束を通過させる開口部を有する鏡を少なくとも1枚備える。特別な実施の形態において、本光学系は、中間フィールド点に進む主光線の入射角が全ての鏡において30°を下回る、好ましくは26°を下回る点に特徴がある。
本発明の第3の態様の好ましい実施の形態の光学系では、第1部分光学系は中央開口部を有さない鏡、好ましくは投影対物光学系の中心軸から外れて位置する軸外の鏡のみを備える。これらの鏡は、いわゆる、軸外部位によって構成される。第1部分光学系はフィールドグループとも呼ばれる。
好ましくは、第2部分光学系は、中央開口部を有する鏡を少なくとも1枚備える。第2部分光学系は開口グループとも呼ばれる。
好ましい実施の形態において、フィールドグループは6枚の鏡を備え、これらの鏡は順に、凸面鏡―凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凸面鏡―凹面鏡で、瞳内に、瞳の被照明領域全体に対して12%を下回る面積の中央陰影を有する。本実施の形態は、瞳の陰影が極めて少ない点に利点がある。本実施の形態の更なる利点は、入射瞳が負の横断幅(Schnittweite)を有する点である。これによって、照明システム内で2枚の鏡を不要にして、光学系全体の透過性を向上できる。本発明の代替の実施の形態において、フィールドグループは6枚の鏡を備え、これらの鏡は順に、凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡で、第1の鏡の曲率半径は、代替として平面鏡又は凸面鏡を用いることができる程度に大きい。本実施の形態において、入射瞳の横断幅は正であり、フィールドグループの鏡表面への入射角は極めて小さく26°を下回る。
主光線が光軸に対して平行にレチクルを進む光学系も提供できることは言及するまでもない。かかる光学系の照明を可能とするため、透過性マスクを使用するか、或いは、反射性マスクを使用する場合は、ビームスプリッター又は半透明鏡を光路に設ける必要がある。
好ましい実施の形態において開口グループは2枚の鏡を備える。好ましくは、開口グループの第1の鏡は凸面鏡であり、開口グループの第2の鏡は凹面鏡である。
本発明の特に好ましい実施の形態において、フィールドグループと開口グループの間に正確に中間像が結像される。
好ましい実施の形態において、絞りは、開口グループの第1の鏡、即ち、第7の鏡と、開口グループの第2の鏡、即ち、第8の鏡の間の光路に設けられる。このように開口絞りを設けることによって、境界部に十分な構築スペースが得られるため、これを光彩絞りとして設計できる。
或いは、絞りをフィールドグループ内の鏡の近傍又は鏡上に設けることができる。このように構成された本明細書記載の対物光学系、特に投影対物光学系、及びそれらの応用は、特に特許請求の範囲の従属項及び図面を参照した説明で明らかになる。
本明細書で説明する対物光学系は、特に、リソグラフィー投影露光装置用の投影対物光学系に適用される。リソグラフィー投影露光装置では、照明システムが、構造を有するマスク(レチクル)を照明し、投影対物光学系によって、この像が感光性基板に結像される。かかるリソグラフィー投影露光装置については、例えば、米国特許第5212588号、米国特許第5003567号、米国特許第6452661号又は米国特許第6195201号に記載のEUVリソグラフィー用投影露光装置、或いは米国特許第6512641号及び欧州特許第1069448号に記載の、波長が193nm以下のEUVリソグラフィー用投影露光装置によって当業者には公知である。
特に二重ファセット(切り子面)照明システムは、好ましくは、特に、フィールドファセット鏡のフィールド切り子面が、レチクル面の被照明フィールドの形状を有する、例えば、フィールドファセット面の被照明フィールドが環状の場合、フィールド切り子面を環状に構成する。かかる光学系ではフィールドを形成する鏡は必要としない。
半導体要素のマイクロ構造体は、複数の極めて複雑な工程ステップを経て製造される。基本的な工程ステップとして、感光性基板(ウェーハ)、例えば、感光層を塗布したシリコン基板の露光が挙げられる。ここで、個々の層、いわゆるレイヤーを投影対物光学系によって製造することにより、対応するレチクルをウェーハに結像する。
本発明の対物光学系、特に、投影対物光学系は、単独において、或いは組み合わせにおいて、様々な有利な特性を発揮する。本発明の対物光学系、特に投影対物系が有する利点について以下に詳細に説明する。本発明の反射系投影対物光学系は、像側開口数が極めて大きいという利点を有する。投影対物光学系は、像側開口数を大きくして、投影対物光学系を構成する反射素子に入射する放射の入射角度を比較的小さくできる。これによって、反射素子によって反射される放射の強度変動を、一つ以上の反射素子に入射する放射の入射角度の範囲の広い投影対物光学系と比較して、緩和できる。このようにして強度変動を回避することによって、像品質が向上する。更に、本明細書で説明する一実施の形態の投影対物光学系は、像側開口数が大きく、動作距離も比較的大きいため、構築スペース、例えば、ウェーハ台のためのスペースを十分に確保でき、結像面の作業が容易になる。例えば、像側動作距離を15mm以上にできる。
更に、いくつかの実施の形態において、投影対物光学系は、像側がテレセントリックである。一実施の形態において、投影対物光学系は、瞳に生じる遮光を僅かにするように構成された、放射を通過させる開口部を有する鏡を備えることができる。ある実施の形態は、解像度が極めて高い点において優れている。例えば、投影対物光学系は、50nm以下の構造体を解像できる。本発明による投影対物光学系では、像側開口数を高くしてこのように高い解像度を実現している。好ましくは、例えば、10nmから30nmの間の短波長を用いるように投影対物光学系を設計する。
投影対物光学系は、収差の少ない結像を行う。一実施の形態において、投影対物光学系は、波面収差が10mλ以下である。いくつかの実施の形態では、歪みを1nmより良い値に補正する。
投影対物光学系は、1以上の瞳面を有してもよく、瞳面に開口絞り又は遮光絞り、陰影絞りを設ける作業を行えるように構成してもよい。
本明細書で説明する投影対物光学系は、様々な複数の波長、例えば、可視光領域の波長、又はUV波長で動作可能なように設計している。特に好ましい実施の形態では、EUV波長で動作するようになっている。本発明の更なる実施の形態では、1以上の波長、又は波長領域での使用に設計してもよい。
一実施の形態の投影対物光学系では、像側の開口数を比較的高くしながら、入射角度が極めて低くなるようにレチクルを配置できる。例えば、投影対物光学系の像側開口数を0.4以上として、照明システムの放射がレチクルに入射する角度を光軸に対して10°以下、或いは、例えば、約7°以下にできる。
一実施の形態において、投影対物光学系は、照明システムの複雑さを簡単にできるという特性を有する。例えば、投影対物光学系の入射瞳を、光路において対象物面の前に位置するようにできる。換言すると、様々なフィールド点から進む主光線は、お互いに発散し合い、光軸に対しても発散する。このため、例えば、照明システム用の望遠鏡光学系などの光学部品を必要とせずに、照明システムの射出瞳を投影対物光学系の入射瞳の場所に結像できるように、投影対物光学系の入射瞳、即ち、照明システムの射出瞳を得られる。
一実施の形態では、投影対物光学系は、光軸が対象物面を横切る位置において比較的大きい作業スペースを設けられる。これによって、部品、特に照明システムを構成する部品をレチクル近傍に配置できる。いくつかの実施の形態ではこれを、対象物面に対して物理的に最も近い鏡が、光軸から比較的遠くに位置するように投影対物光学系を構成、即ち、設計して可能にしている。このような実施の形態では、投影対物光学系のレチクルから第1の鏡に進む光線束が、投影対物光学系の第2の鏡から第3の鏡に進む光線束を横切るようにしてもよい。
本明細書に記載の内容は、単独でのみ説明され、組み合わせについて明示的な説明がないとしても、あらゆる特徴の組み合わせも含意する。
本発明について添付の図面を参照して詳細に説明する。本発明の更なる利点と特性について、実施の形態を参照して説明する。実施の形態は例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
図1aから図1pを参照して、複数の実施の形態に関連して用いられる一般的な概念について詳細に説明する。
図1aに、マイクロリソグラフィー投影露光装置2100を示す。マイクロリソグラフィー投影露光装置は、光源2110と、照明システム2120と、投影対物光学系2101と、支持構造部、即ち、作業面2130とを備える。更に、デカルト座標系も図に示す。光源2110から出射される放射は照明システム2120に導かれる。照明システム2120は、光源2110から出射される放射に対して、例えば、放射を均一化する、或いは放射の光線束2122を、対象物面2103内に位置するマスク2140上に導くなどの影響を与える。投影対物光学系2101は、マスク2140により反射された放射を、結像面2102内に位置する基板面2150上に投影することによって、マスク2140の像を結像する。投影対物光学系2101の像側の光線束を、参照番号2152で示す。基板2150は支持構造部2130によって支持又は搬送されるようになっており、具体的には、投影対物光学系2101がマスク2140の像を基板2150の異なる領域に投影するように、支持構造部2130は基板2150を投影対物光学系2101に対して移動する。
投影対物光学系2101は光軸2105を有する。図1aに示すように、投影対物光学系2101は結像面2102に、投影対物光学系2101の光軸を有しないマスク2140の一部を結像する。図示していないが、代替の構成では、投影対物光学系の光軸HA上の対象物を結像面2102に結像することも可能である。光源2110として、マイクロリソグラフィー投影露光装置2100が動作する動作波長λで電磁放射を放射できるものを選択する。ある実施の形態において、光源2110はレーザ光源、例えば、EUV放射、又は波長が248nmのKrFレーザ、或いは波長が193nmのArFレーザを放射するレーザプラズマ光源である。或いは、レーザ光源の代わりに、例えば、365nm、280nm又は227nmの青又は紫外線領域の電磁スペクトルを放射する、例えば光ダイオード(LED)等を用いることもできる。
マイクロリソグラフィー投影露光装置の動作波長λは、紫外線又は極紫外線(EUV)領域の電磁スペクトル域にある。動作波長は400nm以下、或いは300nm以下、特に200nm以下、更には100nmでもよい。本実施の形態において、動作波長は、例えば、193nmの領域、好ましくは157nm、更に好ましくはEUV波長領域、或いは13nmの領域でもよい。
投影様態物光学系の解像度は一般的に使用する動作波長にほぼ正比例することから、特に短波長の放射を用いることが好ましい。したがって、使用する波長が短い程、投影用対物化学系は、より長い波長を用いた同様の投影対物光学系と比較して、像構造をより細かく解像できる。
照明システム2120は、強度分布が概ね均一で平行な光線を放射できる光学部品を備える。照明システム2120は更に、光線束2122をマスク2140上に導く働きをする光学部品を備える。特に好ましい実施の形態において、照明システム2120は更に、特定の偏光分布の光線束を生成する光学部品を備える。
対象物面2103は、結像面2102から距離L離間しており、この距離は、投影対物光学系2101の全長BLでもある。一般的にこの全長は、投影対物光学系2101固有の構成、及びマイクロリソグラフィー投影露光装置2100が動作する波長に依存する。本明細書に記載の実施の形態において、全長は、約1メートルから3メートルの範囲、好ましくは約1.5メートルから2.5メートルの範囲である。
特定の実施の形態において、全長は2メートルを下回る、例えば、1.9メートルを下回る、好ましくは、1.8メートルを下回る、更に好ましくは、1.7メートルを下回る、特に好ましくは、1.6メートルを下回る、或いは1.5メートルを下回る。
投影対物光学系2101は、対象物面2103のフィールドの寸法と、対応する結像面2102の結像フィールドの寸法との比率を表す、像倍率を有する。通常、リソグラフィー装置が使用する投影対物光学系は、縮小式投影対物光学系であるため、対象物の寸法より像の寸法は小さくなる。ある実施の形態では、投影対物光学系2101は、結像面2102内に、対象物面2103の寸法に対する縮小倍率が2倍以上、好ましくは3倍以上、更に好ましくは4倍、より好ましくは5倍、更に好ましくは6倍、より好ましくは7倍、更に好ましくは8倍、より好ましくは9倍、特に好ましくは10倍のフィールドを生成する。しかしながら、対象物に対して拡大した像、或いは同等の寸法の像を生成する投影対物光学系も開発できる。
図1bに、結像面2102に投影された対象物の像を表す光線束の周辺光線2152を示す。周辺光線2152は円錐状の光線を画成する。
円錐状の光線の角度は、投影対物光学系2101の像側の開口数(NA)に関係する。
像側開口数NAは以下の数式で表せる。
NA = n0*sinΘmax
ここでn0は、基板2150に隣接して介在する媒体の屈折率である。この媒体として、例えば、空気、窒素、水、或いは真空等を挙げることができる。角度2・ΘNAは、周辺
光線によって形成される角度を表す。EUV光を用いた照明システムの場合、媒体は真空であり、屈折率n0=1となる。Θmaxは、投影対物光学系2101からの周辺光線によって形成される角度を表す。
一般的に、投影対物光学系2101は、比較的高い像側開口数NAを有する。例えば、投影対物光学系2101の像側開口数NAは、ある実施の形態において、0.4以上、特に0.45以上、特に0.5以上、特に0.55以上、特に0.6以上、特に0.65以上、特に0.7以上、特に0.75以上、特に0.8以上、特に0.85以上、特に0.9以上である。一般的に、投影対物光学系2101の解像度は、波長λと像側開口数NAに依存する。
投影対物光学系の解像度と波長及び像側開口数との関係を以下の式で表せる。
ここで、Rは、解像可能な投影対物光学系の最小寸法を表し、kは、寸法に依存しない定数で、処理係数と呼ぶ。処理係数kは、例えば、抵抗物質の極性特性等の各種要件によって変動する。通常、kは0.4から0.8の範囲にあるが、特殊なケースでは0.4を上回る、或いは0.8を下回ることもある。
ある実施の形態において、投影対物光学系2101は、比較的高い解像度を有する。即ち、Rの値が比較的小さい。例えば、Rの値は150nm以下、好ましくは130m以下、好ましくは100nm以下、好ましくは75nm以下、好ましくは50nm以下、好ましくは40nm以下、好ましくは35nm以下、好ましくは32nm以下、好ましくは30nm以下、好ましくは28nm以下、好ましくは25nm以下、好ましくは22nm以下、好ましくは20nm以下、好ましくは18nm以下、好ましくは17nm以下、好ましくは16nm以下、好ましくは15nm以下、好ましくは14nm以下、好ましくは13nm以下、好ましくは12nm以下、好ましくは11nm以下、好ましくは10nm以下をとりうる。
投影対物光学系2001によって結像される像の品質は、様々な手法で数量化できる。
例えば、像は、ガウス光学を用いて得た、像の理想条件からのズレの測定値又は算出値に基づいて特徴付け、即ち数量化を行うことができる。このズレは一般的に収差として知られている。理想的な、或いは目標とする形からの波面のズレを数量化するために用いられる数量として、いわゆるRMS値WRMSと呼ばれる「二乗平均平方根」波面収差がある。WRMSについては、例えば、1995年Michael Bass (McGraw Hill),Inc.編集の「Handbook of optic」第1巻第2版35.3頁に記載されている。対物光学系において一般的に、WRMS値が小さい程、波面と目的とする、或いは理想的な形とのズレが少なくなり、像の品質は向上する。
好ましい実施の形態において、投影対物光学系2101は、結像面2102における像のWRMS値が極めて小さい。例えば、投影対物光学系2101のWRMS値は、例えば、約0.1λ以下、更に好ましくは約0.07λ以下、更に好ましくは約0.06λ以下、更に好ましくは約0.05λ以下、更に好ましくは約0.45λ以下、更に好ましくは約0.04λ以下、更に好ましくは約0.035λ以下、更に好ましくは約0.03λ以下、更に好ましくは約0.025λ以下、更に好ましくは約0.02λ以下、更に好ましくは約0.015λ以下、更に好ましくは約0.01λ以下の値をとりうる。
像の品質を評価するために使用可能なこの他の数量として、いわゆるフィールド湾曲(field curvature)と呼ぶ、像側のフィールド湾曲、即ち像面湾曲がある。像面湾曲とは、フィールド点に応じた、軸上の焦点面の位置の山と谷を比較した値として定義される。ある実施の形態において、投影対物光学系2101は、結像面2102の像に対して比較的小さい像面湾曲を有する。投影対物光学系2101は、例えば、像側の像面湾曲として、20nmを下回る、好ましくは15nmを下回る、更に好ましくは12nmを下回る、更に好ましくは10nmを下回る、更に好ましくは9nmを下回る、更に好ましくは8nmを下回る、更に好ましくは7nmを下回る、更に好ましくは6nmを下回る、更に好ましくは5nmを下回る、更に好ましくは4nmを下回る、更に好ましくは3nmを下回る、更に好ましくは2nmを下回る、更に好ましくは1nmを下回る値をとりうる。
投影対物光学系の光学的性能を評価するために利用できる他の数量として、いわゆる歪みがある。この歪みは、結像面における理想的な像点位置に対する、フィールド点に依存する像点のズレの最大絶対値として定義される。いくつかの例において、投影対物光学系の歪みは比較的小さく、10nm以下、好ましくは9nm以下、更に好ましくは8nm以下、更に好ましくは7nm以下、更に好ましくは6nm以下、更に好ましくは5nm以下、更に好ましくは4nm以下、更に好ましくは3nm以下、更に好ましくは2nm以下、更に好ましくは1nm以下である。対物光学系を反射システムとして構成する場合、投影対物光学系2101は、マスク2104から基板2150に進む放射を反射して、マスク2104の像が基板2150の表面に結像するように配置された複数の鏡を備える。特別な構成において、投影対物光学系は以下に説明するように構成される。一般的に言われているように、鏡の数、大きさ及び構造は、投影対物光学系2101の目的とする光学的特性及び投影露光装置2100の物理的限界条件により決定する。
投影対物光学系2101内の鏡の数は、変更可能である。通常、鏡の数は、対物光学系の光学的特性に関する様々な要件と結びついている。
ある実施の形態において、投影対物光学系2101は、少なくとも4枚の鏡、好ましくは、少なくとも5枚の鏡、好ましくは、少なくとも6枚の鏡、好ましくは、少なくとも7枚の鏡、好ましくは、少なくとも8枚の鏡、好ましくは、少なくとも9枚の鏡、好ましくは、少なくとも10枚の鏡、好ましくは、少なくとも11枚の鏡、好ましくは、少なくとも12枚の鏡を備える。対象物面と結像面の間に対物光学系の鏡が配置された構成の本発明の特に好ましい実施の形態において、投影対物光学系2101は、偶数枚の鏡、例えば、4枚の鏡、6枚の鏡、8枚の鏡、或いは10枚の鏡を有する。
投影対物光学系2101は一般的に、正の光学的屈折パワーを有する鏡を1枚以上備える。言い換えると、鏡の反射面、即ち、鏡の使用領域は凹表面を有する。このため、この鏡は凹面鏡又は凹型鏡と呼ばれる。投影対物光学系2101は、2枚以上、例えば3枚以上、或いは4枚以上、又は5枚以上、特には6枚以上の凹面鏡を備える。投影対物光学系2101はまた、負の光学的屈折パワーを有する鏡を1枚以上備えうる。即ち、1枚以上の鏡の反射面、即ち、使用領域は凸面を有する。この種の鏡は、凸面鏡又は凸面鏡と呼ばれる。いくつかの実施の形態において、投影対物光学系2101は、2枚以上、例えば3枚以上、或いは4枚以上、又は5枚以上、特には6枚以上の凸面鏡を備える。
ある実施の形態において、この種の鏡は投影対物光学系2101内に、対象物面2103から出射される放射が1つ以上の中間像を結像するように配置される。
本発明の実施の形態は、1つ以上の中間像を有し、2つ以上の瞳面を有する。好ましい実施の形態において、これら瞳面の少なくとも1つは開口絞りを物理的に配置しやすいように設けている。
一般的に、鏡は、ある角度又はある角度範囲を下回って反射面に入射した動作波長λの光の大部分をほぼ反射するように構成されている。鏡は、面に入射した波長λの放射の例えば、50%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、或いは80%以上、特に好ましくは90%以上を反射するように構成できる。いくつかの実施の形態において、鏡は、それぞれ異なった物質の層からなる多層スタック(multilayer stack)を含み、該スタックは面に入射される波長λの放射のほとんどを反射するように構成される。スタックの膜の光学的厚さは、約λ/4である。多層スタックは、20以上、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、特に好ましくは50以上の層を含みうる。一般的に多層スタックを構成する物質は、マイクロリソグラフィー装置の動作波長λに適した物質から選択する。多層システムは、例えば、モリブデンとシリコン、又はモリブデンとベリリウムを交互に積層して構成し、波長が10nmから30nmの領域、例えば、波長値λが13nmm又は11nmの放射を反射するようにする。
ある実施の形態において鏡は、アルミニウム層のみを被覆した石英ガラスから製造する。これに更に積層を行い、例えば、約193nmの波長用の、MgF2、LaF2、AI2O3等を含む誘電体層でオーバーコートする。
一般的に、鏡によって反射される放射の一部の変化を、鏡表面への入射角度の関数として表す。反射式投影対物光学系を通過する結像光線が伝播する経路は種々様々であるため、各鏡に対する放射の入射角度は鏡毎に異なり得る。これは、子午切断面、即ち子午面における鏡2300の一部を示す図1cから理解できる。子午面とは、投影対物光学系の光軸を含む面である。鏡2300は、凹面反射鏡表面2301を含む。様々な経路に沿って面2310上に到達する結像放射は、例えば、光線2310、2320、2330によって表される経路を沿ったものが含まれる。光線2310、2320、2330は、鏡表面2301の一部に入射する。鏡表面上の面法線方向は鏡表面2301のこの領域において異なる。この領域の面法線方向を、光線2310、2320、2330と対応づけて直線2311、2321、2331で表す。光線2310、2320、2330は、鏡表面にそれぞれ角度Θ2310、Θ2320、Θ2330で入射する。
投影対物光学系2100内の鏡毎に、多数の経路に沿って伝播する結像光線の入射角を表すことができる。結像光線の入射角を表現し得る一つの形式として、投影対物光学系2101の子午面の鏡毎に入射する光線それぞれの最大角度を用いるものがある。この最大角度をΘmaxとする。一般的に、角度Θmaxは、投影対物光学系2101を構成する各種の鏡に応じて変動し得る。本発明の一実施の形態において、投影対物光学系2101の全ての鏡の最大値Θmax(max)は75度以下、好ましくは70度以下、より好ましくは65度以下、或いは60度以下、更に好ましくは55度以下、或いは50度以下、特に好ましくは45度以下である。いくつかの実施の形態において、最大角度Θmax(max)は比較的小さい。最大角度Θmax(max)は例えば、40度以下、好ましくは35度以下、更に好ましくは30度以下、或いは25度以下、特に好ましくは20度以下、より好ましくは15度以下、或いは13度以下、特に好ましくは10度以下でもよい。
入射角を表現し得る他の可能性として、子午断面の鏡毎に対象物面を照射するフィールド中心点の主光線の入射角を用いることできる。この角度をΘCRで表す。主光線角度ΘCRについては、本明細書の導入部において既に説明した。投影対物光学系の最大角度ΘCR(max)はフィールド中心点の最大主光線角度として定義できる。この角度ΘCR(max)は比較的小さくてもよく、投影対物光学系の最大ΘCR(max)は、例えば、35度以下、好ましくは30度以下、更に好ましくは25度以下、或いは15度以下、特に好ましくは13度以下、更に好ましくは10度以下、或いは8度以下、更に好ましくは5度以下でもよい。
投影対物光学系2101の各鏡は更に、投影対物光学系2101の子午断面における入射角の範囲によって表すこともできる。各鏡の角度Θの範囲の変動を、ΔΘとして表す。各鏡において、ΔΘは角度Θ(max)とΘ(min)との間の差分として定義される。ここで、Θ(min)は、投影対物光学系2101の子午面の鏡表面に入射する結像光線の最小角度であり、Θ(max)は、既に説明したように、鏡表面に入射する結像光線の最大角度である。一般的に、投影対物光学系2101の鏡毎に角度範囲ΔΘは変動する。いくつかの鏡において、ΔΘは比較的に小さくてもよい。例えば、ΔΘは、10度を下回る、好ましくは8度を下回る、特に好ましくは5度を下回る、更に好ましくは3度を下回る、特に好ましくは2度を下回ってもよい。或いは、投影対物光学系2101の他の鏡においてΔΘは比較的に大きくてもよい。例えば、いくつかの鏡においてΔΘは、20度を上回る、好ましくは25度を上回る、特に好ましくは30度を上回る、更に好ましくは35度を上回る、特に好ましくは40度を上回ってもよい。いくつかの構成において、ΔΘの最大値、投影対物光学系2101の全ての鏡における鏡の角度バラツキの最大値である値ΔΘmaxは比較的小さくてもよい。例えば、値ΔΘmaxは25度を下回る、好ましくは20度を下回る、或いは15度を下回る、更には12度を下回る、特に好ましくは10度を下回る、更には8度を下回る、或いは7度を下回る、更に好ましくは6度を下回る、特に好ましくは5度を下回る、更に好ましくは4度を下回ってもよい。
一般的に、反射式投影対物光学系は、屈折式光学系で用いられる透過素子とは異なり、反射素子によって生じる光路の遮光を考慮して構成されている。
鏡群は、投影対物光学系を介した光路を伝播する光線が、透過開口部、例えば、鏡の孔部を介して、又は鏡の端部を横切って導かれるように構成されている。投影対物光学系2101内の鏡群はしたがって次の二つのグループ、即ち、放射を通過させる開口部を有する鏡と開口部のない鏡に分類できる。
光線束を通過させる開口部を有する鏡の一例として鏡2600を図1dに示す。鏡2600は、開口部2610を有する。鏡2600を投影対物光学系2101内に、光軸2105が開口部2610を通るように配置できる。鏡2600は、直径Dの円形形状である。一般的にDは投影対物光学系2101の設計によって決定する。いくつかの例において、Dは1500mm以下、好ましくは1400mm以下、更に好ましくは1300mm以下、特に好ましくは1200mm以下、更に好ましくは1100mm以下、特に好ましくは1000mm以下、更に好ましくは900mm以下、特に好ましくは800mm以下、更に好ましくは700mm以下、特に好ましくは600mm以下、更に好ましくは500mm以下、特に好ましくは400mm以下、更に好ましくは300mm以下、更に好ましくは200mm以下、特に好ましくは100mm以下である。
一般的に、投影対物光学系2101の鏡は、円形又は非円形形状の開口部を有してもよい。
非円形に構成された鏡は、1500mmを下回る、好ましくは1400mm下回る、更に好ましくは1300mm下回る、特に好ましくは1200mm下回る、更に好ましくは1100mm下回る、特に好ましくは1000mm下回る、更に好ましくは900mm下回る、特に好ましくは800mm下回る、更に好ましくは700mm下回る、特に好ましくは600mm下回る、更に好ましくは500mm下回る、特に好ましくは400mm下回る、更に好ましくは300mm下回る、更に好ましくは200mm下回る、特に好ましくは100mm下回る最大寸法を有してもよい。
開口部2610は、例えば、直径D0を有する円形である。D0は、投影対物光学系2101の設計に依存し、開口部は一般的に、放射を対象物面2103から結像面2102へ導くために十分な大きさである。開口部は円形でなくてもよい。非円形の開口部の例として、例えば、正方形開口部、長方形開口部、六角形開口部、八角形開口部等の多角形形状の開口部、及び、例えば楕円形開口部又は不規則に湾曲した開口部等の非円形に湾曲した形状の開口部が挙げられる。
非円形形状の開口部は、最大直径が0.75D以下、特に0.5D以下、好ましくは0.4D以下、更に好ましくは0.3D以下、或いは0.2D以下、更に好ましくは0.1D以下、特に好ましくは0.05D以下でもよい。いくつかの実施の形態において、鏡は、最大寸法約50mm以下、好ましくは45mm以下、更に好ましくは40mm以下、特に好ましくは35mm以下、或いは30mm以下、更に好ましくは25mm以下、特に好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下、特に好ましくは5mm以下の非円形開口部を含んでもよい。
投影対物光学系2101が、開口部を有する鏡を2枚以上備える実施の形態において、同様の形状又は形状の異なるそれぞれの鏡に開口部を構成できる。更に、それぞれの鏡に形成された放射を通過させる開口部は、同一の寸法でもよく、或いは寸法が異なってもよい。
開口部を有さない鏡の一例として鏡2660を図1eに示す。鏡2660は、環状部位を有する。鏡2660は円形形状の鏡2670の部位と形状が、鏡2670と同一の直径Dを有する点において一致する。鏡2660は最大寸法、即ちx軸方向にMxで示された寸法を有する。本実施の形態において、Mxは1500mm以下、好ましくは1400mm以下、更に好ましくは1300mm以下、特に好ましくは1200mm以下、更に好ましくは1100mm以下、或いは100mm以下、好ましくは900mm以下、より好ましくは800mm以下、更に好ましくは700mm以下、特に好ましくは600mm以下、或いは500mm以下、より好ましくは400mm以下、更に好ましくは300mm以下、より好ましくは200mm以下、特に好ましくは100mm以下でもよい。
鏡2660は、子午線2675に対して対称形である。鏡2660は、子午線2675に沿った寸法Myを有する。MYは、Mxよりも大きくてもよく、小さくてもよい。いくつかの実施の形態において、MYは、0.1Mxの範囲内、好ましくは0.2Mx以上の範囲内、特に0.3Mx以上の範囲内、好ましくは0.4Mx以上の範囲内、更に好ましくは0.5Mx以上の範囲内、より好ましくは0.6Mx以上の範囲内、或いは0.7Mx以上の範囲内、好ましくは0.8Mx以上の範囲内、より好ましくは0.9Mx以上の範囲内である。或いは、一実施の形態においてMYは1.1Mx以上、好ましくは1.5Mx以上、或いは2Mxから10Mxの範囲内でもよい。MYは約1000mm以下、好ましくは900mm以下、より好ましくは800mm以下、更に好ましくは700mm以下、特に好ましくは600mm以下、或いは500mm以下、より好ましくは400mm以下、更に好ましくは300mm以下、或いは200mm以下、特に好ましくは100mm以下でもよい。
開口部を有さない鏡は、光軸2105が鏡を通る、或いは光軸2105が鏡を通らないように配置できる。
一般的に、投影対物光学系2100は、設計に応じて、形状及び大きさの異なる鏡を備えている。いくつかの実施の形態において、投影対物光学系を構成する各鏡の最大寸法は、1500mm以下、好ましくは1400mm以下、より好ましくは1300mm以下、更に好ましくは1200mm以下、或いは1100mm以下、より好ましくは1000mm以下、更に好ましくは900mm以下、特に好ましくは800mm以下、更に好ましくは700mm以下でもよい。
一実施の形態において投影対物光学系2101は、例えば、結像面2102又は中間結像面に象を結像するように配置した、開口部を有さない、例えば、2枚以上の鏡、3枚以上の鏡、4枚以上の鏡、5枚以上の鏡、6枚以上の鏡からなる鏡群を備える。本実施の形態において、投影対物光学系2101は1つの鏡群、又は複数の鏡群を備え、このような鏡群を部分対物光学系、即ち、部分光学系と呼ぶ。
一実施の形態において、投影対物光学系2101は、複数の部分対物光学系を具備できる。例えば、投影対物光学系は、2つの部分対物光学系、3つの部分対物光学系、4つの部分対物光学系、4つを越える部分対物光学系を具備できる。部分対物光学系の一例として、図1fに部分対物光学系2400を示す。部分対物光学系2400は、対象物面2103又は中間結像面に対応する対象物面2403からの放射を、結像面2102又は中間結像面に対応する結像面2302に結像するように配置した鏡2410、2420、2430、2440を備える。鏡2410、2420、2430、2440の反射面は軸対称面部位であり、結像放射の経路を見やすくするため、鏡面のそれ以外の部分は除去して示している。ここに示した鏡の部位は、放射が当たる鏡面部分であり、使用領域とも呼ばれる。投影対物光学系内を横切る放射経路又は光線経路、即ち、光路内の第1の鏡として、面2402近傍、即ち面2402の最も近くに鏡2420を配置し、光路内の第2の鏡として、面2403近傍、即ち、面2403の最も近くに鏡2410を配置している。
代替の実施の形態において、図1gに、鏡2460、2470、2480、2490を具備し、例えば、対象物面2103又は中間結像面に対応する対象物面2453からの光を、例えば、結像面2102又は中間結像面に対応する結像面2452に結像する部分対物光学系2450を示す。部分対物光学系2450を構成する鏡、即ち、鏡2460、2470、2480、2490の反射面は軸対称面部位であり、結像放射の経路、即ち像を結像する光線の光路を見やすくするため、鏡面のそれ以外の部分は除去している。即ち、鏡の、光を反射する領域のみ、即ち使用領域のみを示している。光路内の第3の鏡として、鏡2480を面2452の最も近くに配置し、光路内の第2の鏡である鏡2460は面2453の最も近くに配置している。
部分対物光学系2400、2450は、開口部を有さない鏡によって構成しているが、開口部を有する鏡によっても部分対物光学系を構成することもできる。この点について、図1hに示す、鏡2510、2520を具備し、鏡2510は開口部2511を有する、部分対物光学系2500を参照して説明する。部分対物光学系2500は、例えば結像面2102又は中間結像面に対応する結像面2502に像を結像するように構成している。
図1iに、開口部を有する鏡を備えた部分対物光学系の他の例を示す。部分対物光学系2550としてこの部分対物光学系を示す。部分対物光学系2550は、鏡2560、2570を備える。鏡2560は開口部2561を有し、鏡2570は開口部2571を有する。部分対物光学系2550は、光線、即ち、放射又は光が結像面2552に結像するように構成している。ここで、結像面は結像面2102又は中間結像面に対応する。
開口部を有する鏡を用いた部分対物光学系は、部分対物光学系の瞳の一部を遮光する。このため、上述の部分対物光学系を用いた投影対物系2101の実施の形態は、遮光された瞳を有する。投影対物光学系2101の瞳を遮光可能な程度は、投影対物光学系2101の子午断面、即ち子午面の瞳が遮光される投影対物光学系2101の開口半径の割合であるRobsで表される。光学系が光軸に対して回転対称であることから、子午面における遮光部分の半径を算出すれば十分である。開口部を有する1枚以上の鏡を具備できる実施の形態において、投影対物光学系2100は、瞳の遮光を極めて小さくできる。例えば、Robsは開口半径に対して30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは22%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは18%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは12%以下、特に好ましくは10%以下でもよい。
いくつかの実施の形態において、投影対物光学系2101は、光遮光要素、例えば、陰影絞りをほぼ瞳面に配置できるように物理作業が可能で、更に光軸2105を通る1以上の瞳面を有する。
遮光絞り、或いは、陰影絞りを瞳位置に配置すると、瞳遮光の影響を排除できる。
陰影絞りは、好ましくは、動作波長λで放射を反射しない被膜、即ち動作波長λで入射する放射を基本的に吸収する物質から構成される。好ましくは、陰影絞りは、光学系に散乱放射が到達しないように構成する。図1jに、投影対物光学系2101の瞳面に配置され、鏡表面上に遮光絞り2912を有する鏡2910を示す。遮光絞り2912は、例えば、波長λの放射を反射しない被膜から構成できる。遮光絞り2912は、特定の光路に沿って伝播する放射を遮光する。図1jに、鏡2910に入射する放射として光線2921、2922、2923を示す。光線2921と2923は、鏡2910の反射部に当たるが、光線2922は陰影絞り2912に当たる。このため、光路2921と2923に沿って伝播する放射は、光路内に配置された鏡2920に当たって反射される。他方、光路2922に沿って伝播する光線は、遮光絞り、即ち陰影絞り2912によって遮光される。
一実施の形態において、遮光絞りを投影対物光学系2101の鏡の間に配置できる。例えば、遮光絞りを、投影対物光学系に配置された他の鏡の面と一重ならない瞳面に配置できる。図1kを参照して、鏡2910と鏡2920の間に配置され、鏡の間の特定の光路を伝播する放射を遮光する陰影絞り2926について説明する。遮光絞りは、例えば、鏡の開口部2924を通過して進む補助線2928に従って配置できる。
他の固定方法について、図1lと図1mを参照して説明する。ここで、遮光絞り2930は鏡2910と鏡2920の間に配置されている。遮光絞りは、内径が、遮光絞り2930が配置される瞳面の投影対物光学系の開口より大きい固定リング2932によって固定される。遮光絞り2930は、放射状吊設部(Aufhaengung)2934の補助によって環状フレーム部2932に固定する。放射状吊設部2934は、重要でない放射、即ち光を遮光するように構成されている。一実施の形態では、瞳面に配置される陰影絞りを基本的に取り除き、別の陰影絞りで交換できるようにして、投影対物光学系の鏡の交換を不要にしている。
いくつかの実施の形態では、遮光絞りを透過光学素子上に配置できる。例えば、十分な透過性を有し、十分な機械的剛性を有する物質が存在する動作波長では遮光絞りを透過性をもった平面素子上に固定できる。
例えば、動作波長λが電磁スペクトルの可視領域に存在する実施の形態では、これが可能である。この種の可視電磁スペクトル内の波長において、陰影絞りは、十分な大きさの平坦なガラス素子を皮膜するか、或いはガラス素子上に遮光絞りを配置して実現できる。平坦なガラス素子は対物光学系2101の本体によって固定する。
例えば、遮光絞りを、投影対物光学系の少なくとも1つの鏡が放射を通過させる開口部を有した実施の形態に使用できる。一般的に、遮光絞りの大きさは変更できる。一実施の形態において、基本的にフィールドと独立した投影対物光学系の射出瞳の遮光を自在に処理できる程度に、遮光絞りは可能な限り小さく選択する。いくつかの実施の形態において、遮光絞り、或いは陰影絞りの半径寸法は、瞳開口半径の約60%以下、好ましくは55%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは45%以下、或いは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下、或いは25%、特に好ましくは20%以下でよい。
一般的に、投影対物光学系2010のフィールドの形状は変更できる。いくつかの実施の形態において、フィールドは、円弧状の形状、例えば、環状セグメントの形状を有した、いわゆるリングフィールドでもよい。例えば、投影対物光学系は、部分対物光学系2400、2450のように、開口部を持たない鏡から構成され、上述していないが、リングフィールドの形状のフィールドを有する部分対物光学系を有しうる。図1nに、環状部位2700、即ちリングフィールドを示す。この環状部位2700は、x軸方向の寸法Dx、y軸方向の寸法Dy、半径寸法Drにより特徴付けられる。Dx及びDyはそれぞれ、x軸方向及びy軸方向に沿ったフィールド寸法に対応する。これらの寸法値は以下のように指定できる。結像面のフィールドが、例えば、18×1mm2の場合、Dxは18mm、Dyは1mmとなる。Drは、光軸2105からフィールド2700の内部境界に至る環状部半径の測定値を表す。リングフィールドセグメント2700は、y−z面に対して平行な、線2710によって示される面に対して対称である。一般的に、Dx、Dy、Drの寸法は変更可能であり、投影対物光学系2101の設計に応じて異なる。通常、DxはDyより大きい。対象物面2103及び結像面2102におけるフィールド寸法の相対的な大きさ、即ち、フィールド測定値Dx、Dy、Drは変更可能であり、投影対物光学系2101の拡大又は縮小倍率に依存する。いくつかの実施の形態において、対象物面2103のDxは、相対的に大きい。例えば、結像面2102のDxは1mmを上回る、好ましくは3mmを上回る、更に好ましくは4mmを上回る、或いは5mmを上回る、或いは6mmを上回る、或いは7mmを上回る、或いは8mmを上回る、或いは9mmを上回る、或いは10mmを上回る、或いは11mmを上回る、或いは12mmを上回る、或いは13mmを上回る、或いは14mmを上回る、或いは15mmを上回る、或いは18mmを上回る、或いは20mmを上回る、或いは25mmを上回る値をとりうる。Dyは結像面2102において0.5mm乃至5mmの範囲、例えば1mm迄、好ましくは2mm迄、より好ましくは3mm迄、特に好ましくは4mm迄の範囲をとりうる。通常、Drは結像面2102において、10mm乃至50mmの範囲である。Drは結像面2102において、例えば、15mm以上、或いは20mm以上、更には25mm以上、好ましくは30mm以上でもよい。リングフィールド2700には更に、フィールド中心点2705が示されている。
一般的に言われているが、他のフィールド形状において、投影対物光学系2101は結像面2102で最大フィールド寸法、即ちフィールド測定値は1mmを上回る、特に3mmを上回る、好ましくは4mmを上回る、特に5mmを上回る、好ましくは6mmを上回る、特に7mmを上回る、好ましくは8mmを上回る、特には9mmを上回る、好ましくは10mmを上回る、特には11mmを上回る、好ましくは12mmを上回る、特には13mmを上回る、好ましくは14mmを上回る、特には15mmを上回る、好ましくは18mmを上回る、特には20mmを上回る、或いは25mmを上回ってもよい。
本実施の形態の投影対物光学系2101は、像側に比較的大きな自由な動作距離を有する。この像側の自由な動作距離は、結像面2102と、幾何学的に結像面2102の最も近くに配置された鏡の鏡面との間の最短離間距離に対応する。図1oに、幾何学的に結像面2102の最も近くに配置された鏡2810を示す。放射は鏡2810の表面2811で反射される。像側の自由な動作距離をDwで示す。いくつかの実施の形態において、Dwは25mm以上、好ましくは30mm以上、より好ましくは35mm以上、更に好ましくは40mm以上、或いは45mm以上、好ましくは50mm以上、より好ましくは55mm以上、更に好ましくは60mm以上、特に好ましくは65mm以上である。結像面2102の方向を向いた鏡2810側に触れることなく、結像面2102に基板2150面を配置できるようにする必要があるため、動作距離は比較的に長いことが望ましい。
同様に、対象側の自由な動作距離は、対象物面2103と、幾何学的に対象物面2103の最も近くに配置された投影対物光学系2101の鏡の反射面との間の最短離間距離に対応する。いくつかの実施の形態において、投影対物光学系2101は、対象側に大きな自由動作距離を有する。例えば、投影対物光学系2101の対象側自由動作距離は、50mm以上、好ましくは100mm以上、より好ましくは150mm以上、更に好ましくは200mm以上、或いは250mm以上、好ましくは300mm以上、より好ましくは350mm以上、或いは400mm以上、好ましくは450mm以上、より好ましくは500mm以上、更に好ましくは550mm以上、或いは600mm以上、好ましくは650mm以上、或いは700mm以上、より好ましくは750mm以上、更に好ましくは800mm以上、或いは850mm以上、好ましくは900mm以上、より好ましくは950mm以上、更に好ましくは1000mm以上であってもよい。投影対物光学系2101と対象物面2103の間に作業するスペースが必要であるため、本実施の形態において対象側の自由な動作距離は、比較的長いことが好ましい。例えば、マスク2140が反射型に構成されている実施の形態では、照明するマスクは、対物光学系2101の方向を向いた側にある必要がある。したがって、マスクを特定の照明角度で照明システム2120によって照明するため、投影対物光学系2101と対象物面2103との間に十分なスペースが必要である。対象側の自由な動作距離を長くすると、マイクロリソグラフィー投影対象光学系の残りの部位の設計に自由度を与えられ、例えば、投影対物光学系2101の他の部品及びマスク2140の支持構造部を固定するための十分なスペースが得られる。
いくつかの実施の形態において、対象物面2103に最も近い鏡は、光軸2105から大きな距離離間するように配置する。言い換えると、光軸は、対象物面2103の最も近くに配置された鏡を横切らない。このような光学系を図1pに示す。図1pに示す光学系は、4枚の鏡2941〜2944を含み、鏡2941が対象物面2103の最も近くに配置されている。鏡2941と光軸2105との最小離間距離が距離2946である。
いくつかの実施の形態において、距離2946は50mm以上、好ましくは60mm以上、より好ましくは70mm以上、更に好ましくは80mm以上、特に好ましくは90mm以上、或いは100mm以上、好ましくは110mm以上、より好ましくは120mm以上、更に好ましくは130mm以上、或いは140mm以上、好ましくは150mm以上、より好ましくは160mm以上、更に好ましくは170mm以上、或いは180mm以上、好ましくは190mm以上、より好ましくは200mm以上、更に好ましくは210mm以上、或いは220mm以上、好ましくは230mm以上、より好ましくは240mm以上、更に好ましくは250mm以上、或いは260mm以上、好ましくは270mm以上、より好ましくは280mm以上、更に好ましくは290mm以上、特に好ましくは300mm以上でもよい。
光軸2105が対象物面2103を横切る場所の近くに極めて大きなスペースを設けられるため、光軸2946への距離は比較的大きい方が有利である。このスペースは、例えば、斜入射鏡、いわゆる反射式斜入射素子等の照明システムを構成する1つ以上の光学部品等、露光装置、即ちリソグラフィー用ツールを形成する他の部品を配置するために使用できる。投影対物光学系によって結像されるいくつかの放射は、光路2947に従って進む。これらの光線は、以下の順、即ち、鏡2942、鏡2941、鏡2943、鏡2944、で鏡に当たる。光路2947は、鏡2941と鏡2943の間で子午面を横切り、鏡2942で反射されるようになっている。
一般的に、投影対物光学系2101は、主光線がレチクル2140によって光軸2105の方向に収斂するか、光軸2105のから発散するか、或いは光軸2105に対して平行になるように構成されている。言い換えると、投影対物光学系2101の対象物面2103に対する入射瞳の位置は、投影対物光学系の設計に応じて調整できる。いくつかの実施の形態において、対象物面2103は、投影対物光学系2101と投影対物光学系2101の入射瞳の間に配置する。或いは、いくつかの実施の形態において、入射瞳は対象物面2103と投影対物光学系2101の間に位置してもよい。
照明システム2120は、照明システムの射出瞳が基本的に、投影対物光学系2101の入射瞳の場所に位置するように構成できる。一実施の形態において、照明システム2120は、照明システムの射出瞳を投影対物光学系2101の入射瞳の場所に投影する望遠鏡システムを含む。これとは反対に、いくつかの実施の形態では、照明システムが望遠鏡システムを備えてなくても照明システム2120の射出瞳が投影対物光学系2101の入射瞳の範囲内に位置する。例えば、対象物面2103が投影対物光学系2101と投影対物光学系の入射瞳の間に位置する場合、照明システム2120の射出瞳は投影対物光学系の入射瞳と一致し、照明システムが望遠鏡システムを使用する必要はなくなる。
一般的に、投影対物光学系2101は、ZEMAX、OSLO、Code V等、市販の光学設計プログラムを用いて設計できる。まず、波長、フィールド寸法、及び開口数を決定することによって、例えば、波面収差、テレセン度、均一さ、歪み等の投影対物光学系が必要とする光学特性を最適化できる。以下、光学データを用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1qを参照して像側開口がNA=0.54、動作波長が13.4nmの8反射鏡光学系を第1の実施の形態として説明する。結像スケールは6倍、即ち、像は、対象物に対して結像面で6倍縮小され、解像度は15nmである。
像フィールド寸法は、結像面において13x1mm2、即ち、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=20mm。像側WRMS=0.024λ、像側フィールド湾曲、即ち像面湾曲3nm。光学系全長は1745mm。
x軸方向、y軸方向及びz軸方向座標系も記す。光学系は、投影対物光学系の光軸HA、子午面を含むyz平面において示す。
本発明の投影対物系は、第1部分対物光学系100、第2部分対物光学系200及び第3部分対物光学系300の3つの部分対物光学系を備える。第1部分対物光学系は、合計で4枚の鏡、即ち、鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6を有する。対象物面10から結像面20までの光路に沿って順に、鏡S1は凹面鏡であり、鏡S2は凸面鏡であり、第7鏡S5は凸面鏡であり、鏡S6は凹面鏡である。第1部分対物光学系の像倍率は1.77倍である。開口絞りBは、鏡S5に設ける。例えば、レクチルを配置する対象物面を参照番号10で示す。個々の鏡部位は光軸HAに対して回転対称であり、対象物面10から結像面20に至る光学系の全長をBLで示す。第1部分対物光学系はまた、フィールドグループとも呼ばれ、少なくとも2枚の鏡、鏡S1と鏡S2を備える。鏡S1と鏡S2は、図1qに示すように、フィールドに依存する像歪みを補正しうる軸外鏡部位である。このように構成された実施の形態において、第1部分対物光学系100に、第3部分対物光学系300と呼ばれる、2枚の鏡、鏡S3と鏡S4を備えた伝達グループが接続する。鏡S3は凸面鏡であり、鏡S4は凹面鏡である。
図示された実施の形態において、中間像Z1は、凹面鏡S4内または凹面鏡S4近傍に結像し、投影対物光学系の中間像Z2は物理的に、凸面鏡S3内又は凸面鏡S3近傍に結像する。
伝達グループとも呼ばれる第3部分対物光学系の像倍率は、2.88倍である。第3部分対物光学系に、第2部分対物光学系200とも呼ばれる、像倍率が1.18倍の、いわゆる中継グループが接続する。
第2部分対物光学系200は、それぞれ理想的な凹面鏡として構成された2枚の鏡を備える。したがって、これらの鏡は、1次凹面鏡SK1と2次凹面鏡SK2とも呼ばれる。鏡S3は開口部A1を有し、2次凹面鏡SK2は開口部A2を有し、1次凹面鏡SK1は開口部A3を有し、鏡S4は開口部A4を有する。したがって、図1qに示す対物光学系において、鏡S3、鏡S4、鏡SK1及び鏡SK2は、それぞれ本明細書に記載の意味において光線束を通過させる開口部を有する。更に、鏡S3、鏡S4、鏡SK1及び鏡SK2は、本明細書の意味において、光線束を通過させる開口部を有する鏡のみを備えた第2小対物光学系を構成する。この結果、フィールドと独立した遮光部分の半径は開口半径の43%となる。
鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6は、本明細書の意味において、光線束を通過させる開口部を有する鏡、即ち貫通孔の形成された鏡を備えない第1小対物光学系を構成する。図から明らかなように、結像面20に最も近い鏡SK1を凹面鏡としているため、1次凹面鏡SK1の頂点V3と結像面20の間の距離A、即ち像側の動作距離は12mmを上回る、好ましくは15mmを上回る、より好ましくは40mmを上回る。対象側の自由な動作距離は100mmとなる。
第2部分対物光学系200は、第2中間像Z2を結像面20に結像する。
このように構成された実施の形態では、結像スケールが比較的大きいことから、第3部分対物光学系が低開口率対物光学系部分と高開口率対物光学系部分とを結合することは明らかである。このため、第3部分対物光学系を伝達グループとも呼ぶ。
フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2においてΘmax(max)33.8°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角は38.6°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、12°である。子午断面、即ち子午面における最大の鏡の寸法は669mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は675mmである。
図1qに示す光学系の光学データを以下の表1に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S5
鏡4:鏡S6
鏡5:鏡S3
鏡6:鏡S4
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表1の第1部に光学データを改めて記載し、表1の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図2を参照して、像側開口がNA=0.5、縮小倍率が4倍の8反射鏡対物光学系を第2の実施の形態として説明する。図と同様の構成には同様の参照番号を付している。
動作波長λが13.5nmで、対物光学系の解像度は17nm、全長は1711mmである。像側WRMSは0.044λ、像側フィールド湾曲は12nm、フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の36%である。更に、像側の自由な動作距離は69mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2において19.4°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は21.8°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、15°である。子午面における最大の鏡の寸法は385mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は616mmである。
図2に示す光学系の光学データを以下の表2に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S5
鏡4:鏡S6
鏡5:鏡S3
鏡6:鏡S4
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表2の第1部に光学データを改めて記載し、表2の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図2に示す対物光学系を介して結像されるフィールドの寸法は、結像面において13x1mm2で、フィールド形状は図1nに示すようなリングフィールド、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=13mm。
開口絞りが、第1部分対物光学系における対象物面から結像面への光路内で3番目の鏡である鏡S5(鏡3)に設けられた図1の実施の形態とは異なり、図2に示す光学系において開口絞りBは、伝達グループの凸面鏡である鏡S3に設けられている。
図2に示す光学系の場合、3つの部分対物光学系100、300、200が構成されている。第1部分対物光学系100は鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6を備え、中間像Z1を鏡S4内又は鏡S4近傍に結像する。第2部分対物光学系200は鏡SK1、鏡SK2を備え、第3部分対物光学系300は鏡S3、鏡S4を備える。第3対物光学系300は中間像Z2を鏡S3内又は鏡S3近傍に結像する。
図3を参照して、図2と類似した構成であるが、結像スケール、即ち像倍率が5倍、即ち対象物に対して5倍縮小する第3の実施の形態の8反射鏡対物光学系について説明する。波長λ=13.5nmで像側開口数NAは0.5である。結像フィールド、即ち像フィールドは寸法が結像面において22x1mm2で、形状がリングフィールド形状、Dx=22mm、Dy=1mm、Dr=12.6mmである。光学系の解像度は17nm、全長が1509mmである。像側WRMSは0.01λで、像側フィールド湾曲は2nm。
像側の自由な動作距離は69mm、対象側の自由な動作距離は104mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2において23.1°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は26.6°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、16°である。子午面における最大の鏡の寸法は394mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は669mmである。
フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の35%である。鏡S3、鏡S4、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有する。鏡は、第1部分対物光学系100、第2部分対物光学系300、第3部分対物光学系200からなる3つの部分対物光学系を構成するように配置される。このため図示の投影対物光学系は、3つの瞳面と2つの中間像を有する。瞳面の少なくとも1つは、開口絞りの作業を行えるように配置している。第1部分対物光学系100は鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6を備え、中間像Z1を鏡S5内又は鏡S5近傍に結像する。第2部分対物光学系300は2枚の鏡、即ち、鏡SK1、鏡SK2を備える。第3部分対物光学系200は2枚の鏡、即ち、鏡S3、鏡S4を備える。絞りBは3番目の鏡S3に構成する。
光学データを以下の表3に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S5
鏡4:鏡S6
鏡5:鏡S3
鏡6:鏡S4
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表3の第1部に光学データを改めて記載し、表3の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図3において、図1及び図2と同様の構成には同様の参照番号を付している。
図4を参照して、波長が13.5nmで、像倍率が6倍、開口がNA=0.5の第4の実施の形態の8反射鏡対物光学系について説明する。同様の構成には同様の参照番号を付している。解像度は17nm、全長は1508mmである。像側WRMSは0.006λ、像側フィールド湾曲は2nm、フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の31%である。更に、像側の自由な動作距離は69mm、対象側の自由な動作距離は102mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2において20°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は22.3°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、13.6°である。子午面における最大の鏡の寸法は396mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は575mmである。配置される鏡は、対象物面10から結像面20へ進む光路内に位置する順に、以下の通りである。
凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凹鏡−凹鏡
鏡S3、鏡S4、鏡SK1、鏡SK2は、開口部を有する。鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6は開口部を有さない。第1部分対物光学系100は鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6を備える。第1部分対物光学系100は中間像Z1を鏡S5近傍に結像する。第2部分対物光学系200は、鏡SK1、鏡SK2を備え、第3部分対物光学系300は鏡S3、鏡S4を備える。第3部分対物光学系300は中間像Z2を結像する。本光学系は3つの瞳面と2つの中間像を有する。瞳面の少なくとも1つは、開口絞りの作業を行えるように配置している。
光学データを以下の表4に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S5
鏡4:鏡S6
鏡5:鏡S3
鏡6:鏡S4
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表4の第1部に光学データを改めて記載し、表4の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図3及び図4に示す実施の形態では、図2に示す実施の形態と同様に、開口絞りBを伝達グループを構成する鏡S3に配置している。図4に示す実施の形態においてフィールドの寸法は18x1mm2であり、形状はリングフィールドで、Dx=I8mm、Dy=1mm、Dr=10.5mmとなる。
図5を参照して、波長が13.5nmで、開口がNA=0.5、像倍率が8倍の第5の実施の形態の8反射鏡対物光学系について説明する。同様の構成には同様の参照番号を付している。図5に示す光学系のフィールド寸法は結像面において13x1mm2であり、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=10.5mmとなる。光学系の解像度は17nm、全長が2000nmである。像側WRMSは0.033λで、像側フィールド湾曲は7nm。
像側の自由な動作距離は61mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2において15.9°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は17.9°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、10.6°である。子午断面、即ち子午面における最大の鏡の寸法は574mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は602mmである。
図5に示す光学系において、第1部分対物光学系100、いわゆるフィールドグループは、鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6を備え、図2、図3、図4に示す実施の形態と基本的に同様の構成である。鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6は、対象物面から結像面へ進む光路内に位置する順に、凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡、即ち、対象物面から結像面へ進む光路内の第1の鏡S1は凸鏡面を有し、結像面から対象物面へ進む光路内の第2の鏡S2は凹鏡面を有し、対象物面10から結像面20へ進む光路内の第3の鏡S5は凸鏡面を有する。対象物面10から結像面20へ進む光路内の第4の鏡S6は凹鏡面を有する。図1qに示す実施の形態の第1部分対物光学系100内の光路とは反対に、第2、第3、第4、第5の実施の形態の第1部分対物光学系100では図面上、y軸、z軸方向に延在する面、即ち子午面において光路が交差する。第2、第3、第4、第5の実施の形態において、開口絞りは、伝達グループ、即ち第3部分対物光学系300を構成する鏡、即ち、対象物10から結像面20へ進む光路内の第5の鏡、S3に設けられる。
第2部分対物光学系200は鏡SK1と鏡SK2を備え、第3部分対物光学系、いわゆる伝達グループは鏡S3と鏡S4を備える。鏡S3、鏡S4、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有し、鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6は開口部を有していない。
図2〜図5に示す実施の形態では、対象物面から結像面へ進む光路内の第1の鏡の半径、即ち、鏡S1の半径は極めて大きく、例えば、図5に示す実施の形態において、10mを越える。第1の鏡S1は、したがって、凸面だけではなくほぼ平面として構成される。代替の実施の形態において、第1の鏡S1は平面又は凹表面も有する。
フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の21%である。
図5に示す光学系の光学データを表5に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S5
鏡4:鏡S6
鏡5:鏡S3
鏡6:鏡S4
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表5の第1部に光学データを改めて記載し、表5の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図6aを参照して、第1部分対物光学系100、すなわちフィールドグループを構成する鏡の順序が上述の実施の形態と同様であるが、効果の異なる、第6の実施の形態の8反射鏡光学系について説明する。図2〜図5に示す実施の形態と同様に、第1部分対物光学系100を構成する4枚の鏡、即ち、鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6は凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡の順に配置している。図2〜図5に示した上述の実施の形態の8反射鏡光学系とは反対に、第1部分対物光学系100内で光路は交差しない。第1部分対物光学系100内の光路が異なって導かれるため、図6に示す実施の形態において第1の鏡S1は、平面鏡ではなく、凹面に構成される。図5に示す光学系において、動作波長は13.5nmで、像側開口はNA=0.6、像倍率は8倍である。
光学系の解像度は14nm、全長が2500mmである。像側WRMSは0.017λで、像側フィールド湾曲は1nm。この結果、フィールドと独立した遮光部分の半径は開口半径の22%となる。像側の自由な動作距離は55mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2において28.3°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は36.6°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、16.6°である。子午断面、即ち子午面における最大の鏡の寸法は778mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は806mmである。
像フィールドの寸法は結像面において13x1mm2であり、Dx=I3mm、Dy=1mm、Dr=15mmとなる。
光学系は、第1部分対物光学系100、第2部分対物光学系200及び第3部分対物光学系300の3つの部分対物光学系を備える。第1部分対物光学系100は、鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6を備え、中間像Z1を鏡S4近傍に結像する。第2部分対物光学系200は鏡SK1と鏡SK2を備え、第3部分対物光学系300は鏡S3と鏡S4を備え、中間像Z2を結像する。鏡S3、鏡S4、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有し、鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6は開口部を有していない。配置される鏡は、対象物面10から結像面20へ進む経路上に位置する順に、以下の通りである。
凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凹鏡−凹鏡
図6aに示す光学系は3つの瞳面と2つの中間像を有し、瞳面の少なくとも1つは、開口絞りの作業を行えるように配置している。
図6aに示す光学系の光学データを以下の表6aに列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S5
鏡4:鏡S6
鏡5:鏡S3
鏡6:鏡S4
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表6aの第1部に光学データを改めて記載し、表6aの第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図6bを参照して、波長が13.5nmで、像側開口数がNA=0.6の第7の実施の形態の8反射鏡対物光学系について説明する。図6aに示す対物光学系は図6aに示す対物光学系とは異なり、伝達グループを備えず、フィールドグループ、即ち、第1部分対物光学系100と、中継グループとも呼ばれる第2部分対物光学系200から構成される。中継グループは、2枚の凹面鏡、即ち、鏡SK1と鏡SK2を備える。フィールドグループは鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6を備える。伝達グループを省くことによって、6反射鏡フィールドグループ、2反射鏡伝達グループ、2反射鏡中継グループを備えた後に説明する10反射鏡光学系と比較して、対物光学系の透過性が向上し、製造コストが低下した。第1部分対物光学系100であるフィールドグループを構成する6枚の鏡、即ち、鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6は順に、凹鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡である。フィールドグループの鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6は全て、軸外鏡部位である。どの鏡も光線束を通過させる開口部を有さない。図6bに示す光学系は、2つの中間像、ZWISCH1とZWISCH2を有する。第1部分光学系100の絞りBは、第2の鏡SP2上又は鏡SP2近傍に設けられる。この光学系において絞りは、共役絞り面が存在することから、開口部を有する鏡群、即ち開口グループの凹面鏡の間に設けることもできる。図6bの光学系の像倍率は8倍で、像フィールドの少なくとも1つの寸法は1mmで、他方の寸法はこれ以上の値である。正確には、像フィールドは結像面において13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=26.5mm。解像度は14nm、像側WRMS=0.018λ、像側フィールド湾曲は2nmである。更に、像側の自由な動作距離は15mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の22%である。鏡SP1〜鏡SP8に対するフィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、30.1°である。鏡SP1〜鏡SP8に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は31.5°である。鏡SP1〜鏡SP8それぞれに対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、29°である。子午断面における最大の鏡の寸法は621mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は668mmである。光学系の全長は2000mmである。
図6bに示す光学系の光学データを以下の表6bに列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡SP1
鏡2:鏡SP2
鏡3:鏡SP3
鏡4:鏡SP4
鏡5:鏡SP5
鏡6:鏡SP6
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表6bの第1部に光学データを改めて記載し、表6bの第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図6cを参照して、図6bに示した実施の形態の変形態様である第8の実施の形態について説明する。フィールドグループを構成する鏡、即ち、鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6は、図6bに示した実施の形態と同様、即ち、順に、凹鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡である。開口グループは、2枚の凹面鏡SP7と凹面鏡SP8で構成される。図6bに示す実施の形態とは異なり、開口絞りは鏡SP2ではなく、開口グループの凹面鏡SP7と凹面鏡SP8の間に設けられる。対象物面10に対する対物光学系の中心軸HAに沿った軸方向の距離が最も短い鏡はフィールドグループの第2の鏡SP2ではなく、フィールドグループの第4の鏡SP4である。これにより、第4の鏡SP4と第5の鏡SP5の間のドリフト区間が特に長くなる結果、鏡SP4と鏡SP5に対する入射角は極めて小さくなる。フィールド中心点に進む主光線が第3の鏡SP3に最大角度で当たるが、この角度は僅か21°である。
像フィールドの寸法は、結像面において13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=16.25mmである。光学系の解像度は14nm、光学系の縮小倍率は8倍、全長は1846nmである。像側WRMSは0.015λで、像側フィールド湾曲は1nm。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の29%である。像側の自由な動作距離は40mm、対象側の自由な動作距離は322mmである。鏡SP1〜鏡SP8に対するフィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、21°である。鏡SP1〜鏡SP8に対する光線の最大入射角度Θmax(max)は25.2°である。鏡SP1〜鏡SP8に対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、24.9°である。子午断面における最大の鏡の寸法は682mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は694mmである。対物光学系は、鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6を備える第1部分対物光学系と鏡SP7と鏡SP8を備える第2部分対物光学系の2つの部分対物光学系を含む。
図6cに示す光学系の光学データを以下の表6bに列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡SP1
鏡2:鏡SP2
鏡3:鏡SP3
鏡4:鏡SP4
鏡5:鏡SP5
鏡6:鏡SP6
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表6cの第1部に光学データを改めて記載し、表6cの第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図6dを参照して、像側開口数がNA=0.6の第9の実施の形態の8反射鏡対物光学系について説明する図6dに示す対物光学系は、図6aに示す対物光学系とは異なり、図6bに示す実施の形態のように、伝達グループを備えず、フィールドグループ、即ち、第1部分対物光学系100と、中継グループとも呼ばれる第2部分対物光学系200から構成される。中継グループである第2部分対物光学系200は、2枚の凹面鏡、即ち、鏡SK1と鏡SK2を備える。フィールドグループである第1部分対物光学系100は、軸外鏡部位を構成する鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6を備える。第1部分対物光学系100であるフィールドグループを構成する6枚の鏡、即ち、鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6はに、凹鏡−凸鏡−凹鏡−凸鏡−凸鏡−凹鏡である。図6dに示す光学系は、2つの中間像、ZWISCH1とZWISCH2を有する。図6bに示す光学系とは異なり、絞りBは第2部分対物光学系200の第1の凹面鏡SK1と第2の凹面鏡SK2の間に設けられる。かかる光学系において開口絞りは、第1の鏡と第2の鏡の間に設けてもよいし、或いは直接第1の鏡又は第2の鏡に直接設けることもできる。図6dに示す光学系は、波長がλ=13.4nmで像側開口数がNA=0.6、像倍率が8倍である。像フィールドの寸法は、結像面において13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=18.75mm。光学系の解像度は14nm、光学系の長さ、即ち、全長が2000mmである。像側WRMSは0.025λで、像側フィールド湾曲、即ち、像面湾曲は5nm、フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の26%である。更に、像側の自由な動作距離は41mm、対象側の自由な動作距離は402mmである。鏡SP1〜鏡SP8に対するフィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、26.1°である。鏡SP1〜鏡SP8に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は29.8°である。鏡SP1〜鏡SP8それぞれに対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、21°である。子午面における最大の鏡の寸法は753mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は765mmである。
図6dに示す光学系の光学データを以下の表6dに列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡SP1
鏡2:鏡SP2
鏡3:鏡SP3
鏡4:鏡SP4
鏡5:鏡SP5
鏡6:鏡SP6
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表6dの第1部に光学データを改めて記載し、表6dの第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図6eを参照して、図6dに示した実施の形態の変形態様である第10の実施の形態について説明する。図6eに示す実施の形態は、フィールドグループ、即ち、第1部分対物光学系を構成する鏡、即ち、鏡SP1、鏡SP2、鏡SP3、鏡SP4、鏡SP5、鏡SP6が、図6dに示した実施の形態と同様の順に、凹鏡−凹鏡−凹鏡−凸鏡−凸鏡−凹鏡として配置され、第2の鏡(鏡SP2)の半径は平面又は凸面にも設計できるように大きい。図6dに示す実施の形態とは異なり、波長像λ=13.5nmで像側開口はNA=0.70である。中間像ZWISCH1は、フィールドグループ内の鏡SP2と鏡SP3の間、物理的に鏡SP4の下側に形成される。このような構成により、光線束が鏡SP4を横切る部分を極めて少なく保ち、フィールドグループの構造を小型化できる。更に、本実施の形態では、フィールド中心点に進む主光線の入射角を極めて小さくすることに優れている。フィールド中心点に進む主光線の鏡SP4に対する入射角は僅か24度である。対物光学系の全長は1974mmである。
像フィールドの寸法は、結像面において13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=18mmである。光学系の解像度は12nm、光学系の全長は1974mmである。像側WRMSは0.021λで、像側フィールド湾曲は1nm。像側の自由な動作距離は41mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。鏡SP1〜鏡SP8に対するフィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、22.9°である。鏡SP1〜鏡SP8に対する光線の最大入射角度Θmax(max)は26.7°である。鏡SP1〜鏡SP8に対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、23.3°である。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の23%である。子午断面における最大の鏡の寸法は904mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は916mmである。
図6eに示す光学系の光学データを以下の表6eに列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡SP1
鏡2:鏡SP2
鏡3:鏡SP3
鏡4:鏡SP4
鏡5:鏡SP5
鏡6:鏡SP6
鏡7:1次凹面鏡SK1
鏡8:2次凹面鏡SK2
表6eの第1部に光学データを改めて記載し、表6eの第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図7を参照して、波長が13.5nmで、開口がNA=0.75、像倍率が8倍の第1の実施の形態の10反射鏡対物光学系について説明する。この光学系は2つの中間像を結像する。同様の構成には同様の参照番号を付している。ここで、第1部分対物光学系には100を、第2部分対物光学系には200を、第3部分対物光学系には300を付す。第1部分対物光学系100は、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を備える。鏡S10は、1000mmを上回る、極めて大きい半径を有する凸面鏡である。このように半径が大きいため、鏡S10は、平面鏡であると共に凹面鏡としても構成できる。光路に沿って順に、鏡S20が凹面鏡であり、鏡S70が凸面鏡であり、鏡S80が凹面鏡であり、鏡S90が凹面鏡であり、鏡S100が凸面鏡であり、順に、凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凹鏡−凸鏡となっている。或いは鏡の配置、凹鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凹鏡−凸鏡又は平面鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凹鏡−凸鏡ともできる。
図7に示す実施の形態では、開口絞りBを鏡S20に設ける。第1部分対物光学系100の像倍率は1.85倍、第3部分対物光学系300の像倍率は3.38倍、第2部分対物光学系200の像倍率は1.3倍である。結像フィールドのフィールド寸法は、図7に示す光学系では、結像面において26x1mm2で、Dx=26mm、Dy=1mm、Dr=30.75mm、光学系の全長は2508mmである。図7に示す光学系において、波面は中間波面収差WRMS=0.013λに補正される。光学系の解像度は約11nmで、像側フィールド湾曲は1nmを下回る。フィールドと独立した遮光部分の半径は開口半径の55%、像側の自由な動作距離は41mmで、対象側の自由な動作距離は100mmとなる。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2において32.9°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は45.1°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、28°である。子午面における最大の鏡の寸法は932mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は1034mmである。
鏡S30、鏡S40、鏡S70、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有するが、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S80は開口部を有さない。第1部分対物光学系100は、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を備え、中間像Z1を鏡S40と鏡S70の間に結像する。第2部分対物光学系200は鏡SK1と鏡SK2を備え、第3部分対物光学系300は鏡S30と鏡S40を備える。
図7及び図8に示す光学系は、光線束を通過させる開口部を有する鏡を少なくとも1枚用いた瞳遮光型光学系であり、開口絞りBが、中間像Z2の前、第2の鏡S20に設けられている点に特徴がある。このような構成により、開口絞りは最終中間像(Z2)の前に位置することとなり、開口絞りBと結像面20の間に少なくとも1つの中間像が結像されるようになる。
図7に示す光学系の光学データを以下の表7に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S10
鏡2:鏡S20
鏡3:鏡S50
鏡4:鏡S60
鏡5:鏡S70
鏡6:鏡S80
鏡7:鏡S30
鏡8:鏡S40
鏡9:1次凹面鏡SK1
鏡10:2次凹面鏡SK2
表7の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図8を参照して、図7に示した実施の形態の変形態様である第2の実施の形態について説明する。図7に示した構成とは異なり、フィールド寸法は、結像面20フィールドにおいて26x2mm2で、Dx=26mm、Dy=2mm、Dr=29.75mmであり、リソグラフィー光学系用に十分なフィールド寸法に対応している。図8に示す光学系において、波面は中間波面収差WRMS=0.024λであり、解像度は約11nmで、光学系の全長は2511mmである。像側フィールド湾曲は3nmである。フィールドと独立した遮光部分の半径は開口半径の55%、像側の自由な動作距離は40mmで、対象側の自由な動作距離は100mmとなる。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2において32.5°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は45.1°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、28.9°である。子午面における最大の鏡の寸法は933mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は1028mmである。
図7と同様の構成要素には同様の参照番号を付す。
図7及び図8において参照番号300を付した第3部分対物光学系は、凸面鏡S30、凹面鏡S40を備える。第1中間像には参照番号Z1を付し、第2中間像には参照番号Z2を付す。第2部分対物光学系200は2枚の凹面鏡、即ち、1次凹面鏡SK1と2次凹面鏡SK2を備える。2次凹面鏡SK2は、光路内で最後の鏡であり、鏡S30は光路内で結像面20側から数えて第4の鏡である。
図8に示す光学系は、3つの部分対物光学系、即ち、第1部分対物光学系100、第2部分対物光学系200、第3部分対物光学系300に分類できる。第1部分対物光学系は、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を備え、第2部分対物光学系は鏡SK1と鏡SK2を備え、第3部分対物光学系は鏡S30と鏡S40を備える。
鏡S10は凸面鏡であり、鏡S20は凹面鏡であり、鏡S50は凸面鏡であり、鏡S60は凹面鏡であり、鏡S70は凹面鏡であり、鏡S80は凸面鏡であり、鏡S30は凸面鏡であり、鏡S40は凹面鏡であり、鏡SK1は凹面鏡であり、鏡SK2は凹面鏡である。鏡30、鏡S40、鏡S70、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有し、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S80は開口部を有さない。開口絞りBは第2の鏡に設けられている。
図8に示す光学系の光学データを以下の表7に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S10
鏡2:鏡S20
鏡3:鏡S50
鏡4:鏡S60
鏡5:鏡S70
鏡6:鏡S80
鏡7:鏡S30
鏡8:鏡S40
鏡9:1次凹面鏡SK1
鏡10:2次凹面鏡SK2
表8の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図9を参照して、波長が13.5nmで、開口がNA=0.7、縮小倍率が8倍で、10枚の反射鏡を備え、2つの中間像結像する、第3の実施の形態の対物光学系、特に投影対物光学系について説明する。像フィールドの寸法は、結像面において13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=17.15mmである。解像度は12nmで、光学系の全長は2494mmである。像側WRMS=0.018λ、像側フィールド湾曲は1nmを下回る。フィールドと独立した遮光部分の半径は開口半径の26%、像側の自由な動作距離は40mmで、対象側の自由な動作距離は100mmとなる。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2において32.7°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は42.3°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、18.8°である。子午面における最大の鏡の寸法は858mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は891mmである。
図9に示す光学系は3つの部分対物光学系から構成される。第1部分対物光学系100は鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を備え、中間像Z1を鏡40近傍または鏡40に結像する。第2部分対物光学系200は鏡SK1と鏡SK2を備える。第3部分対物光学系300は鏡S30と鏡S40を備え、中間像を鏡S30と鏡SK2の間に結像する。対象物面10から結像面20へ進む光路に沿って順に、鏡S10が凸面鏡であり、鏡S20が凹面鏡であり、鏡S50が凹面鏡であり、鏡S60が凸面鏡であり、鏡S70が凸面鏡であり、鏡S80が凹面鏡であり、鏡S30が凸面鏡であり、鏡S40が凹面鏡であり、鏡SK1が凹面鏡であり、鏡SK2が凹面鏡となっている。
図9に示す光学系の光学データを以下の表9に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S10
鏡2:鏡S20
鏡3:鏡S50
鏡4:鏡S60
鏡5:鏡S70
鏡6:鏡S80
鏡7:鏡S30
鏡8:鏡S40
鏡9:1次凹面鏡SK1
鏡10:2次凹面鏡SK2
表9の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9に示す光学系は更に、対物光学系、特にマイクロリソグラフィー投影対物光学系が、光線束を貫通させる開口部を有する鏡、即ち、貫通孔が形成された鏡を含まない第1小対物光学系と、構成する鏡が全て光線束を通過させる開口部を有する第2小対物光学系とを備え、第1小対物光学系と第2小対物光学系の間の幾何学的距離が投影光学系全長の少なくとも10%であるという有利な特性がある。本明細書において対物光学系の全長とは、対象物面10から結像面20への光軸HAに沿った距離をいう。本明細書において第1小対物光学系SUB01と第2小対物光学系SUB02の間の幾何学的または空間的距離とは、結像面に最も近い第1小対物光学系の鏡の頂点と、対象物面に最も近い第2小対物光学系の鏡の頂点との間の距離をいう。対象物面に最も近い第2小対物光学系の鏡は、第2小対物光学系のレチクルに隣接する鏡とも呼ばれ、結像面に最も近い第1小対物光学系の鏡は、ウェーハに隣接する鏡とも呼ばれる。
図9に示す実施の形態において、これは、鏡S70の頂点V70と鏡S40の頂点V40の光軸HAに沿った距離としてもよい。図9に示す実施の形態において、小対物光学系SUB01とSUB02の間の距離は、この二つの小対物光学系が空間的に相互に入り込んだ関係であるため、負の値となる。
このような構成は、第2小対物光学系のレチクルに隣接した鏡と、第1小対物光学系のウェーハに隣接した鏡との距離が短いため、リングフィールド内径と遮光を小さく保てるという利点がある。更に、図2、図3、図4、図5、図6a、図9に示す光学系、及び及び以下に説明する図16、図17、図18に示す光学系は、入射瞳の横断幅が負になるという特徴がある。入射瞳の横断幅が負になるということは、対象物面から光路方向へ発散する様々フィールド点の主光線が対物光学系に流れ込む、即ち光路方向に流れ込むことで、これは、投影対物光学系の入射瞳が、照明システムの光源から、反射レチクルが配置された対象物面への光路内で、対象物面の前に位置することを意味する。このように構成された投影対物光学系及び投影露光装置は、例えば、参照により本願明細書に全体が包含されるWO2004/010224に記載している。
図10を参照して、波長が13.5nmで像側開口がNA=0.72の第4の実施の形態の10反射鏡光学系について説明する。第1部分光学系100は、6枚の鏡、即ち、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、順に、凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡―凸鏡−凹鏡を備える。開口絞りBは、第1部分対物光学系100の第2の鏡S20に設けられている。図10に示す実施の形態では、第1の鏡の半径は、鏡S10が凸鏡でなく、平面鏡または凹面鏡でも構成できるように大きい。したがって、以下のような鏡の配列も可能である。
凹鏡―凹鏡―凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡
平鏡−凹鏡―凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡
上述の実施の形態で説明した第1部分光学系とは異なり、本投影対物光学系の第1部分光学系100は、中間像Z3を対象物面から結像面へ進む光路内の第4の鏡と第5の鏡、即ち、鏡S60と鏡S70の間に結像する。この第3中間像Z3によって、光線束断面を小さくし、鏡の使用領域を少なく保ってるようになる。
第1部分対物光学系100、第3部分対物光学系300及び第2部分対物光学系200の結像スケールはそれぞれ、2.78倍、2.24倍、1.29倍である。図10に示す実施の形態は、フィールド面における結像フィールドのフィールド中心点の主光線の入射角が特に小さい点において優れている。更に、本光学系は、瞳内の遮光面部分が10%である点において優れている。図7及び図8と同様の構成には同様の参照番号を付す。開口絞りBは第2の鏡S20に設けられている。像フィールドの寸法は、結像面において13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=15.125mmである。解像度は12nm、全長が2500mmである。像側WRMSは0.041λで、像側フィールド湾曲は4nm。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の27%である。像側の自由な動作距離は40mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。
フィールド中心点へ進む主光線CRの最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2において20°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は27.7°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、20.9°である。子午面における最大の鏡の寸法は884mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は927mmである。
図11に示す対物光学系は、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を備えた第1部分対物光学系100と、鏡SK1と鏡SK2を備えた第2部分対物光学系200と、鏡S30と鏡S40を備えた第3部分対物光学系300から構成される。対象物面から結像面へ進む光路に沿って順に、鏡は、凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡―凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡―凹鏡―凹鏡となっている。
図10に示す光学系の光学データを以下の表10に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S10
鏡2:鏡S20
鏡3:鏡S50
鏡4:鏡S60
鏡5:鏡S70
鏡6:鏡S80
鏡7:鏡S30
鏡8:鏡S40
鏡9:1次凹面鏡SK1
鏡10:2次凹面鏡SK2
表10の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図11に示す第5の実施の形態の10反射鏡光学系について説明する。図10に示す光学系とは異なり、図11に示す光学系は6枚の鏡、即ち、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を含む第1部分対物光学系100を備える。鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80は順に、凹鏡―凸鏡−凹鏡―凹鏡―凸鏡−凹鏡である。
第2部分対物光学系200を構成する鏡SK1と鏡SK2は2枚とも凹面鏡である。鏡S30は凸面鏡であり、鏡S40は凹面鏡である。
図11に示す実施の形態の開口絞りBは、光路内で第7の鏡、即ち、鏡S30に設けられている。換言すると、開口絞りBは第3部分対物光学系300、即ち、伝達グループに設けられている。
図11に示す光学系は、動作波長13.5nmで、開口がNA=0.7、縮小倍率が8倍であり、瞳の遮光面部分が特に少なく、13x1mm2のリングフィールドにおいて4%以下である点が優れている。像フィールドの寸法は13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=16.25mmである。解像度は12nmで、光学系の全長は2246mmである。像側WRMS=0.3λ、像側フィールド湾曲は27nmである。フィールドと独立した遮光部分の半径は開口半径の28%、像側の自由な動作距離は40mmで、対象側の自由な動作距離は458mmとなる。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2において35.3°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は42.4°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、18.9°である。子午面における最大の鏡の寸法は836mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は834mmである。
光学データを以下の表11に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S10
鏡2:鏡S20
鏡3:鏡S50
鏡4:鏡S60
鏡5:鏡S70
鏡6:鏡S80
鏡7:鏡S30
鏡8:鏡S40
鏡9:1次凹面鏡SK1
鏡10:2次凹面鏡SK2
表11の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図12を参照して、波長が13.4nmで、開口がNA=0.7、縮小倍率が8倍の第6の実施の形態の10反射鏡光学系について説明する。
第1部分対物光学系は、既に説明した上述の実施の形態と同様に、6枚の鏡、即ち、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を含み、順に、凹鏡―凸鏡−凹鏡―凸鏡―凸鏡−凹鏡である。図11に示した実施の形態で説明した第1部分光学系内に、中間像Z3を対象物面から結像面に進む光路内の第の鏡S20と第3の鏡S50の間に結像する。図示された実施の形態において開口絞りBは鏡S10に設けられる。像フィールドの寸法は結像面において13x1mm2で、Dx=13mm、Dy=1mm、Dr=21.25mmである。解像度は12nmで、光学系の全長は2800mmである。像側WRMS=0.052λ、像側フィールド湾曲は7nmである。像側の自由な動作距離は41mmで、対象側の自由な動作距離は729mmとなる。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2において35°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は39.6°である。鏡S10、鏡S20、鏡S30、鏡S40、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、24.5°である。子午面における最大の鏡の寸法は871mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は918mmである。鏡S30、鏡S40、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有し、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80は開口部を有していない。
Code−V形式光学系の光学データを以下の表12に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S10
鏡2:鏡S20
鏡3:鏡S50
鏡4:鏡S60
鏡5:鏡S70
鏡6:鏡S80
鏡7:鏡S30
鏡8:鏡S40
鏡9:1次凹面鏡SK1
鏡10:2次凹面鏡SK2
表12の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図11及び図12に示す光学系は、更に、光線束を通過させる開口部を有していない鏡を少なくとも一枚含む6枚以上の鏡を備え、開口部を有さない鏡は、対象物面10の最も近く位置し、対象物面に対する距離が対物光学系全長の15%を上回る点に特長がある。このように対象物側の動作距離を大くすることにより、フィールドに依存した効果を得るためにフィールド面近傍に配置する必要のある、レチクル台などの機械部品、又はフィルタ素子などの光学部品等に十分な構築スペースが得られる。図11及び図12に示す実施の形態において、開口部を有さない、光軸に沿って対象物面の最も近くに位置する鏡が、鏡S20である。鏡S20の対象物面10に対する距離は、鏡S20の頂点V20の対象物面10に対する距離として定義され、全長については既に説明した通りである。
図13に、本明細書に記載の投影対物光学系を構成する第2部分光学系200と第3部分光学系300を詳細に示す。第2部分光学系200と第3部分光学系300から構成される図13に示す光学系は、中間像Z2を第3部分対物光学系300の凸面鏡1000の場所に結像する。図13に示す凸面鏡の場所に結像された中間像は、更に、投影対物光学系の瞳内の面遮光を10%に導く。反対に、中間像Z2が、図14に示すように、対象物面から結像面へ進む光路内で結像面から数えて最後の鏡1030と最後から4番目の鏡1000の間に形成され、以下の条件、即ち、
の条件が保たれる場合、面遮光は最小となり、図13に示す実施例の10%ではなく、図14に示す実施例においては僅か8%となる。ここで、d1は最後の鏡1030の直径であり、d2は最後から4番目の鏡1000の直径であり、z1は第1の鏡表面から中間像への光軸HAに沿った距離であり、z2は、鏡1000の光学面から中間像z2への光軸HAに沿った距離である。
鏡部1020の代わりにマンジャン鏡を導入した光学系を図15に示す。マンジャン鏡を備えた光学系は、必ず光りを貫通させながらも、裏面に反射面を備えた、光学素子1100によって鏡の取り付けに必要な構築スペースが得られるになるという利点がある。光学素子1100の裏面には鏡面が形成されている。このようにして、安定性を損なうことなく、ウェーハに隣接した鏡を、結像面に極めて近傍して配置できる。
当然のことながら、光が光学素子1100を透過しなければならず、所定の透過性を要するため、マンジャン鏡の利用はDUV波長又はVUV波長で動作する光学系でのみ可能である。
図16に、マンジャン鏡1100を用いた第7の実施の形態の投影対物光学系を示す。光学系は、この光学系は、波長が193.3nmで開口数がNA=0.7の10反射鏡光学系である。第1部分対物光学系100は、6枚の鏡、即ち、鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を備え、第3部分対物光学系は、2枚の鏡、即ち、鏡S30と鏡S40を備え、第2部分対物光学系は、2枚の凹面鏡、即ち、鏡SK1と鏡SK2を備え、既に説明したように結像面に最も近い1次凹面鏡SK1は、マンジャン鏡1100である。光学系の縮小倍率は8倍であり、解像度は10nmである。光学系全長は2500nmである。結像面における被照射フィールドは寸法がDx=13mm、Dy=1mm、Dr=18.75mmのリングフィールドセグメントである。像側WRMS=0.023λ、像側フィールド湾曲は59nm。この結果、遮光部分の半径は開口半径の28%となる。像側の自由な動作距離は10mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。鏡SP10〜鏡SP80、鏡SK1、鏡SK2に対するフィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、37.6°である。鏡SP10〜鏡SP80、鏡SK1、鏡SK2に対する光線の最大入射角度Θmax(max)は49.4°である。鏡SP10〜鏡SP80、鏡SK1、鏡SK2に対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、22.4°である。子午面における最大の鏡の寸法は889mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は883mmである。
鏡は対象物面10から結像面20へ順に、凸鏡−凹鏡−凹鏡−凸鏡−凸鏡−凹鏡−凸鏡−凹鏡−凹鏡である。既に説明したように、鏡SK1はマンジャン鏡である。対象側の動作距離は100mm、像側の動作距離は10mmである。第1部分対物光学系100は鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80を備え、中間像Z1を鏡S40近傍に結像する。第2部分対物光学系は鏡SK1と鏡SK2を備える。第3部分対物光学系は、2枚の鏡、即ち、鏡S30と鏡S40を備える。鏡S30、鏡S40、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有する。鏡S10、鏡S20、鏡S50、鏡S60、鏡S70、鏡S80は開口部を有さない。
図16に示す光学系の光学データを以下の表13に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10を以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S10
鏡2:鏡S20
鏡3:鏡S50
鏡4:鏡S60
鏡5:鏡S70
鏡6:鏡S80
鏡7:鏡S30
鏡8:鏡S40
鏡9:1次凹面鏡SK1
鏡10:2次凹面鏡SK2
表13の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
高開口率光学系において低い入射角を実現するためには、第1部分対物光学系の光路内の第2の鏡を米国特許第6750948号に開示されたもののように凸面鏡ではなく、凹面鏡で構成する方が有利である。第1部分対物光学系の光路内の第2の鏡を凹面鏡で構成すると、全ての鏡で入射角が低くなる。入射角を低くした場合、鏡上に層を水平方向の厚さを変えて生成する必要がなくなり、鏡を覆って一定の厚さに層を設けることができるため、被膜の製造を容易にする。更に、入射角を低くすると反射性もより向上する。
図17を参照して、入射角を低く保つために対象物面10から結像面20への光路内の第2の鏡200を凹面鏡として構成した第1の実施の形態の6反射鏡光学系を説明する。図14に示した6反射鏡光学系は、動作波長が13.5nmで像倍率が8倍、像側開口数がNA=0.5である。開口絞りBは対象物面から結像面への光路内の第5の鏡S500と第6の鏡S600の間に設けられる。遮光を画成する陰影絞りABは第3の鏡S300と第4の鏡S400の間に設けられる。第3の鏡S300と第4の鏡S400の間に陰影絞りABを設けることによって完全開口(bei voller Apertueoeffnung)で約25%のフィールドと独立した遮光を得られる。
像フィールドの寸法は、13x1mm2、即ち、像側フィールド幅はDx=13mm、像側フィールド長はDy=1mm、像側フィールド半径はDr=9.75mm。解像度は17nm、光学系全長が1521mmである。像側WRMSは0.025λで、像側フィールド湾曲は10nm。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の25%である。像側の自由な動作距離は39mm、対象側の自由な動作距離は158mmである。フィールド中心点へ進む主光線CRの最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400、鏡S500、鏡S600において12.3°である。鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400、鏡S500、鏡S600に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は16.9°である。鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400、鏡S500、鏡S600それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、7.5°である。子午面における最大の鏡の寸法は675mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は687mmである。既に説明したように、フィールド中心点に進む主光線の両方の鏡への入射角は、局所的な表面法線に対して明らかに20°を下回る。既に説明したように、フィールド中心点への主光線の最大入射角は、鏡S300において12.3°である。既に説明したように、入射角を低くすると、光学系全体の透過性は高くなる。入射角が高くなるに従って、特に、p偏光成分の反射性は低くなる。
図17及び図18に示す6反射鏡光学系は、部分対物光学系に分けられる。
第1部分対物光学系1000は鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400を備え、第2部分対物光学系2000は鏡S500、鏡S600を備える。第1部分対物光学系1000は、基本的に、図1〜図12に示した第1部分対物光学系100に対応し、第2部分対物光学系2000は、図1〜図12に示した第3部分対物光学系300に対応する。即ち、図17及び図18に示す6鏡対物光学系は、中継グループを備えていない。2つの部分対物光学系に分けることにより、2つの瞳面と1つの中間像が得られる。鏡S100は凹面鏡であり、鏡S200は凹面鏡であり、鏡S300は凸面鏡であり、鏡S400は凹面鏡であり、鏡S500は凸面鏡であり、鏡S600は凹面鏡である。鏡S500と鏡S600は開口部を有し、鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400は開口部を有しない。
陰影絞りを鏡に塗布した非反射被膜によって実現すのではなく、被照明フィールドの内径及び遮光を画定する陰影絞りを2枚の鏡の間、即ち鏡から離間して配置して実現し、陰影絞りが結像光線の光路を横切るのは1回だけであるために口径食効果が生じず、容易に交換が行える機械的な構築スペースを、鏡が設けられた空間によって制限されることなく、十分に広く確保できる。
当該技術分野の光学系では、フィールドと独立した遮光を画定する陰影絞りは、常時鏡の上に設けられ、非反射被膜によって実現したため、絞りを交換しない限り、陰影絞りを変更できなかった。
図17に示す光学系では、開口絞りBと陰影絞りABは、それぞれ2つの相互に共役な絞り面に設けられている。これらの面は鏡から離間している。開口絞りBは絞り面700に設けられ、開口絞りABは絞り面704に設けられている。絞り面は投影対物光学系の入射瞳に対して共役であり、主光線、いわゆる光線CRとマイクロリソグラフィー投影対物光学系の光軸HAとの交点となっている。
図17に示す光学系の正確な光学データを以下の表14に改めて列挙する。
ここで、対象物、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、絞り、鏡6、像を以下のように対応付けるものとする。
対象物:対象物面
鏡1:鏡S100
鏡2:鏡S200
鏡3:鏡S300
鏡4:鏡S400
鏡5:鏡S500
絞り:開口絞り
鏡6:鏡S600
像:結像面
表14の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図18を参照して、入射角を低くするために第2の鏡S200を凹面鏡として構成した6反射鏡光学系について説明する。図18に示す6反射鏡光学系は、波長が13.5nmで、像倍率が8倍、像側開口数がNA=0.5である。像フィールドの寸法は、13x1mm2で、像側フィールド幅Dx=13mm、像側フィールド長Dy=1mm、像側フィールド半径Dr=12.5mm。解像度は17nm、光学系全長が1500mmである。像側WRMSは0.02λで、像側フィールド湾曲は7nm。鏡S500、鏡S600は開口部を有し、鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400は開口部を有さない。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の22%である。像側の自由な動作距離は30mm、対象側の自由な動作距離100mmである。フィールド中心点へ進む主光線CRの最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400、鏡S500、鏡S600において27.4°である。鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400、鏡S500、鏡S600に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は34.9°である。鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400、鏡S500、鏡S600それぞれに対する光線の最大入射角度範囲ΔΘmaxは、15°である。子午面における最大の鏡の寸法は664mmで、x軸方向の最大の鏡の寸法は677mmである。
本実施の形態において、開口絞りBは第5の鏡S500と第6の鏡S600の間に設けられ、陰影絞りABは第3の鏡S300と第4の鏡S400の間に設けられる。鏡S500と鏡S600の間に開口絞りBが位置する。
図16及び図17に示す光学系の違いは、第1の鏡S100と鏡S200の間の領域を導かれる光線にある。図17に示す実施の形態いおいて、第3の鏡は物理的に第1の鏡と第2の鏡の間に配置され、第1の鏡と第2の鏡の間の光路と交差しているが、図18に示す実施の形態では、鏡群が相互に分離しており、光路は交差していない。
図18に示す実施の形態の光学データを以下の表15に列挙する。
ここで、対象物、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、絞り、鏡6、像を以下のように対応付けるものとする。
対象物:対象物面
鏡1:鏡S100
鏡2:鏡S200
鏡3:鏡S300
鏡4:鏡S400
鏡5:鏡S500
絞り:開口絞り
鏡6:鏡S600
像:結像面
表15の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図17及び図18に示す第1小対物光学系を備えた6反射鏡光学系は、中間像を1つだけ結像するため、第1小対物光学系は第1部分対物光学系10000と、第2部分対物光学系は第2小対物光学系20000と一致する。第1小対物光学系は4枚の鏡、即ち、鏡S100、鏡S200、鏡S300、鏡S400を備え、第2小対物光学系は鏡S500、鏡S600を備える。図17及び図18に示す対物光学系は以下に説明する有利な特性を有する。
図17に示す光学系は、第1に、像側開口数NAが0.4を上回り、フィールド中心点に進む主光線の入射角が全ての鏡において、局所的な面法線に対して20度を下回る。図17に示す光学系において、フィールド中心点へ進む主光線は第3の鏡に入射するが、この最大入射角度は僅か12.3°である。これによって、鏡に対する入射角は小さく保たれるため、鏡の反射性は高くなり、光学系全体の透過性が高くなる。特に光のp偏光成分の反射性は入射角が高くなるに従って低くなる。
図17に示す光学系及び図18に示す光学系は、以下の有利な特性を有する点において優れている。
遮光を可能な限り小さく保つため、中間像ZWISCHと、フィールドグループ、即ち第1部分対物光学系1000を構成する、幾何学的に中間像ZWISCHの最も近くに位置する鏡との光軸HAに沿った距離を、光学系全長の15%を下回るものとする。フィールドグループを構成し、且つ中間像ZWISCHと幾何学的に最も近くに位置する鏡は、図17及び図18に示す本実施の形態において、鏡S300である。中間像ZWISCHと中間像ZWISCHの最も近くに位置する鏡S300との距離は、上述の何れの実施の形態においても、鏡S300と頂点V300と中間像ZWISCHとの光軸に沿った距離となる。
遮光を小さくするための上述の手法の代替として、或いは追加として、中間像ZWISCHと、開口グループ、即ち第2部分対物光学系2000を構成する、幾何学的に中間像ZWISCHの最も近くに位置する鏡との光軸HAに沿った距離を、光学系全長の8%を下回るものとする。開口グループを構成し、且つ中間像ZWISCHと幾何学的に最も近くに位置する鏡は、図17及び図18に示す本実施の形態において、鏡S600である。中間像ZWISCHと中間像ZWISCHの最も近くに位置する鏡S600との距離は、上述の何れの実施の形態においても、鏡S600と頂点V600と中間像ZWISCHとの光軸に沿った距離となる。
本発明の手法の更なる有利な点は、図17及び図18に示す光学系のフィールドグループの空間的な大きさ、即ち、フィールドグループを構成し、且つ、対象物面10の最も近くに位置する鏡S200の頂点V200と、結像面20の最も近くに位置する鏡S300の頂点V300との距離を、光学系全長の16%、特に18%を上回る点である。
更に好ましくは、図17及び図18に示す光学系において、投影対物光学系の最大直径を有する鏡S600の直径D600の光学系全長に対する比率は、像側開口数の0.9倍を下回る。鏡の直径とは、本明細書において、子午面における周辺光線の鏡S600への入射点AUF1、AUF2間の光軸に垂直な距離の測定値を意味する。
既に説明したマイクロリソグラフィー投影対物光学系を、開口数の高い、好ましくはNA=0.4〜0.8、特にNA=O.5〜0.75の範囲の、6枚以上の反射鏡を有する対物光学系用に用いることができる。これらの光学系は、像倍率、即ち縮小倍率が4倍以上と、極めて高い。中間像の位置を選択する等の特に適した手法は、瞳内の遮光面部分を5%を下回るように制限する。
図19に、遮光瞳を有する8反射鏡対物光学系を備えた本発明の更なる投影露光装置の構成を示す。
8反射鏡対物光学系には参照番号2000を付し、照明システムには参照番号3000を付して示す。
照明システム3000は、例えば、欧州特許EP1225481号に記載のもののように、第光源3010及び斜入射集光器3010を備える。更に、第光源3010及び斜入射集光器3010と接続した、回折スペクトル用フィルタとして動作可能なフィルタ部3020を備える。光源の中間像ZQ近傍に設けられた絞り3030とともに、好ましくない放射、例えば、目的とする波長を大幅に上回る波長の放射等が、絞り3030後方に設けられた照明システム部位に入射することのないようにしている。照明システムは更に、回折スペクトルフィルタ3030後方の光路に、第1のラスタ部、いわゆるフィールド切り子面(ファセット)3040を有する第1のラスタ鏡を備える。フィールド切り子面は、スペクトルフィルタから入射する光線束3050を、それぞれが2次光源として機能する、多数の部分光線束に分解する。2次光源は、第2のラスタ鏡を構成する個々のラスタ部近傍に位置することになる。第2のラスタ鏡を構成するラスタ部は瞳切り子面と呼ばれる。
二重ファセット(切り子面)照明システムについては、例えば、いわゆるフィールドラスタ部、即ちフィールド切り子面が対象物面の被照明フィールドの形状を有し、対象物面のフィールド形状を決定する、二重ファセット照明システムを開示した米国特許第6195201号によって知られている。対象物面のフィールドが、例えば、円弧形状のフィールドである場合、フィールド切り子面も同様の円弧形状に構成する。
或いは、フィールドラスタ部は長方形に構成してもよい。この種の照明システムについては、米国特許第6198793号に記載している。この照明システムでは、フィールドは、フィールド形成鏡の補助によって形成する。
フィールドを結像する対象物面3100は、投影対物光学系の対象物面と一致する。これは、対象物面のフィールドを結像面3200のフィールドに結像する。投影対物光学系2000は、図2の実施の形態の投影対物光学系に対応する。例えば、光路内第1の鏡にはS1を付すなど、図2の実施の形態と同様の構成要素には同様の参照番号を付している。投影対物光学系の詳細については、図2を用いた説明を参照されたい。投影対物光学系2000は8枚の鏡、即ち、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2を備え、動作波長13.5nmで像側開口数はNA=0.5である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2は全て非球面鏡である。投影対物光学系は、対象物面3100から結像面3200へ放射を縮小して、即ち、像倍率4倍、解像度17nmで投影する。投影対物光学系は、HAによって示す光軸を中心として対称であり、対象物面3100から結像面3200に至る光学系の全長は、1711mmである。投影対物光学系2000はリングフィールドセグメントである。リングフィールドセグメントの像側の幅はDx=13mm、像側のフィールド長はDy=1mm、像側のフィールド半径はDr=13mm。像側WRMS=0.004λ、像側フィールド湾曲は12nm。
対象物面から結像面への光路に位置する順に鏡は以下の通りである。
鏡S1は凸面鏡。
鏡S2は凹面鏡。
鏡S5は凸面鏡。
鏡S6は凹面鏡。
鏡S3は凸面鏡。
鏡S4は凹面鏡。
鏡SK1は凹面鏡。
鏡SK2は凹面鏡。
鏡S3、鏡S4、鏡SK1、鏡SK2は開口部を有する。鏡S1、鏡S2、鏡S5、鏡S6は開口部を有さない。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の36%。像側の自由な動作距離は69mmで、対象側の自由な動作距離は100mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2において19.4°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は21.8°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、15°である。子午面における最大の鏡の寸法は385mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は616mmである。投影対物光学系2000は合計で3つの部分対物光学系から構成されるため、3つの瞳面と2つの中間像を有する。瞳面の少なくとも1つは、開口絞りの作業を行えるように配置している。瞳面の少なくとももう1つは、遮光絞り、或いは、陰影絞りの配置作業を行えるように、例えば、鏡S1と鏡S2の間に陰影絞りを配置できるようになっている。
結像面3200には、感光性の層を含む基板、例えば、ウェーハを配置できる。
図19に示す投影露光装置は、主光線が、照明システムの射出瞳に対応する投影対物光学系の入射瞳に発散して入射する点が優れている。これは、投影対物光学系の入射瞳が光源から対象物面3100へ進む光路において対象物面3100の前に位置することを意味する。
負の入射瞳を有する投影光学系については、本願明細書に全体が包含される国際公開番号第WO2004/010224に記載している。
本発明の投影露光装置を用いると、1以上の感光性の層を首尾良く感光し、それを現像するだけでマイクロエレクトロニック構成部品を製造できる。
図20〜図22を参照して、波長が193nm以下、特に波長領域が157nm以下、更には100nm以下で、寸法が50nmを下回る構造体を結像でき、像側開口NAが0.7を上回る実施の形態の対物光学系について説明する。
図20に、この種の対物光学系の第1の実施の形態を示す。対物光学系は10枚の鏡、即ち、第1の鏡MIR1、第2の鏡MIR2、第3の鏡MIR3、第4の鏡MIR4、第5の鏡MIR5、第6の鏡MIR6、第7の鏡MIR7、第8の鏡MIR8、第9の鏡MIR9、第10の鏡MIR10を備える。本実施の形態の対物光学系は、8枚の鏡、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8を備えた第1小対物光学系を含み、これらの鏡は順に、凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凸面鏡−凹面鏡である。第2小対物光学系は、鏡MIR9、鏡MIR10を備え、これらの鏡はどれも凹面鏡である。縮小倍率、即ち結像スケールが8倍、動作波長が100nmで像側開口数はNA=O.72である。光学系の光学データを表16に列挙する。光学系は中間像を2つ、即ち中間像ZWI1、ZWI2を結像する。図に示すように、対象物面は参照番号10で、結像面は参照番号20で、開口絞りは参照番号Bで表す。像フィールド寸法は、結像面において13x1mm2である。本実施の形態は、フィールドに依存する像歪みを補正可能である点において優れている。像側フィールド幅Dx=13mm、像側フィールド長Dy=1mm、像側フィールド半径Dr=15mmで、投影光学系の解像度は表16によると49nmである。像側WRMS=0.0036λ、像側フィールド湾曲2nm。光学系全長は1374mm。鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10は開口部を有し、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6は開口部を有さない。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口部の32%である。更に、像側の自由な動作距離は20mm、対象側の自由な動作距離は50mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度は、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10において48°である。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10に対する各光線の最大入射角度は48.9°である。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、35.6°である。子午面における最大の鏡の寸法は366mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は378mmである。
投影対物光学系の鏡は、2つの部分対物光学系を構成するようになっている。第1部分対物光学系は、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8を備え、第1中間像ZWI1を鏡MIR6と鏡MIR7の間に結像する。第1部分対物光学系は更に、第2中間像ZWI2を鏡MIR7近傍の位置に結像する。第2部分対物光学系は2枚の鏡、即ち、鏡MIR9、鏡MIR10を備える。鏡MIR9と鏡MIR10の間に開口絞りBが設けられている。
ここで、対象物、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10、絞り、像を以下のように対応付けるものとする。
対象物:対象物面
鏡1:鏡MIR1
鏡2:鏡MIR2
鏡3:鏡MIR3
鏡4:鏡MIR4
鏡5:鏡MIR5
鏡6:鏡MIR6
鏡7:鏡MIR7
鏡8:鏡MIR8
鏡9:鏡MIR9
鏡10:鏡MIR10
絞り:開口絞り
像:結像面
表16の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図21に、寸法が50nmを下回る構造体を結像する第2の実施の形態の対物光学系を示す。対物光学系は10枚の鏡、即ち、第1の鏡MIR1、第2の鏡MIR2、第3の鏡MIR3、第4の鏡MIR4、第5の鏡MIR5、第6の鏡MIR6、第7の鏡MIR7、第8の鏡MIR8、第9の鏡MIR9、第10の鏡MIR10を備える。50nmを下回る構造体を結像する第2の実施の形態の対物光学系は、6枚の鏡、即ち、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6を備えた第1小対物光学系29000を含み、これらの鏡は順に、凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凹面鏡である。第1小対物光学系29000は、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4を備えた第1小対物光学系部分30000と、鏡MIR5、鏡MIR6を備えた第2小対物光学系部分30002に分けられる。第2小対物光学系29010は、全てが凹面鏡として構成される鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10を備える。第2小対物光学系29010は、鏡MIR7、鏡MIR8を備えた第1部分対物光学系対応部30004と、鏡MIR9、鏡MIR10を備えた第2部分対物光学系対応部30006を含む。動作波長が100nm、縮小倍率が8倍で像側開口数はNA=O.85である。像フィールド寸法は、結像面において13x1mm2である。即ち、像側フィールド幅Dx=13mm、像側フィールド長Dy=1mm、像側フィールド半径Dr=14.5mm。更に、解像度は41nm、対物光学系全長は1942mmである。像側WRMS=0.0013λ、像側フィールド湾曲6nm。鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10は開口部を有する。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6は開口部を有さない。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の28%である。更に、像側の自由な動作距離は15mm、対象側の自由な動作距離は50mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10において30°である。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は32.4°である。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、33.3°である。子午面における最大の鏡の寸法は650mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は704mmである。図示された投影対物光学系は少なくとも4つの瞳面を有する。少なくとも1つの瞳面は、開口絞りの位置決め作業を行えるように配置しており、少なくとも1つの他の瞳面は、遮光絞り、又は陰影絞りの位置決め作業を行えるように配置している。例えば、陰影絞りを鏡MIR2に設けてもよい。光学系の光学データを表17に列挙する。光学系は合計で3つの中間像、ZWI1、ZWI2、ZWI3を有する。本実施の形態は、フィールド中心点を通る主光線の入射角が低く、30度を下回る点において優れている。開口絞りBは第2の鏡MIR2上、又は第2の鏡MIR2近傍に設ける。或いは、開口絞りBを第2小対物光学系、例えば、鏡MIR7上、又は鏡MIR9と鏡MIR10の間に設けてもよい。
ここで、対象物、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10、絞り、像を以下のように対応付けるものとする。
対象物:対象物面
鏡1:鏡MIR1
鏡2:鏡MIR2
鏡3:鏡MIR3
鏡4:鏡MIR4
鏡5:鏡MIR5
鏡6:鏡MIR6
鏡7:鏡MIR7
鏡8:鏡MIR8
鏡9:鏡MIR9
鏡10:鏡MIR10
絞り:開口絞り
像:結像面
表17の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図21に示す光学系が、単独でも、或いは組み合わせても発揮できる一連の優れた利点について以下に説明する。
第1の利点は、少なくとも5枚の鏡と、第4の鏡MIR4と第5の鏡MIR5の間に中間像ZWI1を結像する、第1小対物光学系部分30000と第2小対物光学系部分30002を含む第1小対物光学系を備える点である。図21に示すように、この光学系は、凸面鏡の数が最大でも2枚という利点がある。通常、凸面鏡は入射角を高くするため、反射性低下の原因となる。したがって、使用する凸面鏡の枚数を可能な限り少なくすることは、光学系全体の透過性にとって有利である。
特に、図21に示すように光学系において、部分対物光学系対応部3004、3006を含む第2小対物光学系2910は凸面鏡を有さない方が有利である。第2小対物光学系の凸面鏡は通常、そこに配置された他の凹面鏡よりも直径が小さい。しかしながら、陰影を含まない光線を導くために必要な孔を設けるために要する直径は、凹面鏡の場合も凸面鏡の場合も同様である。このため、瞳の遮光部分の割合は凸面鏡の場合の方が凹面鏡の場合よりも大きくなり、結像のコントラストに悪影響を及ぼすこととなる。
図22に、寸法が50nmを下回る構造体を結像する第3の実施の形態の対物光学系を示す。この対物光学系は、10枚の鏡、即ち、第1の鏡MIR1、第2の鏡MIR2、第3の鏡MIR3、第4の鏡MIR4、第5の鏡MIR5、第6の鏡MIR6、第7の鏡MIR7、第8の鏡MIR8、第9の鏡MIR9、第10の鏡MIR10を備える。本実施の形態の光学系は、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6を備えた第1小対物光学系29000を含み、これらの鏡は順に、凸面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凸面鏡−凸面鏡−凹面鏡である。第2小対物光学系29010は、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10を備え、これらの鏡は順に、凸面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凹面鏡−凹面鏡である。第1小対物光学系とは異なり、本実施の形態の第2小対物光学系は、鏡MIR7、鏡MIR8を備えた第1部分対物光学系対応部30004と鏡MIR9、鏡MIR10を備えた第2部分対物光学系対応部30006とに分けられる。動作波長が100nm、縮小倍率が8倍で像側開口数はNA=O.90である。像フィールド寸法は、結像面において13x1mm2である。即ち、像側フィールド幅Dx=13mm、像側フィールド長Dy=1mm、像側フィールド半径Dr=2.5mm。像側WRMS=0.002λ、像側フィールド湾曲5nm。更に、解像力は39nm、光学系全長は1510mmである。鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10は開口部を有する。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6は開口部を有さない。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の24%である。更に、像側の自由な動作距離は20mm、対象側の自由な動作距離は120mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10において36.1°である。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は44.4°である。鏡MIR1、鏡MIR2、鏡MIR3、鏡MIR4、鏡MIR5、鏡MIR6、鏡MIR7、鏡MIR8、鏡MIR9、鏡MIR10それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、24.2°である。子午面における最大の鏡の寸法は767mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は780mmである。光学系の光学データを表18に列挙する。光学系は合計で2つの中間像、即ち、中間像ZWI1、ZWI2を結像する。
ここで、対象物、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、鏡9、鏡10、絞り、像を以下のように対応付けるものとする。
対象物:対象物面
鏡1:鏡MIR1
鏡2:鏡MIR2
鏡3:鏡MIR3
鏡4:鏡MIR4
鏡5:鏡MIR5
鏡6:鏡MIR6
鏡7:鏡MIR7
鏡8:鏡MIR8
鏡9:鏡MIR9
鏡10:鏡MIR10
絞り:開口絞り
像:結像面
表18の第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図22に示す光学系は、図21に示す実施の形態の場合のように第1小対物光学系29000を部分対物光学系に分けることはできないが、少なくとも5枚の鏡を備え、中間像を結像しないという優れた利点がある。第2小対物光学系29010は2つの部分対物光学系3004、3006を備える。
図23に、本発明の更なる態様に従った、動作波長が100nm、縮小倍率が8倍で像側開口数がNA=O.85で、中間像を結像する第1の実施の形態の対物光学系を示す。
本発明の投影対物光学系は、第1部分対物光学系8100と第2部分対物光学系8200の2つの部分対物光学系を備える。第1部分対物光学系は、6枚の鏡、即ち、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6を備える。対象物面8010から結像面8020への光路内で、第1の鏡S1は凸面鏡であり、第2の鏡S2は凹面鏡であり、第3の鏡S3は凹面鏡であり、第4の鏡S4は凸面鏡であり、第5の鏡S5は凸面鏡であり、第6の鏡S6は凹面鏡である。第1部分対物光学系の像倍率は、―0.33倍である。例えば、レチクルを配置する対象物面には参照番号8010を付す。光軸には記号HAを付す。個々の鏡部位は光軸に対して回転対称である。対象物面8010から結像面8020への光学系全長は1300mmであり、これを単に全長と呼び、記号BLを付す。第1部分対物光学系はフィールドグループとも呼び、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6を備える。これらの鏡は、フィールドに依存する像歪みを補正しうる軸外鏡部位である。
第1部分対物光学系8100は、開口グループとも呼ばれ、像倍率が−3.38の第2部分対物光学系8200と接続する。
第2部分対物光学系8200は、2枚の鏡、即ち、開口グループの第1の鏡である凸面鏡と第2の鏡である凹面鏡から構成される。開口グループを構成する凸面鏡に記号SK1、凹面鏡に記号SK2を付す。凹面鏡SK2は、投影対物光学系の対象物面8100から結像面8020へ進む光線束を通過させる開口部Aを有する。頂点VSK1、即ち凹面鏡SK1の頂点と結像面8020との間の距離D、図面から明らかなように、いわゆる像側動作距離は、12mmを上回り、好ましくは15mmを上回り、更に好ましくは30mmを上回る。
図示された投影対物光学系は、最大(maximal)1つの中間像ZW1を、フィールドグループと開口グループの間、即ち、第1部分対物光学系8100と第2部分対物光学系8200の間に結像する。中間像ZW1は、開口グループを構成する凹面鏡SK2の開口部A近傍に位置する。
図23に示す実施の形態において作業可能な開口絞りBは、開口グループの凸面鏡SK1と凹面鏡SK2の間の光路内に設けられる。
図23に示す実施の形態は、光学的光路で最後に位置するフィールドグループの鏡S6が凹面鏡である点において優れている。これにより、瞳の陰影を極めて小さくすることができ、本実施例においては12%を下回った。更に、本発明の実施の形態では、入射瞳の横断幅が負の値となる。像フィールドの寸法は、13x1mm2、即ち、像側フィールド幅はDx=13mm、像側フィールド長はDy=1mm、像側フィールド半径はDr=12mm。解像度は50nm、像側WRMSは0.007λで、像側フィールド湾曲は8nm。鏡SK1と鏡SK2は開口部を有する。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6は開口部を有さない。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の34%である。像側の自由な動作距離は30mm、対象側の自由な動作距離は103mmである。フィールド中心点へ進む主光線CRの最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2において39.7°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は52.2°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1、鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、23.6°である。子午面における最大の鏡の寸法は693mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は706mmである。
図23に示す光学系の光学データを以下の表19に列挙する。
ここで、対象物、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、絞り、鏡6、像を以下のように対応付けるものとする。
対象物:対象物面
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S3
鏡4:鏡S4
鏡5:鏡S5
鏡6:鏡S6
鏡7:凸面鏡SK1
鏡8:凹面鏡SK2
絞り:開口絞り
表19の第1部に光学データを改めて列挙し、第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図24に、本発明の更なる態様に従った、波長が100nm、縮小倍率が8倍、開口数がNA=0.7で、中間像ZW1を結像する第2の実施の形態の8反射鏡対物光学系を示す。図23と同様の構成には同様の参照番号を付す。
図24に示す光学系の光学データを以下の表20に列挙する。
ここで、鏡1、鏡2、鏡3、鏡4、鏡5、鏡6、鏡7、鏡8、絞りを以下のように対応付けるものとする。
鏡1:鏡S1
鏡2:鏡S2
鏡3:鏡S3
鏡4:鏡S4
鏡5:鏡S5
鏡6:鏡S6
鏡7:凸面鏡SK1
鏡8:凹面鏡SK2
絞り:開口絞り
表20の第1部に光学データを改めて列挙し、第2部にそれぞれの鏡表面の非球面定数を記載する。
図24に示す実施の形態においてフィールド寸法は、結像面において13x1mm2である。即ち、像側フィールド幅Dx=13mm、像側フィールド長Dy=1mm、像側フィールド半径Dr=17.5mm。解像度50nmで、対物光学系全長は1470mmである。像側WRMS=0.14λ、像側フィールド湾曲125nm。鏡SK1と鏡SK2は開口部を有する。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6は開口部を有さない。フィールドと独立した遮光を生じる遮光部分の半径は開口半径の57%である。更に、像側の自由な動作距離は30mm、対象側の自由な動作距離は100mmである。フィールド中心点へ進む主光線の最大入射角度ΘCR(max)は、鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1と鏡SK2において25.4°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1と鏡SK2に対する各光線の最大入射角度Θmax(max)は32.4°である。鏡S1、鏡S2、鏡S3、鏡S4、鏡S5、鏡S6、鏡SK1と鏡SK2それぞれに入射する光線の最大角度範囲ΔΘmaxは、20.5°である。子午面における最大の鏡の寸法は945mmである。x軸方向の最大の鏡の寸法は960mmである。
図23に示す実施の形態とは異なり、図24に示す実施の形態において、第1部分対物光学系8100を構成する、光路内の最後の鏡S6は凸面鏡である。更に、入射瞳の横断幅は正の値である。これは、特に第1部分対物光学系において、入射角を極めて小さくして、光学系を小型に設計できるという利点がある。更に、本実施の形態において、開口絞りを、開口グループ内の第7の鏡と第8の鏡の間の図示した位置の代わりに、フィールドグループ内に(図示してない)、好ましくは、鏡、例えば、第2の鏡の近傍、または第2の鏡に直接設けることができる。このような構成は、瞳の陰影を画定する遮光絞りも同様にこの鏡に設ける、例えば、非反射被膜によって実現できるという利点を有する。
また、さらに以下のような実施形態も考えられる。
(4)
光線束を通過させる開口部を有さない鏡(S1)を少なくとも1枚備える第1部分対物光学系(100)と、
少なくとも1枚の1次鏡(SK1)と1枚の2次鏡(SK2)を有する第2部分対物光学系(200)とを含み、
前記1次鏡(SK1)と前記2次鏡(SK2)が、前記光線束を通過させる開口部を有し、
開口絞り(B)が、前記第1部分対物光学系(100)に配置される、
結像光学系。
(5)
マイクロリソグラフィー投影対物光学系が、対象物面(10)と結像面(20)を備え、
前記光線束が、前記対象物面(10)から前記結像面(20)へ進む光路内において、前記マイクロリソグラフィー投影対物光学系を通過する、
(4)記載の結像光学系。
(6)
前記対物光学系は、像側開口数NAが、NA>0.4である
(4)又は(5)迄の何れかに記載の結像光学系。
(7)
前記マイクロリソグラフィー投影対物光学系が、軸(HA)を有し、
前記光線束が、前記鏡(S1)の反射面に入射し、
少なくとも前記反射面が、前記鏡(S1)の軸外部位によって構成される、
(4)から(6)迄の何れかに記載の結像光学系。
(8)
前記第1部分対物光学系が、前記鏡(S1)の下流側で、前記1次凹面鏡(SK1)の上流の光路内に配置される第2の鏡(S2)を備え、
前記第2の鏡(S2)が、光線束を通過させる開口部を有さない、
(4)から(7)迄の何れかに記載の結像光学系。
(9)
前記光線束が、前記第2の鏡(S2)の第2の反射面に入射し、
少なくとも前記第2の反射面が、前記第2の鏡(S2)の第2の軸外部位によって構成される、
(8)に記載の結像光学系。
(10)
前記開口絞り(B)が、前記第1部分対物光学系(100)上に若しくは近傍に配置される、
(4)から(9)迄の何れかに記載の結像光学系。
(11)
前記第2部分対物光学系(200)の前記1次鏡(SK1)と前記2次鏡(SK2)は、凹面鏡として構成される、
(4)から(10)迄の何れかに記載の結像光学系。
(12)
前記開口絞り(B)は、前記第1部分対物光学系(100)の瞳面に配置される、
(4)から(11)迄の何れかに記載の結像光学系。
(13)
前記開口絞り(B)は、前記第1部分対物光学系(100)の二つの鏡の間に配置される、
(4)から(12)迄の何れかに記載の結像光学系。
(14)
前記開口絞り(B)は、前記第1部分対物光学系(100)の鏡に直接配置される、
(4)から(12)迄の何れかに記載の結像光学系。
(15)
前記開口絞り(B)は、前記第1部分対物光学系(100)の鏡の上流に直接配置される、
(4)から(13)迄の何れかに記載の結像光学系。
(16)
前記開口絞り(B)は、前記第1部分対物光学系(100)の第2の鏡(S20)上の前記結像ビーム経路に配置される、
(4)から(15)迄の何れかに記載の結像光学系。
(17)
前記開口絞り(B)は、前記第1部分対物光学系(100)の第1の鏡(S10)上の前記結像ビーム経路に配置される、
(4)から(15)迄の何れかに記載の結像光学系。
(18)
前記第1部分対物光学系が、前記第1の鏡(S1)、前記第2の鏡(S2)、第5の鏡(S5)、第6の鏡(S6)からなる4枚の鏡を備え、
前記光路において、前記第5の鏡(S5)は、前記第2の鏡(S2)の下流に位置し、前記第6の鏡(S6)は、前記第5の鏡(S5)の下流に位置し、前記第6の鏡(S6)は、前記第1次凹面鏡(SK1)の上流に位置する、
(4)から(17)迄の何れかに記載の結像光学系。
(19)
前記4枚の鏡(S1、S2、S5、S6)は、前記第1部分対物光学系内の前記対象物面から前記結像面に進む光路に位置する順に、
凹面鏡―凸面鏡―凸面鏡―凹面鏡、又は
凸面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡、又は
凹面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡、又は
平面鏡―凹面鏡―凸面鏡―凹面鏡である、
(18)記載の結像光学系。
(20)
開口絞りが、前記第1部分対物光学系(100)内の前記第5の鏡(S5)上に設けられる、
(18)及び(19)の何れかに記載の結像光学系。
(21)
前記対物光学系は、開口絞り及び陰影絞りを備え、
前記陰影絞りは、前記結像光学系の各鏡の位置から離間している絞り面内に設けられる、
(4)から(20)迄の何れかに記載の結像光学系。
(22)
前記開口絞り及び前記陰影絞りは、別々の絞り面に設けられる、(21)記載の結像光学系。
(23)
対物光学系が、対象物面(10)及び結像面(20)を備え、
光線束が、前記対象物面(10)から前記結像面(20)へ進む光路において、結像光学系を通過し、
光線束を通過させる開口部を有さない、少なくとも1枚の鏡(S100、S200、S300、S400)を有する第1部分対物光学系(100)と、
少なくとも1枚の1次鏡(S500)と、2次鏡(S600)とを有する第2部分対物光学系(200)とを含み、
前記1次鏡(S500)と前記2次鏡(S600)とは、前記光線束を通過させる開口部を有し、
前記第1部分対物光学系が、4枚の鏡(S100からS400)を備え、前記第2部分対物光学系が、2枚の鏡(S500及びS600)を備える、6枚の鏡(S100からS600)を備え、
像側開口数NAが、NA>0.4であり、
像側フィールドの最大寸法(Dx、Dy)が、1mmを上回る、
結像光学系。
(24)
前記結像光学系は、反射式対物光学系として構成される、
(23)に記載の結像光学系。
(25)
前記第1部分対物光学系の前記鏡(S100からS400)の一つは、光線束を通過させる開口部を有する
(23)又は(24)に記載の結像光学系。
(26)
像側開口数が、0.5である、
(23)から(25)迄の何れかに記載の結像光学系。
(27)
陰影絞り(AB)が、前記第3の鏡(S300)と前記第4の鏡(S400)との間の前記光線束の光路に配置される、
(23)から(26)迄の何れかに記載の結像光学系。
(28)
前記陰影絞り(AB)は、前記開口部の総開口半径の40%を下回る陰影半径に達する、
(27)に記載の結像光学系。
(29)
開口絞り(B)が、前記第5の鏡(S500)と前記第6の鏡(S600)との間の前記光線束の光路に配置される、
(23)から(28)迄の何れかに記載の結像光学系。
(30)
前記光線束の光路に配置される前記第2の鏡(S200)は、凹面鏡として構成される、
(23)から(29)迄の何れかに記載の結像光学系。
(31)
前記光線束の光路に配置される前記第5の鏡(S500)は、凸面鏡として構成される、
(23)から(30)迄の何れかに記載の結像光学系。
(32)
動作波長が、13.5nmである、
(23)から(31)迄の何れかに記載の結像光学系。
(33)
縮小結像倍率が、8倍である、
(23)から(32)迄の何れかに記載の結像光学系。
(34)
像フィールドの寸法が、13mmx1mmである、
(23)から(33)迄の何れかに記載の結像光学系。
(35)
像側フィールド半径が、9.75mmである、
(23)から(34)迄の何れかに記載の結像光学系。
(36)
像側フィールド半径が、10mm乃至50mmの範囲である、
(23)から(35)迄の何れかに記載の結像光学系。
(37)
最大主光線角度が、前記鏡(S100からS600)の一つにおいて35度である、
(23)から(36)迄の何れかに記載の結像光学系。
(38)
最大入射角が、前記鏡(S100からS600)の一つにおいて40%である、
(23)から(37)迄の何れかに記載の結像光学系。
(39)
入射角の最大範囲が、前記鏡(S100からS600)の一つにおいて25度を下回る、
(23)から(38)迄の何れかに記載の結像光学系。
(40)
前記物体面(10)と前記像面(20)との間の距離が、2メートルを下回る、
(23)から(39)迄の何れかに記載の結像光学系。
(41)
前記物体面(10)と前記像面(20)との間に、中間像がある、
(23)から(40)迄の何れかに記載の結像光学系。
(42)
前記中間像が、幾何学的に最も近い第2部分対物光学系の鏡への光軸に沿った距離が、対物光学系全長の15%を下回る、
(23)から(41)迄の何れかに記載の結像光学系。
(43)
前記第1部分対物光学系の長さは、結像光学系の全長の16%を上回る、
(23)から(42)迄の何れかに記載の結像光学系。
(44)
対象物面を結像面に結像する結像光学系であって、
前記対象物面から前記結像面に結像ビーム経路に沿って結像放射を導く複数の素子を備え、
前記複数の素子は、第1部分対物光学系及び第2部分対物光学系を備え、
前記第2部分対物光学系は、マンジャン鏡を備える、
結像光学系。
(45)
前記マンジャン鏡は、前記結像面に最も近い、前記結像光学系の光学素子である、
(44)に記載の結像光学系。
(46)
前記第1部分対物光学系は、前記結像ビーム経路に沿った結像放射を通過させる開口部を有さない少なくとも一つの鏡を備える、
(44)または(45)迄の何れかに記載の結像光学系。
(47)
前記第2部分対物光学系は、前記結像ビーム経路に沿った結像放射を通過させる開口部を有する少なくとも一つの鏡を備える、
(44)から(46)迄の何れかに記載の結像光学系。
(48)
前記マンジャン鏡が、前記第2部分対物光学系の前記結像ビーム経路における第1の鏡である、
(44)から(47)迄の何れかに記載の結像光学系。
(49)
前記結像光学系は、10の鏡を備える、
(44)から(48)迄の何れかに記載の結像光学系。
(50)
前記対物光学系は、8倍の縮小倍率を持つ、
(44)から(49)迄の何れかに記載の結像光学系。
(51)
前記マンジャン鏡と前記結像面との間の像側動作距離は、10mmである、
(44)から(50)迄の何れかに記載の結像光学系。