以下に、図面を参照しながら、本発明を具体化した一実施の形態を説明する。この実施の形態は、正側の極となるシート材及び負側の極となるシート材が折り重なってなる、蓄電器用積層体の製造装置である。
[積層体の構造]
まず、製造される積層体について、図32を参照しながら簡単に説明する。なお、図32は積層体を説明するための斜視図であり、(a)は積層体を、(b)は折り重ねの様子をそれぞれ示している。
図32(a)に示すように、積層体11は、第1シート材12と第2シート材13とを有している。第2シート材13は、その両面に分離シート14(後述する図31参照)が非接着の状態で重ね合わされ、計3層よりなる3層シート材15として構成されている。各シート材12,15には、所定間隔ごとに折り目12a,15aが形成され、その折り目12a,15aにしたがって所定間隔で交互につづら折に折り重ねられることで、積層体11が構成されている。
第1シート材12及び第2シート材13は、所定の区間毎に区切られている。区間とは、各シート材12,15において、隣接する折り目12a,15a同士の間の部分を指す。折り目12a,15a同士の間隔は、等間隔に設定されている。
この積層体11を形成する場合、図32(b)に示すように、帯状をなす第1シート材12及び3層シート材15の1区間分が互いに直交して重ね合わされ、そこから折り目12a,15aに沿って交互に折り重ねられる。
[積層体製造装置の概要]
次に、上記積層体11を製造する積層体製造装置の概要(全体像)を、図31に基づいて説明する。なお、図31は、その概要を説明するための説明図である。この図31に示されているように、積層体製造装置は、大きく分けて、仮折り装置21と、シート折り重ね装置としての本折り装置131とで構成されている。
仮折り装置21は、シート材12,15に折り目を形成し、つづら折に折り畳んだ状態でカートリッジ22に積層させる装置である。第1シート材12の仮折りの場合、第1ロール体23より帯状をなす第1シート材12が引き出される。第2シート材13の仮折りの場合、第2ロール体24より帯状をなす第2シート材13が引き出され、上下に配置された分離シートロール体25より引き出された分離シート14が、挟圧ローラ26を介してシート両面に重ね合わされる。
それぞれ、シート材12,15の両面が挟持された状態でローラ体81,82を上下方向へ交互に移動させることにより、折り目12a,15aのそれぞれについて谷折り目と山折り目とが交互に形成される。なお、図31では、下側ローラ体82を上方向へ移動させた構成が図示されている。この折り目12a,15aが形成されるごとに、シート材12,15が順次送り出され、カートリッジ22に折り畳まれながら積層される。
一方、本折り装置131は、第1シート材12と3層シート材15とを交互に折り重ねて、前記積層体11を形成する装置である。つまり、第1シート材12を積層したカートリッジ22と、3層シート材15を積層したカートリッジ22とをセットし、そこから各シート材12,15を引き出して、折りステージ132上で互いに直交して重ね合わせる。この本折り装置131では、折りステージ132がX軸方向とY軸方向とで交互に把持されるようになっている。図31では、Y軸方向において把持された状態が図示されている。そして、セットされた各カートリッジ22と、把持状態の折りステージ132とを、X軸方向及びY軸方向を中心として交互に回動させることにより、第1シート材12及び3層シート材15が交互に折り重ねられる。
なお、ここでは第2シート材13のシート両面に分離シート14が重ね合わされることを想定しているが、これとは逆に、第1シート材12のシート両面に分離シート14が重ね合わされるようにしてもよい。この場合、第2シート材13に分離シート14は重ね合わされないことになる。そして、本折り装置131では、第2シート材13と第1シート材(両面に分離シート14付き)とを交互に折り重ねて、積層体11を形成する。
[仮折り装置]
次に、上記積層体製造装置を構成する仮折り装置21と本折り装置131とのうち、まずは、仮折り装置21についてより詳しく説明する。
この仮折り装置21の全体構成は次の通りである。図1は、仮折り装置21の概要を示す斜視図であって、第2シート材13が用いられた場合を示している。このため、分離シートロール体25から分離シート14が引き出され、第2シート材13の両面に重ね合わされて3層シート材15となる様子が図示されている。
なお、第2シート材13及び分離シート14は、いずれもその両面を水平方向に向けて送り出される。それらの延びる方向(つまり、送出方向)をシート延長方向といい、それと直交する水平方向をシート幅方向という。また、第1シート材12の仮折りも同じ仮折り装置21が用いられるため、この第1シート材12への適用例は省略する。この第1シート材12の場合は、分離シート14が重ね合わされない点が異なる。第1シート材12、第2シート材13及び3層シート材15が、帯状シート材に相当する。
図1に示すように、仮折り装置21は、シート送出し装置31、シート位置決め装置61(図1では図示略)、シート折り目形成装置71、折り目搬送装置91(図1では図示略)及びカートリッジ固定装置101(図1では図示略)を備えて構成されている。
シート送出し装置31は、その有する送りチャック装置33,34により、挟圧ローラ26の上流側で第2シート材13を、下流側で3層シート材15をそれぞれ挟み込む。その挟み込みの前提として、シート位置決め装置61により第2シート材13が位置決めされる。そして、送りチャック装置33,34を各シート材13,15の延びる方向に向かって移動させることで、3層シート材15を設定された送り量ごと、間欠的に送り出す。シート送出し装置31は、シート送出し手段に相当する。
その送り出された先に、シート折り目形成装置71が配置されている。シート折り目形成装置71は、3層シート材15が送り出されるたびにそれを折り用挟持片77,78で挟持し、その状態でローラ体81,82が折り用挟持片77,78に沿って上下に移動することにより、折り目15aが形成される。この折り用挟持片77,78及びローラ体81,82を含んで折り目形成手段が構成されている。
シート送り量として、3層シート材15に形成する折り目15aの形成間隔が設定されている。図1における第2シート材13には、そのシート送り量となる折り目15aの形成間隔ごとに、一対の位置決め孔18が形成されている。
シート折り目形成装置71の先には、カートリッジ固定装置101に取り付けられたカートリッジ22が存在している。カートリッジ22は、シート収納体に相当する。シート折り目形成装置71によって形成された折り目15aは、折り目搬送装置91によってカートリッジ22まで搬送される。これにより、3層シート材15は、形成された折り目にしたがって折り畳まれながら、カートリッジ22に積層される。
[シート送出し装置]
次に、仮折り装置21を構成する個々の装置について、順に詳しく説明する。
はじめに、シート送出し装置31について、図2乃至図4を参照しながら説明する。図2はシート送出し装置31を示す平面図、図3は図2におけるA−A断面図、図4は図2におけるB−B断面図である。なお、これ以後の説明で参照する図も含めて、第2シート材13、分離シート14及び3層シート材15は、その厚さが強調して図示されている。
まず、図2に示すように、シート送出し装置31は、浮上手段としての浮上テーブル32、後方送りチャック装置33、前方送りチャック装置34及び送出し用移動機構35を有している。なお、後方送りチャック装置33及び前方送りチャック装置34は送り用挟持手段に相当し、送出し用移動機構35は移動手段に相当する。
図3にも示すように、設置面S1に設置された浮上テーブル32は、第2シート材13のシート延長方向に沿って長尺状をなすとともに、第2シート材13の幅よりも狭い幅を有している。このため、浮上テーブル32上の第2シート材13は、その幅方向両側部が浮上テーブル32からはみ出した状態となる。浮上テーブル32の上面は第2シート材13のシート面と平行をなすシート支持面41とされ、このシート支持面41がシート支持領域となる。シート支持面41には、多数のエア噴出孔42が形成されている。
浮上テーブル32には前記エア噴出孔42が形成された全域にわたり内部空間43が形成され、エア噴出孔42はこの内部空間43に連通している。内部空間43のポート43aは浮上加圧制御部44に接続されており、その浮上加圧制御部44で所定圧に調整された加圧エアが、必要に応じて内部空間43に供給されるようになっている。このため、内部空間43に加圧エアが供給されればエア噴出孔42より加圧エアが噴出し、シート支持面41上に載置されている第2シート材13を浮上させる。一方、そのエア供給を停止させれば、第2シート材13の浮上も停止し、シート支持面41に載置される。なお、現実のエア噴出孔42は細孔であって、その数も図2や図3に図示されたものに限定されるわけではない。
後方送りチャック装置33は、図1及び図3に示すように、本体ブロック46とチャックプレート47とを有している。図2に示すように、本体ブロック46は平面視において四角形状をなすとともに、第2シート材13よりも幅広に形成されている。この本体ブロック46のシート幅方向における両側方には、シート延長方向に沿って前記送出し用移動機構35が設けられている。図3に示すように、送出し用移動機構35は設置面S2に設置されている。本体ブロック46に向かってシート幅方向に突出する支持アーム35aを有し、その支持アーム35aは本体ブロック46に連結されている。これにより、本体ブロック46が浮上テーブル32の上方に配置された状態で、送出し用移動機構35に支持されている。
送出し用移動機構35には電動モータや送りネジ等の駆動装置が内蔵されており、その駆動により本体ブロック46はシート延長方向に沿って往復移動することが可能となっている。その移動範囲は、浮上テーブル32の存在範囲内であって、シート送り量とされる一対の位置決め孔18同士の間隔2つ分の範囲を往復できるように設定されている。
本体ブロック46の上面には、シート幅方向の両端部で、かつシート延長方向の中央部にシリンダ48がその内部を往復動するロッド48aを下向きにして設置され、ロッド48aは本体ブロック46よりも下方に突出している。図3に示すように、各シリンダ48には第1加圧切替部49が接続されており、この第1加圧切替部49による加圧切替によりシリンダロッド48aが出没する。
図1及び図3に示すように、このシリンダロッド48aの先端部に、前記チャックプレート47が連結されている。チャックプレート47は、シート延長方向に沿って、本体ブロック46の全域にわたる長さを有する長尺状のプレートであり、浮上テーブル32のシート幅方向の両側方で、かつ本体ブロック46のシート幅方向両端部の下方に配置されている。そして、シリンダロッド48aが突出すればチャックプレート47が本体ブロック46の下面より離れ、逆に、シリンダロッド48aが没入すればチャックプレート47は本体ブロック46の下面に近接する。このチャックプレート47の動作はガイドロッドG1によってガイドされる。つまり、チャックプレート47には、シリンダロッド48aのシート延長方向両側に一対のガイドロッドG1が設けられている。両ガイドロッドG1は上下方向に延び、本体ブロック46に挿通されている。このガイドロッドG1によるガイドにより、チャックプレート47が上下動する場合に、シート延長方向やシート幅方向にずれることが抑制される。
チャックプレート47の上面には、シリンダロッド48aやガイドロッドG1よりも内側(浮上テーブル32側)に、挟持パッドPが設けられている。挟持パッドPは、チャックプレート47の長手方向全域にわたる長さを有している。そして、浮上テーブル32上の第2シート材13は、そのシート幅方向両端部が挟持パッドPと本体ブロック46の下面との間に存在する。このため、シリンダロッド48aが没入してチャックプレート47が本体ブロック46の下面側に移動すると、その下面と挟持パッドPとによって、第2シート材13のシート幅方向両端部が挟持パッドPの設置範囲で挟まれる。その第2シート材13の挟み込みを行う、本体ブロック46の下面と挟持パッドPの上面とが挟持面とされる。
前方送りチャック装置34は、図2及び図4に示すように、長尺状をなす移動本体51,52及び送り用挟持片53,54と、シリンダ55,56とを有している。移動本体51,52は、3層シート材15の上下両面と対向するようにその上方及び下方に設けられ、長手方向をシート幅方向に沿うようにして配置されている。また、移動本体51、52は3層シート材15よりも幅広に形成され、長手方向両端部で前記送出し用移動機構35からシート幅方向に突出するアーム35bと連結されている。このアーム35bを介して、前記後方送りチャック装置33の本体ブロック46と同様、移動本体51,52も前記送出し用移動機構35に支持されている。そして、送出し用移動機構35の駆動により、移動本体51,52は本体ブロック46の移動と同期しながら、かつ同一の移動範囲で、シート延長方向に沿って往復移動することが可能となっている。
移動本体51,52には、その長手方向中央部に前記シリンダ55,56が設置されている。3層シート材15の上方に設けられる移動本体51には、シリンダ55がその内部を往復動するロッド55aを下向きにして設置され、ロッド55aは移動本体51よりも下方に突出している。ロッド55aの先端には、送り用挟持片53が連結されている。一方、図4に示すように、3層シート材15の下方に設けられる移動本体52には、シリンダ56がその内部を往復動するロッド56aを上向きにして設置され、ロッド56aは移動本体52よりも上方に突出している。ロッド56aの先端には、送り用挟持片54が連結されている。各送り用挟持片53,54は3層シート材15のシート面と対向する面を有し、その面が挟持面53a,54aとされている。
各シリンダ55,56は第2加圧切替部57に接続されており、この第2加圧切替部57による加圧切替によりシリンダロッド55a,56aが出没する。各シリンダ55,56の出没動作は同期し、かつ同一ストロークで行われるようになっており、上下のシリンダ55,56のロッド55a,56aが没入すれば、両送り用挟持片53,54は3層シート材15から離間する。一方、上下のシリンダ55,56のロッド55a,56aが突出すれば、両送り用挟持片53,54は3層シート材15をその挟持面53a,54aで挟持する。
この送り用挟持片53,54の動作はガイドロッドG2によってガイドされる。つまり、送り用挟持片53,54には、シリンダロッド55a,56aのシート幅方向両側に一対のガイドロッドG2がそれぞれ設けられている。両ガイドロッドG2は上下方向に延び、移動本体51,52にそれぞれ挿通されている。このガイドロッドG2によるガイドにより、送り用挟持片53,54が上下動する場合に、シート幅方向やシート延長方向にずれることが抑制される。
図5は、送りチャック装置33,34を用いた送り動作を説明する動作説明図である。この図5を参照して、第2シート材13をシート折り目形成装置71側へ送り出す動作を説明する。なお、ここでは浮上テーブル32から噴出する加圧エアによって、第2シート材13がすでに浮上した状態にあることを前提に説明する。その浮上に至るまでの詳しい動作については後述する。
図5(a)に示すように、第2シート材13が、浮上テーブル32、挟圧ローラ26、送り用挟持片53,54間を経てその先まで引き出されている。分離シート14も挟圧ローラ26及び送り用挟持片53,54間を経てその先まで引き出されている。このため、挟圧ローラ26より先は、3層シート材15となっている。そして、浮上テーブル32より加圧エアが噴出され、第2シート材13は浮上している。また、後方送りチャック装置33は浮上テーブル32の下流寄りに存在する基準位置に配置され、前方送りチャック装置34の送り用挟持片53,54は挟圧ローラ26に近づいた基準位置に配置されている。
この状態において、図5(b)に示すように、後方送りチャック装置33ではシリンダ48を駆動してチャックプレート47を移動させ、本体ブロック46の下面との間に第2シート材13のシート幅方向両端部を挟み込む。また、前方送りチャック装置34でも、シリンダ55,56を駆動して送り用挟持片53,54により3層シート材15を挟み込む。この動作中において、浮上テーブル32からの加圧エアの噴出は継続する。
次いで、かかる状態で送出し用移動機構35を駆動し、後方送りチャック装置33及び前方送りチャック装置34を、シート延長方向に沿ってシート折り目形成装置71側の前進位置へ同期して(一体的に)移動させる。これにより、図5(c)に示すように、第2シート材13がその移動量だけ送り出される。そして、分離シート14は送り用挟持片53,54の移動に伴って引っ張られることで、その送り用挟持片53,54の移動量だけ引き出されることになる。ここでも、浮上テーブル32からの加圧エアの噴出は継続する。
その後、図5(d)に示すように、後方送りチャック装置33では、シリンダ48を駆動してチャックプレート47を離間させ、第2シート材13の挟み込みを解放する。また、前方送りチャック装置34でも、シリンダ55,56を駆動して送り用挟持片53,54を離間させ、3層シート材15の挟み込みを解放する。この解放後、送出し用移動機構35を駆動して、後方送りチャック装置33及び前方送りチャック装置34をもとの基準位置へ復帰させる。なお、この復帰時には浮上テーブル32からの加圧エアの噴出は停止させる。
[シート位置決め装置]
上記シート送出し装置31はシート位置決め装置61を備えており、後方送りチャック装置33で第2シート材13を挟持する場合に、その前提として、第2シート材13の位置決めが行われるようになっている。そのシート位置決め装置61について、前記図2及び図6を参照しながら次に説明する。なお、図6は、図2におけるC−C断面の拡大図である。
図2に示すように、シート位置決め装置61は、平面視四角形状をなす本体ブロック46の四隅部にそれぞれ設けられている。これら各位置決め装置61はピン部材としてのピンロッド62を有しており、4つのピンロッド62が第2シート材13に形成された位置決め孔18(図1参照)に挿入されることにより、第2シート材13の位置決めがなされるようになっている。なお、位置決め孔18は係合部に相当し、シート幅方向の両端部に形成されている。
図6に示すように、前記ピンロッド62を有するピンシリンダ63は、前記挟持パッドPの下方において、前記チャックプレート47に取り付けられている。ピンロッド62は上向きに突出するものであり、このピンロッド62が挿通される挿通孔64が、チャックプレート47及び挟持パッドPを貫通して形成されている。
ピンロッド62は、円柱状をなす基端軸部66と、それより横断面積の小さい円柱状の先端軸部67と、その両軸部間のテーパ部68とで構成されている。なお、基端軸部66は第2柱状部に相当し、先端軸部67が第1柱状部に相当する。そして、この実施形態では、先端軸部67が先端部に、基端軸部66及びテーパ部68が基端部に相当する。
基端軸部66は第2シート材13の位置決め孔18と等しい径に形成され、そのため、先端軸部67の横断面積は位置決め孔18よりも小さい。したがって、後方送りチャック装置33に設けられた4つのピンロッド62が、いずれもその基端軸部66まで位置決め孔18に挿入されると、第2シート材13はシート延長方向及び幅方向の両者において位置決めされる。なお、基端軸部66は、第2シート材13の位置決め孔18よりも若干小さい径や、位置決め孔18と略等しい径に形成されていてもよい。
各ピンシリンダ63はそれぞれピンシリンダ加圧制御部69と接続されており、この加圧制御部69からの加圧エア供給状態によって各ピンロッド62の出没が制御されるようになっている。この場合、ピンロッド62が二段階で突出するように、ピンシリンダ加圧制御部69による加圧制御が行われる。
第1段階では、第2シート材13が浮上テーブル32のシート支持面41に載置された状態で、その位置決め孔18に先端軸部67が挿入される程度にピンロッド62が突出する。すなわち、先端軸部67の上端がシート支持面41よりも上方に位置し、先端軸部67の下端がシート支持面41よりも下方に位置するように、ピンロッド62が突出する。第2段階では、第2シート材13が浮上テーブル32によって浮上させられた状態で、位置決め孔18に基端軸部66が挿入されるまでピンロッド62が突出する。なお、本体ブロック46の下面には、突出したピンロッド62が挿入されるピン挿入孔46bが形成されている。
この第1段階の突出では、ピンロッド62の先端軸部67と位置決め孔18の周縁との間に隙間が存在する、第1精度としての仮りの位置決めがなされる。このため、第1位置決め手段はピンロッド62の先端軸部67を含んで構成される。また、第2段階の突出では、基端軸部66の外周縁と位置決め孔18の周縁とが当接し、第2精度としての確定的な位置決め(本位置決め)がなされる。このため、第2位置決め手段はピンロッド62の基端軸部66及びテーパ部68を含んで構成されている。また、第2位置決め手段の上昇機構は、ピンシリンダ63及びピンシリンダ加圧制御部69を含んで構成されている。
図7は、位置決め装置61を用いた位置決め動作を説明する動作説明図である。この図7を参照して、第2シート材13をシート折り目形成装置71側へ送り出す際の位置決め動作を説明する。なお、図7は一の位置決め装置61における動作を示すもので、他の位置決め装置61も同期して同一の動作が行われる。
図7(a)に示すように、第2シート材13を浮上テーブル32上に引き出し、位置決め孔18をピンロッド62の上方に配置させる。第2シート材13の送り出し当初は、適宜、手動等によってある程度の位置調整が必要となる。その後、図7(b)に示すように、ピンシリンダ加圧制御部69はピンロッド62を第1段階の突出状態とし、先端軸部67をその中間部分まで位置決め孔18に挿入する。後方送りチャック装置33に設けられた4つのピンロッド62が、いずれもその先端軸部67まで位置決め孔18に挿入されることにより、第2シート材13は仮りの位置決めがなされる。これが、第1位置決め工程に相当する。
この仮りの位置決めがなされた状態で、図7(c)に示すように、浮上テーブル32から加圧エアの噴出を実施する。すると、第2シート材13は浮上テーブル32のシート支持面41より浮上し、そのシート支持面41とは非接触の状態となる。このとき、第2シート材13は、先端軸部67の上端よりも低い位置で保持され、先端軸部67が本体ブロック46のピン挿入孔46bに少し入った状態として、先端軸部67が位置決め孔18に挿入された状態が維持される。これが、浮上工程に相当する。
そして、この浮上状態で、図7(d)に示すように、ピンシリンダ加圧制御部69はピンロッド62を第2段階の突出状態とする。すると、位置決め孔18の周縁がテーパ部68によって案内されながら、位置決め孔18に基端軸部66が挿入される。4つのピンロッド62がいずれもその基端軸部66まで位置決め孔18に挿入されることにより、第2シート材13は本位置決めがなされる。これが、第2位置決め工程に相当する。この本位置決めに伴って位置修正がなされたとしても、浮上状態にあるため、第2シート材13の表面に擦れによるキズ発生等の悪影響を及ぼすことを抑制できる。
その後、図7(e)に示すように、シリンダ48を駆動してチャックプレート47を移動させ、第2シート材13のシート幅方向両端部を挟み込む(前述した図5(b)参照)。この場合、ピンロッド62が第2段階の突出状態のままでチャックプレート47が移動し、ピンロッド62は本体ブロック46のピン挿入孔46bに挿入される。これにより、第2シート材13は確実な位置決めがなされた状態で、そのシート幅方向両端部が挟まれる。この挟み込みにより、第2シート材13は位置決めされた状態が維持されるため、図7(f)に示すように、挟み込み後、ピンロッド62をピンシリンダ63に没入させる。ここまでが、シート挟持工程に相当する。
その後、前述の図5(c)に示したように、後方送りチャック装置33をシート折り目形成装置71側へ移動させることにより、位置決めされ、かつ浮上した状態にある第2シート材13が送り出されることになる。
[シート折り目形成装置]
次に、シート折り目形成装置71(図1参照)について説明する。このシート折り目形成装置71は、折り用挟持手段としての折り用挟持装置72と、ローラ移動装置73を有している。図8は、折り用挟持装置72を、シート延長方向にみた構成を示す図である。図9は、ローラ移動装置73を、シート延長方向にみた構成を示す図である。いずれの図も、第2シート材13や3層シート材15はシート幅方向に沿った断面を示している。これらの図を参照しつつ、折り用挟持装置72及びローラ移動装置73を説明する。
ちなみに、図10は、3層シート材15に折り目を形成する様子を示す概略図である。折り用挟持装置72とローラ移動装置73との位置関係を説明する際には、この図も併せて参照することとする。
まず、折り用挟持装置72は、図8に示すように、シリンダ75,76と、長尺状をなす折り用挟持片77,78とを有している。シリンダ75,76は3層シート材15の上方及び下方に設けられ、図示しない適宜の支持体に支持されている。3層シート材15の上方に設けられる上シリンダ75は、その内部を往復動するロッド75aを下向きにして支持され、ロッド75aの先端には前記折り用挟持片77が連結されている。一方、3層シート材15の下方に設けられる下シリンダ76はその内部を往復動するロッド76aを上向きに支持され、ロッド76aの先端には折り用挟持片78が連結されている。
折り用挟持片77,78は、その長手方向の長さが3層シート材15のシート幅よりも少し短く形成され、その長手方向をシート幅方向に沿って配置されている。折り用挟持片77,78は、長手方向に対する横断面が四角形状に形成されており、その一面が3層シート材15のシート面と対向するように設けられている。そのシート面との対向面は、3層シート材15を挟み込む挟持面77a,78aとされている。
前記各シリンダ75,76は第3加圧切替部79に接続されており、この第3加圧切替部79による加圧切替によりシリンダロッド75a,76aが出没する。各シリンダ75,76の出没動作は同期し、かつ同一ストロークで行われるようになっており、上下シリンダ75,76のロッド75a,76aが没入すれば、両折り用挟持片77,78は3層シート材15から離間する。一方、上下シリンダ75,76のロッド75a,76aが突出すれば、両折り用挟持片77,78は3層シート材15をその挟持面77a,78aで挟持する。
ローラ移動装置73は、図9に示すように、長尺状をなす一対のローラ体81,82と、それら各ローラ体81,82を上下移動させるローラ移動機構83とを有している。ローラ体81,82はその長手方向の長さが3層シート材15のシート幅方向の長さより長く形成され、その長手方向をシート幅方向に沿うようにして設けられている。また、ローラ体81,82は3層シート材15の上方及び下方にそれぞれ配置されている。
前記ローラ移動機構83は、このローラ体81,82の長手方向両側方において、設置面S3に設けられている。ローラ移動機構83はローラ体81,82に向かってシート幅方向に突出する支持軸部84,85を有している。各ローラ体81,82は、長手方向両端部で支持軸部84,85と連結され、その支持軸部84,85を回動軸として回転可能に軸支されている。
ローラ移動機構83には電動モータや送りネジ等の駆動装置が内蔵されており、その駆動により上側ローラ体81を支持する上支持軸部84、及び下側ローラ体82を支持する下支持軸部85をそれぞれ上下に往復移動させることが可能となっている。これにより、上下の各ローラ体81,82はそれぞれ個別に上下方向へ移動する。
図10に示すように、上下の各ローラ体81,82は、前記折り用挟持片77,78よりもシート延長方向の下流側に設けられている。より詳しくは、送出し下流側で、折り用挟持片77,78の前記挟持面77a,78aに対して垂直な折り用垂直面77b,78b上を、ローラ体81,82が転がりながら上下に移動する位置に、ローラ体81,82が配置されている。つまり、各ローラ体81,82の接線が前記折り用垂直面77b,78bに含まれる位置に配置されている。それは、3層シート材15が折り用挟持片77,78によって挟持された状態においても同じである。なお、折り用垂直面77b,78bは交差面に相当する。
そのため、図9に戻ってその図に矢印で示すように、上側ローラ体81は、3層シート材15を挟持する上側の折り用挟持片77を越えて、下側の折り用挟持片78が存在する位置まで下方向へ移動することが可能となる。この移動位置と当初の上位置との間が、上側ローラ体81の移動範囲となっている。一方、下側ローラ体82は、3層シート材15を挟持する下側の折り用挟持片78を越えて、上側の折り用挟持片77が存在する位置まで上方向へ移動することが可能となる。この移動位置と当初の下位置との間が、下側ローラ体82の移動範囲となっている。なお、そのいずれの移動中にも、ローラ体81,82は折り用垂直面77b,78b上を転がりながら通過する。
図10を参照して、3層シート材15に折り目を形成するシート折り目形成装置71の動作を説明する。
図10(a)に示すように、3層シート材15が前記シート送出し装置31のシート送り動作により送り出され、折り用挟持片77,78よりも下流側へ引き出されている。この状態で、3層シート材15は折り用挟持片77,78によって挟持されている。前述したようにシート送り量は折り目形成間隔に設定されており、この挟持状態では、挟持片77,78の挟持面77a,78aと折り用垂直面77b,78bとで形成された直角角部K1,K2に、折り目成形位置(図1参照)が存在する。
その状態から、ローラ移動機構83により上支持軸部84を移動させることで、上側ローラ体81を下位置まで下移動させる。すると、上側ローラ体81はまず上側の折り用垂直面77b上を回転しながら移動し、それを越えると、図10(b)に示すように、3層シート材15を下敷きにしながら下側の折り用垂直面78b上を転がりながら移動する。これにより、3層シート材15は、下側の折り用挟持片78が有する直角角部K2で垂直に折られ、折り目15aが形成される。
ここで図示された折り目15aは、山折り目である。その逆の谷折り目となる折り目15aを形成する場合には、3層シート材15が挟持された図10(a)の状態で下側ローラ体82を上位置まで上移動させる。なお、この場合には、上側ローラ体81は下側ローラ体82の移動に先行して、もとの上位置に復帰している。これにより、3層シート材15は、上側の折り用挟持片77が有する直角角部K1で垂直に折られ、折り目15aが形成される。
したがって、上下のローラ体81,82を交互に移動させることで、3層シート材15には、折り目成形位置に、折り目15aとして山折り目と谷折り目が交互に形成される。つまり、3層シート材15には、つづら折を形成するための折り目15aが形成される。
ちなみに、折り用挟持片77,78は3層シート材15の幅よりも短いため、その挟持片77,78からはみ出した部分では、直角角部K1,K2とローラ体86,87との協働による折り目15aの形成はなされない。もっとも、後述する折り目搬送装置91を構成する搬送チャック部92の存在により、そのはみ出し部分にも折り目15aが形成されるようになっている。これについては、次の折り目搬送装置91に関するところで説明する。
[折り目搬送装置]
次に、折り目搬送装置91について、前述した図8、さらに図11を参照しながら説明する。図11は、シート幅方向に見た折り目搬送装置91及びカートリッジ22を示す概略図である。この折り目搬送装置91は、前記シート折り目形成装置71によって3層シート材15に形成された折り目15aを、カートリッジ22まで搬送し、その折り目15aにしたがった3層シート材15の積層を補助するものである。
図8及び図11に示すように、折り目搬送装置91は、搬送チャック部92、チャック駆動部93及びチャック移動機構94を有している。なお、チャック駆動部93及びチャック移動機構94を含んでチャック移動手段が構成されている。
搬送チャック部92を駆動するチャック駆動部93は、シート延長方向においては前記折り用挟持片77,78と同じ位置で、シート幅方向においては3層シート材15の側方に設けられている。チャック駆動部93はシリンダ等を含んで構成され、その内部を往復動するシリンダロッド93aの出没方向をシート幅方向と一致させた状態で、チャック移動機構94によって支持されている。チャック駆動部93のロッド93a先端には、前記搬送チャック部92が設けられている。搬送チャック部92は、3層シート材15に向けて突出し、そのシート両面を挟持可能な一対のチャック片96を有している。このチャック片96は、チャック部材に相当する。
チャック駆動部93の駆動によりシリンダロッド93aが出没し、搬送チャック部92が3層シート材15から離れる方向へ後退した位置と、搬送チャック部92のチャック片96間に、3層シート材15のシート幅方向端部が介在するチャック位置とに移動する。また、そのチャック位置において、チャック駆動部93の駆動により、搬送チャック部92のチャック片96が3層シート材15をチャック(挟持)したチャック状態と、3層シート材15を解放した解放状態とに切り替えられる。
前述したように、前記折り用挟持片77,78の長手方向長さは3層シート材15のシート幅よりも短く形成されているため、3層シート材15が折り用挟持片77,78によって挟持されても、そのシート幅方向両端部が挟持片77,78よりはみ出す。このはみ出した部分が、チャック片96によるつかみ代15bとなる。このため、シリンダロッド93aの突出により搬送チャック部92がチャック位置に配置され状態で、チャック片96によって3層シート材15のつかみ代15bがチャックされる。
図11に示すように、各チャック片96は、3層シート材15を挟むチャック面96aと、シート延長方向の下流側で前記チャック面96aに対して垂直をなす下流側端面96bとを有している。この下流側端面96bとチャック面96aとで、各チャック片96にも直角角部K3,K4が形成されている。下流側端面96bは、前記折り用挟持片77,78の折り用垂直面77b,78bと同一の平面を構成している。シート折り目形成装置71の折り用挟持片77,78による挟持とともに、このチャック片96によるつかみ代15bのチャックを行えば、直角角部K1,K2のシート幅方向延長上に直角角部K3,K4が配置される。このため、前記図10に示したように、ローラ体81,82を移動させれば、つかみ代15bの部分でも折り目15aが形成される。
また、前記チャック駆動部93は、それを支持する前記チャック移動機構94によって移動可能に設けられている。それに伴って、チャック駆動部93のロッド93aに連結された搬送チャック部92も、そのチャック駆動部93と一体的に移動する。図11に示すように、その移動先は、搬送チャック部92のチャック片96がカートリッジ22内の折り目位置に配置される位置である。
この折り目位置を説明する前提として、カートリッジ22の構成について、図1及び図11を参照しながら若干の説明をする。なお、その詳細な構成は別図を用いて改めて後述する。図1に示すように、カートリッジ22は、シート延長方向に沿った最下流側に設けられている。この図1及び図11に示すように、カートリッジ22はカートリッジ本体111を備えている。カートリッジ本体111は全体としてコ字状をなし、背面板部112と、背面板部112の上下両端部にそれぞれ設けられたフランジ板部113,114とを有している。コ字状に形成されることでカートリッジ本体111に形成された凹状部がシート収納凹部115とされ、その開放側をシート折り目形成装置71側に向けた状態で設置されている。ここに、3層シート材15がその折り目15aにしたがって折り畳まれながら積層される。
なお、図11では図示が省略されているが、カートリッジ22には、シート収納凹部115の上下両端部に、押さえ付け手段としてのシート押さえ部材118が設けられている(後述する図16及び図17参照)。シート収納凹部115に積層された3層シート材15は、このシート押さえ部材118によってその積層状態が保持される。
シート収納凹部115では、3層シート材15はそのシート面が背面板部112と平行をなすように、起立した状態で収納される。その上、上下フランジ板部113,114の水平な凹部形成面113a,114aに沿って、折り目15aが水平方向に延びるとともに、隣合う折り目15aが上下に配置された状態となっている。このような収納状態とすべく、上下のフランジ板部113,114の凹部形成面113a,114a間の間隔は、隣り合う折り目15a間の間隔と略同じに設定されている。したがって、上下フランジ板部113,114の凹部形成面113a,114aに、折り目15aが接触又は略接触する位置が、折り目位置となる。
前記チャック移動機構94は、この折り目位置にチャック片96が配置される搬送位置と、3層シート材15の側方に配置された基準位置との間で、チャック駆動部93が移動するように構成されている。この場合、搬送位置は上フランジ板部113側の第1搬送位置と下フランジ板部114側の第2搬送位置との2箇所あり、基準位置からそのいずれの搬送位置へも移動可能とされる。その移動は直線的なものではなく、図11に示すように、弧を描くような移動となっている。
そして、折り目15aとして山折り目が形成された場合は第1搬送位置へ移動させ、一方、谷折り目が形成された場合は第2搬送位置へ移動させる。3層シート材15を折り畳んだ状態でシート収納凹部115に積層する上で、この位置へ折り目15aを搬送するのが折り目15aの折りの状態にしたがったものとなるからである。
折り目15aの搬送時には、チャック状態にあるチャック片96により、3層シート材15のつかみ代15bがチャックされた状態が維持されるようになっている。このようにチャック状態が維持されることで、各層が非接着状態にある3層シート材15は、その折り目15a部分が一体化された状態を維持しながら、シート収納凹部115に折り畳んで収納できる。
[カートリッジ固定装置]
次に、カートリッジ固定装置について、前記図11を参照しながら簡単に説明する。このカートリッジ固定装置は、カートリッジ22を前述した設置状態に固定するための装置である。
図11に示すように、カートリッジ固定装置101は、収納体駆動手段としての駆動アクチュエータ102を備えている。駆動アクチュエータ102は、設置面S4に設置されたシリンダ支持台103に支持されている。そして、駆動アクチュエータ102は、その内部を往復動するロッド102aの先端をシート延長方向の上流側に向けて、シート幅方向の中央部に設置されている。ロッド102aの先端部には、カートリッジ取付部104が設けられている。カートリッジ22はその背面板部がこのカートリッジ取付部104に取り付けられ、その状態でボルト等の固定具を用いて固定される。なお、その固定具を外せば、カートリッジ取付部104からカートリッジ22を取り外すことが可能となっている。この取付状態では、前述したカートリッジ22の設置状態、つまり、背面板部が鉛直方向に起立して上下にフランジ板部が配置され、かつシート収納凹部115の開放側が上流側を向くようにして設置される。
駆動アクチュエータ102には第4加圧切替部105が接続され、その第4加圧切替部105による加圧切替により、シリンダロッド102aがシート延長方向に沿って出没するようになっている。このカートリッジ固定装置101では、駆動アクチュエータ102のロッド102aが突出し、カートリッジ22がシート折り目形成装置71側へ移動した位置が基準位置とされている。そして、ロッド102aが没入することで、カートリッジ22がシート折り目形成装置71から離間する方向へ前記基準位置から後退する。この基準位置と後退位置との間で、カートリッジ22を移動させることが可能となっている。
[仮折り装置の制御システム]
これまで、仮折り装置21を構成する各装置について、その構成及び作用をそれぞれ個別に説明した。ここで、仮折り装置21はそれを構成する各装置が互いに連動し合うことで、3層シート材15の仮折りを実施するものである。そこで、仮折り装置21全体の制御を次に説明する。
[システム構成]
仮折り装置21全体の制御を実施する制御システムの構成について、図12を参照しながら説明する。図12は、その制御システムを示すブロック図である。
図12に示すように、仮折り装置21の制御システムは、制御を司る仮折りコントローラ107を有している。制御手段としての仮折りコントローラ107は、CPU、各種メモリ等を含んで構成された周知のマイクロコンピュータである。仮折りコントローラ107は、仮折り装置21を構成するシート送出し装置31、シート位置決め装置61、シート折り目形成装置71、折り目搬送装置91及びカートリッジ固定装置101の各装置を統括制御する。
シート送出し装置31(シート位置決め装置61を含む)に関しては、浮上加圧制御部44、第1加圧切替部49、ピンシリンダ加圧制御部69、第2加圧切替部57、送出し用移動機構35がそれぞれ仮折りコントローラ107に接続されている。シート折り目形成装置71に関しては、ローラ移動機構83及び第3加圧切替部79がそれぞれ仮折りコントローラ107に接続されている。折り目搬送装置91に関しては、チャック駆動部93及びチャック移動機構94がそれぞれ仮折りコントローラ107に接続されている。カートリッジ固定装置101に関しては、第4加圧切替部105が仮折りコントローラ107に接続されている。
[全体動作]
次に、前記制御システムにおける仮折り装置21の全体的な動作を、図13乃至図15を参照しながら説明する。この動作制御は、前記仮折りコントローラによって実施される。なお、繰り返しとなる部分の説明は簡略化する。
はじめに、初期設定として、第2ロール体24より第2シート材13を引き出すとともに、分離シートロール体25より分離シート14を引き出す。この場合、浮上テーブル32は、浮上停止状態とされている。そして、挟圧ローラ26を介して、第2シート材13の両面に分離シート14を重ね合わせる。さらに、前記図1に示すように、シート先端縁を、折り用挟持片77,78の折り用垂直面77b,78bに合わせるように配置する。ここでは、後方送りチャック装置33及び前方送りチャック装置34はそれぞれの基準位置に配置され、第2シート材13の位置決め孔18がピンロッド62の上方に配置されている。また、シート折り目形成装置71の折り用挟持片77,78は、互いに離間した状態にある。
これらの状態を前提とし、図示しない操作部においてスイッチ操作がなされることにより、仮折りコントローラ107は仮折り動作を開始する。
[シート送出動作]
まずはシート送出し装置31の動作を、図13を参照しながら説明する。図13は、シート送出し装置31の動作を示すタイミングチャートである。
図13に示すように、タイミングt1において、それまで没入状態にあったピンロッド62を第1段階の突出状態とする(図7(b)参照)。これにより、仮りの位置決めがなされる。これに次ぐタイミングt2において、浮上テーブル32の内部空間43に加圧エアを供給し、エア噴出孔42からその加圧エアを噴出させる。これにより、第2シート材13はシート支持面41より浮上する(図5(a)及び図7(c)参照)。その後、タイミングt3にて、ピンロッド62を第2段階の突出状態とする(図7(d)参照)。これにより、第2シート材13は本位置決めがなされる。
タイミングt4において、送りチャック装置33,34をチャック状態へ移行させる。つまり、後方送りチャック装置33では第2シート材13のシート幅方向両端部を、前方送りチャック装置34では3層シート材15を挟み込む(図5(b)及び図7(e)参照)。その後、タイミングt5にて、ピンロッド62を没入させる(図7(f)参照)。
次のタイミングt6にて、送りチャック装置33,34をそれぞれの基準位置から前進位置まで一体的に移動させる(図5(c)参照)。ここで、前進位置として、第1前進位置と第2前進位置とが設定されている。第1前進位置は、前方送りチャック装置34が、シート折り目形成装置71の折り用挟持片77,78よりも手前(シート延長方向の上流側)の位置である。一方、第2前進位置は、第1前進位置から折り用挟持片77,78側へ近付いた位置である。基準位置とこの第2前進位置との間の距離が、シート送り量として設定されている一対の位置決め孔18同士の間隔と同じに設定されている。この2つの位置のうち、タイミングt6では第1前進位置まで移動させる。そして、続くタイミングt7になって、第2前進位置まで移動させる。なお、基準位置から第1前進位置まで移動させる速度は、第1前進位置から第2前進位置まで移動させる速度より速く設定されている。
タイミングt8では、送りチャック装置33,34をチャック状態から解放状態へ移行させる(図5(d)参照)。タイミングt9にて浮上テーブル32への加圧エアの供給を止めて第2シート材13の浮上を停止させた後、タイミングt10にて送りチャック装置33,34をもとの基準位置まで復帰させる。
このようなタイミングt1からタイミングt10までの動作が、繰り返して行われることで、3層シート材15が位置決めされた状態で、設定されたシート送り量(一対の位置決め孔18同士の間隔)ごとに送り出す。なお、以後の説明において、送出動作の繰り返しを、例えば2回目のタイミングt6をt6−2とするように、タイミングtn−m(n,m=1〜任意の設定回数)として示す。
[折り目形成及びシート収納動作]
次に、以上のシート送出と連動して行われる、シート折り目形成装置71、折り目搬送装置91及びカートリッジ固定装置101の動作を、図14及び図15を参照しながら説明する。また、図14及び図15は、シート送出しと連動する折り目形成動作を示すものである。そのうち、図14はタイミングチャートであり、図15は動作の様子を示す概略図である。
図14に示すように、前記シート送出しの開始タイミングt6−1の前に、タイミングtaにおいて、それまで3層シート材15の側方に後退していた搬送チャック部92を、3層シート材15のつかみ代15bをチャック片96で把持するチャック状態へ移行させる。図15(a)はそのチャック状態を示しており、ここでは、折り用挟持片77,78は互いに離間した状態にある。そして、タイミングt6−1にて送りチャック装置33,34を第1前進位置へ移動させるのに同期して、搬送チャック部92(チャック片96)を、基準位置から第2搬送位置(シート収納凹部115の下側)へ移動させる。これにより、図15(b)に示すように、送りチャック装置33,34(図示は前方送りチャック装置34のみ)は第1前進位置に配置され、搬送チャック部92(チャック片96)は第2搬送位置へ移動する。
なお、このような連動のため、送りチャック装置33,34が基準位置から前記第1前進位置まで移動する移動量は、搬送チャック部92(チャック片96)が基準位置から第1搬送位置又は第2搬送位置まで移動する移動量と等しくなるように設定されている。
続くタイミングt111において、搬送チャック部92によるつかみ代15bのチャックを解放するとともに、それを3層シート材15から離れる方向へ後退させる。この場合、チャック片96を解放位置へ切り替える切替動作を行いながら、それと同時に搬送チャック部92の後退動作を行う。このような動作は、後述する図15(h)(n)に示すように、搬送チャック部92(チャック片96)の移動によって3層シート材15が積み重ねられる場合に意味をなす。つまり、かかる動作を行えば、シート間に挟まれたチャック片96がそのシートに干渉してチャック解放に不具合が生じることを抑制できる。図15(c)は、チャック片96が解放位置に切り替えられた状態を示している。
その後、タイミングt112にて、搬送チャック部92(チャック片96)を基準位置へ復帰させる。図15(d)は、その復帰状態を示している。そして、タイミングt7−1で送りチャック装置33,34を第2前進位置へ移動させるのに同期して、カートリッジ22を基準位置から後退位置へ移動させる。このような連動のため、カートリッジ22の後退位置への移動量は、送りチャック装置33,34の第1前進位置から第2前進位置への移動量と等しくなるように設定されている。図15(e)は、その移動後の状態を示している。
その後のタイミングt113で、折り用挟持片77,78により3層シート材15を挟持させ、かつ後退していた搬送チャック部92(チャック片96)によりつかみ代15bをチャックさせる。図15(f)は、その状態を示している。前述したタイミングt8−1、つまり、送りチャック装置33,34をチャック状態から解放状態へ移行させるタイミング(図13参照)は、この折り用挟持片77,78による挟持の後となる。
その後、タイミングt10−1になると、送りチャック装置33,34を基準位置に復帰させる。それに合わせて、上側ローラ体81を下位置へ移動させる。これにより、図15(g)に示すように、3層シート材15は下側の折り用挟持片78が有する直角角部K2で垂直に折られ、折り目15a(山折り目)が形成される。この折り動作時において、上側ローラ体81は3層シート材15を下敷きにしながら移動する。このため、折り用挟持片77,78による挟持部分よりも先に引き出されている部分は、手前側(挟持片77,78側)に引き寄せられる。その分を吸収すべく、上側ローラ体81が折り用挟持片78の折り用垂直面78b上を移動するのに連動させて、カートリッジ22を後退位置から基準位置へ復帰させる。これにより、シート収納凹部115に積層された状態の3層シート材15の一部が引き出されることが抑制され、積層に不具合が生じることを防止できる。
その後、タイミングt114において、下位置に移動した上側ローラ体81を上位置へ復帰させる。次いで、基準位置に復帰した送りチャック装置33,34を、タイミングt6−2にて再び第1前進位置に移動させる前のタイミングt115にて、挟持状態にある折り用挟持片77,78を互いに離間させ、3層シート材15を解放する。ここでは、搬送チャック部92(チャック片96)によるつかみ代15bのチャックは継続する。また、前述したように、移動前にはピンロッド62による位置決め動作がなされる。
そして、タイミングt6−2において、送りチャック装置33,34を再び第1前進位置に移動させるのに合わせ、搬送チャック部92(チャック片96)を、基準位置から第1搬送位置(シート収納凹部115の上側)へ移動させる。これにより、図15(h)に示すように、送りチャック装置33,34は第1前進位置に配置され、搬送チャック部92(チャック片96)は第1搬送位置へ移動する。
続くタイミングt116において、搬送チャック部92(チャック片96)によるつかみ代15bのチャックを解放するとともに、それを3層シート材15から離れる方向へ後退させる。この場合、前述したように、チャック片96を解放位置へ切り替える切替動作と同時に、搬送チャック部92の後退動作を行うため、シート間に挟まれたチャック片96がそれらシートに干渉してチャック解放に不具合が生じることを抑制できる。図15(i)は、チャック片96が解放位置に切り替えられた状態を示している。
その後、タイミングt117にて、搬送チャック部92(チャック片96)を基準位置へ復帰させる。図15(j)は、その復帰状態を示している。そして、タイミングt7−2となると、送りチャック装置33,34を第2前進位置へ移動させるのに同期して、カートリッジ22を基準位置から後退位置へ移動させる。図15(k)は、その移動後の状態を示している。
その次のタイミングt118になると、折り用挟持片77,78により3層シート材15を挟持させ、かつ後退していた搬送チャック部92(チャック片96)によりつかみ代15bをチャックさせる。図15(l)は、その状態を示している。ここでも、タイミングt8−2、つまり、送りチャック装置33,34をチャック状態から解放状態へ移行させるタイミング(図13参照)は、この折り用挟持片77,78による挟持の後となる。
続いてタイミングt10−2になると、送りチャック装置33,34を基準位置に復帰させる。それに合わせて、下側ローラ体82を上位置へ移動させる。これにより、図15(m)に示すように、3層シート材15は上側の折り用挟持片77が有する直角角部K1で垂直に折られ、折り目15a(谷折り目)が形成される。この折り動作時にも、下側ローラ体82が折り用挟持片77の折り用垂直面77b上を移動するのに連動させて、カートリッジ22を後退位置から基準位置へ復帰させる。
その後、タイミングt119において、上位置に移動した下側ローラ体82を下位置へ復帰させる。次いで、基準位置に復帰した送りチャック装置33,34を、タイミングt6−3にて、第1前進位置に移動させる前のタイミングt120にて、挟持状態にある折り用挟持片77,78を互いに離間させ、3層シート材15を解放する。そして、タイミングt6−3にて送りチャック装置33,34を再び第1前進位置へ移動させるのに合わせ、搬送チャック部92(チャック片96)を、基準位置から第2搬送位置(シート収納凹部115の下側)へ移動させる。これにより、図15(n)に示すように、送りチャック装置33,34は第1前進位置に配置され、搬送チャック部92(チャック片96)は第2搬送位置へ移動する。後は、タイミングt111から同じ動作を繰り返す。
[カートリッジ]
続いて、カートリッジ22の詳細な構成について、図16及び図17を参照しながら説明する。図16はカートリッジ22を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。なお、図16(b)では、その下端部として(a)におけるD−D断面が図示されている。また、図17は、積層終了状態のカートリッジ22を示す斜視図である。
なお、ここでは、カートリッジ22に3層シート材15が収納される場合を想定して説明するが、第2シート材13のみ、又は第1シート材12のみが収納される場合にも、同じカートリッジ22が用いられる。つまり、カートリッジ22は、収納するシート材の種類を問わない。
前にも説明したが、図16に示すように、カートリッジ22はコ字状をなすカートリッジ本体111を有している。カートリッジ本体111において、上下のフランジ板部113,114には、幅方向中央部に切り欠き部116,117が形成されている。切り欠き部116,117はフランジ突出方向に沿って、背面板部112も貫くように形成されている。これにより、上下のフランジ板部113,114は幅方向に分割されている。
上下の各切り欠き部116,117を利用して、シート押さえ部材118が設けられている。シート押さえ部材118は、L字状をなす揺動アーム121と押さえロール122とを有している。揺動アーム121は、その屈曲部分でフランジ板部113,114の幅方向に延びるアーム軸部123によって、揺動自在に支持されている。シート収納凹部115側に配置される揺動アーム121の先端部に、前記押さえロール122が取り付けられている。押さえロール122は円柱状に形成され、揺動アーム121の先端部に設けられたロール軸部122aの幅方向両側において、回転自在に取り付けられている。
一方、揺動アーム121の反対側端部は、背面板部112の上端面の上方まで延び、図16(b)に示すように、その端部と上端面との間にバネ部材124が介在している。このバネ部材124の付勢力により、揺動アーム121はその押さえロール122が背面板部112側へ移動するように揺動し、シート収納凹部115に積層された3層シート材15が押さえロール122によって押さえつけられる。また、3層シート材15が積層されるにしたがって、押さえロール122はその押さえ付け方向とは逆側に移動し、それに伴って、バネ部材124は揺動アーム121の端部によってより一層押圧される。これにより、積層量が増えれば押さえロール122による押圧力も高まり、より確実な押さえ付けが可能となる。
上側の切り欠き部116に設けられたシート押さえ部材118は、シート収納凹部115における上フランジ板部113寄りに、押さえロール122が配置されている。また、下側の切り欠き部117に設けられたシート押さえ部材118は、シート収納凹部115における下フランジ板部114寄りに、押さえロール122が配置されている。このため、図17に示すように、シート収納凹部115に3層シート材15が積層されると、折り目15a付近が押さえロール122によって押さえ付けられる。これにより、折り目15aの形成状態を保ちながら、収納された3層シート材15を保持できる。
ちなみに、仮折り装置21における仮折り動作時において、搬送チャック部92が第1搬送位置や第2搬送位置に移動するのに合わせて、揺動アーム121の端部を押圧する押圧装置を設けるようにすることが好ましい。これにより、押さえロール122が搬送チャック部92の移動を邪魔することを防止できるからである。
また、図16に示すように、カートリッジ本体111の背面板部112には、その上下方向の中央部分において、同軸をなして両側方へ突出する支持軸部126,127が上下に並んで設けられている。それら各支持軸部126,127には、両端部にシート端保持具128が設けられている。シート端保持具128は、支持軸部126,127に回動自在に支持される回動アーム129を有し、その回動アーム129の先端部には保持パッド129aが取り付けられている。回動アーム129の軸支部分には、その回動アーム129をフランジ突出側へ回動させる付勢力を付与するバネが内蔵されている。通常はこの付勢力に抗してシート端保持具128を背面板部112の側面に沿うように配置させ、適宜の係止部材を利用してその状態で保持する。
その係止を解除すれば、図16(b)に示すように、上側の支持軸部126に設けられたシート端保持具128と、下側の支持軸部127に設けられたシート端保持具128とがそれぞれ回動し、保持パッド129a同士を当接させた状態となる。この状態でも付勢力の作用により、保持パッド129a同士を押圧し合っている。なお、上下のシート端保持具128に付与する付勢力は同等のものとする。したがって、シート収納凹部115への3層シート材15の積層が終了すると、図17に示すように、3層シート材15のシート端が、前記シート端保持具128の保持パッド129a同士で挟持された状態で保持される。
[本折り装置]
次に、本折り装置131の構成をより詳しく説明する。本折り装置131は、この実施形態の冒頭においてすでに概要を説明したように、第1シート材12と3層シート材15とを交互に折り重ねて積層体11を形成するシート折り重ね装置である。これら第1シート材12及び3層シート材15は帯状シート材に相当する。
この本折り装置131の全体構成は次の通りである。図18は、本折り装置131全体を示す平面図である。この図18に示すように、本折り装置131は、折りステージ132、ステージ支持装置133、シート押さえ装置134及びカートリッジ固定装置135とを備えて構成されている。折りステージ132は各シート材12,15が交互に折り重ねられる部分であり、ステージ支持装置133はその折りステージ132の一部を把持してこれを保持する。シート押さえ装置134は、折りステージ132上での折り作業時に、各シート材12,15が折り重ねられてなるシート積層物αを押さえ付け、そこから離脱することを防止するものである。カートリッジ固定装置135は、折りステージ132へ引き出される各シート材12,15を収納したカートリッジ22が固定される。
これら各構成要素は、折りステージ132を中心として、十字状をなすように配置されている。一方をX軸、他方をY軸とした場合、各軸方向それぞれにおいて、折りステージ132を挟んでステージ支持装置133(シート押さえ装置134を一体化)と、カートリッジ固定装置135とが配置されている。そして、一方(ここではX軸)のカートリッジ固定装置135xには、3層シート材15を収納するカートリッジ22xが取り付けられている。他方(ここではY軸)のカートリッジ固定装置135yには、第1シート材12を収納するカートリッジ22yが取り付けられている。このような配置から、折りステージ132では3層シート材15と第1シート材12とが互いに直交して重ね合わされる。なお、図18では、各シート材12,15が重ね合わせる前の状態を示している。
[折りステージ]
次に、本折り装置131を構成する個々の部材や装置について、順に詳しく説明する。
はじめに、折りステージ132について、前記図18に加えて図19及び図20を参照しながら説明する。図19は本折り装置131の側面図であり、(a)は図18におけるE−E線を基準とした側面、(b)はF−F線を基準とした側面を示している。また、図20は、各シート材12,15を折りステージ132上で重ね合わせた様子を示ず斜視図である。
図19及び図20に示すように、折りステージ132は板厚が厚めに設定された板状ブロック体である。図18に示すように、折りステージ132の平面視は、四角形状をなしている。折りステージ132が有する四つの各側面には凹状部141が形成され、それら凹状部141の奥面には、側面に対して垂直をなす方向に突出する軸部142が設けられている。
図19及び図20に戻り、前記各軸部142は断面正方形状(断面四角形状)に形成され、水平な状態で突出している。また、軸部142は各ステージ側面における左右中央部において、上下方向の下寄りとなる位置に設けられている。そして、図18に示すように、互いに平行をなす一対の側面に設けられた軸部142は同軸とされ、平面視においては十字状をなしている。つまり、X軸に沿った一対のX軸部142xと、Y軸に沿った一対のY軸部142yとが、折りステージ132に設けられている。この実施形態では、X軸部142xとY軸部142yとのうち、Y軸部142yが第1軸部に、X軸部142xが第2軸部に相当する。
折りステージ132は、前記X軸部142x及びY軸部142yのうちの一方が前記ステージ支持装置133に把持されることで、そのステージ面が水平をなす状態で支持される。その水平なステージ面が、各シート材12,15の本折り作業を行う折り作業面143となっている。
折り作業面143の四隅部には、折り作業面143に載置された各シート材12,15の1区間分、つまり、それらが積層されてなるシート積層物αを位置決めする位置決め突部144が設けられている。この位置決め突部144が、位置決め部に相当する。これら各位置決め突部144は、それぞれ平面視においてL字状をなし、立ち上り面である内側鉤面144aにより形成される領域が折り作業域Rとされる。シート積層物αは、この折り作業域R内に位置決めされる。
実際に各シート材12,15の1区間分を折りステージ132上で重ね合わせた様子を示すのが、図20である。この図20に示すように、X軸及びY軸の各軸上に配置されたカートリッジ22x,22yより、各シート材12,15がそれぞれ引き出され、その1区間分が折り作業面143の折り作業域Rに載置される。ちなみに、折り重ねが進むと、折り作業面143上にはシート材12,15の区間が順次積み重なっていき、そのシート積層物αの上にさらなる区間が折り重ねられる。そして、X軸方向から引き出された3層シート材15、及びY軸方向から引き出された第1シート材12のそれぞれ1区間分が、直交して重ね合わされている。図示の状態は、3層シート材15の上に、第1シート材12が重ね合わされた状態を示している。
折り作業面143に載置された載置区間12Ce1,15Ce1の直前区間12Ce2,15Ce2は、カートリッジ22のシート収納凹部115からすでに引き出されている。そして、この直前区間12Ce2,15Ce2と、その先の折り作業面143に載置された載置区間12Ce1,15Ce1(なお、12Ce1の下に存在する15Ce1は図示せず)との間の折り目12a,15aは谷折り目とされている。それに加え、折り作業面143に設けられた位置決め突部144の存在により、直前区間12Ce2,15Ce2は、前記折り目12a,15aから位置決め突部144の内側鉤面144aに沿っていったん立ち上る状態となる。このような形態となる直前区間12Ce2,15Ce2により、その先の載置区間12Ce1,15Ce1は折り作業面143側へ押し付けられることとなり、当該載置区間12Ce1,15Ce1の浮き上がりが抑制される。
[ステージ支持装置]
次に、ステージ支持装置133について、前記図18及び図19を参照しながら説明する。
図18に示すように、ステージ支持装置133は、折りステージ132に対し、そのX軸方向の一方側、及びY軸方向の一方側にそれぞれ設けられている。そのX軸側に設けられたものをX軸支持装置133xとし、Y軸側に設けられたものをY軸支持装置133yとする。これらX軸支持装置133x及びY軸支持装置133yが、回転駆動手段に相当する。
図19に示すように、ステージ支持装置133はいずれも、設置面S5に設置された支持本体151と、把持機構部152とを有している。それぞれの支持本体151は、水平方向に延びる回動軸部153と、その回動軸部153を回転駆動する回転駆動部154(図18参照)とを有している。回動軸部153は、X軸支持装置133xの場合はX軸に沿って、Y軸支持装置133yの場合はY軸に沿って設けられている。X軸支持装置133xとY軸支持装置133yとで、設置面S5に対する回動軸部153の軸線高さL1,L2は同じ高さ(L1=L2)に設定されている。なお、この実施形態では、Y軸側の回動軸部153yの軸線が第1軸線に、X軸側の回動軸部153xの軸線が第2軸線に相当する。
それぞれの回動軸部153の先端には、前記把持機構部152が設けられている。回転駆動部154は電気モータ等を含んで構成され、回動軸部153を左右いずれの方向にも回転駆動することが可能となっている。その回転駆動部154が回動軸部153を駆動すれば、把持機構部152は回動軸部153を中心として回動する。
把持機構部152は、前記折りステージ132の軸部142を把持する装置である。図18の平面図は、Y軸支持装置133yの把持機構部152yにより、折り作業面143を上向けた状態で折りステージ132のY軸部142yが把持された構成を示している。この把持機構部152は、軸部142を把持する軸チャック部156と、その軸チャック部156を駆動するチャック駆動部157とを有している。
チャック駆動部157はシリンダ等を含んで構成され、そのシリンダロッド157aの出没方向を回動軸部153の延びる方向と一致させた状態で、把持機構部152に内蔵されている。チャック駆動部157のロッド先端には、前記軸チャック部156が設けられている。軸チャック部156は、X軸部142x及びY軸部142yのそれぞれ延びる方向に向けて突出し、その軸部142の鉛直面を両側から挟持可能な一対のチャック片158を有している。
なお、この実施形態では、Y軸支持装置133yの軸チャック部156yが第1軸チャック部に、X軸支持装置133xの軸チャック部156xが第2軸チャック部に相当する。そして、回動軸部153の回動によって、軸チャック部156を有する把持機構部152が回動することから、チャック回転駆動部は、回動軸部153や回転駆動部154を含んで構成されている。この場合も、Y軸側が第1チャック回転駆動部に、X軸側が第2チャック回転駆動部に相当する。
ここで、図19(a)に示すように、Y軸支持装置133yでは、チャック駆動部157のロッド軸線が前記回動軸部153yの軸線よりも長さL3だけ下方に配置されている。その一方で、図19(b)に示すように、X軸支持装置133xでは、チャック駆動部157のロッド軸線が回動軸部153xの軸線よりも長さL4だけ上方に配置されている。この回動軸部153の軸線からの長さL3,L4は、いずれも同じ長さ(L3=L4)となっている。そして、前述したように、X軸支持装置133xとY軸支持装置133yとで回動軸部153の軸線高さL1,L2は同じ高さである。このため、いずれの支持装置133x、133yも把持機構部152を180度回動させれば、その有するチャック駆動部157は、他方が有するチャック駆動部157と同じ高さ位置に配置される。
チャック駆動部157の駆動によりシリンダロッド157aを出没させれば、軸チャック部156が把持機構部152側へ後退した位置と、軸チャック部156のチャック片158間に、折りステージ132の軸部142が介在するチャック位置とに移動する。さらに、そのチャック位置において、チャック駆動部157の駆動により、軸チャック部156のチャック片158が軸部142をチャックするチャック状態と、把持を解除して軸部142を解放した解放状態とに切り替えられる。
図18及び図19(a)に示すように、初期状態では、Y軸支持装置133yの把持機構部152yにおいて、軸チャック部156yがチャック位置に移動し、かつ折りステージ132のY軸部142yが把持されることで、その折りステージ132が支持される。この状態が、Y軸支持装置133yによるステージ支持状態である。この場合、折りステージ132はその折り作業面143を上向きとした状態となる。
この支持状態に続いて行われる、ステージ支持装置133(X軸支持装置133x及びY軸支持装置133y)による折りステージ132の支持動作について、図21を参照しながら説明する。図21は、その折りステージ132の把持動作及び回動を説明する動作説明図である。この図21では、図19(b)を基にして、X軸支持装置133x及び折りステージ132を簡略化して示している。
図21(a)に示すように、初期状態では、前述したように、折りステージ132はそのY軸部142yがY軸支持装置133yのチャック片158によって把持され、折り作業面143が上向きの状態となっている。ここから、Y軸支持装置133yの回動軸部153yを中心として、把持機構部152yを図の右回りに180度回動(半回転)させる。これが第1回転駆動に相当する。その回転方向は、折り作業面143を、X軸上のカートリッジ22x側へ向けながら回転させる方向であり(図19(b)参照)、第1方向に相当する。
すると、図21(b)に示すように、折りステージ132は反転し、折り作業面143が下向きの状態となる。ここでは、前述した回動軸部153及びチャック駆動部157の高さ位置関係から、X軸支持装置133xにおけるロッド軸線と、折りステージ132のX軸部142xとが同軸上に配置される。そこで、図21(c)に示すように、X軸支持装置133xの軸チャック部156xがチャック位置に移動し、かつ折りステージ132のY軸部142yを把持する。それに続いて、Y軸支持装置133yの軸チャック部156y(チャック片158)によるY軸部142yの把持を解除し、後退させる。これにより、Y軸支持装置133yによって折りステージ132が支持されるステージ支持状態となる。
その状態から、X軸支持装置133xの回動軸部153xを中心として、把持機構部152xを紙面奥方向に向かって180度回動(半回転)させる。これが第2回転駆動に相当する。その回転方向は、折り作業面143を、紙面奥に存在するY軸上のカートリッジ22y側へ向けながら回転させる方向であり(図19(b)参照)、第2方向に相当する。すると、図21(d)に示すように、折りステージ132は反転し、再度、折り作業面143が上向きの状態となる。この動作と併せて、Y軸部142yの把持を解除した状態にあるY軸支持装置133yを、その回動軸部153yを中心として単独で復帰回動させ、初期位置(図19(a)の状態)に復帰させる。
そうすると、ここでも、前述した回動軸部153及びチャック駆動部157の高さ位置関係から、Y軸支持装置133yにおけるロッド軸線と、折りステージ132のY軸部142yとが同軸上に配置される。そこで、図21(e)に示すように、Y軸支持装置133yの軸チャック部156y(チャック片158)がチャック位置に移動し、かつ折りステージ132のY軸部142yを把持する。それに続いて、X軸支持装置133xの軸チャック部156xによるX軸部142xの把持を解除して後退させる。
その後、再び、Y軸支持装置133yの回動軸部153yを中心として、把持機構部152yを図上の右回りに180度回転させる。併せて、X軸支持装置133xについても、その回動軸部153xを中心として把持機構部152xを回動させて、初期位置(図19(b)参照)に復帰させる。すると、前述した図21(b)に示す構成となり、その後、同じ動作が繰り返し行われる。
[シート押さえ装置]
次に、シート押さえ装置134について、前記図18及び図19の他、図22乃至図25を参照しながら説明する。
図18に示すように、シート押さえ装置134は、ステージ支持装置133における把持機構部152にそれぞれ設けられている。X軸側をX軸押さえ装置134xとし、Y軸側をY軸押さえ装置134yとする。いずれのシート押さえ装置134も、一対の押さえフォーク161と、各押さえフォーク161をそれぞれ駆動するフォーク駆動部162とを有している。
この押さえフォーク161は押さえ板部材であり、Y軸押さえ装置134yの押さえフォーク161yが第1押さえ板部材に、X軸押さえ装置134xの押さえフォーク161xが第2押さえ板部材にそれぞれ相当する。回動軸部153の回動により、押さえフォーク161を有する把持機構部152が回動するため、押さえ回転機構は回動軸部153や回転駆動部154を含んで構成されている。
フォーク駆動部162は、前記軸チャック部156の左右両側に設けられている。個々のフォーク駆動部162はシリンダ等を含んで構成され、そのシリンダロッド162aの出没方向を回動軸部153が延びる方向と一致させて設けられている。各フォーク駆動部162のロッド先端には、それぞれ把持機構部152から突出するようにして前記押さえフォーク161が取り付けられている。一対の押さえフォーク161はいずれも長尺板状に形成され、その板面が水平をなしてロッド先端に取り付けられている。図19に示すように、両押さえフォーク161は、積み重ねを完了したシート積層物αの上面よりも高い位置に配置されている。
フォーク駆動部162は、シリンダロッド162aを出没させることにより、押さえフォーク161を突出させたり、後退させたりする。また、内蔵するシリンダを上下動させる等により、押さえフォーク161の上下方向への移動も行わせる。そして、これら突出・後退動作や上下動作を組み合わせることにより、フォーク駆動部162は、押さえフォーク161を、把持機構部152側へ後退した初期状態と、折り作業面143上のシート積層物αを押さえ付けるシート押さえ状態とに切り替える。
折りステージ132がY軸支持装置133yによって把持されている場合は、Y軸押さえ装置134yによるシート積層物αの押さえ付けが行われ、X軸支持装置133xによって把持されている場合には、X軸押さえ装置134xによるシート積層物αの押さえ付けが行われる。そして、この押さえ付け状態のまま、前述した折りステージ132の反転動作が行われる。このため、シート押さえ状態では、折りステージ132の反転動作において、その折り作業面143からシート積層物αが離脱しない程度の押さえ付けがなされる。
初期状態からシート押さえ状態への切替は、シリンダロッド162aを突出させて押さえフォーク161を折り作業面143上に配置した後、さらに押さえフォーク161を折り作業面143側へ向かって移動させるという動作を行う。逆に、シート押さえ状態から初期状態への切替は、はじめに、シート押さえ状態にある押さえフォーク161を高さ位置を変更することなく、そのまま把持機構部152側へ後退させる。その後に、押さえフォーク161を、折り作業面143の存在側とは反対側へ移動させ、初期状態へ復帰させる。
以上の動作を、図22乃至図25を用いてもう少し詳しく説明する。図22は、上向きの折りステージ132を示す平面図をもとに、Y軸側の押さえフォーク161yの動作を説明する動作説明図である。図24は、下向きの折りステージ132を示す平面図をもとに、X軸側の押さえフォーク161xの動作を説明する動作説明図である。また、それぞれについて、押さえフォーク161の動作を側面から見たのが図23及び図25である。
まず、折りステージ132がY軸支持装置133yによって把持されて上向きとなっている場合の動作を説明する。図22を用いて、後退状態における位置関係を確認すると、Y軸押さえ装置134yの押さえフォーク161yは、その外側縁間の寸法L5が2つの位置決め突部144の対向する端面間の寸法L6もよりも短く形成されている。この位置関係から、押さえフォーク161yが初期状態とシート押さえ状態との間を移行する場合に、その押さえフォーク161yは位置決め突部144と干渉しない。
ここから、図23(a)に示すように、フォーク駆動部162yを駆動してシリンダロッド162aを突出させる。すると、図23(b)に示すように、一対の押さえフォーク161yは、折り作業面143の上方へ移動する。その後、押さえフォーク161yを折り作業面143に向かって下方へ移動させる。これにより、図23(c)に示すように、折り作業面143にシート積層物αが存在すれば、そのシート積層物αは上から押さえ付けられる。この場合、前記図22に仮想線で示されているように、一対の押さえフォーク161yによりシート積層物αはその両側部で押さえ付けられる。
Y軸支持装置133yにより、折りステージ132を反転させる動作(図21(a)参照)の前には、このY軸押さえ装置134yの押さえフォーク161yによるシート押さえが行われる。反転後、Y軸支持装置133yによるステージ把持の解除に合わせ、図23(d)に示すように、押さえフォーク161yを水平方向に引きながら後退させる。なお、後に詳しく説明するが、この後退時点では、X軸押さえ装置134xの押さえフォーク161xによってシート積層物αがすでに押さえ付けられており、Y軸側の押さえフォーク161yを後退させてもシート積層物αが折り作業面143から離脱することはない。その後、押さえフォーク161yを、折り作業面143の存在側とは反対側へ移動させて、初期状態に復帰させる。
折りステージ132が反転し、X軸支持装置133xによって把持されている場合の動作を次に説明する。図24を用いて、初期状態における位置関係を確認すると、ここでもX軸押さえ装置134xの押さえフォーク161xは、その外側縁間の寸法L5が2つの位置決め突部144の対向する端面間の寸法L6もよりも短く形成されている。この位置関係から、押さえフォーク161xが初期状態とシート押さえ状態との間を移行する場合に、その押さえフォーク161xは位置決め突部144と干渉しない。
ここから、図25(a)に示すように、フォーク駆動部162xを駆動してシリンダロッド162aを突出させる。すると、図25(b)に示すように、一対の押さえフォーク161xは、折り作業面143の下方へ移動する。その後、押さえフォーク161xを折り作業面143に向かって上方へ移動させる。これにより、図25(c)に示すように、折り作業面143にシート積層物αが存在すれば、そのシート積層物αは下から押さえ付けられる。この場合、前記図24に仮想線で示されているように、一対の押さえフォーク161xによりシート積層物αはその両側部で押さえ付けられる。
X軸支持装置133xにより、反転した折りステージ132を再び反転させる動作(図21(c)参照)の前には、このX軸押さえ装置134xの押さえフォーク161xによるシート押さえが行われる。反転後、X軸支持装置133xによるステージ把持の解除に合わせ、図25(d)に示すように、押さえフォーク161xを水平方向に引きながら後退させる。なお、後に詳しく説明するが、この後退時点では、Y軸押さえ装置134yの押さえフォーク161yによってシート積層物αが押さえ付けられており、X軸側の押さえフォーク161xを後退させてもシート積層物αが折り作業面143から離脱することはない。その後、押さえフォーク161xを、折り作業面143の存在側とは反対側へ移動させて、初期状態に復帰させる。
[カートリッジ固定装置]
次に、カートリッジ22が取り付けられてそれを固定するカートリッジ固定装置135について、前記図18及び図19を参照しながら説明する。ここで取付固定されるカートリッジ22は、前記図17に示したように、仮折り装置21を用いて仮折りされた各シート材12,13が、シート収納凹部115においてつづら折に折り畳まれて積層されたものである。
図18に示すように、カートリッジ固定装置135は、折りステージ132に対し、X軸方向及びY軸方向の各軸方向において、前記ステージ支持装置133とは反対側に設けられている。X軸側に設けられたものをX軸固定装置135xとし、Y軸側に設けられたものをY軸固定装置135yとする。
図19に示すように、カートリッジ固定装置135は、いずれも前記設置面S5に設置された支持本体171と、カートリッジ22を取り付けるカートリッジ取付部172とを備えている。それぞれの支持本体171は、水平方向に延びる回動軸部173と、その回動軸部173を回転駆動する回転駆動部174(図18参照)とを有している。回動軸部173は、X軸固定装置135xの場合はX軸に沿って、Y軸固定装置135yの場合はY軸に沿って設けられている。また、この回動軸部173は、同一の軸方向に沿って設けられたステージ支持装置133の回動軸部153と同軸とされている。つまり、X軸方向においては、X軸支持装置133xの回動軸部153xと、X軸固定装置135xの回動軸部173xとが同軸とされている。また、Y軸方向においては、Y軸支持装置133yの回動軸部153yと、Y軸固定装置135yの回動軸部173yとが同軸とされている。
そして、カートリッジ固定装置135の回動軸部173には、その先端に前記カートリッジ取付部172が設けられている。ここでも回転駆動部174は電気モータ等を含んで構成され、回動軸部173を左右いずれの方向に回転駆動することが可能となっている。その回転駆動部174が回動軸部173を駆動すれば、カートリッジ取付部172は回動軸部173を中心として回動する。しかも、その回動は、同軸となるカートリッジ固定装置135の回動軸部153と同期する。
カートリッジ取付部172は、そこにカートリッジ22の背面板部112が取り付けられ、その状態でボルト等の固定具を用いて固定されるようになっている。なお、その固定具を外せば、カートリッジ取付部172からカートリッジ22を取り外すことが可能となっている。このカートリッジ取付部172に対し、カートリッジ22は、その背面板部112が鉛直方向に起立し、かつシート収納凹部115の開放側が折りステージ132側を向くようにして設置される。これにより、カートリッジ22におけるシート材12,15は、回動軸部153,173に対して垂直をなすように起立した状態となる。そして、各シート材12,15は、上下の折り目12a,15aが折り作業面143と平行に延び、かつその上下の折り目12a,15a間に折り作業面143を含む平面が存在するように配置される。
なお、このカートリッジ22がシート収納体に相当する。X軸固定装置135xには、3層シート材15を収納したカートリッジ22xが、Y軸固定装置135yには第1シート材12を収納したカートリッジ22yが固定されるようになっている。そして、その両カートリッジ22x,22yのうち、一方が第1シート収納体に、他方が第2シート収納体に相当する。そして、カートリッジ22を固定した上でそれを回動させるカートリッジ固定装置135が、収納体回転駆動手段に相当する。
[本折り装置の制御システム]
ここまで、本折り装置131を構成する各装置について、その構成及び作用をそれぞれ個別に説明した。ここで、本折り装置131はそれを構成する各装置が互いに連動し合うことで、各シート材12,15を交互に折り重ねて積層体11を形成する。そこで、本折り装置131全体の制御を次に説明する。
[システム構成]
本折り装置131全体の制御を実施する制御システムの構成について、図26を参照しながら説明する。図26は、その制御システムを示すブロック図である。
図26に示すように、本折り装置131の制御システムは、制御を司る本折りコントローラ177を有している。回転駆動制御手段としての本折りコントローラ177はCPU、各種メモリ等を含んで構成された周知のマイクロコンピュータである。本折りコントローラ177は、本折り装置131を構成する各装置、すなわち、X軸方向及びY軸方向それぞれに設けられたステージ支持装置133、シート押さえ装置134及びカートリッジ固定装置135を統括制御する。
ステージ支持装置133に関しては、回転駆動部154及びチャック駆動部157がそれぞれ本折りコントローラ177に接続されている。シート押さえ装置134に関しては、フォーク駆動部162が本折りコントローラ177に接続されている。カートリッジ固定装置135に関しては、回転駆動部174が本折りコントローラ177に接続されている。
[本折り動作]
次に、前記制御システムにおける本折り装置131の本折り動作を、図27乃至図30を参照しながら説明する。この動作制御は、前記本折りコントローラ177によって実施される。なお、繰り返しとなる部分は説明を簡略化する。
なお、図27は本折り動作を示すタイミングチャートであり、図28は本折り動作を示す動作説明図である。また、図29は、X軸押さえ装置134xの動作を示す動作説明図である。図30は、Y軸押さえ装置134yの動作を示す動作説明図である。
図27に示すように、初期設定として、Y軸支持装置133yにより、折り作業面143を上向けた状態で折りステージ132のY軸部142yを把持させる。Y軸押さえ装置134yは後退させておき、X軸側ではX軸支持装置133x及びX軸押さえ装置134xの両者を後退させておく。
次いで、X軸固定装置135xに3層シート材15を収納したカートリッジ22xを、Y軸固定装置135yに第1シート材12を収納したカートリッジ22yを取り付け、かつ固定する。各カートリッジ22から2区間分を引き出し、シート端側の1区間分を折りステージ132の折り作業面143に載置する。
この場合、前記図20に示したように、X軸側の3層シート材15を折り作業面143に直接載置し、その上にY軸側の第1シート材12を重ね合わせる。これにより、3層シート材15の載置区間15Ce1(図示なし)が第2層(内側層)区間となり、その上に存在する第1シート材12の載置区間12Ce1が、第1層(表面層)区間となるシート積層物α(2層積層物)が構成される。そして、両シート材12,15は互いに直交しており、シート積層物αは位置決め突部144により位置決めされる。また、引き出された2区間間の折り目12a,15aは谷折り目であることに加え、位置決め突部144が存在することにより、載置区間12Ce1,15Ce1は折り作業面143側へ押し付けられて、浮き上がりが抑制されている。
これらの状態を前提とし、図示しない操作部においてスイッチ操作がなされることにより、本折りコントローラ177は本折り動作を開始する。なお、この本折り動作は、後述する一連の折り動作が繰り返し実行されるものである。このため、その繰り返しをタイミングTn−m(n,m=1〜任意の設定回数)として示す。
図27に示すように、タイミングTaにおいて、後退状態にあったY軸押さえ装置134yをシート押さえ状態に移行させる。すると、図28(a)に示すように、Y軸押さえ装置134yの押さえフォーク161yにより、折り作業面143上のシート積層物αが上から押さえ付けられる。
これに次ぐタイミングT1−1にて、Y軸支持装置133yの回動軸部153yを中心とし、折り作業面143をX軸上のカートリッジ22xへ向ける方向へ把持機構部152を180度回動させ、折りステージ132を反転させる。この回動方向は、シート積層物αの第2層となっている3層シート材15が存在する側であり、その回動先には、折り作業面143に載置される前の直前区間15Ce2が、カートリッジ22xから引き出されて存在している。それに加え、この回動と同期させながら、かつ同方向へ、Y軸固定装置135yの回動軸部173yを中心として、Y軸上のカートリッジ22yを180度回動させ、それを反転させる。
この折りステージ132及びカートリッジ22yの反転に伴い、図28(b)に示すように、3層シート材15はその直前区間15Ce2がシート積層物αに折り重ねられ、その直前区間15Ce2に続く後続区間15Ce3がカートリッジ22xから引き出される。そして、図28(c)に示すように、反転動作を終えて折りステージ132が下向きになると、3層シート材15の前記直前区間15Ce2を新たな第1層区間とする、新たなシート積層物α(3層積層物)が得られ、前記後続区間15Ce3は新たな直前区間となる。ここまでが、第1折り重ね工程に相当する。
この反転動作の間、Y軸押さえ装置134yの押さえフォーク161yによるシート押さえ状態を維持する。このため、図28(c)に示すように、反転によって第1層となった3層シート材15の区間15Ce2と、第2層となった第1シート材12の区間12Ce1との間には押さえフォーク161yが存在している。なお、折りステージ132が下向き状態にあっても、第1層の区間15Ce2と、それに続く区間15Ce3との間の折り目15aは谷折り目となっているため、位置決め突部144(図示略)の存在とあいまって浮き上がり(落下)が抑制される。
次いで、タイミングT2−1において、後退していたX軸支持装置133xにより、下向き状態となった折りステージ132のX軸部142xを把持させる(図21(c)参照)。さらに、タイミングT3−1で、初期状態にあったX軸押さえ装置134xをシート押さえ状態に移行させる。このシート押さえの様子を示したのが、図29である。図29(a)及び(b)に示すように、押さえフォーク161yによるシート押さえを維持しながら、X軸押さえ装置134xの押さえフォーク161xをシート押さえ状態へ移行させる。
その後、図27のタイミングT4−1にて、Y軸支持装置133yによる折りステージ132のY軸部142yの把持を解除する。ここまでが、折りステージ132を持ち替える持ち替え工程に相当する。この把持解除に併せて、Y軸押さえ装置134yをシート押さえ状態から、押さえフォーク161yを平行に引き抜き(図23(d)参照)、その後、初期状態へ復帰させる。これにより、図29(c)に示すように、シート積層物αはX軸押さえ装置134xの押さえフォーク161xによって押さえ付けられた状態となる。この状態を、図28(c)におけるX軸方向のカートリッジ側(図のXa方向)にみた構成を示しているのが、図28(d)である。
続くタイミングT5−1において、X軸支持装置133xの回動軸部153xを中心とし、折り作業面143をY軸上のカートリッジ22yへ向ける方向へ把持機構部152を180度回動させ、折りステージ132を反転させる。この回動方向は、シート積層物αの第2層となっている第1シート材12が存在する側であり、その回動先には、折り作業面143に載置される前の直前区間12Ce2が、カートリッジ22yから引き出されて存在している。それに加え、この回動と同期させながら、かつ同方向へ、X軸固定装置135xの回動軸部173xを中心として、X軸上のカートリッジ22xを180度回動させ、それを反転させる。
この折りステージ132及びカートリッジ22xの反転に伴い、図28(e)に示すように、第1シート材12はその直前区間12Ce2がシート積層物αに折り重ねられ、その直前区間12Ce2に続く後続区間12Ce3がカートリッジ22yから引き出される。そして、図28(f)に示すように、復帰動作を終えて折りステージ132が上向きになると、第1シート材12の前記直前区間12Ce2を新たな第1層区間とする、新たなシート積層物α(4層積層物)が得られ、前記後続区間12Ce3は新たな直前区間となる。ここまでが、第2折り重ね工程に相当する。
この反転動作の間、X軸押さえ装置134xの押さえフォーク161xによるシート押さえ状態を維持する。このため、図28(f)に示すように、反転によって第1層となった第1シート材12の区間12Ce2と、第2層となった3層シート材15の区間15Ce1との間には押さえフォーク161xが存在している。なお、折りステージ132が上向き状態において、第1層の区間12Ce2と、それに続く区間12Ce3との間の折り目12aは谷折り目となっているため、位置決め突部144(図示略)の存在とあいまって浮き上がりが抑制される。
このタイミングT5−1では、前述したX軸支持装置133xの回動動作と併せて、Y軸支持装置133yについても、その回動軸部153yを中心として復帰回動させる。これにより、タイミングT1−1における回動によって反転状態にあったY軸支持装置133yは、回動軸線よりも軸チャック部156yが下にある初期位置(図19(a)参照)に復帰する。
次いで、タイミングT6−1において、初期位置において後退状態にあるY軸支持装置133yにより、上向きとなった折りステージ132のY軸部142yを把持させる。さらに、タイミングT7−1で、後退状態にあるY軸押さえ装置134yをシート押さえ状態に移行させる。このシート押さえの様子を示したのが、図30である。図30(a)及び(b)に示すように、押さえフォーク161xによるシート押さえを維持しながら、Y軸押さえ装置134yの押さえフォークが161yをシート押さえ状態へ移行させる。
その後、図27のタイミングT8−1にて、X軸支持装置133xによる折りステージ132のX軸部142xの把持を解除する。併せて、X軸押さえ装置134xをシート押さえ状態から、押さえフォーク161xを平行に引き抜き(図25(d)参照)、その後、初期状態へ復帰させる。これにより、図30(c)に示すように、シート積層物αはY軸押さえ装置134yによって押さえ付けられた状態となる。この状態を、図28(f)におけるY軸方向のカートリッジ側(図のYb方向)にみた構成を示しているのが、図28(a)である。ただし、シート積層物αについては、前述した一連の折り重ね作業がなされた結果、当初のものから、3層シート材15の1区間分と第1シート材12の1区間分とがそれぞれ交互に積層されている。
その後、前述したタイミングT1〜T8の一連の動作が繰り返される。ちなみに、2回目以降のタイミングT1においては、Y軸支持装置133yの回動動作と併せて、X軸支持装置133xについても、その回動軸部153xを中心として復帰回動させる。これにより、タイミングT5における回動によって反転状態にあったX軸支持装置133xは、回動軸線よりも軸チャック部156xが上にある初期位置(図19(b)参照)に復帰する。
このような一連の動作の繰り返しにより、折りステージ132の折り作業面143上に存在するシート積層物αには、順次、第1シート材12及び3層シート材15の1区間分ごと交互に積み重なっていく。そして、その繰り返し動作を所望の回数だけ行うことにより、積層体11が得られる。
[本実施形態の効果]
本実施の形態は、以上に説明した通りのものであり、これによれば、以下に示す有利な効果が得られる。
[仮折り装置の効果]
[シート送出しと位置決め]
・第2シート材13に対して、仮位置決め(ピンロッド62の第1段階突出)をした上で、その状態を維持しながら、シート支持面41上の第2シート材13を浮上させるようにした。これにより、浮上によって生じるズレは、ピンロッド62と位置決め孔18とが当接する範囲に限定される。さらに、第2シート材13は浮上しているため、僅かな力で水平方向へ移動させることができる。その状態で、より精度の高い本位置決め(ピンロッド62の第2段階突出)を行えば、位置決め孔18が変形することや、シート支持面41との擦れ等によりシート材にキズが付くことを抑制しつつ、正確な位置決めを実現できる。
・ピンロッド62と位置決め孔18とを用いた仮位置決め及び本位置決めは、ピンロッドを初期位置から段階的に突出させながら、位置決め孔18に挿入することにより行われる。この場合、仮位置決めの前に、ピンロッド62はシート支持面41よりも下側に存在するため、そのピンロッド62が第2シート材13を載置する際の邪魔にならないというメリットがある。
・ピンロッド62を上昇させて位置決め孔18に挿入する位置決め構成のため、浮上に起因して生じる位置ズレの程度が大きくなると、位置決め孔18とピンロッド62との位置が合わなくなるおそれがある。この点で、浮上時に位置ズレが生じても、先端軸部67が挿入された仮位置決めの状態が維持されているため、位置決め孔18とピンロッド62との位置が合わなくなるという問題を解消できる。
・第2シート材13が正確に位置決めされた上で送りチャック装置33,34に挟持され、その送りチャック装置33,34が移動して、その移動量だけ送り出される。この移動量は第2シート材13(3層シート材15)の送り量となり、その移動量を適宜に設定すれば、所望のシート送り量を設定できる。そして、搬送ローラを用いた送出しと異なり、送り量と位置とで精度の高い送出しを実現できる。
・基端軸部66が位置決め孔18に挿入された状態のピンロッド62は、チャックプレート47によって第2シート材13が挟持されると、本体ブロック46に設けられたピン挿入孔46bに挿入される。このため、位置決めされた状態で第2シート材13を挟持できる。これにより、挟持前に行った位置決めが維持される。
・後方送りチャック装置33は、第2シート材13をそのシート幅方向両端部で挟持して送り出すようにしたため、片側だけを挟持する場合に比べ、シート送出しの精度を高めることができる。
・送りチャック装置33,34を移動させている間、折り用挟持片77,78はシート非挟持状態を維持させるようにした。これにより、3層シート材15の送出し動作と、折り目形成時の挟持動作とを連動させて、送出しから折り目形成に至る一連の動作を円滑に行うことができる。
・送りチャック装置33,34は、折り用挟持片77,78による挟持動作の後に各シート材13,15の挟持を解除するようにした。これにより、折り目形成側での挟持によって位置決め状態が保持された後、送出し側でのシート挟持が解除されるため、3層シート材15に対する折り目形成作業を位置決めされた状態で行える。
・送りチャック装置33,34が復帰移動する場合には、浮上を停止させるようにした。位置決めが解除された中で第2シート材13の浮上状態を維持すれば、その第2シート材13は不安定となるため、復帰移動中に第2シート材13と干渉するおそれが生じるが、そのようなおそれを低減できる。この場合、本体ブロック46には凹部46aが設けられているため、浮上停止状態で復帰させても、第2シート材13への影響を抑制できる。
[折り目形成]
・3層シート材15は折り畳まれた状態でカートリッジ22に収納されるため、折り目形成された3層シート材15の持ち運び等、3層シート材15の管理が行い易くなり、作業性を向上させることができる。また、折り目15aの形成に際し、ローラ体81,82の移動に合わせて、カートリッジ22を折り用挟持片77,78側に移動させている。これにより、挟持部分よりも先に引き出されている部分が折り曲げによって挟持片77,78側へ引き寄せられても、その引き寄せ分が吸収される。その結果、3層シート材15の一部がシート収納凹部115から引き出されることが抑制され、積層に不具合が生じることを抑制できる。
・特に、3層シート材15は水平状態で送り出され、カートリッジ22は、シート延長方向に対して垂直をなし、上下に折り目15aが配置されるつづら折り状態で3層シート材15を収納する。このような収納状態の場合、そのままでは重力によってシート積層物が落下してしまい、収納状態を保持できない。
その点、カートリッジ22にはシート押さえ部材118が設けられ、それによってシート積層物が押さえ付けられるため、収納状態を確実に保持できる。そして、このように押さえ付けを伴う場合、その押さえ付け状態のシート積層物から3層シート材15の一部がいったん引き出されてしまうと、その引き出された部分を自然に積層状態に戻すことはできない。その意味では、収納済みの3層シート材15が引き出されることを抑制するという先の効果は顕著なものとなる。
・送りチャック装置33,34を第1前進位置から第2前進位置へ移動させるのに同期して、カートリッジ22を基準位置から後退位置へ移動させている。カートリッジ22が停止した状態でシート送出しが行われると、挟持片77,78よりも先へ引き出されている部分にたるみが生じる。また、カートリッジ22だけを後退位置へ移動させると、収納済みの3層シート材15が引き出されてしまうおそれがある。その点、前述した同期移動により、これらの問題を解消できる。
・折り目形成に際して、3層シート材15は折り用挟持片77,78の挟持面77a,78aにより挟持されるため、それをしっかりと挟持できる。特に、3層シート材15は第2シート材13と分離シート14とが非接着の状態で重ね合わされており、各シート材13,14間でのズレが生じやすい状態にある。その点で、3層シート材15が折り用挟持片77,78によってしっかり挟持された上で折り曲げられることにより、各シート材13,14間にズレが生ずることを抑制できる。
・3層シート材15の一対の位置決め孔18を折り用挟持片77,78の直角角部K1,K2に合わせれば、その直角角部K1,K2に沿った折り目15aが形成される。このため、折り目形成箇所を正確に把握できる、折り目15aの位置精度を向上させることができる。積層体11を構成する上で高い精度が要求される場合に、このように折り位置の精度が高められ、また前述したようにシート材13,14間のズレが抑制されることのメリットは大きい。
・3層シート材15のつかみ代15bが搬送チャック部92により把持された状態で、山折り目はシート収納凹部115における上部へ、谷折り目はシート収納凹部115における下部へそれぞれ搬送される。これにより、折り目15aが形成されて送り出される3層シート材15をカートリッジ22へ確実に収納できる。特に、前述したように、シート材13,14間にズレが生じやすい状態にある3層シート材15について、カートリッジ22への収納時にもそのズレ発生を抑制できる。
・搬送チャック部92により挟持された状態でローラ体81,82を移動させるため、折り用挟持片77,78による挟持からはみ出した部分にも、チャック片96の直角角部K3,K4により折り目15aを形成できる。
・送りチャック装置33,34を基準位置から第1前進位置へ移動させるのに同期して、搬送チャック部92を搬送位置へ移動させている。搬送チャック部92が停止した状態でシート送出しが行われると、3層シート材15にはたるみが生じる。また、3層シート材15が停止した状態で、把持状態にある搬送チャック部92を搬送位置へ移動させると、その移動に伴って3層シート材15が引っ張られ、把持が外れたり、3層シート材15が損傷したりするおそれもある。その点、前述した同期移動により、これらの問題を解消できる。
・搬送チャック部92を搬送位置へ移動させた後、チャック片96を解放位置へ切り替える切替動作を行いながら、それと同時に搬送チャック部92の後退動作を行っている。これにより、シート間に挟まれたチャック片96が、3層シート材15を解放する際にその3層シート材15に干渉し、チャック解放に不具合が生じることを抑制できる。そして、その搬送チャック部92を元の基準位置へ復帰させた後には、搬送チャック部92によりつかみ代15bを再びチャックさせる。
・搬送チャック部92の後退動作は、送りチャック装置33,34によって第2シート材13や3層シート材15が挟持された状態で行われる。これにより、搬送チャック部92による3層シート材15の把持解除の際に、3層シート材15に位置ズレが生じることを抑制できる。
・送りチャック装置33,34の復帰移動は、折り用挟持片77,78によって3層シート材15が挟持され、かつ搬送チャック部92によりつかみ代15bがチャックされた状態で行われる。これによっても、3層シート材15に位置ズレが生じることを抑制できる。
[本折り装置]
・X軸支持装置133x及びY軸支持装置133yのうち、シート積層物αの第1層区間の供給方向に沿った軸線を有する装置を用い、折り作業面143を第2層区間の供給側へ向ける方向へ折りステージ132を反転させる。それと併せて、同軸上のカートリッジ22も、同じ方向へ同期させながら反転させる。これにより、第2層区間に後続する直前区間12Ce2,15Ce2がシート積層物αに折り重ねられ、それが新たな第1層区間となったシート積層物αを得ることができる。反転するたびに、第1層区間の供給方向に沿った軸線は別軸線となるため、X軸側とY軸側とで交互に折りステージ132及びカートリッジ22を反転させることにより、各シート材12,15が区間ごとに交互に折り重ねられたシート積層物αを得る。
そして、このように折りステージ132を反転させてシート材12,15を折り重ねる構成によれば、シート材12,15を巻回したロール体等を往復移動させて折り重ねるといった大掛かりな構成に比べ、装置の小型化や簡素化等を実現できる。
・折りステージ132及びカートリッジ22を、互いに同期させながら同一方向へ反転させるようにしたため、折り作業面143上のシート積層物αとともに、その第1層区間に後続する部分も反転する。これにより、シート積層物αとその第1層区間に後続する部分との間にねじれを生じさせることを抑制できる。
・X軸支持装置133xとY軸支持装置133yとで、折りステージ132を交互に持ち替えて反転させる場合に、ステージ支持用に軸部142を把持する軸チャック部156とは別の、もう一方の軸チャック部156は後退状態とされる。これにより、そのもう一方の軸チャック部156が反転動作の邪魔になることを抑制できる。
・ステージ支持装置133における回動軸部153の軸線と、折りステージ132における軸部142の軸線とが偏心しており、その軸部142を把持する軸チャック部156は、折りステージ132の反転によって駆動前と上下異なる位置に配置される。この場合でも、もう一方の軸チャック部156によって折りステージ132を持ち替えて、前記軸チャック部156を後退位置へ切り替えた後、初期位置へ復帰させるようにした。これにより、再び初期位置で軸部142を把持できる状態となり、折りステージ132を反転させる動作を継続して行える。また、軸チャック部156とステージ132との干渉を避けることができる。
・カートリッジ22には、シート材12,15が折り目12a,15aにしたがってつづら折りに折り畳まれた状態で収納されている。そのため、折りステージ132を反転させてシート材12,15を折り重ねる際に、各シート材12,15を折り目12a,15aに沿って正確に折ることができる。しかも、第2層区間とその直前区間12Ce2,15Ce2との間の折り目12a,15aは谷折り目であるため、その直前区間12Ce2,15Ce2の折り重ねを容易に行える。
・カートリッジ固定装置135にカートリッジ22に固定されると、そこに収納されたシート材12,15は起立した状態となり、上下の折り目12,15a間に折り作業面143を含む平面が存在するように配置される。そして、第1層区間及び第2層区間と、それに後続する直前区間12Ce2,15Ce2との間が谷折り目であるため、第1層区間及び第2層区間は各々折り作業面143へ押し付けられる。これにより、第1層区間及び第2層区間の浮き上がり等を抑制できる。
・カートリッジ22にはシート押さえ部材118が設けられ、それにより、収納されたシート材12,15はその上下で圧縮され、かつ区間の外側から内側へ折り目12a,15aをまたぐようにして押さえ付けられている。このような押さえ付けにより、第2層区間側のカートリッジ22では、折りステージ132の反転によって直前区間12Ce2,15Ce2が引っ張られると、後続区間12Ce3,15Ce3がつづら折りを引き伸ばすようにして引き出される。このため、シート材12,15が収納された状態を押さえ付けによって保持しながら、折りステージ132の反転に伴う後続区間12Ce3,15Ce3の供給を好適に行える。
・押さえフォーク161によってシート積層物αが押さえ付けられた状態で、折りステージ132が反転するため、その反転動作の間、シート積層物αを保持できる。しかも、押さえフォーク161は板状部材であるため、反転に際してそれが第2層区間の直前区間12Ce2,15Ce2と干渉し、折り重ねに不具合が生じることを抑制できる。また、反転後に折り作業面143が下向きの状態となっても、押さえフォーク161による押さえ付けによって、シート積層物αが折り作業面143から落下することを抑制できる。
・折りステージ132の折り作業面143には、シート積層物αを位置決めする位置決め突部144が設けられており、位置ズレを生じさせることなく、シート積層物αの上にさらに区間を折り重ねることができる。また、位置決め突部144の内側鉤面144aにより、直前区間12Ce2,15Ce2は折り目12a,15aを境に、折り作業面143から立ち上る状態となる。これにより、第1層区間及び第2層区間の浮き上がりを抑制できる。
・X軸支持装置133x及びY軸支持装置133yによって、反転した折りステージ132が持ち替えられる際、反転時に軸部142を把持していた軸チャック部156を後退させる前に、もう一方の軸チャック部156により軸部142が把持される。これにより、折りステージ132は、常にステージ支持装置133の軸チャック部156によって支持された状態で保持され、X軸及びY軸を中心とした交互の反転動作を連続的に行うことができる。
・折りステージ132を反転させた後、押さえフォーク161によってシート積層物αをその表面から押さえ付けた上で、それまでシート積層物αを押さえ付けていた押さえフォーク161を引き抜いて後退させている。このため、折りステージ132が下向きの状態となっても、シート積層物αが落下することを抑制できる。また、一方の押さえフォーク161を後退させることにより、回転中心となる軸とは別軸側の押さえフォーク161が、折りステージ132の反転に支障をきたすことを抑制できる。
・各軸部142を断面正方形状に形成し、正方形の辺に相当する部分(平面部)をチャック片158の平面部でチャックするようにしたが、各軸部142をその中心軸線で45度回転させて配置して、正方形の角に相当する部分(山部)をそれに係合するチャック片の溝部(谷部)でチャックするようにしてもよい。これにより、軸部142を常に同じ角度で保持することができ、チャック時のがたつきを抑制することができる。なお、その場合に、がたつきを抑制することのできる形状であれば、各軸部142の断面形状をひし形状や、その他の角形状に形成してもよい。
[別の実施形態]
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
[仮折り装置の別形態]
[シート送出しと位置決め]
・上記実施の形態では、ピン部材としてピンロッド62が用いられているが、図33(a)に示すような柱状部材181をピン部材として用いてもよい。この図33(a)は、柱状部材181が第1段階の突出状態とした場合を示している。
図示のように、柱状部材181はシート幅方向の両側にそれぞれ配置されており、その両者は同期して出没動作する。個々の柱状部材181は、基端柱状部182と、先端柱状部183と、その両者間に設けられた傾斜部184a,184bとを有している。傾斜部184a,184bは、シート幅方向の内側に設けられた傾斜部184aと、シート延長方向の両側に設けられた傾斜部184bとを有している。一方、第2シート材13には、そのシート幅方向両端縁に切り欠き部13aが設けられている。切り欠き部13aは、平面視において、柱状部材181の縦横寸法と同一の縦横寸法を有している。そして、第2シート材13が引き出された状態における、その第2シート材13と一対の柱状部材181との位置関係が、基端柱状部182間の長さL7と、切り欠き部13aの端縁間の長さL8とがほぼ等しくなるように構成されている。
この場合、柱状部材181を第1段階で突出させると、ピンロッド62の先端軸部67が位置決め孔18に挿入された状態と同様、先端柱状部183が切り欠き部13aに挿入されて仮の位置決めがなされる。そして、ここから、仮想線で示すように、基端柱状部182の先端部分が切り欠き部13aよりも上方へ突出する第2段階の突出状態とすると、切り欠き部13aを形成する3辺が傾斜部184によって案内されながら、切り欠き部13aに基端柱状部182が挿入される。幅方向両側の柱状部材181が同期してこの上昇動作することにより、第2シート材13はシート幅方向及びシート延長方向において、位置決めされる。
この別形態の構成のように、シート材に設けられる係合部としては、位置決め孔18に限られず、前記切り欠き部13aであってもよい。また、第1位置決め手段は先端柱状部183を含んで構成され、第2位置決め手段は基端柱状部182と傾斜部184a,184bとを含んで構成される。
・上記実施の形態では、ピンロッド62が、基端軸部66、先端軸部67及びテーパ部68とを有する構成としたが、図33(b)に示すピンロッド186のように、柱状部187と先端テーパ部188とを有する構成としてもよい。かかる構成では、柱状部187が基端部に相当し、先端テーパ部188が先端部に相当する。その他、ピンロッド62を構成する各軸部66,67の形状は円柱状ではなく、例えば角柱状であってもよい。
・上記実施の形態では、ピンロッド62を第1段階の突出状態とする場合、初期状態よりその第1段階まで突出させるようにしていたが、第1段階の突出状態を初期状態とした構成を採用してもよい。この場合、引き出された第2シート材13は、第1段階の突出状態にあるピンロッド62の先端軸部67に、位置決め孔18を挿入しながら、シート支持面41に載置されることになる。
・上記実施の形態では、ピンロッド62の基端軸部66まで位置決め孔18に挿入して本位置決めがなされているが、テーパ部68で位置決め孔18の周縁を受け止めて本位置決めがなされるようにしてもよい。この場合、テーパ部68は、その下部が位置決め孔18よりも大きい径を有する形状に形成される必要がある。これにより、ピンロッド62の挿入によって位置決め孔18が損傷することを抑制できるというメリットがある。
・上記実施の形態では、第2シート材13をチャックプレート47で挟持した後に、ピンロッド62を没入させて位置決めを解除するようにしているが、その位置決めの解除は、送りチャック装置33,34を移動させた後、チャックプレート47による挟持解除までの間に行うようにしてもよい。
・上記実施の形態では、ピンロッド62の基端軸部66と先端軸部67とを、それぞれ位置決め孔18に挿入する二段階の位置決めを行うようにしたが、より多段階の位置決めが行われるようにしてもよい。この場合、位置決め段階の数に合わせて、ピンロッド62が有する段数も変更することが好ましい。もっとも、浮上による位置ズレの範囲を限定した上で、正確な位置決めを行うという効果を得るには、少なくとも二段の位置決めがなされれば足りる。
・上記実施の形態では、送りチャック装置33,34を移動させる移動手段として、シート幅方向の両側方に設けられた送出し用移動機構35を例示したが、例えば、上方に設けた移動装置によって送りチャック装置33,34を吊り下げ支持するようにしてもよい。つまり、送りチャック装置33,34を移動させる機構は、周知の技術を用いて任意に構成することができる。
・上記実施の形態では、浮上テーブル32のシート支持面41にエア噴出孔42が形成されているが、このエア噴出孔42に代えて、多孔質体が設けられた構成を採用してもよい。これにより、均一な浮上を実現できる。
・上記実施の形態では、本体ブロック46に凹部46aが形成されているが、この凹部46aを省略して、本体ブロック46の下面からエアを噴出させるようにして、本体ブロック46と第2シート材13との擦れ等の発生が抑制されるようにしてもよい。また、送りチャック装置33を復帰移動させる際に、第2シート材13の浮上を停止させ、第2シート材13と本体ブロック46の下面との距離を確保するとよい。これにより、送りチャック装置33を復帰移動させる際に、第2シート材13と本体ブロック46の下面とが接触することを抑制することができる。さらに、送りチャック装置33を復帰移動させる際に、シート支持面41により第2シート材13を真空吸引させてもよい。
また、上記のように、エア噴出や真空吸引により、重力の方向にかかわらず第2シート材13の位置を保持することのできる構成であれば、本体ブロック46を水平方向以外の方向、例えば垂直方向に配置することもできる。
・上記実施の形態では、位置決め装置61が本体ブロック46の四隅部にそれぞれ設けられているが、少なくともシート幅方向の両端部にそれぞれ設けられていれば足りる。
・上記実施の形態では、仮折り装置21によってシート送出しと折り目形成とが行われる帯状シート材として、第1シート材12,第2シート材13を採用した。例えば、第1シート材12を正側の極となるシート材とし、第2シート材13を負側の極となるシート材とし、分離シートを絶縁用シート材とすることができる。それらのシート材によって蓄電器用の積層体を形成することができる。その他に、例えば紙など、帯状をなすシート状のものであれば適用可能である。
・上記実施の形態では、シート位置決め装置61は、帯状をなす第2シート材13を送出すシート送出し装置31に適用されているが、このシート位置決め装置61そのものは、他の装置にも適用できる。このため、位置決め対象となるシート材は帯状のものに限定されず、1枚ごとシート支持面41に搬入されるものであってもよい。
[折り目形成]
・上記実施の形態では、折り用挟持片77,78による挟持部分から先に延びる部分を、ローラ体81,82の移動によって折り曲げて折り目15aを形成しているが、3層シート材15を挟み込むことで折り目15aが形成される構成を採用してもよい。例えば、挟持部分に、山形形状の突部と、それに合わせた谷形形状の受け部とを形成し、その両者の間に3層シート材15を挟み込むことで、折り目15aを形成する構成が考えられる。この構成でも、折り曲げによる折り目形成と同様、挟持部分から先に延びている部分がその挟持部分へ引き寄せられながら折り目が形成されるため、カートリッジ22を引き寄せることで同じ効果が得られる。
・上記実施の形態では、シート送出し装置31は3層シート材15を2段階で送り出すようにしていたが、シート送り量のすべてを1段階で送り出すようにしてもよい。3層シート材15の送出しとともに搬送チャック部92が搬送されるため、この1段階の送出しに合わせて、カートリッジ22の配置位置や、チャック移動機構94による搬送チャック部92の移動範囲等の設定を適宜変更する必要がある。
・上記実施の形態では、3層シート材15の送出し(基準位置から第1前進位置への送りチャック装置33,34の移動)と同期させて、搬送チャック部92を搬送位置へ移動させているが、そのような同期は必須ではない。例えば、搬送チャック部92が停止した状態で、シート送出しを行うようにしてもよい。この場合、3層シート材15にたるみが生じるが、送りチャック装置33,34によって挟持されていることもあり、たるみ発生を許容し得る。ただし、そのようなたるみを生じさせないよう、上記実施形態の如く同期させることが最適の制御であることは言うまでもない。
・上記実施の形態では、3層シート材15の送出し(第1前進位置から第2前進位置への送りチャック装置33,34の移動)と同期させて、カートリッジ22を基準位置から後退させているが、そのような同期は必須ではない。例えば、カートリッジ22を基準位置に配置した状態で、シート送出しを行うようにしてもよい。この場合、3層シート材15にたるみが生じるが、送りチャック装置33,34によって挟持されていることもあり、たるみ発生を許容し得る。ただし、そのようなたるみを生じさせないよう、上記実施形態の如く同期させることが最適の制御であることは言うまでもない。
・上記実施の形態では、送りチャック装置33,34の復帰移動時において、折り用挟持片77,78による挟持と搬送チャック部92によるチャックとの両者がなされているが、少なくともそのいずれか一方の挟持がなされていれば足りる。
・上記実施の形態では、折り用挟持片77,78の挟持面77a,78aに交差する交差面を、垂直に交差する折り用垂直面77b,78bとしたが、鋭角に交差する面であってもよい。なお、この構成であっても、ローラ体81,82の構成(挟持片77,78に対する配置構成等)に変更はない。
[本折り装置の別形態]
・上記実施の形態では、X軸側に3層シート材15のカートリッジ22が、Y軸側に第1シート材12のカートリッジ22がそれぞれ取り付けられているが、それは逆であってもよい。また、図20に示す初期状態において、第1シート材12を第1層としているが、逆に、3層シート材15を第1層としてもよい。
・上記実施の形態では、カートリッジ固定装置135が回転駆動部174を備えて、回動軸部173を積極的に回転駆動するように構成されているが、回転駆動部174を省略し、回動軸部173をその軸線を中心として自由回転可能な状態に保持してもよい。この場合、折りステージ132の反転に追従させて、カートリッジ22を回動させることになる。もっとも、シート積層物αと第1層区間の後続部分との間にねじれを生じさ背ないようにするという点では、上記実施の形態のようにカートリッジ22も積極的に同期回転駆動する構成が好ましい。
・上記実施の形態では、ステージ支持装置133における回動軸部153の軸線と、折りステージ132における軸部142の軸線とが偏心した構成が採用されている。この両者を同軸とする構成としてもよい。これにより、折りステージ132の反転前後で軸チャック部156の高さ位置は変更されないため、それを復帰させる動作を行う必要がなくなるというメリットがある。
・上記実施の形態では、折り作業面143が回動軸部153の軸線からずれた位置に配置されるように、折りステージ132が支持される構成となっている。これに代えて、折り作業面143に回動軸部153の軸線が含まれる位置で、折りステージ132が支持されるようにしてもよい。これにより、回動軸部153を中心として折りステージ132を反転させた場合に、その反転の前後で折り作業面の高さ位置が変更されない。
・上記実施の形態では、位置決め部として位置決め突部144が設けられているが、これに代えて、例えば、折り作業面143にシート積層物αの外形に合わせた形状を有する位置決め溝部を形成し、それを位置決め部としてもよい。
・上記実施の形態では、仮折り装置21を用いて、シート材12,15が予めつづら折に折り畳まれた状態で収納されたカートリッジ22を、シート収納体として用いられている。つまり、シート材12,15を仮折りした状態でカートリッジ22に収納することと、そのカートリッジ22を用いた折り重ねとを区別している。
これに代えて、シート材12,13や分離シート14を巻回したロール体23〜25と、それに折り目12a,15aを形成する折り目形成装置71等と、を含むシート供給装置を設け、それをシート収納体としてもよい。もっとも、この構成では、シート供給装置が大掛かりな装置となる場合もあり、装置の小型化や簡素化を実現する上では、上記実施の形態のように、カートリッジ22を用いる構成が好ましい。
・上記実施の形態では、カートリッジ22から引き出された直前区間12Ce2,15Ce2が、折り目12a,15aに沿って谷折りに折り曲げられているが、これを折り作業面143と水平をなす状態としてもよい。つまり、カートリッジ22から引き出される区間を増やし、それらを水平に延びるようにして折り作業面143に供給される構成としてもよい。
・上記実施の形態では、折りステージ132は、常にステージ支持装置133の軸チャック部156によって支持された状態で保持されているため、折りステージ132の配置方向として、水平方向に限らず、垂直方向等、その他の配置方向を採用することもできる。