JP5753407B2 - 回転機器 - Google Patents

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Description

本発明は、回転機器およびその製造方法に関する。
コンピュータの記憶装置等に使用されるメディアとしては、ハードディスクドライブが知られている。ハードディスクドライブでは、記録トラックが形成された磁気記録ディスクをブラシレスモータにより高速で回転させる。従来では、例えば特許文献1や特許文献2に記載されるような流体動圧軸受を備えるディスク駆動装置が提案されている。
特開2010−96208号公報 特開2010−281349号公報
ハードディスクドライブの大容量化を進めるひとつの手法として、磁気記録ディスクをより多く搭載することが考えられる。しかしながら、磁気記録ディスクの総質量が大きくなると、特に対策を施さない場合、ハードディスクドライブが衝撃や振動を受けた際に磁気記録ディスクがより大きく傾く可能性がある。このように傾きが大きくなると、データのリード/ライトのエラーレートが悪化しうる。
これに対して流体動圧軸受の動圧を強くして軸受の剛性を高めることが考えられる。しかしながら、この動圧を強くするとシャフトの回転に伴い潤滑剤が移動し、ある箇所では潤滑剤が過剰となる一方別の箇所では潤滑剤が欠乏するようなことが起こりうる。潤滑剤がその気液界面において過剰となる場合は気液界面から飛散しやすくなるので好ましくない。したがって、搭載する磁気記録ディスクの数を増やすことはそれほど単純ではない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的はより多くの記録ディスクを搭載できる回転機器の提供にある。
本発明のある態様は回転機器に関する。この回転機器は、記録ディスクが載置されるべきハブと、一端側がハブに固定されたシャフトと、シャフトを環囲してシャフトに固定された第1環囲部材と、シャフトを環囲する第2環囲部材と、第2環囲部材が固定されるベースと、を備える。第1環囲部材およびシャフトと第2環囲部材とには潤滑剤が介在すると共に、第2環囲部材の内周面またはシャフトの外周面のいずれか一方にはラジアル動圧発生溝が形成される。第2環囲部材のハブ側の端面にはハブの回転軸を中心とした環状の凹部が形成される。第1環囲部材は環状の凹部に侵入するリング部を有する。リング部と環状の凹部とが半径方向で対向する2つの隙間のうちの半径方向外側の隙間は潤滑剤の気液界面を有する。
この態様によると、潤滑剤の気液界面をラジアル動圧発生溝が形成される面よりも半径方向外側に設けることができる。
本発明の別の態様もまた、回転機器である。この回転機器は、記録ディスクが載置されるべきハブと、一端側がハブに固定されたシャフトと、シャフトを環囲してシャフトと一体に回転する第1環囲部材と、シャフトを環囲する第2環囲部材と、第2環囲部材が固定されるベースと、ベースに固定されるコアと、を備える。第1環囲部材およびシャフトと第2環囲部材とには潤滑剤が介在すると共に、第2環囲部材の内周面またはシャフトの外周面のいずれか一方にはラジアル動圧発生溝が形成される。第2環囲部材のハブ側の端面にはハブの回転軸を中心とした環状の凹部が形成される。第1環囲部材は環状の凹部に侵入する凹部侵入リング部を有する。凹部侵入リング部と環状の凹部とが半径方向で対向する2つの隙間のうちの半径方向外側の隙間にキャピラリーシールを有する。ハブは、コアを環囲する内周面を有する内周大径部と、内周大径部より小径の内周面を有し第2環囲部材の端部が軸方向に侵入するハブ凹部と、が設けられ、凹部侵入リング部の軸方向範囲はハブ凹部の軸方向範囲に含まれる。
本発明のさらに別の態様は、回転機器の製造方法である。この方法は、上記の回転機器の製造方法であって、第2環囲部材にシャフトを挿入し、環状の凹部に第1環囲部材のリング部を侵入させる工程と、潤滑剤をシャフトと第2環囲部材との隙間に充填する工程と、シャフトにハブを結合する工程と、第2環囲部材をベースに結合する工程と、を含む。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、より多くの記録ディスクを搭載できる回転機器を提供できる。
第1の実施の形態に係る回転機器を示す上面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2の第3環囲部材の上面図である。 図2の断面図のうち潤滑剤の気液界面付近を拡大して示す拡大断面図である。 第1の実施の形態に係る回転機器の製造の際の注入工程の様子を示す模式図である。 第2の実施の形態に係る回転機器の潤滑剤の気液界面付近を拡大して示す拡大断面図である。 第3の実施の形態に係る回転機器の潤滑剤の気液界面付近を拡大して示す拡大断面図である。
特許文献1や特許文献2に記載されるディスク駆動装置では、ラジアル動圧溝とキャピラリーシール部とはシャフトに沿って直列に設けられている。かかる構成においてラジアル動圧を強めるにはラジアル動圧溝が形成される部分を軸方向に長くすることが考えられるが、そうするとディスク駆動装置全体をその分厚くするか、またはキャピラリーシール部をその分短くすることとなるであろう。前者の場合、薄型化の流れに逆行するものであるから好ましくない。後者の場合、潤滑剤の保持量が低下し、またシール機能が低下して潤滑剤が飛散しやすくなる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
実施の形態に係る回転機器は、ディスク駆動装置、特に磁気記録ディスクを搭載するハードディスクドライブとして好適に用いられる。この回転機器ではベースに対して回転するシャフトの外周面よりも半径方向外側に、潤滑剤の気液界面を有するキャピラリーシールが設けられる。さらに、磁気記録ディスクを搭載するハブは潤滑剤と接しない。したがって、キャピラリーシールとラジアル動圧が発生する隙間とを互いにほぼ独立に回転軸方向に長くできるので、軸受の剛性を高めつつ同時にキャピラリーシールを長くして潤滑剤の漏れ出しを軽減できる。
製造工程中の潤滑剤注入の場面では通常、減圧、復圧が可能な作業空間を用意する必要がある。実施の形態に係る回転機器の製造工程では、潤滑剤注入の際サブアセンブリにハブが取り付けられている必要はないので小規模な作業空間でも注入作業が可能となる。したがってより製造が容易な回転機器が提供される。「サブアセンブリ」は、例えば回転機器の製造工程における加工対象である。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る回転機器100を示す上面図である。図1では、回転機器100の内側の構成を示すため、トップカバーを外した状態が示される。回転機器100は、ベース50と、ハブ10と、磁気記録ディスク200と、データリード/ライト部8と、トップカバーと、を備える。
以降ベース50に対してハブ10が搭載される側を上側として説明する。
磁気記録ディスク200は、ハブ10に載置され、ハブ10の回転に伴って回転する。ベース50はアルミニウムの合金をダイカストにより成型して形成される。ベース50は、後述の軸受ユニットを介してハブ10を回転自在に支持する。データリード/ライト部8は、記録再生ヘッド8aと、スイングアーム8bと、ピボットアセンブリ8cと、ボイスコイルモータ8dと、を含む。記録再生ヘッド8aは、スイングアーム8bの先端部に取り付けられ、磁気記録ディスク200にデータを記録し、磁気記録ディスク200からデータを読み取る。ピボットアセンブリ8cは、スイングアーム8bをベース50に対してヘッド回転軸の周りに揺動自在に支持する。ボイスコイルモータ8dは、スイングアーム8bをヘッド回転軸の周りに揺動させ、記録再生ヘッド8aを磁気記録ディスク200の記録面上の所望の位置に移動させる。データリード/ライト部8は、ヘッドの位置を制御する公知の技術を用いて構成される。
図2は、図1のA−A線断面図である。回転機器100は、直径が95(mm)の3.5インチ型の4枚の磁気記録ディスク200を搭載し、それらを回転させる。想定される4枚の磁気記録ディスク200のそれぞれの中央の孔の直径は25(mm)、厚みは1.27(mm)である。
回転機器100は、略カップ状のハブ10と、シャフト20と、フランジ22と、ヨーク30と、円筒状マグネット40と、ベース50と、積層コア60と、コイル70と、第1環囲部材80と、第2環囲部材82と、カウンタープレート90と、潤滑剤92と、を備える。
ハブ10は、回転軸Rを中心とする凸状に形成される。以降、4枚の磁気記録ディスク200がハブ10に載置された場合を考える。ハブ10のうち上側に突き出た部分の円筒状の外筒面10bに4枚の磁気記録ディスク200の中央の孔が嵌合される。また、4枚の磁気記録ディスク200のうち最も下側の磁気記録ディスクは、ハブ10の表面のうち外筒面10bの下端から半径方向に張り出した着座面10cに着座する。外筒面10bの直径は25(mm)、回転軸R方向の長さは12.3(mm)である。この長さは、上記厚さ1.27(mm)の磁気記録ディスクを4枚以上取り付けることのできる長さである。
4枚の磁気記録ディスク200を上からそれぞれ第1、第2、第3および第4の磁気記録ディスクと称すとき、円環状の第1スペーサ202、第2スペーサ204、第3スペーサ206は、第1および第2の磁気記録ディスクの間、第2および第3の磁気記録ディスクの間、第3および第4の磁気記録ディスクの間、にそれぞれ挿入される。クランパ208は第1の磁気記録ディスクを下方に押さえつける。これにより4枚の磁気記録ディスク200、第1スペーサ202、第2スペーサ204、第3スペーサ206、が全体としてハブ10の着座面10cに押しつけられ固定される。クランパ208は、4つのクランプネジ210によってハブ10の上面10aに対して固定される。
ヨーク30はその断面が逆L字型であり、鉄などの磁性材料により形成される。ヨーク30は、外筒面10bの裏側に当たるハブ10の内周面10dに接着と圧入とを併用して固定される。
ヨーク30の内周面30aには円筒状マグネット40が接着固定される。円筒状マグネット40は、ネオジウム、鉄、ホウ素などの希土類材料によって形成され、積層コア60の12本の突極と半径方向(すなわち回転軸Rに直交する方向)に対向する。円筒状マグネット40にはその周方向(すなわち回転軸Rを中心とする円の接線方向)に沿って16極の駆動用着磁が施される。
ハブ10には回転軸Rを中心とする中心孔10eが設けられる。シャフト20の一端はこの中心孔10eに圧入と接着を併用して固定される。シャフト20の他端にはフランジ22が圧入される。フランジ22は、シャフト20の他端側を環囲するようにしてシャフト20に固定される。
ベース50には回転軸Rを中心としベース50を貫通する貫通孔50bが設けられる。ベース50は貫通孔50bの縁から上側に突出する突出部52を有する。突出部52の内周面と貫通孔50bの周面とは実質的に連続している。
積層コア60は円環部とそこから半径方向外側に伸びる12本の突極とを有する。円環部の内周面60aは突出部52の外周面52bに接着や圧入などにより固定される。積層コア60は、17枚の薄型電磁鋼板を積層しカシメにより一体化して形成される。積層コア60の表面には電着塗装や粉体塗装などによる絶縁塗装が施される。それぞれの突極にはコイル70が巻回される。このコイル70に3相の略正弦波状の駆動電流が流れることにより突極に沿って磁束が発生する。
第2環囲部材82はシャフト20を環囲し、ベース50の貫通孔50bに挿入されそこで接着固定される。第2環囲部材82のハブ10側には、回転軸R方向で下側に凹む回転軸Rを中心とした環状の凹部104が形成される。第2環囲部材82にはその上側と下側とを連通する連通孔102が形成される。
第2環囲部材82は、シャフト20を環囲する円筒状の第3環囲部材84と、第3環囲部材84を環囲する円筒状の第4環囲部材86と、を含む。第3環囲部材84と第4環囲部材86とは別体として形成される。第4環囲部材86の外周面86bは少なくとも部分的に接着剤を介して貫通孔50bの周面と対向する。凹部104は、第3環囲部材84と第4環囲部材86との間に形成される。
第3環囲部材84および第4環囲部材86は、種々の金属材料や樹脂材料から形成できる。第3環囲部材84と第4環囲部材86とは同一または異なった材料から形成されてもよい。例えば第3環囲部材84および第4環囲部材86のうちの少なくともひとつを、黄銅などの金属材料を切削加工し、無電解ニッケルメッキを施すことによって製造してもよい。この場合、加工が容易となり、かつ高い加工精度を確保できる。また、例えば第3環囲部材84および第4環囲部材86のうちの少なくともひとつを、SUS303などのステンレス材料から製造してもよい。この場合、高い加工精度を確保できる。第3環囲部材84および第4環囲部材862は等しい線膨張係数を有する材料から形成されてもよい。この場合、高温や低温になっても第3環囲部材84と第4環囲部材86とに隙間が生じにくく、使用可能な温度範囲を広くすることができる。
第1環囲部材80はシャフト20を環囲してシャフト20に固定され、回転機器100の回転時はシャフト20と一体に回転する。第1環囲部材80の断面は略逆L字形状を有する。第1環囲部材80の一部は凹部104に侵入している。
カウンタープレート90は、第2環囲部材82のベース50側の端部を塞ぐように、第4環囲部材86の下面86fに接着により固定される。カウンタープレート90の上面と第3環囲部材84の下面84dと第4環囲部材86の内周面86aとは、フランジ22が収まるフランジ空間106を形成する。
回転体の一部であるシャフト20、フランジ22および第1環囲部材80と、固定体の一部である第3環囲部材84、第4環囲部材86およびカウンタープレート90と、の隙間には潤滑剤92が充填される。連通孔102にも潤滑剤92が充填される。潤滑剤92の気液界面92aは、第1環囲部材80のうち凹部104に侵入している部分と第4環囲部材86とが半径方向で対向する隙間に存在する。
第3環囲部材84の内周面84eは、上下に互いに離間した第1ラジアル動圧発生面108および第2ラジアル動圧発生面110を含む。第1ラジアル動圧発生面108、第2ラジアル動圧発生面110にはそれぞれヘリングボーン形状のラジアル動圧発生溝が形成される。以下、第1ラジアル動圧発生面108を下側(ベース50側)のラジアル動圧発生面とし、第2ラジアル動圧発生面110を上側(ハブ10側)のラジアル動圧発生面とする。
フランジ22の上面22aおよび下面22bにはそれぞれヘリングボーン形状のスラスト動圧発生溝が形成される。回転機器100の回転時には、ラジアル動圧発生溝およびスラスト動圧発生溝が潤滑剤92に生成する動圧によって、回転体は半径方向および回転軸R方向に支持される。第1環囲部材80、第2環囲部材82、シャフト20、フランジ22、カウンタープレート90および潤滑剤92は、ベース50に取り付けられハブ10を回転自在に支持する軸受ユニットを構成する。
なお、ラジアル動圧発生溝をシャフト20の外周面20aに形成してもよい。また、フランジ22の上面22aと回転軸R方向で対向する第3環囲部材84の下面84dまたはフランジ22の下面22bと回転軸R方向で対向するカウンタープレート90の上面もしくはその両方にスラスト動圧発生溝を形成してもよい。
図3は、第3環囲部材84の上面図である。図3のA−A線は図1のA−A線に対応する。第3環囲部材84は、ハブ10側の端面である上面84aと、実質的に円筒状となるよう形成された外周面84bと、を有する。この外周面84bには、第3環囲部材84を回転軸R方向に貫通する凹部である連通溝84cが回転軸R方向に沿って直線的に形成される。したがって、第3環囲部材84が第4環囲部材86に取り付けられた状態では、連通溝84cと第4環囲部材86の内周面86aとによって連通孔102が形成される。
なお、第3環囲部材84の外周面84bの代わりに第4環囲部材86の内周面86aに連通溝を設けることで連通孔を形成してもよい。
図4は、図2の断面図のうち潤滑剤92の気液界面92a付近を拡大して示す拡大断面図である。第4環囲部材86のハブ10側の端面すなわち上面は、内側上面86cと、内側上面86cの半径方向外側で内側上面86cと隣接する傾斜面86dと、傾斜面86dの半径方向外側で傾斜面86dと隣接する外側上面86eと、を有する。傾斜面86dは回転軸Rに対して傾斜角θで上向きに拡径する。内側上面86c、外側上面86eはそれぞれ回転軸Rと略直交する環状の面である。外側上面86eは内側上面86cよりも上側に位置する、すなわちハブ10に近い。
第3環囲部材84の上面84aは第4環囲部材86の内側上面86cよりも上側に位置する、すなわちハブ10に近い。したがって、凹部104は、第3環囲部材84の外周面84bと第4環囲部材86の内側上面86c、傾斜面86dとによって形成される。
第1環囲部材80は、凹部104に侵入し第3環囲部材84の少なくとも上端を環囲するリング部80aと、円盤部80bと、を有する。円盤部80bの内周面80cはシャフト20に接する。リング部80aは円盤部80bの外周側に結合される。
円盤部80bは、シャフト20の外周面20aに設けられた段状部20bに回転軸R方向に突き当たる。円盤部80bの上面80dはハブ10に接する。したがって、第1環囲部材80はハブ10とシャフト20の段状部20bとに挟まれて固定される。この場合、シャフト20に対する第1環囲部材80の取り付け位置の精度を確保できると共に、シャフト20に対する第1環囲部材80のずれが抑止される。
リング部80aが凹部104に侵入することにより、凹部104には、リング部80aと第4環囲部材86とが半径方向に対向する外側隙間112と、リング部80aと第3環囲部材84とが半径方向に対向する内側隙間114とが形成される。外側隙間112は内側隙間114よりも半径方向外側に位置する。外側隙間112は、潤滑剤92の気液界面92aを有する。外側隙間112は上方に向けて徐々に広がるのでキャピラリーシールとして機能し、毛細管現象により潤滑剤92の漏れ出しが抑制される。第2ラジアル動圧発生面110との関係では、外側隙間112と第2ラジアル動圧発生面110とは回転軸R方向において少なくとも部分的に重複する。すなわち、回転軸R方向に座標軸を定義するとき、外側隙間112の座標範囲と第2ラジアル動圧発生面110の座標範囲とには共通部分が存在する。
本実施の形態では、第1環囲部材80のリング部80aおよび円盤部80bは一体に形成される。第1環囲部材80は、種々の金属材料やプラスチック材料から形成することができる。例えばSUS303に相当するステンレス材料から切削により形成される場合、加工が比較的容易なので高い加工精度を得ることができる。なお、リング部80aおよび円盤部80bを別体として形成してもよい。
潤滑剤92は、外側隙間112、内側隙間114、第3環囲部材84とシャフト20とのラジアル隙間116、フランジ22と第3環囲部材84との第1スラスト隙間118、フランジ22とカウンタープレート90との第2スラスト隙間120、の順に連続して存在する。連通孔102は、ラジアル隙間116とは別に、外側隙間112および内側隙間114と、第1ラジアル動圧発生面108のベース側と、を連通する。特に連通孔102は、内側隙間114の外側隙間112側の部分と第1スラスト隙間118とを連通する。
図2に戻り、連通孔102の下端は第1スラスト隙間118の外側の縁に沿う位置に設けられる。第1スラスト隙間118では、その外側の縁よりも内側でフランジ22が回転するので、連通孔102は第1スラスト隙間118のうちスラスト動圧発生溝を避けた部分に下端を有する。
ラジアル隙間116のうち第1ラジアル動圧発生面108に対応する部分と第2ラジアル動圧発生面110に対応する部分との間には、シャフト20との隙間がそれらの部分における隙間よりも大きな潤滑剤溜まり部122が設けられる。
以上のように構成された回転機器100の動作を説明する。磁気記録ディスク200を回転させるために、3相の駆動電流がコイル70に供給される。その駆動電流がコイル70を流れることにより、12本の突極に沿って磁束が発生する。この磁束によって円筒状マグネット40にトルクが与えられ、回転体およびそれに嵌合された磁気記録ディスク200が回転する。同時にボイスコイルモータ8dがスイングアーム8bを揺動させることによって、記録再生ヘッド8aが磁気記録ディスク200上の揺動範囲を行き来する。記録再生ヘッド8aは磁気記録ディスク200に記録された磁気データを電気信号に変換して制御基板(不図示)へ伝え、また制御基板から電気信号の形で送られてくるデータを磁気記録ディスク200上に磁気データとして書き込む。
本実施の形態に係る回転機器100によると、潤滑剤92の気液界面92aは外側隙間112に存在する。したがって、キャピラリーシールとラジアル動圧が生じるラジアル隙間116とは回転軸R方向で重複することが許される。これにより、第1ラジアル動圧発生面108と第2ラジアル動圧発生面110との回転軸R方向における距離すなわち軸受スパンを、キャピラリーシールの長さにそれほど制約されずに拡大することができ、それにより軸受の半径方向の剛性を高めることができる。
また逆に、キャピラリーシールの長さを軸受スパンにそれほど制約されずに大きくして十分な量の潤滑剤92を保持しかつ飛散を抑止することができる。また、保持されるべき潤滑剤92の量を少なくできる場合はその分外側隙間112を狭くすることができ、毛管力を大きくして例えば衝撃を受けた場合の潤滑剤92の漏れ出しを軽減できる。
このようにキャピラリーシールにおいて十分に潤滑剤の飛散を抑制できるので、第1ラジアル動圧発生面108自体や第2ラジアル動圧発生面110自体の回転軸R方向の長さ(すなわち面積)を大きくしてラジアル動圧を強めても、生じうる動圧の不均衡による潤滑剤飛散の可能性を低く維持できる。したがって、潤滑剤の飛散を抑えたままラジアル動圧をさらに強めて剛性を高めることが可能となる。
なお、ラジアル動圧の強化による剛性の向上には一般に軸受ロスによる消費電力の増大が伴いうるが、軸受スパンの拡大による剛性の向上にはそのようなロスは伴わない。
特に回転機器の厚さ規格等により決められているまたは薄型化の要請により厚くできない状況において、本実施の形態に係る回転機器100によると、軸受スパンおよびキャピラリーシールの長さの両方を、互いにほぼ独立に、回転機器100の厚さを最大限利用した長さとすることができる。
したがって、より多くの、例えば4枚以上の磁気記録ディスクを搭載し薄型でありながら、軸受の剛性を高めることで低いエラーレートを維持でき、同時にキャピラリーシールを深く設けることで比較的長時間使用しても十分な量の潤滑剤92を維持できる回転機器が提供される。
また、潤滑剤92は外側隙間112および内側隙間114の両方に存在するので、例えば内側隙間にのみ存在するすなわち内側隙間に気液界面が存在する場合と比べて潤滑剤92の保持量を増やすことができる。
潤滑剤の気液界面を半径方向外側に設けるためにハブの下面を利用することも考えられる。すなわち、潤滑剤の経路をハブの下面に接触させる形で折り返すことも考えられる。しかしながらこの場合は、製造工程において、ハブが取り付けられているサブアセンブリに潤滑剤を注入することとなるので好ましくない。その理由は例えば、
(1)サブアセンブリがハブを含んでおり大きい、
(2)一般に潤滑剤を吐出するノズルの先端を当てるべき箇所がサブアセンブリの奥の方になるので、潤滑剤を吐出する前のノズルとサブアセンブリとの相対的な位置決めがより複雑となり時間がかかる、
(3)注入後の液面の高さのチェックが困難となる、
(4)ハブに、オイル等の汚れや傷が付く機会が増える、
である。
(2)に伴う作業時間の増加は、回転機器ひとつについてはそれほど大きなものではないかもしれないが、何万、何十万という数の回転機器が製造される工場の生産性には無視できない影響を及ぼしうる。
これに対して本実施の形態に係る回転機器100では、潤滑剤92はハブ10と接触しない。図5は、本実施の形態に係る回転機器100の製造の際の注入工程の様子を示す模式図である。潤滑剤を注入する対象としてのサブアセンブリ250はハブ10が結合される前の状態であり、シャフト20と、フランジ22と、第1環囲部材80と、第3環囲部材84と、第4環囲部材86と、カウンタープレート90と、を有する。潤滑剤の注入工程では、まずサブアセンブリ250を作業空間に載置して作業空間を減圧する。次に吐出ノズル252を外側隙間112に上から挿入し、吐出ノズル252から必要量の潤滑剤を注入する。そして作業空間を復圧する。
この場合、サブアセンブリ250はハブ10を含まないので作業空間をより小さくでき、減圧装置も小規模なものを用意すればよい。また通常、潤滑剤への異物の混入等を防ぐため、注入工程はその後の工程よりもクリーンな環境で行われることが要求される。そのようなクリーンな環境が大きければ大きいほど、その環境を生成、維持するために必要なコストも増加する。そこで本実施の形態に係る回転機器100によると注入工程における作業空間をより小さくできるので、クリーンな環境の生成、維持のためのコストを低減できる。
さらに、本実施の形態に係る回転機器100によると、外側隙間112へハブ10に遮られることなく容易にアクセスできるので、吐出ノズル252の位置決めをより速く正確に行うことができる。さらに、潤滑剤の注入後、やはりハブ10に遮られることなく潤滑剤の気液界面にアクセスできるので、その液面の高さをより容易に検査できる。
また、ハブ10をサブアセンブリ250に装着する前に潤滑剤を注入するので、潤滑剤の注入によってハブに汚れや傷が付くことはない。
また、本実施の形態に係る回転機器100では、ラジアル隙間116の両端がラジアル隙間116とは別に設けられた連通孔102によって連通されている。したがって、ラジアル隙間116の両端における潤滑剤92の圧力を平均化し、過度な圧力差の発生を抑止できる。その結果、圧力差の発生に制限されずに回転時のラジアル動圧を高めて軸受の剛性を高めることができるので、この構成は特に多数の磁気記録ディスクを搭載しようとする回転機器に好適である。
また、本実施の形態に係る回転機器100では、回転時の圧力差の発生が抑えられるので、外側隙間112や内側隙間114に潤滑剤92が集まって飛散しやすくなる現象の発生が抑制される。
また、本実施の形態に係る回転機器100では、連通孔102は第1スラスト隙間118のうちスラスト動圧発生溝を避けた部分に下端を有する。したがって、連通孔102を設けた場合でも、回転機器100の回転時にスラスト動圧発生溝によって生成されるスラスト動圧の分布の乱れを低減できる。
円盤部80bはシャフト20に締まり嵌めまたは隙間嵌めにより固定される。図3の実施の形態では締まり嵌めが採用されている。この場合、円盤部80bはシャフト20に比較的強く固定されるので、例えばハブ10のないサブアセンブリ250の状態において外れにくくなる。
また、本実施の形態に係る回転機器100では、凹部104および連通孔102は、それぞれ別体として形成される第3環囲部材84および第4環囲部材86によって形成される。したがって、ひとつの部材から凹部および連通孔を形成する場合と比較して、より容易かつ高精度にそれらを形成できる。例えば凹部104の内側上面86cおよび傾斜面86dは第4環囲部材86の内周側面として旋盤等により形成できる。この加工は、例えばひとつの円筒部材の端面にフライス盤を使用して環状の溝を形成する場合と比較してより容易であり、また加工の精度も高い。特に傾斜面86dを精度良く形成できるので、キャピラリーシールの容積や性能のばらつきを低減できる。また、連通孔を穴開け加工により形成する場合、形成すべき連通孔の直径は一般にその長さと比べて小さいので、連通孔の途中が詰まっているか否かの検査に手間がかかる可能性がある。これに対して本実施の形態に係る回転機器100では、連通孔102は第3環囲部材84の外周面84b上の連通溝84cによって形成される。したがって、その連通溝84cが意図通りに形成されているか否かをより容易に検査できる。
(寸法)
本実施の形態に係る回転機器100の寸法は以下の通りに設定されてもよい。
(1)ハブ10とシャフト20との接合の長さすなわち中心孔10eの回転軸R方向における長さL1は、第1ラジアル動圧発生面108の回転軸R方向における幅W1および第2ラジアル動圧発生面110の回転軸R方向における幅W2のいずれよりも大きい。この場合、ハブ10とシャフト20との接合の長さL1をより大きくできるので、ハブ10とシャフト20との接触面積を増やして接合の強度を高めることができる。その結果、たとえ多数の磁気記録ディスクが搭載されたとしても、衝撃や振動を受けた際の磁気記録ディスクの傾きを十分に抑えることができる。
具体的には、ハブ10とシャフト20との接合の長さL1は5.66mm、第1ラジアル動圧発生面108の幅W1は1.6mm、第2ラジアル動圧発生面110の幅W2は4.4mmとされてもよい。接合の長さL1は、第1ラジアル動圧発生面108の幅W1の3倍以上、また第2ラジアル動圧発生面110の幅W2以上とされてもよい。また、シャフト20のうちラジアル動圧発生面108、110に対応する部分の直径は4.5mm〜5mmとされ、その部分とラジアル動圧発生面108、110との隙間は3μm〜5μmとされてもよい。本発明者が実施したシミュレーションによると、第1ラジアル動圧発生面108の幅W1が1.4mm〜2mmの範囲にある場合には実用上十分な大きさのラジアル動圧が得られることが確認された。また同様のシミュレーションによって、4枚の磁気記録ディスク200を搭載する回転機器100について、ハブ10とシャフト20との接合の長さL1が5mm〜7mmの範囲にある場合には衝撃や振動を受けた際の磁気記録ディスクの傾きを十分抑えることができることが確認された。
(2)キャピラリーシールの長さすなわち内側上面86cから見た外側上面86eの高さL2は、W1<L2<W2を満たすよう設定されてもよい。例えば高さL2は2mmに設定されてもよい。
(3)本発明者が実施したシミュレーションによると、ハブ10に衝撃や振動を与えた場合に、ハブ10に近い側の第2ラジアル動圧発生面110付近には第1ラジアル動圧発生面108付近の2倍以上の半径方向の荷重が加わることが確認された。本実施の形態に係る回転機器100では、第2ラジアル動圧発生面110の幅W2を第1ラジアル動圧発生面108の幅W1を2倍した値よりも大きくしてもよい。この場合、バランスよく半径方向の荷重を支持し磁気記録ディスクの傾きを効果的に抑えることができる。
(4)フランジ22の厚みT1はフランジ22とシャフト20との接合部分の長さに直結しており、それらの接合の強度を維持する観点からこの厚みT1を長くしておくことが望ましい。本発明者が実施したシミュレーションによると、フランジ22とシャフト20との接合面の直径を4.5mm〜5mmとした上でフランジ22の厚みT1を1.8mm以上とすれば4枚の磁気記録ディスク200を搭載した場合でも所定の衝撃を受けた際にフランジ22とシャフト20との結合を十分維持できることが確認された。このシミュレーション結果に対応して、本実施の形態に係る回転機器100では、フランジ22の厚みT1を2mmとして第1ラジアル動圧発生面108の幅W1より大きくしてもよい。
(製造方法)
本実施の形態に係る回転機器100の製造方法を説明する。第4環囲部材86に第3環囲部材84を挿入し、第2環囲部材82を形成する。フランジ22が取り付けられたシャフト20を第2環囲部材82に下側から遊挿する。シャフト20の上側から第1環囲部材80を段状部20bに突き当たるまで嵌め、第2環囲部材82の凹部104に第1環囲部材80のリング部80aを侵入させる。第2環囲部材82にカウンタープレート90を取り付け、図5に示されるようなサブアセンブリ250を形成する。
サブアセンブリ250への潤滑剤の注入は図5に関連して説明した通りである。
潤滑剤の注入後、外側隙間112内にある潤滑剤92の気液界面92aの、回転軸R方向における位置を計測する。例えばレーザを気液界面92aに照射しその反射光を検出することによって、気液界面92aの位置を計測することができる。計測した位置が所定の基準高さ範囲内にないサブアセンブリを修理するかまたは排除することによって、基準に満たない製品を除去できる。
シャフト20にハブ10を結合する。例えば、ハブ10の中心孔10eの周面の下側に接着剤を周状に塗布し、直立して支持されているサブアセンブリから突出しているシャフト20にそのハブ10を被せるようにして結合する。この結合に締り嵌めを併用してもよい。この場合、ハブ10とシャフト20との結合の強度を高めることができる。
ハブ10をシャフト20に取り付けた後、ベース50に対してハブ10を所望の姿勢に保った状態でサブアセンブリをベース50の貫通孔50bに接着固定する。例えば、ベース50の貫通孔50bの周面の上側に接着剤を周状に塗布し、サブアセンブリを挿入する。そして、ベース50に対してハブ10の外筒面10bが傾かないようにハブ10に力を加えた状態で、接着剤を仮硬化させる。この場合、ベース50に対するハブ10の外筒面10bの傾きが抑えられる。
その後、仮硬化している接着剤を本硬化させる。例えば対象を80度から100度の高温槽に60分〜180分静置してもよい。この場合、硬化後の接着剤からの揮発成分を低減できる。
その後、その他の部材を組み込み所定の検査をして回転機器100が製造される。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る回転機器300の潤滑剤392の気液界面392a付近を拡大して示す拡大断面図である。図6は図4に対応する。第1環囲部材380はシャフト20を環囲してシャフト20に固定され、回転機器300の回転時はシャフト20と一体に回転する。第1環囲部材380は、リング部380aと、円盤部380bと、を有する。
第2環囲部材382はシャフト20を環囲し、ベース50の貫通孔50bに挿入されそこで接着固定される。第2環囲部材382のハブ10側には、回転軸R方向で下側に凹む回転軸Rを中心とした環状の凹部304が形成される。第2環囲部材382は、シャフト20を環囲する第3環囲部材384と、第3環囲部材384を環囲する第4環囲部材386と、を含む。第4環囲部材386は、第3環囲部材384を環囲する第5環囲部材306と、第5環囲部材306とは別体として形成され、リング部380aを環囲する第6環囲部材308と、を有する。第6環囲部材308は第5環囲部材306の上面に接着等により固定される。
凹部304は、第3環囲部材384と第5環囲部材306と第6環囲部材308とによって形成される。この場合、凹部304を形成する各部材に対する凹部304を形成するための加工はより単純になる。
第2の実施の形態に係る回転機器300はフランジ22を有さない。代わりに、第3環囲部材384の上面384aまたはそれと回転軸R方向で対向する円盤部380bの下面380dのいずれか一方にスラスト動圧発生溝が形成される。
また、リング部380aおよび凹部304は、ハブ10のベース50から離れる向きの移動を制限するよう構成される。特にリング部380aおよび第4環囲部材386によって係止構造302が形成される。この係止構造302は、フランジ22の代わりに回転体の抜け止めの機能を果たす。リング部380aの下端部は半径方向外側に張り出した張り出し部380cとなっている。第4環囲部材386は、張り出し部380cの形状に対応して半径方向に凹んだ抜け止め凹部386aを有する。回転体が固定体に対して上向きに移動するすなわち浮上する場合、所定の最大距離浮上したところで張り出し部380cの上部が抜け止め凹部386aの上部と接触し、それ以上の浮上が制限される。
本実施の形態に係る回転機器300によると、第1の実施の形態に係る回転機器100によって奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施の形態に係る回転機器400の潤滑剤492の気液界面492a付近を拡大して示す拡大断面図である。図7は図4に対応する。第1環囲部材480はシャフト20の上端側を環囲してシャフト20に固定され、回転機器400の回転時はシャフト20と一体に回転する。第1環囲部材480は、リング部80aと、シャフト20とハブ410との間に介挿される介挿部480bと、を有する。介挿部480bの内周面480cはシャフト20に接し、外周面480dはハブ410に接する。リング部80aは介挿部480bの外周側に結合される。
介挿部480bは、シャフト20の外周面20aに設けられた段状部20bに回転軸R方向に突き当たる。この場合、シャフト20に対する第1環囲部材480の取り付け位置の精度を確保できると共に、シャフト20に対する第1環囲部材480のずれが抑止される。同様の段差突き当て構造を第1環囲部材480へのハブ410の取り付けに適用してもよい。
本実施の形態に係る回転機器400によると、第1の実施の形態に係る回転機器100によって奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。
以上、実施の形態に係る回転機器の構成と動作およびその製造方法について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。また、実施の形態同士の組み合わせも可能である。
なお、実施の形態に係る回転機器は、以下のような構成によっても特徴づけされる。
(1)ハブ10の内周面10dより小径の内周面を有し第2環囲部材82の端部が軸方向に侵入するハブ凹部の軸方向範囲に、リング部80aの軸方向範囲が含まれている。
(2)シャフト20の外周面20aが、円盤部80bが接する領域からハブ10が嵌合する領域に亘って第2環囲部材82に環囲される領域より小径にされている。
(3)ハブ10は、シャフト20と嵌合する部分がベース50と反対側に突出する嵌合突出部を有しており、円盤部80bの外周部分は当該嵌合突出部の半径方向範囲内に位置している。
(4)連通孔102の上端がハブ凹部の軸方向範囲内に位置している。
(5)第2環囲部材82の外周面は、リング部80aを環囲する領域であってハブ凹部に侵入する部分の外径が、ベース50の突出部52に挿入されて固定される領域の外径より大きい。
(6)リング部80aが、半径方向において、カウンタープレート90の外周より内側であってフランジ22の外周より外側に設けられている。
第1から第3の実施の形態では、回転機器は直径が95(mm)の3.5インチ型の4枚の磁気記録ディスク200を搭載し、各磁気記録ディスクの中央の孔の直径は25(mm)、厚みは1.27(mm)である場合について説明したが、これに限られず、例えば回転機器は直径が63(mm)の2.5インチ型の4枚の磁気記録ディスクを搭載してもよい。この磁気記録ディスクの中央の孔の直径は20(mm)、厚みは0.6(mm)または0.8(mm)である。
第1から第3の実施の形態では、円筒状マグネットが積層コアの外側に位置する、いわゆるアウターロータ型の回転機器について説明したが、これに限られない。たとえば円筒状マグネットが積層コアの内側に位置する、いわゆるインナーロータ型の回転機器であってもよい。
第1から第3の実施の形態では、ベースに軸受ユニットが直接取り付けられる場合について説明したが、これに限られない。例えば、第1から第3の実施の形態に係る回転機器のいずれかと同様の構成を有するブラシレスモータを別途形成した上で、そのブラシレスモータをシャーシに取り付ける構成としてもよい。
第1から第3の実施の形態では積層コアを用いる場合について説明したが、コアは積層コアでなくてもよい。
第1から第3の実施の形態では、ラジアル動圧やスラスト動圧を発生させるためにヘリングボーン形状の溝を使用する場合について説明したが、これに限られない。例えばスパイラル形状の溝を使用してもよく、これらの組合せであってもよい。このような溝の形状は所望の特性を発揮するように適宜選択することができる。
10 ハブ、 20 シャフト、 22 フランジ、 30 ヨーク、 40 円筒状マグネット、 50 ベース、 60 積層コア、 70 コイル、 80 第1環囲部材、 82 第2環囲部材、 90 カウンタープレート、 92 潤滑剤、 100 回転機器、 102 連通孔、 104 凹部。

Claims (6)

  1. 記録ディスクが載置されるべきハブと、
    一端側が前記ハブに固定されたシャフトと、
    前記シャフトを環囲して前記シャフトと一体に回転する第1環囲部材と、
    前記シャフトを環囲する第2環囲部材と、
    前記第2環囲部材が固定されるベースと
    前記ベースに固定されるコアと、を備え、
    前記第1環囲部材および前記シャフトと前記第2環囲部材とには潤滑剤が介在すると共に、前記第2環囲部材の内周面または前記シャフトの外周面のいずれか一方にはラジアル動圧発生溝が形成され、
    記第2環囲部材の前記ハブ側の端面には前記ハブの回転軸を中心とした環状の凹部が形成され、
    前記第1環囲部材は前記環状の凹部に侵入する凹部侵入リング部を有し、
    前記凹部侵入リング部と前記環状の凹部とが半径方向で対向する2つの隙間のうちの半径方向外側の隙間に前記潤滑剤の漏れ出しを抑制するキャピラリーシールを有し、
    前記ハブは、前記コアを環囲する内周面を有する内周大径部と、前記内周大径部より小径の内周面を有し前記第2環囲部材の端部が軸方向に侵入するハブ凹部と、が設けられ、
    前記凹部侵入リング部の軸方向範囲は前記ハブ凹部の軸方向範囲に含まれることを特徴とする回転機器。
  2. 前記第1環囲部材は、内周面が前記シャフトに接すると共に外周側に前記凹部侵入リング部が結合されるリング結合円盤部を有し、
    前記シャフトの外周面は、前記侵リング結合円盤部が接する領域から前記ハブが嵌合する領域に亘って前記第2環囲部材に環囲される領域より小径にされることを特徴とする請求項1に記載の回転機器。
  3. 前記シャフトの外周面は前記リング結合円盤部が軸方向に突き当たる段状部を有し、
    前記ハブは、前記シャフトと嵌合する部分が前記ベースと反対側に突出する嵌合突出部を有し、
    前記侵リング結合円盤部の外周部分は前記嵌合突出部の半径方向範囲内に位置することを特徴とする請求項2に記載の回転機器。
  4. 前記シャフトと前記第2環囲部材との隙間とは別に、前記凹部侵入リング部と前記環状の凹部との隙間と前記ラジアル動圧発生溝の前記ベース側とを連通する連通路が前記第2環囲部材に設けられ
    前記連通路の前記ハブ側の端は前記ハブ凹部の軸方向範囲内に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回転機器。
  5. 前記ベースは、前記ハブ側に突出して内周面に前記第2環囲部材が挿入されて固定されるベース突出部を有し、
    前記第2環囲部材の外周面は、前記凹部侵入リング部を包囲する領域であって前記ハブ凹部に侵入する部分の外径が、前記ベース突出部に挿入されて固定される領域の外径より大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回転機器。
  6. 前記シャフトの他端側を環囲するようにして前記シャフトに固定されるフランジと、前記第2環囲部材の前記ベース側の端部を塞ぐカウンタープレートと、をさらに備え、
    前記カウンタープレートは、前記第2環囲部材の下側に前記フランジが収まるフランジ空間を形成し、
    前記凹部侵入リング部は、半径方向において、前記カウンタープレートの外周より内側であって前記フランジの外周より外側に設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転機器。
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