JP5751178B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者の操舵操作に基づいてモータを駆動して操舵アシストトルクを発生する電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、電動パワーステアリング装置は、ドライバーが操舵ハンドルに付与した操舵トルクをトルクセンサにより検出し、検出した操舵トルクに基づいて目標アシストトルクを計算する。そして、目標アシストトルクが得られるようにモータに流す電流を制御することにより、ドライバーの操舵操作をアシストする。こうしたモータの通電制御をアシスト制御と呼ぶ。
トルクセンサが故障した場合には、目標アシストトルクの計算ができなくなり、アシスト制御を行うことができない。これに対してトルクセンサの故障時においても操舵アシストを行う電動パワーステアリング装置が特許文献1,2において提案されている。特許文献1に提案された電動パワーステアリング装置は、トルクセンサの故障が検出された場合、ステアリング機構に路面側から伝達されるセルフアライニングトルクを推定し、この推定したセルフアライニングトルクに基づいてトルク指令値を計算する。また、ABS装置(アンチスキッド制御装置)の作動状況から、路面とタイヤとの摩擦係数μを推定し、この摩擦係数μに基づいて、摩擦係数μが大きいほどセルフアライニングトルクの推定値が大きくなるように補正している。
また、特許文献2において提案された電動パワーステアリング装置は、前輪側の左右輪の車輪速を用いて推定した第1推定舵角と、後輪側の左右輪の車輪速を用いて推定した第2推定舵角とを平均して平均推定舵角を求め、この平均推定舵角と車速とに基づいて目標アシストトルクを計算する。また、第1推定舵角と第2推定舵角との差分を表す舵角差に基づいて、舵角差の大きさが大きくなるほど小さくなるスリップゲインを計算し、このスリップゲインを目標アシストトルクに乗算することにより、車輪のスリップ時に操舵アシストを小さくするようにしている。
特開2009−6985号公報 国際公開WO2011/048702
しかしながら、特許文献1に提案された電動パワーステアリング装置においては、ブレーキ操作により車輪がロックしないとトルク指令値の補正量を求めることができないため実用性に欠ける。また、特許文献2に提案された電動パワーステアリング装置においては、そうした問題はないが、スリップの検出に改善の余地がある。特許文献2に提案された電動パワーステアリング装置においては、第1推定舵角と第2推定舵角とが、どちらも左右輪の車輪速センサにより検出された車輪速に基づいて計算されるが、車輪速の検出値は、一般に、路面凹凸等による外乱や車両状態の影響を受けやすい。このため、車輪がスリップしている状態であっても、第1推定舵角と第2推定舵角との値が一致してしまう可能性があり、この場合には、スリップを検出することができず過アシストになってしまう。
このように、これらの特許文献に提案された電動パワーステアリング装置においては、トルクセンサの故障が検出されている場合に行うアシスト制御中における、車輪のスリップの検出精度の向上が望まれる。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、トルクセンサの故障が検出されている場合に行うアシスト制御中における車輪のスリップの検出精度を向上して、スリップ発生時に適正に操舵アシストを制限することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルからステアリングシャフトに入力された操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ(21)と、ステアリング機構に設けられて操舵アシストトルクを発生するモータ(20)と、前記操舵トルクセンサの異常を検出する異常検出手段(72)と、前記操舵トルクセンサの異常が検出されていない場合は、前記操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて目標操舵アシスト制御量を設定し、前記操舵トルクセンサの異常が検出されている場合は、前記操舵トルクとは異なる代替パラメータを使って目標操舵アシスト制御量を設定する制御量設定手段(70)と、前記制御量設定手段により設定された前記目標操舵アシスト制御量に従って前記モータを駆動制御するモータ制御手段(40,60)とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前輪側と後輪側との少なくとも一方側の左右輪の車輪速を取得し、取得した車輪速に基づいて操舵角を推定した推定舵角をローパスフィルタ処理を介在させて計算する推定舵角計算手段(821,823)と、実際の操舵角あるいは操舵角速度の少なくとも一方を操舵入力状態量として取得する操舵入力状態量取得手段(22,S11,S12)と、車両の横加速度あるいはヨーレートの少なくとも一方を車両出力状態量として取得する車両出力状態量取得手段(30,31,S11)と、前記操舵入力状態量取得手段が取得した操舵入力状態量と前記車両出力状態量取得手段が取得した車両出力状態量との両方に基づいて、前記操舵入力状態量の大きさが基準入力値より大きいあるいは前記車両出力状態量の大きさが基準出力値より大きいという条件を満たしている場合には、前記条件を満たしていない場合に比べて、前記ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を高く設定するカットオフ周波数設定手段(822,S13〜S16)と、実際の操舵角を取得し、前記実際の操舵角と前記推定舵角との偏差を車輪のスリップ指標として計算するスリップ指標計算手段(824)と、前記操舵トルクセンサの異常が検出されて前記操舵トルクとは異なる代替パラメータを使って目標操舵アシスト制御量が設定される場合、前記スリップ指標計算手段により設定されたスリップ指標の増加に伴って前記目標操舵アシスト制御量が小さくなるように前記目標操舵アシスト制御量を制限するアシスト制限手段(83,825)とを備えたことにある。
本発明においては、操舵トルクセンサの異常が検出されている場合は、操舵トルクとは異なる代替パラメータを使って目標操舵アシスト制御量を設定する。代替パラメータとしては、例えば、操舵角を用いることができる。操舵角を用いた場合には、操舵角が大きいほど大きくなる目標操舵アシスト制御量を設定するとよい。また、他の代替パラメータとして、例えば、車両の横加速度を用いることもできる。横加速度を用いた場合には、横加速度が大きいほど大きくなる目標アシスト制御量を設定するとよい。
こうした代替パラメータを用いて操舵アシストを付与する場合、車輪がスリップしていると過剰な操舵アシストが働いてしまう。そこで、本発明においては、スリップ指標計算手段が車輪のスリップ指標を計算し、アシスト制限手段がスリップ指標の増加に伴って目標操舵アシスト制御量が小さくなるように目標操舵アシスト制御量を制限する。このスリップ指標の計算を行うために、本発明においては、推定舵角計算手段と操舵入力状態量取得手段と車両出力状態量取得手段とカットオフ周波数設定手段とを備えている。
推定舵角計算手段は、前輪側と後輪側との少なくとも一方側の左右輪の車輪速を取得し、取得した車輪速に基づいて操舵角を推定した推定舵角をローパスフィルタ処理を介在させて計算する。推定舵角は、例えば、左右輪の車輪速の差の関数として表すことができる。車輪速(車輪速検出値)には、路面入力による振動やセンサ自身の誤差等により、様々な周波数成分のノイズ(誤差も含める)が含まれている。そこで、推定舵角の計算にあたっては、車輪速に含まれるノイズの影響を低減するためにローパスフィルタ処理を行う。例えば、車輪速に基づいて計算した推定舵角をローパスフィルタ処理する。これにより、ノイズの少ない推定舵角を求めることができる。
スリップ指標計算手段は、実際の操舵角と推定舵角との偏差を車輪のスリップ指標として計算する。車輪のスリップが発生すると、実際の操舵角(実舵角と呼ぶ)と推定舵角とが異なる値をとるようになる。この場合、偏差が大きいほどスリップの程度が大きいと推定することができる。このため、実舵角と推定舵角との偏差の大きさからスリップの程度を判定できる。実舵角は、例えば、ステアリングシャフトの回転角を検出するセンサ、モータの回転角を検出するセンサ、ラックバーのストロークを検出するセンサ、タイヤの切れ角を検出するセンサ等を使用して取得することができる。
推定舵角の計算には、上述したようにローパスフィルタ処理が介在されている。ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を下げるほど、様々な周波数成分のノイズの除去能力が高まるが、一方で、推定舵角の計算値の位相遅れが大きくなってしまい、スリップ指標の計算値が適正でなくなってしまう。
そこで、本発明においては、ローパスフィルタ処理により推定舵角の計算値の位相遅れが大きくなりやすい状況、つまり、左右輪の車輪速の差が速く変化する状況においては、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を高くして推定舵角の計算値の位相遅れを抑制する。こうした状況は、操舵入力状態量取得手段と車両出力状態量取得手段とにより推定することができる。操舵入力状態量取得手段は、実際の操舵角あるいは操舵角速度の少なくとも一方を操舵入力状態量として取得する。また、車両出力状態量取得手段は、車両の横加速度あるいはヨーレートの少なくとも一方を車両出力状態量として取得する。横加速度やヨーレートは、横加速度センサやヨーレートセンサにより検出して取得してもよいし、計算により取得してもよい。例えば、横加速度およびヨーレートは、左右の車輪速から一義的に算出することができる。また、ヨーレートについては、車速と操舵角とから一義的に算出することもできる。
操舵角が大きい状況、あるいは、操舵角速度が大きい状況においては、左右輪の車輪速の差が速く変化する可能性が高い。また、車両の横加速度が大きい状況、あるいは、車両のヨーレートが大きい状況においても、左右輪の車輪速の差が速く変化する可能性が高い。こうした状況においては、推定舵角の計算値の位相遅れが大きくなりやすくスリップ指標の計算値が適正でなくなってしまう。
そこで、カットオフ周波数設定手段は、操舵入力状態量取得手段が取得した操舵入力状態量と車両出力状態量取得手段が取得した車両出力状態量との両方に基づいて、操舵入力状態量の大きさが基準入力値より大きいあるいは車両出力状態量の大きさが基準出力値より大きいという条件を満たしている場合には、前記条件を満たしていない場合に比べて、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を高く設定する。従って、ローパスフィルタ処理により推定舵角の位相遅れが大きくなりやすい状況においては、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を高く設定して、推定舵角の計算値の位相遅れを小さく抑え、一方で、ローパスフィルタ処理により推定舵角の位相遅れが大きくならないような状況においては、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を低く設定してノイズを確実に除去することができる。
この結果、本発明によれば、推定舵角のフィルタ処理による位相遅れの影響を小さくすることとノイズ除去性能とを良好にバランスさせることができる。従って、車輪のスリップの検出精度が向上し、操舵アシストの制限を適正に行うことができる。
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 アシストECUの機能ブロック図である。 正常時アシストマップを表すグラフである。 異常時アシストトルク計算部の機能ブロック図である。 異常時基本アシストマップを表すグラフである。 推定舵角の計算を説明する説明図である。 カットオフ周波数設定ルーチンを表すフローチャートである。 補正係数マップを表すグラフである。 アシスト制限ルーチンを表すフローチャートである。 実舵角と推定舵角とフィルタ後推定舵角との推移を表すグラフである。 変形例としてのカットオフ周波数設定マップを表すグラフである。 別の変形例としてのカットオフ周波数設定マップを表すグラフである。 摩擦補償トルクマップを表すグラフである。 摩擦粘性補償トルクマップを表すグラフである。 変形例としての上限値マップを表すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る車両の電動パワーステアリング装置1の概略構成を表している。
この電動パワーステアリング装置1は、操舵ハンドル11の操舵操作により転舵輪を転舵するステアリング機構10と、ステアリング機構10に組み付けられ操舵アシストトルクを発生するモータ20と、操舵ハンドル11の操作状態に応じてモータ20の作動を制御する電子制御ユニット100とを主要部として備えている。以下、電子制御ユニット100をアシストECU100と呼ぶ。
ステアリング機構10は、操舵ハンドル11の回転操作により左右前輪Wfl,Wfrを転舵するための機構で、操舵ハンドル11を上端に一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備える。このステアリングシャフト12の下端には、ピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたギヤ部14aと噛み合って、ラックバー14とともにラックアンドピニオン機構を構成する。
ラックバー14は、ギヤ部14aがラックハウジング16内に収納され、その左右両端がラックハウジング16から露出してタイロッド17と連結される。このラックバー14のタイロッド17との連結部には、ストロークエンドを構成するストッパ18が形成され、このストッパ18とラックハウジング16の端部との当接によりラックバー14の左右動ストロークが機械的に規制されている。左右のタイロッド17の他端は、左右前輪Wfl,Wfrに設けられたナックル19に接続される。こうした構成により、左右前輪Wfl,Wfrは、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。
ステアリングシャフト12には減速ギヤ25を介してモータ20が組み付けられている。モータ20は、その回転により減速ギヤ25を介してステアリングシャフト12をその軸中心に回転駆動して、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシスト力を付与する。
ステアリングシャフト12には、操舵ハンドル11と減速ギヤ25との中間位置に操舵トルクセンサ21と操舵角センサ22が組みつけられている。操舵トルクセンサ21は、例えば、ステアリングシャフト12の中間部に介装されたトーションバー(図示略)の捩れ角度をレゾルバ等により検出し、この捩れ角に基づいて操舵ハンドル11からステアリングシャフト12に入力された操舵トルクTrを検出する。操舵トルクTrは、正負の値により操舵ハンドル11の操作方向が識別される。例えば、操舵ハンドル11の右方向への操舵時における操舵トルクTrを正の値で、操舵ハンドル11の左方向への操舵時における操舵トルクTrを負の値で示す。尚、本実施形態においては、トーションバーの捩れ角度をレゾルバにより検出するが、MRセンサ等の他の回転角センサにより検出することもできる。
また、操舵角センサ22は、操舵角θsを検出する。後述するように、操舵角については、操舵角センサ22より検出した検出舵角と、車輪速に基づいて計算により推定した推定操舵角とを用いるため、この操舵角センサ22により検出された操舵角θsを実舵角θsと呼ぶ。操舵角は、正負の値により操舵方向が識別され、例えば、中立位置に対して右方向の操舵角を正の値で、左方向の操舵角を負の値で示す。本実施形態においては、操舵角センサ22は、ステアリングシャフト12の回転角を検出するが、実舵角に対応する物理量であるモータ20の回転角や左右前輪Wfl,Wfrの切れ角などを検出するように構成してもよい。また、ラックバー14の軸線方向の変位ストロークを検出するように構成してもよい。
次に、アシストECU100について説明する。アシストECU100は、図2に示すように、モータ20の目標制御量を演算し、演算された目標制御量に応じたスイッチ駆動信号を出力する電子制御回路50と、電子制御回路50から出力されたスイッチ駆動信号にしたがってモータ20に通電するモータ駆動回路40とを含んで構成される。
モータ20としては、種々のものを採用することができる。例えば、DCブラシレスモータを使用する場合には、モータ駆動回路40としては3相インバータを使用すればよく、ブラシ付モータを使用する場合には、モータ駆動回路40としてはHブリッジ回路を使用するとよい。本実施形態においては、DCブラシレスモータを使用するものとして説明する。
電子制御回路50は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータと、各種の入出力インタフェースと、モータ駆動回路40にスイッチ駆動信号を供給するスイッチ駆動回路等を備えている。
電子制御回路50は、その機能に着目すると、目標アシストトルクTa*を計算する目標アシストトルク計算部70と、目標アシストトルクTa*に応じた電流がモータ20に流れるようにモータ通電量を計算してモータ通電量に応じたスイッチ駆動信号をモータ駆動回路40に出力するモータ制御部60とを備えている。各機能部における処理は、マイクロコンピュータにより、それぞれ所定の短い周期で繰り返し実行される。
目標アシストトルク計算部70は、正常時アシストトルク計算部71と、異常時アシストトルク計算部80と、異常検出部72と、制御切替部73とを備えている。正常時アシストトルク計算部71は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailを入力し、異常判定フラグFfailが「0」である場合に、目標アシストトルクTa1を計算し、異常判定フラグFfailが「1」である場合には、その計算処理を停止する演算ブロックである。異常時アシストトルク計算部80は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailを入力し、異常判定フラグFfailが「1」である場合に、目標アシストトルクTa2を計算し、異常判定フラグFfailが「0」である場合には、その計算処理を停止する演算ブロックである。
異常検出部72は、操舵トルクセンサ21の異常の有無を判定し、異常無しと判定している場合には、異常判定フラグFfailを「0」に設定し、異常有りと判定している場合には、異常判定フラグFfailを「1」に設定し、設定した異常判定フラグFfailを正常時アシストトルク計算部71と異常時アシストトルク計算部80と制御切替部73とに出力する。
制御切替部73は、正常時アシストトルク計算部71により計算された目標アシストトルクTa1と異常時アシストトルク計算部80により計算された目標アシストトルクTa2とを入力して、異常判定フラグFfailが「0」の場合には、目標アシストトルクTa1を選択し、異常判定フラグFfailが「1」の場合には、目標アシストトルクTa2を選択する。そして、選択した目標アシストトルクTa1(またはTa2)を目標アシストトルクTa*に設定して、目標アシストトルクTa*をモータ制御部60に出力する。
目標アシストトルク計算部70の各機能部の詳細については後述する。
モータ制御部60は、電流フィードバック制御部61とPWM信号発生部62とを備えている。電流フィードバック制御部61は、制御切替部73から出力された目標アシストトルクTa*を入力し、目標アシストトルクTa*をモータ20のトルク定数で除算することにより、目標アシストトルクTa*を発生させるために必要な目標電流I*を計算する。そして、モータ駆動回路40に設けられた電流センサ41により検出されるモータ電流Im(実電流Imと呼ぶ)を読み込み、目標電流I*と実電流Imとの偏差を計算し、この偏差を使った比例積分制御により実電流Imが目標電流I*に追従するように目標電圧V*を計算する。そして、目標電圧V*に対応したPWM制御信号(スイッチ駆動信号)をモータ駆動回路(インバータ)40のスイッチング素子に出力する。これにより、モータ20が駆動され、目標アシストトルクTa*に追従したアシストトルクがステアリング機構10に付与される。
尚、本実施形態においては、DCブラシレスモータを使用しているため、電流フィードバック制御部61は、モータ20に設けたモータ回転角センサ23により検出されるモータ回転角θmを入力し、このモータ回転角θmを電気角に変換して、電気角に基づいて目標電流の位相を制御する。
次に、目標アシストトルク計算部70の各機能部について詳細説明する。正常時アシストトルク計算部71は、車速センサ24により検出される車速Vxと、操舵トルクセンサ21により検出される操舵トルクTrとを入力して、図3に示す正常時アシストマップを参照して目標アシストトルクTa1を計算する。正常時アシストマップは、正常時アシストトルク計算部71に記憶されており、代表的な複数の車速Vxごとに、操舵トルクTrと目標アシストトルクTa1との関係を設定した関係付けデータであり、操舵トルクTrの大きさ(絶対値)が大きくなるほど大きくなり、かつ、車速Vxが大きくなるほど小さくなる目標アシストトルクTa1を設定する特性を有する。目標アシストトルクTa1は、操舵トルクTrの方向に働くように計算される。
尚、目標アシストトルクTa1の計算にあたっては、各種の補償トルクを目標アシストトルクTa1に付加するようにしてもよい。例えば、正常時アシストトルク計算部71は、操舵角センサ22により検出される実舵角θsを入力し、実舵角θsを時間で微分した操舵角速度ωに応じた補償トルクを付加するようにしてもよい。この場合、図13に示す摩擦補償トルクマップを参照して、ステアリング機構10における摩擦力分を補償する摩擦補償トルクを付加してもよいし、図14に示す摩擦粘性補償トルクマップを参照して、摩擦分に加えて粘性分を補償する摩擦粘性補償トルクを付加するようにしてもよい。また、これらの補償トルクを車速Vxに応じて切り替えるようにしてもよい。
正常時アシストトルク計算部71は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailが「0」である場合に、こうした計算処理を所定の短い周期で繰り返し実行し、計算結果である目標アシストトルクTa1を制御切替部73に出力する。
異常検出部72は、操舵トルクセンサ21の異常の有無を判定する。操舵トルクセンサ21は、ステアリングシャフト12の途中に設けられたトーションバーの捩れ角度を検出することにより操舵トルクを計算できるようにしたもので、トーションバーの一端の回転角度と他端の回転角度との角度差から捩れ角度を検出する。操舵トルクセンサ21は、回転角度を検出するためにレゾルバやMRセンサ等の回転角センサを備え、操舵トルクTrに対応する捩れ角度の計算値に加えて、回転角センサの検出信号もアシストECU100に出力する。尚、回転角センサの検出信号のみをアシストECU100に出力し、アシストECU100で操舵トルクを計算するようにしてもよい。
操舵トルクセンサ21に設けられた回転角センサは、回転角に応じた電圧信号を出力する。従って、出力信号の電圧値が適正範囲から外れている場合には、回転角センサに断線や短絡が発生したと考えられる。また、例えば、レゾルバのように出力電圧が正弦波状に周期的に変化する回転角センサを使用している場合には、出力電圧が一定値に固定されている場合等においても、断線や短絡が発生したと考えられる。
異常検出部72は、回転角センサの出力電圧に基づいて、上記のように操舵トルクセンサ21の異常を検出する(異常の有無を判定する)。そして、操舵トルクセンサ21の異常判定結果にしたがって、異常判定フラグFfailを「1」(異常あり)または「0」(異常なし)に設定する。
次に、異常時アシストトルク計算部80について説明する。上述した正常時アシストトルク計算部71は、操舵トルクTrに基づいて目標アシストトルクTa1を計算するが、操舵トルクセンサ21が故障した場合には、目標アシストトルクTa1を計算することができない。そこで、異常時アシストトルク計算部80は、操舵トルクセンサ21の異常が検出された場合に、正常時アシストトルク計算部71に代わって、目標アシストトルクTa2を計算する。
異常時アシストトルク計算部80は、図4に示すように、基本アシストトルク計算部81と、アシスト制限計算部82と、アシスト制限部83とを備えている。基本アシストトルク計算部81は、車速センサ24により検出される車速Vxと、操舵角センサ22により検出される実舵角θsとを入力し、図5に示す異常時基本アシストマップを参照して、基本アシストトルクTbaseを計算する。異常時基本アシストマップは、基本アシストトルク計算部81に記憶されており、代表的な複数の車速Vxごとに、実舵角θsと基本アシストトルクTbaseとの関係を設定した関係付けデータであり、実舵角θsの大きさ(絶対値)が大きくなるほど大きくなり、かつ、車速Vxが大きくなるほど大きくなる基本アシストトルクTbaseを設定する特性を有する。基本アシストトルクTbaseは、実舵角θsと同じ符号に設定される。従って、実舵角θsが右方向であれば、右操舵方向に働く基本アシストトルクTbaseが設定され、実舵角θsが左方向であれば、左操舵方向に働く基本アシストトルクTbaseが設定される。基本アシストトルク計算部81は、計算した基本アシストトルクTbaseをアシスト制限部83に出力する。
尚、基本アシストトルク計算部81は、基本アシストトルクTbaseの計算において、実舵角θsを時間で微分した操舵角速度ωに応じた補償トルクを、上記基本アシストトルクTbaseに付加する構成であってもよい。例えば、図13あるいは図14に示す補償トルクマップを記憶し、この補償トルクマップを参照して、摩擦補償トルクあるいは摩擦粘性補償トルクを付加するとよい。
アシスト制限計算部82は、推定舵角計算部821と、カットオフ周波数設定部822と、フィルタリング部823と、スリップ指標計算部824と、補正係数設定部825とから構成される。推定舵角計算部821は、左前輪車輪速センサ26により検出される左前輪車輪速Vflと、右前輪車輪速センサ27により検出される右前輪車輪速Vfrと、左後輪車輪速センサ28により検出される左後輪車輪速Vrlと、右後輪車輪速センサ29により検出される右後輪車輪速Vrrとを入力し、二通りの推定舵角を計算する。この二通りの推定舵角の一つは、左前輪車輪速Vflと右前輪車輪速Vfrとから計算される推定舵角θfであり、他の一つは、左後輪車輪速Vrlと右後輪車輪速Vrrとから計算される推定舵角θrである。以下、推定舵角θfを前輪側推定舵角θfと呼び、推定舵角θrを後輪側推定舵角θrと呼ぶ。
図6に示す車両旋回時における車輪速と旋回中心との幾何学的な関係から、前輪側推定舵角θfは、次式(1)により計算することができ、後輪側推定舵角θrは、次式(2)により計算することができる。ここでは、前輪側推定舵角θf,後輪側推定舵角θrは、ステアリングシャフト回りに換算した舵角としている。
Figure 0005751178
Gは予め設定されている舵角換算用のギヤ比(オーバーオールギヤ比)を表し、aは左右後輪Wrl,Wrrのトレッド、bは車両のホイールベースを表す。
推定舵角計算部821は、前輪側推定舵角θfと後輪側推定舵角θrとを使って、次式(3)により、推定舵角θeを計算する。
θe=k・θf+(1−k)θr ・・・(3)
ここで、kは、前輪側推定舵角θfと後輪側推定舵角θrとの重み付けを設定する重み付け係数であり、車両の駆動方式等によって設定される。また、例えば、推定舵角θeは、前輪側推定舵角θfと後輪側推定舵角θrとの平均値を用いるようにしてもよい(k=1/2)。
推定舵角計算部821は、計算した推定舵角θeをフィルタリング部823に出力する。車輪速センサ26〜29により検出される車輪速Vfl,Vfr,Vrl,Vrrには、路面入力による振動やセンサ自身のピッチ誤差等により、様々な周波数成分のノイズ(誤差も含める)が含まれている。そこで、フィルタリング部823は、推定舵角計算部821から出力された推定舵角θeを入力し、推定舵角θeに対してローパスフィルタ処理を行う。これにより、ノイズの少ない推定舵角を求めることができる。この場合、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を下げるほど、様々な周波数成分のノイズの除去能力が高まるが、一方で、推定舵角の計算値の位相遅れが大きくなってしまう。
推定舵角は、後述するように車輪のスリップ判定に使用される。車輪がスリップした場合は、路面からステアリング機構10に伝達されるセルフアライニングトルクが低下している状態のため、スリップしていないときと同じ力で操舵アシストを行うと過アシストとなり、操舵ハンドル11を切り過ぎやすくなってしまい、スリップを助長してしまう。そこで、本実施形態においては、後述するように、推定舵角と実舵角との偏差(舵角偏差)をスリップ指標に設定し、舵角偏差に基づいて車輪のスリップを検出した場合には、操舵アシストを制限してスリップを解消させるように作動する。
しかし、ローパスフィルタ処理により推定舵角の計算値の位相遅れが大きくなると、実舵角に対して推定舵角が遅れた値となり、両者の偏差であるスリップ指標が適正なものとならない。特に、左右輪の車輪速の差((Vfl−Vfr),(Vrl−Vrr))が速く変化する状況においては、スリップ指標の計算結果に大きな影響を与えてしまう。
そこで、アシスト制限計算部82には、左右輪の車輪速の差が速く変化するおそれの高い状況においては、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を高く設定し、左右輪の車輪速の差が速く変化するおそれの少ない状況においては、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を低く設定するように切り替えるカットオフ周波数設定部822が設けられている。
カットオフ周波数設定部822は、横加速度センサ30により検出される車両の横加速度Gyを表す信号と、ヨーレートセンサ31により検出される車両のヨーレートγを表す信号を入力する。横加速度Gy、ヨーレートγは、操舵角と同様に符号(正、負)により方向が識別される。
尚、車両の横加速度は、左右輪の車輪速Vfl,Vfrあるいは車輪速Vrl,Vrrから一義的に決まる。従って、カットオフ周波数設定部822は、横加速度センサ30の検出信号に代えて、車輪速センサ26〜29により検出される車輪速Vfl,Vfr,Vrl,Vrrを入力して、横加速度Gyを車輪速Vfl,Vfrあるいは車輪速Vrl,Vrrの関数(Gy=f(Vfl,Vfr)あるいはGy=f(Vrl,Vrr))を使って計算により取得するようにしてもよい。
また、車両のヨーレートについても、左右輪の車輪速Vfl,Vfrあるいは車輪速Vrl,Vrrから一義的に決まる。従って、カットオフ周波数設定部822は、ヨーレートセンサ31の検出信号に代えて、車輪速センサ26〜29により検出される車輪速Vfl,Vfr,Vrl,Vrrを入力して、車輪速Vfl,Vfrあるいは車輪速Vrl,Vrrの関数(γ=f(Vfl,Vfr)あるいはγ=f(Vrl,Vrr))を使ってヨーレートγを計算により取得するようにしてもよい。また、ヨーレートは、操舵角と車速とからも一義的に決まる。従って、カットオフ周波数設定部822は、ヨーレートセンサ31の検出信号に代えて、車速センサ24により検出される車速Vxと操舵角センサ22により検出される操舵角θsとを入力して、車速Vxと操舵角θsの関数(γ=f(Vx,θs))を使ってヨーレートγを計算により取得するようにしてもよい。
図7は、カットオフ周波数設定部822の実行するカットオフ周波数設定ルーチンを表す。カットオフ周波数設定ルーチンは、所定の短い周期にて繰り返し実行される。カットオフ周波数設定部822は、ステップS11において、操舵角センサ22により検出される実舵角θsと、横加速度センサ30により検出される横加速度Gyと、ヨーレートセンサ31により検出されるヨーレートγとを読み込む。続いて、ステップS12において、実舵角θsから操舵角速度ωを計算する。操舵角速度ωは、例えば、実舵角θsを時間で微分することにより求めることができる。
続いて、カットオフ周波数設定部822は、ステップS13において、操舵角速度ωの大きさ|ω|が基準値ωrefより大きい、あるいは、実舵角θsの大きさ|θs|が基準値θrefよりも大きいか否かを判断する。操舵角速度|ω|および実舵角|θs|は、ドライバーが操舵ハンドル11に入力した操舵入力状態量を表している。また、基準値ωref、基準値θrefは、左右の車輪速の差が速く変化するおそれの高い状況か否かを判定する判定基準値であって予め設定されている。
操舵入力状態量(|θs|あるいは|ω|)が基準値(ωrefあるいはθref)より大きい場合には、左右の車輪速の差が速く変化するおそれの高い状況にある。推定舵角θeは、左右の車輪速の差の関数として計算されるものであるため、左右の車輪速の差が速く変化する状況においては、そのローパスフィルタ処理による推定舵角の位相遅れを小さくする必要がある。そこで、カットオフ周波数設定部822は、操舵入力状態量(|θs|あるいは|ω|)が基準値(ωrefあるいはθref)より大きい場合には(S13:Yes)、ステップS14において、カットオフ周波数fcを予め設定した高側のカットオフ周波数fhighに設定する。
一方、操舵入力状態量(|θs|あるいは|ω|)が基準値(ωrefあるいはθref)以下となる場合(S13:No)には、カットオフ周波数設定部822は、ステップS15において、横加速度Gyの大きさ|Gy|が基準値Gyrefより大きい、あるいは、ヨーレートγの大きさ|γ|が基準値γrefよりも大きいか否かを判断する。横加速度|Gy|およびヨーレート|γ|は、車両出力状態量(車両挙動状態量)を表している。また、基準値Gyref、基準値γrefは、左右の車輪速の差が速く変化するおそれの高い状況か否かを判定する判定基準値であって予め設定されている。
車両出力状態量(|Gy|あるいは|γ|)が基準値(Gyrefあるいはγref)より大きい場合には、左右の車輪速の差が速く変化するおそれの高い状況にある。そこで、カットオフ周波数設定部822は、車両出力状態量(|Gy|あるいは|γ|)が基準値(Gyrefあるいはγref)より大きい場合には(S15:Yes)、その処理をステップS14に進めて、カットオフ周波数fcを予め設定した高側のカットオフ周波数fhighに設定する。
一方、車両出力状態量(|Gy|あるいは|γ|)が基準値(Gyrefあるいはγref)以下となる場合(S15:No)には、左右の車輪速の差が速く変化するおそれの少ない状況にある。この場合には、カットオフ周波数設定部822は、ステップS16において、カットオフ周波数fcを予め設定した低側のカットオフ周波数flow(<fhigh)に設定する。
カットオフ周波数設定部822は、ステップS14あるいはステップS16においてカットオフ周波数fcを設定すると、設定したカットオフ周波数fcをフィルタリング部823に出力してカットオフ周波数設定ルーチンを一旦終了する。そして、所定の演算周期にて上述した処理を繰り返す。
フィルタリング部823は、推定舵角計算部821から出力された推定舵角θeと、カットオフ周波数設定部822から出力されたカットオフ周波数fcとを入力し、カットオフ周波数fcに基づいて、次式(4),(5)に示す伝達関数H(s)によって表される1次のローパスフィルタを設定する。
Figure 0005751178
ここで、sはラプラス演算子を表す。
フィルタリング部823は、ローパスフィルタH(s)を用いて、推定舵角θeをフィルタ処理する。推定舵角θeをフィルタ処理した後の値を推定舵角θe_filと呼ぶ。フィルタ後の推定舵角θe_filは、例えば、次式(6)により計算することができる。
θe_fil(n)=bθe(n)+bθe(n-1)+bθe(n-2)
−aθe_fil(n-1)−aθe_fil(n-2) ・・・(6)
ここでa,a,b,b,bは、ローパスフィルタH(s)の離散化係数である。また、末尾の(n)は今回の演算値、(n-1)は1回前(1演算周期前)の演算値,(n-2)は2回前(2演算周期前)の演算値を表す。
フィルタリング部823は、計算した推定舵角θe_filをスリップ指標計算部824に出力する。スリップ指標計算部824は、操舵角センサ22により検出される実舵角θsと、フィルタリング部823から出力された推定舵角θe_filとを入力し、実舵角θsと推定舵角θe_filとの偏差である舵角偏差|Δθ|を次式(7)により計算する。
|Δθ|=|θe_fil−θs| ・・・(7)
前後左右輪の何れかにスリップが発生していると、舵角偏差|Δθ|が大きくなる。また、この舵角偏差|Δθ|が大きいほどスリップの程度が大きい。従って、スリップ指標計算部824は、この舵角偏差|Δθ|を、車輪のスリップの程度を表すスリップ指標として設定する。スリップ指標計算部824は、舵角偏差|Δθ|を補正係数設定部825に出力する。
補正係数設定部825は、図8に実線にて示す補正係数マップを参照して、舵角偏差|Δθ|に対応する補正係数Caを計算する。補正係数マップは、補正係数設定部825に記憶されており、舵角偏差|Δθ|が基準値Δθ1以下となる範囲においては、補正係数Caを1に設定し(Ca=1.0)、舵角偏差|Δθ|が基準値Δθ1を超える範囲において、舵角偏差|Δθ|が大きくなるほど小さくなる補正係数Caを設定する特性を有している。補正係数設定部825は、計算した補正係数Caをアシスト制限部83に出力する。
アシスト制限部83は、基本アシストトルク計算部81から出力された基本アシストトルクTbaseと、補正係数設定部825から出力された補正係数Caを入力し、図9に示すアシスト制限ルーチンを実行する。アシスト制限部83は、ステップS21において、基本アシストトルクTbaseに補正係数Caを乗算することにより、目標アシストトルクTa2を求める(Ta2=Ca×Tbase)。続いて、ステップS22において、目標アシストトルクTa2が上限値Ta2maxよりも大きいか否かを判断する。
アシスト制限部83は、目標アシストトルクTa2が上限値Ta2maxよりも大きい場合(S22:Yes)には、ステップS23において、目標アシストトルクTa2を上限値Ta2maxに変更する(Ta2←Ta2max)。つまり、目標アシストトルクTa2を上限値Ta2maxにまで低下させる。一方、目標アシストトルクTa2が上限値Ta2max以下である場合には、ステップS23の処理をスキップする。この上限値Ta2maxは、フェールセーフを考慮して予め設定された値である。アシスト制限部83は、アシスト制限ルーチンを所定の周期で繰り返し実行し、計算した目標アシストトルクTa2を制御切替部73に出力する。これにより、モータ制御部60においては、車輪のスリップ状態に応じて制限された目標アシストトルクTa*(=Ta2)にしたがって操舵アシスト制御が実行される。
以上説明した電動パワーステアリング装置1によれば、操舵トルクセンサ21が故障した場合であっても、正常時アシストトルク計算部71に代わって異常時アシストトルク計算部80が目標アシストトルクTa*を計算するため、操舵アシストを継続することができる。この場合、異常時アシストトルク計算部80においては、車速Vxと実舵角θsとに基づいて基本アシストトルクTbaseを設定し、更に、実舵角θsと推定舵角θe_filとの偏差である舵角偏差|Δθ|をスリップ指標として計算し、舵角偏差|Δθ|が大きくなるにしたがって操舵アシストが小さくなるような目標アシストトルクTa*を計算する。これにより、車輪のスリップが発生したときには、操舵アシストを制限して過アシストによる操舵ハンドル11の切り過ぎを防止して、適切な操舵アシストを実施することができる。
また、推定舵角θe_filの計算にあたっては、操舵入力状態(|θs|あるいは|ω|)が基準値(ωrefあるいはθref)より大きい場合、あるいは、車両出力状態量(|Gy|あるいは|γ|)が基準値(Gyrefあるいはγref)より大きい場合には、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを高側のカットオフ周波数fhighに設定し、操舵入力状態が基準値以下で、かつ、車両出力状態量が基準値以下となる場合には、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを低側のカットオフ周波数flowに設定する。つまり、ローパスフィルタ処理により推定舵角θe_filの位相遅れが大きくなりやすい状況においては、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを高く設定して、推定舵角θe_filの位相遅れを最小限に抑え、ローパスフィルタ処理により推定舵角θe_filの位相遅れが大きくならないような状況においては、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを低く設定してノイズを確実に除去する。
ここで、本実施形態の作用効果を比較例を使って説明する。車輪速に含まれるノイズによる誤補正を防止するためには、図8に破線で示すように、大きな不感帯を設けた補正係数マップを使用すれば、ローパスフィルタ処理を行わなくても、実舵角θsと推定舵角θeとの偏差|Δθ|をスリップ指標として使用してアシスト制限をすることができる(比較例)。しかし、このように構成した比較例においては、舵角偏差|Δθ|が基準値Δθ2を超えないあいだは、補正係数Caが低減されないため、操舵アシストの制限が遅れたり、操舵アシストの制限が不十分となったりする可能性がある。そこで、比較例においては、過アシストを防止するために、目標アシストトルクTa2の上限値Ta2maxを最初から小さな値に設定しておく必要がある。この場合には、ドライ路面の走行中など、大きな操舵アシストトルクが必要となる状況において十分な操舵アシストが得られないため、ドライバーの操舵力負担が大きくなる。
一方、ローパスフィルタ処理によりノイズを除去する場合には、フィルタ処理後の推定舵角θe_filに位相遅れが発生する。特に、ノイズ除去を確実にするためにローパスフィルタのカットオフ周波数fcを低く設定すると、位相遅れが大きくなってしまい、図10に示すように、位相遅れの影響により本来の推定舵角とフィルタ処理後の推定舵角とのあいだに大きな誤差が発生してしまう。従って、車両の旋回速度が速い場合などにおいて、推定舵角を正しく算出することができなくなる。この結果、適正なスリップ指標が得られなくなり、操舵アシストの制限を適正に実行することができなくなる。
これに対して本実施形態によれば、上述したように、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを操舵入力状態量および車両出力状態量に応じて可変するため、スリップ指標である舵角偏差|Δθ|の誤差が低減される。これにより、基本アシストトルクTbaseを適正に補正することができる。また、舵角偏差|Δθ|の誤差が低減されることから、補正係数マップにおける不感帯を小さく設定することができる(図8参照)。これに伴って、車輪のスリップ時に適正に操舵アシストを制限することができるため、目標アシストトルクTa2の上限値Ta2maxを大きな値に設定しておくことができる。従って、ドライ路面の走行中など、大きな操舵アシストトルクが必要となる状況において十分な操舵アシストが得られ、ドライバーの操舵力負担が軽減される。
このように、本実施形態の電動パワーステアリング装置1によれば、推定舵角のフィルタ処理による位相遅れの影響を小さくすることとノイズ除去性能とを良好にバランスさせることができ、車輪のスリップの検出精度が向上し、操舵アシストの制限を適正に行うことができる。
以上、本実施形態にかかる電動パワーステアリング装置1について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数fcを高低2段階に切り替えているが、例えば、図11に示すように、操舵入力状態量および車両出力状態量に応じて3段階以上に段階的に切り替えるようにしてもよい。また、図12に示すように、操舵入力状態量および車両出力状態量に応じてリニアに可変するようにしてもよい。何れの場合にも、カットオフ周波数fcは、操舵入力状態量および車両出力状態量が大きくなるほど高くなるように設定すればよい。また、状態量に応じたカットオフ周波数fcが同時に複数算出された場合には、そのうちの任意の1つ(例えば、最大値)を選択するようにしてもよいし、組み合わせて計算(例えば、平均計算)するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、スリップ検出時に操舵アシストを制限する手法として、基本アシストトルクTbaseに補正係数Caを乗じるようにしているが、操舵アシストの制限については、目標アシストトルクTa*の上限値Ta2maxを低減させることにより実施することもできる。例えば、補正係数設定部825に代えて上限値設定部825を設ける。上限値設定部825は、図15に示すような上限値マップを記憶し、この上限値マップを参照して、舵角偏差|Δθ|に対応する上限値Ta2maxを計算する。この上限値マップは、舵角偏差|Δθ|が基準値Δθ1以下となる範囲においては、上限値Ta2maxを基本上限値Ta2max0(スリップが検出されていないときの上限値)に設定し、舵角偏差|Δθ|が基準値Δθ1を超える範囲において、舵角偏差|Δθ|が大きくなるほど小さくなる上限値Ta2maxを設定する特性を有している。上限値設定部825は、計算した上限値Ta2maxをアシスト制限部83に出力する。アシスト制限部83は、基本アシストトルクTbaseと上限値Ta2maxとを比較し、基本アシストトルクTbaseが上限値Ta2maxを越えない場合には、基本アシストトルクTbaseを目標アシストトルクTa2に設定し(Ta2←Tbase)、基本アシストトルクTbaseが上限値Ta2maxを越えている場合には、上限値Ta2maxを目標アシストトルクTa2に設定する(Ta2←Ta2max)。従って、舵角偏差|Δθ|に応じて適正に操舵アシストを制限することができる。
また、本実施形態においては、操舵入力状態量として操舵角θsと操舵角速度ωとを取得し、それらの少なくとも一つが基準値を越えている場合には、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを高く設定するが、操舵入力状態量として実舵角θsあるいは操舵角速度ωの何れか一方を取得する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、車両出力状態量として横加速度Gyとヨーレートγとを取得し、それらの少なくとも一つが基準値を越えている場合には、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを高く設定するが、車両出力状態量として横加速度Gyあるいはヨーレートγの何れか一方を取得する構成であってもよい。また、計算によりヨーレートを取得する場合には、車輪速Vfl,Vfrあるいは車輪速Vrl,Vrrから計算した第1演算ヨーレートと、車速Vxと操舵角θsとから計算した第2演算ヨーレートの何れを取得しても良い。また、第1演算ヨーレートと第2演算ヨーレートの両方を取得して、少なくとも一方の演算ヨーレートが基準値を超えている場合には、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数fcを高く設定する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、前輪側推定舵角θfと後輪側推定舵角θrとを計算し、この2つの推定舵角θf,θrに基づいて推定舵角θeを計算する構成であるが、何れか一方の推定舵角、つまり、前輪の車輪速Vfl,Vfrから計算した前輪側推定舵角θf、あるいは、後輪の車輪速Vrl,Vrrから計算した後輪側推定舵角θrを推定舵角θeに設定する構成であってもよい。この場合には、4輪の車輪速を取得する必要はなく、前輪側あるいは後輪側の車輪速を取得すればよい。また、前輪側推定舵角θfと後輪側推定舵角θrとを計算し、何れか一方を選択するようにしてもよい。例えば、前輪側推定舵角θfと実舵角θsとの舵角偏差と、後輪側推定舵角θrと実舵角θsとの舵角偏差とを計算し、大きい方の舵角偏差をスリップ指標として設定するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、推定舵角θe_filを計算するにあたって、推定舵角計算部821から出力された推定舵角θeに対してローパスフィルタ処理を行っているが、ローパスフィルタ処理は、車輪速センサ26〜29により検出された車輪速Vfl,Vfr,Vrl,Vrrに対して行うようにしてもよい。この場合には、推定舵角計算部821の入力側にフィルタリング部823を設ける。フィルタリング部823は、カットオフ周波数設定部822により設定されたカットオフ周波数fcに応じたローパスフィルタH(s)を使って、車輪速Vfl,Vfr,Vrl,Vrrに対してローパスフィルタ処理を行い、ローパスフィルタ処理後の車輪速Vfl_fil,Vfr_fil,Vrl_fil,Vrr_filを推定舵角計算部821に出力する。推定舵角計算部821は、車輪速Vfl_fil,Vfr_fil,Vrl_fil,Vrr_filに基づいて推定舵角θe_filを計算する。
また、本実施形態においては、操舵トルクの代替パラメータとして実舵角θsを用いて基本アシストトルクTbaseを計算しているが、実舵角θsに代えて推定舵角を用いることもできる。また、操舵トルクの代替パラメータとして舵角を用いずに、車両に働く横加速度を用いることもできる。この場合、横加速度が大きくなるほど大きくなる目標操舵アシスト量(例えば、基本アシストトルクTbase)を設定するとよい。横加速度は、センサにより検出してもよいし演算により求めるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、舵角偏差|Δθ|が基準値Δθ1を超える範囲において、補正係数Caを舵角偏差|Δθ|の増加にともなってリニアに低下させるようにしているが、これに代えて、補正係数Caを段階的に低下させる構成であってもよい。例えば、補正係数Caを舵角偏差|Δθ|の増加にともなって二段階に変化させるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、車速センサ24、操舵角センサ22、車輪速センサ26〜29、横加速度センサ30,ヨーレートセンサ31を備えて、車速、実舵角、車輪速、横加速度、ヨーレートを検出しているが、これらのセンサを備えずに、車両内に設けられた他の車両ECU(例えば、車両姿勢制御ECU)が検出した車速、実舵角、車輪速、横加速度、ヨーレートを表す情報を通信ラインを介して取得するようにしてもよい。また、横加速度、ヨーレートについては、上述したように計算により取得するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、モータ20の発生するトルクをステアリングシャフト12に付与するコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置について説明したが、モータの発生するトルクをラックバー14に付与するラックアシスト式の電動パワーステアリング装置であってもよい。
1…電動パワーステアリング装置、10…ステアリング機構、11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、20…モータ、21…操舵トルクセンサ、22…操舵角センサ、24…車速センサ、26〜29…車輪速センサ、30…横加速度センサ、31…ヨーレートセンサ、40…モータ駆動回路、50…電子制御回路、60…モータ制御部、70…目標アシストトルク計算部、71…正常時アシストトルク計算部、72…異常検出部、73…制御切替部、80…異常時アシストトルク計算部、81…基本アシストトルク計算部、82…アシスト制限計算部、83…アシスト制限部、821…推定舵角計算部、822…カットオフ周波数設定部、823…フィルタリング部、824…スリップ指標計算部、825…補正係数設定部、100…電子制御ユニット(アシストECU)、Ffail…異常判定フラグ、Ta*…目標アシストトルク、Ta1…目標アシストトルク、Ta2…目標アシストトルク、Tr…操舵トルク、θs…操舵角(実舵角)、Vx…車速、Vfl…左前輪車輪速、Vfr…右前輪車輪速、Vrl…左後輪車輪速、Vrr…右後輪車輪速、Gy…横加速度、γ…ヨーレート、ω…操舵角速度、θf…前輪側推定舵角、θr…後輪側推定舵角、θe…推定舵角(フィルタ処理前)、θe_fil…推定舵角(フィルタ処理後)、|Δθ|…舵角偏差(スリップ指標)、Ca…補正係数、Tbase…基本アシストトルク、fc…カットオフ周波数。

Claims (1)

  1. 操舵ハンドルからステアリングシャフトに入力された操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、
    ステアリング機構に設けられて操舵アシストトルクを発生するモータと、
    前記操舵トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、
    前記操舵トルクセンサの異常が検出されていない場合は、前記操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて目標操舵アシスト制御量を設定し、前記操舵トルクセンサの異常が検出されている場合は、前記操舵トルクとは異なる代替パラメータを使って目標操舵アシスト制御量を設定する制御量設定手段と、
    前記制御量設定手段により設定された前記目標操舵アシスト制御量に従って前記モータを駆動制御するモータ制御手段と
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前輪側と後輪側との少なくとも一方側の左右輪の車輪速を取得し、取得した車輪速に基づいて操舵角を推定した推定舵角をローパスフィルタ処理を介在させて計算する推定舵角計算手段と、
    実際の操舵角あるいは操舵角速度の少なくとも一方を操舵入力状態量として取得する操舵入力状態量取得手段と、
    車両の横加速度あるいはヨーレートの少なくとも一方を車両出力状態量として取得する車両出力状態量取得手段と、
    前記操舵入力状態量取得手段が取得した操舵入力状態量と前記車両出力状態量取得手段が取得した車両出力状態量との両方に基づいて、前記操舵入力状態量の大きさが基準入力値より大きいあるいは前記車両出力状態量の大きさが基準出力値より大きいという条件を満たしている場合には、前記条件を満たしていない場合に比べて、前記ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を高く設定するカットオフ周波数設定手段と、
    実際の操舵角を取得し、前記実際の操舵角と前記推定舵角との偏差を車輪のスリップ指標として計算するスリップ指標計算手段と、
    前記操舵トルクセンサの異常が検出されて前記操舵トルクとは異なる代替パラメータを使って目標操舵アシスト制御量が設定される場合、前記スリップ指標計算手段により設定されたスリップ指標の増加に伴って前記目標操舵アシスト制御量が小さくなるように前記目標操舵アシスト制御量を制限するアシスト制限手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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