JP5750485B2 - ドラム式変速駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シフトドラムの回動によりシフトフォークを移動して変速機の変速を行わせるドラム式変速駆動装置に関する。
ドラム式変速駆動装置は、変速機の変速を行わせるのに一般的に採用されているものである(例えば、特許文献1参照)。
特許第2515989号公報
特許文献1に開示されたドラム式変速駆動装置は、シフトフォークシャフトに摺動可能に軸支されたシフトフォークが、シフトドラムの回動によりフォーク案内溝に案内されて軸方向に移動することで、シフトフォークが係合する変速機のシフタ部材を移動して変速駆動する一般的構造のものである。
変速機のシフタ部材は、変速機軸にスプライン嵌合して軸方向に移動可能であるが、相対回転は不能で変速機軸と一体に回転する。
変速機軸に回転自在に軸支される変速歯車がシフタ部材に対向して、両者間にドグクラッチが構成されている。
シフトドラムの回動によりシフトフォークを介してシフタ部材が移動したとき、対向する変速歯車との間でドグクラッチが直ぐに噛み合う場合もあれば、両者のクラッチ歯どうしが当接して直ぐには噛み合わず両者の相対回転後に噛み合う場合もある。
そこで、シフタ部材を変速歯車側に付勢するバネを設けるとともに、シフトドラムの案内溝に遊び空間を形成し、クラッチ歯どうしが当接したときにバネで付勢した状態でシフタ部材の位置を維持してドグクラッチの噛み合いを待ち、噛み合い可能となったときに、バネ荷重により一気にドグクラッチを噛み合わせて変速を行う、所謂ロストモーション機構が備えられている。
したがって、シフトフォークにはロストモーションバネによる付勢力が常に作用しているため、シフトドラムの案内溝に摺動自在に係合するシフトフォークの係合ピン部が案内溝の一方の壁面に常時押圧されている状態にあり、よってシフトドラムの回転フリクションとなって、シフト時の操作荷重が増加して円滑なシフト操作が妨げられている。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ロストモーションバネによるシフトドラムの回転フリクションを小さくしてシフト時の操作荷重を軽減し、より円滑なシフト操作を可能とするドラム式変速駆動装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
シフトフォークシャフト(81)に摺動可能に軸支されたシフトフォーク(83)の係合ピン部(83p)がシフトドラム(100)の外周面のフォーク案内溝(101c)に摺動自在に係合し、前記シフトドラム(100)の回動により前記シフトフォーク(83)が前記フォーク案内溝(101c)に案内されて軸方向に移動することで、前記シフトフォーク(83)が係合する変速機のシフタ部材(48)を移動して変速駆動するドラム式変速駆動装置において、
前記シフトフォークシャフト(81)は、機関ケース(40f,40r)に軸方向に移動自在に支持され、
前記シフトフォークシャフト(81)にシャフトピン(84)が前記シフトドラム(100)に向けて突設され、
前記シフトドラム(100)には、前記シャフトピン(84)が摺動自在に係合するシャフト案内溝(101r)が形成され、
前記シフトフォークシャフト(81)に固定された係止部材(84,85)により前記シフトフォーク(83)から離れる軸方向の相対移動を規制されたバネ受け部材(91)が前記シフトフォークシャフト(81)に軸支され、
前記バネ受け部材(91)と前記シフトフォーク(83)との間にロストモーションバネ(90)が介装され、
前記シフトドラム(100)の回動に伴う前記シフトフォークシャフト(81)の軸方向の移動が前記係止部材(84,85)を介して前記バネ受け部材(91)を押圧することで、前記ロストモーションバネ(90)のバネ荷重が前記シフトフォーク(83)に作用することを特徴とするドラム式変速駆動装置である。
請求項2記載の発明は、
シフトフォークシャフト(81)に摺動可能に軸支されたシフトフォーク(83)の係合ピン部(83p)がシフトドラム(100)の外周面のフォーク案内溝(101r)に摺動自在に係合し、前記シフトドラム(100)の回動により前記シフトフォーク(83)が前記フォーク案内溝(101r)に案内されて軸方向に移動することで、前記シフトフォーク(83)が係合する変速機(Ts)のシフタ部材(48)を移動して変速駆動するドラム式変速駆動装置において、
前記シフトフォークシャフト(81)は、機関ケース(40f,40r)に軸方向に移動自在に支持され、
前記シフトフォークシャフト(81)にシャフトピン(84)が前記シフトドラム(100)に向けて突設され、
前記シフトドラム(100)には、前記シャフトピン(84)が摺動自在に係合するシャフト案内溝(101c)が形成され、
前記シフトフォークシャフト(81)に固定された一側係止部材(96)により前記シフトフォーク(83)から離れる軸方向の相対移動を規制された一側バネ受け部材(94)が前記シフトフォークシャフト(81)に軸支され、
前記シフトフォークシャフト(81)に前記シフトフォーク(83)と前記一側係止部材(96)との間で固定された他側係止部材(97)により前記シフトフォーク(83)に近づく軸方向の相対移動を規制された他側バネ受け部材(95)が前記シフトフォークシャフト(81)に軸支され、
前記一側バネ受け部材(94)と前記他側バネ受け部材(95)との間にロストモーションバネ(93)が圧縮されて介装され、
前記シフトドラム(100)の回動に伴う前記シフトフォークシャフト(81)の軸方向の移動が前記一側係止部材(96)を介して前記一側バネ受け部材(94)を押圧することで、前記ロストモーションバネ(93)のバネ荷重が前記他側バネ受け部材(95)を介して前記シフトフォーク(83)に作用することを特徴とするドラム式変速駆動装置である。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のドラム式変速駆動装置において、
前記他側係止部材(97)は、前記シフトフォークシャフト(81)を直交するように貫通して固定されて両端を僅かに突出するストッパピン(97)であり、
前記他側バネ受け部材(95)は、前記ストッパピン(97)の長さに略等しい内径の円筒形状をなして前記シフトフォークシャフト(81)に遊嵌して前記ストッパピン(97)を覆い、
前記ロストモーションバネ(93)は前記他側バネ受け部材の円筒外周を覆うロストモーションコイルバネ(93)であり、
前記他側バネ受け部材(95)の円筒の一端開口の縮径部(95r)が前記ストッパピン(97)に係止され、他端開口の拡径部(95f)が前記ロストモーションコイルバネ(93)を受けることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のドラム式変速駆動装置において、
前記シフトフォークシャフト(81)上で、前記シフトフォーク(83)に関して前記シャフトピン(84)と反対側に前記ロストモーションバネ(93)が設けられ、
前記シャフトピン(84)と前記シフトフォーク(83)との間に第2のロストモーションバネ(90)が介装されることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2記載のドラム式変速駆動装置において、
前記シフトフォークシャフト(81)上で、前記シャフトピン(84)に関して前記シフトフォーク(83)と反対側に第2のシフトフォーク(82)が設けられ、
前記第2のシフトフォーク(82)に関して前記シャフトピン(84)と反対側にロストモーションバネ(86)を配設することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のドラム式変速駆動装置において、
走行用に常に使用する主変速機(Tm)と同主変速機(Tm)の出力を切り換えて最終出力にする副変速機(Ts)が内燃機関(E)に組み合わされて構成される動力伝達装置(20)における前記副変速機(Ts)に、前記ドラム式変速駆動装置が設けられることを特徴とする。
請求項1記載のドラム式変速駆動装置によれば、シフトドラム(100)の回動によりシャフト案内溝(101c)に案内されてシフトフォークシャフト(81)が軸方向に移動することで、バネ受け部材(91)を介してロストモーションバネ(90)のバネ荷重がシフトフォーク(83)に作用するので、常時バネの荷重がシフトフォーク(83)に作用してシフトフォーク(83)の係合ピン部(83p)が常時案内溝(101r)の一方の壁面に押圧されることを回避することができ、シフトドラム(100)の回転フリクションを極力小さくしてシフト時の操作荷重を軽減し、より円滑なシフト操作を実現することができる。
請求項2記載のドラム式変速駆動装置によれば、シフトドラム(100)の回動によりシャフト案内溝(101c)に案内されてシフトフォークシャフト(81)が軸方向に移動し、このシフトフォークシャフト(81)の移動が一側係止部材(96)を介して一側バネ受け部材(94)を押圧することで、ロストモーションバネ(93)のバネ荷重が他側バネ受け部材(95)を介してシフトフォーク(83)に作用するので、常時バネ荷重がシフトフォーク(83)に作用してシフトフォーク(83)の係合ピン部(83p)が常時案内溝(101r)の一方の壁面に押圧されることを回避することができ、シフトドラム(100)の回転フリクションを極力小さくしてシフト時の操作荷重を軽減し、より円滑なシフト操作を実現することができる。
シフトフォークシャフト(81)に互いに離れる方向の軸方向の相対移動を規制された一側バネ受け部材(94)と他側バネ受け部材(95)との間にロストモーションバネ(93)が圧縮されて介装されているので、シフトフォークシャフト(81)が軸方向に移動しないときは、ロストモーションバネ(93)のバネ荷重がシフトフォーク(83)に全く作用しないようにすることができ、シフトフォークシャフト(81)が軸方向に移動したときは、所要のバネ荷重が即時にシフトフォーク(83)に作用可能に設定して、より円滑で確実な変速が実現できる。
また、シフトフォークシャフト(81)上で互いに離れる方向の軸方向の相対移動が規制された一側バネ受け部材(94)と他側バネ受け部材(95)との間にロストモーションバネ(93)を圧縮して介装する構造とすることで、シフトフォークシャフト(81)にロストモーション機構を小組みしておくことができ、ドラム式変速駆動装置(80)の組立て性の向上を図ることができる。
請求項3記載のドラム式変速駆動装置によれば、他側バネ受け部材(95)は、ストッパピン(97)の長さに略等しい内径の円筒形状をなしてシフトフォークシャフト(81)に遊嵌してシフトフォークシャフト(81)を直交するように貫通して固定されるストッパピン(97)を覆い、他側バネ受け部材(95)の円筒の一端開口の縮径部(95r)がストッパピン(97)に係止され、他端開口の拡径部(95f)がロストモーションコイルバネ(93)を受けるので、シフトフォークシャフト(81)の一部外周を円筒形状の他側バネ受け部材(95)が覆い、他側バネ受け部材(95)の外周をロストモーションコイルバネ(93)が覆う2重の筒構造でコンパクトにロストモーション機構が構成されているため、ドラム式変速駆動装置(80)の小型化を図ることができる。
また、シフトフォークシャフトへのロストモーション機構の小組みも簡単に行え、組立て性が良い。
請求項4記載のドラム式変速駆動装置によれば、シフトフォークシャフト(81)上でシフトフォーク(83)に関してシャフトピン(84)と反対側に前記ロストモーションバネ(93)が設けられ、シャフトピン(84)とシフトフォーク(83)との間に第2のロストモーションバネ(90)が介装されるので、シフトフォークシャフト(81)を中立位置から軸方向両側の位置に移動するときに、各側においてシフト時の操作荷重を軽減しながら第1のロストモーションバネ(93)と第2のロストモーションバネ(90)がそれぞれロストモーション機能を果たすことができ、少ない部品点数で中立位置を含む3つのシフトポジションを容易に構成することが可能である。
請求項5記載のドラム式変速駆動装置によれば、シフトフォークシャフト(81)上でシャフトピン(84)に関してシフトフォーク(83)と反対側に第2のシフトフォーク(82)が設けられ、第2のシフトフォーク(82)に関してシャフトピン(84)と反対側にロストモーションバネ(86)を配設するので、1本のシフトフォークシャフト(81)に2つのシフトフォーク(83, 82)を支持して、複数のシフトポジションを構成することができるドラム式変速駆動装置(80)を、良好な組付け性を維持して少ない部品点数でコンパクトに小型化して実現することができる。
請求項6記載のドラム式変速駆動装置によれば、走行用に常に使用する主変速機(Tm)と同主変速機(Tm)の出力を切り換えて最終出力にする副変速機(Ts)が内燃機関(E)に組み合わされて構成される動力伝達装置(20)における前記副変速機(Ts)に、前記ドラム式変速駆動装置が設けられるので、最終減速段の周速差の少ない副変速機(Ts)の歯車のシフト変換が素早くできて使い勝手を良好にして乗り心地を向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係るパワーユニットを搭載した不整地走行用車両の全体側面図である。 同パワーユニットの全体斜視図である。 同パワーユニットの前面図である。 前側副変速機ケースを外した副変速機の前面図である。 同パワーユニットの動力伝達系の全体を示す動力伝達装置の断面展開図である。 副変速機の断面展開図(図4のVI−VI線断面図)である。 副変速機のニュートラル状態の要部拡大断面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 シフトドラムのドラム本体の外周面を展開した図である。 副変速機のニュートラル状態から高速前進状態に移行する途中の要部断面図である。 副変速機の高速前進状態の要部断面図である。 副変速機の高速前進状態から低速前進状態に移行する途中の要部断面図である。 副変速機の低速前進状態の要部断面図である。 副変速機のニュートラル状態から後進状態に移行する途中の要部断面図である。 副変速機の後進状態の要部断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図15に基づいて説明する。
本実施の形態に係る車両用パーキングブレーキ装置を備えた不整地走行用車両1の側面図を、図1に示す。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る不整地走行用車両1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとする。
図1を参照して、不整地走行用車両1は、不整地用の低圧のバルーンタイヤが装着される前輪2,2と後輪3,3がそれぞれ左右一対車体フレーム5の前後に懸架されている。
車体フレーム5の前後中央位置に、パワーユニットPが内燃機関Eのクランク軸21を前後方向に指向させて搭載されており、パワーユニットPの出力軸(変速従動軸)51が前後に突出しており、同出力軸51の回転動力は、出力軸51の前端から前ドライブシャフト6および前差動装置7を介して左右の前輪2,2に伝達され、後端から後ドライブシャフト8および後差動装置9を介して左右の後輪3,3に伝達される。
なお、前差動装置7および後差動装置9は、デフロック機構が付加されており、前差動装置7には前輪への動力伝達を断接して2輪駆動と4輪駆動の切換えを行うクラッチが組み込まれている。
パワーユニットPの上方を前シート11が左右に3席並んで配置され、車体フレーム5の後部に後シート12が左右に2席配置されている。
前シート11の中央の席が運転席であり、若干左右の席より前方に出ている。
左側の運転席の前方にステアリングコラム14から突出して操舵ハンドル15が設けられている。
ステアリングコラム14の近傍の操作パネル130には、シフト操作レバー120が配設されている。
前シート11と後シート12の上方はルーフ16が覆っている。
この不整地走行用車両1に搭載されるパワーユニットPは、直列2気筒の水冷式4ストロークの内燃機関Eに主変速機Tmと副変速機Tsが組み合わされて動力伝達装置20が構成されている。
そして、パワーユニットPは、内燃機関Eのクランク軸21を車体前後方向に指向させた所謂縦置きの姿勢で、車体フレーム5に搭載されている。
図1に示すように、前記シフト操作レバー120からはシフトケーブル121とパーキングケーブル122が延出しており、シフトケーブル121は、副変速機Tsの前方に突出したシフトスピンドル101に基端を嵌着されたシフト作動レバー100の先端に結合される(図3参照)。
一方、パーキングケーブル122は、車体後方に延び、後差動装置9に付加されたデフロック機構の作動部に結合されている。
図2および図3を参照して、パワーユニットPは、内燃機関Eのクランク軸21を軸支するクランクケース22の斜め右上方にシリンダブロック23,シリンダヘッド24,シリンダヘッドカバー25が順次重ねられて突出している。
クランクケース22は右方に膨出して主変速機Tmを収容する主変速機ケース22tを構成している。
この主変速機Tmは、内燃機関Eのクランク軸21の右方に位置し、主変速機Tmの前方に略重なって副変速機Tsが突設されている。
本動力伝達装置20の全体を図5に断面図で示す。
内燃機関Eのシリンダブロック23には、2本のシリンダが前後直列に並んで形成され、各シリンダボア内を往復摺動するピストン26とクランク軸21とをコンロッド27が連結して、ピストン26の往復動をクランク軸21の回転に変換して出力する。
前後方向に指向するクランク軸21の前端部にプライマリ駆動歯車28が嵌着されている。
クランク軸21の右方に位置する主変速機Tmのメイン軸31は、長尺のメイン軸内筒31aの外周にメイン軸外筒31bとクラッチ部外筒31cが左右に並んで回転自在に嵌合して構成されている。
メイン軸31には6個の駆動変速歯車31gが設けられ、カウンタ軸32には駆動変速歯車31gに対応して、これらと常時噛み合う6個の被動変速歯車32gが設けられている。
奇数変速段の駆動変速歯車31gはメイン軸内筒31aに、偶数変速段の駆動変速歯車31gはメイン軸外筒31bに設けてある。
第1クラッチ30aと第2クラッチ30bとからなる一対のツインクラッチ30はクラッチ部外筒31c上に構成されており、クラッチ部外筒31cの中央にプライマリ従動歯車29、その両側に第1クラッチ30aと第2クラッチ30bのクラッチアウタ30ao、30boがスプライン嵌合して軸方向の移動を規制されて設けられている。
中央のプライマリ従動歯車29がクランク軸21に設けられたプライマリ駆動歯車28に噛合する。
そして、プライマリ従動歯車29とクラッチ部外筒31cの中央のフランジ部との間にクラッチダンパスプリング29sが介装されていて、プライマリ従動歯車29とクラッチ部外筒31cの間でトルク変動をクラッチダンパスプリング29sが緩衝する。
そして、第1クラッチ30aのクラッチインナ30aiはメイン軸内筒31aに軸方向の移動を規制されてスプライン嵌合され、第2クラッチ30bのクラッチインナ30biはメイン軸外筒31bに軸方向の移動を規制されてスプライン嵌合されている。
クラッチアウタ30ao(30bo)側の一緒に回転する駆動摩擦板とクラッチインナ30ai(30bi)側の一緒に回転する被動摩擦板とを交互に配列した摩擦板群30af(30bf)を加圧プレート30ap(30bp)が加圧可能である。
加圧プレート30ap,30bpを選択的に駆動する油圧回路が、メイン軸内筒31aとクラッチ部外筒31cおよび右クランクケースカバーに形成されている。
加圧プレート30apが駆動されて摩擦板群30afが加圧されると、第1クラッチ30aが接続し、プライマリ従動ギヤ29に入力された動力がメイン軸内筒31aに伝達され、奇数変速段の駆動変速歯車31gが回転する。
他方、加圧プレート30bpが駆動されて摩擦板群30bfが加圧されると、第2クラッチ30bが接続し、プライマリ従動ギヤ29に入力された動力がメイン軸外筒31bに伝達され、偶数変速段の駆動変速歯車31gが回転する。
メイン軸31に軸支される6個の駆動変速ギヤ31gのうち2個は、軸方向に摺動するシフタ歯車であり、カウンタ軸32に軸支される6個の被動変速ギヤ32gのうち2個は、軸方向に摺動するシフタ歯車である。
カウンタ軸32上の2個のシフタ歯車を移動させるシフトフォーク33,33がシフトフォークシャフト33aに軸支されて設けられる。
メイン軸31上の2個のシフタ歯車を移動させるシフトフォーク33,33およびシフトフォークシャフトも、図示されていないが設けられている。
4つのシフトフォーク33は、シフトドラム34の回動により外周面に形成された案内溝に案内されて移動して有効に動力伝達される歯車の噛み合いを切り換える。
シフトドラム34は変速用モータ35により回動する。
変速用モータ35の駆動力は、減速歯車機構36を介してシフトスピンドル37の回動に伝達され、シフトスピンドル37の回動が間欠送り機構38を介してシフトドラム34の回動に伝達される。
したがって、主変速機Tmは、ツインクラッチ30の油圧制御と、変速用モータ35の駆動制御により、1速から6速の変速段を円滑に切り換えて変速することができる。
主変速機Tmの出力軸は、カウンタ軸32であり、カウンタ軸32はクランクケース22の前側壁22fを前方に貫通して突出している。
本パワーユニットPは、この主変速機Tmの前方に副変速機Tsが設けられている。
副変速機Tsは、前後割りとされた前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rが合体されて、内部に構成される。
副変速機Tsの前側副変速機ケース40fを外した前面図である図4に示すように、副変速機Tsの互いに変速歯車を噛み合わせる変速駆動軸41と変速従動軸51が左右に並んで配置され、変速駆動軸41と変速従動軸51の斜め上方の三角形の頂点をなす位置に中間歯車軸71が配置される。
図5および副変速機Tsの断面図である図6を参照して、副変速機Tsの変速駆動軸41と変速従動軸51および中間歯車軸71がクランク軸21と平行で前後方向に指向して、前後端が前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rに軸支されて架設される。
変速駆動軸41は、前端が前側副変速機ケース40fの軸受凹部に嵌入されたベアリング42fにより軸支され、後端が後側副変速機ケース40rの軸受孔に嵌入されたベアリング42rにより軸支されて回転自在に架設される。
変速駆動軸41の後端部は大径の軸穴を形成する後端円筒部41rをなし、後端円筒部41rの内周面にスプラインが形成されて、後方に露出しており、この変速駆動軸41の後端円筒部41rの軸穴に、主変速機Tmのクランクケース22の前側壁22fを前方に貫通して突出したカウンタ軸32のスプラインが形成された前端部が嵌入して、変速駆動軸41と同軸にスプライン嵌合する。
したがって、主変速機Tm側のカウンタ軸32と副変速機Ts側の変速駆動軸41が、このスプライン嵌合部39で同軸に連結されて、一体となって回転する。
変速駆動軸41には、中央に高速駆動歯車43と低速駆動歯車44が前後に並んで回転自在に軸支され、後部にリバース用駆動歯車45が回転自在に軸支されている。
そして、変速駆動軸41には、前端のベアリング42fと高速駆動歯車43との間に高速切換シフタ部材46による高速切換クラッチ機構が設けられている。
高速切換シフタ部材46は、変速駆動軸41の軸方向所定位置にスプライン結合された円筒基部46aの外周に直動ベアリング46bを介して軸方向に移動自在に軸支され、中央に環状にシフトフォーク溝46vが形成され、シフトフォーク溝46vより後側に向けてクラッチ歯46tが形成されている。
高速切換シフタ部材46の後方に対向して高速変速用クラッチ受部材47が高速駆動歯車43に嵌着されて設けられ、高速切換シフタ部材46のクラッチ歯46tに対応して高速変速用クラッチ受部材47にはクラッチ歯47tが互いに噛み合い可能に形成されてドグクラッチを構成している。
したがって、高速切換シフタ部材46が後方に移動すれば、クラッチ歯46tが高速駆動歯車43に嵌着された高速変速用クラッチ受部材47のクラッチ歯47tに噛み合い、変速駆動軸41とともに高速駆動歯車43を回転し、高速切換シフタ部材46が前方にあるときは、高速駆動歯車43に動力は伝達されない。
なお、高速変速用クラッチ受部材47は、外周面に等間隔に突条47sが複数形成されていて、同突条47sをスピードセンサ(図示せず)が検知することで車速を検出する。
一方、変速駆動軸41には、低速駆動歯車44とリバース用駆動歯車45との間に低速/後進切換シフタ部材48による低速/後進切換クラッチ機構が設けられている。
低速/後進切換シフタ部材48は、変速駆動軸41の軸方向所定位置にスプライン結合された円筒基部48aの外周に直動ベアリング48bを介して軸方向に移動自在に軸支され、前後両側に向けて形成されたクラッチ歯48t,48tの間にシフトフォーク溝48vが形成されている。
低速/後進切換シフタ部材48の前方に対向して低速変速用クラッチ受部材49が低速駆動歯車44に嵌着されて設けられ、低速/後進切換シフタ部材48の前側のクラッチ歯48tに対応して低速変速用クラッチ受部材49にはクラッチ歯49tが互いに噛み合い可能に形成されてドグクラッチを構成している。
また、低速/後進切換シフタ部材48の後方に対向してリバースクラッチ受部材50がリバース用駆動歯車45に嵌着されて設けられ、低速/後進切換シフタ部材48の後側のクラッチ歯48tに対応してリバースクラッチ受部材50にはクラッチ歯50tが互いに噛み合い可能に形成されてドグクラッチを構成している。
したがって、低速/後進切換シフタ部材48が前方に移動すれば、前側クラッチ歯48tが低速駆動歯車44に嵌着された低速変速用クラッチ受部材49のクラッチ歯49tに噛み合い、変速駆動軸41とともに低速駆動歯車44を回転し、低速/後進切換シフタ部材48が後方に移動すれば、後側クラッチ歯48tがリバース用駆動歯車45に嵌着されたリバースクラッチ受部材50のクラッチ歯50tに噛み合い、変速駆動軸41とともにリバース用駆動歯車45を回転する。
低速/後進切換シフタ部材48が低速変速用クラッチ受部材49とリバースクラッチ受部材50の間の中央にいずれとも噛み合わずに位置すると、変速駆動軸41の回転は低速駆動歯車44およびリバース用駆動歯車45のいずれにも伝達されない。
なお、低速変速用クラッチ受部材49は、外周面にパーキング用係止溝49pが周方向に複数形成されており、パーキング停止に用いられる。
変速駆動軸41の右方に平行に配置される変速従動軸51は、前部が前側副変速機ケース40fの軸受孔に嵌入されたベアリング52fを貫通して軸支され、後部が後側副変速機ケース40rの軸受孔に嵌入されたベアリング52rを貫通して軸支され、前後端を前後に突出させて回転自在に架設される。
変速従動軸51は、副変速機Tsの出力軸51であり、かつパワーユニットPの出力軸51でもある。
この変速従動軸51には、変速駆動軸41に軸支された高速駆動歯車43および低速駆動歯車44にそれぞれ常時噛み合う高速従動歯車53および低速従動歯車54が軸支されている(図6参照)。
高速従動歯車53と変速従動軸51との間に第1仲介回転部材55が互いに相対回転可能に変速従動軸51に軸支されて介装されている。
第1仲介回転部材55は、円筒ボス部55aが円筒軸受であるブッシュ68を介して変速従動軸51に回転自在に軸支され、円筒ボス部55aの前半部に形成されるスポーク部55bに前方に開口したカム凹部55cが4か所形成されている(図6参照)。
この第1仲介回転部材55のフランジ部55bの外周に高速従動歯車53が相対回転可能に軸支され、高速従動歯車53と第1仲介回転部材55との間にはダンパスプリング57が介装されている。
したがって、高速従動歯車53の回転はダンパスプリング57を介して第1仲介回転部材55に伝達され、高速従動歯車53と第1仲介回転部材55の間でトルク変動をダンパスプリング57が緩衝する。
また、第1仲介回転部材55における円筒ボス部55aの後半の外周に、第2仲介回転部材56がセレーション嵌合して第1仲介回転部材55と一体に回転するように設けられている。
第2仲介回転部材56のスポーク部に円弧状の貫通口56cが4か所形成されている。
この第2仲介回転部材56のスポーク部の外周に低速従動歯車54が相対回転可能に軸支され、低速従動歯車54と第2仲介回転部材56との間にはダンパスプリング58が介装されている。
したがって、低速従動歯車54の回転はダンパスプリング58を介して第2仲介回転部材56に伝達され、低速従動歯車54と第2仲介回転部材56の間でトルク変動をダンパスプリング58が緩衝する。
なお、第2仲介回転部材56の貫通口56cには、低速従動歯車54のスポーク部の後方に突出する凸部54cが余裕を持って入り込み、相対回転範囲を規制する。
第2仲介回転部材56は第1仲介回転部材55と一体に回転するので、ダンパスプリング58a(58b)は、低速従動歯車54と第1仲介回転部材55の間でトルク変動を緩衝するものでもある。
また、隣合う高速従動歯車53と低速従動歯車54との間には皿バネ69が介在する。
またさらに、変速従動軸51には、変速従動軸51と第1仲介回転部材55との間にカム式トルクダンパ60が設けられている。
変速従動軸51における第1仲介回転部材55の前側部分には、雄カム部材61がスプライン嵌合されて相対回転が規制され軸方向に摺動可能に軸支されており、同雄カム部材61は後方で対面する第1仲介回転部材55のカム凹部55c,55cに臨んでカム凸部61c,61cが後方に突出している。
雄カム部材61,61cのカム凸部61cは、回転方向に面する側面が後方に向けて傾斜したカム面を有して突出形成されている。
雄カム部材61の前方には、スプリング受け部材62が変速従動軸51にスプライン嵌合されるとともに、止め輪63により前方への移動を規制されて設けられ、このスプリング受け部材62と雄カム部材61の間にコイルスプリング64が介装される(図6参照)。
したがって、雄カム部材61は、コイルスプリング64により後方に付勢されて、カム凸部61c,61cを第1仲介回転部材55のカム凹部55c,55cに挿入し、カム凸部61c,61cのカム面をカム凹部55c,55cの回転方向の面に接するようにして、カム式トルクダンパ60が構成されている。
変速駆動軸41および変速従動軸51の斜め上方に位置する中間歯車軸71は、図6を参照して、前端が前側副変速機ケース40fの軸受凹部に嵌入されたベアリング75fにより軸支され、後端が後側副変速機ケース40rの軸受凹部に嵌入されたベアリング75rにより軸支されて回転自在に架設される。
中間歯車軸71は、後部に大径中間歯車72が形成され、前部に小径中間歯車73が形成されており、後側の大径中間歯車72が変速駆動軸41に回転自在に軸支されたリバース用駆動歯車45と噛合し、前側の小径中間歯車73が変速従動軸51に回転自在に軸支された低速従動歯車54と噛合している(図6参照)。
前記変速駆動軸41上の高速切換シフタ部材46および低速/後進切換シフタ部材48を軸方向に移動するドラム式変速駆動装置80が、変速駆動軸41の左方すなわちクランク軸21側の下方に設けられている。
高速切換シフタ部材46のシフトフォーク溝46vに嵌合する高速切換シフトフォーク82と低速/後進切換シフタ部材48のシフトフォーク溝48vに嵌合する低速/後進切換シフトフォーク83を貫通して軸方向に摺動自在に軸支するシフトフォークシャフト81が、前後端を前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rに支持されて変速駆動軸41の左方斜め下位置に架設される(図4,図6参照)。
図7を参照して、シフトフォークシャフト81は、内部に油路が形成された円筒形状をなしており、前端が前側副変速機ケース40fの底の深い軸受凹部40fbに摺動自在に挿入され、後端が後側副変速機ケース40rの軸受孔40rbを摺動自在に貫通している。
すなわち、シフトフォークシャフト81は、軸受凹部40fbと軸受孔40rbに前後軸方向に摺動自在に軸支されている。
シフトフォークシャフト81のさらに左方斜め下にシフトドラム100が設けられている(図4参照)。
シフトフォークシャフト81には、高速切換シフトフォーク82と低速/後進切換シフトフォーク83との間の中央辺りに、シャフトピン84がピンホルダー85に保持されて軸径方向のシフトドラム100に向けて突設されている。
図8を参照して、ピンホルダー85は、シフトフォークシャフト81に外嵌する環状部85rと環状部85rからシフトドラム100に向けて突出される円弧状のフォーク部85fとからなる。
ピンホルダー85のフォーク部85fはシフトドラム100の外径に等しい内径を有する円弧状をなし、シフトドラム100のドラム本体101の外周面にシフトドラム100の回動を許して嵌合する。
シャフトピン84は、このピンホルダー85とシフトフォークシャフト81に圧入されてピンホルダー85のフォーク部85fの中央内面から先端を突出させてシフトフォークシャフト81と一体に設けられて一体に移動する。
図7を参照して、シフトドラム100は、円筒状をしたドラム本体101の前端からドラム回転軸102が前方に向けて突出して前側副変速機ケース40fを貫通して回転自在に軸支され、ドラム本体101の後端には花形カム103が固着され、花形カム103の後方に突出したドラム回転軸103aが後側副変速機ケース40rの軸受凹部にベアリング105を介して軸支される。
シフトドラム100の前方に突出したドラム支軸102には前側副変速機ケース40fの内面に沿ってシフトドラム入力歯車104が嵌着されている。
また、ドラム支軸102の前側副変速機ケース40fを貫通して突出した前端はシフトポジションセンサ96の駆動軸に同軸に連結されて、同シフトポジションセンサ96によりシフトドラム100の回動角度が検出される。
ドラム本体101の外周面には、前後に周方向に所要の形状をもってフォーク案内溝101f,101rが形成され、フォーク案内溝101f,101r間の中央に周方向に所要の形状をもってシャフト案内溝101cが形成されている。
図9にドラム本体101の外周面を展開した図を示す。
図9の展開図に示すように、前後方向に、フォーク案内溝101f,シャフト案内溝101c,フォーク案内溝101rが順に形成され、周方向に、パーキングポジションP,リバースポジションR,ニュートラルポジションN,高速ポジションH,低速ポジションLの6つのポジションが順に設定されている。
図9を参照して、パーキングポジションPにおけるフォーク案内溝101f,シャフト案内溝101c,フォーク案内溝101rの位置を基準にすると、リバースポジションRでは、シャフト案内溝101cが後方に偏移した後方偏移溝部101crが形成されるとともに、フォーク案内溝101rは溝幅が後方に拡大した後方遊び空間101rrが形成されている。
ニュートラルポジションNでは、各案内溝101f,101c,101rが基準位置にあり、高速ポジションHでは、フォーク案内溝101fは溝幅が後方に拡大した後方遊び空間101frが形成され、低速ポジションLでは、シャフト案内溝101cが前方に偏移した前方偏移溝部101cfが形成されるとともに、フォーク案内溝101rは溝幅が前方に拡大した前方遊び空間101rfが形成されている。
以上のようなシフトドラム100のフォーク案内溝101f,101rには、図7を参照して、高速切換シフトフォーク82と低速/後進切換シフトフォーク83の突出して形成された係合ピン部82p,83pがそれぞれ摺動可能に係合し、シャフト案内溝101cにはシャフトピン84の突出した先端部が摺動可能に係合する。
したがって、シフトドラム100の回転により高速切換シフトフォーク82と低速/後進切換シフトフォーク83が、それぞれフォーク案内溝101f,101rに案内されて前後軸方向に移動して高速切換シフタ部材46および低速/後進切換シフタ部材48を移動するとともに、シャフトピン84がシャフト案内溝101cに案内されて前後軸方向に移動してシフトフォークシャフト81を一体に軸方向に移動する。
シフトフォークシャフト81の下方にシフトスピンドル111が、前後を前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rに回転自在に軸支されて架設され(図4参照)、シフトスピンドル111の前側副変速機ケース41を貫通して前方に突出した前端にシフト作動レバー110の基端が嵌着される(図3参照)。
シフト作動レバー110は、その先端が操作パネル130に配設されたシフト操作レバー120から延出するシフトケーブル121と連結されていて、シフト操作レバー120の操作によりシフトスピンドル111が回動する。
図4を参照して、シフトスピンドル111には、所定位置に扇形をしたギヤシフトアーム112が嵌着されており、同ギヤシフトアーム112はシフトドラム100の前方に突出したドラム回転軸102に嵌着されたシフトドラム入力歯車104と噛合する。
したがって、シフト操作レバー120の操作により、シフトケーブル121を介してシフトスピンドル111が回動し、ギヤシフトアーム112とシフトドラム入力歯車104の噛合を介してシフトドラム100が回動する。
なお、図4を参照して、低速変速用クラッチ受部材49の下方に、パーキング用係止溝49pに係止突起116aを係止可能にパーキング係止レバー116が支軸115により揺動自在に軸支されており、シフト操作レバー120の操作によるシフトスピンドル111の回動で揺動するパーキング作動アーム113がパーキング係止レバー116に作用して係止突起116aをパーキング用係止溝49pに係止して低速変速用クラッチ受部材49の回転を規制しパーキング状態とすることができるパーキング駆動機構が設けられている。
シフト操作レバー120の操作によりシフトドラム100が回動すると、フォーク案内溝101f,101rに案内されて高速切換シフトフォーク82と低速/後進切換シフトフォーク83が軸方向に移動するが、移動するに際して、シフト変換が円滑になされるようにロストモーション機構が働くようになっている。
図7を参照して、シフトフォークシャフト81上において前側副変速機ケース40fの軸受凹部40fbの開口端部と高速切換シフトフォーク82との間に、両端をバネ受け部材87,88によりバネ受けされたロストモーションコイルバネ86が介装される。
バネ受け部材87,88はシフトフォークシャフト81に摺動自在に軸支され、前側のバネ受け部材87が前側副変速機ケース40fの軸受凹部40fbの開口端部に当接し、後側のバネ受け部材88が高速切換シフトフォーク82に当接してロストモーションコイルバネ86のバネ荷重が常時高速切換シフトフォーク82に作用している従来型のロストモーション機構を構成している。
また、シフトフォークシャフト81上には、シャフトピン84をシフトフォークシャフト81に固定保持するピンホルダー85の環状部85rと低速/後進切換シフトフォーク83との間に、両端をバネ受け部材91,92によりバネ受けされたロストモーションコイルバネ90が介装される。
バネ受け部材91,92はシフトフォークシャフト81に摺動自在に軸支され、前側のバネ受け部材91はシフトフォークシャフト81に固定されたピンホルダー85により低速/後進切換シフトフォーク83から離れる軸方向の相対移動を規制され、後側のバネ受け部材92が低速/後進切換シフトフォーク83に当接可能である。
ピンホルダー85(およびシャフトピン84)と低速/後進切換シフトフォーク83がそれぞれ基準位置(図7に示す状態)にあるとき、ロストモーションコイルバネ90は概ね伸びきる直前の状態にあって、後側のバネ受け部材92が低速/後進切換シフトフォーク83に触れて、ロストモーションコイルバネ90のバネ荷重は極めて小さく低速/後進切換シフトフォーク83に殆ど作用していない本願発明に係るロストモーション機構を構成している。
さらに、シフトフォークシャフト81上には、低速/後進切換シフトフォーク83の後方で、後側副変速機ケース40rの軸受孔40rbの前方に、ロストモーションコイルバネ93が前後のバネ受け部材95,94との間に挟まれて圧縮された状態で設けられている。
後側のバネ受け部材94は、シフトフォークシャフト81に嵌着固定される係止部材であるサークリップ96により低速/後進切換シフトフォーク83から離れる軸方向の相対移動を規制されてシフトフォークシャフト81に軸支されている。
シフトフォークシャフト81の低速/後進切換シフトフォーク83の後方で、後側のバネ受け部材94より前方に、係止部材であるストッパピン97が、シフトフォークシャフト81を直交するように貫通して軸方向の移動を規制され、両端を僅かに突出させて設けられる。
前側のバネ受け部材95は、ストッパピン97の長さに略等しい内径の円筒形状をなしており、シフトフォークシャフト81に遊嵌してストッパピン97を覆い、この前側のバネ受け部材95の円筒外周をロストモーションコイルバネ93が覆う。
前側のバネ受け部材95は、その円筒の後端開口の縮径部95rがストッパピン97の両端突出部に後方から係止され、バネ受け部材95の円筒の前端開口の拡径部95fがロストモーションコイルバネ93の前端を受ける。
ロストモーションコイルバネ93は、前側のバネ受け部材95より後方に延設され、その後端を前記後側のバネ受け部材94が受ける。
すなわち、シフトフォークシャフト81上で、ストッパピン97とサークリップ96により互いに離れる方向の移動が規制された前側のバネ受け部材95と後側のバネ受け部材94との間に、ロストモーションコイルバネ93が圧縮された状態で挟まれて介装される。
低速/後進切換シフトフォーク83が基準位置(図7に示す状態)にあるとき、前側のバネ受け部材95は、ストッパピン97により前方への移動が規制され位置にあって、低速/後進切換シフトフォーク83との間にワッシャ98を挟んでいる。
したがって、低速/後進切換シフトフォーク83が基準位置にあるとき、ロストモーションコイルバネ93のバネ荷重は、全く低速/後進切換シフトフォーク83に作用していない本願発明に係るロストモーション機構を構成している。
以下、副変速機Tsのシフト変換動作について、図7,図9および図10ないし図15に基づき説明する。
図7は、シフト操作レバー120がニュートラル位置にあって副変速機Tsがニュートラル状態を示しており、シフトドラム100のフォーク案内溝101f,101rが、高速切換シフトフォーク82と低速/後進切換シフトフォーク83をそれぞれニュートラルポジションNである基準位置に位置させ、シャフト案内溝101cがシャフトピン84を介してシフトフォークシャフト81をニュートラルポジションNの基準位置に位置させている(図9参照)。
この副変速機Tsのニュートラル状態からシフト操作レバー120が高速前進位置に操作されると、シフトドラム100が回動して、図9のドラム本体101の外周面展開図で高速ポジションHの案内溝101f,101c,101rの軸方向位置に、高速切換シフトフォーク82,シフトフォークシャフト81,低速/後進切換シフトフォーク83を案内する。
シフトフォークシャフト81と低速/後進切換シフトフォーク83は、基準位置に維持されて移動しないが、高速切換シフトフォーク82の係合ピン部82pがフォーク案内溝101fの溝幅を後方に拡大した後方遊び空間101fr(図9参照)に臨むことになり、ロストモーションコイルバネ86により後方に常時付勢された高速切換シフトフォーク82は、係合する高速切換シフタ部材46とともに後方に移動可能となる。
高速切換シフタ部材46が後方に移動したとき、高速切換シフタ部材46のクラッチ歯46tが高速変速用クラッチ受部材47のクラッチ歯47tとタイミング良く噛み合えばよいが、噛み合わずにクラッチ歯46tがクラッチ歯47tに当接したときは、図10に示すように、高速切換シフトフォーク82と高速切換シフタ部材46は、若干後方に移動しところで後方遊び空間101frをなお空けた状態で一旦停止し、ロストモーションコイルバネ86のバネ荷重を受けながら高速切換シフタ部材46と高速変速用クラッチ受部材47の相対回転によるクラッチの噛み合いを待つ。
そして、高速切換シフタ部材46と高速変速用クラッチ受部材47の相対回転によりクラッチ歯46tとクラッチ歯47tとの当接が外れると、図11に示すように、ロストモーションコイルバネ86のバネ荷重により高速切換シフタ部材46と高速切換シフタ部材46が後方に移動してクラッチ歯46tとクラッチ歯47tが噛み合い、変速駆動軸41の回転が高速切換シフタ部材46を介して高速変速用クラッチ受部材47および高速駆動歯車41に伝達されて、高速駆動歯車41と噛合する高速従動歯車53を回転して高速前進状態とする。
このようにロストモーションコイルバネ86によるロストモーション機構により、高速切換シフタ部材46と高速変速用クラッチ受部材47のドグクラッチが支障なく噛み合うことができ、副変速機Tsにおいてニュートラル状態から高速前進状態に円滑に変換することができる。
次いで、この高速前進状態からシフト操作レバー120が低速前進位置に操作されると、シフトドラム100が回動して、図9のドラム本体101の外周面展開図で低速ポジションLの案内溝101f,101c,101rの軸方向位置に、高速切換シフトフォーク82,シフトフォークシャフト81,低速/後進切換シフトフォーク83を案内する。
すなわち、図12に示すように、高速切換シフトフォーク82は、フォーク案内溝101fに案内されて前方に移動して基準位置に戻され、高速切換シフタ部材46と高速変速用クラッチ受部材47のドグクラッチが切断される。
そして、シフトフォークシャフト81は、シャフト案内溝101cの前方に偏移した前方偏移溝部101cfに案内されて前方に移動するので、シフトフォークシャフト81とともにストッパピン97とロストモーションコイルバネ93の後側バネ受け部材93が前方に移動するので、ロストモーションコイルバネ93のバネ荷重が前側バネ受け部材95およびワッシャ98を介してストッパピン97の代わりに低速/後進切換シフトフォーク83に作用する。
低速/後進切換シフトフォーク83の係合ピン部83pがフォーク案内溝101rの溝幅を前方に拡大した前方遊び空間101rf(図9参照)に臨むことになり、ロストモーションコイルバネ93により前方に付勢された低速/後進切換シフトフォーク83は、係合する低速/後進切換シフタ部材48とともに前方に移動可能となる。
低速/後進切換シフタ部材48が前方に移動したとき、低速/後進切換シフタ部材48の前側のクラッチ歯48tが低速変速用クラッチ受部材49のクラッチ歯49tとタイミング良く噛み合えばよいが、噛み合わずにクラッチ歯48tがクラッチ歯49tに当接したときは、図12に示すように、低速/後進切換シフトフォーク83と低速/後進切換シフタ部材48は若干前方に移動しところで前方遊び空間101rfをなお空けた状態で一旦停止し、ロストモーションコイルバネ93のバネ荷重を受けながら低速/後進切換シフタ部材48と低速変速用クラッチ受部材49の相対回転によるクラッチの噛み合いを待つ。
そして、低速/後進切換シフタ部材48と低速変速用クラッチ受部材49の相対回転によりクラッチ歯48tとクラッチ歯49tとの当接が外れると、図13に示すように、ロストモーションコイルバネ93のバネ荷重により低速/後進切換シフトフォーク83と低速/後進切換シフタ部材48が前方に移動してクラッチ歯48tとクラッチ歯49tが噛み合い、変速駆動軸41の回転が低速/後進切換シフタ部材48を介して低速変速用クラッチ受部材49および低速駆動歯車44に伝達されて、低速駆動歯車44と噛合する低速従動歯車54を回転して低速前進状態とする。
このようにロストモーションコイルバネ93のロストモーション機構により、低速/後進切換シフタ部材48と低速変速用クラッチ受部材49のドグクラッチが支障なく噛み合うことができ、副変速機Tsにおいて高速前進状態から低速前進状態に円滑に変換することができる。
ロストモーションコイルバネ93のロストモーション機構は、シフトドラム100の回動によりシャフト案内溝101cに案内されてシフトフォークシャフト81が軸方向に移動し、このシフトフォークシャフト81の移動がサークリップ96を介して後側バネ受け部材94を前方に押圧することで、初めてロストモーションコイルバネ93のバネ荷重が前側バネ受け部材95を介して低速/後進切換シフトフォーク83に作用するので、常時ロストモーションコイルバネ93のバネの荷重が低速/後進切換シフトフォーク83に作用して低速/後進切換シフトフォーク83の係合ピン部83pが常時フォーク案内溝101rの一方の壁面に押圧されることを回避することができ、シフトドラム100の回転フリクションを極力小さくしてシフト時の操作荷重を軽減し、より円滑なシフト操作を実現することができる。
シフトフォークシャフト81に互いに離れる方向の軸方向の相対移動を規制された後側バネ受け部材94と前側バネ受け部材95との間にロストモーションコイルバネ93が圧縮されて介装されているので、シフトフォークシャフト81が軸方向に移動しないときは、ロストモーションコイルバネ93のバネ荷重が低速/後進切換シフトフォーク83に全く作用しないようにすることができ、一方で、シフトフォークシャフト81が軸方向に移動したときは、圧縮された状態のロストモーションコイルバネ93の所要のバネ荷重を即時に低速/後進切換シフトフォーク83に作用することができ、より円滑で確実なシフト変換が実現できる。
また、シフトフォークシャフト81上に互いに離れる方向の軸方向の相対移動を規制された後側バネ受け部材94と前側バネ受け部材95との間にロストモーションコイルバネ93を圧縮して介装する構造とすることで、シフトフォークシャフト81にロストモーション機構を小組みしておくことができる。
すなわち、前側バネ受け部材95は、ストッパピン97の長さに略等しい内径の円筒形状をなしてシフトフォークシャフト81に遊嵌してシフトフォークシャフト81を直交するように貫通して固定されるストッパピン97を覆い、前側バネ受け部材95の円筒の一端開口の縮径部95rがストッパピン97に係止され、他端開口の拡径部95fがロストモーションコイルバネ93を受けるので、シフトフォークシャフト81の一部外周を円筒形状の前側バネ受け部材95が覆い、前側バネ受け部材95の外周をロストモーションコイルバネ93が覆う2重の筒構造でコンパクトにロストモーション機構が構成されているため、ドラム式変速駆動装置80の小型化を図ることができる。
そして、シフトフォークシャフト81へのロストモーションコイルバネ93のロストモーション機構の小組みも簡単に行え、ドラム式変速駆動装置80の組立て性が良い。
次に、副変速機Tsのニュートラル状態からシフト操作レバー120がリバース位置に操作されたときのシフト変換動作について、図14および図15に基づいて説明する。
シフト操作レバー120がリバース位置に操作されると、シフトドラム100が回動して、図9のドラム本体101の外周面展開図でリバースポジションRの案内溝101f,101c,101rの軸方向位置に、高速切換シフトフォーク82,シフトフォークシャフト81,低速/後進切換シフトフォーク83を案内する。
高速切換シフトフォーク82は、基準位置に維持されて移動しない。
シフトフォークシャフト81は、シャフトピン84およびピンホルダー85とともにシャフト案内溝101cの後方に偏移した後方偏移溝部101crに案内されて後方に移動するので、ピンホルダー85が前側バネ受け部材91を介してロストモーションコイルバネ90を後方に押圧して圧縮し、このロストモーションコイルバネ90のバネ荷重が後側バネ受け部材92を介して低速/後進切換シフトフォーク83に作用する。
低速/後進切換シフトフォーク83の係合ピン部83pがフォーク案内溝101rの溝幅を後方に拡大した後方遊び空間101rr(図9参照)に臨むことになり、ロストモーションコイルバネ90により後方に付勢された低速/後進切換シフトフォーク83は、係合する低速/後進切換シフタ部材48とともに後方に移動可能となる。
低速/後進切換シフタ部材48が後方に移動したとき、低速/後進切換シフタ部材48の後側のクラッチ歯48tがリバースクラッチ受部材50のクラッチ歯50tとタイミング良く噛み合えばよいが、噛み合わずにクラッチ歯48tがクラッチ歯50tに当接したときは、図14に示すように、低速/後進切換シフトフォーク83と低速/後進切換シフタ部材48は若干後方に移動しところで後方遊び空間101rrをなお空けた状態で一旦停止し、ロストモーションコイルバネ90のバネ荷重を受けながら低速/後進切換シフタ部材48とリバースクラッチ受部材50の相対回転によるクラッチの噛み合いを待つ。
なお、シフトフォークシャフト81の後方への移動により、前側バネ受け部材95と後側バネ受け部材94により挟まれたロストモーションコイルバネ93およびワッシャ98がそのままの状態でシフトフォークシャフト81とともに後方に移動している。
そして、低速/後進切換シフタ部材48とリバースクラッチ受部材50の相対回転によりクラッチ歯48tとクラッチ歯50tとの当接が外れると、図15に示すように、ロストモーションコイルバネ90のバネ荷重により低速/後進切換シフトフォーク83と低速/後進切換シフタ部材48が後方に移動してクラッチ歯48tとクラッチ歯50tが噛み合い、変速駆動軸41の回転が低速/後進切換シフタ部材48を介してリバースクラッチ受部材50およびリバース用駆動歯車45に伝達される。
リバース用駆動歯車45は、中間歯車軸71の大径中間歯車72と噛合しており(図6参照)、リバース用駆動歯車45の回転は中間歯車軸71に伝達され、中間歯車軸71の回転は小径中間歯車73と低速駆動歯車54の噛合を介して変速従動軸(出力軸)51に伝達される。
よって、変速駆動軸41の回転は、中間歯車軸71を介することで変速従動軸(出力軸)51を後進回転し、リバース状態とする。
このようにロストモーションコイルバネ90のロストモーション機構により、低速/後進切換シフタ部材48とリバースクラッチ受部材50のドグクラッチが支障なく噛み合うことができ、副変速機Tsにおいてニュートラル状態からリバース状態に円滑に変換することができる。
ロストモーションコイルバネ90のロストモーション機構は、シフトドラム100の回動によりシャフト案内溝101cに案内されてシフトフォークシャフト81が軸方向に移動し、このシフトフォークシャフト81の移動がシフトフォークシャフト81に一体に固定されたピンホルダー85を介して前側バネ受け部材91を前方に押圧することで、ロストモーションコイルバネ93が圧縮されてバネ荷重が生じて、後側バネ受け部材92を介して低速/後進切換シフトフォーク83に作用するので、常時ロストモーションコイルバネ90のバネの荷重が低速/後進切換シフトフォーク83に作用して低速/後進切換シフトフォーク83の係合ピン部83pが常時フォーク案内溝101rの一方の壁面に押圧されることを回避することができ、シフトドラム100の回転フリクションを極力小さくしてシフト時の操作荷重を軽減し、より円滑なシフト操作を実現することができる。
ロストモーションコイルバネ90の本ロストモーション機構は、前側バネ受け部材91の低速/後進切換シフトフォーク83から離れる軸方向の移動を規制する係止部材として、シフトフォークシャフト81に固定されるシャフトピン84(ピンホルダー85)を利用したので、別途係止部材をシフトフォークシャフト81に設ける必要がなく、部品点数を削減でき、組付け作業を容易にする。
本ドラム式変速駆動装置80は、シフトフォークシャフト81上で低速/後進切換シフトフォーク83に関してシャフトピン84と反対側にロストモーションコイルバネ93のロストモーション機構が設けられ、シャフトピン84(ピンホルダー85)と低速/後進切換シフトフォーク83との間にロストモーションコイルバネ90が介装されるロストモーション機構が設けられるので、シフトフォークシャフト81を中立位置から軸方向両側の位置に移動するときに、各側においてシフト時の操作荷重を軽減しながらロストモーションバネ93とロストモーションバネ90がそれぞれロストモーション機能を果たすことができ、少ない部品点数で中立位置を含む3つのシフトポジションを容易にコンパクトに構成することができる。
また、本ドラム式変速駆動装置80は、シフトフォークシャフト81上でシャフトピン84に関して低速/後進切換シフトフォーク83と反対側に高速切換シフトフォーク82が設けられ、高速切換シフトフォーク82に関してシャフトピン84と反対側にロストモーションバネ86を配設するので、1本のシフトフォークシャフト81に2つのシフトフォーク82,83を支持して、複数のシフトポジションを構成することができるとともに、良好な組付け性を維持して少ない部品点数でコンパクトに小型化して実現することができる。
走行用に常に使用する主変速機Tmと同主変速機Tmの出力を切り換えて最終出力にする副変速機Tsが内燃機関Eに組み合わされて構成される動力伝達装置20における副変速機Tsに、本ドラム式変速駆動装置80が設けられるので、最終減速段の周速差の少ない副変速機Tsの歯車のシフト変換が素早くできて使い勝手を良好にして乗り心地を向上させることができる。
P…パワーユニット、E…内燃機関、Tm…主変速機、Ts…副変速機、
1…不整地走行用車両、20…動力伝達装置、21…クランク軸、31…メイン軸、32…カウンタ軸、40f…前側副変速機ケース、40r…後側副変速機ケース、41…変速駆動軸、43…高速駆動歯車、44…低速駆動歯車、45…リバース用駆動歯車、46…高速切換シフタ部材、47…高速変速用クラッチ受部材、48…低速/後進切換シフタ部材、49…低速変速用クラッチ受部材、49p…パーキング用係止溝、50…リバースクラッチ受部材、51…変速従動軸(出力軸)、53…高速従動歯車、54…低速従動歯車、71…中間歯車軸、72…大径中間歯車、73…小径中間歯車、
80…ドラム式変速駆動装置、81…シフトフォークシャフト、82…高速切換シフトフォーク、83…低速/後進切換シフトフォーク、84…シャフトピン、85…ピンホルダー、86…ロストモーションコイルバネ、87,88…バネ受け部材、90…ロストモーションコイルバネ、91,92…バネ受け部材、93…ロストモーションコイルバネ、94,95…バネ受け部材、96…サークリップ、97…ストッパピン、98…ワッシャ、99…、100…シフトドラム、101…ドラム本体、101f,101r…フォーク案内溝、101c…シャフト案内溝、111…シフトスピンドル、120…シフト操作レバー、121…シフトケーブル。

Claims (6)

  1. シフトフォークシャフト(81)に摺動可能に軸支されたシフトフォーク(83)の係合ピン部(83p)がシフトドラム(100)の外周面のフォーク案内溝(101c)に摺動自在に係合し、前記シフトドラム(100)の回動により前記シフトフォーク(83)が前記フォーク案内溝(101c)に案内されて軸方向に移動することで、前記シフトフォーク(83)が係合する変速機のシフタ部材(48)を移動して変速駆動するドラム式変速駆動装置において、
    前記シフトフォークシャフト(81)は、機関ケース(40f,40r)に軸方向に移動自在に支持され、
    前記シフトフォークシャフト(81)にシャフトピン(84)が前記シフトドラム(100)に向けて突設され、
    前記シフトドラム(100)には、前記シャフトピン(84)が摺動自在に係合するシャフト案内溝(101r)が形成され、
    前記シフトフォークシャフト(81)に固定された係止部材(84,85)により前記シフトフォーク(83)から離れる軸方向の相対移動を規制されたバネ受け部材(91)が前記シフトフォークシャフト(81)に軸支され、
    前記バネ受け部材(91)と前記シフトフォーク(83)との間にロストモーションバネ(90)が介装され、
    前記シフトドラム(100)の回動に伴う前記シフトフォークシャフト(81)の軸方向の移動が前記係止部材(84,85)を介して前記バネ受け部材(91)を押圧することで、前記ロストモーションバネ(90)のバネ荷重が前記シフトフォーク(83)に作用することを特徴とするドラム式変速駆動装置。
  2. シフトフォークシャフト(81)に摺動可能に軸支されたシフトフォーク(83)の係合ピン部(83p)がシフトドラム(100)の外周面のフォーク案内溝(101r)に摺動自在に係合し、前記シフトドラム(100)の回動により前記シフトフォーク(83)が前記フォーク案内溝(101r)に案内されて軸方向に移動することで、前記シフトフォーク(83)が係合する変速機(Ts)のシフタ部材(48)を移動して変速駆動するドラム式変速駆動装置において、
    前記シフトフォークシャフト(81)は、機関ケース(40f,40r)に軸方向に移動自在に支持され、
    前記シフトフォークシャフト(81)にシャフトピン(84)が前記シフトドラム(100)に向けて突設され、
    前記シフトドラム(100)には、前記シャフトピン(84)が摺動自在に係合するシャフト案内溝(101c)が形成され、
    前記シフトフォークシャフト(81)に固定された一側係止部材(96)により前記シフトフォーク(83)から離れる軸方向の相対移動を規制された一側バネ受け部材(94)が前記シフトフォークシャフト(81)に軸支され、
    前記シフトフォークシャフト(81)に前記シフトフォーク(83)と前記一側係止部材(96)との間で固定された他側係止部材(97)により前記シフトフォーク(83)に近づく軸方向の相対移動を規制された他側バネ受け部材(95)が前記シフトフォークシャフト(81)に軸支され、
    前記一側バネ受け部材(94)と前記他側バネ受け部材(95)との間にロストモーションバネ(93)が圧縮されて介装され、
    前記シフトドラム(100)の回動に伴う前記シフトフォークシャフト(81)の軸方向の移動が前記一側係止部材(96)を介して前記一側バネ受け部材(94)を押圧することで、前記ロストモーションバネ(93)のバネ荷重が前記他側バネ受け部材(95)を介して前記シフトフォーク(83)に作用することを特徴とするドラム式変速駆動装置。
  3. 前記他側係止部材(97)は、前記シフトフォークシャフト(81)を直交するように貫通して固定されて両端を僅かに突出するストッパピン(97)であり、
    前記他側バネ受け部材(95)は、前記ストッパピン(97)の長さに略等しい内径の円筒形状をなして前記シフトフォークシャフト(81)に遊嵌して前記ストッパピン(97)を覆い、
    前記ロストモーションバネ(93)は前記他側バネ受け部材の円筒外周を覆うロストモーションコイルバネ(93)であり、
    前記他側バネ受け部材(95)の円筒の一端開口の縮径部(95r)が前記ストッパピン(97)に係止され、他端開口の拡径部(95f)が前記ロストモーションコイルバネ(93)を受けることを特徴とする請求項2記載のドラム式変速駆動装置。
  4. 前記シフトフォークシャフト(81)上で、前記シフトフォーク(83)に関して前記シャフトピン(84)と反対側に前記ロストモーションバネ(93)が設けられ、
    前記シャフトピン(84)と前記シフトフォーク(83)との間に第2のロストモーションバネ(90)が介装されることを特徴とする請求項3記載のドラム式変速駆動装置。
  5. 前記シフトフォークシャフト(81)上で、前記シャフトピン(84)に関して前記シフトフォーク(83)と反対側に第2のシフトフォーク(82)が設けられ、
    前記第2のシフトフォーク(82)に関して前記シャフトピン(84)と反対側にロストモーションバネ(86)を配設することを特徴とする請求項1または請求項2記載のドラム式変速駆動装置。
  6. 走行用に常に使用する主変速機(Tm)と同主変速機(Tm)の出力を切り換えて最終出力にする副変速機(Ts)が内燃機関(E)に組み合わされて構成される動力伝達装置(20)における前記副変速機(Ts)に、前記ドラム式変速駆動装置が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のドラム式変速駆動装置。
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