JP5745910B2 - 塗装板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル等の内装に使用される塗装板とその製造方法に関する。
トンネル等の内装に使用される塗装板は、高い耐久性が要求され、かつ洗浄を定期的に行っても所定の反射率を維持し続けることが要求されることから、従来、補強繊維として石綿を使用した、硬質けい酸カルシウム板等の無機質窯業系板材を基板とし、その上に無機塗料を焼き付けして形成した塗膜を有する塗装板が使用されてきた(非特許文献1)。しかし、石綿の使用が禁止されたことから、その代替材料が求められている。石綿代替繊維としてさまざまな繊維が提案され、セルロースパルプ等の有機繊維が使用されることが多くなってきている。
トンネル内装システム,(株)エーアンドエーマテリアル,2002年
しかし、有機繊維で強化された内装板のような厚さが比較的薄い無機質窯業系板材においては、基板の上に無機塗料を焼き付けして塗膜を形成しようとすると、基板に含まれる有機繊維が劣化し塗膜を形成することができないという問題があった。一方、基板上に通常の有機塗料を形成した場合には、内装板が汚染した場合に洗浄を繰り返すと、反射率が変化してしまいトンネル等の内装板としては適さないという問題があった。
従って、本発明の課題は、基板の原料として石綿を使用していないにもかかわらず、高い耐久性を有し、かつ洗浄を定期的に行っても所定の反射率を維持し続ける塗装板とその製造方法を提供することにある。
そこで本発明者は、繊維強化セメント板を基板とする内装材の耐久性と反射率の維持性能を改善すべく種々検討した結果、基板に含浸シーラー層、サーフェーサー層次いでオルガノポリシロキサン系塗料による上塗り層を形成させることによって、不燃性と耐久性を有し、かつ洗浄によっても反射率が変化しない塗装板が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、繊維強化セメント板を基板とし、該基板の片面に含浸シーラー層、サーフェーサー層及びオルガノポリシロキサン系塗料による上塗り層がこの順に積層されてなることを特徴とする塗装板を提供するものである。
また本発明は、次の(A)から(D)の工程を含むことを特徴とする塗装板の製造方法を提供するものである。
(A)基板である繊維強化セメント板を用意する工程
(B)前記基板の少なくとも片面に、含浸シーラーを塗布して基板に含浸させた後、加熱乾燥を行うことにより含浸シーラー層を形成する工程
(C)含浸シーラー層が形成された基板の片面に、サーフェーサー塗料を塗布し乾燥した後、その表面を研磨してサーフェーサー層を形成する工程
(D)サーフェーサー層の上に、上塗り層用のオルガノポリシロキサン系塗料を塗布した後加熱乾燥して、上塗り層を形成する工程
本発明の塗装板は、不燃性を有し、洗浄による表面拡散反射率の低下も少ないので、トンネル等の内装材として好適である。さらに、塗膜とは反対側の面に不燃性繊維クロスを接着すれば、破損した場合でも飛散せず、金属製内装材のような腐食もなく耐久性を有するので、トンネル内の保全と安全性を維持することができる。
本発明の塗装板は、繊維強化セメント板を基板とする。基板として使用する繊維強化セメント板は、マトリックスを形成するための主原料としてポルトランドセメント等の水硬性セメントを使用し、繊維原料として石綿以外の繊維を使用するとともに、必要に応じてワラストナイトや炭酸カルシウム粉末等の混和材を原料として使用する基板であり、具体的にはJIS A 5430に規定された軟質フレキシブル板等の基板である。特に、マトリックスを形成するための原料として、前記水硬性セメントとともに粉末珪石等のけい酸質原料を用い、成形工程において加圧を行い、養生工程においてオートクレーブ養生を行ってなる繊維強化セメント板の一種である硬質けい酸カルシウム板は、緻密で柔軟性に優れた基板であり、強度が高く吸水による長さ変化率が小さいので、本発明の塗装板の基板として好適である。
本発明の塗装板の基板として使用する繊維強化セメント板は、塗装板をトンネル内壁の曲面に沿って施工する際の施工性等の観点から、厚さが3〜8mmの薄い板が好ましく、さらに好ましくは厚さが3.5〜4.5mmの板である。基材の厚さが3mmを下回ると、運搬時や施工時に塗装板が破損しやすくなるので好ましくない。基材の厚さが8mmを上回ると、塗装板をトンネル内壁等の曲面に沿って施工することが行いにくくなるので好ましくない。
このような厚さが薄い繊維強化セメント板の成形方法としては、繊維原料の配向性が優れており、繊維原料が有する補強性能を十分に発揮させることができる抄造法が適している。前記原料に水を加えて混合し、抄造法を用いて所定の厚さに成形して生板(グリーンシート)を得、得られた生板を圧力19.5〜29.5MPaの圧力で加圧した後、160〜190℃で4〜15時間オートクレーブ養生を行うことにより、本発明の基板として好適な、見掛け密度が1.5〜1.8g/cm3の硬質けい酸カルシウム板を得ることができる。基板の見掛け密度が1.5g/cm3を下回ると、材質がポーラスとなりトンネル等の内装材としての耐久性が低下する危険性がある。また、基板の見掛け密度が1.8g/cm3を上回ると、材質が硬くなるので好ましくない。
成形方法として抄造法を用いる場合、成形性の面からセルロースパルプ等の有機繊維を使用する必要があり、その配合比率は、繊維強化セメント板の原料全体の4〜8質量%の範囲が好適であり、さらに好適には6.5〜7.5質量%である。4質量%を下回ると、得られる繊維強化セメント板の柔軟性や強度が低下するので好ましくない。また、8質量%を上回ると不燃試験において基材の発熱量が増加するので、不燃性能を確保するためには塗装板の塗膜層を薄くしなければならず、塗膜層の性能が低下するので好ましくない。
前記基板の片面又は両面には、まず含浸シーラー層が積層される。含浸シーラー層は、基板表面の補強、基板内部のアルカリ封止及び次層であるサーフェーサー層の接着性向上を目的として形成される。含浸シーラー層を形成するシーラーとしては、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機系シーラー;スチレンブタジエンゴム、アクリルゴム、塩化ゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリル・ブタジエンゴム等のゴム系シーラー;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等のイソシアネート系シーラー等の有機系シーラーが用いられる。このうち、イソシアネート系シーラーが特に好ましい。有機系シーラーを用いて含浸シーラー層を形成する場合、補強、アルカリ封止及びサーフェーサー層の接着性の点から、有機固形分量として1.3〜7.5g/m2が好ましく、さらに2.5〜7.5g/m2がより好ましい。なお、含浸シーラー層は、片面(表側の面)だけでもよいが、両面に形成するのがより好ましい。
表側の面の含浸シーラー層の表面には、サーフェーサー層が積層される。サーフェーサー層は、基板の凹凸を軽減し、下地を平滑化し、上塗り層の接着性を向上させ、シーラー層までの下地の色を均一とし、上塗り塗装工程で下地からの水分や溶剤成分および樹脂の放散を抑制し、塗装板を供した後の上塗り塗膜面に加わる飛来物や曲げ応力などによる塗膜の脱落や亀裂の発生を防止し、施工したトンネル壁面からの水分が塗装板の裏面から上塗り層に到達することをシーラー層と共に防止することを目的として形成される。サーフェーサー層を形成する塗料としては、毛羽取り研磨しやすい塗料が好ましく、アクリルウレタン系塗料、ビニル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、合成樹脂エマルション系塗料、エポキシ樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗料、アクリルシリコーン樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料等が挙げられる。このうち、アクリルウレタン系塗料が特に好ましい。サーフェーサー層は、平滑化の容易性及び上塗り層との接着性の点から有機固形分量として5.0〜15g/m2が好ましく、さらに6.7〜13.4g/m2がより好ましい。
サーフェーサー層の表面には、オルガノポリシロキサン系塗料による上塗り層が積層される。上塗り層としてオルガノポリシロキサン系塗料を採用することにより、耐水性、耐汚染性、耐久性に加えて洗浄による反射率低下が顕著に抑制される。オルガノポリシロキサン系塗料としては、一液型又は二液型のオルガノポリシロキサン系塗料が用いられる。具体的には、アルコキシ基を複数有するオルガノポリシロキサン化合物を主成分とし、架橋性基を有するシラン化合物及び/又はアクリル樹脂、及び硬化触媒を含有する常温硬化性塗料が挙げられる。ここで架橋性基としては、エポキシ基、アクリル基、アミノ基等が挙げられる。これらのより具体的な例としては、特開2000−631612号、特開2003−238895号、特開2006−36984号、特開2006−36985号記載のオルガノポリシロキサン系塗料が挙げられる。当該上塗り層は、耐久性、反射率低下防止の点から有機固形分量として10.2〜50.9g/m2が好ましく、さらに13.6〜40.7g/m2がより好ましい。
本発明の塗装板においては、前記表側の面と反対側の面には、必要により含浸シーラー層が形成され、さらに接着剤層を介して不燃性繊維クロスが接着されているのが、破損時の飛散防止、耐アルカリ水性、裏面の外観向上、塗装板裏面の保護、製品曲げ強度の向上、塗装板製造工程の簡便化の点で好ましい。用いられる接着剤としてはエポキシ系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、ゴム系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤等が用いられる。不燃性繊維クロスとしては、ガラスクロス、炭化けい素繊維クロス、アルミナ繊維クロス、窒化けい素繊維クロス、ボロン繊維クロス、ボロン・タングステン繊維クロス、アルミナシリカ繊維クロス、ジルコニア繊維クロス、シリカ繊維クロス、ステンレス繊維クロス等が挙げられるが、ガラスクロスが特に好ましい。ガラスクロスとしては、ガラス繊維を用いて作られた織布であればよいが、目開きはないものが好ましい。接着剤層は、有機固形分量として23〜90g/m2が好ましく、特に36〜90g/m2がより好ましい。なお、前記トンネル用塗装板の含浸シーラー層、サーフェーサー層、上塗り層および接着剤層の有機固形分の合計量は、不燃性の観点から180g/m2以下とするのが好適である。
本発明塗装板は、例えば次の(A)から(D)の工程を含む工程により製造される。
(A)基板である繊維強化セメント板を用意する工程
(B)前記基板の少なくとも片面に、含浸シーラーを塗布して基板に含浸させた後、加熱乾燥を行うことにより含浸シーラー層を形成する工程
(C)含浸シーラー層が形成された基板の片面に、サーフェーサー塗料を塗布し乾燥した後、その表面を研磨してサーフェーサー層を形成する工程
(D)サーフェーサー層の上に、上塗り層用のオルガノポリシロキサン系塗料を塗布した後加熱乾燥して、上塗り層を形成する工程
工程(B)の含浸シーラーの塗布に際し、基板は予め60〜80℃程度に加温しておくのが好ましい。含浸シーラーの塗布は、例えばロールコーターにより行うことができる。
工程(C)のサーフェーサー層形成工程は、例えばロールコーター及びフローコーターで塗布後、乾燥する。乾燥後は、サーフェーサー層を平滑化するため毛羽取り研磨を行う。毛羽取り研磨は、通常のロールバフ研磨機を用いて行うことができる。その後、乾燥を行えばよい。
工程(D)の上塗り層形成工程は、用いる塗料のタイプによって相違するが、60〜80℃程度に加温した後、塗料を塗布し、乾燥すればよい。
本発明の塗装板の裏側の面は、必要により含浸シーラー層を形成後、(E)接着剤を塗布し、その上に不燃性繊維クロスを載置した後加圧して、不燃性繊維クロスを基板に接着させることにより形成される。不燃性繊維クロスの加圧は、例えばダミー板をのせ、上から0.1〜1kg/cm2の加重を24〜48時間加えればよい。不燃性繊維クロスの接着工程で、接着剤の硬化を促進させるため、予め塗装板を加温(60〜80℃程度)したり、加圧中に加温(60〜80℃程度)してもよい。
得られた本発明の塗装板は、上塗り層にオルガノポリシロキサン系塗料層があるため、耐久性、耐水性に優れ、かつ洗浄による反射率の低下が少ないことから、特にトンネル内装用塗装板として有用である。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
実施例1
(A)基板
(1)原料
(i)マトリックスを形成する原料:普通ポルトランドセメント30質量%、粉末珪石20質量%
(ii)繊維原料:セルロースパルプ7質量%
(iii)混和材:ワラストナイト17質量%、炭酸カルシウム粉末26質量%
(2)製造
前記原料に水を加えて混合し、丸網抄造機にて成形して生板を得、圧力24.5MPaで加圧し、180℃で10時間のオートクレーブ養生を行い、厚さ4mm、見掛け密度1.6g/cm3、曲げ強度36MPaの硬質けい酸カルシウム板を得た。この硬質けい酸カルシウム板を塗装板の基板として使用した。
(B)含浸シーラー層の形成
1)プレヒート
基板を送風式加温炉で板温度66〜67℃に加温した。
2)シーラー塗布
加温した基板(以下、各工程の処理を行った基板も、基板という)の化粧面側のみ(表面側)に、ロールコーター(R/C)でシーラー塗装を行った。シーラーは中国塗料(株)製「アルカリシーラーNY2」と同社製シンナーの「ウレタンシンナーSE」を質量比1:1で混合したものを用いた。塗布量は20g/m2(有機固形分量5g/m2)とした。
(C)サーフェーサー層の形成
1)塗料の塗布
基板表面にシーラー塗布した後、直ちに2台のR/Cと1台のフローコーター(F/C)を用いて下塗り塗装を行った。R/C用の下塗り塗料は中国塗料(株)製「EPコートNo.300SF白」と同社製「51F」硬化剤及び「リターダー1」シンナーをそれぞれ16kg/1kg/3kgで配合したものを用いた。R/Cの塗布量は1台当たり10g/m2で計20g/m2(有機固形分量3.5g/m2)とした。
つぎに直ちにF/Cで塗装を行う。塗料はR/C塗装と同じ中国塗料(株)製「EPコートNo.300SF白」、「51F」硬化剤、「リターダー1」シンナーを用いた。塗料配合は塗料、硬化剤及びシンナーを16kg/1kg/4kgで配合した。F/Cの塗布量は60g/m2(有機固形分量10.0g/m2)とした。
2)中間乾燥工程
F/C塗装を行った後、50℃雰囲気設定とした送風式乾燥炉で3分乾燥した。この工程で塗布した塗膜を研磨可能な状態まで硬化乾燥させた。
3)毛羽取り研磨工程
中間乾燥した後の塗装面を3本のロールバフ研磨機を用いて研磨を行った。始めに240番のロールをナチュラル回転(基板搬送に対して順回転)させながら研磨し、次に240番のロールをリバース回転(基板搬送に対してブレーキの掛かる方向の回転)させながら研磨し、最後に#1000番のロールをリバース回転させながら研磨を行った。この研磨により、塗装面の毛羽や異物を除去し、表面の凸部をなだらかとして平滑とした。バフ研磨工程後の塗装面にはバフによる細かい凹凸が形成されるため、上塗り塗膜層との密着性が改善される。
4)乾燥工程
基板を雰囲気温度40℃で1分30秒のセッティングゾーンを通過させた後、ウイケット式送風乾燥機を用いて78〜80℃雰囲気で15分の乾燥を行った。
(D)上塗り層の形成
1)プレヒート
基板を送風式加温炉で板温度66〜67℃に加温した。
2)上塗り塗装
(ア)塗料の塗布
加温した基板の化粧面側のみ(表面側)に、R/Cで上塗り塗料の塗布を行った。塗料は恒和化学工業(株)製「セラゼックスAAM−452」と同社製「上塗りB液」とシンナーとして酢酸ブチルを用い、12.8kg:3.2kg:1kg(質量比4:1:0.3)で混合したものを用いた。塗布量は6g/m2(有機固形分量2.0g/m2)とした。
つぎに直ちにF/Cで塗装を行った。塗料は恒和化学工業(株)製「セラゼックスAAM−454」、「上塗りB液」硬化剤、酢酸ブチルを用いる。塗料配合は塗料、硬化剤及びシンナーを12.8kg/3.2kg/0.5kgで配合した。F/Cでの塗布量は80g/m2(有機固形分量27.2g/m2)とした。
(イ)中間乾燥工程
上塗り塗布した基板を50℃から60℃雰囲気の乾燥炉内で2分30秒乾燥した。
(ウ)セッティング及び乾燥
基板を40℃で1分30秒間のセッティングゾーンを通過させた後、ウイケット式送風乾燥機を用いて110℃雰囲気で50分の乾燥を行った。
(エ)冷却及び積み出し
ウイケット式乾燥機で乾燥した基板を送風式冷却装置で冷却し、合紙を入れながら積載した。
(E)裏面ガラスクロス貼り工程
1)接着剤の塗布
上塗り塗装工程まで行った基板を裏返して化粧面を下、基材面を上としてR/C塗装機を用いて基材面に接着剤の塗布を行った。接着剤はコニシ株式会社製2液型エポキシ接着剤「E500W主剤」及び「E500W硬化剤」を1:1で混合したものを用いた。
接着剤の塗布は、まず9mmの合板の上に約20mm厚みのスチレンフォーム緩衝材を積層した塗布治具の上に、化粧面を下側に向けて基板を載せた後、治具と共にロール塗装機に挿入して、上面の基材面全体に接着剤の塗布を行った。接着剤の塗布量は80g/m2(有機固形分量36g/m2)とした。
2)ガラスクロスの貼り付け
接着剤の塗布後直ちに基板の端部へロール状に巻き取られたユニチカ(株)製ガラスクロス「H201H107J」を載せた後、基板の上を反対側まで転がして、全面をガラスクロスで覆い、基板よりもガラスクロスをやや大きく余裕を残して切った。つぎにハンドロールを用いてガラスクロスの上から押さえ、基板とガラスクロスを十分に密着させた。このロール加圧により、ガラスクロスを基材面に押しつけ、またガラスクロス内部にエポキシ接着剤を浸透させると共に、基板とガラスクロスの間に混入した空気を追い出し、クロスの皺を伸ばして密着不良箇所を無くした。
3)圧締状態での硬化
つぎに基板を積載し、ガラスクロスの上に合紙を載せながら積載した。この合紙は基板同士がはみ出した接着剤で固着したり、塗装面が接着剤で汚れることを防止する目的で挿入した。
次に積載した基板に均等に加圧力がかかるように、基板の上にダミー板を載せて、上から0.3kg/cm2の加重を48時間加えたまま保持し、接着剤を硬化させた。
4)端部のガラスクロス整形
接着剤が硬化した後で基板を取り出し、基板の4周にはみ出す余剰のガラスクロス及び接着剤をカッターで除去した後、再度積載してトンネル用塗装板とした。
上塗り層としてオルガノポリシロキサン系塗料を用いた塗装板と、アクリルシリコン、ウレタン又はアクリルウレタンを用いた塗装板との初期反射率、洗浄後反射率を測定し、反射率の変化を評価した。汚染試験は以下のようにして行った。
(1)汚染物質
JIS Z8901試験粉体に規定される第3種けい砂を32質量%と、第11種関東ローム28質量%と第12種カーボンブラック40質量%を混合したものを汚染物質として用いる。
(2)汚染試験方法
200×100mm寸法とした試験体の塗装面に、霧吹きで1回約1グラムの水を噴霧する。
汚染物質を10gはかりとり、目開き0.5mmのフルイをもちいて水を噴霧した面に均一に汚染物質を散布する。
試験体を起こして試験体背面を軽くさじで叩き、余剰の汚染物質を落とす。
600rpmで回転する円筒状のナイロンブラシと、毎秒50mLの水を散水する散水管を用いて、汚染物質を散布した塗装面に散水しながらブラシの下を3秒で通過するように1回洗浄する。
試験体を軽く水で流し、常温の送風機で塗装面の水がなくなるまで乾燥させる。
水で濡らした家庭用のスポンジを用いて、ブラシを通過させた塗装面を軽く擦り、水で流した後、常温の送風機で塗装面を乾燥させる。
(3)評価
BYKガードナー社製カラーガイドスフィア色差計を使用し、Yxy表色系のY値(反射率)を用いて汚染試験前後の塗装面の反射率を測定する。
BYKガードナー社製カラーガイドスフィア色差計を使用し、L***表色系を用いて汚染前後の色差ΔEを測定する。
反射保持率(%)の計算方法は、Yxy表色系のY値(反射率)について、(汚染後Y値/初期Y値)×100とした。
100に近い方が、反射率の変化が少ない。
結果を表1に示す。
Figure 0005745910
表1の結果より、上塗り層としてオルガノポリシロキサン系塗料を用いた本発明の塗装板は、洗浄後も反射率が低下せず、反射保持率が高いことが判明した。
実施例1の塗装板に対して、JIS A5430:2008 10.9項b)附属書JAによる発熱性試験を実施した。試験装置として(株)東洋精機製作所のコーンカロリーメータ3を使用し、加熱時間20分における総発熱量を測定した。その結果、塗装板の総発熱量は7.1MJ/m2であり、前記附属書の表JA.1の発熱性判定基準に記載された発熱性1級の判定基準である加熱時間20分における総発熱量が8MJ/m2以下という条件を満足し、建築基準法で定められた不燃材料に該当した。

Claims (8)

  1. 繊維強化セメント板を基板とし、該基板の片面に有機固形分量が1.3〜7.5g/m 2 含浸シーラー層、表面が研磨されたサーフェーサー層及びオルガノポリシロキサン系塗料による上塗り層がこの順に積層されてなることを特徴とする塗装板。
  2. 前記基板の他の面に接着剤層を介して不燃性繊維クロスが接着されてなる請求項1記載の塗装板。
  3. 前記基板の他の面に含浸シーラー層が形成され、その表面に接着剤層を介して不燃性繊維クロスが接着されてなる請求項1記載の塗装板。
  4. 繊維強化セメント板が、厚さ3〜8mm、見掛け密度1.5〜1.8g/cm3、かつ有機繊維含有率4〜8質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の塗装板。
  5. 含浸シーラー層、サーフェーサー層、上塗り層、接着剤及び不燃性繊維クロスに含まれる有機固形分量の合計が、前記基板の単位面積(m2)当たり39〜180gである請求項1〜4のいずれか1項記載の塗装板。
  6. トンネル内装用塗装板である請求項1〜5のいずれか1項記載の塗装板。
  7. 次の(A)から(D)の工程を含むことを特徴とする塗装板の製造方法。
    (A)基板である繊維強化セメント板を用意する工程
    (B)前記基板の少なくとも片面に、含浸シーラーを塗布して基板に含浸させた後、加熱乾燥を行うことにより有機固形分量が1.3〜7.5g/m 2 含浸シーラー層を形成する工程
    (C)含浸シーラー層が形成された基板の片面に、サーフェーサー塗料を塗布し乾燥した後、その表面を研磨してサーフェーサー層を形成する工程
    (D)サーフェーサー層の上に、上塗り層用のオルガノポリシロキサン系塗料を塗布した後加熱乾燥して、上塗り層を形成する工程
  8. さらに次の(E)の工程を含む請求項8記載の塗装板の製造方法。
    (E)基板の他の面に接着剤を塗布し、その上に不燃性繊維クロスを載置した後加圧して、不燃性繊維クロスを基板に接着する工程
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