JP4612220B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シリコンオイル等を主成分とするはじき剤を添加した塗料を、スリットにより塗料カーテンを形成して塗布するいわゆるフローコーターで板状の建築材料等の被塗装物に塗装し、意匠性、特に、光揮感、立体感、陰影感、深み感に優れた化粧板の製造方法に関するものであるなお、この発明の製造方法で得られる化粧板は、バスユニット内壁、トイレブース、キッチン前面板等の内装材に適している。
【0002】
【従来の技術】
一般的なフローコーターによる塗装は、塗布しようとする液体塗料をスリットに通すことにより液体塗料の粘性を利用して一定幅の薄いカーテン状またはフィルム状の塗料カーテンを形成して上方から連続的に供給し、被塗装物に塗装を行う方法である。具体的には、タンクに貯留された塗料を塗料ポンプにより塗料供給ヘッドに供給し、この塗料供給ヘッドに形成されたスリットから一定幅の薄いカーテン状またはフィルム状の塗料カーテンを形成して、上方から連続的に供給する一方、コンベアにより被塗装物を移動させて塗料カーテンの下を潜行させることにより塗装が行われる。被塗装物に付着なかった塗料は塗料回収桶により回収されてタンクに戻され、再び塗料ポンプにより自動的に循環される。
【0003】
フローコーターの塗料供給ヘッドに関して、安定した塗料カーテンを形成して均一な塗装を行うため各種の提案がなされている。例えば、実公平2−3829号公報には、塗料供給ヘッドの一端からその内部に塗料を吐出させると共に、塗料供給ヘッド内に吐出側を疎とし且つその反対側が密となるような間隔の複数の孔を形成したフィルターを設け、塗料供給ヘッドに形成されたスリットによりカーテン状に塗料を流下させる装置が開示されている。また、特開平10−323603号公報には、塗料供給ヘッド内の流下経路に相対する流路壁から流路内へ交互に突出したブレードが設けられた塗料供給ヘッドが開示されている。さらに、特開平11−128803号公報には、塗料供給ヘッド内に流下スリットに連接たテーパ面に断面V字状の樋を設け、この樋の底部角部にスリットを形成したものが開示されている。
【0004】
一方、塗装により高い意匠性を付与する目的で、塗料中に分散しにくい顔料や塗料に対して溶解しにくい液状の添加剤や界面活性剤などを添加または混合した塗料が用いられるようになってきている。例えば、特開平10−291274号公報には、意匠性、特に光輝感、立体感、陰影感、深み感を高めた化粧建材の製造方法が開示されている。この化粧建材は平滑な基材表面に化粧層を設け、その上にシリコンオイルが分散した表面塗膜層を設けた化粧建材であり、この化粧建材の製造方法は、図柄印刷された化粧紙や熱転写樹脂シートを化粧層とし、その上にシリコンオイル分散混合させた塗料をロールコーターまたは従来の塗料供給ヘッドを使用したフローコーターにより塗装し、シリコンオイルのはじき効果を利用して塗膜表面に凹凸を付け深み感をもたせようとするものである。また、この塗料には顔料としてアルミニウム粉が導入可能であるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリコンオイル等を主成分とするはじき剤を分散混合た塗料を従来の塗料供給ヘッドを備えたフローコーターで基材上に塗布する場合には、シリコンオイルと塗料との組成、性状(相溶性、表面張力等)の相違により、塗料供給ヘッド最下部に位置する塗料流下スリットによって形成される塗料カーテンが切れ、あるいは破れる「カーテン切れ」を来すため、通常市販されている構造の従来の塗料供給ヘッドを備えたフローコーターでの塗装は困難であり、あるいは「カーテン切れ」に起因する塗膜欠陥(塗装不良)が多発し安定した塗装(製造)できないという問題点があった。
【0006】
また、化粧建材の意匠性を高めるために、シリコンオイル等を主成分とするはじき剤の添加量を多くするにつれて「カーテン切れ」の発生回数が増す傾向を示すため、目的とする意匠性を得ようとすると、塗装不良の増大を招くという問題点もあった。更には、シリコンオイル等を主成分とするはじき剤を分散混合さた塗料が「カーテン切れ」を生じることなくカーテンを形成できたとしても、塗料カーテンが不安定となり、前記塗料へのはじき剤の分散混合状態が必ずしも均一とならないため、付与された模様の大きさが不均一で、特に基材の中央部と端部で模様の大きさが異なり、柄の再現性がある製品製造できないという問題点もあった。
【0007】
さらに、特開平11−128803号公報に開示されている装置は、塗料供給ヘッド内部に底部角部にスリットを施した断面V字状の樋を塗料供給ヘッド最下部に位置する塗料流下スリットに連結したテーパ面に取り付けることを特徴としており、粘度が低く、粗骨材を含む塗料であっても安定した塗料カーテンを形成して均一塗装を行うことが可能であるとている。この装置は、粘度が低く、粗骨材を含む塗料に対しては有効であるが、意匠性を高める目的等で塗料中に、例えばシリコンオイルの様な塗料の組成・性状とは異なる添加剤を混合した塗料を従来の塗料供給ヘッドを備えたフローコーターで塗装する場合には、導入管から塗料供給ヘッド内に吐出された塗料が、断面V字状樋へ落下する際に空気を巻き込み、これにより塗料カーテンが不安定となり「カーテン切れ」を来し、また、「カーテン切れ」を生じないまでも得られる塗料カーテンが不安定となり、柄に再現性のある製品製造出来ない。
【0008】
そこで、この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、分散しにくい顔料や塗料に溶解、分散しにくい液状の添加剤であるはじき剤を添加または混合した塗料を用いて、安定した塗料カーテンを連続的に形成し意匠性の高い、物性に優れた塗膜の塗装を行うことができる塗料供給ヘッドを備えたフローコーターによる化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
すなわち、この発明の化粧板の製造方法では、はじき剤を添加した塗料をフローコーターで塗装する場合に、「カーテン切れ」等の塗装不良を来すことなく、模様と柄の再現性のある製品の安定的な製造が可能であり、しかも意匠性、特に光揮感、立体感、陰影感、深み感に優れた化粧板の製造方法を提供することができる。なお、この明細書に記載しているとは、化粧層形成用塗料に添加するはじき剤の作用により形成される意匠をいい、模様とは、巨視的な窯業系化粧板としての意匠をそれぞれいう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の化粧板の製造方法は、はじき剤を添加した塗料を、導入管を介して容器状の塗料供給ヘッドに連続的に供給しさらに、この塗料供給ヘッドに形成されたスリットから塗料カーテンとして下方に供給し、コンベアにより移動する基板の表面に塗料を付着させる化粧板の製造方法において、前記供給ヘッドを、底部にスリットを形成した長箱状の容器と、この容器内に塗料を供給するために、前記導入管に連結すると共に下向き開口を形成した供給手段と、この供給手段からの塗料を一旦受け入れると共に上向き開口部から層状に流出させるための混合分散手段と、前記スリットに連結された斜面部と側部との間に画成され、前記混合分散手段から流出する塗料を貯留するための塗料溜まり部とから構成し、前記供給手段と混合分散手段を、供給手段の開口の最上位置が混合分散手段の開口部の最下位置より下方に位置するように配設すると共に、前記供給手段からの塗料を、前記塗料溜まり部の液面が混合分散手段の上向き開口部から混合分散手段の最下部までの範囲にあるように供給することを特徴とするものである。
【0011】
なお、混合分散手段はスリットと略平行に配設された樋から構成することができ、樋の断面形状をU字状、V字状、コ字状又はL字状とすることができる。また、供給手段はスリットと略平行に配設され且つ外周部に開口が形成された管から構成することができ、開口は、管の長さ方向に沿って形成された複数の孔、あるいは管の長さ方向に沿って形成された細長い線形スリットとして下向きに形成される。複数の孔を用いる場合には、管内の塗料の流れ方向に対して上流側が疎に、下流側が密になるような間隔で形成することが好ましい。また、線形スリットを用いる場合は、管内の塗料の流れ方向に対してスリット幅が上流側で狭く、下流側で広くなるように形成することが好ましい。
【0012】
すなわち、この発明に係る化粧板の製造方法は、基板の表面に上記塗料供給ヘッドを用い、供給手段からの塗料を、塗料溜まり部の液面が混合分散手段の上向き開口部から混合分散手段の最下部までの範囲にあるように供給しながら塗料を塗布し、硬化させて化粧層を形成するものである。好ましくは、基板が、金属板、無機質板、木質板、紙板、樹脂板及びフィルム(薄板)のいずれかであり、基板にあらかじめ下地調整層を設けることもできる。さらに、化粧層上に透明または半透明のトップクリア層を形成してもよい。なお、塗料供給ヘッド内における塗料溜まり部の塗料の液面は、混合分散手段の開口部から混合分散手段の最下部までの範囲に維持するものである
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(塗料供給ヘッド)
図7にフローコーター式塗装装置の全体構成を示す。混合撹拌装置付きのタンク1に貯留された塗料2をポンプ3により導入管4を経由して塗料供給ヘッド5に連続的に供給し、この塗料供給ヘッド5に形成されたスリット6に塗料2を通すことにより一定幅の薄いカーテン状またはフィルム状の塗料カーテン7を形成して上方から下方へ連続的に供給し移動するコンベア8及び9により被塗装物Aすなわち基板を塗料カーテン7の中を潜行させることによって被塗装物Aの表面に塗料を付着させる。なお、被塗装物Aに付着なかった塗料2は塗料回収桶(塗料受け)10により回収されてタンク1へ戻され、再びポンプ3により自動的に循環される。
【0014】
この実施の形態1で用いられる塗料供給ヘッドを図1及び図2に示す。塗料供給ヘッドは長箱状の容器11からなり、この容器11の底部に、塗料流下用のスリット12が形成されると共にスリット12の上部には、スリットに連結て斜面部13が形成され、この斜面部13と容器11の側部とにより塗料溜まり部14が画成されている。また、容器11内には、スリット12の上方で且つスリット12と平行に供給管15(供給手段)が配設され、供給管15の両端がそれぞれ容器11の左右の外側面に取り付けられ導入管16及び17に連結ている。供給管15には下向きに開口する複数の供給孔18すなわち下向き開口が形成されている。この供給管15を収容するようにスリット12と平行に塗料混合分散させるための樋19混合分散手段として配設されている。図3に示ように、樋19はコ字状の断面形状を有し、上向き開口部20を有している。
【0015】
次に、この塗料供給ヘッドを用いて分散、溶解しにくい成分を含む塗料からなる塗料カーテンを形成する方法について説明する。まず、図7に示されるような撹拌混合装置付きのタンク1で混合分散された塗料2を、ポンプ3により導入管4(図1及び図2においては導入管16、17)をして定量的かつ連続的に層流のように塗料供給ヘッド内に導入る。
【0016】
図1及び図2に示されるように、導入管16及び17を通して導入された塗料は供給管15内に入り、下向き開口である複数の供給孔18から樋19内に供給される。このとき、塗料その流速により樋19の中に乱流のように流出させて、溶解しにくい成分再び塗料内に均一に分散さると共に、供給される塗料が空気を巻き込み、気泡を生じることがないすなわち、供給管15の供給孔18の位置は、混合分散用の樋19に設けられた上向き開口部20より下に位置するので、下向き開口である供給孔18から供給される塗料は樋19内の塗料の中に供給されるものである。
【0017】
このようにして供給管15から樋19の中に供給された塗料は樋上部の上向き開口部20からスリット12の上部に容器の前側部および両側部と斜面部13とにより画成された塗料溜まり部14に流出する。このとき、分散、溶解し難い成分が再分散された塗料を上向き開口部20から塗料溜まり部14均一に層流のように流出させることにより搬送経路において塗料中に巻き込まれた空気からなる気泡を除去する作用を有している。また、樋19の側壁の外側面21は、上向き開口部20より層流のように流出する塗料が均一に塗料溜まり部14に供給されるようにすると同時に再び塗料中の気泡を除去する作用を有している。なお、塗料の供給は、塗料溜まり部14に溜まっている塗料の液面22樋19の下端から上端までの間にあるように調整されることが必要である。液面22が樋19の下端より下がると側壁の外側面21から塗料が滴下して空気を巻き込みやすくなり、樋19の開口部20の上端より上がると塗料を開口部20から側壁の外側面21に沿って層流のように流出させることができなくなり、樋19の混合分散機能の発揮、及び塗料の搬送経路中に生じた気泡を除去する機能の発揮が困難になるからである。
【0018】
このようにして樋19の側壁の外側面21に沿って塗料が塗料溜まり部14に層流のように流出することにより、塗料溜まり部14内均一に混合分散された塗料は気泡も除去されて、スリット6、12により一定幅の薄いカーテン状またはフィルム状の塗料カーテン7となって連続的に供給される。
【0019】
なお、供給管15の下向き開口である供給孔18は、塗料がその流速を利用して混合分散させられることから樋19に対する各供給孔18における塗料の流速又は流量が均一になるように形成することが好ましい。そこで、複数の供給孔18を、管内の塗料の流れ方向に対して上流側が疎に、下流側が密になるような間隔で形成することが好ましい。また、複数の供給孔18の代わりに供給管15にその長さ方向に沿って下向きに開口するスリットを下向き開口として形成する場合には、管の長さ方向に沿って開口であるスリットの各部から流出する塗料の流速又は流量を均一にするために、開口であるスリットを管内の塗料の流れ方向に対して上流側が狭く、下流側が広くなるような形状形成することが好ましい。
【0020】
上記の実施の形態1においては、樋19の形状を断面コ字状としたが、これに限るものではなく、例えば図4に示されるように、断面U字状の形状とした樋23を用いることもできる。その他、断面V字状やL字状の形状の樋でもよい。ただし、塗料が塗料溜まり部14に対して均一に且つ層流のように流出するように樋の開口部20を形成する。そして、塗料溜まり部14の液面22の上方に位置する樋19側壁の外側面は水平な液面22に対して直角あるいは鈍角をなすように形成されることが好ましい。鋭角になると、塗料は、開口部を形成する側壁の上端あるいは側壁の外側面の途中から滴下し、流速や流量に偏りが発生して空気を巻き込みやすくなるからである。従って、図4に示した断面U字状の樋23においては、樋23の側壁の外側面のうち上部の鉛直部分24に液面22位置させるように塗料の供給を調整することが好ましい。
【0021】
また、図5に示されるように、下端が斜面部13の表面に接するような斜板25を設け、斜面部13と斜板25の間に両者を接続する底板26を設けて、斜面部13と斜板25と底板26とにより供給管15を収容する樋27を形成することもできる。さらに、図6に示されるように、平面状の斜面部28をスリット12の上部に連結形成すると共に容器11の内壁面29を断面逆L字状に屈曲させて斜面部28の背部に連結することにより樋30を形成してもよい。
【0022】
この発明の化粧板の製造方法によれば使用される塗料はシリコンオイル等を主成分とするはじき剤を添加している塗料を意味し、これらの塗料を用いた場合に、特に良好な塗料カーテンの形成に顕著な効果があり、良好な塗膜を形成できる。
【0023】
(化粧板の製造方法)
本発明に係る化粧板の製造方法は、シリコンオイル等を主成分とするはじき剤を添加した塗料を、基板の表面に上述の塗料供給ヘッドを用いフローコーターで塗布し、これを硬化させて化粧層を形成することを特徴とする。この発明における基板としては、材質や形状(板状に限らず)など特に限定されるものではなく、いかなるものでもよいが、例えば、略平板状の金属板、無機質板、木質板、紙板、樹脂板及びフィルム(薄板)などであり、無機質板特に窯業系基板としては、セメント板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、スラグ石膏ボード、軽量コンクリート板、およびそれらの繊維強化板、並びに木片セメント板等が挙げられ、以下、基板として窯業系基板を、分散、溶解しにくい成分を含む塗料としてはじき剤を添加した化粧層形成用塗料を用いた意匠性に優れた窯業系化粧板の製造方法を例に説明する。
【0024】
この発明における窯業系基板の表面形状は、特に限定されるものではなく、フラット(略平板)状、エンボス状(表面に凹凸を有する)等、製品として得られる窯業系化粧板の目的とする用途、及び意匠性等により適した形状を選定できる。本明細書中に記載している窯業系基板の表面がフラット状とは、前記基板表面に意図的に凹凸部を設けていない状態を意味しており、前記基板における研磨処理の有無は特に限定されるものではない。また、窯業系基板の表面がエンボス状とは、前記基板製造時に、プレス加工、エンボスロール加工等の公知の手法により意図的に基板表面部に凹凸を付与したものである。
【0025】
この発明における下地調整層とは、特に限定されるものではないが、例えば窯業系基板表面部分の補強(強度および硬度向上)のための層、窯業系基板が化粧層に及ぼす影響の低減(例えば、アルカリ成分の化粧層への侵入の低減)のための層、窯業系基板と化粧層との密着性の向上および維持を図る目的で処理するための層、窯業系基板自体の色が、化粧板として仕上げた際に影響が無くなるまで隠蔽することを目的とした層等である。例えばシーラー処理、サーフェーサー処理、サンディング処理、下塗り処理(ベース塗装)等のことを指す。なお、下地調整層は、前記のような各種目的の層を得るために設けられるので、これらの処理は幾つかを組合せて施してもよい。シーラー処理とは、窯業系基板表面部分に含浸させて、表面部分の強度および硬度向上、および窯業系基板と下地調整層の塗膜との密着性向上を目的として行い、サーフェーサー処理とは、窯業系基板表面の穴を埋め、さらに、使用する窯業系基板がアルカリ成分を含有する場合には、そのアルカリ成分が化粧層等の塗膜層への侵入を抑制する目的で行う。また、サンディング処理とは窯業系基板表面における平滑性の向上、および前記基板表面に残存する毛羽立ちの除去を図る目的で行い、前記基板表面上に研磨しろ層を形成し、研磨しろとなるサンディング層が硬化した後に前記基板表面全体を均一に研磨仕上げすることである。前記研磨工程で使用する研磨機の種類は特に限定されるものではなく、プラテン方式ベルトサンダー、ドラム方式ベルトサンダー等の公知の装置を選定、使用できる。下塗り処理(ベース塗装)とは、窯業系基板の色が化粧層に影響を与えることのないように隠蔽し、窯業系基板と強固に密着する役割を担っている。
【0026】
下地調整層に用いられる材料は、化粧層との密着性を損なわない組成を有するものであれば、特に限定されるものでなく、一般に用いられているウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、アクリルエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルポリウレタン系樹脂等を適用できる。下地調整層の塗布方法についても特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコーター法、フローコーター法等、通常の塗装において使用される公知の方法から、使用する材料に適した方法を選定できる。この発明における化粧層とは、樹脂や顔料を主成分とする化粧層形成用塗料にはじき剤を添加して塗布、硬化することにより形成される層である。
【0027】
また、本発明における窯業系化粧板の製造方法は、混合分散しにくい成分としてはじき剤を用い、このはじき剤の添加量、例えば化粧層形成用塗料の全固形分に対して0.1〜1.2質量%の範囲とするものである。この発明におけるはじき剤とは、化粧層に不均一な相を生じせしめる物質を意味する。ここでいう不均一な相とは、化粧層における例えば樹脂の密度が不均一である;含まれる顔料の密度が不均一である;それゆえ光線反射率または光線拡散率も変化が生じる;等を指す。不均一な相は、はじき剤のはじき効果(はじき剤とその他の物質が反発する効果)により形成される。はじき剤を添加した化粧層形成用塗料のレベリング性が阻害され、塗膜の表面に凹凸模様が形成され、塗膜厚が変化し、塗膜中の顔料の配向方向または分散密度が変化する。これにより、意匠性、特に光揮感、立体感、陰影感、深み感に優れた窯業系化粧板を製造することができる。
【0028】
はじき剤の種類は化粧層を構成するその他の材料等を勘案して適宜決定すればよいが、例えばシリコンオイル等を主成分として用いる。また、選定したシリコンオイルの粘度が高く、化粧層形成用塗料中への分散が困難な場合においては、化粧層形成用塗料に悪影響を及ぼさない希釈用溶剤等を用いて希釈した後に使用してもよい。また、はじき剤の添加量は、化粧層を塗布する際の下地調整層を施した窯業系基板の表面温度やはじき剤を添加した化粧層形成用塗料の粘度等により相違するものであるが、例えば化粧層形成用塗料の全固形分に対して、3質量%まで添加できる。また、化粧層上に透明または半透明のトップクリア層を形成する際に、化粧層表面部に存在するはじき剤の作用により、塗着または接着した透明または半透明のトップクリア層までも部分的にはじかせるときには、塗膜不良を来す場合もあるので適宜選択して使用できる。
【0029】
本発明において使用する化粧層形成用塗料は、顔料を含有しているものであってもよい。顔料としては、パール、雲母、アルミニウム粉等の金属粉等の鱗片状の顔料が好ましい。このような鱗片状の顔料は、はじき剤によるはじき効果により配向方向または分散密度が化粧層中で変化し、光輝感、立体感、陰影感、深み感を付与することができる。顔料の含有量は、例えば化粧層形成用塗料の全固形分に対して内割りで10質量%まで添加できるが、意匠の深み感への寄与、塗装装置、あるいは塗料の循環、経路部分で分散不良や沈殿を起こし、また化粧層形成用塗料が紫外線硬化型塗料の場合には、紫外線硬化時に紫外線が顔料により遮蔽され、硬化不良を来す場合もあるので適宜選択して使用するものである
【0030】
化粧層形成用塗料の具体的な硬化方法は、バインダーとして使用する樹脂の種類により異なるが、熱硬化型、紫外線硬化型、または電子線硬化型が好適である。熱硬化型塗料とは溶剤揮発後、加熱により架橋、あるいは触媒・硬化剤の作用により重合するものを示し、具体的には顔料、樹脂、添加剤、溶剤等の成分から構成される塗料である。紫外線硬化型塗料とは、紫外線の照射により光重合開始剤からラジカルを発生することにより、光重合性化合物が連鎖的に重合反応するものを示し、具体的には光重合性の樹脂、オリゴマー、反応性希釈溶剤、光重合開始剤(光増感剤)等の成分から構成される塗料である。該塗料に使用される樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、アクリルエポキシ系樹脂、アクリル樹脂、アクリルポリウレタン系樹脂等が挙げられる。電子線硬化型塗料は、主として強エネルギーである電子線を照射し、直接重合性化合物の不飽和基に作用して重合するものを示し、具体的には不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、不飽和アクリル系樹脂等が挙げられる。化粧層の厚さはとくに制限されるものではなく、窯業系基板の表面形状にもよるが例えば10〜100μmである。
【0031】
この発明における化粧板の製造方法は、窯業系基板の表面温度を60〜90℃に調整し、窯業系基板の表面に下地調整層を設け、続いて窯業系基板の表面温度を50〜80℃に調整した後、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料を、上述の塗料供給ヘッドにより下地調整層上に塗着および硬化させて化粧層を設け、さらに透明または半透明の硬化樹脂塗料を前記化粧層上に塗着および硬化させて透明または半透明のトップクリア層を形成することにより得ることができる。
【0032】
また、下地調整層を施した化粧層塗布前の窯業系基板の予備加熱による表面温度は50〜80℃が好ましい。表面温度が50℃未満であると例えばはじき剤を添加した熱硬化型の化粧層形成用塗料により化粧層を塗布した際に化粧層の樹脂が硬化しにくく、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料が流動性を失う(定着)まで時間が長く、柄および模様の再現性が得られないことがある。また、化粧層形成用塗料に添加したはじき剤の作用で、当初は化粧層表面に凹凸模様が得られるものの、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料が流動性を保っているため逆にレベリングが進行し、部分的、あるいは全体的に形成した模様が崩壊あるいは変化し、柄強いては模様の再現性が得られないばかりでなく、立体感、深み感に欠けるようになる。予備加熱による表面温度が80℃を超えると発泡、ふくれ、ワキ等の塗膜異常を来し、また、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料が熱硬化型の場合には、はじき剤が作用し、化粧層表面に凹凸模様が得られる前に塗布された該塗料の流動性が急激に低下するため好ましくない。 なお、予備加熱の方法としては、赤外ランプ式乾燥機、遠赤外ランプ式乾燥機、直接熱風式乾燥機、間接熱風式乾燥機等の加温装置を用いることができ、下地調整層およびはじき剤を添加した化粧層形成用塗料のレベリングおよび硬化を促進することができる。また、前記するように、窯業系基板を加熱しているが、これを行わず塗料を塗布後にのみ乾燥硬化させだけでは気温の変化に伴いはじき効果も変動して柄や模様も変動し、化粧層の表面の凹凸の大きさが変化し、安定した生産ができないので好ましくない。
【0033】
また、本発明において下地調整層を施した窯業系基板に、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料を一般に市販されている塗料供給手段と混合分散手段のない塗料供給ヘッドにより塗装しようとする場合、塗料供給ヘッドの両側の側面部に接続された導入管17より塗料供給ヘッド内に塗料が落下する際、塗料中に空気を巻き込んだり、あるいは巻き込んだ空気を気泡として包含した状態となる。さらに、市販されている塗料供給ヘッドはその構造上、塗料供給ヘッド内に塗料が滞留する時間が短く、塗料中に気泡を包含した状態で塗料が流下し、スリット12より塗料カーテンとして流出するため、「カーテン切れ」を生じ、塗装不良が頻発するので使用が困難である。一方、上述の塗料供給ヘッドを用いて塗装しようとする場合、塗料供給ヘッド内において、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料中への空気の巻き込みがなく、また、混合攪拌装置付きのタンク1にて一度分散混合さた、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料を塗料供給ヘッド内ではじき剤成分と化粧層形成用塗料とを再度良く混合分散(なじませる)させた後、塗料が流下してスリット12から塗料カーテンとして落下する迄の時間を遅らせる構造としており、塗料供給ヘッド内での塗料流を安定させることができ、均一な塗料カーテンを得ることができるため好適である。
【0034】
また、この発明の塗料供給ヘッド内の塗料溜まり部14における塗料の液面22は、混合分散手段の上部の開口部20から混合分散手段の最下部までの範囲に維持されるように調整する必要がある。この塗料供給ヘッド内の塗料溜まり部14の塗料の液面22が混合分散手段の最下部より下にある場合、混合分散手段の開口部から塗料が液面22或いは塗装ヘッド内の斜面部に落下することとなり、その際に塗料の乱れ、空気の巻き込みを生じ、塗料カーテンが不安定となり「カーテン切れ」を生じる恐れがある。一方、塗料供給ヘッド内の塗料溜まり部14における塗料の液面22が混合分散手段の上部の開口部より上にある場合には開口部から塗料を均一に層流のように流出させることができないので、塗料中に混入している気泡を除去(脱泡)する効果が得られ難い
【0035】
また、本発明の化粧板の製造方法において、上記塗料供給ヘッドを用いたときはじき剤を添加した化粧層形成用塗料の塗布量は、はじき剤の添加量、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料粘度、スリット幅、コンベアの速度、スリットからの吐出量などの塗装条件にもよるが、例えば岩田#2カップで測定時の粘度が30秒、基板搬送用コンベアの速度が80m/min、スリット幅が0.8mmの条件下においては、60〜200g/m2、好ましくは70〜150g/m2である。塗布量が60g/m2以下では、塗料供給ヘッド内での塗料の液面が混合分散手段の最下部より下に位置するため、塗料カーテンが不安定となり、「カーテン切れ」を生じる因となるため好ましくない。塗布量が200g/m2より多い場合、化粧層形成用塗料に添加したはじき剤の作用により得られる柄、及び模様の再現性が得にくいため好ましくない。また、塗装条件によっては、塗料供給ヘッド内における塗料の液面が混合分散手段の開口部より上に位置するため、塗料搬送経路内で巻き込んだ気泡除去が低下するため好ましくない。なお、本明細書中に記載している塗布量とは、窯業系基板に塗布した直後(未硬化状態)における単位面積当たりに塗着した塗料の質量を意味する。
【0036】
また、上記塗料供給ヘッドで塗装する際におけるはじき剤を添加した化粧層形成用塗料の粘度は、岩田#2カップで20秒〜50秒の範囲に調整する。またスリットの幅は、特に限定されるものでなく、一般的に市販されているフローコーターと同様に0.5mm〜0.8mmの範囲に調整することが好ましい。塗料流下スリットの最下部から基板搬送用コンベアまでの距離は100mmから200mmの範囲が好ましく、さらに、上記フローコーターでの基板搬送用コンベアの速度についても、特に限定されるものではない。
【0037】
この発明における化粧板の透明または半透明のトップクリヤー層とは、化粧層上に形成される層であって、全光線透過率が40%以上、より好ましくは50%以上の層を意味する。全光線透過率はヘイズメーター等を用いて従来公知の方法で測定することができる。また、透明または半透明のトップクリヤー層は、化粧層の保護層としての役割を果たすとともに、更なる深み感・立体感を付与するものである。透明または半透明のトップクリヤー層は、塗装後硬化することにより透明または半透明の塗膜層を形成する塗料を化粧層上に塗布し硬化させる方法、あるいは透明または半透明のフィルムを化粧層上に接着して形成する方法等により形成される。トップクリヤー層形成用の塗料は、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン系、アクリル系、アクリルウレタン系、不飽和ポリエステル系、ウレタンアクリレート系等の熱硬化型樹脂塗料、紫外線硬化型樹脂塗料、電子線硬化型樹脂塗料等からなる無色透明塗料あるいは着色顔料を含ませた半透明塗料を用いることができる。トップクリヤー層形成用塗料として、樹脂塗料に着色顔料を添加して使用する場合には、例えば、前記樹脂塗料に対し、0.3〜4質量%、好ましくは0.8〜2質量%がよい。トップクリヤー層形成用塗料の塗布方法は、ロールコーター法、フローコーター法がに好ましいが、その他スプレー法、転写法等の既存の方法を用いてもよい。また、トップクリヤー層の厚さはに制限されないが、15〜100μmである。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
抄造法によって製造した未硬化の繊維強化セメント板の表面に、凹凸を有するFRP製の型板の凹凸面を当接させて加圧した後、80℃で8時間スチーム養生を行うことにより反応硬化させ、前記型板を取り外した後乾燥して、凸部から凹部までの深さが100μmの凹凸部を有する窯業系基板を作製した。次に、この基板の表面温度を予め60℃に調整し、その上に下地調整層としてアクリルウレタン系塗料(大阪ワニス(株)製220コニタン下塗り)をロールコーターで40g/m2、従来のフローコーターで160g/m2(80g/m2×2回塗り)、計200g/m2塗布し、その後表面温度80℃で5分間乾燥硬化させた。
【0039】
かかる後、塗装面における塗装不良発生の有無について評価を行った。続いて、表面温度を60℃に調整した下地調整層を施した窯業系基板上に、平均粒径50μmの鱗片状のパール顔料を5質量%含有したアクリルウレタン系塗料(大阪ワニス(株)製220コニタン上塗りブライトーンシルバー)にシリコンオイルを主成分とするはじき剤を化粧層形成用塗料の全固形分に対して0.5質量%添加した化粧層形成用塗料を本発明の塗料供給ヘッドを用いたフローコーターで80g/m2塗布し、その後80℃で20分間乾燥した。上記フローコーターにおける塗料供給ヘッドでの塗装条件は、導入管から塗装ヘッドへの化粧層形成用塗料の供給は幅方向の2箇所(16,17の位置)からとし、スリットの幅は0.8mm、スリットから基板搬送用コンベアまでの距離は100mm、基板搬送用コンベア速度は80m/分、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料の粘度は30秒(岩田#2カップでの測定値)とした。また、塗料供給ヘッド内への塗料の流入量は6.3kg/minとした。
【0040】
はじき剤を添加した化粧層形成用塗料を上記塗料供給ヘッドを備えたフローコーターで塗装する際における塗料カーテン安定性の評価は、一般的にフローコーター式塗装装置では、フローコーター、及び塗料循環ポンプ装置を始動させた直後は、塗料カーテンが不安定となりやすく、正当な評価を行いにくいため、はじき剤を添加した化粧層形成用塗料を塗装する条件にて、フローコーター、及び塗料循環ポンプ装置を始動させ、10分経過した時点から目視で塗料カーテンを5分間観察し、5分間の観察時間内における「カーテン切れ」回数を計測する方法とした。なお、塗料カーテンの目視観察は、見逃し、数え間違い等を防止するため5人で実施し、5人の計測回数における最大値と最小値とを除外した3つの値の平均で表した。また、化粧層形成用塗料の塗装面における塗装不良発生の有無について評価も併せて行った。
【0041】
続いて透明硬化樹脂として全光線透過率が89%の紫外線硬化樹脂塗料(大阪ワニス(株)製700バイオレンクリア509H)をフローコーターで100g/m2塗布し、40℃雰囲気中で5分間セッティングした後に、6m/分にて移動させながら、80W/cm×2灯の条件で紫外線を照射し硬化させた。かかる後、目視による外観観察での光輝感、立体感、陰影感、深み感の評価、及び塗装面における塗装不良発生の有無について評価を行った。
【0042】
(実施例2)
表面形状がフラット状の窯業系基板とし、下地調整層を施した窯業系基板の表面温度を75℃としたこと以外は実施例1と同様に行った。
【0043】
(実施例3)
予備加熱温度を70℃、パール顔料の平均粒度を110μm、はじき剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様に行った。
実施例3でははじき剤を使用しなかったので、この実施例は参考例である。
【0044】
(実施例4)基板を繊維強化珪酸カルシウム板、凹凸深さを120μm、塗料をUV硬化型樹脂塗料、パール顔料の平均粒度を100μm、パール顔料の添加量を4質量%とした以外は実施例1と同様に行った。
【0045】
(比較例1)
はじき剤を添加した化粧層形成用塗料を、一般的に市販されている供給手段及び混合分散手段を備えていない従来の塗料供給ヘッドを使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0046】
(比較例2)
はじき剤を添加した化粧層形成用塗料を、特開平11−128803号公報記載の塗料供給ヘッドを使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0047】
実施例1〜4及び比較例1及び2の評価結果をに示す。なお、表1において、化粧層の形成条件において「表面温度」とあるのは窯業系下地調整層を施した窯業系基板の表面温度を意味している。
【0048】
【表1】
Figure 0004612220
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、はじき剤を添加した塗料であっても、安定した塗料カーテンを形成してカーテン切れがなく且つ塗装不良もなく、塗料を均一に塗装することが可能となる。さらに、塗装不良もなく、柄および模様の再現性に優れた製品の製造が可能で、意匠性、特に光揮感、立体感、陰影感、深み感に優れた化粧板を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る塗料供給ヘッドを示す一部破断斜視図である。
【図2】図1の塗料供給ヘッドを示す一部破断正面図である。
【図3】図1の塗料供給ヘッドを示す側面断面図である。
【図4】変形例に係る塗料供給ヘッドを示す側面断面図である。
【図5】変形例に係る塗料供給ヘッドを示す側面断面図である。
【図6】変形例に係る塗料供給ヘッドを示す側面断面図である。
【図7】フローコーターの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1 タンク、2 塗料、3 ポンプ、4,16,17 導入管、5 塗料供給ヘッド、6,12 スリット、7 塗料カーテン、8,9 コンベア、10 塗料回収桶、11 容器、13,28 斜面部、14 塗料溜まり部、15 供給管、18 供給孔(下向き開口)、19,23,27,30 樋、20 上向き開口部、21 外側面、22 液面、24 鉛直部分、25 斜板、26 底板、29 内壁面、A被塗装物。

Claims (4)

  1. はじき剤を添加した塗料を、導入管を介して容器状の塗料供給ヘッドに連続的に供給しさらに、この塗料供給ヘッドに形成されたスリットから塗料カーテンとして下方に供給し、コンベアにより移動する基板の表面に塗料を付着させる化粧板の製造方法において、前記供給ヘッドを、底部にスリットを形成した長箱状の容器と、この容器内に塗料を供給するために、前記導入管に連結すると共に下向き開口を形成した供給手段と、この供給手段から塗料を一旦受け入れると共に上向き開口部から層状に流出させるための混合分散手段と、前記スリットに連結された斜面部と容器の側部との間に画成され、前記混合分散手段から層状に流出する塗料を貯留するための塗料溜まり部とから構成し、前記供給手段と混合分散手段を、供給手段の開口の最上位置が混合分散手段の開口部の最下位置より下方に位置するように配設すると共に、前記供給手段からの塗料を、前記塗料溜まり部の液面が混合分散手段の上向き開口部から混合分散手段の最下部までの範囲にあるように供給することを特徴とする化粧板の製造方法
  2. 上記基板が、金属板、無機質板、木質板、紙板、樹脂板及びフィルムのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の化粧板の製造方法
  3. 上記基板には、あらかじめ下地調整層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧板の製造方法
  4. 上記化粧板の最上層には、透明または半透明のトップクリア層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか項に記載の化粧板の製造方法
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