JP5740903B2 - 電子装置、半導体装置、サーマルインターポーザ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このような3次元積層構造を有する半導体装置では、放熱設計が重要になる。つまり、3次元積層構造を有する半導体装置では、例えば、積層された複数の半導体チップの上側に放熱フィンを設けるだけでは、複数の半導体チップの下方に位置する半導体チップが発生する熱を十分に放熱させることが難しい。このため、放熱設計が重要になる。
そこで、配線構造の複雑化、コストの増加、設計自由度の低下を招くことなく、バンプを介して積層された各半導体チップが発生する熱を効率的に放熱させることができるようにしたい。
本電子装置は、配線基板と、配線基板の上方に実装された上記半導体装置と、半導体装置に接する放熱部材とを備える。
本実施形態にかかる電子装置は、例えばコンピュータなどの電子装置である。なお、電子装置を電子機器ともいう。
本電子装置は、図1に示すように、配線基板1と、配線基板1上に実装されたLSIパッケージ2と、LSIパッケージ2に接するヒートシンク3とを備える。
本実施形態では、LSIパッケージ2は、パッケージ基板4と、パッケージ基板4上に実装された複数のLSIチップ5及びサーマルインターポーザ6とを備える。
しかしながら、LSIチップ5の高速化、高機能化に伴ってLSIチップ5の発熱量が増加した場合、ヒートシンク(ヒートスプレッダ)3の大型化や形状の複雑化を招き、部品実装設計に大きな影響を与えることになる。
本実施形態では、サーマルインターポーザ6は、図2に示すように、インターポーザ基板11ABと、バンプ接合部12Xと、多孔質体13と、冷媒14とを備える。
ここで、インターポーザ基板11ABは、内部空間15と、内部空間15から上方の外部へ貫通する上部貫通導体16A(16)と、内部空間15から下方の外部へ貫通する下部貫通導体16B(16)とを有する。なお、ここでは、内部空間15は、密閉されているため、密閉空間ともいう。また、内部空間15は、熱を拡散させる部分であるため、熱拡散部ともいう。また、貫通導体16は導体ビアともいう。
また、バンプ接合部12Xに接するように、内部空間15に多孔質体13が設けられている。つまり、内部空間15の上面上及び下面上に、複数のバンプ接合部12Xの間の空間を埋めるように、多孔質体13が設けられている。ここで、多孔質体13は、非導電性(絶縁性)の多孔質体である。例えば酸化物からなる酸化物多孔質体である。特に、インターポーザ基板11ABの内部空間15に設けられる複数のバンプ接合部12Xの間の空間に多孔質体13を形成するには、例えばガスデポジション法を用いるのが好ましい。この場合、内部空間15に形成される多孔質体13は酸化物多孔質体となる。なお、酸化物多孔質体をセラミックス多孔質体ともいう。
このように、インターポーザ基板11ABに内部空間15を設け、この内部空間15に多孔質体13を設け、冷媒14を封入することで、サーマルインターポーザ6が上下のLSIチップ5の熱を拡散させるヒートスプレッダとして機能するようになっている。
サーマルインターポーザ6の内部空間15に封入された冷媒(液体)14は、内部空間15に形成された多孔質体13の微細な気孔で発生する毛細管力によって吸収され、上下のLSIチップ5からはんだバンプ7及び貫通導体16を介してバンプ接合部12Xに伝わった熱によって蒸発・気化する。
液化した冷媒14は、多孔質体13に吸収され、毛細管力によって、サーマルインターポーザ6の中央部に向かって移動する。
ここで、サーマルインターポーザ6の有無による冷却効果について見積もる。
ここでは、パッケージ基板4上に5つのLSIチップ5が積層されたLSIパッケージ2において、各LSIチップ5の発熱量を約50Wとする。
図5に示すように、最上層のLSIチップ5(以下、LSI−1という)では、発熱量(約50W)のうち約90%が上面(放熱面)から放出され、残りの約10%が、下面から放出されると仮定する。
同様に、上から3番目のLSIチップ5(以下、LSI−3という)では、発熱量(約50W)のうち約70%が上面から放出され、約30%が下面から放出されると仮定する。
さらに、同様に、最下層のLSIチップ5(以下、LSI−5という)では、発熱量(約50W)のうち約50%が上面から放出され、約50%が下面から放出されると仮定する。
次に、LSIパッケージ2に、ヒートシンク3を設け、LSIパッケージ2のLSI−4とLSI−5との間にサーマルインターポーザ6を挿入した場合に、ヒートシンク3で排熱される熱量及びパッケージ基板4に放出される熱量について見積もる。
このため、LSI−5では、発熱量(約50W)のうち約90%が上面から放出され、約10%が下面から放出されると仮定して良い。この場合、LSI−5の上面から放出される熱はサーマルインターポーザ6によって拡散され、ヒートシンク3で排熱される。このため、LSI−5の下面からパッケージ基板4に放出される熱量は約5Wとなる。
次に、本実施形態のサーマルインターポーザ6の製造方法について、図7、図8を参照しながら説明する。
まず、図7(A)に示すように、シリコン基板11に凹部11Xを形成する。つまり、シリコン基板11に対して例えば水酸化カリウムを用いて例えば深さ約200μmの凹型又は凹状にエッチング加工を施して、シリコン基板11に凹部11Xを形成する。
次に、図7(B)に示すように、貫通ビア孔11Y、絶縁膜18及び貫通導体16を形成する。つまり、まず、シリコン基板11の凹部11Xの底面からシリコン基板11の裏面へ貫通する貫通ビア孔11Yを形成する。次いで、貫通ビア孔11Yの壁面に絶縁膜18を形成する。次に、貫通ビア孔11Yに例えばめっき法で導体16を充填する。これにより、シリコン基板11の凹部11Xの底面からシリコン基板11の裏面へ貫通する貫通導体16を形成する。なお、貫通導体16を導体ビアともいう。また、貫通ビア孔11Yをビア孔又は貫通孔ともいう。
ここでは、2つのシリコン基板11のそれぞれの裏面上に絶縁膜19を形成する。つまり、第1基板11Aの裏面上に絶縁膜19Aを形成し、第2基板11Bの裏面上に絶縁膜19Bを形成する。
ここでは、2つのシリコン基板11のそれぞれの外周部に導体層20を形成する。つまり、第1基板11Aの外周部に第1導体層20Aを形成し、第2基板11Bの外周部に第2導体層20Bを形成する。
次に、図7(F)に示すように、シリコン基板11の凹部11Xにはんだバンプ12に接する多孔質体13を形成する。ここでは、複数のはんだバンプ12が設けられているため、これらのはんだバンプ12の間に、これらのはんだバンプ12に接するように、例えばSiO2やアルミナなどのセラミックスからなる多孔質膜13(酸化物多孔質膜)を、例えばガスデポジション法などで形成する。なお、多孔質膜13をガスデポジション膜ともいう。
なお、ここでは、上述のように、2つのシリコン基板11に対して、上述の各工程を同時に行なうようにしているが、これに限られるものではない。例えば、一方のシリコン基板11(第1基板11A)に対して、上述の全ての工程を行なった後に、他方のシリコン基板11(第2基板11B)に対して、上述の全ての工程を行なうようにしても良い。
その後、図8(B)に示すように、内部空間15に冷媒14を封入する。ここでは、絶縁性の冷媒14である代替フロンを封入する。代替フロンとしては、例えばR365mfc(沸点40℃)を使用できる。
このようにして、本実施形態にかかるサーマルインターポーザ6を製造することができる。
特に、上述のサーマルインターポーザ6を設けることによって効率的に排熱することができるため、発熱量が多いLSIチップ5を積層させた3次元積層LSIパッケージ2を実現することが可能となる。
例えば、LSIパッケージ2及びヒートシンク3の構成は、上述の実施形態のものに限られるものではない。例えば図9に示すように、LSIパッケージ2Xを、パッケージ基板4と、パッケージ基板4上に実装された複数のLSIチップ5及びサーマルインターポーザ6と、パッケージ基板4に実装された複数のLSIチップ5及びサーマルインターポーザ6の周囲に設けられ、サーマルインターポーザ6に接する枠体30(金属枠体)とを備えるものとして構成しても良い。この場合、ヒートシンク3Xは、複数のLSIチップ5の最上層のLSIチップ5の上方に放熱フィン3Aを備え、枠体を備えないものとして構成する。そして、LSIパッケージ2Xを配線基板1上に実装して電子装置を製造する際に、LSIパッケージ2Xに設けられた枠体30上にヒートシンク3Xを取り付けるようにすれば良い。このようにしてヒートシンク3Xを取り付けられた枠体30はヒートシンク(ヒートスプレッダ)として機能する。この場合、ヒートシンク3X及びLSIパッケージ2Xに設けられた枠体30が、LSIパッケージ2X(半導体装置)に接する放熱部材である。
例えば図11に示すように、上述の実施形態のサーマルインターポーザ6を構成するインターポーザ基板11ABの上側表面(外側上面)に配線層40を設けても良い。また、配線層40上に、例えばコンデンサや抵抗などの受動部品を実装しても良い。
その場合、サーマルインターポーザ6の製造方法は、次のようになる。
つまり、上述の実施形態のサーマルインターポーザ6の製造方法において、シリコン基板11の外周部に導体層20を形成した後[図7(A)〜図7(D)までの工程を行なった後]、図12(A)に示すように、シリコン基板11の裏面、即ち、凹部11Xが形成されている側と反対側の表面に形成された絶縁膜19上に、電極パッド9の上方に開口部41Aを有する層間絶縁膜41(樹脂膜)を形成する。次に、図12(B)に示すように、層間絶縁膜41上に開口部41Aを介して電極パッド9に接続される配線42(ここではCu配線)を形成する。次に、図12(C)に示すように、再び、開口部43Aを有する層間絶縁膜43を形成した後、図12(D)に示すように、配線44を形成する。このようにして、層間絶縁膜41,43と配線42,44とを含む配線層40が、シリコン基板11の裏面に形成される。その後、上述の実施形態の場合と同様の工程を経て、サーマルインターポーザ6を製造する。
2,2X,2Y LSIパッケージ
3,3X,3Y,3Z ヒートシンク
3A 放熱フィン
4 パッケージ基板
5 LSIチップ
6 サーマルインターポーザ
7 はんだバンプ
8 電極パッド
9,9A,9B 電極パッド
10 電極パッド
11 シリコン基板
11AB インターポーザ基板
11A 第1基板
11B 第2基板
11X 凹部
11AX 第1凹部
11BX 第2凹部
11Y,11AY,11BY 貫通ビア孔
12X バンプ接合部
12 はんだバンプ
12A 第1バンプ
12B 第2バンプ
13 多孔質体
13A 第1多孔質体
13B 第2多孔質体
14 冷媒
15 内部空間
16 貫通導体
16A 上部貫通導体(第1貫通導体)
16B 下部貫通導体(第2貫通導体)
18 絶縁膜
19,19A,19B 絶縁膜
20 導体層
20A 第1導体層
20B 第2導体層
21,21A,21B 電極パッド
30 枠体
40 配線層
41 層間絶縁膜
41A 開口部
42 配線
43 層間絶縁膜
43A 開口部
44 配線
100 3次元積層LSIパッケージ
Claims (7)
- 配線基板と、
前記配線基板の上方に実装され、はんだバンプを介して積層された複数の半導体チップと、前記複数の半導体チップの間及び最下層の半導体チップの下側の少なくとも1箇所に格子状に配列されたはんだバンプを介して電気的及び熱的に接続され、半導体チップの面内に熱を拡散させるサーマルインターポーザとを備える半導体装置と、
前記半導体装置に接する放熱部材とを備え、
前記サーマルインターポーザは、
内部空間と、前記内部空間から上方の外部へ貫通する上部貫通ビアと、前記内部空間から下方の外部へ貫通する下部貫通ビアとを有するインターポーザ基板と、
前記内部空間を通って前記上部貫通ビアと前記下部貫通ビアとを接続し、前記上部貫通ビアに設けられたはんだバンプと前記下部貫通ビアに設けられたはんだバンプとを接合してなり、格子状に配列されたはんだバンプ接合部と、
前記内部空間の上面上に設けられ、前記上部貫通ビアに設けられたはんだバンプに接する第1多孔質体、及び、前記内部空間の下面上に設けられ、前記下部貫通ビアに設けられたはんだバンプに接する第2多孔質体と、
前記内部空間に封入された冷媒とを備えることを特徴とする電子装置。 - 前記放熱部材として、前記複数の半導体チップの最上層の半導体チップの上側、及び、前記サーマルインターポーザの外周部に接するヒートシンクを備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子装置。
- 前記放熱部材として、前記複数の半導体チップの最上層の半導体チップの上側に接する第1ヒートシンクと、前記サーマルインターポーザの外周部に接する第2ヒートシンクとを備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子装置。
- 前記サーマルインターポーザは、前記インターポーザ基板の外側上面及び外側下面の少なくとも一方に配線層を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子装置。
- はんだバンプを介して積層された複数の半導体チップと、
前記複数の半導体チップの間及び最下層の半導体チップの下側の少なくとも1箇所に格子状に配列されたはんだバンプを介して電気的及び熱的に接続され、半導体チップの面内に熱を拡散させるサーマルインターポーザと、
前記複数の半導体チップ及び前記サーマルインターポーザを実装するパッケージ基板とを備え、
前記サーマルインターポーザは、
内部空間と、前記内部空間から上方の外部へ貫通する上部貫通ビアと、前記内部空間から下方の外部へ貫通する下部貫通ビアとを有するインターポーザ基板と、
前記内部空間を通って前記上部貫通ビアと前記下部貫通ビアとを接続し、前記上部貫通ビアに設けられたはんだバンプと前記下部貫通ビアに設けられたはんだバンプとを接合してなり、格子状に配列されたはんだバンプ接合部と、
前記内部空間の上面上に設けられ、前記上部貫通ビアに設けられたはんだバンプに接する第1多孔質体、及び、前記内部空間の下面上に設けられ、前記下部貫通ビアに設けられたはんだバンプに接する第2多孔質体と、
前記内部空間に封入された冷媒とを備えることを特徴とする半導体装置。 - はんだバンプを介して積層された複数の半導体チップの間及び最下層の半導体チップの下側の少なくとも1箇所に格子状に配列されたはんだバンプを介して電気的及び熱的に接続され、半導体チップの熱を面内に拡散させるサーマルインターポーザであって、
内部空間と、前記内部空間から上方の外部へ貫通する上部貫通ビアと、前記内部空間から下方の外部へ貫通する下部貫通ビアとを有するインターポーザ基板と、
前記内部空間を通って前記上部貫通ビアと前記下部貫通ビアとを接続し、前記上部貫通ビアに設けられたはんだバンプと前記下部貫通ビアに設けられたはんだバンプとを接合してなり、格子状に配列されたはんだバンプ接合部と、
前記内部空間の上面上に設けられ、前記上部貫通ビアに設けられたはんだバンプに接する第1多孔質体、及び、前記内部空間の下面上に設けられ、前記下部貫通ビアに設けられたはんだバンプに接する第2多孔質体と、
前記内部空間に封入された冷媒とを備えることを特徴とするサーマルインターポーザ。 - はんだバンプを介して積層された複数の半導体チップの間及び最下層の半導体チップの下側の少なくとも1箇所に格子状に配列されたはんだバンプを介して電気的及び熱的に接続され、半導体チップの熱を面内に拡散させるサーマルインターポーザの製造方法であって、
第1基板に第1凹部を形成し、
前記第1凹部の底面から前記第1基板の裏面へ貫通する第1貫通ビアを形成し、
前記第1凹部に前記第1貫通ビアに接続される第1のはんだバンプを形成し、
前記第1凹部に前記第1のはんだバンプに接する第1多孔質体を形成し、
第2基板に第2凹部を形成し、
前記第2凹部の底面から前記第2基板の裏面へ貫通する第2貫通ビアを形成し、
前記第2凹部に前記第2貫通ビアに接続される第2のはんだバンプを形成し、
前記第2凹部に前記第2のはんだバンプに接する第2多孔質体を形成し、
前記第1凹部と前記第2凹部とによって内部空間が形成されるように前記第1基板と前記第2基板とを接合し、
前記第1のはんだバンプと前記第2のはんだバンプとを接合して、前記内部空間を通って前記第1貫通ビアと前記第2貫通ビアとを接続し、格子状に配列されたはんだバンプ接合部を形成し、
前記内部空間に冷媒を封入することを特徴とするサーマルインターポーザの製造方法。
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