JP5736605B2 - 浴室用床シート - Google Patents

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Description

本発明は、浴室の床に敷設される床シートに関する。
浴室の床は、一般に、滑り難い性能を有する構造が採用される。以下、滑り難い性質を「防滑性」という。
防滑性の床構造として、縦方向に延びる3本の細長い小突起が並列状に配列されたパターン部と、横方向に延びる3本の細長い小突起が並列状に配列されたパターン部と、を有し、水が流通可能となるように前記各小突起の端部を開放させた浴室床の滑り止め構造が知られている(特許文献1)。
ところで、浴室内では入浴者は裸であるため、入浴者の素肌が浴室内の床面上に直に触れる。
そして、上記特許文献1の浴室床の滑り止め構造は、その複数の小突起が設けられた領域に、膝などの入浴者の身体の一部分が乗ると、入浴者が痛みを感じることがある。また、複数の細長い小突起が所定方向に並列状に配列されているので、小突起の起立周面の基部に汚れが付着し易く、又、付着した汚れを除去し難い。
また、他の防滑性の床構造として、表面にエンボス模様が形成されており、そのエンボス模様の凹部に平滑面が形成され且つ凸部に粗面が形成されている浴室の床構造が知られている(特許文献2)。この特許文献2には、浴室の床構造を構成する部材として、ブラスト処理によって得られた粗面化された金型凹部を用いて形成されたFRP成形品が開示されている。
しかしながら、ブラスト処理による粗面は、無秩序で且つ微細な凹凸を有するので、上記特許文献2の粗面化された凸部は、防滑性を有していても、汚れを除去し難いという問題点がある。また、その粗面化の程度を高めると、その粗面化された凸部に乗った入浴者が痛みを感じることがある。
特開平10−14802号公報 特開平7−18829号公報
本発明の目的は、防滑性に優れ、入浴者が痛みを感じ難く、さらに、汚れを除去し易い浴室用床シートを提供することである。
本発明の浴室用床シートは、シート本体と、前記シート本体の表面から上方に突出され且つ平面形状が長方形である複数の大突部と、前記各大突部の表面から上方に突出された複数の小突起と、を有し、前記複数の大突部の一部又は全部が、その長辺を略平行とした状態で並設され、且つ隣接する大突部の長辺間に溝部が形成されており、前記長辺を略平行とした状態で並設された複数の大突部を1つのユニットとし、そのユニットの複数が、前記シート本体の表面において所定パターンで並設されており、前記隣接するユニットの間に、前記溝部よりも深い凹部が形成されており、前記小突起は、その平面形状の面積が前記大突部の平面形状の面積よりも小さく、前記複数の小突起が所定間隔を開けて前記大突部の表面に並設されており、前記小突起の突出高さが、0.09mm〜0.20mmであり、前記小突起の平面形状における最大幅が、0.40mm〜1.20mmであり、前記複数の小突起の形成間隔が、0.75mm〜1.20mmである。
本発明の好ましい浴室用床シートは、前記複数のユニットを構成する各大突部の長辺間の全ての溝部は、その端部が前記凹部に連設されている
本発明の好ましい浴室用床シートは、前記凹部が、深さの異なる第1凹部及び第2凹部を有し、前記ユニットの複数が前記シート本体の表面において並設されたものを1つの集合ユニットとし、その集合ユニットが、前記シート本体の表面において複数並設されており、前記隣接するユニットの間に、前記第1凹部が形成され、前記隣接する集合ユニットの間に、前記第2凹部が形成され、前記第1凹部の端部が前記第2凹部に連設されており、前記溝部、第1凹部及び第2凹部の各深さが、第2凹部の深さ>第1凹部の深さ>溝部の深さの関係を満たしている。
本発明の好ましい浴室用床シートは、前記小突起が、前記大突部の表面からその表面に対して鈍角状に立ち上がった起立周面と、前記起立周面の上端に連設された突出頂面と、を有し、前記起立周面と前記大突部の表面との境界部、及び、前記起立周面と前記突出頂面との境界部がそれぞれ角取りされている。
本発明のさらに好ましい浴室用床シートは、前記複数の小突起の平面形状が略円形であり、前記複数の大突部の断面における表面形状が上方に膨らむ弧状に形成されている。
本発明の浴室用床シートは、防滑性に優れ、入浴者が痛みを感じ難く、さらに、汚れを除去し易いという効果を奏する。さらに、本発明の浴室用床シートは、大突部の表面に付着した水を溝部から凹部を通じて排出することができる。かかる浴室用床シートは、長時間、大突部の表面に水が残存しないので、汚れや水垢の付着及びカビの発生を防止できる。
本発明の好ましい浴室用床シートは、特に、ブラシなどを用いた汚れの除去も容易であり、入浴者が痛みを感じることもない。
本発明の浴室用床シートの1つの実施形態を示す平面図。 本発明の浴室用床シートの他の実施形態を示す平面図。 1つのユニットの拡大平面図。 1つの大突部の拡大平面図。 図1のA−A線断面図。ただし、前記A−A線断面中に含まれる小突起は、図示していない。 図4のB−B線断面図。 図4のC−C線断面図。 本発明の浴室用床シートの他の実施形態を示す断面図。ただし、この断面図は、他の実施形態の床シートを図1のA−A線と同じ方向で切断した断面である。
以下、本発明について、適宜図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の浴室用床シートの1つの実施形態を示す平面図であり、図2は、同浴室用床シートの他の実施形態を示す平面図である。図1及び図2は、浴室用床シートの平面の一部分だけを表しており、実際の浴室用床シートは、両図で表れたユニットの配置パターンが繰り返して形成されている。
図1及び図2の浴室用床シートは、ユニット(3つの大突部が並設された1つの集合部)の配置パターンが異なっていることを除いて、その余の構成については同様である。従って、浴室用床シートの構成部材及び各構成要素を説明するに当たって、主として図1の浴室用床シートを基準にして説明する。
図3は、1つのユニットの拡大平面図であり、図4は、その1つのユニットに含まれる1つの大突部の更なる拡大平面図である。
なお、本明細書において、「AAA〜BBB」という記載は、「AAA以上BBB以下」を意味する。また、浴室用床シートを単に床シートと略記する場合がある。
さらに、入浴者の身体の一部分(膝など)が乗ったときに入浴者が痛みを感じ難くできることを「防痛性」といい、汚れが付着し難いことを「防汚性」という場合がある。
本発明の浴室用床シートは、図1及び図2に示すように、シート本体1と、シート本体1の表面から上方に突出された複数の大突部2を有する。各大突部2の表面2aには、図3及び図4に示すように、大突部2の表面2aから上方に突出した複数の小突起31,32が設けられている。なお、図1及び図2においては、小突起31,32の図示が省略されている。複数の小突起31,32は、それぞれ同形同大でもよいし、立体的な相似形でもよいし、或いは、異形でもよい。複数の小突起31,32は、大突部2の表面2aに不規則に設けられていてもよいが、大突部2の表面2aの略全体又は一部の領域に、規則的に(例えば、所定の間隔を開けて)設けられていることが好ましい。
本発明の床シートは、その平面形状が床タイルのように矩形状又は多角形状に形成されていてもよいし、長尺状シートに形成されていてもよい。長尺状に形成された床シートは、通常、ロールに巻かれて保管・運搬に供される。
シート本体1は、本発明の床シートを構成する基本的な部材であり、そのシート本体1の表面に、大突部2及び小突起31,32が形成されている。
シート本体1は、簡易に保管・運搬できる上、施工時に浴室内に容易に搬入できるため、ロールに巻き取ることができるような柔軟性を有することが好ましい。シート本体1は、防痛性を高めるため適度なクッション性を有し、さらに、浴室におけるヒートショックの低減及び温感を高めるため断熱性を有することが好ましいことから、発泡層を含むことが好ましい。
シート本体1は、その全体が発泡層で形成されていてもよいが、シート本体1の表面に潰れにくい大突部2及び小突起31,32を形成するために、非発泡の表層を有することが好ましい。
具体的には、シート本体1は、図5乃至図7に示すように、非発泡の表層91と、表層91の裏面側に一体的に設けられた発泡層93,95と、を有する。
図示例では、表層91と上側発泡層93の間に、非発泡の中間層92が設けられている。例えば、発泡層は、上側発泡層93と下側発泡層95の2層からなり、上側発泡層93と下側発泡層95の間には、補強層94が設けられている。
表層91は、シート本体1の表面を構成する層であり、表層91の表面に、大突部2、小突起31,32、溝部4及び凹部51,52などの各凹凸部分が形成される。
前記大突部2などの各凹凸部分は、通常、表層91の表面にエンボスローラを押圧することによって形成できる。
表層91は、主成分として樹脂を含む層である。また、床シートに所望のデザインを付与したい場合には、前記樹脂に着色剤を混合して表層91を形成してもよい。或いは、表層91の表面又は裏面に所望の意匠をプリントしてもよい。表層91の表面に意匠をプリントする場合、プリント面の耐久性を向上させるため、透明な樹脂などからなる表面保護層を設けることが望ましい。
さらに、表層91の表面には、親水化処理が施されていてもよい。親水化処理は、大突部2などの各凹凸部分を形成する前又は形成した後の何れの時期に行ってもよいが、大突部2などの表面を確実に親水化するために、大突部2などの各凹凸部分を形成した後に行うことが好ましい。親水化された表層91の表面は、水と馴染みやすく、従って、その表層91に形成された大突部2の表面2aに付着した水を、溝部4から凹部51,52へ円滑に導くことができる。さらに、小突起31,32の形状と前記親水化された表層91の表面は、表層91に付着した水滴を崩して押し広げる作用を有し、かかる作用によって、表層91に付着した水の表面積が広がり、乾燥を早めることが可能となる。
親水化処理の方法としては、例えば、表層91に親水コート剤や親水塗料を塗布する方法が簡便である。もっとも、親水化方法は、これに限定されず、樹脂に親水剤を混入した樹脂組成物を成形することによって表層91を形成する方法、表層91にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などを行うことによって、表層91の表面に活性種を生成させる方法、表層91にエッチングやブラスト処理などを施すことによって、表層91の表面を粗面化する方法などが挙げられる。
表層91を形成する樹脂は、特に限定されず、一般的には、塩化ビニル系樹脂;オレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂;エチレン−メタクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;アミド系樹脂;エステル系樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの各種エラストマーなどの各種エラストマーなどの熱可塑性樹脂が用いられる。優れた柔軟性を有する点から、塩化ビニル系樹脂が好ましい。塩化ビニル系樹脂を主成分とする表層91を有する床シートは、製造も容易である上、適度な柔軟性を有するので、入浴者が痛みを感じることを抑制できる。
表層91の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.2mm〜0.7mmである。
中間層92は、非発泡層からなり、必要に応じて設けられる。中間層92は、前記表層91の表面に形成された各凹凸部分の形状が潰れないように形状を保持する作用を有する。
中間層92は、上記表層91の欄で例示したような熱可塑性樹脂から形成され、好ましくは塩化ビニル系樹脂を主成分として形成される。
中間層92の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.05mm〜0.30mmである。
図5乃至図7に示すように、発泡層が上側発泡層93及び下側発泡層95の2層から構成される場合、それらは、同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
上側発泡層93及び下側発泡層95は、例えば、樹脂を含む層から形成される。上側発泡層93及び下側発泡層95を形成する樹脂としては、上記表層91の欄で例示したような熱可塑性樹脂が挙げられ、上側発泡層93及び下側発泡層95は、好ましくは塩化ビニル系樹脂を主成分として形成される。
上側発泡層93及び下側発泡層95は、同じ発泡倍率でもよいし、異なる発泡倍率でもよい。
上側発泡層93及び下側発泡層95の発泡倍率は、特に限定されないが、通常、それぞれが1.0倍〜5.0倍であり、好ましくは1.1倍〜3.5倍である。発泡倍率が低すぎると、クッション性に欠け、床シートに十分な防痛性を付与できないおそれがある。発泡倍率が高すぎると、入浴者が乗ったときに表層91が凹み易く、小突起31,32を設けたことによる防滑性を十分に奏しないおそれがある。
また、上側発泡層93の発泡倍率が下側発泡層95の発泡倍率よりも小さい場合には、入浴者が乗ったときに表層91の凹みを効果的に抑制できる。この場合、上側発泡層93の発泡倍率は、好ましくは1.1倍〜3.0倍であり、下側発泡層95の発泡倍率は、好ましくは1.5倍〜3.5倍である。
上側発泡層93及び下側発泡層95の厚みは、特に限定されず、例えば、上側発泡層93の厚みは、0.2mm〜1.2mmであり、下側発泡層95の厚みは、1.4mm〜2.6mmである。
ここで、1つの実施形態に係る床シートの発泡層は、上側発泡層93と下側発泡層95の2層構造からなるが、発泡層は、2層構造に限られず、単一層でもよいし、3層以上の複層構造でもよい。
単一の発泡層を有する床シートは、容易に形成することができる。一方、2層以上の複層構造からなる発泡層を有する床シートは、複数の発泡層の間に補強層94を設けることによって強度が向上する上、各発泡層の材質や発泡倍率を異ならせることによって機能の向上を図ることもできる。さらに、複数の発泡層の間に補強層を設けると、発泡層の厚みが厚くても安定した層構成とすることができる。
図8は、単一の発泡層96を有する床シートの断面図である。
単一の発泡層96の発泡倍率は、1.0倍〜5.0倍であり、好ましくは1.1倍〜2.0倍である。単一の発泡層96の中には、補強層を設けることができないので、一定の強度を確保するためにその発泡倍率は低い方が好ましいが、発泡倍率が低すぎると、クッション性に欠け、床シートに十分な防痛性を付与できないおそれがある。一方、その発泡倍率が高すぎると、入浴者が乗ったときに表層91が凹み易く、小突起31,32を設けたことによる防滑性を十分に奏しないおそれがある。
次に、補強層94は、シート本体1の剛性を高め、且つシート本体1に寸法安定性を付与するための層である。補強層94は、複数の発泡層の間に設けられ、発泡層が上側発泡層93と下側発泡層95からなる場合には、上側発泡層93と下側発泡層95の間に設けられる。
補強層94としては、繊維を含んでいれば特に限定されないが、例えば、ガラスマット、ガラスネット、樹脂製マット、樹脂製ネット、無機繊維又は有機繊維からなる不織布又はフェルト、及び、織布などが挙げられる。補強層94に用いられる繊維は、上側発泡層93及び下側発泡層95との接着性が高いものが好ましく、例えば、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維を例示できる。特に、強度に優れ且つ寸法変化が小さいことから、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を用いる場合、10g/m〜100g/mのガラス繊維織布又は不織布が特に好ましい。また、例えば、ポリエステルなどの他の繊維を用いた織布又は不織布についても、同程度の目付量が好ましい。
補強層94の厚みは、通常、0.1mm〜0.4mm程度である。
なお、シート本体1は、上記のような上側発泡層93及び下側発泡層95を有している層構成に限定されず、これらの発泡層の何れか一方又は全部を非発泡の層に置き換えることも可能である。
図1乃至図7に示すように、シート本体1の表面には、複数の大突部2が上方に向かって突出されている。この各大突部2の表面2aには、複数の小突起31,32が上方に向かって突出されている。この小突起31,32の平面形状は、大突部2の平面形状よりも随分と小さく、従って、小突起31,32の平面形状の面積は、大突部2の平面形状の面積よりも小さい。
複数の大突部2は、任意のパターンで配置されていてもよいが、防滑性及び防痛性の点から、規則的な所定のパターンで配置されていることが好ましい。
本実施形態では、大突部2は、その平面形状が長方形に形成されている。その平面長方形状の大突部2の複数が、その長辺を略平行とした状態で並設されている。
なお、本明細書において、平面形状とは、床シートの表面に対して垂線方向からその表面を見たときの形状を意味する。
上述のように、シート本体1の表面には、複数の大突部2が形成されているが、この複数の大突部2の全部が、その長辺を略平行とした状態で並設されていてもよいし、複数の大突部2の一部がその長辺を略平行とした状態で並設されていてもよい。
本実施形態では、例えば、図1乃至図3に示すように、3つの大突部2がその長辺を略平行とした状態で並設されている集合部を1つのユニット10とし、このユニット10の複数がシート本体1の表面に規則的な所定パターンで並設されている。
この複数のユニット10の配置パターンは、特に限定されない。例えば、図1に示される床シートは、隣接するユニット10の大突部2の長辺が直交するように2列2段に配置した4つのユニット10からなる第1の集合ユニット11が、規則的に並設されている。
図2に示される床シートは、前記4つのユニット10からなる第1の集合ユニット11と、1つのユニット10と、大突部2の長辺が平行となるように1列2段又は2列1段に配置した2つのユニット10からなる第2の集合ユニット12とを有し、1つの第1の集合ユニット11、1つのユニット10、及び2つの第2の集合ユニット12からなる集合体が規則的に並設されている。
1つのユニット10を構成する各大突部2(本実施形態では1つのユニット10は3つの大突部2からなる)に関して、隣接する大突部2の長辺間には、溝部4が前記長辺と平行に形成されている。この溝部4は、表面2aが弧状(断面視蒲鉾形状)に形成された大突部2の長辺間の接合により生じる谷間であり、平面視細長い凹みからなる。
また、前記複数のユニット10が所定パターンで配置された集合ユニット11,12に関して、隣接するユニット10間には凹部51,52が形成されている。この凹部51,52は、平面視細長い凹みからなり、その深さは、前記溝部4の深さよりも深い。
この凹部51,52は、複数のユニット10の配置パターンによって異なるが、例えば、隣接するユニット10の大突部2の長辺が直交するように2列2段に配置した4つのユニット10からなる第1の集合ユニット11の場合には、2種類の凹部51,52(第1凹部51と第2凹部52)が形成される。
前記第1凹部51は、大突部2の長辺が直交するようにユニット10が配置された1つの集合ユニット内において隣接するユニット10間に形成された凹部である。この第1凹部51は、1つのユニット10の大突部2の長辺に対して直交し且つ隣接するもう1つのユニット10の大突部2の長辺と平行となるように、細長く延設されている。図1に示す床シートにおいては、各第1凹部51は、第1の集合ユニット11内において十字状に連設されており、各第1凹部51の端部は、第2凹部52に開放されるように連設されている。
図1の床シートにおける第2凹部52は、隣接する第1の集合ユニット11の間に形成された凹部である。この第2凹部52は、前記第1凹部51の延設方向に対して直交するように、細長く延設されている。このため、本発明の床シートを浴室内に敷設した後、浴室床の傾斜に従って第2凹部52の延設方向に水が流れていく。図1に示されるユニット10の配置パターンにおいては、第2凹部52が直線状に延設され、さらに、この第2凹部52にはその延設方向の途中に水の流れを遮る部分がないので、第2凹部52の延設方向に速やかに水が流れていくというメリットがある。
また、図1に示される配置パターンにおける1つの第1の集合ユニット11は、隣接するユニット10の大突部2の長辺が直交するように2列2段に配置されてなる。このため、1つの第1の集合ユニット11内において、第1凹部51に向かって溝部4に沿って流れた水が、隣接するユニット10を構成する大突部2の側面に当たることによって、その水は、第1凹部51において左右に分岐すると共に、その一部が前記大突部2の表面2aに乗り上げることとなる。この大突部2の表面2aに乗り上げた水は、さらに小突起31,32によって崩されるので、水滴にならずにその表面2aにて拡がる。かかる大突部2の表面2aにおいて拡がった水は、その表面積が大きくなるので、蒸発し易くなる。このため、浴室の床の乾燥を早めることが可能となる。特に、表層91に親水化処理が施された床シートにあっては、水の表面積が効果的に大きくなるので、さらに乾燥を早めることが可能となる。
図2の床シートにおける第2凹部52は、図1の第2凹部と異なり、隣接する第1の集合ユニット11と第2の集合ユニット12の間、2つの第2の集合ユニット12の間、隣接する1つのユニット10と第1の集合ユニット11の間、又は、隣接する1つのユニット10と第2の集合ユニット12の間にそれぞれ形成されている。
かかる第2の集合ユニット12は、その大突部2の長辺が第1の集合ユニット11の側方に存在する第2凹部52と平行になるように、各ユニット10が配置されている。このため、第1の集合ユニット11の第1凹部51内においてその延設方向に流れた水は、第2凹部52に流れ込み、この第2凹部52に流れ込んだ水が第2凹部52の延設方向に流れていく。よって、浴室の傾斜に従って流れる水が広範囲に拡げられる。すなわち、図2に示される配置パターンにおいて、第1の集合ユニット11の第1凹部51から第2凹部52に流れ込んだ水が第2の集合ユニット12に当たることによって、その水は、前記第2凹部52において左右に分岐すると共に、その一部が第2の集合ユニット12を構成する大突部2の表面2aに乗り上げることとなる。この大突部2の表面2aに乗り上げた水は、さらに小突起31,32によって崩されるので、水滴にならずにその表面2aにて拡がる。かかる大突部2の表面2aにおいて拡がった水は、その表面積が大きくなるので、蒸発し易くなる。このため、浴室の床の乾燥を早めることが可能となる。特に、表層91に親水化処理が施された床シートにあっては、水の表面積が効果的に大きくなるので、さらに乾燥を早めることが可能となる。
本発明の床シートは、ユニット10の配置パターンを適宜選択することによって、所望の効果を得ることが可能となる。
本発明の浴室用床シートは、上記溝部4及び凹部51,52が形成されていることにより、大突部2の表面2aに付着した水が、溝部4を通じて凹部51,52から排出され易く、大突部2の表面2aに水が残存し難い。また、水が残存した場合であっても、上述したように、水の表面積が拡がるので、速やかに乾燥し得る。このため、防汚性、防カビ性に優れた床シートを提供できる。
前記第1凹部51と第2凹部52の深さは、同一でもよいが、第2凹部52が第1凹部51よりも深いことが好ましい。すなわち、第2凹部52の深さ>第1凹部51の深さ>溝部4の深さ、の関係を満たしていることが好ましい。
このような関係を満たすことにより、各溝部4に流れた水が第1凹部51に集まり、さらに、各第1凹部51に流れた水が第2凹部52に集まり、多量の水が第2凹部52に流れてきても、第1凹部51において水が溢れることなく第2凹部52を通じて水を排出できる。同様の理由から、第1凹部51と第2凹部52の幅は、同一でもよいが、第2凹部52の幅が第1凹部51の幅よりも長いことが好ましい。
なお、第1凹部51の幅及び第2凹部52の幅とは、第1凹部51の延設方向及び第2凹部52の延設方向に対して、それぞれ直交する方向の長さをいう。
具体的な溝部4の深さは、例えば、0.05mm〜0.5mmである。溝部4の深さと第1凹部51の深さの差は、0.1〜0.3mmであり、溝部4の深さと第2凹部52の深さの差は、0.15mm〜0.6mmである。
ただし、前記溝部4の深さは、その最も深い部分と大突部2の最も高い部分との高低差をいう。
また、第1凹部51の幅は、例えば、0.5mm〜1.5mmであり、第2凹部の幅は、1.5mm〜4.0mmである。
1つの大突部2は、図1乃至図4に示すように、その平面形状が長方形に形成されているが、その長辺及び短辺の比率は特に限定されない。図示例では、大突部2の長辺は、短辺の約3倍の長さである。このような比率の大突部2を3つ並設させてなる、1つのユニット10は、その平面形状が略正方形となる。前記平面略正方形状のユニット10は、それを規則的に配置させる場合に好適である。
具体的な大突部2の寸法は、例えば、長辺が15mm〜35mmであり、短辺が5mm〜12mmである。
大突部2の断面における表面2aの形状は、上方に膨らむ弧状であることが好ましい。このような弧状の表面2aを有する大突部2は、その表面2aに付着した水が弧状の傾斜面に沿って落下していくことによって、容易に溝部4へと導かれる。ただし、前記大突部2の断面における表面2aの形状とは、短辺と平行な直線で大突部2を切断したときの小突起を除く大突部2の表面2aの輪郭をいう。
弧状の表面2aを有する大突部2は、その短辺方向中央部が最も高い部分となっている。
前記最も高い部分における大突部2の突出高さは、上記溝部4の深さに相当する。
各大突部2の表面2aには複数の小突起31,32が間隔を開けて突設されている。
複数の小突起31,32の平面形状は、それぞれ特に限定されず、例えば、平面円形状;平面楕円形状;平面矩形状、平面三角形状、平面六角形状などの平面多角形状;平面星形状などが挙げられる。
前記小突起31,32の突出高さは、0.09mm〜0.20mmであり、好ましくは0.10mm〜0.15mmであり、より好ましくは0.11mm〜0.14mmである。
前記小突起31,32の平面形状における最大幅は、0.40mm〜1.20mmであり、好ましくは0.45mm〜1.20mmであり、より好ましくは0.45mm〜1.05mmである。
前記複数の小突起31,32の形成間隔は、0.75mm〜1.20mmであり、好ましくは0.87mm〜1.10mmであり、より好ましくは0.87を超え1.10mm以下である。
このような小突起31,32を有する本発明の浴室用床シートは、防滑性、防痛性及び防汚性に優れている。
ただし、上記小突起31,32の突出高さは、小突起31,32の最も高い部分と大突部2の表面との高低差をいう。また、複数の小突起31,32の突出高さが異なっている場合には、前記小突起31,32の突出高さは、複数の小突起31,32の突出高さの平均値に相当する。
上記小突起31,32の最大幅は、小突起31,32が平面円形状の場合には、その直径であり、小突起31,32が平面円形状以外の平面形状の場合には、その平面形状の最大幅をいう。また、複数の小突起31,32の最大幅が異なっている場合には、前記小突起31,32の最大幅は、複数の小突起31,32の最大幅の平均値に相当する。
上記小突起31,32の形成間隔は、隣接する小突起31,32の平面形状における重心間の長さをいう。例えば、小突起31,32が平面円形状である場合には、隣接する小突起31,32の中心を直線で結んだ長さであり、小突起31,32が平面円形状以外の平面形状の場合には、隣接する小突起31,32の平面形状の重心を直線で結んだ長さであり、小突起31,32が平面円形状とそれ以外の平面形状の混在である場合には、その中心と重心を直線で結んだ長さである。また、各小突起31,32の形成間隔が異なっている場合には、前記小突起31,32の形成間隔は、その平均値に相当する。
複数の小突起31,32の配置パターンは、特に限定されない。例えば、図3及び図4に示される大突部2においては、複数の小突起31,32が複数列且つ多段に規則的に配置されている。複数の小突起31,32が多段に且つ規則的に配置されることによって、入浴者の足裏が略均一に小突起31,32に当たるので、防滑性に優れた床シートを構成できる。
複数の小突起31,32は、大きさ及び形状が異なっていてもよいし、大きさ及び形状の少なくとも何れか一方が異なっていてもよい。
図示例の床シートは、形状が同じで且つ大きさが異なる、つまり、立体的な相似形の2種類の小突起31,32が交互に列設されている。以下、この立体的な相似形の2種類の小突起31,32を、それぞれ第1小突起31及び第2小突起32という場合がある。
もっとも、小突起は、3種類以上であってもよい。このように、大きさが異なる小突起を設けることによって、入浴者の足裏の複雑な凹凸に対して接触し得る小突起が多くなり、さらに防滑性に優れた床シートを構成できる。
前記第1小突起31及び第2小突起32は、それぞれ平面円形状である。
前記第1及び第2小突起31,32の突出高さH1,H2は、それぞれ、上記小突起31,32の突出高さの範囲内(例えば、0.09mm〜0.20mm)であることが好ましい。第1及び第2小突起31,32は、突出高さが同じであってもよいし、何れか一方の突出高さの方が長くてもよい。第1及び第2小突起31,32の突出高さが異なる場合には、両突出高さの差は、0.15mm以下であることが好ましい。第1及び第2小突起31,32の突出高さの差が余りに大きいと防痛性の効果を十分に得られないおそれがある。
第1及び第2小突起31,32の平面形状における最大幅W1,W2は、それぞれ、上記小突起31,32の最大幅の範囲内(例えば0.40mm〜1.20mm)であることが好ましい。第1及び第2小突起31,32は、最大幅が同じであってもよいし、何れか一方の最大幅の方が長くてもよい。本実施形態では、図4に示すように、第1小突起31の最大幅W1の方が第2小突起32の最大幅W2よりも長く、両者の差は、0.15mm以下であることが好ましい。
第1及び第2小突起32の形成間隔L1,L2,L3は、それぞれ、上記小突起31,32の形成間隔の範囲内(例えば、0.75mm〜1.20mm)であることが好ましい。各小突起31,32の形成間隔は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態では、図4に示すように、隣接する第1小突起31の具体的な形成間隔L1、隣接する第2小突起32の具体的な形成間隔L2、及び第1小突起31と第2小突起32の具体的な形成間隔L3は、それぞれ異なっている。前記隣接する第1小突起31の具体的な形成間隔L1は、好ましくは0.85mm〜1.10mmであり、隣接する第2小突起32の具体的な形成間隔L2は、0.95mm〜1.20mmであり、第1小突起31と第2小突起32の具体的な形成間隔L3は、0.75mm〜1.00mmである。
第1小突起31は、第2小突起32よりも大きい略相似形である。
図4に示すように、大きい形状の第1小突起31の複数が直線状に配置された列の間に、小さい形状の第2小突起32の列が配置されていることにより、所定の形成間隔を確保しつつ単位面積当たりの小突起の数を多くすることができる。つまり、大きい形状の第1小突起31のみであると、その小突起31を所定の間隔で形成した場合、単位面積当たりの小突起の数は少なくなるが、形状の小さい第2小突起32を混在させることにより、各小突起31,32の形成間隔を所定範囲に保ちしつつ、単位面積当たりの小突起の数を多くすることができる。単位面積当たりの小突起の数を多いと、入浴者の足裏に当たる小突起の数も増加するので、床シートの防滑性が向上すると共に、各小突起の先端から足裏に加わる圧力も低減するので、床シートの防痛性も向上する。
第1及び第2小突起32の平面形状は特に限定されないが、防滑性、防痛性及び防汚性の点から、平面略円形状であることが好ましい。
また、各小突起31,32の立体的な形状も特に限定されない。立体的には、図6及び図7に示すように、各小突起31,32は、それぞれ大突部2の表面2aから上方に立ち上がった起立周面311,321と、前記起立周面311,321の上端に連設された突出頂面312,322と、を有する。
好ましくは、突出頂面312,322は、それぞれ平坦面(水平な面ともいう)とされている。
第1及び第2小突起31,32の断面形状は、逆椀形状である。具体的には、各小突起31,32の起立周面311,321は、大突部2の表面2aに対して鈍角状に立ち上がっている。なお、各小突起31,32の起立周面311,321と大突部2の表面2aとの成す角は、鈍角であれば特に限定されないが、余りに90度に近いと、防痛性及び防汚性が悪くなり、一方、余りに180度に近いと、突出した部分(小突起31,32)を構成できない。かかる観点から、前記成す角は、好ましくは105度〜135度であり、より好ましくは115度〜125度である。
前記第1及び第2小突起31,32の起立周面311,321と前記大突部2の表面2aとの境界部311a,321aは、角取りされている。この角取りとは、前記境界部311a,321aに明確な境界線がなく、なだらかな曲線を以て起立周面311,321と大突部2の表面2aが連続していることをいう。
このように起立周面311,321と大突部2の表面2aの境界部311a,321aが角取りされていることにより、その境界部311a,321aに汚れが付着し難く、又、その境界部311a,321aにブラシの毛先やスポンジが届き易くなるので、境界部311a,321aに汚れが付着した場合でもそれを容易に除去できる。
また、第1及び第2小突起31,32の起立周面311,321と突出頂面312,322との境界部311b,321bも、角取りされている。この角取りとは、前記境界部311b,321bに明確な境界線がなく、なだらかな曲線を以て起立周面311,321と突出頂面312,322が連続していることをいう。
このように起立周面311,321と突出頂面312,322の境界部311b,321bが角取りされていることにより、入浴者が各小突起31,32に乗っても角が当たらないので痛みを感じ難くなる。
なお、上記のように各境界部は、明確な境界線がないが、図3及び図4においては、小突起31,32の配置を示す必要があることから、小突起31,32の起立周面311,321と大突部2の表面2aとの境界部311a,321aを実線で表している。
本発明の浴室用床シートは、上記のように大突部2の表面2aに、突出高さが0.09mm〜0.20mmで、最大幅が0.40mm〜1.20mmで且つ形成間隔が0.75mm〜1.20mmである複数の小突起31,32が形成されているので、防滑性、防痛性及び防汚性に優れている。
また、本発明の浴室用床シートは、排水性にも優れているので、特に、汚れや水垢の付着を防止できる。さらに、本発明の浴室用床シートは、汚れが付着した場合であっても、ブラシやスポンジのような清掃具を用いてその汚れを容易に除去することもできる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(シート本体の作製)
シート本体として、図6に示すような、表層91、中間層92、第1発泡層93、補強層94及び第2発泡層95が積層された5層構造のものを用いた。
前記表層、中間層、第1発泡層及び第2発泡層の形成材料は、いずれもポリ塩化ビニルを用い、補強層は、ガラスマットを用いた。これらの材料を重ね合わせ、約180℃に加熱してポリ塩化ビニルをゲル化させることによって、シート本体を作製した。
なお、表層の厚みは、約0.4mm、中間層の厚みは、約0.2mm、第1発泡層の厚みは、約0.9mm、補強層の厚みは、約0.2mm、第2発泡層の厚みは、約1.8mmとし、第1発泡層の発泡倍率は、約2.5倍、第2発泡層の発泡倍率は、約2.5倍とした。
(凹凸の形成)
前記シート本体の表層の表面に、エンボスローラを用いて、図1に示す配置パターンを繰り返した複数の大突部2(寸法などの詳細は下記の通り)を形成した。この大突部2の表面2aには、図4に示すパターンで複数の第1小突起31及び第2小突起32(寸法などの詳細は下記の通り)が形成されている。
小突起の大きさや小突起間の距離などは、マイクロスコープ(オムロン社製、商品名「VC7700」)を用いて測定した。
図1及び図4では、実施例1で作製した大突部及びその配置パターン、第1小突起並びに第2小突起をそのまま図示している。
大突部の長辺は、約19.2mm、大突部の短辺は、約6.4mm、大突部の突出高さは、約0.2mmとした。
第1小突起及び第2小突起は、それぞれ、その平面形状が円形で、且つ立体的には角取りされた逆椀形状(突出頂面は平坦面)とした。
第1小突起の直径は、0.55mm、第1小突起の突出高さは、0.15mm、第2小突起の直径は、0.45mm、第2小突起の突出高さは、0.10mmとした。
また、隣接する第1小突起の形成間隔(図4及び表1の”L1”)は、0.89mm、隣接する第2小突起の形成間隔(同”L2”)は、0.96mm、第1小突起と第2小突起の形成間隔(同”L3”)は、0.77mmとした。
なお、第1凹部の幅は、約0.5mm、第2凹部の幅は、約2.3mmとした。
表1には、第1小突起と第2小突起の最大幅である直径の平均値、突出高さの平均値、及びそれらの形成間隔の平均値が表示されている。これらの平均値は、小数点以下3桁目を四捨五入した値である。
[実施例2乃至5及び比較例1乃至3]
実施例1の第1小突起及び第2小突起の大きさや形成間隔を、表1に示すような寸法に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2乃至5及び比較例1乃至3の床シートをそれぞれ作製した。
実施例1乃至5及び比較例1乃至3の床シートの防滑性、防痛性及び防汚性を、それぞれ下記方法及び基準に従って評価した。その結果を、表1に併せて示す。
(防滑性)
各床シートの表面に濃度0.3%の石鹸水を撒いた後、この表面を試験者が裸足で歩行し、滑り易いかどうかを次の評価基準に従って評価した。
A:非常に滑り難かった。
B:滑り難かった。
C:滑り易かった。
(防痛性)
各床シートの表面に、試験者が素肌で膝をつき、そのときの感触を次の評価基準に従って評価した。なお、膝をついた際の感触を防痛性の評価基準としたのは、本発明者らの試行錯誤の結果、浴室では、素肌で膝をついた場合に最も痛みを感じやすいことを知得したためである。
A:全く痛くなかった。
B:痛くはないが、少し違和感があった。
C:痛かった。
(防汚性)
各床シートの表面に、ハンドクリームに関東ローム層の赤土を混入した擬似汚れ剤を付け、その各床シートを60℃のオーブン内に4時間入れた。その後、その床シートの表面を、水で濡らしたデッキブラシとスポンジを用いて洗浄し、次の評価基準に従って評価した。
A:容易に汚れを除去できた。
B:時間が掛かったが、汚れが除去できた。
C:汚れが取れ難かった。
Figure 0005736605
比較例1及び2の結果から、小突起の突出高さが0.08mmであると、防滑性が悪くなり、一方、小突起の突出高さが0.23mmであると防痛性が悪くなった。実施例1乃至5と比較例1及び2の対比から、小突起の突出高さを0.09mm〜0.20mmの範囲内とすれば、防滑性及び防痛性に優れた床シートを提供できると考えられる。
比較例3の結果から、小突起の形成間隔が0.67mmであると、防汚性が悪くなり、一方、実施例2の結果から、小突起の形成間隔が比較的長くても、防滑性及び防痛性に影響がなかった。ただし、小突起の形成間隔が余りに長いと、単位面積当たりの小突起の個数が少なくなって防滑性が悪くなると推定される。このような点から、小突起の形成間隔を0.75mm〜1.20mmとすれば、防滑性、防痛性及び防汚性に優れた床シートを提供できると考えられる。
本発明の浴室用床シートは、一般住宅、銭湯やホテルなどの浴場施設、介護施設などの各種浴室の床材として利用できる。
1 シート本体
2 大突部
31,32 小突起
311,321 起立周面
312,322 突出頂面
4 溝部
51,52 凹部
10 ユニット
11 第1の集合ユニット
12 第2の集合ユニット

Claims (5)

  1. シート本体と、前記シート本体の表面から上方に突出され且つ平面形状が長方形である複数の大突部と、前記各大突部の表面から上方に突出された複数の小突起と、を有し、
    前記複数の大突部の一部又は全部が、その長辺を略平行とした状態で並設され、且つ隣接する大突部の長辺間に溝部が形成されており、前記長辺を略平行とした状態で並設された複数の大突部を1つのユニットとし、そのユニットの複数が、前記シート本体の表面において所定パターンで並設されており、前記隣接するユニットの間に、前記溝部よりも深い凹部が形成されており、
    前記小突起は、その平面形状の面積が前記大突部の平面形状の面積よりも小さく、前記複数の小突起が所定間隔を開けて前記大突部の表面に並設されており、
    前記小突起の突出高さが、0.09mm〜0.20mmであり、前記小突起の平面形状における最大幅が、0.40mm〜1.20mmであり、前記複数の小突起の形成間隔が、0.75mm〜1.20mmである、浴室用床シート。
  2. 前記複数のユニットを構成する各大突部の長辺間の全ての溝部は、その端部が前記凹部に連設されている、請求項1に記載の浴室用床シート。
  3. 前記凹部が、深さの異なる第1凹部及び第2凹部を有し、
    前記ユニットの複数が前記シート本体の表面において並設されたものを1つの集合ユニットとし、その集合ユニットが、前記シート本体の表面において複数並設されており、
    前記隣接するユニットの間に、前記第1凹部が形成され、前記隣接する集合ユニットの間に、前記第2凹部が形成され、前記第1凹部の端部が前記第2凹部に連設されており、
    前記溝部、第1凹部及び第2凹部の各深さが、第2凹部の深さ>第1凹部の深さ>溝部の深さの関係を満たしている、請求項1または2に記載の浴室用床シート。
  4. 前記小突起が、前記大突部の表面からその表面に対して鈍角状に立ち上がった起立周面と、前記起立周面の上端に連設された突出頂面と、を有し、前記起立周面と前記大突部の表面との境界部、及び、前記起立周面と前記突出頂面との境界部がそれぞれ角取りされている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の浴室用床シート。
  5. 前記複数の小突起は、その平面形状が略円形であり、
    前記複数の大突部は、その断面における表面形状が上方に膨らむ弧状に形成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の浴室用床シート。
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