JP5572840B2 - 階段構造 - Google Patents

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Description

本発明は、一般住宅、マンション、オフィスビルなどの各種構造物の階段構造に関し、さらに詳しくは、歩行者が滑り落ちにくく改良された階段構造に関する。
従来、階段昇降時に歩行者が滑らないような階段構造が提供されている。
例えば、特許文献1には、踏み面の内側から外縁にかけてケミカルエンボスの深さが漸増するエンボス同調模様を有する階段構造が開示されている。
かかる階段構造は、意匠性に優れ、さらに、ノンスリップ性を有する。
ところで、一般に、階段を上がるときよりも階段を降りるときに、歩行者の足裏が踏み面上を滑り易い。階段を降りているときに足裏が踏み面上にて滑ると、足裏が踏み面の前端部を越えて下方へ至り、その結果、歩行者が階段から落ちてしまう。
この点、上記特許文献1の階段構造は、踏み面の中央部に複数のエンボス凸部が形成されているが、この踏み面の中央部で足裏が滑る場合があり、一旦、足裏が滑り始めるともはやその滑りを止めることができず、足裏が踏み面の前端部を越えて下方に落ちるおそれがある。
特開2002−349036号公報
本発明の目的は、歩行者が滑り落ちにくく工夫された階段構造を提供することである。
本発明の階段構造は、連続して交互に設けられた複数の踏み面構造部及び蹴込み面構造部と前記蹴込み面構造部の上端から前方に突設された段鼻部とを有する階段構造体と、階段用シートと、から構成され、前記階段用シートが、1つの踏み面構造部及びこれに続く段鼻部を含む1つの蹴込み面構造部を少なくとも覆う蹴込み面及び踏み面を有し且つ1枚のシート状物から構成されたシート本体と、前記踏み面の横方向に延びる複数の長状凸部であって、前記踏み面の表面よりも凹んだ凹部によって形成された複数の長状凸部と、を備え、1つの長状凸部からなる又は2つ以上の長状凸部が連なって並設された第1凸部領域と、2つ以上の長状凸部が隙間を有して連なって並設された第2凸部領域と、を有し、前記第1凸部領域が、前記踏み面の前端部に配置され、前記第2凸部領域が、前記第1凸部領域よりも上方の蹴込み構造部側に配置されており、前記第1凸部領域と第2凸部領域の間に、前記長状凸部の頂部よりも低い間隙部が設けられており、前記間隙部の幅が、前記第2凸部領域における各長状凸部の間の隙間の幅よりも大きく、前記第2凸部領域の各長状凸部の頂部が前記踏み面の表面と同一平面上となるように、前記第2凸部領域の各長状凸部が形成されており、前記階段用シートが、1つの踏み面構造部から段鼻部に沿いつつ蹴込み面構造部にまで固着されている。
本発明の好ましい階段構造は、前記間隙部における色彩又は模様の少なくとも何れか一方が、前記第1凸部領域における長状凸部の色彩又は模様と異なっている。
本発明の更に好ましい階段構造は、前記第1凸部領域の長状凸部の断面形状が、前記第2凸部領域の長状凸部のそれよりも大きい。
本発明の更に好ましい階段構造は、前記階段用シートが、発泡層を有する。
本発明の更に好ましい階段構造は、前記第1凸部領域の長状凸部の断面形状及び前記第2凸部領域の長状凸部の断面形状が、それぞれ略半円状である。
本発明の階段構造は、第1凸部領域と第2凸部領域の間に凹んだ間隙部が設けられているので、歩行者が階段から滑落することを効果的に防止できる。
また、間隙部における色彩又は模様が長状凸部のそれと異なっている階段構造によれば、間隙部を視覚的に見分け易くなるので、歩行者が踏み面の前端部の位置を認識し易い。このため、歩行者が踏み面を誤って踏み外すような事態を未然に防止できる。
本発明の1つの実施形態の階段構造を示す断面を含む概略斜視図。 図1の断面部分を拡大した一部省略拡大断面図。 階段用シートの平面図。 階段用シートの長状凸部が設けられた部分の拡大平面図。 図3のV−V線で切断した一部省略拡大断面図。 本発明の他の実施形態の階段構造を示す一部省略拡大断面図。 他の実施形態の階段用シートを示す平面図。 本発明の他の実施形態の階段構造を示す概略斜視図。
以下、本発明について図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書において、「上方」は、階段を登っていく側を、「下方」は、これと反対に階段を降りていく側を、「前方」は、蹴込み面から離れる側を、「後方」は、これと反対に蹴込み面に近づく側を、「横方向」は、上下方向と前後方向に直交する方向を、それぞれ意味する。
図1及び図2に示すように、本発明の階段構造10は、上方及び下方の蹴込み面21,22と、上方及び下方の蹴込み面21,22の間に設けられた踏み面31と、踏み面31の横方向に延び、且つ前記踏み面31から突設された複数の長状凸部611,621と、を備える。
蹴込み面21,22及び踏み面31は、交互に連続して設けられている。上方及び下方の蹴込み面21,22は、通常、踏み面31に対して略直交して設けられている。もっとも、上方の蹴込み面21及び下方の蹴込み面22が踏み面31に対して鈍角状又は鋭角状に交わるように設けられていてもよい。
本実施形態では、階段構造10は、複数の踏み面構造部43,43と複数の蹴込み面構造部42,42が連続して交互に設けられた段状の階段構造体と、その表面に固着され且つ複数の長状凸部611,621が突設された階段用シート5と、から構成されている。従って、踏み面31は、踏み面構造部43の表面に対応する階段用シート5の表面から構成され、蹴込み面21は、蹴込み面構造部42の表面に対応する階段用シート5の表面から構成されている。
階段構造体は、木板の組み合わせ構造体、コンクリート構造体などの公知の構造物である。
なお、階段用シート5は、粘着テープ、接着剤、粘着剤、コーキング剤などからなる貼着層9を介して階段構造体に固着できる。中でも、簡易に固着できる粘着テープが好適に使用できる。
1つの階段用シート5は、1つの踏み面構造部43とこれに続く下方の1つの蹴込み面構造部42を覆っている。そして、複数の階段用シート5,5が順次固着されることによって、段状の階段構造体の表面の略全体が階段用シート5で覆われている。1つの階段用シート5が、1つの踏み面構造部43とこれに続く1つの蹴込み面構造部42を覆うように構成されていると、階段用シート5が施工時に扱いやすい長さとなる上、階段用シート5を適切な長さに切断することで様々な大きさの階段構造体にも施工でき、さらに、途中に踊り場や屈曲階段などの箇所にも施工できる。
ただし、1つの階段用シート5は、1つの踏み面構造部43とこれに続く下方の1つの蹴込み面構造部42を覆うことができるように構成されている場合に限られず、1つの踏み面構造部43とこれに続く上方の1つの蹴込み面構造部42を覆うことができるように構成されていてもよいし、或いは、2以上の踏み面構造部43とこれに続く2以上の蹴込み面構造部42を覆うことができるように構成されていてもよい。このように2以上の踏み面構造部43及び蹴込み面構造部43を1つの階段用シート5で覆うように構成すると、一度の作業で複数段の施工を行うことができるので作業効率が良い上、階段用シート5の継ぎ目が少なくなるので構造的にも安定する。
なお、図1及び図2の例では、踏み面構造部43の前端部が、下方の蹴込み面構造部42の上端から前方に少し突設されている、一般に段鼻部とも呼ばれる構造を有するが、これに限定されず、踏み面構造部43の前端において、踏み面構造部43と下方の蹴込み面構造部42が略直交状に曲がって連設されていてもよい。
また、複数の階段用シート5は、図2に示すように、踏み面構造部43の後方端部における踏み面構造部43と蹴込み面構造部42の境界部で接合されている。踏み面構造部43の後方端部は、階段を昇降する人の足が接触しにくく、昇降による負荷もかかり難い箇所であるので、接合箇所としては最も望ましい。
また、接合形式としては、図2に示すように、上方の踏み面構造部43に固着された階段用シート5の下端部が下方の踏み面構造部43の表面に当接し、且つ当該下方の踏み面構造部43に固着された階段用シート5の後端部が前記上方の踏み面構造部43に固着された階段用シート5の表面に当接するような接合形式が望ましい。このように接合することにより、各シート5の継ぎ目部が、階段を昇ってくる歩行者の、目視可能な角度から外れるので、階段構造の美観が向上する。
階段用シート5は、図3〜図5に示すように、シート本体51と、このシート本体51の表面から一体的に突設された1つの長状凸部611からなる第1凸部領域61と、このシート本体51の表面から一体的に突設された2つ以上の長状凸部621,621が連なって並設された第2凸部領域62と、を有し、前記第1凸部領域61と第2凸部領域62の間には、前記第1凸部領域61の長状凸部611の頂部611aよりも低い間隙部7が設けられている。
第1凸部領域61が設けられていることによって、階段を降りる際に第1凸部領域61の長状凸部611に足先を掛けることで滑落を効果的に防止することが可能となる。また、第2凸部領域62が設けられていることによって、階段昇降時に、複数の長状凸部621が歩行者の足裏に当接するので、防滑効果を奏する。
第1凸部領域61及び第2凸部領域62における各長状凸部611,621は、図3からも判るように、何れも、シート本体51の略中央部においてその横方向全体に延び、且つその表面から上方に突設されている。このように各長状凸部611,621を略中央部に設けることによって、第1凸部領域61を踏み面構造部43の前端部上面に配置した際に、各階段用シート5の接合箇所を踏み面構造部43の後方端部に位置させることができる上、踏み面構造部43と蹴込み面構造部42の長さが異なる場合でも、シート本体51の片側、又は両側面を切断することによって、適した長さに調整して階段用シート5を施工できる。
また、図4に示すように、第1凸部領域61は、第2凸部領域62から所定の距離W3を隔てて配置されている。前記距離W3は、第1凸部領域61における長状凸部611の後方の基部611bから、第2凸部領域62における長状凸部621の前方の基部621aまでの長さを意味している。前記距離W3は、間隙部7の幅に相当する。第1凸部領域61と第2凸部領域62の間には、間隙部7が設けられており、長状凸部611と長状凸部621は、間隙部7を介して対向している。
第1凸部領域61と第2凸部領域62が間隙部7を有して隔てられていることにより、第1凸部領域61を足先で感得しやすくなっている。このため、階段降下時に足先で第1凸部領域61を感得することにより、踏み面3の前端部を確認することができるので、より安全に階段を降下することができる。特に、素足歩行時には、第1凸部領域61の凸形状を効果的に感得することができるので、素足での歩行が多い家庭内において本発明を実施した場合に有効である。また、第1凸部領域61の凸形状の感得は、目視によらずに行う事ができるので、周辺が暗い場合や視力低下時など、階段の目視が困難な場合でも有効である。
前記距離W3は、特に限定されないが、2.0mm〜10.0mmが好ましい。前記距離W3が余りに小さいと実質的に間隙部7が設けられず、一方、距離W3が余りに大きいと足裏の滑り防止効果及び上記足先での凸部感得効果を十分に奏しないおそれがある。
第2凸部領域62における複数の長状凸部621は、僅かな隙間71を有して並設されている。つまり、複数の凸部が並設される場合には、必然的に各凸部間に凹部が生じるので、第2凸部領域62における複数の長状凸部621は、それらの間に僅かな隙間71を有して並設されている。例えば、第2凸部領域62における複数の長状凸部621間の隙間71は、略等しい。
第2凸部領域62における1つの長状凸部621の後方の基部621bと隣の長状凸部621の前方の基部621aの間の隙間71の幅W2は、0〜2.0mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましく、0.1〜1.0mmがさらに好ましい。前記隙間71の幅W2が0である場合には、第2凸部領域62における1つの長状凸部621の後方の基部621bと隣の長状凸部621の前方の基部621aが隙間無く一致している。
前記隙間71の幅W2が0の場合であっても、連続する複数の長状凸部621の摩擦力によって防滑性を確保することができるが、幅W2が0.1mm以上であると摩擦力に加えて足裏に対するグリップ力が加わるので、防滑性が向上する。一方、前記隙間71の幅W2が2.0mmを超えると、第2凸部領域62において複数の長状凸部621が離れすぎて、足裏に対するグリップ力を効果的に発揮できず、防滑性が低下するおそれがある。
第2凸部領域62における長状凸部621の数は、2以上であれば特に限定されない。本実施形態では、第2凸部領域62においては、5つの長状凸部621が突設され且つ前後方向に連なって並設されている。
また、前記距離W3は第2凸部領域62における各長状凸部621の間の隙間71の幅W2よりも大きい。
第1凸部領域61における長状凸部611の幅W1は、特に限定されないが、3.0mm〜10.0mmが好ましい。前記幅W1は、長状凸部611の前方の基部611aから後方の基部611bまでの長さを意味する。前記幅W1が余りに小さいと、第1凸部領域61による防滑効果や凸部感得性が低下する場合がある上、長状凸部611の断面形状が細長くなり過ぎて強度が低下する虞がある。一方、前記幅W1が余りに大きいと、長状凸部611が所定の高さの場合、相対的に長状凸部611の頂部611cが平坦状になり、第1凸部領域61による防滑効果や足先での凸部感得性が低下する場合がある。
また、第2凸部領域62における各長状凸部621の幅は、特に限定されないが、3.0mm〜10.0mmが好ましい。各長状凸部621の幅が広すぎると、防滑性が低下する虞があり、一方、狭すぎると防滑性が低下する虞がある上、強度が不足する場合がある。
図5は、階段用シート5を図3に示すV−V線で切断し、各長状凸部付近を拡大した断面図である。図5に示すように、第1凸部領域61と第2凸部領域62の間における間隙部7は、第1凸部領域61及び第2凸部領域62における各長状凸部611,621の頂部611c、621cよりも低い。つまり、この間隙部7は、長状凸部を基準とすると、それに反して凹部とされている。さらに、間隙部7は、前記第1凸部領域61の長状凸部611の前方の基部611aよりも低くなるように構成されている。
間隙部7の高さをこのように構成することによって、階段降下時の第1凸部領域61による防滑効果を向上させることができる。また、間隙部7と第1凸部領域61の長状凸部611の高低差により、第1凸部領域61の配置を足先で感得しやすくなり、より安全に階段を降下することができるようになる。特に、素足歩行時には、第1凸部領域61の凸形状を間隙部7によって効果的に感得することができるようになる。
前記間隙部7の深さH2は、特に限定されないが、0.5mm〜1.6mmが好ましい。前記深さH2は、第1凸部領域61における長状凸部611の頂部611cから後方の基部611bまでの長さを意味する。前記間隙部7の深さH2が余りに小さいと、第1凸部領域61の長状凸部611と第2凸部領域62の長状凸部621が実質的に繋がるので、間隙部7が形成されず、前述のような第1凸部領域61の防滑性向上効果や感得性向上効果を得ることができない。一方、間隙部7の深さH2が余りに大きいと、足裏の滑り防止効果を十分に奏しないおそれがある。
両領域61,62における各長状凸部611,621の断面形状は特に限定されないが、足裏が触れたときの感触に優れ且つ足裏の滑りを効果的に防止できることから、略半円状であることが好ましい。即ち、長状凸部の断面形状を略半円状とすることによって、素足で歩行した際に、優れた感触と足裏の滑り止効果を合わせ持つことが可能となるので、本発明を建造物の室内、特に、素足での歩行が多い家庭内において実施した場合に、有効である。
また、本実施形態では、第1凸部領域61における長状凸部611と第2凸部領域62における各長状凸部612は、略同形且つ略同大に形成されている。
もっとも、両領域61,62における各長状凸部611,621の高さ、幅及び断面積などの断面形状は、異なっていてもよいし、或いは、何れかの長状凸部の断面形状が少し大きくてもよい。特に、第1凸部領域61の長状凸部611の形状を大きくすることにより、上述した階段降下時の防滑効果や凸形状の感得性を高めることが可能となる。
さらに、第1凸部領域61及び第2凸部領域62における各長状凸部611,621は、シート本体51の略中央部に設けられる場合に限定されず、シート本体51の何れか一方の端部に寄った位置に設けられていてもよい。
図5に示すように、第1凸部領域61における長状凸部611の突出高さH1は、特に限定されないが、0.3mm〜1.6mmが好ましい。前記突出高さH1は、長状凸部611の頂部611cから前方の基部611aまでの長さを意味する。前記突出高さH1が余りに小さいと実質的に凸部になり得ず、滑り防止効果や凸部の感得性が低くなる。一方、突出高さH1が余りに大きいと、階段昇降時に歩行者の感触が悪くなる上、人が踏むことによって長期間荷重が加わると長状凸部611が経時的に潰れるおそれがある。また、突出高さH1が大きいと、表層材の厚みが同一のシートを用いた場合、相対的に長状凸部611の強度が低下する場合がある。
第2凸部領域62における各長状凸部621の突出高さは、特に限定されないが、0.3mm〜1.6mmが好ましい。各長状凸部621の突出高が低すぎると、防滑性が低下する虞があり、一方、高すぎると感触が悪くなる上、強度が不足する場合がある。
前記第2凸部領域62における各長状凸部621の頂部621cは、図5に示すように、前記踏み面51の表面と同一平面上とされている。
階段用シート5の材質や層構成は、上記複数の長状凸部611,621が突設された本体層を有していれば特に限定されない。この本体層は、好ましくは弾性を有する。長状凸部611,621が突設された本体層が弾性を有していれば、長状凸部の足裏に対するグリップ力が高まり、又、衝撃緩和性、クッション性、及び防音性に優れる。
本実施形態では、シート本体51は、下方から順に、裏面層と、発泡シートからなる本体層と、装飾層と、表面層と、から構成されている。もっとも、本発明の階段用シート5は、この層構成に限定されず、例えば、裏面層と本体層と装飾層から構成されていてもよいし、本体層と装飾層から構成されていてもよい。
裏面層としては、例えば、無機繊維(ガラスなど)又は合成繊維の不織布、織布、編み物などのような繊維強化シート、ゴムなどの滑止め材などを用いることができる。
裏面層として不織布が用いられる場合には、目付け量が50〜300g/mの不織布を用いることが好ましい。不織布の目付け量が少なすぎると、階段用シート5の寸法安定性や強度が低下するおそれがあり、不織布の目付け量が大きすぎると、本体層とのアンカー効果による結合力が低下して層間剥離を起こすおそれがある。
発泡層(本体層)としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを含む公知の合成樹脂製発泡層を用いることができる。
発泡層の形成方法としては、例えば、発泡剤を添加した樹脂組成物を押出機またはカレンダーロールなどから裏面層上に積層した後、加熱炉や加熱ロールに通してこれを発泡させる方法;発泡剤を添加した樹脂組成物を発泡させながら裏面層上に積層する方法;発泡剤を添加した樹脂組成物から未発泡シートを成形した後、加熱ロールなどに通して発泡シートを得る方法などが挙げられる。
発泡層に上記長状凸部611,621を形成する方法としては、エンボスロールを用いて発泡層の表面を押圧するメカニカルエンボス法;発泡剤を含む樹脂組成物を部分的に模様状に印刷塗工して発泡面を浮き上がらせるロータリスクリーン法、発泡抑制剤を用いて部分的に発泡を抑制するケミカルエンボス法などが挙げられる。
中でも、ケミカルエンボス法は、装飾層の形成を同時に行え、簡易にエンボスを形成できることから、長状凸部を形成するのに適している。ケミカルエンボス法は、例えば、発泡抑制剤を含むデザインインキと発泡抑制剤を含まないデザインインキを用いた印刷シートを装飾層として用いることによって長状凸部を形成する方法である。なお、ケミカルエンボス法によって長状凸部611,621を形成する場合には、第2凸部領域62における長状凸部611間の隙間71、及び第1凸部領域61と第2凸部領域62の間の間隙部7に対応する部分に、発泡抑制剤を塗布するか、又は発泡抑制剤が当該位置に配置された印刷シートを用いることにより、上記複数の長状凸部を形成できる。
発泡層の発泡倍率は特に限定されないが、経時的に圧縮され難く且つ足裏の滑りを効果的に防止するために、3倍〜7倍が好ましく、4倍〜6倍がより好ましい。
また、発泡層の厚みも特に限定されないが、衝撃緩和性及びクッション性に優れた階段構造10を構成するために、1.0mm〜10.0mmが好ましい。
なお、発泡層の一部分が裏面層に含浸することによって両者が一体化されていてもよいし、或いは、発泡層の下面が裏面層に接着することによって両者が一体化されていてもよい。
装飾層としては、例えば、デザインを転写した転写層、デザインを印刷した印刷層、デザイン印刷済みのフィルム層などを用いることができる。上述のように、前記転写層又は印刷層の上記隙間71及び間隙部7に対応する部分に発泡抑制剤を含ませておくことにより、上記複数の長状凸部611,612及び間隙部7を形成できる。
装飾層の色彩又は模様は、特に限定されず任意に設定できる。例えば、装飾層の色彩又は模様は、木のような色彩・模様を有する木目模様、石のような色彩・模様を有する石目模様、抽象柄などに設定できる。また、ケミカルエンボス法によって長状凸部を形成した場合、木目模様のような複雑な模様と長状凸部611,621を同一の印刷シートを用いて形成できるので、装飾層の色彩又は模様と長状凸部611,621の凸形状を同じ階段用シート5上に違和感なく形成することができる。
中でも、前記第1凸部領域61と第2凸部領域62の間の間隙部7及び第2凸部領域62の各長状凸部621の隙間71における色彩又は模様の少なくとも何れか一方が、前記第1凸部領域61における長状凸部611の色彩又は模様と異ならせることが好ましく、さらに、前記間隙部7及び隙間71における色彩又は模様の少なくとも何れか一方が、第1凸部領域61及び第2凸部領域62における各長状凸部611,621、並びに踏み面31などの長状凸部が形成されていないシート本体面の部分と異ならせることがより好ましい。特に、第1凸部領域61と間隙部7が異なる色彩、模様であると、凹凸の高低差によって、コントラスト差が高められるので、より視認性が高まり効果的である。
例えば、前記間隙部7に、長状凸部611、又は間隙部7以外の部分の色彩とは異なる着色を施すことなどが挙げられる。間隙部7の色彩又は模様を、第1凸部領域61における長状凸部611などの色彩又は模様と異ならせることにより、歩行者が間隙部7を視覚的に見分け易くなるので、歩行者が踏み面31の前端部の位置を認識し易くなる。このため、歩行者が踏み面31を誤って踏み外すような事態を防止できる。また、間隙部7による第1凸部領域61の感得向上によって得られる足先による感触と、第1凸部領域61と間隙部7のコントラストによる視認性との相乗効果により、歩行者が踏み面31の前端部の位置をより容易に認識することができるようになる。
歩行者が踏み面31の前端部の位置をより容易に認識できるようにするためには、階段用シート5において、その第1凸部領域61、間隙部7、及び第2凸部領域62を合わせた部分の輝度が、その部分以外の踏み面部分の輝度よりも高くなるように設定することが好ましい。この輝度差により、踏み面31の前端部の視認性がより高められる。
特に、第1凸部領域61、間隙部7、及び第2凸部領域62を合わせた部分の輝度K1が、その部分以外の踏み面部分の輝度K2に対して輝度比1.5以上となるように色彩を設定することが好ましい。
ただし、前記輝度比は、JIS C 7614に準拠した方法で測定される値である。
表面層としては、例えば、PVCクリア層、アクリル樹脂コーティング層、ウレタン樹脂コーティング層などを用いることができる。これらは、1種単独で、または2種以上を併用してもよい。特に、PVCクリア層の上にアクリル樹脂コーティング層、又はウレタン樹脂コーティング層を重ねると、強度が高くなり、耐久性が向上するので好適である。また、表面層の厚みは、PVCクリア層の場合、通常、100〜500μm、アクリル樹脂コーティング層やウレタン樹脂コーティング層の場合、通常、5μm〜30μmである。
図1及び図2に示すように、第1凸部領域61の長状凸部611の前方の基部611aが踏み面構造部43の前端(踏み面構造部43と下方の蹴込み面構造部42によって形成される角部421)の近傍に位置するように、上記階段用シート5を階段構造体に固着することにより、本発明の階段構造10を構成できる。
従って、本発明の階段構造10は、第1凸部領域61が踏み面31の前端部に配置され、第2凸部領域62が第1凸部領域61よりも上方の蹴込み面21,22側に配置されており、前記第1凸部領域61と第2凸部領域62の間に間隙部7を有する。
本発明の階段構造10上を歩行者が降りるとき、複数の長状凸部621が並設された第2凸部領域62が足裏をグリップする。もし、第2凸部領域62の長状凸部621で足裏を保持できず、足裏が第2凸部領域62から前方へ滑っても、足裏の指先などが第1凸部領域61の長状凸部611に当たって保持されるので、足裏が踏み面31を超えて滑り落ちることを防止できる。
この作用は、第1凸部領域61と第2凸部領域62の間に凹んだ間隙部7が設けられていることに起因すると推定される。すなわち、踏み面の前端部に複数の長状凸部が略等間隔で並設されている場合には、足裏に対するグリップ力を有するものの、一旦、足裏が前方へ滑り始めると、前記略等間隔で並設された長状凸部はもはや足裏の滑りを止めることができない。この点、第1凸部領域61と第2凸部領域62の間に凹んだ間隙部7が設けられている本発明によれば、足裏が第2凸部領域62の長状凸部621上を前方へ滑っても、間隙部7において足裏の指先などが第1凸部領域61の長状凸部611の後方面611dに当たるので、足裏の滑りを防止できる。
なお、本発明の階段構造は、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に変更できる。
例えば、上記実施形態において、第1凸部領域61における長状凸部は1つだけであるが、図6に示すように、第1凸部領域61に2つ以上の長状凸部611,611が連なって並設されていてもよい。この場合、第1凸部領域61における複数の長状凸部611,611の形成間隔(長状凸部間の隙間)は、上記第2凸部領域62における複数の長状凸部621間の隙間71と同様に設定すればよい。
さらに、上記実施形態においては、第1凸部領域61及び第2凸部領域62における各長状凸部611,621が、シート本体51の略中央部に設けられた階段用シート5を用いているが、例えば、図7に示すように、第1凸部領域61及び第2凸部領域62における各長状凸部611,621が、シート本体51’の一方の端部寄りに配置されている階段用シート5’を用いてもよい。
かかる階段用シート5’は、図8に示すように、階段構造体の踊り場や屈曲部分の踏み面構造部43’に容易に施工できる。
また、上記実施形態においては、階段構造体上に階段用シート5を固着することによって階段構造10が構成されているが、階段構造体の踏み面構造部の前端部に上記複数の長状凸部611,621及び間隙部7を直接形成してもよい。
本発明の階段構造は、一般住宅、集合住宅、マンション、オフィスビルなどの各種構造物に利用できる。特に、素足で歩行する場合の多い一般住宅に好適に利用できる。
10…階段構造、21,22…蹴込み面、31…踏み面、42…蹴込み面構造部、43…踏み面構造部、5…階段用シート、51…シート本体、61…第1凸部領域、611…第1凸部領域の長状凸部、62…第2凸部領域、621…第2凸部領域の長状凸部、7…間隙部、71…第2凸部領域の各長状凸部の隙間

Claims (5)

  1. 連続して交互に設けられた複数の踏み面構造部及び蹴込み面構造部と前記蹴込み面構造部の上端から前方に突設された段鼻部とを有する階段構造体と、階段用シートと、から構成され、
    前記階段用シートが、1つの踏み面構造部及びこれに続く段鼻部を含む1つの蹴込み面構造部を少なくとも覆う蹴込み面及び踏み面を有し且つ1枚のシート状物から構成されたシート本体と、前記踏み面の横方向に延びる複数の長状凸部であって、前記踏み面の表面よりも凹んだ凹部によって形成された複数の長状凸部と、を備え、
    1つの長状凸部からなる又は2つ以上の長状凸部が連なって並設された第1凸部領域と、2つ以上の長状凸部が隙間を有して連なって並設された第2凸部領域と、を有し、
    前記第1凸部領域が、前記踏み面の前端部に配置され、
    前記第2凸部領域が、前記第1凸部領域よりも上方の蹴込み構造部側に配置されており、
    前記第1凸部領域と第2凸部領域の間に、前記長状凸部の頂部よりも低い間隙部が設けられており、
    前記間隙部の幅が、前記第2凸部領域における各長状凸部の間の隙間の幅よりも大きく、
    前記第2凸部領域の各長状凸部の頂部が前記踏み面の表面と同一平面上となるように、前記第2凸部領域の各長状凸部が形成されており、
    前記階段用シートが、1つの踏み面構造部から段鼻部に沿いつつ蹴込み面構造部にまで固着されていることを特徴とする階段構造。
  2. 前記間隙部における色彩又は模様の少なくとも何れか一方が、前記第1凸部領域における長状凸部の色彩又は模様と異なっている請求項1に記載の階段構造。
  3. 前記第1凸部領域の長状凸部の断面形状が、前記第2凸部領域の長状凸部のそれよりも大きい、請求項1又は2に記載の階段構造。
  4. 記階段用シートが、発泡層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の階段構造。
  5. 前記第1凸部領域の長状凸部の断面形状と前記第2凸部領域の長状凸部の断面形状が、略半円状である請求項1〜4のいずれかに記載の階段構造。
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